2013年05月14日
いろいろ日本の政治家の歴史認識に関する発言が話題となっておりますが、『ゲンダイ』が掲載していた「ついに米議会からも嫌悪される安倍首相の断末魔」がいろいろ興味深かったので、これについて少し。
1 記事の紹介
最初に記事を私なりにまとめたものを簡単に紹介させていただきます。
アメリカの議会調査局が「安倍首相の歴史認識は米国の国益を害する恐れがある」という報告をまとめたが、この結果安倍政権に激震が走っている。
これまで、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどアメリカ紙が安倍首相の歴史発言を酷評する社説を載せることはあったが、「議会」というアメリカ立法府の機関が安倍にNOを突きつけたからだ。
報告書では、他にも安倍首相のことを「強硬な国粋主義者(ナショナリスト)」として知られ「帝国主義日本の侵略やアジアの犠牲を否定する歴史修正主義にくみしている」と指摘。「地域の国際関係を混乱させ、米国の国益を害する恐れがあるとの懸念を生じさせた」とまで書いている。
アメリカに嫌われたら安倍政権はもたない。報告書は三十数ページにわたるというが、そのサマリーを読んだ元外交官の天木直人氏は「ここまで書かれたら、内閣総辞職モノじゃないですか。」とまで述べている。
他にも「対米従属に終始してきた。それを『米国の国益を害する』という表現まで使われるなんて、いまだかつてなかった。だからといって、米国に頭が上がらない安倍首相は反論することなどできない」とも述べている。
日本は日米同盟を金科玉条のごとく重視してきたが、アメリカからハシゴを外された形だ。報告書は、米議員が日本について議論する際の重要な判断材料になる。結果、よく日本のことを知らない議員は「安倍首相はとんでもない右翼」というイメージだけを固めかねない。
訪米した韓国の朴大統領をオバマ大統領が厚遇したが、アメリカは中国にも接近している。「侵略の定義は国際的に定まっていない」と発言する安倍首相がトップでいる限り、日本は孤立するばかりだ。
2 個人的感想
ま、安倍政権を敵とまで思っているのではないかという記事をいつも掲載する『ゲンダイ』なので、ある程度割引いて考える必要がありますが、テレビのコメンテーターの意見などを見ていると、似たよな意見を述べる人が結構いるようです。
実際、天木直人氏は普段からアメリカにはかなり厳しい意見を述べておられますが、コメンテーターの方々もどちらかというと、普段はアメリカを批判するようなことを言っていきながら、こんなときにはアメリカの報告書を重んじるのかというのが最初に思ったことです。
それにアメリカ議会が云々という話をされますが、別にこれは日本だけを批判しているわけではなく、中国などは毎年「人権問題」でかなり厳しい批判を受け、毎年それに対し、アメリカこそが人種差別や、犯罪率の高さなど本当の意味で「人権」のない国だという批判を繰り返しております(アメリカの人権に対する中国の批判)。
むろんこれは西側の価値観に対する中国の反論という形なので可能なことであり、西側諸国として、アメリカとある程度共通した価値観を有する日本ができることではありません。
しかし、今回の報道が如何に恣意的かということは、アメリカの毎年の議会報告書を見ていればわかる話で、何もアメリカが日本を批判したのはこれが初めてではありません。
死刑制度、代用監獄など、これまでも様々な分野でアメリカの価値観にそぐわないものを批判するのが例年の議会報告書で、正直自分が絶対に正しいという価値観で記載されており、他の価値観を認めない様はあまり好きにはなれません(靖国神社放火犯を韓国が日本に引き渡さなかったことについて2)。
中国の手法(アメリカに対する批判)ではありませんが、アメリカの人権にもいろいろ問題が多いのは周知のことであり、斯様にいろいろ問題の多い国に対して、私は言うべきことは言うのが正しい姿勢かと思っております。
そして、これまでも散々日本を批判してきた報告書がまた日本を批判したからと言って、どれだけの影響力があるのかという話で、もし今回の歴史発言を問題視するのなら、日本の代用監獄をマスコミはもっと批判すべきかと考えます。
そうしたこともせずに、自分達に都合の良いところだけをつなぎ合わせて報道するが故に、マスコミは何かを隠しているのではないか、世論誘導を狙っているのではないかという話になるのかと思います(マスコミと規制緩和)。
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この記事へのコメント
世襲(?)の官僚が多く、出世も閨閥次第とか、色々言われてますね(笑)
外務省の最も変と思われる所は、天木直人氏や孫崎亨氏みたいな、変人奇人を輩出する事ではないでしょうか(笑)!?
彼等の主張には常軌を逸しているのでは?と思う事が多々あります。中国や韓国よりもましですが(笑)。
だが、どう見ても偏狭・一面的。実際状況はそれと違うんです。この数年間、日本より中国の外交は孤立し、それは間違いない。
あ、今回のこの報告書自体は何の法的拘束力もない事務方のどーでもいいペーパーに過ぎないようです。ただ、そんな代物を膨らませて大きくさせる日本の新聞にはもう唖然です。
結局はマスコミの報道姿勢が如何にいい加減か、ということに尽きると思います。
別に安倍政権を擁護するわけではありませんが。
「見たいものだけを見て、見たくないものは見ない」というやり方では、最後にツケを払わされるのはマスコミの側、という事にもなりかねません。
果たして、これに危機感を持っているマスコミ人が何人いるでしょうか。
確かにそうした傾向は否定できず、やはり皆、いろいろ思うところがあったのか、外交官試験も国家1種に統合されました。
確かに語学ができなければ話になりませんが、1年もいれば、否応なく話せるようになるので、大学卒業時の語学力などあまり重要ではないというのが私の持論です。
正直ここのところの中国外交はいろいろ問題が多いと思っております。
北朝鮮をはじめ、友好国との関係も微妙になってきておりますし、「中国」「中国人」の国際イメージの低下もかなり深刻になってきていると考えます。
「どーでもいい」かどうかは何とも言えませんが、世界各国の中の1つにしか過ぎないわけで、議員がどこまで本気であれだけの分量の報告書を読むかは疑問です。
正直内容的にはあまり好きにはなれない報告書ですが、あれだけの分量の調査を行うのはさすがアメリカといったところで、その点だけは評価しております。
どこまで意向が働いたかはわかりませんが、そういう話は聞きました。
やはりsex slaveという言葉にはいろいろ反感を持つ人が多いということでしょうか。
本当以前は、外国で何が行われているかなどマスコミの報道でしかしることができなかったわけですが、今ではいくらでも自分で調べることができ、インターネット様様です。
そうなれば、報道されていることが本当かと疑問を持つ人も出てくるわけで、実際報道されていることが一部の意見にしか過ぎなかったということは結構ある話なので、マスコミももう少し考えて報道してくれればと思います。
今の中国はどんな批判されても、自分は反論しない。むしろ「ざまあw」を思うです。政府の外交は徹底的失敗するかも。
中国政府の一番の問題は批判されたあと、どの様な対応をとるかだと思っております。

