2017年08月09日

カンペール PEUはPEUでも。 三者三様オールソール篇

毎月全国から届くカンペールのオールソール…。
そんな当店の「カンペールのオールソールビック3」は、

ペロータス/PELOTAS
ブラザーズ/BROTHERS
ペウ/PEU
となっております。

ペロータスとブラザーズのソールは、本体のデザインが異なっていても
ソールの仕様は同じなので、補修のご案内も行い易いのですが、
PEUに限っては、見た目は同じようでもソールは三者三様。

それぞれ底付けの製法自体が異なっております。
その中でも舟底タイプは特殊形状になっておりますので、
ソール交換費用も他に比べて倍近くと費用が跳ね上がります。

こちらが噂の「チームPEU」。
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一見、同じように見えますが…

まずはこちら、
靴の周囲に縫い目があるタイプ。
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表の縫い目が底面の矢印の縫い目となります。
こちらはステッチダウン製法となり、本体のブラウンの革を
L字に折り曲げ、その部分とソールまたはミッドソールを縫い付ける製法です。
ちなみに、こちらのPEUは履き過ぎの状態です。
本体の部分まで摩耗しておりますので、もう少し早めのご依頼を。
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底縫いを削って剥がしますと、ミッドソールは見えてきます。
このモデルは、この部分は交換ができません。
このミッドソールと中敷でスポンジシートを封入している
仕様になっておりますので、このミッドソールを剥がしますと
封入されているスポンジが、恐らくぼろぼろと
凹凸に剥がれてきてしまったり…

その結果、靴の容積が変わってしまう
可能性があります(サイズが変わってしまう)。
ですので、このミッドソール以下でのソール交換となります。

続いてこちら。
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靴の周囲には縫い目がありません。
底面をみてみますと縫い目があります。
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こちらはマッケイ製法になります。
靴の中側、中底面で底面と本体を貫通して縫製されております。
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ちなみにソール割れです。
カンペールのソールは比較的劣化により割れ易い?
素材が使われているようです。

続いてこちらが問題の舟底モデル。
製法はサイドマッケイ製法とでも云いましょうか。
ソールが側面までせり上がり、側面で本体と貫通して縫製されております。
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こちらもソールが割れていますね…。
劣化し易い素材をサイドのソールが薄い部分で縫製しているので、
縫い目にソールが負けて割れてしまう…トホホ…ですね。

ちなみに、キャメル系のソールであればクレープソールで
同じようにくるむ感じで覆い、サイドマッケイで縫製できるのですが、
この場合もクレープソールが薄いので、
のちのち縫い目に負けて…トホホ…となりますので、
当店ではその仕様では行っておりません。

当店では、ソール交換(または補修)で使用する素材は、
それぞれ劣化が起こり難い素材を選んで、
ご提案させて頂いておりますのでご安心して頂ければと思います。
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ソールを剥がすには、サイド部分の縫い目を削ります。
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外観からですとソールが厚そうに見えますが、
剥がしているソールの断面をみて頂くと、薄いのが分かるかと思います。
ソールの厚みは実質3.5mm程度です。
そして、ソールを取り除きますとこんな感じ、埋まっています。
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この埋まっていた部分の処置で費用が跳ね上がります。
ときどきメールでのお問い合わせで、費用が高いので
「埋まっていた部分はそのままでいい」と云われる事がありますが
ご覧のようにガサガサですし、革の表面もやや痛んでおり、
また、ソールとの境目部分がしばしば裂け始めていたりしますので
「そのままで」というのは耐久性に問題がありますのでお断りしております。
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ちなみに、埋まってた部分はこんな感じで革をつり込んで縫製しております。
巻革の色は、元のソールの色合いに合わせてみたり、
本体の色に合わせてみたりとカスタム可能です。
補修詳細はこちらの記事を参照ください。
カンペール革巻き補修その壱
カンペール革巻き補修その弐
カンペール革巻き補修その参

それではそれぞれのAFTER篇になります。
まずはステッチダウン製法のPEUモデルから。
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もともとの朱色のソールカラーに近い色でソール交換を行っています。
ミッドソールを追加し底縫いを行い、軽量でクッション性の高い
スポンジソールを取り付けております。
vibram#8365(伊)/ミッドソールRED/かかとつま先ラバー補強仕様

かかととつま先ラバー補強というのは、
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こんな感じで一度完成させてから、あえてつま先とかかと部分を
一段凹ませ、耐久性の高いラバーを埋め込んでおります。
スポンジソールは軽量でいいのですが、やはりラバーソールに比べると
摩耗し易いので、減り易い部分には始めからラバーで補強を行っております。
(もちろん無しでも可能です)

色違いでこちら。
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先程と同じモデルですが、ソールの色がブラックになっております。
ミッドソールを赤色にしてゴムの色に合わせてアクセントに。
ソールの色を変えると雰囲気もがらっと。
TOPYラバーシート(仏)/ミッドソールRED仕様

続いて先程のマッケイ製法の、と思ったのですが
AFTER画像が見つからないので、こちらの同じマッケイ製法のPEU
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ミッドソールを追加し、底縫いを行いラバーソールを取り付けてあります。
TOPYラバーシート(仏)/ミッドソール仕様

最後に舟底モデルのPEU。
革巻きは本体の色に合わせてダークブラウンで。
ソールの色は、元のオレンジ色に合わせる仕様で。
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レザーミッドソールを取り付けマッケイ製法で底付け。
その土台に、スポンジソールを取り付けています。
ですので、摩耗しましたら底縫いを切らずに部分補修が可能です。
レザー部分は染色できるので、オレンジに染め付け。
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革巻きのメリットは手間は掛かるのですが、ソールが不定形に
本体と組合わさっていても、そのソールラインに合わせて
革を巻き付ける事が可能と云う事です。
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以上、三者三様PEUオールソール篇となります。
一概に「PEU」と云ってもこんな感じで方法が色々とありますので
オールソールをご検討の全国の「ペウラー」の皆さんの
ご参考になれば思います。
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ampersandand at 23:33│ カンペール