2011年01月15日

 李克強副首相がイギリスを訪問した関係で、イギリスでは、中国に関する報道が増えることとなるわけですが、その中でイギリスのガーディアン紙に掲載された2つの記事が大変興味深かったのでこれについて少し。

 1つは、1月12日付のThe era of 'owned by China'(「中国によって所有される」時代)ですhttp://www.guardian.co.uk/business/2011/jan/12/era-of-owned-by-china。まさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」という感じの中国を表した記事で、李副首相の訪問期間中も数々の欧州産品の購入を決めたことが記載されています。

British trade delegation to China

      (キャメロン英首相と李中国副首相、上記HPより)

 それと併せて最近の中国の特徴として、国債や企業などの資産の購入があげられております。その典型的な例として、アメリカ国債があげられており、膨大な人口と製造業の発展のために、鉄鉱石などの資源を確保していることも紹介されています。

 そして、同じヨーロッパといえばやはり、イギリスにとって、無関心でいられないが、スペインやポルトガルの経済問題で、当然これらの国の国債も中国が購入することについても言及しております。

 まさに、スタンダード・チャータード銀行のジェラルド・リオンズ氏が記事の中で述べていたように、「過去10年間は、'made in China'と形容される時代だったが、今後10年間は、中国によって所有される時代となろう」といった事例が多数掲載された記事です。

 もう1つの記事は、ある意味、欧米の新聞にはよく掲載されるパターンの記事で、中国の人権に関するものですhttp://www.guardian.co.uk/world/2011/jan/14/china-police-chief-dies-custody

 この記事のもともとの事件そのものが何とも言えない事件で、遼寧省の本渓市で、警察等に不正があると1人の男性が抗議の焼身自殺をした結果、警察署長をしていた謝志岡が不正をしていたとして、妻と一緒に取り調べを受けたのですが、この謝志岡が取り調べ中に急死してしまったという事件です。

 記事では、当局は死因は心臓発作としているが、その妻の証言として、夫の死体には暴行の後があったということを紹介し、中国で、拷問を用いて証言を引き出してはならないという通知が出されたばかりなのに、こういうことが行われているという感じの記事になっております。

 その上で、ある統計では、2009年には、1800人の警官が拷問を行ったために停職となっていることを紹介しています。こうしたことが、中国でおこる背景分析もなされており、結果をださないと給与や昇進に響く警官に対するプレッシャー、そして、独立した司法制度や公によるチェック機能がないが故に、警察が何をしても罰せられることがないことを挙げております。

 まさに、中国の正と負の2つの面を表したような記事で、1つめの記事は、どちらかというと、こうした勢いのある中国をうまく利用しようという感じの記事だったのですが、やはり、2つめの記事のように、中国に対する不信はかなりあるようで、李副首相が帰国した途端にこの記事というのもなかなか考えさせられました。


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凜amuro001 at 09:33│コメント(0)トラックバック(0)人権 │

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