2011年03月25日
『環球網』を見ていたら、昨日書いた記事の続きがあったのでhttp://society.huanqiu.com/roll/2011-03/1587233.html、それを紹介させていただきます。
結論から言うと、この事件は「宣伝」でした。ただ、母親が子どもの病気を偽装したり、子どもをだしに金をだまし取ろうとしたというわけではなく、母親に、金をくれるから跪いて1キロ歩けと指示をした「広州の金持ちの息子」と名乗る者が、全て仕組んだことでした。
どういうことかというと、この「広州の金持ちの息子」というのは、実はこの母親が書き込みをしたウェブサイトの管理人で、この書き込みを見て同情し、どうしたら人目を引くことが出来るか、募金を集めることが出来るか考えた結果、母親にこうした行動をとらせたというものでした。
なぜ、このことがばれたかというと、「広州の金持ちの息子」と管理人のIPアドレスが同じだったことから、おかしいとなって、追求され、管理人が真実を暴露したそうです。
確かにこの管理人の言うことも一理あることはあり、「社会は大変冷たく、掲示板にはこれほど多くの助けを求める書き込みがあるにもかかわらず、誰も助けようとしない」こうした派手な宣伝をすることは、確かに社会道徳に反するものかもしれない、「しかし、命を救うことは道徳より重要なことである」と述べております。
いろいろ考えさせられる事件です。確かにネットを使って売名行為としか言いようのないことをする者が後を絶たなかったり、やらせではないかと疑われる事案が中国でもかなり発生しております。
例えば、「美しすぎるホームレス」ということで、貧しい実家と病気の母親を救うために北京の路上で歌を歌って金を稼いでいた女性がネットで紹介され、2011年に話題になりました。しかし、ホームレスにしては清潔すぎるとして、タレントの売名行為ではないかという疑いがおこりました(すいません、事実はどうだったのか、その後の報道を見つけることができなかったのでわかりません)。
今回の事件はいろいろ考えさせられる事案でありましたが、結果として、20万元以上の募金が集まり治療費は足りることになったそうですので、それだけは良しとすべきかもしれません。
確かに管理人のとった行動は褒められるべきものでなかったのは間違いありません。しかし、こうしたことをして人目を引かなければ、金を集めることもできなかったのも確かです。
それでも、そうなると今度は、こうした人目をあつめられる事案しか、救われないことになってしまい、多くの不幸な方々の中から、たまたま人目を集めたものだけが、救われるという大変不公平なことになってしまいます。
結局どうしたら良いのか、私自身もわかりませんが、こうした苦労している人々が沢山いるのが中国の現実で、本来であれば、政治がこうした貧困を解決するのが筋だというのだけは間違いないと考えます。

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この記事へのコメント
一昔前の小説を読むようです。
コメントありがとうございます。
確かに、小説のようだと言われるとそうかもしれません。
とりあえず、医療費が集まったのですから、良しとすべきなのでしょうが、どうもすっきりしません。
おそらく実際に募金をして人はもっとすっきりしていないでしょう。恐いのはこうした気持ちが今後の募金活動へ与える影響です。