2006年04月

2006年04月30日

世界情勢の不安が日本経済を潤す?

今日の竹中氏が出演していた番組の中で、彼が「景気回復している。日本の成長率をもっと高める」と発言していました。先に日銀も1%の潜在成長率を引き上げる発表をしましたし、デフレ脱却についても自信を覗かせました。景気回復は間違いないのでしょうが、これは特に政策の結果として表れたものではないので、竹中氏が自らの成果のように発言するのはやはり違和感があります。
企業はコストダウンに向けて正規社員を減らしている、との指摘に対し、「企業は今、日本に設備投資を行っているので雇用も回復する」と発言していました。企業が日本に設備投資をしているのは海外リスクを感じ始めたからであって、日本の成長性に期待したものではありません。それが端的に分かるのは人口減少という問題に歯止めが掛かっていないからであり、国内のパイは確実に減少する中であっても、海外に拠点を置くことに企業は多大なリスクを感じているのです。

海外動静の中で、まず現在おこっている急激な円高について触れたいと思います。為替変動に一番の影響を与えるのは、やはり金利差です。米国が金利引き上げの打ち止めを示唆しており、日本はこれから金利上昇局面を迎えます。現在市場は7、8月の利上げを織り込んでおり、逆にこのタイミングで金利が引き上げられないと市場にインパクトを与えてしまうことになります。問題はその上昇の程度です。仮にFRBのように0.25%の利上げとすると、今後は適正に水準切り上げを目指していくことになります。円‐ドルの関係では金利差縮小を受けて円高方向に進行することになるでしょう。もし一気に1%近い引き上げを行えば、逆に今後の経済指標によっては変動も有り得るので、機動的な金利の適正化が行えることになります。ただインパクトが大きいので、こうした金利上昇のやり方はあまり一般的ではありませんけど。

円高は輸出企業にとってデメリットです。ですが輸入企業にとってはメリットです。つまり資材高を円高で吸収できる可能性があり、価格転嫁に頼らないコスト構造が構築できる可能性もあります。一方で海外生産している商品を輸入している企業は、海外に拠点を置いている方がメリットがあるのです。それでも日本に拠点を移し始めているのは、イラン問題や世界の政情不安などに代表される世界事情の悪化が、将来的に企業業績に与える影響を勘案してのものであり、素直に喜べないものがあります。
評論家が今年度の企業業績の見通しが低いことに驚いているようです。ですが、原油高、円高、コスト高、これらを抱えた企業が高い見通しを発表してきたら、その方が驚きです。経営者は未来を予測して投資を行える決断力と、一方で業績などには慎重な態度が必要です。今回の世界情勢の不安を受けて、経営者がどうこれからの日本を判断をしていくのか、一度冷静に聞いてみたいですね。

analyst_zaiya777 at 13:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 海外

2006年04月29日

若者の犯罪について考える

最近、若者の凶悪な犯罪が増えています。動機を聞いてもピンと来ないものばかりで、どれも何のために?と首を傾げてしまいます。ですが、これらを読み解くことにより何らかの対応をしない限り、こうした犯罪がまるでブームのように連鎖してしまうことになるでしょう。そこで大枠ですがこれを分析したいと思います。

教育基本法改正議論の中で、子供たちに愛国心を植え付けることで豊かな人格形成を促す云々、色々と言われているようですが、愛国心と子供たちの人格形成には何の繋がりもありません。別に愛国心が悪いと言っているのではなく、愛国心は何らかの事象に対する判断の一助に過ぎず、人格の外装を為しても根底に影響は与えないからです。これは宗教も同じ。メッキが剥がれると信仰が外れるのと同じことなのです。
では教育の中で若者の犯罪を減らすことが出来るのか、というとまず無理でしょう。人格などもそうですが、これは教育によって与えられるものではありません。教育で与えられるのは上記の通り人格の外装を覆う程度のもの。思考の根底にはなっても人格形成に影響はほとんど与えません。

では人格に影響を与えるのは何かと言うと、それは環境です。親でも友人でもそうですが、子供たちが育っていく上での環境が人格形成に大きな影響を与えます。
極端な例かもしれませんが、最近は三十、四十代の人間の犯罪もまた増えています。しかもDVなどに象徴される家庭内暴力です。つまりこの世代の人格形成上に大きな問題があり、その世代に育てられる子供たちの人格形成が、上手くいくはずなどありません。三、四十代といえば団塊の世代に育てられた子供たち。親は会社にこき使われて家庭を顧みなかった世代であり、ここに歪みの根底があるのです。

また現代は早くから個を主張する傾向にあり、子供にも早いうちから権利を認めようとする風潮です。その結果、物事の判断すら伴わない内から一人であることを醸成されます。一方でDVなどを行う家庭では暴力の対象として弱者である子供たちが捉えられ、人格形成すら出来ないまま大人になることになります。
更に現代社会で夢や理想を描くことは難しく、未来の自分の姿を置く場所を得られない以上、現在の自己の欲望や情動の赴くままに犯罪を犯してしまう。例え罪に問われても大した罪にもならないのが現状ですから、未来の有り得べき自分の姿に変更を与えない程度の犯罪なら、犯しても全く罪悪感は湧かないのです。

以上の問題点を一義的に語っても無意味です。私の分析もまだ大枠であり、これが全てでもありません。抜本的にはより良い社会の構築、ということになるのかもしれませんが、それとて漠然とした目標でしかありません。一人一人が人間関係の中で自分を見つけられる社会、そうしたことを心掛けていくしか今のところ手がないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 心理 | 一般

小泉政権考3 −格差拡大◆

ちょっと間が空きましたが格差社会についての第二段です。小泉氏はこの議論をすると「能力に応じた差がつくことに何が悪い」と言った議論を展開しますが、誰も政策に因らないそうした差について彼を責める者はいないでしょう。問題は政策によって国民の間に広がる、努力の結果としてではない差が問題なのです。

一般的に格差と言うと賃金格差と誤解されがちです。しかし私は同じ読みで「較差」の言葉を当てるのが、この問題に適当な答えを与えてくれるのだと考えています。気象学などで使われるこの言葉は最高と最低との差などを表すものです。(本来の読みは「こうさ」ですが)この較差が広がっている、つまり人々の間に存在する階層の最高と最低の間の差が拡大していることを問題とすべきなのです。
では何故こうした差が広がっているかと言うと、以前から指摘しているように利益の再分配が為されていないためです。一般にこう言うと社会主義ではないかと批判されるのでしょうが、別に社会全体をそうした構造に変化させろと言うのではなく、金持ちを優遇する政策を少し転換させるだけで、較差は少なくなる方向に動くのです。

つまり高額所得者や黒字を出した企業に対する課税さえ増やせば、サラリーマン増税などに走らずとも税収は増えることになります。税源が足りないから所得の低い者からとると言うことを行っているから、小泉政権は弱い者いじめと言われるのです。
小泉氏は「痛みを伴う改革」という言葉を掲げた結果、今痛みを感じ始めたのは高齢者やサラリーマンで、企業や高額所得者はホクホクで過ごしています。それが政策による較差拡大の根本原因であり、国民が不満に思っているところです。
本来そのことに説明をしなければなりませんが、小泉氏はそれを「能力に応じた差」の議論に摩り替えたり、「一部の富裕層による投資循環社会が好景気をもたらす」などと発言して、一向に問題意識を持とうとしません。となればもう任期中の改善は無理であり、その間無為に較差拡大を助長してしまう可能性すらあります。

一つ一つの政策の検証は各メディアに任せます。我々が知らなければならないのは、政策を通して彼が較差拡大を促し、それを容認している姿勢です。重ねて言いますが自由主義経済は放っておいても較差が拡大します。それを政府が容認してしまえば、努力の結果ではその差を埋められない社会となり、日本にもいずれスラム街が出来ていくでしょう。そうならないためにも、政府はこの較差を容認しては絶対にいけないのです。小泉氏が進めるこの較差社会が未来に何を残すのか?それを皆が考えていかなければいけないのです。

analyst_zaiya777 at 18:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 

竹島問題5

世の中はGWですね。でも体調崩しているし、後半しか連休ではないので個人的にあまり関係ないのですが、皆さんはどうなのでしょう・・・。
以前、竹島問題で三国史記に出てくる『干水国』が日本のことではないか、と書いたのでその説明をしたいと思います。最初に断っておきますが、私は当時の朝鮮半島における漢字の発音などについては勉強不足です。古代語から現代語へと以降する過程での音韻変化などは多少知識がありますが、その点で今回の説が正しいのかどうかの断定は出来ないことをお断りしておきます。

まず当時のアジア社会において、中国が巨大な勢力を誇り他国を圧迫していたことは間違いない事実です。『干水国』が出てくるのは五〜六世紀の頃なので、当時の中国は南北朝時代となります。中華の思想は他国を蔑視し、あまり良い字を相手に与えなかったことでも知られており、また朝貢によりその権力を確かなものとしていました。つまり朝貢する国があることで、自らの偉大さを誇ることが出来たのです。

『干水国』は他国のどの文献にも出てきておらず、実在性に乏しい存在でもあります。逆に上記のように朝貢国があることで、自国の偉大さを喧伝できるとなれば架空の存在をでっち上げてでもそうした朝貢記録を残すことになります。これは日本も事情は同じで、それが任那日本府の存在と共に曖昧なまま日本の文献記録に載って来ます。当時のアジア事情の中でこうした隷属関係は有り得ないはずなのですが、それを信じる人がいるのはどちらの国も同じようなものです。

当時の日本は『倭』と呼ばれていました。これは今では普通に”wa”と発音しますが、当時は”wo”と発音していたとの記録もあります。後代にはこの字を当ててヤマトと発音するようになりますが、中国側の記録では南中国の辺りにも倭族が生活しており、こうした異民族を総称して倭と呼んでいたことが分かります。つまりこの字に関しては漢の側の発音に合わせた方が良いので、”wo”と当てるのが正しいのです。

一方で十二〜三世紀に三国史記を纏めた人物も、架空の国を設定するとしても何らかの実在性のあるものと結び付けたかった。とするとこの”wo”の発音に”干”の字を当て、更に海の向こうにあることで水を差し入れた国を想定した可能性は充分にあるのです。

当時の文献資料として、日本も朝鮮も整合性の取れない内容が多いのは仕方のないことです。ですからそうした文献に依拠した内容を主張する限り、その論に正当性はないのです。韓国側もナショナリズムを煽るだけなく、冷静にこの問題の解決策を模索していくことを切に願っています。もう二国間の話し合いや、一方の主張だけで解決できるような問題ではないのですから。

analyst_zaiya777 at 11:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2006年04月28日

耐震偽装問題について

今日は最近気になっている問題について、一気に上げます。次は耐震偽装問題についてです。一昨日関係者の一斉逮捕となった訳ですが、どれもその逮捕理由は本質と異なるもの。ですが、そこに問題の本質があるような気がしています。

一部のメディアにもあるようですが、最終的にこの耐震偽装問題で問われるべきは購入者に対する詐欺行為です。ですがその詐欺自体が成立する可能性が薄い、というのです。つまりこうした組織犯罪に陥ると、誰が何のために詐欺を行ったのか、という問題が曖昧となってしまうということです。
問題を整理すると、姉歯氏が耐震設計を行い、それを検査機関が承認し、建設会社が建設し、建築主がそれを売る。まず姉歯氏が耐震設計を偽装した行為は建設会社への背信です。それは購入者への詐欺には当たらず、姉歯氏と建設会社の問題であって仮にそこで脅しなどがあって姉歯氏がそれに已む無く従ったのだとしても、それはこの二者の間の問題となります。一方、検査機関が承認を与えてしまった行為は業務上の過失行為であり、詐欺には当たらないでしょう。
建築主と建設会社の関係としては、建設依頼を遂行し得なかった責任は建設会社にあるでしょう。建築主としては耐震偽装が為されていると知った上で販売した罪となります。

以上見てきたように、それぞれがそれぞれの関係の中で詐欺や背信があって、最終的に損をすることになった購入者に対して、誰が責任を持つのかが曖昧になっていることが分かるでしょう。確かに法的には建築主が負うのでしょうが、建築主も被害者を訴える構図はヒューザーの小嶋氏の態度でも分かる通りです。つまり細かい詐欺行為の積み重ねが今回の問題を複雑にしており、責任自体を曖昧にしているところがあるのです。

一方、建築確認を与えた公的機関への逮捕は今のところありません。それは偽装自体の真贋を見極める眼がなくても法的な責任を問うことが難しいことを示しています。結局、この問題を法的に問うためには法の整備が整っておらず、責任の無きまま被害者の救済については税金が投入されることになるのでしょう。ただ一つ一つの問題を明らかにし、問題を整理することで今後の法律は整備されることになります。法の整備を待つ間、家やマンションを購入したい人は自らの目で判断するしかないのでしょうね。これが規制緩和の影響だとすれば、嫌な世の中になったものです。

analyst_zaiya777 at 20:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 

北朝鮮拉致事件について

横田めぐみさんの拉致事件に関し、米下院の公聴会で母親の早紀江さんが証言を行いました。立派な態度であり、現状を訴えるその姿には母親の神々しささえ感じたほどです。米議員もこの問題に深い関心を寄せており、大統領との会談まで行われるとの事。北朝鮮の拉致事件にも明るい兆しが見えそうで何よりです。

一方で気になるのは日本の政治家たちです。特に小泉氏ですが、なぜこうした問題を米国頼みで解決しようとするのでしょう?確かに北朝鮮の拉致は世界に広がりを見せており、二国間の話だけで済まないのは理解しています。ですが、当事国である日本の首相として、「こうした問題を自らの手で解決できず、誠に残念です。これからは問題解決に向けて粉骨砕身の努力を惜しみません」の一言が言えないのでしょう?私にはそれが残念に感じられてなりません。
確かに小泉氏が訪朝し、一部の拉致被害者を日本に連れ戻しました。その功績は認めますが、一方でその後の対応に関してはなぜこれほど無責任なのかと、理解に苦しむところがあります。私は以前から小泉氏が北朝鮮問題で腰を上げるのは、自らの人気が低迷してきた時だと考えています。それは小泉氏の北朝鮮に対する態度に、不自然なほどのやる気のなさを感じるからであり、それは何か弱みを握られているのではないかと勘繰ってしまうほどです。

先に六カ国協議の開催について話し合う場に、日本側から韓国人キム・ヨンナム氏の拉致の発表がありました。このことで韓国の動きを注視していたのですが、今のところまともな対応をして来ています。もしかしたら現在の韓国政府は北朝鮮寄りなので、否定するかとも考えていたので驚きです。ですがその代償のように独島で日本との対決姿勢を鮮明にし、この拉致事件に関する共闘の芽は摘まれました。本来領土問題と拉致事件は全く別の問題であり、韓国が頑なに日本との協力を嫌がる理由は、やはり北朝鮮との関係悪化を心配した現政府が、日本と別路線で交渉する道を示唆するものでしょう。
こうした問題が今回の米国の態度で解消され、互いに拉致事件に対して一緒に考えて行くようにしないと、拉致事件は一向に解決できないでしょう。何しろ拉致被害者が密接な関係を結んでいるのは、横田めぐみさんとキム・ヨンナム氏が夫婦であることでも分かります。一人を戻せば良いと言うのではなく、拉致被害者全員が戻ってこられるようにすることが、この問題を解決する最善の道です。小泉氏には真剣にこの問題に向き合って対処して欲しいものです。

analyst_zaiya777 at 19:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

ライブドア、堀江氏の釈放について

昨日、堀江氏の釈放が大々的に報じられました。以前から聞き苦しいと感じている「何か一言!」と叫ぶ記者が、昨日もたくさんいましたね。まだ本人が罪を否認している状況で特に感想はなかったのですが、昨日の報道をみて感じたことを少し。

意外と早く出てきたという感想以上に、罪が少ないと感じたのは私だけではないはずです。風説の流布や粉飾決算などで、トータルして考えても大した罪には問われません。日本国中を騒がせ、多くの人が損失を出したこの問題にしては、本人の罪がこの程度なのかと驚くほどです。
しかも一部の新聞には堀江氏は無罪となるのではないか、との憶測まで。つまり宮内氏が主導して犯罪を犯しただけであり、堀江氏は何も知らなかったと言う線で弁護士も公判を争おうとしているらしいのです。そうなると、堀江氏が勝利した場合、今回の問題が何だったのか、改めて問われ直すことになるでしょう。
堀江氏が仮に裁判で勝利した場合、彼の経営責任は著しく問われることになるでしょう。つまり部下が闇の金を動かし、更に風説の流布まで行っていたのを黙過していた罪です。一方で堀江氏が裁判で敗北した場合、これは経営責任だけではなく社会的な地位まで失うことになります。

以上の前提に立って今回論じたいのは、これからのマスコミの姿勢です。彼はカリスマであり、未だにその存在価値を失っていないのは昨日の報道でも分かる通りです。彼は視聴率の取れるキャラクターであり、テレビ、新聞などが放っておかない存在でもあります。ですが、ここでメディアへの露出を強めれば更に彼のカリスマ性をアップさせてしまい、その社会的な影響を考えざるを得ません。
強い意見を主張し続けると、それについていこうとする者が必ず現れます。これは群の習性を持つ人間の特徴で、堀江氏のような自分の意見をはっきりと主張する人間は、その時点でカリスマ性を有しています。ここでメディアが彼の論調に乗ってしまうと、また以前のように彼の意見についていこうとする者が現れる気がしてなりません。
その動きを批判すると言うより、私は心配になってしまうのです。今回損を抱えた方もたくさんいます。民衆の中に彼を擁護する意見が高まると、そうした損を抱えた方に対する風当たりも強くなるでしょうし、また裁判の結果にも影響を与えかねません。カリスマを信奉する人間は偶像に対する憧憬が強いあまり、何が善かを中々理解できない可能性を抱えており、その意見に民衆が支配されてしまうと危険なのです。
メディアは逮捕前に自分たちが彼をどう偶像として扱い、民衆に晒していたかの反省に立って、理性的な報道を心掛けて欲しいものです。まだ何も解決していない問題でもあるのですから。

analyst_zaiya777 at 18:40|PermalinkComments(1)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア 

2006年04月27日

小泉政権考2 −格差社会 (特罎箸糧羈咫

今日は2回目、何かと話題に上る「格差問題」です。この問題は根が深く、更に当事者の意識にずれがあると思われますので、二回に別けて分析したいと思います。まず今回は小泉氏の発言にあった「米中よりも格差はない」との発言を受けての考察です。

中国はあの巨大な国家の中に共産主義体制を布いて、その中に自由経済を取り込むと言う世界的に見ても極めて異例な体制をとる国家です。本来、共産主義とは計画経済を前提としたものであり、物の価格なども計画的に推移することを前提としたものです。つまり余剰生産による価格変動や金融派生商品の取引によって生じる価格の上下動など、あってはいけないはずの経済なのです。しかし中国は自由経済を取り入れており、当然のようにその価格変動により貧富の差が生じます。目が利く人は価格の変動に合わせて売買を行うだけで、儲けを出せるのですから。
また農村部と都市部に格差が生じるのは当然の社会です。農村部に計画経済、都市部に自由経済と使い分けることにより、食料の安定供給を目指した上で自由経済における発展を得ることを目指しているのですから、都市部は発展して農村部は取り残される。この中国と格差を比較することは、そもそも間違いであることが分かるでしょう。

米国は元々南北戦争に象徴されるように、黒人奴隷問題を抱えた国でした。現在でもたまに白人警官が黒人を殴ったりする映像が流れ、それが社会問題になります。人々の意識の中に黒人を差別する意識を持つ人間がおり、社会的地位にも影響を与えています。黒人の大統領が出てくるまで、米国の差別意識が解消されることはないでしょう。
また最近ではエスパニック系の住民の問題もあります。不法移民の就労環境など、まだまだ整えられていないのが現状であり、賃金や待遇面で差があるのが現状です。それでも米国は格差がある、などの発言は絶対にしません。なぜならその是正に向けた努力を、常に政府は強いられているからです。

ところが小泉氏は格差を容認し、むしろ自ら望んで格差社会に移行した旨の発言をする時があります。本来政府は国民の間に差が生じることを、抑える方向に動かなければなりません。自由経済の中で人々の間に差が生じることは当然であり、政府がそれを奨励した場合、零落した人間だけではその差を生めることが出来ない社会となってしまうからです。
格差の是正には再挑戦が可能な社会というだけではなく、利益の再分配という思想がない限り、この国はいずれスラムが生まれてそこから抜け出せない人々が増える社会となってしまうでしょう。そうならないように、今一度小泉氏の行った改革が正しいのかを見ていかなければいけません。

analyst_zaiya777 at 19:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 

2006年04月26日

小泉政権考1 その発言の特異性について

小泉政権も五年が経過し、各メディアで小泉政権の五年間を統括する記事が活発です。私は年初に小泉首相の通信簿と題して過去の小泉政権の問題点などを追求していましたが、今回新たに異なる視点から複数回に別けて、小泉氏の発言や政策上の問題点について分析したいと思います。今日は彼の発言について大枠で見てみることにします。

小泉氏が自民党総裁選で勝利した時、彼に期待する発言をした友人に対し、私は「彼は弁士だから、あまり期待してはいけない」と苦言を呈したのを覚えています。私が彼に『弁士』という評価を与えたのは、中国の古代史の中で項羽と劉邦の時代に活躍した、蒯通という人物のことをイメージしたからです。
蒯通は劉邦に仕えていましたが、巧みな話術で人を魅了するので外交などに重用されていました。ですが、実態が伴わない彼の弁に最終的に劉邦から解雇されてしまう、そういう人物です。小泉氏は巧みな話術で人を魅了することに長けていましたし、その実行力がないこともまさに弁士と評するのにピッタリだった訳です。

小泉氏の発言で特徴的なのは、国内に発言する時は身振り手振りを交えて面白おかしく弁を立てますが、国外に向けての発言では途端に口が重く、壊れたプレーヤーのように同じようなことしか言わなくなります。彼は官僚より情報を得て自分の意見で語ろうとするのですが、様々な利害や過去のしがらみ、未来に向けての長期戦略などが複雑に絡み付く外交では、彼のような弁舌が不向きであることをこのことが証明しています。そのため未だに中、韓との間に外交が出来ていません。先ごろの発言で「中国は靖国で会談しないことを後悔する」と述べていますが、中国はこの問題で決して困ることはありません。経済が繋がっていればそれで中国は満足であり、境界線で争ううちは政治的な繋がりがない方が、逆に有利とも言えるからです。

彼は「自民党をぶっ壊す」と発言して自民党総裁になった訳ですが、時折思い出すようにこの発言を述べるだけで、総裁になった時点でほぼこのフレーズは使わなくなりました。これを無責任と評するのは早計ですが、「自民党の既得権益はぶっ壊した」と議論を摩り替えるのには異論があります。現在は自民党そのものが既得権益の象徴であり、政権与党としての自民党に利権が集中する状態にあります。既得権益が壊れてもそれは新たな利権構造を生み出すに過ぎず、自民党と官僚との繋がりの部分にメスを入れられない限り、「自民党の既得権益は新たな形となって今後現れる」ということの反証にはならないのです。
彼の発言を面白がるだけではなく、各メディアはその背後に潜む問題をもっと追求してもらいたいものです。弁士の言にはよほど注意していないと、一般の方は踊らされてしまう危険を常に孕んでいるのですから。

analyst_zaiya777 at 19:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

竹島問題4 −対日談話を受けて−

韓国のノ・ムヒョン大統領が日韓の問題に対して対日談話として強硬な姿勢を鮮明にしました。まずこれらは来月後半の選挙を意識したものであり、国内向けのパフォーマンス以外の何者でもないことは一つにあります。ですが歴史認識、という点において少々異論がありますので、その辺りを中心に議論を展開したいと思います。

韓国が主張する『三国史記』に登場する干水国からの朝貢により、独島が朝鮮に帰属したとする説は改めなければなりません。韓国で国史として認められる書物は『三国史記』や『三国遺事』になると思いますが、これらは歴史書としての体裁は残念ながら整えていません。
歴史書とは他国の史書と整合がとれることで、初めて年代特定などが可能となり、確かな歴史を刻んだことが証明されます。そうでない限り歴史書が政権交代によって改ざんされた場合、その正誤が分からなくなってしまうからです。この点において韓国の国史はその要件を満たしていません。これは『日本書紀』や『古事記』も同様ですが、ただ『三国史記』や『三国遺事』が十二〜十三世紀に編纂されたものであるのに比べ、日本は八世紀以降の国史は信頼性が高いという違いがあるに過ぎないのです。
(『干水国』はもしかしたら日本のことを指すのではないかと私は推測しています。
その問題についてはいずれ別の機会に)

以上のことからこの島の帰属問題が何時になるのかと言うと、それはずっと時代が下って20世紀のことです。この時点で日本が竹島の日本帰属を宣言しました。これが、竹島が世界史の上で初めて国に帰属した瞬間となります。
本来、竹島は漁をする上でも座礁の可能性すらある邪魔な存在であり、国としてもそれほど重要視していなかったことが分かります。十八世紀の日本地図にも登場しますが、恐らく航海上の目印ぐらいにしか意識されていなかったでしょう。そのため両国とも近代まで特に領有を宣することはなかったのです。

韓国が如何にそれ以前は韓国のものだと訴えても弱いのはこの点です。外交上の戦略として当時の朝鮮は失態を犯し、早い者勝ちの領土取りで日本に上を行かれた。その戦略上のミスを補おうと、韓国は躍起となって自国の領土だと主張を展開し、実効支配を強めなければいけないのです。歴史的には日本に上を行かれているのですから。
確かに韓国が訴える植民地政策の始まりがこの竹島であり、日本のアジア戦略上の基点となったことは事実です。ですがその前にこの竹島が何処に帰属するかを宣言できなかった時点で、韓国は歴史の上で負けてしまう。そのため国際司法裁判所などに訴えられては困るということになります。これが韓国が国際社会への道を嫌がる根拠であり、米国が戦後韓国側の要求を蹴った根拠ともなっています。

独島を自分のものとしようと、韓国では歴史上の地図の改ざんまで行って自国への帰属を求めています。韓国が紛争も辞さず、と言うのなら日本は紛争に持ち込んで国際社会にこの問題を上程すれば良いのです。以前から指摘しているように、ナショナリズムが衝突したこれらの問題に、両国間の話し合いで解決がつけられる訳がありません。どちらにしろもう遺恨が残ることは確実なのですから、第三者の判断に委ねるべき問題なのです。その時、実効支配と歴史、どちらに軍配が上がるのでしょうね?

analyst_zaiya777 at 00:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2006年04月25日

米軍グアム移転費の日本負担問題

米軍再編に伴う米軍のグアム移転費用を日本が負担することに決まりました。沖縄の負担軽減と言えば聞こえは良いのですが、これが如何なる理由によるものかを少し他の方とは異なった視点で分析してみたいと思います。

まずこのグアム移転が決まったことで沖縄の海兵隊が7000人規模で移動し、沖縄にある米軍の4施設が返還されることに決まるようです。それは喜ばしいことなのですが、4施設返還でも沖縄にある米軍施設の内の4%に過ぎず、人口密集地の負担が減ったとは言え、まだ本当の意味での沖縄の負担軽減というには及ばない範囲です。
費用対効果で考えると、一般会計からの財政支出は約3000億円、その他は政府支出と第三セクター、国際協力銀行による融資で計7000億円の投入に対し、沖縄の4%しか負担が減らないのは無駄が大きいと感じます。しかも一般会計以外の支出については曖昧で、かつ結局税金からの負担が大きいことを考えると、『何のために』ということを改めて考えさせられてしまいます。

世界的な流れとして軍事移転は申し出た方が負担割合が大きくなる、という慣例のようなものがあるそうです。つまり日本が望んでグアム移転を申し出たため、米側からの強い態度で出られてこの条件を飲まざるを得なかった、というのです。ですが米軍にも何らかのメリットがない限り、こうした移転を了承するはずありません。当然のように米側でもグアム基地拡充に費用を拠出しなければならないのですから。そこで米側のメリットについて考えてみます。

沖縄基地は対中戦略上において重要な拠点です。今回の沖縄の基地負担がほとんど減らないことから見ても、米軍が沖縄を重要視していることが分かります。ですが中国と言うのは、軍事的に見るとまだそれほどの脅威ではありません。確かに軍事費は年々伸びており、軍事大国化に傾斜しつつありますが、まだ技術力が伴っていないため戦力的には米側の足元にも及びません。しかし現時点では脅威でなくても、日本の技術力を中国が吸収し出すと、中国軍の脅威は今後増すことになります。
その時沖縄に基地を集中しすぎると、沖縄が中国からの攻撃目標となってしまう可能性があります。そこで沖縄の後方支援としてグアムを充実させることは、長期的な視点で見ても米側にメリットがあるということになります。沖縄を前線基地、グアムに本隊を置くことで戦略上も米側は中国に対して有利を保つことが出来るのです。

こうした米側の事情に付き合って日本が税金を投入しなければならないのは、情けないところです。しかも本当に7000億円で済むのか?別の開発費や秘密の施設を建設することにその資金が使われるのではないか?その疑問はいつまでも拭えません。額賀氏はその辺りも含めて、国民に対して明確に説明を行う必要があります。
今はとりあえず沖縄の負担が少しでも減ったことを喜んでおきたいと思います。でもそれだけの資金があれば、沖縄の雇用などもっと有効なことに使えるような気が・・・。

analyst_zaiya777 at 18:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 

2006年04月24日

経済市場の混乱・G7の影響か?

今日の相場は全く買い手がいなかったようで、今年最大の下げ幅を記録してしまいました。この結果を受けて、私なりの意見を述べたいと思います。

私は四月のSQ算出以降に相場は下落すると読んでいました。ですが、相場はそれ以降も強い動きを見せ、中々下落する動きを見せませんでした。良好なファンダメンタルを受けての日本の景気回復期待。これが相場を支えていると評されていましたが、私はそうは考えていません。これが下落を予想する根拠だったので、まずそれを説明します。
一つに国内は不安定要因が多く、小泉政権以降の体制変化をどう受け止めるのかが見えないこと。日銀の利上げ局面が目前に控えており、世界経済との金利差が埋まる方向にあること。世界では市場の監視を強めており、日本もその動きに習って一時の緩和策を引き締める方向にあること、などがその下落要因にあります。
一方で確かに日本経済の基礎的条件は良好であり、それを訴えて上昇相場を予想することも可能です。ですが過去と現在を映す数値にどんなに強いものが出ても、相場とは未来を映す鏡でもあり、未来の悪材料を何処まで織り込めるのかが重要となってきます。

今回三月後半から言われていた上昇の理由が、「先高期待」と「需給関係の改善」であったことから、今回の上昇相場を私は非常に懐疑的に見ていました。実体経済以上に相場が上昇して好材料を織り込んでしまうと、後は下落しか道はなくなってしまいます。期待通りの数値でも、そこで材料出尽くしになってしまいますから。
またG7で出された宣言が大きな影響を与えたことも否めません。原油高に対するコメントは弱く、人民元改革に向けては強いコメントが出ました。これは原油高を引き起こしている地政学的リスクの要因が、米国の対イスラム戦略に影響されているのですから仕方ありません。一方、人民元については中国だけの問題であり、世界もそれを望んでいることから強い意見となった。それがアジア通貨の上昇要因と受け止められて円高ドル安の動きとなり、今まで相場を牽引してきた輸出関連企業に波及し、今日の大幅下落に繋がったと見ています。
一部に言われる千葉七区の結果、小泉政権が揺れて改革期待が薄らぐというのは間違いでしょう。外国人投資家がそこまで推測した上で売りを入れてきたとすれば、国内の評論家の面目は丸潰れです。そこまで予想した評論家は、どうやらいないのですから。

三月後半から相場が異常な強さとなったのは、折を見て目標値を達成するという恣意的な動きが関連しています。先週末は4月のSQ算出値を抜くかどうかと言われており、引け間際に50円も上昇して見事にその数値を抜いてきました。こうした動きが続いて安心感を引き出し、相場を上昇させる要因となってきました。私が警戒するのはこうした恣意的な動きを受けて一般の方が踊らされ、損失を被ってしまうことです。先々週個人の方が買いを入れていたので、多くの方が損失を抱えたのではないでしょうか?今の相場が一部の人間に牛耳られ、『先物』という魔物の掌の上で踊らされている以上、今は個人の方が市場に深入りするのは危険なのかもしれませんね。

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千葉七区補選の結果を受けて

千葉七区補選の結果が出ました。僅差ながら民主党の太田氏が勝利し、補選にて久し振りに民主党が議席を勝ち取りました。この結果を受けて私は少し意外な感じがしましたので、その感想を含めて今回の選挙戦を分析してみたいと思います。
まず意外に感じたのは票差が詰まったこと。武部氏が敗戦の弁で「出遅れていた」と述べていましたが、むしろ出遅れていたのは民主党の方です。党首選が行われるまでは民主党の敗北が明らかな状況で、自民党にはむしろ驕りがあり、選挙戦に向けての体制作りが遅れた、というのがこの「出遅れ」発言に繋がるのでしょう。
元々、こうした選挙戦では後半に勢いの出た方が有利です。民主党が小沢新体制の下で挙党体制を構築できたことで、一気に民主党有利へ風が流れ、その勢いで選挙戦を戦ったのですからもう少し圧勝しても良かったのかな、と思いました。ここは公明党の組織票ががっちりと後方支援をしたので、票差はつかなかったのでしょうね。

まず自民党の選挙対策において完璧に誤算となったのは、前回のイメージ戦略を踏襲した形での選挙戦を展開したことだと考えています。総選挙であればメディアの露出も多く、落下傘候補を擁立してイメージ戦略を立てても、メディアを通じて有権者が候補者のイメージを作り上げることが出来ます。今回の場合、斎藤氏の露出はメディアにほとんどなく、選挙戦で出てくるのは小泉氏や武部氏、それに頻繁に投入された閣僚クラスの人物ばかり。これでは有権者は何に投票するのか、それが目隠しされたような状態となってしまいます。候補者の顔が見えない状態で、幾らアピールしても有権者に訴えるものはないでしょう。
また今年に入って明らかになった小泉政権の陰の部分。これに対して小泉氏は明確な答弁を避け続けており、彼個人の人気以上にその不信感の方が強く有権者に意識されたのも、敗因の一つです。更に格差に象徴される官僚と庶民との間の深い溝が、元官僚である斎藤氏のイメージとダブってしまった。これでは自民党の敗北は明らかです。
小泉氏は「私は国民に支持されている」と述べますが、今回の選挙でも明らかになったように、与党が選挙で勝利できるのは創価学会を強い支持基盤とした公明党が、強固な結束により小泉政権を下支えしているからです。逆にそれがないことを考えて、創価学会票が真っ二つに割れた状態で票を読めば、明らかに自民党が敗北する票数である選挙の方が多いことになります。これから結論付けられるのは小泉氏の言う「私は国民に支持されている」のではなく、自公連立政権が生み出した怪物が小泉氏なのです。

選挙戦の中で「民主党のマニフェストで実現したものは一つもない」と誰かが述べていましたが、政権与党でない政党のマニフェストなど実現しないのは当たり前です。逆に自民党のマニフェストは曖昧で抽象的なので、実現しているのかどうかすら判断しかねます。この辺りの訴える力のなさも、自民党の弱さに繋がるのでしょう。
注目度の高い市長選で、悉く自民党推薦候補が敗れました。注目度が上がれば無党派層が動き、自公が敗れる構図が明確になってきました。小泉氏が生み出した負の遺産をどうするのか、本気で考えないと自民党は今後も敗北し続けるでしょう。それだけ国民の危機意識が強く働いていることを、政治家は考えて行動して欲しいものです。

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2006年04月23日

ゆとり教育の功罪

教育基本法改正やゆとり教育の見直しなど、昨今の教育に関する議論について、今まで少しばかり教育論を展開してきたので総括的に私論を述べたいと思います。

一部の議論にあるように、幼少期にゆとりの時間を与えられても一般的に子供なら遊びを選択します。逆にそれが自然な選択であり、そうでない子供は不自然です。親から学習する目的を植え付けられない限り、ゆとりは遊びへと消えることになります。
文部省がゆとり教育を提唱した時、『ゆとり』とは何かが正しく議論されなかったように感じます。教育と言う現場でこの言葉に対する解釈の違いが混乱を生み、結局その混乱が子供たちに何を与えるのかの具体案が見えずに、この数年間が過ぎてしまったのです。その結果、子供たちにとって何が必要かが議論されてこなかったのが現状です。
私は教育現場に必要なのは、企業でよく使われる『選択と集中』ではないかと考えています。子供たちに好きな学科を選択させ、それを集中的に教える。結局、子供時代にはある程度詰め込みが必要であり、その後生活するうえで何に使用できるのかは別にして、基礎学力の部分は多少強引でも子供たちの尻を叩いて教える必要があるのです。

今ゆとり教育の見直しにおいて議論されている基礎学力の低下は、ゆとり教育に移行した時点で必然のことでした。私はゆとり教育導入を聞いたとき、これは政府による格差社会への誘導だと感じていました。何しろ、「学校で足りない部分の教育は塾で」と堂々と話していたのですから、塾に行けない低層の家庭に生まれた子供たちは、基礎学力の部分すら補えずに大人になることは確実だったからです。
更に付け加えると、この「ゆとり」の部分は教員に与えられるものだと考えたぐらいです。学校の週休二日制も、教師の友人に聞いた時「夏休みなどで普段休めない分を補えるからそれで充分だったのに、今は夏休みまで出勤させられ水撒きをしている」と嘆いていました。年間の休暇日数だけを考えれば週休一日で、後は長期休暇を前提にしていた頃と今と同じなのでしょう。ですが、教員が水撒きをしている時間だけ、子供たちに教育として与えられる時間は減ってしまったのです。

学校とは子供たちが始めて感じる公共の場です。個性を尊重し過ぎると、それが公共性と衝突するのは必然です。『ゆとり』の名の下に個性を伸ばすと言えば聞こえは良いのですが、公共の場でそれを遂行するのは難しいということです。その理屈が理解できないと、再び詰め込み教育へと極端に傾斜され、子供たちはその弊害に苦しむことになるでしょう。学校とは何のためにあるのか、もう一度大人たちが真剣に話し合ってみる必要があるのかもしれませんね。

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2006年04月22日

竹島問題3

竹島問題に進展がありました。ここまでコメントをしてきた身として、一応現時点での妥協点について、双方のポイントを考えてみます。

まず妥協ポイントを以下
 ヾ攅颪蕨桟遒縫疋ぅ弔嚢圓錣譴觜餾櫺餤弔乏つ戝老舛量松里鯆鷭个靴覆
 排他的経済水域についての協議を五月より局長級で協議
 F本は海洋調査を中止する

この別れで微妙なのは日本が海洋調査を実施しようとした前の状態と、両国の状況に何の変わりもない状態に戻ったことです。悪く言えば未来図にあった六月に韓国から海底地形の名称が提出され、事態が進展する可能性の消滅と共に現状維持を双方が選択した点です。
この選択は以前から指摘しているように韓国にとって有利です。韓国は実効支配を強め、更に海底地形の把握も行っています。現状維持であれば韓国には充分なのです。何しろ、未来図と言っても六月に本当に韓国が海底地形の名称を提出するかは、現時点で確定した情報として国民に与えられているわけではなく、海洋調査実施に向けて動き出した日本が今回も引き下がった形での幕引きに見えるからです。

一方で協議を再開することについても、五月というのが微妙なタイミングです。そこでわざと決裂に持ち込む態度を見せ、六月に向けて国際会議に名称提出を匂わせることで、韓国としては有利な条件を引き出せる可能性があります。何しろ韓国はすでに海底地形を押さえていることに何ら変わりなく、一ヶ月という期間で様々な戦略が練れる状況は韓国にとって好都合な条件だったのです。
今回の話し合いでは、双方が同じ土俵に乗るためのスタンスとして、海底地形の情報を韓国から日本側に渡すという項目が含まれなければいけませんでした。そうでないと、先に指摘したように六月までは取引条件に使われてしまうからです。そうでない限りは強引でも調査はすべきだったのです。例え妨害されても、そうした妨害行為を世界に喧伝することが出来たはずですから。

しかし私が予想した通り、日本の政治家に武力衝突も辞さずに行動できるような人物はいませんでした。イラク派兵も結局他国に守ってもらうという体たらくの中で、韓国という隣国に本気でぶつかっていけないのは残念でなりません。双方が国家という体面を前面に押し出した今回の問題。もう既に双方のナショナリズムがぶつかっており、どちらも引くに引けません。どちらも引いてしまえば政府が転覆してしまうからです。やはり第三者に冷静な視点で問題解決を図ってもらう以外、道はないのですけどね・・・。

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長期金利の上昇が与える影響

長期金利の上昇について簡単に説明し、その影響を探っていきたいと思います。(簡単な話ではないですが、なるべく丁寧に、分かり易く説明したいと思います)

国債には短期、中期、長期などその期間に応じた種類があります。これらは一度発行されると後は市場で取引されるものなので、当然のように価格が変動するものです。ただし、個人に取引される数は少ないので皆さんあまり馴染みのない人もいるでしょう。
日銀は政策金利を変動させます。これが今ゼロ金利と呼ばれる状態であり、政策金利はゼロの状態です。ですが、当然市場で取引されるものですし金利はあります。日銀が政策金利を変動させると、短期金利に影響します。つまりこれから金利が上昇するとなると、今後発行される国債はより利率の良いものになります。そこで今持っている国債を売る動きになり、価格が下落し金利は上昇します。

難しい計算式は置いておいて、国債の価格と金利の関係は反比例に近いものです。仮に1000円で国債を買って1%の利回りだとすると、反比例なので500円まで価格が下落すると2%の利回りになることになります。(こんな単純なものではないので、あくまで参考値として考えて下さい)
つまり長期金利が上昇しているということは、国債が売られて価格が下落していると言えます。先に政策金利の変動が短期金利に影響すると記載しましたが、長期金利の上昇は何によってもたらされるかと言うと、将来の景気見通しに反応して上下動します。つまり将来景気が良くなる、と考える人が多くなれば長期金利は上昇するわけです。

日本の政府はこの長期金利の上昇を嫌がります。何しろ国債を発行している側の国の負担は増えることになるからです。谷垣氏や与謝野氏が「金利上昇」について否定的なコメントをするのはこの為ですが、一方で景気は上向きなどの発言をしているのでこれは矛盾したコメントになります。景気が回復すれば放っておいても長期金利は上昇する。それを日銀のコメントでどうこうしようとしても、それは無理な話です。政府はゼロ金利解除に圧力をかけるより、自身が国債を少しでも発行させないようにする、財政再建の道へと努力をすべきであり、それが出来ないで外部に圧力をかけるなど本末転倒の対応ともいえるのです。
長期金利の上昇の影響は、先に記載したように価格の下落を意味するのでそれを保有している側の負債を意味します。銀行、郵便局、日銀。どこも現在大量に国債を保有しているので、それが将来の日本の負担を意味します。景気回復でその下落分を何処まで補えるのか?先に某銀行がその損失分を発表しましたが、今は持ち株の上昇でその損失を補えるそうです。ですから今後運用に失敗すると、各銀行はこの損失で営業利益が目減りしていくことになるでしょう。バブル崩壊後に銀行は安全な運用を考えて、資金を国債にシフトし過ぎたのです。今後の経済への影響が心配されるところですね。

analyst_zaiya777 at 18:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2006年04月21日

竹島問題2

竹島問題で昨日は日本の問題点に触れましたので、今日は異なる視点で問題点を探ってみたいと思います。
韓国のメディア、教育などの問題については多少コメントしてきましたが、国家としてこうした国民へのメッセージ性の高い媒体を使った広告戦略を行うことの愚についてです。これは現在韓国の問題として捉えますが、今の日本の動きもいずれこうした問題に直面する傾向にあるので、苦言がてらに提言したいと思います。

まず竹島(独島)に関する韓国の教育では、日本の植民地政策の象徴としてこの島を捉え、それを子供の頃から国民にそれを与えています。そうなるとまず物事の判断の基準がそこにおかれる、つまり教育によって思考の基底にその考え方を植えつけることにより、判断基準をその考え方に依拠するしかなくなってしまうのです。
韓国の方にインタビューをしても、「何故日本が文句を言うのか?おかしい」といった意見となります。これはその通りで、判断できる基準が教育の過程で与えられた情報しかなく、またメディアもその論調を後押しするように傾斜した意見を流し続けます。これでは様々な情報を集めて物事を判断するという、正しい物事の考え方が損なわれることとなり、「何故おかしいのか分からない?」という状況に陥ってしまうのです。

ここで思い起こされるのは昨年の中国です。愛国を植えつけれた国民が日本系の企業に退去して押し寄せ、破壊し、日本領事館に投石を繰り返しました。それを行った彼らにインタビューしても、「何が悪いのか分からない?」ということになるでしょう。物事の判断の基準に教育があり、それが正しいのか間違っているのかを冷静に判断できる人物は少ないのです。
これが教育による思想コントロールの悪しき見本です。かつて日本でも同じ過ちがありましたが、今韓国がその状況に陥っている気がしてなりません。独島は自国の領土だと教えられ、独島は自国の領土だと歌い、なぜそう言えるのかという根本的な問題を考えるに及ばず、その主張を声高に語ります。それではいけない、正しい情報により正しい判断を下すその冷静な眼が今必要なのです。

日本の教育基本法改正で、「愛国」を教育過程に加えようという意見がありました。繰り返しになりますが、これは教育として与えられるものではありません。人の思想や道徳心に関わるものは成長の過程で醸成されていくものであり、そこに偏った思想を与えてはいけないのです。そうでないと、今回の韓国国民のようにナショナリズムを発揮し、問題解決への道を閉ざしてしまいかねません。
この竹島問題は最早両国の話し合いで解決できるような問題ではなく、日本の旧来の主張通り、国際司法裁判所において判断されるべきです。ここまで来ると、もうどう決着がついても遺恨を残す形になるでしょう。その時双方のナショナリズムがどう反応するのか、考えるのも嫌な事態が起こらないことを祈るだけです。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2006年04月20日

千葉補選の結果が気になります

竹島問題が不意に突発して政治面がそれ一色になりつつありますが、そんな中で行政改革推進法案が衆院を通過していきました。骨が抜かれたこの法案がどの程度行政の無駄を削減できるのか、それが問題となります。
先ほどの記事で書き忘れたことを少し。韓国がもし武力行為を行えば、逆に日本に有利にする戦略をもって日本は護衛をつけなかったと信じたいのですが、それが単に穏便に済ませたいということだけで護衛をつけなかったのだとすれば、小泉氏はイラクに自衛隊を送ったのと同じ間違いを犯している気がしてなりません。危険を回避する術すら与えられずに赴かされた隊員の気持ちと、今回測量船に乗った人間の気持ちを小泉氏には慮って欲しいと思います。

さて本題に入りますが、千葉補選のことです。最近大きなニュースが入って少し霞んできましたが、補選としては珍しく全国の注目が集まる選挙となっています。ほぼ自民と民主の対決ですし、注目の選挙戦のことを少し考えてみたいと思います。

自民党ですが、安倍氏が「政策論争なら勝てるのではないか」と発言していましたが、その言葉とは逆で選挙応援に向かったのは政策向きでない人物ばかり。安倍氏が二枚舌を使うようになったのか、これが自民党の戦略なのか、まずそれを考えてみます。
最近の自民党はワンフレーズ、イメージ戦略に徹しています。このため政策論争など最初からなく、浮動票を狙って杉村氏や井脇氏などを投入しています。更に武部氏の「最初はグー、サイトウケン」など意味不明の発言を繰り返すなど、完全にイメージだけの選挙戦となっています。元々固いイメージのある斎藤氏であり、それを脱却したい狙いでしょうが、自民党のイメージ戦略としてこうした選挙が確立されているようですね。

一方、民主党は菅氏、鳩山氏など選挙ベテランを投入し、小沢氏は上流を押さえるために企業参りを繰り返すなど、旧来の選挙戦を展開しています。このガチガチの選挙戦がどう有権者に訴えるのか、それが重要だと思います。ソツがない一方で、浮動票を得るためのインパクトの弱さも滲ませてしまいますから。
ただ小沢氏の登場はやはりインパクトが大きく、更に民主党の挙党一致体制も明確に示せています。メール問題で失態を繰り返しましたが、このイメージで選挙戦を戦えると面白くなってくるでしょう。

小泉氏にとって自民党総裁としての最後の国政選挙。今まで「国民が私を支持している」と述べてきた小泉氏がこの選挙で敗北すると、彼の改革を国民が支持していないということになります。最後の最後で「ダメ出し」が出るわけですからね、その結果が今からとても楽しみな選挙となってきました。

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竹島問題

竹島問題で今、日韓が揺れています。一昨日は長期的な日本の戦略を述べたので、今日は短期での予測と日本のとるべき態度について述べたいと思います。

今回の問題で武力衝突が起こるのかと考える方もいるでしょうが、日本の政治家でそんな度胸のある人物は、残念ながら一人もいません。その前提に基づいて今回の問題がどうなるのかを、簡単に二つほど予測します。
‖量船は待機のまま、話し合いで日本が測量をやめる。
 取引材料としては六月にドイツで行われる国際会議に、韓国から海底地形の名称を
 提出しない。また今後の海洋調査は双方の合意のもと行う。ということが考えられ
 ますが、これでは問題解決において日本は一歩後退です。なぜなら韓国としては日
 本の譲歩を引き出した形となり、さらに竹島の実効支配を強めることになります。
 韓国はすでに竹島周辺の海洋地形を熟知しており、この別れは韓国にとって有利な
 ものであることが確実だからです。
日本の測量開始。その後韓国が拿捕の動きを見せそこで話し合い。日本は撤退する
 これも上記と同様の動きであり、結局韓国は海洋地形を押さえ、日本は韓国から遅
 れをとったままの状況は変わりません。韓国は先の密漁船問題でにらみ合った時の
 ように、日本が譲歩した形を日本の弱腰と捉えて実効支配を強めるでしょう。

上記のように、日本は地形調査を行わずに測量船をひいてしまえば、負けになることは確実です。現実の実効支配とともに、竹島の日本領有を諦めざるを得ないほどの大きな遅れをとることになります。この調査は必ず実施しなければいけない状況です。
一方、韓国は国内向けに強気の発言を繰り返し、拿捕するなどと発言していますが、本当にそんなことをすれば国際問題に発展します。互いが領有を主張する海域で強硬手段に訴えれば、韓国は日本との間に二枚舌を使っていたことになります。つまり漁業問題では双方の話し合いで決める、としながら軍事手段に訴えて領有を主張するという異なる主張の中で、韓国政府は問題解決を図らなければならなくなるからです。これをついて日本が韓国を国際会議に引っ張り出せば、世界の世論を相手に韓国は主張を行うことになりますが、そこでの勝敗は両国とも読みづらいでしょう。実効支配という強いアドバンテージをもつ韓国が、今そうした危険な賭けに出て来るとは思えません。

また今回の小泉氏の発言から見ると、米国側は日本に譲歩させる形での問題解決を望んでいるような感じです。北朝鮮問題を抱える中、日本と韓国が争うことは西側のリーダーである米国としては非常に不味い状態です。韓国は国民感情が激しており、沈静化が難しいとなれば米国は日本に折れることを望むでしょう。
「冷静に」と発言する小泉氏に主張は見られませんし、強いリーダーシップもありません。今回の動きの中で日本が引けば「弱い」としか映りませんが、今の小泉氏はそこに着陸させようとしている気がしてなりません。竹島問題で日本の主張を通せないのでは、国際社会の一員として日本は子供のままでいつまでも舐められっ放しとなってしまいます。今回こそしっかりとした対応を政府にはして欲しいものです。

analyst_zaiya777 at 20:12|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2006年04月19日

原油高によるインフレ懸念

汚泥、し尿処理施設建設を巡る談合事件がありました。先に水門工事談合でもほぼ同じメンバーが立件されていたように、これらの企業の談合体質は常態化されていたとしか言いようがありません。どの企業もコンプライアンス重視をうたっているはずですが、日本の一流企業として恥ずかしい限りです。
監視が強化されたからこのような談合事件が摘発できるようになった、という意見もあります。確かに地検で立件できるようになったことはその効果でしょうし、大切なことでしょう。ですが、逆に言うとその網を掻い潜って未だに談合を繰り返す組織がどこかにあるのではないかと、そちらの方が心配となってしまいます。

さて、本題ですが原油高を考えてみます。昨年の夏、米国でハリケーン『カトリーナ』が米に石油の供給不安を起こしました。その時にWTIは一時1バレル70ドル代を窺う気配を見せましたが、今のWTIは既に70ドル代を突破しています。しかも世界的に原油の価格は高騰しており、今回は単に一国だけの影響に留まらず、世界が原油高に悲鳴を上げる状況となっています。
一部に日本は原油高に強い、という見方もあります。ですがそれも程度の問題で、今回のように日本で取引されるドバイ原油が1バレル60ドル代をつける状況では、企業への影響を懸念せざるを得なくなっています。

原油高の影響は経済に『好ましくないインフレ』を引き起こすことにあります。既に出光が今月の20日から卸価格を値上げすることを決めていますが、他の石油卸メーカーも来月から値上げの動きを見せており、ガソリン価格の高騰による悪影響が考えられます。
また石油製品への影響も甚大です。今まで企業努力で吸収してきたものが、今回の上昇で間違いなく製品価格に転嫁してくることが考えられます。そうなると物価の上昇が始まるわけですが、これは『好ましくないインフレ』、つまり我々としては製品価値の向上を伴わない物価の上昇ということになります。

また金や銅などの資源価格も上昇しています。投機的な流れの一環だと見る向きもありますが、これらの流れの根幹が新興国による消費拡大であるだけに厄介です。新興国で始まった大量生産、大量消費が資源の浪費を加速させている現状、これを止める術を今の世界は有していないのです。
世界が今、インフレ懸念を抱えて立ち往生しています。企業にとっては利益を生まない、個人にとっては価値の向上を伴わないインフレ。景気拡大で浮かれる日本には、痛い問題が発生してしまいました。自分への影響を最小限にとどめるよう、個人個人は自己防衛する方策を生み出すしかないのでしょうね。

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2006年04月18日

中、韓の海上境界線について

中国と韓国それぞれに境界線で問題が出たので、今日はその内容についてです。

まず中国側が日本側に跨って船舶航行の禁止を通達したことに関して、これは中国政府の軽いジャブ、日本政府に揺さぶりをかけてきただけの動きで、本気の行動ではないでしょう。「技術的ミス」と中国側が回答して通達を撤回していますが、これほど緊張した海域で「技術的ミス」など信じられません。更に日本側に対する謝罪すらない態度では、これが戦略的なもので、中国としては悪いことをしたとも感じていない証拠でしょう。
こうした動きで右往左往してもいけないのですが、この揺さぶりが何に対して行われたものかは注意しなければいけません。これが日本政府内にもいる親中派に向けられたメッセージであるとすると、日本政府の同海域での動きをけん制し、中国側のガス田採掘を有利に進めるための動きと見て取れます。先日、橋本元首相が中国訪問で『情けない態度』を露呈しましたが、こうした動きには気をつけなくてはいけませんね。

韓国側で日本が排他的経済水域(EEZ)内の海洋調査を行うことに、韓国が反発を強めています。この問題は日本と韓国がともに領有を主張する竹島(独島)の領有権問題と絡みますが、元々このEEZ内の水産資源については協議の上決めるとしていたもの。つまり、両国ともにこの海域における調査、漁業について異論を唱えて非難する立場にはないはずです。日本政府が過去にこの海域で韓国側が4回もの調査を実施したとを発表していますが、公表が遅きに失している感はあります。
この問題に対して日本政府は断固とした態度をとるべきですが、それ以上に日本から韓国国民に対して「韓国はお互いが領有を主張する領土を、第三者(国際裁判所)の判断に委ねるという日本政府が提案した内容を黙殺し、問題解決を放棄した態度をとり続けている」と、情報を発信し続けるべきです。
なぜこうした情報を発信する必要があるのかというと、韓国では「独島が自国の領土だ」と教育によって国民に擦り込みを行っているからです。つまり国民感情が激すると、こうした問題は政府間で対応が取れなくなってしまいます。この問題を長引かせている原因を韓国政府に押し付け、日本は解決に向けて努力している態度を発信し続けることで、領土問題解決への糸口が見えてくるでしょう。ただでなくても韓国は実効支配を強め、歴史上の不利を覆そうという動きを強めているのですから、時間を長引かせずに日本は問題を解決する必要があるのです。

韓国では日本海を「東海」と呼ぶことを世界に提案しているそうです。馬鹿馬鹿しいなどと思わず、こうした問題に目を向けていくことで日本は自らの主張をはっきりと世界に発信すべきです。ですが、残念なことに小泉氏にこれらの問題の解決能力はありません。まともな話し合いすら出来ない人物がこの国のトップにいることに、我々は不幸を感じるべきなのかもしれませんね。

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2006年04月17日

米国、不法移民取締法

今日の日経平均は弱かったようですね。私にとっては予想した通りの結果でしたので特にコメントはないのですが、外国人がイースター休暇の今は買い手がいないということでしょうし、先物で一生懸命買い上げていた層が買い疲れした、ということもあるのでしょう。こうした先物の動きは一月、二月と見られたものなので、こうした見方を証券会社はもっと一般の方へ発信すべきなのです。が、そうでないのが残念でなりません。未だに個人の方へのこうした情報は伏せられ、損失を被ることが多くなっています。やはり何処の世界でも、個人は蔑ろにされるのですね。

さて本題ですが、米国で不法移民取締法が制定されようとしています。私は雇用に関して、今世界で展開されている動きに注目しています。それは日本も人口減少時代へと突入し、その対応をどうするのかを見極めないとこの日本の行く末に希望が抱けない、と感じているからです。
元々、米国ではこうした人口減少問題に対応するため、不法移民を黙過してきた経緯があり、なぜ今それを規制するのか、私はその理由をずっと考えていました。まだ結論は出ていないのですが、中間発表と言う形で分析した結果をご報告します。

先に記載したように、米国では労働力の問題に対応するために不法移民(ビザを持たない移民)を黙過しており、そうした労働者が就労を続けてきました。更に今の米国は経済的に異常な強さを見せ、常にインフレが付き纏うような状況です。ここで労働力不足を招きかねないこの法律の施行が、どんな影響をもたらすか?どう考えてもマイナスの影響しかない気がします。
確かに元々不法なわけで、それを取り締まることに異論を差し挟むのは間違いなのかもしれません。ですが、政府の動きをもっと深読みすると、違った見方も出来るのだと思います。そこで深読みを進めてみます。

まずFRBが景気減速懸念を持っていること。これにより国内の雇用環境が将来悪化する前提で、その前に対策を打ち米国人の雇用を確保したい。更に今は嫌なインフレが進行しつつあります。多少の経済の下押しを覚悟で、インフレを抑制する効果を狙っているとの見方もあります。
深読みなのでもう一歩分析を進めますが、昨年行われた米国本国への資金の還流。税体系の変更で、昨年一年で米本国に多額の資金が戻ってきました。それがドル高を生み、『強いドル』が演出されることになりましたが、その効果を狙っているのではないかと考えているのです。つまり、米本土において不法移民が就労するより、企業が海外に生産拠点をもち、そこで稼いだ外貨を本国へ送金させる方が得策ではないか、と考えたのではないかというものです。
ですがこれはまだ推論ですし、極論にも近いので、もう少し分析を進めてからもう一度別の形で報告したいと思います。日本がこうした間違いを犯さないように・・・。

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2006年04月16日

景気拡大が続く?

政府の月例経済報告書で、景気拡大が51ヶ月連続、戦後最大の57ヶ月の景気拡大「いざなぎ」越えが視野に入ってきました。しかし、これほど我々に実感のない景気拡大もないでしょう。変な話ですが、景気拡大を続けたと言われる中で、この二、三ヶ月ぐらいがやっと個人の皆さんも景気が良くなってきたかな、と感じられるようになったのだと思います。
この原因として、先ごろ政府が発表した国内の潜在成長率が1.3%であることが考えられます。潜在成長率がこれほど低いと言うことは、実際に景気拡大と言っても成長はほとんどしていない、ということと等価であり、その点では皆さんの実感と景気拡大がリンクしないとなってしまうのです。

よく経済アナリストの皆さんが「まだバブル時代ほど数値に乖離がない」などと言いますが、当時の拡大経済時代との比較は何の理由にもなっていない、と私は考えています。良くも悪くも今は少子高齢化と人口減少、それに伴う成長率の低さを受け入れなければいけません。どんなに景気が活発でも、上を抑えられた形では更なる発展は望み薄となってしまうのです。

3月の最終週からいきなり市場へ外国人の買いが増加しました。この動きについて、少し考えたことがありますので説明します。以前から唱えているように今年外国人は売り、そのスタンスを私は変えていません。その一つの理由として、外国人の機関投資家の買い持分がすでに70%を越えていることがあげられます。これが75%を越えると自動的に売りとなってしまいます。つまり一つの市場に資金を振り向けすぎると、それを抑える動きに自動的になってしまう、ということです。
ではそれなのに何故3月から急に買いが増えたのかというと、以前から指摘している円キャリートレードを行っていた機関が、一度日本の市場を通して資金をクリーニングしてから、本国へ戻そうとしているのではないかと、私は推測しているのです。

円キャリートレードとは、金利が低い円から金利の高い国の通貨に運用資金を振り向けることで、リスクを回避するやり方です。それが量的緩和解除、ゼロ金利解除も射程に入った今、資金を移動する動きが起こっていると言うことです。別にブラックマネーではないのでクリーニングする必要はないのですが、昨今何処の国も監視を強化しており、単純な資金の戻しを入れると税制面で不利になる。そう考えると今回の動きが理解できるのでは、と考えています。
では外国人が今後も買ってくるのか、というと円キャリートレードの層が後どの程度残っているのかに掛かってくるのだと思います。それ以上は・・・、と考えるのは微妙ですね。証券会社の言うように、これから益々買いだ、と考えるほどのゆとりはないはずです。投資信託もバブル期並みといわれ、日本人ももう充分買ってしまいました。残りはオイルマネーになるのでしょうが、その層が日本を更に買うのか、これから見て行きたいと思います。

analyst_zaiya777 at 20:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2006年04月15日

イラン核開発問題について

本日の最後としてイラン核開発問題を取り上げます。

以前から私はイスラム世界に対して寛容な態度を示しています。これは何故かというと、今のイスラム世界が世界と対立しているその背景として、彼らの欧米世界に対する反骨心が強いからというのがその理由の一つです。反骨心を持った相手に対して圧力を掛ければ、その反骨心を助長するだけで良い効果は生まれません。ですが、世界の潮流としてイスラム世界に対して欧米諸国は圧力をかけ続けています。この流れが続けば、どちらかが完膚なきまでに叩きのめされるか、また双方が大きなダメージを被って立ち上がれなくなるまでこの対立軸が続くことになってしまいます。
欧米、特にアメリカはこの動きを加速させる動きを見せていますが、これが軍需産業を抱えるアメリカの実態であり、戦争によって兵器が消耗されていくことを願う動きと繋がっています。その動きについていって、世界が破滅するようなことになっていはいけません。テロとの戦いは兵力をもって行うものでも、圧力を掛けて行うものでもありません。お互いがお互いを尊重し、その中で平和という道を模索するのが大事なのです。

このイラン核開発問題で難しいのは、彼らが表向き産業利用しか表明していないことです。現在世界が保有している技術の一つである原子力技術を、どうしてイランだけが利用してはいけないのか、それを説明する術は今のところありません。軍事転用が可能な技術、と言われればそれまでですが、であれば監視体制さえ確立されれば利用しても良いことになります。そのためのIAEAであり、核拡散防止条約でしょう。
どこかにある技術、は逆の目で見れば誰でも使えてしまう技術ということです。それを規制や監視で押さえ込むことには限界があります。北朝鮮がIAEAを追い出して核開発を進めたのと同じ現象が、イランで起こらないとも限りません。この点は非常に難しい問題であり、原子力技術に関してはもっと抜本的な改革が必要な時期に、今来ているのです。

日本ではプルサーマルが始まろうとしています。日本が原子力技術に関して世界にと貢献できることはもっとあるはずです。また日本では小泉氏以前は中東、イスラム世界とも良好な交流を保ってきた実績があります。それを生かして、日本はイスラム世界と欧米との橋渡しをする絶好の時期に来ていると、私は考えています。

analyst_zaiya777 at 14:51|PermalinkComments(0)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

教育基本法改正について 〜愛国、宗教的情操の涵養〜

続いて教育基本法改正についてです。

まず「愛国」について記載されなかったことについて、これは良い判断です。元々こうした愛国心など、教育で与えられるものではありません。日本が世界に対して立派な行いをし、世界の人々から愛されていると感じることで国に対する尊敬や自負の念が芽生え、初めて自らが属する国に対する愛着がわき、国を愛する心も生まれるのです。それを教育として与えても、間違った感情が植えつけられるだけで一向に人々の心に国を敬う心など生まれないでしょう。
こうした誤った考えの一つに「目上の者を敬いなさい」という言葉があります。これは順逆が間違った考え方であり、こうした精神性を主張する宗教組織などもありますが、その問題について簡単に触れておきます。
まずこの考え方、主張において下位に有る者にそれを強制するような意見は決して正当とはいえません。この考え方を改めると、「目上の者は下の者から敬われるよう、精進しなさい」ということになります。目上だからと言って敬える人物なのか、が問題なのであり、そうでない人物をあえて敬う必要もありませんし、現実そうして敬えないような人物が社会的に高い地位についている場合が多いのです。
この考え方に示したように、現在の日本国が日本人の目から見て愛着が湧き、敬えるような行いをしているのか、それを政治家はもう一度考えてみるべきです。重ねて言いますが、強制でこうしたものを与えることは間違ったやり方です。中国と同じ様な間違いを犯してはなりません。

また「宗教的情操の涵養」が含まれなかったことも、良い判断だとおもいます。ただし公明党が反対したのには、自身の創価学会が抱える問題との兼ね合いであり、正しい議論でなかったことは残念です。
まず日本に固有の宗教として存在するものはなく、神道、仏教、キリスト教などいずれも日本において多数になることはなく存在しています。これは高い見識によって道徳心を養っていることの良い証左なのですが、それを認めない人は宗教心がないことを悪のように捉えます。一つの考え方に支配された国が、その対立軸の中で戦争を起こす、その方が余程の悪だということを未だに理解できていないのです。
「宗教的情操」とは何を指すのか、それはもっと高い次元で語られるような内容でしょう。これも教育として与えられるべきものではありません。教育とは「何が正しいのか?」ということを子供たちに教えることであり、この「正しいこと」が偏った思想で捻じ曲げられてはいけません。子供たちが何を感じ、どう判断するのかはこの「正しいこと」によって為されるべきなのです。今回の教育基本法改正についても、大人がきちんとした判断をすることを切に願っています。

analyst_zaiya777 at 14:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 

アイフルの業務停止命令

今日は少し時間的に余裕があるので、最近気になっていることを一気に投稿したいと思います。まずは『アイフルへの業務停止命令』について。

金融庁がアイフルに対し、全店での業務停止という異例とも思える思い行政処分を下すことが決まりました。逆に言うと、それほど今回のアイフルの取立てが過剰な行為として金融庁に映ったということでしょうか。
しかしこの行政処分の決定により、今回のグレーゾーン金利に関する議論に対して、行政側に有利な条件が整ったことは確かでしょう。グレーゾーン金利とは出資法で定める29.2%の金利に対し、利息制限法に定める15〜20%の金利との差を言いますが、今回この見直しが進められています。出資法が制定された時、この金利差については当時「金融業へのプレゼントだ」と発言されたことからも分かる通り、金融業への甘い政策であったことが分かります。

現在、このグレーゾーン金利見直しについて各金融業者も懸念を示しておりますが、その議論の一つに「これを廃止するとヤミ金業が増える」というものがあります。ですが、ヤミ金の取り締まりは別の問題であり、グレーゾーン金利の議論とは異なります。今回問題とされた取り立て方法などを見ても、アイフルがヤミ金と何が違うのかが曖昧な状態にあり、金融業者全てがそうでないとしても過剰な取立てが横行している現状が明らかにされました。「ヤミ金業が増える」以上に「ヤミ金業的取立てが横行している」ことが問題なのです。
また借り入れ額の上限を定めることに関しては、確かに自己破産者を減らす効果がありますが、ヤミ金に流れる借り入れ者を増やす原因にもなるでしょう。ヤミ金に対する監視の眼を強くしていくことと、同時に行われないと危ない側面はあるでしょうね。

先に記載した通り、今回の出資法見直し議論に対して今回有利な条件が整いました。ですが、金融業と繋がりの深い議員からこのグレーゾーン金利の見直しに異論が出ています。『プレゼント』を受け取り続けるとそれを常態化させてしまい、変質を恐れる流れが出てきてしまいます。その流れは早めに断ち切るべきでしょうし、これが抵抗勢力として改革を妨げる原因となるならば、その部分にもメスを入れるべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 13:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 

2006年04月14日

特別会計の見直しが良い方向に進んでくれるように

ブラックジャックさん、こんにちは。今日の記事と絡めて、政界再編について記載することにしますね。

特別会計について、今国会の行政改革委員の中で一般会計化を含めて検討されています。本来まだ審議中のものでもありコメントできる立場にはないのですが、どうやらそれが間違っている方向に検討が進められているようで、今意見を述べることとします。
幾つかの特別会計をまとめ、その内の幾つかを一般会計に出来るか検討します、という内容での議論。こうした議論の進め方では、まず特別会計が一般会計に直されることはありません。検討、とされたもので官に不利な内容に変更されることがないのは、先の道路公団改革の中でも新規道路を造るかどうかは検討とされていたのに、結局全て造る方向で動いていることでも分かるでしょう。
特別会計を一つの大きな財布に纏めれば、そこから引き剥がして一般会計にすることを困難にします。また資金の融通が可能となるため、官の思い通りに資金運用ができることになります。この議論に対し、一つにまとめることで事務費が減る、という反対意見があるのですが、今まで特別会計ごとに事務費をかけていた方が問題であり、何の反論にもなっていません。結局、官に都合の良い方向で改革が進められている、ということをこの特別会計の議論では証明してしまっているのです。

基本的に特別会計は全て一般会計にまとめないと、議論の端にも引っ掛らないものだと考えています。一般会計が苦しいからと増税議論が盛んですが、特別会計のような『おかしな財布』を抱えた上で増税など、とんでもない話です。
ですが、昨今の政府は消費税10%が当たり前のように議論されています。プライマリーバランス改善のためには増税が必要、と財務省の試算が出ていますが、それは今のようなザル会計を続けた上での話であり、談合がなくなった入札では明らかにその効果が見られており、無駄な出費が減る方向に動いているのです。

以前から小泉氏は抵抗勢力潰しのために官に甘い姿勢をとっていると指摘してきました。その結果、議員の抵抗勢力は減ることになりましたが、官の部分には何ら手付かずで来てしまったのです。これでは何も改革になっていません。なぜなら、いずれ別の人物が官との間に利益享受体勢を作り、新たな抵抗勢力となる可能性を含んでいるからです。
そのために今度の行政改革となるのでしょうが、特別会計すら中途半端なままで改革が進まないのなら、小泉氏に改革遂行能力はないということになります。小泉氏は未だに「抵抗勢力がいるからね」と言いますが、これだけの圧倒的多数を得た自民党で改革が出来ないのなら、『自民党政権で改革は無理』ということと同義なのです。
この議論をすると、自民党寄りの人は「将来、自民党政権を選ぶのか、民主党政権が良いのか?」と極論を迫りますが、一度構築されてしまった自民党と官との間の利権構造にメスを入れるためにも、新たな枠組みが必要な時期に今来ているということなのです。そのために小沢氏には弥が上にも期待してしまいます。今後の小沢氏の動向には要注目ですね。

analyst_zaiya777 at 19:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 

2006年04月13日

行政に携わる者がなぜ責任を取れないのか?続編

昨日、栃木リンチ殺人事件における判断が宇都宮地裁にて下されました。その判決自体を論じるつもりはありませんが、驚いたのはこの警察官が未だに勤務を続け、職務を行っていることです。この事件の問題点とは職務を遂行する上で、問題の警察官が警察官としてどうあるべきだったのか、ということだと考えています。以前、同じタイトルで記事をあげましたが、今回新たな視点を加えて考察しましたので、再度記事として投稿することとします。

昨今、警察の不祥事が後を絶たず、国民生活に不安を与えています。ほとんどの警察官の方が真面目に職務を行い、日々一生懸命働いていることを考えると、こうした警察官がいることで国民から警察に対する不審を煽り、その地位を貶めているだけのような気がしてなりません。なぜ警察はこうした警察官を処分できないのでしょう?

戦後の日本の特徴として、護送船団方式による全体的な底上げを図り、おちこぼれた者を生み出さないようにする、所謂『総中流』の思想に支配されていました。組織は個人を守り、個人は組織に仕えることで将来の生活の安寧を求めたのです。民間の企業でもこの思想の中で、多くの労働者が中流を意識し、老後の生活の安定を受けていたことで日本は発展をしてきました。
この『総中流』の思想は戦後、ボロボロの日本を立て直すためのシステムとしては、極めて有用なものだったことは否定しません。ですがバブル崩壊後、企業は組織としての存続が危険になったことで、個人に負担を強いるようになりました。それがリストラであったり、正社員を非正社員に差し替えるなどの対応です。個人も大なる組織が危険に晒されており、不承不承その負担を受け入れてきたのですがその結果、企業(組織)に対する労働者の忠誠心は失われてきています。

ですがこの日本でその組織自体に危険が全くない、唯一の巨大企業が存在します。それが国に属する公的機関、及び省庁などのいわゆる官の存在です。どんなに借金を重ねようと、どんなに不祥事を起こそうとその屋台骨が揺らぐことはありません。そのため、この日本を支えてきた護送船団方式の形態を唯一残している組織が、官なのです。
このため、官は組織を守ることと同時に個人を守ろうとします。それが戦後の日本のシステムであり、官の体質ともなっています。民間では消えた体質が、官では残っているわけですね。この体質に守られた官僚は、個人として異常だと感じるようなことでも組織として実行してしまうことになります。それが官製談合の問題であり、また天下りの問題とも重なってきます。行政に携わる者が責任を取れないのではなく、行政と言う組織がもう自浄努力の利かないほどに腐敗している、そう感じてしまいます。結局、未だに官という組織にメスが入れられない今の行政の長では、一向にこの体質が変わることがないことが残念でなりませんね。

analyst_zaiya777 at 19:37|PermalinkComments(1)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 司法

2006年04月12日

イラク戦争の是非 〜伊総選挙、米情報漏えい〜

イタリアで総選挙が行われ、僅差ですが野党が勝利しました。イタリア与党であった中道右派「自由の家」はアメリカのイラク攻撃を容認し、自らも軍隊を送った政党です。今回の選挙ではイラク問題だけではなく、イタリアの景気低迷や財政逼迫に対する国民の審判的な意味合いが強かったのですが、それでも与党が敗北し、野党「ユニオン」が勝利したことは大きな意味があります。
それは米国寄りであった現政権に国民がNOを突きつけたからです。これでイタリアは早期にイラクから撤退することになるでしょう。イラク問題で新たな進展が出てきました。

欧州ではすでに米国離れが進んでいます。今のところ明確にイラク問題で米国支持を打ち出しているのは、欧州では英国だけのような状況にもなっています。英国のブレア政権もこの問題に対して、「米国は難しい相手だが、米国がいないと問題解決が出来ない」と曖昧な態度に変わっています。イラク問題ではもうとっくに一枚岩ではなくなっていますが、それでも日本はイラク駐留を続けています。小泉政権が米国べったりの外交でしかないのですから、これも仕方ないのかもしれません。ですが世界の潮流とは異なる、ということは覚えておいて良いかもしれません。

米国では、ついに情報漏えい疑惑について、ブッシュ大統領が認める発言に変わりました。これで完全に米国のイラク戦争に対する大儀は失われたことになります。曖昧な、というよりも作為的に造られたニセ情報を信じ、それを開戦の理由としたイラク戦争に正当性はありません。ブッシュ政権も「テロとの戦い」を標榜した頃の支持率90%も、今や36%と政権維持に最低のラインに達しています。
米国で政権交代の動きが起こらないのはとりあえず景気が良いから、と皮肉る人もいます。ただし、度々指摘されていますがIMFから米国の赤字財政が危機的状況にあり、いつまでも軍費にお金をかける訳にはいかない状況ともなっています。ブッシュ政権が末期症状で、安易にイラン空爆などを行えば、完全にその政権基盤を失うでしょう。何しろこれ以上の戦費拡大ができるだけの余力は、もう米国にはないのです。

イラク戦争を支持した国で、唯一安定した政権を維持しているのは小泉氏でしょう。その理由は小泉氏が「イラク開戦の理由は、米国の問題」として、一向に自らの説明責任を放棄し続けているからです。ニセメールで踊らされた民主党以上に、ニセ情報でイラク開戦を支持した小泉氏の責任の方が重要です。イラク戦争によって失われたもの、その莫大な国家の損失は有形無形の効果を伴って今後の国策に影響してきます。
この問題を正当に論じる機会すら与えない小泉氏の手法に、我々は危機感を抱かねばなりません。郵政選挙だと言ってその他の問題を隠す、あのやり方です。為政者は『説明する責任』を放棄してはいけません。政治が一部の者の意思により、何の説明も行わずに施行されては論を戦わす意味がなくなってしまうのです。小泉政権が末期症状でイラン空爆を支持、などのようなことにならないよう注視していかなくてはいけませんね。

analyst_zaiya777 at 19:29|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2006年04月11日

北朝鮮拉致事件に進展

今日、北朝鮮に拉致されている横田めぐみさんの夫とされる人物が、韓国から拉致された男性と同一人物であると発表されました。六カ国協議の検討がされている中でのこの発表ですので、何か戦略的な意図があることを信じたいものです。ただ先に韓国紙にすっぱ抜かれており、どこまでその情報を戦略的に扱ったのかが不安です。
推測すると、先に韓国政府に情報を伝え、それが新聞に漏れたためにすっぱ抜かれたのではないかと・・・。先にも記載したように、韓国政府と韓国メディアは近い関係にあるため、情報リークなども考慮しないといけません。そのリークを許してしまったところを見ると、情報の扱いが双方の国家間できちんと取り決めが行われていたのか、それが私の心配するところです。

しかしこれで韓国政府が北朝鮮の拉致を認める方向で動き出すと、少し北朝鮮問題に進展が出てくるかもしれません。韓国政府は太陽政策をとり、北朝鮮に対して支援を行い、北朝鮮政府と緊密な関係を打ち出す方針をとっています。つまり拉致事件について韓国は沈黙を守り、実際の被害者に対する対応を避け続けているのです。
それがこの問題で韓国から拉致された人物がいるということがはっきりすると、韓国が北朝鮮に対して支援を行うことに否定的な意見が増えるでしょう。何しろ国民を拉致している国に対し、支援を行うなど許されざる行為だからです。
韓国政府もこの人物に関してDNA鑑定を行う予定です。不安なのは韓国政府の鑑定結果が、日本の出した結論と異なる可能性もあるということです。つまり、韓国政府は拉致事件を公式に認めることが出来ない。今の北朝鮮寄りの政策を転換しない限り、その結果を受け入れることは有り得ないからです。そうなると、鑑定結果を強引に捻じ曲げてでも「否定」もしくは「不明」とする可能性があるのです。今のノ・ムヒョン政権にとって、北朝鮮問題で躓くわけにはいかない。確かに経済的には潤い、一時の危機を脱した感もある韓国ですが、ここで根本的に北朝鮮政策を変えることは現政権にとって難しいのです。

今回六カ国協議に向けて話し合いが進んでいますが、この問題で躓くと核問題などでも話し合いが進まなくなる可能性もあります。日本が本当に戦略的に、何らかの意図をもって北朝鮮の拉致問題、核問題を解決する方策を考え、今回の発表に踏み切ったと信じたいです。事実を話すことで問題がこじれるのも奇妙なものですが、それが常識の通じない北朝鮮。早い問題解決に向けて、日本政府の努力を期待しています。

analyst_zaiya777 at 19:24|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外