TUMI

2019年04月19日

現行モデルより旧モデルが…。 TUMI 持ち手交換 ALPHA篇

現行品のこちらのモデルは、芯材にはスポンジが使われていますので
鞄自体が重いで有名なTUMIの鞄ですと、その重さに耐えられないのか
旧モデルの持ち手よりへたりが早いようです。

こちらが現行品の持ち手
TUMI430013
同じ形状での交換ももちろん可能です。
現行モデルの交換記事はこちら
その場合は同様に芯材にスポンジを使用しておりますが、
革の強度や芯材の使い方などでなるべくオリジナルよりは強度があがるように
製作しておりますが…どうでしょうか。

旧モデルのようにナイロンに革を巻いた方がやはり強度や革の伸び難さでは
軍配があがると思います。
また現行モデル形状での製作費用は結構掛かります、手間が掛かりますので。

今回は現行モデルから旧モデルへ仕様変更のご案内になります。
こんな感じで現行モデルはスポンジが芯材となっていて
スポンジを革で巻いています。
TUMI430012
スポンジ自体も伸びますし、革も延びるのでへたり易いのかもしれません。
また柔らかい分、持った時にスポンジが潰れて巻いている革にたるみが生じ
そのたるみの皺が徐々に手で擦れる要因となっている可能性があります。

このモデルは、本体付属の金具に持ち手が直に取り付けられていますので
持ち手をそっくり交換になります。
TUMI430025
まずは持ち手部分の製作。
旧モデル同様にナイロンのベルトに革を巻いて縫製します。

製作に使用している革は、タンニン鞣しのオイルレザーを使用しております。
持ち込まれるTUMI修理品で多くみられる乾燥による擦り切れには
オイルレザーが擦り切れ予防に効果的かと思います。
革の質もオリジナルよりよいのではないかと思います。
TUMI430011
持ち手の長さはそれぞれ依頼品と同じ設定で製作致します。
巻革の形状はTUMIのオリジナルで使用されているものから型採りして
おりますので雰囲気は合っていると思います。

AFTER
現行品から旧モデル(三角タイプ)へ仕様変更事例
どうでしょうか、正規品と比べ遜色がないかと思います。
TUMI430008
TUMI430010

こんな感じで仕様変更されても、オリジナル同様の持ち手に
変更されますので違和感が無く仕上ります。
現行品を使われていて、痛みが早いなと思われる方は
旧モデルへの仕様変更がお勧めであります。

TUMI補修費用などはこちら
TUMIブログリンクアイコン

ampersandand at 18:22|Permalink

2019年04月03日

リュックの快適さ。 TUMIカスタム篇。

3.11以降、リュックでの通勤が増えているという記事を
読んだ事がありますが、災害時もそうですが日常でも
両手がフリーというのは楽です。

なにより片手で持つより背負った場合の方が
荷物が圧倒的に軽く感じますし。
ショルダーでもいいのですが、やはり両肩で荷重を
分散させてほうが身体にもよいようです。

斜め掛け、または肩掛けで片側に加重が日常的に
加わり続けると身体が歪んでしまうようですのでお気をつけ下さい。
一日違いで左右で持ち替えると少しはよいのかもしれません。

今回のご依頼品は女性の方。
女性の方がTUMIの鞄を使われるのは多くはないかと思います。
なにせ鞄自体が重いので。
で今回もショルダーで使われていたのですが、
それでも荷物が入ると重い、という事でリュックでも使えるように
できないかとご相談。
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取り外し可能なストラップがご希望。
取り外しできるショルダーとしっかりしたハンドルが付いているので
それにリュック仕様が追加され、2WAYから3WAYになります。
2019-03-430-018
リョックに仕様変更と云うお問い合わせはしばしばありますが
その際には一度試されてください。
ビニール紐などを洗濯バサミでストラップのように固定してみて、
または相方に指で押さえてもらって実際にストラップを取り付けた状態を。

例えば鞄の寸法が縦より横のサイズが長い場合は、
リュックにしてしまうとバランスがおかしい事にお気づきになると思います。
なので、ビジネスでも使用する紳士鞄でリュックタイプというのは、
手に持つ時は横で、リュックの時には縦にして背負う設定なっています。

横長ではなく縦長にして、なのでリュック時にはハンドルが
サイドにぶらんぶらんしています。
あれ、収まるようにはじめからデザインすればいいのにな、と
見かけると思っています。

横の鞄を縦にして使うにあたり、ファスナーの開閉の向きであったり
ポケットの仕様であったりが工夫されています、
縦(リュック)にした時にモノが落ちないように。

なのでなんでもかんでもリュックと云うわけにはいきませんので
ご相談前に一度ご確認頂ければと思います。
2019-03-430-019
それとリュックにする時にはストラップを取り付ける本体部分の
強度も重要になります。
ストラップの付根部分には加重が加わりますので、
縫製した際に土台の生地がしっかりしていないと
裂けてきてしまう場合もあります。
その場合は周辺に補強を施したりとデザインに影響がでてしまう事も。

今回も、はじめは本体にも部分的に補強の革宛てを検討しておりましたが、
ぐるりと縁取り部分がありましたのでそこに引っ掛ける
パーツを取り付ける事に。
縁取り部分は何重にも素材が重なり縫製されていて硬い部分なので、
強度的に申し分ありませんし、鞄のデザインにも影響が少なくて済みます。

今回のリュック仕様変更に必要なパーツは、
ストラップ38mm・2本
ストラップ25mm・2本
引っ掛け金具・3個
長さ調整パーツ・2個
Dカンパーツ・3個
になります。

始めは左右のストラップは、ばらばらの仕様で考えておりましたが、
その場合、引っ掛け金具は上下二箇所で計四箇所付くことになり
なんだか重々しいし、金具がジャラジャラ多すぎる感じが。

また取り外した際には左右でバラバラになってしまい、
仕舞ったり取り出したりする際に面倒では…と思いまして
上部の付根部分は連結して一つにまとめる仕様に致しました。
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完成
付根はこんな感じで一つにまとめてみました。
2018-000
意外と悩んだのが付根部分のベルトの開き具合。
どのくらいの角度に設定したほうが背負った時に
自然になるのだろうか…。

行きと帰りの通勤中にリュックの人を観察して開き具合を決めてみました。
この角度で問題ないようです。
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金具はTUMIオリジナル金具同様に艶消しのマットブラック。
マットなブラック金具はかっこいいですね。
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それとハンドル部分がぶらんぶらんしてしまうので
まとめパーツも取付け。
この留め金具のみ、マットブラックがなくてシルバーに…残念。
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ストラップを使わないときは三箇所に
引っ掛けるDカンが残るだけですのでデザイン的にも
大掛かりにならずミニマムにまとまったかと思います。

今回の作業で一番難しかったのは、縁取り部分に
三箇所Dカンを取り付ける作業。
何重にもナイロン素材が重なっているので厚みがあり、
また厚みも端とでは均一ではないので、縫製の際に針が入るところと
でるところがずれるので、裏面の縫い目が少し歪んでしまいます。

接着で仮固定しても縫製の際にずれてきてしまうので
一旦、手縫いで仮縫いしてからミシンで縫製するという
なかなか手強い縫製となりました。

わたしも数年前からリュック派になりましたが、
使用しているリュックは、恐らく20年前に購入したもので
一年間くらい使用して、そのまま押し入れの奥に追いやられていた
吉田鞄のナイロン素材のもの。

今の私には使い勝手が悪い仕様なので、
今の自分の荷物に合う
リュックを作りたいなと思う、今日この頃…。

ampersandand at 14:31|Permalink

2018年07月04日

続 • TUMI 祭り 黒い悪魔とリュック篇

残念ながら赤い悪魔のベルギーに負けてしまったサムライブルー…。
録画したのでまだ観てはいないのですが、ロスタイムでって…くぅ〜。
ブラジルとベスト8とで戦って西野監督が再び勝ってしまうという
マイアミの奇跡は、奇跡ではなかった的なストーリーを考えていたのですが。

ではここからは、黒い悪魔と私との絶対に負けられない戦い篇となります。
TUMIをお使いの方なら誰しも一度は戦った事がある黒い悪魔…。
それはじわじわと攻撃を仕掛けてくる、そう、あれです…。

それは合皮、劣化した合皮が粉となって
ロスタイムに次から次へと波状攻撃を仕掛けてくるのでした…。

「あれなんか汚れているよ背中…」

なんて同僚に指摘されたりするのでしょうか、
はたまた帰宅後にジャケットを脱いでみると、
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「なんじゃこりゃ」と、

松田優作バリの「なんじゃこりゃ」を吐いたりしたのでしょうか。

今回のご依頼品はTUMIのリュック。
何処を治すかというと、ストラップの裏地部分。
ストラップの裏地部分にわざわざそこだけ合皮が使われているんです。
「なんじゃこりゃ」ですよね、わざわざ身体と直接触れる部分で
湿気を帯びやすいところに合皮を用いるのなんて。
でもTUMIにしたらこれはいつもの仕様なんです。
ビジネス鞄のモデルでも、付属のストラップの肩当ては何故か裏面が合皮。
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肩当てならその部分だけ合皮を剥がして革に交換してしまえば
容易く交換できるのですが、リュックのストラップとなると…
ストラップの下側はメッシュのナイロン生地なので
そのまま上側もメッシュにしとけばいいじゃんかと。

そこを謎のこだわりで合皮を使いたがるTUMI。
そのこだわりを変えないが為に、修理と称してしばしば当店を
ご利用頂けているという利益相反な文章になってしまうのですが…。
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表面はいつものように革を使っています。
しかもわざわざ斜めに切り返しをいれている。

さぁどうしたものか…。
普通に考えたらストラップを外して新しいものに差し替えるという方法と
合皮部分の面に革で覆ってしまうと云う感じでしょうか。

ちなみに合皮部分だけを外して交換というには、
このストラップはわざわざ、革と革とナイロンメッシュと合皮の
四パーツを斜めに切り返しで縫い合わせてあるので、これを一度分解して
再度、縫製し直すというのは現実的ではありません。

そしてそれを行うには、ストラップを本体から分離しなければ
ならないのですが、本体の部分にファスナーやら蓋のパーツやら
側面パーツ、胴パーツなどと一緒くたに縫い合わせられているので
この部分を分解するのもちょっと現実的ではないかなと。
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「現実的ではない」というのはできないという事ではなく、
やってやれない事はないが、分解、組み立て費用のほうが
掛かってしまったり、また素材的に再縫製すると解れやすい
同じ位置で縫製できない可能性があるなど、
補修部位以外のことで費用や問題がでてしまうという状態になります。

お客さまとどうしましょうかね〜なんてお話ししておりましたら
お客さまが、カバーみたいなものをつけられないかと。
始めは、合皮部分にくるっと革のカバーで巻いて、ホックボタンで
固定という感じから、それでは靴下のように革のカバーをストラップに
通す感じでということで話が盛り上がり、その方向で進める事に。

しかし盛り上がったはいいが、実際に不定形のストラップに
ぴったりと靴下を履かせられるのだろうか…
と、お客様が帰られてから、やや心配になる店主なのでした…。
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そういう時は、頭で考えていても私の右脳では処理能力の限界があるので
アナログに手を動かしてみるのが結局は手っ取り早いですね。
ストラップの型採りを行って裁断型をつくり、
試作用に革でまずはあたりをつけようかと。
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水色のリザード型押しの革なので、使い道がないので試作用になっています。
縫い割り縫製したら、くるっと脱いだ靴下を戻すように裏表反転。
断面が電話のマークみたいです。
それでは恐る恐る通してみます…
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どんぴしゃなんですねぇ。by じゅんいちダビッドソン。

三回くらい試作しないと合わないだろうなと思っていましたが
わたしもそれなりに腕が上がっているようです。

長さも筒径もジャストなんですねぇ。
筒の太さが変化して尚かつうねうねしているので、ちょっとこの方法は
無理かも(お客様には駄目な場合もあるということで)と思っていたのですが、
やってみると、

どんぴしゃなんですねぇ。

では本番なんですねぇ。
試作より本番の革の方が0.6ミリ厚いので、黒革を同じ厚みに
漉き機で漉いていきます。

0.6mmでも直径にすると、左右で合計1.2mmになるので
直径×3.14だと、4.0m弱円周が増える事になってしまうので
ぶかぶかになってしまいます。
実際は内寸になるので問題ないかもしれませんが、
作り直しは嫌なので、試作と同じ設定で。
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この抑えの金具と下で回っているドラムの刃の隙間を通ると
その隙間の分だけ革が薄く漉かれていきます。
あまりこのぐらいの大きな革をこの漉き機では漉かないのです。
通常は、革と革が合わさる10mm幅だったりとか端の部分を漉くのが
メインな機械ですねぇ。
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試作と同様に革の靴下を履かせていきます。
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根本まで通したらあとは縫製して固定になります。
固定は付根部分で通常とおり横にたたたと縫い目をいれて
しまおうと思ったのですが、リュックのストラップの付根部分は
一番負荷が掛かりやすい部分となります。

荷物の重量もありますが、荷物を取り出そうと片側で背負ったり、
背負う際にもう片側をぐっとひっぱられたりなど。

ですのでリュックの付根部分でストラップが裂けてきて
修理ということもしばしばあります。
(修理は構造的に難しい場合もあるのですが)
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ですので、その付近に新たに縫い目を入れてしまうのがちょっと怖い。
縫うと云っても、針で穴をあけて貫通させている訳なので
見方を変えれば切り取り線みたいなものです。

なのでしばしば鞄のストラップの根革や、持ち手の付根部分の
縫い目で負荷に耐えられずに革が裂けてしまうということを
実際に経験されていらっしゃる方もおいでかと思います。

ですので、あとあとの包まれたストラップのメンテナンスが
必要になった場合のことや、それらの縫い目の負荷も考慮し、
根本とエンド部分にはステッチをワンポイントで入れる事で
固定する方法に致しました。
結局、この革の靴下が下がってこなければいいだけなので。

こういった靴下を履かせるようなお初の補修事例は、
これまでデータがないので、何が良いのかが
その他の経験値から判断して決めていくしかありません。

ですので、通常とおりに付根に横一列縫製してしまっても
問題ないのかもしれませんが、ここは後々問題が起こったとしても
挽回ができる仕様で補修しておく事がベターなんですねぇ。

AFTER
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背負って持ち上がると、後付け感がでないように
付根が本体に入り込んで見えるようになります。
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薄々お気づきかもしれませんが、途中から語尾が
じゅんいちダビットソン風になっていたんですねぇ。
ワールドカップウィークなのに、あまりTVで見かけない
じゅんいちダビットソン。

本田選手も代表引退ということなので、ダビットソンはこの先
大丈夫なんでしょうかねぇ…と思う今日この頃。
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関連記事
TUIMI 祭り(トゥミフェス) 2018 梅雨明篇はこちら。

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ampersandand at 21:23|Permalink

2018年07月01日

TUIMI 祭り(トゥミフェス) 2018 梅雨明篇

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TUMIの持ち手革交換は何かの法則なのか、急にまとめて
どさっとご依頼が集中することがしばしばございます。
わたしはそれを「トゥミフェス」としてひとり盛り上がっている
次第であります。

TUMIのナイロンは防弾チョッキの素材だけあってか
通常であれば持ち手がこんな状態になっていれば底の角は
おのずと擦り切れているのが通常ですが、いまのところ毛羽立っている
鞄はよくありますが、擦り切れて解れている状態のTUMIは
まだお目にかかっておりません。

BEFORE
ナイロンのベースに革を巻いているタイプ。
ベースのナイロン部分は、時代によって織り目が異なっているみたいです。
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BEFORE
革に革巻きタイプ
手に触れる部分がカリカリに変質ってしまうのは分かるのですが
付根部分までどうしてカリカリになってしまうのでしょうか…。
汗がじわじわ浸透してしまっているのでしょうか。
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革に革を巻いているので剥がしても革がでてきます。
革に革巻きタイプは、ナイロンベースに比べて革に革を巻いているので
その分、手に持つ部分の厚みはかなりしっかりとしています。
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分解して新たな革を縫い付けていきます。
鞄が重いのでTUMIの革巻き交換は指先がつりそうです。
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* * * * * * * * * * * * * * * * * * 

AFTER

TUMIの持ち手交換で使用している革は、タンニン鞣しの革を用いております。
ですので、使い込む程にしっとりと手に馴染み艶が増していきます。
厚みはオリジナルより若干厚めの革を用い、適度にオイルを含んでおりますので
通常より乾燥し難くなっています。

ナイロンに革巻き
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革に革巻き
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革に革巻き
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冒頭でナイロン生地のTUMIは持ち手がボロボロでも底の角は
まだ問題がない事が多いとお伝え致しましたが、
それではオールレザーのTUMIではどうかといいますと…
BEFORE
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そこはTUMIでも革は革ですので、他の革製品同様に擦り切れております。
そして本体も擦れが目立つ鞄が多いです。
持ち手交換の際には、角や全体の色褪せなどを確認されてみてください。

全周パイピングを交換するという方法もありますが
痛んでいるのは底の角部分だけですので、部分的に交換致します。
TUMI以外でもそうですが、このようなブリーフタイプのパイピングは
革が何重にも重なっている部分があったりしてフチの厚みが
変化しているのでちょっと厄介です。
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上から二重に被せてしまう方法もありますが、今回は痛んでいる部分を
切除して巻き直します。
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巻き直すと擦れて色褪せている周囲と新しく巻き直した黒革で
色の差が出てしまうので、境目や周辺は補色をして色も馴染ませておきます。
全体的な補色については別途補色費用が掛かります。
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AFTER
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底の角を痛めない為には、なるべくざらざらした路上には
置かないぐらいの対処法しかありません。

それとなにより日頃からのメンテナンスがとても重要になります。
持ち手部分はどうしても、手汗や手垢で革自体が変質しやすいので
仕方がありませんが、底の角部分や全体の乾燥は日頃の保湿ケアで
かなり寿命が違ってきますのでぜひ行ってみてください。

と、毎回力説しておりますが恐らくほとんどの方は
やらないんでしょうね…。
それでも一応メンテナンス商品をご紹介しておきます。
お勧めのクリームは、コロンブス社のブリオクリームです。

保湿成分には化粧品にも添加されている、ホホバオイルが配合され、
ビーズワックスとヒマワリワックス天然成分も配合され表面の
保護も行えます。
有機溶剤は使われていませんので安心してお使い頂けると思います。
使い方はいたって簡単、薄く塗布してから軽く
乾拭きするとほどよく艶がでます。

完全に白くしらっちゃけてるような擦れは別途補色が必要ですが、
軽く擦れた程度であれば、このクリームで保湿することでしっとりと
目立たなくなります。

*店頭でも僅かではありますが販売しております。

[コロンブス] columbus ブリオクリーム BRILLO (ムショク)



付属のコットンを使用するより、Tシャツの端切れなどの生地を
使用した方が、塗布し易くクリームも無駄にならないかと思います。
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ampersandand at 22:58|Permalink

2018年06月26日

このタイプのTUMIも持ち手交換できます。

毎月毎月カンペールのオールソール同様に、コンスタントに
持ち手の革交換を行っているTUMIですが、このようなモデルのTUMIの
持ち手も作成可能です。
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TUMIのHPを見てみますと現行品のブリーフタイプの鞄は
すべてこの持ち手仕様でした…厄介ですね。
TUMI
TUMI HPより
これまでの定番のこのモデルは、ナイロンベルトや革ベルトに
被さっている革の部分のみを交換すれば良かったのですが
現行品のタイプですと付根から新たにすべて製作する必要があります。
•今までのモデルはこちらタイプ
180519012
シンプルな形状であれば別段、交換費用は変わりはしなかったのですが
この特殊な形状ですとおのずと費用は高騰してしまいます、約1.5倍程度…。
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持つ部分にはスポンジが封入されていて膨らみ、付根部分は平になっています。
芯に入っているスポンジがすこし片側に寄ってしまっていています。
そして本体との連結パーツとの隙間はきちきちです。
果たしてミシンで縫えるのでしょうか…。
180526010
手に触れていた部分の革はカリカリな無惨な状態で
中のスポンジも潰れて変形しています。

膨らんでいるところと、平らなところ、スポンジが途中まで入っているなど
どこまでオリジナル通りに再現できるかというところが面白くもあり、
難しいところになります。

へたっているスポンジを入れ替えるので、弾力や膨らみ具合や素材の厚みや
革と合わさった時の合計の厚みなど検証する点がいくつかあります。
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オリジナルの持ち手幅と同じに設定したいのですが、その場合に
スポンジをくるんだ際に必要な革の距離と、オリジナルの幅とのバランスで
スポンジの幅を14mmにするか、13mmだと膨らみが物足りないし
15mmだとぱつぱつで縫えないか…など1.0mm単位で組み合わせを試して
一番再現性が高い組み合わせはどれか試作し検証していきます。
180608001
それと持ち手が本体の連結パーツと組合わさっている部分が
きつきつでそもそも縫製できるのかも懸念点でしたのでそれも
試作品を通してみて、縫製位置を確認していきます。

「そもそも製品が縫われているのだから縫えるでしょうに」と
思われると思いますが、まず縫製するミシンというのはいろんな種類があり、
またその抑え部分のアタッチメントというのも無数にあります。
ご家庭のミシンでもボタンホールを縫う際に交換する部分のあれです。

ですので、メーカーなどはその製品に合わせてアタッチメントを
オーダーして製作していたりするので、同じ縫製手順や縫い位置をとると
縫えない場合があります。

また製造工程では、持ち手は本体と組み上がっている状態で
縫製している訳でなく、持ち手単体または持ち手と連結パーツとの
組み合わせのみで縫製しています。

修理の場合は、重い鞄本体がぶら下がった状態で
持ち手を組んでいかなくてはなりませんので、いくつかの物理的な制約も、
試作の段階で手順や仕様を調整、確認していきます。
で、できたのがこの型紙。
しかしこの後にまた修正が必要になるのですが…。
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180608003
早速裁断していきます。
革はタンニン鞣しのオイルレザーを用います。
オリジナルより耐久性は高いのではないでしょうか。
タンニン鞣しですので使い込む程に艶が増してしっとりとしていきます。
適度なオイルレザーですので乾燥も通常よりはし難いかと思います。
*でも定期的なメンテナンスは行ってください、寿命が伸びますので。

パズルのようにスポンジ、芯材、ナイロンなどを配置していきます。
負荷が掛かるループ部分には伸び止めのナイロンと裏革を宛てがい
補強を行っています。
180608004
で、一旦この状態まで仕上げます。
部分的にコバの部分はこの段階で仕上げておきます。
180608005
付根部分は本体の連結パーツと組み合わせてから縫製を行います。
ですので持ち手部分を縫製する時も、何処まで縫製し、
この部分の縫い目の三つ分を後で縫い重ねて付根の縫い目と繋げていくなど、
縫い目の数も試作の段階で決めておきます。

そうしてようやく完成となります。
AFTER
180609006180609007
オリジナルの付根の平らな部分にはナイロン柄の型押しがしてありました。
折り返した裏面にはなかったので、わざわざあの状態にしてから
表面に型押しを行っているようです。
このような金型を用いての部分的な型押しまでは残念ながら再現はできません。

この型押しはデザイン的の役割だけではなく、膨らんだスポンジと
付根の平らな部分との境目を、くっきりと際立たせる為の表現になっていて、
また封入されたスポンジが型押し加工により、それ以上に下がってこないように
する為の役割があったようです。
しかし実際はずれて下がって(片寄って)きておりましたが…。

持ち手に封入されたものが片側によってしまうと、
その部分は空洞になってしまい強度が弱くなるので仕様の
改善が必要かと思います。
180609008180609009
ですので今回の製作においては、スポンジとの境目部分には
ステッチを追加することで、平らな部分との境目をくっきりとさせ
尚かつスポンジが下がってこないような縫製を行いました。
追加の縫製もオリジナルの縫製ラインから自然に繋げて縫製しているので
そう云われてもどこのことなのか分からない知れません。
180609010180609011
付根の型押しの柄部分以外はほぼ再現できているのではないでしょうか。
TUMIのこの持ち手の仕様が、これからの定番になってしまうと
ちょっと大変だな〜と思う今日この頃。

旧モデルの持ち手の仕様の方が(ナイロンや革ベルトに革を巻いている仕様)
重いTUMIの鞄には、耐久性の観点から適しているかもしれません。
•今までのモデルの補修事例
180603000
こんなことを書くと、今回の現行モデルに旧モデルの持ち手の仕様で
製作できませんか?と問い合わせがきそうですが、それもできなくはないです。

靴をオールソールする際に、レザーソールからラバーソールにしたりと
自分仕様にカスタムするように、鞄も自分の使い勝手に合わせて
カスタムというのもあると思います!
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ampersandand at 17:52|Permalink

2017年11月03日

TUMIの持ち手修理と、痛み軽減についての考察。

毎月毎月コンスタントに、TUMIの持ち手革交換を行っておりますと、
その痛み具合の状態にはパターンがありまして、
持ち主さんが、右利きなのか左利きなのかが分かるような気がします。
(郵送依頼品なので実際はどうかは分かりませんが)。
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TUMIのかばんは、デザイン的に鞄の裏表があります。
正面は、ポケットがあったりロゴが付いていたりする面です。

通常はそのような鞄の場合は、人は正面を外側にして持つかと思われます。
次に、矢印部分の痛んでいる箇所ですが、これは二本ある持ち手の
片側だけにできています。

そして、巻き付けられた革を取り外して開いてみますと
それぞれの二つ折の裏表(右半分左半分)で痛み具合が異なっております。
102300910230081023010
ひび割れて痛んでいる面は、日常的に手に触れている面と云う事が分かります。
手あかや手汗により、革が変質しひび割れが生じたかと。

開いた革を観察してみますと、それぞれ裏表の四面で
二面ずつで、痛んでいる面と痛んでいない面があります。
痛んでない面というのは、面同士が重なっていて、
手に触れていないと推測できます。

手に持った時はこんな感じかと。
恐らくこの痛み具合だと右利きかなと推測。
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矢印01部分が当たっていて、革が次第に擦り切れたのでは?と。
矢印02の重なり合う面同士は、手に触れないのであまり痛まなかった部分かと。

しかし、鞄の正面を外側に向けないで使う人もいるのでは?
という意見もあるかと思います。

しかしそれは、裏面にできたナイロンの擦れ具合で判断が出来ます。
裏面、つまりズボン側の持ち手付け根部分は、歩行の際にズボンに当たり
擦れることで、画像のような位置が、白く毛羽立っているのが確認できています。
この位置での、そして片側の擦れは外側では起こり難いかと思われます。
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と、持ち主さんの利き手を推測しつつ、巻き革の型紙を作ります。
これはいくら推測を立てても、毎回微妙に長さが異なっています。

私の計測ブレもあるでしょうし、ナイロンが微妙に伸びている?
のではないかとも思うのであります。

2.0mmとかなので、型紙を再利用してもいいかなとも思うのですが、
補修の際には、すでに鞄に縫製されて湾曲している持ち手に
革を巻き付けてゆくので、その微妙な誤差が仕上りに影響を及ぼしますので
毎回型紙を製作し、革を裁断しております。

しかし、それでも淡い期待を捨てきれず、時々使えそうな数値の型紙は
捨てずに取っておいたりもしています。
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ではではタイトルの「痛みの軽減について」ですが、
日頃のお手入れはもちろんなのですが、
痛んでいる箇所の比較パターンから推測されることは…。

予想1.
持ち手は定期的に上下を変えて使用する(重なり方を逆にする)。
そうする事で、手に触れる面(痛む面)が偏らず、
ひび割れの進行を遅らせられるか。

予想2.
左右の手で毎日交互に持ってみる。
同じ位置に手が触れる事を防ぐ事で、部分的な
擦り切れの進行を遅らせられるか。
(同じ側で鞄を持ち続けると、骨格も傾いて歪むらしいですし)

と云うような感じでしょうか。
AFTER
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しかし、こちらのTUMIの場合のように、先程の推測からは外れ、
手に持つ部分全体から痛んでいる方もいらっしゃいます。

靴もそうですが、同じものでも使用環境や使い方は
人それぞれですので、すべて同じように痛むということはやはりありません。
(これが修理の難しいいところです)
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擦れなどの痛みは、どうしても使用により生じてきてしまいますが、
定期的に皮革用のトリートメントにてお手入れして頂ければ
保湿や、表面の保護もでき、痛みの進行を和らげますので
行って頂ければと思います。

「乾燥からの擦れ」を繰り返す事で、革はささくれて
ひび割れてきてしまいます。

以下ミシン掛けは、八方ミシンで行っておりますが
左手の指先のみで鞄全体を支えているので、重いTUMIの鞄は、
時々指先が耐えきれず、ツル時があります…。
(右手は車輪を回して針を動かしています)

もっと大きな鞄をミシン掛けする時には、左ひざで鞄を支えたりと
かなりアクロバティックな姿勢になります。
ですので、その時は股関節のあたりがツルわけですが…。

以前テレビで、海上に流れ出した油の流出を防ぐ巨大な
ネットみたいなものを縫製している高齢の職人さんが、
やはり同じように膝を使って巨大なネットを押し出しながら
必死にミシン掛けしている様子を見まして、ミシン掛けの大変さよりも
いつツルか、ツってしまうのか、ドキドキしながら見ていたのを思い出します。
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ツッて作業に支障がでないように、
鉄分を多めに摂取しなければと思う今日この頃…。
明日はレバニラ、食べようかな。
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ampersandand at 11:23|Permalink

2017年06月08日

TUMIの残念なところ 「合皮、ダメ。ゼッタイ。」

本体のナイロンは、防弾チョッキにも使われているという素材。
なので、摩耗にはなかなかお強い。
常に修理依頼される部分といえば、持ち手の革部分の擦り切れと
肩パット合皮面の交換。
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これらの部分は、問題なく革にて交換できますのでいいのですが、
今回は…
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このモデルは一見よくご依頼されるモデルかと思いきや
ちょっと違う様子。
ちょこちょこと、合皮のパーツが埋め込まれています…。
またまた余計な事を…。
どうせなら革でおやりなさいな…。

この部分も補修希望でしたが、なにせ埋め込まれているものですから…。
ナイロン素材の鞄の場合は特にそうなのですが、
補修の為に一部を分解してみますと、その内部では
幾重にも他のパーツと縫い重ねられていたりしてしまい
迷宮に入り込んでしまいがちです。

また、ナイロンは縫製されている部分を解きますと
繊維がぱらぱらと端からほどけてきやすいので注意が必要です。

今回の部分はそのような理由と、そもそも分解して掘り出して
再度その部分を元のように縫製するには一度外装をすべて分解しないと
内装まで一緒に縫製されてしまうので、何れにせよ修理できない箇所となります。

なぜ、TUMIはそんな場所に箇所に合皮を使うのでしょうか…。
早く買い替えさせる為?

AFTER
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銃弾を防ぐ素材なのに、合皮の劣化には勝てないとは…。
メーカーはそんな矛盾にはじめから気づいていると思うのですが。

ampersandand at 23:09|Permalink

2016年11月06日

TUMI修理専門店ではないのだけれど…。 まとめ篇

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TUMIの修理の時は、なぜだかパタパタパタと連続して全国の方から
ご依頼が舞い込みます。
なにか法則があるのでしょうか…。

まずは持ち手。
TUMIは鞄自体が重く、またそれに荷物を入れますのでなかなかの重量。
それを日々持ち歩きますので、おのずと持ち手の革が痛みます。

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持つ部分の外側が痛む方。
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付根部分が擦切れる方。
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ほぼ同じ形の鞄を持っているのに、痛み方は人それぞれ。
鞄のデザインに裏表がある場合は、
表面の持ち手革部分が痛み易かったり致します。(形状によります)

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この持ち手の補修はご依頼頻度が高いので、持ち手革の型を
作っておこうと以前思ったのですが、モデルによって微妙に
長さが異なっており断念、幅やデザインは同じなのに…。

同モデルでも伸びているのか、長さが数ミリ違う場合もあるので
その都度、一つ一つ型採りをしてから合わせて革を切り出しています。
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これは断面を黒く染めて乾燥中の様子。
載せている台、気付いた方はいらっしゃいますでしょうか。
これは猫よけのイガイガ。

100均で見つけました、これに乾燥中の断面を黒く染めたパーツを載せると
点で支えてくれるので、染めた部分が台に付いて汚れないので
使ってみています。
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本体にセッティング。
製品は持ち手が別パーツの状態で、しかも平らな状態で革を
セットして縫製しているのですが、修理のときはすでに本体の鞄は
くっ付いていますし、持ち手が湾曲している状態で
革を元々の位置にセットしなければなりません。

その場合、湾曲していますので内側外側の距離の違いが生じます。
しかしそれは型紙では生じていません。
ですので、ナイロンベルトに革パーツを合わせる際に
革の外側を微妙に引きつつ合わせてゆくなどのさじ加減が必要になります。
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そして縫製。
この時も修理の際には重たい本体の鞄がくっ付いていますのでしんどいです。
この場合の縫製は、八方ミシンで一目一目縫製してゆきます。
動力は右手で車輪を回して針を進めていますので、
鞄を持つのは左手の指先のみ、ん〜ぷるぷる。

本体が付いていますので、縫い進める方向は限られます。
バックで縫い進めたり、カニ歩きのように横にずらしながらなんてことも。
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受付の後ろにありますのが八方ミシン。
古めかしいのでオブジェだと思われ写真を撮ってゆかれる方も。
確かに数十年前のミシンにはなりますが現役で稼働中です。
ちなみにこのモデルは現在生産停止になっているようです。

HPの修繕事例目次のアイコンのミシンもSINGER社の八方ミシンです。
1919年頃に製作されたもののようです。
(現在は動作不安定につき自宅押し入れに待機中)

このミシンを模倣して国産したものが、先ほどの
SEIKO社の八方ミシンになります。
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八方ミシンはその名の通り、四方八方に縫い進められます。
抑え部分を右斜めに向ければ右斜め、左にむければ左に。
なので、無茶な箇所を縫製する修理には無くてはならないミシンになります。
もちろんTUMIの修理にも不可欠です。

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そうしまして完成。

続いてこちら、肩パッドの合皮面の劣化部分を革に交換。
劣化して黒い塗装のカスがポロポロとワイシャツに…。
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皆さんそのカスカス地獄にしばらく耐えられてからご依頼頂いているようで
カスがきれいに落ち切っている場合が多いです。

革へ交換の際には合皮面を取り外し、新たな革パーツを宛てがいまして
表面のオリジナルの革パーツの元の縫い目に、ひと針、ひと針と
針を落として縫製してゆきます。
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完成。
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ぱつんぱつん。
肩パッドも色々な形状のものがありますので、
それぞれだいたい対応しております。

続きましてはこちら、根革の裂け補修。
ショルダーストラップを引っ掛ける金具を固定している革部分。
経年劣化により加重を支え切れず裂けてしまいます。
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しかし、モデルにもよるのかもしれませんが、見た目は厚みがある感じですが
分解してみますと、芯材に圧縮した紙の芯材を挟み込んでいます。
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このブログでも度々登場しますが、この紙の芯材は使い初めは
良いのかもしれませんが、徐々に劣化して千切れてしまいがちです。
ただ、今回はこの芯材の影響ではなく本体に差し込んでいる部分の
仕様が問題でした。

差し込まれる部分は、薄くなだらかに漉いて挟み込むのですが
今回のものは、本体と縫製される部分に薄く漉いた部分がきてしまっていたので
耐え切れずに縫製部分が切り取り線のようになり千切れてしまっていました。
もう少し差し込んで、厚みが充分にあるところを縫製していれば
問題は無かったのですが。
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作り替えの際は厚みのある革を二重に合わせ伸び留めのナイロンを挟み込みます。
そして充分に厚みのある所を縫製して固定してあります。
完成
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引き続きこんな補修も。
持ち手のまとめパーツ。
BEFORE
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裏地が生地でできており、包んだ際にその生地がたるみますので、
そのダブつきの凹凸の影響で表面の革も擦切れているようです。

製作の際は、裏も革で製作します。
形を包んだ状態で裏革をセット裁断していますので、
内側のたるみの発生は最小限になっております。

革は、持ち手などに使う革で製作してしまうと、持ち手をまとめた際に
張りがあり過ぎるのでくるっと纏まりづらく、
持ち難くなりそうなので、もう少しソフトな黒革にて製作。
AFTER
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裏革にテンションをかけて製作していますので、
ボタンを開けても開き切らずに閉じ易い形状に維持出来ています。
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ampersandand at 16:35|Permalink

2015年08月16日

TUMI 修理専門店ではないのだけれど… リペアトラウマ篇

TUMIの修理も定期的にやって参ります。
なんとかの法則ではないのですが、一件ご依頼がありますと
立て続けに2件3件と、TUMI祭りが定期的にございます。

持ち手の革巻交換とショルダーベルトの肩当て部分の合皮交換。
肩当て裏面はなぜか合皮なんですよね…。

本体は防弾チョッキに使用されているというバリスティックナイロン、
持ち手部分は手馴染みの良いレザー、そして肩当て裏地はなぜか合皮…
なぜなんだTUMI… なぜなんだぁーー。
BEFORE
こちらは二つ折りのシンプルな革巻タイプ。
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こちらはレザー部分が変質してしまっております。
硬化してしまい剥がれている部分もあります。

剥がれてきてしまったので、瞬間接着剤で固めている部分も…。
たびたびお伝えしておりますが、瞬間接着剤でのDIYリペアされる場合は
その後のリペアは出来ない可能性(または費用が増加)することを
念頭にしていただいて行ってみてください。
(後に修理に出されるのであれば、やらない方が賢明です)

市販の瞬間接着剤は、接着ではなく物質を硬化させて固定していますので
その部分は柔軟性を失ってしまい、その後に割れてくる可能性があります。
今回も若干、ナイロン部分まで侵されておりましたが、ぎりぎり大丈夫でした。
下段の持ち手は経年により擦切れてしまっている症状です。
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持ち手周辺部分を革で覆う仕様のモデル。
こちらの仕様のほうが手間が掛かりますので費用は掛かります。
(どちらかを選択できるという訳ではなく、元の仕様で交換となります)
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肩当ての表部分、こちらは革になっております。
で、裏面が謎の合皮仕様。
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グレーの生地に見えますが、この表面にはもともと黒い合皮の皮膜が
覆っていたのですが、劣化して粉状になりYシャツやスーツにこびり付くという
厄介な現象を起こします。
ですので、恐らくご自身で全て擦りとり、しばらく使用されて
いたではないかと思われます。
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それぞれ分解していきます。
分解する時に使用するのがこの道具、名前お分かりでしょう?
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裁縫道具のひとつですが、糸を切ってゆく道具になります。
小学生の家庭科の授業にて、エプロン作りの際に
間違って縫ったところを先生に解いてもらったときが
わたしの「リッパー」との出会いでした…。

という回想は置いておきまして、作業を進めてゆきます。
0726-2
革のパーツを裁断してゆきます。
このパーツも毎回型紙を製作して裁断してゆきます。
同じ仕様であれば同じだろうと思っておりましたら、それぞれ使用により
微妙に寸法が変わってきておりますので、毎回微調整をしつつ型紙作りからに。
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今回の仕様は端の部分が折込仕様でしたので端を漉きます。
ちなみに周囲が5.0mmずつ大きくなっております。

色が薄くなっている部分が漉いた部分となります。
上段の画像/銀色の線が仕上りラインになります。
ですので幅を10mmで漉いて5.0mm折り返しますと
仕上りの大きさになります。

10mmの漉き部分は、端に向かって斜めに薄く漉かれておりますので、
5.0mm折り返す事で、もともとの革の厚みになるという事です。
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挟み込んでいる白い帯は、伸び留テープになります。
今回は無くても良いのですが、ラインを綺麗に出す為と、
補強も兼ねてサンドしています。
靴の履き口部分にも使用されております。
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二つ折りの持ち手部分も内側に折り込んでいきます。
当店で使用する革は、オリジナルより少し厚めを使用しておりますので、
折り込む部分も同じ厚みで畳んでしまうと、持ち手革部分が分厚く
なってしまういます。

ですので、手に触れる部分の革は元の厚みにし、
折り畳まれる内側部分は薄くなる様に幅を調整して革を漉いておきます。
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これらの部分漉きの作業は手間ですので、
その都度巻き込まれる距離を確認して、革を下ごしらえしなければ
なりませんので、修理店によっては薄い革をそのまま巻いてしまう
場合がありますし、既製品でもやはりそのように行っている製品が
しばしばあります。
(TUMIもそうですが、TUMIはそこそこの厚みの革を折り込んでおります)

ただ、このような作業をやるかやらないかで結果的には
耐久性の違いになってゆきます。
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持ち手の場合は、新たに縫ってゆきますのでピッチが狂わない様に
ひと針ひと針縫ってゆきます。
二つ折り部分は、厚いナイロンが二枚と革が四枚が重なっており、
厚みが10.0mm前後ありますので、八方ミシンの送りがほとんど効きません。
ですので、手の感覚でピッチが均等になるよう押す感じで縫い進めます。
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肩当ての縫製は、表面の革部分に元の縫い目がありますので
その縫い目をひと穴づつひろって縫い進めます。
ですので、メーカーで縫った縫い目がよれていれば、それに添って
縫いますのでよれてしまいます…。
よれない様に修正してしまいますと、もとの縫い穴が
別に残ってしまいますので。
after
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続いてこちらのTUMI。
こちらは先ほどと同様の二つ折りのタイプ。
まずはバラします。
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他店にてすでに一度修理されているということでしたが、ムムム…。
革が薄っぺらいですね… 0.5mmぐらいでしょうか。
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0.5mm…この厚みの革で持ち手の革を巻き直すというのは…。
ちなみに当店ですと約1.5mm、TUMIのオリジナルだと1.0から1.2mmぐらい。
0.5mmであればそのまま漉き加工せずに巻いてしまっても
段差などに影響ありませんし、持ち手の厚みも抑えられるので
ミシン掛けも楽なのですが…。

婦人靴のピンヒールなどに巻いてある革が0.5から0.8mmぐらい。
ですので、ヒール巻き用の革を使って巻いたのでしょうか…。

お察しの通り、それではすぐに擦切れてしまいます。
物理的にも単純に耐久性で1.5と0.5mmでは3倍違ってきますから。
このあたりは仕上り時点で見栄えが同じでも
使っていくうちに分かる部分ですので、補修費用だけでは
判断が難しいかと思います。

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前回の修理で、縫い目もヨタヨタになっており、
仕上りに不満があるとのことでした。

ヨタヨタのせいなのか、バラしてみますと縫い目がぐちゃぐちゃになっており、
所々の革が裂け始め分裂し始めております。
これをそのまま巻き直しても、表面がボコボコしてしまい
綺麗に仕上らないような… どうしたものか。
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今回の補修で、二つ折りの持ち手から、折らずにフラットな仕様に
変更できないかということでしたので、凸凹/裂けの補強も兼ねて
ナイロンの補強テープでぐるぐるとテーピングしてしまいます。
これで、表面の凸凹は落ち着きますし、補強にもなりますのでよろしいかと。
after
0630-490630-50
フラットにして両面から革を巻きますとゴツくなりますと
お伝えしましたが、ゴツい分には尚結構ということでした。
結果、予想より頑丈な仕上りになったと喜んで頂けました。

ちなみに今回のご依頼は、他店でのぺらぺらヨタヨタの修理で、
リペアトラウマになってしまったようで、
修理にだすかどうか、ご来店の際もまだ悩まれていらっしゃるようでした。
またこの店でも同じようになったら…と。

わたしの場合は、その状態よりうまく出来ないと判断した場合は
正直に「できません」または、こうこうこうなりますとお伝え致します。
後で、がっかりされるのも嫌ですし、怒られるのも嫌ですし。

ですので、リペアのリペアの場合は、
いつもよりプレッシャーはかかりますが、結果
治して良かったですと云われますと、
こちらも治して良かったですと。

電気製品のように、壊れた部分と同じパーツを
取り替える訳でなないですし、また、
同様の完成例があることも少ないので、依頼するにも
何を判断材料とするかは難しいと思います。

ですので、なるべくそのような不安が
少しでも軽減出来るような記事が書ければと思う
猛暑な今日この頃…。

こちらの記事もご参考までに。
TUMI修理専門店ではないのだけれど…。 まとめ篇
TUMIの残念なところ 「合皮、ダメ。ゼッタイ。」
HPアイコンロゴアウトライン

ampersandand at 18:54|Permalink

2014年03月15日

春の TUMI 祭り

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持ち手2本に肩当て2枚… なぜか同じ時期に同じ修理が集中するのですよね…。

持ち手と肩当ては、定期的にご依頼が入るので、
いっそのこと型紙を作っておこうかと思って作ってみたのですが、
微妙に毎回異なります。
やはり、使用環境により伸びたり変形したりして、同じモデルでも
どうも誤差がでてしまうので、毎回型紙作りからになってしまいます。
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持ち手はこんな2型。
TUMIの持ち手は今のところ、4型ぐらいバリエーションがありますね。
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いつもの謎の合皮片面使用の劣化する肩当てです。
これも、長さが微妙に違うバリエーションがあったりと、
なんなんですかね、これってメーカーの工場でも問題にならないのかなと?
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ちょっとの違いの肩当て作るのなら、揃えてしまったほうが
抜き型代やら諸費用が抑えられるだろうにと思うのですが…。
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革の端は、漉きまして補強の芯材を巻き込むように折り込んでいきます。
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貼り合わせましたら、表面のもとの縫い穴に針を落としてゆきまして
完成となります。
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肩当ても、今のところ、パンパン3段タイプと、フラットタイプの2型あります。
持ち手の完成画像が見つかりませんでしたので、割愛させて頂きました…。
気になる方は、HPを参照願います。


ampersandand at 02:30|Permalink