白人

2015年11月08日

 本当にひさしぶりにひどい風邪をひいてしまい、ここ1週間ほど何もできない状態が続いております。パソコンも開けないほどで、自分でもびっくりの状態です。

 こうしたこともあり、最近のネタを追いきれない状態で、少し前(10月26日)の話ですが、アメリカで起こった白人警官が黒人の女子生徒を床に引き倒して教室を引きずりだした事案について少し。


1 事件の概要

 アメリカのサウスカロライナ州の高校で、白人の警察官が黒人の女子生徒を床に引き倒して教室から引きずりだしている場面が動画で撮影され、それがネットで広がり話題になったものです。


 


 あまりにもその警官の対応が横暴ではないかとか、人種差別ではないかとか、本来学校の安全を守るために配置されたはずの学校常駐警察官のすべきことかなど、いろいろな意見が寄せられたようです。

 結果、この警察官は解雇されることとなりました。また、この女子生徒は学校では禁止されていたスマホを使用していたことや、警官への暴力などで、州法に基づいて告訴されたそうです。


2 スマホの使用

 確かに学校ではスマホの使用は禁止されているかもしれませんが、それがどこまで守られているかは疑問です。

 実際、今回の騒動にしても別の生徒がスマホを使用して撮影した動画が引き金になっているわけで、この女子生徒以外にも使用していた生徒はかなりの数に上ると思われます。

 それにもかかわらず彼女だけがこうした処罰をうけたのであれば、確かに人種差別という話になるかもしれません。

 ただ、こうしたことは日本でも良くある話で、同じことをしても普段素行の良い方がすれば、大目に見られ、普段からも問題視されている方がすると大事になるというパターンかもしれません。


3 警官(制服)

 あの映像が衝撃的だったのが、制服を着た恰幅の良い男性がまだ幼さの残る女子高校生をという面もあったかと思います。

 普段ぱっとしない人も制服を着ると別人のようにパリッとすることがよくあります。鼓笛隊や演奏会もあの格好でやるから人は感動するという側面は否定できないと考えます。

 これは見る人がそう思うだけでなく、制服を着ている本人もそれを自覚している側面があります。有名な実験として、スタンフォード監獄実験があります。

 これは、看守役と囚人役として学生に割り振って、それらしい恰好をさせたところ、看守役の学生が囚人役の学生に対してかなり非人道的な行為を行えてしまったというものです。

 「警官」という立場で臨んだにもかかわらず、それを無視するような振る舞いをした女子生徒に対する反感の様なものもああいう行動にでた原因の1つかもしれません。


4 最後に

 もちろんアメリカには日本にない事情の多くあるかと思います。もともと、学校常駐警察官が導入されるような学校での暴力事件というのがどういうものか、日本では想像もできない話です。

 そうするとこうした「暴力」に対して、中途半端な対応をとると、なめられてしまって却ってひどいことになりかねないなどの問題もあったのかもしれません。

 確かに今回の警察官の対応に全く問題がなかったとは思いませんが、現場で立つ者にはその者にしかわからない苦労があります。

 警官とか教師などはその最たる例でしょう。その一方、何かあると真っ先にたたかれるというのもこの2つの職に共通していることでしょうか。

 私はそういう意味で今回問題になったから場当たり的に解雇という結論をだしたことについてどうかと思っているという話です。



凜amuro001 at 07:31│コメント(0)トラックバック(0)

2015年03月17日

  LITERA(リテラ) が掲載していた「川崎中1殺害事件でも...秋元才加やざわちんが明かすフィリピンハーフへの偏見と差別」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 川崎市の中1殺害事件で、「加害少年の母親のルーツに関」して、週刊誌が「母親はフィリピン人でフィリピンパブのホステスをしていたことや、父親がそのお客さんだったこと」を強調しているのはどうかという記事です。

 記事では、「国際結婚の増加にともない、ハーフの子どもも増えているが、ハーフであることを理由にした差別やいじめはいまだなくならない。とくにフィリピン人とのハーフに対しては、とりわけ根強い偏見がある。」としています。

 そして、「『お母さんがフィリピン人なの』と言うと、すぐに相手は『お母さんは水商売で、お父さんは元お客さんに違いない』と勝手に決め付ける風潮」もあるという指摘を紹介しております。

 そのうえで、「たとえその子のお母さんが水商売をしていたとしても、だから何?」「そもそもハーフでなければ、父親と母親がどこで出会ったかなどいちいち詮索されること自体ないだろう」ともしています。

 また、記事では、「欧米人のハーフをチヤホヤしているのもまた、差別感情の裏返しに過ぎない」という意見も紹介されています。


2 水商売

 フィリピンパブで働いていた女性となると、ただでさえ、東南アジアという国のイメージと水商売という2つのイメージがまとわりつくこととなるので、かなり大変かと思います。

 ただ、日本人でも当然同じような職業をして子供を持っている方は大勢いるわけで、フィリピン人だからというだけで、どうこうという先入観で相手を見るようなことはかなり強い嫌悪感を覚えます。


3 白人崇拝

 元記事にもあるように、これは当然裏返すと、白人だから○○という逆のパターンにもなるわけで、結婚相手を見つける際に、白人だったら誰でも良いとか、白人であれば全て知的で文化的などといった、わけのわからない先入観にもつながりかねません。

 実際白人もいろいろで、どうしようもない馬鹿もいれば、かなりひどい容貌をしておられる方もいます。正直、近くで見ると肌がかなりひどく、汚いとしか思えない方もおられるわけですが、理想化されると見えないというところでしょうか。

 それに勝手に理想化されると相手にとってつらいことも多々あり、運動が苦手な黒人や美術音楽に全く関心のないフランス人など、本当はいろいろいるわけですが、そうした存在は許されないことになりかねません。


4 ステレオタイプ

 これは日本人が外国で暮らさなくてはならなくなったと考えてもらうとわかりやすいと思います。今、外国に行くとなって、日本の文化をどこまで正確に紹介できるか、日本の伝統芸能などを人に見せるレベルできる人がどれだけいるかという話です。

 実際、女性であれば、着物を一人で着れる人(華道や茶道ができる人)がどれだけいるか、男性であれば、空手や柔道ができる人がどれだけいるかということなど思い浮かべてもらえばわかりやすいかと思います。

 それらができて当然とか、日本人ならアニメや漫画に詳しくて当然と思われても、全く関心のない人もいるわけで、下手な期待をされても困るだけです。


5 最後に

 そういう意味でもフィリピン人だからという理由だけで、相手を馬鹿にしたりするような態度をとるのはどうかという話です。

 当然、フィリピン人にもどうしようもない人もいるわけですが、素晴らしい人もいるという話で、それは日本人にも当てはまる話です。

 同じ日本人として恥ずかしいとしか言いようのない行動を平気でとる方もいるわけですが、そうした方をしてもし外国の人が「だから日本人は・・・」などと言われると反論したくなるのとまったく同じことをしているとしか思えません。



凜amuro001 at 23:19│コメント(9)トラックバック(0)

2015年02月15日

 いつもお世話になっている 『BLOGOS』で木曽崇氏が書かれていた「日本の都会の街並みは、それはそれで美しい」がいろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 これはもともとMay_Roma氏がDMMニュースに書かれていた「日本のヒドすぎる『景観』の根底にあるもの」に対する批判的な記事です。

 May_Roma氏は、そもそも「ネトウヨ諸氏と安倍政権」が提唱しているとされる「美しい国」日本を否定し、「少なくとも景観に関しては、我が母国を「美しい」と褒める外国人はそれほど多くはないのは事実」としています。

 そのうえで、日本を「美しいとは言えない混沌と混乱」と形容されています。

 それに対して、木曽氏は、「街並みを構成するそれぞれの要素の下には、必ずそこで生活する個々の人間の営みがある」として、「景観の中に本当に見るべきものを見ていないだけ」と批判されております。


2 景観

 私の意見はどちらかと言うと、木曽氏に近く、中国大陸(今回の場合は香港の方が適当かもしれませんが)で生活したことのあるものとしては、やはり都市は活気があってこそという気がします。

 多分これは、個人の趣味の問題とか、海外と一言で言ってもどこで生活されたかによって大きく意見が異なるところなのではないでしょうか。

  May_Roma氏が生活されているイギリスやフランスなどでは、「景観」という言葉が重んじられ皆が同じ色彩の家を建てるなどいろいろな制約があります。

 ただ、私の意見としては、それを一方的に「良い」ものと簡単にみなすのはどうかと思っており、そこから一方的に他の価値観を断罪するようにダメ出しするのはあまり好きにはなれないという話です。


3 価値観

 確かに人にはいろいろな価値観があるので、欧州の様にきちんと統一された色彩に基づく街並みが良いという人もおられるでしょう。

 ただ、そう思っていない人もいるという話です。実際、私は都市は、こうした何でもありの方が活気があり、常に変化し続けるべきだと思っています。

 それと、「外人」の意見を出して日本の景観を批判しているMay_Roma氏のやり方があまりに時代遅れで、好きにはなれないという面もあります。

 つまり、ここでいう「外人」とは欧州の景観になれたいわゆる金髪蒼顔の白人のことを指しており、アジアの人などは想定してないのは明らかです。

 なぜなら、アジアには日本以上にごみごみとした地域はたくさんあり、こうした地域から来た人にしてみれば、十分きれいだと考える余地は多いにあるからです。


4 最後に

 それとおそらく、May_Roma氏は安倍首相に対する批判(あてこすり)をしたくて、「美しい国」をからかったのでしょうが、だったらこうした形ではなく、首相の主張している内面なども含めて批判すべきであって、こうした形での批判はどうかと考えます。

 また、批判をしたいのであれば、「外人」の意見などに頼らず自分の意見ですべきで、こうした虎の威を借る狐的な発想はあまり私は好きにはなれないという話でもあります。



凜amuro001 at 23:24│コメント(19)トラックバック(0)

2014年08月21日

 今回はベルリンに用があったので、本当は最初からドイツに入ればよかったのですが、諸般の事情により、パリ経由となっており、かなりきつい日程となっております。


1 偏見

 最初にことわっておきますが、私はこの世に「真実」などというのがあるとは思っていないことは何度も書いているとおりです。

 そういう意味で今回たまたまドイツ人とフランス人を比較する機会に恵まれ、ふと思うところがあったので書いてみたいという話にすぎませんし、これが「真実」などとも思っていません。

 当然私が見たものなど観光旅行レベルのものなので、たかが知れています。それでも第一印象は結構変わらないものなので、長期滞在者から見れば、甘いといわれるのは承知のうえで、思うことを書いて見たところです。


2 ドイツ人

 私は始めてドイツ人を「見た」と言えるのは中国留学中で、同室の方がドイツからの留学生でした。最初、私のドイツ人に対する印象は「まじめ」というもので、確かに最初はうまくやっていたのですが、途中からいろいろあり、最後は喧嘩となってしまい、最悪でした。

 そのため、私はもとからドイツ人にあまり良い印象は抱いていないのですが、今回総じて見て思ったのがフランス人と比べると、いまいち親切ではないというのが正直なところです。

 おそらく困っている人に対する態度の違いが典型ですが、フランスであれば積極的に何かしてあげようとしてくれる人が多いのに対して(親切について(日本、フランス、中国の比較)、ドイツはあまりそうではないようです。

 人との接し方の距離のとり方かと思うのですが、フランス人よりは人と少し距離を置いて接するというのが、私の印象です。


3 ドイツ人2

 もちろん、これも人様々で、店の店員などはかなり人懐っこい方もいるわけで、個人差があるのは当然ですが、私が全体的に受けた印象がこうだという話です。 

 これを見てふと思ったのが日本人との比較で、日本人と他人とは結構距離をとりますが、買い物で何でもある程度、関係(縁)ができてしまうと親切にする傾向があるように思います。

 ここいらは本来であれば、もう少しいろいろ比較対象を増やした上で書ければよいのですが、私の限られた経験ではこの程度だという話です。


4 ドイツ人3

 これが良い悪いという話ではなく、やはり国民性というのはあるなと思ったというのと、以前アメリカ人にヨーロッパの人についてどう思うか聞いたときのことが思いだされました。

 そのアメリカ人は、ドイツ人というと体格が良いという印象を持っていると話してくれましたが、確かにそのとおりで、フランス人はあまり背が高くないという感想を持ったのに対して、ドイツ人はかなり大きくて体のつくりがしっかりしているというのが私の感想です。

 結果フランス人女性というと「かわいい」という印象を受けるのですが、ドイツ人女性にはあまりそういう印象はうけませんでした。

 もしかしたら、フランスがドイツより日本のアニメを受け入れやすい背景にはこうした違いもあるのかと勝手に思っていたという話です。


5 最後に

 散々、勝手に国民性などを語っているわけですが、当然例外はたくさんあり、私も「日本人」だという理由で、勝手に決め付けられるといろいろ思うところがあります。

 実際、今回も一人で歩いていたらいきなり、前から来たドイツ人に「Guten tag Vietnamese」と笑いながらいきなり声をかけられ、黄色人種というだけで一緒くたにする愚は身をもって知らされたところです。

 ドイツはフランスと比べて植民地がなかった関係からか、街中で殆ど黒人を目にすることはありません。しかし、以前書いたとおり、トルコ人などはよく見かけ(格安航空会社とドイツのトルコ人、ヨーロッパの人種問題も、やはり結構根が深いなと改めて思ったという話です。



凜amuro001 at 12:06│コメント(10)トラックバック(0)

2014年02月03日

 『毎日中国経済』が掲載していた「中国人男性は『モテ期』なのか?中国に嫁いだ日本人女性のスピーチが話題に―中国ネット」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。


1 記事の紹介

 「韓国人女性やアフリカの女性のほか、ラオス、ベトナムの女性も、そして今は日本の女性も中国人男性に嫁ぐ」そうで、「日本で中国人男性がもてはやされる」理由として、「妻を大事にする思いが随所にみられるから」としております。

 中国に嫁いだ日本人女子の結婚式のスピーチがネット上で話題になったとして、「今、日本女性の間で『ご飯は中華料理、結婚するなら中国男、フランスの恋人と遊んでるヒマはない、アメリカの家は古臭い』という言葉が流行っている」というものを紹介しています。

 他にも「中国人に偏見を持っているであろう、日本の男子諸君に『中国の男性はあなたたちよりも優れている。妻を愛し、家庭を顧みるし、責任感がある』と言いたい」「私の父は朝から晩まで会社に身を捧げて、休日にはゴルフという生活だった。稼ぐだけの父親は、ダメな男だ。日本人より強い中国人のお嫁さんになることが私の夢だった」といったものを紹介しております。

 そして「日本の女性は現金であるから、経済発展で豊かになった中国の男性に狙いをつけたのだという分析がある」ともしています。


2 ハイパーガミー(上昇婚)

 こうした記事は中国では定期的にみられるもので、外国人女性にもてる中国人男性という形の記事になっています(ロシア人女性は中国人男性と結婚したがっている?日中国際結婚)。

 中国では一人っ子政策の弊害で、男女比が崩れており、数的に男性が余っているため、結婚できない男性が増えてきております。

 そのためベトナムやラオスなどの東南アジアから花嫁を連れてくるのが珍しくなくなっています。その際どうしてそういう方々が中国に来るかというと言わずとしれた経済力の違いで、豊かな暮らしができるという話を来いて彼女たちは来ることとなります。

 実際、中国人女性を日本人男性に紹介する事業が流行ったことがありますが、これも全く同じ理屈で、「発展途上国の中国を捨てて先進国の日本に行く」というパターンだったので、これを快く思わない中国人もいたという話です。

 中国にしてみれば、かつてはともかく、今や中国はGDPで日本を抜き世界第2位になったという自負があるとなれば、こういう記事が必要とされるというわけです。


3 リップサービス

 正直日本より豊かな暮らしをしている中国人や、人間的にも素晴らしい中国人がいることも事実で、こうした方に嫁ぎたいと思う方がいるのも当たり前の話だと思います。

 そして、今回こうした発言をした日本人女性ですが、私的には何の不思議もありません。過去の発言を調べて、かつてはこういう発言をしていたのにという批判をする人がおりますが、その状況を踏まえることが必要になると考えます。

 「中国で一番有名な日本人」加藤嘉一氏の発言内容については、基本的に批判的ですが(『琉球新報』の自衛隊不信と机上の空論「中国で一番有名な日本人」加藤嘉一氏の提案に対する疑問」)、彼が中国にいた時の発言については、かなり同情的です。

 というのは言論の自由のない中国で意見を公表するということがどういうことか嫌と言う程経験したからで、中国で論文を発表するとなるとそれようのものを公表するしかなく、普段言っていることとは多少違わざるをえません。

 ただ、そうはいってもものには限度があるとかと思いますが(宋文洲氏による中国入国禁止等、右翼に対する制裁立法提言)。

 そういう意味で、私も公式の場で間違っても中国の悪口を言うことはありませんし、特にこうした場で、今後中国で生活していく花嫁が周りにいる中国人を喜ばせる発言をしようと考えたとしてもそれは当然のことかと思います。


4 最後に

 こういう女性がいたとしてもそれが全部というわけではないのはいうまでもなく、全体から見ればまだまだ少数派なのはまちがいありません。

 こうしたことを気にしなくてはならないのが中国が自分に対し未だにコンプレックスを持っている証拠で、日本もかつての白人コンプレックスからようやく解放されつつあるような気がしますが、一部には未だに外人(白人)コンプレックスを持っている人がいるので、その点であまり中国をどうこう言えないのかもしれません。

 ただ、中国の場合は当然白人コンプレックスもあるわけですが、その前に日本に対するコンプレックスから解放されなくてはならないわけで二重に大変かと思った次第です。



凜amuro001 at 13:00│コメント(8)トラックバック(0)