2017年06月09日

クラークスの修理専門店ではないのだけれど… その壱

「Although it is not a repair shop specializing in Clarks…」no.1
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続々と毎月ごとに集合してくるクラークス…。
なので、現行品と20年選手が一緒に並ぶ事も。
中底や中敷きの仕様が現行品と違っています。
右/20年選手
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はたまた、新品のデザートブーツをソール交換するというのもあったり。
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クラークスといえばクレープソールですが、
これはソールでは唯一かと思いますが天然素材となります。
ゴムの木の樹液から抽出したものから、天然ゴムを作り出して
使用しています。

ですので、天然素材ゆえに気温によってベトベトしたり
カチカチになったりと変質し易い素材です。
また、素材の入荷時期によっては色合いや堅さにブレがあります。

しかも、接着するにもちゃんと表面を溶剤で処理しなければ
接着不良になるので、余計に手間が掛かったり、知識不足だったりと
修理店によってはあっさりと修理不可の塩対応を
される場合もあるようです。
*普通に修理できますのでご安心を。

では分解。
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クラークスは、ほとんどステッチダウン製法ですので、
底縫いを解きますと、アッパー(本体)とソールにぱかっと分かれます。
クレープソールの汚れ具合のグラデーション。
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分かれますと…
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こんな感じで抜け殻状態です。
ちなみにダナーのステッチダウン製法ですとこんな感じ。
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通常はソールを剥がしてもこのような感じで中底と
アッパーは一体化していて、中底はソール交換でもそのまま残ります。

これらのクラークスの場合は、中底兼ミッドソールとなっております。
ミッドソールと云う名の中底になっていますので、
ソール交換の際には中底も交換になります。

現行品のクラークスは、中底がフェルト状の素材でできておりますので
ソール交換の際にはほとんど亀裂が入ってしまっております。
亀裂部分から底縫いが解けてしまい、ぱかっとなってしまう場合も。
ですので、当店では丈夫なショルダー部分の革中底にて交換を行っています。
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なお、クレープソールはソールの中で恐らく一番柔らかい素材ですので
履き込んでいきますと、徐々に足型に潰れてゆきます。
一般的な靴でも履き込みますと潰れるのですが、クレープソールの場合は
柔らかいので沈み込み方も半端ないのです。
ちょうど、新品と20年ものがありますので沈み込みを比べてみましょう。
左/20年 右/新品
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これでは分かり難いので、定規を宛てて沈み込みを見てみます。
定規の影に注目してみてください。
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影がなみなみになっているのが分かるかと思います。
これは踏みつけ部分と親指部分が歩行の際に
強く踏みつけられているので、ソールが凹んでいるという事です。
最深部は、5.0から9.0mmぐらいは凹んでいるのではないでしょうか。
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右足の親指部分は、ミッドソールも貫通してしまい
クレープソールにまで浸潤しています。

これだけ中底が凹んでいるということは、どういう状態かといえば
いい意味では、「馴染でいる」と云えますし、
悪く云えば「緩くなっている」とも云えます。

ですので、中底が凹むという事は…

眼がしょぼしょぼしてきましたので、今日はこの辺で。
「その弐」に つづく…。

ampersandand at 23:32│ クラークス