強硬採決

2015年09月21日

 相変わらず、かなり忙しく更新も滞っている状態ですが、やはり安保関連法案については、何か書いておきたいと思ったので、これについて少し。


1 中国の反応1

 これはもう反発の一言です。中国の愛国主義者御用達の『環球時報』では「日媒设想自卫队开战是恐吓中国吗」という社説を掲載しております。

 読み物としてはなかなか面白く、日本ではマスコミが南シナ海で埋め立てをしている国とアメリカが戦争をしたら巻き込まれると言っていることを紹介しております。

 その後、もし中国マスコミが「アメリカと同盟を結ぶ」「中国と東シナ海で紛争している国と戦争をする」と書いたら日本人はどう思うかとしています。

 日本が今回の制定により、日中間で軍事衝突の危険が高まるかどうかは、自衛隊が武力に訴えるかどうかによっており、日本政府はこれらの心配に対して答える義務があるともしています。

 何といっても一番面白かったのが、安倍とその仲間は、中国が自衛隊を恐れていない理由をはっきりさせておくべきだとしているところです。その理由は、中国の発展に伴い、中国軍の東シナ海における日本に対する優勢はますます高まっているからとしております。


2 中国の反応2

 もう1つ記事を紹介します。新華網に掲載されていた「强推“安保法” 安倍野心会止步吗」という記事です。

 この中では、日本国内で多くの勢力が今回の法案に反対したことを紹介しています。憲法学者、野党各党の反対などが例を挙げて説明されています。

 更には強硬採決がされようとしているとき、日本各地で「戦争反対」「安倍退陣」などを求めるデモが起こったことも紹介されています。

 他には経済面の影響として、『フィナンシャル・タイムズ』の言を使いながら、アベノミクスの成功のためには、中国の手助けが必要で、そのために日中韓の三ヶ国首脳会談開催を希望したとしております。

 しかし、「中国脅威論」を使って今回の安保の改正の正当性を国民に説明したことを忘れてはならないとしております。


3 影響力

 ま、どちらの記事も言ってみれは中国の軍事面、経済面での影響力の大きさを誇示するもので、日本何するものぞという感じが根底にあります。

 だったら、ほおっておけばよいと思うのですが、どうもこの問題についてはそうもいかないようで、これ以外にもいろいろな記事が掲載されております。

 本当の強者は弱者のことなど歯牙にもかけないものです。そういう意味で以前述べたように(「韓流」の激減と「嫌韓」)、日本における嫌韓意識の高まりもそれだけ韓国を無視できなくなってきたことも現れで、韓国にとっては逆説的ですが、望ましいことかもしれません。

 ところが、今回ここまで中国が関心をもっているということは、言うほど自信がなくこれはやはり今回の法成立が中国に与えた影響はそれなりのものがあったということかと思います。


4 韓国

 今回もう1つ漏れ伝えきて興味深ったのが韓国の動向です。中国ではこれだけ反対の声が大きいわけですが、韓国政府はかなり理性的な対応に終始しています。

 普通に考えてこれは、アメリカの影響力で、アメリカがある種後押ししている法制定を韓国が正面きって反対できないということでしょう。

 更には、今回の制定では中国のほかに北朝鮮も想定されているわけで、結果韓国にもメリットがあるという話になれば、ますますもって反対が難しくなるといったところでしょうか。


5 最後に

 つまり、何だかんだ言って韓国問題はアメリカ経由で片を付けるのが一番という話になってしまうのかもしれません(韓国人に言わせると「アメリカは常に日本の味方」?)。

 こうした鬱憤もあって韓国はいわゆる告げ口外交をするのかもしれませんが(朴槿恵大統領の「告げ口外交」とその効果)、そうであればあるほど日本の相手は韓国ではなくなってしまうという話です。

 中国がこれほど今回の問題を気にしているのもやはりアメリカの影響力が増大することを面白く思っていないというところもあるかと思います。

 結果として、日本のアメリカ重視が実った形ですが、私はこのままアメリカ一辺倒に行けば良いという意見いは懐疑的です。

 アメリカも日本が従順でればある程、過剰な要求をしてくるでしょうから、日本はもう少し駆け引きの駒を持つべきですが、現在だとロシア位しかないのが現状で、結構難しい情勢かと思っております。



凜amuro001 at 23:15│コメント(22)トラックバック(0)