2013年12月11日

 何度か書いておりますが、今日は中国の大気汚染(PM2.5問題)についてです。


1 様々な影響

 中国のPM2.5問題は、日本でも西日本を中心にいろいろ日本にも影響を与えているのではないかとか言われております。

 ただし、実際問題、日本海で隔てられている日本より、より中国に近い韓国の方が被害が大きいわけで、中国のPM2.5問題については、韓国でも抗議の声が挙がっているなどのニュースを見たことがあります。

 ただ、実際問題としてPM2.5はわかっていないことが多いため、どこまで本当に中国由来のものかわからない面もあり、これを良いことに責任を回避しているのが今の中国です(日本のPM2.5の上昇は中国の影響によるものではない?)。

 そうはいっても、中国では、誰がどう見てもかなりひどい状態となっているのは間違いありませんし、健康被害についてもいろいろ伝わってきています。


2 中国国内の対応

 ところがこうしたひどい状況を受けて、どうも間違った方向に向かっている様な気がしてなりません。実際、殆ど笑話に近いような記事も伝わってきております。

 『サーチナ』の「罰ゲームか…濃霧の中で大運動会、学生ゲホゲホ=中国・山東」によると、山東省済南市で8日、市内の大学が敢闘精神を持ってもらうことを目的に、運動会を強行した結果「走り終えた後に咳が止まらなかった者もいた」そうで、当然のごとく批判が寄せられているそうです。

 『新華経済』の「スモッグは悪いことばかりではない、敵方のミサイル照準を狂わせ軍事防衛に有利に働く―中国紙」によると、中国紙『環球時報』は9日、「スモッグがミサイルの照準を狂わせる、軍事防衛には有利に」と題した記事を掲載しました。

 何でも「スモッグは防御する側にとっては良い作用があるのだ。コソボ紛争ではユーゴスラビアは廃棄タイヤを燃焼するなどの方法でわざわざ人工スモッグを作り出し、NATOからの空爆を逃れている」という内容だそうです。

  他にも『産経新聞』の「有害濃霧で『国民が団結できた』中国でテレビ論評に批判殺到『恥知らず!』」によると、中国中央テレビは「濃霧がもたらした利益として(1)中国人の団結を促した(2)中国社会に各種の不平等が存在する中、濃霧を前に人々は平等になった(3)環境意識が高まった(4)濃霧を題材にしたジョークがはやるなど中国人をよりユーモラスにした(5)気象や化学に対する知識が深まった」などを列挙したそうです。


3 中国の大気汚染

 もう開き直っているような記事です。確かに中国で大気汚染について、表立って政府を批判する声が挙がっていないのは、以前書いた様に中国に言論の自由がないためというとは間違いなくあるかと思います(大気汚染問題で中国人が政府を批判しない理由)。

 しかし、それ以外にも問題はあります。正直、中国の大気汚染というのは、今に始まったことではなく、前からひどい状態です。中国に旅行したことのある人ならわかると思いますが、上海に降り立った時の何とも言えない匂いはかなり前からあります。

 そのため、中国人自身が慣れてしまって今さらという感じになっているところがあるのかもしれません。北京の黄砂なども本当にひどい状態で、あれでよく我慢できなるなと思いますが、人は慣れてしまうと、毎年こういうものだと思うようです。

 実際SARSの時も最初は皆必死になってマスクをしていたものですが(放射能とSARSと買いだめ)、慣れてしまうとあまり気にしなくなり、最後は本当に誰もしなくなっており、真面目にしていた私が逆に浮いてしまっていました。


4 最後に

 こういうものだと慣れてしまうということ以外に、人は比較するものがなくなるとそれが当たり前だと思ってしまいます。

 当然他国の様子はテレビなどではわかってはいるものの、空気のきれいさ、自然の豊かさといったものが本当の豊かさ(私はこれこそが先進国と発展途上国の差だと感覚的に思っています)だということを知るのはは、住んでみないとわかるものではありません。

 それに住めば都で、仕事があり、ある程度の生活水準が維持されているのであれば、他国に移住しようなどとは思いません。

 以前の様な本当に貧しい発展途上国の時代ならともなく、まがりなりに経済発展を成し遂げ、それなりに豊かになり、移住などが無理となると、現状を甘んじて受け入れるしかありません。

 人間そうなると、自分が持っているもの、自分が住んでいるところが「だめ」だとは本当に思いたくない面もあり、それなりに良いところを探すことがよくあります。今の中国もそうした傾向があるのではないでしょうか。



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凜amuro001 at 05:34│コメント(12)トラックバック(0)中国品質問題 │

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この記事へのコメント

1. Posted by gulf   2013年12月11日 09:16
他国と比べる事は海外に言った事のない人には出来ません。 大気汚染で国民に健康被害が及ぶ可能性は世界各地で起きた過去の事例があります。4年前 習金平主席は日本で環境保護に力を入れている日本を視察しています。人民の事を考えた人なら環境保護を4年前に始めるようにと当時の主席などに進言は出来たはずで 主席になって何をしたら汚染を抑えられるかも判っている。経済を優先する事が汚染を広め取り返しのつかない状況を作っている。 多くの人民は情報が得られず 毒ガスの中で生活していると同じことが理解できていない。
よその国から見て 中国共産党は人民をどのように扱う国か世界に教えているとは思っていないのではないかと思う。経済を優先する事で人民の健康をないがしろにする 両立するには汚染が進みすぎ手遅れになって人民の中国共産党に矛先が向くのは時間の問題ではないだろうかと思う。綺麗な空気 綺麗な水 安心して食べられる食料が 何も無い国に中国はなろうとしている。
日本は 何も無い国になる中国人民の怒りの矛先を日本に向けられないように対策をしておかなければならない。
2. Posted by 中華戦士   2013年12月11日 12:11
日本もかつては環境汚染を行った。

自称"先進"西側諸国は、自分たちは環境汚染を行うことで工業を発展させ経済大国となったくせに、いまだ汚染も発展も行っていない途上国に対して上から目線で自分たちの環境基準を押し付ける

例えるなら、宴会を行っていて、お代が回ってくる前に腹いっぱい食って帰った。その後、ようやく飯を食おうとした人々にたいして、まとめてカネを払えと言ってるようなもんだ。

少なくとも、互恵・平等の原理から言って、各国は平等な環境汚染権を持つ。既に汚染した先進諸国は、これから成長のために環境を犠牲にせざるを得ない途上国を援助し、自ら犠牲のもとに環境を向上させる義務がある。
3. Posted by 中華戦士   2013年12月11日 12:12
日本は放射能で海を汚染した。
大気汚染を甘受する義務がある。
4. Posted by 高田 亨   2013年12月11日 16:11
身内に中国人がいるのですが、華中華南でも相当ひどいと話していました。
これだけ広範囲に、見たこともない濃度の大気汚染ですから、中国の将来が本当に心配になってます。
5. Posted by smith   2013年12月11日 19:37
少なくとも、現在の中国が環境に対する配慮も対策も行っていないのは事実ですし、その理由も「お金がかかるから」でしかないと思います。
「対策できない」と「対策しない」は同次元ではない。
そのような背景を持っておきながら、環境汚染が正しいなどと言えてしまう(言わざるを得ない?)政府の姿勢が異常です。
無論、日本とて原子力災害に見舞われている以上他国の問題に深く突っ込んだ発言は出来ないのが現状ですが、少なくとも「対策しようとしている」。

まあ、こんな馬鹿げた記事を普通に流して政府への不信が強まることが心配(期待?)ですかね。
関係ないですが「K-19」の一文を思い出します。
「米兵は一発として発射する必要はなかった。ソヴィエト連邦海軍は進んで自軍の兵を殺していたからである」
…原潜の放射能災害についての内容ですが、今の中国にも通ずるところがあります。
やはり行き着く先は内部崩壊でしょうか。
6. Posted by とほ   2013年12月11日 23:30
世界第二位の経済大国なのに環境対策をしないとは、国民を粗末に扱い過ぎ。ひどい話です。規制を設けて補助金を出せば、環境は良くなり関連企業は儲かるし、内需が拡大して政府的にも嬉しかろうと思うのですが。中国には補助金事業って無いんでしょうか?
7. Posted by    2013年12月12日 05:42
>gulf 様

 本当の豊かさとは何かを知らない人が多いという話でもあるかと思っています。

 知ってしまえば、本来とても我慢できるものではないのでしょうが、知らなければ、そういうものだと初めから思っていると我慢できてしまうという面は間違いなくあるかと思っています。
8. Posted by    2013年12月12日 05:47
>中華戦士 様

 よく聞く話ではあります。ただ、都合のよい時は大国になったり、都合が悪くなると発展途上国になる国もあるので、そこはお互い様ではないでしょうか。

 それに、一番困っているのは誰かと言う話で、それを何とかしようと言う話をしているわけですが、そこは誤解なきようにお願いします。
9. Posted by    2013年12月12日 05:50
>高田 亨 様

 かなり広い範囲にわたっており、根本的な対策が求められることは間違いないかと思っています。
10. Posted by    2013年12月12日 06:13
>smith 様

 中国の場合豊かになることに主眼が置かれ過ぎているというのが最大の原因かと思います。

 そのため、本当に大事なものが忘れられてきているような気がしてなりません。

 もちろん、日本にもそういう人はおりますので、最後は程度問題かと思いますが・・・
11. Posted by    2013年12月12日 06:15
>とほ 様

 補助金事業はたくさんあります。

 ただ、車などは古い車がかなりの数が走っているのが現状なので、どこまでできるかという問題はあるかと思います。
12. Posted by chongov   2013年12月12日 12:44
中国は公害問題を解決しなければいけない。このままじゃ、経済発展は続くできないことになった。

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