2021年12月08日

雑感。五輪ボイコットと中国

11月景気ウォッチャー調査、現状判断DIは前月比0.8pt上昇の56.3、ただ飲食関連が3.1ptも高いように、悪いところからの戻りでそうなっているだけで、コロナ前まで戻っているわけでない、という点が重要です。家計動向では小売り、住宅関連の伸びが鈍ったように、あくまでマインドの戻りを示す数字です。先行き判断DIは前月比4.1pt減の53.4と、オミクロン株への警戒も働く。地域別にみても、現状判断では北関東、甲信越、中国、九州などが高く、大都市圏というより人の動きが活発になり、観光需要を期待できるとの判断が働いています。ただそういう地域も先行きはマイナスになるように、未だにコロナ禍次第でもあります。

北京五輪に、岸田首相がボイコットしろ、という声も活発ですが、安倍元首相も各国がボイコットする中、ソチ五輪に出席しており、安倍氏や高市政調会長など、その時との違いを説明すべきでしょう。特に今回、米国のサキ報道官は「ボイコット」と一度もつかっておらず、日本で『米国がボイコット』と伝えるのは違和感もあります。つまり様々な事情で「出席しない」と言っているだけなのです。各国の首脳も、日本で「ボイコット」と伝えられますが、きちんと各国でどう発言したかを見ないと、信ぴょう性もありません。
そんな中国で不動産開発、恒大集団がドル建て債務の利払いを怠った、としてデフォルト懸念が漂います。ただ中国が子会社への介入を表明した直後だけに、債務整理をしての破綻に向けて動き出した、ということなのでしょう。ただ債務総額は30兆円ともされ、子会社も二束三文、資産も不動産価格が下落する中では心もとない。債務整理がどういう形で、どこまで行われるかは分かりませんが、損をする債権者はかなりの数に上るでしょう。高い利息を求めて集まったような資金なので、損をして当然ですが、こうしたことが引き金となって中国への投資を手控えよう、となったときが中国の真の危機です。むしろ中国の今の斑な規制、緩和という方針に、外国人投資家は警戒を強めており、いつ投資資金を引き揚げてもよい。そんな中で、北京冬季五輪を迎えるのであって、各国の態度には中国投資は手控えろ、そんなニュアンスも含まれるのです。

それは日本のトヨタやブリジストンなど、スポンサー企業も同様です。仮に中国市場を考え、スポンサーを続けても、後で米国などから嫌がらせをうけるかもしれない。かといって、ここで手を引けば中国からの嫌がらせが起きるでしょう。いくも地獄、退くも地獄です。北京五輪になど、初めから関わらなければよかった…今の企業の気持ちでしょう。不動産市場が崩れれば利益の大半が失われ、中国の崩壊がはじまります。そのとき消費大国としての地位も失い、中国に投資する魅力も消失する。恒大集団ではそこまでのカタストロフが起きないよう、中国政府も動いていますが、持続不可能なほど不動産市場が上昇してしまった今、先食いした分は必ず後でしっぺ返しが来ます。それがいつか? という読みが重要になってきます。
露国がウクライナ侵攻を企てるように、経済が斜陽になると国際情勢も不安定化する。国民の不満を対外的な問題にすり替え、解消を図ろうとするからです。コロナ禍が招いた経済不安、そこに財政、金融政策による大盤振る舞いが終焉を迎えつつあり、世界的な衝突が起こりやすくなっている。むしろ世界に蔓延するのはウィルスなのか、排外主義、国粋主義なのか? ただ戦争を止めるのも疫病という歴史があり、果たしてどちらが勝つか? むしろどちらに人類が負けるか? ボイコット氏は所領で重税を課し、激しい住民運動で追い出される、という事態になり、そこから名を悪い形で残しましたが、今の人々も国が行うおかしなことに、どう声を上げていくかが問われるのであり、そうでないと人類全体が負ける事態にもなりかねないのでしょうね。

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analyst_zaiya777 at 22:53|PermalinkComments(0)経済 | アジア

2021年12月07日

雑感。賃金に関する統計2つ

オミクロン株への楽観が広がり、世界で株高の動きです。ただ気になるのは、ワクチンがデルタ株で重症化を防ぐ、という効果が期待できるのは、抗体によりワクチンが爆発的に増殖するのを防ぐ、スパイクたんぱく質を阻害することによるもの、と理解してきました。ただオミクロン株は抗体はをすり抜けて感染する確率が、かなり高いとみなされる。つまり抗体では抑えきれないもの、と認識できます。それなのに、細胞内に侵入して爆発的に数を増やしても、重症化しにくいということはウィルスそのものが弱毒化したのか? 脳の関門を通過する能力など、人体へのダメージを増す能力も変異した、としか考えられません。
一部で、コロナ以外のウィルスとの接触で、一般的な風邪と同じになった、などとする説も見かけましたが、抗体をすり抜けて重症化しない、というなら一般の風邪と同じレベルの警戒度に落としてもよいのでしょう。ただ、オミクロン株がさらに変異し、強毒化したときは危険であり、備えが必要である点は変わりありません。風邪と同じ…といっても、感染力はけた違いなのですから、社会が止まる恐れもあるからです。

10月家計調査で、消費支出が前年同月比で実質0.6%減となり、弱い消費が鮮明となりました。ただ、水光熱費が下がっていたり、通信費が上昇するなど、ちょっと違和感のある数字が並びます。原油高などがまだ反映されておらず、菅政権の一丁目一番地だった携帯電話の値下げも、効果がなかった? 逆にGoToをやっていた昨年より、交通費が上昇している。なんだか違和感まみれの消費支出です。一方で、二人以上の勤労者世帯の実収入は、前年同月比で実質0.4%増。しかも世帯主の収入は3.1%増と、文句なしの結果です。元々、毎月10万円以上が貯蓄に回る、超優良家計への調査なので、一般の感覚とはちがうのかもしれません。
10月毎月勤労統計の一般労働者の現金給与総額は、前年同月比で実質0.1%減です。一方で、パートタイム労働者は前年同月比で実質2.7%減ですが、総実労働時間が3.4%減となっており、時間当たり賃金の上昇がみられます。これは産業別でみても鉱業・採石業、飲食業、不動産、小売・卸売、建設業辺りの給与の上昇率が高いことでもわかります。一時就労の多い業種が、人が集まりにくくて時間給を上げた影響なのでしょう。

米国では11月雇用統計でも、時間当たり賃金が4%以上の上昇をみせ、インフレ加速を正当化しますが、日本では毎勤をみる限り、名目でも0.8%上昇でしかなく、これを岸田氏は上げようというのですが、法人税をいくら弄ったところで、企業全体が利益を上げられる体質になっていないので、黒字企業が少ない日本では、あまり効果はないでしょう。賃金面からみた日本の景気は、まだ全く力強くないことが明らかです。オミクロン株、まだわからないことだらけですが、世界は新型コロナの被害が甚大ですが、株価は堅調。日本は被害が軽微でも、株価は風邪をひいている。これが経済が三流の国になった現実なのですが、そこにワクチンも治療法も見つけられていない、ろくでもない政治家たちがその治療に当たっている、という根本的な問題が一番大きいのかもしれませんね。

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2021年12月06日

岸田首相の所信表明演説

岸田首相による所信表明演説で、第207臨時国会がスタートです。ただ、すでに文通費ではやる気なし、この国会は補正予算を与党の最大多数で通す、というためだけのものです。18歳以下に10万円も、5万円のクーポンには批判も集まりますが、それもそのまま。巨大与党で決めたことは、国民の批判をうけても修正しません。政治に緊張を失った結果、国民の声を聞く必要もなく、自分たちの考えを優先するからです。岸田氏は所信表明の中でも「信頼と共感」「丁寧で寛容な政治」と語りますが、最初から齟齬にされるのです。

「遠きに行くには、必ず近きよりす」が、岸田氏は好きなようですが、問題は遠くも近くも見えていない点です。「屋根を修理するなら日が照っているうちに限る」というケネディ米元大統領の言葉を引用しますが、後段でする「同時に…」と始まるので、恐らくその引用の前にかかるはずで、その内容は「コロナ予備費を含めて13兆円の規模の財政資金」で、感染拡大に備える、とします。それは雨漏りする家で、屋根を修理する予算を準備した、というだけであって、修理になっていません。どこから雨漏りしているのか、それを見極めて修繕し、次の雨に備えるのがケネディ氏の言葉であり、小学校でも×をもらうでしょう。
「経済をしっかり立て直す」そして「財政健全化」という「順番を間違えてはいけない」。しかし同時であっても別に構わないはずです。引退するメルケル政権下でドイツは、財政を拡張せずに経済を回復させました。中国に頼るところ大でしたが、やり方はあるはずです。すでに賃金上昇を促した企業への法人税減税における数値目標を、公明の反対で削除したとも報じられますが、そこの優先順位は間違えています。

コロナ禍では「対応を徹底的に検証」し、「来年の6月までに」「抜本的体制強化策をまとめる」そうです。随分と、日が照っている時間を長く見ているし、半年以上先もまだコロナ禍はつづく、とみているのか? 
「新しい資本主義」も、「人に温かい資本主義」で「日本ならできる」としますが、その内容はイノベーションとデジタル田園構想と、読めばこれまで安倍、菅政権でこすりにこすってきた中身です。気候変動も経済安保も掲げますが、経済成長とは真逆の事柄も入り、効果は微妙。人への分配も謳いますが、安倍政権でも官製春闘などとされ、それでも分配はすすまなかった。「カギは」「男女が希望通り働ける社会づくり」「社会保障による負担増の抑制」だそうですが、その絵空事を実現するためには、日本を抜本から作り直すぐらいの大改革が必要です。年金、保険、介護など、どう変えるかもわかりませんし、何より「男女が希望通り働」いたら、社会は大混乱するでしょう。もし本気なら、むしろ『日本大改革』と謳うべきです。

9000文字を超える大作ですが、最後にでてきた実例が、高校生にまじってうけた模擬授業で、高校1年生の生徒が「使い始めて間もないタブレットを使いこなし、受け身でなく、自分から行動」して、戸惑う岸田氏に教えてくれた、という内容です。こんなデジタル音痴では、デジタルが何を意味するのかすら理解できていないでしょう。そこに「日本の未来を切り拓く「人」の可能性」を感じたそうですが、むしろデジタル音痴が国を導くことに、多くの国民が絶望を感じるでしょう。「人」を育てたいなら、まず政治家という「人」を育て、統制する方が早いのかもしれない。「人」が劣化した政治家と官僚では、すでに「屋根を修理」するための「日が照って」いないのと同じであり、遠くの「人」より、近くの「人」をまず改革しないと、日本の雨漏りは止まらないのかもしれませんね。

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analyst_zaiya777 at 22:42|PermalinkComments(0)政治 | 一般

2021年12月04日

岸田政権のコロナ対策

岸田政権がコロナ対策で、早くも失点2です。国際線の予約を停止し、早くも撤回に追い込まれた件は航空局の責任に押しつけました。なぜか、メディアもこぞって『官邸に伝えたのは事後だった』と盛んに喧伝しますが、逆に言えば「そんなはずないだろう」と、少しでも行政に携わった者ならすぐピンとくるからです。なぜなら、コロナ対策の一丁目一番地として打ち出した策であり、そんなものが官庁の暴走であるはずがない。メディア戦略もふくめ、官邸がコントロールしていないと逆に奇妙すぎるような顛末です。
もう一つは、ワクチンのブースター接種を8ヵ月後から…とした決定を前倒しを余儀なくされました。元はワクチン調達に不安があり、確実な選択をしたのでしょうが、非難囂々となったのは6ヵ月でワクチン効果が低減することが確実なのに、なぜ2ヵ月のロスをつくるのか? です。どちらも、菅前政権でコロナ対策を失敗し、支持を落としたことで万全を期そうとした結果、前者は行き過ぎた規制となり、後者は実態を映そうとした挙句に見劣りした。なんとも残念な結果です。むしろ逆、出入国に関しては実態を映し、ワクチン接種には行き過ぎるぐらいの方針を示すべきでした。結局、岸田首相も安倍、菅政権と同じだったと示した形です。

むしろ、安倍政権で官僚をコントロールするため、人事権を掌握したことで行政機関の劣化がすすんだ。何しろ能力のある者が上にいくのではなく、安倍政権に阿諛追従し、間抜けな政策でも唯々諾々と受け入れる官僚が出世した。政治主導はそれですすみましたが、その結果として事情も知らず、能力もない政治家が、無意味な命令をだし、後で撤回する、官僚の責任にして自分は逃れる、という態度が横行した。ますます、優秀で有能な官僚はやる気をなすくようなことが、ここ数年、安倍政権になってからずっと続いたのです。
岸田政権もその轍を踏んでいる。つまり、政策に期待はできない。有能で、優秀な官僚は手を貸さないでしょう。岸田政権で出世したい、という官僚だけが協力する。岸田政権の意向を忖度し、その意に従う官僚しかいないのですから、暴走なんてまずしない。そんなことをして、出世を遅らせたくもないのですから。コロナ対策の失点2、それはやはり岸田政権の失態であり、少なくとも斎藤国交相は知っていたし、官僚から状況の説明をうけた堀内ワクチン担当相が8ヵ月、という判断にかかわっていたとしか思えないのです。

これはコロナ対策に限りません。官僚が劣化した状態で政策を打つ、実行しようとすれば、必ず不備や不具合を生じるでしょう。改めて行政機関の再生を促さない限り、恐らく10に7、8の政策は失敗するか、とんでもない結果を招くことになるでしょう。これは政権交代をしたところで変わりないですが、一度劣化したものを再生するには、最低でも5年はかかる。そこにこのコロナ禍が来ている以上、日本は運頼みでしかなく、政権運営ではなく政権を運で営むだけの政治が、しばらく続くことになるのでしょうね。

明日は一日、お休みします。

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2021年12月03日

自民党政権でありつづけることは…

新潟5区から自民公認で出馬して落選し、比例復活した泉田議員が自民の星野県議から2000〜3000万円を要求された、という問題で、泉田氏が音声を公開しました。裏金で有権者に配る、県議、市議に配るという広島の河井夫妻と同じ構図であり、あのときは党から1.5億円が渡され、それが原資になったのでは? との疑惑もくすぶりますが、本当に自民党というのは懲りない政党のようです。恐らく全国どこでも同じ構図で、取りまとめという形でタカりが横行しているのでしょう。これが俗にいう、地方組織固めというものです。

私は野党支持者とみなされがちですが、そんなことはありません。ただ、自民が政権をとり続ける限り、日本が世界の成長から取り残され、どんどんその地位を落としていく。だから政権交代が当たり前に起こる国にしないといけない、と考えています。90年代までの日本は財界優位、当時は中国との関係でも政冷経熱とされましたが、経済が主導して政治が追認する。それぐらい財界が強い時代でした。しかし日本が低成長に陥り、国内での稼ぎが頭打ちとなり、企業が斜陽に入るとその立場が逆転します。第二期安倍政権がスタートすると、財界をぞろぞろ連れて外遊する経済外交が盛んとなり、もはや財界が政治に口をはさむことすら赦されません。経団連会長も政権の提灯もち、おべんちゃらが言える人が重宝されるようになりました。
しかし斜陽の企業とは、いわゆるオールドエコノミー。大きくて古くて、柵やしきたりで雁字搦め。しかし自民は企業献金もしてくれるし、そこに経済を任せておくのが、気ごころも知れているから楽。新興企業などは規制や制度で縛り、財界コミュニティーに首を垂れるのなら受け入れる。Fリテの柳井会長、楽天の三木谷会長、SBGの孫会長などは財界や官僚とうまくやりましたが、他は尽く潰されてきた。日本ではベンチャーが育たない、のではなく潰す風土があるのは、自民と財界との強固な関係によってそうなっているのです。

日本の株式市場が上がらない、などというのは当然で、ろくに成長もしない大企業が多くのさばっているから。一方で、日経平均の寄与度が高いのはFリテやSBGといった新興企業。そこに歪な構図があるのです。日本の株価を上げたいなら、成長産業を育て、新興企業の成長を促し、稼ぐ力を失った企業は例え大きくても潰す。そうした新陳代謝を活発にするしかありません。未だに政権基盤が安定すると株高、などと頓珍漢なことをいう人も多いですが、頻繁に政権交代する米国株が高値をとるように、一方で絶対に政権交代しない中国では株価も頭打ちなように、政権の安定など一切何の関係もありません。その頓珍漢な意見は、一面では財界が自民とべったりだからでてくるものであり、それ以上でも以下でもない妄言、となります。
自民党の一党独裁がつづくなら、社会は安定するけれど、緩やかに日本全体が衰退していく。多少の荒波でも、政治と経済が緊張感をもって、正しく付き合えるようになるためには、政権交代が当たり前に起きる国になるしかないのです。高齢者が、今さら社会の変動は望まない、として自民を応援するのは何となく理解できますが、未来を生きる若者が自民などを支持していると、そのうちツケを払うときが訪れます。そのとき長期停滞、低迷した日本が陥る事態は想像するだに恐ろしいことです。今の二十代、三十代の人は、確実にその恐ろしい事態に直面することでしょう。そうなる前に、日本を変えるしかないのです。今、大企業であるメディアをふくめ、すべてが陰に日向に自民党政権の存続と、それによる自分たちの安寧を計っていますが、その罠にかかると、いずれ全てが台無しになり、なったときには手遅れです。裏金を要求する政治体制をふくめ、こうした腐敗から脱して真に成長できる国にならないと、自民で嗜眠(高熱などで頭がぼんやりしている状態)のまま、日本は自壊していくことになりかねないのですね。

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analyst_zaiya777 at 22:44|PermalinkComments(2)政治 | 経済

2021年12月02日

オミクロン株で株式市場が動揺

国際線の一律新規予約停止、数日で撤回となりました。岸田政権としては、万全を期しているというイメージをだすため、大きな対策をだしたつもりでしょうが、WHOの批判、年末年始の帰国需要を無視したことなど、混乱を極めた末の撤回です。斎藤国交省は「航空局の独断」などとしますが、では誰が責任をとるのか? もし本当に独断なら、航空局の局長を更迭、ないしは減給などの懲戒処分が必要でしょう。一体、何をみて、どうしたいのか? 岸田政権の手腕に早くも疑問符が灯りました。

オミクロン株の登場で、株式市場の動揺が止まりません。不透明なうちは相場が下落しやすい、という人もいますが、今回はそうではない。そもそもアフターコロナを市場は織りこみ過ぎていて、コロナ禍はまだ継続、という修正が今はかかっているのです。次にアフターコロナで盛り上がるときまで、元通りというわけにはいかないのでしょう。FRBもオミクロン株を脅威、としながら金融引き締めの加速をうちだした。ここでインフレを食い止めておかないと、インフレスパイラルが食い止められない、との警戒がそうさせます。
今は実質金利のマイナスにより、相場への資金流入がつづいてきましたが、これからはそうでなくなる可能性がある。そこは不透明ではなく、未来に確実に起こる事態です。要するに、そこまでの期間をFRBは早めよう、といっている。そこが確実になったことで、下落しやすくなっているのです。そこを見誤ると、オミクロン株だけの下落に見えるので、すぐ相場がもどる、との幻想を抱き易くなってしまうのでしょう。

日本株が世界と比べて弱い、というのは金余りの、その上澄みの僅かしか日本に資金は振り向けていないからで、しかも真っ先に日本からは資金を引き上げられます。それぐらい、日本は海外から期待もされていないのです。日本の市場関係者がどういおうと、ずっとその事実は安倍政権の後半のころから変わりません。菅政権になり、安倍政権が終焉した、として一部が盛り上がって買い方にまわったものも、今はその買い方が売り始めた。岸田政権に、菅政権が終焉した、としてのご祝儀が入らないのは、菅政権がよかったわけではなく、期間が短すぎて失望が溜まっていなかったからです。それが新政権の誕生で相場が上がり易い、とのアノマリーを崩した。小泉政権後の、ころころと政権が代わったときと、これは同じことです。
TOPIXが1900ptを割れていくとさらに下げが加速する…とみたのか、今は国内勢が買い支えに動いているように見えます。でも、それすらいつまでもつか分かりません。来週末のSQを控えて、期近も期先も売り、そんな外国人投資家がおり、小規模ではありますが、来年の経済への不透明感をその動きは示すとみられるからです。年末株高のアノマリーも崩れた。来年、寅年は「千里を走る」ともされますが、その千里は上なのか、下なのか? ちなみに、虎は縦じまではなく、脊椎動物は背骨を基本とするので横じまです。様々なよこしまな思惑で誕生した岸田政権、その手腕すら疑問視される中、虎の手を借りても株高に誘導するのは、かなり難しいといえるのでしょうね。

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analyst_zaiya777 at 22:46|PermalinkComments(0)経済 | 

2021年12月01日

安倍元首相は経済オンチ

オミクロン株について、あまり今は語られていませんが、最大に危険なのはワクチンを打って重症化しないことではありません。ワクチンを打っても感染するなら、3回目接種がはじまった医療・看護従事者にも感染する、ということ。つまり無症状や軽症でも、医療・看護従事者が続々と治療される側にまわり、医療提供体制が崩壊することです。感染が確認されても、無症状や軽症なら仕事を継続させるのか? しかも感染者同士が接触する機会が増えると、さらなる変異を引き起こす可能性も高まるでしょう。つまり医療・看護従事者の感染が起きたとき、どう医療提供体制を維持するのか? これを国が議論しないといけません。重症化しないからいい、などという議論は全くのナンセンスで、医療が崩壊すれば犠牲も増える。救える命すら救えなくなる可能性が高まり、危険が上がるのですから、今からそうした議論が必要なのです。

安倍元首相が「コロナで傷んだ経済に財政政策を」と、自民の財政政策検討本部で語りました。事あるごとに財政出動、財政政策を訴えるこの人は、本当に経済のことを何も知らないのでしょうし、お金をばら撒くことしか知らないのでしょう。維新の鈴木宗男氏の叱咤激励の会に出席し、安倍ノミクス失敗は「欠席裁判」だとし、反論するとして次の例を挙げます。「夫が働いて60万円。景気がよくなったので妻も働き20万円。足して2で割ると実質賃金は40万円。しかし大切なのは稼ぎが増えたかどうかだ。安倍政権で所得は35兆円増えた」とします。しかしこの文言から「景気がよくなった」という個所を抜くと、ただ夫婦が専業主婦から、共働きになっただけ。政治の力でも何でもなく、夫婦が頑張ってそうしただけ、という話です。
安倍氏は以前から「雇用を増やした」と語りますが、本来市場から退場すべき、劣った経営の企業を生かした。それが金融緩和で、赤字を垂れ流しても潰れないようにしたからで、その結果として日本経済は長期停滞に陥りました。所得にしてもその間、円は対ドルで80円から120円になっており、また国民総所得(GNI)は、就任当初から退陣するまでにドルベースで2割弱も減らしました。その間、米国は2割増、中国などほぼ倍増でしたから、世界経済は好調だった中で日本は出遅れどころか、大きく後退させたのです。しかも退陣間際で、少しもどしたのは発足当初に比べて円高になったから。つまり世界的にみて、日本は稼ぐ力を大きく落としたものの、円安による効果で国民の賃金という部分で増えたようにみえた、だけなのです。こんな状態で安倍ノミクスでめざしたような、2%インフレを達成していたら、日本は購買力を低下させて深刻な景気後退に陥ったことでしょう。賃金という考え方は単に金額を誇ればいい、というものではないのです。

米国ではFRBのパウエル議長がインフレは「一時的」との文言を取り下げる、と発言しています。もし本当に、日本で35兆円も賃金が増えていたら、インフレになっていたはずです。しかしその間、2度の消費税増税など負担も増え、10兆円ぐらいは吸い上げているので、効果は減殺されました。賃金が上がり、インフレになるなら経済的には好環境ですが、日本の場合は円安によるコストプッシュ型であり、賃金はその余波として上がったに過ぎません。だから購買力平価でみた日本は、著しく世界からみて価値を低下させました。
都合よい数字を、都合よい見方をして成果をほこっても、結果は明らかです。むしろ欠席裁判ではなく、TV中継の下で反論をしていたら単に恥をかくだけでしょう。最近、ブラック企業の話題が増えたのも、経営の劣った企業が生き残り易い、といった現状もあるのかもしれません。言葉は悪いですが、バカも極めると正しいことが見えなくなるので、幸せなのかもしれない。もう「安倍ノミクスは失敗」と断じる人がほとんどですが、安倍氏のとりまきに正しい指摘をする人が『欠席』している以上、裸の王様はいつまでたっても裸のまま、ということを安倍氏の言は証明している、といえるのでしょうね。

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analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(0)政治 | 経済

2021年11月30日

来年は『供給』が課題か?

立憲民主党の代表選、泉氏が選出されました。一回目の投票は逢坂氏148pt、小川氏133pt、泉氏189pt、西村氏102pt。決戦投票は泉氏205pt、逢坂氏128pt。2、3位連合などもなく、また棄権や無効票といったものもなく、一言でいえばマジメ。波乱も何もありませんでした。旧国民民主出身、ということで変なムラ意識を発動することがなかったのは、立民らしいといえるのでしょう。ただ問題は、誰になっても話題づくり。つまり国民に分かりやすく、どう目立つか? です。悪目立ちは政党の方向性や議員の質からは難しそうですが、なら政策や戦略で、どうやって自民より魅力的であると訴えられるか? 簡単ではない課題です。

オミクロン株が国内初確認、と報じられ、どうやら感染率が高いことは間違いないようです。軽症で済む、などという報告もありますが、それがワクチン効果なのか? しかしブレークスルー感染も報じられるように、感染した上で症状もある程度は出るようです。英国では市中感染も疑われますが、いくら水際で検疫をしていようと、簡単に入りこむことがオミクロン株でもはっきりしました。検査の精度やかかる時間もありますが、やはり中途半端な待機要請など、対策を抜本的に変えない限りは侵入を赦すことになりそうです。
そんな中気になるのは、モデルナCEOが「ワクチンの効果が薄まる」と発言したこと。最も毒性が強くて効果がある、そのモデルナ製で効果が不足するなら、次のワクチンはもっと毒性が上がってしまうかもしれません。そうなると、コロナで死ぬか、ワクチンで死ぬか、という選択になるでしょう。そしてそんな噂が立つと、ワクチン接種者が減る。今、接種証明で経済を回そう、との動きもありますが、それすら無意味になりかねません。私も未だに心臓に不調を抱えますが、強い副反応がでた人など、三回目を打つのを躊躇うでしょう。ワクチンを打つ人、打たない人、ばかりでなく打てない人が大量に出てくることも予想されます。

オミクロン株で株式市場は3日続落、円高もすすみます。ただ最悪な想定では、オミクロン株が猛威を振るっても、インフレが止まらぬ可能性もあります。原油は増産計画が立ち消えになり、来年も逼迫懸念がある。半導体は在庫不足が解消されつつありますが、恐らく物流はさらに混乱するでしょう。人手とコンテナ不足は解消されない可能性が高く、むしろ悪化するかもしれない。米国がテーパリングを開始したとはいえ、日欧の緩和がつづく限り金余りはつづきます。景気後退とインフレがすすむスタグフレーション、そんな事態になれば大変なことになります。オミクロン株の出現は、ある意味最悪なタイミングでもあるのです。
米株は底堅い状況ですが、今は実質金利がマイナスで、運用して収益を上げないと立ちいかない。そんな事情がそうさせます。でも、それが崩れたときはとんでもない波が襲うでしょう。あくまで最悪の想定ですが、それほど確度の低くない確率で、起きることも想定される。財政出動をこれからも世界各国でつづけていけるのか? ワクチンばかりでなく、来年のキーワードは『供給』になるのかもしれず、人、モノ、カネ、すべてにおいて適切に配分されないとき、世界は重篤な症状となるのかもしれませんね。

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analyst_zaiya777 at 22:45|PermalinkComments(2)医療問題 | 経済

2021年11月29日

きな臭い事件が2つ

新型コロナの新たな変異株は、オミクロンと名付けられました。xi(クサイ)は中国の習近平主席の音声に近いので回避された一方、日本からみれば尾身会長とかぶる。残念なことに、影響力という点で中国はやはりWHOに強い力を有するのでしょう。WHOでは一般的な苗字であるため、xiを回避したと説明するも、尾身は一般的でないようです。日本人の苗字は多種多様、一々そこまで考えていられない、ということかもしれませんが、逆に感染対策が成功しているとみなされている、日本の事情はオミットされたのかもしれません。

日大の田中理事長が脱税で逮捕されました。何の情報も得てはいませんが、この流れは政治から切られた人物らが辿るもののようです。自宅に1億あった、というだけで脱税かどうかは、まだ何の情報もありません。それなのに、あたかも有罪であるかのように報じられる。「脱税の容疑で逮捕」ではなく「脱税で逮捕」というものが目立つからです。別に擁護する気もありませんが、日大アメフト部の問題でも司法が配慮したように、政界にツテのある人物が今回、日大の背任事件には携わっており、政治との繋がりが気になります。
一方で、元参院議員の山内氏がかかわった業務上横領事件でも、なぜか「自民の」という言葉が抜けて報じられます。しかもこの山内氏、政治家時代にかなりきな臭い動きをしており、09年に次期選挙にはでずに政界引退を表明するも、10年に自民を離党して改革クラブへの移籍を表明する。改革クラブが政党要件を満たさなくなり、当時は自民と統一会派を組んでいたことからの救済であり、実質的には自民の指示で動いていたことが分かります。さらに朝鮮総連本部のビル売却問題で、彼の経営する不動産会社が動き、売却後も入居する契約を結ばせた、とされる。さらに学校法人明浄学院の理事として、土地売却にからんだ横領事件への関与も疑われる。そしてここにきて、羽田空港の格納庫購入という今回の事件。政治が…自民党が絡みそうな不動産案件を多数手がけてきた、裏から操ってきたのが、この山内容疑者となるのです。

しかもこの山内氏、勲二等の旭日重光章もうけている。元政治家として、叙勲で褒章を受けることも多いですが、最終経歴が自民を離党した政治家としては、珍しいことです。特に、高々12年しか国政に携わらなかった、文科副大臣クラスが限界だったのですから、尚更でしょう。むしろ政治の裏で暗躍する立場に、褒章が必要だったのか? 格式や信用といった面で、それを都合よくつかった可能性すらあります。
日大の田中理事も、山内元参議院議員にしても、あくまで憶測ですが、岸田政権に代わったことでパージされたのかもしれない。安倍氏や麻生氏、二階氏といったこれまでの主流が、外郭として都合よくつかってきた人物らを次々と逮捕させて、彼らの力を殺ぐ。裏では自民内の、そんなきな臭い動きが強く感じられるのです。脱税、横領、政治がそうしたパージによく使う罪状で陥れただけに、そんな意思を強く感じる。もしくは警察官僚が忖度し、犯罪性を疑わせる人物らをこれ幸い、とばかりに政権の交代に託けて逮捕したのか…? いずれにしろ、自民内の暗闘がこれから激しくなる予感しかしません。同時に二つも出てきたことからみても、岸田首相が本気だとすれば、ウィルスの生存競争よりも醜い生存競争が、自民内で勃発するのかもしれませんね。

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analyst_zaiya777 at 22:42|PermalinkComments(0)政治 | 社会

2021年11月26日

変異株で相場急落

南アで新型コロナの変異株が確認、と報じられます。南半球は春、変異が起きやすい気候ではあるのかもしれず、昨年もブラジルやナイジェリアなど、この時期に変異株が発見と報じられました。今回の変異株は、多くの変異が同時に見つかっており、ワクチンの効果に影響する可能性がある、と報じられるなど警戒が広がりますが、これは想定されたことです。逆に、この約1年の間にめだった変異が起きていなかったことの方が、やや意外でした。デルタ株は各国で脅威を広げていますが、それを越える変異株が出なかった? そしてそれを乗り越えたとすれば、超強力なウィルスになって登場することは予め想像できたはずです。

今日の日経平均は大幅下落でしたが、朝から日経レバが崩れ、そのままじり安という展開です。変異株に反応ということですが、やはり買い方の売りだった。買いのポジションが重いので、何らかの不透明要因がでると売らざるを得なくなる。今回のこれは、上記したようにテールリスクではなく、予想されたリスクです。逆からみれば、リスクをとった取引をしているから、そのリスクが起きたときに慌てるのであって、今の買い方はそれだけのリスクを負っている、ということ。だから日経平均は3万円の上値が重かったのです。
ただ、今回の変異株も、その情報次第ではすぐにリスク投資を復活させるでしょう。今や、どこも運用がマストであり、売りでとっても儲からないから、買いに集中する。米国では実質金利がマイナスで、投資に振り向けやすくなっている今、売りで入るのはリスクでしかありません。だから今、売り方はほとんどいないのであって、一部のリスクヘッジとしての売り建てしかないのが現状で、今の市場はかなり歪となるのです。

本来、今日は16ヶ月補正予算の閣議決定で、日系としては盛り上げたかった。しかし図らずも日本の補正予算など、いくら最高額をほころうと変異株一つで吹っ飛ぶ、ということが示されてしまいました。そもそもGoToなど、コロナ後の景気対策が盛り込まれているのであって、変異株が流行すれば元も子もありません。防衛予算や、一般会計に入れるべき項目も含むなど、景気対策としてはスジが悪い。金額だけ誇ろうと、中身が伴っていないことが自明で、評価しにくいのです。岸田政権の経済政策が見えにくいだけに、この補正予算でその疑念払拭とはいかなかった。それが失望を生じさせやすい理由ともなっています。
Black Fridayセールも始まりましたが、今年は黒字の金曜日ではなく、無理をして値引き販売をすれば赤字になる可能性もある。財布のひもの緩み方が、この変異株の登場でどう変わるか? むしろ欧米では気持ちの方は緩み過ぎていて、マスクなしで大規模イベントなども開催されています。日本も水際対策などを始めましたが、むしろ他国同様、ワクチン接種からちょうど感染を拡大させやすいタイミングで、変異株が入ってきたら大変なことになります。まだまだコロナ中、それを思い出させる変異株の登場であり、世界は篤い我慢できない病と、リスクテイク病に取りつかれており、だから逆にショックを大きくする。今回はBlack Mondayと同じように、暗黒の金曜日となってしまったのかもしれませんね。

明日と明後日はお休みしたいと思います。

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analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(0)経済 |