以前、北海道苫小牧市の同人誌即売会「まるうたげ」に足を運んだ。
(参考リンク=9/22 北海道苫小牧市・オールジャンル同人誌即売会「やること山盛りまるうたげ」 http://blog.livedoor.jp/analstrike/archives/51967228.html)
この即売会に参加したのは、とある即売会遠征の「大先輩」に当たる方からのご紹介を受けてだったが、今回お邪魔した長野県伊那市の同人誌即売会「I,C,I」も、この方からのご紹介だ。
(もう一つご紹介下さった即売会=広島県三原市の「MIHARAシンドローム」も、じきに足を運びたい)

「I,C,I」は「independent circus ina」の略との事。長野県伊那市や松川町など、南信・伊那の地域を地盤に定期開催を続けている同人誌即売会である。

会場の「きたっせ」は、コミュニティーセンターの機能を持つ平屋の建物だ。
JR飯田線北伊那駅から歩いて2〜3分なので、アクセスも悪くない。
そこのイベントホールを利用しての開催だが、会場はそんな広くない。無理矢理押し込めても、30spが限界だろう。
この即売会、規模としては毎回20sp程度を推移しているが、規模に見合った会場と感じた。混雑感もガラガラ感も無く、といった所か。

受付でサークル参加費用500円を支払い、サークル入場という形式。当日払いだと、サークルの安易なドタキャンを生みかねず、正直リスキーだと思うが、サークルの事を信用してるのだろう。
入場料は無料とし、イベントカタログ代わりのリーフレットを用意(参加サークルのカットもこれに掲載される)している。
ただ、そこにサークルナンバーとかは一切書いていない。サークル案内受け取った時も、配置図にマーカーで印が付いているだけだった。
一般参加の皆さんは、リーフレットを元に、サークルの島を全量見てもらうような動きに。だから、お立ち寄りいただける方は、決して少なくはなかった。
ただ、元々の来場者自体が少ないので、売上的には厳しかった。STRIKE HOLE史上初の「坊主」(=売上ゼロ)を達成してしまったぐらいだw

にも関わらず、参加しての満足感は、何故か非常に高かったのも事実だ。
その理由としては、このイベントの「展示」が充実していた点が挙げられるだろう。
サークルに対しては、同人誌の売買のみならず、市販グッズ中古品の頒布も可としており、フリーマーケット的な要素を併せ持っている。こういうフリマサークルの展示を眺めるのも面白い。

更に、館内には劇場版アニメのリーフレットやチラシ、記念グッズの類が山ほど展示されている。
壁には、劇場版のポスターがびっしり。壁がポスターで埋め尽くされてしまったw
過去の懐かしアニメから、昨今のアニメまで、ラインナップも幅が広く充実している。
隅にはテレビモニターが設置され、劇場版アニメの映像が延々流されている。BGM代わりとなり、場の雰囲気づくりにも寄与している。

他には、コミケカタログのバックナンバーも展示されていた。
30回台のカタログも展示され、これは史料的価値も高そう。
コミックマーケット51がカタログ分冊だったという話はどこかで聞き及んではいたが、実物は初めてお目にかかった。1日目と2〜3日目で分冊だったようだ。
コミケカタログ以外では、何故かコス写真オンリー「コスホリック」が充実。過去数回開催分のバックナンバーが、コンプリートされていた。
この膨大な展示群、丸一日居ても飽きないレベルだろう。これを目当てに、次回の参加を、結構真剣に検討しているぐらいだw

会場内では、主催が自ら中華まんをふかし、参加者に振る舞う展開。
フリードリンクサービスやお菓子のサービスも充実していた。
これは間違いなく、即売会というよりは「交流会」のノリだろうか。

参加者層としては、サークルは老若男女問わず。年食ったサークルは、おそらく皆リピーターだろう。
一般参加者は、地元の学生さんが殆どだった。
ジャンルの傾向としては、全般的にバラけてはいるものの、東方、Free!、マギ、進撃、某バスケ、創作といったあたりが目に付いた。ポストカードなど、小物類が中心という印象。
コスプレもOKで、数は余り多くなく10人いるかいないかのレベルだが、東方や進撃をお見かけした。

という訳でこのイベントは、同人誌即売会というよりは、同人作品を中心とした「展示交流会」として捉えた方が良さそうだ。
売れる気配は無いので、売上を気にする方にはお勧めし辛いが、1日居ても飽きないレベル。興味があれば、是非ご参加を。
気ままに、豊富な展示を味わおうとするスタンスが、この即売会を楽しく過ごせるキーポイントとなるだろう。

課題としては、主催氏ご本人も繰り返していたが、【告知の弱さ】だろう。
具体的にどう告知するかだが、告知といっても対サークル告知、対一般参加者告知で手法は異なる。
例えば東方オンリーだったら、対サークルは地域問わず他東方オンリーでのチラシまきが王道だし、対一般参加者だと、地元民が多いことを考慮し、地元店舗中心の告知となる。

そこで「I,C,I」の現状を分析する。
まず、サークル集めに関しては、今の「弱い告知」であっても20sp規模と満了に近いサークル数が集まっている。
サークル参加者に封筒を配って、希望者は宛名書いてくれれば次回案内を送る等、ささやかながらリピーター化への取組も行っている。

また、この即売会は、サークル案内の中に会計報告を掲載している。
会場費や通信費等を含め、総予算20000円という低予算だ。サークル参加費も500円、一般参加は無料と低廉。
私がよく主張する、チラシをガンガン刷ってガンガン撒いてサークル集めに励む、という手法は、体力的に持たず適さない。
今のままでもそこそこサークルは集まるし、低予算運営である以上、チラシ刷ってサークル集めに力を入れる必要性は感じない。
せいぜい、ホームページに申込書をPDFファイルでアップし、申込書請求・送付の手間を省く程度で充分だと思う。

寧ろ、一般参加の掘り起しが課題になると考える。
総来場者は30人いるかどうか。もう少し増やせないものか。
とは言え低予算運営だし、チラシを刷るのもリスクが大きすぎる。
そこで、【ポスターの活用】を私は提案したい。
伊那の街中のコミュニティセンターや本屋・ゲーセン・学校等、学生がたむろしそうな所に飛び込みで営業し、ポスターを張らせてもらうのだ。
一般参加は地元の学生中心なので、学生の目に付く所で告知する、という方向性だ。
ポスターはチラシよりも目に付きやすいし、チラシほど印刷費も掛からない。一般参加を集めるのなら、ポスターが効率的・安価な告知方法だろう。
実際、福井県敦賀市等でこの取組は効果を上げている。
また、この即売会は、展示企画に独特の強みを持っている。その点をアピールとして盛り込んでも良いと思う。

他地域の即売会に遠征し告知するのも一つの案だと思う。
飯田や松本等、他の地域開催の即売会にてサークルにアピールできるのなら、しておきたい所。
ただ、わざわざ伊那まで遠征する人がどの程度いるのか。
足運んで告知できればそれが理想だが、無理してでも足運ばなきゃいかん、ってレベルのものでもない。
やはり、一番重要なのは、伊那の界隈での、地元密着型の告知だろう。

次回は、5/25か6/1を予定との事。会場が来年初頭に確保でき次第、正式発表の意向だ。
ただ、松本市で老舗即売会「コミックファクトリー」が5/25開催を既に発表している。そこは避けた方が無難だろう。
(というか単に私が、来夏I,C,Iもコミックファクトリーも行きたいだけという説もあるがw)
もし両者の開催日がバッティングせずに済むのなら、私もまた参加させていただきたい。…展示品見きれてないですしw