2010年12月05日

けがをした大学生 12月2日の『新京報』によると、北京電子科学技術職業学院で、生徒の父親が友人と、学生宿舎に殴り込みをかけ、21人の学生と寮の管理人に怪我をおわせるという事件があったそうです。
http://epaper.bjnews.com.cn/html/2010-12/03/content_176987.htm?div=-1


 (写真は新京報に掲載されていた怪我をした学生)

 以前「教師が生徒に謝罪(湖南省)」で李剛事件についてふれ、そこの中で「官二代」という「虎の威を借る狐」ならぬ「親の威を借る狐」のようなドラ息子について紹介しました。今回は、ある意味その変化形で、馬鹿親父の話です。

 もともと喧嘩の原因はどこにでもある話で、生徒Aが、同級生Bが彼女といちゃついているのをからかったことからトラブルになり、喧嘩になりました。その後、いろいろあって退学になるのではないか等と心配したBが父親に電話をかけたところ、父親が怒鳴り込んできたというものです。

 ただ怒鳴り込んで来ただけならまだしも、友達を2人つれて来ており、皆酔っぱらった状態で、「俺は黒社会(暴力団)だ。誰であろうが俺の息子をいじめる奴はぶん殴ってやる。」と言って、生徒に殴りかかったそうです。

 最近こうした事件はかなり多いようで、福建省屏南県の財政局職員の採用を巡って、福建省宁徳市副市長陳輝(その前は屏南県の書記長)の娘の一人しか申し込みがなかったのは、おかしいとして、話題になりましたhttp://www.jizhe.cc/news_view_150687.html。中国では、今でこそ、民間企業が沢山増えてきて、「下海」(官僚から民間に転職すること)などという言葉も一時期流行語になりましたが、以前として官僚の人気は高く、なおかつ大学生が増えすぎたため、大学生の就職難が叫ばれる現在、1人しか申し込みがないなど、まず考えられません。そのため、李剛事件をもじって「父親は陳輝」と呼ばれているそうです。
 
 先に書いたように、中国では官僚に限らず自分の持っている(権)力を使ってコネを作り、何とかおいしいところにありつこうとしており、権力のないものは情報を使ってでもと考えます。文革を背景に、こうしたことを描いた、映画『シュウシュウの季節』等を見ると本当に何とも言えなくなります。

 今回の事件もある意味同じで、権力がないからこそ、「黒社会」という本来権力にもなりえないもの(力)を使って、なんとかしようとしたのであり、こうしたことに頼らざる社会というのは確かに何かがおかしくなっていると感じます。

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凜amuro001 at 11:49│コメント(0)トラックバック(0)コネ社会 │

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