11月14日は、京都市勧業館(みやこめっせ)にて開催のオンリー集合型イベント「勧業祭2010」に参加させていただいた。
「Comic Communication」(コミコミ)で鍛えられ経験豊富な関西スタッフ勢の活躍もあり、相変わらずの安定運営。全般的に盛況で、大いに盛り上がった。
サークル数は、これは各イベントの総和になるが、実に498サークル。スペース数ベースでは600spベース、前回の四割増しの成長だ。
関西における「秋の風物詩」として定着したどころか、今後の成長も楽しみな即売会である。

毎回勧業祭内で開催される常連オンリーのサークル数が微減傾向なのがいささか気になるが…
ただ今回は、東方・射命丸文オンリー「号外!文々。新聞友の会」とストライクウイッチーズオンリー「Witches' Leave!」が新登場。サークル数押し上げの原動力となった。
中でも、特に「号外!文々。新聞友の会」の躍進が光っていた。130サークルは、勧業祭参加イベントの中では、これまでの勧業祭最大手・なのはオンリーを抜き首位(スペース数ベースでな「なのは」が首位を守ったが)。堂々たる結果だ。

このオンリーは、単に東方だからサークルが集まったのではない。
主催の努力と奮闘が際立っており、それ故にサークルも集まった。私はそう分析している。

そもそも、東方とは言え、東方全てを対象とせず。特定キャラのオンリーに過ぎない。
また、東京では同種のキャラオンリーで、「東方素芸祭」内にて「天狗様のお仕事」というオンリーが既に開催されている。
このオンリーも、今年6月に120サークルを集める快挙で成功を収めた。
しかしながら、「号外!文々。新聞友の会」は、東京よりも市場規模の小さい関西の地にて、東京の成功即売会をも凌ぐサークル数を集めた。
これは「超」の付く快挙だと思う。
そして、これは単に東方だから集まったのではない。他の東方オンリーを上回るサークル数を集めている事から、東方であること「以外」が、この即売会の「躍進」の理由になるだろう。

この「号外!文々。新聞友の会」は、スタートダッシュが早かった。
勧業祭2010内各イベントの中では、圧倒的に早い立ち上がりであった。
確か、今年の1月頃には既に動き出し、告知を始めていたような。私も、大阪のトレジャーで、チラシをお見かけした記憶が。

その後も、東方オンリーや関西男性向けを丹念に回り告知に勤しんだ。
東方オンリーでは、自らサークル参加に臨み、直接受付の場を設けた。
回った東方オンリーの数も多く、北九州の「大(9)東方祭」(5月・10月両方)や広島「東方椰麟祭」(2月)など、関西から西の即売会を小まめに回った模様。
関西から西、西日本全体をターゲットにしたのだろう。
名古屋だと「東方名月祭」「東方名華祭」「東方金鯱魂」など一通り押さえているし、東京の東方オンリーの大半はカバーしていた。

諸般の事情で関西名古屋方面の即売会に色々お邪魔する私に言わせれば、関西名古屋の即売会行ってチラシをお見かけする機会が圧倒的に多かったチラシが、「まいばらこみゅにけっと」と「号外!文々。新聞友の会」かな、という印象だ。
正直、このチラシ見飽きた、と言いたくなるほどにw

別に私がチラシの絵柄見飽きたからって訳じゃないだろうが、第一陣のチラシが底を尽きた頃、初夏の辺りに、第二陣のチラシが登場した。
このチラシも、関西名古屋の多くの即売会で、お見かけした。

結局の所、この即売会が大健闘を見せた理由は、一点目に初動の立ち上がりの早さ。
二点目に、東方オンリーを小まめに回る告知努力や機動力。
特に二点目のそれは際立ち、「大(9)州東方祭」や「東方椰麟祭」みたいに日本全国殆どの東方オンリーを網羅しそうな勢い。
その努力の積み重ねによりサークル数も積み増しされ、予想を上回るサークル数を集めるに至ったのである。
(当初の募集spは50spと控え目。私も当初は集まるとしたらそのぐらいだろうと思っていた)

東方オンリーは、今や年間50以上が、全国至る所で開催されている。
平均すれば週に一回ぐらいは、日本のどこかで何らかの東方オンリーが開かれている。
それだけ数が多いと、優良即売会・盛況即売会から青龍刀振り回す系の即売会まで、差が目立つようになる訳で、サークルも、参加する即売会を選びたい放題だ。

そんな中、他との差別化を図り、自身の即売会にサークルを呼び込むには、如何にすべきか?
特に今回のイベントは、合同開催形式ゆえ周囲との協調が求められ、それが制約となる。
イベント内企画を出すなど、イベント内における企画などを通じての差別化も、難しい。
(実際、今回の「号外!文々。新聞友の会」における独自の取り組みとしては、サークルの協力を得て「名前付き配置図」のペーパーを作成したぐらいしか、見当たらなかった)

私は、告知を頑張るという事も、充分差別化へのアプローチになると思う。
即売会の存在自体は、東方界隈なら光の速さで伝わろう。
ただ、その即売会が参加に足る即売会か否かを判断するに、サークルにとって、主催の熱意はその判断材料の一つとなろう。
告知努力は、告知そのものが目的というよりも、寧ろ告知努力を通じ、主催の熱意をアピールする事にあるのではないか、という気すらする。

「大(9)州東方祭」「東方椰麟祭」が想定以上に多くのサークルを集められたのは、東方界隈での告知が徹底していた所が、一つの要因だろう。
今回の「号外!文々。新聞友の会」の躍進を、これらと同じ文脈で考える事は、決して的外れではないと思う。
「号外!文々。新聞友の会」の躍進は、我々に、コツコツと努力を積み重ねる事が結果に繋がる、という当たり前の事実を教えていると言えよう。