2006年11月

2006年11月30日

政治の腐敗

政治資金規正法改正案が、自民、民主で合意に至り、今国会で成立する運びとなりそうです。現状、献金禁止の対象となる外資の出資比率が50%超の企業も、上場期間が5年以上、政治資金収支報告書にその旨記載すれば良いことで、政治団体に献金することが可能となる、という改正案です。
来年の三角合併など、外資系による企業買収が解禁されます。それに先行してこうした対応をとるところに、政治家の金集めにご執心な様子が窺えますね。企業優遇の今の政府の姿勢と共に、献金がある団体を大事にするだけのようにも見えますね。

小泉前首相により、ついに造反組み議員の復党に対する、自民党内の引導が行われたようです。裏では平沼氏を巡る問題もあるのでしょうが、表立った反対表明などは今後、しづらくなるのでしょう。何しろ、首を切った本人が復党を「認めろ」と述べているのですから、新人議員程度の力関係では党内の力に抗し難いでしょう。
一方で、復党議員の会見は歯切れが悪く、むしろマイナスのイメージしか受けませんでした。幾らこの問題に決着をつけたいと願ってみても、郵政民営化の足音と共にこの問題は思い起こされるのでしょうから、参院選挙までは確実に引き摺るのでしょうね。

安倍氏がオープンな議論だとするものがありましたが、議論の道筋が明確であったとして、議論の根底が国民には理解できていないのですから、やはり説明責任は果たしていないことになるでしょう。議論の根底とは、郵政民営化とは何だったのか?という問題であり、それは今回でも明らかにされなかったのです。
昨年の郵政選挙で騙されたという意見もありましたが、これは騙されたのではありません。小泉氏が演じたワンフレーズ選挙をメディア、国民こぞって「分かり易い」と歓迎していたのです。これは『高邁な理想』と錯誤して、『政治には説明責任が必要』という基本を忘れてしまった選挙だったということです。

安倍氏の肝煎りである教育再生会議ですが、昨日も触れましたがどうにも概念論ばかりのように感じます。官邸主導の合言葉と共に幾つもの有識者会議が出来ましたが、これがアウトラインしか出せないとすると問題があります。つまり意思決定機関が別に出来ただけであり、小泉氏の頃のようなトップダウン後は官僚丸投げの状態よりも悪い、有識者会議というコストが増えただけでしかないようにしか考えられないのです。
有識者の結論が概念でしかないとすると、やはりそれは官僚が主導して制度を構築する、今までの方式と何ら変わりないことになります。官邸主導とは何なのか、改めて考え直さなければなりませんね。

analyst_zaiya777 at 22:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2006年11月29日

いじめ問題への緊急提言について

教育再生会議の「いじめ問題への緊急提言」に対して私論を述べたいと思います。私はイジメた者に罰を与えることには賛成ですが、この提言内ではイジメる者とイジメられる者との差が接近した現状で、何をもって罰に相当させるのかが不明確であること。また教員による現状把握が生徒からの申告に頼る状況で、厳罰化により深い陰湿性を帯び易くなること、などの点が不透明であるような気がしています。
即ちイジメを見て見ぬふりをする者も加害者としてみても、自己申告や告発が増える方向にはありません。この提言をまともに採用すれば、方法の多様性とともにイジメが陰湿化する、または教室中が参加する形でのイジメに移行する、などの罰に問い難い方向に進んでいく危険性もある訳です。

犯罪に対する厳罰化と同じ、厳しい対応があったとしてもイジメはなくなりません。ですが、罰が必要との意見の中には、今までが野放図にイジメた者、即ち加害者側が有利な裁定しかなされていないために、イジメることが悪いことだというメッセージを明確に子供たちに与えることが必要だ、との認識に立って行っているものです。
ですがイジメはそれをする者とされる者で、受け取り方によって印象は大きく異なります。それが安易なイジメへの加担であり、また立場の逆転でもあります。イジメられたからイジメ返した、などの事象が起こった場合はどう裁定するのでしょう?そうしたことも現実問題として起こり得ると考えています。

見て見ぬふりも加害者、ではなくてイジメと感じたら些細なことでもその意見を吸い上げる体制が必要なのです。それが教師であったり、教育委員会であったり、というような制度側に対してきちんとした対応を求めない限り、この提言が何かを為せるほどの実効性があるものとは感じられない、ということです。
提言の中でも教育委員会や学校に支援体制を、としていますが、それがどういうものか?カウンセラーの設置や相談室の設置、このままではその程度のものにしかならないでしょう。それらを子供たちに伝え、それが子供たちに安心を与えるような制度でない限り、やはりイジメは減る方向にはならないと思います。

地域、地域とも言いますが、教育バウチャーなどの学校選択性は確実に地域社会を破壊します。近所の人間とも、子供が同じであれば共通の話題もありますが、そうでなければ妬みや嫉みの温床にしかなりません。また家庭の責任も重大とありますが、その家庭が壊れているから、子供たちにも精神的な負荷が高くなり、イジメが増えているのだと言う現状も、見逃してはいけないポイントなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:46|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

経済の話。米国の弱含みリスク

今朝、経済産業省が発表した10月の鉱工業生産指数はサプライズを与え、それを好感して市場も上昇したようです。市場予測0.4%下落が発表されたのは1.6%の上昇。在庫も若干積みあがっていますが、年末商戦を向けてのことを考えたものとすると、違和感はありません。日本経済の過度な不安は解消されたとのことですが、元々今はSQ前に上昇させたい層がいたので、これは良い数値に連れ高しただけとも考えられます。
つまりこれを見ても消費が改善されているかは不透明なので、まだ日本経済の強さを確認するまでには至らないのでしょう。何しろ、日本経済の暗雲は企業の強さよりも、家計に波及しない経済効果の方がより重要なのですから。

この家計に波及しない好景気が、最終的には景気減速のトリガーになると考えています。日本の労働分配率が低いのは急激に業績が回復したため、とする理屈もありましたが、私は日本の持つ年功序列による賃金体系、業績連動しない給与、この辺りが最大の問題点だと考えています。
この構造的な問題のため、外国人投資家も日本企業の好業績は、労働者の犠牲の上に成り立っているとの認識を持ち、更に来年から始まる減税撤廃による税負担の増加と、証券税制の優遇見直しで先高期待が剥落したのが、今回の下落だったと見ています。

その下落の理由には何も答えていませんので、日本市場の本格上昇はまだまだ先でしょう。その前に来るのが、米国市場の弱含みです。今起こっている円高にしても、裏を返せばドル安が原因です。ユーロは円、ドルに対しても強いので、今の円は本来中立の状態であり、このドル安は米国側の問題に帰結されます。
弱い指標が並ぶ米国は確実に減速傾向にあり、それが現状のドルの弱さです。ここで円キャリーなどを行っていた層が円高による影響を嫌がれば、世界に流れていた日本のマネーが縮小します。それが更に米国市場を冷え込ませれば、米国では資産デフレが引き起こされる可能性もあります。このリスクが今、世界には高い確率で起こり得る下落要因の一つとなっている、私はそう考えているのです。

鉱工業生産指数が良かった日本ですが、消費大国である米国の弱含みを回避するためにも、日本の個人消費を育てなければなりません。生産したものが在庫として積み上がると、後々まで経済に悪影響を与えます。安倍政権下で欠いている経済バランスが、悪い方向に出なければ良いのですけどね。

analyst_zaiya777 at 21:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2006年11月28日

中国で六カ国協議再開に向けて協議

中国の北京では今、六カ国協議再開に向けて各国の協議が行われています。一方では米国のヒル国務次官補と北朝鮮のキム・ケグァン外務次官が、米朝協議を行っています。中国の武大偉外務次官も加わっての話し合いであり、この米朝協議の行方が今後の北朝鮮問題への何らかの道筋になっていくことでしょう。

少し違和感を抱いたのは、米朝協議が7時間近くに及んでいることです。両首席代表とも全権委任されている訳ではなく、この協議では双方が自身の主張を行い、それを持ち帰って国と調整しながら協議を進めていく形が一般的だと考えます。なので、協議の最初は短時間で終わることが多くなります。
これが長引いた背景には、双方の意見の乖離が大きく、妥結するポイントのすり合わせのために調整に時間を費やしたか、もしくは双方が細かい内容のすり合わせまで行えるように、事前協議を済ませていたのか、ということになります。後者は考え難いので、前者が可能性としては高くなるのでしょう。

米国は北朝鮮側の要求が受け入れられない、と感じれば席を立つことも可能なはずです。今までのブッシュ政権ならそうしたのでしょうが、やはり民主党との距離感の中で、対話重視とのスタンスを見せることも必要、との判断もあるのでしょう。また中国の面子もありますし、その点では米国が強攻に突っぱねることも難しいところです。
協議では金融制裁の緩和が一つのポイントですが、これが核放棄に結びつくことは考え難いことでしょう。キム・ケグァン氏が得意げに述べていたように、核保有国として出席している北朝鮮にとって、その前提が崩されるような会議の運びは許容できない。結果的に落とし所も難しい、それが長時間の協議の表れでもあると見ています。

昨晩の某番組内でも拉致問題は重要と主張していましたが、これは現状二国間の問題にしかなり得ないのだと思います。残念な話ですが、拉致問題を抱える幾つかの国同士がタックを組める状況でない限り、世界はこの問題に対して冷たいでしょう。何故なら現在の北朝鮮への関心は、核の方がウェートが高くなっているからです。
そこで日本政府の対応が重要ですが、拉致認定を進める国内向けは良いのですが、世界に向けた発信、工作が上手くいっていない印象を受けます。今回でも北京入りした佐々江外務省アジア大洋州局長の影は非常に薄くなっています。日本が抱える問題は大きいのですから、その存在感を示してきて欲しいですね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

公務員の天下りについて

公務員の天下りに関して、前行革相・中馬氏が9月に発表した案では事後規制を強化することで、事前規制を廃止する方針を打ち出しましたが、それに対して佐田行革担当相が事後規制と事前規制の両方が必要との案を打ち出しました。
事前規制とは退職後2年間の密接な関係のある企業への就職を規制するものです。官は常に仕事を発注する側であり、それが民間企業に再就職する場合は、完全にその関係を断ち切らなければなりません。何故なら、それが癒着の構図を生むことになるからです。2年間の規制でそれが完全に払拭されるはずもなく、むしろ事前、事後共に規制するとする後者の意見の方が正論になるのでしょう。

また天下り公務員への年金優遇が来年度中にも廃止されることになりそうです。厚生年金と共済年金の一元化に伴うものですが、60歳前半の公務員が再就職をした場合、賃金と年金の合計で48万円までなら年金も全額支給するとされていたもの。一般のサラリーマンの場合、28万円までなので、1.7倍も優遇されていたものです。
先に年金額で職域加算が消えると、公務員の方が年金支給額が下がるとして上乗せを求めるものもありましたが、優遇とされるものが残されることに違和感もあるでしょう。早々に異論が提示されましたが、大企業の一部しか回答が無いものを、まるで全体のものとしたその意見には公務員の既得権益の保持に対する姿勢しか見えませんでした。

以前から述べていることですが、小泉政権時代から官への規制や優遇にメスが入ることはありませんでした。上の年金統合にしても、共済年金側が給付に耐えられなくなったため、統合することで活路を見出した話の延長線上にあり、それに優遇分を残しては、サラリーマンの年金が削られることになる可能性すらあるのです。
総務省が「私のしごと館」を見直す方向との記事もありました。造って無駄、運営すれば更に無駄が増えるこうしたものも、天下り先として準備されたものでしかないのですから、早々に廃止するか売却先を見つける方が良いのでしょう。

無駄と言う話では、タウンミーティングで当初は2000万円以上が随意契約として結ばれていたとしていたものもありました。政治の手法を変え、国民の声を聞くと称してこれだけの税金が使われたことに驚くと共に、こうした無駄がある中で定率減税が廃止されることには、もっと眼を向けていかなければいけないでしょう。
今の安倍政権でも、官邸主導を謳うあまり有識者会議などが増えています。そうした人件費もまた、税金から出ていると言うことも考えておかなければならないでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:00|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 行政改革

2006年11月27日

保護者や生徒が教員を評価できるのか?

教育再生会議の第一次報告の素案、その概要が明らかになりました。その中で気になったことが一つ、それは保護者や生徒による教員評価の仕組みを設けるとしたものがあります。やはり、と言うべきか、議論が安易な方向に流れたように感じます。
教員の質の低下が叫ばれて久しいですが、これは単純に『教員の質』だけの問題ではないと考えています。それは『大人としての質』が全体的に低下したことで、教育に携わる人間の中にも質の低い人間が混じるようになった、とするのが正しい議論ではないかと考えているのです。

収入があっても給食費を滞納する親、訴訟などをちらつかせる親、更に子供を虐待している親まで、そこには様々な親が存在しています。悪い親ばかりではありませんが、その人物が正しい評価を下せるのかを判断する術がないのが、この議論の問題点です。
一方では、教員を評価する制度も必要と考えています。それは質の低下を補う意味でも、また優秀な人間を評価する上でも必要なことだと考えています。ですが、以前から取り上げているように、人の評価とは難しいものです。試験の成績だけで優劣が決められるものでもありませんし、一部企業で導入されている目標設定とその達成度などで評価するものも、対人での評価が必要な教員と言う職業には不向きです。

これは素案ですが、民主党が主張しているように第三者機関を置き、子供の問題を具体的に受け止める体制を作る中で、その機関が積極的に授業見学を行い、カウンセラーの派遣などもその機関が行っていく。そうすれば、全体的なその学校の問題点なども明らかになっていくでしょうし、また評価もし易いのだと考えます。
癒着の問題もあるのかもしれませんが、それは予算執行などの点で文科省がチェックするのか、地方議会に委ねるのかの論点もあると思います。馴れ合いや無責任を貫くような組織を如何に監督していくかは、永久の課題でもあると思います。

保護者が評価する場合でも何事においてもそうなのですが、判断を下す際には責任が必要です。子供の教育に無関心な親もいるのですから、そうした人間に『判断』という権限だけを与えても難しいのだと思います。また教員が生徒の顔色を窺うようなことになっても、良い教育は行えないでしょう。これは生徒の不満を吸い上げられる機関が存在することで、ある程度解決できる問題とも考えています。
不適格な教員の排除の為に、優秀な教員の意欲を阻害されることがあってはいけません。それが教育の再生のためにも必要であると、私は考えています。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

郵政造反議員の復党問題について2

郵政造反議員の復党問題、12人のうち平沼議員を除く11人が誓約書を提出し、自民党への復帰が決まりそうです。この誓約書、何が不可思議かと言えば「誓約に違反した場合は政治家としての良心に基づき議員辞職する」となっていることです。
政治家は何をもって有権者に訴え、何を公約とすべきなのでしょう。党則を遵守することなのか?党員としての義務を履行することなのか?安倍首相の所信表明を全面支持することなのか?政権公約の実現に邁進することなのか?それが出来なければ議員辞職することなのか?という理屈が全くもって理解できないことです。

今回の復党問題では、国民世論のは多くの場合で復党反対の声が上がっています。それを追い風に中川幹事長が強硬路線をとったとされていましたが、反対派の人間の同意を得られるのは、別に復党に向けてのハードルを上げることではないでしょう。
なぜ反対派が多かったかと言えば、それは郵政賛成か、反対かというあの選挙は何だったのか?という問い掛けに自民党が全く答えていないことが、多くの場合において支持されない理由だったのだと推測します。ですから、仮に条件を厳しくしてみたところで、今回の復党問題が終結する訳ではないのでしょう。

やはり党利、党略に基づくこうした動きは、国民に訴えかけるものは何もありません。政党助成金を受け取りたかった、とする個人的問題と、来年に控えた統一地方選挙に向けての、郵政造反組み議員支持者からの突き上げと言う側面は、結果的に国民の政治離れを促すだけに終わるような気がします。
それは自民党離れと言う言葉となって、選挙の結果にも表れてくるのでしょう。今回の動き、政治家の離合集散は世の常であるとは言え、誓約書を見る度に政治家に求められるものは何かを感じてしまいますね。(以下に誓約書を記します)

【誓約書】
離党勧告処分の対象となった行為は遺憾であり重大な責任を認識しております。今後は広く国民の理解が得られるよう真摯な取り組みをしてまいります。次のことを自民党及び有権者に対して誓約いたします。
一、党則を順守し、党員としての義務を忠実に履行するとともに、国民の奉仕者とし
 て党活動に尽力する。
一、安倍首相の所信表明を全面支持するとともに、国民に約束し国会で成立した郵政 民営化を含む政権公約の実現にまい進し、国民の真の期待に応えるべく努力する。
一、誓約書に違反した場合は政治家としての良心に基づき議員辞職する。

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2006年11月26日

郵政民営化の途中で

郵政民営化が決まってから、幾つかの記事が上がってきています。郵便局の71%で赤字が出ているとしているものもありましたが、これは集計法が平均値に較べて高いか、低いかで表しているため、ここで分かるのは収益の偏りです。
郵便事業は全体の95%が赤字であり、郵貯は56%の赤字、保険事業は48%が赤字となります。つまり郵便事業は一部の事業所が高い収益を上げる、非常に偏った事業となっています。郵便事業の赤字分は2006年度分で200億円超となり、一層の収益構造の改善が必要となるでしょう。その一つの流れに早期退職希望に1万人の応募があったそうです。一方で2100人を新規採用する予定なので、どうにもちぐはぐな印象を受けます。

そんな中で、簡保でも過払い、不足などが3560件見つかっています。9月に最大で11万件の不適切な支払いが指摘されており、これはその一部ともいえます。今後民営化していく過程で、過払いなどは収益の圧迫要因ともなります。
一方で、2007年度から郵政公社が地方債を引き受けないことになりそうです。今年度には地方債全体で3.5%だったので、割合としては少ないともみえますが、4800億円が郵便局から地方債に回されており、それが消失することになるので、新たな動きとして地方債の格付けなどの動きも始まっていますね。

来年10月に民営化され日本郵政になりますが、2009年3月期には6300億円の純利益を計上する計画です。しかし先に示したように、郵政事業が郵貯、保険事業に極端に偏って収益を頼るとなると、事業構造としてもあまり喜ばしいものではありません。
簡保の新規契約が06年度上半期の新規契約数が22%下がっているとの情報もあります。郵貯、簡保に頼った収益構造と、新規事業に対して民業圧迫とする締め付けもあり、今後の収益構造には更なる懸念も生まれてきます。またヤマトHDは郵便事業で定形郵便での割安価格を打ち出しており、郵便事業の苦境も予想されます。

まだ民営化まで一年ありますし、日本郵政が今後どんな策を打ち出すかによっても、これらの数字は変わってくるでしょう。ですが、民業圧迫と呼ばれる高収益体制の否定と、それでも独立採算制でどう黒字化を担保していくのか?郵政には重い課題が付いて回っているのだと思います。郵政造反組みの復党問題で揺れる自民党ですが、郵政の行方という視点で見ても良いのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 21:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

雑感、最近続いた病気の話題

個人的な話ですが最近、非常に調子が悪いのです。実は、私はこの時期から花粉症的な症状になり、鼻水が出たり、頭痛などに苛まれます。杉などではないようですが、病院に行ったことがないために、どんな花粉が影響しているのかも分かりません。そんなことで、病気に関する記事が幾つかありましたので、雑感的に考えてみたいと思います。

東南アジアに渡航した方が狂犬病を発症するという事例が、二件続きました。狂犬病は症状が特徴的であり、日本では撲滅したかに思われたものでも、医師が判断し易かった側面があるのだと思います。こうしたウィルス性の病気はその根絶が難しいものです。
フィリピンでは2020年までに狂犬病の撲滅を目指す方針だそうですが、これは犬ばかりでなく動物全般に感染するものですので、撲滅も難しいのだと考えます。空気感染をしない、ということが唯一の救いかもしれません。

韓国では鳥インフルエンザの発生が確認されました。毒性の強いH5N1型であり、日本では輸入停止の措置を講じていますし、渡航者に対して消毒などを義務付けています。引き続き、渡り鳥の調査なども警戒して行って欲しいところでもありますね。
ウェストナイルウィルスなどは先に鳥の大量死がありましたが、今回の鳥インフルエンザでは野鳥などの状況がよく分かりません。一つの場所に大量の鳥が納められているので一気に感染が広がったのか、それとも野鳥などの被害が先にあったのかは不明です。この辺りの検証は、韓国の今の態度を見る限り難しいかと考えます。

この前、多剤耐性緑膿菌の話題が某番組でもやっていましたが、メチシリン耐性腸球菌にしろ、バンコマイシン耐性腸球菌にしろ、過度な抗生物質の使用がその原因だと言われています。ですが、これは人間だけではなく、養殖されている動物にも抗生物質の投与がありますので、これは生物界全体で考えていかなければいけない話です。
仮に、今回の鳥インフルエンザの問題で、一箇所に大量に納められている鳥が病気抵抗力を落としているとします。その場合、安易に抗生物質の投与などを行っていれば、病気の発生頻度は低くなるのでしょうが、多剤耐性菌は生み出され易くなります。生物界全体を考えて、薬なりの使用を考えていかなければいけない、今はそうした時代なのだと考えています。

analyst_zaiya777 at 14:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 健康

2006年11月25日

平成19年度の予算編成は大丈夫か?

平成19年度の予算編成の指針となる、財政制度等審議会の意見書が明らかになりました。歳出の無駄を省き、「国債発行額の大胆な縮減」を求めたとのことです。一方で安倍政権下の企業減税など、成長戦略に伴う税収減については「財政健全化は最大の成長戦略」との文言で牽制しているようです。
この財政制度等審議会は財務省の諮問機関なので、当然のように財務省寄りの意見です。道路特定財源では一般予算への組み入れを「実現を図るべき」とするだけで留めるなど、政治にも一定の配慮を示しながらの対応なので、この意見書で経済財政諮問会議に諮られ、予算編成の基本方針になっていくのでしょう。

この意見書を受け、安倍氏が「18年度の国債発行30兆円弱よりも大幅に削減する必要がある」と指示を出しました。小泉政権ではこの国債発行枠を30兆円に抑えると公約しており、それが平成18年度でやっと達成されたのであり、安倍政権はプライマリーバランスの改善のために、これを更に削減するという姿勢なのでしょう。
ですが、以前取り上げた記事ですが、償還と合わせて国債は1兆8000億円の減となっていますが、政府短期証券という別の借金方法があり、2兆8000億円分の負債が増えているのです。単純に国債発行枠を見直すだけでは、国の借金が減ったのかどうかは判断できません。特に、安倍政権路線では経済成長による税収減に見合う税収増がない限り、収入は減る方向にあります。単純に国債だけで評価すると、見誤ることになるでしょう。

また道路特定財源の一般財源化に、まだ道路が必要との議論があります。政府としては所信表明演説に示した通り、一般財源化したいのでしょうが、地方や族議員との綱引きが続いています。ですが、必要なものなら一般財源からでも拠出できる訳で、これは全て一般財源に纏めなければなりません。特定の枠組みがあるのがいけないのです。
また自動車業界の求める税負担分の軽減も、議論としては理解しますが、税議論という大枠の中の議論では、やはり贅沢品としての位置付けの方が理解し易いものです。過度に税負担が重いとも思えませんので、議論の根拠としては薄弱でしょう。

税制は経済政策とも密接に絡む問題です。補正予算を歳出削減優先にするなど、むしろ当たり前の議論であり、歳出に回すなどとんでもない話です。財政健全化、これが日本の未来像を描く上でも大事なことです。それを考えて、来年度の予算編成を行って欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 12:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2006年11月24日

郵政造反議員の復党問題について

郵政民営化反対議員の復党問題で、自民党幹事長と政調会長のダブル中川氏が対立しています。どうも今までの自民党の動きを見ていて感じることは、意見の統一性の無さです。先の核武装議論でもそうですが、閣内不一致とも取れる発言が目立ちます。
本来であれば、これはトップに立つ者の資質が問われて然るべきものです。意見を纏める力がない、もしくは意見が割れた時に先頭に立って調整する、そうした能力に欠けていると思われるのですが、そうした意見はメディア側からも上がってきません。ここから分かることは、安倍氏の党内運営の方法、及び世論の操縦方法が、『為にする』議論をもって図ろうとしている、ということです。

『為にする』議論とは、『自分の利益を期待する下心を持って行う』議論です。即ち、ダブル中川氏の衝突する議論と言うのは、自民党内で意見を戦わせることにより、世論の調整を図っているものだと考えられるのです。二つの意見を表に出すことにより、国民の意見は二分されていきます。復党賛成か、反対か、ここで世論がどう出るかによって、復党の方向性を模索している動きだと考えられるのです。
こうした動きは世耕議員の得意とするところでしょう。うがった見方をすれば、こうして自民党内で意見が割れているように見せ掛け、それで賛否を探る動きは郵政民営化の時の選挙と全く同じ構図です。即ち、主役は自民党であり、自民党同士の争いとすることで野党を矮小化する、そうした動きとも見て取れるのです。

先にも言った通り、これでは安倍氏のリーダーシップがありません。ですが、思い出せば小泉氏も困った問題の時は他人事のように知らん振りを決め込み、何らリーダーシップを発揮しなかったので、今回の安倍氏の無責任ぶりはそれを見事に踏襲したものだとも見えます。悪い部分を見習ってしまっているのですね。
残念なのは、これらが全て党利党略の下、国民無視の議論にしかなっていないことです。そして統率するべき立場の人間が、自ら意図して当事者意識を持たないこと、でしょうか。イジメ問題でも教育委員会や校長の無責任な発言が目立ちましたが、今は責任を取らないことが、行政の間では盛んだということなのでしょう。

ここからは少し余談ですが、中川政調会長が安倍氏の本心の部分を語る、そうした役割分担が既に決まっているのでしょうね。中川幹事長が自らすすんで汚れ役を買う、というのは森元首相の姿とダブります。後になって騙されたと気付くのではなく、今からこの動きに惑わされること無く、真実を見極めていかなければいけないのでしょうね。

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2006年11月23日

社会保険庁が医療費過払い分を不通知

社会保険庁で「政府管掌健康保険」に加入している方のうち、患者が過払いしていたことを通知していないことが分かりました。2003〜05年で18000件、通知対象が65000件ですから、35%にも上る数の非通知であり、更にそれを隠して報告していたというものまで。過払い分を医療側に請求する上でも大事な情報であり、社会保険庁の体質そのものが再び問題視されるほど、重要なものだと考えています。

自民党では先の国会から継続審議されていた、社会保険庁改革法案を廃止として、新たな改革案を策定する方針に変わっています。当初は「ねんきん事業機構」として、国家公務員の身分を保つことも検討されていましたが、これで以前安倍氏が述べた「解体的見直し」が現実のものとなりそうです。
郵政事業では小さな政府を実現するために、ばっさりと公務員の身分を切っておきながら、何故この社会保険庁の職員の身分を庇うのか?それを考えると、公的業務である年金を取り扱う機関が民間事業で良いのか、とする問題に行き当たります。

しかしこれも税と一緒に徴収する方式に変えれば済む問題であり、年金行政は抜本的見直しが必要な時期に来ているので、それを行えば全て解決するのです。更にパートの年金加入など、年金事業は既に複雑化し過ぎて扱い切れなくなる懸念もあり、一度全てを解体して、再構築する必要がある時期に来ています。
ですが、これは今の道路特定財源の一般財源化議論と同じ、金がつく事業は手放さないという官僚側の問題の方が強くなっています。官邸主導であれば、こうした年金でも道路特定財源でも、正論をもって良い方向に導けるはずです。ですが、中々そうした動きは見られず、ではどうするのかについて、様々な方面から意見が上がるばかりです。

社会保障と国の債務の問題にきちんと焦点を当てていかないと、国民の間の不安は解消されません。更に今回のように隠蔽して報告し、その事情を掴みながら社会保険庁は何の対策も打っていなかった、という構図は先の未履修の問題で、文科省が実態を把握しながら対応していなかった問題と全く同じです。
国の機関が発生した問題に対して対応の不味さを露呈する。残念ながら、ここにも危機管理能力の無さを感じざるを得ません。公的機関だけのことではありませんが、きちんとこの点を学んでおくべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2006年11月22日

中東、レバノン産業相暗殺について

レバノン産業相ジュマイエル氏が暗殺される事件がありました。この人物は右派キリスト教徒であり、レバノンの中でも反シリアの急先鋒として、欧米諸国からも期待されていた人物でも有ります。この暗殺を受けて、国連安保理が「レバノンの不安定化を目指す、如何なる企ても非難する」との声明を採択しました。
レバノンでは昨年の二月にハリリ首相が暗殺された事件もあり、これもシリアの関与が言われており、またレバノン内でも更なる反シリア派の人間が暗殺されるとの懸念もあり、まだまだ予断を許さない状況も想定されています。

先にイスラエルがレバノンに侵攻した際、対決したのがヒズボラです。イスラエルは結果的に世論の声を受け、戦線を退きました。このことからヒズボラがレバノン内でイスラエルを撤退させた英雄と見なされ、そのため発言権を増しました。元々、ヒズボラは政権内に閣僚を送り込んでいたのですが、今総選挙を行えば確実に勝てる。そこで解散、総選挙を要求して現首相であるシニオラ氏と対立していたのです。
シニオラ氏は親欧米であり、ヒズボラに政権を取られても困りますから、6人いたヒズボラ系閣僚を解任し、その報復として行われたとも言われているのです。8人が欠けると内閣は総辞職ですから、ヒズボラ側の要求は通る可能性も強まっています。

シリアの動きとして、先日イラクとの間で四半世紀ぶりに国交が正常化することになりました。イラン・イラク戦争でシリアがイランを支持して以来のことですから、歴史的な事です。このシリアでは国民の12%がアラウィ派と呼ばれるシーア派の亜流が政権を握っていますので、現在シーア派が政権をもつイラクとは近くなったのです。
イラクの現政権であるタラバニ大統領がイラン、シリアとの協力関係を構築とも伝わっていますし、こうなって見るとイスラエルの周囲をシーア派で固められることになります。イスラム教全体で見れば、スンナ派よりシーア派の方が過激です。仮にレバノンでヒズボラが政権を握れば、反イスラエルでイスラムが纏まってしまいます。

こうした動きを受けて、しばらく中東の動きには注意しておく必要が有るでしょう。ここでイラクから米軍が手を引くようなことがあれば、混乱の渦が中東に吹き荒れるのかもしれないのです。結果的にイラク戦争が残すのは悲惨な結末なのかもしれません。日本としては如何なる事態にも対処できるようにしておくべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 中東 | 政治

雑感、教育基本法改正案が参議院で審議入り

教育基本法改正案が、参議院で審議入りしました。与党の強行採決から野党審議拒否まで、政治家は本気でこの問題に取り組む気があるのか?不可解に思いながら見ていましたが、とにかく審議入りしたことは何よりです。
基本的に安倍氏の語る教育論は、概念的過ぎて分かりづらいものです。公共の精神や道徳意識など、「美しい国」には教育からというのでしょうが、情操教育を目指したいのか、実践教育を目指したいのかすらはっきりしません。結果、この教育基本法改正で教育がどう変わるのかが全く見えてこないのです。

私はこれを改悪などというつもりはありません。何故なら、この教育基本法改正で示されたのは、土台でしかないからです。上物をどう作るのかはこれからであり、先に述べたようにこの改正案では、どう変わるのかの具体案は全く見えないからです。
つまり文部科学省、教育委員会、学校、この三者間の力関係、責任の所在、権限に至るまでは今後の教育再生会議などで決まるのです。またイジメへの対応、未履修の問題、恐らくこの教育基本法の改正案では何も解決しないでしょう。全てこれからです。

さて、教育基本法改正の議論の中で明らかになった、TMでのヤラセ問題は拡大の一途です。何しろ発注先が少数の広告代理店であり、一つ一つのTMで異なるやり方をしている訳がありません。即ち全体でヤラセ発言や、公務員の導入などを掛けて人数を集めていたもの、発言報酬に至るまでは全体を通してやられていた、と見るべきです。
今日の質疑においても蓮ホウ氏の責任問題の追求に、政府からは曖昧な答弁しか出来ていませんでした。各論、総論、どれをとってもTMの運営方法は誤りであり、今後は見直しをかけて、とするより今のままでは廃止した方がより賢明な選択でしょう。

調査過程も報告書に記載する、としてみたところで、真に問題点を浮き彫りにすれば当時の責任者にその攻めが行くのですから現状、証拠を提出しない政府と共に、曖昧にされてしまう可能性を否定できないでしょう。
これは税金の無駄遣いという問題にまで発展しています。閣僚のクビでは済まない話なのでしょうが、美しい国を作りたい、道徳心を教育したいという人たちに責任を取るという潔さが見られるのかどうか、私は注目しています。

analyst_zaiya777 at 21:07|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2006年11月21日

総務省の管轄下にある二つの問題

昨日の記事で日本市場の下落の理由を述べました。経済アナリストの方の分析を見ても「分からない」とするものもありましたので、理由を簡潔に言ってみます。それは『安倍政権の経済政策に対する外国人投資家の不審』です。この『不審』が『不信』に代わる時、TOPIX1200ポイント割れもあり得ると私は考えています。

まずIP電話事業会社、近未来通信の問題に関して一言。総務省はこうした情報通信分野の事業に対して、支援を行っています。新しい仕組み、新しい収益構造などに対して支援を行い、ベンチャー企業を創生しようとしていたのです。
この分野はまだ未開発の面も多く、その事業形態などに新規性の可能性があります。そこで生まれたのが基地局の設置を一般投資家に投資してもらい、そこから上がる通信収益を配当として分配するサービスなのです。この近未来通信はメディアによる広告戦略広く投資家から資金を集めていましたが、その監督を総務省は怠っていた、もしくは支援はしても実態は見ていなかったことが今回の問題の根幹にあります。

竹中氏が総務大臣をしていた頃には、放送と通信の分野に対しても規制緩和を目指していましたので、その流れがこのベンチャー支援なのです。これが今では安倍氏のイノベーションという言葉に置き換わり、一般に流布している訳ですね。
つまるところ、こうした新規事業に参入するベンチャー企業には基盤がありません。電気通信事業法では「事業の休廃止する場合は周知を」と言ってみたところで、基盤の弱い企業は事業の実態が分かった途端に倒産、という事態になりかねません。規制緩和の流れと当局の監視は表裏一体であり、それを怠れば混乱が生まれてしまうのです。また、この問題に対しての一つの事例となってしまいました。

総務省の問題は他にもあります。それは先に再建団体になった夕張市の問題です。負債を付け替えていたり、確かに夕張市側の問題も大きいのですが、それ以上の大きな問題は『過疎地域自立促進特別措置法』です。過疎地への支援は悪いことではありませんが、雇用を生み出すための起業や観光分野への投資など、地方債を発行し易くして事業を促進させようとしていたことが、問題なのです。
夕張市のように過疎地からの脱却に積極投資をした結果が、多額の負債です。スキー場、映画祭、遊園地や観光施設など、投資は失敗するリスクがあるのですから、安易な地方債に頼る、このような投資構造を推進してはいけないのです。
規制緩和が全て悪い訳ではありませんが、今の日本の規制緩和の導入には非常に危険なものを感じています。実態のない夢想による投資は混乱を招きます。夕張市が単なる先駆けであって、後から続々と再建団体へ転落する地方がないよう、その財政をしっかりと監視していく必要があるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:59|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

政治家が海外に行くことに関して

先週のことですが、石原東京都知事に対して共産党の都議団が、海外出張経費の都条例に対して大幅に超過しているとした報告を出しました。過去五年で同行職員分も合わせて2億4000万円超、大型クルーザーの貸切や一泊26万円などなど。
これを豪華過ぎるかどうかと言われれば、豪華なのでしょうし、民間レベルの出張とはかけ離れているという印象を拭えません。警護などの安全のために、ということ以上に問題として私が考えるのは、何のために行っているのかということです。

ついこの前は小泉首相の外遊費用が高いとの指摘がありました。こうした政治家の海外出張の費用はプライベート旅行でない限り、全て税金で賄われています。首相の場合であれば、相手国に赴くということも一つの儀式ですから、それが有用な場合もあります。仮に共同声明など無くても、行くことが成果の場合もあります。
ですが、地方の首長や地方議員などのように、国と国が関係しないものの場合は海外出張そのものの価値が一気に低下します。相手の市や県との友好都市を結ぶか、もしくはオリンピック招致などのような、地方単位で海外と関わらなければいけない場合のみであり、それ以外は視察という名で全てが括れてしまいます。

視察が悪いと言っている訳ではありませんが、視察をすることによって何を得るのか?またそれを何に生かすのか?は非常に重要なことです。ガラパゴス諸島に行って、石原都知事が一体何を得てきたのかは分かりませんが、それは東京都にとって良いことなのかどうか、がこの問題の重要な判断基準なのです。
更にこの海外出張の問題に絡むのが外交官です。人脈構築関連経費が定額支給されていたものを、実費支給にするというもの。在勤手当ても高すぎるとして見直されるというものも含め、外交官の特権の一部に手を入れるというものがあります。

外交官の人脈構築がその国にいる日本人の会食や、日本から来た要人の接待に使われているというのは、かねて言われていたことです。つまり視察という名目で使用される経費以上に、国の税金は浪費されているのです。それを持って何を政治家が得てきたのか、経費以上の価値のない視察は全て無意味と言っても良いのです。
この国は政治家も含めて諸外国との付き合い方、外交方針に統一性が見られません。政権交代とは言っても政変は無く、ほぼ一党独裁の国内事情にも関わらず外交方針がぶれるのは、外務省の力が弱いからと言っても良いでしょう。いえ、政治家も外務省も無駄な経費の獲得に力を入れてきた、そのツケが出ているのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 21:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2006年11月20日

日本市場の急落。原因についてまとめてみます。

今日の日本市場は弱かったようです。そこで、今までの纏めのような形にはなりますが、今後の市場についてしっかりと見てみたいと思います。
昨日触れたフリードマン氏の理論の中では減税による景気刺激策が必要とされています。まずこれを日本国内に当てはめてみれば、個人に向けてタバコ税、酒税の見直し、来年に向けては定率減税の廃止、参議院選挙後に検討される消費税の議論を含めて、増税が現実問題として迫っています。これでは景気は確実に冷え込みます。
日本が分かっていてそこに踏み込むのは、所詮日本の市場規模は小さく、政府も企業も当てにしていないからです。退職者が増え、高齢者の消費が増えるとされるものでも、年金や社会保障費の負担が重くなっており、ここも期待出来ません。また現役労働者にはホワイトカラー・エグゼンプションもあり、これも負の影響です。

一方で企業には減価償却の見直しや実効税率議論など、減税の議論が目白押しです。これは官民一体となったグローバル競争力を身につけさせようとする動きであり、世界戦略を考慮した企業は、国策によって益々強くなっていく傾向です。
一方で中小企業は価格決定力を持たず、大企業からのコスト削減圧力の波に晒されて収益減です。産業の二極化の中で、大企業に取り込まれたり淘汰が進んでいます。中間決算が良いといわれる企業は大企業がメインであり、中、小型や新興企業については減収や赤字転落が目立つ形となっており、これが国内景気の冷え込みを如実に表しています。

一方で市場には二つの不安要素があります。記録的に積みあがった裁定買残、そして円売りポジションです。大企業も国内景気が冷え込めば収益減になるはずですが、それを円安で補っています。それが、この円売りポジションの巻き直しが起これば、一気に円高になる可能性もあって、収益悪化懸念もそこにはくすぶっています。
それを喚起させるのは日銀の利上げであり、FRBの利下げです。円キャリーの手仕舞いは流動資金の減少を意味し、世界経済を悪化させます。米国のソフトランディングもシナリオの具体性は不透明ですし、世界経済の安定が見えるのはまだ先です。

以上が今の市場に蔓延している不安心理です。更に追い討ちが証券税制の優遇措置の廃止です。これで明らかになったことは個人の投資意欲の減退であり、それが国内景気を更に冷え込ませ、今回の市場の急落を導いたという訳です。
結果的に市場の急落は、企業の時価総額が減少してグローバル競争力が失われます。最悪のシナリオを上げれば、来年TOPIXは1200ポイントを割っていくかもしれません。それは政府と日銀のミスリードによって引き起こされる事態ですが、これを止める術を持つ人は今の政府にも見当たらないのが残念なのですけどね。

analyst_zaiya777 at 23:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

沖縄県知事選で仲井真氏が勝利

沖縄県知事選で自民、公明の推薦する仲井真弘多氏が野党連合の推薦する糸数氏、新人の屋良氏を破って当選しました。前回よりも少し投票率は上がりましたが、64.54%であり、あまり関心が無かったのが少し残念ですね。
投票した人の動向を見ると、やはり経済政策を重視しているのが、今回の選挙結果なのでしょう。仲井真氏は政府との対話重視であり、県外への基地移設を訴える糸数氏では経済振興策に具体性が見られず、政府との駆け引きの中でより多くの経済活性化策を取り付けることが出来るかが、仲井真氏に期待されているのでしょう。

今回の選挙結果を受けて政府案が通りやすくなった、とするものもありますが、それは間違いでしょう。仲井真氏にとっては沖縄への政府による支援策が必要であり、キャンプ・シュワブへの移設でも、前進の可能性があるとすれば、それは政府が大幅に支援策を上乗せした場合に限られると見ています。稲嶺氏は条件をつけ過ぎて政府との交渉が難航しましたが、結局これが沖縄の現状を表していると思います。安易な妥協が許されない、それが沖縄の経済事情なのだと考えています。
逆に基地の問題に関しては、やはりそれが米軍再編の流れであっても、沖縄の負担は変わらないという諦めもあるのかもしれません。その判断が37000票差という、微妙な差にも現れていると考えています。基地などの国防の問題を地方がとやかく言うのか?という意見は、負担が多ければ支援を拡充するというバーターの問題であり、それを積極的に政府が発言しない限り、意識の差を埋めることは出来ないのでしょう。

全体的にいえることは、離島などの問題を考える時、本土と一緒の条件で考えてはいけないということなのでしょう。国が行政サービスを低下させる中、例えば介護の問題にしても離島間の移動にはコストがかかりますので、民間のサービスでは成立し難い面があります。つまり、行政サービスを民間解放してみたところでコストの面で成立し難く、それが最終的な県民の雇用をもたらさないということなのです。
観光などの事業にしても、沖縄の美しい海に手を入れることは出来ません。珊瑚をダメにするヒトデを退治するなどは人間が出来ても、それ以上の干渉は難しく、自然を大事にすることしか出来ない。それがどんどん雇用を生み出す状況にもありません。
そうした一つ一つのことを考え、沖縄県民の意向も汲み取った上でしか、基地問題まで含めて語れないのだと思います。結果を見て、今回の選挙でも分かったのは沖縄の難しさなのだなと感じました。

analyst_zaiya777 at 21:02|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2006年11月19日

プルサーマル用MOX燃料が完成

青森県にある日本原燃で、MOX燃料の製造が開始されました。今回は粉末状の段階までであり、これが燃料棒の形に整形されれば原子力発電所で使用できるようになり、プルサーマル発電が行えることになります。これは日本の原子力政策の転換点とも言うべき大きな事象なのですが、一般の方を始めとして反応が今一つなのは、まだ実際に使用の段階には至っていないからでしょうね。
これが原子力政策の転換点となるのは、世界でも初めての商業炉ベースでのプルトニウムの使用だからです。実証炉ベースの段階で運転が停止してしまった『もんじゅ』に代わり、日本に溜まったプルトニウムがこれで減っていくことになります。

核爆弾は濃度を高めて連鎖的に核分裂反応を起こすことで、圧倒的な破壊力を生み出します。一般的にプルトニウムは核爆弾の燃料、というと反感を抱く人もいますが、安全に運用されている限りにおいてこれは有用なエネルギーです。
こうしたMOX燃料を指して国産の資源だという人もいますが、再利用、もしくは再生資源として考えるべきであり、純粋に日本が資源を手に入れたわけではありません。核のゴミの問題まで含めて考えると、手放しでは喜べないのが現状だと考えています。

核つながりで、久間防衛庁長官が非核三原則の『持ち込ませず』の項目について、見直しが必要としたものを撤回するという件がありました。これは日本政府内部で志向している、『為にする』核武装論の一部です。ですが、今日になってそれを否定する発言に変わったのは、米国の都合によるところが大きいのでしょう。
米軍が日本近海に来る時でも、核爆弾を下ろさないのは暗黙の了解事項です。これを認めてしまえば、世界のパワーバランスを崩す結果になるかもしれません。そのため、日本から積極的にそれを認めてしまうことは、米国にとって許容できないのです。これは核不拡散の問題というより、軍事に関するイニシアチブの問題だと考えています。即ち、米国の核が日本を守ってやっているんだとするのか、日本には米国の核があるんだ、とすることの違いです。前者は米国主導、後者は対等に近い関係といったところでしょうか。今の関係のまま国内の意見を纏めて対等だとしてみても、米国から否定されて終わり、というのが今回の事態の本音の部分なのでしょうね。

安倍氏が「米国に飛んでいくミサイルを撃ち落す」と述べていますが、米軍からの情報に頼る現状では、それより先に米軍が撃ち落しているはずです。また米軍からの情報が誤報だった場合に、日本がどう責任をとれるのでしょう?敵基地攻撃論もそうなのですが、全ての議論は日本独自の確固たる情報戦略を確立してからなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

米国経済学者 フリードマン氏逝去

米国で、シカゴ派と呼ばれる学派を率いた経済学者、ミルトン・フリードマン氏が亡くなりました。小さな政府、金利よりも通貨量を重視するマネタリズムなど、このフリードマン氏の功績は大きく、現在の世界経済の常識となる様々な提言を行っています。
日本でも竹中氏を始めとしてこのシカゴ派と呼ばれる経済理論の提唱者は多く、景気を良くするためには政府の財政出動よりも、規制緩和や減税による市場原理を重視するなど、現在の日本でもメインストリームであることは分かると思います。

しかし、最近の経済には新たな側面もあると思います。この前、某番組で円キャリーを扱っていました。それは韓国とスペインで、円建てのローンが組まれているという内容でした。諸外国ではドル、ユーロに次ぐ安定通貨である円の金利が安いことで、それを利用した資金調達も活発だということが、これを見ても分かると思います。
ユーロ圏でも米国でも、円が安いことには気付いています。ですが、そこを叩けばそこから生じている各国の流動資金に影響を与えてしまうため、追求も出来ないのが現状です。つまり、金利の不均衡が生み出す新たな通貨量の増加が、現在の世界経済の好調さを支えているといっても過言ではない状況なのです。

これはマネタリズムでは解決できない問題です。安定通貨の一つが世界経済の流れと異なり、不均衡を生んだために円建ての借り立てが増え、それで余裕を生じた層がその資金を利用して投資に回す。今の米国株高はまさにそうした状況でしょう。住宅市場が減速し、本来は資産デフレの局面に入っているにも関わらず、それを補う形で株式に投資した人間が資産を増やしています。これは余剰資金が如何に潤沢か、ということを表す一つの指標なのだと思います。
米国に限って言えば、資源に投資していたヘッジファンドからの流れが株式に移り、それに個人が乗っているので、今はどんな指標が出ても上昇を志向していきます。基調転換になるにはしばらくかかるのかもしれません。

一方で日本が出遅れという人がいますが、世界のマネーの流れを見ればこれが出遅れでないことが分かるでしょう。せっかく金利の安い円で調達した資金なのですから、わざわざ日本で運用する必要はありませんから、外国人の売買が増えないのですね。
今度くるであろう世界不況の波は、日本の金利正常化が生み出してしまうかもしれません。こうした不均衡に基づく資金の流れにも対応できる、新たな経済学を構築することも必要な時期に、今は入ってきているのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 16:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2006年11月18日

アジア太平洋経済協力会議

ベトナムのハノイで開かれているAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に安倍首相が出席しています。首相となって初の国際会議の場ですし、米、中との積極的な意見交換の場としても重要な会議となっていますので、私も注目してみています。
米国のブッシュ大統領との会談では、日米同盟の重要性を確認し、北朝鮮を核保有国と認めないこと、六カ国協議では成果が必要との認識を共有することなどが挙げられています。ですが、これは表向きの内容であって、裏ではもっと具体案に触れていると信じたいところです。

揚げ足をとるつもりはありませんが、例えば『六カ国協議の成果』について、日米で認識が異なっていたとします。日本は北朝鮮の核放棄を含む、北朝鮮側の対外戦力の減殺を目指していたとしても、米国がそこまでの成果を望んでいない可能性もあるのです。
かつて述べた通り、仮に北朝鮮が偽ドル、偽タバコなどの米国経済を揺るがしかねない問題に対して、完全放棄を米国と約束する。それを米国が一定の成果として評価する可能性もあるのです。この問題はブッシュ大統領と民主党との関係で決まりますから、予断を許さないところにあるのだと考えています。
即ち民主党のいう対話重視とは、協議を重ねることにより一つ一つ条件をクリアすることを目指したものです。ステップとして日米が北朝鮮に提案すること、北朝鮮が六カ国協議の枠内で望むこと、これらを事前に想定してすり合わせておくことが重要なのです。これは首相レベルの話しとは異なるかもしれませんが、少なくとも六カ国協議の場で意見が食い違うような事態を避けるためにも、確認しあうことが大切なのでしょうね。

さて今回のAPECには、安倍首相に伴って経団連の人間134人が同行しています。ベトナムはネクストBRICsとして期待される国であり、経済で協力関係を結びたいとの思惑もあるのでしょう。ただし、今までのベトナムと日本の関係は必ずしも良好であったとは言えず、その点では難しいところでもあるのでしょうね。
このネクストBRICsとして期待される国は他にもありますが、政治や民情、宗教などの点において難しい面を含んでおり、政経一体となった取り組みが必要です。ただ日本の場合、経に引っ張られて政が動くことが多いので、これがODAなどの動きに連関しないようにしていかなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 18:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2006年11月17日

雑感、政治の脇の甘さ

食肉卸大手の協畜が輸入豚肉の差額関税脱税事件で、130億円という巨額の脱税にも上ることが発覚しました。額もそうですが、この輸入豚肉の差額関税はかねてより氷山の一角とも言われており、何度か脱税の問題を引き起こしています。国内産業を守るために取られた措置が、業者に悪用されている一つの例ですね。
おまけは、この脱税に関わった山水物産から安倍首相が献金を受けており、それを返す方向で調整が進んでいるそうです。またしも自民党の脇の甘い部分が露呈してしまいました。豚肉の差額関税については先にも言ったように氷山の一角かもしれず、こうした企業から献金を受ける場合は、より慎重であるべきところなのでしょうね。

地方の首長による談合事件が後を絶ちません。福島、和歌山に次いで、ついに宮崎県でも発覚しました。どれも構図が似通っているのですが、首長の側近である第三者が仕切り役となり、選挙を応援した企業などが受注を多くとるというもの。あまりに似た構図であるため、ブローカーの存在すら疑いたくなるほどです。
和歌山の事件では大物政治家の名も上がり、自民党との深い繋がりも指摘されています。議員の一人が談合に関わった人物からマンションを借りていた、ということもあったようですし、先には中川幹事長と世耕議員がゴルフ接待を受けていたのもあります。違法性は別にして、問題のある人物や企業と付き合うということがどういうことなのか、脇が甘いと言われても仕方のないところなのでしょうね。

小泉政権時代は秘書の方の裏ノートもあったとも言われていますが、とにかく閣僚級の人物に醜聞が目立たなかったのは確かです。メディアにも小泉首相ばかりが登場し、他に目立ったのは武部氏ぐらいだったでしょうか。逆に武部氏を目立たせることにより、メディアの目を上手くそらせていた側面はありますね。
一方で、今の安倍政権にはそうした人物はいません。塩崎官房長官にしても、TMのヤラセ問題で資料を公表する、といっておきながら後になってそれを拒むなど、閣内でも意見の統一すら取れていないように見受けられます。官邸主導の言葉も虚しく、その官邸にリーダーシップが欠如しているようにさえ見えてしまいます。

何事においてもそうなのですが、平時において人の価値は見え難いものです。緊急時に如何に対応するかで、その組織、人物の優劣が見えてくるものです。危機管理能力を身につけることが、今の組織全般に必要なことなのだと思います。

analyst_zaiya777 at 21:37|PermalinkComments(0)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

法人税減税について

法人税減税の議論があります。まず日本では企業に法人税と法人事業税、法人住民税がかかり、トータルして実効税率で40%前後がかかります。この実効税率は米国では40%を越えています。一方で、欧州は30%前半が多く、他のアジア諸国では20%台も見られ、世界と較べて日本企業の競争力が低い原因ともされているものです。
法人税を10%下げると約4兆円の税収が減り、これは消費税2%にも相当すると言われています。一方で、企業には租税特別措置があり、研究開発費を差し引いた減免措置があるため、一概に実効税率だけで企業負担を語るべきではないとも言われています。

先の米国中間選挙でも最低賃金が焦点の一つとも言われていました。この法人税減税議論でも、減税分を人件費に回すような案も出ています。つまり企業が得する分を賃金に反映させれば、個人からの反発も少なく導入も容易ということでしょう。
ですが、賃金や雇用方法について政府から企業に指示を出すのは現実的ではなく、減税によるメリットを政府が云々するのは筋違いでしょう。更に、今の政府のように企業を支援する立場にあるのであれば尚更、減税分の使い道に言及することは難しいのでしょう。

また過去7年間の赤字と相殺できるために法人税は全企業の3割しか納めておらず、法人税を減税したとして、そのメリットを享受できる企業も少ないのが現状です。一方で経営側からこの法人税減税が要求される背景には、今の政府の姿勢に乗って不公平感のある数値を示し、利権を獲得しようとするものとしか考えられません。
人事院でも公務員の年金が民間企業よりも低い、として職域加算に代わる新たな上乗せ分を要求する動きがありますが、数値とは都合よく使えば使えてしまえるものであり、法人税の議論もそうした動きの一つなのだと考えています。(人事院の試算は明らかに偏った集計によるものですので、同一に語るべきものではありませんが)

今回この問題を取り上げたのは、破綻した日本債券信用銀行があおぞら銀行として上場されたことにも関連しています。破綻した金融機関の処理で国民負担は10兆円を越しました。私企業の再生のため、金融安定という名目で多額の税金が投入されたのです。
一方で、国は夕張市の破綻に対して冷たい態度を取り続けています。企業再生には力を貸し、地方行政の破綻は見捨てるのか?非常に疑問もあります。一概に語ることは危険ですが、やはり釈然としないものを感じるでしょう。企業優遇も良いですが、国民負担とのバランスをとった対応を心掛けることもまた必要なのだと思います。

analyst_zaiya777 at 00:14|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2006年11月16日

教育基本法改正案が衆議院を通過

教育基本法改正案が今日、衆議院を与党の賛成多数で可決されました。私は与党が強行採決したことや、野党が審議拒否をして欠席したことなどは、あまり重視してはいません。昨日は少し失望もあったため簡単に触れましたが、その失望について今日は記載したいと思います。
与党案と野党案を見比べた時、与党案は現行法の見直しを重視し、野党案はその文言から改めて作り直したという内容でした。一つ一つの項目については賛否両論がありますし、野党案にあるインターネットの項目などには首を傾げる部分もありました。

今回の教育基本法については安倍首相が最重要法案と位置づけたのですし、超党派で議論しても良かった、それぐらい重要な法案だと考えています。即ち、教育を根本的に見直すということでは、与党案、野党案に拘らずより良い法案を作る方向で議論を進めて欲しかった、それが私の失望です。与党案、野党案、どちらもそれに拘った時点で政局にしているのであり、教育を重視した姿勢とはとても見えなかったのです。
未履修の問題やイジメを見ても分かるとおり、学校、教育委員会、文部科学省、どれもが無責任に、かつ子供を蔑ろにして保身を図ろうとしています。そうした態度をどう改めるのか?与党案では(別に定める法ともありますが)それぞれが連携すると記載されており、野党案では地方行政の長が責任を取る形になっています。これでどうやって現状の責任のなすり合いを回避できるのか、が全く見えてこないのです。

野党案では地方行政の長とあり、責任が明確なように見えます。選挙で選択される長というのは確かに民主的な選択法であり、責任を持つことは必要だとも思えます。ですが、それとて、地方行政という大枠の中で考えれば、教育のみが焦点となることはなく、それで責任をもって教育行政が任せられるのか?という疑問もあります。
特に今の県政の権威の失墜、談合などに関わる者の多さが地方権力の難しさを物語っています。法的な規制がないために天下りが多く、癒着が起こり易いという側面のある地方行政で、その長が子供たちに責任を持てるのか?私はNOだと考えています。

民主党では教育委員会に代わる、新しい第三者機関による教育行政監査委員会なども検討されているようです。どんな形であれ、責任の所在を明確にして対策を講じる方向で議論を進めて欲しいと思います。大人たちの勝手な都合と理屈を、教育という場に持ち込むことだけはしてはいけないのだ、そう考えています。

analyst_zaiya777 at 21:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

経済の話。日清が明星のホワイトナイトへ

外資系投資ファンド、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンド(SPJ)が明星食品にかけていた敵対的TOBに対し、日清食品がホワイトナイトとして登場し、一株870円での友好的TOBをかけました。これでこの問題は決着するようです。
以前、SPJは村上ファンドなどと同じ手法と述べたことがあります。こうしたファンドは短期で利益を上げなければならない、利益追求型のアクティビティ・ファンドです。株の大量保有をしても、当初は相手企業に対して友好的に接したりします。今回でも役員を派遣するなど友好的でしたが、短期間で一株価値が上げられないと判断すると態度が変わります。役員によるMBOを持ちかけ、それが受け入れられなければTOBを仕掛けて、ホワイトナイトなどの第三者機関への売却を狙うというものです。
今回の日清食品によるTOBには正の面と負の面があります。提携効果は当然あるでしょうが、独占禁止法なども今後は論議されますし、SPJを上回るTOB価格で購入する訳ですから、当然高い買い物にもなる訳です。こうしたもので、ファンドが一人勝ちするような構造にはメスをいれなければいけませんが、違法ではないので何とも出来ません。これは村上ファンドの時と同じ、釈然としなくても合法というところですね。

市場の話では、証券税制の見直しがあります。金持ち優遇だとも言われて見直しの機運が高まっていますが、本来の目的は証券市場の下落を受けて、貯蓄から投資への流れを作るための措置だったのです。それが今後は再び貯蓄への流れと傾いてでも、税収の増加を望みたいというのが税調の本音なのでしょう。
本来、リスクをとって投資するものと、貯蓄とが同じ税率である必要はありません。金持ち優遇というのならば、一定額以上の取引に対して税負担を元に戻せば良いだけで、一律である必要はありません。特に現状のようににライブドア問題などの個人が痛む案件があった後ですから、日本の投資意欲は税制面からも減退していく方向にある、ということははっきりしたのでしょうね。

そして日銀では会合が行われています。私は利上げ容認派でしたが、7-9月期のGDPを見る限り危険信号も灯ったと考えています。現状、日本で利上げが行われれば、景気が一気に落ち込む可能性もあると見ています。何故なら、日本の利上げは確実に円キャリートレードを縮小させ、国外の景気も落ち込ませる可能性があるからです。
今言っても詮のないことですが、最低1%まで金利を上げておけばよかったのですけどね…。


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2006年11月15日

教育基本法改正案が衆院特別委で可決

教育基本法の改正案が本日、衆議院特別委を通過しました。反応は様々ですが、自民党としては「審議は尽くした。民主党は政局とした、許せない」としていますが、本音としては強行採決とならずに御の字といったところでしょう。
今回の件で、100時間も審議したから十分だとするものもあります。郵政民営化案でさえ108時間だったと。ですが、こうしたものは時間の量が問題なのではなく、議論の質の方が重要です。特に終盤になってイジメや未履修の問題などが噴出し、その議論がどの程度行われたのか?です。
だからこそ、こうした問題に対処するためにいつまでも基本法でもめずに、早く学校教育法などに移れば良いではないかとも言われます。しかし基本という土台を作り込まずには、上屋は出来ないのだと考えます。

また少年法の改正にも着手されるようです。私は少年法の改正には賛成です。結論から先に言えば、子供にも「悪いことをすれば罰せられる」という意識を持たせ、それを法の形で明示する必要があると考えているからです。
未成年だから更生を最優先に、罰を軽減する必要もないと考えています。罰は誰の上にも等しくし、更生が必要と認められる場合にそうした更生プログラムなどを考慮した、服役方などを整備していくことが本来の姿だと考えています。

例えば、福岡の件や埼玉の件に見られる金銭の要求などは恐喝行為なのですから、学校裁量ではなく警察が介入しても良いような場面です。しかし学校や相手が未成年であるという閉鎖性の為に教師が解決する形を取り、結果的に対応が遅れています。
子供を守る、そのために公権力の介入を遅らせる。結果、守られるべきイジメを受けた子供への対応が遅れるのでは、本末転倒なのです。必要な時は子供たちも公権力に守られなければならない場面もある、それが悪いことをした人間の更生という理由のために、阻害されるようなことがあってはいけないのです。

またイジメられたら学校に行かなくても良い、という人は学校以外の受け皿設立を強く訴えて欲しいと思います。学校に行かなくなる、皆と異なる行動をとる、という行為は非常に勇気がいるものです。そうした勇気を与えるためにも、現状逃げ場の少ない子供たちへ、その選択肢を拡げてあげるような体制も必要であると考えます。
イジメられる子供たちに「強くなれ」ということを言う人もいます。では1対多数で戦える人間がどの程度いるのでしょう?大人でも難しいと思います。精神的に強くなることも必要だと思いますが、それを促すと共に支える制度も考えて欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 21:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2006年11月14日

北朝鮮への「ぜいたく品」輸出を禁止

北朝鮮への「ぜいたく品」輸出、日本は安保理制裁決議に基づき決定し、15日から実際に行われるようです。これは良い動きなのですが、問題は中、韓が制裁決議に難色を示しており、決議そのものに抜け穴が出来てしまうことです。
最近の北朝鮮の動きの中で、日本の六カ国協議への参加を拒否するような発言がありました。これを日本の金融制裁などの成果だとする人もいますが、仮に日本の制裁に効果があれば、むしろ会議への参加を促して二国間協議を提案してくるでしょう。そうではなく拒否であるのは、会議のブレを嫌った動きだと考えられます。拉致問題などを持ち出されれば、北朝鮮が望む米国との二国間協議にも影響が出かねません。そのため、日本の参加を拒否しているものだと思われます。

日本の金融制裁でもそうですが、今回の「ぜいたく品」にしても、日本からでは幾らでも迂回できるところが問題です。直接船に乗せなくても、どうしても欲しいものであれば、中、韓やその他の国からでも迂回して北朝鮮に輸入することが可能です。そのため、実質的な効果としては少なくなってしまうのです。
だからこそ、中、韓も巻き込んで北への包囲網を作る、そうした政府の動きも必要なのですが、水面下で動いているのか?それとも安倍氏の訪中、訪韓で一仕事終えてしまったのか、あまり活発な動きを見せていないのが残念です。

北朝鮮は来年初めにも物資が不足して崩壊するという人もいますが、今の北朝鮮の動きを見る限り、一年や二年での自然崩壊は有り得ないでしょう。中、韓の支援が細らない限りにおいて、北朝鮮にはまだ耐え抜く力もありそうです。仮に崩壊するほどの危機であれば、すでに別の手をうっていて然るべきですからね。
私は対北の分析の中で中国が動く、中国が動けば事態が変わる、それは既に米、露との協議済みだとしています。では六カ国協議まではこのまま行くとして、12月初旬とも言われるこの開催、それ以降の各国の動きが非常に重要となってくると考えています。

中国が本気で動くのは六カ国協議が決裂し、北朝鮮が更なる瀬戸際外交に踏み込むその時だと考えています。一方で、今の米国の動きを見ていると金融制裁解除や、六カ国協議とは異なる枠組みの中で、協議に一定の成果を出すような動きがあります。中間選挙敗北以降のブッシュ政権の大幅な舵の切り方は、長期的な動きよりも短期的な成果を求めてしまう、そうした懸念を拭い去れないものだと考えます。
こうした動きの中で、日本一国が強行路線を取り続けることには不安もあります。安保理制裁決議を生かし、米、露、中のどこかと戦略的に組んでしっかりと対応する必要もあります。現状、米国のみに頼っていると、いきなり梯子を外される懸念も燻っているのですから、対外戦略は柔軟に、かつ迅速に対応すべきだと考えています。

analyst_zaiya777 at 23:57|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

7-9月期のGDP速報値について

本日、内閣府の方から発表された7-9月期のGDP速報値。前期比0.5%増、年率換算2.0%増を好感して、日本市場は上昇する結果となりました。今回はマイナス成長すら予測されていたので、上方にふれたことがよりサプライズとして捉えられたのです。
簡単に内訳を見ると、個人消費が0.7%減と大幅な減少傾向を示しましたが、設備投資が2.9%増、輸出が2.7%増となり、公共投資の低下と個人消費の落ち込みをカバーした形となっています。更に10-12月期のGDPも堅調な推移を示しています。

内需が弱い傾向を示したのはワールドカップを通過し、薄型テレビに一巡感があること、及び暖かい日が続いたので秋物衣料が低調だったことなどが挙げられています。大田経財相が景気の堅調さを示した上で、「消費が弱い動きは注視したい」としています。
これは上記の理由以外に、賃金上昇が鈍いこと、及び労働形態の変化で個人所得の低下もその理由にあるところです。更に扶養控除の削減、年金負担の増大、医療費負担などを始めとする家計圧迫要因も山積みなので、今年は賃金上昇も見込めるとは言え、すぐに内需が回復するというのも難しいところではあると見ています。そしてエルニーニョ現象の兆候もあることから、暖冬であれば更なる悪化となるでしょう。

一方で、私が読み違えていたものに外需があります。輸出がここまで好調とは予測しておらず、円安が支えただけとは思えないほどです。これは景気鈍化前の駆け込み需要が多かったのか、新興国の好調な市場に支えられた投資意欲がもたらしたものかと分析します。前者であれば先行き警戒、後者なら楽観論が支配するという結論です。
そして重要なのは、在庫の積み上がりもこの数値には含まれていることです。今後需要が拡大すると見られるPS3、Wii、ウィンドウズビスタに備えてハイテク部門の在庫が増える傾向にあります。順調にこれらの消費が進めば良いのですが、クリスマス商戦で伸び悩むとこれが将来の圧迫懸念になりますので、注意が必要となるでしょう。

ここからは私論ですが、今回これだけ強い数値が出た背景にあるのは、先行して成長を先食いしたものであると見ています。そうなると10-12月期は内需は弱気、外需も産業機械受注を見る限り相当弱含むことも予想されるので弱気、となります。
残る国内の設備投資は7-9月の機械受注までは好調だったので、まだ影響は軽微だと見ますので、ここがどの程度支えられるかだと見ます。
一方で設備投資の堅調だけで国内需要が盛り上がらず、いつまでも外需頼みという構造のために、日本は世界から景気敏感市場として取り残されています。世界経済の鈍化が直撃する、このような産業構造では今後の成長にも限界があるでしょう。危険水域に入る前に手を打たないと、早晩景気後退局面に入ってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 21:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2006年11月13日

福島県知事選のことなどを雑感的に

最近の政治のことについて色々と。まずは福島知事選ですが、民主、社民推薦の佐藤雄平氏が当選しました。自民党の地盤が強いとも言われていましたが、予想外に大差のついた結果となっています。これは自民党支持層の分裂という面が大きく、自民党支持者の一部が佐藤氏に投票するなど、自民・公明推薦の森雅子氏に対する不審の部分も大きかったのだと思います。
自民党が痛いのは、これで来週の沖縄知事選に弾みがつかなかったことでしょう。教育基本法改正の問題もそうですが、自民党には米軍再編に伴う沖縄の基地負担の問題もあります。衆院補選で二つとっても、知事選で敗北を重ねれば安倍政権の求心力も失う、それが来年の参院選にも負の面で受け止められるでしょうから。

その参院選で郵政造反組の復党が視野に入っていますが、政治家の離合集散は常なので個人的には感想もありませんが、選挙民にとっては馬鹿にするなと言いたいところでしょう。郵政民営化が是か非かで投票したのに、非の人たちが『踏み絵』を踏んで是に代わる。これでは郵政民営化反対で投票した人の一票の価値は消失します。
ですがそうやって造反組の復党による組織票ばかりを期待していると、今の県連の分裂ともども浮動票が動いて、自民が自滅することになるのでしょう。参院選が近くなれば一体感も演出するのでしょうが、福島県の自民分裂の流れを見る限り、相当引き締めに走らないと、自民支持層が民主に流れる可能性もあるのです。一度対立した組織の修復は、人の心と同じように難しいものですからね。

さて話は変わりますが、タウンミーティング(TM)の問題は広がりを見せています。やはり教育以外のTMでも『ヤラセ』の事実が発覚し、更にTMに申し込んでいたのが身内であり、サクラが質問していたというものまで。市民の声を聞く、議論をするという前提が崩れ去り、仲間内でシャンシャンで納めるのは以前の株主総会を見るような思いです。
日本人は喧々諤々の論争よりも、なぁなぁで纏めようとします。特に権力のある人間は自身を否定されることを恐れる傾向があり、結果として民意と偽った、上にいる人間にとって都合の良い、結論ありきのものだったということなのでしょう。TMは良い制度ですが、運営者の意識がこれでは開催する意味は失われています。もう一度基本に立ち返り、民意とは何か?それを考えるべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

国民負担が増える議論が次々と

現在、厚生労働省で審議されているホワイトカラー・エグゼンプション。年収400万円を越える一般会社員の、1日8時間を越える労働に対して賃金を払わなくても済むという制度。成果報酬を徹底させたい企業側からの要求に応える形で検討されているこの制度、これほどの悪法もないのですが、企業寄りの現政府では実施の可能性は高そうです。
企業は一時期、目標設定とそれに達することを基本とした評価制度を採用しました。各企業によっても異なりますが、営業のような成果が分かり易い業態以外の、評価が難しい職種に対し、採用されることが多かったものです。

ですが、結果的にこれは目標設定の段階での問題と、評価する側に主観が入るなどの問題もあり、既にこの評価制度から撤退する企業もあるものです。更に目標達成までの労働時間まで含めて、その人間の能力を見極めるのは難しい面もありました。
ですが、このホワイトカラー・エグゼンプションにおいては、こうした成果が目に見える形で理解できることになります。目標達成までに何時間かかったのかを企業サイドは何ら把握することなく、成果に至ったことだけを評価の対象にすれば良いことになるからです。一方で、成果が出せなければマイナス評価しか出ない、働く者にとってこれほど不利な制度もないと思われます。

一方で、パートにも厚生年金加入を促す検討もされています。週20時間以上、年収65万円以上のパートに加入を義務付けるとするものですが、問題はこれを管理する側なのだと思います。最近はパートが増えて年金収入が減ったと言われますが、この制度を促せば大手は応じるでしょうが、中小ではパートの業態の変化が起こり、複数の場所で働くことなども含めて、今の社会保険庁では管理し切れない可能性の方が高いと見ています。
先のホワイトカラー・エグゼンプションにしろ、パートの厚生年金加入にしろ、庶民にとって収入は減る方向にあります。医療制度の改革でも、結果的に人々の支払う額は多くなっています。財政が大変だ、これからも財政支出は増える方向にある、だから国民負担を増やす。理屈は単純ですが、こうした対処療法だけでは問題の先延ばしであり、将来的に再び財政が苦しくなり、同じ理屈で負担が増える可能性もあるのです。

庶民負担を増やすばかりではこの国の内需は育たず、日本経済は遠からず景気後退局面に入ると見ています。私は既にその兆候も見られ始めたと見ていますが、その時に更なる庶民負担の増大は、景気を冷え込ませるだけなのです。ですが、今のマクロ経済路線の政府には、路線変更は有り得ないところなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 21:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済