アメリカ

2016年03月29日

 『環球網』が「美媒分析为何有中国人喜欢特朗普 调查:你喜欢他吗?」(アメリカメディアがどうして中国人はトランプが好きなのかを分析 あなたは彼が好きですか)というアンケートを行っており、興味深かったので、これについて少し。


1 元記事

 ここで言っているアメリカメディアとは、CNBCの”Why some Chinese like Donald Trump”という記事です。

 この記事では、あれだけ中国に対して強硬な発言を行っているトランプ候補に対して、中国人が何故それほど彼を候補を嫌っていないかということについて記事にしたものです。

 いろいろな理由があるのですが、彼が経済界出身で、何だかんだ言っても中国との(経済)関係を重視するはずという意見などが紹介されています。

 最後に西側民主主義の失敗という項目があり、そこには、中国メディアがトランプ候補をそういう観点から紹介してるからというなかなか興味深い部分もありました。


2 アンケート結果

 アンケートの質問は2つで、1つ目が、トランプ候補が好きですか、嫌いですか。

 2つ目が、彼がアメリカ大統領になったら、中国にとってプラスですか、マイナスですかというものです。

 3月29日の22時30分現在で、1つ目については、トランプ候補が「好き」53%、「嫌い」47%となっております。

 2つ目は「プラス」が45%、「マイナス」が55%となっております。


3 好き嫌い
 
 トランプ候補の人気はやはり彼のキャラクターによるものが大きく、同じようなことを他の候補が発言したら間違いなく反感だけが募るのではないかと思います。

 もともとテレビにも出演経験があるわけで、そこでもいろいろ厳しいことを言っていたようですが、それが受けていた面もあるわけで、氏は大衆はどう言えば喜ぶ、どうすればマスコミ受けするかということを良く知っているのは間違いないかと思います。

 実際、上記アンケートのコメント欄でも彼をして率直と考えるコメントなどが書き込まれていました。

 皆いろいろ言いたいことがあってもそれが言えないのが現代社会ですが、それを言ってしまえるところに彼の強さがあるのかもしれません。


4 最後に

 とはいっても、彼の発言を聞いていると、多分ないとは思いつつも本当にやられたら困るというのが残るのは間違いないかと思います。

 それが彼が大統領になったら、中国にとってマイナスというアンケート結果に表れているような気がしてなりません。

 おそらく日本でも同じような結果になるのではないでしょうか。彼のことは嫌いではないが、公約として掲げられていることをそのまま実行されたら大変というのが普通の発想かと思います。

 私自身、彼が今好き勝手言っていることをそのままできるとはとても思いませんが(アメリカの理想(クリントン)対闇(トランプ))、そうは思いつつもやられたら困ると思っています。

 ただ、その一方で、彼の破壊力というか、これまでの常識が通じないところに何かやってくれるのではないか、彼が大統領になったらそれはそれで面白いかもしれないとも考え始めています。

 そうはいっても、政治はそれによって影響を受ける人間が多いので、間違ったではシャレにならないことが多々あるのが、怖いところでもあります。




凜amuro001 at 23:14│コメント(14)トラックバック(0)

2016年03月16日

 アメリカ大統領選に向けた民主、共和両党予備選が行われており、南部フロリダなど大票田の5州で投票が行われています。

 1日の「スーパーチューズデー」に続くカギとなる選挙で、マスコミでは「ミニ=スーパーチューズデー」などという用語も散見されます。

 正直共和党のトランプ氏がここまでの勢いとなるとは全く思っていませんでしたが、ふと思うことがあったので、これについて少し。


1 床屋談義

 トランプ氏の主張は、不法移民対策でメキシコ国境沿いに壁を築くというものに代表されるように、思いつきというか、現実味がどれだけあるのかというものが少なくありません。

 特にこの「壁」では、その建設費用について、氏の「優れた交渉術」を通じてメキシコ側に負担させるとまで発言しているわけですが、この実現可能性については言うまでもないかと思います。

 こういう馬鹿げた話をどこまで民衆が信じるかと言う話ですが、氏の話は聞いていて気持ちが良いのは間違いないかと思います。


2 権利と義務

 アメリカは何だかんだ言っても世界一でそのために多くのメリットを享受している反面、良くわからない「世界の警察」などを努めており、そのためにかなりの負担を負っております。

 傍から見ていると、権利(主張)には義務が伴うという当たり前の話にしか過ぎないわけですが、どうしても人は自分が受けている利益より、自分が被っている不利益の方に目がいってしまいます。

 それにトランプ氏の話はどちらかというと内向きで、世界に対する貢献を減らして、その分を金を自国に回そうというものですが、そうした政策をとった場合に世界がこれまで同様アメリカを遇するかはかなり疑問です。


3 キリスト教徒

 これは私のキリスト教徒(アメリカ人)に対する偏見ですが、キリスト教的価値観に基づき、本気で素晴らしい人であろうと努力なさっている方がおられるような気がします。

 欧州でもそういう方はおられますが、そうでありつつ、できるはずがないと割り切っている様な気がしないでもありません。

 結果、アメリカの方が禁酒法に代表されるように原理主義的傾向が強いような気がしてなりません。

 民主党のクリントン候補の目指している世界はまさにそれで、実際彼女自身もそうありたいとこれまで努力してこられたと思います。


4 俗気

 それに対して、トランプ氏は思いっきり「俗」です。斯くあるべきではなく、ひたすらこうありたい、こうあったら良いを連呼しているだけのような気がしてなりません。

 私的には政治とは、結果責任なので、どのようにそれを実現するかを考えるべきかと思っておりますが、はっきり言ってそれとは一番遠いところにおられる方の様な気がしてなりません。

 ただ、彼を全否定するつもりもありません。実際これまでの政治家が何をしてきたのかという問題があるからです。

 政治は一律にものごとを決めるため、どうしてもいろいろなところから圧力がかかり、最初の目的が変えられてしまうことがよくあります(自分の課の政策をブログで否定する課長)。

 そうした結果は国民を失望させやすく、国民にしてみれば、そうした圧力にまけない強い政治家を望みたくなる気持ちもわからないではありません。

 実際、クリントンにしてもオバマにしても現状を変える(change)、自分達はできる(yes we can)というスローガンで選挙を戦ってきました。


5 最後に

 ヒトラーの例をだすまでもなく、現状に不満がある方々はそれをすべて変えてくれる人を望みがみで、それにトランプ候補がぴったりはまったというところでしょうか。

 それにこうした政治家に求められるのは(打たれ)強さ(タフさ)ですが、トランプ候補程ぴったりした人はいないかと思います。

 私は、理想が強ければ、強いほど、その闇も深いと考えており、そういう意味で理想(クリントン)、闇(トランプ)というのも、今のアメリカを表している興味深い現象だと思っているという話です。

 念のため補足しておきますが、トランプ氏に対してそれほど悲観的ではありません。もし万が一大統領になったとしても、各種制度が発達しているアメリカでは、そこまで無茶もできないと思っていますし、ビジネスでしっかりのし上がってきた方なので、本当の意味で馬鹿はしないと信じております。



凜amuro001 at 22:07│コメント(6)トラックバック(0)

2015年11月08日

 本当にひさしぶりにひどい風邪をひいてしまい、ここ1週間ほど何もできない状態が続いております。パソコンも開けないほどで、自分でもびっくりの状態です。

 こうしたこともあり、最近のネタを追いきれない状態で、少し前(10月26日)の話ですが、アメリカで起こった白人警官が黒人の女子生徒を床に引き倒して教室を引きずりだした事案について少し。


1 事件の概要

 アメリカのサウスカロライナ州の高校で、白人の警察官が黒人の女子生徒を床に引き倒して教室から引きずりだしている場面が動画で撮影され、それがネットで広がり話題になったものです。


 


 あまりにもその警官の対応が横暴ではないかとか、人種差別ではないかとか、本来学校の安全を守るために配置されたはずの学校常駐警察官のすべきことかなど、いろいろな意見が寄せられたようです。

 結果、この警察官は解雇されることとなりました。また、この女子生徒は学校では禁止されていたスマホを使用していたことや、警官への暴力などで、州法に基づいて告訴されたそうです。


2 スマホの使用

 確かに学校ではスマホの使用は禁止されているかもしれませんが、それがどこまで守られているかは疑問です。

 実際、今回の騒動にしても別の生徒がスマホを使用して撮影した動画が引き金になっているわけで、この女子生徒以外にも使用していた生徒はかなりの数に上ると思われます。

 それにもかかわらず彼女だけがこうした処罰をうけたのであれば、確かに人種差別という話になるかもしれません。

 ただ、こうしたことは日本でも良くある話で、同じことをしても普段素行の良い方がすれば、大目に見られ、普段からも問題視されている方がすると大事になるというパターンかもしれません。


3 警官(制服)

 あの映像が衝撃的だったのが、制服を着た恰幅の良い男性がまだ幼さの残る女子高校生をという面もあったかと思います。

 普段ぱっとしない人も制服を着ると別人のようにパリッとすることがよくあります。鼓笛隊や演奏会もあの格好でやるから人は感動するという側面は否定できないと考えます。

 これは見る人がそう思うだけでなく、制服を着ている本人もそれを自覚している側面があります。有名な実験として、スタンフォード監獄実験があります。

 これは、看守役と囚人役として学生に割り振って、それらしい恰好をさせたところ、看守役の学生が囚人役の学生に対してかなり非人道的な行為を行えてしまったというものです。

 「警官」という立場で臨んだにもかかわらず、それを無視するような振る舞いをした女子生徒に対する反感の様なものもああいう行動にでた原因の1つかもしれません。


4 最後に

 もちろんアメリカには日本にない事情の多くあるかと思います。もともと、学校常駐警察官が導入されるような学校での暴力事件というのがどういうものか、日本では想像もできない話です。

 そうするとこうした「暴力」に対して、中途半端な対応をとると、なめられてしまって却ってひどいことになりかねないなどの問題もあったのかもしれません。

 確かに今回の警察官の対応に全く問題がなかったとは思いませんが、現場で立つ者にはその者にしかわからない苦労があります。

 警官とか教師などはその最たる例でしょう。その一方、何かあると真っ先にたたかれるというのもこの2つの職に共通していることでしょうか。

 私はそういう意味で今回問題になったから場当たり的に解雇という結論をだしたことについてどうかと思っているという話です。



凜amuro001 at 07:31│コメント(0)トラックバック(0)

2014年12月31日

 今日でとうとう今年も終わりですが、本当に忙しくかなり困っております。更新がやっとの状態で、コメントの返事が遅れで、まことに申し訳ありません。何とかできるだけ更新していきたいと思っておりますので、来年もよろしくお願いします。


1 記事の紹介

 今日紹介させていただく記事は『環球時報』に掲載されていた「吴心伯:美国影响力下降是长期趋势」になります。本当に興味深い記事で時間があればゆっくり紹介したいのですが、上記のような状態ですので、概略だけの紹介とさせていただきます。

 アメリカはオバマの所為で弱くなったと言われているが、これはアメリカの現在の地位が影響を与えているという記事です。

 現在のアメリカは①ロシアの復興と中国の経済勃興、②EU、イスラエル、日本などアメリカの同盟国も独自路線をとっていること、③アメリカとイスラム諸国の矛盾、④アメリカ主導の国際機構の効果が弱体化しつつあること、といった影響を受けているとしています。

 オバマの弱腰はこうしたアメリカの国際的地位を反映したもので、アメリカは未だに国力は世界一だが、アメリカの国力は既に低下している。軍事面でもロシアや中国の近代化などで、以前ほど差はなくなっているし、経済でも全世界の22.4%の占有率で、第二次世界大戦後最も低い値となっている。

 国連でも指導力も弱くなっており、アメリカと異なる投票を行う国々は増えている。巨額な財政赤字のために軍事費も低下し、対外援助も減少しつつある。

 オバマ政権の弱体化はこうした国内国際政治が原因で、次の大統領の性格によっては、アメリカの地位は改善するかもしれないが、アメリカの地位の低下は長期的な趨勢で、一過性のものではない。

 そして、結論として、多極化が進展するなか、アメリカの同盟国も安全保障面でこれまで以上の働きが求められるし、中国などの新興国も国際社会において、これまで以上の役割が求められるとしています。


2 強いアメリカ

 これを書いたのは复旦大学のアメリカ研究センターの主任です。書かれている内容は中国が普段から主張している多極化で、内容的に目新しいものではありませんが、さすがにかなりしっかりした内容となっております。

 確かに通常見かける主張はオバマだからアメリカは弱腰だというもので、私自身もあまりオバマの外交については、あまり評価しておりません(オバマ大統領の理想とサウジアラビアと靖国参拝)。

 オバマの人気が低下している原因もオバマだからアメリカがだめになってしまったというもので、アメリカ人の中でも、強い大統領になれば強いアメリカが復活すると思っている人がいるのではないでしょうか。


3 多極化

 ただ、かつてはG7で物事がある程度決まっていたのに、今ではG20でないとどこまで実効性かあるかわからない状態で、確かに多極化が進んでいることは間違いないかと考えます。

 ただ同時に問題の解決に当事者が増えた結果、解決が困難となったのも事実で、なおかつそこに価値観の相違などが問題になると、何が正しいのかということからはじめなくてはなりません。

 中国に言わせれば「人権」でさえ、中国には欧米と異なる「中国的人権」があるという話ですから、そこから何も目指すか意思の統一を図らなければなりません((エジプトの選挙結果を受け、西側に嫌みを言う中国)。

 イスラム諸国もイスラム国に代表されるようにあれだけ異なる価値観を提示されると、どうするのか本気で考えなければなりません。


4 最後に

 確かに価値観の多様化は望ましいことで、それを否定するつもりはありません。ただ、物事にはすべて長所と短所があるという話で、それは多極化も例外ではないという話です。

 斯様に物事は単純に何が良い、何が悪いと一概に言えるものではなく、だからこそ面白い一面もある反面、難しいという話で、だからこそ世の中は面白いのかもしれません。

 相変わらずの内容ですが、来年もよろしくお願いします。



凜amuro001 at 22:57│コメント(6)トラックバック(0)

2014年06月30日

 ここのところ更新が遅れ気味で本当いに申し訳ありません。結果、どうしても時事ネタで遅れがちになるという話であり、今日はその典型です。


1 中国大使館の住所変更

 産経新聞が喜んで取り上げておりましたが、在米中国大使館の住所を「劉暁波プラザ」とすることを米下院委員会が可決したそうです(中国大使館の住所を「劉暁波プラザ」に 米下院委員会が法案可決)。

 あくまで委員会で可決しただけなので、当然これから下院本会議や上院の採択を経なくてはならず、先は長いわけですが、1つのメッセージとしての効果はあるかと考えます。


2 中国の反応

 これに対する中国の反応は言うまでもありません。ブログを書くためだけに愛読している『環球時報』は社説「社评:恶搞中国使馆路名是小人之举」を公表し、「劉暁波は法律に基き裁判を受け、中国刑務所に服役している犯人で、米下院の議員がこのように悪ふざけをするのは、とても損なだけではなく、外交上とても下品と言わざるを得ない」とかなり強い反感を示しております。

 香港の『南華早報』などもだったら、アメリカ大使館の住所を「エドワード・スノーデン通り」や「グアンタナモ通り」にしてはどうかとの意見も掲載されております(港媒:美国改路名 中国何不以牙还牙)。


3 個人的感想

 私が今回のあらましを見て正直思った感想が、「ガキの喧嘩か」という感想です。今回アメリカの下院でこういう動きがでたわけですが、どうしても下院は上院より数が多く、結果いろいろな人がいるという話かと思います。

 それに選挙で勝つためには目立つことが必要で、結果こうしたパフォーマンスが必要とされているという面も否定できないかと考えます。

 実際、かつて貿易摩擦華やかなりし頃、日本で大騒ぎされた東芝のココム違反などを本気で追及したのもアメリカのハンター下院議員でした。

 これを見て同時に思ったのはやはり、アメリカ的には中国に対し、人権状況などいろいろな不満はあるということです。

 ただ、そうであればこそ、逆にどうしても思ってしまうのが、だったらもっと正攻法で中国に反対しろよという話で、こうした嫌がらせをやって喜んでいるのが情けないとしか思えなかった次第です。


4 アメリカの顔色

 慰安婦問題などでアメリカが韓国に味方していると考える人もいるわけですが、私的にはこうしたことしかできないアメリカ議会であれば、勝手にしろと考える人が増えるのではとも思っております。

 本来中国の対応に問題があるというのであれば、正面から意義を唱えるべきであり、アメリカにはそれだけの力があると私は考えています。

 実際、中国はアメリカの動向はかなり気にしている面があり、だからこそ、逆に批判すべきところはきちんと批判すべきだと考えるわけですが、どうもアメリカの弱腰(別に中国だけでなく、オバマ外交の特色かもしれませんが)が目立つような気がしてなりません(オバマ大統領の理想とサウジアラビアと靖国参拝)。

 結果、アメリカ国内でもフラストレーションがたまり、こうした嫌がらせ的行動に走ったという面もあるかと思いますが、こうしたことが真の問題解決につながるとは到底思えません。


5 最後に

 私は基本的に、下手に言いたいことを言わないと変に不平不満が募り、おかしくなるという発想なので、言うべきところは互いに、言いあうべきだと思っております(靖国参拝で中国が韓国と日本を批判、その他の国は2)。

 そのうえでどうするかを考えるのが外交なので、むろん好き勝手言って良いという話ではなく、超えてはならない一線があるわけですが、あまりに我慢しすぎると今回の様に変な形で発現し、返っておかしくなってしまうという話ではないでしょうか。



凜amuro001 at 03:45│コメント(6)トラックバック(0)