反日デモ(2012)

2012年10月19日

 『人民網』が「日产汽车推出意外受损补偿措施 力争恢复在华销售」という記事を配信しており、いろいろ思うところがあったので、今日はこれについて少し。


1 記事の紹介

 最初にいつものとおり、記事を翻訳したものを紹介させていただきます(短いので今日は全訳です)。

 人民網の東京10月19日 『日本経済新聞』(電子版)によると、日産自動車は18日に、日本政府が不法に「島を購入」したことに対する抗議デモで、被害を受けた中国産の日産の自動車に対し全額の補償を行うことを対外的に公表した。

 聞くところによると、補償の対象は日産の中国での合弁会社東風日産が既に販売した自動車だけでなく、今後似たような事件が発生した場合、新車が被った損害についても補償の対象としている。

 新しい措置により、東風日産は全額補償金を提供するとしている。その中で、被害を受け修理が必要であれば、日産が修理費用を引き受ける。損傷の程度が酷く廃車にするしかなければ、損害を被る前の実際の価格に基づき補償金を支払う。

 それ以外に、車の持ち主が日本車を運転していたために攻撃を受け、怪我をした場合には、東風日産も医療費を負担する。車が損傷した原因が抗議活動によるものかどうかは、現地の公安部門の提供する情報とメディアの報道などによって判断する。

 報道は、中国民衆の日本政府の「島購入」に対する抗議活動中、相次いで、日本車が破壊される事件が起こり、その後日本車の新車販売に影響を与えたとしている。日産は今回の措置の意図は車の所有者の負担を軽減し、中国における自動車販売販売の回復としている。

 統計によると、日産自動車の9月の中国における販売高は同時期と比べて35.3%低下している。そのうち、東風日産の乗用車の販売高は44.2%大幅に下落している。

 報道によると、一部の消費者は日本車を買う予定を取り消し、ドイツのフォルクス・ワーゲン、韓国の現代などのその他の外資の車を買おうとしている。日産以外のその他のトヨタ、ホンダなどの日本の自動車のメーカーも9月の抗議デモで被害を受けた車の修理等、次々と措置を発表している。

2、個人的感想

 今回の『人民網』の元記事となっている『日本経済新聞』の記事というがの「デモ被害の車、全額を補償 日産が中国で新制度 販売回復狙う」ですが、有料記事となっておりますので、どこまで元記事を正確に翻訳したかは確認できませんでした。  

 まともに考えれば、こうした賠償は車を壊した中国人がすべき問題で、日本であれば、会社(日産)が補償したのち、当該犯人に対し求償権を行使するところですが、今回これ以上のことが報道されていないので、詳細はわかりません。

 今回の日産の措置が果たしてどれだけ効果的かかなり疑問ですし、車を売るためとはいえ、ここまで中国に妥協する必要があるのかという気もしないではありません。

 例えばこの記事は、『環球網』にも転載されており(日产汽车称全额补偿抗议“购岛”中被砸车辆)、以下のような、いろいろな意見が書き込まれておりました。

 これは良い。今後皆暇な時は、日本車を壊せば良い。前に買った車は補償の対象となり、国民は金を払うことがないのだから。

 これは、小日本が売国奴に金を払うということだ。

 小日本が売国奴を育てる。

 日本車を運転する者は誰でも一家まとめて死んでしまえ。理性的でなければならない、車を壊すことは愛国ではないというが、誰であったも、日本車を運転する者は誰でも一家まとめて死んでしまえ。

 確かに日本に対し強硬的な意見を掲載することが多い『環球網』なので(中国紙『環球時報』は日本に対して批判的か?)、こうした書き込みについても割り引いて考える必要があります。

 しかし、こうした考えがかなり中国で存在していることは事実で、何も今無理をした中国市場での販売を考えるべきではなく、もう少し時期を待って、沈静化してからの方が良いのではないかと思うのですが、どうでしょう。



凜amuro001 at 19:18│コメント(10)トラックバック(0)

2012年10月05日

 中国愛国主義者のたまり場『環球網』が短い記事ですが、「日本各大保险公司暂停为在华日企承办罢工险」という記事を掲載しており、いろいろ思うところがあったので、今日はこれについて少し。

 記事の翻訳ですが、短い記事なので、今日は全訳です。なお、これは基本的に『共同通信』の記事「中国での暴動被害の補償特約停止 反日デモで、大手損保」を翻訳したものなので、それも併せて紹介させていただきます。


1 『環境網』の記事の紹介

 日本共同通信社10月5日報道。日本の各大損害保険会社は、中国でストライキが発生したことにより日本企業が被る被害の賠償に対する「保険特約」の引き受け業務の受付を既に暫く停止することとした。

 もし保険会社がこの決定を継続するならば、日本企業の投資はリスクは増大すると報道している。最近の日中関係の緊張が継続により、日本の損保会社は今後のデモの行方及び、日本企業の事業再開の状況、及び今後の情勢変化等の要因を考慮し、該当状況を再開するかどうか決めるとも報道している。

 もしこの条項の保証を引き受けない状況が続けば、中国市場への進出を考えている日本企業が必要な時、賠償金を受け取れないこととなり、中国投資に対するリスクが高まることとなる。

 報道によれば、日本の各損保会社がストライキのもたらす損失に対して賠償金を支払う「SRCC特約」条項とは、火災保険と利益保証を行う条項であり、企業はこれに入っていれば、店舗や工場などの器物損壊及び、ストライキ期間中の利益損失の賠償を受けることができる。中国の日本企業は大半がこれに加入している。


2 『共同通信』の記事の紹介

 大手損害保険各社が、中国での暴動やストライキなどによる日系企業の被害を補償する保険特約の新規契約を停止したことが5日分かった。

 反日デモが一時拡大するなど日中関係の緊張状態が続いているためで、デモの収束や企業の事業再開、政治情勢などを見極めて契約を再開する方針。

 新規契約停止の状態が長引けば、中国での事業展開を検討している企業にとっては必要な補償が受けられず、進出リスクが高まることになりそうだ。

 各社は既存の契約の更新には対応するが、保険金の支払いリスクが高まれば「保険料引き上げも検討する」(大手損保)との声も出ている。


3 個人的感想

 多少内容に違いがありますが、基本的にこの記事を翻訳したものと考えて間違いないかと思います。何と言っても『環球網』で微妙な書き方になっているのは、『共同通信』が「中国での暴動」として配信しているところです。

 中国では理性的なデモが行われたことになっている様でうすし(中国は尖閣問題で日本に抗議する際に理性的に行動した?)、「暴動」の映像(写真)は中国のマスコミでは放送(掲載)が禁止されていることもあり、こうした書き方になっているのでしょう。

 ただ、その一方で、「店舗や工場などの器物損壊」という部分をさりげなく記事に潜り込ませており、わかる人にはわかるような書き方となっております。

 中国の情報リテラシーの高い方は当然「暴動」の様子は知っています。焼き討ちにされた工場や破壊された店舗などの写真は目にしており、それなりに気にしている人もいるので、そうした人達に対して、「心配しなくていいんだ」とでも言いたかったのでしょうか(あくまで私の推測です)。

 この記事を取り上げた、最大の理由は、この記事についていた感想は圧倒的に「嬉しい」が多く、コメントも「日本人、日本企業は出て行け、おまえ達がいなくとも中国人は幸せに生きていける」などといった書き込みがあったからです。

 どこの国でもロクに考えもせずに勢いだけでコメントを書く人がいるので、こうしたコメントがあっても不思議ではありませんが、日本企業で働いている中国人労働者もいるということを全く考えていない、脳天気なコメント(感想)を見て、呆れかえったが故の今日のエントリーでした。



凜amuro001 at 21:33│コメント(4)トラックバック(0)

2012年10月02日

 昨日も書いたように(中国・ロシア・韓国の連携を恐れた日本が、ロシアに接近?)、最大のネタ元『環球網』が尖閣絡みの記事ばかり掲載している関係で、今日もそういった感じの記事(鲍盛钢: 钓鱼岛事端是日本的苦肉计)の紹介です。

 普段からツッコミどころ満載の『環球網』の記事(社説)ですが、今日紹介するものは、中でもずば抜けており、正直読んでいて呆れて、思わず笑ってしまうほどでした。


1 記事の紹介

 いつものとおり、最初に記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。ただ、今日の記事はかなり長いものなので、いつも以上に簡略化した形での紹介となります。

 アメリカのアジア回帰には2つの選択がある。1つ目が中米共同統治で、2つ目が日米同盟だ。もしアメリカが後者を選択すれば、アジアの対立と衝突の激化を誘発することとなる。

 日米の第1の手段は世論で、中国脅威論を吹聴し、中国と周辺国家の対立を引き起こすことだ。第2の手段は外交で、アメリカが大国の主導的地位を利用し、価値観外交を推進して、インド、ベトナムなどの国家と中国包囲網を形成する。

 第3の手段は軍事で、南シナ海・東シナ海で軍事演習を行い、摩擦と危機を造りだす。第4の手段が経済で、TPPを使って、中国を排除する。第5の手段がアメリカが黄岩島紛争でフィリピンの中国との対立を支持すること。

 第6の手段がヒラリー国務長官による反中国連盟の創立。第7の手段が現在の釣魚島の国有化だ。しかし、何故日本はそんなに焦ってこの国有化を行ったのであろうか。

 表面上の1つ目の理由は、国内矛盾の転嫁と、選挙のためだ。2つ目はロシア・韓国との領土紛争で日本で受け身的立場となり、これ以上引くことができなくなってしまったためだ。

 しかし、実際は更に深い理由が存在する。1つ目が中国を怒らせ、中国に過激な行為をとらせることだ。2つ目はアメリカの全面的な介入を呼び込むことだ。

 アメリカはアジア回帰し、日米は協力して中国と周辺国家の対立を引き起こし、中国を怒らせ、中国の平和的勃興と発展を混乱させている。しかし、こうした企みは中国により阻害され、周辺国家も米日の意図がわかっており、誰も米日の犠牲になりたくないので、中立を選択する。

 そこで、日米は中国脅威論で、中国を孤立させようとするが、結果自分達が孤立してしまっている。そこで、日本はやむを得ず釣魚島カードを持ち出し、情勢をひっくり返すことを試みた。ねらいは以下の3つだ。

 1、もし中国が過激な行動をとらなければ、日本は簡単に釣魚島を手に入れるので、中国が冷静でいられるはずがない。2、中国が強く反対してくるなら、アメリカが全面的に介入し、中国は日米と直接対立となるので、中国は必ず不利になること。3、中国の過激な行為が国際世論の非難を受け、苦しい立場に陥らせること。

 結果どうだったか。確かに中国は怒ったが、日本の予想に反して、理性的で、気が狂ったような行動はしなかった。

 次に、アメリカは今なお全面的に介入していない。アメリカはオスプレイを配備し、釣魚島の問題が日米安保の範囲内であることを黙認しているが、アメリカの目的は日本が中国を牽制してくれることだ。

 アメリカにとって最も望ましいのは、日本と中国が対立し、アメリカは対岸の火事的に、間に立って漁夫の利を得ることだ。

 最後に、中国は国際世論の非難の対象となっておらず、逆に非難されているのは、日本だ。何故なら、釣魚島が歴史的、法律的に中国に属しており、日本のしていることは、歴史を否定で、第二次世界戦争の反ファシストの勝利の成果を否定するもので、軍国主義の復活なので、日本は国際上の支持を得ることがあり得ない。


2 個人的感想

 いつも自己正当化が激しい中国の記事ですが、ここまでくるともはや何も言えないという状況です。日本が尖閣諸島を国有化したことにそんな深いねらいがあると邪推できるとはまったく恐れ入ったというしかない状況です。

 怖いのは、自分たち(中国)にとってすごく都合の良いロジックで構成されているため、本気でこれを信じる中国人もいることで、全て非は日本にあると益々信じる人が増えるのではないかということです。

 それに中国で発生した「反日デモ(騒動)」の本当に酷い有様は中国では、報道規制がかかっており、写真などはマスコミでは一切報道されておりません。

 ネット上では見ることができ、まともな人は、こうした同胞の行動に呆れ返っているわけですが、そうした方はある程度以上の情報リテラシーを持った方で、それがない方は、中国政府のこうしたプロパガンダを信じることとなります。

 そして、賢い方は「お上」(中国政府)に逆らっても何の得もないことは良くわかっているので、特段これについて意見を表明することはないわけですが、プロパガンダを信じた方は、日本に対する怒りをますます募らせ、より過激な行動にでる可能性が高くなるわけです。

 以前勝手に、今回の反日デモのまとめのようなものを書きましたが(今回の「反日デモ」のまとめのようなもの)、そうした表面的な行動(暴動)に関係することだけでなく、暴動に参加した人たちの思考パターンについても考えてみる必要があるのかもしれないと思った次第です。



凜amuro001 at 22:27│コメント(14)トラックバック(0)

2012年09月29日

 ブログを書くためだけに愛読している『環球網』が今回の日中関係の悪化をうけてお得意のアンケートを行いました。

 その調査結果に言及した記事「受访网民对日好感度1.45分 超七成称日系敌对国」(ネットユーザーの日本に対する好感度は1.45点。7割の者が日本を敵視)が掲載されていたので、これについて少し。


1 記事の紹介

 普段ですと記事の翻訳をするところですが、大変長い記事というのと、紹介したいのは、結果(数字)なので、かなり省略した形で紹介させていただきます。

 今年は中日国交正常化40周年だが、釣魚島の「購入」を巡って、日中関係はこれまでにない衝突を見せており、2012年は本当の「不惑の年」となった。

 『環球網』は9月27日から「中日国交正常化40周年、日本政府と国民は何点」という大型アンケートを行った。28日19日現在で、参加者は3.4万人だった。

第1問 日本の何が一番好きか?
 AV 32.9%、礼儀正しさ 26.6%、アニメと漫画 13.8%、観光地 10.4%、伝統文化(茶道、華道等) 2.5%

第2問 日本という国を理解しているか?
 理解している 41.1%、理解していない 33.9%、どちらでもない 25%

第3問 日常生活で日本製品をよく見るか?
 見る 49.4%

第4問 日本製品を同じ値段と質の製品を見つけた場合他国の製品を使うか?
 使う 75.4%、使わない10.1%

第5問 中国は日本にとって重要か?

 重要 56.8%、普通 28.6%、重要でない 7.9%

第6問 日本は中国にとって重要か?

 普通 51.9%、重要でない 32.7%

第7問 この40年で日本が中国にした最も大きい手助けは何か?
 ない 27.6%、企業管理の中国への導入 25.8%、投資(就労先の確保) 21.4%、ODA 18.3%

第8問 日本が中国から得た利益は何か?
 巨大な市場 32%、豊富な資源と利益 15.2%

第9問 中国に最も友好的な首相はだれか?
第10問 友好的でなかった首相はだれか?
 これについて40.7%が「よくわからない」と回答
  友好的 田中角栄 30.8%、鳩山由紀夫 7.9% 村山富市 4.9%
 非友好的 野田佳彦 47.3%、小泉純一郎 33.3%、安倍晋三 4.6%

第11問 日本政府に対する好感度(10点満点)
 0点 50.5%、1点 14.9%、2点 9.8%、3点 9.6% 平均1.45点

第12問 日本国民に対する好感度(10点満点)
 0点 27.7%、1点 14.1%、2点 10.6%、3点 9.6% 平均2.9点

第13問 今後の日中関係は?
 敵対関係 70.1%、競争相手 24.7%、良くなる 2.9%

第14問 日中間で戦争の可能性はあるか?
 大きい・比較的大きい 79.7%、小さい 6%、ない 0.9%

第15問 日中間にマイナスの影響を与えているものは何か?
 歴史問題 47.3%、領土紛争 18.4%、日本の右翼 13.9%

第16問 日中間にプラスの影響を与えているものは何か?
 経済貿易の密接さ 33.2%、経済構造の相互依存 14.3% 文化の近似性 14.6%

第17問 今後に日中関係に期待が持てるか?
 殆どもてない 77.5%、半信半疑 16%、もてる 2.3%

 

2 個人的感想

 所々数字が抜けているのは一覧表の形で提示されておらず、記事(文章)から数字を拾って私が整理したためです。

 興味深いアンケートです。ただ、あくまで中国の愛国主義者の集まる『環球網』上で行った調査ですので、はじめから母集団が偏っていると思って見てください。

 個人的に興味深かったのは、日本を理解しているという方が41%もいるのに、日本の首相すらろくにわからない方が40%もいることで、これで良く「日本を理解している」と言えたものだという感じです。

 ただ、これは日本にもあてはまる話で、たまに「中国のことを知っている」という人を見かけますが、そうした方の内、中国の歴代の国家主席を言える方がどれだけいるか、という話にもなりますが。

 それともう1つ大変興味深かったのが、日本にとって中国は重要だと思っている反面、中国にとって日本は重要だと思っていないことです。だからこそ、中国では日本に対する「経済制裁」が盛んに提唱居されるのでしょう(中国が日本に行える経済制裁?尖閣問題について中国人が考えた対処法)。
 
 ただ、これもまた日本も同じく中国を軽視する傾向があり、今回の「反日デモ」を受けて、結構盛んに中国から資本を引き上げて東南アジアなどへ移転すべきだ等と言った意見があります。

 しかし、工場の投資には莫大な費用がかかっておりますし、東南アジアも何だかんだ言って賃上げストや、政情不安定など、すくなからぬリスクがあるので、東南アジアへ投資をするというのも言うほど簡単ではないと思っております。



凜amuro001 at 19:59│コメント(6)トラックバック(0)

2012年09月28日

 中国共産党機関誌『人民日報』の電子版である『人民網』が「日本经团联会长批评日方“钓鱼岛无主权争议”立场」という記事を配信しており、いろいろ思うところがあったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 最初にいつものとおり、記事を翻訳したものを紹介させていただきますが、記事そのものは極めて短いものなので、今日は全訳です。

 人民網東京9月28日電 『朝日新聞』報道によると日本の野田首相が「尖閣諸島に主権の問題は存在しない」と繰り返し述べることに対し、日本経済団体連合会(経団連)会長米倉弘昌は27日に北京を訪問した時に、「中国側がこれほど釣魚島の問題を重視しているときに、日本側が問題がないというは、大変理解しがたい。日本側はこうしたことを二度と言わないでもらいたい。」と述べた。

 報道によると、米倉弘昌は公開の場で初めて日本政府の立場を批判したが、これは日本経済界が日本政府が釣魚島が経済に与える影響を十分に認識しておらず、不満があることを表している。

2 報道について

 『朝日新聞』がとありますが、これは「「領土問題ない」繰り返す首相を批判 経団連会長」という記事を基本的に翻訳したものです。

 正直『朝日新聞』だけだといろいろ思う方がいるかもしれませんが、『読売新聞』も「首相の「妥協せず」発言、経団連会長が批判」という米倉会長が似たような発言をしたという記事を配信しております。

 散々日本政府を批判している中国政府にしてみれば、日本内部のそれも経済界の代表とでもいうべき方が日本の首相を批判したというのは、大変喜ばしいことで、だからこそ『人民網』がわざわざ取り上げるということになったのかと考えます。


3 いろいろな立場

 米倉会長と言えば、2010年の尖閣諸島周辺海域における漁船衝突事故でも、衝突ビデオが流出したことを受け、「公務員法違反だ」として厳しく批判すると共に、領土問題における中国側の立場に理解をしめし、物議をかもしました。

 ある意味今回と同じようなことを言ってるわけですが、前回はビデオ公開などを巡って、民主党政権の不手際もあり、どちらかというと政府に対する「弱腰」批判の方が強かったわけですが、今回は政府はそれなりに強気なので、こうした発言が目立ってしまったいうことでしょうか。

 中国に進出している企業にしてみれば、自分たちのこれまでの投資や今後の商機を逃すこととなりかねないので、確かに「あんな小さな島の1つや2つ」という気持ちになるのも理解できないわけではありません。

 しかし、その一方で領土問題は中国政府が散々述べているように、「自国の主権」に関わる問題で、下手に妥協したら、海洋権益や竹島や北方領土など、他の領土問題にどのような悪影響を与えるかという話になります。


4 最後に

 企業の立場という意味では昨日書いたように(中国紙が日本資本の中国脱出を懸念する記事を掲載)、中国側も日本資本の中国からの国外流出を懸念してわけで、そういう意味でお互いの考えが近いところにあります。

 小泉首相の靖国参拝の時もこうした民間(経済)交流から関係改善が図られたという面があるので、そうなってくれればと思うのですが、今回は結構難しそうです。

 ただ、心底ありがたいと思ったのは、中国では「団結」して日本にあたろうという話になっているので(日本との「軍事衝突」に備えて団結を強調する中国紙)、今回の米倉会長のような発言はできるはずもない話ですが、それが可能だった日本はそれだけ「言論の自由」や「価値の多元化」が保証されている社会ということです。



凜amuro001 at 23:48│コメント(10)トラックバック(0)