2011年11月28日

 中国といえば最近では海賊版、ニセモノ商品などのイメージが強くなってしまいましたが、今日は『中国新聞網』が伝えていた中国偽記者の記事が面白かったので、これについて少し(「假记者涌入陕北“掘富” 出钱消灾心态成温床」)。


1 ニセ記者の状況

 ニセの記者証を使って企業などから金銭を騙し取ろうとしたり、交通費や名所の参観費用の支払いを免れようとしたり、ひどいものになると、重要な会議に紛れ込んだりする者までいるそうです。しかもこうした実態は最近始まったことではなく、山西省などの報告によれば数年前前からあるとのことです。

 実際の事例も紹介しており、2010年4月に陝西省楡林市の炭坑で雷管(火薬類の起爆点火装置)がなくなるという事態が発生しました。本来であれば、罰金が科せられるところ、記者と名乗る者が自分はどこにあるか知っているので、金を払えば取り戻せるといって、金を払って取り戻したところ、この記者はニセ記者であったという事件も起こっています。

 この記事でははっきりしたことを書いてないので、よく背景がわからないのですが、何でもこの記者は大小の炭坑の連絡先の電話番号を記載した紙を所持していたというのです。そこから推察するに、必ずしもこのニセ記者が炭坑から雷管を盗んだわけでなく、炭坑ではこうしたことは良く起こっており、そうしたところを見つけては、金を取ってやろうと考えていたようです。

 この記事では他にもいろいろなニセ記者の手口を紹介しております。

一 ニセの記者証を使った手口
 
 2006年9月に陝西省延安市の石油会社に原油漏れ事件が発生した際に、ニセ記者が口止め料を請求するという事件が起こっています。結局この事件では会社側は1万元とたばこ10ケースを渡したわけですが、味をしめたニセ記者が10月に再度会社に来た際に警察に通報され、逮捕されてしまい、ニセ記者ということが判明したそうです。


二 本物の記者と共謀して行う手口

 記者は本物の記者だったのですが、彼が連れていた助手がニセモノだったというケースです。2011年5月に陝西省楡林市で彼ら3人組が炭坑を訪れ炭坑による環境汚染の調査と称して口止め料を要求したことがあるそうです。

 他にもニセの雑誌やネット上の何とか調査研究などと称して金をだまし取ろうとする者が後を絶たないとしております。


2 ニセ記者が発生した原因
  
 どうしてこのようなことが起こるようになったかという原因分析ですが、この記事は大きく2つの原因を挙げています。1つめがGDPの急激な増加に見られるように、目覚ましい発展を遂げたが故に、いろいろ新しい状況(新しい問題)が発生しており、ニセ記者がつけ込むスキがあること。

 2つめが企業などの事なかれ主義で、経営者が面倒が起こることを嫌い、金で解決できるならと簡単に金を渡してしまうために、ニセ記者が蔓延ることになると指摘しております。

 そしてこうしたニセ記者が増えたために、以前は取材というと、企業などは結構熱心に対応してくれ、いろいろなことを積極的に話してくれていたのに、ここのところは記者というだけで煙たがり、本気で対応してくれず、取材も困難になってしまい本当に困っているそうです。


3 個人的感想

 ただ、私に言わせればある意味こうしたニセ記者の増加を招いたのは自業自得の面もあります。というのは、正規の記者も取材に当たって金品を要求することがあり、企業側も宣伝のためと思い金や物を渡していたからです。

 そしてひどい記者になると、金を渡さないと企業に不利な記事を書くということを臭わせながら金品を要求したこともあると聞いたことがあります。当然こうしたことは中国では広く知られており、そうなると自分もと考える者が出てきても不思議ではありません。

 こうした背景があるからこそ、ニセ記者が横行してしまったのであり、本来であればまず自己反省から始めるべきかと思うのですが、どこの国の記者も自分達の汚点は触れないことからわかるように簡単なことではありません。

 それに中国ならではの特徴がこのニセ証明書で、卒業証明から、成績証明までありとあらゆる分野でニセモノが横行している現状があります。悪貨は良貨を駆逐するの諺通り、このままでは本物の証明書でさえ誰も信用しなくなってしまい、最終的に社会全体が大きな不利益を被ることになるかと思うのですが、やはりどうしても、人は目先の利益を重視してしまうということなのかもしれません。


このエントリーをはてなブックマークに追加
凜amuro001 at 21:47│コメント(2)トラックバック(0)中国について │

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by 高田 亨   2011年11月30日 15:07
面白いですね。偽記者はとても中国らしい気がしますね。
他の国ではあまり聞かない気がします。
中国のことですから、偽記者と言っても、かなり本物の記者に近い言動を再現している気がします。
そこまで努力するならまともな仕事で努力すればいいのに、と思えるところも、また中国的ですねw

2. Posted by    2011年11月30日 20:59
>高田 亨 様

 確かにあまり他の国は聞きませんね。本当に中国の証明書はうまくできており、素人が見た分には全く見分けがつきません。

 それに問題のある企業をかぎつけていち早く来なくてはならないわけですから、それだけの情報収集能力があれば、別なことで金が稼げそうな気もします。

コメントする

名前
 
  絵文字