南京事件

2015年10月12日

 中国が申請していた「南京大虐殺文書」が記憶遺産への登録が決まったことを受けて少し。


1 公平性

 本来であれば、歴史的観点などから妥当性などについて、いろいろ言えれば良いのでしょうが、そこまで学がないので国連の「公平性」という観点から述べさせてもらいます。

 この問題について中国では「本来中立公平であるはずの国連の行為には問題があり、我々は大変遺憾に思う」との外務省の声明などを紹介しています(「南京大屠杀档案"申遗"成功 日本外务省凌晨发声称"遗憾"」)。

 『環球網』では、これを受けて「国連は公平か不公平かという」お得意のアンケートも実施しています。結論は言うまでもなく、大半(10月12日 2時現在で97%)が公平と答えています。

 これを聞くとどうしても国連の潘基文事務総長が、中国の抗日戦争勝利70年記念行事での軍事パレードに出席した際に「中立」でなくともよく、「公平」であればいいと発言したのが思いだされます。

 これについては、どうしても韓国の利害というのが真っ先に思い浮かび、個人的にはどうかとともっているのですが(朴大統領が軍事パレードを参観した理由朴大統領の訪中を中国側から見ると)、ここまでにしておきます。


2 拠出金

 今回の登録を受けて『産経新聞』によると日本政府はユネスコに対する拠出金の見直しも考えているそうです(「ユネスコ拠出金見直しへ 「断固たる措置取る」日本政府」)。

 これに関連して『新華網』の「联合国拟涨中国会费 中方反对被“区别对待”」という記事を紹介したいと思います。

 これは簡単に言ってしまえば、2016年~2018年の国連の拠出金問題で 中国がごねているという記事です。

 中国の経済発展に伴い、金額も増えてきているわけですが、これに対して中国はまだまだ発展途上国なのだから、計算方法がおかしいという主張です。


3 謀略

 上の記事はそれなりに抑えた書き方となっていますが、これが進むと『環球網』に掲載されていた「联合国会费“日降中升” 专家:某些国家捧杀中国」という楽しい記事にもなります。

 これでは、最初に、中国の拠出金が6位から3位になったこと、日本の拠出金が減額され、これまで最低(2000年の20%負担から10%未満)になったことなどが紹介されています。

 アメリカ、日本が1位と2位なわけですが、日本の負担が高かったのは、常任理事国入りの狙いがあったためで、それがダメになると減額を要求し、結果中国の負担が増えたともしております。

 中国が発展途上国なのは明らかで、ある国は中国を持ち上げて褒め殺しをしようとしている、という専門家の意見も紹介しています。


4 「南京大虐殺」

 私は以前から書いている様に、「南京大虐殺」そのものを否定しようとは思いません。ただ、中国が主張しているように、最初から30万の犠牲者を認めよという姿勢はおかしいと考えております(映画で南京大虐殺を学習し、30万人と信じ込む中国人)。

 今回のユネスコの登録がどのような形でなされるかはわかりませんが、「30万」という数字が独り歩きするような登録だけはおかしいと思います。

 本来であれば、日本も積極的に「真相」(らしきもの)解明に協力すべきだったと思うのですが、どうもこの問題については、極端な意見ばかりが先行するか、見なかったことにするかの立場が多い様で、これについてはどうかと思っています。

 特に今回こうした形で世界的にクローズアップされることになった以上、否定するのではなく、きちんとおかしいところはおかしいと言っていく態度が必要かと思います。


5 最後に

 確かに、世界的には日本と同じようなことをしてきておきながら、糾弾されない国もあり、これが不公平であることは私も否定しません。

 ただ、この世に「公平」なことなど存在したためしはなく、歴史なども何だかんだ言っても勝者の「歴史」でしかありません。

 結果、慰安婦問題しかり、南京大虐殺しかりで、ここまで注目されている以上、全否定するのではなく、きちんと主張することは主張するという態度が必要になってきていると考えます。



凜amuro001 at 03:36│コメント(33)トラックバック(0)

2013年12月22日

 『人民網日本語版』が掲載していた「80後・90後の8割、『南京大虐殺の発生時期を知らない』」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 「河南商報と河南百度が共同で実施した「記憶に関する調査」の結果」を記事にしたものです。それによると、「33歳以下(1980年代以降生まれ)の若者に対する調査の結果、回答者の8割は、「南京大虐殺が発生した時期をはっきりと覚えていない」と答えた」としています。

  「回答者のほぼ全員が、『南京大虐殺は全民族が受けた深い傷であり、決して忘れてはならない』と考えてい」ます。

 そして、「『『南京、南京』や『金陵十三釵』の映画で南京大虐殺のことを知った』と答えた人の割合が52.6%だったのに対し、『教科書で知った』とした人は39.2%」という結果が出ています、

 これに対して記事では、「高校の歴史教科書では、南京大虐殺について記述されたページは確かに多くはなく、教科書全体に占める割合はあまりにも少ない。」といった意見などを紹介しています。

 他に、「根本的な原因」として「歴史に対する我々の姿勢」も挙げています。「ユダヤ人の受難の歴史」と比較して「彼らは第二次世界大戦中にナチスドイツに殺害された仲間の個人情報、行方、死亡した場所などに関する完璧な統計データを持っている。このような正確で信頼に足る証拠を突きつけられると、ドイツ人は一切反論などできない。」ことを最初に述べています。

 「ところが、我々中国人は、「大体30万人」という言い方しかできず、一体どこの誰が犠牲になったのかを知るための正確な統計資料は存在しない。歴史に対峙する姿勢がいい加減であれば、歴史問題において受け身的な態度になり、記憶も曖昧になる。」と中国の問題を提示して終わっています。


2 メディアの影響

 この記事で興味を引かれたのが2点で、1点目が映画などのメディアで「南京大虐殺」を知ったという点です。

 つまり中国人の「南京大虐殺」のイメージというものは、映画などで強調されている日本軍の中国人虐殺の場面のイメージであり、そうしたことが多大な印象を与えているという話です。

 以前中国人が「反日教育」を受けた記憶はないと述べていることを紹介したことがあります(中国に「反日教育」は存在しない(反日デモも言うほど怖くなかった)?)。

 つまり中国の「反日教育」とは学校で行われる教育といった狭い範囲で行われるものではなく、普段から新聞(中国紙『環球時報』は日本に対して批判的か?)、テレビなど数々のメディアを通じて行われるものだという話です。


3 「30万人」

 2点目は「正確な統計資料」が存在しないことです。つまりこの「30万人」という数字も中国共産党が言い出しただけの話でなり、どこまで根拠があるのかわからないという話です。

 しかし、中国では中国共産党が主張していることだけが「真実」なので、これに疑問を呈することはできません。

 そのため、この数字を検証しようというだけで問題になってしまうのが中国の現実で(名古屋市長の南京事件否定発言2(中国紙の原因分析を基に))、こうしたタブーに触れるとトンデモナイ目にあってしまいます(「中国で一番有名な日本人」加藤嘉一氏が南京大虐殺を否定した理由?)。

 共通の教科書などという話が何度か出てきていますが、こうした根拠のない数字を「真実」として譲る気がない中国とどこまで内容のある話し合いができるかということになります。


4 最後に

 以前南京事件の発生した年号がわからない日本人を中国の国営放送が問題にしていたことを紹介したことがありますが(よくわからない「日本語」で質問して日本を批判する中国国営放送)、中国の若者も同じだという話です。

 そして、映画などのメディアで南京事件を知るということは、フィクションと現実が一緒になってしまう可能性も高く、自分で見たことのないことが如何にも自分自身が体験した「真実」とされてしまうことで、いろいろ怖いことだと思っています。



凜amuro001 at 07:41│コメント(24)トラックバック(0)

2012年06月10日

 「中国で一番有名な日本人」加藤嘉一氏が南京市のサイン会で発言した「南京大虐殺」に関する発言がいろいろ話題になっているようなので、これについて少し。


1 事件の概要

 最初に概要を紹介する意味でRecord chinaの記事「<続報>日本人コラムニストの「南京大虐殺の真相は不明」発言、出版元が全サイン会を中止に―中国」を下に引用しておきます。

 2012年6月8日、中国在住の日本人コラムニスト・加藤嘉一氏が著書の発売サイン会の席上で行った南京大虐殺に関する発言が大きな波紋を広げている。サイン会の主催であり、同書の版元でもある出版社は、これを収束するために声明を発表した。

 加藤氏は先月20日、自著「致困惑中的年軽人」の発売に伴って、江蘇省南京市のある書店でサイン会に出席した。その際、ファンからの質問に答え、「南京大虐殺の真相については不明である」といった主旨で日中両国に一考をうながす発言を行った。

 これについて、中国国内ではインターネットを中心に抗議が殺到。今後、全国複数個所の書店で予定されていた同氏のサイン会を中止するよう求める声も挙がった。


2 『環球網』の記事

 次に『環球網』に対日新思考で、日本でも有名になった中国社会科学院の馮昭奎氏が興味深い論説「加藤君必须明白“南京的事”」を書いておられましたので、これを翻訳して簡単に紹介させていただきます。

 作家の加藤嘉一は南京のサイン会で中国の読者の質問に対して「当時の日本の南京の事は、私はずっと分からない」と述べた。日中の文化交流に貢献してきた加藤君が日本の中国侵略の史実に対しあいまいな態度をとる理由を考える必要がある。

 筆者は加藤君が2005年4月の「日本関するデモ(涉日游行)」(反日デモのこと)、彼に関心を持っていた。当時小泉の靖国参拝が原因で日中間はいろいろ問題を抱えていた。

 その時彼は、北京大学の日本人留学生会長として、中国人学生は日本人学生に対してとても友好的で、北京で何の問題もなく過ごしていると述べ、日本のマスコミが「反日」などの恐ろしい嘘を流していると反論した。

 しかし、加藤君は中国の若い読者に受け入れられ始めるにつれ、彼は多少おごりがでた様だ。全ての中国人が知っている鉄の歴史の事実について「分からない」と述べたのは意外だった。

 彼がこう述べた理由について2つの可能性がある。1つ目は彼は日本が中国を侵略した歴史について本当にあまり知らないこと。2つ目は、「分からないこと」を装っていることだ。

 もし1つ目の原因なら、これは「教育問題」だ。日本は、青少年に対する歴史を歪曲して、教えていることを意味し、今後の日中両国の民間交流に大きい負の影響を与えることとなる。

 もし、2つ目の原因だとするならば、日本社会が依然として狭いナショナリズムが存在することを意味する。そして「中国を怒らせる話をしたり、怒らせる行動をすれば、政治的に有利になるとという」不正常な状況を意味する。

 日本で日本で政治家を目指す加藤君が、歴史の事実に対して「分からない」と歴史の真実を偽るようにさせたのは、彼が日本国内のある種類の圧力に恐れをなしたからか、それとも一種の「政治的技術」のためか。

 中国の軍事、経済社会の発展により、複雑な感情がある上に、釣魚島(尖閣諸島の中国語名)の領土問題などや、一部の政治家とマスコミの策略により、日本人の中国に対する好感度は下がっている。

 このような状況は、本当のことを言うのは大きな圧力が掛かる(例えば、日本の駐中国大使が石原が釣魚島を買うことに反対したこと等)。何人かの日本の地方政治家は「言いがかりをつけ」て中国を怒らせて、これを利用して「中国脅威論」を扇動して、自分の政治的野心を実現しようとする。

 もしかするとこれが加藤君をして南京大虐殺に対して「分からない」と言わせた歴史的背景かもしれない。

 加藤君は、北京に来て10年近くになっており、本を書き、講演をし、日中両国の交流の代表となり、多くの若いファンを持っている。しかし、この「分からない」は彼のイメージを分からなくさせた。もし加藤君が引き続き日中関係のため力を出したいというのなら、彼はすぐに「南京の事」をはっきりさせなくてはいけない。

3 加藤氏の発言について

 私は以前加藤氏のことについて「「中国で一番有名な日本人」加藤嘉一氏の提案に対する疑問」言及し、書いている内容が少し甘いのではないかと批判したことがあります。

 今回の騒動について、日本でネットのコメントなどを見ると、どうも彼に対してあまり好意的でないものが多いようです。どうも中国よりの発言をすることが多い彼についてあまり良く思っていない方が多いということでしょうか。

 彼の発言内容については、いろいろ言いたいことがある方もいるかと思いますが、言論の自由のない、中国で発言し続けていくためには、いかしかたない面もあるかと思っています。ただ、先に述べたように、私は彼の知識面というか、思考内容については、あまり評価していません。

 実際、加藤氏が今回述べたことは、私もかつて名古屋の河村市長の発言が問題になった時に、南京事件で、「30万人説」だけが正しく、それ以外は認めないという発想はおかしいということではないかと書いたことがありますが(名古屋市長の南京事件否定発言2(中国紙の原因分析を基に))、基本的に同じ主張かと思います(togetterのまとめ記事)。


4 中国の反日思想

 馮昭奎氏の主張がいかに的はずれかというのは馬鹿馬鹿しすぎるので、つっこむ気にもなれませんが、恐いのはこれが中国のいわゆる「反日思想」の基本的思考パターンになっているところです。

 つまり日中関係が悪化した原因は、全て日本が悪く、日本の歴史認識がおかしいことと、日本で(一部の)軍国主義者、民族主義者が蔓延っていることが諸悪の根源だという思想です。

 実際、日本のことを研究している馮昭奎氏が本気でこうした馬鹿げた意見を信じているとは思いませんが、こうした文書を公表することが求められるのが中国で、南京大虐殺30万人説に疑問を呈するとどうなるか、加藤氏は身を以て教えてくれたというところでしょうか。



凜amuro001 at 17:03│コメント(19)トラックバック(0)

2012年03月28日

 名古屋の河村市長の発言以来話題となっている南京大虐殺の死亡者の数ですが(名古屋市長の南京事件否定発言(彼が本当に言いたかったことは何か))、これについて『産経新聞』が報じた「『30万人犠牲は誇大』 南京事件で中国主張初否定」を、『環球網』が翻訳して紹介しており、いろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 『産経新聞』の記事紹介

 まず初めに『産経新聞』の記事を紹介させていただきます。この記事は高校の日本史の教科書で、犠牲者の数については、諸説が並記されたり、「『30万人説は誇大』と初めて否定した出版社もあった」ことを紹介しているものです。

 実教出版の日本史Aは、本文で「大虐殺」という言葉を使い、犠牲者数については「約20万人」、注釈で「30万人以上」と記述したが、「諸説を考慮していない」として検定意見が付き、「なお、日本国内では虐殺数について『十数万人』など他の説もある」と付け加えて合格した。

 第一学習社も本文で「南京大虐殺」、犠牲者数を「多数」「20万人以上」と記述。注釈で「十数万人以上」「4万人前後」「30万人」と諸説を列挙した。

 一方、山川出版社は近年の研究成果を踏まえ、こうした自虐的な歴史観に基づく記述を変更。日本史Aの現行版では「数千人から30万人(現在の中国の公式見解)まで、いろいろな説があるが、その実情は明らかではない」としていたが、今回はその後に「学者のあいだでは、30万人説は誇大な数字と考えられている」と付け加え、中国側の主張を初めて否定した。

2 『環球網』の記事

 『環球網』では、こうした教科書の事例の紹介についても1つ1つ翻訳しております。また、中国側としては、「虐殺」という用語を使うか、「事件」という言い方をするかも関心事のようです。

 ただ『環球網』では、山川出版社は「南京大虐殺」ではなく、「南京事件」という言い方をしているとあるのですが、ネット上の『産経新聞』の記事には該当箇所は見あたりませんでした。

 因みに、『環球網』の記事の標題は「日本高中教科书否认南京大屠杀30万死难者说法」(日本の高校の教科書が南京大虐殺の犠牲者30万人説を否定)となっています。

 それに最初の概要でも「名古屋の河村市長が南京大虐殺を否定したのに続き、最近合格した高校の日本史教科書でも、不当な説を支持したり、”30万人の犠牲者は誇張である”としている」とされています。

 そのため、文科省の「特定の犠牲者数が書いてあるものについては、諸説や議論があることが分かる記述を求めている」という意見や、拓殖大学の藤岡信勝客員教授の「諸説があることの記述を求めるなら、虚構説の記述も求めるべきだ」という意見も紹介しているのですが、記事では独特の意味を持つこととなります。


3 日本側の意図?

 つまり、私自身はただ単に日本の教科書も様々な説があることを紹介するようになったという風にしか読まないわけですが、この『環球網』を読むと日本は自分に都合の悪いこと(虐殺された数の多いこと)をごまかしているという記事に読めるわけです。

 実際、記事の最後でも「中国外交部スポークスマンは何度も厳しい声明を出しているし、南京大虐殺は日本軍国主義が中国を侵略する戦争の中で行われた残虐な罪であることを強調する。疑いようの無い証拠があり、国際社会も既にこれを認めている。日本のある者はこうした歴史に対し、正確な認識を持ち、歴史の教訓としなくてはならない」としております。

 つまり、こうした日本の教科書の記述は「日本軍国主義」の侵略を認めない、間違った認識だと言っているわけです。

 この記事には、コメントがつけられるようになっているのですが、愛国主義者が集まることで有名な『環球網』でのこうした記事であれば、どのようなコメントが掲載されているかは言わずもがなかと思います。

 確かに中には「虚構説」もあり、全ての説を認めることはいろいろ難しいところがあるかと思いますが、以前述べたように「30万人説」だけが正しく、それ以外は認めないという発想はおかしいと考えます(名古屋市長の南京事件否定発言2(中国紙の原因分析を基に))。

 そういう意味で、今回の文科省の対応は別に変なところはなかったと思うのですが、それがこうした記事になり、かなり激しい反感をが寄せられるのが中国の現状で、こうした問題の解決はかなり難しいものがあることがわかります。



凜amuro001 at 19:57│コメント(2)トラックバック(0)

2012年03月11日

 中国の愛国主義者が集まることで有名な『環球網』が「36名代表联名呼吁制定“否认南京大屠杀罪”」(36名の代表が連名で“南京大虐殺否定罪”の制定を呼びかける)という記事を掲載しておりいろいろ思うところがあったので、これについて少し。


1 インタビューの内容

 最初に記事の概略を紹介させていただきますが、この記事は基本的に提案を行った全国人民代表大会の代表でもある南京芸術学院の鄒建平教授にインタビューを行ったものをまとめたものです。

 この法案は自分が1人で思いついたものではなく、開会前に南京大虐殺記念館が連絡をとってきて、こうしたものを立法してはどうかと言われて、良い考えだと思ったので提案した。

 戦争犯罪は、時間が経つとそれを否定するものが出てくる。だからこそヨーロッパの一部の国では法律の形で、これを規制している。立法を通して正義の力を拡大すると共に、簡単に歴史事実を否定しないようにさせたい。

 名古屋の河村市長の様に、「父親が中国を侵略したとき中国人の熱い支持を受けた」とか「想像できない、だから虐殺はなかった」という論調は中国人として受け入れ難い。 

 日本は中国侵略で多大な災難をもたらしたので、簡単にこれを否定してもらっては困る。これまでは外交的抗議という手段に訴えるしかなかったが、”南京否定罪”が制定されれば、彼は法律で”処罰”されることとなる。

 彼は日本人だが、中国に入国すれば法律の制裁を受けることとなる。仮に中国に来ることがないとしても、中国の犯罪を犯したことになるのだから、他国の法律を犯した者として、政治生命に影響を与えることができる。

 提案であれば1人でも出来るし、法案提出も30名の同意があれば可能だが、36名の者が署名してくれた。

 以上が鄒建平教授の発言部分の要旨です。記事はこれ以外にもヨーロッパでは15ヶ国が法律でこうしたことを定めており、ドイツでは最高5年の懲役または罰金を科せられること等を紹介しております。


2 アンケートの結果

 そしてこの法案についてどう思うかというアンケートを実施しております。それによると3月11日9時現在で制定の賛成が82%、反対が18%という結果になっております。

 先に書いたように愛国主義者が集まる『環球網』ですので、このような結果になるのもある意味当然かも知れません。ただ興味深かったのは反対する方が書き込まれた以下のような意見です。

 もしこの法案が成立したら、言論の自由を制限するおそれがある。

 「30万人を殺した」どこが法律だ

 良い日本人はもっと多いのだから、日中がともにwin winの関係になるには、事を荒立てるべきではない。

 馬鹿げた提案で、愚かな代表だ。こうした法案が通ったとして、どうやって実施するのか?日中の外交の障害となるだけだ、愛国の士の憤慨を呼び起こすだけで、実際どのような効果があるのか?


3 個人的感想

 私自身、法案を見ていないので、どのような内容かよくわかりませんが、インタビューの内容を見る限り、かつての発言であっても中国に入国すれば処罰の対象となるようです。

 「言論の自由」について言及されている方がいましたが、確かにこのままでは外国人であっても中国を下手に批判すれば処罰の対象となり、実際中国への入国が制限されることになります。

 それに「大虐殺」の数の問題をどうするかという問題があります。中国政府が提唱するように30万という数字を使わないと否定したことになるのでしょうか。学術的に数万をいう数字を提唱している方もおりますが、これは処罰の対象となるのかどうか。

 こうした勇ましい論を提唱する方がいることは理解できます。しかし、実際これを法律で処罰の対象とするとなると影響が全く違ってきます。

 まともに考えると成立するとは思えませんが、恐いのはこうした問題は世論の関心を集めやすく、人気取りや、弱腰という批判を避けるために賛成にまわる者もいるのではないかということで、結構恐いものがあると思っております。



凜amuro001 at 10:25│コメント(6)トラックバック(0)