2022年12月03日

11月5週の動き

W杯サッカーと中国のゼロコロナ

日本がW杯サッカーで予選を突破しました。しかしコスタリカに負けるなど、がっちり守りを固める国に、日本のパスサッカーは弱いことも露呈した形です。それを知れば、対日本戦ではがっちり守って数的有利をつくり、カウンターで得点を狙うパターンが勝利の方程式、と認識するでしょう。2戦とも逆転勝ちでしたが、それが欧州の2国。プライドとしてがっちり守って…とはならなかったことがよかったのかもしれません。
中国のゼロコロナ、一部で緩和とも報じられますが、何だか中途半端で、決して経済への打撃を考慮したものではない。国民の怒りが…ともされますが、中国は人民がまとまって何かを成し遂げる、という幻想を抱くことを、極端に嫌う国です。江沢民氏が亡くなりましたが、まさにそうした戦略をとったのが江沢民氏でした。だからオミクロンが弱毒化…といった指摘をして、多少の解除方針を示したに過ぎません。ただ、ワクチンの効果が低い、とされる中国で本当にオミクロンの致死率が下がるのか? 他の国ならワクチンの効果、などもあってオミクロンの致死率が下がっていても、中国でそれが下がるのなら、真にオミクロン株の弱毒化が意識できるのでしょう。ただ、オミクロンの変異株がすでに出てきている中で、中国へ侵入するのも速いでしょう。色々なことが、中国では試されることにもなってきます。

その中国では、不動作デベロッパーへの融資の緩和など、愈々経済への打撃に目配せする政策も打たれ始めています。ただ、だから中国の不動産市場が、ふたたび浮上するのか? もう供給が需要を上回ってしまっている現状は変わっておらず、それを投機的な動きだけで補っていけば、結果的に問題を先送りにしただけとなるでしょう。新型コロナ対策ばかりでなく、不動産市場も中国では頭の痛い問題です。
サッカーでは、守りを固める戦略をカテナチオなどと呼びます。鍵、という意味ですが、ゴールに鍵をかけて開かないようにする。今の中国も、鍵をかけてコロナ対策や、不動産バブル対策をしようとしてきましたが、その限界も見えてくる。その先の戦略、鍵を壊された後の中国が試される、といえます。




13―14日のFOMC後

米国では13、14日にFOMCが開かれ、政策金利の0.5%の引き上げ、つまり0.75%のペースから減速させる、との期待があります。これはその通りだと思いますが、注意すべき悪いシナリオは、FRB理事の見通し、ドットチャートで金利の水準がどう出てくるか? です。今は9月にだされた、金利の最高到達点は4.6%、それを信じて市場は動いています。1月、3月に0.25%の利上げを行うと、その水準を越えてくる、だからそこで利上げ停止、との思惑です。ただ、12月のここで5%の後半まで最高到達点を変更するなら、仮に来年から0.25%の利上げとなっても、9月までは利上げがつづく。そのとき、原稿の市場金利は1%以上低い、ということになる。もし12月、それが示唆されると市場全体が急変動を起こす可能性があります。
今の円高も、ドル高の巻き戻しを越えてすすんできた。市場が暴走しやすくなっています。これだけ急激に進む円高に、日本の財務省が対応しないなら、逆にみれば日本政府が語っていた「急激な変動への対応」という為替介入への大義が失われる。水準感をもっており、そこに近づくなら急激な動きを許容する、としているのと同義だからです。次に円安にすすんだとき、日本政府の態度が改めて問われるのでしょう。

問題は株式市場です。今、来年の11月には利下げ…というだけで、ここまで上昇してきてしまった。債券市場と、株式市場との乖離が問題視されてきましたが、その債券市場の方が、今は株式市場に引っ張られる形で修正してきました。だからすでに、利下げするような勢いで米国債は買われてきた。でも、もしFOMCで本当は前の債券市場尾の方が正しかった、と示されたら、債券市場、株式市場ともに大きな修正を迫られることになります。つまり9月ごろまでなら、その調整は株式市場だけで良かった。でも、ここで見直しがかかると、債券、株式、為替、そのすべてが一斉に修正をかけないといけない、巨大な動きを起こします。
FRB理事が、それに警鐘を鳴らしても今の市場は止まらない。パウエル議長の講演は、それに恐れをなしたようにも聞こえた。でも、これまでの理事の発言からは、金利の最高到達点は6%台に乗せてもおかしくはない印象です。11月雇用統計でも、ふたたび時間当たり賃金が5.1%と、5%台に乗せてきました。インフレ沈静化はまだ先。ここで株式市場の暴走に付き合って、市場の暴走を赦せば、その先にはインフレが止まらず、景気がさらに悪化し、市場の急変動というオマケつきで経済には打撃となるでしょう。それを止めるために、ココで市場を叩いておくのか? それとも先になるのか? それが市場とFOMCとの戦いとなります。




政治家の醜聞


薗浦衆院議員の4000万円のパーティー収入の不記載。まさに安倍政権下で開かれた政治資金パーティーでの不記載であり、自民党がゆるゆるだった時代です。しかも、地検がすぐに動いたものでなく、市民団体の告発をうけての調査、というお粗末ぶり。まだこの国の自浄能力が働いていない、と感じさせますが、問題は薗浦氏が元読売新聞記者であり、安倍利権の構図の中に、どっぷりと嵌っている点です。
安倍氏が統一教会と深い関係にあることを、政治部記者なら誰もが知っていた。それを一切報じてこなかった。今、政治記者という存在が改めて問われています。政治家にとって不都合なことを、国民に報じない。どれだけ顔出しし、評価されようとそのレッテルは常に付きまとう。そして、政治部記者から政治家になった薗浦氏のような、不正が報じられると益々そうした厳しい目が注がれます。政治家と記者の癒着、その中で利を貪る者たち。まさに薗浦氏に、そんな姿を垣間見るのであって、構図は深刻といえます。

自民党長野県議の丸山氏が妻を殺害した容疑で、逮捕されました。メディアは「自民党」の部分を省きますが、政党を隠す必然性は皆無です。問題は、そうした情報を隠してしまう傾向が、今のメディアでは顕著であること。福岡市議で、他人を貶める虚偽のビラを撒いた堀本氏も、当初は維新の名が伏せられていました。維新を離党して、初めてその事実を知った人も多かったでしょう。地方の議員とはいえ、党に所属しているなら、きちんと報じるべきであって、逆に政党名を伏せることに何の大義もありません。
政党によって犯罪を起こした、というわけでなくとも、その人物を形作る上での一つの情報です。公人であり、それを隠す理由はありません。安倍政権以来、その忖度が大きくなった。情報の双方向性によって、それが常に浮彫になる、といったこともあるでしょう。ここ最近、政治家の醜聞という問題と同時に、必ず記者、メディアの拙さという問題が浮き出てしまう。日本はこの関係を見直すべきタイミングでしょう。




自公連立に、国民民主が参加?

一部でそう報じられ、即座に否定するコメントを各党がだしました。ただ、統一教会系の雑誌に、ふたたび玉木代表が寄稿するなど、むしろ自分たちこそ統一教会系政党だ、と言わんばかりの態度を玉木氏がとっていることも間違いありません。それは自民に対して、自分たちが弾除けとなる。献身するから仲間に入れて、といっているようにも受け取れます。統一教会の被害者救済法にも、国民民主は自民案に賛成、という。ますます統一教会との関係をにおわせる。当然、立民と袂を別ったのもそれが理由とみられています。
その統一教会系雑誌。今回は統一教会を擁護するのではなく、岸田政権を援護する形に論調を変えてきました。恐らく、統一教会の信者は強い宗教的紐帯があるので、離れていかない一方で、自民党支持者は統一教会色を鮮明にすると、離れていってしまう。一誌は『叱咤激励』で、一誌は『応援』とハッキリ書く。でも、逆にここが岸田政権を応援すると、ますます自民は統一教会と離れられない、との認識を強くして、何となく自民に投票していた層が離れる。コア層のみに働きかける戦略で、こうした雑誌は読者を集める、とみられますが、それでも数の減少に悩んで、右往左往しているようにもみえます。

国民民主はそうした雑誌に登場し、自分たちに色がつけられても構わない、という戦略にみえる。まさに1億人に響かなくとも、数万人に響けば多数はとれずとも生き残れる。そんな戦略なのでしょう。ただそうなると、自民としては国民民主とくっつくと、自分たちもその色がつく。痛し痒しです。そして、ただでなくとも創価学会も統一教会と同じ、というイメージがつくことを極端に嫌う、公明が赦さない。むしろ文春、新潮などがそういう論調に広げてきており、自公連立ですらそういうイメージで捉えられ始めています。
それはF層の動き、創価学会の婦人部の動きさえ制約するでしょう。宗教的紐帯で、その動きをしている様が、まさに統一教会のようでもある。そして、今の被害者救済法にしても、自公の法案では明らかに劣る。それを主導するなら、ますますそうしたイメージを強くするでしょう。逆に、公明などはより強い規制を打ち出した方が、イメージがよくなるはずですが、そうできないならやはり創価学会も同種の輩、という形で認定がすすむでしょう。弱った自民にくっつこうとする国民民主、その自民にくっつくことで、自分たちも弱体化していく公明。悲喜こもごも、政界に大きなうねりも起き始めていると感じます。

そんな中、産経とジャーナリストの門田隆将氏が、立民議員から訴えられていた名誉棄損裁判で、立民議員側が勝訴し、損害賠償がみとめられました。産経と門田氏は控訴する、としますが、あまり分のよい話ではありません。もっとも、べた記事でほとんど他のメディアが報じないように、長引けば長引くほど、事実そのものはスルーされ、何もなかったことのように扱われる。記事によるダメージは金額以上であっても、記事を書いた側にはそのダメージが少なくなる、ということでもあるのでしょう。
門田氏といえば、統一教会系雑誌に度々登場することで有名ですし、産経とて記者がその雑誌に寄稿する。フジ・産経グループと統一教会はずぶずぶであり、そこに安倍支持という共通項もあった。東京五輪汚職の中で、フジ・産経グループ関連のイベント企業が含まれていたことに、何となく納得感もあるのは、やはりここは安倍利権で結びついていることが、浮き彫りにされただけだからでしょう。まさに、統一教会は献金、脅迫といった問題ばかりでなく、日本にとって獅子身中の虫。そこに安倍氏を頂点とした、安倍利権が入っています。それが徐々に明らかとなりますが、ナゼかそうした切り口の指摘、主張が少ないところをみても、まだまだこの国の浄化はすすんでいない、ということなのかもしれません。それは記者、メディアも安倍利権の中にあったのですから…。




株式市場

FOMC後の動きでも書いたように、恐らくその後で楽観が支配するのか? 悲観に見舞われるのか? によって年末の位置は大きく上下します。急速に、金利が上昇していく場面となれば、極めて厳しい状況が生まれるでしょうし、どの道この楽観相場は、もう青息吐息にさしかかっています。上がるはずのない、上げるのがおかしい銘柄まで、上昇している。それはもう、上げるという意識だけでそうなっているのであって、ファンダメンタルズも業績も関係ない。期待だけの相場になっている、ということです。
努々、見誤ってはいけないのは、その期待に逆らっても無意味だし、その期待を自分の中で確固とすることも危険だ、ということです。明日には、その楽観が止まるかもしれない。また下げ相場がくるかもしれない。下手に一方に傾けると、危険が増えるということを十分に意識することです。これまで、世界は先進国の成長、そして新興国の成長、とローテーションすることで支えられてきた。だから長期投資が奏功した。でも、これからどこが? 何が成長するのか? 長期で今以上に良い環境が生まれるのかどうか? それを改めて自分の中で斟酌して考えてみる必要もあるのでしょう。その上で、自らの投資スタンスを考えないと、大きな危険にも対処できなくなります。むしろ、カテナチオをかけておくぐらいの防衛策も、必要なタイミングにはあるのかもしれませんね。


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2022年11月26日

11月4週の動き

巷間語られることの裏

W杯で日本が独国に勝利し、ジャイアントキリングなどとされますが、大体初戦でこれが起きることが多く、それは強豪国は8強入りしてからが本番、とコンディションをそこに合わせていることがあります。また今回は、カタールの人権問題で独国は対立、応援にも行かないし、TV放映もしない、などといった対応があり、カタールもそれに反発。日本のサポーターばかりか、カタールも日本の応援に回り、完全アウェーで独国が戦ったこと、などの影響もあったでしょう。歴史的な勝利、などともされますが、歴史的にみて日本が人権意識の低い国であったことも、勝利を後押ししたことは間違いありません。それは国会で、安倍元首相などの統一教会系政治家が、LGBTQを敵視するような発言を繰り返してきた国、でもあるのです。
大阪岸和田で、車に2歳女児が9時間放置され死亡、という事件がありました。これなど、私からみると気の小さな父親で、初めてのこと、初めて会う人などに極度に緊張する性質ではないか? 長女と三女を保育所にあずけたところで、その緊張の糸が切れてしまった。その達成感から次女もあずけた気分となり、家にもどってしまった。この想定が正しいと、恐らく5時に迎えに行く、というその前、3時ごろからソワソワするような人物だった、と考えられます。こういう性質の人間は意外と多いとみられ、誰にでも起こり得ること。でも、そうした指摘がほとんどなく、ずぼらな親、注意力散漫な親、といった報道に偏っている気がします。

東京五輪汚染、ついに電通が直接に談合、組織委もふくめて随意契約、といった悪質な行為が表に出てきました。しかし電通、これまでもこうした行為が表沙汰になっても、業務停止や発注の禁止などを含めて、厳しい制裁が科された例がありません。電通の誤報をした某コメンテーターに、すぐ「辞めろ」の大合唱が起きましたが、誰もが電通が政治と組んで、裏で何等かの悪事を働いているのでは? との意識が国民に根強いことをこれはついただけのこと。誤報、虚偽の発言など、どこのコメンテーターでも多いのに、電通に絡むとすぐ「辞めろ」となる。それだけ、隠しておきたいことがある、と逆に疑心を深めた形です。
五輪汚職の中心人物、とされる高橋治之氏は、自民の長島議員に関連企業から献金していた。こんなものは氷山の一角で、政治と近かったからこそ、彼は力を得たのであり、ポジションも得た。それなのに自分だけが儲けて、ウハウハ…で終わるはずがありません。近いとされた森喜朗元首相、菅義偉元首相、それは安倍元首相も含まれるはずです。そして、高橋氏が力を得たのは、元電通マンだったことです。果たして、政治家への献金なら表にでてくることもありますが、それが政治家を支援するどこかの組織、団体なら。それこそ統一教会にお金が流れていたのでは? あくまで疑念ですが、そうしたことも注視しておくべきです。




米国の景気

GAFAMが大量のレイオフ、つまり解雇を発表し、雇用への不安が流れましたが、ほとんど失業が増えていないことがここ最近でも示されます。IT技術者はそれこそ引く手あまた、どこも人材不足だったので、渡りに船と雇用したことがうかがえます。Twitter社など、マスク氏の高圧的態度に反発したのか、計画より辞める人が多かった。それなのに、マスク氏はさらに大規模アンケやトランプ前大統領のアカウント再開など、人手が必要なことをやりだした。今後、大混乱することも予想されます。そもそも、世界を日本での利用状況のように…といったところで、その日本では偽装アカウントが多くて、マスク氏のいう誰もが公で…という意識が低い。また140文字の制限も、日本語は漢字、ひらがなで1文字、アルファベット、アラブ文字などと比べ、文字数が多く利用できるメリットがあります。それが分かっても尚、マスク氏がそう言及するのは、Twitter社は相当経営がヤバく、辣腕経営者としても匙を投げたいレベルなのかもしれません。
米国では来年景気減速、でもそれはマイルドで、だけどインフレが収まり、来年半ばからは利下げも始まる、といった超ハッピーシナリオで動いています。しかし住宅販売は下がっても、価格は上がっており、これでは家賃はさらに高騰する。貸す家は増えないのに、価格は上がってコストが高くなるからです。エネルギーは中国のゼロコロナなどで下がっても、それは景気減速を見ており、中国では鴻海の工場でスト、労働者の離反がおこるなど、供給不安もある。インフレが止まる、なんて兆候は現時点ではかなり低い期待です。

インフレを起こす要因は大きく二つ。需要が旺盛で供給を上回る状態。供給に制約がある状態、です。通貨の量も関係しますが、今のように世界的な資金の流れがあると、ある程度相殺されてしまうので、モノの流れで説明するとそういうことです。中国がゼロコロナを続ける限り、世界的な供給不安は晴れない。それはiPhoneばかりでなく、日用品も同じです。日本では、中国はゼロコロナを解除する、と根拠レスで語る人もいますが、もしそうなったら一気に感染が広がる。免疫がないのですから、そのためには有効なワクチンを接種していかないといけませんが、シノバックなどの中国製のワクチンは使い物にならない。でも、それを礼賛した過去もあって、見直しができない。そういうジレンマが中国にはかかっているのです。
米国の株式市場が堅調なら、資産インフレによってさらに物価を押し上げる要因となるでしょう。今の株式市場は超ハッピーシナリオですが、逆にそれを株式市場が織り込む限り、そのシナリオにはなりにくい。MMFをみても、現金化する人が多いですが、それが株式にもどるならまさにその超ハッピーシナリオは崩れるでしょう。問題は、二兎を追う者は…に陥っていること。結局それはFRBの政策を悩ましくさせるのです。




岸田政権は『説明責任』という言葉の説明責任すら果たさない。

岸田首相に、白紙の領収書という公選法違反を疑う事例が、文春からでてきました。岸田氏は「適切な支出だった」としますが、そんなことは当然で、適切でなければ公選法違反です。問題は、なぜそれが起きたのか? 98枚という数は単純ミスではない。会計責任者の能力不足? チェック体制の不備? 前者なら責任者の交代、もしくは再教育といったことが必要だし、後者なら体制の再構築について説明すべきです。メディアも「適切な…」の部分だけ切り取って報じるので、前後のことが分かりませんが、説明責任とは事象を単に語るだけではなく、再発防止策まで含めて相手に説明し、初めて納得が得られることなのです。
それは最近の防衛予算の議論にも当てはまります。金額が膨らむことだけが報じられ、その財源に法人税だとか、復興増税と同じ仕組みで…などと語られます。しかし、大切なことはこれまでの防衛体制にどんな不備があって、ナゼそれを放置してきたのか? 露国のウクライナ侵攻でステージが変わった、などというのは何の説明でもない。日本に核ミサイルの照準を合わせ、度々領海、領空侵犯する国を仮想敵国にすらしていなかった、という不備です。本当に攻め込んでくることはないだろう、と高をくくっていただけのこと。政治の怠慢です。つまり、防衛予算の増額に増税などをするのなら、国民にきちんと「これまでの防衛大綱は完全に間違っていました。だから新たな防衛体制を組むために、予算が必要です」と、きちんと説明しないといけないのです。安倍政権では、仮想敵国を北朝鮮に定めながら、地上イージスやオスプレイ購入など、防衛上どんな役に立つのかも分からいものに、ばんばんとお金をつかってきたのです。

今からでもオスプレイの複数年の購入計画を改めれば、数百億円ぐらいの予算は確保できるでしょう。そもそも現在の自衛隊の体制、防衛装備品の調達は正しいのか? 防衛産業が日本では生き残れない、などとされますが、それでよいのか? こうした説明があって初めて、では防衛予算はいくらが適正なのか? が決まります。今の防衛予算は今の倍だの、その財源議論に至る前に、説明責任を尽くすべきでもあるのです。
『説明責任』とは、単に説明をして終わりではない。責任とは、相手に納得してもらって初めてそれを為す。国民が納得しないまま、単に必要だから…と言われて納得しているようではダメです。政治の怠慢を、わざわざ国民が容認してやる必要性は皆無です。必要だというなら、何に必要なのか? これまではどうダメだったのか? きちんとその説明を尽くし、納得してもらう責任を果たすのが、政治の務めです。自身の公選法違反の問題ふくめ、閣僚には説明責任を求める割に、自身の政策に関する説明責任すら果たそうとしない。何もしないのが岸田政権、と思っていたら、説明もしない。言葉すら足りないのが岸田政権になってきた。秋葉復興大臣をふくめ、泥縄になってきているのが現ですが、それも岸田氏の資質の問題です。



日本経済の問題点

都区部の消費者物価が3.6%の上昇となりました。問題は、モノの値上がりはすでに欧米並みの8%弱、一方でサービスは0.7%の上昇。旅行支援などの政策の影響もありますが、消費はすでに減退を示すレベルなのに、サービスが上がらないから見た目が低く、政策を縛っている点です。サービスは主に人件費が影響し、賃金が上がっていないから金融政策を変える必要がない、と黒田総裁などは語りますが、その人件費も人手不足で、観光、飲食などでは上がっているはず。それが反映されにくいのはアルバイトや一時雇用、それに外国人労働者の搾取、といった形でそれを補うことに、日本経済が慣れてしまっている点です。
未だに、安倍ノミクス初期のころのような「日本人のデフレマインド」が、日本経済の根本原因と語る人がいます。しかしこれは大間違いです。日本では安い製品を求める、企業もそれに合わせて安売りする。だから賃金が上がらない、などというのは見かけの議論です。日本ではバブル崩壊以後も、業界横並びの賃上げ、という形が長く慣行として残りました。どれだけ頑張って儲けても、業界で厳しい企業があると、自分たちの給料が上がらない。労働と対価が、ずっと歪な構造を引きずってきたのが、日本経済の本質です。

さらに、諸外国ではストが当たり前に起きます。中国共産党の影響下で、厳しい締め付けがある中国でさえ、それが起きます。しかし、日本ではそれが起きない。労働組合は既に企業と一体で、組合での活動、献身的な態度により、出世にも影響するという。組合は、労働者の権利を守るのではなく、経営者とのなれ合いで調整する役。そう成り下がった結果、労働争議も起こらない、賃上げ交渉なんて言っても、経営者側が渋々それを容認する。言葉は悪いですが、お情けで上げてもらうだけです。次の春闘が大切、なんていう人もいますが、経営者がどれだけお情けをかけてくれるのか? という話です。
日本では十数年前に、航空業界でストが起きましたが、それ以来の大規模ストは起きていない。昨日、Amazonへのストを報じるところもありましたが、画像は粗く、個人のスマホで撮影したような映像だったり、それこそ人数は数人レベル。こんな国で、まともな賃金体系になるはずもなく、賃金が上がりにくいから、労働者は安いものを求める。悪いのは横並びの慣行、ストの起きない現状、労働組合の形骸化、などの労働者の地位が著しく低い、といった社会全体の問題なのです。コストプッシュインフレが起き、生活が苦しくなっていく今、春闘でストも辞さずに団体交渉できるのか? これがこの春闘の鍵です。それがなければ、恐らく日本は消費減退からくる景気減速、に見舞われるでしょう。

円安で、海外資産が増えて資産倍増、そうであるなら消費減退は見えにくい一方、貧困層との二極化がより拡大する。富裕層を潤す『ふるさと納税』を止めるのも一つでしょうし、全体の価格を下げるガソリン補助、電気代などのエネルギー価格の補助を止めることもそうです。より使う人に、より恩恵がいく。経済をまわす上で必要、とみなされがちですが、これも富裕層、よりゆとりのある世帯に対する恩恵が大きくなってしまうのです。日本は税体系ばかりでなく、政策、補助などの問題でも富裕層にメリットをもたらすようなことをしてきた。それで岸田政権のいう所得資産倍増、なんて虚構に過ぎる、というレベルなのです。
このままでは、資産所得倍増の裏で、より貧しくなって、苦しくなっていく世帯が増えていく。消費税増税などという形で、防衛費を賄うというなら、ますますそうなるでしょう。二極化がすすむと、結果的にそれは経済的打撃が大きくなる。中間層を厚くするためには、下の層の底上げをどう成し遂げていくか? それが問われますが、小泉政権以来、ずっとそれと逆行することばかりしてきた。「日本経済はデフレマインド」が問題なのではなく、「社会構造が歪」であり、経営者、富裕層側をより優遇することで、庶民のデフレマインドが根付いてきた、ということが問題なのです。そこに手をつけない限り、何も変わらない。小手先では意味がない。そこに岸田政権は説明を尽くすべきでもあるのでしょう。




日本株

今週は、TOPIXの2000pt台到達により、一部の外国人投資家…特にGSの爆買いがTOPIXで炸裂したので、上値追いとなりました。ただ、GSはやや買い方だったので、恐らく一部の金融商品、組成に基づいて売っていた分を買い戻した、という形でしょう。逆に、日経225型で買っていた層が失速し、値がさが崩れる傾向もみられた。注意すべきは、相場の転換が近いとも見えます。大体、最近の相場は3ヶ月も上げ続けることは少ない。今回の上昇相場が9月末から、遅くとも10月頭からはじまった、とみるのなら、年末高までいくことはないでしょう。その手前、雇用統計なのか、CPIなのか、FOMCが転換点になる可能性が高い。
一時期、株式市場と、債券市場との乖離が問題視されていました。債券はより景気悪化を織りこみ、株式市場は楽観。それが10月CPIで、一気に株式市場が勝利したかのような動きとなりました。ただそれが正解である、とは考えにくい。むしろ上記してきたように、超ハッピーシナリオで株式市場は動き、達成不可能にも見えるからです。債券市場がそちらに寄せてしまったので、そのシナリオが崩れたときは、より大きな動きを引き起こし易くなるでしょう。恐らくMMFへの資金流入も、一部の暗号資産関連の資金逃避がそうさせている、とみえますが、そうした流れの一部に株式市場への流入があることが、影響しています。それが逆回転を起こしたら、それこそ巨大なうねりとなって、世界全体を覆うことにもなるでしょう。

世界全体が、同じ株価の動きをし易いことも問題です。マネーがグローバルで流通しやすくなった影響で、世界全体が同じマインドで動く。日本株も今はそうやって上がります。円安メリットのある企業…といったところで、日経が報じたように、すでに円安を想定為替レートに織りこんだ企業もあり、今の140円レベルは逆にデメリットにも見える。さらに、以前も指摘したようにドル建て債務の多い企業は、想定為替レートを円高の方に見積もっていても、為替差損が発生するケースが多い。円安が日本経済にとって、本当によいことなのか? 業績にも好影響なのか? これからじっくりと見ていく必要があるでしょう。
コロナ禍からの回復、といったところで、コロナ前には遠く及ばない。それどころか、補助金漬けになった現状は、自然な循環が起きにくくなり、補助金ギレで淘汰、倒産といったことも起きやすい、脆弱な構造となってきているのでしょう。日本経済の弱点、それを意識したとき、株価がどう動くのか? 改めて来年の景気とともに考えていくべきなのでしょうね。


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2022年11月19日

11月3週の動き

米中間選挙の最大の敗者

米国ではトランプ前大統領が、2024年の大統領選挙への出馬を表明しました。ただ、中間選挙ではトランプ派が続々と負ける、という事態。共和党内の予備選では、トランプ氏支持を表明しないと勝てないけれど、本選では勝てないのなら、抑制的で態度、主張をその時々で使い分ける人でないと、本選では使い物にならなくなります。結局、そんな人物を信用できるのか? 議員としてふさわしいのか? という事態です。
ただ今回、最大の敗者はロシアでしょう。露国は「介入した」とオリガルヒの一部が発言するなど、トランプ氏を強力にバックアップした。共和党内で、ウクライナ支援が『過剰』との割合が、選挙前半の10%程度から、40%程度まで上昇したのも、情報操作の結果でしょう。つまり議会で共和党が勝利していたら、米国のウクライナ支援が細っていた可能性がある。そして、これは現状の米軍の態度とも合致しています。

ミリー参謀本部議長が最近、ウクライナ支援に後ろ向きで、政治的解決を促す文言をくり返しています。米軍からの支援とは、即ち米軍の兵器をウクライナに譲り渡す、ということ。米軍にとっては今後より大きな防衛予算をかけてくれないと、兵器の減少という国防力の低下を招きます。これが露国による情報操作と合わせ、米国内でムーブメントになれば、バイデン大統領にも圧力となったでしょう。それが今回の中間選挙の結果で、頓挫した。露国にとってはここで戦局を変える、との思惑が外れた形となりました。
ただ気になるのは、ポーランドにミサイルが着弾し、露国による巡航ミサイルなのか、ウクライナの迎撃ミサイルなのか、判断できていませんが、早くにバイデン氏が「軌道によると露国からとは思えない」と発言した点。軌道を米軍がしっかりと把握しているなら、ウクライナが今のように絨毯爆撃を避けようとすれば、発射地点に攻撃をかけることができます。つまりウクライナ側から、露国領内に攻撃をしかけるとき、米軍の協力さえあれば有効な攻撃が可能。大反撃作戦ができる、ということです。しかし米軍が後ろ向きで、情報を制約すれば、それが不可能。中短距離ミサイルといえど、露国領内まで入って撃てば、そうした発射装置を撃滅できる。戦争がそこまで拡大する可能性、についても考えだしたのかもしれません。

露軍が仮にウクライナ領内から撤退をしても、敗北をみとめず、巡航ミサイルでウクライナ領内に攻撃をつづける泥沼…。今は中国が後ろ向きでも、仮に中国が露軍の後ろ盾となれば、物量という点では戦争継続において、遜色ないことになります。2024年までウクライナ戦争がつづいているとき、より過度な露国による選挙への介入、を意識せざるを得ず、それを赦すなら米国自体が最大の敗者になるのかもしれません。




岸田政権の負け戦

日中首脳会談が開かれました。ただ岸田首相はG20で中国を名指しで批判、といったところで、国際的な評価が高まるわけでもなく、国内向けのアピールであることは誰の目にも自明。外交の岸田、としての成果を欲して、首脳会談を断らないだろう、との思惑でそうしたのです。なので逆に、それだけの条件をだして中国を説得していた、とみられます。経済協力など、中国の望む形での関係継続をきちんと約束していたから、G20での発言を黙認してもらった、とみて間違いないのでしょう。中国はそれと対比するように、海警における軍事装備をエスカレートさせた。どちらも国内向けには相手に対して強気にでた、とアピールできます。中国では、岸田氏の発言など報じないで済むし、日本では岸田氏の発言を大きく扱うのですから。
寺田総務相の問題も、恐らく岸田氏がもどると辞職させるはずです。岸田氏は凧揚げと同じで、いきなり糸をぷつんと切ってしまう傾向がある。政治資金規正法違反なら守りますが、公選法違反まで問われた閣僚を雇っておく余裕はありません。すでに各メディアの世論調査には、自民支持層を送りこんで党としての支持率を維持することには成功していますが、その世論調査ですら40%を越えることがない。危険水域どころか、日本全体でみると岸田政権の支持率は、恐らく10%に満たないレベルでしかないことが窺えるほどなのです。

毎日が先週、安倍氏と統一教会との関係について報じました。しかしメディアの一部は無視。それは安倍政権時代、忖度して安倍批判を報じさせず、統一教会の特集さえもみ消してきたNHK、統一教会系雑誌に度々寄稿し、安倍支持を鮮明にしていた政治評論家の田崎史郎氏を使いつづけるTBSの『ひるおび』、その統一教会系雑誌に毎回登場していた櫻井よしこ氏を、未だに番組に呼ぶフジテレビなど、未だにメディアが『統一教会離れ』をできていないことも影響するのでしょう。信者は数万だけでも、そこが確実な顧客でもあります。
自公でだした救済法案も、早速支援してきた弁護士などから、これでは守れない、との発言がでてきます。それは公明など、創価学会も統一教会と同じ、との指摘もある中で強い規制などかけられるはずもない。そんなことをすれば、今や池田大作氏を神聖化し、信者の求心力としてきたものの、信者にも懐疑的な目を向けられる中で、自壊する可能性が高まります。統一教会からそっぽを向かれたら、自民すら自壊しかねない。未だに安倍氏のいた清和会が、後継トップを決められないように、最大派閥が揺れるほどの問題です。宗教と自民党、どう手をつけても負け戦、だから影響しないように手をこまねくしか手がないのです。




FTXの破綻にみる崩壊の連鎖

米国の暗号資産の交換所FTXが破綻しました。日本では「影響は軽微」などとも語られますが、エンロン破綻の倍、数兆円が溶ける事態で影響が広がらないはずがありません。すでに暗号資産取引所などの、資金引き出しの停止、それを含む高利回り商品などの解約停止など、影響が拡大しています。そもそもバンクマンフリード前CEOが、顧客の資金を流用していたとの事実が発覚し、その影響がどこまで広がるか分かりません。さらに、顧客の資産は保全される、としますが、その資産が暗号資産が溶け、目減りをつづけるのですから、影響は甚大です。つまり暗号資産全体への波及、それにより多くの企業、組織に今は延焼が広がっています。
それはSBGにも及びます。1億$の出資と早い段階で報じられましたが、それが溶けた。そればかりでなく、恐らく関連業種への波及、暗号資産への投資はほとんど損失を抱えることになるでしょう。そうした企業が連鎖倒産すると、暗号資産バブルが崩壊し、愈々この業界に寒風が吹きすさぶことになる。そうなると、投資家全体への波及も想定される。しかも、FTXが破綻した後も、謎の資金の動きがあったこともすでに捜査対象となり、大口投資家や金融機関が、資金確保に動いたこと自体も、追及の手が及ぶ。もし後々、それが分かると大口投資家、金融機関などが刑事罰にすら問われかねない、といったことも起こるでしょう。

しかも、この破綻が明らかになったのが、米中間選と微妙に絡まります。バンクマンフリード氏は民主党の支援者。11月初め、FTXの不透明な取引が暴露され、一気に破綻へと突き進みましたが、中間選挙の途中で大口支援者をつぶす。むしろ、それを知っていた誰かが中間選挙の趨勢が決まった段階で、情報を漏らしたのか? いずれにしろ政治の流れと、密接だったと推測できます。これが次の大統領選にも影響するでしょう。
暗号資産全体への規制、という話もでてきた。野放図な投資環境や、資産の保全性など、多くの課題を抱える業界ですから、いずれにしろ規制により投資資金の目減りが意識されます。そうなると、初めから無価値なものですので、暗号資産バブルは一旦潰れる形になる。そのことで、損失を被った多くの投資家が、他の資産を投げ売るかもしれない。まだまだ影響はこれから、大きな動きが起きた数ヶ月後に、第二ステージが始まる、と言ったケースも多い。今後もこの動きを警戒していかなければいけません。




日本経済の断末魔

10月消費者物価が3.6%上昇です。しかしコアCPIは政府によるガソリン補助と、全国旅行支援で押し下げられ、本当は4.5%の上昇だった、との試算もあります。しかも、1月以後は政府による物価高対策がはじまり、コアCPIをさらに1.3%程度押し下げる、との指摘もある。つまり、日本は政府による支援によってぎりぎり、物価高が抑制されているものの、欧米並みの物価高に確実に近づいてきた、と言える状況なのです。
問題は、政府による物価高支援の原資が国債であること。政府が国債を発行し、日銀がそれを受け入れるため、お札を刷りまくるので、結局インフレを促しやすい環境がつづく。金利を抑えつけていることもそうですが、日本はずっとインフレ昂進策をとっており、そのインフレになってみて、初めて気づく。日銀が望むような賃金上昇を伴う、正常なインフレがその政策では起きなかったことを。しかも日銀の黒田総裁は、それでも「政策をつづける」という。その正常なインフレにすすむ道筋も見えないのに…。

今回は間違いなくコストプッシュ型のインフレです。だから賃金も上げづらい。最近、企業もインフレ対策費、などを社員に支給するところもあります。ただ、焼け石に水でしょう。日本ではその倍以上を、政府がお金を供給し続け、インフレを促すのですから、実質賃金のマイナスがますます進む。結局、ずっと泥沼の深みにはまっていく状態になっているのです。円安対策で、為替介入をくり返すのも同じです。
日本はこのインフレにより、消費減退を招く可能性が高まっています。日本は外需依存から、内需依存へと体質が変化してきた。米国には及びませんが、GDPの6割を占めるのが個人消費です。それがインフレで沈む。どこの国でもインフレは消費減退を招きます。実質賃金をプラスに導かない限り、風前の灯火です。

そんな中、日本では新型コロナ第8波が懸念されます。また一部で「第8波で終わりだ」なんて、根拠レスで語る人もいますが、新型コロナがインフルエンザと同等の致死率、といったところで、そのインフルエンザより感染力も圧倒的に強く、季節を問わず蔓延する。今回、同時流行が懸念されますが、コロナ対策をしていればインフルエンザに罹らない、ということは2年で実証されており、その対策をしないから、感染が拡大する。対策しないどころか、拡散を促す施策をとるのですから、年末年始は否応なく感染拡大となるのでしょう。
以前も指摘したように、新型コロナのようなものは、意識する人はするし、しない人はしない。意識が高まると、結局は消費減退、活動自粛という形が広まります。そんな状況では経済活動がまともにできるはずもありません。インフルエンザワクチンでさえ、従来のワクチンを製造する企業、システムが2年で打撃をうけ、今年はそれを接種するよう促さないとそれらが潰れるから、接種を推奨している、などとも語られます。そうして、従来のシステムを残すために、新型コロナの対策ですらおろそかにするなら、結局そのしっぺ返しを人類はうけることになるのでしょう。日本は消費減退の波の方が怖くて、今はそちらに目がいきがちですが、それをインフレによって促されるのなら、本末転倒となるのかもしれません。




日本株

ナゼか、世界の景気減退、後退、それこそバブル崩壊による深刻な事態が来年は起こる、とされる中で日本の市場関係者は、来年の日本企業は利益が増える、と喧伝します。米国の利上げが停止したところで、高いインフレが収まる見通しは立ちませんし、何より中国の不動産バブル崩壊も、かなりヤバいレベルです。テレ東のWBSで、景気の厳しさを特集するなど、少しずつ織りこませようとしていますが、まだまだ浸透率が低い。それはそのテレ東が、武者氏などの超楽観派を招いて講演させるなどするのですから、態度がチグハグです。
しかし日本株のやばさは、ある日の市場でレーザーテクとSBGの2社だけで8000億円の売買高、当日の4分の1が、この2社で達成した。しかも、この2社が上昇するときは、いつも金余りでバブルの匂いがする。上がるから買う、買うから上がる、という循環で資金を集めている形です。この2社が仕手株化しているのです。

しかしSBGなど、9、10月は大量の自社株買いを入れていた。それが7-9月期の決算では、追加の自社株買いについて言及がなかった。まだ枠が余っているため、ともされますが、いずれにしろ自社株買いで上昇させた銘柄です。そこに来て7-9月期はプラスでしたが、アリババ株の売却だけで補い、他は真っ赤という炎上状態。しかも孫正義代表は、今後決算発表にでず、ARMの経営に集中する、としますが、その孫氏はSBGの組織に6800億円の負債がある、とも報じられる。資金の流れがヤバすぎて、ここに日本株が依拠し、依存率が高いまま上昇しているのは、明らかに危険です。FTX破綻の影響は軽微、などといったところで、中国や米国の新興企業への投資が多い同社が、もし破綻懸念などとなれば日本ばかりか、世界経済への影響が甚大です。
レーザーテクも、半導体市場の軟化と各国の投資、というハザマで浮き沈みがある。もしここが売り立てられるようなことになると、日本株全体が地盤沈下することも考えられます。危険なことは、この2社が仕手化してブレ易くなっている点です。逆に、今の上昇が本物なのか? 改めて試されるのでしょう。それは、本当に日本企業の業績が来年度も好調なのか? ということとも重なります。結局、米中間選挙の後、やはり米株は気迷い状態となりました。選挙前に上昇し過ぎる、それも事前に選挙後に上がる、と喧伝されてきたことで、織り込み済みとなってしまったことが影響します。こうして今は、情報というものがとり易くなり、また拡散しやすくなったことで、市場の動きも変わってきた。

ただ、その情報の中には露国ではありませんが、情報操作によって自分たちの都合よい方向に動かそう、という輩も多くいます。努々、それを見抜く目をもたなければならず、むしろ世界は混沌としてきた。分かりにくい状況となってきた、とも言えるのでしょうね。

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2022年11月12日

11月2週の動き

米大統領選

レッドウェーブが起きなかった、トランプ前大統領が最大の敗者、などとされますが、民主が結束したわけでも、中間層がトランプ氏を嫌気したわけでもなく、共和党内の嫌トランプ派が、嫌バイデンを上回ったことが主因でしょう。敵に対する怒りより、身内から蝕む者に対する怒りは、想像を絶します。なぜなら敵は今のところ攻撃はしてきませんが、獅子身中の虫は現実的な脅威だからです。トランプ氏が支持する候補が勝利し、バカ騒ぎするのをみて、苦々しく思う共和党支持者が、インフレよりトランプ氏が大威張りするのを嫌う。そんな意識が選挙終盤、トランプ氏が前面にでてきたことでぶり返したのです。
問題はバイデン氏。トランプ氏が前面にでて事なきを得ましたが、それでもネジレは始まった。個人的には、バイデン氏は二期目に入らず、大統領選への出馬も見送ると考えています。それは今回、嫌トランプ派が多いことが確認されたこと。そもそも前回の大統領選で、他候補が簡単に出馬を見送ったのもバイデン氏は一期だけ、との裏約束があったため、とみています。今は民主党が結束するとき、という文言にこれを付け加えれば、他候補も納得したはずだからです。よって、これからバイデン氏は不都合なことをし始めます。



米消費者物価

市場は10月CPIを受けて、沸騰しています。しかしたった一月、しかも統計上の癖で今回はやや低めにでる、という指摘もある中で大騒ぎをしているのは、今が楽観に振れやすい地合いだからです。ただ確実に、11月FOMC前に市場が抱いていた期待より、状況は悪くなりました。まずバイデン政権が一先ず小康を得たことで、市場に不都合なキャピタルゲイン増税、富裕層課税といった施策が打ち易くなります。
財政政策でバラマキを行えば、間違いなくインフレが昂進し、むしろ金融政策の方で緩和しにくくなります。むしろ、資産インフレを叩き潰した方がインフレ抑制には効く。そう思えば増税策を打ち易いのです。そして、それはバイデン政権が一期で終わり、悪評をうけても関係ない。むしろ、そのためにバイデン政権を誕生させた、とさえ言えるのでしょう。つまり民主党支持層にとって、富裕層を叩く方がよく響き、トランプ氏が次期大統領選に出てくるなら、共和党支持層の嫌トランプ派が民主に投票してくれる。まさに今回の大統領選と合わせ、暴走する市場を抑止する上でも、バイデン氏が従来の主張、施策を打てる準備が整った、とさえ言える状況です。恐らく、ジョージアの再選挙まではそうした動きがでてこないだろう、だから今、11月の消費者物価が出てくる前まで沸騰させておくといった形になっています。




岸田政権の対応の拙さ

葉梨法相が辞任です。岸田派なので、守るかとみられたところでの一転しての辞任。政治資金規正法違反で揺れる寺田総務相まで飛び火しそうな勢いです。山際前経済再生担当相のときもそうでしたが、守りと攻めが、岸田政権では岸田首相の思いつきだけで決まっているような印象がある。それは旅行支援をオミクロン対応ワクチン接種者に限る、とした施策を、岸田氏の鶴の一声で見直したように、です。これでは岸田氏が何を考えているか? 誰もが懐疑的になり、自分から動きにくくなります。岸田氏に報告に行ったら、覆されるという恐怖、不安があるためです。岸田氏は自覚のないまま独裁者になっているのです。
統一教会の被害者救済法の党内取りまとめを、萩生田政調会長に依頼した、というのも性質が悪い。政調会長なので当然、と岸田氏は考えているのでしょうが、統一教会とずぶずぶの萩生田氏を、そもそも政調会長として使いつづける、という誤謬の結果でもあり、理屈が破綻しています。岸田氏は自ら『頭がいい』と考えていて、かつ鈍感力が凄い。自分が考えていることが一番、下手に弁が立つので、それを言い負かすことも周りができない。でもそれば、国民にとって不人気で、不都合なことが多い。そのことに本人の自覚がない、というのが致命的なのでしょう。大臣の辞任劇をみるにつけ、本人たちがあれほど否定しておいて、自ら辞めます、なんて通用しない。岸田氏は説明の機会を与えてから…と考えているようですが、むしろ政治生命を縮めるようなことをさせ、最後の最後に討ち死にを命じる、致命的な主君です。

今後、自民としては『岸田での選挙は嫌』という空気が蔓延するでしょう。岸田氏がそれを振り切るなら、年末年始の解散がみえます。広島G7に拘りがあるようですが、もしそこまで引っ張ってしまうと、どんな形でG7を終えようと、その後に岸田氏は引きずり降ろされます。今回、葉梨氏の失言で、すぐに党内の『閣僚経験者』とやらが致命的、大臣の資質に欠ける、辞任やむなし、という評を発したのも、まさに党内の岸田氏ではダメ、という空気を代弁した。そしてメディアがそれを取り上げやすい、と意識したものです。
つまりもう党内、メディアもポスト岸田に向けて動きだしている。支持率が30%台で、浮上の芽もない。恐らく今後も間違いつづけるだろう、という憶測がそうさせます。本人の資質がなく、かつ自覚もないのですから、周りがそう判断しているのです。岸田氏の鈍感力ですら、その空気を感じているでしょう。福田元首相のように「私は私のことが分かっている。あなたとは違うんです」とはならず、岸田氏は最後まで周りのことが分からず、何が失敗なのかすら理解できないのかもしれません。それは頭がよい、と自負する人間が犯す失敗のケースと酷似し、もっとも使えないタイプの上司の典型でもあるからです。後は、岸田氏が年末年始解散か、G7を過ぎて辞任か、というスケジュールに注目が集まってきます。

自民では、揮発油税の減少に伴い、走行距離税なんてことも議論されます。地方に強い自民が、それを語るのも結局、建設業界とのなれ合いで、道路をつくりつづけないといけないから。この国では統一教会ばかりでなく、自民はあらゆるところと癒着し、もうその粘着的なつながりは切りようがありません。将来的には、車の天井にペロブスカイト型太陽光発電装置をとりつけ、全固体燃料電池を搭載したEVが、車の大半を占める時代がくるでしょう。そのときまで自民党政権なら、別の税金が増えることになるのかもしれません。
統一教会を切れない自民、建設業界への利益誘導を止められない自民、そういう政党がこの国を牛耳っている。何度も言いますが、別に野党を応援するわけではありませんが、政権交代がきちんと起きる国にしないと、この国はもうもたないのです。政権の安定が国にとって重要、なんていう人物らがメディアに出ていること自体、この国の不幸です。米国がネジレをよく起こすのに、世界のトップに君臨する。そのことをよくよく考えに入れておくべきで、岸田政権の今後を見ていく上で、次の選択をしないといけないのでしょうね。




株式市場

上記したように、米10月CPIで市場は沸騰中ですが、問題は為替です。売り方が慌てて買い戻した、などという指摘もありますが、個人的には財務省の覆面介入が入らない限り、ここまで急な動きは起きないだろう、とみています。CPIで逆に動くことも想定され、財務省は身構えていた。どんな結果でも円買いを入れる、と決めており、それが大きな動きを引き起こした。その結果、ヘッジを越えて円が買われた。しかしユーロなど、他通貨の動きをみてもそこまで激しい動きになるはずもなく、また円売りが増えていたわけでもない。新たな主体が円を買わない限り、こうした動きは起きないはずなのです。
ただ、企業にとってこの為替の動きは明暗です。例えばトヨタ、SBGの決算をみても、ドル建て債務の大きいところは、今回の円安で為替差損を計上している。逆に、ドル建ての債務、社債をもっていないところは素直に円安で海外売上が上昇している。円安がプラスか、マイナスか、それは海外進出の程度、むしろグローバル化をすすめる上で、資金調達法の差によって変わってくる、ということが分かってきました。そうなると、一概に円安がよいこととはいえない。海外に進出していても、それが得か? とは言えないことが判明した。これからは個別の企業で、その選別をしないといけない、ということでもあります。

超楽観派、武者氏が最近またメディアに出るようになっています。彼が「円安で企業が日本に戻る」などというのを聞くと、何年前の経済理論? とさえ感じるほどですが、メディアが投資家を煽ろうとしていることが伺えます。一度、海外投資をした企業が撤退をするのは、それこそ露国のように戦争か、米中抗争の中で…というなら分かります。しかし円安で…とはなり得ません。日銀が態度を変えただけで円安は止まる、今回のCPIでさえ、これだけ円高がすすむ。減価償却さえ終わっていない海外投資から手をひく、という判断になるはずもないのです。安倍ノミクス開始で、安倍元首相が会議に企業経営者を引き連れ、投資を約束してから10年と経たず、国内に還流する。それはむしろ経営の失敗であって、もしそうなら企業価値は大きく毀損しているところでしょう。結局それは、株高要因とはなり得ない事情です。
そもそも、今回の米CPIでもコアはまだ6.3%の上昇で、10月雇用統計で時間当たり賃金が4.7%の上昇だった。むしろ賃金下落の方が下げ幅が大きく、国民生活はますます苦しくなっています。米国が本当に景気後退に陥るなら、今の株価は正当化できず、来年には大きな下落に見舞われるでしょう。どの道、資産インフレがすすむぐらい株高となるなら、バイデン政権の株式市場への鉄槌が下る。その前まで、楽観を愉しむ、ぐらいの気持ちでこの株高に付き合うのが、今は最善なのかもしれません。12月は雇用統計、CPI、の後にFOMCとなる。米国がその段階で、まだ楽観でいられるのか? というと心許ない限りです。




雑感

4回目のワクチン接種から、ふたたび体調が悪くなりました。3回目では全く問題なかったので、少し油断していましたが、正直今は体がつらいです。第8波も懸念されますが、これからはWithコロナの時代となり、逆にウィルスがかき混ぜられ、多くの人体の中でどんな変異を起こすか、分からなくなります。つまり、いつどんな変異が起き、人類にとって不都合なことが起きるか? その可能性が高いまま暮らすことになります。
日本では相変わらず、超過死亡が他国に比べて多いことが指摘できます。この国では、官僚が失敗を認めない、つまりコロナワクチンの副反応で死亡例があっても、それすら中々認めないのです。そんな国が、まともなコロナ情報を発信している、と考えるのは不可能です。ワクチンのリスク、変異のリスク、そうしたものに自ら注意し、そのリスクと行動を考えていかなくてはいけない。結局、それは経済活動を制限するのと同じであり、それを重視する人間が経済活動を控えたままでは、コロナ前に戻ることは決してありません。

コロナ禍で自殺が増えた、過食、鬱が増えた、という話の中で「人に会えないストレス」と語る人がいます。しかし「人に会うことがストレス」という人もいるので、この話は真逆です。つまり逆に「家庭の中にいることがストレス」だから、精神的な病を発症してしまう。そう考えた方がよいのでしょう。むしろ「身内を蝕む」方が、精神的には応えるということでもあるのです。家には帰らないといけない。外には出かけなければよいですが、家にはいないといけない。それを強いられることの方が、よほど強いストレスです。
今、世界がコロナを退治することを諦め、ある程度の犠牲を甘受しつつ、通常の状態へともどろうとしています。ただ、その結果、死亡者数が増えていくことも覚悟しないといけません。それが少子高齢化のすすむ国では、余計に大きなインパクトを与えるでしょう。日本、中国などです。だから中国ではゼロコロナを辞められない。人口ボーナスが一気に消えれば、経済成長なんて語るのもおこがましいほどの打撃です。コロナによって潰れるか、ゼロコロナで一先ず人口の減少を防ぐか、結局それが中国の陥ったジレンマなのです。他国のことを語るのもおこがましいですが、日本では少子高齢化の中、コロナによる死者数が上乗せされる現状は、より深刻でもあるのでしょう。若年層の重症化が目立ってきた、ともされます。これからは何が問題か、改めて考えつつ、日本のとるべき道を考えていかないといけないのでしょうね。

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2022年11月05日

10月5週の動き

日銀の限界

日銀の9月の金融政策決定会合において、金融緩和の必要性と、円安がすすむ中で丁寧な説明が必要、との議事要旨がでてきました。しかし9月で『説明』を指摘するも、現状までそれが為されたことはありません。ついに、一部の国債の銘柄で日銀の保有比率が100%を越えたことが話題です。つまり日銀が金融機関に一部、貸し出した分まで日銀が買ってしまった、という笑えない事実です。日銀の政策は明らかにもう限界です。
10月の株価は世界的に大きく上昇しました。FRBの金融政策が緩和的になる、との見方が支配的となり、それを株価が先取りしたのです。ただ今回でも分かったことは、まだまだ市場には余剰資金があり余り、暴走しやすいということ。つまりそれは資産価格を上昇させ、インフレを昂進させかねない負の影響となります。市場が期待し、資産価格を上げるとインフレが止まらず、金融緩和が遠のく。今、世界経済が減速する、一部ではマイナス成長に陥る、とされ、それが金融緩和へと道を開くと考えられていますが、景気減速とインフレ昂進が同時に起こることもあり得ることで、そのときは難しい金融政策を強いられるのです。

問題は、中央銀行が注目するコアCPIですが、米国では6.6%、日本では0.9%、だから日本は金融政策を変更する必要がない、とされます。しかし家賃などが動きにくい日本で、コアCPIに注目するのは些か危険に過ぎます。実質賃金がマイナスになる傾向がつづけば、やがて消費減退による景気後退がみえる。つまり円安、資源高により貿易赤字がつづけば、企業の業績が円安で押し上げられたとしても、賃金への跳ね返りがなく、実質賃金のマイナスがつづく。この危険性を考えれば、円安は日本経済にマイナスでしかないのです。
日銀が買える国債がない。そうなって政策効果が消えることは、日銀がこれ以上の緩和ができない、という極めて厳しい状況を日本に突きつけます。すでにイールドカーブコントロール(YCC)でも、10年債は抑えつけているものの、そこだけが沈み、YCの形が歪んできた。つまり最後のコントロールが効かなくなってきた。黒田氏がいうような、2〜3年はつづける、なんて現実的に不可能になってきているのです。逆にいえば、それを認めるのがいつか? という話になってきました。黒田氏が最後にバズーカを放って、華々しく散るのか? それともお尻をまくって逃げだした後、こっそりと政策を変えるのか? いずれにしろそれが、世界経済の趨勢にも関わってくるのかもしれません。それは余剰資金の行方、として…。



岸田政権の限界

経済再生担当相を辞職した山際氏が、コロナ対策担当になりました。安倍政権の一期目も、オトモダチを大切にし過ぎて選挙で大敗しましたが、それと同じ轍を踏みそうです。自民の人材払底も意識され、誰がなっても統一教会系、との認識も国民の間に広がるでしょう。大規模な追加経済対策も、大半が赤字国債に頼っている。英国のトラス政権が、大規模な減税をうちだして市場から鉄槌を下されましたが、日本でもそうしたことが起こる可能性があります。今は、日銀がそれを抑えていますが、それも風前の灯火です。
新発10年物の取引が成立しにくくなったように、日本も市場からNOを突き付けられる日も近いのでしょう。新発を日銀が購入し始めたら、財政ファイナンスだという非難にさらされる。市場機能が完全に壊れてしまうと、修復するのは数年を要します。そして完全に壊れたとき、それは岸田政権と手完全に壊れるのです。実は日銀と、岸田政権はもうぎりぎりの段階に来ていて、英国がそうであったように市場の暴走によって幕引きを迎える確率が高まっています。日本はその危機感が薄く、備えもない。今になって防衛予算には安定財源が必要、などということをのたまう時点で、終わっているというのが見えてくるのです。




米中間選挙

米国の中間選挙では、共和党の優勢が伝わります。バイデン政権のインフレ対応の失敗、が指摘されますが、インフレを発生させたのはトランプ政権です。バイデン大統領は、インフレが昂進しているにも関わらず、大規模な景気対策を打ち出してインフレを助長した。ただ、FRBも間違えていたように、米国ではインフレが一時的との認識が、政権発足時には支配的でした。逆にいえば、その認識の誤りが政権主導だったのか、FRB主導だったのか、それによって責任問題は変わってくる話です。ただ、そこまで一般の有権者は考えておらず、ガソリン価格の上昇やインフレで生活が苦しくなることに、より注目が集まります。
個人的には、民主党が勝利するにはバイデン氏が「次期大統領選には出馬しない」と宣言することだと考えています。トランプ前大統領が11月半ばにも出馬表明、などという話と、バイデン氏がもう辞める、という話が重なると、中間選挙の帰趨も変わるとみています。ただ、バイデン氏にそこまでの胆力があるか? なければ民主党は大敗するでしょうし、あったら善戦する。インフレ下の選挙とはそういうものです。

しかし問題は、米大統領選に関する日本の認識です。市場では、米国では大統領選の前年には上昇する、と語る人がいますが、それは大規模な経済対策を打つことが多いからです。しかし財政政策で大規模出動などをすれば、インフレが止まらなくなる。本当にできるのか? が問われます。財政出動がなければ、経済にとって支え役がいない。FRBが政策金利を止める程度では、経済の低迷が見えることになります。
10月雇用統計で、前年同月比の時間当たり賃金が5%を割れ、4.7%の上昇になりました。まだ賃上げが続いている、ともいえますが、コアCPIに届いていない。生活はますます苦しくなっています。小売りなどが年末商戦を前にしても人員確保に動かず、また莫大な在庫を抱えている、ともされます。それが影響してか、中国からの航路が著しく運賃が下がっている。米国がモノを買わず、中国も出荷できない。そんな環境も見えてきます。これは世界経済の2トップ、米中の景気が悪化する兆候がある、ということです。こんな中で、米選挙で現職が強いはずもなく、来年には大変なことが予想される。誰がそれに対応するのか? という点がこの中間選挙後、問われることになっていくのでしょう。



北朝鮮の動き

最近、北朝鮮がミサイル発射や、韓国領空侵犯とみられる行動をとり続けています。米韓軍事演習に反発して…といいますが、ロシアにもミサイルを撃ったといい、逆にこれだけ演習だといっても、ミサイルを撃てば戦線を維持する、実戦装備のミサイルも減っているでしょう。逆にいえば、露国に高くミサイルが売れ、今後もそれがつづきそうだから、北朝鮮ではこれからミサイルの量産体制に入るのかもしれません。
つまり、今が脅威なのではなく、これから静穏期を迎えて、量産できたときの方が真の脅威です。しかしマヌケな政治家は、今を慌てて何もないときに油断し、何もしなくなってしまう。結局、だから今さら防衛予算の増額、なんてことを議論しなくてはいけません。GDPで何十倍もの規模をほこる日本が、北朝鮮の軍事行動に怯えないといけません。それは仮想敵国を、北朝鮮におきながら北朝鮮の行動にもついていけてこなかった、すべて現政権与党の責任、といえるのでしょう。まさに安倍政権以来でも10年、何をやっていた? というレベルです。まさに統一教会を通じて、北朝鮮に支援をしてきたのであって、本末転倒です。

Jアラートの不備、などが語られますが、ミサイルの発射から数分後にでたとしても、国民のできることは限られます。昔から、核シェルターの備えがない、と指摘され、日本ではそれを放置してきた。安倍政権では『頭を抱えてしゃがむ』とか、訳の分からない対処法も語られましたが、そのころに核シェルターを増やしておいたら、まだ逃げ込んで助かる人が数%でもいたかもしれない。これも不作為の結果です。
こんな状況で、拉致問題など解決は夢のまた夢。結局、それも安倍政権以来のずっと不作為をしてきた結果といえます。北朝鮮を透かすと、日本が如何に国防、外交という点で失敗してきたかが見えてくる。まさに北朝鮮が鳴らすJアラートとは、日本への警鐘となっているのでしょう。これできちんと政治が対応できるのか? 今の岸田政権では、その議論や中身をみても心許ない。すでに北朝鮮からスルーされ、歯牙にもかけられていない日本が、中露と対抗するなんておこがましいレベルになってしまっているのが現状でしょう。



株式市場

今、米国ではパウエル議長が金利上昇が予想以上に高くなる、との指摘から一旦は下がったものの、昨日の米雇用統計でも米株は12月0.75%なのか、0.5%なのか、で株価も揺れ動きました。個人的には0.5%だとみていますが、それは世界的にECBのラガルド総裁が、FRBに追随できない、とするなどの動きもあって、米国への圧力が強まってきた影響だと考えています。さすがに3倍速を4回も行えば、その効果を見極める時間も必要です。ただ、それこそ最終の到達点が5%で済むのか、6%までいくのか? 今、市場は2年物は5%へ接近していますが、10年物は4%を少し超えたところで、まだ年後半には利下げ開始、を捨てきれていません。それが市場を支えており、FRBの主張を反映しているとは、到底思えない段階です。
FRBとしては、市場が暴走してインフレが止まらないのを避けたい。なのでパウエル氏がタカ派発言で釘を刺した。でも、市場はそれを信じていません。しかし上記したように、大統領選の前の年は株高、なんていうアノマリーもインフレ下では難しく、今はそれを織りこめないのも、結局は金余りだからです。

その金余りを生んでいる一つの要因が、日銀の緩和姿勢。円キャリートレードなどともされますが、それが続く間は、市場が暴走しやすくなるのでしょう。それは上にも、下にもです。今回、10月にここまで上昇したのも、市場が期待に期待を乗せた結果です。そして、その期待はアジア系の方が強い。すでに東南アジアでは、為替介入をしすぎて外貨準備の不足に見舞われる国が多い。大体、3ヶ月の貿易総額分を外貨準備としてもつのがよい、とされていますが、その水準を割っており、米国が金融政策を止めてくれることへの期待が高い。そして日本でも、やたら市場が上昇する、という予想が多いこともそうなのでしょう。
来週、米CPIでその市場の早期利下げ期待が盛り上がるかどうか? 米中間選挙の結果は? などこれからは少々読みにくい展開がつづきます。本来、米中間選挙の前に下がるから、その後の上昇が大きくなる、というのがアノマリーでしたが、先に上がってしまっているので、今後の読みが難しくなった、ともいえます。しかし、恐らくFRBは今回の動きをみて、市場から資金を消さない限り、市場が暴走し、資産インフレが続く限りはインフレが続きやすい、とも気づいたでしょう。まだ米国ではダウ、日本では日経225型が強く、逆に言えばそこに拘って上げる主体がいる。その継続度合いと、その主体が急に弱気になったとき、そんな形で上下動の幅を大きくすることが予想されます。努々、一方向の意識をもたないよう、流れの転換を見極めて早くつく、ということを心がけていくことを忘れてはいけないのでしょうね。

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2022年10月29日

10月4週の動き

岸田政権と統一教会

山際経済再生担当相が辞任、事実上の更迭、などと報じられますが、続投も辞任も岸田首相による判断一つだったのであり、山際氏を継続させることで結果的に萩生田政調会長や、麻生副総裁などの立場を守らせた。政策協定の話がでてきても、自民はそれを調査しないなど、やっぱりずぶずぶということが鮮明です。調べたら、闇がでてくる。安倍氏など、票を差配するぐらいずぶずぶだったのであり、それこそ安倍晋三ビジネス、安倍氏に頼ったすべての動きはすでに崩壊しているのに、まだそれにすがろうという浅ましさです。
安倍支持系の2つの雑誌では「岸田政権に質問権」「(統一教会からの)脱会屋の方が問題」と、統一教会擁護を鮮明にしてきた。つまり安倍氏そのものが、統一教会と深い関係にあり、この2つの雑誌もそこに頼ったビジネスをこれからもします、もう隠しません、との宣言にもうけとれます。そして安倍政権を8年もつづけたように、自民も統一教会まみれ。そして、未だにこの2つの雑誌に寄稿をつづける産経の記者をみても、産経新聞、フジTVも統一教会まみれ、ということを意味します。そして、安倍政権を批判、もしくは口撃すると電凸など、嫌がらせをしてきたのも、統一教会系の仕業? とも勘ぐれる事態となってくるのでしょう。

安倍支持層は、保守でも何でもない、とはこれまでも指摘してきました。いうならばネオ保守、保守という形ではなく、独自の判断基準、思想をもつ。それが明らかになる統一教会の教義と、ぴたりとくるのです。よほど強い動機、行動力がない限り、わざわざ支持する政党、政権だからといって、犯罪に問われかねないことを平気でするとは思えない。しかし、無辜の献身を求める統一教会の信者なら、そうする動機は十分です。そして、この2つの雑誌を購入し続ける動機もそうでしょう。そういう相手だからこそビジネスになる。だから嘘くさい論説でも、インチキなジャーナリストでも、この雑誌には登場し、寄稿できます。
それは統一教会の教義、方針と合っていればできるのですから、これほど楽なことはありません。そこには大量の買収行為で、公選法違反に問われた河井元自民党議員もいる。安倍氏の秘書が選挙指南をした選挙で、公選法違反とされた河井氏も、です。以前、統一教会から批判をうけ、反発したミヤネ屋、沈黙したひるおび、という対比もありましたが、ひるおびは「オマエたちだって、オレたちの仲間だろ?」と、大して批判もしていないのに攻撃をうけたことで、黙ってしまった。そして、この手法が通じる、と思ったのか、ジャーナリストなどを法的に訴える、という手法にもでてきました。これも統一教会の態度として整合がある。自分たちに不都合な相手を攻撃、口撃することで利を得る手法でずっと彼らはやってきたからです。

もし、岸田政権が本気で、統一教会をつぶす覚悟をもつなら、統一教会は強く岸田政権を『口撃』するでしょう。それがない、未だに『脱会屋』だの、『政教分離がおかしい』だの、『質問権』という言葉で済ますうちは、統一教会にとって痛くも痒くもない。メディアに対して圧力をかけ、世論さえ収めれば生き残れる、と考えている。それがよく分かる、一連の動きともいえるのでしょう。しかしその岸田政権が青息吐息です。



岸田政権の不都合

年金改正で、5年の納付期間延長、などという話がでてきました。株はこれから上がりにくい、債券は価額がどんどん目減りし、金利収入以上にその価額の低下により、大きな損を被ることが明らか。今後、運用難に陥ることが明らかなので、今のうちに納付を増やそう、というのが今回です。よくファイナンシャルプランナーなどが、年金は大丈夫、お得などと言いますが、年金は制度として破綻することがなく、逼迫すれば納付を増やして給付を減らせばいい。つまりその他の年金保険などでは、契約者側に対して、一方的に制度変更などできません。しかし年金はできてしまう。だから制度が安定する、というだけで、だから生活が安定する、というものとは真逆です。年金制度に信頼がない国、だから国民は貯金を殖やします。
今回、29兆円規模の経済対策、などがでてきましたが、これも評判が悪い。例えば電気料金の補助も、1kwの使用量に対して一定の補助がでる。すると、使えば使うほど、補助をうけられる割合が高くなります。節電を促した家庭への補助も、ずっと節電を頑張ってきた家庭は、昨年と比べて節電率は低い。一方、野放図に電気を使用してきた家庭は、今年だけ少し頑張れば補助がうけられる。良い人間がバカをみる、という制度です。制度設計に失敗していて、しかも財源は借金。いつか子孫が返す仕組みです。今、とりあえず有権者の歓心を買いたいから、お金をばら撒く。極めてスジの悪い制度が、今回の経済対策です。

財務省が積み上げ、25兆円程度だったものが、自民によって差し替えられた、というのもスジが悪い。結果、臨時国会がはじまってから、提出まで時間がかかってしまった。しかも、円安で逆に政府の予算が足りない、などという問題もでてきている。今の為替介入には、外貨準備が用いられているので、問題ないとしても、逆からみれば円安は政府にとって不都合だから、為替介入を繰り返している、とも見えるのです。
日銀が昨日の金融政策決定会合で、ETFの運用に関してルールを変える、と発表しました。運用委託費が高くて、ただ購入する資金ばかりか運用でも大きな損を抱える。それをほんの少し是正する、という改定です。しかし一時期より、価格が下がった株価などをみても、これから日銀に不都合なことが起きるのは明らか。そしてそれは、同時に年金にも波及する。すなわち株も、債券も、年金と日銀がもち過ぎていて、価格が下落すると両方が一気に経営難に陥る、ということでもあるのです。だからこのタイミングで、年金制度を見直すしかなくなった。そして日銀も…という流れになるでしょう。そのとき、日本にとって本当に不都合なことが見えてくる。いかに危険な状態の上に、胡坐をかいていたかがよく分かるでしょう。




日銀と為替介入

21日、財務省が米早朝の時間帯に、為替介入を行いました。5兆円をこえる規模とされ、24日の日本時間の8時台にも介入を行いました。注目すべきは、21日にWSJ紙が「11月のFOMCで、12月から利上げペースを緩めることを協議」と報じられた点です。まるでそれが分かっていたように、日本政府が週末をはさんで円買いを入れた。元々、WSJ紙には、FRBの広報官と呼ばれる記者がいて、FRBから直接情報を得て、記事を書いているともされます。これが市場に大きな力を与え、今週の米国は株高、債券高となっています。
しかし、そもそも12月は0.5%の利上げが市場コンセンサスで、0.75%から低下する見込みでした。つまりそれを裏付けたに過ぎない。CPIや雇用統計もみないうちに、協議するという判断は、結果的にその後の指標で変更もあり得る、という話です。なのに、市場がここまで楽観に触れたことに、とある噂が流れています。

それは、日本政府はWSJ紙にその記事が載ることを事前に知っていた。しかも先週、やたらと「日本時間しか、政府・日銀は介入できない」と言及する記事が増えたこと。つまり、サプライズ効果をだすためにそうした観測記事を流させ、記事がでる米時間を狙って、介入したというのです。さらに、その効果を上げるため、米国債とダウ、という指数を『日本政府の依頼』で買う。どこが? それがSBGだというのです。
今週、特徴的だたのが、米株市場でも中国企業の株が急落、上海市場など中国株も急落、中国に大量の貸し込みを行っているSBGの株が軟化してもおかしくなかった。しかしSBGの株はぐいぐいと上昇し、年初来高値を更新し続けた。Fリテ、東エレなど、指数寄与度の高い銘柄も合わせて上がるので目立ちませんが、これは異常で、異例です。しかしSBGが中国から資金を引き揚げ、それを米国債、米株の指数を買いにふりむけ、日本政府が円買いをした一部を、SBGなど日本株の下支えにつかう。そんな動きを、市場では噂されるのです。




株価の動き

上記のことは、あくまで噂で実体は不明です。しかし今週の動きが如何に不自然だったか、それを説明する動きとして、傾聴に値すると感じて、備忘録として残しておきます。しかも、ここにきて中間選挙後の来年、米株は好調と語る人がやたらと増えたことも特筆されます。しかし英国で起きたように、野放図な財政拡張はインフレを招く。減税も同様です。つまり経済政策は縛られるので、大統領選挙の前だろうと、経済対策を打つ手は限られ、またバイデン政権は就任当初に打った、多額の経済政策で、大混乱を招いたといったこともある。それが来年、何かできるとは思えず、かつ選挙の結果すら見ていない段階でそれを語るのは異常です。
しかし、上記のように日本政府と、一部の企業が組んで株価押し上げをする、原動力にはなったのでしょう。しかも、もしかしたらこの動きは、米政府も了承済み。逆にいえば、日本政府がここまでのことを約束したから、米政府も口出ししない。ただし、日本政府が外貨準備として運用する、米国債の売却にまで踏み込むと、米政府とて懸念を表明することになる。またイエレン財務長官が、日本の為替介入を「知らない」と語り、日本の財務官が「了承された」などというのは、もう喜劇のような話です。もし、米政府が日本のこうした動きを知って、言及を避けたとも見られ、暴露されたときには責任逃れをした、ともうけとれます。

米企業決算に関しても、IT関連が弱かった。それはドル高、との説明もされますが、米製造業にはそれほどの影響がない。これは、製造業の方が為替予約など、長期の契約が多いことも影響するのでしょう。売上に直接、為替が影響するIT関連は早めに出た。すると、来季の米企業の業績にも、間違いなくドル高の影響がでてきます。そうなると、益々今週の異常な動きが何だったのか? という話にもなります。
日本では、未だに来年の景気は好調、という意見の方が支配的です。だから株高も正当化されますが、FRBの利上げペースが下がろうと、インフレの状況によっては0.25%程度の利上げはつづけないといけないでしょう。0.75%の利上げ、というのが異常なハイペースであって、それが下がったところで利上げのピークが見えた、などというのは時期尚早な話です。結局、そうした言説でしか、今の動きを説明できないのです。そして、こうした説明ができない動きは、必ず修正されるという点においては、あまり今週の動きに左右されず、来週のFOMC、雇用統計の動きなどをみていかなければいけないのでしょう。




露国の動き

露国から、急に「ウクライナが汚い爆弾をつかう動き」などと報じられました。しかし、取り戻すとしているウクライナ南部で好調な戦局のウクライナが、わざわざ領土を汚す必要はない。一方で、編入した土地を奪い返される露国にとっては、どうせ敵にとられるなら汚してしまえ、という選択肢がある。まさに露国はそのための布石を打っている、ということなのでしょう。小型核など、露国が試し打ちをする可能性は十分にあります。恐らく、風向きなどからみて、露国領内への影響をふくめて検討中なのでしょう。
しかし、露国が核をつかえば、それこそその影響は計り知れません。核保有国による使用が解禁された、と受け止められるためです。露国が完全な敗北をしない限り、核使用に対するハードルが下がってしまう。もしそれが起きたとき、世界は震撼しますし、あらゆる市場が動揺することが確実です。露国が死なば諸とも、で世界中の市場を壊すことも十分に可能性としては高い、といえるのでしょう。不透明感を高める世界、変な楽観をもって裏切られるより、警戒を高めておく時期に、今はあるのでしょうね。

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2022年10月22日

10月3週の動き

岸田政権の統一教会対応

臨時国会が開会し、いきなり岸田首相が質問権を発動し、統一教会への規制に前のめりになりました。ただ、刑法適用か、民法でも十分なのか、で混乱したように、準備不足を露呈する。つまり岸田氏はやる気がなかった。河野消費者担当相が、人気取りで有識者会議を開いており、提言をだす前にやらざるを得なくなった、などとも言われますが、重要な点は岸田氏にやる気がなかった点。慌てて「やります」などという態度で、本気で宗教法人格を外せるのか? 改めて問われます。以前も指摘したように、岸田氏としては統一教会の献身をひきだして、選挙に勝ちたい。結論がでるまで半年、その間に選挙をして、自公維で勝てばその追及の手を緩める、と統一教会側に約束する可能性があります。まだまだ予断をゆるしません。
自民党議員との間に、政策協定という話がでてきました。こうなると、もう政教分離すら蔑ろにする事態です。これまで、個人の信教の自由はみとめられるから、個人で活動する選挙協力は問題ない、という認識でしたが、団体と政策協定を結んだのなら、政治と宗教が協力した、となるからです。自民党はこれまでも、政策に影響しない、としていた説明が嘘になる。先の調査では、全く事実が明らかになっていない、という問題とともに、政策協定の問題は政教分離への違反、として憲法違反すら問われるのです。統一教会側は天宙平和連合(UPF)という別組織だ、などとしますが、一体であることは誰の目から見ても明らか。つまり自民は、憲法違反をした議員をどう処分するか? それがこれから問われていくことになります。

安倍氏の国葬に対して、「国賊」発言をした村上自民議員を、1年間の役職停止処分に自民は速攻で処断しました。逆にいえば、自由な意思表明に対して、自民は封殺した。表現が過激、というだけなら注意でよかったはずです。それを役職停止、という処分を下したのですから、ではこの憲法違反に対して、甘い対応で済ませていいはずがない。UPFは宗教団体でない、UPFと統一教会のつながりは知らなかった、などという説明は最早通用せず、これだけ多くの議員が関わっているのですから、ほとんどの議員が政策協定をむすんでいた、とみて間違いありません。そしてそれは、票を差配していたとされる安倍元首相も同じです。
つまり「国賊」発言は、正しかったことになる。憲法違反をしていた、韓国系の団体と政策について協定を結んだ、というのだから、まさにそうなるでしょう。つまり、正しい発言をした人物を、自民は処分してしまったのです。一方で、憲法違反をした議員を何も処分しなかったら、党としての態度を問われるでしょう。もし、次の選挙で自民が勝利したら、益々この国の規範、順法意識は希薄化されていく。犯罪組織が跋扈する。岸田氏にそれを是正、改善する意志が全く見えない点が、かなり気がかりです。



為替の介入と、日銀が日本を殺す日

昨日も、日銀による円買い介入が行われました。わざわざ米時間帯、しかも米国では朝という時間帯であり、為替市場が薄くなっていた時間にぶつけた。まだ正式には分かりませんが、13日の覆面介入は1兆円規模とされ、1円近くしか動かなかったことからみても、7円動いた今回は3兆円クラスの介入とみられます。
ただ、米時間帯に3円ももどしており、来週の日本時間にはもっと円売りがすすむとみられます。正直、今の水準感はもう壊れていて、円安がどこまですすむか分かりません。対ドルで200円まで進む可能性だってあるでしょう。それは政策を間違えつづけているのですから、そこを改めない限り、壊れた市場は改善しないのです。以前も指摘しましたが、今は金利差に注目が集まり、利上げする米国と現状維持の日本で、円安がすすみます。でも、これが将来的に、ドルを吸収する米国と、円を放出する日本、という資金供給量に注目が変化するかもしれない。そればかりか、日本を破綻させかねない問題がそこに孕みます。

米国では、FRBが国債放出と金利上昇を、同時に行っています。これは強烈な金融引き締めとなりますが、こうすることでFRBは利上げで価額が下がる国債の持ち分を減らし、評価損の計上を少なくできます。一方で、日銀がこれから引き締めに転じるとしても、恐らくYCCを維持したまま、その水準を変えるしかありません。逆にいえば、もし国債の無制限購入を止める、購入量を制限する、とする策を先に打つと、長期金利はすぐに2〜3%へと上昇するでしょう。9月の消費者物価が3%、そちらに合わせに行くはずです。
すると、国債は金利と年限の見合いで価額が決まるので、国債は暴落です。年金、金融機関などに多大な損失を引き起こしますが、最大は500兆円を保有する、とされる日銀が、最大の損失を被ることになる。しかも、その損が拡大する国債を、日銀はさらに購入しつづける、という悪循環に陥ります。つまり日銀は評価損を計上しつづけ、その経営すら危ぶまれる事態となる。こうなったら、円安は止まらなくなります。

つまり日銀が政策を転換する、となるときには暴落を避け、少しずつ金利を上昇するしかない。YCCによって、長期金利を0.5〜1%まで変動幅を高め、一旦はそこで止めるしかない。それとて、日銀には巨大な差損を生じさせるので、経営不安を招きますが、それ以外では引き締めに転じる術がないのです。しかし、国債の無制限購入はつづけないといけない。そして、それを見越して多くの金融機関は国債先物を売る。ナゼなら、将来的には価額が下がることが見え、それがよい収益機会になってしまっているのです。
だから売りが止まらない。日銀がそれを必死に食い止めれば、日銀の経営不安につながる。それを食い止めるため、紙幣を刷りまくれば、さらに円が暴落する。円安はすでに、日本経済にとってマイナス、とれますが、それも安倍ノミクスの影響です。安倍元首相が、企業経営者を海外に連れて行って、工場移転などを促進してきたため、輸出で稼ぐのではなく、海外でつくって海外で売り、それを通貨安によって企業は収益改善と見せかける構造に、変わってしまったのです。その結果、円安になると4〜10月の半期で10兆円をこえる貿易赤字。これも円安を促す。黒田総裁は、安倍ノミクスの最後のアンカーともされますが、まさに安倍政権時代に始めたことで、日本が死に体になってきた。日銀が日本を殺す日…。それを起こさないため、介入によって為替を支えるしかない、というのが今の日本の実情ともいえるのです。



株式市場の動き

今週、ナゼか指数関連の動きが盛り上がり、一部が日経225型の買いを入れていました。その結果、Fリテ、SBG、東エレなどの寄与度の高い銘柄が高くなる、という現象も生まれた。これが今週の市場を支えました。ただ、米国でもNASDAQではなく、ダウの指数関連で買いが増えて、高くなる傾向もあった。つまり日本だけではなく、日米でこの動きが起きていて、市場の水準が保たれた、ということになります。
現状、その理由は不明です。来年を見据えた動き? とするには早すぎる。新規資金の流入も観測されていない。買い方がそうしているようなので、何らかの戦略の転換があった? ともみられますが、今は説明がつきません。米国では21日が指数関連の算出日なので、その影響? とも考えられますが、こうした説明のつかない動きは、短期で終わるでしょう。来週止まる、とは断言しませんが、月内には終わるはずです。

そう予想するのは11月FOMCが控えるから。今、0.75%の利上げが有力視されますが、米国のインフレに変化がなく、住宅販売は低迷するのに、価格の上昇が止まらない、という奇妙な事態も起きています。これは家賃という形でインフレを進めるので、未だに利上げを止めることができない。恐らく予定通りにすすみます。
問題は日銀です。黒田総裁は「バズーカ」とする、市場にサプライズを与えることで金融政策を打ってきた。円安を止める術は、市場にサプライズを起こすことでしか、止められない。そうなれば、引き際にサプライズを行ってくる可能性は十分に高い、とみています。逆に、今は黒田氏退陣まで、この緩和は変わらない、という考えが強いために、そのサプライズが効きますから、そうした認識が広がるのは好都合ともいえます。一方で、それは株式市場にはネガティブな材料です。ここから半年、そのサプライズを警戒する流れが強まると、株式市場は調整する。一方で、それを意識しないと、いざ起きたときには急激な動きが引き起こされる、といったことも意識する必要があるのでしょう。いずれにしろ、年末の株価や、年度末の株価、なんて予想をする人もいますが、こうした日銀の態度にも大きく左右される点は、十分に意識する必要があります。




英トラス政権の退陣

よく「市場の勝利」などともされますが、経済・財政政策が滅茶苦茶な政権が誕生すれば、市場から退陣を迫られる。しかし、勝利したのは市場ではなく、一部の売り方だけです。市場参加者には売り方も、買い方もいるので、恐らく英政権と同時に負けた市場参加者もいる。年金基金もそうでしょう。恐らく英金融機関や、保険会社、投資信託などを購入していた人も、負け組でしょう。トラス政権はそういう人たちをも敗北させた。「完遂する」が口癖だったトラス政権が、2ヶ月で退陣の憂き目を見たのも当然です。
翻って日本。岸田政権も「やり遂げる」といった言葉を用いますが、今のところ言葉だけ踊っている状況です。そして資産所得倍増、などと表明していますが、日本人の個人投資家は今や、為替市場で順張りになった。これは円安傾向では、その流れについて円を売る。これも投資であり、岸田政権の推進する投資を始めたら、岸田政権から「投機」扱いされ、為替介入で叩き潰される、という痛みを負っています。

安倍政権時代から、政権の語る「投資」は単なる長期投資だけを指す、という傾向が強まります。しかし売りだって投資であり、それを叩く今の岸田政権の方向性に、正当性はありません。日銀が市場に資金を供給し続け、その結果で不規則な動きを引き起こし易くなっているのです。例えばレーザーテック。半導体関連銘柄として、昨年は爆謄しました。しかし企業の規模、売上などからみて割高、と判断した人が売る、でもさらに上昇する。つまり上がる、という方向に順張りした方が儲かるから、水準を越えても上がります。
今の円安も同じ。円を売った方が儲かる、と思う人が多いから、為替市場も順張りとなった。もうそうなるとファンダメンタルズや、節目なんて関係ありません。だから円安とて、どこまですすむか分からなくなっているのです。「市場の勝利」なんて、そんなものはない。「市場に敗北した政治」という言葉が正しいのです。そして減税やら、インフレ対策費用だとか、観光推進策だとか、そんなことをやって、財政をさらに痛めようとする岸田政権が、「市場に敗北した政治」になる日も、そう遠くはないのでしょう。

一部に、日本は対外純債権国だから、海外資産は400兆円以上あるから、などと大丈夫な理由を語る人もいますが、はかない理由といえるでしょう。財務官は「為替介入の原資は無限」などと発言することも、その裏で紙幣を刷りまくるなら、結果的に円売り材料にされかねません。一時的な動きを止めることと、大局的に日本の円売りを止めること。それが同時にできなければ、「市場に敗北した政治」に陥るのです。
最早、岸田政権はその道にまっしぐらに見える。それを止められる術はなく、また自己修復して改善する見込みもありません。インフレが岸田政権にプレッシャーを与え始めた。そのとき、日銀の態度が改めて問われます。テレ東の滝田キャスターが、立民の議員が黒田総裁に対して「辞めろ」と発言したことを「日銀の独立性を叫んでいた政党が、そんなことを言うな」と批判しましたが、そもそも黒田氏が政治と癒着し、独立性を蔑ろにしているのなら、立民が辞任を要求して当然です。こうした齟齬をメディアが起こし、正しい認識を広げられない今、市場とて暴走するのは已むを得ないのであって、そこに力を与える金融緩和をつづけながら、それを止めるというのも土台無理な話です。岸田政権が陥ったジレンマ、むしろ地団駄、といった方がよいのかもしれず、その死のステップを踏みながら、トラス政権のように市場に踊らされる。二の舞を岸田氏が踏むようになる日も、そう遠くなくなってきたのかもしれませんね。




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2022年10月15日

10月2週の動き

国葬と安倍政権の評価

国葬が12.4億円と発表されました。でも、これは行政内の付け替えで下げることが可能で、恐らく岸田政権では、贅沢批判が出ることを怖れ、過小に評価したものでしょう。重要な国際会議並みの体制を敷いておいて、この程度で済むのなら逆に、国際会議のときは過剰に費用を計上していた疑惑すら生じます。主要な要人が来なかったから接遇費が減った、などというのはまやかしで、もし本当にそうならインド、豪州の首相にも失礼でしょう。岸田政権には、こうしたゴマカシ、マヤカシ、不誠実な態度が目立ちます。
例えば爆笑問題の太田氏が、批判に晒されるのは単に統一教会寄りだから、ではない。人間を怒りに駆り立てるのは『騙された』という感情です。安倍政権でこれまで語られていた評価、それらが虚構だと気づかされた。安倍ノミクスは超インフレ政策で、実際にインフレになったら生活が苦しくなっただけだった。外交も、国葬のメンツをみれば明らかなように、真のトモダチなんていない。国益にすらなっていない。長期政権とやらも、選挙の強さは統一教会の献身的な活動の結果。すべてが虚構に塗れ、これまでの安倍支持層が、アンチ安倍に切り替わっているのです。爆笑問題の漫才も、安倍政権になってからつまらなくなった。それは安倍元首相に配慮し、切れ味の悪くなった政治ネタなど面白くも何ともありません。そして、ここで安倍―統一教会を擁護する姿勢は、まだ自分たちを騙すのか! という怒りにもつながってくるのです。

これはメディアも同じです。メディアが語る安倍像が、本当に正しいのか? これまでずっと『騙す』側だったのでは? そんな懐疑も漂います。未だに『正論』などの雑誌で安倍擁護を繰り広げる産経系、安倍支持系の雑誌も同様です。そもそも安倍支持系の雑誌に、何度も産経の記者が寄稿するなど、蜜月を築いてきた。そのすべてが『騙す』側、に見えるのです。これは他のメディアも同様ですが、改めて新聞、TVなどの立ち位置が問われ、今もってその報道が少ないところは今後も厳しい目が向かうことでしょう。
そこに来て、岸田政権はなお姑息に国民を騙そうとする。統一教会の問題は、未だに決着すら見えません。『騙す』側が、未だに手をむすんで国民を『騙す』ように見える。だから岸田政権の支持率下落は止まりません。国葬の費用とて、後に真の費用などが暴露されると、岸田政権は終焉を迎えるのでしょう。




岸田政権の末路

岸田政権は、上記の問題ばかりでなく、マイナ問題まで抱えました。実質、強制という今回の健康保険証、免許証との統合。安全性が高まり、つかってもらって大丈夫です、というならまだしも、中途半端なまま強制する。これでは不便…ばかりでなく、犯罪の温床となるでしょう。例えば、今は旅行先で病気、怪我により病院にかかり、保険証がなくても後でコピーを郵送すれば事足ります。しかしマイナカード、暗証番号がないと、ダメとなったらまたそこに行かないといけない。あそこで病院にかかったのは私です、との証明が極めて難しくなり、逆にそこで詐欺が起こり易くなるでしょう。それを防ぐため、マイナカードを常時携帯するなら紛失、窃盗、読み取り被害に遭いやすくなります。例えばクレカ以上に、利用を国の方で管理し、詐欺などに利用された場合はすぐに使用を停止する、といった体制が本当にとれるのか? とるのか? そこに国は何の答えも示さず、統一教会を跋扈させたように、詐欺集団を喜ばす策にしかみえないのです。
恐らく、岸田政権は早々にレイムダックになります。年明け解散、といったことも想定される。統一教会に打撃を与えてから、選挙になると自民の大敗も予想されるので、統一教会の協力を得ながら選挙をするためには、早めにするしかありません。国民の怒りを忘れさせるためには、時間をおいた方が有利ですが、その場合は統一教会に鉄槌を下せないまま、ずるずると時を過ごすことになり、党内からの不満も高まります。

これまで安倍政権でも、勝敗ラインを「自公で過半数」と、やたらと低くおいて安全サイドにふってきた。恐らく岸田政権も同じような戦術をとるでしょう。そして政権として禊が済んだ、として統一教会はこっそりと制裁をかけ、それで妥協して問題に幕引き。逆に言えば、それ以外で岸田政権が長期化できる見込みはないのです。ただ、ここで起きてきたマイナ問題は、さらに岸田政権の息の根を止めかねなくなりました。
よく北欧では…と、国民総ナンバリングの正当性を語るムキもありますが、政治、行政への信頼度が違います。信認を失った岸田政権が、国民に不人気なことをごり押しする。そんなことをすれば、さらに倒閣運動を招くだけです。おかしな話、岸田氏はもう国民の方をみておらず、官公庁の方をみて政治をはじめたようにみえる。それは首相の座を退いた後も、官僚と手をくんで隠然たる影響力を行使したい、という思惑です。どの道、その過程で使い捨てになるのが担当の河野氏であって、突破力などといいますが、その手法は言葉を変えれば『単なるごり押し』です。もし河野氏がトップになっても、同じことをするなら、国民に不都合なことを『単なるごり押し』で強行される懸念を、国民の間に想起させた、とも言えるでしょう。




世界経済の行方

今週になって、急に世界経済の懸念、という話がでてきました。とっくに市場の裏では語られていたことですが、IMFの年次総会など、海外発のそういう話が伝わってきて、言及せざるを得なくなったという顛末です。英国では財務相の更迭など、未だに迷走がつづく。大体、富裕層への減税など、トリクルダウン理論(富裕層を豊かにすれば、富が下流へと流れる)というものは、まやかしだったと国際的に評価され、逆に格差拡大が経済を下押しする、という問題に直面する中、逆行するのですから迷走としか言いようがありません。
米国の利上げが、新興国に波及…という話にしても、米国が利上げする局面ではこれまでも分かっていたこと。実際、その兆候が見え始めてやっと言及するなど、遅きに失しています。かといって、インフレによって米国経済が失速すれば、それもまた長期の世界経済の低迷を引き起こす事態となるでしょう。今や、大国を守るか、小国を守るか、その二択であって、どちらも守れるような方策は存在していません。そして守ったところで、どちらも傷を負う。無傷で来年も…なんていうのは、幻想にすぎないほどなのです。

IMF理事も「嵐はこれから」や「来年は大きなトラブル」と言及する中、ナゼか日本では来年も景気がいい、という人が多い。IMFの景気見通しでも日本は1.7%成長から1.6%成長と、0.1%しか引き下げられなかった。ただ、IMFは各国からの情報提供をうけ、そう判断しているだけであって、実態を映しているわけではありません。円安で収益が上がる、という日銀の方針とは合致しますが、恐らくか細い望みに過ぎません。
英国では年金基金が国債を投げ売っていた、という話もある。同様のことは各国の年金基金、それに外貨準備による目減りにも当てはまります。国債の価額が下がる、というのは多くの投資主体にとっても恐怖です。そしてそれが、世界経済をさらに下押しする。不規則な動きを引き起こし易くする。日本だけ、金融を引き締めていないから大丈夫、なんていうのは幻想です。もし本当に、その理屈が通るなら、今焦って引き締めをしている世界の方が愚か、となります。世界経済は間違いなく来年、大変なことが起こります。




日本株の行方

米9月CPI発表後、米株が急騰したことであく抜け、なんてことをいう人がいますが、とんでもありません。米国ではNASDAQが10000pt割れを試すタイミングで、トリガーが入った。それで売り方が一旦、買い戻したのが真相です。こうしたトリガーは、重要な、心理面でも大切なポイントで仕掛けられているもので、ダウも以前の30000$割れのタイミングで、一旦はもどす動きをした。NASDAQは直近、10000ptは維持しつづけていて、CPI発表のタイミングで割りかけたので、トリガーが働いて反発したのです。
ただこうしたトリガーは、短期で何度も試すと割り易くなります。かける比重が減っていくからですが、14日の米株が弱かったように、NASDAQの10000pt割れも目前でしょう。そうなると、日本株も水準を変えてくる可能性があります。日本株は14日は高くなりましたが、CPIショックを警戒していた向きが買い戻しただけで、米株の動きをみて再び粛々と売る動きをつづけるでしょう。外国人投資家にとって、円安が止まらない日本株は買いたい市場ではなく、自国が混乱するときは余計に、現金化をしておくしかないのです。

13日、財務省は語りませんが、どうやら1兆円程度の円買い介入をした模様です。しかし1日で突破、介入効果はありませんでした。それは米FRBが急激に金融を引き締めているから、為替も急激に動かざるを得ないのであって、そこに多少の買いを入れたところで、膨大な実需の円売りに押しつぶされるのが自明です。急激な動きは止められても、大きな流れは止められない。FRBが態度を変えるか、日銀が態度を変えるしかありません。
日銀の黒田総裁は、円安は日本にとってよいこと、としますが、輸出が大きな稼ぎとなっている輸送用機器でさえ、円安はマイナスとの回答が増えた。Fリテの柳井社長も「誰が円安を喜ぶんですか?」と疑問を呈す。見かけ、業績が上がっても企業はどんどん苦しくなる。企業収益が株価の評価でなくなる日は、そう遠くないかもしれません。それは早ければ年内、遅くとも来年には起こってくるでしょう。そのとき、日本株の水準はどうなるのか? それは円安により、日本から逃避する資金の量で変わってくるのかもしれません。




経済的な思想の変化

今、強烈なドル高です。しかし、インフレが起きる国の通貨は下落する、が本来の流れです。世界的にインフレが起きているから、金利差による通貨の価値に注目が集まりますが、この流れがいつ転換してもおかしくない。通貨供給量、貿易量など、様々な要因が重なって通貨の価値は決まるのであって、そうした相場を動かす主役が、来年には金利差から異なる要因へと変わるでしょう。よく、米国の利上げは来年には停止するから…と、ドル高是正の話をする人がいますが、FRBは国債購入という資金の吸収も行っており、こちらの政策も重要です。金融引き締めは二段階で、それぞれに目配せが必要となってくるでしょう。
日銀のように、低金利以外に国債の無制限買入などを行っていると、円は価値をどんどん毀損していくことになる。では、例えば日銀が引き締めに転じたとき、金利上昇、国債価額の目減り、と同時に株安も襲う。そのとき、国債も株(ETF)も大量に保有する日銀は、大幅な評価損を計上せざるを得なくなるでしょう。しかし、そうしないと円安は止められない。では、FRBと同様に政策金利の上昇と、国債、ETFの放出を同時に行えるか? ほぼ無理です。そんなことをしたら、日本市場は完全に崩壊するだけでしょう。円安を止める術は、日銀の息の根を止める術、現状ではそうなってしまっている。それが世界的な評価として、認識されるようになれば、円安はもう止められなくなる可能性が十分に高い、といえるのです。

日本でも、年金問題が噴出する可能性がある。海外の資産を安倍政権時代に増やす、比率の改定を行っていますが、今は米国債、米株の目減りを円安でカバーできていても、国内ではそうもいかない。逆に、国内の株が目減りすると、比率の観点からも他の市場で売りを入れないといけない。それがさらに市場を悪化させる要因になりかねません。つまり、これが負の連鎖、大恐慌への入り口に今、差し掛かっているのです。
世界はそれに気づいている。価値の変化が起こりはじめている。その潮流を読み間違えると、ダメージを被るのは失敗した者。変化を読み切れない者が、大きな損を抱えます。以前から指摘するように、日本で金融リテラシーが上がらないのは、その専門家を名乗ってメディアにでる者のリテラシーが低いから、ともいえます。日本で語られること、世界で語られること、その差を常に意識し、どちらが正しいか、判断する目を養っておくことが大切です。日本では、政治の世界でも『騙す』側が多い。本当に大切なリテラシーは、本来そういうところが達成しなければいけませんが、そこが未だに『騙す』側でいることが、この国の不幸ということでもあるのでしょうね。

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2022年10月08日

10月1週の動き

臨時国会始まる。

岸田首相の所信表明演説、分配が消えて学び直し、という項目で『新しい資本主義』が語られれるようになりました。全然、新しくないじゃん! と多くの人がツッコミを入れたでしょう。むしろオールドエコノミー、懐古主義とでも言えるもので、NYSEで演説したときから、外国人投資家から疑問符がつけられていたように、岸田政権の経済政策には疑問符がつきつけられました。結局、中身もなく『新しい』と語り、後付けで何かできれば…という軽い考えではめぼしい結論にも導けなかったのでしょう。
統一教会問題は泥縄。一向に切り離せず、山際経済再生担当相や細田衆院議長など、未だにぼろぼろと関係の深さが見える始末。でも、自民にとってこれは行幸で、二人をやり玉に挙げさせ、他の統一教会と関係の深い、例えば萩生田政調会長や、麻生副総裁、そして弔辞で名を挙げた、とされる菅前首相などを隠すことにもつながります。だから細田氏も、山際氏も辞めさせず、このまま使い倒すつもりなのです。

幹部がどっぷりなのですから、自民党内ではすでに引退が視野に入る細田氏、切り捨てても問題ない山際氏など、使い捨てにするつもりです。野党がこの二人に焦点をしぼり、攻撃するのは結局、与党の手の平の上で遊ぶのと同じです。二人の首を切って、それで手柄と思っているようでは永遠に政権交代など夢のまた夢。維新が立民と近づいたのも、維新としては自民色を消したい。自分たちもどっぷり統一教会に頼っていたのであって、自民を追及することでシラを切るつもりなのです。つまり立民が共産と近づいたことで、立民には統一教会色が薄い。それを利用しようとし、立民も安易にそれに乗っている。
ただ現段階では、共産党と組んだ方がよりシンプルに、統一教会色を消せる。よく立民にも統一教会汚染が…という話もありますが、献金や講演といった形での関係性は全政治家に及んでおり、大切なことは選挙協力まですすんだかどうか。票を約束する、ということはその政策まで含め、統一教会に毒されているのか? という線引きです。この線の引き方を、しっかりとメディアにまで浸透させ、自分たちがどういう形で統一教会と関わっていたか? それを詳らかにした上で切り離し、自民への追及に全力を尽くすべきなのでしょう。それは細田氏や、山際氏で止めてはいけない。統一教会の解散命令で終わってもいけない。政治の舞台から、統一教会色を消すまで徹底的に、議論を尽くしていかないといけないのでしょう。




ウクライナ戦争

露国がウクライナ4州の併合を決め、俄かに核攻撃の危機が高まります。まずイーロン・マスク氏が露国は国民が3倍、総力戦ではウクライナが勝てない、と述べたのは間違えていて、露国は国内に兵力を置いておく必要があり、総力戦に全精力を傾けられるわけではありません。逆に、ウクライナは総力戦をしかけられる。露国が今、押し返されているのは総力戦と片手間、という差が大きいのです。マスク氏は、恐らく衛星をつかったネット回線を、ただで使わせ続ける。それが長期化すれば経営上もマズイとの思惑でしょう。
Twitterの買収に再び舵をきり、テスラ社の株価が暴落する。買収撤回後にTwitter社を嘲笑し、自らその価値を毀損しておいて、裁判に負けそうだから同じ価格で買収する。迷走以外の何ものでもありません。ウクライナ支援などしている場合ではなくなり、ネット回線でも収益を…そうした焦りからの発言でしょう。

北朝鮮が最近、活発化しているのも米韓、日米韓の軍事演習というばかりでなく、北朝鮮の自信のようにも見える。つまりもう、核兵器は有している。北朝鮮としては、自爆覚悟で核兵器がつかえる。攻めてきたら、死なばもろとも…という手がつかえるのです。だから、長距離弾道ミサイルの開発に思い切って注力できる。グアムやハワイを射程、なんていうのは、実は北朝鮮にとって大した意味はなく、米本土をすべて射程に収められるまで、開発をつづけるでしょう。それは途中で撃ち落とされる結果となっても…です。
カン違いしてはいけないのは、核兵器は使ったら終わり。もし露国が核兵器をつかえば、国連は大改革がすすみ、露国は排除され、国際的な取引は皆無となるでしょう。下手をすれば天然ガスなども、差し押さえられるかもしれない。核兵器を使った者を、勝者にしてはいけないという世界潮流が、その国に押し寄せます。そして国民はその負い目から、二流、三流へとマインドが凋落する。それを意識できない者が、核兵器の使用を安易に訴える、ということなのです。露国内では権力争いの愚にも核兵器が利用されており、プーチン氏が『つかえない臆病者』になることを怖れ、その流れを無視するときが来たら、真の危険です。




東証は底堅いのか?

9月最終週、外国人投資家が先物をふくめて2兆円超の売りとなり、逆に個人投資家、信託銀行経由の買いがそれを支えた形となりました。今週に入って、一気に日経平均は千円以上もどし、強い相場だとする意見もあります。ただ、恐らく9月最終週は、外国人投資家が現金化する必要に迫られた。それをある程度、元に戻す流れが今週だったのであり、その流れはすでに止まりました。豪中銀が0.5%の利上げが予想されていたところ、0.25%の利上げとなり、利上げ後退観測が相場を押し上げた、という向きもありますが、それは材料であって、実態はそうした需給要因で切り返しただけ、とみられています。
なので、これが12月末にも起きる可能性があります。つまり、余裕があるならドレッシングによって相場を高くみせかける、つまり年末には買いとなるのですが、今は余裕がない。株のようなリスク資産を多く保有していると、安全性評価にも影響する。国債も売っていたので、必ずしも安全性評価だけの問題とは思えませんが、恐らくそうした何らかの事情があって、売らざるを得ない状況が現れていた、ということです。

日本では、上記した通りにまだ個人投資家の痛みが少ない。それは、各国の外貨準備が急減、という話ともかぶります。各国中銀は、外貨準備として保有する米国債が、金利上昇局面で価額が目減りしたため、大きな損失を抱えています。日本では8月末から9月末まで、1ヶ月で500億$以上が減っています。介入効果もありますが、金利上昇によって多額の損失がでている。米金融機関もこれは同様であり、米国債を保有せざるを得ない金融機関は、その目減りで相当の打撃をうけている。再投資なんて余裕もないほどに。
つまり世界各国で、金利上昇局面となり、各金融機関もその分打撃を受ける中、日銀が態度を変えていないため、日本の金融機関、企業、個人もまだ余裕がある。だから下支えする余力がありますが、これは短期でみると良い面があっても、長期では悪い。この全体が沈むような局面で、日本人が高値掴みをしてしまう可能性があるからです。売るに売れず、塩漬けにする傾向も日本人には多くみられます。

例えば預金、これを金融機関は国債購入に回します。国債の利回りより、手数料を引いたものが利子です。でも、国債の価格変動は預金の増減にふくまれません。金融機関は、その分、損失引当金を積み立てておく必要があり、これだけ急激に金利を引き上げたら、その分をさらに積み立てに回さないといけない。今、少しでも引き締め後退観測がでると、すぐ小康を迎えるのもそういうことです。金融の余力が稼げるためです。
9月の米雇用統計でも、明確なインフレが後退する感触は得られなかった。それが失望を誘いましたが、米国はこれから中間選挙まで、弱含むことが想定されます。そしてその間、どこまで下がるか? 恐らく11月の足音が聞こえるころ、売り過ぎた向きが買い戻すことも想定されますが、そこまで厳しい展開が続くでしょう。




米中間選挙

一部のファンド運営者が「米中間選挙はねじれた方がいい」と、日本で語られることと真逆なことを言い出しました。日本では「政治の安定」が株価を押し上げる、と語られることが多い。でも、この両方とも誤りで「安定した政権が、良い政策を打つ」のなら、株価を押し上げるのです。ダメな政治が安定したら、それこそ悲劇ですし、よい政治を行う政権が、選挙によって足をとられるなら、それも悲劇です。つまり、今の日本は「ダメな政治が安定」しているから、最もダメな状態、悲劇にあるといえるでしょう。
例えばインバウンド消費でも、中韓も通貨安で、円安効果は限定的と指摘してきました。米国ではモノ消費から、コト消費へと移行し、モノが売れなくなっているのに、円安効果でモノを売る製造業の業績がいい、といってしまうことも誤りです。半導体メーカーが、業績悪化に見舞われるように、コロナ禍による不規則な動きが収まってくれば、経済の実力相応のことが試される。そして、選挙で選択するのは「よい政治をしてくれる政権が安定する」ことです。

米国でも、統一教会の力が選挙でもかなり影響する。票数より、無償の献身で選挙活動を長く、支える。でも、そういった勢力が訴える政策が、果たして正しいのか? 結局それらの勢力が「ダメな政治を安定」させてきたのでは? といったことが問われるのでしょう。金融緩和によって、景気押し上げ効果が剥落したからこそ、財政をうまくつかい、景気を安定させ、人々の生活に寄与する政治力が求められるのです。
日本では補正予算期待もありますが、大した効果のない政策をくり返してきた。非課税世帯への5万円給付など、まさにその最たるもの。毎月勤労統計でも、実質の賃金が目減りをつづけます。これでは景気に期待できないですし、これまでの政策の結果として起きてきたことが、これなのです。米中間選挙の行方は、日本にも影響する。有権者は、正しい政治を正しく選んでいかないと、日本でさえ危ない時代が到来したことを意識し、今後は投票も考えていかないと、「ダメな政治が安定」することにより不幸が訪れる未来すらきてしまう。東証が底堅い、なんて言っているうちに日本が衰えた国になってしまうことも、意識すべきだということなのでしょうね。



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2022年10月01日

9月5週の動き

国葬の後始末

安倍元首相の国葬、ハリボテ疑惑、直接献花、記帳した人が2万人。岸田首相が指示したように『見栄え重視』で、中身はスカスカ…ということがハッキリしました。2万人という数字も、統一教会と、近場の創価学会には動員がかかったはずですから、それで十分説明がつきます。ネット献花が50万人という数字も、何となく…がかなり多いはずですから、安倍支持系の者が勝利宣言をだすのも、かなり違和感があります。逆に言えば、この程度の数字に、誇大に喧伝しないと退潮が明らかだから、強気にでたというところでしょう。
注目は、安倍氏の国葬の前、安倍支持系雑誌が発刊されましたが、1誌は『山上容疑者は朝日新聞に…』、もう1誌は『ワイドショーに騙されるな』『自民党は目覚めよ』といった、統一教会系雑誌の旗幟を鮮明にしたこと。本人たちが統一教会の関係者かどうか、という点は別にして、商売相手は統一教会系の人間であり、顧客満足度を高める戦略にでた、ということなのでしょう。ここまでくると、一般の書店に置いていいのか? とすら感じられ、ますます退潮が鮮明ですが、恐らく売上という形で彼らも影響を感じており、そうせざるを得ないのでしょう。安倍氏礼賛、統一教会問題はスルー、一般の人にも何おかしい、と気づき始めた。『安倍首相のちょっといい話』なんて載せるに至って、しかもそこに登場する人物らは統一教会の匂いがぷんぷん。言葉を変えれば、『ちょっと(統一教会に都合)いい話』とも読み解けるほどです。

菅前首相の弔辞が『泣ける』と話題ですが、恐らく居酒屋でお酒を飲みながら聞いたら、笑い話になる程度のものです。ああしたシチュエーションだから、そう感じる人もいるでしょうが、フラットに聞くと大したことは言っていない。安倍氏を口説き落とした…という件は菅氏ばかりでなく、統一教会だって同じように口説いたでしょう。全力で支えるから…などと言って、自身の仲間を首相にすることに尽くしたはずです。
それは多くの利権者も同じ。安倍氏を首相にした方が、より有利になると思った勢力によって担ぎ上げられたのであり、様々な人間がそれをしたはずです。だからその一々に反応すすのではなく、安倍氏が首相になって何をしたか? が重要なのです。外交も、結局は今回のメンバーをみても大した弔問外交ができたわけではない。あれだけの警備をすれば、17億円で済むはずがなく、また社会、都市機能をマヒさせた経済損失は膨大です。そして最大は、円安でインバウンド再開…などと言っているのに、各国首脳がマスクをして居並ぶ。日本ではマスクをしないといけない、という印象を強め、忌避する気持ちにさせたことが問題です。国際的に、安倍氏の評価など大したことない、という印象以上に、マスク必須の印象を強めたことが経済的に大きな負の影響を伴ってしまったのです。




静岡豪雨災害の報道

静岡に線状降水帯ができ、大きな被害がでたとされるのに、メディアの扱いは小さい。それは岸田氏が豪雨対策に後ろ向きで、国連総会への出席に遅れがでていらだっていた…などと報じられるのですから、被害は小さかったという印象を与えたかったのでしょう。さらに安倍氏国葬というイベントの裏で、苦境に陥っている地域がある、などというのも嫌った。官邸が指示をだしたのか、メディアの忖度かは分かりませんが、政治がこうして別のことに足をとられているとき、国民は蔑ろにされることが鮮明です。
カナダのトルドー首相が、直前になって参列を見送りましたが、豪雨の影響とされます。勿論、そこにはG7首脳の中では自分だけ、他国との外交もできないので、参列する意味が薄れた…という面もあるでしょう。そして、この件もメディアがあまり報じないのは、岸田氏との違いが鮮明だから。出発は遅らせたけれど、結局は国連総会に出席した岸田氏。特にめだった演説でもなく、NYSEでの英語での演説も、誰かが拍手を促すよう最初に拍手する音が大きく響き、その後ぱらぱらと拍手が起きる。米国では、本当に感動する、意味あるスピーチにはスタンディングオベーションが起こりますが、それもなかった。災害対策をおろそかにしてまで、行くような意味があったのか? 岸田氏にはそれが問われるのです。



新型炉? 革新型軽水炉? 次世代型軽水炉?

岸田政権が、原発再稼働に前向き、増設も…。と原子力政策に前向きとなったことで、報道が喧しくなってきました。新型炉は水ではなくヘリウムを用い、革新型というのは岩盤の上に建てるこれまでと異なり、岩盤に掘りこんで圧力容器の壁も倍にし、メルトダウンを起こしても大丈夫なようにする。次世代型、というのはそれらを一括して呼ぶ名称のようです。しかし、何をどういったところで安全性は高まっていません。
最大の問題は、制御棒が非常時にも炉心にありつづけるよう、どう改良するか? という点です。今は停電すると炉心から脱落する。すると崩壊熱ではなく、反応熱よって炉内が高温になり、炉内の水がなくなりメルトダウンを起こす。水素爆発を起こさないヘリウムだろうと、水を供給しつづけられるようにする、といわれる次世代型炉だろうと、それは変わりません。そして、次世代型炉にしても、一体どこが建てていい、などと自治体が判断するのか? 地震、津波、そして戦争が起きたときに危険に晒される。原発が存在するだけでリスクが高まるのですから、莫大な補助金をださないといけない。本当に原発が、経済合理性やSDGsに合致しているのか? もう一度立ち止まって考えないといけません。むしろ、何をやっても逆をいく岸田氏の判断を信じていたら、バカをみる日がいずれ必ず訪れる、ということも考えられます。



円安ショック

結局、財務省の為替介入は2.8兆円超、と発表されましたが、対ドルで145円手前までもどってしまいました。海外にもつ預金が19兆円ある…ともされるので、同じ規模でも後5回はできる計算ですが、恐らく実需の円売りが今後も増えるとみられ、145円の防衛ラインはあまり強固でないでしょう。問題は円での取引を海外の企業は受け入れてもらえず、ドルでの取引を強いられる。日本企業には今後も、ドル調達の圧力がかかります。かつては円がドルに次ぐ取引通貨、とされたこともありましたが、そうした地位から滑り落ちる過程にある現在、円はますますその価値を目減りさせ、円安という方向へと進みやすくなっているのです。
英国がポンド安を防ぐため、無制限の国債買い入れを行った…とする報道もありましたが、日経が国債暴落で年金基金が破綻するのを防ぐためだった、との報道を行っています。英中銀が国債を放出する、トラス新政権が大型減税を行う、財政への負担が重しとなって国債の利回りが急上昇した。利回りの上昇は、国債価額の目減りですから、国債を大量に保有する年金が莫大な損失を抱える、という理屈です。ただ、そうやって英中銀がさらに資金をばら撒けば、ポンド安が起きやすくなる。今は金利差に注目が集まり、英国債の金利低下によってポンドも落ち着きましたが、通貨の大量発行は通貨安を導きかねない裏腹の政策です。

同じことは日本にも当てはまる。国債利回りは日銀の無制限買入によって低く抑えられていますが、その裏腹に、紙幣は大量に刷られ続けている。円が安くなる素地は十分にあるのです。為替介入も、やり過ぎれば余力を失い、足元をみられることになる。英国でもちぐはぐな対応をつかれた、とされますが、日本もちぐはぐな対応をしていることに変わりない。ただ英国より経済規模が大きく、余力が大きいためにまだ日本は小康、という程度の話です。今後、これがどう展開していくかによっては日本も否応なく、海外の破綻パワーに巻きこまれるでしょう。破綻させることによって、大きな儲けがその先にある連中に狙われています。
また、今叫ばれているのがアジア通貨危機。今、世界では日中がそろって緩和姿勢で、円と人民元が安くなっています。その余波もあり、韓国ウォンも連れ安する。韓国は構造的に、外資を集めて成り立つ経済であるため、その外資が逃げだしている影響が大きいのですが、韓国の経済規模も大きくなって90年代に起きたアジア通貨危機と、比較にならないほどの影響が襲います。今から、日本もそれに備えないといけません。

つまり日中の通貨安、それがアジア全体への危機へと波及し、さらにアジア経済圏を軋ませる可能性が高まっているのです。韓国がふたたび財政再建国になったとき、IMFなどから依頼されて日中が支援する。そのとき、中国の影響を排除するため、米国からも要請されて日本が資金拠出を迫られることにもなるでしょう。日本が再び試されることになります。アジア通貨危機の再来、起きたときに慌てるようでは手遅れです。
そして、インバウンド消費にもこれは影響する。今、円安だからと「インバウンド消費が増える」という意見もありますが、安倍政権時代はただの円安で、中韓からの旅行客が大量のお金を落としてくれましたが、今はその中韓も通貨安で苦しむ。日本にくるインセンティブはそれほど高くありません。では欧米は…と考えても、安倍氏の国葬でマスクが大々的に喧伝され、それも望み薄です。インバウンド消費には期待できない。そもそも、飲食、観光業もコロナとの共存の中では、突如キャンセルという事態も容易に想像できるのです。日本経済は押し上げられる…などともされますが、それも期待値の高さには到底及ばないでしょう。



世界経済の行方

9月末の日経平均が28000円、という予想を立てる人が多かったですが、実際は26000円を割れてきました。ここ最近、気になるのは外国人投資家とみられる売りが嵩んでいること。8月下旬までに買ったのは先物なので、3兆円弱とされる分を吐きだしているのでしょう。それは6月の最安値にはまだ遠い、といったところで、日銀の政策変更により、円高になることで短期の収益を上げようと思っていた層が、為替介入でそれも裏切られ、日本に資金を置いていく意味を失った…という事情も考えられるのです。
未だに国内の株式アナリストなどは「業績がいい」「PERが割安」だから日本株は買い、と言います。しかし外国人投資家は、それが円安によりもたらされるなら、何の興味もない。その時にはドルベースの日本株は目減りし、トータルでは損となることが多いからです。本業でしっかりと儲けが出ているか? つまりもう、日本の株価を判断する材料は、そうした指標や指数ではなく、実質ベースになってきているのです。

そして、ここにきて警戒されるのは、来年の景気後退ではない。経済大混乱すら見据え、動き始めているというのです。それは英国の暴落、中国の不況、アジア通貨危機、新興国の破綻、という様々なリスクが高まっていて、それに伴う金融不安まで意識されています。露国による戦争も、どうインフレーションしていくか不明。ガスパイプラインが攻撃をうけましたが、もし米国が行うならロシアからアジア圏へと向かうインフラでしょう。ただ、この件で明らかなことは、インフラが突然途絶する可能性について、です。
それが経済をさらに下押しする。ロシアは核攻撃をチラつかせますが、原発施設とて同じような効果があります。むしろ停電を引き起こし、経済を混乱させるという意味では、原発を破壊する方が相手へとダメージを与えられる。結局、そうした不安が襲う以上は、経済的にも上向きになれません。来年まで、戦争がつづくのならそうした、経済に不都合な事態を引き起こすほど、露国が追いこまれている可能性が高いのです。

経済大混乱に伴う、大不況。来年、それが起こらないようにすることもできるでしょうが、針の穴を通すほど微妙な、繊細にして緻密な政策を各国がとりつづける必要もあるでしょう。今はまだ、介入が効果をもちますが、それに馴れてくると次の動きが起こってきます。最終段階とされる介入でも、効果がない事態…それを今からシミュレートし、何が起こるかを予想しないといけない。難しい時代に入ってきました。
市場がみすえ始めた、来年の経済大混乱。ちぐはぐさを増す世界、統一的対応を阻害する要因がてんこ盛りで、もしそれが起きた時でさえ、各国が一致して対応することを困難とするでしょう。日本でも岸田政権が、国民の声を無視することばかりしますが、こういう政治がもっとも国民にとって害悪となる。そう意識する日はそう遠くないと感じます。国葬…その言葉が『国の弔い』となり、国が終わりに向かう言葉という意味にならないよう、今から備えないといけないのでしょうね。

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