2006年10月

2006年10月31日

改めて安倍政権の経済政策を批判します。

私は以前から竹中路線を引き継ぐ安倍氏の経済政策を批判してきました。イノベーションという言葉も耳障りだけは良いのですが、これが新たなばら撒き政策ではないのか?というのがその根底にある懸念でもあります。
かつて公共工事を推進したのは、ゼネコンに工事を発注するとそれが下請けに流れて雇用が生まれ、金が下流まで流れて経済が潤う、というのがその考え方でもありました。ですがバブル崩壊後、資金繰りに窮したゼネコンは下請けを締め付けることで利益を稼ぎだしため、結果的に金の流れが生まれずに経済が停滞しました。

小泉政権時代はこの公共工事を見直し、そのボリュームは減りましたが、今の談合や公益法人への丸無げで政府の支出は減らず、経済的な政策も規制緩和ばかりで目ぼしいものもありませんでしたので、政府の財政は苦しくなりました。そして、税収増と経済活性化を目指した新たな政策が、企業投資を促すイノベーションとなる訳です。
ですが、現在は世界的な経済の転換点に来ています。米国の経済失速がその一つですが、これに対して日銀が米国経済の鈍化に対する三つの防護策がある、と発表しました。住宅バブルが崩壊しても、最終的には米国は崩壊しないとする理屈を並べたものですが、あまり現実的な案ではありませんでした。何しろ、世界的な経済停滞に至っても最終的には好調な日本経済が支える、とするものだったからです。

現状の安倍政権における経済政策は企業優遇が鮮明です。が、今の日本企業は世界との競争力をつける為に人件費を抑制しており、それが国内経済の停滞を生んでいるともいえます。これを、将来的には若手の人材が不足し、企業が優秀な人材を集めるために人件費を上げる、と考えている人がいれば大間違いです。
この人材不足を埋める簡単な政策は、移民を受け入れることです。90年代後半から、米国や欧州では移民が下層の労働力を補ってきました。それが深いところで今のフランスの暴動や英国のテロにつながります。米国でも不法移民の規制に乗り出しており、この労働力という点からも今は経済が転換しているともいえます。

移民を受け入れなくても、国外に工場を移転すれば人口減少でも関係ありません。それが今の企業経営であり、このため国民にはいつまで経っても企業が稼いだ外貨の分の恩恵が享受されず、国内景気は回復しないというのが現状なのです。
この段階においても尚、企業優遇を進めて経済回復を図る安倍政権では、国民の豊かさはまず実感されないでしょう。企業が資金力をつければ、賃金を増やして下流まで金が行き渡って経済が潤う。そんな昔の公共工事と同じ仕組みを安倍政権が考えているのであれば、前時代的な発想だと言わざるを得ないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

日曜日の某番組「安倍氏はぶれているか?」

29日の日曜日午前のテレビ番組内で、自民党の山本議員が安倍氏がぶれているか、ぶれていないかの議論の中で「首相の立場として答弁しているのであって、意見はぶれていない」と発言していました。ですが、立場が変わると意見が変わるような人を、誰が信用してくれると言うのでしょうか?特に政治家はその主張を聞いて有権者は支持するのであり、それなのに立場が変わると意見を変えると言うのでは、何を信用して投票して良いのかも分からなくなります。結果的に『ぶれている』と判断されても、仕方の無いことであって抗弁するだけ無意味な話です。
右の方にとっては村山談話や河野談話を踏襲するなど、安倍氏に裏切られたと感じていることでしょう。憲法改正を目指すよりも、先の政府が行った、こうした外交姿勢を見直す方が余程簡単なことです。それなのに、中、韓への配慮からそれを受け入れてしまったことで、先の補選でも浮動票は安倍氏に流れなくなった。これは国民も意見が『ぶれている』と感じているからなのです。

この番組内で、中国の姿勢は変わったと述べていましたが、そんなことは全くありません。小泉氏でも就任当初は村山談話を踏襲したことで、中国から厚遇をもって迎え入れられています。今の中国は安倍氏に対してプレッシャーを与えているのであり、これで再び靖国問題が再燃すれば、元の木阿弥になってしまうでしょう。
世論調査でも、安倍政権への評価については本来、中、韓との関係改善がトップ項目に来ても可笑しくないところです。ですが、高い支持率であっても未だに人柄などしか評価対象にならないのは、この間の外交政策が諸刃の剣だということが、国民にも広く知れ渡っているからです。自身の主張を変えてでも関係改善を図った、その効果は逆にマイナス面となって、今後の安倍氏に降り懸かっていくことでしょう。

最後に、突如北朝鮮が六カ国協議に無条件で復帰する見通しとなってきました。まだ情報を集めていないので何とも言えませんが、ここで北朝鮮が提案できるような内容は、特にないと考えています。仮に核放棄を唱えても、北朝鮮国内において諸外国が検査体制を整えられない限り、また北朝鮮が核開発に着手する可能性を否定できないので、これはカードとなり得ないのです。
米国でも米朝協議が必要、との認識を示す人がいますが、どちらかというと中間選挙前のパフォーマンスと見ています。それとも、六カ国協議と平行して米朝協議が開催されるのか?北朝鮮には中、韓の支援が滞るのを防ぐ狙いがあるのか?今後の動きをしっかりと見ていかなければいけないと考えています。

analyst_zaiya777 at 22:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2006年10月30日

経済の話。怪しい外資系の動き

明星食品がスティール・パートナーズからTOBを仕掛けられました。これは外資系の企業ですが、手法は村上ファンドに近いものです。この問題で再び企業に敵対的TOBに対する、過度な警戒感が生まれるのかもしれません。

先の消費者金融の問題で、ついに自民党がグレーゾーン金利の特例措置を廃止する方針を固めました。国民の声と公明党の反対にあって、というのが公に推測されている方針変更の理由ですが、以前私が指摘したように、消費者金融業界は外資系の影響が非常に強いものでもあります。この点で少し怪しい動きが見られました。
グレーゾーン金利が議論されていた時、外資系証券会社から「現在の消費者金融は割安」というレポートが出されました。それに合わせて株価は一時的に上昇し、私はここに至り、雑誌に掲載されていた記事を紹介した訳です。米国ロビー団体から米財務次官に書簡が渡り、それを受けて米から自民党に圧力がかかったのではないかと。

ですが、消費者金融が一斉に引当金の積み増しで大幅赤字を計上することを決めると、時をおかずに自民党からは撤廃へと方針転換されました。この動きを深読みすれば、消費者金融業界から外資がある程度資金を引き上げた、もしくは今回の引当金積み増しで、一時的には悪化しても将来の利益計画に見通しが立ったためと考えられます。
しかし20数%の金利を得ながら、その内5%前後しか利益にならないという消費者金融にとって、新たな収益プランに如何なるものがあるのか?それを考えると、今回の自民党の動きには不透明な部分があります。何か別の理由があるのかもしれませんね。

もう一つ外資系の怪しい動きを示しておくと、リーマン証券がソフトバンクの目標株価を900〜1100円とし、当時2500円近くあった株価が急落した局面がありました。当時の株価と実際の企業価値を較べると、二分の一以下の価値しかないとされたのです。
この後、JPモルガン証券が当時50000円以上あった楽天の株価を、35000円程度としました。これを受けて楽天の株価は下落しましたが、その後JPモルガン証券は二週間程度でこの株価設定を解除し、楽天についてはレポートする立場にない、と態度を豹変させてきたのです。ではあのレポートは何だったのか、これも不可解な動きです。

穿った見方をすれば、裏で何かあったのでは?と推測されます。こうした動きに、市場を監督する金融庁が目を光らせていないと、再びライブドアや村上ファンドのような問題が起こることでしょう。最初に上げたスティールもそうですし、資金力のある外資系の動きについては、今後の日本で台風の目となっていくのでしょうから。

analyst_zaiya777 at 23:53|PermalinkComments(1)TrackBack(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

更に広がる高校の未履修問題。

高校の未履修問題は拡大の一途ですが、まだまだ問題は出てくると考えています。現在の議論で危険と感じる部分は、公教育の立場や受験教育の問題など、ここに表れる全ての顕在化した問題を、纏めて議論しようとしていることです。今日の国会の質疑を見ていても、こうした議論の進め方に懐疑的な人も数人はおりましたが、何が問題かを正しく理解できていないのではないかと感じました。

私は今回の問題の落としどころが、『これは組織的な問題であり、最終的にはどこもお咎めなし』という結論に至るのではないか?とするのを一番恐れています。つまり「各学校から提出されたカリキュラムではチェックしきれない」とする、教育委員会側の主張を認め、各学校でもPTAからの要請と教育委員会からの良い大学への進学率を高めるよう押し付けられたこと、それを認めて簡単な注意で終えてしまうような流れになっているのではないか、ということです。
教育を考える上では、確かに全てが重要で大切なことです。公教育として受験一辺倒で良いのか?でも大学などは受験で生徒をふるい落とすので、生徒のためには仕方の無いことだ。では学習指導要領とは何か?結局、この問題を議論していくと、堂々巡りに陥ります。何故なら、これは本音と建前の差であって本質論ではないからです。

現状までの日本の教育は、建前は社会人としての知識を身につけさせるため、本音は受験に有利なように知識を身につけさせるため、です。私はこれはこれで良いと考えています。勉強にも目標があって然るべきですし、今のような上から下まで『お受験』というのはどうかと思いますが、それでも競争もある程度は必要です。これが行き過ぎない限りは、本音で授業をしてもある程度許容できると考えています。
ですが、結果的に上からは『建前』を押し通し、実態は異なったことが今の問題にされていることです。ですから、この問題の落としどころが、『お咎めなし』になるのではないか、と私は考えているのです。社会の論調も徐々にそちらに流れるのではないでしょうか?何故なら、生徒たちの救済を考えればそうなるしかないからです。

しかし文部科学省から教育委員会に至るまで、責任を取るべき部署が無責任を貫いて下に責任を押し付けあうのは、いつもの官の構図であって見苦しい限りです。教育基本法改正を論じる前に、まずこのシステムを正す方向性を示さないと、法律を改正してもこうした問題は繰り返されるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 21:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

2006年10月29日

雑感的、ソフトバンクモバイルの新サービスについて

ソフトバンクモバイルの携帯電話新サービスに、大量の申し込みが殺到して受付を停止する騒ぎになっています。ですがこれは現在ソフトバンクモバイルに加入している利用者にとって、新サービスの方が割安だから起こっている現象であって、新規に移動してくる顧客としては少ないのだと予想しています。
現在、三割にも満たない携帯加入者同士の通話やメールが無料になっても、それ以外の七割以上の携帯電話を持つ人には、このサービスが適用されずに通話料がかかります。更に最も使用すると思われる時間帯でも無料通話分には含まれないなどの問題もあります。携帯電話の購入無料化も二年間の縛りがあって、正直使い難いものです。

ソフトバンクのこの新サービスは、一定のよく利用する者同士がまとめて加入する形になると考えています。つまり現在の携帯は家族割りなどがあって便利なため、それを持ったままセカンド携帯としての位置付けで購入するという意味です。長距離恋愛の恋人同士など、利用価値はそうした特定の人たちに限定されるのでしょう。
これに既存のソフトバンク契約者がこの新サービスに乗り換えることを考えると、ソフトバンクの利益は、仮に加入者数が増えても伸びないことになります。予想以上に伸びない通話料と、無料携帯端末への補助金などでソフトバンクの収益は今後、厳しいものになると言うのが、今のところの主流の考え方になるのでしょうね。

これにNTTドコモやauが追随しないのも、何となく頷ける話です。というのも、この新サービスを大手が実施すれば、顧客の囲い込みとしては完璧です。ですが、収益性は確実に低下しますので、そこに踏み込めば業績を圧迫するのは目に見えています。
これでソフトバンクモバイルに顧客を奪われることになれば、大手も採用なのでしょう。ですが、一時的でも収益性を犠牲にするこのサービスを、ソフトバンクが何処まで貫けるのかも不明なので、それを見てからの事業展開なのでしょうね。

しかしNTTのIP電話サービスの不調や、今回の加入者集中で受付を停止するなどの動きに象徴される問題を見ていると、事業者が想定する量を凌駕する負荷がかかってトラブルを引き起こしています。今回の一定の間は無料通話分に含めないとする新サービスでは、無料通話になった瞬間から一気に負荷がかかることが想定されています。
その時、今のソフトバンクがどの程度そうしたサーバの負荷に対応するかも不透明です。大手でも通話が集中する年末年始は、繋がり難いなど問題がありますし、サーバ容量が今後の携帯会社でも重要になるのでしょう。孫社長がシステム投資にどの程度余力があるのか?それが今後のソフトバンクの行方にかかっているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 21:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 経済

2006年10月28日

自民党、お金にまつわる問題が増えてきた

最近、自民党から脇の甘いニュースがぽろぽろと発信されるようになってきました。SBIホールディングスが国税局から30億円の申告漏れを指摘された際、小林参議院議員との間の株取引として、適正価格よりも高く、それを利益提供とされたものです。
小林議員自身が「立候補が決まった直後の取引だが、2年前から交渉しており関係ない」と述べていますが、株の取引とは交渉をどのぐらいの期間行ったのかではなく、取引時期の適正な価格が重要な問題でもあります。立候補が決まった直後ということであれば、それ以前から公認を得るために動いていた訳で、それを関連がないとするSBI側の意見も説得力がありません。寄付金と認定されても仕方のない問題です。

一方で民主党の細野議員の不倫問題など、私はあまり重視していません。これは妻のある身でどうなのか?という問題であって、政治家としてどうなのか?という問題とは次元の違う話でもあるからです。
ですが、最近伝わる自民党からの醜聞は、ほとんどが金銭に絡む内容です。和歌山談合と関わった中川幹事長や世耕議員などもそうですし、幾ら雨で中断したからと言ってお金を払わないで済む、などの理屈は常識の観念からして通りません。その後の会食まで含めてオゴリで済まそうとすれば、政治家としての倫理観は欠如していることになります。これはまさに政治家としてどうなのか?という問題になります。

そして小泉氏が任期中の最期の外遊で8億円も浪費していたことが明らかにされました。その内訳については分かりませんでしたが、中東では無償支援も約束しており、日本が支出する分としてはかなりの額に拡大しているのでしょう。
この問題で感じたことは、『この人に米百俵の精神は無かったのだ』ということです。国民には痛みを強いてきた、その代償に五年間にも亘る任期の最期で無駄遣いというのでは、これを国民にどう説明するのか?外務省が公表している外遊数カ国における成果をざっと読んでみましたが、あまり目ぼしいものはありませんでしたし、成果として誇れるものはないのだとも思います。

更に自民党総裁選で、国連総会での首相や外相の発言の機会が失われました。この時、小泉氏が積極的に国連に乗り込んで最期の演説を飾る。ということがどうして出来なかったのかも問題です。外遊している時間があるのであれば、国連という場をもっと有効に活用するのかを考えなければいけないでしょう。つまり北朝鮮問題を抱える現状の国際情勢の中で、政府の姿勢は間違っていると言わざるを得ません。
こうした政治と金の問題で、次々と甘さが露呈している自民党。小泉政権時代にその人気の陰に隠れていたものが今出ているのだとすれば、今後も発覚していくのでしょう。国民はしっかりと見ていかなければいけませんね。

analyst_zaiya777 at 10:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2006年10月27日

日本の核武装は必要か?4

日本の核武装を議論する際、決して外してはいけないのが今までの日本の原子力政策です。最近、少しTBでもその辺りについて頂いているので、私の知る限りの範囲において、簡単にではありますが振り返ってみようと思います。

日本は天然ウランの輸入に努めてきました。使用済みの燃料棒も再処理し、濃度を高めてやれば再び発電に利用できる訳です。原子力発電所ではプールを増設して使用済み燃料棒を溜め込み、天然ウランを買い入れて新規の燃料棒を造り続けてきました。
これは国策でもあり、資源のない日本がとった原子力政策の一端です。このため、すでに使用済み燃料棒は溢れるほど日本には溜まっている状況です。日本では青森県の六ヶ所村で商業ベースの再処理が進められようとしていますが、それ以前に茨城県の東海村で、細々ながら実証ベースで再処理が実施されてきました。

更に日本では『高速増殖炉もんじゅ』があり、ナトリウム漏洩事故でほぼ頓挫した形になりました。これは後40年で枯渇するとも言われていたウラン鉱脈に対する、有効な次代のエネルギーとして期待されていたものであり、プルトニウムを利用します。
まず使用済み燃料棒の再処理という事業では、核分裂反応を起こした燃料棒を再濃縮する工程があるため、この時プルトニウムが抽出できます。本来、この抽出されたプルトニウムを高速増殖炉に利用する計画でしたが、その計画が頓挫したために、日本のプルトニウムは完全に宙に浮きました。つまり諸外国に売ることも出来ず、更にIAEAの監督下にあるため、勝手に処分することも出来ないことになったのです。

それを解決する策として編み出されたのが、プルサーマルです。ウラン・プルトニウムの混合液により作られる燃料棒を発電に利用します。今日、日本原燃で11月にも製造、との報道がありました。これでも分かるとおり、日本は核爆弾を作れるだけのプルトニウム材料は整っていることになりますし、今後もプルトニウムは増えるのです。
製造技術にしても、濃縮などの燃料棒を作る工程は核爆弾の製造に足りうるものです。日本では臨界実験が出来ないので有効性を確認は出来ませんが、造るだけなら日本はあらゆる条件が整っている、ともいえるような環境なのです。

だからこそ、日本は核武装の議論について慎重であらねばならないのです。私は政府が核武装をした際の効果を検討しておくことを何ら否定しませんし、むしろ政府としてそうした状況を想定しておかないならば、政治として失格なのでしょう。
ですが、安倍氏の言で「国民が議論することを妨げない」と述べていました。それで国民コンセンサスが整えば核武装する、もしそうした意図があるのなら、そんな政府の態度には絶対に反対です。そうであるなら政府の検討結果を明らかにして、「これだけの問題があるが、それでも核武装した方が良いのか?」ということを正しく国民に問う必要があるでしょう。何故ならこれは国民一人一人が考えなければいけない問題であり、これをパッションで片付けてはいけないと、私は考えているからです。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

米国ではダウが史上最高値を更新中

米国の市場が堅調で、ダウが史上最高値を更新、NASDAQも今年の高値を抜いてきました。あまりに好調すぎて、これが中間選挙前の政府と与党・共和党による策謀ではないか?と疑われるほどとなっていますので少々考えてみたいと思います。

中間選挙の年の相場は弱含む、という経験則で先物を売っていたヘッジファンドの買い直しから始まったこの上昇ですが、このヘッジファンドの動きというのは先の原油相場の急騰から下落を演出した、その手法から学ぶことが出来ます。
ヘッジファンドにとって『少しの期待』があれば、後はレバレッジをかけて上昇を演出してきます。皆がこの『少しの期待』に乗っかってくれば相場は上昇し、大きく値を下げることなく上昇します。新興国の需要が旺盛で原油が足りなくなる、原油の精製量がタイトで供給が追いつかない、ハリケーンが来る。以上が原油相場を上昇させる『少しの期待』ですが、これが現実でなくとも関係ないのです。実質的には40ドル台と言われていても、70ドル台後半まで引き上げる力があるのですから。

米国の市場でも今は「経済は減速するが、ソフトランディングする」、その期待が上昇を促しています。企業でも貿易が好調で好決算を導き出していますし、この動きは中間選挙前後まで続くと考えています。中間選挙の時に少し世界が動く気配もありますから、そこで基調が変われば上昇も一服するのでしょう。
米FRBもこの上昇を警戒していても手が出せないのは、米国経済は確実に減速しているからです。本来、ここまで来るとファンド退治に動きそうなものですが、そこを叩くと一気に下落する可能性もあり、切歯扼腕している状況なのでしょうね。

日本はこの動きについていけていませんが、決して出遅れではありません。金利上昇局面の日本と、金利上昇が止まり下落も視野に入れた米国とでは基礎的条件が異なります。それ以上に、今の日本企業の好調を支えているものが世界同時円安なので、これは安閑としていられない事態でもあるのです。
世界からもこの円安については苦言が呈されている中、それでも円安進行が止まりません。前に日銀が円キャリートレードに注意すると発言し、やっと日銀も重い腰を上げました。ですが、世界の金余りを生んできた一因でもある円キャリートレードを規制すれば、四月の世界同時株安と同じ状況を招きますので、強い規制はとれないのでしょう。
米FRB委員の言葉で「世界との連動性が増す中で、経済が難しくなっている」とするものがありました。まさにその通りで、日銀の判断も重要な段階に来ています。世界との距離が縮まった経済、日銀としても『大人の判断』が求められているのだと思います。

analyst_zaiya777 at 21:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2006年10月26日

郵政民営化反対派の復党問題について

自民党、郵政民営化反対派の復党問題で自民党内がゴタゴタしています。来年の参院選に向けて、民営化反対派で自民党を追い出された人たちが持つ集票力を利用したい参議院側と、そうなれば次回の選挙に出馬することすら叶わないかもしれない、新人議員との間の綱引きです。これに小泉チルドレンの生みの親、小泉氏と武部氏が新人議員の味方につき、お互いの力関係はかなり接近しているのだと思います。

しかしこれを有権者側から見れば、「何を馬鹿なことをしているのだろう?」というところでしょう。選挙に勝つためだけに郵政反対派を公認せず、都合が悪くなれば公認する、では騙されたと感じる人も多いことでしょう。
更に郵政を民営化することは決まっていても、これからその形、運営方法を造る過程にある訳ですから、ここで民営化反対の議員を取り込めば議論が誤った方向に進みかねません。郵政民営化の是か非か?で二者択一を国民に迫った後で、民営化の後の形は是でもなく非でもない、というのでは何のための選挙だったのか?を改めて考え直す必要が出てくることになるのです。

この問題に関して安倍氏から積極的な発言が見られません。これは先の補選で明らかになったように、安倍氏に意外と集票力がないことが明らかになりつつあるために、安倍氏の発言権が小さくなっていることから起こっている問題だと考えています。
更に官邸主導といいながら、官邸内に纏まりが欠ける部分が散見されます。結局、安倍氏に期待された集票力がない、と判断された段階で安倍氏の自民党内の立場は一気に悪くなる訳で、後ろ支えをするべき森氏、小泉氏に支える力もありません。何故なら小泉氏は党内基盤を持たないことが人気の一因であり、森氏も今では引退間近で権勢もありません。第一派閥となった森派でも意見は様々であり、ここで中川幹事長が何らかの醜聞で倒れると、安倍政権は一気に脆さを露呈する可能性もあるのです。

選挙に勝つ、という目的のためだけに擁立された安倍政権ですから、その前提が崩れることは、更なる閣内不一致を生むのだと思います。今の安倍氏の態度はそれを恐れるあまり、結果として自主性のない政権にしか見えなくなっているのです。
政権をとるためには勝たねばならない、というのは確かに政治の世界の正義でもあるのでしょう。ですが、それが大きく有権者の期待を裏切るものである場合、しっぺ返しを受けるのは自明のことです。党利党略にばかり眼が向いているように見える安倍政権に、期待をかけることは難しいのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:39|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

韓国の動きが活発化2

昨日、韓国についての記事を上げた際、韓国について『もう少し悪い観測もある』と記載しました。早速その日に北朝鮮が「韓国が経済制裁を行うなら、6・15南北共同宣言の全面否定、同胞への対決宣言として相当の措置をとる」と警告が発せられたようです。私の指す『悪い観測』とはまさにこのことでしたたので、続きで少し考えてみます。

北朝鮮の核実験の後、「最も危険に晒されているのは日本だ」と仰る方もいますが、これは現状認識において少し甘い点もあるのだと考えています。以前も述べましたが、暴発する場合には韓国は同胞だから攻撃しない、中国やロシアは遠慮して攻撃しない、などと考えられる間は決して暴発することなどありません。
更に日本の後ろには米国の影がちらつくことから、日本に向けて核ミサイルを撃てば自国が滅ぶのは明白です。米国のベース統合参謀本部議長が述べているように、北朝鮮が弾道ミサイル攻撃に着手する気配があれば、精密誘導兵器ではなく徹底的に打撃を与えるアンカーバスターなどが北朝鮮を襲います。そうなれば民間人を含めて、北朝鮮は復興できないほどの打撃を受けることになるのです。

こう考えれば、日本のみを照準とする攻撃に至る可能性は少なく、北朝鮮が暴発する時には、周囲の国全てを道連れにするぐらいの覚悟がないと出来ないことになります。ですが仮に韓国が経済制裁に踏み切り、北朝鮮が苦しい中でほんの少しだけ延命を考えた場合に、異なる手段が残されていることに気付くのです。
つまり電撃作戦で韓国に攻撃を仕掛け、物資を略奪するという戦法が北朝鮮には残されています。日本や中国に攻め込めば即戦争となりますが、韓国に攻め込んでもこれを民族同士の争いだとする理屈を通せば、北朝鮮も少しの時間は稼げることになるのです。

当然、そんな理屈が通るはずもなく北朝鮮は崩壊しますが、この時点で最悪な状態を向かえるのは韓国です。宥和政策のお返しに武力侵攻では、国民に対して説明が出来ません。つまりここで経済支援などを滞らせれば北朝鮮に恰好の口実を与え、続ければ世界から見放される。ノ・ムヒョン政権は板ばさみの状態になってしまったのです。
今日、北朝鮮の偽札が約2200万ドル流通したと明かされました。この額が事実かは分かりません。ですが、そうした疑惑のある国に支援し続けたツケだけは、韓国も払わされることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

韓国の動きが活発化

北朝鮮の核実験問題で、韓国の動きが活発化してきました。ノ・ムヒョン政権としては既にレッドゾーンに入り始めた支持率。太陽政策の失敗のツケを如何にして挽回するのか、という点で考えると非常に危惧を抱かざるを得ない動きとなっています。

まず米国が『核の傘』の問題で韓国と距離を置いたことがあります。北朝鮮支援のノ政権が、自国の優越を主張するあまり嫌米、嫌日を展開して独自路線で動こうとしたことに対する、米国からのペナルティの側面もあるのでしょう。
韓国では有事統制権などの問題も有り、独自路線を突き進もうとしていました。それが北朝鮮の核実験で、不意に有事の問題が沸き起こって米国に頼り始めました。これでは外交としては三流で、あらゆる事態を想定して諸外国と対していく上で、態度を豹変させて卑屈になるなど、最悪としかいえない状況です。

ノ・ムヒョン政権ではこの米国との『史上最悪な協議』に携わった、ユン・グァンウン国防省が辞意を表明し、更に統一相のリ・ジョンソク氏も辞任します。これは側近を切ってでも体制を維持するための、必死の策でしかありませんが、逆に考えれば自ら失敗を認めた形でもあります。大統領制なのですぐに体制に変更はないのでしょうが、これで現体制が死に体になったことだけは確実なのでしょう。
私が危惧を抱くものとは、国連事務総長に決まっているバン・ギムン外交通商相が中、露、仏を訪問するとの記事があったことです。安保理常任理事国の訪問、と考えれば特に問題視することはありませんが、この時期にこれらの国への訪問だとすると、少々考えなければいけないところでしょう。

つまりこれは北朝鮮支援に向けての、中、露、韓の三国協調体制を築く目的での動きだと考えられます。この段階に至っても尚、北朝鮮支援を継続する姿勢を明確にするのではないか?と考えるならば、韓国は世界との溝を更に深めてしまうことにもなります。
世界と違う動きをすればどういうことになるのか?そしてそれだけの戦略を持って韓国が動いているとは、先の米韓の協議を見ても到底思えません。目先、北朝鮮が崩壊しないために、ということで動いているとすると、北朝鮮ともども孤立化の道を歩みます。結果、韓国が苦しめば東アジア圏が動揺し、何時まで経っても安定しないことになるのでしょう。
他国の心配をしても仕方ないですし、韓国に対してもう少し悪い観測もあるのです。が、今はやめておきます。韓国も『世界』との付き合い方に慣れていない、という意味では外交下手なのは仕方ないのかもしれませんね。

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2006年10月25日

『世界史』必修科目を履修せず

先日発覚した富山県立高岡南高校の必修科目を履修せずの件、今日になると岩手、福島、そして愛媛でも同様の状況だということが次第に明らかになってきました。これは今後も拡大する可能性がありますし、すでに卒業してしまった生徒についてどうするのか?ということも含めて、検討しなければならないことが多そうな問題です。
何しろ学習指導要領は拘束力があるにも関わらず、それを学校側が無視していたことになり、あえて無視していたのだとすればこれはかなり問題のある行為です。大学受験を控えたこの時期に生徒に無駄な負担をかける。結果として最悪な状況です。

教育再生会議における議論にしても、人数が多すぎて全体会議の回数は少なく、部会で調整するという方向になるようで、それで何処を目指すのかも今ひとつはっきりしないところがあります。ただ教育バウチャー制度などをみると、これがあまり良い方向に向かわないのではないか?ということが心配になるところです。
以前も取り上げたことがありますが、学校は地域社会の構築に必要なものです。教育バウチャーなどは地域社会に関係なく、良い学校を選ぶという、民でいう競争を前提とした制度です。地域によっても事情が異なりますし、更に安全を担保するために地域社会に頼っている現状で、地域社会を壊すことにも繋がりかねません。

教育再生で語られなければいけないことは、『学校間競争』ではなく、『学校内競争』なのだと思います。習熟度に応じてクラス分けを行い、その生徒に合った授業を行う。これに対して差別に繋がり、イジメを助長すると反対する人もいますが、では今の学校でイジメがないか?と言われればそんなことはありません。
習熟度に差があれば理解度も異なり、これでは同じクラスで授業を受けても意味がありません。結果、塾があれば学校は要らない、という極論を展開する人までいます。塾の方が受験に応じた授業をしてくれるのでその方が良い、となります。今回の問題でも、教員の方が「この辺りに塾がないから」という言い訳にも繋がるのです。

今回の問題でも、「公教育が学習塾のようになっている」という評論家の意見がありました。ですが、今の政府が目指しているものは『学校間競争』であり、むしろそうした私営の塾のような状況を目指している、ということは紛れもない事実です。
必修科目を教えないのは問題ですが、それ以上に公教育と言えども競争社会の中で生徒のニーズに応える、そうした方向に今後は益々進んでいくのだと思います。競争は結果的に廃校などを生みます。今の教育再生会議が、後に学校再生機構などに名前が変わり、学校の支援や整理などに奔走することがないよう願うばかりですね。

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2006年10月24日

衆議院補欠選挙、及ばずながら総括してみます。

先の衆議院補欠選挙。自民党の勝利で終わりましたが、この選挙には日本が抱える課題も多く見られた気がします。少し時期が遅くなりましたが、沖縄県知事選や福島県知事選なども控えていることですし、統括として少し見直してみたいと思います。
開票日当日の夜に私はこの選挙を『民主党の一人負け』と記載しました。これはどちらが勝っても負けても、『○○の負け』となるだけの敗因だけが明確だった選挙戦だったと言う意味です。つまり勝因として挙げられるようなものは何もなく、結果として浮動票が動かずに組織票ばかりが目立った、そんな選挙でした。

北朝鮮問題が沸き起こる中での国政選挙ですから、焦点は多いはずです。ですが、国会で論議されることは『周辺事態法』の適用が可能かどうか?という本来の意味での国防とは、全く異なる議論にしかなりませんでした。ではどうすれば国が守れるのか?という議論は、結果として与党からも野党からも出て来なかったのです。
一部の『核武装議論』にしても、では非核三原則を見直すのか?というとそうでもなく、当然合わせて議論されるべきNPT脱退については明言すらしない。だから私はこれを『為にする議論』として断じました。それが外交カードとして通用するなどと考えていたり、国民コンセンサスを得るための第一歩的な意見の投げ方は、国としてとるべき態度としては到底容認し得なかったからです。

ここで北朝鮮問題は選挙の主要な焦点から外れました。与党も野党も北朝鮮に対して具体案は出せませんでしたし、更に法的な解釈論は難しく、それでは有権者にアピールできません。首相就任前は外交で強気だと考えられていた安倍首相への失望感と、民主党の中に潜む不協和音と力不足を感じさせる党首討論。どちらも無党派層の選投票所へと向かう足を遠退かせたことは、確かなのでしょう。
結果として支持政党のある人が投票所へと足を運び、更に創価学会員の献身的な選挙応援態勢により、今回自民党が勝利を得た訳です。投票率が低くなれば強固な支持基盤を持つ方が強い、という日本の選挙の悪い部分が諸に出た形が今回の選挙です。

ですが、すでに教育基本法や先延ばしされたと言われる共謀罪に至るまで、今後出てくる法案はどれも重要であり、更に焦点とならなかった北朝鮮問題にしても、対応如何によっては日本に対する危機ともなり得るものです。
この段階に至っても尚、政治が国民にアピールする力が無い、というところに今の日本の問題があるのだと考えています。官邸主導も良いのですが、安倍政権が率先して諸問題を国民の前にさらけ出し、議論を深めてこそ国民の政治への関心も高まります。単に選挙に勝利したと言うことではなく、安倍政権にはしっかりとこうした問題点を踏まえて、今後の政権運営を考えて欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:44|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

地方行政における百鬼夜行

地方行政で不正などの情報が続いています。福島県の佐藤知事による談合事件。和歌山県談合事件。更に奈良市の職員が8日しか出勤していないのに、ほぼ満額の給料を受け取っていたとするものまで、耳を覆いたくなるような事件ばかりです。
自民党内では早くも知事などが長期間の任期にいたることに、制限をかけようとするものが検討されています。ですが、先の福島県の佐藤知事は民主党からの公認を受けなくても県知事に選ばれているのであり、政党の公認など長期政権になれば知名度の点から関係ないということなので、政党の態度など関係なしなのでしょうね。

この奈良市の職員の問題では、この職員が部落解放同盟の肩書きを持っていたとも伝えられており、問題の根は深いのだと思います。これは大阪市など先の同和行政と同じ構図であり、部落解放同盟に絡む問題に発展しそうだということです。
更にこの職員は市の発注工事の談合にも関与している可能性があり、問題は医療診断書などの公文書偽造と、給料などの詐欺行為に関わらず、これもまた談合事件に発展するかもしれません。市の職員として市役所にも出入りしていた人物ですし、市の発注工事にも注文をつけていたようですし、それを受け入れていた行政含めての問題として、今後も追及されていくのだと思います。

一般的にメディア批判をする人がいますが、私は今のメディアの必要性はこうした問題の時に垣間見られるのだと考えています。つまり行政などが自浄作用をなくし、更に縦割りの行政機構の中で、警察も同じ行政機構に介入し難い状況にあって、こうした不正を広く社会の目に晒すという位置付けです。
世論形成を為して警察などが介入し易くし、行政の中の深い闇の中で私腹を肥やしている人間を世間の耳目に晒す。報道がもつ正義はここにしかありません。だからこそ報道機関は誰よりも早く情報を目にする機会を得、また行政などにも深く追求していく特権を有するのです。

今の報道機関の姿勢が完全に公正だとはいえませんし、ある意味で偏った意見も見られますし、問題のある報道が多いのも事実です。ですが、報道機関が警察より先に不正を追求していく限りにおいては、それは社会正義として肯定できる態度でもあります。
色々な意味で行政の中に溜まった膿は、腐って自身を崩壊させるまで気付かないほどに、根深いものになってしまっています。それを暴くためにも、様々な機関が行政に目を光らせ、不正の根を絶つことを私は切望しています。

analyst_zaiya777 at 22:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 地方 | メディア

経済の話2つ。携帯電話、消費者金融

経済の話を少し。24日から始まるナンバーポータビリティ制度。それを目前にしてソフトバンクから「予想外割」と呼ばれる、新サービスが発表されました。これは同じソフトバンク携帯内の通話やショートメールを無料とするサービスです。
ただこれは課金制度として従来あった、無料通話分の割り当てを自社内の通話に割り当てただけとの指摘も有り、実際にこのサービスで「ナンバーポータビリティ制度を利用する八割の人がソフトバンクに流れるのではないか?」とする、孫社長の読みには少々甘さもあるのだと感じてしまいます。

元々、このナンバーポータビリティ制度を導入しても、それほどの地殻変動は起きないと私は見ています。電話番号だけでなく、メールアドレスも移動できれば別なのですが、そうではありません。一部では携帯電話会社とは異なるアドレスを提供するものもありますが、そうでない限り、移動する積極的な理由は見られないからです。
「大人を目指す」と言っていたソフトバンクの戦略変更だけに、「大人になりきれない」とも言われていますが、大人の判断としてこの戦略が収益基盤に与える影響を考えなければいけないのでしょう。このサービスでも利用者が増えない場合、既に事業の証券化などを行っているだけに、その収益基盤を揺るがしかねません。ここでの失敗は経営圧迫に一層の拍車がかかり、ソフトバンクを苦しめることになるのです。

次に消費者金融のグレーゾーン金利について、一部の雑誌に紹介されていた記事です。それは消費者金融には多くの米系の投資が流れ込んでいたために、自民党内に米国財務省から圧力が強まり、収益基盤に影響を与えるグレーゾーン金利の廃止に待ったがかかった、とされているものです。
確かにグレーゾーン金利の撤廃は、諸に消費者金融の収益に影響を与えます。更に昨日、利息制限法に基づく上限金利を越える分に対して、消費者金融が過払い金の返還に備えて引当金を積み増し、今期は赤字になる可能性が出てきました。消費者金融の凋落は目に見える形で明らかになってきた、ということでしょう。

ただこれを深読みすると、一部の銀行のように単年で赤字を計上しておき、業界再編などを促して後に収益性が高まっても、繰越を使って収益と相殺して税金を逃れるためとも考えられます。更に未だに外資系の強い消費者金融では、日本で苦難に陥っている人の存在など、自分たちの利益の前にはちっぽけなものなのかもしれません。この業界の動きには、今後も気をつけておかないといけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 00:12|PermalinkComments(1)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加

2006年10月23日

世界における日本の立ち位置

ディープインパクトがフランス凱旋門賞に出走した際、禁止薬物を使用していたとされる問題があり、今日は天皇賞を回避とも伝わってきました。調整不足とのことですが、調整し切れなかったのは人の心のような気もします。私は競馬についてあまり詳しくありませんが、ディープインパクトの問題で世界と日本の関係について考えてみようと思います。

サッカー人気が盛り上がり、Jリーグ創設などの際に喧伝されたものは「サッカーは世界的なスポーツだ」とされるものでした。また野茂氏がメジャーリーグに移籍するなど、日本人はこの頃から『世界と戦う日本人』を意識し始めたのだと考えています。
この『世界と戦う日本』という構図は別の側面も持っていて、それが世界の中で日本がどういった立ち位置なのか?という個々人にわたる意識を芽生えさせることに繋がりました。世界の人から日本人がどう見られているのか?世界の中での日本の順位がどうなのか?そうした問題に直面した結果、『日本』のアイデンティティとは何か?という根本的な問題について、多くの人が考え始めるようになったのです。

それまでの時代は言わば狭い、国内だけに人々の多くの眼が向いていた気がします。景気は順調に拡大し、政治は自民党の一党独裁で変革がない。社会的な不満も国内運動だけに終わり、総じて日本の社会は世界を意識しない内的な時代を過ごしていたのです。
そうしている内に日本人が豊かになり、テレビでも世界の情報が流れ、日本と世界との距離を感じ始めた時、スポーツの世界が一気に世界を相手にし始めたことで、日本人の中に『対世界』の思想が一気に広がりました。それが世界で活躍する日本人を応援するという段階に昇華し、フランスの競馬場でも日本人ゲートができると言う、大騒ぎにも繋がっているのだと考えています。

これを否定するつもりはありません。世界を意識することは良いことですし、世界で活躍する日本人選手は、私もどんなスポーツにも関わらず応援しています。でも今は少し、国民が意識を過剰にしすぎている面も否めない事実かと思います。
日本人の民族性だと思いますが、今回の禁止薬物の問題でも「馬には罪がない」として冷静に対応しています。ですが、仮にこれが人が争う競技であった場合どうなのでしょう?それを考えると少し不安にもなります。応援していた自分を正当化するためにも相手を責める、今のネット社会の一端のように見えてしょうがないのです。
日本が世界との付き合い方に慣れるまでは、もう少し時間がかかるのでしょう。日本人としての世界との立ち位置が決まるのは、日本人がどんと腰を下ろして世界との関係を築けるようになってからなのですから。

analyst_zaiya777 at 21:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 海外

2006年10月22日

衆議院議員補選、2つとも自民党勝利

衆議院補選、神奈川、大阪とも自民党の勝利となるようです。最終結果を見ないと何とも言えないところもありますが、北朝鮮問題に対する民主党内の分裂に、有権者の票も集まらなかったというところでしょう。投票率も低かったので、公明(創価学会)などの絶対支持層のいる方が強い、ということになってしまったのでしょうね。

今回の補選の前には自民党もかなり失態を演じました。中川政調会長の核武装を議論で、国民の核アレルギーを煽ってしまう可能性もあったのですが、意外だったのは国民が冷静にそれを受け止めたことです。それだけ北朝鮮の核実験が国民に与えた不安が大きかったのか?それとも、安倍政権では敵基地の先制攻撃論もある中で、むしろ自然な流れと受け止められたのか?
先に麻生氏が議論封殺には屈しないとの発言もありましたが、核武装は議論するだけでも日本が失うことは多いのですから、安易に議論の俎上に乗せるべきものでもないはずです。今日午前のテレビ内でも舛添氏が明解に否定していた通り、自民党内でも意見が様々ですし、議論するだけでも国際問題として処理しなければなりませんから、より慎重であるべきなのです。が、今の日本にこれを冷静に考えられるだけの下地もないということだと、少々危険な状況なのかもしれませんね。

選挙の話に戻ると、武部氏がまたしても問題発言を行ったり、中川幹事長と世耕議員の和歌山談合の当事者との接待ゴルフなど、自民党の醜聞もチラホラ目立ちました。更に先に政府関係者から「北の再核実験がない」としたものを、ライス国務長官が否定するなど、微妙な米国との協調関係を危惧する事例も垣間見えました。
ですが結果だけをみると、国防という危難にあたり党内の意見調整も果たせず、党首討論でも凄みもなく終わった民主党の一人負け、というところなのでしょうね。つまりこれだけ失態をさらけ出した自民党に、突っ込んでいけなかった民主党の不甲斐ない部分が目立ったという選挙なのだと思います。

一方で、この選挙で自民党が勝利したことで、小泉政権時代に先送りされた問題議案の数々が通り易くなったことは確実でしょう。注意しなければならないのは、今の政権与党には強引でも政策を押し通す数の力があることです。来年の参院選挙後まで引き伸ばすのか?半年以上もあるからここでゴリ押すのか?だとすると、私はこの段階で強引に可決する可能性が強まったのだと考えています。何しろこれで安倍政権が国民に信任された、と自民党は強気になりますからね。今後の国会の動きは注視しておいた方が良いのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

イジメについて考える

『イジメ』が社会問題化してより後、やっと文部科学省がその実態把握に動き出すようです。ここまで腫れ物に触るようにして実態把握を現場任せにし、実態すらつかめないままに問題意識を持つこともなく、今まで来てしまったことによる世論の風当たりが強くなったため、と言うのでは何ともさびしい限りです。

これは私の周りで起こった事実ですが、小学生の頃、ある男の子がいました。丸々と太った子で同じクラスにもなりましたが、友人と呼べるほど親しくはありませんでした。そのため、クラスが変わって以降疎遠になってしまいました。
中学の頃、彼を見たとき私は驚きました。げっそりと痩せており、病的な顔をしていたのです。人伝に聞いたところによると、イジメられて精神的に追い込まれていたそうです。そして高校も卒業して数年後、その彼は飛び降り自殺して亡くなったそうです。

こうした事例の場合、イジメが原因での自殺とは数えられないでしょう。ですが、イジメによって受けた心の傷で、精神に異常をきたして後の生活にも支障をきたし、自らの命を絶つような場合も追って調査すべきなのでしょう。
幼少期、及び青年期に受ける精神的な苦痛や緊張は、後の人格形成に大きな影響を与えます。今回の福岡の問題のように、教師がまるでテレビの芸人のように相手を弄って笑いをとり、人気を博したような場合は多くの生徒に人気が出るでしょうが、槍玉に挙げられた生徒にとっては、深い心の傷となってしまうでしょう。

この問題の解決には、まず『逃げ場』が必要なのだと思います。イジメられた生徒にとって、親、教師、教育委員会、どれもが信用するに足らない場合の、受け皿をきっちりと作ることなのだと思います。それは文科省の管轄以外の第三者機関が良いのかもしれませんし、児童福祉施設などがその任に耐えられれば良いのですが、今のところ関係機関の位置付けが曖昧で、受け皿とはなり得ていないのです。
本質的には人間がイジメをしない社会になれば理想ですが、理想を追い求めたところで現実には合致しません。だからこそ、文科省が本腰を入れないと、この問題は解決せず、何時まで経っても問題なしとしてしか処理されないのです。問題意識を持つためには現状認識が第一歩です。それを考えて文科省が対応して欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 11:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2006年10月21日

中国・唐国務委員の訪朝で進展なし

唐国務委員の訪朝の結果が、徐々にではありますが明らかになってきています。北朝鮮のキム氏からは具体的な提案はなく、米国の金融制裁の解除を要求したことと、核実験の計画がないと述べたことが注目でしょうか。
キム・ジョンイル氏が「核実験の計画がない」と述べたものは、一度目が失敗だとされていることと、世界情勢があまりに非難一色となったため、躊躇しているのだと考えられます。これが「実施しない」という文言であれば特筆なのでしょうが、計画という文言に留めたところに、北朝鮮内の変化はないと言えるのでしょうね。

米国の出方として、金融制裁の解除は国内法の問題としています。偽ドル、偽タバコ、どちらも米国の経済を揺るがす問題であり、それを蔑ろに出来ないとするものですが、これで六カ国協議の開催はさらに遠退いたことになります。
北朝鮮にとって、六カ国協議で話し合うことは何もありません。何故ならバーターできる条件がなく、どの条件を提示しても国の崩壊を早めるだけに終わります。それだけ核実験というカードはギリギリであり、核放棄を宣言しても信に足らなければ拒絶されるだけであり、実効性のあるカードはむしろ切れない状態なのです。

ですから、北朝鮮はそこに至る前に米国の金融制裁解除の約束を取り付けたい訳ですが、米国としても金融制裁さえ続けていれば勝手に崩壊する、そんな北朝鮮にあえて飴をくれてやる必要もありません。六カ国協議も中国主導なので、米国としてはどっしりと構えています。この問題が長期化しても米国の外交上の失敗とならず、体面上の問題は何ら傷付かないのですから、ライス長官を派遣して一定の行動を示しているのみです。
米国がのんびりと構えているもう一つの理由は、先の唐国務委員の米、露訪問で、北朝鮮有事の際は中国軍が乗り出すという約束を取り付けているからでしょう。米国主導で北朝鮮問題に取り組まれることは中国としても避けたい。結果、暴走するのであれば中国が北朝鮮に乗り込む、こうした約束が米国の動きを鈍らせているのです。

今回の件で一番頭が痛いのは中国ですから、やはり中国が動いてくるという読みが働きます。唐国務委員の訪朝でも開かなかった北朝鮮問題の解決への扉、さて中国の次の一手は何か?非常に興味がもたれるところですね。

analyst_zaiya777 at 18:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2006年10月20日

政府税調会長に本間阪大教授が内定

政府税調のメンバーが決まりました。異例だったのは財務省の事務局が決めた人事を安倍氏が蹴り、官邸主導の体制を目指したことです。会長に本間阪大教授、その他の委員は学識経験者で固め、経済界からは特別委員として議決権のない割り当てしか与えられませんでした。つまり、慣習は撤廃した訳です。
これは一見すると好感できます。まず財務省が目指す増税の議論が、完璧に封殺できるからです。本間氏は法人税優遇などの景気拡大により、増税することなく国の税収を上げることを目指す、竹中氏と極めて近い考え方の持ち主です。というよりも、竹中氏を政府側に引き合わせた人物とされており、むしろ竹中氏の考え方も本間氏に影響されている部分がある、と考えられるほどの人です。

これで官邸が目指す経済政策が、大田経済担当相を初めとし、税制面からも竹中路線として本間氏が支援する、強固な体制が作り上げられました。確かにこの法人税の優遇などの措置で景気が拡大を続け、税収が増えるのであればこれほど素晴らしいことはないのですが、ではそれが上手くいかなかった場合、一体誰が舵を切り直すのかという問題になると、これだけ一方向に偏ったメンバーではそれも難しくなります。
竹中氏の経済路線で、ここまで日本は借金を増やし続けてきました。やっと経済が上向いて…、と言うのではなく、現在景気は『いざなぎ越え』を目指す局面であるにも関わらず、です。ここまでは世界経済の拡大と共に歩めたので日本も回復しましたが、ここから果たして竹中路線で大丈夫なのか?不安を抱いてしまいます。

米国経済がソフトランディングする、という楽観論が今は経済を主導しているため、来年の世界の姿が見え難くなっています。私は来年の世界経済を楽観視しておらず、そのため抱く不安なのかもしれませんが、国の借金が確実に増えている時に法人税減税を言い始める政府税調には、正直ついていけないものを感じてしまいます。
教育再生会議のメンバーの選定方法も、今ひとつ釈然としないものを感じますし、官邸主導といいながら今回も竹中路線を追うだけになっています。更に今日、中川幹事長が和歌山県談合で逮捕された井山氏から接待ゴルフを受けていたとの報道もあり、人事面での冴えが安倍氏には無いのが、更に不安な気持ちを抱く原因なのでしょうね。

私事ですが風邪がひどくて今日はもう寝ます。皆さんも風邪には気をつけてくださいね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2006年10月19日

会計検査院の報告、各種ありました

昨日、会計検査院から幾つかの報告が為されました。まず政府系金融機関の積み立てた貸倒引当金は、民間換算で1兆6000億円を越える不足が生じていたとするものです。これは簡単に言えば、身内に甘い体質が露呈した形で、竹中金融再生プログラムの中で、民間金融機関は貸倒引当金の積み増しで経営を圧迫されました。なぜ政府系だけが甘い査定だったのかは、徹底的に追及されなければなりません。
なぜなら、現在三大銀行は公的資金を完済し、更に巨額黒字を出しながら未だに納税義務を免れているという実態があり、これは金融引き締めの過程で出した赤字との相殺分で納税義務を免れているからです。その全てではありませんが、この貸倒引当金の積み増しを政府が金融機関に迫ったことも、赤字となった一因にあるからです。
つまり政府が民の査定を厳しくした結果が納税などの免除に繋がり、国の税収を圧迫している、その裏で身内だけは甘かったというのでは、話の筋が通りません。政府系金融機関に今後、公的資金が注入されることに警戒しておく必要があるでしょう。

次に2004年の特別会計で、使途が定まらない資金が2兆4000億円あるとのこと。それでも一般会計への組み入れに抵抗がある。そんな財務省の体質についてです。以前も財務省の言い分は否定したので繰り返しはやめますが、特別会計は全て一般会計と纏めるべきであり、その中で資金繰りを考えるべき時が来ているのです。

更に地方公務員の2004年の特殊勤務手当で々餡噺務員にない手当、給与と重複するもの、F割りが適当なものを月割りとしていたもの、あわせて660億円が使われていたとするものがありました。言わばこれは無駄な経費であり、税金がどのように使用されるかを観測する上で、とても重要なことでもあります。
先日、自民党の舛添参議院議員が某テレビ番組内で、「小泉氏は官の側の改革にはほとんど手をつけていない」と発言していました。五年も続いた小泉政権でも、官僚の特権だけは継続して確保されてきました。そこにメスを入れない限り、「無駄を省く」とする文言は見掛け倒しに終わると考えています。

最後に、別のテレビ番組内で官の無駄を取り上げていた際、それは福祉厚生の話だったのですが、官が優遇されていることについて、「これはモデルケースだから、民も見習うべきだ」との官の側の発言がありました。
それを官の側がモデルケースというのなら、その費用対効果を算出し、それを民間に推進することで初めてそう言えるのです。それも出来ない、費用対効果など出せば税金の無駄遣いが明白になってしまうから出せない、という官の側の理屈によって、この国はダメになっているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

今後の北朝鮮の行方を考える

今後の北朝鮮の事情について考えてみます。まず、北朝鮮は全ての核のカードは切り尽くしました。現状の世界の反応を見る限り、2回目、3回目の核実験は自爆行為であり、核の持つ『威嚇』という名のカードは、既に何の意味も持たないことを気付かされたでしょう。この段階で、研究という名の核実験は既に無意味であり、今度もし核実験が行われるとすれば、それは最早実戦装備を想定しているとしか思えない、それだけ北朝鮮は追い詰められているのだと思います。
昨日の記事で中国が北朝鮮崩壊のシナリオを描き始めている、と記載しました。これはキム・ジョンイル氏も敏感に感じ取っていることであり、中国の唐国務委員との会談には応じたようです。しかしここで六カ国協議への復帰、などが中国側から打診されたとするのは、少し早計な意見かと思われます。

キム・ジョンイル氏の意向や政権内の『文』と『武』との綱引きにより、六カ国協議での約束は悉く破られ、最早この六カ国協議における北朝鮮への信頼はありません。ここで仮に六カ国協議に北朝鮮から外相クラスの出席を取り付けたとして、話し合うようなことは何もないでしょう。
核の放棄、その文言の中に正当性が生まれるためには、北朝鮮が国内の情報を全て開示し、査察などの受け入れを認めるしかありませんが、それを約束してしまえば国は終わります。つまり北朝鮮にとって、諸外国から受け入れられるような提案は出てこない、むしろ出ることを期待することが出来ないのです。

中国軍が中朝国境付近で軍事演習を行っており、ここから中国軍が動けば確実に北朝鮮は崩壊します。対米、帝国主義の打倒を目指してきただけに、同胞であるはずの中国軍を、北朝鮮軍は受け入れてしまう可能性すらあります。軍にとって米国、もしくはそれに従属する軍以外には抵抗性がなく、戦闘意欲すら湧かない可能性もあるのです。
しかし昨日も述べたように、中国も軍による解決は出来る限り避けたいため、今回は亡命(に類する話)を提案したのだと思います。中国としてはキム一家を抑え、次期政権にも影響力を持ち続けたい。そのため軟禁、拘留する算段でしょう。これを受け入れるかどうかですが、今のキム・ジョンイル氏に何処まで冷静な判断力があるのかでしょうね。

北朝鮮もミサイルを準備しているとの憶測記事もあり、今後の出方は微妙な段階に来ています。私は北朝鮮からキム一家が消え、中国が査察を行って北朝鮮の核放棄を宣言する、そんな日が近いと推測していますが、さて?

analyst_zaiya777 at 21:14|PermalinkComments(0)TrackBack(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

ライス長官来日。思惑と各国の事情

風邪を引いて体調が悪いのですが、頑張ってもう一つ記事を上げたいと思います。まず今日の党首討論、恐らく自民党・安倍氏の側は無難にこなせたということで、緒戦は勝利といったところだと思います。どうも民主党・小沢氏は『舌鋒鋭く戦わす』というよりも、『教え諭して大人の風を装う』という戦略のようですが、それをどんな想定の下で行っているのかはわかりませんが、党首討論の場としては物足りない印象ばかりを国民に植え付けてしまいます。
これでは選挙前で民主党にとって、マイナスになってしまうでしょう。何しろ迫力に欠けますから、集票にも勢いがつきません。これは推測ですが、派手に論戦を戦わすほどには、心臓が強くないのかもしれませんね。『心臓』というのは度胸ではなく、先に入院したことでも分かるとおり本当に心臓が弱っている、そういうことかもしれません。

ライス長官が来日し、麻生外務大臣と会談を行いました。どうやらライス長官の目的は、日本の核武装論封じといった側面が強かったのだと思います。日本の貢献などは電話連絡でも確認できる内容ですし、更に言えば東アジアを歴訪する、という行為自体が北朝鮮に対するプレッシャーになる、という算段もあるのだと思います。
一方で、中国の唐国務委員長が北朝鮮に渡り、2回目の核実験中止を説得しに行っているという記事もあり、米中会談の折にはその内容をライス長官に伝えるとも報じられています。ですが、先に私の記事で上げた通りの内容で中国が動いているとすると、もっと重要な内容を話し合いに行った、とする方が正解でしょう。親中派の動向とキム氏の態度の確認、ここでキム・ジョンイル氏が会談に応じない、2回目の核実験が実行される、などとすると一気に中国が動き出す可能性はあります。この辺りの動きは、色々な面で注視しておいた方が良いのでしょう。

もう一つ、思惑のあるのは韓国の動きです。「民間レベルの交流は妨げない」としていたノ・ムヒョン氏に対して、ヒル国務次官補が釘を刺す意見を述べています。恐らく、ライス長官も最近の韓国に対して苦言を呈することが予想され、更に関係がギクシャクするのか、それとも韓国が対北宥和政策を見直すのか、注目が集まります。
といって、ノ・ムヒョン政権がここで政策転換すれば野党の思う壺ですし、政治的に妥協も許されない状況もあるのだと思います。北朝鮮と同様、韓国側の政治事情にも要注目と言ったところでしょう。朝鮮半島情勢、まだまだ眼が離せないのだと思います。

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2006年10月18日

日立製作所・特許訴訟についての雑感

日立製作所で光ディスクの読取装置を開発した研究員による特許訴訟。最高裁による判決で、1億6000万円を越える支払いが企業側に命じられ、ほぼ原告の全面勝訴的な内容となっています。これが突っ込んだ判決だったのは、海外における特許に基づく対価も請求できる、という解釈を示したことでしょう。
この判決を受けて、企業側はさぞ怯えていることだと思います。俗に企業は研究対価として毎月の給料を払い、研究・開発する環境を与えており、それで発明された特許による対価を求めることは可笑しい、と言われています。企業も凡そその思考の下で動いてきていますが、この判決ではそれを根底から覆してしまっているからです。

ですが、昨今の格差社会を是認する意見の中で、『能力に応じた賃金格差がつくのは当然』というものがあります。この理屈に従えば、特許を得られるほどの発明を行った者には、その能力に応じた賃金としなければならないはずです。それを現状の日本企業では、数十万円の特別ボーナス以外、ほとんど差はつけてきませんでした。それが発明者の不審に繋がり、こうした裁判に至っているのだと思います。
そもそも論ですが、研究者や開発者は滅多なことでは会社の中でも出世しません。よって給与が高くなることもありません。これは多くの企業でそうであり、製造業でも営業畑の人間の方が、よほど出世する確率が高くなっています。能力以上に、今の日本企業と言うのは生み出す側よりも、交渉する側に重きを置いていると言えるでしょう。

そんな中でどんなに企業利益に貢献しても、その対価すら与えられず社会的地位も高くならない。それが研究者の叫びとして、今の訴訟などに至っているとすると、これは日本企業が抱える構造的問題ですので、これからもこうした裁判は増えていくのだと思います。賃金と人事の両面での不満なのですからね。
それだけに日本の企業は、必要以上に怯えなければならないのでしょう。こうした構造的な問題と共に、組合との交渉の中で賃金を決めたものとは別に、新たな成功報酬を与えないと、いつ優秀な社員から訴訟を起こされるかもしれないのですから。ですがこの問題に回答を与えていかないと、日本の産業界全体が疲弊することになります。雇う側と働く側が、より良い関係を築けるように全員が考える時期に来ている、今はそういった『社会の関係性』が変化しつつある時代なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 企業 | 司法

中国が描く北朝鮮崩壊へのシナリオ

中国が描き始めた北朝鮮崩壊へ向けての戦略、シナリオ。かなり現実味を帯びてそれが目前に迫っている印象を受けます。それが分かるのは中朝国境付近に築かれた鉄条網です。これは北朝鮮崩壊後に流動化する人民が、中国国内に流れ込み、それが流民となって治安が悪化することを恐れた、中国当局側の動きと考えられるからです。

まず中国が北朝鮮に見切りをつけたのは、中国の制止を振り切って核実験を実施したキム・ジョンイル氏への失望からです。ですが、ここで北朝鮮が二回目の核実験を実施し、国連が主導する形での軍事制裁への移行は中国側も望んでいないところでしょう。
何故なら、中国にとっては北朝鮮に存在するレアメタルなどの権利を失う訳にはいかず、更に国連主導となることで韓国などが民族統一の名の下に発言権を強めることを嫌っているからです。では北朝鮮が崩壊したとして、朝鮮民族悲願の半島統一がなるか?と言えばそれは非常に懐疑的だといわざるを得ません。

半島統一が為されないと言う理由は、現在の韓国に北朝鮮を支えるだけの経済力がなく、経済傾斜に耐えられないからです。しかも下手に統一し、離散家族の再会など人的交流を行えば、先に中朝国境付近での話と同じ、韓国側に北朝鮮からの流民が流れて、それがアンダーグラウンドに流れて治安が悪化し、収拾がつかなくなります。
よって今のひどい北朝鮮経済を支えられるのは、現在経済が好調な中国以外にないとすることで、中国は北朝鮮に影響力を持ち続けたいのです。では中国がどんなシナリオを考えているかと言うと、軍事介入せず、内部のクーデターでもない形だと考えています。

つまり北朝鮮内において自然消滅的にキム一家が消え、中国の影響力が強い政権の成立、それが中国の描く最良のシナリオです。これを中国側がクーデターとして処理したくないのは、やはり国連の干渉を出来る限り排除したいからです。そのため、暗に中国側の意図を汲んだ者により、キム一家の連行、もしくは暗殺が実施され、それを発表することなく、中国主導の次期政権が発足すると言う運びだろうと推測しています。これは最良のシナリオなので、事態の変化によっては違う道も考えている、それが中国軍の現状の動きと関係している、私はそう睨んでいます。
この時に、日本がこの北朝鮮崩壊のシナリオを、どう自身の国益に結びつけるかが重要です。米国追従だけではなく、中国との連携も視野に入れながら北朝鮮崩壊に備える。そんな戦略も必要なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 20:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

『周辺事態の認定』について考える

現在議論されている、北朝鮮の核実験に対して周辺事態と認定するかどうかについて、私も考えてみようと思います。自民党では周辺事態と認定できる、という方向性が強いようにも感じられ、民主党では「核実験だけでは周辺事態と認められない」という主張となり、与野党の見解が分かれた形となったようです。
まず周辺事態とは『日本の平和や安全に重要な影響を与える』場合に認定できるので、仮に北朝鮮から米軍が臨検などを行うと通告した際、明確に反撃するなどの宣言があった場合においては、周辺事態と認定できると考えています。ただ現在北朝鮮からは臨検などがあった場合、「宣戦布告と見なす」との文言が有り、この『見なし発言』をそのまま受け取っただけでの認定は、正直難しいところもあるのだと思います。

つまり民主党側の主張する「核実験など中国やロシアもやったので、それだけで周辺事態とするのは困難」という理屈も筋が通っていると考えています。一方で自民党で議論されるであろう事柄とは、周辺事態とは「事態の性質による」ものであり、中国、ロシアは日本を攻撃する意思を明確にしておらず、北朝鮮は日本攻撃を主張している、というところを落としどころになるのだと考えています。それ以外に、今回の事例で周辺事態とする根拠もありませんから。
現時点では米軍の動きがつかめませんが、中国が貨物検査に至っているので、米軍も追随せざるを得なくなっているのだと思います。これが中国側の戦略なら、米軍に対して海上封鎖など出来るものならやってみろ、と挑発しているのかもしれません。つまりイラクに派兵し、更に北朝鮮でも有事を抱え込めるのかというプレッシャーの中で、米軍を追い詰めていこうとするしたたかな戦略である可能性があります。それを受けて、ライス長官の動きと共に日本も規定路線で進みそうですけどね。

最後に個人的な感想を言うと、海上保安庁が不審船を追い駆ける時に銃撃を受けた場合や、沖縄沖の日本領海内を中国の潜水艦が曳航していた時でさえ、海上自衛隊の出動はありませんでした。それなのに米軍が臨検した結果反撃を受ける、それで海上自衛隊が出動する、そのようなことには違和感が残ります。
結果として不審船が拉致問題などを引き起こしたのであり、これらも日本の平和や安全に重要な影響を与えてきた行為です。その時と今回の件が如何に異なるのかを政府は明確に説明し、周辺事態の認定を行って欲しいと思います。日本を守る、日本の海を守るという姿勢を、日本政府としてどう主張するかが大事なのですから。

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2006年10月17日

日本の核武装は必要か?3

今までにも私は「日本の核武装は暴論」としています。繰り返しにならないようにしながら、今日はその補足としてのエントリーにしてみたいと思います。
まず日本で核実験の実施は不可能です。現在日本に溜まり始めている『核のゴミ』を何処に捨てるのか?すらまともに国会で議論できない国で、それが人里はなれた山奥であろうと、人が住んでいない離島であろうと、実験場所を設定するだけで反対運動などが起こり、国論を二分します。今でもその兆候が見られますが、国防が政争の愚になるのであり、それを与党も積極的に議論など出来ないのです。

日本が核拡散防止条約(NPT)を脱退する、という事態をどう捉えるかということも必要な考察です。日本がNPTを脱退すると宣言すれば、諸外国は日本との関係を考え始め、最悪は海外にある日本の資産の凍結や、企業の有する工場などの接収に至るかもしれません。今の北朝鮮を見ても分かるとおり、核武装が外交上のカードにならないことは明白であり、もしこれを外交カードとして利用すれば、その時点で日本が現在までに諸外国と築いてきた、その関係の見直しに繋がる問題にもなります。
『信頼のおけない国』北朝鮮が核を保有しただけで、世界がこれだけのアレルギー反応を示しています。日本がどれほど『信頼できる』国であることを強調しても、世界の日本を見る目は変わります。貿易国・日本として世界との協調性を欠く、NPT脱退とはそれだけの覚悟を日本に要求する問題だと考えています。

更に今の北朝鮮を見て核武装が必要、とする議論の中で感じることは、では一体いつまで北朝鮮という国が存在し、日本に核の脅威があるのかという時間軸に焦点を置いた議論が少ないことです。別のエントリーで考えたいと思いますが、中国が対北での態度を変化させ始めた今、北朝鮮の現体制の継続に疑義が生じているのも事実なのです。

仮に現時点では暴論でも、将来的には核武装も必要になる可能性を考えてみます。それは先に述べたように日本で核実験は不可能ですから、NPTが形骸化し、核ミサイルを直接輸入するか、もしくは技術供与を受けられるような場合に、初めて日本も核保有が可能となる時が来るのだと考えています。
ですが、その時は世界に核をばら撒いてでも尚、核保有国が外貨獲得に動かなければならないほど経済的に疲弊している状況であり、別な問題で世界が破滅に近い状況なのでしょうね。それはそれで恐ろしい世界ですし、その時は日本も核武装など議論すらされない、そんな状態になっているのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 20:13|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2006年10月16日

雑感。福岡中2自殺事件について

福岡県筑前町の三輪中学二年生男子が自殺した件について、学校側の保身とも受け取れる会見を見ていて、あまりの会見に哀しさすら感じてしまいました。教育者としてどう、というよりも人間としてどうなのか?ということです。あの時は認めてしまったが、後で教員による言葉の暴言はなかったと言ってみたり、では生徒間で何があったのかもまだ確認されていないとのこと。誠意とは何だろう?改めて感じます。

更にこれが根深い問題と考えるのは、文部科学省の統計にある『イジメによる自殺者はゼロ』というものです。これでは学校教育の場で問題がないことになり、何ら対策すら取られずに今後も進んでしまうことになるでしょう。何故なら、『イジメによる自殺者がゼロ』なので、何ら問題がないことになってしまっているからです。
人が組織として纏まり、ある程度の規模を為していけば当然イジメなどの問題が出ます。パワハラにしろ、その他でも他者をけなしたり、貶めたりすることが人の悦楽に繋がる場合が多いので、本気でどうしなければいけないのかを議論していかないと、再び同じような惨劇に繋がる可能性は高いと思われます。

もう一つ考えれば、学校内で起こった問題を教員や教育委員会だけが調査する、という体制も考え直した方が良いのかもしれません。教育の場に第三者が入ることには問題もありますが、かと言って今回の校長や教育委員会などの動きを見ている限り、問題解決能力はないように感じられます。
教育者だからと言って、全ての事柄に完璧な訳では有りません。そうした足りない部分を外部に依存する、そんな事も必要な時代になっているのかもしれません。

そんな中で教育再生会議が開催されます。メンバー的にみても、広く意見を集めたいばかりにどんな方向性を模索していくのか、今ひとつはっきりしないところでもありますが、教育の場をより良い方向に変えてくれることを願っています。もう『ゆとり教育』の失敗はないように、願いたいところですね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

中川発言、「核武装を議論」について

自民党・中川政調会長が昨日の昼のテレビ番組内で「日本も核武装の議論が必要」と発言し、物議を醸しました。非核三原則を守った上で憲法には核の保有は明記されていない、とする意見でしたので、政治家としては珍しく突っ込んだ議論だなと感じながら、私も興味深くその番組を視聴していました。
ですが、早速今日はその発言の火消しに躍起となっています。中川氏は先に農水大臣の時にもBSE問題でかなり問題のある発言がありましたので、自民党内と意見調整することなく、自らの立場を弁えることなく自説を発言してしまう傾向があるのでしょうね。

この発言を裏返してみれば、非核三原則を守って核武装の話をしても、それは『為にする議論』にしかなりません。非核三原則を守る前提の上に立っての議論など無意味であり、その議論で核武装に至る訳がありません。議論を進める過程で国民のコンセンサスを得る、という算段であるとするなら、それが『為にする議論』だと言うことです。
更に問題は、現在の敵基地攻撃論にも絡む話でもありますが、核ミサイルは攻め込んできた敵を防ぐと言うよりも、相手の国目掛けてに撃ち込むことで成立する兵器です。核の抑止力とは相手を滅ぼすほどの核を保有することで成立するものであり、自衛だけの問題ではなくなってきます。即ち保有すれば先制攻撃も可能な兵器ということです。

こうしてみてみると、中川発言は三段論法でいきなり極論に至ったものであり、今日の安倍氏も「日本は非核三原則を守る」と演説で語っている通り、自民党内にもこれが失言と受け止められています。国内の反応を見ればそれを容認して良いとする空気にはなっておらず、日本の核アレルギーを増徴すれば選挙で敗北することは確実となりますので、これは自民党にとっても痛い失点となってしまいました。
政府が非公式で核保有を検討し、その時の効果などを試算しておく分には何ら問題はなかった話です。それを公にし、更にテレビという公共の場で喋ってしまったことで、影響が大きくなってしまいました。補選を控えた微妙な時期の発言だけに、政治的には面白くなってきたという印象では有ります。

自説は以前述べたので辞めておきますが、核武装は今の日本では暴論に過ぎません。政治家の場合は失言とされたものが本音である場合の方が多いので、政治家の中にも核武装を志向している人間がいることだけは、記憶しておいた方が良いのでしょうね。いずれ再びこの議論が再燃する可能性が、十分にあるのですから。

analyst_zaiya777 at 20:29|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2006年10月15日

代理出産に関する私見

先に高田延彦、向井亜紀夫妻による代理出産による品川区への出生届けの受理を巡る裁判で、品川区が最高裁に許可抗告するとの記事がありました。また諏訪マタニティークリニックで根津医師が50歳の母親に、娘夫婦の子供を代理出産させたという記事が今日ありました。この諏訪マタニティークリニックでは他にも代理出産を実施しており、今後も実施するとのことを発表しています。
これに対し、厚生科学審議会生殖補助医療部会や日本産科婦人科学会は「代理母体が妊娠・出産に伴う危険に曝される」、「代理母が生まれた子を手放さないなどのトラブルを生じる可能性がある」として、否定的見解を示しています。

技術の進歩に法が追いついていない、良く言われる言葉ですが、法整備を検討する委員会などに呼ばれる専門家は、その道の権威であり言わば高齢の方です。そうした方が最先端技術に精通しているか?は確率的に見て少なく、更に進歩性のない意見になるのも致し方ありません。権威を有するための研究は過去のことですし、高齢になればなるほど、過去の常識に囚われ易い一面を否定できないからです。
そうした問題を抜きにしても、この厚生部会や学会の意見は医療とは何ら関係のない理屈のように聞こえます。要するにどちらも契約段階で担保できる問題であり、『危険』に関しても全ての職種において危険が伴うものでもあるので、契約段階できちんと手当て面での折り合いがつき、危険手当を保証すれば良いだけの話なのです。

この問題で厚生労働省や医師などが二の足を踏むのは、生命倫理に関するものと身体を資本とする労働形態への偏見だと思います。生命倫理の方は遺伝的形質の継承と、母体からの摘出のどちらを母と見なすかの問題であり、現状では後者を母と見なしています。これは法整備だけの問題であり、現状ではどちらを母としても良い、とするのが一般的な見解として、既に定着しているのだと思います。
一方、肉体を資本とし、金銭による代理母を請け負う場合を悪と見なす傾向は、まだ日本人の中に根強いと思います。生殖行為は神聖なものであり、利殖的打算行為を許せない、とする意見もまだまだ強いのだと思います。

ただそうした感情論を除くと、何らかの事情により子供に恵まれない夫婦に、将来に亘って子供を認めないのか?という根本的な問題に突き当たるのです。私はこうした事情と、きちんとした契約で代理母との折り合いがつく形であれば、今後はこうした出産も認めるべき段階に来ているのだと思います。
当然、それを請け負う医師側にも高い倫理観が必要ですし、法整備も必要だと思います。高田夫妻が最高裁まで戦う姿勢を示したことで、この道に新たな光が灯る可能性があります。是非とも頑張って欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 21:01|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 医療問題