2018年01月20日

雑感。安倍首相の読む力

安倍首相がリトアニアを訪問した際、杉原千畝記念館を訪れて自ら「日本人の誇り」と語った『杉原千畝(ちうね)』の名前を読めなかった、と報じられます。しかも3年前には杉原千畝の映画を鑑賞し、記者にその感想を述べていた事実もある。そうした映画をみていなくても国内、国外問わず名の知られた人物の名前が読めない、はおかしな話です。ど忘れ? 記念館を訪れた直後で、それは考えられません。考えられる理由は、大して興味ももてないし、他のことが気になって説明も耳に入っていなかった。もしくは高齢による物忘れ、です。
後者だとすると、総裁選の材料にされかねない。安倍氏も63歳、認知症がでてきてもおかしくない年齢です。しかもこれまで「大好き」と公言し、周りからも元気になる、と評されていた外遊に「60越えるとつらい」と漏らした。勿論、冗談の類ですが、これも安倍氏の足を引っ張る材料としては十分で、高齢批判が総裁選でも注目されることになります。
前者だと厄介なのが、世界に深く食いこむユダヤ人コミュニティから見限られる点です。他国の人間ならいざ知らず、同じ日本人で杉原千畝を軽視するなど、彼らからみたら信じられない行為です。そもそも日本で杉原千畝は冷遇されたのであり、官僚の側に立つ安倍氏が軽視したとて、何の不思議もありません。そんな気持ちが説明も上の空、という状況をつくったなら、ユダヤ人コミュニティからも見限られ、安倍外交はさらに行き詰まるケースが増えるはずです。

来週から始まる国会で、まず審議されるのは2.3兆円規模の補正予算です。しかしほとんど景気を押し上げない、とされていて、注目度も低い。震災復興、東京五輪、リニアとぱんぱんの大型工事に、さらに公共工事を上乗せ、というのですから意味がありません。GDPは公共投資として押し上げられますが、波及効果も低く、景気は押し上げないのです。
その後の97.7兆円の18年度予算案はさらに問題です。財政規律の歪み、が指摘されますが、安倍政権が経済と財政の関係を説明するのに、高い成長率と低い国債利回りが共存する、との前提を用いた試算をだしました。通常、国内経済が成長すれば利回りも上昇する、させないとおかしいのであって、もし安倍政権の試算通りだとすると、日本は強烈なバブルが発生していることになります。一時的にはそれで財政を潤しても、その後のツケ払いにより、日本の財政はより痛むことになる。今、安倍政権もほとんど同じ理屈を用いていて、自分たちの間に財政は改善した、という言い方をする。しかし背景には日銀による国債の大量買い、といったバブルにより改善しているように見せかけているだけ。経済が好調、というのにイールドカーブコントロールにより低金利の状況を、人為的につくりだしているのです。この状況が崩れたとき、ツケ払いは相当なものとなるでしょう。

安倍氏が読めなかった杉原千畝、難しいという人もいますが、『畝』という漢字の読みを音読の『ホ、ボウ』とすぐにピンとくる人は少なく、ふつうは田を別ける『うね』と読むはずで、一般的な国語の知識があれば、漢字をみれば読めるはずなのです。今のキラキラネームより、よほど平易といえるでしょう。千に田を別ける、国民に広く利益を還元する言葉は読めず、オトモダチや米兵器産業には多額の予算をつける、そんな時流すら読めないことをしていては、総裁3選どころか政治生命すら危うくなるのかもしれませんね。

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2018年01月19日

欧ウラン濃縮企業を日本政府が買収?

日本政府が国際協力銀行(JBIC)を通じて欧州のウラン濃縮大手、ウレンコ社を米エネルギー会社と共同で買収する交渉をしている、と報じられます。中国などに経営権が移るのを防ぐため、などといいますが、ウラン濃縮などは既知の技術であり、今さら技術流出の懸念などの心配はありません。うがった見方ですが、この買収には英国への原発輸出と、東芝によるウェスティングハウス(WH)の売却、が密接に絡むものと考えています。
世界は脱原発へと向かい、当然のようにウラン濃縮産業も廃れていく。淘汰され、寡占化された段階で中露に企業の経営権を握られていたら、原発どころか産業、兵器の分野でもウラン化合物を使えなくなる恐れもある。しかしナゼ欧州のウラン濃縮に対して、日本が拠出しなければならないのか? 不安があるなら財政に余裕のある独国や、原発依存の強い仏国でもよいはずです。日本が参入せざるを得ないのは、WHの売却をすすめる上で、今後も世界的な原発推進の姿勢をとるよう、日本政府が約束させられたためなのでしょう。WHは製造、開発というより特許ビジネスに近いとされ、世界中で自分たちの特許が用いられた原発が稼働しつづけることが重要、とされます。日本が原発を推進し、世界中の原発を支え続ける、それが売却の条件だったら、買収に日本政府がのりだしたことに説明もつきます。

福島第一原発の2号機の内部映像が公開され、溶け落ちた燃料が圧力容器を突き破って、格納容器に達していたことが判明しました。後はコンクリートをどこまで削っているか、どの程度の範囲まで広がっているか、その調査が待たれます。それは溶融燃料をとりだすばかりでなく、放射化されたコンクリートまではつらないと終われないからで、汚染の範囲は通常、コンクリートで止まりますが、燃料の溶け落ちた場所だけはコンクリート部まで汚染がすすんでしまっている。すべて取り去って、やっと完了となるのです。
しかし事故から約7年も経って、やっと2号機の内部が確認された。2021年から溶け落ちた燃料をとりだす計画を始める予定ですが、取りだすにもこれまでの2倍程度、時間がかかるとみてよいでしょう。それは内部を確認しながら、とりだしの作業をする何らかの遠隔操作のマシンを準備する必要があるためで、計画、製造にも時間がかかるためです。これまでの比でないほど、格段に難しくなり、これからが本番ともいえるのでしょう。

東日本大震災の津波被害の語り部、それを聞きに来る国民が減り、風化が心配という声があります。しかし今、もっと風化が心配されるのは福島原発への無関心であり、何となく原発を再稼働することを容認してしまうこと、なのでしょう。福島原発のニュースがほとんど取り上げられない。それは事態が何も動いていないから、つまり福島原発の処理がすすんでいないから、ニュースの扱いが小さいのであり、由々しき事態といえます。
日本政府がウレンコ社の買収に参加するのは、衰退産業への投資、という二重の意味で問題のある行為です。もしかしたら、国内で処分先の決まらない高レベル放射性廃棄物を、欧州で処理してもらう、という魂胆でもあるのか? そんなことになれば、日本は未来永劫、非難されることにもなるでしょう。ウレンコ(売れん子)社をあえて日本が買う理由、その理由はどんな想定をしてみたところで、日本にとって不都合なことばかりで、国会にも諮らず、こうしたことを進めてしまう安倍政権の慢心が、また一つ見え隠れするニュースでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(6)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 欧州

2018年01月18日

Apple社の投資計画と日米の労働環境

昨晩、Apple社が300億$の投資と、海外の滞留資金を米国内に還流するなどして5年間で3500億$の効果、と発表しました。トランプ減税の効果ともされますが、内情はやや異なるようです。バッテリー問題でミソをつけたAppleは、米国で巨額となる訴訟問題に直面します。しかもバッテリーを割安で販売、交換する施策もとるため、今後は動作がもっさり、バッテリーの持ちが悪くなった、といって買い替える消費者が減ります。これは訴訟による選挙対策、賠償費用の負担と、消費減のダブルパンチとなってAppleを襲います。
さらにAppleが従業員用に無料の送迎バスをだしていますが、それに石が投げられる、との報道もある。地元住民としてはAppleがくると家賃が上がる、などの弊害しかない。さらにここのところの不祥事も重なるのでしょう。つまり米国内で嫌われ者となりつつあるAppleにとって、米消費者への理解がすすむような施策を準備する必要があった。これも広告、宣伝費の位置づけなのでしょう。しかしAppleなど、勝ち組の企業、従業員へと向けられる厳しい目に対して、これが答えになるかは依然として不明です。

米国ではトランプ減税により、従業員への還元策を発表する企業も多いですが、結局それは米国内の人材不足を露呈するものです。トランプ政権では移民の規制や、不法移民二世を追いだす、といった施策が打たれるかもしれない。少しでも従業員を確保しておかないと、人手不足で事業がいきなり頓挫、といった事態を招きかねない。だから少し余裕のあるうち、我々の企業は従業員に優しい、というアピールに余念がないのです。
日本でも春闘が本格化しますが、経団連などは安倍政権の要請通り、企業に3%の賃上げを要請します。毎年同じ光景が繰り返され、現実にはボーナスを下げたり、実際の賃金が3%の賃上げを達成することはありません。しかし今回、企業も3%の賃上げに言及するところが出てくるなど、前向きな姿勢も見受けられます。ただしこれにも裏があり、来週始まる通常国会を、安倍政権は『働き方改革国会』と位置づけ、残業代ゼロ、高プロの導入、裁量労働制の拡大、などの法律を通すつもりです。つまり賃上げ3%を実施したとしても、残業代などが減れば企業としては固定費削減となり、リターンが大きいのです。

企業としては少しでも国内のムードをよくし、労働法制の改定を安倍政権にすすめさせ、後に実際の賃金の支払いを下げることを目的としている。つまり米国では人材確保のために企業は向いていて、日本では人材を疲弊させる方向に企業も政治も向いている。これが成長を維持できる国と、低成長にあえぐ国との違い、といえるのかもしれません。
しかも日本では賃上げがすすまないと、増税もセットで議論されるため、ますます国内経済が疲弊しかねない。日本の場合、3%の賃上げはマスト、でもそれほど春闘でもそうした動きが広がっていないのが現状です。日本は政治による誤った方向性と、企業の過度な自己防衛により、いつまで経っても低成長を脱することができないのでしょう。

今日の日経平均は朝方24000円をつけましたが、ほぼ寄り天で値を消しました。オプション市場で24000円のコールが増え、それを崩せば反対売買で利益がでる、そう見定めてここ数日、買い支えていた層が意外と落ち着いた動きだったため、ポジションを外さざるを得なかった、というのが実態でしょう。よく日本は国際的な景気敏感株、などといわれますが、それは国内経済がぼろぼろで、海外に依存した収益性を高めているために、そうなるのです。世界では仮想通貨への規制が議論され、価格が大きく値下がりし、日本の個人投資家にも大きな損失がでました。こうしたものも、政府の方向性が世界と逆行している、その一例なのでしょう。日本の労働市場も、政策によって滅茶苦茶にされつつあるなら、Appleのような企業が日本に現れることは絶対ない、と言いきれてしまうのでしょうね。

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2018年01月17日

安倍外遊からの帰国と野党

民進と希望が合意文書をかわした統一会派の構想は、およそ2日で瓦解しました。あまりに拙速だった党執行部に、所属議員からNOを突きつけられた。これで両党とも、党執行部の弱体化がすすみ、党内に多くの亀裂が入った状態で通常国会に突入することになります。
今回の統一会派の目的は、国会で野党第一党となり、議論を主導する立場になって存在感を増す、というためのもの。しかし存在感があっても、安倍政権と対峙できるだけの理論武装がなければ、それは悪い形の存在感にしかならない。それが民進と希望、という政策調整さえできていない会派では、安倍政権がほくそ笑むだけでした。憲政史上最悪の統一会派、衆院では希望が多数、参院では民進が多数、政策調整ができていなければ、衆参で対応、方針が変わった可能性もあり、これが成立したら大変なことになるところでした。

しかし両党に与えたダメージは計り知れません。希望は分党によって10人以上が離脱する、とされており、民進は3つ以上のグループに分割される可能性があった。それを露呈させた党執行部への不満も残り、両党とも四分五裂になる可能性が意識されます。そんな政党を国民が支持するはずもなく、さらに支持率低下につながり、それで議員もまた逃げだす。そうした悪循環の引き金を、今回の統一会派騒動がみちびきだすのかもしれません。
安倍氏は外遊の日程を終え、帰国しました。しかしノーベル平和賞を受賞したICANのフィン事務局長とは会談せず、「(核廃絶を求める)合理的な国際社会から足を踏み外した」と糾弾されます。唯一の被爆国を自認する国が、核廃絶に背を向けたのですから、非難されて当然ですが、それが安倍政権になってから急にでてきた『米軍の核の傘の下にいるから、核廃絶の流れにはのれない」という基準なのですから、国民にとってもどうしていきなり基準が変わったのか? よく分からない。つまり国民は何で日本が批判されているのか、分からないまま『国際社会から足を踏み外した』と言われていることになります。

さらに平昌五輪の開会式に出席せず、と発言したら与党内から国会の調整ぐらいつけるから出ろ、と言われる始末。従軍慰安婦の件で出たくない、という理屈は立たない。なぜなら今回の外遊も、北朝鮮の脅威を訴えていたからで、その直接の当事国である韓国とは、話し合うことが何もない、というのは説明がつかないのです。
カナダで開かれた外相会合に河野外相が出席し、「圧力を最大化で一致」と日本では報じられます。しかし英文をみると、違った文言になるはずです。共同声明では「緊張緩和」が入るなど、日本の示す圧力外交と世界とはまったく一線を画しているのです。それは日本の首相が、従軍慰安婦の問題の方を重視して韓国に行かない、などと言っているのですから、この国とて本気で北朝鮮包囲網を築こうとしている、とはみなされないのです。

外遊中、ルーマニアでは首相が突然の辞任により、会談が見送られました。日本の都合で組んだ日程なので、ルーマニアの都合で政局に巻きこまれたのですが、これに対して何も言えないのが安倍外交の限界なのでしょう。北朝鮮への圧力でも『国際社会から足を踏み外した』安倍政権、野党の失敗の上に胡坐をかいていたら、国際社会という座布団の上からは滑り落ちていた、というところです。仏教では胡坐のことを『結跏趺坐』といいますが、安倍外交でかく胡坐は『結果無残』。国内では通用しても、海外からは『足を踏み外した』といわれるぐらいに最悪の評価、ということを今回も露呈したのでしょうね。

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2018年01月16日

日銀のさくらレポート

ビール消費が右肩下がり、といいます。規制が厳しくなり、安売りできなくなったのと同時に値上げするものもあり、また若者のビール離れの影響もある。ただ、今の子供たちに増えるご飯、おかず、と別々に食べるといった風潮は、ビールを飲みながらつまみ、という食習慣にはなじみ難いといえ、ますますビールに逆風といえます。

日銀の1月さくらレポート、上方修正した地域は東北が『緩やかな回復基調』から基調が抜け、北陸が『緩やかに拡大』から『拡大』へ、近畿は『緩やかに拡大』の前に『足取りを確かなものにしつつ』という文言が入りました。他は横ばいで下げたところがない。一見すると良好な結果ですが、今回は個人消費についてこだわって見てみると、『雇用者所得は改善』という判断がほとんどですが、個別のアンケートでは違う景色がみえます。
雇用、賃金に関するものはほとんどなく、家電エコポイントで買った家電の買い替え、初売りのついで買いが増えた、そしてインバウンド消費が目立つ。宿泊が増えた、というのもインバウンド消費の流れで外国人旅行客が安いホテルを占拠してしまうため、日本人の旅行客が高額のホテルに遷移している、と考えると分かり易いかもしれません。初売りも外国人が買い漁り、後で回収して転売する目的という。それだと、動員された人がついで買いをする機会が増えるでしょう。何しろ、動員された人はそこで何も買っていないことになり、せっかく来たのだから、とまさに『ついで』が発生するからです。

しかも、参照として添付されたデータに、賃金に関するものは一切ない。政府統計を参照しているのですから、賃金に関するデータもあるはずなのに、さくらレポートには入れていない。雇用が堅調、というのはデータからも示されますが、賃金に関して『改善』と指摘する根拠は何もない。にもかかわらず、一体どうやって判断したのか? 謎です。
しかも、最も気になるのが預金残高が2016年が8.1%の高い伸び。17年もこのままなら6%台は維持するでしょう。2015年までが3%台だったものが、ここ2年の上昇は明らかに個人向け国債の販売を止めてしまったから。金利が低く、手数料を除くとほとんど儲けがでない、という商品になってしまったため、銀行やゆうちょも国債を個人には売らなくなりました。結果、行き場のないお金が預貯金として溜まり始めています。いくら流動性を増やしても、預貯金が増えては効果も低くなる。そもそもは日銀の政策で預貯金が増える方向に誘導されているのですから、本末転倒といえます。

読売が一面で、『銀行員の転職』と報じました。低金利で収益性が低下、というばかりでなく、預貯金が増えても運用先がなく、低いといっても利子はつけなければいけないのですから、銀行としては預貯金が増えるのはマイナスです。しかも安倍政権が成果と誇ってきた倒産件数の増加も、昨年からじわりと上昇傾向にある。甘い融資が不良債権になる、ということを身をもって体験している日本の金融機関は、そこまで甘い融資をしているとは思えませんが、それでも倒産がじわり増えているのは危険信号です。
インバウンド消費とて、実は日本が円安、低インフレだから日本に行って買い物を、となっているのであって、安倍政権や日銀が目標とする物価目標2%が達成されたら、むしろ減るかもしれない。さくらレポート、まさに客を装って商品をよくみせようとする、『さくら』のレポートと言えそうです。国内向けに「回復、改善」を謳い、海外向けには低インフレと円安でインバウンド客をよびこむ。まさに日銀が『さくら』となって、多くを騙すためのレポートといえるでしょう。自動車販売も急ブレーキ、それはビール消費と同じように、日本で縮む消費の縮図といえるかもしれず、実態を表していると思えないこのレポートは、錯乱レポートという方が近いのかもしれませんね。

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2018年01月15日

円高の理由として語られるいくつか

民進と希望の統一会派、やはり党内から反対意見が続出です。希望は選挙公約から後退して面白くない、民進は自分たちを見限って出て行った政治家とまた組むのが面白くない。どちらも『舌の根の乾かぬうちに』公約を見直したり、統一会派をくむことに不満、ということです。民進と希望の統一会派は『民希』かと思っていましたが、『進望』がいいかもしれません。統一会派に動いた執行部も、これに不平不満をいう議員も、どちらも『シンボウ』が足りないからです。政党としての核となる基本政策や矜持、そうした『心棒』がないのなら、せめて略称ぐらいはそう呼んだ方がよいのかもしれません。

今日の東京市場でも円高がすすみ、米国の大幅高による株価への好影響を相殺した形になりました。最近の円高にはいくつか語られるシナリオがあり、前回は北朝鮮有事などによる円高を事前に織りこむ動き、を取り上げましたが、日銀の政策変更が近々あるのでは? との観測。むしろ、日銀が引き締めに転じないよう、円高にしてインフレ率を下げておく必要性、などという話もあります。世界の市場が過剰流動性によって押し上げられ、それを継続させたいなら、米欧のように引き締めに転じたところに期待はできない。日銀に如何にして緩和策をとらせつづけるか、が重要で、そのための円高だというのです。
一方で、原油高との連動性という話もある。原油高はほぼ100%を輸入にたよる日本経済にとってはマイナスです。しかし中東の政府系ファンドなどでは、運用資産が増える可能性があり、イスラエル寄りの米国には投資しにくい。欧州では待機資金をつかえばいい。日本には新規資金を流入させ、円高にしておけばさらに中東から原油を買ってくれるかもしれない。そんな思惑の入り混じった円買い、との話もあります。

その中で、円でBitCoinを買うため、との話もある。最もBitCoinの市場が整備され、取引量も多い。要するに、流動性が高いことでリスクヘッジできる、それが円での取引というのです。BitCoinに規制がかかる国もあり、また日本での取引が本国に通達されない場合、所得としての税がかからない取引もできる。今や仮想通貨は雨後の筍のごとく勃興しており、一方の仮想通貨で増えた資産を、もう一方の仮想通貨に移しておく、ということもできる。仮想通貨をみとめていない国では、そもそも仮想通貨のままの資産を、きちんとカウントしない可能性もあって、この辺りの事情も円へと資金が流れやすい構図の1つです。
こうした様々な説が語られるのも、日米の金利差が拡大する中ですすむ円高の理由、それを計りかねているため、でしょう。株や経済にバブルの兆候はみられない、という人も仮想通貨はバブル、という。そうそう都合よくバブルが切り離されることはないので、一部でバブルが起こっているようなときは、ほとんどがバブルの余波を受けていることになります。仮想通貨ばかりでなく、円で起きる説明のつかない事象、すでに経済全体が『仮想』、むしろ『仮装』となり、実態とかけ離れてしまっているのなら、これからの経済では『深謀』が大切、ということになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年01月14日

民進と希望の統一会派合意?

センター試験が2日間の日程を終えました。毎年、大雪などの異常気象の特異日に実施するのはおかしい、と主張していますが、今年は2、3日前に猛烈な寒波が襲いました。もし週末だったら大混乱に陥ったでしょう。センター試験は11月か12月、台風も来ない、雪の影響も少ない時期に行うのがベストだと考えますが、日本では大きな犠牲がでて問題視されるまで、こうした悪癖を改めない傾向があります。むしろ苦労を乗り越えることこそ美徳、という考えまである。しかし試験は順位がつく競争なのですから、条件を同じにしなければ本来おかしな話です。雪深いところと、そうでないところで試験をうける過程に差があるようでは、それを正しい競争といえるのか? そうした点からの考察も必要でしょう。

民進と希望の幹事長会談で、衆参での統一会派結成が合意されました。これで衆参第一会派となりますが、衆院の民進議員はそもそも民進の看板を掲げて戦ったわけではありません。希望から公認を受けられなかった遺恨もあり、無所属の会として継続して活動する議員もいるでしょう。何より、政策や党の方針が違いすぎて、それについていけない議員も両党ともに多くいます。今後、この統一会派には『野合』との悪評がつきまとうことは確実なので、さらに支持を落とすのは必定。その前に逃げだしたい議員も多い。
来週の22日が通常国会の召集日ですから、党内手続きを考えると1週間前はぎりぎり。それでも16日まで合意は待つ、とみていました。明日には離党者が続出する可能性もあるからで、党内手続きが紛糾する可能性、という前に、党がガタガタになるかもしれないからです。このタイミングを選んだのは、出ていくなら出ていけばいい、という決意にも見える。今回の衆院選でも、選挙が近づくにつれて離党者がバタバタでてきた経緯もあり、民進としても出ていくなら出ていってもらって結構、と考えたのでしょう。年末年始、地元にもどって説明をしてきた議員は、この動きで決断を促されることになります。

しかしこの動き、むしろ民進内の反希望議員をおいだすため、というのが正しいのかもしれません。その先にすんなりと合流し、党内に貯めた政党助成金を分け合う。しかしそうした腹蔵が見え透いているため、さらにこの統一会派には否定的な目がむけられることになるでしょう。つまり後一日では、分党にして政党助成金を別ける話し合いまではすすめない。出ていきたければ勝手にどうぞ、そのための猶予の一日です。
しかし分党にできれば、政党助成金の分割も可能であり、その後でそれぞれが活動することも可能。ここで12月までの政党助成金をうける権利を移す必要などなくなります。そのためには、民進内でどれほど反希望議員を拡大できるか、にかかっているのかもしれません。しかしそうなれば、益々この民進と希望の統一会派は、内紛の絶えない脆弱なものとなり下がるでしょう。それが衆参の野党第一党なのですから、安倍政権の高笑いしか聞こえません。安倍首相が年始からご機嫌だった理由も、この動きに裏打ちされていた、とみると理解できるのかもしれません。民希の統一会派を最も喜ぶのは、安倍政権です。

この統一会派、腹にまつわる言葉でくくると、妙にしっくりきます。衆院選では『腹に据えかねる、腹の虫がおさまらない』、統一会派では『腹をさぐる、腹を決める』。これで誰が『腹を切る』のか。しかしこのままでは『腹がふくれる』こともなく『腹の立つ』ことも増えるでしょう。政党を『割る』のは嫌われますが、この統一会派では『腹を割る』ことすらできない議員も多い。安倍政権だけが『腹を抱える』となるだけ。いくら『背に腹は代えられない』といっても、国民からみれば腹と反対、『背信』にしかみえない行動といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2018年01月13日

安倍首相と河野外相の外遊

安倍首相がバルト3国とブルガリア、セルビア、ルーマニアなど東欧3国の歴訪にでかけました。長期政権だから、行く機会ができた…などと語るところもありますが、重要な国ならいつでも行くべきで、長期政権だから…などというのは相手にも失礼です。
今回は、外遊好きの安倍氏が歴訪先を探したところ、先進国からは総スカン、一帯一路に含まれるアジア圏も中国との結びつきを重視したいために乗り気でなく、アフリカ勢も中国寄りで、かつ日本で開かれたアフリカ会議でも日本から芳しい提案がなかったことから、今一つ乗り気でない。消去法的に今まで行ったことのない、日本との結びつきの弱い国として選ばれたのでしょう。結びつきが弱い、とは一度でも安倍氏と会ったことがあると、二度目はもういい、となってしまうからで、それが今回の歴訪先を選んだ理由でしょう。つまり会ったことがないから、会ってくれそうな国、という意味になります。

エストニアでは「(首相府のある)タリンまで北朝鮮はミサイルの射程に入る」として「ともに圧力をかける」と、安倍氏は述べました。北朝鮮から攻撃される理由もなければ、中国を飛び越えたミサイルを北朝鮮が撃てるはずもないのに、何を言っているんだ? というレベルです。ラタス首相は国連合意の履行について言及しただけで、安倍氏の意見に同調したわけでもないのに『連携』とする安倍氏は、笑い者になったかもしれません。
何しろ、エストニアは報道の自由ランキングでも上位であり、ITを活用するお国柄です。安倍氏の発言もすぐ国民に知れ渡ったでしょう。何度も大国に占領され、辛酸をなめてきた国にとって北朝鮮の核の脅威など、微々たるもの。それの何倍も露国の核の方が怖いのであり、だから北朝鮮に圧力を、とはなりにくい。今回も、安倍氏に調子を合わせてくれただけ、ということも気づけないようなら、安倍氏の愚者ぶりも相当です。

河野外相がミャンマーでロヒンギャの村を視察しました。こうした動きは歓迎できますが、国民にも根深いロヒンギャへの憎悪、これはその調整役を日本が買ってでたようなもの。これから困難な道のりが待ちます。逆に、ここで手を引いたり、失敗すればその時点で悪名がつきまとう。そうした外交手腕もない安倍政権が、自ら火中の栗を拾いに行ったのです。これが安倍政権の外交の未熟さを明らかにすることになるかもしれません。
そんな河野外相は、行革担当相時代の外務省イジメについて「間違っていた」と述べ、自身の専用機をおねだりするなど、外相の立場を満喫する方針に転じています。米国に行政を牛耳られている日本では、米国との調整役となる外務省が有利。外相になったからにはそんな外務省とうまくやることが首相になる近道と気づき、有頂天なのかもしれません。しかし首相にしろ、外相にしろ、国民の方を向いておらず、国際感覚も欠如しているとなれば、それは外交などうまくいくはずがありません。タリンでの安倍氏の発言、日本では脳をつけて『脳タリン発言』として報じられる方が、ふさわしいのかもしれませんね。

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2018年01月12日

為替と米国債

日経平均が3連騰後、3日続落となりました。上げ幅が1000円に対し、下げ幅が200円と規模こそ異なりますが、3日続落の間に円は対ドルで2円ほど円高になっており、ドルベースでみた日経平均はほぼ6日続伸といった状況になる点が興味深い。先週、たった2日間の取引で外国人投資家が現物を4000億円、先物を2000億円ほど買っており、円高、株高のこの動きは外国人投資家によるものとみると、かなりの部分で説明がつくことになります。
しかしこの間、米国債の金利も上昇しており、円高の説明がつかない、とされます。日米の金利差が拡大し、ドルが強くなるはずのタイミングでの円高。当初、日銀の金融引き締め観測で、と語られましたが、国債の購入規模を縮減していくのは既定路線のはず。実際、昨年から徐々にすすんでいたことからも、年初に何かが変わったわけではありません。そこで出てきた話が、米中貿易摩擦と朝鮮半島有事。だから米国債売り、円買いというのです。

朝鮮半島有事は、3月開戦といった話も伝わる。平昌五輪後であれば、在韓米国人をこっそり移動させても目立たない。そこで電撃作戦、敵基地をつぶして即戦闘終結を狙っている、とされます。ここ最近、軍事境界線を越えるなど、北朝鮮側の失態もめだち、それを開戦の根拠とできる。朝鮮戦争は停戦状態なので、キッカケがあれば再開できます。もし朝鮮戦争が再開されたら、軍事費の負担と景気への悪影響で、米国債の利回り上昇と、有事の円買いのシナリオが利く。2ヶ月先の動きを先取りした、ということになります。
米中貿易摩擦は厄介です。中国による米国債売り、が取り沙汰されて米金利が一段高したように、ここもとで米国は中国による投資の規制であったり、ファーウェイ端末の取り扱いを中止したり、と米国側から仕掛けている。しかも、欧州や新興国も巻きこみ、中国包囲網を築きつつある。一帯一路でさえ、投資案件が次々とつぶれるように、中国による出資に対して、世界が過敏に反応しつつあります。つまりこれは、米中貿易摩擦に限らず、世界による対中包囲網と呼べる状況になっており、影響が拡大する懸念があります。

では、ここにきて米国が主導して対中包囲網を築くのは、習近平体制が確固たるものとなり、中国が覇権主義を推し進めようとしているから。つまりこれまで中国は、新興国の位置づけでかなりの部分、大目に見てもらっていた。各国がその成長に頼っていた部分もあり、また中国も胡錦涛体制の間の慇懃な態度を踏襲し、相手に取り入るまでは丁重、といったことも警戒心を与えなかった理由です。しかし習近平体制となり、少しずつ変わり始め、それが昨年の共産党大会でより独裁が鮮明となってきた。国際社会も愈々、中国を脅威と見定めるようになり、そこに北朝鮮問題が絡みます。
朝鮮半島有事に、中国が介入することは米国にとって目障り。中国の国力を落としておきたい。しかしそうなれば、間違いなく中国は米国債を売りたたいて、米国経済の混乱に動くでしょう。つまりここ2ヶ月ぐらい、米国債は売りに大きく動く可能性があり、逆に円はドルに対して高くなる可能性がある。そういう動きを先取りして、今は動いているということになります。そして、円高は米IMM通貨先物の取り組みをみても、昨年末時点では高水準にあり、反対売買を引き出しやすい。市場の関心が円高、金利差拡大という通常ならあり得ない動きにかけるのも、強ち無理スジといえないのかもしれません。

上記の通りなら、先週の外国人投資家による買いは、短期となるでしょう。円高によるドルベースの取引では儲けがだせる一方、有事となれば株は売られるのですから。いずれにしろ今冬の市場の動きは、かなりイレギュラーにならざるを得ないのかもしれません。米中の腹蔵と経済、互いに腹を殴りあって、最後に立っているのはどちらか? 金融工学でもこの答えは導けないだけに、互いの腹芸を見守るしかないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2018年01月11日

野党共闘と原発

共産の小池書記局長が民進、立民、自由、社民それぞれと、来年の参院選にむけた協力を促すよう提案しました。希望は政策が合わず協力しない、としますが、これで困るのは民進です。国会は希望との統一会派、選挙では5党連携になれば、党公約すらまともにだせなくなるでしょう。低迷する支持率とともに、参院民進は壊滅する可能性もあります。
そもそも希望は先の衆院選で、維新と連携しており、政策も維新よりです。読売に企業献金容認といった話をすっぱ抜かれ、橋下前大阪市長から指摘されると、すぐに玉木代表が否定したように、未だに維新との連携を模索する。民進との統一会派の際は玉虫色の提案もしますが、希望としてはステルス戦術をとらざるを得ず、玉虫どころかカメレオンでしかありません。これでは改革保守どころか、改作保守。国対上は民進よりになったり、維新よりになったり、と立ち位置が曖昧となり、選挙でも弱さを露呈するだけでしょう。
共産がこのタイミングで動きだしたのも、民進と希望の統一会派に対して、楔を打つつもりでしょう。基盤のない希望、支持率でさえ共産が上回るところも出てきており、選挙を考えれば間違いなく統一会派をくむべきでない。共産のそんな主張に、民進も答えをださないといけません。今、党内の希望派議員への配慮もあって、どっちつかずの判断になっていますが、そうこうするうち民進も希望も支持率が凋落するばかり、となります。政党を移るリミットは15日、この週末が一つのカギとなるのかもしれません。

小泉、細川元首相が原発ゼロ・自然エネルギー基本法案の骨子を発表し、立民との連携も示唆しました。そんな動きと対抗するよう、英国への原発輸出に安倍政権は多額の政府保証をつけます。建設計画が遅れただけで工費が膨らみますし、トラブルを起こせばその比ではありません。そんなものに政府保証をつける、安倍政権の気が知れませんが、この原発輸出が日立案件、次期経団連会長も安倍トモとされ、そんなところに政府の大盤振る舞いの理由もありそうです。
問題は、日本の原発の規制基準は今ある原発を動かすためのもの。全停電になれば暴走する原発を、そうさせないよう非常用電源装置を屋内へ、電源車を常設、といった項目を入れました。そうしたものを考慮せずとも、全停電になったら安全に冷却する仕組みを取り入れるのかどうか? そうなると、今後建設される原発と、既存の原発との安全格差が広がることになる。それをどう折り合いつけるか、世界に問われることになります。そうでなく、従前の設計を踏襲するなら、いざ原発が事故を起こしたとき、日本は国家財政を傾けるほどの負担を迫られることになります。福島原発の事故処理ですら、まだどれぐらいの予算がかかるか分からない中、この判断は無謀といえるのでしょう。

中国海軍の潜水艦、戦艦が接続水域に侵入、という報道があります。中国では経済を引き締め始めており、日本では北朝鮮の脅威が一先ず先送りされた矢先、両国にとってナショナリズムを煽るのに、絶好なタイミングでこうした事件が起きた、といえるのでしょう。こうしたおかしな動きをする政府と、どう対していくか? 野党にはそれが問われます。
ゲーテは『希望は不幸な人間の第二の魂』とします。しかし『希望は不幸な政治家の、第二の自民』となってもらっては困る。そして、野党が統一する場合、しっかりと自民との対立軸がだせる形でまとまらないと、これまでと同様に組織票で負けるのです。希望の立ち位置、それが野党共闘にとってネックとなりつつあるのなら、『ハジメ』るための『ケジメ』を民進がつけるべきタイミングが迫ってきた、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般