2011年07月30日
ちょっと古いニュースですがキャノンキヤノンの新卒者向けの会社説明会が記事になっており(『J-castニュース』「露骨な学歴差別なのか キヤノンの大学別新卒説明会」)、いろいろ考えるところがあったものですから、これについて少し。
この記事によると、インターネットで予約できるのが、「11年7月28日11時の東京開催の説明会は、東大、東京外語大、横浜国立大、早大、慶大、上智大の学生限定。翌29日の東京会場は10時と11時の回が、それぞれ早大、慶大、明大、青学大、立教大、中央大の学生が対象」で、「大学名のない学生は、「事務系」とだけ記されたフリーの予約枠に応募するしかな」かったそうです。
まずこれを見て思ったのが、昔からそれなりの企業に就職するには、OB訪問があり、OBがいない場合大学の卒業生は結果として人事部の面接にたどりつけず、就職できないなどのシステムがあり、学歴による「差別」はあったのではないかということです。
こういうことを書くと、既に時代がかわり、現在ではそういう「差別」がなくなったはずではないかと言われる方もいるかもしれません。しかし、私はそもそもこれが「差別」にあたるのか、かなり疑問です。念のため申し上げておきますが、私は大学に人より多少長くいたので、いろいろな方を見る機会があり、学歴が全てなどというつもりは全くございません。
実際、頭が良くてもこれでは社会で使い物になるとは思えないと一目でわかるような方もおられました。また、私は何度か繰り返しておりますが、基本的に相対主義者で、頭の善し悪しが全てだ、絶対だなどいう考えに与する気は毛頭ありません。
それに、人は皆持てる能力が違うので、その分野で分野分野で能力により区別されるのは当然かと考えます(誰もがなりたいからと言ってサッカーの日本代表になれるわけではないように、東大に入りたいと思っても誰もが自由に入れるわけではありません)。
また、キャノンキヤノンは民間企業で誰を採用しようが基本的に自由です。仮にも大企業なのだから公平であるべきと考える方がいるかもしれませんが、民間企業なので、縁故で採用しようが、顔で判断しようが基本的に自由です。ただ、あまりやりすぎると本当に「優秀な」学生が募集してくれなくなるので、ある程度のセーブが働いているにすぎません。
そのため学歴をどれだけ考慮するかも自由で、今回キャノンキヤノンは最低でもこうした大学にうかる能力もしくは努力をした方を採用したいと思ったにすぎないかと考えます。それに実際問題として、人事部の手間を考えると最初からある程度のフィルターをかけないと対処しきれないというのも現実かと思います。
人事部としてみればどれだけ「優秀な」学生を採用したかが、彼らの評価につながるのであれば、安全志向に行くのが当然かと思います。そうなれば、口ではいろいろ言っていたとしても、規格通りのことをしてきて、そこそこの大学に入った方を選ぶはずで、冒険をして型破りな規格外の学生を採用するのは少なくなるのではないでしょうか。
こうした現実は私がどうこう言うまでもなく、既に周知の事実かと思います。大学には企業毎の採用実績が置いてあるので、それを見れば厭でも現実はわかるはずです。そのため学生も企業も皆周知の事実なのに、こうした記事が話題となるというのは、社会一般の雰囲気として、学歴による「差別」はいけないという雰囲気があるのかと考えます。
何となく、これが日本的なタテマエと現実に見えて面白かったため、今日はこの話題についてエントリーさせていただきました。
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この記事へのコメント
誰かが犠牲にならないと安価で高品質な商品と会社の利益は両立しないので仕方のないことであります。
もちろん東大卒でも仕事のできない人間はいるでしょうし、高卒でも仕事が出来る人は居るでしょう。
でも、平均すればやっぱり努力を惜しまず地頭もいいのは東大です。
実際採用した後の仕事ぶりを見てると、平均すればやはり優秀な大学を出た人間の方が仕事ができます。これは明らかな傾向があります。(少なくともうちの会社では)
また、募集枠に対して大量に応募者が来るのでその人達一人ひとりをじっくり見る手間も余裕もありません。
そうすると大学名で振り落とした後、候補者を絞っていくのは現実的な選択です。
それをはっきり言うと世間から反発を食らうので押し黙ってますが、それが現実です。
企業は慈善活動をしているわけではないので。
たとえば、プロ野球チームが新人一人を採用する時、1万人の応募者があって各人のデータが短距離走の記録しか無かったらどうするか。
わざわざ脚の遅い人を選びはしないですね。
とりあえず脚の早さで候補者をしぼって、そこから一人ひとりを丹念に見ていくでしょう。それと同じですね。
採用する側からすると当然の理屈なんですが、それが明らかになると世間からの反発が凄いので、そこが難しいところです。
確かにキャノンの下請けの労働条件についてはいろいろ聞いたことがありますが、おそらくキャノンに限ったことではないのでしょう。
人件費を削ることは結果として自社の商品を買ってくれる消費者の可処分所得を減らすことになっているわけですが、デフレスパイラルの現在ではそうあまいことも言っていられないといったところでしょうか。
おっしゃるとおりで企業は慈善活動をしているわけではないので、東大など地頭の良い有名大学の学生をとりたがるのは当然かと思います。
私も以前、有る会社の人事担当者から、今年は東大卒を何人採用できたかによって、人事部の評価が決まるということを聞いたことがあります。
これが現実はわけで誰もが知っているにもかかわらず、知らないふりをしている日本、どこかおかしいと思います。
仕事ができる派遣がいても、大学出の仕事ができない人に責任をあるポジションをさせることがほとんどだとか。
まあ、大手だし、経団連とかも繋がっているでしょうから、結局日本のトップ企業は頭でっかちの、現場知らずが多いのでしょうか。
です。
正社員と派遣社員の区別というのは良く言われる話で、まるで身分制度のようになってしまっているとも聞いております。
本来採用した後で、いろいろ出来れば良いのでしょうが、正社員を解雇するのが(労基法などにより)困難な現状においては、そうもいかず難しいところです。
たしかにそうなんですよね。
そもそも入社後ならともかく採用時に優秀な大学から優先的に採用するのはある意味当然というかむしろ公平とすら思えますよね。
それまで学生に与えられた仕事(勉強)で最も高い成果を出してきた人たちなんですから。
それが叩かれるというのは、やはり日本は行き過ぎた平等主義の国なのかと思います。
まさに、やってしまったという感じです。御指摘、誠にありがとうございました。修正しておきました。本当に感謝、感謝です。
http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-4190.html
東工大卒業してこのレベルの低さ!!!
こんなのがいっぱい今はいる。
むかしもこういうのはいたけど今はもっとひどい。
これじゃあ就職が決まらないのは至極当然だ!!!
確かに日本の平等主義は、いろいろ考えるべきところがあるかと思います。
もともと日本は機会の平等だけを提供していれば良かったように思うのですが、結果の平等も求めるようになり、それが多少おかしな方向に行ってしまってようにも思われます。
なかなか笑わせていただきました。実際問題として大学で学ぶことよりも社会に出てから学ぶことが多いはずなので、彼の場合、社会にでてからどのような活動をして、そこから何を学んできたかということかと思います。
自分も10年ほど前まで間違えていたので人の事は言えないのですが。。。
ただ、記事を読み始める前に出だしから、、、、となってしまって、
どんなに素晴らしい記事を書かれていたとしても、台無しに思えてならなかったので。
まさに正論かと思います。受験勉強という努力をすることができたか、受験を突破できるだけの能力を有しているか、現在の制度で最もよく判断できるのが学歴で、その意味でこういう「学歴差別」は必要なものかと思っております。
むろん、人の能力は頭の良し悪しだけで決まるものではないので、学歴が全てなどというつもりはありませんが、企業にしてみれば必要な人材を選ぶために最もてっとり早い方法かと考えます。
おっしゃるとおりで、内容以前に必要な様式を満たしていなければ内容審査に入ってもられないのは、当然のことで、御指摘感謝しております。
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
お褒めいただき誠にありがとうございます。
こちらこそよろしくお願いいたします。

