2020年11月30日

安倍支持層とトランプ支持増

米国ではトランプ大統領が「不正選挙」を訴え、敗北を認めようとしませんが、続々と敗訴した上、最高裁に持ちこんでも勝てない、と弁護団に諭されたといいます。証拠を一切示さず不正を訴えるのですから当然ですが、年末で切れる景気支援策をトランプ氏がどうするのか? 失効すれば住む場所を奪われ、倒産する企業もでてくる、とされます。バイデン氏も大統領に指名されるまでは動けず、下手をすれば米国が崖を転がり落ちる、といったことにもなるのでしょう。トランプ氏が真の米国第一なのか、が試されます。

トランプ支持層と安倍支持層はニアリーイコールとされます。既存メディアを信用せず、もしくは攻撃し、明らかな虚構、虚言に飛びつき、それを周囲に訴えることに熱を上げる。時に行動を伴い、わざわざ渡米してトランプ氏の選挙運動を応援するなど、その情熱と資金力は群を抜きます。これを新部族主義、歪んだ愛国主義という人もいますが、意外と高学歴で、社会的地位の高い人まで加わるのが特徴とされます。
トランプ氏が訴える不正選挙を、何の根拠もなく自分たちでも訴える。こうした人の特徴を考える上で重要なのは、巷間語られていること、メディアが報じることは虚構で、自分たちが知っている、もしくは訴えることだけが真実、という優越感にも似たものがあるのでしょう。だから周りを善導、もしくは教導しようと、行動力をみせる。ただし自分たちを攻撃する者、その説を揺さぶるような相手を敵視するため、苛烈な攻撃を加える。陰謀論者に近い一方で、陰謀論ほど理路整然とした理屈に則っているわけではなく、かつ自分たちが信じるサイトや週刊誌、または論者などのことは盲目的に信じ、自分たちの意見を補強、または補足するような有識者のことは賞賛を極める。個人的に、こうした人々は極端な凝り性の人なのだと考えています。

凝り性なのに、他に打ちこむ趣味がない。しかも、疑り深い一方でころりと騙される。騙される深層には『自分たちは損をしている。それは周りが悪いから』との価値観もくすぶる。自分の不幸を、何かや誰かに責任転嫁することで、自分を充足させる。嫌中や嫌韓といった行動もそこに含まれます。排外主義ともされますが、報われない自分とそこからの救い、救世主を悲願する。それは過去からキリストや釈迦を信じ続けた人々と、根本は同じ。逆にいえば、お金があっても満たされなさ、という点は共通するからこそ、そうした自分を救ってくれそうな何者か、を待望した結果、そこに安倍氏やトランプ氏が乗っかったのでしょう。
日本では何度か、新興宗教ブームがありました。しかし20世紀末以後、隆盛を極める新たな宗教が現れていない。私はその受け皿が、こうした層を生んでいるのでは? と考えています。つまり安倍教やトランプ教といった形で、彼らのすることを全面的に支持、そこに疑いをもつことは教えに反することであり、忌み嫌われるものだ、という偏狭な考えに乗っ取られている。そうした宗教的な考えにのめりこみやすいのは、やはり高学歴で社会的地位のある人も多いものです。結果、彼らは自分たちの考えを改めることは基本、しません。

大切なのは、米国ではプロテスタントという大きな宗教的柱もあり、新興宗教に靡きやすい一方で熱も冷めやすい。日本は国民の柱というべき、根本の宗教をもたないため、肥大化した新興宗教は一定程度、社会に残っていく傾向もあることです。米国でも同様ですが、より日本の方が深刻で、だから米国では熱が冷めつつある、というトランプ氏の不正選挙も、未だに日本では盛り上がる、という歪んだ状態も生まれます。この新興宗教の社会化、という現象をうまく説明できるようになれば、日本でも目を覚ましてくれる人が多少は増えるのかもしれません。教祖様が罪に問われても、それは社会やそれ以外の勢力の攻撃だ、とみなす考えも新興宗教の特徴です。そうした層に担がれた人が、権力を握ることは厳に危険ですし、今後はそうしたことが起こらないような仕組み作りが求められるのかもしれませんね。

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2020年11月29日

雑感。記者会見しない菅首相

読売が独自として、不妊治療の保険適用の工程表が示されました。年明けから助成制度を拡充してつなぎとし、制度の運用は22年4月になりそうです。問題はそのつなぎ策で、現在は初回30万円、2回目以降は15万円の助成となっていたものを、2回目以降も30万円として6回まで、夫婦合算で730万円の所得制限を撤廃、です。実体を調査した結果、ガイドラインを策定してそれが反映されるのが22年4月ですが、現状でも助成の額では足りない、とみられます。来年の夏頃にガイドライン策定、とされますが、もしそこで助成制度よりも有利、となったら、22年まで不妊治療を控える人もでてくるかもしれません。年齢的なものもあって、時間が限られる人にとっても不公平感がでるかもしれない。逆に、制度が正式に運用されても、この拡充制度と同じなら、不妊治療の広がりが少ない可能性もあります。少子化対策の切り札となるのかどうか、お手並み拝見なのでしょう。

議会開設から130年、ということで記念式典も行われていますが、国政という場がここ最近、退化が顕著です。まず一国の首相が、まともに記者会見も開かない。ぶら下がりのような場に来て一方的にしゃべった後、質問もうけずに去ってしまう。それが単なる広報ならよいですが、コロナ第3波への国民の協力をお願いする場ですから、余計に国民の疑問に答えない姿勢は、一国のリーダーの資質としても疑問を生じさせます。
しかも安倍前首相の『桜を見る会』疑惑について、自民の野田氏や岸田氏は「安倍氏が説明すべき」としますが、今報じられている検察のリークは、一国の首相が国会で虚偽答弁を行っていた、というものです。明らかな国会軽視であり、むしろ与党が積極的に調査し、安倍氏に聞き取りをするなどしないとおかしい。ナゼなら、その結果として党籍はく奪などの処分を下さないと、国会が茶番だと自ら認めるようなものです。

しかも『桜を見る会』だけでなく、それ以外の答弁でも虚偽を行っていた可能性が高まる。それについては内閣がファクトチェックを行い、調査結果を報告しないと、安倍政権の継承である菅政権も共犯の可能性がでてくる。何より安倍政権の人材の多くを、菅政権は引き継いでおり、それが強みてもある一方、自ら潔白を示さない限りはずっと疑惑がついて回ることになるのです。森友・加計問題などの疑惑、人は疑惑による疑心がもっとも強く印象に残るものです。『桜を見る会』だけの問題ではありません。
ただ安倍政権を菅政権は継承したのですから、もっとも大事なことは「政策やっている、やっている詐欺」まで継承したのか? です。やります、といった政策をまったくやらない、手をつけても効果がない、尻すぼみで終わったことがこれまで何度もありました。それを自覚してか、安倍氏はついこの前まで「コロナ対策は上手くやった」だの、「景気を押し上げた」だの、未だに「やった感」だけを強調するものばかりでした。菅政権もITだの、不妊治療だの、最初に打ち上げる花火は大きかったものの、本当に成果がだせるのかどうか? 記者会見も開かず、国民とも、持ち上がった諸問題とも向き合おうとしない菅氏では、何も生み出せないのかもしれませんね。

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2020年11月28日

解散は先送りか?

菅政権が来年の通常国会の召集を1月18日としたことで、解散先送りの観測が流れます。ただ緊急招集から解散、という流れもあり、簡単にそう判断することはできません。ただ公明から上がる悲鳴、そうしたものが影響するのかもしれません。児童手当の支給に対して、これまでは夫婦の所得の高い方に合わせる、としていたものを夫婦合算にする、と菅政権はいいだした。これに創価学会が反発、菅政権下では選挙が戦いにくくなってきたのです。待機児童手当の財源にするため、児童手当の給付を少なくするという、一見すると矛盾するこの提案は、菅政権の本質をよく表します。『児童のいる家庭同士で、財源を賄い合え』という共助だからです。しかしそれが、自民と公明の共助を壊しつつある、というのが皮肉なのでしょう。
また、中国の王毅外相の訪日の際、尖閣問題への発言を強く否定しなかった茂木外相への批判が高まる。菅政権にとって尖閣諸島は自助の対象ですらなく、中国交船の侵入を易々とゆるすばかりか、勝手な行動をとられている。これが日本を本気で守る気がない、と映ってしまう。特に安倍支持層には刺激的で、安倍前首相に対する捜査とともに、菅氏が敵に映ってきた。つまり安倍政権の選挙強さを支えてきた創価学会と、安倍支持層という二つから、白眼視されるようになってきたため、簡単に選挙を打てなくなってきたのです。

ただし、それは夏頃にはさらに強まる。バッハ会長は五輪に前向きな発言を繰り返しましたが、どうやら開催できる状況ではなくなってきた。そんな中で都議選を迎える。公明は都議選に全力を注ぐため、もし解散を打つなら都議選との同時開催、というパターンしかない。そうでないと創価学会の力を借りれない。しかしそれは、五輪のない選挙となりかねません。逆に、五輪を開催しているときに解散なんてしたら、何をしているんだ、という話です。つまり五輪を開けたら、それはそれで公明の選挙協力が滞ったまま、衆院解散か任期満了で選挙、となりかねません。五輪が開催できないと、それはそれで損失となり、これまでの投資と、見込んでいたGDP押し上げ効果の剥落を、菅政権では織りこまないといけないのです。
菅氏の醜聞まででてきて、しかも安倍氏にしろ、どれもお金絡み。権力絡み。自民党の悪い部分がぼろぼろ出ているのです。どうやっても、このまま選挙をすれば敗北が確定。なので、今の解散は避けて、夏までには何らかの起爆剤を…と考えて、今のところは先送りの判断なのでしょう。しかしその起爆剤が、もしかしたらワクチンかもしれない。ナゼなら、菅政権の一番の失敗は、今のところ間違いなくコロナ禍対応なのですから。経済優先で、第3波の襲来がまさに国難にまでなりつつある。ワクチンで収束してくれないと、もうどうしようもないのかもしれません。しかし菅政権の罹患している金満体質、無能さに効くワクチンがない以上、時間が経てば経つほどボロが出るのは確実です。ちなみに、『ぼる』というと不当な利益をせしめることを言いますが、これはボロからでた言葉、ともされます。まさに菅政権を象徴するのかもしれませんね。

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2020年11月27日

日経平均のバブル後最高値

国会の衆院安保委で、タブレット端末が解禁されましたが、通信はできません。問題は、これがIT立国を標榜する菅政権でもこの状況、ということです。国会でワニの動画をみていたIT推進担当がいるのですから、国会の各委員会のネット中継なども始めれば、もっと国会に緊張感もでてくるでしょう。隗より始めよ、で国会のIT推進をすすめた方が国民のためになります。もっとも、YouTubeばかりみる議員がでてきそうですが…。

日経平均が今日もバブル後最高値を更新…。しかも今日は小型株まで波及し、循環物色が…という人もいますが、今日の上昇はやや事情も違うのでしょう。今日は日銀が買いを入れていませんが、ナゼか日系のTOPIX先物に、日銀買いの時と同じ枚数の会が入った。日系の証券会社はそもそも先物はヘッジの売りが多いものですが、水準を変えてきたことで、12月のメジャーSQを前に売りのポジションを軽くしておいた。さらに11月末のドレッシングの前、というのもあったかもしれない。今週に入って買いの主体が国内勢に代わっているように、大きなポジションチェンジを現物、先物合わせて行っている、そんな印象です。
今は強気派が「大相場の始まり」とし、弱気派が「実体との乖離が大きい」とします。どちらも正解であって、ただすでに大相場は始まっていて、逆にいつ終わるのか? が問題であること。実体経済はコロナ禍が早期に収束して、経済は元通り以上の成長、を織りこんだ水準にあるので、実際にそんな夢のようなことが起こるのなら、今の株価も正当化できます。つまり未来の見方がちがう、というだけで将来の日経平均の予想が3万円か、2万円かが変わってくるのであり、今のところどちらが正解か、はバブルの終息がいつか? という問いと同じであり、西村経済再生担当相の言葉を借りれば「神のみぞ知る」です。

しかし短期で結果がでるのが、この冬のコロナ禍の収束を各国政府が成功するかどうか? です。日本は景気敏感株、の側面が強く、コロナ禍からの回復が意識される現状では買われ易い。しかしワクチンの効果が実は低かったり、それが出てもコロナが変異して効かなくなったら、その段階で今の期待相場は終わる。その前であっても、コロナ禍がどんどんすすみ、感染が抑えられなくなったらその限りではありません。実は、日本はそういう意味では失敗に向けて突っ走っている印象であり、メッキが剥落するのも早そうです。
ビットコインが米国の規制強化の観測をうけ、急落したように、今の相場はいつどこで急落、急変動が起きてもおかしくない。それが過剰流動性相場です。その未来は、実は誰にも読めません。当たるも八卦、当たらぬも八卦です。ただ経済とは関係ない実体の部分では、コロナ禍であったり、金融政策の変化であったり、様々なことが起こる。起こったことで状況が変化し、小さな波が引き起こされる、ということをくり返します。今の市場はすでにIT化、アルゴリズム取引が一般的となっているだけに、益々そうした波が大きくなり、楽観に支配された相場がダウ史上最高値や、日経平均のバブル後最高値、などの文言を躍らせますが、それが正解のわけではないのです。ITも人間が生み出したものですが、『親の心子知らず』ではなく『ITの心人知らず』、今後もどこまで行くか、どこで腰折れするかは誰にもわからないまますすむのでしょうね。

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2020年11月26日

マイナポイントの申請受付延長と、自民党内政局

マイナポイントの申請受付を、来年9月末まで延長と報じられます。先着4千万人の想定で7月から今まで1千万人にも満たない。CMもばんばん打ってこの結果ですから、期限を延長したところで無意味でしょう。
信用がないところにお金や情報も集まって来ない。運転免許証にも…という話もありますが、下手をすれば運転免許をとる人も減るのかもしれません。そうなると自動車業界も黙っていない、となるのでしょう。日英ETFで「自動車の課税が…」などとアピールしていたら、英国は2030年にはすべてEVと言い出した。EVに出遅れる日本の自動車メーカーは必然的に締め出される。日本電産の永守会長が「EVで自動車の価格は5分の1」と言いだすように、単価も下がる。さらに自動運転の車がどんどん増えると、免許自体が不要となっていく。自動車産業の未来は明るくないのに、それに政府が手を貸す、というのですから圧力団体としては黙っていられません。マイナを免許に…という前に、マイナ自体を潰しにかかるのかもしれません。

そのマイナを立ち上げた、安倍前首相の捜査がすすみます。2012年は800万円を記載するも、翌年からは記載していない。隠す気満々だった、と検察リークが明らかにしていますが、意外とメディアの反応が薄い。それは未だに検察から梯子を外されるのを警戒しているため、でしょう。検察が本気で安倍氏の起訴までもっていくなら後追い記事をだせますが、腰砕けになったら安倍支持層からの集中砲火を受けかねません。
しかし前首相が、しかも首相在任中に公選法違反にもなりかねない『寄付行為』をしていたのですから、取り上げない時点で異常さを醸しだします。ナゼか安倍系メディアの週刊誌は今週号で『トランプ氏の不正選挙』ばかりを取り上げますが、偶々間に合わなかったのか? そうであるなら、来週号は『安倍氏への不当捜査』一色になるのかもしれません。ただし、検察の狙いは河村元法相の公選法違反に、安倍氏の秘書が関わっていた一件まで手を広げる可能性がある。そうなると、桜を見る会での訴追を逃れても、安倍氏の信用は失墜するでしょう。支持層がいくら擁護しても、地元の安倍支持者まで捜査の手が及べば、また地元の反発が強まれば、政治家生命が絶たれます。来年の選挙は、安倍氏が後進に道を譲っている、といったケースも想定できます。

むしろ菅首相with検察はそれを狙っているのかもしれない。党内から公然と「安倍氏の責任は免れない」などと聞こえるのも、肥大化し過ぎた安倍シンパと清和会への牽制もあるのでしょう。仮に菅氏が来年の党総裁選で負ける流れとなっても、安倍後継者にだけは引き継がせない。それは権力、利権闘争でもあり、安倍氏の力を徹底的に殺ぐ必要があるのですから。そんな中、加藤官房長官が「菅氏の恫喝が…」との愚痴を言った、という話もでてきた。今や、安倍派と菅-二階ラインとの攻防が顕著な形で表れているのです。
つまりまだ、安倍グランマは仲のいい加藤グランマに働きかけ、菅氏の醜聞を広めようと画策していますが、抑えきれないとなったら、ついこの前フジテレビを退社した、安倍氏の甥を山口4区に擁立、という道が見えてくるのです。安倍氏としては急転直下、寝耳に水ですが、グランマの命令は聞くとされるので、その意向は受け入れるのでしょう。俄かに慌ただしくなってきた安倍氏周辺、『トランプ氏の不正選挙』で騒いでいたら、『安倍氏の関わった河村氏の不正選挙』で前首相が政界引退ともなれば、とんだブーメランになるのかもしれません。むしろ安倍氏の失脚とともに、マイナも消え去る運命、となってくるのかもしれませんね。

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2020年11月25日

経済を回す、は正しいのか?

9月毎月勤労統計がでて、実質賃金が前年同月比で1.1%減となりました。ただパートタイム労働者が0.2%減で、一般労働者の1.7%減をカバーした形なのですが、雇用面ではパートタイム労働者が0.9%減で、一般労働者が1.2%増。つまり低賃金で働く一般労働者が増えた半面、低賃金のパートタイム労働者が首を切られた、とも見えるのです。しかも産業別でみると、一般労働者は満遍なく賃金が下がる傾向がある一方、パートタイム労働者は複合サービス、電気ガス、情報通信といった産業で大きく賃金が伸びた。コロナ禍の一過性の雇用が押し上げた側面もあり、この状況が長くは続かないという点が不安なのでしょう。

そのコロナ禍で、大阪、北海道を目的としたGoToトラベルを3週間除外です。さらに東京も含めて飲食などに時短要請、という。相変わらず、菅首相は4000万人GoToトラベルを利用して、感染は181人と使いますが、調べていないだけ。例えば、上記の毎勤統計は調べるべき事業所に対し、調査していなかったことで大きな問題になりましたが、GoToトラベルの感染状況については、どこも直接調べていない。偶々、宿泊事業者に連絡があり、それをGoTo事務局に通報した分の数字が181人です。こんな統計情報、誰も信用できないのであって、そんなものを一国の首相が堂々と発言してしまう点に、情報リテラシー不足を垣間見せます。
しかも、ナゼかメディアでも「経済を回さないと命が…」と自殺者に慮ったような発言も見受けられますが、別に経済を回さずとも命は守れます。手厚い支援、制度をつくって貧困層を支えるなら、経済を回さずともコロナ禍自殺が増えることはないでしょう。しかし「自助、共助、公助」を標榜する菅政権は、個別支援をやりたがらない、というだけのこと。しかし経済を回す、という今のGoToでも自殺者が増えているのなら、それは経済が回っても命が守れない、もしくは経済を回しきれていないことの証左であり、それは菅政権の失敗でもある。今はまだ発足後、2ヶ月ということで菅政権の問題にし切れないとしても、安倍政権の責任だとしたらその継承である菅政権も逃れるものではない。11月、12月の状況は間違いなく、菅政権にもその責任は帰すのです。その経済情勢、自殺者数などが出てくると評価も定まってくるのでしょう。

東京では時短要請で一事業者辺り40万円、とでていますが、それこそ店舗の大きなところは賃料にすらなりません。しかも複数店舗をもっているところにも厳しい。これでは政策の効果がありません。ただし、そもそも飲食店が今回の第3波の主因か? というと、それも不明。菅政権にしろ、地方自治体にしろ、しっかりと調査していないからで、だから日本は経済の回し方が未だに分かっていない。分かっていないのに「回さないと…」という、未だに暗中模索を続けているのであり、これらは当局者の責任に間違いなく帰すのです。
ITを標榜したり、マイナンバーの活用を謳う菅政権が、こうした情報リテラシーの不足を露呈するのは、明らかにそうした政策への期待も剥落するのであり、きちんと情報を扱えない者が情報管理することへの不安を生じる。結局、経済が回らなくなるのは、こうした不安からです。GoToでも不正が相次いだため、制度がころころと変わる不信。経済を回すために、最大の障害はこうした菅政権の曖昧さにある、と断じてもよいのでしょう。本当に経済を回すために、どんな政策が必要か? まずそこから議論を始めないと、日本の感染が止まることはないのですが、GoToを動かすことだけが経済を回す、といった論調を採っている限りは「自拡(自ら感染を広げ)、共拡(クラスターで広げ)、公拡(公的に感染を広げる)」という状況はつづくのでしょうね。

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analyst_zaiya777 at 22:56|PermalinkComments(6)経済 | 政治

2020年11月24日

『桜を見る会』が再燃?

日経平均が再び最高値ですが、英アストラゼネカ社の発表したワクチン期待、という声も聞かれますが、だとしたら日本だけ意外高がおかしい。これは米国でバイデン次期大統領が、イエレン前FRB議長を財務長官へ、とする記事に反応したものです。トランプ政権は財務省が資金を拠出し、FRBに運営させているコロナ対策支援を年内で終結としており、イエレン氏なら継続、もしくは再開してくれるだろう、との期待です。今回の日本の株高は海外勢が主導しているので、シカゴ日経平均先物で高くしておく、という手法も横行しており、かつ先物のみの動きなので現物株がついていけない側面がある。それでも思惑だけで上昇する状況です。
中国の王毅外相が訪日していますが、対中包囲網を破るため…という声も聞かれますが、日本は米国による制裁とも距離をおき、安倍政権では習近平主席の国賓訪日を画策していたほどです。日本はずっと対中包囲網には加わっていないので、日本とのビジネス円滑化、また日本海の漁業権、尖閣諸島などを巡り日本に様子見にきた、というのが真相でしょう。日本が怒りの一つでも表明すれば、手ごわさを示せたのでしょうが、二階氏の影響力が強い菅政権ではそれもない。ウィグルや香港の人権が危惧される中でも、へらへら笑って向き合う日本に対して、中国側も「やはり菅政権、与し易し」の印象を強くしたことが予想されます。

そんな中、『桜を見る会』の問題が再燃です。意外感もあるのは、黒川前検事長の退任があったといえど、警察OBである杉田内閣官房副長官がいる限り、菅政権による警察のグリップは利いている、と考えていたためです。ただ有権者への寄付行為ではなく、政治資金収支法の虚偽記載ならダメージも少ない、むしろ菅政権にとって有利、と算盤をはじいた可能性も高い。まず今回、読売が先陣をきって記事を流したことでも分かる通り、情報はコントロールされ、かつ安倍政権よりだった読売だからこそ、安倍支持層の目に留まることを十分に意識したものだった。つまり菅政権、もしくは検察がそうなるようにしたのです。
次に、菅政権にとって怖いのは野党でなく、党内の安倍シンパによる倒閣、引きずり下ろしです。これで安倍氏を起訴しなかった、となれば恩を売れる。逆に、恨みを買う可能性もありますが、それを調整できると踏んだ。それに『人柄』で評価される菅首相が、『桜を見る会』にいつまでもノータッチでは示しがつかない。どこかで手をつけ、悪に厳しく対処する姿勢を示したい。それでも検察が起訴できなかった、となれば菅氏は「検察の判断…」と答弁でも言い逃れできます。年内に結論をだそうとするのも、そうした戦略の下であり、それでキレイさっぱりとして年越しで国民は忘れ、年明け解散の手も打ちやすくなります。

これで検察が起訴までもっていけるのなら、それは本気度も伝わりますが、逆に腰砕けになると国民の検察への信頼は地に墜ちる。ただでなくとも黒川氏を起訴もせずに退職金満額支給、という時点で検察への不信感は相当なものですが、ここで菅政権の希望に沿った判断を下すと、もう検察自体が終わるでしょう。結局、独立性は守られなかった、もう政権の犬だということを示すからです。果たしてそこまでの矜持があるかどうか? それが今回、最大の関心事となるのかもしれません。ただ、今のところ菅氏にとって抜群に都合のよいタイミングだった点が、怪しい空気を漂わす。菅政権vs検察となるのか? 菅政権with検察となるのか? 後者なら『悪党を見る会』の再演なので、つまらないドラマで終わるのかもしれませんね。

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analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(7)政治 | 一般

2020年11月21日

GoToにやっと制限か?

菅首相がGoToトラベルの、感染拡大地域を目的とする旅行の新規予約を一時停止する、とぶら下がりで語りました。GoToイートでもプレミアム付き食事券の発行や、ポイント利用を控えるよう知事に要請、とします。まずGoToトラベルは逆のような気がします。感染拡大地域に行って、そこから感染を持って帰ることを警戒しているようですが、感染拡大地域から他の地域へ旅行する人を規制しないと、むしろ感染は広がるでしょう。ナゼなら、一応は感染対策をとっている施設、場所に旅行する、という定義だからです。
もし上記の前提が崩れると、GoToは感染を広げる要因、と認定できるでしょう。感染地域から、感染していない、対策をとっている地域にいって感染を広げてしまう、という方が問題のはずです。しかし東京、大阪などが拡大地域であり、大都市圏からの移動を制限してしまうと、GoToそのものが機能しなくなる。だから逆をいくのでしょうが、インチキ過ぎて話にもなりません。これでは経済との両立、ハンマー&ダンスなどとされますが、ハンマー投げで感染者を遠くまでわざわざ運んでいるような策、といえるのでしょう。

一部で、GoToトラベルでは感染拡大していない、などという人がいますが、それは誤りです。GoToトラベル関連での感染は調べていないので、不明が正解です。感染経路で『会食』が多いのは、単純にそう答える人が多いから。実際、クラスターになり易く、またその認識があるから感染が分かると「あのとき…」と答える。逆にいえば、誰も公園に行って感染した、なんて思ってもいないし、感染対策をとっている旅行で感染した、とも思わないわけです。しかもそういう場所はクラスターになりにくい。しかし少数へと感染し、そうして感染した人がどこかで会食すれば、そこがクラスターになります。そういう循環が起きていてもおかしくありません。国はそこまでの調査をしていないか、させていないのですから、否定もできないのです。
3、4月は検査数を制限し、感染者数の実体は分からないまま推移しました。今回は、GoToの実体を分からないまま、推移させている。結局、安倍政権も菅政権も、自分たちの政策が失敗していない、というために実体を調べない、という愚を犯しているのです。だから「知見を集める」だの「対策を打つ」だのと、菅氏も会見で述べていますが、信じられるはずがない。実体を知らずにそんなことができるはずないのです。

日本の自殺者が多いことに、海外からも驚きの声が上がる。欧州でも再ロックダウンに対してデモも起こりますが、日本では政府への怒りを表明することが心理的負担、ほぼ規制がかかった状態になっている。さらに、元々経済が悪い上に、将来への不安が強い。年金は足りない上、今の生活でさえ満足にできないなら…と自死を選んでしまう。結局それは、国の政策が失敗続きだからこそ、という面もあるのです。むしろ今回の対応にしろ、国の政策が間違えていると感じたら、もっと国に対して怒りを積極的に表してもよい、と感じます。むしろ、国民は自死をえらぶ前にGoTo荒ぶる、もっと国に対して怒ってもよいのでしょうね。

明日と明後日はお休みしたいと思います。

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2020年11月20日

NHKの暴走

GDPの基準がまた変わります。住宅の改修や改装を、中間消費から住宅投資に変更し、非住宅投資の売買仲介手数料も含めます。エンタメの製作費や著作権の使用料、またそれを無形資産とする。後は民泊などのシェアリングです。こうした個人売買をふくむ取引も加えると、GDPの1.3%押し上げ効果、としますが、問題は個人間取引までどうやって含めるか? 算出方法が不明という点です。1994年まで遡って反映、としますが、正確な数字などだせるわけない。要するにざっくりと、そしてGDPを高めに見せかけることも可能です。
安倍政権のころから、この『時代に合わせる』GDPの基準改定が相次ぎますが、ますますGDPと国力が合致しなくなる方向です。つまり課税対象でない項目が多く、経済活動としては増えたように見えても、実体は国力が弱まるといったケースも起こり得る。むしろ昔はネットもないので、見えなかった、判明していなかった項目が、ネットでのやりとりになることで多少見えるようになった。そんなものがGDPに加わっても特に意味はないのでしょう。それを安倍政権のように、菅政権も「GDPが増えた」などと言いだす道具にしたいのかもしれません。

NHKがTVを設置しながら受信料を払っていない世帯に割増金、という法案を来年の通常国会に提出する方向で、総務省が動きだしました。総務省がNHK利権の確保に焦るのは、N国などが意外と支持をうけていること、があるのでしょう。しかしこれはNHKに対する国民の怒りを助長する、逆効果となるはずです。先に、設置届の義務化や未契約者の氏名を照会、などは見送りましたが、これは高めのボールを投げて、今回の変更を見えにくくする効果を狙ったものでしょうが、これも逆効果です。TVが家電の中で特別な存在になってしまう。そんなものは必要ない、として電波受信器のないモニタを買う人が増えるだけです。
すでにNHKのみスクランブルできるTVなども可能で、国内メーカーはNHKや総務省への配慮でつくれなくとも、海外メーカーがつくってAmazonで売れば、バカ売れ間違いなしです。NHKのためにTVを買うわけじゃない。TVは今やネットにもつながるし、放送局もNHKだけじゃない。そこに相乗りするだけのNHKが、TVの所有を差配できるかのような主張は、N国とは言いませんが、野党が目玉政策にして政権をとったら、一瞬にして見直しとなるでしょう。今のような国民の神経を逆撫でしているとその可能性も高まります。

むしろ米国から対日政策要望書として、NHK改革が求められるのかもしれません。Netflixなどの米動画配信事業者にとって、NHKが邪魔だからです。今はNetflixにしろコロナが追い風で、外圧の必要性はありませんが、成長に行き詰まってくると「TVをもっている世帯を把握、受信料を払わないと割増」なんていう事業者を潰し、TVでネットを見やすくするような外圧をかけたくなるのです。国民からも、外資からも嫌われるNHKが『日本放送協会』から『日本に必要のないTV局』に堕する日も、そう遠くないのかもしれませんね。

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2020年11月19日

コロナ禍と解散時期

今日もコロナ感染拡大と報じられますが、最悪なのは第1波、第2波とあって、ナゼ未だにトンデモ対策しか出てこないのか? です。菅首相が「静かなマスク会食」、小池都知事は「5小」などとしますが、もう会食はしない方がいいレベルです。家でリモート会食をするか、食事は粛々ととって、食事が終わってから別の場所で話し合いをすればいい。これまでに知見を蓄えたのでは? きちんと状況を精査、分析をしていないから、こんな対策しか出てこない。そうだとすれば、菅政権にしろ行政の能力不足は深刻なレベルです。
西村コロナ担当相は感染の状況を「神のみぞ知る」と言いますが、それは効果的な対策を打てれば減るし、そうでないなら爆発的な拡大をする。人間がコントロールする余地のある神です。感染が拡大するなら、それは菅政権が効果的な対策を打てなかった、打たなかったということ。言い逃れはできません。

これは菅政権の解散戦術にも影響し、コロナ感染で投票にいく人が減れば有利、などと算盤勘定をしている下村氏や甘利氏もいますが、コロナ対策に失敗とのレッテルが貼られると、その限りではありません。今のペースなら間違いなく医療崩壊を起こすことでしょう。国民への「静かなマスク会食」要請で抑えられるなら、奇跡というレベルで、対策の失敗との見方から支持率も急落するでしょう。つまり年明け解散を模索するには、もっとも悪いタイミングで感染拡大が起き始めた。実はピークをつけるタイミングが第1波は4月初め、第2波は7月末、同じペースなら11月半ばがピークとなるはずだった。それが今から拡大期に入ると、年末年始ごろがピークとなるか、冬の活性期を考えるともう少し先にピークという可能性もあります。
そうなると解散戦術どころではありません。株高もちょっと早すぎた。ピークを過ぎて、年明けになると売りが嵩むアノマリーがある。まさにここしかない解散のタイミング、年明けの1月は感染も株式も最悪期、という想定もできるのです。まさにそれは神に教えてもらわずとも、容易に予想できるものでもあります。

最後に、mRNAワクチンの緊急承認といった話もありますが、気になるのは「95%に予防効果」という点です。どうして抗体を確認しないのか? この判定は従来のインフルエンザワクチンなら通用するでしょうが、コロナ禍は無症状もあるのですから、抗体を確認するのが正しい評価につながります。もしかしたらmRNAワクチンとしますが、これはワクチンではない。あくまで症状が出にくくなる、というだけのものなら、以前も指摘したようにウィルスは消滅することがないので、感染の拡大は止まらないでしょう。ただmRNAを打った人の症状が重くならない、という『予防効果』があるだけです。
レムデシビルも当初「回復を早める」などとされ、日米でも承認しましたが、今やコロナに「薬効なし」が通説で、WHOもはっきりそれを認めています。ファイザーやモデルナがmRNAワクチンに対して「予防効果」と使うのも、レムデシビルのギリアド社と同じ匂いしか感じないのです。そもそもまだ医学誌に論文として出たものではありません。接種者の年齢構成も分からない、マスクの仕様状況、接種者の暮らす地域の感染率、ナゼ全員の抗体を調べないのか? 菅政権がすがろうとする神の正体、「静かなマスク会食」の話題とするには、まだまだ分からないことだらけなのかもしれませんね。

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analyst_zaiya777 at 22:59|PermalinkComments(6)政治 | 社会