お盆

2012年03月31日

 天気予報位でしか、耳にすることがなくなってしまった二十四節気(1年を春夏秋冬に分け、それをさらに6つに分け24としたもの)ですが、日本でも二至の夏至・冬至、二分の春分・秋分は普段よく使われます。


1 清明節とは

 それ以外でも立春、大寒、啓蟄などは結構、耳にすることがあるのではないでしょうか。中国では結構大事にされているものの1つに「清明」があります。

 これは春になり、段々暖かくなってきて、爽やかになり、天地も明るく、清らかになる時期ということから、「清明」と呼ばれるそうです。

 そして清明節に中国人にとって忘れてはならない行事が墓参りです。今年は4月4日ですが、毎年この時期になるといろいろ墓参りに関係した記事が紙面をにぎわすこととなります(昨年書いたのが「中国の墓不足」)。


2 紙製のお供え物

 今年、参考にさせてもらうのが『環球網』の「纸扎iPhone和LV成清明潮流祭品」という記事です。先に少しだけ解説すると、孝を重んじる中国では親が死んでからも生きている時と同じように、死んでからも仕えるという習慣があります。

 そのため、親があの世で苦労しないように、「紙銭」と呼ばれる冥界のお金や、「纸扎」という紙で作られたお供え物を燃やしてあの世に送り届けるという風習があります。

 古代エジプトなどで亡くなった王のために生前使っていたものを一緒にピラミッドに埋葬したり、日本でもあの世で仕えるものとして古墳に埴輪などを埋葬したのと似たような発想と思っていただければ良いのでないでしょうか。


3 現代的なお供え物

 時代が変われば当然人々が使うものが変わってくるわけですが、如何にも現代という紙製のお供え物が紹介されておりました。

お供え物 01



お供え物 03



お供え物 04


お供え物 05


お供え物 06

  一番上のものがipadやiphone、2番目がノート型パソコン、3番目が携帯電話、どれも現代では必要な人にとっては必需品となっているものです。

 4番目がマクドナルドのセット、一番下がルイヴィトンのバックで、これも特定の方にとってはなくてはならないものです。

 写真は全部で17枚あり、他にもスポーツカーなど面白い写真が掲載されておりましたので、興味のある方は是非ご覧になって見て下さい。

 煙草だったり、マッサージ椅子といって如何にも故人が好みそうなものはかつて見たことがあったのですが、これも中国も大衆大量消費社会に突入したということの表れでしょうか。



凜amuro001 at 17:44│コメント(5)トラックバック(0)

2011年04月03日

 中国では4月3日から5日まで「清明節」のお休みとなります。「清明」というのは、1年を24等分した「二十四節気」の1つで、そろそろ春風も吹きはじめ、花が咲き始める頃とされています。

 中国では一部の地方で「清明節」を「鬼節」ともいわれているように(中国語で「鬼」は死人の魂の意)、この時期に墓参りをする習慣があります。家族総出で墓を掃除したり(そのため、「掃墓節」という呼び名もあります)、供え物をしたり、「紙銭」と呼ばれる紙の紙幣を焼いたりして先祖の霊を供養します。

 そして、テレビ・新聞では「清明節」関係の記事を報道するわけですが、この時期、毎年恒例行事のように「墓不足」のニュースが取り上げられます。中国のインフレについては、かなり日本でも報道されており、不動産価格の高騰やそれに伴う政府の対策などが記事になっております。

 しかし、不動産価格が値上がりしている以上、自分たちの住むマンションだけでなく、死んでから入る墓を入手するのも大変になってきており、この時期よくその話題が取り上げられることとなります。

 例えば『南方日報』に「炒墓地堪比炒房 均价3万每平米价格直逼别墅」(墓に投資するのは家に投資するのと同じ、1平方メートルあたり平均3万元という価格は別荘に匹敵)という記事http://bnchina.news.huanqiu.com/finance/roll/2011-03/1600606.htmlが掲載されておりました。

 この記事によると、広州市の墓の価格はどれも3万元(45万円位)以上で、価格は6万~13万元の間といったところで、1平方メートル当たりの価格でみると既にマンションの価格より高いそうです。そして、中国のインフレを裏付けるものとして、ある会社によると墓の価格は会社が設立されてからの12年間で5倍になったという発言も紹介しております。

墓
              (中国の墓、上記HPより)

 こうした状況を受け、入院している老人は、生きている時は、医療費等が高く、生きることができないが、いざ死ぬとなると、墓も買うことができず、死ぬこともできないと嘆いているそうです。
 
 こうした状況を受けこの記事では、墓を買うことできない者が多いため、公共墓地の提案などをしております。上記のように毎年の恒例記事で、政府もこのことはよくわかっているため、遺灰を海など自然に帰す「散骨」(自然葬)などの推進を提唱しています。

 政府の言い分としては、墓をつくるとなると木材や石など、いろいろな資材が必要となり、限りある資源を有効に使うためにということがあるようですが、やはりそう簡単に割り切れないのが、難しいところです。また、中国の風水思想や、隣近所に対する見栄などから大きな墓をつくりたがる人もいる様でそうした面からもなかなか難しいようです。

 実際、鄧小平の散骨などは記憶に新しいところです。ただ、彼の場合は万が一、今後政変が起こった場合、墓を暴かれて辱めをうけるのを恐れてという話もありますし、当然経済的理由から散骨を選択したとは思えませんが。

 自然葬は何も海へ散骨する「海葬」だけでなく、散骨地に木や花、芝などを植える「樹葬」「花葬」「草葬」もあると聞いたことがあります。また、最近ではネット上の墓に葬ったことにして、ネット上で参拝するネット供養などもあるようです。

凜amuro001 at 17:04│コメント(0)トラックバック(0)