2017年08月17日

日米2+2と北朝鮮

トランプ米大統領が、白人至上主義を擁護する意見を述べ、全米で批判が集まっています。トランプ氏としては支持率低迷で、自身を支持する団体に配慮しただけ、のつもりでしょうが、米国で人種差別はタブー中のタブー。例えばKKKに関して言えば、隆盛と弱体化をくり返し、今は第三次KKK運動として、過去とのつながりのない組織が活動しています。第一次は南北戦争後、南部で残る黒人差別の集団として過激化したため、5年で法律で禁止されます。第二次は世界恐慌の前の1915年〜1928年で、金満による腐敗と堕落で消滅。
1940年代以降に生まれた今は、より理念が強まり、過激なテロ組織とそん色ないレベルで、実際に度々事件をおこすほどになっています。しかし組織が細分化されて取り締まりが難しく、また結社の自由、言論の自由などもあってKKKとして力をもちつづけている。米国民に、棘のように刺さった問題に、トランプ氏は火を点けたのです。

日米2+2が開かれ、急に陸上配備型のイージス・アショアの導入が決まりそうです。2、3基で日本全国をカバー、設置費が安い、など喧伝されますが、もし本当にそうならイージス艦4機で日本をカバーできているので本当は不要、となります。イージス艦搭載のSLBMと性能が異なるのなら、話はまだ分かりますが、そうなるとイージス艦が不要、となる。
恐らく本音は、イージス・アショアのカバー率は低く、かつ固定式であるため、狙い撃ちされて破壊されると、後は防衛網が総崩れになるのは必定。それでも米兵器を買う、と安倍首相が日米首脳会談で約束してしまったため、北朝鮮の緊張の折、何となく役立ちそうなものとして選択されたとしか思えません。しかし実際は真っ先に攻撃されて破壊されるか、破壊されるのを防ぐため、イージス・アショアの周りをPAC3で固める、という本末転倒なことが起こるのでしょう。しかし3、4発の同時発射で狙われるだけでアウトです。

北朝鮮問題の解決方法として、あまり語られないことを提案するなら、米朝で話し合うべきは朝鮮戦争の終結です。今は休戦状態であり、いつ戦争が再開されてもおかしくない。だから米韓軍事演習の斬首作戦に北朝鮮は怯え、過激に反発をくり返します。ならば、朝鮮戦争を終結させ、韓朝で平和条約の締結にむけた話し合いにすすむ。
そのとき、北朝鮮は非核化と中長距離ミサイルの廃棄。韓国は在韓米軍の撤退と軍備の縮小をともに約束する。その監査役に日中、及びまったく利害のない第三国の監視員を派遣し、軍縮について着実に履行させる。両国の軍備が縮小されると、他国の侵略を受けやすくもなりますが、韓朝同盟をむすんでニコイチの軍事力とすることで、対処する。そこまでいけば、大団円が得られるでしょう。これは誰も損をしない仕組みである一方、利害関係や過去からの遺恨は、一切考慮していません。逆に、それを断ち切れるかどうか、にその成否はかかっているといえるのでしょう。

日本では佐藤外務副大臣が、日本会議系の集会の講演で「ミサイルがグアムに行く。撃ち落とさなくてどうする。親友としての覚悟が問われる」としますが、幾つも嘘がある。グアム沖であってグアムではないこと。それに自衛隊では高高度のミサイルを撃ち落とせません。こんな嘘を喜んでいるようでは、質が低いと言われても仕方ないのでしょう。
質が低いといえば、自衛隊は厳重警戒の中、最高責任者の安倍氏は夏休みです。どうせ米韓軍事演習までは動きがない、と考えているのだとしても、自衛隊員はお盆休みもなく、警戒態勢をしいているのですから、公邸にいてイザというときに備える、ぐらいはしてもよいのでしょう。どこかの都知事でもあるまいし、別荘にいてもいつでも連絡が入るので問題ない、というレベルではなく、ことは国防に関わる問題です。佐藤氏の煽り、安倍氏のお気楽ぶり、この政権には本気で自衛隊のことを思いやれる人はいないようです。私は英霊という言葉が好きではありません。国のために生き、亡くなった人がいても戦死者以外はそう呼ばないからです。戦死者は、国の誤った施策で犠牲になった、哀悼の意を示すべき対象であるものの、殊更にそれを美化しているような印象をうけることも、英霊という言葉が好きではない理由です。しかし安倍政権の誤った施策で、自衛隊に犠牲がでてもうかばれないことは間違いなく、安倍政権が「英霊」などと使うと、余計に懐疑的に聞こえてしまうことにもなりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2017年08月16日

雑感、米国の小売売上高と個人債務

米国ではNAFTA再交渉が始まります。昨日発表された米7月小売売上高は前月比0.6%増。市場予想(0.4%増)よりよいばかりか、6月も0.2%減から0.3%増に上方改定されていますから、尚強い数字といえます。しかし気になるのは、自動車が7月は1.2%増、6月は0.9%増と、全体の数字よりも強いことで、自動車部品も合わせるともっと強い。つまりその分、一般消費の部分は抑えられているのであり、自動車の強さも、自動車サブプライムローンや販売奨励金の一服で、一時落ち込んでいたものの、ここにきて回復したのはNAFTA再交渉により、輸入車の価格が上がる前の駆けこみ需要ではないか? とみられます。
住宅価格も、カナダからの木材輸入に関税がかかるようになれば上がる、とみられますが、すでにカナダの大規模森林火災があり、NAFTA再交渉がなくても上がっている。住宅は投機マネーも多く、上がる分には購買意欲が下がらない点もあります。一方で、自動車は課税されれば影響は甚大です。しかも、ここにきて売れなくなった自動車の大幅値引きも目立つようになり、一方で中古車市場の崩れもあり、価格は低下している。今が買いやすく、将来に買いにくくなるので、ここで買っている面が強いのではないか? そうなると消費が堅調、との見方も一時的なものにすぎない、ということになります。

心配な情報は他にも、4-6月期の米個人債務が前年同期比5520億$増え、13兆$弱と過去最高となった。住宅や自動車の販売が好調なら、高額消費であり当然増えるものですが、賃金上昇が限られる中で、本当に返済していけるのか? 世界的な傾向として、超低金利が生み出したあだ花、金利上昇局面で、それがどう変化するかは予断を許しません。
米株式市場が割高、と答えた投資家が46%と過去最大、という記事もあります。これまでも指摘してきたように、今の市場は『買うから上がる、上がるから買う』で成り立っています。昨日の日本市場でも『北朝鮮リスクの緩和』として株が上昇しましたが、もう一つ特徴的なのが為替が円安にもどしたこと。今のドル円は108-115円のレンジ相場であり、108円を割って更なる円高にいく動きを拒絶しようとした、そんな動きといえます。

株も為替も、下の動きに一旦傾くと、ロスカットも含めた動きが大きくなることから、それを防ぐ動きが活発です。しかしそれで支えられているうちはよいですが、想定以上に大きな動きとなると、予防保全的な動きの分も下げをきつくしてしまう。今はまだ北朝鮮の問題にしろ、想定の範囲にとどまっているので切り返しますが、いずれこうした動きも限界を迎えます。9月は需給的に下がりやすい月、そのタイミングで何か起こるのか? それともまだまだゴルディロックス相場をつづけるのか?
注意すべき水準とはいえますが、何がキッカケになるかは不明であるため、断言はできません。しかし種々の危険を示すバロメータだけは、どんどん上昇をつづける。いつそれが弾けるのか? 今はそのタイミングだけが問題といえるのでしょう。いつまでも続けることができない形で、市場は上昇をつづけてきました。それが正常化するだけで、下落のキッカケになりかねない。今、気になるのはトランプ政権への見せしめ的な相場の下落であり、企業経営者が逃げ出し始めていることでも分かるように、相場関係者まで逃げだすようだと、米国の終わりの始まりが見えてくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(13)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 経済

2017年08月15日

終戦記念日と北朝鮮への対応

終戦記念日に、各党が談話やコメントを発表しています。興味深いのは社民と日ここで、社民は「憲法改悪を阻止」、日ここは「自主憲法を制定」とする。終戦記念日と関係ありそうにはないのですが、ともに憲法に言及する。民進の蓮舫代表も談話で「立憲主義、平和主義を無視した憲法の改悪」に自民がつきすすむ、としますが、安倍氏が示した改憲案は少し異なります。9条に3項を付け足す形だと、自衛隊がすこぶる危険に晒され、かつ自衛隊員への負担が過剰に増すことが問題であり、論点がずれています。
ただ自民の改憲案が、安倍氏の提案通りになる可能性は著しく低くなり、今やどんな形になるか分からない。そんな自民の談話は「積極的平和主義」をアピールしますが、この言葉こそ空しいものはありません。危険な場所に自衛隊を派遣し、それを「衝突」と言い繕い、また武器さえ使わせない。この言葉の裏には「自衛隊的危険主義」が付きまとうのであり、それを語る政治家は、危険とは無縁で国内におり、外交はせずに安穏と時を過ごす、といった態度があるのです。例えば、PKO部隊を派遣するなら監視役、報告役として指揮命令権のない政治家が帯同し、毎日のように国会へと日報を上げる。戦場随行記者のように、淡々と報告を上げることで、自衛隊の労苦も広く知れるところとなるでしょう。

そんな終戦記念日で、かつてないほどの緊張が高まります。安倍首相は今朝、米トランプ大統領と電話会談し「ミサイルを強行させないことで一致」とします。正直、いくら短期的な目標とはいえ、内容が薄っぺらいといえるのでしょう。今回はロフテッド軌道と呼ばれる高く打ち上げ、日本海に落とすという手法ではなく、日本を飛び越してグアム沖30〜40kmのところまで飛ばす、というだけのこと。その発射を強行させなかったからといって、何が変わるわけでもありません。しかも、北朝鮮は少し様子見、としているのは対話について米国が言及したからであり、強行させない=話し合いをする、です。
つまり安倍氏は、世界が包囲網を築くことが大事、としていますが、今回の話し合いは包囲網によって北朝鮮が疲弊し、行われるものではなく、日米が発射させないため、として行われる話し合いです。ステージが二つも三つも前にもどっている。包囲網を築くことが必ずしも解決に導かないことを、今回の件はみとめるようなものなのです。

ただし、これは当然の帰結です。包囲網によって北朝鮮が屈服するような事態は、中露にとって容認できないものです。そうならないよう、あの手この手を尽くすでしょう。つまり中露を上回って、裏工作を防いで成果をだすのは、途方もない労力と知恵が必要となります。どこの国も、そこまでして北朝鮮包囲網を強固に構築するような努力をしていないのであり、結果が伴わなくて当たり前です。言葉は悪いですが、安倍政権のやっていることはただの時間稼ぎに手を貸しているようなもので、北朝鮮との関係において生かさず殺さず、という従来の形を踏襲しているだけにすぎないのです。
トランプ氏も、安倍氏も、支持率回復の特効薬に北朝鮮、という共通の認識があるように思えてならない。つまり安倍氏が「米国と完全に一致」したのは、北朝鮮の利用方法ではないか? トランプ氏が北朝鮮に強硬な発言をくり返し、政権内の要人が火消しに回る。やり口は日本とも似ます。将来的に朝鮮半島の非核化や挑発を止めさせること、その長期的な戦略と、ここで撃たせること、がどうリンクするのか? それがよく見えない限り、日米と北朝鮮、そこには阿吽の呼吸ならぬ、ア日北の呼吸がある、と疑わざるを得ない、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(12)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2017年08月14日

4−6月期GDP速報値について

安倍氏が閉会中審査が終わった後、桃の贈呈をうけて「ジューシー」と使いました。かつて何を食べても「ジューシー」としか言わない、との批判を受けて、官邸の贈呈ではスピーチライターがコメントを考えていた時期もありましたが、そんな余裕もなくなったのかもしれません。味覚オンチは政治の能力とは関係ありませんが、言葉が拙いことは政治家としての能力として、疑問符がつくというものです。

4-6月期GDP速報値が発表されました。内需の寄与度が1.4%増で、外需の二期連続のマイナスを補って余りある結果となり、前期比で実質GDPは1.0%増、年率で4.0%と良好な結果です。名目でも前期比1.1%増、年率で4.6%増で、実質の予想が年率で2.5%が中央値だったことをみても、予想を上回る結果といえます。
ただ中身でみると、やや首をかしげる結果もあります。家計消費支出が0.9%増で、エコポイント減税に伴うテレビの買い替え需要、といいますが、家電量販店に出向いても、そうそう賑わった感覚がない。一部、ドンキの5万円4Kテレビが即位り切れ、といった記事もありましたが、家電全体に盛り上がりはあまり感じられません。さらに以前から指摘しているように、今の4Kテレビを買っても、将来の4K8K1放送が始まると、新しくチューナーを買い替えないといけない。買い替えるインセンティブはそう高くなく、一体誰が買っているのか? 不思議という他ありません。

企業の設備投資も好調で、3四半期連続の高い伸びですが、機械受注が落ちてきており、今後は伸びも限られそうです。公的資本形成は5.1%増となるなど、補正予算の影響といいますが、逆からみれば補正予算に関わらない個人消費や設備投資がこれほど伸びるのなら、どうして補正予算を組んだのか? という話にもなる。今回の予想を大幅に上回るGDPの結果も、実は今年、補正を打てる予算的余裕がないため、4-6月期を高くみせかけて補正を打たなくてもよいようにするための仕掛け、などという声も聞かれます。需要が弱いわけではありませんが、こんなに強いのか? という疑問が大きいのです。
そもそも賃金が伸びていないのに、消費が増えるということは家計の負債が増えている、ということ。これは世界的な傾向でもありますが、日本にも愈々その波が訪れた、とするなら、世界の景気も最終局面といえるのかもしれません。日本人ほど慎重な国民性のある国で、借金依存の消費に頼るのなら、世界はもう借金まみれの国民が増えた、ということにもなりかねないからです。

外需が落ちてきているように、トランプ減税期待の消費が剥落し、今はまだ共和党減税への期待が残るものの、増やした分を減らさないといけない局面です。なぜなら賃金の上昇率が低く、ここまで消費を増やせる状況でないにもかかわらず、税金を払わなくてよい、ということだけが消費を押し上げてきたからです。
世界は4-6月期がピークだった、となるのか? 株価も調整色を強めます。本気で北朝鮮との軍事衝突を意識するにしては、金や資源価格の相場がほとんど動いていないので、あくまで夏休みをとるファンドマネージャーのイイワケにすぎないと考えますが、ボラが低下し、とにかく投資を増やしてきたファンド勢も、こうしてリスクを意識するようになったことで、今後はボラの上昇に怯える市場が現出するのかもしれません。誰が買っているのか? それは市場も、消費も同じであり、何か説明がつかないことが、世界的におきている可能性があります。いつまでも「ジューシー」というばかりで、本当の価値が分かっているのか? ジューシーには『お金がもうかる』という隠語的な意味も含みますが、その実態を知ったときは、世界がひっくり返ることになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(18)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2017年08月10日

日報問題と北朝鮮のミサイル

自衛隊PKO部隊の日報隠ぺい問題に関して、衆参で閉会中審査が行われました。しかし任命責任があるはずの安倍首相、稲田前防衛相、黒江前防衛事務次官、岡部前陸幕長の出席は与党が拒否。結果本位の仕事せん内閣、疑惑を解明しません内閣が、早速その仕事しないぶりを発揮しました。「特別防衛監察で調査したもの以上はない」と森山自民国対は述べますが、どこの組織でも不正があったら第三者委員会を設置します。しかも、今回は防衛相の関与が疑われる。防衛相下の組織である防衛監察で済むはずがありません。
しかも証言が食い違っていたことは認めながら、これ以上は調査する気はない、という。まさに『仕事せん内閣』です。党内でさえ擁護の声は少ない中で、稲田氏をこれだけ隠すのは、やはり安倍氏の意向なのでしょう。秘蔵っ子が無能、というばかりか、議員不適格の烙印を押されたら、人をみる目がない、とみなされる。毎回のように組閣に失敗し、早々と辞職する閣僚をだす安倍氏に、人をみる目など最初からないのかもしれません。しかしそう見做されないために払う代償は『疑惑隠しをする』内閣、との印象です。

北朝鮮がグアム沖に4発のミサイルを撃つ、との警告をだしました。今日の閉会中審査でも、小野寺防衛相は対応をはぐらかしていましたが、実は日本にとって頭の痛い問題です。安倍政権となり、これまで自民党が示してきた方針と、大きく変わった防衛上の、特筆される点は「核の傘の下にあるから核廃絶の動きには参加できない」と「日本上空を通過し、米国を攻撃するミサイルを迎撃する」です。前者は、なぜできないのか? といった説明もなく、これまでの自民との方針とも違えた。恐らくは首相本人の考え方一つであり、できないということに理由はありません。本人がそう考える、というだけです。
後者の問題が、今回は浮き彫りになります。しかし北朝鮮からグアムに攻撃する場合、日本の領海、領土の上を通過するときは、すでに高高度であり、現実問題としてPAC3では迎撃が不可能でしょう。それは日本海で、日本の領海に巡洋艦を並べても同じです。存立危機事態、なるおかしなことで迎撃をする、としてきましたが、実際に上昇するタイミングで撃ち落とすには、韓国の領土か、韓国の領海においてしかない。それが今回の北朝鮮のミサイルで、詳らかにされるかもしれない、ということなのです。

しかも、ミサイルとは言っていますが、自国に落ちない限り、撃ち落とす権利は本来、他国にない。米国の領土に落ちる、ということを軌道から計算し、それから迎撃ミサイルを撃つことなどわずか10分でできるはずもない。つまり出来もしないことを、あたかもできるかのように語り、軍事傾斜させようとしていた安倍政権の方針が、実際の北朝鮮の行動によって、実際にできるのかどうか、はっきりすることにもなるのでしょう。
安倍政権になって、急にできること、できないこと、の線引きが変わった。その虚実がここで鮮明になる。そしてもう一つ、北朝鮮がもし仮に失敗し、日本に落ちてくる場合、それを撃ち落とさなければいけない。しかし失敗は軌道が読みにくく、成功する確率も低くなる。PAC3が本当に機能するのか? それも試されるといえるのでしょう。

防衛省の隠ぺい体質も、今回ではっきりした。国防を担うにふさわしい組織なのか? 北朝鮮のミサイル発射は、色々な意味で日本の問題を浮かび上がらせるのかもしれません。被爆者からも厳しく詰め寄られた安倍氏、夏休みにだされた宿題は、これまでの態度、言動が問われるものです。閉会中審査は結果をだせなかった、そして北朝鮮の問題では、結果本位というからには『失敗即退陣』といった厳しいことにもなるのでしょうね。

明日から3連休をとり、再開は14日となります。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(61)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2017年08月09日

雑感。米北の緊張

茂木経済再生担当相に、公選法違反の疑いが報じられます。地元の有権者に衆議院手帖やカレンダーを配っていた、とされ、茂木氏は「党員や政党支部に資料として配った」と説明します。しかし党員とて有権者であり、また党員だからよい、などと公選法に規定されているわけではないので、茂木氏の説明はイイワケにもなっていません。
しかしこれまでも安倍政権では、団扇を配った閣僚が公選法違反に問われましたが、閣僚辞任で済まされました。もし公選法違反なら、政治家すら辞すべきにも関わらず、です。そうしたごまかしは、支持率の高いうちは通用しましたが、支持率の落ちた今はどうなるか? 早速と週刊誌では身辺調査が行われており、女体盛りの話なども含め、醜聞まみれになるかもしれない。仕事人内閣が、仕事せん内閣ともなれば、国民の失望も早いでしょう。茂木氏について「人づくり」どころか「人潰し」が得意、ともされます。人生100年計画などという会議を立ち上げ「人(使い)尽くし革命」なのか、「人潰し革命」なのかは分かりませんが、醜聞により「人雪崩革命」となるのかもしれません。

米国と北朝鮮の緊張が高まっています。北朝鮮が核弾頭の小型化に成功、とすればトランプ大統領は記者会見で「炎と怒りに直面」とするなど、言葉だけみれば一触即発です。支持率の低下に悩むトランプ氏が、強硬策に打ってでる可能性も残されている一方、北朝鮮もグアムへの威嚇射撃に言及する。言葉同士がエスカレートすると、実際の行動に移す可能性も高くなり、俄かに国際的な緊張が高まった形です。
ただ中露は微妙な情勢です。経済的には何とか小康を保ちますが、中国ではなりふり構わぬ人民元高誘導が功を奏し、資金流出を防いでいますが、また情勢が変わると人民元が売り込まれ、資金が逃げるといういたちごっこに陥りそうです。露国はWTIが50$/バレル近辺にもどして小康ですが、国内の物価上昇で国民経済は疲弊。戦争で国内の不満を逸らす、ということをしようとしても、ぎりぎり保たれていた経済が底割れする可能性がにじみます。戦争をしたくない中露、戦争を煽って国内を引き締めたい米国、大国の間で立ち回って大きな利を得たい北朝鮮、という構図がさらに事態を複雑にしています。

株価は久しぶりに1%を大きく超えて下落。ただ北朝鮮問題は口実にされただけで、実際は外国人投資家が夏休み前に、ポジションを落とす動きだったのでしょう。気になるのは久しぶりに先物も大商いですが、日経ミニでずらりと国内証券会社が買い方に並んだこと。恐らくすぐ切り返す、とみての買いでしょうが、外国人投資家がポジションをもどさない限り、新たな買い手は現れず、もどさない可能性もあり、外国人投資家の夏休みの状況次第では、日本人投資家による投げでもう一段下げる可能性もあります。
米国はシリアで反政府組織への支援を止め、事実上見捨てた。米国が北朝鮮問題で見捨てるのは何か? 今はまだそこまでの準備も、心構えもできていないとは思いますが、それは日本や韓国ばかりでなく、世界経済の行方も含まれるのかもしれません。トランプとは元々切り札、という意味で、カードゲームで遊ぶ外国人が「トランプ、トランプ」と言っていたことから、日本人はそのカードをトランプというものだ、と誤解してその名称がつけられた、とされます。誤解というボタンの掛け違え、双方が切り札を切るようなときの影響は甚大であり、夏休みなどとっている暇もなくなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(18)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2017年08月08日

7月景気ウォッチャー調査と人づくり革命

7月の景気ウォッチャー調査がでて、現状判断DIは49.7(前月比-0.3pt)、先行き判断DIは50.3(前月比-0.2pt)でした。好調だった6月から企業部門が大きく落ちたこと、家計部門が微減で両方が足を引っ張った形です。気になるのはアンケートの内容で、人材不足で売り上げが落ちている、との意見が目立つこと。通常、人材不足なら賃金を上げたり、条件をよくしたりして人材確保に努めますが、現状の日本ではそれができません。
業況拡大に伴う人材確保なら、人件費増などのコストアップを賄えますが、今は引退する人材に対する穴埋め。特にそれが、高齢で安価に雇えていた人の代替ですから、パイの維持にしかならず、人件費増のコストアップが業績を悪化させてしまいます。それなら人材を補充せず、売り上げ減少に任せる。日本企業が縮小、均衡をめざしている様子がうかがえるのです。需要が変わらないなら、1人辺りの売り上げが多少アップし、それで十分。それがゼロ成長、人口減少の日本では最善な判断だと、企業が認識しているのが問題です。

家電は液晶テレビやエアコンが好調、これは猛暑の影響もありますが、エコポイント減税の買い替え需要がきているためで、特需の類です。しかしボーナスの減少か、家電の大きな買い物が響くのか、夏物セールの売り上げが落ちている、とされます。安売りしないと売れない、20〜30%の値引きでは売れない、とも。つまり国内需要が著しく落ちており、引退して大きな買い物がしにくくなった層も、家電の買い替えで夏物セールの買い物を控えざるを得ない、という深刻な事態が、ここから読み解けます。
そんな中、茂木経済再生担当相が人づくり革命にかかわる会議を『人生100年時代構想会議』とする、と発表しました。人づくり革命とは、死ぬまで働け、ということか? 誰もがこの名称からそれを連想するでしょう。若者のスキルアップや、専門教育といったことは連想させず、まるで社会保障でも検討しそうな会議名です。こうしたところにも政権の本気度、どういう方向に日本を向かわせたいのか、が分かるというものです。

安倍政権は、縮小均衡に向かう日本で、少子化を解消してそれを変化させるのではなく、今ある人材を使い尽くし、しゃぶり尽くして終わり、とでも考えているのでしょう。そしてそのときは、年金の受け取り年齢も伸ばし、働いている限りは年金受給額も減らし、そうやって最期まで働かせて人材不足を解消する、そのための会議にしか見えません。
人づくり革命、むしろ『子づくり革命』とでもして、新しい婚姻関係の築き方や、子供が生まれたら行政が責任をもって育てる、金銭面の不安は与えない、というような施策を打ち出した方が、よほど将来の日本にとって有益である、とさえいえるのでしょう。どうやら『人づくり革命』とは、高齢化社会に伴う国の形を変える『国づくり革命』に終わりそうで、安倍政権がそこにしか向かおうとしていない現在、日本は縮小均衡にむかってただひたすらに国力を落としていく、ということが鮮明になってきたのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(10)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2017年08月07日

ワイドショーと政治

ノロノロ台風5号の被害が拡大しています。偏西風に乗らないこともそうですが、上陸してもそれほど威力が弱まらない。ここまで陸地に近づくと、これまでなら熱帯低気圧に変わるものですが、そうならない。これも地球温暖化の影響なのかもしれません。

プレミアムフライデーの経済効果は5000億円、と試算したEY総合研究所が、設立から僅か4年の今年6月末、解散しました。官公庁のご用達、注文通りの試算結果をだし、政策の効果に対してお墨付きを与えるため『だけ』に存在した研究所ですから、長く続ければ試算と結果が大きく異なる、といった膿も溜まる。こういう組織ができては消え、そして新たな組織がまた意味のない試算をだし、政策の正当性を補完する。こういうことをくり返すから、日本の政策は効果がないばかりか、負の影響がある政策ばかりとなるのです。
仕事人内閣、を標榜した第三次安倍再々改造内閣、早くも江崎沖縄・北方領土担当相の失言がでました。「役所の答弁書を朗読」「私は素人」と述べました。深刻なのは、沖縄も北方領土も、安倍政権が重点政策に掲げているにも関わらず、江崎氏に二度も就任要請をしたこと。一度目は断られ、二度も要請した。三顧の礼とまでは言いませんが、そうまでして請い願った人材が「素人」か? 安倍政権の本気度が疑われます。

最近、安倍ライトの層を中心に「ワイドショー=害悪」説が流されます。安倍政権を攻撃するから、というのがその理由ですが、ワイドショーについての誤解もあります。ワイドショーは「情報番組」ともされるように、雑多な情報を報道番組とは少しちがった形で、時には掘り下げる形で取り上げます。しかし報道番組と異なり、視聴率が重視され、話題の切り口も国民の興味をひくことができるよう、味付けがされています。
重視されるのは3点。奇抜な事象、事件。特異なキャラ。そして未解明であること。このうち特異なキャラは、例を挙げれば松居一代氏、上西議員、籠池夫妻、キャラが立つとどんな話題でも注目されます。そして今、安倍政権を悩ましているのは「未解明である」こと。つまり日報問題も、森友学園の問題も、加計学園の問題も、すべて謎の状態のままであり、国民にモヤモヤ感が溜まる。そうなると人はどんどん興味が湧き、注目度が上がる。それを取り上げた方が視聴率が上がるので、自然と放送時間も長くなります。

野党に「証拠をだせ」などというのは論外です。捜査権もない以上、証拠はリークに頼るしかない。一方、安倍政権ではそれを「怪文書」などと呼び、後に省内の文書だと認める。それが証拠になり得るのかどうか、それすら判断するのは政権なのです。そして行政の監視機能をもつのは国会であり、その国会では与党が最大勢力として、調査を拒む。これでは野党が調査できるはずもありません。そして安倍政権が、与党がそうして調査を拒むからこそ、謎として残り、ずっと国民の興味をひきつづけます。
つまり安倍政権が実態解明をこばみつづけるから、ワイドショーに飯のタネを与え、取り上げられるからさらに苦境になる。苦境だからワイドショーを攻撃するも、攻撃されるということがさらに注目を集め、視聴率がとれる。そのくり返しをしているのです。その流れを変えたいなら、安倍政権が未解明のまま残すのではなく、国民が納得する形で結論をだせば、この話題は2日で終わるでしょう。仕事人内閣、本来は『仕事師』とすべきですが、仕事しない閣と揶揄されるから、『仕事人』に替えたともされます。しかしナゼか、字面と音、そして政権の態度から『非国民内閣』に聞こえてしまう。結果本位というのなら、醜聞とされる問題にも結果をださないといけませんが、それをできずに未解明のままなら、まだまだメディアの追及は止まらないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:26|PermalinkComments(32)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年08月06日

雑感。政治のこと

豪国でオスプレイが墜落し、小野寺防衛相が米軍に自粛を要請しました。しかし米軍が受け入れるかは不明ですし、何よりそんなオスプレイを日本は購入しようとしています。事故の原因次第では、購入計画の見直しも必要であって、これは重要な問題です。
安倍首相が広島の平和祈念式典で演説を行いましたが、核兵器の廃絶にむけた国連の決議に日本は不参加、「核兵器のない世界の実現」を訴えても、空々しいばかりです。しかも「国際社会を主導していく決意」とも。安倍政権で、核廃絶にむけた世界の流れに日本は出遅れてしまったのであり、決意を抱くのは勝手ですが、国際社会からすれば笑い者です。自分からその地位を下りたではないか、と思われるだけだからです。

国家戦略特区WGのH27年6月の会議に、加計学園の関係者が3人出席、しかし説明補助者として議事録には出席の記載がなく、また発言の記載もないことが分かりました。WGの座長である八田氏は、安倍首相も出席する国家戦略特区諮問会議にも出席します。今治と加計は一体、そういう認識は当然、八田氏ももっていたでしょうし、それを安倍氏に伝えない方がおかしい。1月20日まで知らなかった、という安倍氏の説明がますます怪しくなった、といえるのでしょう。しかも、今日になって政府が設けたHPで明らかにするなど、後々ばれたら大変だから、今のうちに掲載しておこう、という魂胆がミエミエです。
八田氏はこれまでも議事の公開をもって透明性は高い、と説明しており、その議事要旨に載っていないことがあるとなると、説明そのものの価値が下がります。そもそも議事も要旨であって、発言のすべてが記載されるわけではありません。どの会議でも、都合の悪いことはオフレコにするものであり、必ずしも透明性を保てるものではないのです。八田氏の説明、認識に問題があり、信用性については今後も議論の対象となるのでしょう。

安倍氏が来年10月に予定されている消費税再増税について番組内で言及し、デフレ脱却により税収が安定的に増える。デフレ脱却が最優先。ともしました。しかしこれは嘘です。インフレと景気後退が起こるスタグフレーションになれば、デフレ脱却を達成しても税収が増えるどころか、減ります。成長の結果としてインフレにならなければならず、優先するのが逆なのです。しかも、お金をばらまいて円の価値を下げ、インフレにするという手段はこの5年で否定された。他の手を示さないのなら、安倍政権では達成不可能となります。
また同番組内で、加計学園の問題について「驕りがあった」としましたが、今問われているのは「奢りがあった」ことです。1月20日まで奢り、奢られ、という関係だったことを認め、一方で認可申請を「知らなかった」という。閉会中審査で新たにでた疑惑を「謙虚に丁寧に説明する」気は、今のところないようです。10日の閉会中審査は安保委なので、自衛隊の日報問題のみに焦点が当たりますが、稲田前防衛相の出席も拒否する。安倍氏や菅官房長官が「謙虚に丁寧に」と言いますが、態度でそれを示す気はないようです。言動と行動の不一致、それがもっとも信用を落とす行為であり、そんなことをくり返していたらオスプレイ政権として、墜落しやすさを指摘されることになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(14)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2017年08月05日

来年にかけての経済

米7月雇用統計が非農業部門雇用者数で20.9万人増となり、失業率も0.1pt改善。良好な結果となり、利上げを意識されて金利が上昇、円安になって帰ってきました。しかし賃金上昇率は前年同月比2.5%増と、金融危機前にとどかず、インフレに加速感はない。それでも利上げせざるを得ないのは、過熱感の方が強まってきたからです。
世界の不動産市場は、日本のバブル期並みの上昇を示し、個人債務も拡大。お金を借りて投資をする、という状況が世界で蔓延しており、新規に資金が流入するため市場が上がる。上がるから資金が流入する。その循環で押し上げられてきた。株式市場は国のGDPを大きく越える時価総額となり、正当化できる範囲を超えている。ネットの個人取引など、国が関与しない部分もあるため、株式市場でも必ずしもGDPを目安にする必要はないかもしれませんが、世界全体の株式市場が上昇する、といった異常な状況が今ですから、これが問題ない状態です、などという理屈は相当程度、懐疑的な目を向けておいた方がよいでしょう。

問題は、来年の市場に警戒信号がともる点です。米欧の中銀で、引き締めが今年中には開始される見込みです。ECBの利上げと、FRBによる資産縮小。恐らく後者の方が資金の流れに与える影響が大きく、米国債に金利上昇圧力がかかる。と同時に、少しでも利回りの高い債券を求める動きから、米国債は変われ、金利はそれほど上下しないかもしれない。しかし不動産市場に流れ込んでいた資金の一部が、米国債へと向かうことになります。
日本のバブルがはじけた後の住宅市場を例にだすまでもなく、世界各国で深刻な消費低迷と、金融不安を引き起こすことでしょう。これはバブルを深化させつづければ、さらに弾けさせたときのダメージが大きくなるので、いつかは通らなければいけない道です。しかしそれが起こりそうなのが来年、というのが問題でもあるのでしょう。

政治的混乱も年末から来年にかけて、大きくなりそうです。米国ではトランプJr.への大陪審が決まりそうです。米共和党としても、トランプ政権で中間選挙を戦えないことは自明。仮に年末までトランプ政権が続いても、来年には共和党内から引きずり下ろす動きが出てくるでしょう。露国との共謀を根拠とした弾劾の可能性があります。
日本も改造はほとんど失敗。支持率もすぐに危険水域に落ちるでしょう。欧州では選挙イヤーでしたが、何とか極右の台頭を防げそう、との認識も広がります。しかし誕生した政権の支持率は低く、欧州でも経済が堅調なので、デモなども鎮静化していますが、不動産市場がコケると一気に政治不信が広がる公算も高い。日本ではほとんど不動産価格が上昇していないので気づきにくいのですが、今や不動産市場の行方が世界経済、ひいては世界の政治情勢すら揺るがしかねない、とも言える事態にまでなっているのです。

これまではオイルマネーの変調、中国経済の不安、などがあっても資金の流れが変化しなかったのは、中央銀行が緩和をつづけてきたからです。それが今年の末にかけて止まる、変化する。まだ緩和の手段、規模も分からないので、影響については推し量れませんが、とにかく来年、変化を示すサインがいくつも出ていることは間違いありません。
日本の問題は、世界経済が変調したとき、緩和の手段も、政府による景気対策の手段も限られる、という点です。安倍ノミクスで5年間、無為無策のまま緩和だけをつづけ、余裕を失っている上、引き締めにも出遅れている。来年はあらゆる意味で試される一年、となるのかもしれません。まだ今年、5ヶ月も残していて来年の話をすると鬼に笑われそうですが、鬼も裸足で逃げだす、そんな経済情勢が近づいていることだけは間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:02|PermalinkComments(18)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治