2011年07月14日
『環球網』に「中国高铁故障引“关注” 日韩媒体“幸灾乐祸”」(中国の高速鉄道の故障は日本や韓国のマスコミの関心をひき、「他人の不幸を楽しんでいる」という記事が掲載されており、いろいろな意味で興味を引かれたのでこれについて少し。
既にご存じの方が多いと思いますが、開通したばかりの北京・上海高速鉄道では7月10日、12日、13日と連続して故障を発生しております。これまで何度かこのブログで触れておりますが、中国は何だかんだ言って自分たちが外国からどのようにみられているか大変気にしており、今回の「醜聞」は国内だけでなく、国外でも話題になってしまっているというのが今回の記事です。
ただ国外といっても標題にあるように、記事で触れているのは日本と韓国だけです。『産経新聞』では「中国“パクリ”新幹線もう故障」と、他人の不幸を楽しんでいる標題をつけていると苦言を呈しています。
この記事によると韓国のメディアもかなり容赦ないようで、『朝鮮日報』では、中国共産党結党90周年記念にあわせるために無理をして開通したのではないとかと指摘、『東亜日報』では「連続して故障-中国高速鉄道の恥」という標題の記事を掲載し、事故の原因は強風と暴雨としているが、説得力に欠けるもので、多くの者は(非難の)矛先を鉄道部局に向けているという記事を、『国民日報』は世界最高水準と自称する中国の高速鉄道が風雨でとまるとは、何も言えない、という内容の記事を掲載したそうです。
ちなみに日本のマスコミ代表として、引用されたのが、『産経新聞』『2チャンネル』及び『Yahoo Japan』のコメントですから、あきれかえります。『Yahoo Japan』のコメントには、「中国の高速鉄道はいつ大事故を起こすの」という書き込みもあったと紹介しております。
この記事は斯様に日本と韓国のマスコミ(?)の記事を紹介するだけで終わっていますが、これに対しかなりの数のコメントが書き込まれています。当然反日的なものも数多くあったのですが、「とても恥ずかしいことだ、90周年の贈り物だ、悲劇」といったものや、「手抜き工事」と中国鉄道に対する非難がいつもより多いように感じました。
個人的にいろいろ思ったのが「私たちは日本のためにあんなに多くの手助けをしたのに、日本はどうして中国を嘲笑するのか?」という意見でした。おそらく東日本大震災時の援助のことを指していると思いますが、多分いろいろなことを知らないからこそ書ける意見かと思います。
最初この記事を見たときは、これだけで終わっているのかとすごい違和感を覚えたのですが、実はこの記事は
「学者:民族科技进步遭受挫折 民众不应幸灾乐祸」(学者によると、民族の科学技術の進歩には挫折がつきもので、大衆は他人の不幸を喜ぶべきではない)とセットになっているものでした。
この記事で言わんとしているのは、日本の新幹線も韓国の高速鉄道も結構問題があるとしており、アメリカでも飛行機が墜落して多くの者が亡くなったことがある、それを笑うことはできないはずなのに、中国に対してこうした態度をとるのは如何なものかということです。
これだけ見ると如何にも説得力があるようですが、新幹線の問題といっても、トイレがつまったドアが開いてしまったというものですし、脱線事故として挙げられているのは、今年5月に北海道で発生した脱線発火事故のことです。
韓国では韓国の『毎日経済』に掲載された100回以上脱線危機に見舞われたことがあるという記事を引用して批判しているわけですが、韓国当局は否定しているということですので、どこまで本当だかわかりません。それに日本も韓国のマスコミも別に大事故が起こることを望んでいるわけではないと思うのですが、特定の書き込みを論拠に如何にも日本や韓国のマスコミが中国高速鉄道の大事故を望んでいるように論理をすり替えるのは如何なものかと思います。
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この記事へのコメント
強権体制だった戦前の日本もそういうことが行われていたのかもしれませんが、21世紀の現代でそれが行われているのはかなり違和感がありますね。
まあ救いは今は見る人が見ればそれが偏った報道だとわかるとういことですかね。すぐには理解されなくてもいずれ中国の一般の人にも正しい理解が行き渡ると良い...のですが。
中国の新幹線が実際どの程度模倣でどの程度危険なのかは実はほとんどの人にはわかってないと思うのですが、少なくとも開発期間のあまりの短さから考えると、ほとんど模倣だと考えるのがリーズナブルでしょうね。
一年(でしたっけ)など、テストだけで終わってしまう時間であって新しい技術を開発する時間ではありえないですから。
犠牲者が出ないことを祈っています。
私の2チャンネルやコメントを日本のマスコミ代表とする選択には本当に呆れかえりました。
中国の高速鉄道は誰がどうみてもおっしゃるとおりでしょう。私が中国にいたとき国を挙げて祝っていた中国初の有人宇宙飛行も、どうみても旧ソ連のものにしか見えず、これで中国が打ち上げたと言われてもというのが偽らざる感想でした。
確かに運行し始めたばかりのころは事故が起こるものですが、私も大事故が起こらないことを祈るのみです。
>中国嫌い 様
確かに無理な発展を推し進めようとした結果かもしれません。そこまで急がなくてもよいのではないかと思うのですが、どうも中国にしてみればそうもいかない様です。
今回の高速鉄道にしてもいろいろかなり無理をした様子が、私も記事を提供しているKINBRICKS NOWさんが記事にしておりました。

