知的所有権

2016年05月09日

 上海のディズニーが6月16日に開会する前にいろいろ内覧会の様なようなことが行われているようです。ただ、どうも日本のネットなどを見ると少し偏りすぎているのではないかと思ったのでこれについて少し。


1 不文明

 ある種最も典型だと思ったのが、『ロケットニュース24』が掲載していた「 【悲報】上海ディズニーエリアがプレオープン → マッハで糞尿が! ラクガキもされ花も踏みにじられる / ネットの声「夢の国が “ゴミの国” だ」」です。

 内容は表題だけで大体想像がつくかと思いますが、「1週間もたたずにマッハでウンコやオシッコが散乱。ラクガキまでされてしまった」という記事です。

 記事には他に、you tubeの中国語の映像記事が掲載されており、「ここに来た」という文字を刻みこんでいく人や、上ってはいけないところをかなり危ない様子で上っている人々の様子などが紹介されております。

 そして、そうした様子をみて嘆いている中国人の様子なども紹介されています。


2 別の紹介

 映像で見るとかなり衝撃的ですが、中国ではある種当たり前の行動パターンで、こんなものかという感じで、多分そういう人もいるだろうというのが正直なところです。

 ただ、日本に紹介するときに、こうした面だけが紹介されるのは少し違和感がないわけではありません。
you tubeを「上海迪士尼」で検索すると、他にもいろいろな記事をみることができます。

 例えば、『東森新聞 CH51』の「 最新》上海迪士尼試運營首日 演職人員親友受邀」などを見ると、かなり明るい面が強調されています。

 これを見ると日本のディズニーとそんなに遜色もない感じで、楽しんでいる様子(これを見て行ってみたいと思う感じ)になります。


3 別の紹介2

 もう1つ同じyou tubeにあった映像記事『中天新聞 CH52』の「上海迪士尼6/16號開幕 香港挫著等」を紹介させてもらいます。

 これは上海にディズニ―ができると香港の3倍の規模で、1年に2000万人の来客を見込んでおり、香港のディズニーはかなりの影響を受けるだろうとの記事です。

 また、上海ディズニーの入園料は公表されていないものの、最高価格は香港だけでなく、東京よりも高くなるのではないかとの見込みが報道されていました。

 上海ができれば、当然香港だけでなく、東京も比較の対象となるのは当たり前の話ですが、どうもこうした観点も見逃されがちかと思った次第です。


4 最後に

 どうしても上海(中国)というと、中国人はこうだという発想からか、特定の内容の記事が目につくような気がしたのが今日のエントリーの出発点です。

 最初に述べたように、それを否定するつもりはありませんが、それだけではないのが現実ですし、いつまでもそうした見方だけで良いのかというの偽らざる思いです。

 上海には東京にないアトラクションもできるようですし、入場者数も東京を超えるかもしれません。それにもかかわらず、一部の心無い中国人の行動だけを見て上海のディズニーはこうだと決めてかかるのはどうかと思った次第です。

 東京よりすごいところもある。こうしたことなども考えながら見ていないかと、それこそ偏向になりかねないかというのが私の本音です。



凜amuro001 at 23:18│コメント(2)トラックバック(0)

2015年06月05日

 「幸福の科学」の大川隆法総裁の長女が、お茶の水女子大の卒業論文で「無断引用」をしたというニュースがいろいろ興味深かったのでこれについて少し。


1 事件のあらまし

 J-castニュースの「幸福の科学総裁の長女が卒論で『無断引用』 お茶の水女子大は指導教授を厳重注意に」によると、幸福の科学出版から出版された卒論を収録した著書『神国日本の精神』を読んだ人から指摘があったのがそもそもの発端としております。

 これを受けて、大学で卒論を精査したところ、「4人の著作や論文から段落ごと計22か所で無断引用があり、全体の3分の2ほどにわたっていた。著作や論文は、参考文献にも挙げられていなかった」ということがわかったそうです。

 更に、「指導教授は、無断引用を見落とし、長女の卒論に最高評価を付けていた」わけですが、「学士については処分規定がなく、学位は取り消されない」としております。


2 盗用

 最初にことわっておきますが、私自身、苦労して書いたブログがまるパクリされたことが何度かあり(著作権の侵害について)、最初それを見た時は本当に複雑な思いを抱いたことがあります。

 更に、所詮私は遊びで書いているだけですが、これで金を稼いでいる人たちにしてみれば、死活問題となるわけで、とても許せる話ではありません。

 それに、私自身中国に滞在していた時に、嫌というほどパクリ商品を見てきており、こうした問題にはかなり心を痛めているというのが本当のところです(中国での「クレヨンしんちゃん」関連グッズ販売を巡る争い)。


3 論文

 ただ、その一方で今回の論文の「無断引用」は一概に厳しい目では見たくないというのも本当のところです。

 最初に念のため補足しておきますが、私は基本的に新興宗教が大っ嫌いで(震災がれき受け入れ反対と新興宗教)、今回の問題の当事者が「幸福の科学」の関係者だから好意的なことを書いているということは全くありません。

 前置きばかりが長くなってしまいましたが、何が言いたいかというと、自分の経験を振り返って思うのは、所詮学士レベルで書けるものなどたかがしれているという話です。

 初めて「卒論」という名の「論文」らしきものを書くわけですが、初めてなので、何をどう書いたら良いかすらわからず、参考文献を本当に「参考」にしてらしきものをまとめるというのが実際のところではないでしょうか。

 確かに今回は3分の2が「無断引用」だったわけで、多すぎるかもしれませんが、皆、似たような状態というのが本当のところかと思います。


4 引用

 実際、私自身恥ずかしながら、卒論で丸山眞男の論文を引用したことがありますが、そのままではあまりに恰好悪いので、少しなおして使おうかと思ったところ、彼の書いた文章があまりに素晴らしく、手直しができないまま、使用してしまったことがあります。

 どういうことかというと、なおすと意味が違ってしまうために、「てをには」以外殆ど手をつけられなかったというわけです。当然参考文献に挙げておいたわけですが、かなり苦い思い出です。

 私は以前書いたように、最初から個性などというものがあるとは思っておらず、最初は他人をまねるしかなく、それが「学習」だと思っております(日本と中国の大学教育)。

 そうした模倣を繰り返したのち、如何に自分らしさをだせるかが本当の勝負で、模倣なくして個性も発展もないのも確かかと思っているので、学士レベルの卒論であれば、未だ模倣の段階もやむを得ないのではないかとも思っております。


5 最後に

 そもそも論文というもの自体が如何に他人の先行研究を踏まえて自分の論を展開するかというものなので、そういう意味でもあまり厳しくしすぎるのもどうかというのが本当のところです。

 ただ、その一方で、出版という形で金儲けをするのであれば、話は別という思いもあり、金をもらうのであれば、他人の物まねは最低の行為というのも間違いないかと思います。

 それに今回の事件は参考文献としての記載すらなかったということですから、礼儀という面でも如何なものかというのは間違いなく、一般論としては擁護する気があっても、今回の個別事案としては、とても擁護する気にならないというのが本当のところです。



凜amuro001 at 23:03│コメント(2)トラックバック(0)

2011年04月08日

 ネット上で、「北京市公用車無料駐車証」なるものが話題になったそうです。ネット上にはその写真と称するものも掲載され、なんでも「北京市首都公路発展責任有限公司」発行で、証には、これがあれば北京市内の駐車場にどこもでただで駐めることができると書いてあるそうですhttp://politics.people.com.cn/GB/14562/14338342.html

許可証
(ネットで出回っている無料駐車証の写真、上記HPより)

 これを見たネットユーザーは、当然の如く多くの者が不平を述べており、「公用車はただでガソリンを入れることができるだけでなく、ただで駐めることができる駐車証まであるのか、公用車とは本当にすごいものだ」という書き込みをした者もいました。

 ただ、ネット上で出回っているものは、様々なバリエーションがあるようで、発行機関が「首発公司」、「公聯公司」となっているものなどいろいろあるそうです。

 で、本当のところどうなのかとなって、北京市や関係機関に確認したところ、デマであるというのがわかったというのがこの記事の結論です。記事自体は大した内容ではないのですが、いろいろな意味で今の中国を反映していると思われる大変興味深い記事でした。

 やはり、何と言っても中国における公務員の特権はものすごいものがあり、こうしたものがあっても何の不思議もありません。昔からまことしやかに言われていることとして、たとえ相手に非があっても、公用車を相手に喧嘩をしても勝ち目はないので、車のナンバーを見て、相手が公用車だとわかると他の車にぶつけても、公用車にだけはぶつけないようにしろという話があります。

 それと現在ではあまりにも広く知られてしまって、逆に通用しなくなってしまっているものに証明書の偽造問題があります。大学の卒業証明書、成績証明書などいくらでも偽造できるので、採用などにあたり、会社も本当に確認しようと思ったら、大学のHPを見て、卒業者名簿にその者の名があるか確認するしかなくなっているのが中国の現状です。

 そういう意味で、こうした証明書の偽物が出回っているとしても何の不思議もありません。もしかすると誰か悪知恵を働かせて、駐車場代を節約してやれと思ってありもしない(でもあっても不思議ではない)証明書を偽装して始めたことが、ネット上で広がってしまっただけということかもしれません。

凜amuro001 at 20:19│コメント(2)トラックバック(0)

2011年01月21日

 胡錦涛国家主席がアメリカを訪問しているニュースが当然中国では最大のニュースとなるわけですが、今回の訪米については、中国だけでなく様々な方面からいろいろな見方をした報道がなされております。

 胡錦涛に対する記者会見では、人権問題に対する質問がでたが、それを「黙殺」したことやhttp://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110121-OYT1T00790.htm、そうした人権問題の細かいやりとりを国内で報じない中国、これは中国国内の人権問題で全く譲る気がないことを意味していると思います。

 また、バイデン副大統領の訪中と習近平国家副主席の訪米が発表されましたが、これは明らかに習近平に大きな舞台を用意しようというもので、本格的にポスト胡錦涛をにらんでの布石ではないかとか、いろいろ考えさせられるところが多かったのは確かです。

 そういう意味で、書きたいことは沢山あるのですが、今朝見た『中国新聞』の「胡锦涛同奥巴马共同会见中美企业家」(胡錦涛とオバマは共に米中の企業家と会見を行った)というニュースhttp://news.cntv.cn/china/20110121/101046.shtmlが最高だったので、今日はこれで行きたいと思います。

胡錦涛 企業家
           (共同会見の様子 上記HPより)

 今回胡錦涛は訪米するにあたり、多数の中国の企業家を連れてきていることは既報の通りであり、航空機200機等の3兆7000億円もの、中国への輸出に向けた商談が成立したとのことですからhttp://www.nhk.or.jp/news/html/20110120/t10013513841000.html、今回、如何に経済交流に力を入れているかが見て取れます。

 こうした交流の一環として、19日にホワイトハウスで、オバマ大統領と胡錦涛国家主席は共に、米中の企業家と会見を行い、講話を発表したというのがこのニュースですが、胡錦涛の発言が大変興味深いものでした。

 「共に相手国に市場を開拓していきましょう。互いの利益のために協力しあっていきましょう。」という決まり文句に続いて、米中貿易、投資の将来は明るく、互いの企業が積極的に機会をつかむことを希望すると述べ、中国への投資の話にうつります。

 ここから、私が大変興味深く聞いた部分で、胡錦涛は「中国はこれまでと少しも変わらず、米国企業を含む外国企業に、透明で、公平で、効率の高い、投資環境を提供する。中国で登録を行った全ての企業は、(中国)国民待遇を有する。中国政府は会社が開発した新製品の認定、政府調達、知的財産権の保護を平等に取り扱う。」と述べた、と報道しております。

 あくまでこのように報道されているだけなので、実際胡錦涛が、どのようにアメリカの企業家の前で発言したかわかませんが、「知的財産権の保護」を、わざわざ取り上げて報道するあたりがなかなかすばらしく、さすが中国と思ってしまいました。



凜amuro001 at 20:05│コメント(0)トラックバック(0)