2017年01月13日

ドイツからのご依頼。 ニーハイブーツを買う前に、丈詰め篇。

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宅配修理は承っておりますが、
海外からのご依頼は受けておりませんでした。
(または、国内のご実家など経由〜国内便などは受けておりましたが)

が、今年の夏に香港在住の友人に、靴の依頼を受けまして、
って、香港に靴修理店はあるでしょうにと云いましたところ、
仕上りが怪しい感じだったということで遥々ご依頼を。
靴の修理も国を超えて… なんともすごい時代です。

海外からのご依頼ですと、宅配業者も不明ですし、
こちらで荷物の追跡が出来るのかどうかも…。
受け取りが心配でしたが、どうやら日本郵便が国内は
取次ぎ業者?のようで無事キャッチ。

一度経験してみて大丈夫そうでしたので、
今回は、ドイツからのご依頼も受付させて頂きました。
一応、発送の際に日本郵便(EMS)扱いでできればということで
お願い致しましたので日本郵便さんが宅配に。

でもあまりスタッフの方が慣れていないようで、
届け先と依頼主がテレコになっていて、
なになにさんですか(依頼主さん)?と聞かれる。
伝票記載がドイツ語なので、どちらがどちらなのか…
と云う感じでしょうか。

ちなみにご返却ですが、私は海外発送はできませんので、
ご依頼主さんが、お正月の一時帰国の際に受け取るとのことで、
ご実家宛に配送となっております。

箱に貼られた「vorsicht glas」の赤テープ。
グラスマークで伝わる感じですが、「割れ物注意」。

国内便でさえ、割れ物注意シールが貼ってあっても、
平気で箱が潰れていたりするので海外発送の際は、
これでもかっていうぐらいのアピールがよいと思われます。
before
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グレーのブーツがドイツから、キャメルが国内からのご依頼。
どちらもニーハーブーツを通常丈に仕様変更。
丈詰めでご依頼いただく五割ぐらいが、
ニーハイからの変更のような気がします。

男の私には、ニーハイを履く機会がないので、
どんな感じか分かりませんが、
なかなかフィティングなどが難しいのでしょう。

そもそも足の長さや、膝下の長さなどは人それぞれですので
かといって靴のサイズのように、筒(シャフト)のサイズ別
なんてものはないので、ニーハイブーツの購入には
妥協が必要になるのでしょうが、やはり履き難い…
となるパターンなのでしょうか。

ご希望の位置でカッティング。
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1210-34
1210-13
これぐらいカットしました。
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カットするラインもご希望に添えますのでお伝えください。

丈詰め補修で一番時間が掛かるのが、左右のカット位置をあわせること。
ロングブーツは、もともと左右で多少誤差があります。
またすでに履いている場合は、履き皺なども入りますので
余計に長さの誤差が分かり難くなります。

また、革のパーツだったり縫い目の位置だったりも
左右で異なっている場合がしばしばなので、左右で同じ長さにカットしても
余白が違って見えたりする場合もあるので、その辺の微調整も大変です。

グレーのブーツはファスナー付きですので、これも一度分解してから
カットして、再度組み立てが必要になる部分です。
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二足とも裏地無しでしたので、履き口部分には
それぞれ帯革を宛てがい補強を行います。
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そして最後に縫製。
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それぞれ違うミシンで縫製しているのですが分かりますか。
間違い探しの様ですが。
キャメルのブーツは右から腕が出ていますので、これは17ミシン。
グレーのブーツは左から腕が出ていますので18ミシン。

この場合は、どちらも17ミシンで縫製するほうが縫い易いのですが…
ミシンの違いは伝わっておりますでしょうか。

腕(家庭用ミシンですと台の部分になります)が左右どちらから
出ているかによって縫える位置が違ってくるのですが。
ちょっと右脳で想像していただけると、
「あ〜なるほど」と思っていただけると思います。

17ミシンは右から腕が出ていますので、そこへ筒を差し込んで
くるくる回しながら縫製すればいいのですが、18ミシンの場合は…
ご想像にお任せ致します。

グレーのブーツは、18ミシンで縫製しているので
ご想像の通りやや無理をして縫っております。

ミシンにより癖がありますが、うちの17ミシンですと
#30の糸で縫製する場合、糸調子がいまいち合わせずらいので
18ミシンでやや無理をして縫った方が縫い目がきれいに仕上がります。

「きれい」と云うのは、もちろん縫い目がレロレロと
曲がっていないなどの事ではなく、
糸目の締まり具合、革への沈み込み具合といいましょうか。

一般の方には恐らくどちらのミシンで縫製しても
気づかれないとは思うのですが、NHK風に云いますと
それは「仕事の流儀」的な感じでしょうか。

キャメルのブーツは#8の糸で縫製するので、
(他の部分が#8で縫われているので)その場合は、
17ミシンのほうが糸の締まりがいい感じなので17で。

AFTER
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1210-2
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「仕事の流儀」的な感じの縫い目、伝わりますでしょうか…。

ニーハイブーツをご購入の際には、
膝裏にあたって痛くならないかな… 歩き難くないかな…
などなど違和感なく履けるのかどうか
よくよく検討されてからご購入されることをお勧め致します。

ampersandand at 13:05│ 靴修理