靴修理

2019年05月18日

こんまりしても残ったブーツ。 パラブーツの丈詰め篇

「I need to KonMari」
アメリカでその名前が片付ける(断捨離する)という動詞として
使われているという近藤麻理恵さん。
片付けの方法は、それが「ときめくかときめかないか」
断捨離していくという。

ご来店のお客様は、こんまりメソッドを実践したわけではないのでしょうが、
持ち物を整理して履かない靴は知人に譲り、この靴も丈が長く
結局余り履いていないということで、どうしようか悩んだ結果、
丈詰めしてみたら履けるようになるのではないか、
ということでご来店頂きました。
2018-025

編み上げのブーツでよくあるパターンですが
今回のようなくるぶしより数センチ上まで隠れる高さですと
だいたい履き難さを感じ丈詰めされる方が多いです。
お勧めの高さはくるぶしがちょうど隠れる高さが履き易いと思います。
くるぶしが隠れて固定されると靴が安定し足と一体化した
感じの履き心地が味わえます。
(革がしっかりしている場合は馴染むまではそうではありませんが)
2018-026
今回も8ホールから6ホールに丈詰め。
5ホールか悩まれましたが、5ホールですと外側のくるぶしに
履き口断面がかかっている状態でしたので靴擦れが起こし易い
可能性がありました。

また引っ掛けホックも一個だけ残るという中途半端な感じも否めず、
またベロと繋がっている仕様でしたので5ホールにすると
ベロの連結部分も一部カットするなど仕上がりが複雑になってしまう
ということもあり5ホールに。
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くるぶし周辺でカットする場合の高さの目安として、くるぶしが完全に
でるか隠れるかどっちかに設定したほうが宜しいかと思います。
カット断面が中途半端にくるぶしと接すると擦れたり骨に当たったりして
痛みの原因になる場合がありますので。
2018-0282018-0292018-030
カットした部分の両端の角はオリジナルのように丸い形状にしたいところですが
フック金具との距離が近くなり過ぎて強度不足となりますし
裏面に繋がっているベロと干渉してしまうので丸めずに仕上げてあります。
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カットした断面は表面を削って整え、コバ処理を行いブラックに染めて
仕上げています。
そうしまして完成となります。
AFTER
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履き難くて余り履いていないということですが、すでに筒が外側にぐっと
押し出されてくるぶしの形に癖づき始めているので、
丈詰めして出番が多くなれば今後はより馴染んで履き易くなる事でしょう。
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しっかりした作りだったり、革が硬めのブーツだと可動域の足首周りの革が
始めは硬く負担を感じる事があるかと思いますが、それがある程度
足に馴染んでくると逆にそのしっかりとした感じがホールド感を高めて
とても履き易くなります。

革靴全般に云えますが新車の車と同じでならし運転期間が必要かと思います。
靴が自分の足を記憶する時間が必要かと。

当店に持込まれるご依頼品の中にはそもそも構造的に問題があったり
素材の劣化が進んでいて修理には向いていないモノもあります。
そういった品は「修理はおすすめ致しません」とお伝え致しますが
それでもご依頼主さんは治してくださいと云います。

それはきっとなにかしら「ときめいた」品々なのだろうと思います。
モノであふれている現代で、捨てずに修理してでも使い続けたい
モノたちということですので。

当店では、
「I don't need to KonMari」
だな、と思う今日この頃…。

ampersandand at 20:03|Permalink

2019年04月29日

ローファーを購入する人が失敗するサイズ選びあるある。

サイズ調整して下さいというお問い合わせがありますが
「かかとに1.0cmくらいの隙間ができてぱかぱかしています」
この場合はサイズ調整というか、外で履いていなければ返品交換を
お勧め致します。
そもそも選択されたサイズが大幅に間違っている状態です。

ぱかぱかシューズに多い靴種は主にローファー。
ローファーは紐靴と同じような感覚で購入してしまうと
だいたいサイズを間違ってしまいます。

パターンとしては、甲の部分がきつく感じるのでワンサイズ、ツーサイズ
大きめを購入してしまうというあるある。
その結果、歩くたびに靴の中で足が前に滑るし、蹴り上げると
かかとが付いてこずぱかぱか…。
190426-A
そもそも紐靴と違って足を入れるだけの構造なので
甲の部分で抑えるだけで基本的にはスリッパと同じように
つっかけて履いているような状態です。
更に、足入れがし易いように履き口周りもあまり内側に倒されておらず
トップラインが低めに設定されています。

ではそのつっかけて履いている状態で脱げないようにするには
どうすればいいでしょうか?
紐靴であれば紐を縛れば抑えられますが、ローファーの場合は
調節が出来ません。
ですので、そもそも甲の部分を窮屈に設定してあります。
甲の部分でのみで足が抜けないように押さえつけているわけです。
190426-A013
*黄色点線部分が絞ってあり、紐靴の靴型より甲も低く設定されています。

なので紐靴と同じ感覚で試着してしまうと、甲の部分はきつく感じるでしょう。
きつく感じないワンサイズ大きめを購入してしまうと甲は楽にはなりますが…。
歩いてみると、甲で抑えられずワンサイズ大きめなので
縦方向にも緩くなっているので足が前に滑ってしまうというわけです。
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紐靴と比べて足を覆う部分の少なさ、この少ない面積で
抑えなければならない靴なのでそもそもが窮屈な設定なわけです。

この逆なパターンもあります。
窮屈だけどかかとがぱかぱかならないので購入して履いてみたけど
甲の部分がきつくてしばらくすると足がしびれる…。

「甲の部分を広げてほしいのですが…」

ローファーは甲の部分にだいたいベルト状のパーツが付いていますが
この部分を伸ばす事はできません。
この部分で抑える為にしっかりと作られておりますし
伸ばそうとすると、ベルトパーツの付根部分の縫製や革に負荷が掛かって
裂けてしまいますので。

ベルト状のパーツがなく、甲からベロまで繋がってるタイプのモデルは
反り上がる付根部分でそもそも裂け易いデザインなので走ったり、
階段を駆け降りたり、しゃがんだり、立った状態で履こうとしない方が
宜しいかと思います。

ローファーの壊れ易い箇所あるあるでは、甲の付根以外だと
かかと部分内側になります。
紐靴のように甲の部分とかかとの芯材で足と靴を固定できないので
歩行の際にかかとが浮かび上がり履き口でひっかかるという動きを
繰り返す結果、内側部分が擦れ易い傾向にあります。
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こんな感じで擦れていきます。
ローファーは履き口部分にはイタリアンテープが施されていて
トップラインに縫い目がない場合がほとんどです。

その場合、内側に革を宛てて縫製する際にトップラインに縫い目がないので、
新たに縫い目が出来てしまいます。
縁取りのイタリアンテープを分解して行なえば、
元通りに補修は可能だと思いますがあまり現実的ではありません。

ですので擦れているようであれば、レザーローションで保湿しておくことで
擦れの進行を遅らせる事が出来ると思います。
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ちなみに女性が履くパンプスでは、ほぼ指先のみで脱げないように
なっていますので、その指周りの窮屈さはローファーでひいひい云っている
男性には耐えられないでしょう。
解剖学の先生が云うには、女性は子供を産む時の痛みに耐えられるように
男性より痛みには強くできている、ということを聞いた事がありますが
それはパンプスを履くのにも役立っているのかもしれません。

高校生になって学校指定でローファーを履かなければならない
学生は多いようですが、それまで革靴を余り履いた事がない子供が
初めて履く革靴がローファーというのは酷な事のように思います。
学生ローファーは主に、ガラス加工された硬い革で出来ていますので
なおさら履きづらいでしょうに…。

初めての革靴でそれまで履いていたスニーカーのような柔らかなフィット感で
サイズ選びを行なえば、おのずとサイズオーバーに陥り易いかと思います。
そして日常の脱ぎ履きでは、かかとを踏んづけてしまう生徒も多いでしょう…。
(かかとを踏み潰してしまうと靴としてはお役目終了です)

ローファーではなく外羽の紐靴が初めての革靴には、
また骨格形成される成長期の子供には健康にもいいのではないかと思います。

ちなみに私の高校は学ランでしたが、靴は自由でしたので
「学ランにエンジニアブーツを履く」という謎の高校生でした。
下駄箱には入っていたのでしょうか?記憶にありません…。
その後、エンジニアブーツを履いた事は無く、
特別エンジニアブーツが好きだったわけでもなさそうですので、
若気の至りというやつだったのでしょうか…。

ローファーに関連して以前ユニークな修理をした事がありましたので
宜しければこちらもどうぞ。
「ALDENのリジェクト品を正規品に…。」

次回、
「ウェルテッド製法の靴を半年後に後悔しない為のサイズ選び篇」
になります。


ampersandand at 21:58|Permalink

2019年02月21日

普段やらないウェルト交換 A . MANETTI  半カラス篇

前回までのあらすじはこちら
A . MANETTI  分解篇
A . MANETTI  ウェルティング篇

底付けが前回までで終わりましたので、残すはヒールの取付けと
底面の仕上げになります。

ヒールの積上げ
一段目は靴底の丸みが強いので、取り付けた積上げ革の
膨らんだ中央部分を削り落として平に加工します。
その後、ヒールの角度を見ながら今回は三段積上げし
最後にダヴリフトを取付け化粧釘を打ち込みます。
ウェルト交換015ウェルト交換014ウェルト交換013

つま先部分はビンテージスチールをセットするので
その厚みの段差を加工しておきます。
既製品でスチールを取り付ける為にこの加工をすると、
だいたいの靴は底縫いの糸が切れてしまいます。
(切れてもスチールを固定するビスで固定されるので問題はないのですが)

オールソールの際に同時にスチールも取り付ける場合は、
凹みの加工を行なっても底縫いの糸が切れないように
出し縫いがかかる溝を深めに設定し底縫いを行なっていますので
画像のように凹みを作っても糸が見えてきません。
ウェルト交換012
革底面の表面はバフ掛けして表面を綺麗に整えてあります。
整えて綺麗にした表面をふのりで磨いて艶を出します。
ウェルト交換011
踏まず部分は今回は半カラス仕上げでご注文頂いておりますので
ふのりを付けず磨かずに残しておきます。
踏まず部分を染めるのでマスキングをし染料で
いっきに染め上げます。
ウェルト交換009ウェルト交換010
ウェルト交換008
染料でダークブラウンに染めた部分には気泡や埃などが
どうしても付着してしまいますので、#1000くらいの
紙ヤスリでコキコキと表面を研ぎます。
ウェルト交換007
研ぎ上げて表面が平滑になりましたら、防水と艶だしを兼ねて
メンチュウロウを塗布し、温めた鏝で薄く溶かし広げ伸ばします。
その後、布で再度コキコキと余分なロウを取り除き
艶が出るまで磨き上げます。

そうこうしましてようやく完成となります。
踏まず部分はオリジンルではウェルトが削られ接着のみで
縫われておりませんでしたが、しっかりと縫って仕上げております。

ですので、その分出し縫いの際にはウェルト部分の幅が
必要になりますので、踏まず部分のくびれは多少横幅がオリジナルよりは
広くなっている設定になります。

といっても充分踏まず部分はくびれているとは思うのですが、
どうでしょうか。
ウェルト交換006ウェルト交換002
ウェルト交換005
190219-1
これだけ磨き上げて仕上げても、一旦路上に出てしまえば…。
ですのヒドゥンチャネル仕様(半カラス仕上げ)に費用を掛けるより、
実質剛健なチャネル仕様でハーフソールスチール併用を
お勧めするわけなのですが…。

江戸っ子気質な、粋なヒドゥンチャネル仕様だなぁと思う
今日この頃…。

ampersandand at 23:52|Permalink

2019年02月19日

普段やらないウェルト交換 A . MANETTI  ウェルティング篇

前回のあらすじはこちら

前回はソールを剥がしてみたらやっかいなウェルテッド製法だったので
あら大変…というところまででしたので、
今回はウェルト取り付け篇ということになります。

まずは革底を縫い付けるためのウェルトを縫い付けなければなりません。
ただ通常のウェルテッド製法であればすくい縫いする穴が
ちゃんと見えているので大変ではないのですが、今回は
アッパーの革が被って縫い穴が見えないし、縫い穴も
中底に切り込みを入れた部分の奥底に…。
ウェルト交換063
穴の位置関係が分からないのでマチ針で確認…。
つま先部分などはピッチが変わっているし、先芯も入っているので
分かり難さ倍増です。

位置が分かったところですくい縫いしてウェルトを固定していきます。
ウェルト交換030
縫って…
ウェルト交換031
縫って…
ウェルト交換032
縫って…
ウェルト交換033
つま先でようやく半分折り返し…
ウェルト交換038ウェルト交換039ウェルト交換040
ウェルト交換041
縫い付けているウェルトは濡らしてあります。
濡らす事で柔らかくなってカーブなどは縫い付け易いのですが
濡らした状態でテンションを掛けて縫い付ける事で
乾燥した時には、ぱりっとウェルトがいい感じで張ってくれます。

かかと部分は一般的にはハチマキと呼ばれる別パーツを
取り付ける事が多いのですが、
今回はオリジナル同様に一周ぐるりとウェルトが取り付きます。
かかと部分は合理的にタックス(アルミの釘)で潰して
固定されていましたので同様に固定しておきます。

一周回してきましたら、ウェルトの端同士は互い違いに漉いてありますので
重ねて同じ厚みになります。
ウェルト交換037
ウェルト交換042
取り付けたのは靴の周りに張り出しているこの部分。
全部が全部このように張り出しているタイプは、
中底に縫い付けられているウェルテッド製法かというと
そうではなく、マッケイ製法やセメンテッド製法では飾りウェルトという
パーツを間に挟み込んでいるだけの仕様もあります。
ウェルト交換044
ちなみに下画像が一般的なグットイヤーウェルテッド製法。
縫い付ける部分の革が被さっておらず、段差部分がよく見えると思います。
これだとかなり縫い付ける手間は楽なのです、穴が見えていますので。
ウェルト交換048
今回の靴で不思議な点が一点。
靴には踏まず部分にシャンクと云われる主に金属製のプレートが
施行されてヒールと踏まず部分を支えている背骨のようなパーツがあります。
通常そのパーツは踏まずに添ったラインで取り付けられているのですが
今回はその反りが逆向きでセットされていました。
ウェルト交換046
ちょっと分かり憎いのですが踏まず部分が膨らんでいると思います、
一般的にはこの反りは逆反りでセットするのですが…
なにかこれに効果があるのかどうか分かりませんが、
MANETTI工房の考えなのでしょうから同様にセットしておきます。

一応持ち主さんに、「逆向きで入っているんですけどー」と
確認しましたが、元通りでOKということでした。

国産の工場ライン製造ものと違って、あちらの工房モノっていうのは
時々あれっ?という一般的な仕様と異なっている場合があるので
有りなのか、無しなのか、驚きと困惑の間で…という感じです。

ウェルトが取り付けましたら、中もののコルクを入れます。
ウェルト交換047
もともとは薄いスポンジが入っていましたが、柔らかすぎるので
コルクの薄めを入れて余分を削り落とす事にしました。

オールソールするまで履き込んでいるので、
中底には足型の跡がしっかりと付いています。
ですので、これ以上不必要に中底が沈下するのを
予防する意味合いも含めコルクにしました。

次に革底を取り付けてヒドゥンチャネル仕様の加工を行ないます。
この加工は恐らく靴でしか行なわない作業だろうと思います。

ですので受付の際にこの部分の処理を口頭でご説明しても
イメージできず???と思われる事がしばしばです。
ヒドゥンは隠す、チャネルは溝、溝を隠す仕様と云う事になります。
ウェルト交換022
革底の端に革包丁を差し込んで15.0mmくらいの幅で厚みは1.0mmくらいで
革に切り込みを入れていくイメージでしょうか。
お刺身をおろす時に、おろしきらない感じでしょうか。

靴底もつま先側や踏まず部分でそれぞれ底面の丸みが異なりますので、
それに合わせて差し込んでいる包丁の角度も微妙に変えながら
切り込んでいきます。
ウェルト交換023ウェルト交換024
切り込みを入れ終えたらその部分を起こします。
端は薄く奥は厚めにというイメージで包丁を入れ込んでいますので
端の部分は革がひらひらするくらい薄くなっています。
革を起こした部分に溝を掘り、その溝に出し縫いを行います。
ウェルト交換025ウェルト交換028
革底での交換の場合、その多くはチャネル仕様、革底面に底縫いの縫い目が
見える仕様でご依頼されますが、
このヒドゥンチャネル仕様というのは当店の場合、
年に数件程度ご依頼があります。
ごく僅かなのは、私がお勧めしないということと、
手間が掛かるのでその分費用も割高になるのが理由かと思います。

お勧めしないのは、ヒドゥンチャネル仕様にするのであれば
チャネル仕様にハーフソールスチール併用仕様を
オプションで付けられた方が、それより費用は安くなりますし、
耐久性も格段に良くなるからであります。

費用が高い方を進めないというのは経営者としてはまずいのですが…。
といっても今回のご依頼主さんのように、
私が懇切丁寧に併用仕様のメリットをご案内しても、
「ヒドゥンチャネル仕様で。」という方もいらっしゃるのですが。

しかもつま先にはスチールを付けないということでしたので
そこは説得して付けて頂きましたが。
オプション追加を説得する経営者というのもいかがなわけではあるのですが。
しかしつま先がすぐに減ってしまうのは目に見えていましたし、
現に今まで修理された靴はすべてつま先がやられていましたので。
(歩き方によってはつま先が余り摩耗しない方もいらっしゃいます)

ウェルトと革底に出し縫いを掛けましたら、
今度は先程起こした革を伏せて縫い目を隠していきます。
ウェルト交換029

疲れ目で瞼がぴくぴくとしてきましたので、
今回はここまでと致します。

次回は仕上げの「靴底お化粧篇」になります。

ampersandand at 19:15|Permalink

2019年02月04日

普段やらないウェルト交換 A . MANETTI  分解篇

今回ご依頼品の靴はウェルト交換の必要があったのですが、
履き過ぎて擦り減った事が原因ではなく
もともとの靴の設計に問題があったのかもしれません。

今回の患者さんはこちら
ウェルト交換050

以前リフト交換の際にご相談を受けていたのですが、
これはその時期になったらオールソールできますかと。
ウェルト交換052
初見ではウェルトの幅が狭過ぎていて、縫い目が端ぎりぎりで
縫われ過ぎているので、ん〜。
ウェルトの幅もほぼこの縫い目一本分のスペースしかありません。
端を縫い過ぎているのでコバ側面には、縫った糸の厚みで
断面がもりもりと凹凸が見えてしまっているぐらいのぎりぎりさ。

ソール交換には新しく革底を取り付けてからウェルトと一緒に
貼り合わせ部分に凹凸が無くなるように側面を削りますが、
(削ると云っても何ミリも削るわけではなく、1.0mm以下程度)
その際に縫い穴が端に設定され過ぎていると穴が貫通してしまいます。

どういう事かと云いますと、略図ですがこんなイメージ。
コバ断面
A・交換前の状態、縫い穴が端にあり過ぎています。
B・ソールを取り付けて段差を削っていくと、穴がでてきてしまいます。

伝わっていますでしょうかこの感じ。
例えばDIYで木材を貼り合わせてその境目の段差が目立たなくなるように
ヤスリで互いを繋げて削ると思うのですが、そんな感じです。
削るというか表面をならす行程です。

ですのでこの状態ではソール交換の際の出し縫いができない
可能性がありそうですねと。

で、月日が流れその時期になり持ち込まれた靴をみてみると
むむ、漉い縫いが切れて、いやウェルトの縫い穴も裂けていますね…。
ウェルト交換051
こうなってしまうと出し縫いうんぬんではなく、ウェルトと本体を
固定している漉い縫いの穴が裂けてしまっているので、
ウェルト交換から行なうしか方法がありませんが…費用がかなり掛かります。
ウェルト交換+オールソール交換費用になりますので。

まずは分解。
積上げを外して、残った出し縫いを削り革底を剥がしていきます。
ウェルト交換055ウェルト交換056
踏まず部分に縫い目がありませんね。
ウェルト部分が絞られて出し縫いが見えていませんでしたので
ベベルドウェスト仕様かなと思っていたのですが、
単純に縫っておらず接着のみの仕様でした。
ベベルドウェストというのは、ウェルトまたは本底を薄く加工して
巻き上げて包み込む仕様になりますが、詳細は割愛致します。

ソールを剥がしてみたところ、グットイヤーウェルテッド製法ではなく
ハンドソーンウェルテッド製法ということが分かりました。
ウェルト交換057ウェルト交換058
ウェルトの幅が狭っ!!
あとで新しく縫い付けるウェルトと比べて頂くと
恐ろしく狭いのがお分かり頂けるかと思います。
ウェルト交換059
この設定ってウェルテッド製法で作る意味が無いような気がします。
そもそもウェルテッド製法というのは、何度もソール交換し易いように
考案された製法なのですが、このウェルト幅だと交換する際の
出し縫いで漉い縫いの糸は必ず裂けてしまいますし、
といいますか現状の状態でも漉くい縫いと出し縫いの位置が同じなので
すでにそうなっているのですが…

ですので結果的に履き込んでいくとその負荷で糸が徐々に
裂けてしまったのだろうと思われます。

本体から出ている糸はウェルトと中底を縫い付けていた糸になります。
ウェルト交換060ウェルト交換062ウェルト交換061
本体とウェルトを分解。

ここまででいったいそれがどのような状態なの?と
イメージが付かない方もいらっしゃるかと思いますので
略図を作ってみました。
略図はこんか感じで靴をカットした断面図イメージとなっています。
W6
W5
まずは一般的なグットイヤーウェルテッド製法。
グットイヤーウェルテッド製法というのは、
それまですべて手縫いで行なわれていた作業を、
19世紀後半に発明されたミシンで、手縫いでしかできなかった行程を
一部仕様変更することで、代わりに縫製することが
できるようになった製法になります。

リブと云われる綿テープ(黄色)を中底に接着し、
そのリブと本体の甲革とウェルト(水色)を横方向で縫製しています。
そしてウェルトと革底を縦方向に出し縫い(緑色)で縫製しています。
オールソールとは、この出し縫い部分からやり直す行程になります。
W1

リブを取り付けているので、その分、革底との間に空間ができてしまいます。
この空間に5.0mm厚程度のコルク(オレンジ色)などで充填して埋めています。
ですのでグットイヤー製法の靴はコルクという厚いクッションが
入っていますので、履き込んでいくと自分の足型にコルクが沈みこんで
馴染み易いと雑誌などで謳われています。

ここで少しイメージして頂きたいのですが、沈むということは…
そうです、靴内部の容積が増えると云う事ですので、
結果、履き込んでいくとサイズが大きくなるという事にもなっています。
ですので、特にウェルテッド製法の靴の購入の際には、
その事を念頭において購入する必要があると思います。

181105blog19
次にハンドソーンウェルテッド製法というのはミシンを使わずに
その名の通り、すべて手作業で行なう製法になります。
グットイヤーとの違いは手作業かミシンの違いというだけではなく、
同じウェルテッド製法ではあるのですが構造からして違っています。

グットイヤー製法では中底にリブを貼付けていますが、ハンドソーンの場合は
革中底自体を加工し、直接ウェルトを縫い付けています。
その為、コルクをいれるような空間は少ないので
今回の靴では薄いスポンジを入れてありました。
ですのでハンドソーン製法はグットイヤー製法に比べると、
中底の沈み込みは少ない傾向にあると思われます。
W2

革底に溝を作りその段差を利用しウェルトを漉うように縫製していきます。
略図では省力していますが、掘った溝は漉い縫い後に元の革で埋め戻します。

リブを別パーツで取り付けないので、ハンドソーンウェルテッド製法のほうが
グットイヤー製法より靴底の返りはいいとされていますが、
実際はどうなのでしょうか、わたしには判断がまだ付きませんが。

同じ材料で靴を作って、右はハンドソーン、左はグットイヤーというような
実験ができれば判断ができますが、違う靴で比べてもしょうがないですし。
革底や中底の厚みや甲革の硬さなどなどすべて設定が違うわけなので。
どこかのユーチューバーが実験してくれたらいいのですが。
その際は履き心地という主観的なものではなく、なにかの計測器で
靴底の屈曲率みたいな感じで計測してくれるといいのですが。
W3


で次に今回の靴もハンドソーンなのですが…また厄介な代物でした。
通常は漉い縫いする段階で余分な釣り込みシロの
甲革はカットしておくのですが、
今回の靴は甲革が残ったままで底面に被っていました。
漉い縫いの穴が見えないではないですか…。

そして漉い縫いする溝もなく、中底に切り込みを入れたところで
縫製している仕様になっていました…。
漉い縫いの穴がまったく見えないではないですか…。

で、先程のウェルトの幅が狭く出し縫いの糸と漉い縫いの糸が
同じ位置で縫製されているという状態が断面図で分かるかと思います。

こんな設定ではそもそもオールソールできないじゃん…ていう感じです。
なのでウェルテッド製法で作っている意味がないじゃん…と。

その弐に続く…



ampersandand at 23:46|Permalink

2018年05月31日

できればヒールは外さないでおく。

ハイヒールってどうやって固定されているかご存知でしょうか。
知っていれば走らないとは思いますが…。

アジア圏生産の靴なんかは、ホチキスみたいなのでぽちっと
留めてあるだけのものなんかもあります、恐ろしい…。
階段降りている最中にハイヒールがはずれてしまった時には…
ダッシュしている時にぽきっと…

足首をやられる程度で済めばいいのですが…。
2018042802520180428024
ハイヒールは基本的には釘が5本と真ん中に太めのネジで固定されています。
上画像のようなピンヒール系で付根も小さめのヒールの場合は
打ち込むスペースが無いので、釘2本とネジ1本だったりもします。
今回のヒールが外れてしまった靴は、ネジが3本で固定されていました。
固定方法としてはしっかりとしていますが…
2018042802720180428028
それでも3本中2本のネジが折れてしまっています。
前側が2本が折れているということは、極端に後ろに体重が
掛かったのかと思います。

この場合は新たにネジで固定するのですが、
ネジの位置というのはほぼずらせません。
ずらして打ちたいのですが、ずらすとヒールを貫通して外観に
でてしまう可能性が高いです。

ヒール付根部分が小さいので、その中で収まるように
ネジを打ち込むとなるとネジの角度や深さは限られています。

ちなみに中央部分に打てそうですが、この部分にはヒール内部に
鉄パイプが貫通されていますのでネジが当たって入りませんし、
中底面にはシャンクという鉄のプレートも施行されていますので
太さのあるネジを貫通させることが難しい状態となっています。

木材でもそうですが、一度開けられた穴に再度ネジを固定すると
当初よりは若干締まりが劣ります。

今回は元の太さより気持ち径が太めのネジを使用し
ネジの食い付きを良くした状態で固定することにしました。

ただヒール固定をご依頼頂く際にはお伝えしておりますが
一度外れてしまったヒールの場合は、以上の理由で
元の強度で固定できない場合が多いいので、
走ったりと階段を駆け下りたりなどの極端な負荷が掛かるような
使用はお控えくださいと。
(万が一外れてしまって、怪我をしてしまっても一切保証はできませんので)

なお、ヒール交換、オールソールなどでヒール自体をを新しく交換して
取付ける場合は問題ありません。

以上の理由でできればヒールは外したくないのでありますが
ヒールに巻かれている革を巻き替える際は、外さなければなりません。

スムース革の場合は、本体の下に巻き込まれていますし、
スタック革巻きの場合は、表面を削って整えるのでヒールを
本体から外さなければなりません。
20180428038
ただ画像のようなスタック巻きという革の場合は
下側であればヒールを外さずに部分的に巻き直して補修することが可能です。

だいたいヒールが傷つく場合は下側が多いかと思います。
路上の側溝や階段などの何気ない溝や段差にヒールが挟まったり…

まずは傷ついてる範囲でスタック革のスジに添ってカットします。
20180428039
20180428040
このスタックと云う革は、板状の革を縦に重ねて
それを薄くスライスして作っているのだと思います。
箱根寄木細工は横方向にスライスしていますが、
これは縦方向にスライスしている感じです。

わざわざなんでこんな素材があるのか、ですが、
もともと紳士靴でみられるような積上げを表現する為なのだと思います。
20180319242018031923
婦人靴でも大昔はこのように革を一段ずつ重ねて作っていた
時代もあるようですが、製作は大変ですしヒールが細いと
革を積んだ構造では耐えられないので形状に限界もあります。
その名残が現在のプラスチックヒールに巻き付けるこの仕様なのだと思います。
では巻き付けます。
20180428041
製品もプラスチックのヒールにスタック革を巻き付け
表面を綺麗に削って整えているので、革の厚み合わず段差ができます。
段差を合わせつつ削り、革の表面を整えていきます。
革の表面は削ったままだと毛羽立っていますので、
コテなどを使って絞めてゆきます。
2018042805220180428051
あとは茶色に染めてリフトを付けたら完成となります。
すでに染まっている部分も軽く染めて小傷を目立たなくさせ、
合わさり目の色が合うように色を重ねる回数を調整します。
2018042805620180428053
巻き直しても、初日に階段ぶつけてしまったら…悲しいですね。
ですので部分補修、巻き替えの場合はかなり痛んでからの
ご決断でも宜しいかと思います。

ぶつけて表面がめくれてしまったような状態の場合は、
めくれた革がきれいに残っていれば、その部分を接着して
少し目立たなくもできます。

ちなにみ少し前にテレビで紹介されていた
不死身のパンプスといわれる、FAMZONの付け替え出来るパンプス。
これだとヒールが傷ついたらヒールごと交換できるのでいいかもしれません。
ヒールの固定はワンタッチでカチッとできるようなので簡単みたいです。


01
FAMZON HPより
固定強度は問題ないということですが、例えなリフトが擦り減って
土台部分まで斜めに減ってしまった状態で、歩かれるご婦人方は
多数いらっしゃいますが、そのような本来の角度とは違う接地角度で
歩行してしまっている場合でも強度保証の想定内なのかとちょっと心配です。
ワンタッチ構造って、本来と異なる角度で負荷が掛かると
割合簡単に外れてしまったり、割れたりするものですから。

また詳細は分かりませんが、HPを見る限り8.0cmヒールと6.0cmヒール
どちらの高さでも本体に共用で取付けられる?ようですが
2.0cm高さが違うのに大丈夫なのだろうか…

2.0cm違うと踏みつける位置が前後するので、本体がどちらの設定で
設計されているかによりますが、どちらかの高さのヒールでは
歩行の際に履き口が広がって足が抜けやすくなってしまわないのだろうか…
などなど気になる部分がありますが、ヒールと本体で色や素材の組み合わせが
できるので面白そうです。

ただヒールは付け替えて不死身かもしれませんが、
肝心の減りやすいつま先が不死身ではないので、
当店にて不死身のハーフソール仕様にして頂ければと思います。
なお、このFAMZONの靴のリフト交換は出来ないかもしれません。
内部の構造が通常とは異なりますし、ピンの太さも特殊な感じがしますので。
または交換できても、他店にてリフト交換した場合は
ヒール固定強度の保証外なんてこともあるかもしれませんので。
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ampersandand at 13:05|Permalink

2018年05月06日

ブラックペアン 佐伯式モカシン置換術 オールソール篇

ブラックペアン……、期待していたのですが私のイメージとは
少し違っていて、第一回と第二回をもってリタイアしてしまいました。

「片っ端から救ってやるよ。」云ってみたいものです。
0505
from TBS

今回の患者さんは、7年前の(開業時)私だと助けられない症状になりますが
(実際にこれまでにもお断りしたこともありますし)
わたしも少しは経験を積んできていますので、
モカシン置換術によってなんとか助けられるかと思います。
(といってもこの状態はかなり深刻ですので今回は例外的な感じですが)

しかも今回は世界的にも例が無い、2足同時置換術。
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20180428071
親指側の縫い合わさり部分が、縫い穴から裂けてしまっています。
縫い穴が裂けていなければ穴を拾って縫い直すだけなので簡単なのですが、
その縫い穴が裂けてしまうと、まずは縫い穴を再建する必要があります。

通常は革と革が重なってその部分を縫い合わせていますが
今回のようなモカシンの場合は、革と革の断面をそれぞれ
45度くらいにカットしてその断面同士を合わせ、その革の厚みの間に
針を通しその穴を掬い縫いして縫っている状態となります。

<断面略図>
水色/上面革パーツ
黄色/側面革パーツ
赤色/掬い縫い糸
モカシン
2018042806920180428070
見栄えを気にしないで治してもいいのならばなんでも可能ですが
見栄えを変えないで治そうとなると…。
スナイプまたは佐伯式モカシン置換術しかありませんね…。
2018042806620180428067
2足とも親指の当たる箇所が裂けてしまっています。
略図でも分かるように、革の間を通して縫製していますので
通常の重ね合って縫製している状態に比べれば強度的には
弱い仕様かと思います。

壊れていない小指側はこんな感じ
20180428064

特に屈曲部分ですと直角に縫い合わせて硬くなっている部分を
歩く度に折曲げ、尚かつ関節が当たって押し出す圧も掛かり負担増です。

2足ですので計四箇所を再建しなければなりません。
箇所によって裂け具合はまちまちですのでそれに応じた処置を
行っていきます。

この処置で問題になるのが、補修した箇所が他の部分に比べ革が重なり
硬くなるので履いた時に痛くならないか…。
これは結局治して履いて頂かないとどうなるか分からないところです。

しかも今回は「親指の関節が当たって裂けている」という
構造的な原因というよりも、その使用環境によってという原因が
はっきりしていますので、それに耐えられるように治さなければなりません。

治し方の程度としては、見栄え重視から強度重視まで方法が幾つかあります。
見栄え重視といってもだからといってすぐ壊れては意味が無いので
もちろん実用強度は担保しています。
落としどころはそれぞれで状態が違うので
作業を行いつつ塩梅を見定めていく感じとなります。

まずは縫い穴を再建し掬い縫いのピッチを写していきます。
穴の数を間違えてしまうと糸がでるところが無くなってしまいますので。
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もちろん縫合している時は、渡海先生並みの早さで縫っている
イメージな訳ですが…。
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やらないですけど、今回は上面のパーツの縫い穴だけが裂けているので
上面のパーツ自体をそっくり交換してしまっても修理は可能なのだと思います。
それには費用と時間が無制限に掛かってしまいますが…。

それでは完成となります、まずはソール交換から。
AFTER
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20180428086
つま先はサービス仕様の強化ラバー埋め込み式となります。
底縫いの段階でラバー厚分を凹ませてから底縫いを行うことで
つま先が摩耗した際にはラバー部分のみを交換できます。
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この仕様ですと履き始めの著しいつま先の摩耗に有効的です。
つま先の底縫いの糸が強化ラバーの下に隠れていますので
つま先の糸切れが起こらない仕様になっています。
*レザーソールの場合はご希望でサービス仕様となります。

スコッチグレインの靴もつま先ラバーで同様の仕様になっているのですが、
埋め込まれたラバーを革底共々、底縫いで縫製してしまっているので
摩耗しても部分交換が出来ない仕様になっています、残念…。

モカシン部分
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モカシン部分はとりあえず見栄え重視で仕上げました。
より強度的にアップさせるにはモカシンの縫い目の隣に
ミシンで細かくステッチを入れた方が強度がでます。

お渡しの際に仕上りを確認して頂き、その旨お伝えしましたところ、
より強度がでる方が良いとのことで、ステッチの見栄えも気にならない
ということになりましたので、この後、追加でステッチを入れてあります。

心配だったモカシン再建部分の革の硬さですが、後日伺ったところ
履き心地には問題が無いということで、予後の経過も
ひと安心といったところです。

ちなみにですが、今回はドラマ「ブラックペアン」を
もじった記事になりますので、もちろんお分かりだとは思いますが、
佐伯式モカシン置換術やスナイプなどという呼び名の
修理方法は修理業界にはありません。
ですので、ミスターミニットなどで

「裂けてしまったので、佐伯式モカシン置換術でお願いします!」

と云っても「えっ?」となってしまいますのでご注意願います。
もしかしたら関西のお店だったら

「スナイプ式じゃあかんの?」

と、のってきてくれるかもしれませんが。
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ampersandand at 23:39|Permalink

2018年05月05日

効果の無いサイズ調整。

靴のサイズが緩いということで、ほかのお店でサイズ調整された
靴の再サイズ調整を行うことがときどきあります。

今回の靴も他のお店ですでにサイズ調整が行われています。
サイズが大きく足が前に滑ってしまうということでの
調整ということでしたが、何故か、かかと部分にスポンジが
挿入されています…。

黄色の部分に挿入されています。
18042810520180428031

サイズが緩い場合というのは状態として
縦方向のサイズは合っているが、指周りが緩い。
縦方向も緩く踵に隙間が出来ているし、指周りも緩い。
だいたい合ってはいるが、甲の部分が緩い(羽が閉じきってしまう)

などがあるかと思います。
一つの原因なのか、または複合的な原因なのかで
ぞれぞれで対処の仕方が異なります。

ただ、店頭で履いて頂くとそもそもサイズうんぬんというより
靴の履き方が間違っている方が多々いらっしゃいます。
そして履き方が間違っていれば、靴を購入する時点で購入したサイズが
間違っていると云うことになります。

履き方が間違っていると、いくら調整しても合いませんし
実際ちゃんと履けば調整が必要ない場合もありますので
まずは履き方からご案内となります。
分かり難くなりますので基本の紐靴という前提で。

よく紐を結びっぱなしで脱ぎ履きされている方がいらっしゃいますが
これは論外となりますのであしからず。

ちなみに結びっぱなしで脱ぎ履きされていますと履き口周辺が
裂けてきますし、かかと内側も擦れ易くなってしまいます。
20180428032-20
履く時は立ったままではなく、框などに腰掛け、紐を解いた状態で
靴べらを使って足を入れます。
そして足を靴のかかと部分に(水色点線部分)ぴったりと密着させます。
つま先を上げて地面に踵をこんこんすればいいでしょう。

そして密着させましたら紐を下の穴から順々に絞めていきます。
そうすることで、甲部/履き口/踵の三点で足と靴を固定することができます。
この状態ができれば多少指周りに余裕があっても
足が前後に泳いでしまうことが予防できます。

指周りが緩いということで足が前滑りしてしまう方の場合、
甲とかかとでしっかりと靴と足を固定すれば、指周りに多少の余裕があっても
インソールを入れずに改善できる場合があります。

またかえって、指周りに余裕があるので足がむくんできた場合などにも
対応できるかもしれません。
私の考えとしては100%合っている靴というよりは、
80%ぐらい合っている靴の方が(靴紐やベルト等で調整できる靴種の場合)
一日を通して、また年間を通して使い勝手がいいのではないかと思います。

一日のうちでもむくんだりして足のサイズは変わりますし、
夏と冬でも足のサイズは異なります。
またもちろん靴下の厚みも変わるでしょうし。

20180428032-7
かかと部分にはカウンター(月型)といわれる芯材が入っています。
つま先に入っている先芯は、つま先の形状を維持する為の芯材ですが
(安全靴などではスチールが入っていてつま先を保護する役目がありますが)
かかと部分の芯材は、先程の足と靴をホールドする時に
しっかりと包み込むように踵を支える役割を担っています。

ですので、「かかとを踏みつけてしまっては靴の戦闘力が50%に」と
ときどきお伝えしているのはこの為です。
この部分がへにゃへにゃだったり変形してしまっては
ホールド感が失われてしまうからですので、
急いで履く時も決して踏まないでください。

まだ書きたいことはありますが、ここのままいくと今回は「履き方」で
終わってしまいそうなのでそろそろサイズ調整に入りたいと思います。

今回のご依頼主さんは、指周りが緩い、
足が前に動いてしまうという状態でした。
まず状態を確認する為に靴を履いて頂くと羽が完全に
閉じてしまっている状態です。
閉じきっても履き口ラインがパカパカで指が入るぐらい
隙間が出来ています。

履き口のトップライン
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羽が閉じきった状態
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羽が開いている状態
20180428030

これもサイズが緩い方に良くあるのですが、靴を購入される時点で
今回の内羽の靴だったり、外羽の靴だったりは羽が閉じきった状態の
サイズ感で購入してしまいますと、のちのち必ず緩くなってしまいます。


それはアッパーの革が足に馴染んで伸びてゆきますし
ウェルテッド製法の靴であれば、中もののコルクが荷重により沈んでいきます。
ですので、靴内部の容積としては徐々に増加していく訳です。

この時に羽の開きがある程度あれば、紐を絞めれば容積は減らせますが
(きつく出来ますが)すでに羽が完全に閉じきった状態であれば
なんら調整することが出来ない状態ということです。

ですので、欲しいサイズが売り切れているからといって
ワンサイズ上ならばなんとか…というのは後々のリスクが高くなります。
ワンサイズと思いきや、後々ツーサイズアップなんてことに…
では羽が閉じきっているこの状態だと救済処置はないのか…

その場合は「タンパッド」という方法があります。
ベロ裏部分にスポンジを施行する方法です。
これによって甲の部分が窮屈になりますので、
その分閉じていた羽が広がるという訳です。
詳しくはこちらの記事を参照ください。
0429-1
スポンジを宛てがいライニングと同じ色の革で覆うことで
脱いでもサイズ調整していることは分からない仕上りになります。
スポンジの厚みは実際にスポンジを宛てがって履いて頂き
厚みや硬さを調整することが出来ます。

ただこの方法ですと見栄えも変わらず綺麗に仕上るのですが、
費用がそれなりに掛かってしまいます。

しかし探してみると便利な商品があるもので、
既製品で「タンパッド」という商品が展開されています。
そちらでしたら両面テープで座布団状のパッドをベロ裏に
取付けるだけですのでお手軽にDIY調整が可能です。

貼るだけですので途中で剥離したりなどの面倒はあるかもしれませんが
1.000円程度でフィット感が向上するならば試してみる価値は
あるかもしれません。
[クラブヴィンテージ・シープレザー] 痛み軽減・サイズ調整用パッド レザータンパッド 6424 BR ブラウン 男女兼用フリーサイズ


今回のご依頼主さんの状態としては履いて頂くと
指周りが緩い/甲の部分が緩い(羽が閉じきっている)/履き口も緩い
という、そもそも購入してはいけないサイズ感となります。

この場合の処置としては、まずは前側にコルク4.0mmを入れてみて(黄色部分)
どんな感じか確認してみます。
これで指周りのサイズ感としては1.5から2.0サイズダウンという感じです。
20180428032-9

ときどきサイズ調整のお問い合わせで、「2サイズダウンにしてください」
というサイズ指定がありますが、あくまでも感覚的な数値ですので
ダウン率を指定しては行えません、実際に履いて頂いて具合を見る調整です。
これはサイズを広げるストレッチ調整でも同様です。

コルクの他にサイズ調整に使用する素材は低反発スポンジ、
軟質スポンジ、レザーを状態に合わせて複数枚、
または組み合わせて使用致します。
端の部分は薄く漉いて底面に段差がでないようになっています。
180505000

状態を確認してみますと、指周りはややタイトな感じ。
コルクは徐々に荷重で足のかたちに凹んでいきますので
始めはややタイトな感じくらいがいいのです…。
甲の部分はまだ羽が閉じきっていて履き口にも隙間が見られました。
180428106
ですのでタンパッドと合わせ技もありですが、とりあえず指周りがフィットし、
前滑りも収まりましたので甲の部分は今回はそのままで
ということになりました。
*タンパッドは2018.05.05日現在、店頭にて販売はしておりません。

後日、一日履いているとタイト過ぎて厳しい…
コルクが沈むかも知れないけど無理です〜、ということでコルクではなく
スポンジに素材変更を行い再調整となりました。

難しいですねフィッティングは…
足は一日のうちでサイズが変化していきますのでなかなか…。

サイズは感覚的な部分なので、私が触診してちょうどいい具合と思っていても、
それがお客様的にきつい、ゆるいと感じられればそういうことになります。

そして「ややタイト」というのが私が思っているややタイト感と
お客様が感じているややタイト感は、必ずしも一致はしていません。
ですので、サイズ調整の時は「お客様の感覚頼み」ですので
こちらのアドバイスは上の空でもいいので、
足先の感覚に神経を研ぎ澄ませて頂ければと思います。

また具合を確認する為に、インソールを仮入れした状態で
実際に路上にでて商店街の道を歩いて頂いて確認も出来ます。
店内でちょこちょこ足踏みしただけでは分かりませんし。

201804280372018042803420180428036
紳士靴の場合は、だいたいが踵の半敷きですのでインソールを挿入する場合は
オリジナルの半敷きはそのままで、前側に中敷を追加し連結して製作もできます。
0429-100
今回はすでにロゴも擦り消え、革も痛んでおりましたし、
前のお店で取付けたスポンジがぼこぼこ残っていたので、ご相談に結果、
あたらに全敷きにて施行致しました。

ちなみにタイトルの「効果の無いサイズ調整」ですが、
前の修理店にて、前滑りを抑える為にかかとスポンジを入れた訳ですが、
これでは逆効果な感じかと思います。
180428107
踵にスポンジを入れたことで足が上に上昇すると、
靴に覆われている部分は少なくなります、
履き口が浅くなっているのと同じ状態です。

ですので、履き口が緩い上に浅くなってしまうと余計に踵が
脱げ易い状態になってしまいます。
また踵から踏まずに掛けての傾斜もスポンジ厚分きつくなるので
余計足が前に滑ってしまうという訳です。

踵にスポンジを入れる場合としては、例えば踝が履き口に当たって痛い
という場合には、スポンジを入れて足が上昇すれば必然的に
踝が当たらなくなります。
履き口が浅くなりますが、踝の当り以外にサイズ感に問題が無ければ
靴ひもを絞めれば甲で抑えが利くのでそれによって脱げ易くなる確率は
低いかと思います。

だいぶ長文になってきましたので簡単に触れますが、
婦人靴で行っている方が多いのですが、ハイヒールで足が前に滑るということで
つま先にティッシュを詰め込んで、指がそれ以上前に行かないように
されている方がいらっしゃいます。
リフト交換の際にはそれがぽろっと落ちてくる訳ですが。

靴には通常、指先が靴に当たらないように「捨て寸」という
何も入らないスペースを設けています。
このスペースを詰め物で埋めてしまうと、指先が突き当たり
靴の中で常に関節が押し曲げられている状態になってしまいます。

これによって「ハンマートゥ」(画像検索してみてください)などの
指先の変形症状を生じてしまう場合がありますのでお気をつけ下さい。
(ハンマートゥになってしまう原因はそれだけではありませんが)

<状態別サイズ調整方法まとめ>

指周りが緩い、革がダブつく場合 → 前側にインソール
指周りが緩い、羽が閉じる場合 → 前側にインソール+タンパッド
指周りは◎、羽が閉じきってしまう、履き口が緩い場合 → タンパッド
甲の部分がなんか痛い場合 → タンパッド

ちなみに短靴の場合は、全敷きのインソールですと
指周りと甲の部分も窮屈にできるのですが、同時にかかと部分も
浅くなってしまうのでお勧め致しませんが、
ロングブーツやくるぶし丈のブーツですと全敷きも有効かと思います。

以上になります。
市販のアイテムも最近は色々と展開されていますので、
その状態に合わせて適したアイテムを用いることで
ある程度のDIY調整は可能かと思います。

ただ、
私は片側に傾く癖があるからこちら側に傾斜のインンソールを入れて…
ハンマートゥ気味だからこのアタッチメントを指にはめて…
などなど、使い方によっては逆効果になってしまったり、
すでに疾患レベルに達している状態の場合もありますので
安易にパッケージの説明を鵜呑みにせずに、医師に相談された方が
宜しい場合もありますのでお気をつけください。

風邪気味だからとりあえず風邪薬を服用するのと違い、
足の場合はその結果、徐々に変形、歪みとなって現れてしまいますので。

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ampersandand at 13:57|Permalink

2018年04月13日

パンプスのかかとパカパカ問題。 アンクルストラップ篇

ハイヒールは、ハイヒール用の歩き方があるようですが
なかなか履くには大変な靴だと思います。

靴学校の時になんの授業かは忘れましたが、男でも履けるサイズの
ハイヒールのパンプスがあって、体験してみよう的な感じで
少し教室内を履いて歩いたことがありましたが、罰ゲームな感じですね…。

これでよく歩き回れるな〜と関心する次第であります。
ましてやサイズがあっていない場合は(合っていても)、
パカパカ…パカパカ…。
かかとがついてこないなんて場合はよりしんどいことでしょう…。

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そもそもつま先の一部だけで引っ掛けて履いているような状態ですので
なかなかジャストフィットするというのも難しいのだろうと思います。
足は前に滑ってしまいますので必然的にかかとは靴から離れてしまいます。
逆にぴったりし過ぎると、履き口がアキレス腱に食い込んで出血…。

今回の靴はそこまでヒールは高くありませんしサイズも
それなりに合っているけどパカパカ。
パカパカしないようにするには、元々の設定で履き口部分を少し内側に倒すと
足に引っ掛かるので多少は効果はあるのですが、それはそれで靴擦れが…。
今回の靴は多少履き口の倒しが少なめで広いので抜け易いかなと。

かかとの内側にクッションをあてて引っ掛かるようにする
メンテナンス品がありますが、ハイヒールですと
あまり効果は期待できないかと。

最終手段にはなりますが、物理的に足首や甲を抑えてしまうことが
一番の改善策かと思います。
今回は、アンクルストラップの取付けにて改善を行います。
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アンクルストラップなどを製作する場合、現在履いている
ストラップの靴をお持ち頂くと、丁度いい長さが求め易いので
ご持参頂ければと思います。
今回もそれを元に製作しています。
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かかとの部分の縫製を解いて、ストラップが通る輪っかを取付けます。
そうしまして完成となります。

AFTER
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金具の仕様はご希望により引っ掛け美錠金具でシルバー。
この引っ掛け金具は誰が思いついたのやら、特許はとっているのでしょうか。
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「これだけでパカパカならないんですね」とお客さま。
そうなんです、歩けば必然的にストラップで引っ張られて
かかとが持ち上がりますので。

元のデザインと変わってしまうのでストラップを付けることに抵抗が
ある方が多いのですが、細いストラップがちらっと見えるのも
ありなんじゃないかと思う次第であります。
あと、色をがらっと変えてコンビにしてみたりと。

ただ一足ずつ長さを計測し、太さや美錠もカスタマイズですので
費用はそれなりに高くなってしまうのがネックではありますが。

ちなみにですが、前側にプラットフォームが入っている厚底ですと
靴自体が曲がらないので、歩行の際には必然的にパカパカなり易いです。
足は曲がっていくのに、靴は曲がってくれないので。
あと、ウェッジヒールなんかもかかとに重りが付いている
ようなものですから同様です。
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ampersandand at 08:00|Permalink

2018年03月27日

効果が薄いと思われるスチールの取付け方。 某ショップ篇

オールデンの輸入代理店で購入されたとのこと。
その際に、そのショップで取付けたオリジナルのスチールが頼りない、
効果が薄い気がするということで、改めてのビンテージスチール取付け依頼が
ときどきやってきます。
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ショップで取付けてそのまま一度も履かずに持ち込まれたオールデンも
ありましたので、ショップでどのように取付けるか
説明を承けていないのだろうか…。

恐らく取付けた状態をみれば、これではつま先が擦り減っちゃうけど…
と誰しも気づくはずですし。
20180327012018032702
そのまま底面から出っ張るので、履き心地に違和感が
でないように?スチールの厚みも薄めです。
素材はスチールというか、もう少し柔らかい合金だと思います。
ネジではなく釘を打ち込んで固定するタイプです。

しかし位置が悪いですね。
つま先の摩耗を防ぐ為に取付けるのに、肝心の先っぽが
隠れていないので革底が擦り減ってしまっています。

取付けるならスチールは端にぴったりと合わせないと、ダメよ〜ダメダメ〜。
日本エレキテル連合は消えてしまいましたね…。
0327
恐らく端にぴったり合わせてしまうと、釘の穴位置が端ぎりぎりなので
釘を打ち込んだ際に、コバに影響が出てしまう心配もあったのかもしれません。
または、片側は底縫いの糸の上に釘を打ってしまっていますが、
糸の上に穴位置が掛かってしまうのでわざとずらしたのか。

短い釘で固定していますので、釘を糸に打ってもまさに糠に釘。
ですので、交換の際もマイナスドライバーを下に差し込めば
簡単に外れてしまいました。

ちなみに、同じように靴底に乗っけるタイプのスチールで
JELLY FISH/ジェリーフィッシュというタイプもあります。
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これはほとんど取付けたことがありません。
つま先が異常に幅広い靴で、通常のビンテージスチールの最大サイズの
#90でも横幅が足りない際に、それでも保護されたいということで
取付けたことがあります。

ビンテージスチールのように底面と同じレベルで埋め込まれるのと違い、
底面にそのまま乗っけるので出っ張り、それだけ歩行の際に
違和感が生じ易くなる場合があるので、あまりお店では大々的に
ジェリーフィッシュタイプはご案内しておりません。

ちなみにですが、ときどき埋め込みタイプのビンテージスチールを
乗っけるタイプと同じように靴底に乗っけて取付けているお店がありますが、
わざとなのか間違えちゃっているのか…。

台形タイプの大きなスチールのお問い合わせもときどきありますが、
靴底の加工に手間が掛かるので、それだけ取付け費用が高くなってしまいます。
耐久性が高い、材料コストが高いという理由でなくて、
単純に手間賃で高くなってしまうので、

「なんでこちらが高いの?」、とお客様に尋ねられた時に、

「そのご質問にはお答えを差し控えさせて頂きます」 店主

としか答えようがありません。
またスチールが取付けられる範囲がかなり広くなりますので
取付ける際によく尋ねられる、「音がしませんか?」という質問に

「刑事訴追の恐れがあるので、証言を控えさせていただきます」店主

としか…
すみません、証人喚問ジョークです。
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スチールが大きくなればそれだけ音が鳴る可能性は高くなりますので、
以上の観点から、通常のかまぼこ状のビンテージスチールを
当店の通常仕様としてご案内させて頂いている次第であります。

ちなみにですが、先程の「音が鳴りませんか?」というお尋ねの件ですが
今まで取付けたスチールで、音が気になるから取り外してほしいという
お客さんはまだいませんので、

「問題ないかと思います。」店主

こちらが通常のビンテージスチールとなります。
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こちらはハーフソール併用仕様(NO MORE AII SOLE 仕様)
2017122907

詳しくはこちらを合わせてお読み頂ければと思います。
0327-5
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