沖縄

2013年05月18日

 以前、沖縄独立を提唱した社民党の照屋寛徳議員を批判しましたが(沖縄独立に賛成する社民党の国会議員にいろいろ質問してみたい)、他人のことを批判するだけで、自分の考えを述べないのも如何なものかと思ったので、今日は沖縄独立の可能性について少し。


1 照屋議員のブログ

 照屋議員は4月1日に発表した自分のブログで、「沖縄、ついにヤマトから独立へ」というエントリーを行っており、以下のように書かれております。

 私は、明治いらいの近現代史の中で、時の政権から沖縄は常に差別され、今なおウチナーンチュは日本国民として扱われていない現実の中で、沖縄は一層日本国から独立した方が良い、と真剣に思っている。

 沖縄の人口は140万人を超えている。国際社会には人口100万規模の独立国がたくさんある。

 今朝(4月1日)の地元二紙朝刊によると、来る5月15日「琉球民族の琉球民族による琉球民族のための学会」と定めた「琉球民族独立総合研究学会」というものが正式発足するらしい。

 許されるならば(会員資格のうえで)私も学会に加わりたい。

2 「独立」の意味

 本来であれば最初は法律論から入るべきなのでしょうが、当然日本の法律には独立の規定などはありません。それに独立となると法律論というより、政治学的問題の方が大きく、(国際的な)力関係で定まることの方が多いのが現実です。

 そのため、独立の「実現性」ということはとりあえず置いておいて、独立してやっていくことができるかどうかという観点から見てみたいと思います。

 一応、学会の設立趣意書などを見たのですが、今一彼らの提唱する「独立」が何を意味しているのか良くわかりませんでした。そのためあくまで私の想定にしかすぎませんが、連邦制などではなく、いわゆる主権国家として「独立」するということで話を進めさせていただきます。


3 沖縄独立の可能性
 
 まず、照屋議員の言われている根拠が以前批判したとおり、あまりに論理的でなく「国際社会には人口100万規模の独立国がたくさんある」というが根拠の様です。確かに100万規模の独立国は存在しますが、各国状況が違いすぎ、これだけで殆ど説得力がないのではないでしょうか。

 例えばカタールやバーレーンであれば天然資源があるからこそ可能なわけで、そうでなければキプロスやトリニダード・トバゴの様にある程度隣国に依存していくという選択肢をとるか、東ティモールの様な生活水準を選ぶかしかないと考えます。

 それに沖縄県の財政比率を見てみると(「沖縄県の財政状況」)、平成18年の数字ですが、自主財源比率が27.9%(全国平均45.4%)となっており、国からの交付金がなければ単純計算で今の1/3程度の財政規模でやっていかなければならないことになります。


4 援助の可能性

 そうなるとどれだけ「他国」から援助がもらえるかという話になるわけですが、今の日本の「地方自治」が名ばかりであることから見て分かるとおり、援助をもらうということは、それだけ相手の言うこうことを聞かなければなりません。

 当然援助先は「日本」だけに限らず、中国や台湾を想定しても良いわけですが、それは同様にそれらの国々に対し弱みを持つということを意味するわけで、学会の目指している「独立」とは全く正反対のものであると考えます。

 実際問題、漁業権などは、援助の代償としてかなり譲歩した形で「他国」に明け渡すしかないのが実情かと思います。

 それに以前書いた様に安全保障の問題も出てきます。典型は尖閣諸島で、もし中国から援助をもらうのならそれだけ中国に妥協する必要が出てくるのはいうまでもありません(「琉球独立」を日本に対する牽制カードとしたい中国)。

 「日本」に守ってもらうのなら、当然それだけの見返り(海底資源の採取や上に書いた漁業権)が要求されるわけですが、そこいらはどう考えているのかも不明です。


5 価値転換

 むろん、これは現在の生活水準や領土を想定しているからこうなる話であり、1/3の財政規模なら生活水準もそれだけ落としていくという選択肢もあります。安全保障でも尖閣諸島は捨てるという選択もなくはありません。

 そうなれば、「他国」からの援助をもらわなくても良いわけですが、果たしてそれで今の人口を維持できるか私はかなり疑問です。当然収入は激減するわけで、なおかつ離島なので、食料品にしても生活必需品にしても輸送費がかかり「日本」より割高にならざるを得ません。

 もちろん、以前から人は生活していたわけで、生きていくだけなら、それも可能です。しかし、今の生活水準に慣れきってしまった人々がそうした生活をできるか私は疑問です。

 昨日書いたように(憲法改正を通して日米の関係悪化を願う中国)、国民主権の発想を突き詰めていくと、自分たちがそれを選択したのならば、どのような国家形態・生活を送るのも基本的に主権者たる国民の自由だと私は考えています。

 ただ、上に書いたような理由で、そうした選択(独立)を沖縄の一般県民がするとはとても思えないというのが私の考えで、そうしたことを地元選出の国会議員が発言するのは如何なものかというのが私の意見です。



凜amuro001 at 18:15│コメント(35)トラックバック(0)

2013年05月16日

 沖縄独立は行けると思っているのか何だか知りませんが、どうもここのところ『環球時報』がかなりご執心のようです(沖縄独立に賛成する社民党の国会議員にいろいろ質問してみたい)。


 その『環球時報』がまたしてもいろいろ興味深い社説「中国民间应支持“琉球独立研究会”」を掲載していたので、これについて少し。


1 記事の紹介

 最初にいつものとおり、記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 「琉球民族独立総合研究学会」は沖縄で15日に設立を宣言した。当学会は沖縄独立を求め、「琉球自治連邦共和国」の創立を目指す。沖縄県石垣島出身の龍谷大学の松島泰勝教授、沖縄国際大学の友知知政助教授が発起人だが、組織の詳細はまだよく分からない。

 日本では政治組織の創立が比較的容易で、「琉球独研会」も排除されない。周知の様に、政治の大きい推進があれば、弱小組織も大きくなることが可能で、歴史の中で重要な役を演じ得る。

 琉球国は日本により滅亡されてから既に一世紀が過ぎており、東アジアの歴史の中で大国の影響を受けてきた。中国の民間は同情し、「琉球独研会」を支持すべきだ。こうした声援は短期的に効果がでるものではないが、長い目で見れば、琉球国の復活運動を推進する力となる。

 私達は一貫して他国への内政不干渉を主張してきたが、西洋の列強の干渉を受けてきた。西側は中国の政治に干渉することに何の気兼ねもなく、中国の不法団体に対し、民間だけでなく、政府さえも支持をした。中国も反撃をしなくてはならない。

 日本の民間団体は公然または非公然に中国の分離団体を支持してきた。ダライ・ラマやラビアは日本の民間団体の招待を受け訪日した。中国の民間団体が沖縄の独立を支援したからどうだというのだ。

 ある者は、もし我々がこのような事をするのなら、西側諸国に中国の分裂活動を支持する口実を与えるのではないかと心配している。しかし、問題は西側はずっとこうしたことをしてきたことで、私たちが「琉球独研会」に何もしなければ、西側は中国に干渉しなくなるか。

 中国人は琉球の歴史に関心を持ちやすく、政府が阻止させしなければ、現実的な力となりうる。西側諸国の相対的な没落に伴い、多くの問題が出てきた。そのため、西側は既に大規模な(批判の)力を中国に投じることはできなくなっている。

 中国は西側とのつきあい方を変えるべきだ。長いこと抑圧されてきた。沖縄独立に歴史の基礎や正当性があり、運動となりうるのであれば、沖縄人の現実的な利益に適合する。中国は自然に国際法の範囲内で、後押しをする。

 私たちは、自分自身が善隣友好と地区の平和を望むことを知ってる。小さい国でも、私たちはきちんと気に掛ける。日本がやり過ぎたため、私達は今後、善隣友好以外の方策をとることが必要かもしれない。

2 個人的感想

 中国のダライ・ラマに対する批判はいつものことで(ダライ・ラマを「売国奴」と批判する中国)、外国の首脳が彼と会談することを異常なまでに毛嫌いしており、中国の経済力を使ってこうした動きを抑制しようとしております(経済力で他国に言うことを聞かせようとする中国)。

 念のため補足しておくと、元記事に出てきた「ラビア」とは、世界ウイグル会議の議長をしておられるラビア・カーディル氏のことです。

 中国では愛国心や団結が強調されるので(中国と団結)、自国内に分離独立をたくらむ者がいるということは都合が悪いこととなります。結果、こうした外部(外国)からの支援がメインで、それにそそのかされた者がそういう運動に参加しているだけという論調を良く見かけます。

 そのため、ますます外国の「陰謀」を強調する傾向が強くなるわけですが、外国が中国に対して、こうした酷いことをしているのだから、中国政府が同じようなことをして何が悪いというのが今日の社説の最も言いたいことかと思います。

 確かに勝手にやってもらってかまわないかと思いますが、どこまで効果的な支援となるかはかなり疑問です。こうした動きが前面にでればでるほど、アメリカの基地がなくなった後に、何ができるのか心配する人が増えるだけかと考えます。

 以前見たように(「琉球独立」を日本に対する牽制カードとしたい中国)、中国政府が最初から出てくるつもりは無いようですが、政府の意を受けた民間団体が前面に立つというだけで、あまり差はないかと思います。

 一国が何かをするというのは、まともに考えれば何か思惑があるから、そうするわけで、中国の狙いをいろいろ考えてみるのも悪くはないかと思っております。



凜amuro001 at 22:24│コメント(6)トラックバック(0)

2013年05月15日

 『環球網』に「日国会议员撰文称冲绳最终将会从日本独立」という記事が掲載されており、いろいろ思うところがあったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 最初にいつものとおり、記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 『産経新聞』の報道によると、5月15日はアメリカ軍が日本に沖縄地区の行政権を引き渡した41周年目で、「琉球民族独立総合研究学会」がこの日、沖縄県に正式に発足した。これに対して、沖縄選出の衆議院議員、社民党国会対策委員長の照屋寛徳は、15日自分のブログに「沖縄は独立した方がよい」と書いた。

 調べたところ、照屋寛徳は2013年4月、沖縄の現地メディアの取材を受けた時も、「明治以来の近現代史の中で、沖縄は長きに渡り時の政府に差別され、沖縄人はしばしば日本の国民としての対応をうけることがなかった」と述べている。

 15日に発表するブログ「沖縄、最後は大和国から独立に向かう」では、照屋寛徳は「沖縄はやはり日本国から独立した方が良く、私はこの問題を真剣に考えている。」としている。他にも「琉球民族独立総合研究学会」が素晴らしい成果をあげることができることを期待しているとも述べている。

 聞くところによると、「琉球民族独立総合研究学会」は15日午後に沖縄県庁で記者会見を開き、沖縄の某大学で創立大会を開催する。関係者の話によると、当該学会は沖縄の独立問題を研究するために、他国が独立した経験を研究し、同時に機会を探して国連に直接独立の願望を述べるとしている。

2 個人的感想

 日本は言論の自由があるので、基本的に誰が何を話そうが自由です。しかし、国会議員は当該地区を代表するという形で選挙で選ばれているので、言葉の重みが一般の人達とは異なってきます。

 それに「地域エゴ」という問題があるように、国会議員は選出された地域のことだけを考えていれば良いわけではありませんが、地盤なくして国会議員になるのも難しいので、当然地域のことを第一に考えます。

 そういう意味で、照屋議員がどういう発想で沖縄独立を提唱されているのか私は正直理解できません。本気で、独立してどうなるのか考えてみたことはあるのでしょうか。

 国からの補助金なしに今のままの生活水準を維持できると思っているのでしょうか。それに尖閣諸島などは中国から守るための防衛費を沖縄県民だけで負担できると考えているのでしょうか。

 まともに考えれば、監視船を出すこともできなくなり、中国に実行支配されるのが落ちだと思うのですが、そこいらはどう考えているのか本気で聞いて見たいものです。

 政治は結果責任で、最も要求されるのが、どの様に政策を実現するかという話です。そのため、評論家きどりの方が理想論を述べるのとは(『琉球新報』の自衛隊不信と机上の空論)、全く意味が異なります。本当の意味で、そうしたことを考えた上で発言しているのでしょうか。

 平和は「平和」と唱えていれば実現できるものではなく、どうすれば平和を維持できるか手段を考えなくてはならないと考えます(日本のオスプレイ報道の問題点2)。そのためには、抑止力となる軍隊も必要かもしれません。

 むろん、いらないという方もいるでしょう。そういう方の気持ちもわからないではありませんが、だったら、どう他にどういう方法があるのかという話で、そうした方策を提示していただければといつも思っているのですが、未だかつて納得のいくものを見せてもらったことがありません。

 この記事についている中国人のコメントの大半が「喜ばしい」となっていたり、『人民日報』が「琉球独立」に言及したように(「琉球独立」を日本に対する牽制カードとしたい中国)、中国にとって「沖縄独立」は、米軍基地や領土問題などを初め外交上大変有利なこととなります(沖縄の基地をなくすことは可能か?)。

 斯様に、いろいろな思惑が沖縄独立には絡んでいるわけですが、そうしたことを踏まえて沖縄独立を提唱しているのか、そして沖縄独立に本当にどれだけのメリットがあると計算して、こうした意見を出しているのか、本気で聞いてみたいものです。



凜amuro001 at 21:09│コメント(31)トラックバック(0)

2013年05月11日

 『人民日報』に掲載された沖縄問題に関する論考がいろいろ話題になっているようですが、それに関連して『環球時報』が大変興味深い社説「激活琉球问题,为改变官方立场铺垫」を掲載していたので、これについて少し。


1 記事の紹介

 最初にいつものとおり記事を翻訳したものを簡単に紹介させていただきます。

 『人民日報』に5月8日に掲載された「歴史的に未だ解決していない琉球問題を再び協議することができる時が来た」は、日本側の強い反応を招いた。中国側への「抗議」だけでなく、安倍首相は「世界に日本の立場を説明する」ことが必要と述べた。

 中国人学者が政府系メディアに載せた一言が日本をここまで緊張させたのは、彼らの心持ちを反映している。1971年、米日は、「沖縄返還」の協定を締結しアメリカ軍が占領する琉球群島を勝手に日本に渡したが、中国の意見を求めておらず、違法性には法的根拠がある。

 琉球は釣魚島と異なり、歴史的に見て琉球国と中国は藩属関係にあり、中国の版図の一部分でないとは言えない。中国は琉球の「回復」を求める必要はないが、今日の琉球の状態を否定することは可能だ。

 もし日本が中国と敵対するのなら、中国政府は現在の立場を変え、琉球問題を歴史の懸案とする。台湾問題やチベット問題で、西側諸国は通常政府は立場をはっきりさせず、エリート集団が「台湾独立」や「チベット独立」を支持している。

 琉球問題について、中国も同じようなことをすることができる。中国は3つの段階に分けて、「琉球再協議」をスタートさせることができる。

 第1段階 琉球問題の研究・討論に関して民間をが琉球の歴史問題を追及することを許し、琉球回復組織を支持すると共に、世界に対し、日本が不法に琉球を占領している歴史を広める。政府はこうしたイベントに参加しないが、反対もしない。

 第2段階 日本の態度を見て、中国政府の立場を決める。中国政府の名義で国際的に琉球問題を提出する。

 第3段階 もし日本が中国の発展を妨げる急先鋒となるならば、中国はそれなりの力を投じて、沖縄地区に「琉球国回復」を育成する。中国の今後2~30年後の強大な実力をもってすれば、幻想ではない。

 日本は中国に対して度重なる犯罪を犯しており、今日中国の国際戦略環境の最も積極的な破壊者となっている。中国はずっと対日友好に力を尽くしてきたが、中日の「良好」な関係は修復できないことは、明らかで、中国は「もう一つのアメリカ」の力量を以て、日本に対しかき乱すことを放棄させるしかない。

 中日は両国は友人にはなりがたい。中国の総合的な国力は既に日本を越えたため、平和の主導権は我々の手の中にある。

 中国の経済が衰えない限り、分離主義は過去のものとなり、辺境地域の事件は徐々に変化していき、中国の「民族問題」に対する外部の影響力は益々小さくなる。

 日本は衰退した恨みを中国にかぶせた様に、もし中国の発展が国際環境から圧迫を受けるのなら、私たちの戦略的突破口は日本で、琉球問題は開放されるべきで、様々な可能性を秘めている。

2 個人的感想

 実は以前から、『環球時報』は「琉球独立」に関する記事を掲載してきておりました(中国の琉球独立支持)。

 ただ、その論拠が、①日本は琉球処分、終戦間際の集団自決命令など残酷な統治を行ってきたこと。②沖縄は中国との交流の歴史が長く、福建省からの移民も多く、中国人を先祖とするものが大半であるので、沖縄住民は中国の「同胞」であるといった、はっきり言って呆れ返るようなものでした。

 それに比べては今回の主張は、日清戦争による下関条約で「琉球は日本に奪われた」わけだが、「カイロ、ポツダム両宣言の規定により、歴史的に未解決な琉球問題も再び議論できるようになったというもので、理屈としては大分マシになっております。

 これまでも中国の日本に対する「言いがかり」に近い主張は数多くあるわけですが、そうした主張を行う際にも当然理屈は必要で、中国の「愛国主義者」にしてみればまた1つ新たなネタを見つけたと喜んでいるところでしょうか。

 更に沖縄が本当に独立できれば、中国にとって目の上のたんこぶである在日アメリカ軍の問題や尖閣諸島の問題も一挙に片付いてしまうわけで、中国にとってこれほど都合の良い話はありません(沖縄の基地をなくすことは可能か?)。

 それ以外に元記事でいろいろ興味深かったのが、「民間団体」と良いながら中国政府が研究を認めたり、支持したりすることを表明しており、如何に中国には言論・研究の自由がないかを如実に物語っているかと思います。

 また日本がアメリカの言うことを聞くのはアメリカに力(パワー)があるからだという発想から、「もう1つのアメリカ」という形でパワーにより、日本に言うことを聞かせることができるという、いつも通りの中国の主張も何とも言えません(中国覇権主義(アメリカより強くなって日本を服従させよう)

 それと本当最近こうした中国の記事などを見ていて思うのは、これまでは一応建前としてあった「日中友好」がなくなってきているような気がします。なお、これには日本側の変化もかなり大きな影響を与えているのは間違いないかと考えます(日本を批判しすぎた結果、中国の日本批判の効果が限られてきたか「日中関係は1500年間良好だったことがない」発言に中国人激しく同意



凜amuro001 at 21:59│コメント(28)トラックバック(0)

2012年04月10日

 昨日沖縄に関する記事を書いて、他人が書いた文章をさんざん批判してわけですが(『琉球新報』の自衛隊不信と机上の空論)、いろいろコメントがついていたのと、他人を批判するだけ批判して自分の考えを公表しないのも不公平かなと思ったので、私の理解する沖縄問題について少し。


1 歴史的背景

 沖縄の問題を考えるにあたって歴史的背景も無視できません。日本がアメリカと戦争を開始した理由の1つにが石油などの天然資源の確保の問題があります。

 日本は第二次世界大戦中、石油などの天然資源を求め、まず南方を攻略しました。そのためアメリカとしては、沖縄を抑えてしまえば、南方からの海上輸送ルートを遮断することが可能となり、日本を物流的に追い込めることができます。

 また、沖縄に基地を置けば、日本本土だけでなく、台湾、中国沿岸部にも爆撃機で攻撃をすることが可能となり、戦局にとっても極めて有利となります。


2 地政学的有利性

 また、日本の独立を認めるのと同時に、ソ連など東側諸国に対抗するため、アメリカは日米安保条約を締結し、アメリカの基地を日本に置けるようにしました(アジアにおける西側の最前線が日本と韓国)。

 そうなると当然言わずもがなで、既存の基地はそのまま利用したほうが、新たな基地建設の負担をしなくてすむので、日米双方にとって、都合が良いということになります。

 なおかつ、沖縄は地政学的にも有利な場所で、先にみたとおり、沖縄は南方に近く、沖縄のアメリカ軍基地はベトナム戦争の際には大きな役割を果たしましたし、第二次世界大戦中と同じで、その気になれば、台湾や中国沿海部に爆撃機を飛ばすことも可能です。

 冷戦終了後、アメリカにとって最大の関心国は中国となりつつあるなか、台湾海峡問題への対処を考えても結果として、沖縄の重要度は高まってしまったと考えます。

 現在では、爆撃機による空襲より、弾頭ミサイルによる遠隔攻撃の方が安全という意見もありますが、こうした弾頭ミサイルに対抗するために、迎撃ミサイルやイージス艦などが配置されているわけで、悲しいかな今回の北朝鮮もミサイルも今後のこうした場合に備えるという意味ではかなり大きな意味をもってしまっています。


3 基地をなくすことは可能か?

 基地負担の軽減が沖縄の最大の関心ですが、これは日本だけの観点で見たのでは話にならないと思います。何と言ってもアメリカの基地なわけで、アメリカの観点でみることが必要な話になってきます。

 今アメリカ軍は基地の再編を行っておりますが、何と言っても最大の目的は軍費の減少で、より効率的に軍を配置して、不必要なところを減らして、経費を削減しようという話です。

 そこで沖縄の基地移転という話も出てくるわけですが、確かに沖縄の様に限られた所に基地を集中しておいたのでは、攻撃された時に、全てが破壊されてしまうことになるわけで、リスク回避の面からも分散しておいた方が有利です。

 なおかつ、アメリカとしても本来アメリカが負担すべき移転費用を、「出て行ってやる」という形で、移転費用の一部を日本に負担させることができるのなら、これも悪い話ではありません。

 実際そういう形での交渉は行われているわけで、私はこういう形でどこまで沖縄の負担を軽減させることができるか、それを考えることが唯一可能な道で、闇雲にアメリカ軍の基地反対運動を行うより、より現実的であると考えます。

 ただ、先に見たように、中国に対し、睨みをきかせるという意味で、沖縄が重要な拠点であるのことは間違いないので、全廃という選択肢はまず考えにくく、そういう意味でも可能なところから軽減をはかるという方法しかないと考えております。



凜amuro001 at 21:47│コメント(4)トラックバック(0)