日本政治

2015年11月09日

 田中龍作氏の「18歳選挙権 高校生『私たちが政治を作っていく』」で、「選挙権が18歳に引き下げられたこと」もあり、政治に関心を持っている高校生のことについて取り上げていたので、これについて少し。


1 記事の紹介

 具体的には、「戦争法案が可決成立した9月19日を忘れない」と「高校生たちが、きょう、戦争法制を廃止に追い込むための集会、デモを行った」というものです。

 中には、「安保法制が国会で強行採決されて、わずか12時間後に京都で行われた反戦デモに参加し」た後で、東京に駆けつけデモに参加した高校生もいたそうです。

 仙台から参加した女子高校生の以下のような声も紹介されております。

 「9月19日はテスト期間中でテレビを見れなかった。『強行採決されちゃった』と母に言われた時は悔しかった。でも、これからだと思った」。

 「私たちは声をあげ続けます。だって民主主義は終わってないから。18歳の選挙権を行使して私たちが政治を作っていきます・・・」。


2 「戦争法制」

 私的には、どうしてもひっかかってくるのが、「戦争法制」という発想です。私も高校生が政治に関心を持つのは良いことだと思っております。

 実際、私自身も高校生の頃などは「保守に対する革新」というようなことを内心、いろいろ考えておりましたので、彼らの気持ちが全くわからないわけでもありません。

 特に今回のように、「強行採決」となると、多数派による数の横暴という感じで、反感が募るというのも理解できないわけでありません。


3 理想

 ただ、思うのはこうした若い世代は実世界を知らない(親の被保護下にある)ので、理想だけを追求しているという面もあるのではないかという点です。

 現実に生きるということは、どうしても妥協をしなくてはならない側面もありますし、時には自分の希望とは違うことをしなくてはならないこともあります。

 ところが「戦争」「平和」という話になると、かつて日本の体制(大多数)が間違った道を歩んだという思いもあり、そうならないためには、マイノリティである自分達こそが正しい道を歩むようにしなくてはならないという発想になるのではないでしょうか。


4 純粋

 それにこうした理想を追い求める高校生の姿は純粋さが見えてとれ、好感が持てるというのもわかります。 

 何の下心や打算もなく、ただ己の信じるもののために、若者がひたむきに行動していく姿は、高校野球などを応援するのと同じ側面があるのではないでしょうか。

 ただ、こうした純粋さは単に己の信じていることを何の疑いもなく行っているだけで、それ以上でもそれ以下でもないということです。

 実際問題こうした純粋さは、ポルポト政権時代に子供が何の疑問も抱かず親を密告したり、文化大革命時代の紅衛兵が自分達の正しさを疑わず、高齢者にひどい侮蔑的なことをしたことと相通ずるものがあるかと思います。


5 最後に

 人は自分達に都合の良いものしか見ません。「戦争法制」といいますが、実際問題戦争が起きた時にどう対処するのかすら決めておかなくて良いのかということに対してどう応えるのでしょうか。

 「平和」「平和」と唱えていれば平和になるのなら、誰も苦労はしません。非武装で臨むべきという話になるのかもしれませんが、私が非武装国の交渉相手なら、最初から武器などの交渉カードも持たない国と交渉する気にはなりません。

 格好の餌食位に考えるのが関の山ではないでしょうか。原子力発電も東日本大震災以前は、事故のことを考えるのは不謹慎と言う発想から、避難訓練すら行えませんでした。

 私は平和(戦争)も同じだと思っております。戦争は望ましくないわけですが、時には避けようもないわけで、その時にどう行動するという発想はとても大事なものだと思います。

 それをそうしたことを考えるのは「戦争を望んでいることだ」、「そうした発想こそが戦争の準備だ」、だから「戦争法制」だというのはどうかと考えております。

 ちなみに、「強行採決」にしても、今回は野党の対応も同じくらいにおかしかったのではないかと思っております。野党がきちんと対応してくれれば、当然採決ができたでしょうし、自民党もそれを望んでいたと思っております。



凜amuro001 at 23:00│コメント(17)トラックバック(0)

2014年12月16日

 書きたいことはたくさんあるのですが、体の調子が思わしくないのと、そのくせ本当にやることが多く、全く時間が取れません。結果ブログの更新が遅れぎみで本当に申し訳ありません。


1 総選挙

 さて、この時期となれば、当然話題は総選挙の結果しかないわけですが、ある程度予想どおりだったので、別にこれについてどうこういうつもりはありません。

 ただ、興味深く見ていたのが、ブログを書くためだけに愛読している『環球網』で今回の総選挙について特集ページをつくって大々的に報じておりましたhttp://world.huanqiu.com/special/jpelect/index.html

 なかなか面白いつくりで、安倍首相の喜色満面という感じの写真など、結構凝ったつくりになっており、本当これだけのものがつくれるのなら、中国のことについてもそれなりの報道をしてほしいものだと本気で思わずにはいられません。


2 反日

 さて、『環球網』と言えば、中国の愛国主義者御用達なので、どうしても反日絡みの記事が多く、今回も「安倍拿下众院选举还能再干四年 民族主义危险回归」という安倍首相率いる自民党が勝った結果、民族主義が強まるという記事も掲載されております。

 ただ、見たところ、ひどいこじつけがあるわけでもなく、それなりに読める記事に仕上がっており、安倍首相(日本)攻撃一辺倒という感じではありません。


3 親日?

 それどころか、トップに掲載されているのが「安倍:将在明年首相讲话中写进对战争的反省」というどちらかといえば、日本に好意的なものとなっております。

 内容を本当にザクッと紹介すると、共同通信の記事を引用し、14日のテレビ出演で、2015年は反ファシズム戦争勝利70周年を迎え、夏にかつての戦争に対する反省について述べることを考慮しているという発言を行ったという記事です。


4 最後に

 時間もないので、短めにまとめさせてもらいますが、思うに日本はこれでしばらくは安倍政権が続くことは間違いありませんし、国民の支持を得たという形で、安定した政権運営が行われるでしょう。

 となると、安倍首相を攻撃して下手に日本との関係を悪化させるより、それなりに良好な関係を築いておいたほうが良いという判断が働いているのではないでしょうか。

 やはり、以前の様に1年ごとに首相が交代しているという形はかなり異常で、誰と交渉してよいかわからなかったことや、関係が悪化してもすぐ次に替わると思えば、相手もあまり気にせずにいろいろ言えるという面もあったのではないでしょうか。

 あまりに権力の座に長くいすぎて、腐敗などが起こるのは問題ですが、やはり、ある程度安定した政権というのは必要だと、現在の日本を見ていて、心底思ったが故の今日のエントリーでした。



凜amuro001 at 00:41│コメント(5)トラックバック(0)

2014年12月10日

 環球網が「众院大选投票率史上最低 安倍与自民党或不战而胜」という記事を掲載しており、いろいろ興味深かったので、これについて少し。 


1 記事の紹介

 最初に、記事を適当に翻訳したものを紹介させていただきます。『週刊ポスト』に掲載された記事を元ネタとしています。

 何でも、今回の総選挙で、最終段階入ったが、最新の状況を見るに、自民党が戦わずして勝利という状態だそうです。

 総選挙直後、民主党や维新の党などが、第三局の統一戦線を形成し、自民党は4~50議席を減らすのではないかと心配していた。

 しかし、各党は自党の利益追求に忙しく、積極的な連携をができておらず、アベノミクスに対する有力な反対勢力も存在していない。

 世論調査では、安倍政権及び自民党に対する支持率は低下しているが、自民党に反対する人も明確な投票動機はなく、今回の投票率は前回の59%より明らかに低下し、史上最低になると思われる。

 こうした趨勢から、自民党は低投票率を利用して圧倒的勝利を得るかもしれないが、これは民意を反映しているとは言えない。


2 右傾化

 中国の「翻訳記事」の場合、自分たちに都合の良い様になおしてしまうのが良くあるので、今回の記事もどこまで『週刊ポスト』の記事に忠実に翻訳されているかはわかりません。

 しかし、私も今回は自民党の勝利で間違いなく(解散総選挙を行う意義)、なおかつ、あらかじめ結果のわかっているものほど面白くないものはないので、投票率もかなり低くなるのは確実かと考えています。

 そういう意味で、大筋では結果は私も同意するのですが、それに至る過程がやはり中国だなという感じがしないではありません。

 つまり、中国では、「安倍首相=右寄り」という評価がかなり定着しています。結果かなり安倍首相に対し否定的な記事がでることがります(中国紙が見た安倍首相が衆議院を解散した理由)。

 ただ、その一方、かつての日中国交正常化の理屈そのままに、日本では一部の右翼勢力は存在するものの、大多数の日本国民は平和を愛する人たちだという前提があります。

 となると、その日本人が右寄りの安倍首相を支持しているというのはどうかという話が出てきます。当然1つの解決策として、安倍首相だけでなく、日本そのものが右傾化しているという見方も存在するわけですが、日本との関係改善の動きがあるとなれば、それもきついものがあります。


3 民意

 結果、こうしたどことなく、中途半端な記事で様子を見るというところでしょうが、こうした記事を見るにつけ思うのは、やはり物事など見方によってどのようにでも見えるということです。

 総選挙で自民党が勝利したとなれば、それは安倍政権に対する信任と捉えるのが通常の発想かと思いますが、安倍首相に対しいろいろな思い入れがあるとなれば、それをそのまま評価することはできません。

 結果、選挙そのものが、民意を反映していないというわけのわからない話になってしまうわけですが、選挙制度そのものを否定的に見ている中国にしてみれば、選挙の結果などその程度のものという結論は二重の意味で適したものとなります。


4 最後に

 そういう意味で、日本との関係改善を踏まえ(日中関係は改善したのか?)、日本そのものを批判することは避けつつ、なおかつ中国共産党が嫌っている選挙制度を批判することができるという意味で結構こういう視点は「有り」という話になったのではないでしょうか。

 相手のことをどう見ようが勝手ですが、こういう一方的な思い込みは、自分の思いと違う行動を相手がとったときに、勝手に「裏切られた」等と怒り出すことも良くあるので、注意が必要かと思います。



凜amuro001 at 00:24│コメント(12)トラックバック(0)

2014年11月21日

 おときた駿東京都議会議員の「『まず受からなければ、何もできない』魔法の言葉に堕ちた政党と政治家たち」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 これは彼の所属していた、みんなの党が解党することを受けて書かれたものです。氏によると、「野党再編か。」「与党協調か。」、「いずれの立場をとる国会議員の勢力も過半数を得ることができず」解党になったとしております。

 そしてこうした結論に至った原因を「選挙という魔物です」と断言しています。つまり、「まず受からなければ、何もできない」、「議員は落選すればただの人」という現実がある以上、当選することが最優先されるという話です。

 そして、そのためには、「政策や理念を捻じ曲げて、お粗末な協議で選挙協力をする。自分のポスターを貼りまわったり、冠婚葬祭の出席に貴重な時間を費やす。政党助成金という税金で、知名度向上のための政治活動を行う」という現実があります。

 結果、氏は「これが政治家に許されるというのなら、わたしたちは間接民主主義というシステムに対して、あまりにも高いコストを払いすぎているのではないでしょうか」とまで書かれておられます。


2 バランス

 政治においてこれが一番難しいところなのでしょうが、理想と現実のバランスをどうとるかという話があります。

 理想は立派だし、頭も良く、いろいろな政策を提言するが、それを実現する能力がなければ、何の意味もないという話です。

 反対に選挙にだけ強くとも、何も政策立案ができなければ、何のために政治家になったのかという話です。 そういう意味で昔からよく指摘されているのが政策立案に優れた元官僚と選挙に強いたたき上げの党人派の兼ね合いというものがあります。


3 選挙運動

 理想と現実という意味では、選挙運動も同じです。本来なら自分の公約などを有権者に訴え判断してもらわなければならないのでしょうが、難しいことを言っても聞いてくれる人は殆どいません。

 現実は有名な誰々が来たから聞きに行くかという話で、政策を聞いているわけではなく、(有名)人を見に行っているのが現実かと思います。

 そうなると、選挙運動でも何かを話しても聞いてくれないという現実がある以上、良く名前の連呼や、「よろしくお願いします」というお願いが繰り返されることとなります。

 結果、土下座をしたり、選挙運動で政策と何の関係があるのかわからないパフォーマンスをする候補も出てくるという話で、やりたくなる気持ちもわからないではありませんが、私は好きになれないという話です。


4 当選

 ただ、候補者にしてみれば、当選しなければ今後どのように生活を維持していけば良いのかという問題があります。政治家が職業であり、それで生活の手段を得ている人にしてみれば、当選しなければ無職となります。

 そういう意味で、政治家を辞めなくてはならない時に号泣した方がいるのも、心情的にはわからないではありません。

 他に職業を持っている人はまだ生活のアテはあるわけですが、これをひっくり返せば、だったら自分で仕事をしている人以外は政治家になる資格すらないのかという話にもなります。


5 最後に

 ただ、それは明らかにおかしいわけで、下手をすると貧しい人々の意見がくみ取られないということにもなりかねません。

 現実、「労働者代表」などが立候補するとなると、その人の生活保障などがなければ、なかなかできない話で、そちら方面の組織の力を借りることとなります。そのために自分の主義主張を曲げるということもあるかと思います。

 何にしろ自分の主張を貫き通したければそれだけの力(知名度、経済力等)を自分で獲得してから物を言えという話でしょう。

 今回の問題は選挙なので、皆多かれ少なかれ関係のあることとなるので、こういう書き方をしましたが、他のこと(仕事でも、時間や費用などのコストとそれによりもたらされる結果)にも理想と現実があるのは当たり前の話で、皆それに苦しんでいるのは間違いないという当然の話なのかもしれません。



凜amuro001 at 22:00│コメント(2)トラックバック(0)

2014年11月20日

 ここのところ、パソコンの調子がおかしく、メールの受信ができず、いろいろ洒落にならない状態に陥っていた関係で、ブログの更新が滞っており、誠に申し訳ありませんでした。

 やはり今政治学関連のブログで書くとすれば、解散総選挙だろうということで、これについて少し。


1 解散の意義

 今回の解散でどうしても問題というか焦点となっているのが、解散の意義があるのかどうかという話です。 法律(憲法)論としては、首相に解散権はあるのかという問題があります。

 つまり衆議院の任期は原則4年と定まっているので、解散は例外的な場合(69条の内閣不信任案可決)のみに限定されるべきではないかという説があります。

 ただ、実際問題として、既に話し合い解散というのはこれまでも何どもなされてきております。更に元議員から解散は違憲であるという訴えがなされてことがありますが、これも統治行為論で裁判所は判断を保留し、現状を肯定しております。

 つまり、三権分立が確立している以上、裁判で争うのは司法的価値観であり、政治的問題については、民意を反映した政治家など、統治機構側で判断すべきこととされており、この解散の問題もそうであるというわけです。

 そのため、以前はこうした議論を行う人もいたようですが、現在では現実問題として、首相に解散権を認めることとなっており、あまり意味のある議論ではなくなっております。


2 解散の意義2

 そこで、今回の解散ですが、『共同通信』の「ツイッターでも『なぜ解散』 首相会見でつぶやき2万件」によると、ツイッターで「安倍」と「会見」を含むつぶやきを調べたところ、「19日までの半日間で約2万件に上り『何のために解散するのか』『民意を無視』など批判的な内容が多かった」そうです。

 これもわからない話ではなく、解散総選挙となると莫大な金がかかるわけですが、今解散という政治空白を生んで、何のメリットがあるのかという話です。

 それに与党で過半数を確保できなかったら退陣等と言う話もされているようですが、今の既に過半数を確保している現状があり、政策を粛々と遂行していけばよいだけではないのかという思いは多かれ少なかれ皆思っているところではないでしょうか。


3 否定意見

 ただ、この記事を読んで少しだけひっかかっているのが、ツイッターなどで積極的にこうした話題を発言する人は否定的な意見の人が多いという話で、肯定的に思っている人は今回の安倍首相の会見をスルーしているという面もあるのではないでしょうか。

 つまり、今回の解散総選挙に意義があるかと思うかどうかと問うのなら、別ですが、否定的な声が多いというだけでは、一概にどうこう言えないという話です。

 また今回はどうしても総選挙とワンセットなので、与党に肯定的な方は今回の解散(総選挙)を肯定的に、与党に否定的な方は今回の解散(総選挙)を否定的になりがちです。

 結果、仮に今回の解散に対するアンケートを行ったとしても、純粋に今回の解散に対する価値判断と側面のみで判断することが難しく、そういう意味では、藪の中ということかもしれません。


4 戦略

 私自身、今回の解散に意義があるのかと問われれば、かなり疑問で、積極的な意味があるとは思えません。 

 しかし、戦略としてはどうかというと、これまで与党(自民党)が行ってきた政策がまがりなりにも国民は評価していることは間違いなく、このままいけば与党勝利は間違い以上、戦略としては有りかと思っています。

 つまり、これまできちんとやってきたという実績があるが故にとれる戦略で、その点かつての民主党政権を見れば明らかですが、結局何も変えることができなかった、実績を積むことができなかった政権ではとれなかった戦略です。

 政治とは結果責任であり、いくら理想を掲げても何もできなければ何の意味もありません。そういう意味で、野党になってしまった民主党に再び政権担当能力があるかどうか、国民に問われる選挙でもあります。


5 最後に

 私は自民党を全肯定するつもりはありません。しかし、現時点では正直消去法で自民党を支持せざるを得ない状況で、少しさびしく思っております。

 本来であれば、イギリスの影の内閣の様に、自民党以外の政党が自分だったらどうするかをきちんと提示して、政権担当能力があるところを広く示し、国民に判断を仰ぐべきところが、単なる反対一辺倒になってしまっているのではないかという話です。

 私自身、選挙速報は大好きで、かぶりつきで見ているのですが、どうも今回は初めから勝負が見えてしまっている気がしており、少し興味を削がれている状態です。

 願わくば、私をわくわくさせてくれる選挙活動を展開し、その後の国会では、単なる揚げ足とりでない政策論争を展開してくれるよう各政治家の方にはお願いしたいところです。



凜amuro001 at 23:55│コメント(8)トラックバック(0)