2014年08月03日

 8月2日に、中国遼寧省大連市で開催された大人向けグッズの展示会で、ゲスト出演していた日本人AV女優が卵などを投げつけられるという事件がおこりました。


1 記事の紹介

 これについて『環球網』が「环球今日评:AV女优来华淘金,早晚要挨臭鸡蛋」という記事を掲載しており、いろいろ興味深かったので、これについて少し。

 最初に記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 大連の成人展で日本人AV女優が現地市民から卵を投げつけられて抗議される写真は、ミニブログで話題となり、ネットでは喝采が寄せられた。

 この数年、中国では日本人AV女優が日本より中国で人気があるという変なことが起こっている。その代表は蒼井そらだが、彼女たちと中国の伝統文化は対立しており、日本人AV女優が中国で金を儲ける以上、こうした問題は早晩おこる問題だった。

 蒼井そらが「空先生」として、中国で成功して以来、日本人AV女優が、成人展などで、中国に金儲けのために来るようになった。

 AV文化が中国に“侵入”した原因は複雑だ。これは中国社会の厳粛さと関係があり、中国文化は保守的で有名だったが、AV女優は気楽な話題で、話題としやすかった。また、国民には反抗心があり、日本のAV女優を支持しながら、中国の伝統文化を風刺するというのもあったろう。

 中国人の小さい頃からの性教育不足が原因とする人もいる。中日関係が比較的緊張していたので、蒼井そらなどの民間交流で、雰囲気を調整しようというものもあった。

 いろいろ言い訳はあるが、事実として、AV女優文化は中国の伝統の文化と衝突するものだ。金で色を売ることは、どこの国でも名誉とされておらず、日本国内ではこうした人は差別されている。ところがこうしたAV女優が中国では、中国人が支持する“スター”になっている。

 中国の伝統文化は依然として力を持っており、これは文化の衝突がいろいろな形で爆発することを意味する。

2 蒼井そら

 これまで何度か触れたことがありますが、中国人は蒼井そらが大好きなようです(中国で、どれだけ蒼井そらが人気かよくわかる写真)。

 尖閣諸島問題で日中関係が緊張したときも、「釣魚島は中国のものだ、蒼井そらはみんなものだ」という横断幕があったときは、何を考えているのかという感じさえしました(「尖閣諸島は中国のものだ、蒼井そらはみんなものだ!」?)

 こうしたこともあり、最初正直私は「誰その人」という感じだったのですが、中国で大人気ということで、今ではすっかり覚えてしまいました。

 彼女の場合、マイクロブログなどで中国語であいさつしたり、習字で書いた漢字を披露したりしたことが中国人の関心を引き、大人気となったようです。


3 伝統文化

 記事では、「中国の伝統文化」とか中国が保守的とかいろいろ言っておりますが、どこの国でもエロは受けるという話で、特にこうした映像が制限されている中国では、日本のAVが新鮮に見えたという話かと思います。

 実際、金と暇を持て余した富裕層は最後は食とエロに走るという話で、中国でも『金瓶梅』などにそれが良く表れており、中国の伝統文化とこうしたものが衝突するとは思っておりません。

 ただ、共産党一党独裁の新中国が成立して以来、こうした方面が制限されてきたことは確かで、それが改革開放及び急激な経済発展に伴い、制限しきれなくなり、いろいろ起こっているという話かと思います。


4 蔑視

 実際問題、日本でもこうしたAV女優に対する蔑視というのは存在しますが、中国でもそれは同じです(AV嬢は「AV脳」になるから危険と中国紙が報道)。それが今回こうした形で表面化しただけなのかもしれません。

 性を売り物とする女性を好ましく思わない方々がいることは確かで、蒼井そらの成功から、いつの間にか文化人、女優という感じで中国に受け入れられたと思っていても、やはりそう思っていない人は結構いるという話かと思います。

 中国で、こういうことが起こる原因の1つとして、中国も日本と同様本音と建て前が要求される社会という面があるかと思います。

 つまり、本音では、性を売る商売女と馬鹿にしているわけですが、「女優」としてもてはやされていると、普段はこうした意見を自由に出すことができません。そこでたまった不満がある日急に爆発するという形で極端な抗議活動として現れるのではないでしょうか。


5 最後に

 日本人は普段おとなしいか急に怒り出すと思っているアメリカ人は多いようですが、私はこれは別に日本人だけに限った話ではなく、中国人でも同じような傾向があるかと思います。

 ただ、中国人の場合、以前は結構外国人相手には遠慮していたので、こういう傾向がありましたが、最近では別に外国人が珍しくもなくなってきたので、結構言いたいことは言うようになってきている様です。

 そのため、いきなり急にというのは減ってきているような気がしていますが、反日デモを見てもわかるとおり、爆発すると手におえない人が多いということは、それだけ普段からため込んでいるものが多いということでもあるかと思います。



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凜amuro001 at 22:22│コメント(4)トラックバック(0)その他 | サブカル

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この記事へのコメント

1. Posted by 高田 亨   2014年08月04日 04:59
この環球網の記事を読んで感じたことは以下の3点です。

1. 中国で日本のAVが人気が高いことを素直に認めている
2. その日本のAVが大人気であることに相当な危機感がある
3. 犯罪をおかしたわけでもない人に(それも若い女性に)卵をなげつけるという悪行に対する非難が全くない

環球網はとんでもない主張が多いわけですが、現状分析に関して意外と素直だったり冷静だったりするところがあるのは面白いですね。
また、日本のAVが人気があることに相当な警戒感があるようですが、それは共産党ゆえなのでしょうか。

旧ソ連も国による性の取り締まりは非常に厳しく、旧ソ連は西側諸国をポルノが氾濫しているいかがわしい文化だと非難していましたが、一方で現実のロシア人は性に対してかなり乱れていました。
ベトナムも似たようなところがありますから、共産国の性の取り締まりはそういう本音と建前が乖離するものなのかもしれませんね。

しかし、理由がなんであれ、卵を人に投げつけるなどは許容すべきではない行為ですが、それを非難する言葉が一言も無いのは非常に残念ですね。
2. Posted by 雨槍原チャ   2014年08月04日 22:32
凜さんへ
私は卵を投げつける行為はなぜか非常に下衆に感じます(勿論ペットボトルだって駄目なんですが)。一つには当たれば割れて汚されてしまう、一つには食べ物を粗末に扱う…
そんな所が他の物を投げつけるより更に悪く感じるのかもしれません。
そんな行為をした人達をネットのアンケートでは半数近くが評価しているそうですね。
下品な行為を国民(人民?)が称賛するとは、『中華』の名が泣きませんかね?
後本文中に「AV女優文化は中国の伝統の文化と衝突するものだ。」とありますが、この「伝統の文化」ってなんの事なんでしょうね?
AV嬢とはいえ、女の子は会場ではちゃんと服を着ていたみたいだし、単に本来ならやってはいけない女の子に卵(やペットボトル)を投げつけた悪い行為を誤魔化す為に文化なんて言葉を持ってきただけなんじゃないかと考えています。
3. Posted by    2014年08月05日 05:39
>高田 亨 様

 3の発想はおっしゃるとおりかと思います。

 どうしても中国で日本人というと、何かあった時にには、容易に非難の対象となるという話ですが、イベントに招待された「客」に対してこうした振る舞いを行うのは一般常識としてもどうかという話です。

 「朋遠方より来る」ではありませんが、中国には「客」をもてなすという伝統文化があり、それとも合致しないような気がしてなりません。
4. Posted by    2014年08月05日 05:42
>雨槍原チャ  様

 おっしゃるとおり、食べ物をという話もあります。

 それに今回は腐った卵を投げつけたという話で、もしかするとわざわざこのために卵を腐らせて持ってきたのではないかという話で、益々思うところがあります。

 確かに中国のネットでは今回の行為を「良くやった」と賞賛する声もあるそうですが、私も到底擁護できるところはないと思っております。

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