2014年07月06日
記事の更新が遅れ本当に申し訳ありません。結果書こうと思っていたことが時期にあわなくなっておりますが、やはり今回は習近平の訪韓を取り上げないわけにはいかないので、これについて少し。
1 訪韓の意味
これについては、私がどうこういうまでもなく、中国としては、領土問題などで近隣に見方が少なくなってしまった現在何とかして見方を増やしたいというところでしょう。
それに日本という共通の「敵」を掲げておけば、共闘しやすいという面もありますし、ここのところ中国の言うことをきかなくなってきた北朝鮮を刺激するという意味でも韓国は最高の訪問国となっております。
2 中国紙の報道
中国で今回の訪韓がどのように報道されているかですが、当然成果が強調されることとなります。ちなみに、国営新華社の電子版では「中韩互信增强是习主席此访突出亮点」という記事が掲載されておりましたが、両国の相互信頼を強め、貿易関係、人民元の国際化で進展がみられたとしています。
更には人文科学方面でも儒教文化の交流項目について合意に達し、地域情勢面では、朝鮮半島の非核化に向け共通認識に至ったこと、抗日戦争70周年の共同記念式典などについて話し合ったとしています。
正直こういうネタの時、中国国内の新聞はもともとあまりおもしろくありません。しかも今回はある種韓国をアメリカから引き離す(関係改善)という目的がメインなため、当然、中国と韓国の関係改善に焦点があてられる記事となっており、美辞麗句が並ぶだけで、ますます面白くありません。
3 中国紙の報道2
中国のマスコミ報道のパターンとして、自分が直接そういうといろいろ問題がある場合、もしくは外国のそいう考えているという意味を込めて、外国記事の紹介という形をとることがあります。
『環球時報』の「习近平迅速拉近中韩感情 外媒称东亚有春天的感觉」では、ドイツメディアの紹介というパターンで、東北アジアに春が来たような感覚と報道したり、アメリカメディアの紹介という形で、「中韓接近+韓日疎遠=アメリカの無能」などという内容を喜んで伝えております。
他にもドイツ人専門家の意見として、国家は隣国と選ぶことはできないが、どのように付き合うかは選択することが可能で、「韓国は日本に授業をしてやった」などという意見も伝えております。
4 韓国
ま、韓国にしてみれば、経済面で中国に防衛面でアメリカに依存している以上、どちらとも関係を悪化させることはできないわけで、かなり難しいかじ取りが迫られております(韓国の「コウモリ外交」と領土問題)。
同時期日本が北朝鮮との関係改善により、拉致問題の解決について、それなりの前進があったことは、韓国にしてみれば、自国の拉致被害者の解決をどうするのかという問題をつきつけれていることになります。
今回の中国との関係改善は、その意味でも中国を通じて北朝鮮に圧力をかけているという言い訳をすることも可能となっており、いろいろ興味深いことと思っています。
5 韓国2
個人的に興味深かったのがもう1つあり、それは韓国で尖閣諸島は中国のものだという集会が行われていたことを中国が報道していることです(『財新網』「韩国民众集会称“钓鱼岛属中国”」)。
もちろん中国的には都合のよいことであるのは間違いないので、喜んで報道することとなりますが、私が引っかかったのが、韓国人の発想です。
まず間違いなく敵の敵は味方的な発送から、中国を支援しているだけかと思いますが、こうした人たちに聞きたいのが中国と韓国の領土問題をどう考えるかで(中国と韓国の領土紛争(蘇岩礁問題))、漁業権の問題などもどうするつもりなのか(中国漁民が韓国水域内で違法操業して死亡した事件に対する中国側の主張)、本気で聞いてみたいところです。
6 最後に
正直私はここのところの日本外交は悪くないと思っております。ある意味韓国との関係改善はこれ以上難しい状態となっておりますが、それで北朝鮮というカードを出してくれば、韓国に対する牽制となります。
集団的自衛権の問題では、アメリカからの説得という話になります。ただ、こういう戦法をとっていると、韓国の自業自得ですが、誰も韓国の味方をしてくれないという発想となり、ますます中国との関係強化に走る可能性も否定できません。
ただ、私は外交は本来こうした駆け引きであると思っているので、固定化した関係より、こうした流動的な関係の方が面白いと思っているのも否定できません。
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この記事へのコメント
今回の「米軍慰安婦の訴訟」は、このタイミングで韓国政府の出足をくじき、反日口撃を抑制したと思います。
これは北の方針が「韓国の関係する政治団体」に指示関与が在ったのでしょうか?
また、非生産的な韓国に見切りをつけ、他の国との関係を先に進めるのも非常に理にかなっています。これまでの日本外交なら、韓国がどれだけ理不尽な要求をしても、それを飲むばかりで余計に韓国の理不尽さを増大させていたところでしたでしょうから、これも大きな違いです。
いろんな情報から推測すると以下の状況が透けて見えます。
「韓国は、不信感を強めている米国にも配慮するため、対日批判の発表を控えめにしようとしたが、中国に押し切られて結局、従来通りの反日路線に戻さざるを得なくなった。また反日に関する矢面には中国ではなく韓国がたつことになってしまった。」
これに関して一つ、巷で面白い意見をみかけました。
「韓国は反日で中国を利用しようとしたが、逆に中国に利用されることになった。そして外交的にがんじがらめになってしまった。」
というものです。
そもそも朴槿恵政権が反日に走った背景には、米国から距離をおく言い訳だった面があるかとは思いますが、それにしても中国を利用しようとして逆に利用されたというのは、的確に韓国の現在の立場を表しているような気がします。
ここのところ日本が次第に外交的な選択を広げているのと逆に、韓国の外交の選択肢が狭まっているように思えます。
バランス外交は大国に挟まれる小国にとって仕方のない戦略ではありますが、もちろん危険も大きい戦略です。韓国は現在、そのマイナス面の方に直面しだしているようですね。
最近、韓国人の精神性に関していろんな記事を読んでみているのですが、韓国人は何事にも序列をつけるのが好きで、ひとたび下とみなした相手に対しては、徹底的にけなさなければ気が済まないという面があるようです。
日本に「千年でも謝罪を求め続ける」という類の言葉が出てくるのも、日本が政治的にも外交的にも韓国より下だという意識が強くなったからだということです。
そして、米国ですが、韓国が経済的にも軍事的にも米国の庇護下にあることは韓国人も本来認めていたところですが、ここに来て韓国は中国の成長に賭けるようになりました。既に経済的には中国に完全に依存する状態になっています。
そして、外交的にも「先に中国の影響下に入ることで、他国に対して優位に立つ」ということを韓国の政府でも民間でも共通した意識となりつつあるようです。
つまり、国全体で米国をも見下しはじめたということが米国慰安婦問題の背景にあるのかもしれません。現実には韓国はまだ米国に軍事的に依存しているのですが、「先走った見下し」というのも韓国人の癖のようですね。
もちろん米軍慰安婦の訴訟の背景には、米韓離間を決定的なものにしたい中国の影響や、北朝鮮の影響もあるのかもしれません。
いわば半島の非核化を中韓2国でイニシアチブをとる(2国で半島統一、北をつぶす)と宣言したようなものですから、北にしてみれば、激怒しているんじゃないでしょうか。
そうは言っても、北と中国が完全に切れるのは中々考えにくいのですが・・・
ただここで今の日朝協議を考えると、思った以上の成果が出て、日朝が一時的にでも雪解けし、日本をチャンネルに北がアメリカと直接対話にでもこぎつけ、日本としてはロシアをそれまでに味方に付けることができれば、2対4となり、逆に北主導の半島統一もありえることで、中韓の思惑は頓挫するのかもしれませんね。
アハハは、東洋鬼がどうのこうのと言うよりも、大中華社会の崩壊をどうやって食い止めるか、必死な習主席を応援しなさい。
中国の富の8割を握る 1% の党幹部が国外に逃げ出さない様に、人民の監視が必要なんだが...(笑)
http://news.163.com/14/0707/02/A0H2V7DR00014AED.html
昨日の午後もこんな事件が起きてましたが、今年に入ってからこの手の無差別襲撃の事件が激増しています。
お声がけいただいきありがとうございます。
ただ、「名無しさん」という名前だとなんだか返事をしにくいですねw
何かお名前をいただけるとありがたいです。
ともあれ、「無差別襲撃」は内政の範疇になりますね。
内政と外交は行政リソースに重複はほとんどありませんし、そもそも中国の官僚機構は他国より大きく、党や協力者による准行政リソースもあわせれば圧倒的に差がありますから、リソース不足という問題はまずないでしょう。
また、外交戦術とは多くの場合、事前に長い時間をかけて準備をすることの方が遥かに多いわけですから、何かの影響を即座に受けるということは起こりにくいのです。
さらに、中国のような強権国家の場合、少々の問題があっても政権基板がゆるぎません。(これは強権国家/独裁国家の強みですね)
日本のような民主国家なら、政権が吹っ飛ぶクラスの大事件でも、中国の政権基盤は揺るがないことは大いにありえます。
したがって、「国内で襲撃事件が起こったから、たくみな外交戦術をとる余裕が無い」ということは起こりえないかと思います。
もちろん、この種の事件の規模と頻度が大きくなり、政権基盤どころか国家体制そのものが崩壊しかねないレベルになれば、外交戦術にも悪影響をおよぼすでしょうが、そのレベルにはまだまだ達してないように見えます。
正直中国は昔の冊封体制のイメージが強いのではないかと思います。
実際、「韓国文化」等存在せず、中国文化の模倣にしかすぎないと考える中国の方も結構いるようです。

