人権

2014年12月11日

 ブッシュ政権下の、2001年の多発テロ後に開始された「テロとの戦い」で拘束された容疑者に対し、CIAが「拷問」とも形容すべき手法で尋問を行っていたことが明らかになりました。


1 不法捜査

 これについては、本当にいろいろ思うことがあります。テロが起こってしまえば大勢の方が犠牲になってしまうわけで、それを防ぐためには、多少の違法行為(拷問)をしてでも、正義を完遂しなくてならないというのも話としてはわからないではありません。

 『ダーティハリー』という映画でも少女を誘拐した犯人を捕まえ、一刻も早く誘拐された少女の身柄を確保するために不法捜査を行ったが故に犯人が釈放され、ハリー・キャラハン刑事が憤慨する場面が出てきます。

 この場合、容疑者が犯人であることがわかっており、主人公の目線で観客は物事を見ていますし、「少女」が被害者であったという同情すべき点が多いことなどから、映画を見ているときはかなり納得しがちになります。

 確かに、主人公が叫ぶ、容疑者の人権は大事だが、「だったら殺された少女の人権は誰が守るのか」というセリフは、心に残ります。

 テロで犠牲になった人も同じで、遺族にしてみればかけがえのない人を奪われた我々の思いはどうなるのかという気持ちは大変よくわかります。


2 人権

 ただ、そうはいってもこうした違法捜査の結果、冤罪が生み出されてきたことは確かですし、勝手に捜査官の思い込みで「拷問」に近い捜査が行われる可能性があるとすれば、たまったものではないというのも本音です。

 今回の発表を受けて、かなり敏感に反応しているのが中国で、これまでアメリカは中国の人権状況を散々批判してきたが、アメリカ自身こんなひどいことをしてきているではないかという論調は多々見られます。

 それに最近連続した白人警官による黒人容疑者の死亡事件などは、黒人に対する人種差別が未だに根強くアメリカに存在することを示しており、これについてもかなり厳しい意見が寄せられております。


3 批判

 実際、アメリカの新聞が日本の慰安婦事件などに関連して、安倍首相の歴史認識などにいろいろ言うことがあるようです。

 しかし、黒人を奴隷としてアフリカから連れてきたことはどうなのかや、インディアンの土地を武力で奪ったのはどうなのかなど、アメリカの歴史自体にいろいろ思うところがないわけでもありません。

 そして、アメリカは世界各国の人権状況について毎年いろいろ調査して議会報告という形で批判を行っています。これで毎年散々批判されている中国は毎年猛烈に反発を示しているわけですが、今年は、このこともあってかなりトーンが高いようです。 

 私自身、中国の人権状況を擁護するつもりは全くありませんが、アメリカの一方的な報告を擁護するつもりも全くありません。

 というのは、こうした報告書の前提条件として、自分たちは正しいことをしているから、他人を批判することができるという驕れが見え隠れして、私的にはあまり好きにはなれないという話です。


4 最後に

 本来であれば、自国の問題をもっと徹底的に直視し、そのうえで、同じスタンスで外国を批判するのであれば、反感もそれほど強くないのでしょうが、そうした自分自身の問題を直視できないが故に「問題」が存在するのは間違いないかと思います。

 ま、考えようによっては、今回公表されただけアメリカはまだマシという判断もあるかもしれませんが、それでもあまり褒められた行為でないことは確かです。

 人はどうしても他人の欠点は容易に目につくという話で、その一方で自分の欠点は認めたがらないというよくあることが出ているだけという話かもしれません。



凜amuro001 at 23:50│コメント(19)トラックバック(0)

2014年02月23日

 今日は週末ということもあって、久しぶりの翻訳ネタで『環球網』でいきます。取り上げるのは「乌克兰会变成第二个叙利亚吗?」となります。

 最初に記事を翻訳したものを紹介させていただきますが、結構長い記事なので、かなり省略した形での翻訳とさせてもらいます。


1 記事の紹介

 欧米が支持する反対派が武器をとり、ウクライナで内戦となっている。そして欧米はウクライナ政府による鎮圧を批判している。

 欧米は自分たちが一貫して主張してきた民主選挙を否定し、暴力による街頭デモを支持している。アメリカが支持しているデモ参加者の中には、武器庫から武器を奪った者もおり、もしアメリカがこうした者たちを支持し続ければ内戦となるだろう。

 アメリカとロシアはウクライナを争っている。今回の原因はロシアとウクライナが貿易協定を締結しEUに冷たくあたったことに起因する。ウクライナは経済危機のため、援助を必要としているが、EUが提示したものは額も少なく、様々な政治条件を付加したものだった。

 そのため、親ロシアへ舵をきり150億ドルの緊急援助と天然ガスの援助を受けた。結果、欧米は敗北したわけである、ここに至って、これまで自分たちが掲げてきた民主や道徳を顧みず、公然と反政府の暴力活動を支持した。

 ウクライナはウクライナ語を話す人が西部に多く、彼らはEUへの加盟を望んでいるが、ロシア語を話す人は東部に集中している。ウクライナの問題はソ連解体後、NATOが東方への拡大を目指したことが本質だ。

 もし欧米がウクライナ内戦を支持すれば、内戦は更に激化し、シリアのようになってしまうかもしれないし、東西分裂ということもありうる。また、ヨーロッパ戦争ということもありうるので、我々はこの問題を注視していかなくてはならない。

2 欧米の介入

 中国にしてみれば、人権問題などで散々欧米から批判されているので、ここぞとばかりに欧米にダブルスタンダードを批判しているというところでしょう。

 中国はこうした批判を受けるたびにアメリカの黒人差別などの人権問題を批判してきましたし(アメリカの人権に対する中国の批判)、西欧民主主義が主張する選挙制度などを批判してきました((エジプトの選挙結果を受け、西側に嫌みを言う中国)。

 そして、元記事にあるシリア問題でも中国はロシアとともに、欧米とは異なる主張を展開しました(中国のシリア制裁決議に関する反論と「平和国家」)。

 私は、民主主義が完全であるとも思っていませんし、日本の例を見るまでもなく、多くの欠点を内包しているのは間違いないかと考えます。

 しかし、だからと言って、民主主義以外により良い制度があるかという話で、欠点があるから西欧型民主主義を否定すべきという中国の主張には当然賛成しかねます。


3 中国の主張

 ただ、そうは言っても中国の主張にはそれなりの説得力があり、私は、こうした中国の主張が正しいなどとは間違っても思っていませんが、国際社会で、斯様に自分の意見を主張することは大事だと考えています。

 韓国が行っているように、自分の正当性を常に主張していけば、それを信じる者も中には出てくるという話です(韓国に「慰安婦問題」で巻き込まれるアメリカ韓国に「慰安婦問題」で巻き込まれるアメリカ2)。

 私はヘイトデモの様な相手に対し威圧的な行動をとるものは論外として、相手を騙すように自分に都合の良い言動だけをを行う者にもあまり良い感情はもっておりません。

 ただ、その一方で、それなりに論理的な主張には、きちんと対応すべきだと思っており、今回の様な意見は自分に都合のよいものでしかないと思いつつ、全否定するつもりはありません。


4 最後に

 ウクライナが東西分裂する可能性は否定しませんが、どこで分けるかなどかなり難しい問題があることは間違いなく、簡単にはいかないでしょう。しかし、このまま内戦状態が悪化すれば、そうなっても何の不思議もありません。

 ただ、これまでの例(朝鮮戦争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、コソボ紛争)を見てもわかるとおり、本当の意味での全面戦争になる可能性は少ないと思っており、元記事にあるように「ヨーロッパ戦争」ということはあり得ないと考えています。



凜amuro001 at 07:43│コメント(18)トラックバック(0)

2014年01月30日

 『週刊SPA!』が掲載していた「孫崎享氏『2014年、日本は国際的に孤立する危険性がある』」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 孫崎氏に編集部が取材をした結果をまとめたもので、2014年についての氏の意見は「考えられるのは、対中関係をめぐる日本の孤立化です」としています。

 編集部が「対中政策ではアメリカやASEAN諸国と足並みを揃えているはず……」と返すと、氏は「そう思っているのは日本だけ。12月のASEAN首脳会議では、日本が提案した対中包囲網が拒否されています。また、アメリカもバイデン副大統領が訪中するなど、対話を継続する方針が明確。日本だけが防空識別圏の撤回を強く求めるなど、強硬姿勢なんです」としています。

 この背景について、氏は「今や中国の経済力を無視できる国はありません。自国の経済発展を求めるならば、中国とうまく付き合っていくしか道はない。中国脅威論をいまだに唱え続ける日本と認識の差が生まれているんです」としています。

 ヨーロッパについても、「さらにヨーロッパでも中国に対する武器輸出解禁の動きがあるなど、中国との距離が縮まっている。このままでは、世界中から日本が孤立しかねません」としています。

 アラブ諸国についても「親密だったアラブ諸国との関係ですが、イラク戦争を経て日本はアメリカ側、すなわちアラブの敵と思われつつある。3月までのイラン核協議が決裂したら、日本は難しい判断を迫られるでしょう」とかなり批判的です。


2 世界から孤立?

 中国や韓国などはよく日本の歴史認識を批判しており、こうしたことを受けて、「日本は世界から孤立してしまう」という主張をする人がおられます。

 孫崎氏は典型的なそうした主張を行う方で、尖閣諸島問題でも大分中国よりの発言をしてきております(元外務省局長が尖閣諸島は「日本固有の領土」であることを否定)。

 結果、孫崎氏の発言には、反米姿勢が目立つという話で、今回のアラブ諸国云々の話はアメリカに従った結果、日本はアラブとの関係をおかしくしてしまったというものです。

 つまり彼の主張を思いっきり単純化すると、中国の経済力に世界が中国との融和政策を図っている時に、アメリカに従っているのはおかしい、中国との関係改善を目指さないと日本は困ったことになるという話かと考えます。


3 世界基準

 「世界基準」といったときに現在メインとなるのは欧米の価値観です。そのため、中国や韓国の主張は、現在の日本は歴史を顧みず、これらの国々に挑戦した第二次世界大戦時の価値観を復活させようとしているというものです。

 ま、それを信用する人が世界にどれだけいるかという話ですが、何度も繰り返している様にこの世に真実などというものは存在せず、それらしいと多くの人に思わせることに成功すれば事足りる話です(領土問題における「真実」らしさの重要性)。

 そのため、嘘も百回繰り返せば信じる人が出てくる可能性があり、それが怖いだけだというのが私の基本的な発想です。


4 人権

 なぜこんなことを書いているかというと、世界基準から中国がおもいっきり外れているものに「中国的人権」があります。 人権問題を突っ込まれると中国では、中国は欧米と中国は違う、中国には中国のやり方で、人民の「人権」を確保していると反論してきました(国際政治のオウンゴールとは中国の民主化批判など)。

 そして、天安門事件の後などが典型ですが、これについては、世界各国から総スカンをくらいました。その後中国の人権状況は北京オリンピックで約束したものの、一向に改善されておりません。

 ところが、孫崎氏の意見によると、中国は世界各国とうまく付き合っているという話で、その理屈でいえば、少し位変なことをしても別に世界から孤立することはないという典型例になります。


5 最後に

 この背景には中国の経済力があるからで、日本はすでに低成長に入っているので、こうした真似はできないという反論があるかもしれません。

 しかし、もしこの理屈がそのまま通用するのなら、だったら高度経済成長を遂げている国や、(スーパー)大国は何をしても良いのかという話になります。

 その典型がアメリカなわけですが、こうしたダブルスタンダード的な勝手な振る舞いには私は否定的ですし(西欧型民主主義とダブルスタンダード)、孫崎氏も著書等を見る限りアメリカにはかなり否定的ですから、こうした反論には組するはずがないと考えますが、であれば彼が中国を特別扱いする理由は何か逆に気になるところです。



凜amuro001 at 21:41│コメント(22)トラックバック(0)

2013年12月06日

 おそらく中国の方からだと思うのですが、最近、いろいろ興味深いコメントをいただくようになったので、これについて少し。

 なお、以下に紹介するコメントは全て以前エントリーした「自分たちで設定した防空識別圏で、苦悩する中国」についていたものです。

 
1 コメントの紹介

 「主権」は政治学における重要な概念であることはいうまでもなく、大学院時代、ボダンなどを否応なく読まされたのは懐かしい思い出です。

 ただ、コメントを書かれた方はかなり独特の主権を提示してくれており、いろいろ興味深かったので、以下に紹介させていただきます。

 中米の融和を希望します。
 日本は覇権主義を捨て、アジア太平洋の中米2国支配に同意し地域の中堅国として頑張ることを願う。
 そしてアセアンは反中プロパガンダを直ちに撤回し中国を亜細亜の"兄"として歴史的な安定構造を取り戻すべきです
 亜細亜に白人が入り込む余地はなく亜細亜の"宗主"は中国以外にあり得ません
 現実的に考えれば愚かな反中国思想(差別思想)を日本が持ち続けるのは得策ではなく今すぐにでも釣魚島を委譲して講和すべきと考えます

2 主権と内政干渉

 中国では主権が絶対であるという発想から人権分野などのアメリカからの批判に対し内政干渉などを理由に対抗し、独自の人権論を展開しています(「国際政治のオウンゴールとは」、「中国の民主化批判」など)。

 そのため、「『兄』『宗主』という発想自体が、主権絶対主義をとる中国にしてみれば矛盾している発想かと思います」という返事を書かせてもらいました。

 これに対する返事として以下のようなもの(2通)をいただきました。

 主権は「一定の国際秩序のなかで」のみ絶対的に作用するのです。
 つまり、東欧に於いてはロシア、アジアでは中国の、これらの指導的国家の権益を守るという意味において、諸国の主権は設定されているのだと考えられます。
 それゆえ、ロシアの勢力圏内でEUの策動は許されないし、第二列島線までの中国の自由な権益取得を妨げることは国際秩序に反するので、当然に主権は認められませんね。
 主権は、諸国家の間で連合した秩序と権益を防衛するためには、一国の主権は制限されます。

 「主権」は国際秩序に則って設定されるべきです。アジア諸国に中国に反する「主権」はありえません。
 モンロー宣言で米国が南米アメリカを統治したのと同じく、アジアは中国、欧州はロシアとEU、太平洋は中米2国、南米アメリカ大陸は米国、と縄張りを決めるべきです。
 ウクライナを吸収併合しようとする西側の謀略を打破する。ポーランド以東はロシア勢力圏とハッキリさせておく。

3 主権と勢力圏

 主権=国家ではなく、「主権」を強国だけが有する勢力圏として捉えており、いわゆる「小国」の権利を殆ど想定していない発想の典型です(フィリピンやベトナムを「小国」「蚊」扱いする中国)。

 中国ではパワーポリティクスが重要視されますが、「力」が全てで、力のない国は、何をされても仕方がないという発想ともいえます(中国の力に対する盲信と戦争の可能性)。

 中国も、かつて力がなかったが故に半植民地化という憂き目にあったわけですが、自分がやられたことをやり返すという発想になってしまっています。 

 かつて周恩来(やネルー)が主張した「平和五原則」(領土・主権の相互尊重、相互不可侵、相互内政不干渉、平等互恵、平和共存)はやはり単なる「飾り」にしか過ぎなかったのかという話にもなってしまいます。

 南北問題を分析する際に、経済による隷属として「新植民地」が話題になったことがあります

   
 その際に、日米欧による(経済的)勢力圏という話が話題になったことがあります。そうした例を持ちだすまでもなく、東西冷戦時代どちらの勢力圏(ブロック)に属するかという選択を強いられたわけで、その発想を未だに引きずっています。

 さらに「主権」をこうした勢力圏の意味で使用しており、まさに防空識別圏を領空と勘違いしていたのではないかとしか思えない中国軍と同じようなことをしております。


4 最後に

 他にも同じ方から以下の様な興味深いコメントをいただいておりますので、紹介して終わりとさせてもらいます。

 北東アジアの中露共同統治を希望します!
 借金苦で弱小国のイタリア、フランス、カナダをG8から追放して、大国である中国・ロシア・ブラジルを加えなさい!
 イタリアのような借金まみれて首相が幼女レイプした国は三流国ですね
 中国は一等国で何人たりともケチつけることはできません
 インドはカースト制で差別が残る未開の国ですとうてい、中華民族の偉大さには勝てないです。


P.S.

 確かにこうした発想(中華思想)を持っている方もいるかもしれませんが、当然そうでない中国人も大勢います。実際、中国留学時代、大学内で私と交流のあった方々はこうした発想とは全く逆の発想を持っておられる方が多かったと考えます。



凜amuro001 at 05:07│コメント(33)トラックバック(0)

2013年11月22日

 『フジテレビ』が「江沢民元主席らにスペインの裁判所が逮捕状 中国政府は撤回要求」という記事を配信しており、いろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 「チベットでの大虐殺に関わった容疑で、スペインの裁判所が19日」、「江沢民元主席や李鵬元首相らに逮捕状が出たことについて」、「中国外務省の洪磊報道官は、20日午後の会見で、『事実なら、強い不満を表明する』などと強く反発した」という記事です。

 「洪磊報道官は『スペインに対し、中国の厳正な立場を直視し、間違った決定を改め、悪影響を挽回するよう求める』などと述べた」そうです。

 今回の事案は、「スペインのEFE通信によると、裁判所は、スペイン国籍のチベット人らの告発を受け、逮捕状を出した」というものです。


2 国家権力

 刑罰は国家権力なので、ある国で殺人が行われた場合、基本的にその国が処罰を行うこととなります。やっかいなのは、当該国の政府による犯罪で、裁く者がおこした犯罪を誰が裁けるかという話になるわけです。

 そのため、昔からいろいろ議論があるのは国家元首による犯罪はどうかという議論があるわけですが、人道に対する罪などでは裁けるのではないかという考えが主流な様です。

 中国は過去に半植民地とされた歴史もあり、外国の介入を異様なまでに排除する傾向があり、人権問題でも国家主権を強硬に主張する傾向があります(アメリカの人権に対する中国の批判)。

 主権を用いだされるとやっかいなのは、基本的に他国がどういう言える話ではなくなってしまう点と、国家を超えて犯罪を裁く主体が存在しないために、人権侵害という刑法に違反する行為を誰が処罰するのかという問題が出てきます。


3 外国人と犯罪

 外国人がA国で犯罪を犯したとすると、結果A国の刑法が適用されるわけですが、イスラム法のようにある国独特の犯罪の構成要件などがあるとやっかいです。

 いくら自国では犯罪でない行為だとは言っても、その国で滞在していた以上、その国の国家権力(刑法)の及ぶこととなるので、よほどの事情がない限り処罰は免れません。

 例えば、日本では売(買)春行為そのものだけでは処罰の対象とはなりませんが(除く年齢要件)、中国では処罰の対象となり、外国人にも例外はありません(下手をすると日本人だからと逆に狙われることもありそうなのが中国の怖いところです(日本人売春容疑で逮捕?))。

 今回の事案では「虐殺」されたチベット人の中にスペイン国籍を有していた方がいたので、スペインの裁判所が出てきたわけですが、人権問題で欧米の批判を受けることに慣れている中国でも逮捕状となると、自由にその国を訪問できなくなるわけで、看過できない問題であることは間違いありません。


4 三権分立

 ここで出てくる問題が三権分立ですが、これは権力を特定の部門に集中されると問題が起きやすいという発想から設けられている制度です。

 ところが中国は共産党の一党支配が国の国是なので、裁判所もすべて党の支配下に置かれており、その気になれば自由に判決をいじることができます(自国の法制を全く信用していない中国人)。

 そのため、スペインに対しても圧力をかければ、同じことができると考えているかもしれませんが、三権分立が確立している国ではそのようなことはできません。

 と以前であれば、こういう話で終わっていたのですが、韓国の「反日」のような例外もあるということを、ここのところ嫌と言う程見せつけられているので(靖国神社放火犯を韓国が日本に引き渡さなかったことについて)、あまり中国が特異な国と批判できなくなってしまったのが何とも言えません。


5 最後に

 国内に意見が1つしか存在することが許されないというのは、言論の自由がないという話にもなりかねず、どうしてもおかしいことで、私はより多くの意見や反対意見などが存在してこそ、社会はより良くなると考えます。

 そういう意味で、ヘイトデモに対するカウンターデモが許容される日本の社会は望ましいと思う点があるわけですが(「在日」関連の2つのデモ)、その一方で、山本議員に脅迫をする者が出るような状態は望ましいと思えません(山本太郎議員に対する脅迫と度量の広さ)。

 ある意味、こうした様々な勢力が牽制しあうというのが三権分立の発想の基礎にあるわけですが、その意味を理解していない(したくない)人が中国や韓国には多いのかとも思った次第です。



凜amuro001 at 05:20│コメント(5)トラックバック(0)