2006年05月

2006年05月31日

経済の話。反省と展望

今日の相場急落を受けて、今まで市場予測を行ってきましたし、15500円で下げ渋ると記載し、その値を抜けてしまったことを受けた責任から記事にしたいと思います。
私は日本の量的緩和解除で資金シフトが起こった旨を指摘してきましたが、再記載になるためTBとしてつけておきます。興味ある方は読んでみて下さい。一通りの流れを示すと、3/29に相場上昇に対する警戒を示し、同30に17500円まで上昇すると予測も上昇には警戒感。その後4/8に四月のSQ算出後に流れが変わると指摘。5/18に15500円まで下落すると予測しています。一通りは当たってきたのかな、と考えています。

今の相場急落局面を受けて、困っている人も多いと思います。この世界同時株安の流れはいつまで続くのか、と。実はこの予想は非常に困難であり、正直私も自信はありませんが、簡単ではありますが今後の動きを予想してみたいと思います。
まず今の流れは米国発であり、資金シフトの動きの一つである手仕舞い売り、過剰流動性の『過剰』の部分が剥落する中で、米国経済の弱さを世界が意識した結果として起こっているものです。ただ米国市場は年初の水準に戻っただけの話であり、弱さの結果としてというより、ここ数ヶ月の上昇分を消しただけの話です。実は読み難いのここ、即ちここから米国が踏ん張れるのかどうかが掴めないからです。
また新興国で起こった急落は今後に深刻な影響を残す可能性もあります。詳しくは『新興国の資産バブルが…』の項をご覧下さい。まだ影響は現れていませんが、今後新興国のダメージが世界経済の減速を促してしまう可能性がある。その影響を今のところ世界も読みきれていない、それが先行きの難しさを表しています。

以上を踏まえて、世界の動きは軟調なまま推移すると考えられます。米経済の減速は昨年から意識されていたものの、ある程度眼を瞑って上昇してきた面があります。それが剥落してみると、予想以上に双子の赤字と米の財政問題が意識されています。よって米国に連れて動く日本も、しばらく軟調な展開が予想できます。
恐らく、小泉政権交代の間際まで15000円を叩くのではないかと予想します。良い情報では、日本企業の今期業績予想で見ると16000円水準はかなり妥当なので、売り叩きの動きになりづらい。つまり五月で先物売りによる暴落局面は出尽くしになりそうなので、今日のようなジリ安でない限り、極端な下げは減ると思われるということです。九月までは速度調整をしながら、15000〜16000でもみ合う、それが私の予想となりますね。(ゼロ金利解除の影響はほとんどない、もしくは織り込むと考えています)

年後半の読みは非常に難しく、政権交代後の日本を想像するのはまだ先になりそうです。首相候補が出揃い、方針演説を行った段階で詳細に見ていきたいと思います。その頃には新興国のダメージも出始めるでしょうし、これからの経済は難しい舵取りとなりそうですね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(0)TrackBack(4)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

社会保険庁の体質改善が出来ないのは…?

昨日の記事の補足と追加です。村瀬社会保険庁長官に対し、賛否は色々とあるようです。ノルマ主義で良いのか?今回の不正免除問題に対する責任は?私は村瀬氏でも構わないのですが、どうやって社会保険庁を改革するのか、そのアクションプランを示さない限りにおいて村瀬氏に任せられるのか、という不安は拭えないと思います。村瀬氏が副社長を勤めていた、損保ジャパンも保険の不正契約で業務停止命令を食らったばかりですし、彼のノルマ主義がどの程度通用するのかは不安ですよね。
しかし、社会保険庁については「社会保険新組織の実現に向けた有識者会議」により、社保庁改革法案に結びつく訳で、村瀬氏にとってもその法案成立を見ないと動き難いところではあるでしょう。国の動きの緩慢さが組織的な問題を残す原因でも有り、その辺りは政治家も考えて法案作りを進めて欲しいと思います。しかしこの問題が明らかになって社保庁改革法案が出せないなんて、今までの議論が骨抜きだったとしか思えないのですけどねぇ・・・。

昨日の記事の中で公務員の組合に労働基本権を付与する問題を取り上げました。私は公務員に労働基本権を付与することには賛成なのですが、今の国家と組合との関係を考えると反対します、という意見です。例えば社会保険庁ではパソコンを数十分扱った後は休憩する、としていた勤務内容は組合が勝ち取った権利です。今はどうか分かりませんが、そうした怠慢な勤務態度は(労働基本権がない)組合が得た権利であり、社会保険庁の職員はその権利を行使していたに過ぎないわけです。
一般社会ではそんな権利を勝ち取ることなど有り得ない話ですが、それを成し遂げていたのが官公労を始めとする公務員の組合です。別に労働基本権などなくとも最も強い力をもっていたわけですから、その力関係を変えない内に付与に賛成する訳にはいかない。独立行政法人を作って公務員純減目標を達成する、単なる配置転換に終わるだけの『小さな政府』実現への見返りとしては、あまりに大きな権利な訳です。

公務員に労働基本権を付与するには、まず成果主義による賃金格差の導入や、国に損害を与えた公務員の解雇、及びリストラなどの人件費抑圧策を国がとり易くすること。勤務態度などの評価をもっと厳格にすることがあります。公務員は残業などの過労働を抑制させること、賃金交渉などをし易くすること、などがバーターとして考えられる条件です。つまり、民間企業の労使交渉と同等とするべきなのです。
今の権利を持ったまま、労働基本権を付与することには反対です。『小さな政府』実現の陰でバーゲニングチップのように労働基本権を与えてはいけません。もっと広範に議論した上でのものとすべきなのです。社会保険庁の体質を見ると分かりますが、彼らに労働者としての意識があるのかすら疑問です。労働者としての自覚、成果を達成することで得られる賃金、それによる労働者としての権利を正しく考えていただきたいですね。

analyst_zaiya777 at 19:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2006年05月30日

『小さな政府』実現の影で巨大化する悪

昨日発表された社会保険庁による不正免除問題、11万件以上の不正処理が明らかになったのも驚きですが、川崎厚労相が「信用できない」としており、この数字が最終結果ではない可能性が高い、というのを聞くと驚きを通り越して呆れてしまいます。
最終報告を出させたければ、「今回の調査までは責任を問わないが、以降に不正が見つかったら罰を与える」とすれば良いのです。一番良いのは不正が発覚すれば、給料半額にするぞと脅されれば、社会保険庁の職員も不正など行わなくなるでしょう。村瀬社保庁長官が「私が辞めていいのですか?改革する方が先ではないですか?」と発言していましたが、逆に問いたいのは貴方が長官であることで、今後改革が出来るのかということです。ノルマを課して納付率を上げるばかりでなく、どうすれば社会保険庁職員の意識改革が出来るのか、そのプランを先に示して欲しいものです。

あまり大きな記事ではありませんが、公務員へ労働基本権が付与されることになりそうです。その動きの裏にあるのは『小さな政府』を指向する政府が、公務員純減目標5%を掲げましたが、その目標達成のために連合に交換条件として提案するというもの。つまりは「見返り」です。
昨今の企業では、労働組合が会社との馴れ合いとなり、ほぼ労働基本権も行使されないのが現状です。分かり易いものでは三月の春闘がありますが、それでもストライキには発展せずに終わります。企業内に様々な部署があり、中々団体でストなども出来ませんし、労働者も望まないストは実施されないのです。

結果、企業はリストラなどを進めて労働者を圧迫しつつ企業業績を回復しました。しかし、ここに労働基本権を今まで保障されて来なかった、最も守られた労働者の組織があります。それが公務員の所属する組合なのです。
公務員は労働基本権がないことを交渉の条件として、国から様々な権利を勝ち取って今に至っています。もし今回の『小さな政府』の実現に伴って労働基本権を公務員に与えてしまうと、アンタッチャブルな労働組合の誕生となってしまい、それが今後の国家運営に対しても、かなり危険な圧力団体として機能することになります。『小さな政府』の実現の影で、そんな事態が進行しているとすれば恐ろしい限りです。

小泉氏は社会保険庁の問題で「改革を潰そうという勢力がある」と発言していますが、小泉内閣発足以来、国民が小泉氏に求めていたのは政官業の癒着、ひいては巨悪になりつつある官僚に対する改革です。任期切れ間際までこうした問題を引き摺ってきたことが問題なのであり、「改革を潰す」前に本当に改革してきたのかが問われなければなりません。この矛盾についての説明責任を、小泉氏には果たしていただきたいものですね。

analyst_zaiya777 at 19:56|PermalinkComments(1)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2006年05月29日

阪急HDが阪神にTOB。村上ファンドは?

今日の記事で阪急HDが阪神電気鉄道にTOBをかけるというものがありました。村上ファンドはこのTOB価格930円に納得していないようで、簡単にTOBに応じる気配はないようです。

ここ最近の世界市場の動きと村上ファンドの動きについて、少し考えてみます。まず村上ファンドは投資により資金を預けてくれるお客様にリターンを約束する、いわゆる運用によって利ザヤを稼ぐ企業です。村上ファンドが「株主のために…」と発言するときは、短期に株主還元を求める意見がほとんどであり、長期保有による企業価値の向上を伴わないものであることは、よく知られている限りです。
今回の阪神電鉄の株買収には多額の資金がつぎ込まれており、村上ファンドとしては社運をかけたほどの、集中した投資を見せています。最近、株主総会に向けて経営にも口を出すと発言しているようですが、こうしたものは揺さぶりであって本気ではないでしょう。もし本気で経営にも乗り出すのであれば、村上ファンドに投資している投資家に、説明して納得させてからになります。つまり経営に関われば短期の利ザヤではなく、長期保有に基づく上昇分を見込まなければなりませんが、既に阪神株は資産価値以上の株価を示しており、長期保有に見合うだけの魅力はないとも言えます。

ライブドア問題が発覚してから、「株主価値の向上…」という言葉に警戒感が生まれました。何しろ、そう言っていた本人が企業価値を損なう経営をしていた、と疑惑をもたれており、拝金主義も一時期より停滞したムードがあります。その意味では、村上ファンドの威光も衰えが見え始め、そうした風を感じ取って上海移転を決めたというのも理由の一つだと思います。日本での投資事業に限界を感じ始めたのでしょう。
一方で、最近の市場は過剰流動性が消え始めています。つまり投資家が資産を手元に戻し始めており、もしかしらた村上ファンドもこの波が来ているのかもしれません。まさか短年契約や契約解除に対する抑えをしていないはずはありませんが、村上ファンドもこの流れに飲み込まれているとすると、阪神株でいつまでもゴタゴタしている訳にはいかない。一方で、これだけの投資を集中させた阪神株で、900円台前半での決着は、あまりに投下資本に対するリターンの低さが目立ちます。そのため、更なる高値でTOBをかけてくれる企業を探すような状況ですが、今の株価が高過ぎて中々他の企業が手を上げてくれない。そのジレンマが村上ファンド側にはあると考えています。

阪急HDもこうした事情を知ってか、老獪な交渉をしているようですね。まだどちらに転ぶか分かりませんが、今回の村上ファンドには分が悪い条件が整っていて、難しい舵取りにはなるでしょう。ただ阪神タイガースだけは阪急タイガースになって貰いたくないので、しっかりとした大人の判断をお願いしたいですね。

analyst_zaiya777 at 21:10|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 

2006年05月28日

小泉政権考9 −外交政策、BSE問題−

小泉氏の発言の中で特に驚いたのが、「外交は米国と良好な関係を築くことにより、他の国とも良い関係が結べる」というものです。米国べったりの小泉氏らしい発言ではありますが、この問題点を繰り返しにはなりますが探ってみます。

外交と言うと中、韓の問題ばかり先立ちますが、それ以外の諸外国とも悪化の一途を辿っています。ロシアのプーチン大統領は日本に来ても小泉氏との会談はごく短く、共同声明も無し。経済界との交流にばかり時間を割いていました。最近では欧州の閣僚クラスも日本には来ませんし、中東諸国もイラク問題で味噌をつけた小泉氏には接近してきません。ここでイラン問題まで米国と協調路線をとれば、日本はもう中東諸国から見限られてしまうかもしれません。
先のGW中の外遊にしても、アフリカと北欧、どれも当たり障りのないものばかり。小泉氏は靖国問題でも「諸外国は私のいうことを理解している」といいますが、その割りに小泉氏を支援する声は全く聞こえてきません。それよりむしろ、小泉氏を非難するものばかり。もう世界各国は「コイズミに何を言っても無理」として、まともな外交は控えているとしか思えないような、そんな動きにも見えます。

では米国も日本に肩入れしているかといえば、そんなことはありません。「コイズミを困らせるな」がブッシュ大統領の意向らしいですが、コイズミが困らなければ日本を困らせても良いと考えているのがはっきりしています。それが分かるのがBSE問題です。
小泉氏はすでに中川農水相に責任をとらせるつもりで、自分ではほとんどこの問題にタッチしていません。しかし来月行われる首脳会談に手土産が必要なので、裏では解除時期について打診を続けているでしょう。輸入解禁を自らの功績にしたければ八月に解禁、政権移譲の混乱に乗じて解禁を実行したければ十月が最も可能性が高いと思われます。これは安全性が確認できるとか、そう言ったもので解禁される訳ではありません。政治の都合で解禁されるのです。

昨年の牛肉背骨混入の問題が纏められた報告書を請求したところ、黒塗りの資料を国が出してきたそうです。その黒塗りの理由が「米企業の検査基準が分かってしまうから」というもの。それが重要で最も知りたいところなのに、米国の都合で黒塗りしてしまう。もうこの問題で国のやり方を信用する訳にはいかない、ということがこの一事でも分かります。
小泉氏の外交は赤点が確実です。ブッシュ大統領でさえイラク問題の誤りを認めましたが、未だに日本政府は誤りを認めません。米国についていった結果、世界の中で日本だけが取り残される、そういった事態にならないことを祈るばかりですね。

analyst_zaiya777 at 21:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

インドネシア・ジャワ島地震

ジャワ島でM6.3という大規模な地震がありました。阪神・淡路大震災より規模は小さいようですが、同タイプの横ずれ型であり、浅い震源のために被害が拡大しているようです。この辺りは周期的に巨大地震が襲う地域らしく、インド‐オーストラリアプレートが沈み込む地域でも有り、プレートの活動が活発になっているのかもしれませんね。

私はこうした地震を引き起こすメカニズムについては、マントルの沈み込みにより引き起こされるスーパーコールドプルーム理論を採用しています。この考え方では現在マントル対流が活発になったことにより、マントルの上に乗っている薄いプレートが引き摺られて、この地域の地盤が歪んだことにより地震活動が活発化しているとなります。
プレートはマントルに引き摺られ、常に動いています。現時点で世界のほとんどのプレートはこの東アジア方向に向かって動いており、この下にスーパーコールドプルーム(マントル対流中の下降流)が存在していると考えられています。やがてここに巨大な大陸を構築するまで、各プレートは集まってくることになります。かつての巨大大陸であるゴンドワナ、パンゲアのようなものがこの地域を中心に出来るということです。5000万年後ぐらいにはオーストラリアが日本と地続きになるのでは?という可能性もあるぐらいですから。

こうした災害が起こった時、大抵の場合、日本はお金を出すだけの対応で終わってしまいます。ですが以前指摘したように、ASEANとの関係は日本にとって重要であり、更にこうした時に共に汗を流して復興に尽くす姿勢を示すことで、彼らの信頼も得られるのです。それが将来的に日本にとっても良いことに繋がるはずです。
またこうした時に日本の報道機関の一部には、殊更邦人の被害ばかりを強調して報道することがあります。確かに同じ国民として心配にはなるところですが、何か自分のことばかりを考えた利己主義のように感じてしまう場合があります。冷静な報道をお願いしたいところではありますね。

先に記載したように、もしプレート移動に伴い東南アジア地域に地震が頻発しているのであれば、同じプルームの影響下にある日本にも巨大地震が起こる危険が迫っているのかもしれません。備えだけはしっかりと整えておかないといけないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 00:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2006年05月27日

水産資源について考える

イワシが1000円をつけた、という記事に対して少し考えたことがあるので。水産庁のHPなどを見ても、こんなに危険なの、水産資源って?と眼を見張ってしまいます。確かにマグロなどは漁獲量を制限している状況(罰則規定はない、自己規制の範囲)であり、他の魚にしても漁獲高が減っているものもあって、予断を許さないのはその通りなのかもしれません。昔、普通に食べていた子持ちシシャモが、今シシャモといわれて売られていたものとは違う、ということもありますし。
よく言われるように、世界規模で気候変動が起これば、当然のように魚の数も増減します。環境に適応して数を増やすのもあれば、適応できずに滅んでいく種もあるでしょう。しかしこれが人為的に進んでいるのかも、と考えた場合には少し対応の取りようがあるのかもしれません。

まず魚でも何でもそうですが、子を生す場合には大量のエネルギーを必要としますので、繁殖期には多くの栄養を身体に蓄えます。特に産卵期に周期性のある魚は、栄養を蓄えているかどうかに周期性があり、産卵期の方が食べると美味しいという結論になります。このため産卵期を狙って漁が行われます。
繁殖過程で最も重要な時期にその数を減らす、それが魚などにとって大きな影響を与えてしまうことは分かるでしょう。しかもその影響は一種類の魚に留まらず、食物連鎖の一角が崩れてしまっては海の中の生態系全体にも影響を与えます。どこかの歪が全く別の場所で影響を表す、どこにでもある事態が海の中に起きているのではないでしょうか?

別に魚を獲るなと言っているのではなく、もっと計画的に漁をしましょうということです。将来、水産物を食べられなくなるような事態にならないように。しかもこれは一国だけで成し遂げられるようなものではなく、世界が協力して取り組む必要があります。ですが、最近では韓国漁船の日本側での不法操業が後を絶ちません。育てながら漁業を継続していく、この考えの中でこうしたものは自殺行為です。何しろ不法操業は獲り尽くせば終わりなだけで、自分たちは何も痛まないのですから。

最近、テレビでは昔のラーメン特集に変わって、マグロ料理を扱うものが増えています。しかも丸ごと食べるという企画で、食べ飽きて苦しむ姿を見せるものまで。食べ尽くすんだから良いんだろうというのではなく、テレビ番組でも食べ物を大事にする姿勢を示すことが今重要なのではないか、私はそう考えています。人間という種の勝手で、絶滅する魚を作らないためにも…。

analyst_zaiya777 at 13:57|PermalinkComments(1)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 一般 | 海外

新興国の資産バブルが終わり、日本にも波及する影響

あまり大きな記事にはなりませんでしたが、IMFのアジア太平洋局次長が「日本は失われた10年や、デフレ時代から脱出した」と発言しました。日本政府、特に小泉政権にとって、デフレ脱却宣言は政権最後の散り花として、八月ごろに「デフレ脱却」を宣言するつもりなので、この発言自体を無視しているようです。
今更政府が「デフレ脱却」などと宣言しても有り難くもないですが、やはり「任期中にデフレ脱却を宣言できた。めでたしめでたし」と言いたいのでしょうね。もう指標を見ると、いつデフレ脱却を宣言しても良いのですが、こうしたものを政府の思惑で先延ばしされても、市場が混乱するだけというのが政治家には分からないようです。

最近、経済評論家やアナリストの意見を集めると、やっと過剰流動性の縮小などの話が散見されるようになりました。酷い話になると4月の市場は行き過ぎた、というものまで。3月半ばから4月にかけて、散々先高期待を煽った方たちの心変わりに、正直情けない気持ちで一杯です。それを信じて買った皆さんが今、評価損率を見ると苦しんでいるのが分かります。しかも先物という金融派生商品に踊らされて市場が動く、これでは皆さんも安心して取引など出来ないのでしょうね。
私はずっと上昇についていっては危険、と訴えていましたので今の市場は予測済みでした。ただ、私が想像した以上に円キャリートレードの手仕舞いが多く、新興国からの資金流出が止まりません。こうした状況を見て、日本のバブル崩壊時に起きた問題を考えながら、世界経済に与える影響を推し量ってみたいと思います。

日本のバブルには様々な分析視点があると思いますが、私は外資からの大量の日本買いにより、実体以上に資産が増大した企業が増え、その資産を担保に銀行から借金をして土地、株などで運用し、設備投資などを行ったことにより引き起こされたと考えています。当時のPER、PBRがよく引き合いに出されますが、世界的に見て異常な数字であるのはよく分かるところです。
それが今の新興国でも起こる危険を、私は危惧しています。つまり過剰流動性と称する資金が新興国に入り、勝手に資産価値が上がりました。まだ新興国の経済を分析してはいませんが、もし日本のバブル期並みの運用などを進めていた場合、ここでの市場下落はかなり大きなダメージとなって残るかもしれません。そうなると、新興国の経済発展によって導かれていた世界経済の上昇が、一瞬でも停滞する可能性があるのです。
世界経済の減速は、当然日本にも影響を与えます。対外資産残高が過去最高、なんて言っている場合ではないのかもしれません。最悪のシナリオは怖くて記載できませんが、日本の企業もかつての教訓を生かして、しっかりとした眼をもって資金を運用して欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 00:12|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 海外

2006年05月26日

この国の中国外交を憂う

今回は日本の外交姿勢について考えてみます。まず最近では中国、韓国の態度について様々な批判がある訳ですが、私はこう考えています。中国や韓国が自国のことばかり考えて発言するのは『当たり前』のことです。相手のことを慮って、などという発言は利害の対立する外交では有り得ない話です。ですから、中国や韓国が如何に理不尽な発言を行おうと、それに対して誤った指摘や国際法上問題のある発言でない限り、あまり相手に対して文句を言うべきではない、と考えています。
ですがそうした中国や韓国の発言や行動に、右往左往して誤った判断をする日本という国には、積極的に意見を述べていかなければいけません。そうしないと、何時まで経ってもこの国は誤った外交を繰り返す国になってしまうからです。

日中外相会談が開かれました。最近、中国には世界からの圧力が強まっています。経済的に突出し始めた中国。人民元を調整して不当に為替に介入し続けながら、市場開放を進めるという計画経済を遂行する巨大な国家に対する警戒が、米国を始め欧州にも蔓延し始めた中国脅威論です。
こうした批判を回避したい中国にとって、一先ず日中の問題で動きを見せておかないと、世界から孤立してしまう危険があります。つまり靖国問題で悪化した日中の関係に対して世界が懸念を表明し始めた結果、問題解決に努力している姿勢を中国側も示しておく必要を感じた、というのが最近の中国の動きです。このため何らかの成果を上げる必要は中国側にはあまりなく、話し合いの内容としても継続して行うというばかりの内容になって終わってしまいます。

中国側のこうした動きに対し、日本はオープンだ、話し合う用意はいつでもある、と日本はいつも受身です。もっと積極的に問題解決に動いても良いようなものですが、日本は和すれば利すると信じて疑わないところがあり、外交において甘い部分がこうした面に露呈しています。国と国との利害がぶつかり合う外交で、ウィンウィンの関係になることはないという前提で、中国のような国とは付き合わなければなりません。
しかし政治家の中に親中派がおり、外務省内にも親中派がいる日本に、まともに中国との外交を展開できるはずがありません。最初の意見に戻りますが、中国に意見を言う前に、こうした政治家、外務省に文句を言う方が先なのです。この国の行く道を誤らせないために、次の選挙はしっかりと考えて投票したいですね。

analyst_zaiya777 at 19:53|PermalinkComments(3)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2006年05月25日

年金納付率をノルマで上げても・・・

年金納付率を上げるための社会保険庁の不正が発覚しました。社会保険庁を弁護するつもりはありませんが、職員にとってみれば「制度自体が破綻しているのに、納付率を上げろって言われても…」という言い訳をしたいところでしょう。元々、ノルマとは無縁の公務員にいきなりノルマを課すと、こうして都合の良い数字を作り出して誤魔化す、というのは体質という他ありません。財務省が財政逼迫を訴える資料を作って、消費税などの増税を進めるときに数字を都合よく使うのと同じことです。
本来、数字とは過去の成績を表すためのものであり、未来を志向するときにはその数字の解釈が問題となります。これを目標として設定してしまうと、無事に目標に達すれば良いのですが、達成できないと現場の責任者は責任をとらされることを恐れて数字を弄り始めます。

年金制度が既に破綻しているのは度々述べてきました。社会が変化しつつある中、いつまでも同じ制度で運用しても意味がありません。そのための改革を一昨年行いましたが、国民の不安を払拭できるまでには至っていません。更に厚生年金と共済年金の統合は、あくまで共済年金側の都合であって国民の負託に応えたとはいえない状況。こうした国民の年金への不安が納付率を下げている訳で、社会保険庁の体質を問題にするのもそうですが、もっと深く年金の議論をしないといけません。
国民も馬鹿ではありませんので、少子高齢化が進めば負担は増えても給付は下がるとわかります。昔はベビーブームが訪れ、子供が増えて社会は拡大する、年金は得をする制度だという認識がありました。しかし今の人に聞くと必ず「年金って払うだけ損をする、払いたくない」と答えます。この部分を改善しない限り、絶対に納付率は上がりません。
これを指摘すると、必ず「年金とは現役世代が高齢者を支える制度だ」という批判を受けるのですが、そうした人間の善意に依拠した制度は遅かれ早かれ破綻します。自分は損をすると分かった上で、善意で他人を助けるなんて考える人間は少数派ですから。

現社会保険庁長官である村瀬氏は損保ジャパンの出身。その損保ジャパンは不払いや不適切な契約で業務停止命令を受けました。郵政の新しい社長である西川氏は三井住友銀行の元頭取で、その三井住友銀行は金融商品を不正に販売していた疑いで行政処分を受けました。不正をしていたから儲けていたのか?儲けていたから白羽の矢が立ったのか?それは分かりませんが、人材登用をもう少し考えても良いのでは、と考えてしまいますよね。

analyst_zaiya777 at 19:10|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2006年05月24日

小泉政権考8 −責任感の欠如−

私が小泉氏のことを評価していないのは、度々のコメントでも分かると思います。私が小泉氏の最も悪い点を上げるとすれば、それは説明責任が足りないことです。靖国問題でもそうですが、国内向けには政教分離を定めた憲法に抵触することに対する説明、国外には批判を繰り返す国家への説明。説明する機会はあったのにそれを履行せず、剰え問題解決に対して行動する気配すらありません。一国のトップとしてこのような姿勢で本当に良いのか、というのが私が小泉氏を最も批判する点となっています。

そして小泉氏の罪は国会という場を貶めた点にあるとも言えます。各論について説明を求められるとふざけた発言を繰り返し、議論はかみ合わず、ニヤニヤ笑うばかりでまともに話し合う気があるのかすら疑われる始末。国会がワイドショーに話題を提供する場となり、国政を論じる場所でなくなったのは小泉氏の罪でしょう。「大したことではない」、この一言で彼の責任感の無さというものがよく分かると思います。
では何故そうなるのかと言うと、彼は看板だけは掲げても後は丸投げ、各大臣に押し付けるだけなのです。つまり看板に書かれたことが達成できればよく、内容について議論することを避けようとするのです。そのため、最終的に纏まった法案などでは、その内容を吟味すると骨抜きだったり、陳腐なものにしかならないという結果に終わります。
そして小泉氏は結果に対して意見を求められると、こう言うのです。「抵抗勢力がいて…、よく頑張った方ではないですか」 無責任ここに極まれり、です。本来、行政のトップたる小泉氏は各政策は大臣に丸投げしても、必要な場合には自らリーダーシップをとって纏めないといけないのですが、そうした行動は絶対にとりません。なぜなら自分が責任を取りたくないからです。更に功績は全て自分のものとしてしまいます。それが北朝鮮への電撃訪問であり、郵政選挙での勝利です。これでは下にいる人間にとっては最悪の上司にしか映りません。国民が支持するほどには、小泉氏にはリーダーとしての資質が欠如しているのです。

次期総裁選挙でも自分が悪化させた外交は麻生氏、悪化させた財政は谷垣氏に任せました。これを見ると、実は現在の閣僚を決定した時点で麻生氏、谷垣氏の次期自民党総裁の芽は摘まれたのだといえます。上手くやっても小泉氏が手柄を独り占め、悪くすればトカゲの尻尾きりにあってしまうのですから。
更に早い段階での安倍氏への支持。この動きからすると、小泉氏は森氏と組んで、福田氏を推す腹が最初から固まっているのかもしれません。更に山本氏の異常なまでの安倍氏への支持。安倍氏にとってマイナス面しか生まない山本氏の行動に、不可解さを感じるのは私だけではないでしょう。どうやら自民党内に漂う闇は、相当根が深いのかもしれませんよ。

analyst_zaiya777 at 19:52|PermalinkComments(1)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

世界経済がおかしいぞ?

以前資金シフトの流れが変わり始めた。纏まった時点で説明します、としていたので今日はその内容についてです。韓国の韓副首相がドル安、アジア通貨高の原因の一つとして「日本の量的緩和解除で円キャリートレードを手仕舞う動きがある」と懸念を示したそうです。日本の政治家は経済を知らない、と思っていましたが韓国も同じなのですね。以下に色々ひっくるめて説明したいと思います。

まず日本の量的緩和が解除され、資金の流れが変わりました。新興国に円から流れていた資金が縮小し、それを見たヘッジファンドが更に新興国に流していたお金を引き上げ始め、一気に新興国で株安が起こりました。これは世界同時に起こった現象なので、まず間違いないものと考えます。ですがこの流れで行くとドルに資金が引き戻される動きなので、ドル高にはなってもアジア通貨高にはなりません。
私はこの流れをリスクヘッジと見て、安全な市場、安全な企業への逃避が起こったのだと主張していました。実際、三月から米国市場は利上げ停止と絡めて上昇。日本、欧州でも上昇を見せて、久し振りに高値を更新しました。
この流れが変わったのはG7です。人民元の為替調整への批判が噴出し、これがアジア通貨高のきっかけとなり、更にこっそり上げられた中国の金利により、人民元の上昇プレッシャーがそのままアジア通貨にも波及し、一斉にアジア通貨が高くなりました。そして逆に意識され始めたのがドルの弱さであり、米国の双子の赤字という訳です。

ここで米国の動きを抑えます。グリーンスパン前FRB議長は市場との『難解な対話』により市場を導きましたが、これは『難解』であるため、市場は気迷いムードになり易く、変動が少ないという利点があります。一方、バーナンキFRB議長は明解な説明であるため、市場マインドが一方向に傾き易い傾向にあります。更に指標次第で金利を変動させるとしたので、良い指標でインフレ懸念、悪い指標で経済減速懸念と、どう転んでも市場は悪い方向に流れることとなってしまったのです。
このためヘッジファンドに投資して儲けようとしていた層が、自国経済の弱さを意識し始め、資金を市場に滞留させておくことに不安を感じ、六月の満期に向けて解約に動き始めました。このため運用していたファンドは売りを加速させ、世界同時株安の現状を生み出す結果となりました。これを表現すると、過剰流動性の『過剰』の部分が世界的に剥落した流れが現在だといえます。

円キャリートレードが手仕舞うのは仕方のないことです。逆に日本発で世界に異常なお金を溢れさせていたので、今が正常化の動きなのです。日本の異常な政策の結果、世界経済の異常な動きが導かれたので、その動きに対する非難は受けることになるでしょうが、アジア通貨高は日本に全く関係のないということが分かったでしょう。
最後に日本市場に少しだけ良い方向性を示しておきます。市場が下落したので、やっと年金基金などの持分が減って、国内機関投資家も市場にお金を投入できるようになりました。後はバブル以上の投資信託の設定と言われていても、貨幣価値の向上分ぐらいの上値余地はあるでしょう。外国人の売り以上に買うことは出来ないでしょうが、今まで外国人に頼っていた分、ここからは国内が頑張らないと…。

analyst_zaiya777 at 00:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 

2006年05月23日

少子化問題を考える2

日本の少子化対策がどうも悪い方向に向かっているような気がしてなりません。猪口少子化担当相が経済財政諮問会議に提出した「新たな少子化対策案」に対し、少子化対策推進専門委員七人が、委員会で纏めた内容と異なるとして抗議声明を出しました。
委員の意見は環境整備を重視する意見であり、猪口氏の方は支援などを重視する意見で、両者の意見が平行線を辿っています。これを読み解くと、猪口氏の方は古き悪しき官僚政治の残滓のように、お金を出せば良いと考えているようなフシが見られることです。政府から予算をつけてもらえるよう、資金面のみを強調したい猪口氏。先に根回しのない出産費用無料化を打ち出したことでも分かる通り、予算を取るために必死のようです。

上記のように、どうやら少子化対策も官僚主導の予算の獲得戦争の様相を呈してきました。某キャスターがこれに対して、「昔は委員会がお役人の都合の良い結論を出していた。これは委員が意見を言えるようになっているので良いことだ」と発言していました。マイナス幅が小さくなったと言いたいのでしょうが、逆に委員会の意味を問い直す意味でも、猪口氏に猛省を促す言葉が必要なのではないでしょうか?

この問題を深刻に思うのは、日本にとって少子化は長期的な視野で見ると、最も注意しなければいけない問題だからです。それを官僚が予算獲得で動くことが日本の未来にとって良いことなのか?と改めて憂いを抱いてしまいます。
どうも政府は少子化問題に対し、格差拡大で対応しようとしているような感じが最近してきました。上流社会を目指す者はどうしても、若い頃にキャリアアップのための勉強に時間を費やします。社会に出ても、上を目指せば若い頃は会社においてある程度のキャリアを積むことが必要であり、女性にしろ男性にしろどうしても晩婚化が進みます。
一方、キャリアアップなど考えない層は若い頃の時間を恋愛などに費やし、早い段階から子を生すことが考えられます。つまり格差を生み、低層の社会に生きる人間がそこで固定化されれば、少子化を防げるのではないか?そう考えて政府が社会を誘導している気がしてなりません。貧しい社会では子供が多い、それは時間を子作りに充てるからで、日本もそうした層を増やせば少子化に歯止めがかかるのではないか、と。

日本が抱える山積みの課題の中の一つである少子化問題。政府のきちんとした対応をお願いしたいですね。

analyst_zaiya777 at 19:33|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 

2006年05月22日

次期総裁候補と市場予測

日本の次期首相について先に「安倍氏なら市場は下落、福田氏なら上昇」と記載し、後で説明しますと書いたので今回はその理由を記載したいと思います。この意見は現時点で市場の予想とは少し食い違っているので、まずは簡単に次期総裁候補と呼ばれる方々の主張をおさらいし、市場の動きと絡めて説明してみます。

)秬源
外交面での強気の態度が好感される一方、内政では不透明要因が強い。市場は停滞。
谷垣氏
官僚主導の意見が多く、市場では解放路線の鈍化と見なされる。よって下落。
J‥鳥
内政面では停滞。外交面ではソフト路線が好感。よって上昇。
ぐ打椹
小泉路線の継承。ただし問題点整理に手間。よって下落。

以上の想定は一面的なものしか表していないので、もう少し、い諒は突っ込んで説明します。まず安倍氏については小泉路線の継承が好悪両面で影響します。今年に入ってから顕在化した小泉改革の矛盾、解放による混乱。この矛盾点の整理と混乱の収拾に、どうしても時間を費やさなければなりません。そのため小泉路線の継承というだけでは、市場は一旦調整してしまう可能性があるのです。
一方、福田氏に関しては外交面が好感されて、一瞬でも市場が上昇する可能性があります。現在意識される問題点の払拭が見えると市場は好感する。その流れは生まれますが、最終的には解放路線の鈍化が嫌気されて下落の流れにはなるでしょうが…。

今日も市場は大幅に下落したようですね。アメリカの弱含みに付き合わされている印象ですが、新興国なども下落しているのでマネーの動きが活発化している中で、日本の市場からもマネーが逃げ始めているのかもしれません。円安に動き始めましたが、これが円からの逃避だと深刻ですね。今後相当弱含む可能性もありますから…。
次期総裁候補の方々の意見はまだ出揃っていないので、何とも言えない所もあります。ただし、今までのところ概ね予想通りの動きを示しており、小泉人気は高くても小泉路線の人気は下落傾向を示している、その流れの中で安倍氏の人気も下落傾向にある、といったところでしょう。安倍氏が「格差問題」に焦点を当て始めたのも焦りの表れであるかもしれません。選挙は後半勢いの出た者の方が強い。安倍氏にとっては追い上げられる不安が付きまとうので、今が試練の時なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 19:41|PermalinkComments(1)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

ダ・ヴィンチ・コードについて考える

一昨日ダ・ヴィンチ・コードが公開されました。カトリック系のキリスト教には不評のようですが、日本では出足好調なようですね。私は本も読んでいませんし、映画もまだ見ていませんが、ブームに乗って記事にしておきます。
日本ではキリスト教が一般的ではないため、この映画の問題点についてはよく理解できない人も多いでしょう。イエスに子供がいたと言われても、それが何?といった感じではないでしょうか?しかしイエスを神聖化した国ではそうもいきません。イエスとは神の受肉した姿であり、子を生すなどあってはならぬことなのです。
新約聖書の「マルコによる福音書」ではイエス自身が「神の御心を行う人こそ、私の兄弟、姉妹、また母なのだ」と肉親としての母を否定します。聖母マリアの思想はエフェソスの宗教会議(AD431)で決まったものであり、それ以前には聖母マリアの発想そのものが多数派ではなかったことが分かります。つまり肉親すら否定しているのですね。
一方でマグダラのマリアの方はもっと時代が下って12世紀ごろになって、やっとその存在が意識されるようになります。初期教会ではマグダラのマリアをイエスの妻とする記述もあるようですが、娼婦と言われていたことから嫌われていた時代もあり、現在のカトリックは「イエスの妻」ということは絶対に認めていないのです。なのに子供までいたとされては、聖職者の面目は丸潰れとなってしまうのです。

時の知識人と呼ばれる人は、その時代に対して二つの態度をとります。一方で時代の先鋭化の動きであり、もう一方では時代を否定する動きです。時代に即して動いていては自分の意見は埋没する訳で、その動きの一つとして、ダ・ヴィンチが当時のキリスト教を否定したことは充分に考えられます。近代でも安保闘争の頃の日本の一部の若者が共産主義を唱えていたような動きがその例です。こちらは当時の吹き荒れる共産主義への迎合と日本の体制への反抗ですから、先鋭化の動きになるのでしょうが。
しかしシオン修道会へダ・ヴィンチが入会していたというのはどうなのでしょうね。何時の時代も有名人の名前は利用される運命にあるので、たとえ名前があっても事実かどうかは確認のしようがありません。ある宗教関係の本に偉人の名前があって、それは自分たちの考えを体現したものだとありました(その宗教とは全く関係ない方でしたが)。私などは馬鹿馬鹿しいと考えてしまいますが、まともに受け取る人には「あんな偉人までが…」と感動してしまうところでしょう。そうした利用をダ・ヴィンチも受けた可能性は充分ある、と私は考えています。

読んでもいない癖に!と思われるかもしれませんが、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』を読んでも日本人はよく理解できないように、キリスト教的思想に立脚したものは日本ではあまり評判がよくないのです。この映画がどう評価を受けるのか、私は楽しみにしています。いずれDVD化されたらレンタルでもしようかな…。

analyst_zaiya777 at 18:40|PermalinkComments(1)TrackBack(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 一般 | メディア

社会意識に関する世論調査。本当?

内閣府が発表した「社会意識に関する世論調査」。悪い方向に向かっていると感じているのは「財政」、「外交」、「雇用・労働条件」で、良い方向に向かっているのは「医療・福祉」、「科学技術」だそうです。「地域格差」や「外交」は悪化の上昇幅が大きい、というのは何となく理解できますが、良い方向に向かっているとされた医療、福祉、科学技術はどれもピンと来ないものばかりです。
医療の分野では医療費負担が増大する中、医療技術の進歩が良くなっているとされた根拠でしょうか?しかし昨今の病院内不祥事に始まる医療不安、高齢者の医療負担増大などがあり、どの部分が評価されたのでしょう?福祉の分野では、老人介護が民間解放されましたが、一地域に競争相手がいないためにその費用負担における地域格差が広がっています。安価でサービスを提供している企業と、そうでない企業の差が著しく増加しているのが現状です。良くなっているのでしょうか?
科学技術の分野では最近新しい発見というものはあまり聞きませんが、ブルーレイなどの新技術が評価されたのでしょうか?これも不思議な話です。

こうした世論調査が社会の方向性の全てを表すものではない、ということは度々述べてきましたが、冷静に判断しても今回の世論調査の結果はまともに受け取れるものではありません。下種の勘繰りですが、こうした世論調査を内閣府が発表することにより、国民の意識付けを部分的な意見に集約させようとしている、と考えることも可能だということです。
情報とは受け取る側にもそれなりの判断を要求します。昨日の記事でネット社会のことを書きましたが、情報過多の時代だからこそどんな情報を得て、どう判断するのかが個人の方の責任として任せれるのだということです。情報操作という言葉はあまり好きでは有りませんが、気をつけていないとそうしたものに巻き込まれ、知らず知らずの内に自らも犯罪や、それに類する行為を助長してしまう可能性があるからです。
自らを律する意味でも、今回の世論調査を眺めていてそんなことを考えてしまいました。まさか内閣が国民を欺いているとまでは言いませんが、そう考えてみることも必要だという日が来るかもしれませんね。今の韓国の状況を見ていると・・・。

analyst_zaiya777 at 00:19|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2006年05月21日

米国依存で日本は良いのか?

今までの数件の記事の中で提案した私の内容は、実はある懸念を抱えていることに起因しており、その問題を踏まえた上でのものでした。今回はその懸念について東亜の未来をシミュレーションした形で説明してみます。
シミュレーションなので前提が必要です。まず2009年頃の世界が今とほぼ同程度の規模は保った中で、停滞もしくは減速していること。一方で政情不安が各国で広がっても、現在の政権与党が継続していることが前提条件となります。

米国の金融制裁措置が有効に機能し、日本も北朝鮮に対して経済制裁に踏み切る段階に至ったとします。ここで北朝鮮は暴発、日本に向けてミサイル照準を合わせ、一方で海上に軍艦を派遣し、日本を侵攻する気配を見せたとします。
中国はこの動きを表向きは静観、裏では日本の追い落としを画策して北朝鮮支援に動くでしょう。韓国もほぼ同様、逆に竹島に向けて自国軍隊を派遣し、領土保全の名の下に完全制圧を図る動きに入ると思われます。
この時に至り、在韓米軍、在日米軍は北朝鮮の行動を封鎖する体制に入り、日本海、東シナ海に戦艦を展開、海上封鎖に入ります。日本の自衛隊も本土防衛に海軍が展開されて海上でのにらみ合いが続きます。が、世界世論もあって軍事衝突には至らずに時が過ぎます。正面衝突では北朝鮮軍など、米軍の足元にも及ばない。また核ミサイルなどを撃って日本を壊滅させては、北朝鮮も経済的に困ることになります。海上でのにらみ合いの裏で、経済制裁解除に向けた政治的動きが続くことでしょう。
この時点で北朝鮮は韓国、中国経由で偽ドル札をばら撒き始めます。また中国は米国の不安を訴えて米国債を売り叩きはじめます。すると米国ではスーパーインフレが起き、経済的には破綻することになります。突如軍費が増大、大規模軍隊を展開させておくだけの余裕がなくなり、日本に軍費負担を肩代わりさせます。日、米は経済的に破綻して、北朝鮮に有利な条件を提案する以外手が無くなるでしょう。

日本が北朝鮮に経済制裁をするな、といっている訳では有りません(私は現時点で経済制裁を支持です)。このままの政治状況が2009年まで続くという前提条件もかなり楽観的観測ではありますし、北朝鮮の現在の国力を見ても軍隊を動かせるほどの余裕はありませんから。今回言いたいことは、米国依存が日本に良い影響をもたらすのかということです。つまりいざ日本が侵攻を受けた時、本当に米国は日本を守れるのか?ということなのです。その中で日本が米軍再編に多額のお金を出す、ということが本当に必要なのか?もう一度考えましょうということです。
米国はドル安局面を迎えて基軸通貨としての地位が揺らぎ始め、もう世界の警察たる米軍を展開しておくだけの経済的余裕はありません。米国が日米安保を強調するのも、日本に大量のお金を出させて米軍を維持したいだけの話です。そのことをもう一度考え、新たな世界の枠組みを考える段階に今日本は来ている、ということを考えておきましょう。

analyst_zaiya777 at 10:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 海外 

2006年05月20日

日本の対ASEAN戦略

日本の対ASEAN戦略について考えてみます。政府はFTA交渉などを通してASEAN諸国との関係を深めようとしていますが、それだけでこれらの国と本当に仲良くできるのでしょうか?よく隣国とは仲が良くないといわれますが、ASEAN諸国もお隣さんと考えてみれば、あまり仲が良くなくても仕方ないのでしょうか?
今、中国や韓国との関係の悪化を危惧されており、もしASEAN諸国との関係まで悪化させてしまうと、日本はこの東亜の中で孤立してしまいます。それが日本の将来にとってどれほど不安定な状態を導いてしまうかは、言わずもがなでしょう。ではどうやってASEANとの関係を築いていけるのか?

第二次大戦当時まで遡りますが、ASEANでは欧州の植民地政策によりかなりの国が植民地化されました。日本は占領軍でしたが解放軍的でもあり、現在に至っては中、韓より余程冷静に当時のことを振り返ることができるようになっています。以前見られたように日本の軍事力の肥大化に懸念を表明する、ということも最近では少なくなっており、冷静に話し合うことで本来なら良好な関係を築けるはずです。
一方で、中国はその経済発展力を見せつけてこれらの国と関係強化に努めており、日本との間に派遣争いが続いています。ASEANも経済発展を促せば今後の世界経済において高い成長率が可能であり、そうした利権が日中の間に対立を生んでいるのです。

本来、日本の経済成長力と中国のそれを天秤にかけると、十中八九は中国側についた方が有利ということになります。莫大な人口を用いた経済発展余力は、インドと並んで中国が圧倒的に強いのです。そしてその経済成長に伴って自国の経済発展を行うことが出来れば、ASEANにとっても百年の大計が成し遂げられることになります。
では何故日本との間で綱引きが可能なのか?ということを考えなければなりません。実は中国との結びつきを強めるとASEAN諸国には困った問題が発生するのです。実はASEAN諸国にはすでに大量の華僑、華裔が存在しており、自国の国籍を持っているので追い出すことも出来ないのですが、中国との関係強化により増えつつある中国系の住民が更に力を増し、発言力を増しては困るのです。

逆に日本人は経済的に結びついて企業が進出しても、その責任者はそれらの国に定住はせず、数年経てば日本に戻ってしまいます。これはASEAN諸国にとっては自国経済の発展を促し、また数の恐怖に怯える必要もないため非常に有利なことなのです。こうしたことをもっと日本が訴え、経済交流を深めていけば自ずと関係も良くなっていくでしょう。中、韓との関係悪化が叫ばれても、これらの国との関係を深めることで東亜のパワーバランスは保たれます。こうしたことを考え、国はもっと積極的にASEAN諸国との関係強化に努めて欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

ネット社会の功と罪

こうしたブログをやっていると、賛意だったり批判だったり、スパムコメントだったり様々な意見がついてきますね。今日は色々なところで言われるネット社会の功と罪について考えてみました。

私は自分のブログ内で他人の意見を引用したり、ということはあまりしないようにしています。載録しないと分からないような内容の場合のみ、意見として取り上げるようにしています。また政治家などの意見では名前を記載しますが、評論家やアナリストの実名は避けるようにしています。公人と私人の違いもありますし、発言に対する責任の問題もあります。政治家にはそれだけの責任感を持って発言して欲しいですし、またそうであると信じたいところですが、そうでない方が増えているのも事実です。その戒めのためにも政治家の方の名前を記載し、あえて批判するようにしています。

よくネット社会は匿名性が強く、他人を誹謗中傷する意見が多いと聞きます。確かにそうした一面はあると思いますが、これは人間が関与するもの全て同じことです。ばれないと思うから犯罪を犯す、ばれないと思うから他人を傷つける。自分が傷付かないで他人を傷つけることが出来る、そうしたことを快感と考える人間はどこにでもいるもので、多くの人間が関与する社会では顕著に現れる問題でもあります。
こうした意見はネット社会を批判する意見として使い易いのかもしれませんが、一括りにしたとしても人間そのものの否定に繋がるだけの意見にしかなりません。ネット社会はルールがまだ曖昧で流動的なので、今は生みの苦しみの中で運用している状態であり、もっと時代が下ればルールも整ってくると考えています。その時、匿名性による誹謗中傷なども取り締まられるようになるのでしょう。

ブログでは自分の意見を公にできる、自分を表現できるのが利点です。今まで政治や社会を批判するものは出版に頼るしかなく、その実現には多額の費用がかかりました。今はこうして安い金額で自分の意見をいえるようになり、こうしたことから今はサイレントマジョリティの時代から、批判社会に変貌しつつある状態と言えます。これが過渡期におけるルールの揺り戻しの動きが起こっている現状かもしれません。
結局、私も自分を晒していない状態で相手を批判しているので、自ら匿名性を利用していると感じる時もあります。ですが一定のルールを自分の中に構築し、自制心をもってブログを運用していることによって、ある程度の歯止めを自分の中にかけているつもりです。こうしたものがやがてネット社会の共通ルールとなっていくのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 10:05|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 一般 

2006年05月19日

二つの組織が和解しても・・・

在日本大韓民国民団と在日本朝鮮人総連合会の和解記事。遅ればせながら記事として上げたいと思います。
イデオロギーの壁を越えても尚、国家間の融和ムードを日本側から発信せよとの本国からの指令で手を結んだ今回の件、所属している人にとっても賛否は様々のようですね。そもそも、お互いの主張すら異なる中で組織が一つとなったとしても、その中で対立構造を生んでしまうだけで、組織的には何のメリットもないでしょう。

韓国側の思惑では、ノ・ムヒョン政権にとって太陽政策をとっている関係上、北朝鮮との融和姿勢を鮮明にすることが、現政権の維持にとって必須条件となりつつあります。それ以外の国家間の問題では、中々プラス材料も無くまた国内も不安定。自身が支持率低下を抱えている以上、北にすがるしかないといったところでしょう。
北朝鮮としても、ノ・ムヒョン政権が崩壊しては援助の道が断たれる可能性がある。更に現在、米政府の金融制裁措置による口座凍結で資金の流れが断たれ、新たな日本からの資金の迂回ルートを求めていたこともあり、韓国経由の新たなルート構築は渡りに船とばかりに今回の話に飛び乗ったのでしょう。
注意しなければいけないのは、やはりと言うべきか民団が脱北者に対する支援を凍結したことです。北朝鮮の人権問題については世界でも懸念が示される中、北朝鮮の顔色を窺いながら外交を行う韓国の状況を日本にも持ち込んでしまいました。北朝鮮にとっては国の恥となることでも、人道的見地に立てば当然支援しなければいけない問題です。この点においてこの組織の欠点がすでに顕在化しました。

北朝鮮では次々と問題が発覚しています。偽造タバコ、偽札製造、覚せい剤の密輸、そして今回のテポドンの問題。国家として犯罪行為を行えば怖くないというところでしょうが、こうした問題を抱えている国と、どう融和していくと言うのでしょう?国連のアナン事務総長にノ・ムヒョン氏が「南北間の信頼を築きながら・・・」と発言したようですが、一方で悪事に手を染める国と一方で信頼関係を築くと言うのがどういうことなのか、もう一度考えてみるべきだと思います。
半島統一が本当に成し遂げられた場合、北朝鮮の犯罪が白日の下に晒されることになります。ですから北朝鮮として現状の体制下で統一するなど絶対にありえません。韓国人もこの現実に早く気付くべきでしょう。そうでないと北朝鮮の政権延命に手を貸すだけになり、世界的な混乱を一層深めていってしまい、最終的には韓国まで悪の枢軸国と同一の眼で見られてしまうかもしれませんよ。

analyst_zaiya777 at 19:22|PermalinkComments(1)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 海外 | 一般

2006年05月18日

月例経済報告;バブル抜く、実感なき景気拡大

5月の月例経済報告で「バブル景気」越えが確実となりました。貿易拡大による恩恵を企業が資産デフレの穴埋めとリストラなどの人件費カットに費やした結果、景気拡大が4年4ヶ月も続いていたにも関わらず、我々は何ら恩恵を受けることなくここに至りました。グリーンスパン前FRB議長が「インフレなき景気拡大」と評されたので、私は日本の現状を「実感なき景気拡大」と例えることにしています。
今日も市場は下落したようですね。私は16000〜17000円が今の日本経済の実態に合っていると考えていますが、上げ過ぎたので下げ過ぎる局面が来ているということなのでしょう。『先高期待』という夢想の中で上昇した相場だけに、夢醒めれば下落もきついといったところでしょうか。以下に今後の相場を少し占ってみたいと思います。

まず以前指摘したように現在市場では信用買い残、先物の裁定買い残が積み上がっています。そこでは私が煽りを誘っても仕方ないのであえて述べませんでしたが、この状況は先物で仕掛ける人間にとって見れば、「売った方が面白い」という結論になります。評価損の高まりと追証の発生により、先物を売って行けば『投売り』状況を誘発しやすいという意味ですが、こうした買い残が解消されるまでこの動きが続いてしまいます。これが今の相場の重しとなり、上値を抑える原因となります。押し目で買っても売り崩されて損を出す可能性が高い、となると中々手が出せないでしょうから。
一方で今回の下落の最初の原因が円高にある訳ですが、そこから様々な不安が噴出しました。円高による企業業績の悪化懸念、新興市場の会計検査厳正化に伴う下方修正不安、原油、資源高騰による素材インフレ懸念。今までプラス思考で乗り切ったきた問題点をようやく日本も意識し始めたので、逆に無視してきた分の反動も大きく影響します。更に米経済への不安、世界情勢の不安、数え上げればキリがありませんね。

ここから今後を少し予想してみます。上記のように皆が不安を意識し始めたこと、及び上値に対してそれを抑える要因が偏在していることで、もう少し下に押す可能性は充分あります。今は速度が速いので少し調整しつつ、15500円を意識し始めると抵抗すると考えています。ですがその後もしばらく上に抜けることは難しいでしょう。更に政局リスクをどこまで織り込めるかで今後動きは変わると思います。安倍氏が総裁となれば下落、福田氏が総裁になればやれやれ買いと言ったところだと思います。これは以前なら考えられなかったことですが、小泉路線の継承が市場では歓迎されない可能性が出てきたからです。この影響についてはまた後の機会に説明することにします。
また現在調査中ですが、世界の資金シフトの流れで新たな動きが出てきているように感じています。いずれ纏まった時点で記事にしますが、どちらにしても日本市場は今後重たいでしょう。個人で市場に参加している方は軟調相場でも頑張って下さいね。

analyst_zaiya777 at 19:54|PermalinkComments(1)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2006年05月17日

強行採決から党首討論

今日の党首討論を少し分析してみると、今まで民主党は小泉氏ののらりくらりではぐらかされて感情的となり、失敗することが多々ありました。そこで小沢氏は逆にどしんと構え、目の前で跳ね回る小泉氏を諫めつつ自説を展開する方法をとったのでしょう。迫力不足で淡々とした印象はありましたが、小泉氏の論理には精神論や希望などが散見して政策的なものが見えなかったので、勝敗をつけるなら僅かながら民主党の勝利、といったところでしょうか。

しかも同じ日に強行採決が行われました。医療費改定という国民生活に直結する部分に対して審議が尽くされなかったことは残念です。国会の審議日程の問題で与党側が焦りを抱いていることの証拠でしょうが、強行採決はいただけません。高齢者医療制度は大きな問題であり、議論を尽くしても尽くしたりないということはないでしょう。こうした弱者に負担ばかりを強いているので、小泉政権が『弱い者いじめ』や『格差社会』という言葉を付加されている、ということを改めて認識しなければいけません。
また改正出入国管理法・難民認定法も参院本会議を通過していきました。こうしたものを運用しても、指紋採取などを通らずに日本に滞在する者の方が問題なので、その意味ではそうした者への対応をどうするのかをもう少し詳しく論じる必要があるでしょう。
国会では今後も議論を尽くさなければいけない法案が山盛りで、国会の延長も含めて今後の展開が色々と予測されるところです。しかし九月の小泉政権退陣まで日本の政治が混沌としてくることは確実となり、その意味では面白い展開ではあります。ですが面白がってばかりはいられません。我々の生活にも思想にも重要な法案がどう展開されるのか、今後の国会は注視していかなければいけないでしょう。

しかしこうした政治的なイベントがある時に、耐震偽装で新たな動きがあるというのが何らかの意図を感じさせます。記事を小さく扱わせようとしたのか、それ以外の意図があるのか?どちらにしても耐震偽装がまた一歩進展したので、今後の展開には注目でしょう。総研まで捜査の手が伸びていくのか、立件できるのかというところですね。

analyst_zaiya777 at 20:15|PermalinkComments(5)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

小泉政権考7 −郵政民営化−

改革の本丸、と位置づけられた郵政民営化の問題を取り上げます。先の衆議院選挙で「郵政民営化をしない方が良いとでも言うのですか?」と何度も聞かされましたが、これはワン・フレーズ・ポリティクスの悪いところで、YES、NOで区別されれば大抵の人がYESとなります。ですが政策ではその施行するタイミングと内容が重要なのであって、そうしたことが全て目隠しされてしまったため、郵政民営化をすれば何が良くなって何が悪いのかということを、その後誰に聞いても上手く説明できないという問題が生じています。

国の一般会計が80兆、特別会計が230兆、借金が900兆円と言われていますから、年収310万円で金利2%の900万円の借金のある家庭を想像しましょう。一見すると借金返済が可能な気もしますが、父親が収入のうち230万円もギャンブルにつぎ込むとします。すると残り80万円で借金返済と生活費を工面することになりますが、実はこの80万円のうち30万円は新たな借金です。2%の金利で18万円がかかりますから、借金をせずに年利を返しただけで32万円のやりくりをする家計となっています。これではいつまで経っても返済は不可能です。
この時、今まで快く借金に応じてくれていた郵貯が渋り始めました。すると他にお金を貸してくれていたところも、返済が滞るのではないかと金利を上げ始め、借金督促に動くことになります。これがタイミングの問題に繋がるわけです。

以前、長期国債の金利の話をしましたが、国債の価格下落が金利を上昇させます。郵政民営化を推進する意見の中で、「今まで国の中だけで回っていたお金が市場に出回る」というものがありました。しかし郵便局が国債を購入しなくなれば、当然のように国債の価格が下落して金利が上昇します。今の金利上昇を日銀のせいにだけする政治家もいますが、郵政民営化を行えばある程度この動きになるのは自明であり、逆にこの動きを想定していないのであれば予測能力不足と言えるでしょう。
郵便局は国が大株主となることが決定していますから、当然こうした動きとなれば買い支えに動かざるをえず、「市場に資金が出回る」というのは間違いだと分かります。また金利が上昇すれば株式市場の重しになるので、そうすると運用面においても不安があります。このことから、郵便局が国の借金輪廻から逃れる術は今のところありません。

タイミングの問題を指摘したいのはこの点で、本来は歳出削減により新規国債発行枠を10兆円以下に抑え、借金に依存しない体質に移行してから民営化すべきなのです。特別会計と一般会計を別けることも問題で、先の家計の例を見ても分かる通り、無駄な出費を避けるためにもまず財布を一つにしなければいけません。この点では特別会計の枠組みを変更する議論のみで、一体化の動きは一向に進みません。
「官僚の無駄遣いを止めさせるために」ということで入り口を絞ったその先に、出口の問題が全く解決していません。出口を絞れなかったら郵政民営化の意味もなく、今までと何ら変わることはないでしょう。それを充分に理解して今後の歳出・歳入改革を進めてもらいたいと思います。

analyst_zaiya777 at 19:19|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 

2006年05月16日

国の目指す社会

昨日、NHKの番組で自民党と民主党による討論会が行われていました。よくあるパターンで見るべき所は少なかったのですが、最後のところで一般の方の意見として「小泉氏は改革といっているが、改革した後の姿がはっきりしない」と告げられると、竹中氏が不快な表情を浮かべているのがとても印象的でした。
以前から指摘しているように小泉‐竹中ラインが目指している改革後の姿ははっきりしています。それが米国型の投資循環社会ということですが、その点をテレビなどの公の場では中々説明しようとしないのが竹中氏です。なぜならそこに今日本で語られている問題点の多くが含まれるからであり、安易に自分の立場を際立たせる訳にはいかないからです。以下にこの問題点を指摘していきます。

この投資循環社会では『規制緩和』と『減税』が最も良いカンフル剤であり、米国の動きを見ているとそれがよく分かります。竹中氏はムキになって否定する時があるのはこの部分で、「規制緩和しない方が良かったのですか?」と相手にマイナス部分を緩和する発言を要求する時があります。ですがそうしてムキになって否定するところに、痛い部分があることは誰でも分かるでしょう。
規制緩和の結果、異常な状態での運用が続いている部分が今後の日本の先行きに暗い影を落としているのは言うまでもありません。耐震偽装、ライブドア問題に代表される四点セットは最近語られなくはなりましたが、規制緩和の影響と考えられる点に日本の問題点が数多く表れています。

なぜ日本に投資循環社会が根付かないかと言うと、こうした規制緩和を行うと必ず日本人は悪用してしまうからです。変な話なのですが、頭の良い人が法の網の目をすり抜けることを常に狙っているために、すぐに問題点が顕在化して規制強化の方に動かざるを得ません。今の日本の動きを見ても分かると思いますが、小泉政権五年ですでに規制強化の動きを強いられていますよね。これでは投資を継続的に行うことは不可能で、すぐに資金は日本から逃げる方向にいってしまうでしょう。
もう一つ日本に投資循環社会が根付かないのは、国民が過度の期待を投資に求めないという問題もあります。逆に求め過ぎる人がリターンの大きな、有り得ない投資話に乗って損をしたりしますが、これなどは一部です。賢明な国民性を誇るべきか、投資社会が根付かないことを悲しむべきかは個々の方の判断とは思いますけど、竹中氏は悲しんでいる一人なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 19:56|PermalinkComments(6)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2006年05月15日

日本の次期総裁選で諸外国の影響が

昨日上げた記事で共謀罪の話、与党の修正案では組合活動は含まないとされていたのですね。ただどちらにしても今の共謀罪の議論では、廃案にするしかありません。もう一歩踏み込んで範囲を論じない限り、現時点で通してはいけない法案に変わりありません。

自民党の次期総裁選びに関して、面白い動きがありました。私は現時点で米国が望む日本の総理は『福田氏』ではないかと推測していましたが、以外に早く米国から福田氏に対して援護射撃が入ってきました。閣僚でもない一政治家である福田氏に、米幹部が会見するなどの厚遇がその例です。また一政治家の意見として日本政府は静観を決め込んでいますが、小泉氏が靖国問題で不参拝を述べない限り米議会で発言させないというもの。これだけの材料が整うと、どうしても靖国が次期総裁選の重要な選択項目の一つに浮上して来ざるをえません。
現在の米国に親日、知日派が少なくなってきたのは以前述べましたが、世界の情勢もこの靖国問題に対して否定的な意見が増えてきました。欧州でも批判の対象が小泉氏に向かっているので、この問題の根本的な原因が小泉氏側にある、と世界が考えていることの証左でしょう。

この問題が本当に小泉氏だけに責任があるのか?ということよりも、こうした世界の流れは小泉氏が世界に向けた説明を避けていることによって引き起こされている、ということが問題なのです。別に当人が出向くまでもなく、世界に向けて自分の立場を正しく発信していれば、世界が小泉氏だけに問題意識を向けることはなくなります。結局、世界はこの問題に対して日本を悪者にしたてようとしている、その遠因にあるのは何かを考えなければなりません。
今一度、小泉氏は世界に向けてきちんと自分の立場を公表するタイミングに来ているのかもしれません。そうしないと、日本の総理大臣選びが外国の圧力によって影響されてしまう可能性があります。小泉氏は「散り行く桜」と自分のことを称しましたが、このままでは潔く散る前に諸外国との関係を更に悪化させてしまう可能性すらあります。自分が行きたいのなら、きちんと説明をしていくべきです。今小泉氏が果たさなければならないのは説明責任です。それをよく考えて今後行動して欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 20:14|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 宗教

経済の話。興味がない方はつまらないと思います

今日も日経平均は弱く、16500円を切りましたね。私が三月後半から述べてきた内容を見直しながら、今後のことを少し探ってみたいと思います。

私は日本経済は市場で16000〜17000円程度が妥当と考えています。つまり三月後半から四月にかけての17000円台が少し異常な強さであったという意味です。この意見は三月後半時点ではかなり奇異な発言でしたし、ほとんどの経済評論家が18000円トライ、もっと強い意見では20000円も、というのが一般的でした。
強い意見の代表例は『先高期待』と『需給改善』というもの。先高期待の方は日本経済のデフレ脱却から好業績が期待できるというもの。しかし現在までの企業の今期見通しは横ばいか下落、つまり昨年の業績以上には伸びないというものでした。
需給改善の方は年金基金の買い、個人の信託を通した買い、外国人買いなど様々に言われていましたが、年金基金などの日本の機関投資家は売越しを続け、個人信託は設定額に届かないものが頻出し、そして外国人は積極的に買いを入れる状況ではありませんでした。

この五月に至り、三月から経済アナリストや評論家が述べていた内容は全て『期待』という言葉に括られた幻想に過ぎなかったということが分かります。私は上記の内容について全て否定的でしたし、今までも反論を繰り返してきました。カテゴリを『経済』で引っ張ってもらえると分かると思います。
本来、出てくる数字を拾ったり、状況をよく考えれば私の結論に至ることは当然だと考えていましたので、逆になぜ他の方が煽りのような言葉を述べてまで、市場を高値に吊り上げようとしているのかが不思議でした。
今回記事を上げようと思ったのは、この煽りの真相が五月に実施された新しい会社法の影響ではないかと考えたからです。つまり外資系投資会社による企業買収が容易になったため、株式持合いと自社株の高値誘導が市場の絶対命題になりつつあった中、業績予想は低い推移とならざるを得ない。個別に高値に誘導していくことはこの業績予想では無理。そのため市場全体の底上げを目指して、証券会社と組んで高値を演出したのでは、ということです。

私はこうした煽りによって一般の方が損失を被ることに、常々苦言を呈しています。現在、個人の方の信用取引の評価損が膨らみ、身動きが取れない状態です。また先物ではヘッジファンドの裁定買い残が積み上がり、こちらも身動きが取れない状況です。ここから日本の市場はどう考えても弱含む展開が考えられます。それを肝に銘じて、個人で市場に参加される方は注意して取引して下さいね。一部の煽りに騙されないように。

analyst_zaiya777 at 19:17|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2006年05月14日

共謀罪は必要ない

今日もテレビで共謀罪の話がやっていました。先にあげた記事と同じ番組の中ですので、何の番組かは察しがつくかもしれません。
今のところ共謀罪については何も語る必要もありません。なぜなら、早く廃案にしなければいけないような内容でしかないからです。これがオウム真理教などを念頭においたものだ、ということは理解しています。先の国連における越境的テロ行為を防止する理念も分かっているつもりです。ですが日本のこの共謀罪は廃案にしなければいけません。

理念と実践はまず異なります。法を成立させる時に理念をもって造り、当然のように理念通りに運用されることを願っていることでしょう。ですが理念通りに法が施行されることはまずありません。誰もが法の抜け道を探ったり、その解釈論で苦労する訳です。
一般的に解釈論ですから、司法権力の最高機関である最高裁判例などが参考になりますが、こうした共謀罪などの場合は新法ですからその判例が出るまでに時間が掛かります。当然のように運用期間においてその法の解釈はマチマチとなり、実際に混乱のうちに法が運用されていくことになります。

こうした指摘をするのは、現在の共謀罪が拡大解釈できるほどの希薄な内容であり、色々な事件に対応しようとし過ぎていることに問題が含まれているからです。もしこの法がこのまま施行されれば、何ら違法とは考えていない内に犯罪者とされ、警察に身柄を拘束される可能性を秘めています。
例えば貴方は労働組合からの指示で動いていたことを、明日からいきなり止められますか?もし組合が犯罪行為と知りつつ、その行為を全員の一致として動いていた時には、組合員は同様に処罰される対象となります。ビラ配りなど休日にやらされたりする社員は多いでしょう。そういったものが犯罪と認定され、共謀しているとなればそれも処罰対象です。それぐらい、今の共謀罪は対象が曖昧なのです。こうした問題では政府答弁など信じない方が無難ですしね。

国家がこうした法を通そうとするのは、自らの解釈を自由に通用させたいからです。個人情報保護法でも、公務員の犯罪者は名を伏せられて発表されます。軽犯罪でも犯罪は犯罪です。そうした犯罪者を個人だからと保護すれば、いつまで経っても犯罪抑止力としての力になりません。でもそれを分かっていても、国家はこうした曖昧な法を通し、それを運用したがります。それは自分たちに都合の良いように使いたいからです。こうしたものを許してはいけません。すぐに廃案にするか、もっと適用範囲を狭めて本来の役割に戻すべきです。好い加減な法の施行は国民も不安にしますし、国家もぐらつかせるということを心にしておきましょう。

analyst_zaiya777 at 23:45|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

小泉政権考6 政と官の繋がり

今日の某番組に田中眞紀子氏が出演して様々なことを語っていました。別に私は彼女の信奉者でもないですが、外務大臣時代に官僚との対決姿勢を示した唯一の大臣として、私は評価するべきところがあるとは考えています。結局、小泉氏の生みの親としての立場と、現在の小沢氏の立場を比較するところに番組の主題がおかれていたようですが、視点をそこに置いてしまうと現実的な問題意識が何なのかがボケてしまう気がします。
一つ堀内元通産相の言葉で面白いものがあったので紹介しておきます。「政治とは円ではなく楕円だったりするものだ。彼は自分を中心とした円を考えるが、政治とは楕円などの重心を探る作業だ」というものです。人間関係においては確かに『円』の思考が彼の脳裏にはありますが、政策では『楕円』の論理が強く働いている気がします。つまりその『楕円』がより官僚よりであるという意味において、です。

小泉氏誕生時点で自民党の支持率は低く、崩壊寸前で小泉氏がそれを救ったという意味で先の番組ではそこに力点をおいたのでしょう。ですが自民党の支持率が下がった主因は、政・官・業との間で連綿と繋がってきた腐敗した関係の末であり、その関係については現時点でほぼ以前の通りです。
小泉政権下にこの関係で唯一メスを入れたものは談合に関してでしょう。ですがそれは談合が表面化して、初めて警察機構が行動してのものです。確かに法律でも談合の摘発がされ易くなりました。しかしそれでもまだ不十分であり、踏み込み不足です。談合に関わった官僚への賠償請求。この点に踏み込んでそれが実現された時点で、本当の意味での対策です。なぜなら政・官・業の官と業の部分にだけメスを入れても、再び形を変えて繋がっていく可能性は常にあるのですから。

小泉氏を支持する有識者の中には、小泉氏がこうした癒着構造を抱えていないことを評価するものがあります。しかし小泉政権が成立して五年、やはり新たな癒着構造が生まれつつあります。政・官の強い結びつきが生み出した日本の負債。100兆円にも届かんとする、この動きを何としても止めなければなりません。これが日本の未来における足枷となって、今後国民に負担となって現れるからです。安易な増税を許してはなりません。それが政・官との繋がりを打破できなかった政権に、安易に支持を与えることなり、更なる国民負担を強いることになるからです。このことをもっと国民も考え、訴えていかなければなりません。

analyst_zaiya777 at 14:07|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

村上ファンドの上海移転について

一昨日あげた記事で米株は下がるよと書いて、翌日からその通りになりました。思ったより早いなという印象ですが、米国経済の舵取りの難しさを意識すると今後の上昇というのが、幻想に過ぎないことが分かるでしょう。
一部に今の原油高は投機的という指摘もありますが、WTIは投機的と言われても日本の中東産原油は実態を表しているといわれます。その中東産原油がすでに68ドルをつけており、WTIとの差がほとんどなくなっています。この原油インフレが世界経済を減速させる懸念は常にあります。インフレ抑制が経済の減速を促しても、インフレを抑制しなければならない。このジレンマが今後の世界のキーワードになると思います。

村上ファンドが上海に投資本体を移動させました。この村上ファンドの動きは日本の投資会社に対する規制を嫌がったものと、税金の割安感を狙ったものでしょうが、これで村上ファンドも外資としての見方がされ、今後の活動に支障を来たすことになるでしょう。それを踏まえても尚、上海の方にメリットを感じたということなのでしょうか?
彼がよく口にする「株主のために」という言葉は彼らの活動にはそぐわないものなので、いつも耳障りに感じていました。なぜなら、彼らは長期でも二年程度の保有しかしておらず、その意味で彼らは短期株主であり、それが主張するものは常に「配当」と短期的な企業価値の向上ということです。

昨今の彼らの阪神株の動向を見ていると、この短期的な企業価値の向上による株価の吊り上げの動きと見て取ることが出来ます。彼らがこの時点で株主のために発言しているのではないことは、現在の阪神と阪急の統合問題に口を挟んでいることでも分かります。なぜなら、統合による効果よりも競合社会の喪失による、長期的な企業価値の低下を見込んでいないからです。
統合そのものにはスケールメリットもありますが、今のところそれははっきりしない状況であって、本来の株主価値の向上に資するものではありません。配当政策も同じ。短期的には企業が溜め込んでいる資産を株主に吐き出すこともメリットでしょうが、それは溜めるぐらいしか出来ない経営者を変更するべき問題であって、その一環として増配などを語るべき問題です。
今のところ私は村上ファンドの活動を否定するつもりはありません。それは彼らが表の面で法律違反を犯していないからですが、必要なら批判もしていかなければいけないでしょう。世界経済の混沌と共に日本経済も危険が迫る今、「株主」とは互いに企業価値の向上を目指さなければいけない関係だと考えるからです。

analyst_zaiya777 at 13:14|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2006年05月13日

強国論

昨日、『行政』の法律用語のTBをいただきました。私が行政と言うものを理解していないと考えられたのかもしれませんので、一応説明しておきます。本来は『行政官庁』とすべきなのかもしれませんが、内閣とそれに繋がる行政機関を含めて私は『行政』と指摘していますし、さらに言えば最近では各省庁に芋づる式に繋がる法人も含めて、私は『行政』ということにしています。なぜなら相互が強い結びつきを示しているからであり、天下りを含めて人事権までを各省庁側が握るような法人の現状で、一々省庁と法人を別けて考える必要はないと考えているからです。広義の意味で『行政』と指摘していると理解して下さい。タイトルでは長くなるので止めましたが、この話は参院の行政改革特別委員会に提出されたものですしね。

さて、タイトルの話に戻ります。先日ロシアのプーチン大統領が軍事力強化の発言を行いました。プーチン政権もそろそろ引き際を考え始め、新政権に移行する段階で自身の考えを発言する機会を強めているのかもしれませんが、これが資源国として余裕のある国の発言とすると、現在のロシアの国力が如何に潤沢かが分かります。
一方で、現在の軍事大国アメリカの現状はどうなのかということを考えた時、非常に危惧を抱かざるを得ない状況ともなっています。それを経済的な視点から見てみます。

米国が現在世界における唯一の軍事大国であることは否めない事実です。米国は世界第一位の軍事費を毎年使っており、その裏返しのように国の債務はたまっています。今回、また減税の提案が下院を通過しましたが、投資社会においては『規制緩和』と『減税』が最も良いカンフル剤であり、これでまた米国の債務は増えることになります。
その米国の借金を現在肩代わりしているのは中国です。仮に米国が軍事介入を試み、それを中国が快く思わない場合、中国は簡単に米国を混乱させることが出来ます。一気に米国債を売ってしまえば良いからです。そうなれば米国経済は混乱、破綻して戦争どころではなくなります。よって、軍事抑止力が経済の側面から働くことになります。

米国は軍事大国ですが、実はこれが張子の虎になりかねない危険を抱いています。つまり中国に経済を握られた状態で、どこまで自国の軍事力を行使できるのかの問題です。これは今後の世界の流れを考える上でも、頭の中に入れておかねばならない問題です。
一方で、中国も国家として大量の負債を抱えているという話も有ります。情報操作をしているので、どこまでの額かは分かりませんが、強引な公共投資と軍事大国化により、中国国家も疲弊しているというのです。

中国にしろ米国にしろ、お互い肥大化させつつある軍事力の反作用で、自国の経済に暗い影を落としつつあります。またその莫大な軍事力を行使するための経済力は、各国ともないのが現状です。冷戦下で潰れたロシアが再生し、再び軍事大国に傾斜するというのが現状を皮肉っている良い例かもしれません。
真の意味の強国とはどういうことなのか、今一度考えてみる必要があるのかもしれませんね。単に軍事大国化するのではなく、『有効な力』を有してこそ本当の意味での強国だと思いますから。

analyst_zaiya777 at 11:49|PermalinkComments(3)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外