2011年03月24日

 たまたま『環球網』を見ていたらあまりに腹がたつやら、悲しくなるやら、どうしたよいかわからない記事http://society.huanqiu.com/photos/2011-03/1585227.htmlが掲載されていたので、紹介させてください。

母親1

母親3
            (どちらの写真も上記HPより)


 3月22日の午後、広州である母親が生後6ヶ月の娘を抱え、跪いて歩いていたそうです。それを見た記者が、母親に声をかけ、理由などを聞いて記事にしたものです。

 母親が抱いている娘ですが、去年の8月31日に生まれたものの、生後2ヶ月経った頃、目がおかしいのではないかとなり、病院に連れていったところ、目の癌と診断されたそうです。

 この夫婦は夫の裁縫工場での2000元(日本円にして3万円程度)の月給しか収入がなく、治療を受けるために既に、5万元もの支払いをしており、全ての蓄えを使い切ってしまいましたが、それでも娘の病気はよくなりませんでした。

 現在では、既に左目は視力を失ってしまい、このままでは右目も見えなくなってしまうそうです。それどころか生命の危機にもかかわるということで、万策つきた夫婦はネットに助けを求めました。

 そしたら「広州の金持ちの息子」と名乗るネットユーザーが広州の町中を跪いて1キロ歩いたら、2万元くれると言ってきました。それを見ていた他のネットユーザーは腹をたてたものの、母親はそれでお金がもらえるのなら、少しでも可能性があるのならということで、この行動に及んだというわけです。

 その結果ですが、おそらく多くの方が予測しているとおりで、このユーザーは最初から全く金をくれる気はなかったようで、記者が連絡をとったところ、母親はずるをしたとか言い訳をして、結局お金をよこしませんでした。

 せめてもの救いはこの母親の行動を見た周りにいた人々が彼女に手持ちのお金をいくらかづつでもあげたことですが、あまりに悲しい話です。実際中国では、医療保険がないため、満足に治療を受けることができない者が多く、これと似たような悲劇は数多くあります。

 中国というと、目覚ましい経済発展ばかりに目を奪われがちになります。激しい貧富の差などきびしい現実があります。確かに豊かな者が数多くいるとはいえ、一方でこうした貧しい方はそれ以上に数多くおり、貧しい生活に耐えております。願わくばこの記事を見た金持ちが彼女に寄付の申し出をしてくれることを心の底から願っております。



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凜amuro001 at 23:20│コメント(2)トラックバック(0)中国格差 │

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この記事へのコメント

1. Posted by 高田 達   2011年03月25日 19:41
中国社会の今の問題を凝縮したような話ですね。

しかし、生後6ヶ月の子供が癌、それも両目ですか。
医学的になにかおかしい気もしますね。

いずれにせよ、多くの問題を隠喩する話ですね。
2. Posted by 凜   2011年03月25日 20:43
>高田 達様

 先ほどこの記事の続きを書きましたが、本当にいろいろ考えさせられる事件でした。

 医学のことはあまりよくわかりませんが、ネットなどで見ると、網膜芽腫というガンの一種は5歳以下の子どもによく発病するそうです。

 何にせよ、おっしゃるとおり、いろいろな問題(矛盾)が含まれている事件かと思います。

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