2007年04月

2007年04月30日

政治家の外国での発言で気になったことを少し

安倍首相の中東歴訪、経済界の面々を引き連れた堂々たるセールスマンぶりですが、人材育成、教育、どれも経済と直結しない話ばかりが伝わってきます。沖縄にサウジの石油備蓄基地を誘致、とするものもありますが、どうにも米国の影がちらつくようで気になります。イラクで失敗した米国が、いざとなれば沖縄でサウジ産原油を直接購入したい、とする意図は多分に含まれているのでしょう。
米国に向かった久間防衛相は、冷たい対応をされているようです。久間発言の余波もありますが、日本にだけは言われたくないという大国の思いもあるのでしょう。外交的に何ら主体性を持たず、イラク問題でも米国に追従するだけだった日本が、何を今更米国を批判するのだ、という一番触れてはいけない琴線を鳴らしたのです。米国との間にある溝は久間発言だけではありませんが、米国が日本との距離を置き始めた動きは今後顕著になると考えられるので、注意は必要なのでしょう。

ハンナラ党の大統領候補である、イ・ミョンバク氏と自民党の山崎、加藤氏が会談したそうです。その中で、「日本はナショナリズムが強いのではないか、と近隣諸国でも心配しているところがある」とイ氏が語っているそうです。
日本では中・韓の態度を見て、自らの国際的な位置付けが揺るがされ、それに対する反動的な動きとしてナショナリズムが盛り上がっています。これは特別なものではなく、普通の社会や人間関係でも起こり得ることであり、他者との関係で自らの立場が危うくなると、保守的な思考や行動に偏り易いということでもあります。

そしてこうした発言をするのは、『投射』の機能が働いているからに他なりません。自分が相手に向けている問題を、まるで自分がその被害者のように感じてしまう。つまり今回の場合、自身が自国のナショナリズムを盾に外交している時は、その悪影響に気付かなくても、日本が同じ手法をとり始めると、自分たちがやっていたことを忘れて相手の態度のみを悪とし、自分が被害者であると訴えるということになります。
国家レベルの問題であるにも関わらず、個人の精神構造の動きで語れる、というところがこの発言の興味深いところでもあります。この『投射』は女性に多く顕在化するとも言われますし、一部には被害者意識が根底にあるのではないか、とも言われます。自身を守るための一手法として、『投射』が行われているというのです。

どちらにしろ、ナショナリズムによる外交は、世界との距離が縮まる中では弊害の方が強く表れます。何故なら、今の世界は単純な二国間の問題に留まらず、多国に跨る問題に発展することも多くなっているからです。その時ナショナリズムが壁となり、交渉の道筋をつけられないのが、今の日韓の問題ともいえるでしょう。
自国に誇りをもつことは決して悪いことではありませんが、外交という場に持ち込むと、一時は成功しても決して得にはならない、ということは考えておかなければいけないところなのでしょうね。

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2007年04月29日

雑感。最近の業界再編の流れについて

今日は昭和の日ですね。天気が良かったので、少し遠くまで出たのですが日差しが強くて疲れてしまいました。今日は最近経済の話で気になったことを、雑感的に書きたいと思います。

まずウィンドウズ・ビスタが発売されましたが、私が予想したとおり、日本国内の売れ行きはあまり芳しくないようです。日本ではパソコン自体が成熟産業の位置付けとなり、新機能によほど魅力的な内容が追加されない限り、購買力は伴わないということです。パソコン需要は今後伸びると予測されているようですが、買い換え需要以上のものは期待できないと見ておいた方が良いでしょう。
一方で、マイクロソフトは好調な業績を確保しており、これは新興国で増え始めた富裕層が、先進国並みの機能を手に入れようとすることで、パソコンなども先進国のものを購入する、という需要に支えられたものです。ドル安が後押ししている側面は否めませんが、ビスタ需要ではないということには注意しなければなりません。ハイテク在庫の積み上がりが気になりますが、新興国の景気に左右されるのでしょうね。

次に楽天とTBSの騒動が、ついに敵対的な関係に発展しそうな雲行きです。20%近い株を保有され、話し合いに応じる素振りを見せながらケチをつける、TBSののらりくらり戦術に対し、業を煮やした楽天側による、20%超の株式所有が宣言されたのです。
この問題はどちらが正しいという話ではなく、企業が収益構造をどう見出すのか、という問題です。放送と通信の融合は避けて通れない話ですが、通信側にイニシアチブをとられたくない、放送側の抵抗という側面が否めません。よって収益性は度外視され、主導権のみの議論となり、互いの入り口すら見えなくなっています。
一部で野球協約違反との話もありますが、これは副次的なものであり、主導権を楽天が握ればTBSに対して売却を迫る可能性もあります。この問題はやはり、TBSには論理的に通信との融合による収益拡大の可能性、それが楽天に買収されるとどう変化するのかを説明して欲しいところです。

焼肉やさかいに対する、ディスカウントTOBの話もありましたが、企業買収という話では今後もこうした買収劇が増えるのでしょう。三角合併が解禁され、日本のようなメインバンクの意向が反映され易い企業だと、買収された方が都合が良い、となればそうした決断も行われるはずです。
業界再編期待、という言葉もありますが、再編の先に本当に業績拡大が見込まれるのでなければ、それは逆効果にしかなりません。ダイムラー・クライスラーの合併、そして売却の流れが教えてくれるのは、業界再編効果を生み出すのは、経営陣の手腕に掛かっているということですね。

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2007年04月28日

日米首脳会談。地球温暖化に向けた共同声明

安倍首相の訪米について、一先ず成功との話が伝わってきますが、11月にハノイで行われたAPECの中での首脳会談の内容と、はあまり大差がないようにも感じられます。その後、米国は極端に北朝鮮との対話路線に傾斜しているので、11月時点の内容を確認できたことには一定の評価はあるのかもしれません。ただ現時点の米国に変化の兆しはないので、当分は対話路線に変化はないのでしょうね。
また安倍氏の訪米が現地メディアであまり取り上げられていない件ですが、現状安倍氏の存在に触れると従軍慰安婦の問題に触れねばなりません。その前のネガティブキャンペーンの影響ですが、日本政府としても訪米前のインタビューの受け入れと共に、問題拡大を避けて報道せずの方針で現地メディアと合意したのでしょう。世耕氏の動きと共に、相当根回しは慎重に行ったようですからね。

今回の首脳会談で、ポスト京都議定書を巡る地球温暖化防止対策についても、日米の共同声明が出されました。EUで活発化する地球温暖化削減に対するイニシアチブを、日米側の主導する方向に導きたい、これはそんな思惑の滲む内容となっています。
ただし、この問題では京都議定書に参加していない米国と、削減目標達成が危ぶまれる日本とでは、幾ら魅力的な提言を行おうと現時点で削減目標達成が確実視されるEU側に対して、その提言が見劣りするのは言うまでもありません。

まずバイオ燃料の問題ですが、原子力とまとめて考えても良いのですが、人間が産業として活動するものには、必ず二酸化炭素排出という代償が付き纏います。簡単に言えば、お金の移動があるものは必ずそこに産業活動があるので、お金の量に比例した二酸化炭素が排出されている、ということになるのです。
そしてこの声明の矛盾は、すでに他の農産物の畑をトウモロコシ畑に転用する動きがあり、また需要拡大を見込んで農地の価格が上がるなど、経費負担が増大する流れがあることなどで顕在化しています。原子力でもウラン原料の取引を米国の工業製品取引所で開始する動きもあり、またウラン原料の価格高騰は止まっていません。バイオ燃料、原子力、どちらも単純計算では二酸化炭素の排出が無いクリーン燃料ですが、産業としてトータルで見ると、本当にクリーンかどうかは分からないということになります。

別に人間の活動そのものを否定するつもりはありませんが、日本にしろ米国にしろ、現状の分かり易い『クリーンさ』に飛びついているように見えます。将来異なる二酸化炭素削減に向けた新たな計算方法が導入されれば、この声明そのものが否定される可能性もあるのかもしれない、そう感じています。
バイオ燃料にしろ、原子力にしろ、産業活動として自由競争の波に晒されると、原油やその他の鉱物資源の流れと同じことになってしまいます。地球温暖化を防ぐという目標と産業活動、これを一緒に考えていると、行く道を誤る危険もあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2007年04月27日

戦後賠償訴訟に対する最高裁判決について

今日、最高裁で戦後賠償請求に対する判決が、二件ありました。一つは戦時中に広島の発電所建設に携わった西松建設に、損害賠償を求めた件。もう一つは従軍慰安婦に対する判決です。両判決とも理由がほぼ同様なので、一緒に考えたいと思います。

まず戦時の強制性の点について考えると、これを材料視する判決は却下される可能性が高いです。以前も指摘したことがありますが、戦時はほぼ全国民が国から何らかの強制的な対応を強いられます。戦時は国家の維持が第一であり、平時に有する国民の権利は著しく過少になります。
つまり戦時に行われた国家からの命令に対し、一度でも強制性を認めてしまうと際限がなくなる可能性が高くなります。徴兵された兵士、不本意に財物を供出させられた人に至るまで、賠償請求を始められるとキリがなくなります。戦時と平時を分けて考えなければならないのはまさにこの点で、国家が戦争をする権利を有する以上は、国民は国家の強制性にある程度従わなければならない場合もある、ということです。

よってこの両者の問題は、強制性が争点ではなく待遇、処遇の問題となります。そうなると民事上の除斥期間に大きく左右され、現時点でそれを覆す判例がない以上、除斥期間を過ぎて賠償請求をしても、認められないということになります。
この点では最高裁の判決を違法としている弁護士の会見もありましたが、現行法制上は判例を大きく外していないことにもなり、法的根拠は正しいと言えます。逆に考えれば民事の除斥期間の問題は、他にも様々な弊害を生み出しているものであり、法治国家として最高裁の判断は正しいといえても、立法府の立場として考えれば異なる判断もできるのかもしれません。

最後に、日中共同声明の中の「中国は日本に対する戦争賠償の請求を放棄する」の問題に触れます。これはサンフランシスコ平和条約に基づくもので、戦後賠償を認めると国家間の平和条約の締結に支障があることから採用されたものです。
この文言の拘束力は強いですが、個人に対する不必要で苛烈な人権侵害の場合、国家は損害賠償に応じる必要も生じます。最高裁の判決文の中にある「被害者の救済に向けた努力を期待」と述べているのが、まさにこのことに当たるのでしょう。司法判決としてではなく、人道的観点から各自が判断することを求めたものです。

司法には限界もあり、法的根拠から踏み出すにはより慎重な判断も必要であるため、今回はそれを回避した形なのでしょう。ただ個人の力量の限界、組織との対話による解決の難しさを考えると、少々厳しい判断なのだと思います。争点が幾つもあり、混ぜると分かり難くもなりますが、今回の判決は妥当、ただし法的限界も感じる、というのが、今回の判決に対する私の感想ですね。

analyst_zaiya777 at 22:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 社会

2007年04月26日

安倍首相の訪米

安倍首相が訪米へと旅立ちました。飛行機への搭乗前に「忌憚なく話せる関係…」と述べていましたが、米国はそんな関係を望んでおらず、これが単なる国内向けのパフォーマンスに留まらず、態度にも表れ出すと米国からそれなりに圧力も掛かることが想定されます。
残念なのは、安倍内閣に戦略的に米国との関係を見直す、という態度が中途半端に見えていることです。これは外交を考える上で最も悪い戦略であり、今後は米国との関係の中で極めて厳しい要求を突きつけられる、そんな事態も想定しておく必要を感じさせるほどです。

先の従軍慰安婦の問題で、米ニューズウィークのインタビューで安倍氏はお詫びの気持ちを述べていますが、これなど外交上の大きな失敗の見本です。一部では国内世論を盛り上げ、それを背景に外交を展開する国があります。それは偏向報道や世論を醸成する背景があるなど、その国固有の問題もありますが、日本ではそうした世論は盛り上がらない傾向があります。
国内向けに情報を発信しても風にならず、更に外国からの圧力があれば意見を覆さざるを得ない。これは国力とも関係しますが、輸出主体で内需が育っていないため、貿易上の不利益を被ると国内経済は疲弊します。また企業の力が強く、政治がその上に立つ立場にないために起こる問題ともいえますが、どちらにしろ日本ではそうした外交は展開できないのです。
よって相手国のロビイストなどを取り込み、日本の情報発信力を高めて相手国との風通しをよくしておく必要がありますが、日本では外務省の怠慢もあり、そうした対応は苦手項目の一つです。この時、日本に都合の良い意見を幾ら述べたとしても、米国内で意見が広がるはずもありません。結果として、中・韓の利益代弁者としてのロビイストにより、日本は再びお詫びの言葉を述べるに至るのです。


今回の訪米で、牛肉や集団的自衛権の問題など、米国を喜ばせる手土産を持っていますが、これでも日本の意見はまず通らないでしょう。北朝鮮拉致問題など、日本の言いたいことは山ほどあっても、現状のブッシュ政権内の面々を見ても、日本の意見を通してくれるような人材は存在していないからです。
土産とは等価交換ができれば最良ですが、現在の国内の立場や環境からすると、日本は与えるだけで終わってしまいそうです。任期切れで退陣するブッシュ政権では、今更日本に手土産を渡す必要もなく、上下両院議会も日本叩きの方が勢いがあります。手土産の内容が安倍氏の好む部分もあるので、今回は大盤振る舞いをしているとも見えます。『忌憚のない』話し合いをすることも大事ですが、『期待のもてる』条件を引き出すような、そんな戦略的な外交が今の日本には必要なのだと感じます。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2007年04月25日

経済の話。東証株価指数の下落の理由を考える

米国では企業業績が好調でダウが史上最高値を更新、13000ドル目前まで迫る勢いを見せています。私は経済の面で『出遅れ』と使うことを好ましく思っていませんが、その理由は経済とは個別の要因により上下動するものなので、世界との対比で経済を語ると見誤ることの方が多いからです。しかし新興国でも最高値をとっており、日本だけが蚊帳の外に置かれていることだけは間違いありません。
私は行き過ぎた低金利は経済を冷やす、と大勢の経済評論家の意見とは異なる意見を持っています。円キャリー取引など、日本から資金を持ち出されることが多くなると円は弱くなりますが、これは輸出企業に追い風でも日本国内全体を考えた時、マイナス面の方が大きいからです。

現在の経済財政諮問会議でも言われていることですが、昔から日本では個人資産を貯蓄から投資へと謳われます。しかし今投資を促しても、それは世界の高金利国や伸張著しい新興国に流れるばかりで、日本国内に限ってはあまりプラスになりません。
低金利が国内経済を有利に働かせるのは、借り手にとって金利が低く借りられる効果が最大ですが、一方で国内に投資を呼び込まないので、資産増大効果は見込めないことになります。一部メディアでは欧米と日本の違いとして、賃金上昇率は違いがないが、土地高騰などによる資産増大効果が欧米ではあるので、景気が好調に動いているとするものもあります。これは日本で貯蓄から投資を促しても、日本が超低金利を続けている以上投資は国外に向かうので、土地が高騰することもなくインフレも進まないことになり、景気は上向かないことにもなるということです。

結果として日本経済は世界経済、特に米国経済としか連動せず、米国の企業業績は好調でも経済全体は弱めの指標が出ているため、日本単独で見ると下落圧力の方が強く働くことにもなります。一部で企業が業績見通しを低く発表するため…、との理由も聞かれますが、業績見通しを低くせざるを得ない背景には、米国経済の先行き不透明感や円高進行などのマイナス圧力も存在するのです。
そして米国経済の見通し次第で業績が大きく振れるということは、世界経済が好調な時に日本国内への景気対策を怠ってきた、官や一部大企業の責任が大きいのです。外需よりも内需へ、とも言いますが日銀が超低金利を続ける以上、内需の拡大も先の理由により不可能でしょう。

日本が『出遅れ』てしまったのは、株価ではなく金利水準です。そしてもうこの金利水準は円キャリー取引などの弊害を生み、手を出せば変動を大きくする要因にもなってしまいました。今の日本の株価下落を引き起こす原因は、単に外国人が売っているという実需の問題だけではない、ということだけは肝に銘じておかなければなりませんね。

analyst_zaiya777 at 22:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2007年04月24日

全国学力テストが実施

全国学力テストが開催されました。43年ぶりに実施され、全国の中学三年生、小学六年生の合わせて233万人が参加する大規模なもので、77億円の費用や民間委託される採点方法など、何かと話題の多いものともなっています。また私学の半数近く、愛知県の犬山市教育委員会が不参加を表明するなど、足並みは必ずしも揃っていません。

今回の全国学力テストは国際的に見て学童の成績が低下した、との統計が発表されたことに端を発します。つまり国として統計上の基準がない中、一部のサンプリングではなく全体の成績を把握し、今後のデータや運用方法の参考にしたいとの思惑もあったものと思われます。
一部に学校別の成績は情報公開しないや、プライバシーの侵害、国の教育への関与は認めないとする意見があります。私は教育に競争原理を導入することに必ずしも賛成ではありませんが、全く競争のない、そんな状態にも不安を覚えています。

この『教育に競争を持ち込む』ことについては、どちらに振れ過ぎても可笑しな話であり、両者が極論を持ち出す以上は意味のないものとなります。例えば今回の学力テストのために、想定問題を生徒に出題したり、成績アップのために学力テスト用の授業をすれば害になります。一方で、学校内でテストは日常的に行われていますから、各学校が管理するそうしたテストの成績、順位付けは問題がなく、国が関与するのはいけないとしてみても説得力はありません。
つまり運用上でこの全国学力テストが害になることもあれば、逆にこれを利用してより良い教育が実現できる、そんな可能性も秘めている訳です。更に高校受験、大学受験と、教育とは常に優劣が明らかになる宿命を持っています。例えこうした一斉テストがなくとも、合格率などで各学校の順位付けが可能な分野でもあり、殊更このテストのみを問題視することも、何ら正当性を感じないものとなるでしょう。

私は議論の入り口として、この全国学力テストの運用方法や利用方法に関しては、大いに行うべきと考えます。また費用対効果について論じても面白いかもしれません。ただ今ある国の教育への関与やプライバシーの問題などを論じても、結果的に何も前進しない議論にしかならないと考えます。
必要なことは、教育とは誰のためにあるのか、ということです。国のためでもなければ教育委員会のためでもありません。教育を受ける権利を有する、子供たちのためにあるのです。大人たちが議論をする、その前提にあることが崩れているようにも感じられますが、そんな大人たちの都合に子供たちが振り回されることだけは、避けて欲しいと考えています。

analyst_zaiya777 at 22:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2007年04月23日

イラク混迷で日本に支援金負担が回る?

最初に長崎市長選について少し触れます。昨日は『ドラスティックな改革は望まない』と書きましたが、『手腕の分からない人間には任せられない』としても良いのかもしれません。未知数に対する期待感より、現実的な選択を望むということなのでしょう。この点は、宮崎で起きた風は全体に波及していない、ということになります。
また伊藤市長の後継者を自認したとは言え、元記者として横尾氏の政治能力は不明です。短い選挙期間では政策を訴えることも難しく、世襲を殊更にアピールしたことが逆に作用した結果でもあるのでしょう。本人の顔や名前が有権者の意識から消えてしまったのでしょうね。

イラクで少し気になる記事がありました。米軍を始めとする多国籍軍が駐留しているグリーンゾーン内でも自爆テロが起こり、もはや安全区域など存在しないと云っても過言ではないでしょう。これにより、イラク国内外には避難民が増え、支援が必要な段階に至っています。
この事態についてエジプトのアブルゲイト外相が、「多国籍軍の派遣国は資金を供出して支援するべき」と述べています。これはまだイスラム諸国のコンセンサスにはなっていませんが、やがてこの議論は中東諸国で議論されるようになるでしょう。5月3日からイラク国際安定化会議が開かれますが、イスラムに混乱をもたらした責任をとれ、という議論に傾くことは充分に考えられます。

この時、米軍はこの要求を拒否する可能性が高いです。イラク安定化のため、米国は軍を駐留させるのに多額の経費をかけた。それ以上、支払う義務はないという理屈を述べるでしょう。米国にとって戦費は一部の軍産複合体を潤すため、必要経費だと考えられていても、イラクが安定化するための費用などは議会を通らないからです。
これは米国が原油を中東だけに依存していないこととも密接に絡みます。一部の親米国との間の取引さえあれば、後はベネズエラ産原油で足りるからです。一方で日本の状況は全く異なります。原油依存度の中東の割合が高く、イスラム諸国からの要求を拒否できない環境にあります。

しかも最も気になったのが、安倍氏がGW中に訪米の後、中東歴訪をすることです。もしかしたら米国へ送られた請求書を日本につけ回され、それを持たされて中東へ渡り、イラク復興支援金として多額の資金を支払う約束をしてくる、そんな疑念まで浮かんでしまいます。
イラク戦争に加担した、それを支持した責任は日本も負わなければなりません。それが米国の戦後処理の不味さだろうと、現状のイラクは混乱しており、イラク戦争も混乱の原因の一端には違いないからです。しかし米国の分まで肩代わりさせられるとなると、少し話は異なります。安倍氏が米国で何を話し合うのか具体的にはまだ分かりませんが、日本がまた余計な支出を迫られることになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:39|PermalinkComments(1)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 中東

2007年04月22日

福島、沖縄の参院補選は一勝一敗

参院補選の結果が出ました。福島では民主、国民新党推薦の増子氏が、自民、公明党推薦の山口氏、共産党推薦の宮本氏を大差で破りそうな勢いで、当選を確実にしています。沖縄では自民、公明党推薦の島尻氏が野党相乗りの狩俣氏を破り、当選確実となりました。
前回の統一地方選、前半戦のように波の少ない選挙戦だったといえるでしょう。事前に有利とされた候補がそのまま当選しているので、与野党が熱い選挙戦を展開した割りには、国民への浸透具合が低かったようにも思えます。ただ結果だけを見れば若干自民党は苦しいかな、という印象です。福島で大差、沖縄で接戦ですから、票読みを違えれば二連敗の可能性すらあった訳です。これは夏の参院選に向けて、相当のテコ入れが必要なのでしょう。

与党が国民からの指示を得られないのは、政治資金規正法の議論でも自民党が領収書添付に抵抗する理由が、国民に不信感を与えているからに他なりません。松岡農水相の問題を初めとして、自民党が国民からの疑問に何も答えず、処分される人間も出ていません。『李下に冠を正さず』という言葉よりも、今の自民党には『隗より始めよ』の意気込みで、政治活動をしていかなければいけないのでしょう。
一方で、沖縄では県知事選、参院補選とこれで野党は二連敗です。これは沖縄の米軍基地が焦点ではなく、経済・雇用対策が今の沖縄の重要事項であり、そこを訴え切れていないことを表しています。米軍基地は、一方では雇用を生み出します。基地に反対するのなら、対案として沖縄の経済に何が出来るのか?離島というハンデの中で、どのように経済を活性化させるのかの対案を出せないと、与党候補の強みが発揮されるということなのでしょうね。

最後に高知県東洋町の町長選挙では、現職の田島氏を破り、高レベル廃棄物受け入れ拒否を表明している、沢山氏が当選を確実にしました。大差がついているので、住民の意思はこれで表明したことにもなり、高レベル廃棄物受け入れの話は宙に浮くのでしょう。
高レベル廃棄物の受け入れは地方自治体には無理、というのが私の考えです。高レベル廃棄物の運搬、保管、管理の際に事故が発生したと想定すると、それはその土地に深刻な打撃を与えます。この地層処分が地域住民と共生をするためには、危機管理の段階からゼロにコントロールする、それだけの厳格さが求められていますが、原子力行政の中でその資質に足る機関は現状ゼロです。安易に受け入れなどを認めない方が現時点では正解なのでしょう。

統一地方選では、やはり現職の方が強いようですね。前半戦である県知事選の流れなどを見ても感じましたが、ドラスティックな改革は現状受け入れ難い側面はあるのでしょう。日本全体の経済は好調であり、地地方への波及効果はなくても悲壮感は表出しない、そんな雰囲気が全国的に漂っていますからね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(0)TrackBack(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年04月21日

東京DC特区構想。地方分権について

今日は雑感的に、4月17、20日と相次いで経済財政諮問会議が開かれたので、その件について考えてみます。特に目ぼしい話もなく、以前から言われていることの焼き直しが多かったのですが、一つだけ目をひいたのが、IT活用の件で政治にITを導入すると読み取れる部分があったところです。
行政サービスのIT化の中の一つなのですが、IT導入による製造業、非製造業の効率化をうたう政府が、政治の世界にITを導入して効率化する議論を何故しないのか、不思議でなりません。国の赤字は今も増え続けており、効率化が必要な分野でもあるはずですが、「自分たちだけは無理」とわざと議論を避けているようにしか見えません。以前から指摘していますが、政治が極端に効率化されると、現在の情報化社会の中では直接民主制が実現します。ユビキタス特区なども議論されていますが、どうせ特区を作るのなら、そこまで極端な特区を作ってみても面白いのかもしれませんね。

経済財政諮問会議の中では地域格差改善の話にも触れられています。そんな折、地方分権推進委員会の中で、東京DC特区構想が議論されたという記事がありました。これは東京の一部を特区とし、特区内の税収を地方に配分するという構想です。
日本は官に凭れ掛かる業態が多く、東京に産業が集中しがちです。東京DC特区などの話をすると必ず、努力もせずに配分が受けられるのはおかしい、競争を阻害すると言う意見が出ます。しかし先にもいった通り、日本では構造的に東京に産業が集中し易いので、すでに競争を阻害する要因が存在するのです。それを見直すためには日本全体の構造変化を促すのか、それとも同じスタートラインに立てるための方策を打ち出すのか、という二点があり、東京DC特区構想はその後者の立場の意見ということになるのでしょう。

しかし東京DC特区を作ったとしても、地方が『努力』を促していないことに、何ら変わりはありません。地場産業の活性化や産業誘致などとも言われますが、努力を阻害する要因は依然として残り、また官民癒着の構造を産む公共工事に依存する体質事態は何ら変化しないことになります。
そこで少し考えたのが、法人格をもつ団体を都市から地方に全て移してしまうという案です。今は省庁と同じ通りに幾つも法人があったり、そこがまた天下りの場所となり、官僚は天下った後も従来と変わりない生活を約束されています。こうした法人を全て地方に移し、雇用のほとんどを地元に限定すれば、それだけで幾つかの問題は解決されます。

民間企業を地方へ、というのは難しい話ですし、企業に国が口出しするのは極力控えるべきでしょう。しかし法人は異なります。官から業務を請け負う法人があえて東京に腰を据える必要はありません。出張費などの余計なコストがかかるという法人もあるのでしょうが、それこそ国からの委託業務のみで成り立つような法人なら存続しない方が良いとも言えるでしょう。
元々、独立行政法人などは自主独立して存立することを前提に、法人の見直しが進められたはずなのに、その前提自体が崩れています。これで全て解決する話でもありませんが、公務員制度改革で人材バンクを議論するよりは、少しだけ効果がある話だと私は考えます。ですが、こうしたものは官の権益に直結するものなので案にすらならないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:08|PermalinkComments(0)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2007年04月20日

高知県東洋町、高レベル廃棄物の問題について

高知県の東洋長が高レベル廃棄物の受け入れを巡り、町長選を行っています。4選を目指す前町長で高レベル廃棄物の受け入れへの応募を表明した田島氏、応募の撤回を表明した新人の沢山氏の一騎打ちであり、事実上高レベル廃棄物への応募の是非を問われるものです。今日はたまたまTBも頂きましたし、従来より考えていたことなので記事にしたいと思います。

高レベル廃棄物とは原子力発電所で使用された燃料棒を再処理した際に、ウラン235が核分裂をして生じた核廃棄物のことです。半減期が長く、数千年をかけて保管、管理しなければならないことから、これをガラス状の安定的な状態にし、ステンレス容器に入れた形で製造されます。六ヶ所再処理工場で製造されることとなっており、中間貯蔵を終えた後に最終処分場に処理することを目指しています。
今までもこの問題に対して提言してきましたが、この問題での国の対応は間違えています。まず第一に、日本の国土で地下300メートルの地層に処分するとしても、湾曲して地層がむき出しになった場所など山ほどあります。つまり例えそれが地下深い場所で、固い岩盤の上だと云ってもこの日本で数千年に亘り安定的に保管できる場所は存在していないのです。

原子力発電所も同様なのに、なぜこの高レベル廃棄物の地層処分に対し、私が反対するかといえば、原子力発電所の対応年数は40数年と言われており、現在炉心交換などで寿命延長などを図っていても、コンクリートの対応年数が過ぎれば使用は不可能です。つまり長くても100年程度の使用しか出来ないのが発電所です。
更にメルトダウンさえしなければ発電所に危険はありません。しかし高レベル廃棄物は人が近付けば数秒で黒焦げになります。それを数千年単位で管理するなど、人類が始めて実現しようとするその壮大な構想について、あまりに短慮にこの問題を考えてはいけません。

これに対して従来の原子力行政のような、交付金をばら撒いて地方自治体に引き受けさせる、という手法自体が間違いです。私が考える限りにおいて、高レベル廃棄物処分場の受け入れは地方自治体には無理です。存在自体の危険性、運搬時の事故、想定される問題が大き過ぎて、一つの間違いが及ぼす影響は計り知れないものがあるのです。
一つの方策として考えるのは、数万、数十万haを国が買い取って国有林や国定公園とし、人が生活しないその地下で処分場を建設するというのが最も現実的でしょう。通常の立ち入り制限は必要ないと考えますが、仮に危険が生じた場合はただちに立ち入り規制をかけ、隔離するなどの対応が必要なのだと思います。同じ原子力行政の一環として殊更に安全性を主張するには、日本の知見はまだまだ足りません。人類が原子力を扱い始めてからまだ百年と経っておらず、数千年以上の管理に安易なお墨付きを与えることなど出来ないのです。東洋町の有権者の方がどんな判断を下すのか分かりませんが、くれぐれも少しの間だけ交付金をもらって…、などの安易な発想だけはしないで欲しいと考えています。

analyst_zaiya777 at 22:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2007年04月19日

経済の話。世界同時株安の波、再び?

今日はアジアの証券市場が大幅に下落し、また欧州株も下落して始まったようです。世界が再び二月後半に起こった世界同時株安のような、そんな懸念も抱く気配になってきました。今はどんな相場も上昇するにしろ下落するにしろ、ヘッジファンドが『虚像を現実にする力』を持っていることが問題です。
ヘッジファンドが悪い未来像を描く場合、現実がどうであろうと相場は下落します。上昇でも同じことですが、先のG7でヘッジファンド規制に二の足を踏んだために、世界はこの『ヘッジファンドの都合』により、右往左往させられることになるのでしょう。あの時は『腰が引けた』と表現しましたが、世界はそのツケをいつかは払わされるのでしょう。

今回の下落のきっかけは中国が1-3月期のGDP発表を遅らせたことです。市場は11%を危険水域としていましたが、その水準を越えるのではないか?それが金融引き締めに繋がり、引いては経済を冷やすのではないかとする『虚像』を、現実の形にしてしまった訳です。
実際に発表されたのは11.1%であり、危険水域であることは間違いありません。人民元が国内でだぶついており、金余りによる投資が進んでマネーゲーム化しています。土地や上海株にそうした投資が向かい易く、実体なき上昇が続いて既にバブル症状を呈しています。これに規制をかけるのは難しく、3月に小幅に金利を上昇させても冷却効果はありませんでした。

今は世界のどこがくしゃみをしても風邪に怯えてしまう、そんな時代です。こんな時には米国経済が重要ですが、一つだけ良い観測があるとすれば、4月は還付金による上昇相場を描き易いというアノマリーがあり、ここまでダウが高値をとっていることです。
ただ一部メディアでは既にミニバブルと評されており、実体なき上昇が続いているために足腰が弱くなっています。資金が入っているため、悪いニュースにも関係なく上昇してきたからですが、これで悪いニュースが意識されれば、一気に下落する可能性もあります。サブプライムローンの住宅差し押さえ件数急増、鉱工業生産指数の低さなどに見る、設備投資意欲の減退など景気減速が顕著となっています。

日銀が五月にも利上げをするのではないか?という懸念も為替相場を混乱させています。IMFが示した世界経済の見通しで、日本は2.3%の経済成長をはたし、米国では2.2%しかありません。それで金利差が5%近くあるという不均衡を解消する、それだけの話で巨大な資金が蠢きます。
過剰流動性相場という怪物が実体を表し始めた今、それが消失した時に生じる損失を懸念すべき段階なのだと思います。何事もそうですが、実体が分からなかったものの正体が見えた時には、既にそれが終焉を迎える時なのですから。

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2007年04月18日

雑感。政治日程について

政治の世界が慌しくなっています。少年法改正案が委員会で採決され、本国会で成立の可能性が高まりました。与党・自民党は最近の民主党の手法に苛立ち、強行採決による可決という道をとる機会が増えました。もう一つには参院選で仮に自民党が負けた場合、参院側のイニシアチブがとれなくなるので、その前にやってしまおうという先延ばしにできない事情も含まれているようです。

教育関連三法案も委員会で審議入りし、参院選を前にほとんど延長できないこの会期中での成立を目指しています。教育が国の根幹に関わる重要なこと、という位置付けをしている安倍氏が、この法案でも強行採決をするのではないかと少し心配です。
民主党は教育委員会を廃止し、首長をトップとする新たな教育行政の枠組みをもつ対案を提出するそうです。これは教育基本法の審議時に、民主党が法案として提出していた内容と同じなので流れとしては分かりますが、教育基本法が与党の賛成多数で可決されてしまっていますから、運用部分でそこから大きく離れると根拠が乏しくなってしまいます。教育が大事なのは当たり前なのですから、与党、野党ともに党利党略を捨てて真剣に審議して欲しいところです。

また社保庁改革法案の審議入りが先延ばしにされ、雇用関連法案との審議が重なることから、採決にいたる可能性が低くなりました。メディアアンケートでも、参院選の焦点として第一に掲げられているのは、社保庁に始まる年金問題であったり、経済の問題であったりします。
そのアンケートを信用すれば、現状この厚生労働委員会がもっとも国民の関心の高い分野であるともいえるでしょう。政治の都合で審議入りが遅れ、対応も遅れるとなればそれは不幸なことでしかありません。厚生年金と共済年金の統合の話もありますし、この点は最も審議を尽くさなければいけないところなのだと思います。

私はどんなに欠点があろうと、現状では二大政党制を目指すべきと考えていますので、民主党には自民党を揺るがすほどの力を持って欲しいと思います。が、今回でも自民党の強行採決に対し、問題点を国民に広く知らしめることに成功していません。この点は民主党の対案が、国民にとって浸透していないことにもよるのでしょう。
そして本来、強行採決を繰り返せば調整能力不足となるところなのですが、今はメディアもそうした取り上げ方はしませんし、また一部にはそれが強気の姿勢として支持される場合もあります。ただ気をつけなければいけないのは、その法案が真に国民にとって有益なものなのか、ということです。審議を尽くすとは何か?それだけはきちんと見ていかなければいけないところなのでしょうね。

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2007年04月17日

政治の中で数字に関するものについて

今日は朝から米国のバージニア州立工科大学で銃乱射事件があり、32人が死亡というニュースがあり、そして晩には長崎市長の伊藤氏が選挙活動中に銃で撃たれました。背景も事情も分かりませんが、たった一ついえることは、銃がある社会に生きる限りその銃口は誰にでも向けられる可能性がある、ということなのでしょうね。

内閣府が発表した3月の消費動向指数で、消費者態度指数が季節調整値で46.7となり、昨年12月より0.3ポイント低下しました。4月の月例経済報告では消費は概ね横ばいから持ち直しの動きがみられる、との上方修正がされましたが、日本では内需が育たない傾向にあり、これが結果的に日本単独の強さにならない、不安定な状態となっています。
一つに団塊世代が引退すれば、当然高所得者層が消える訳ですから、所得水準は減ります。新入社員の初任給が上がっても、相対的な所得水準は低下傾向にあり、これがインフレ抑制を促します。また以前より触れているように、団塊世代が引退したからといって消費の底上げには結び付きません。金余りを生んでいるのは一部の官僚クラスであり、一般のサラリーマンに莫大な年金が手に入る訳もなく、生活水準を考えて退職後の資金繰りを変更するだけです。

数字の話でもう一つ、ニートは減ったのかという話があります。安倍氏も最近言わなくなった再チャレンジですが、ニートやフリーターの定義は34歳までなので、それ以上の年齢に上がった人間は自動的にその数から削除され、結果として数字が改善したような効果を見せています。これは全世代に跨って定職のない層が拡大しているのであり、将来に亘って年金問題や消費の停滞を生むことになるでしょう。
就職活動をしている際、何度も断られたりしていると、その失敗を繰り返した体験を恐れてその後の就職活動が出来なくなる問題もあります。そうした人間を如何に再チャレンジの場に引きずり出すのかも議論されず、数字効果で改善を示されると、政治の場で扱われる数字には気をつけなければいけない、ということがよく分かります。

最後に少年法にある少年院送致の年齢制限が、14歳から12歳に引き下げる少年法改正案の話がありました。この12歳という年齢も、小学生は含めないということなので実質的には中学生から対象ということなのでしょう。しかし現在の子供の思春期は10歳前後から始まります。社会的な環境の変化から、以前に較べて3〜4歳は早まっています。
思春期の段階から自我の目覚め、権威への反抗が始まりますから、12歳というのは単に現行制度上、義務教育課程の小学生というだけでしかなく、犯罪行為に及ぶ前提としては何も考慮されていないことになります。法的な数字は縛りともなります。科学的見地に基づかない数字ほど、後に矛盾や違和感を与えるでしょう。教育の見直しの中で飛び級などが認められるようになれば、それこそ12歳である意味を失います。政治が数字を扱う場合は、最大限注意しないといけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年04月16日

初期措置履行を北朝鮮が実施せず

北朝鮮が初期措置の履行期間を過ぎても何ら行動を示さず、ヒル国務次官補が「中国から要請された」として数日間、北朝鮮の動きを見守るとの発言をしました。初期措置の履行がなければ見返りはないとしているものの、完全に面子を潰された形でも米国は静観の構えを崩していません。

当初からBDAの凍結資金の問題は異常でした。米国内の偽ドルや偽タバコの問題として、資金洗浄を行っている口座として資金は凍結されました。その解除を行う前提である偽ドルや偽タバコの件は、今回表立って議論はされていません。裏では議論もあったはずですが、凍結解除が核施設放棄とのバーターとなっており、その意味で偽ドルなどの問題が雲散霧消してしまった感もあります。
恐らく、中国側から米国に対し、中国国内に資金を移し、そこで使途を管理した上で北朝鮮に資金を渡すと提案したのでしょう。米国もそれならと条件を受け入れたものの、中国銀行の拒否にあって資金は移されずにBDAから直接北朝鮮に渡ることになりました。

中国にとっては北朝鮮の資金管理を行い、これで今後北朝鮮に核実験などを行われれば、中国の責任論にまで発展しかねません。中国がそれを理解し、中国銀行との協調でBDAからの資金の移管を拒否するという行動に出ました。これは北朝鮮の時間稼ぎにも利用され、結果的に今回の初期措置の不履行ということにお墨付きを与えるものともなっています。
つまり北朝鮮はBDAからの資金移管が行われない限り、初期措置を履行しなくても良いという理屈を述べるでしょう。BDAとしても、こんな運用も出来ない資金を抱えていても仕方ないので、早く出してしまいたくても安易に資金を手放せば、今度こそ資金管理ができない金融機関として糾弾されます。北朝鮮口座とは、簡単にいえば架空の人物による口座であり、だからこそ資金洗浄が可能な口座だともいえるのです。

米国の外交戦略のうち、アジア外交は苦手項目のうちの一つです。日本は成功したといってみても、そこにあるのは原爆効果が最大であり、それがなければ日本占領も難しかったと考えられます。そこには圧倒的威力による威嚇効果、大国として抱き込んだその後の外交ともども、米国にとっては演出どおりの効果が展開できたといえるでしょう。
しかし北朝鮮問題では、米国は中国に舵取りを委ねており、そこに最大の問題があります。中国は現時点で北朝鮮の延命を望み、東アジアの混乱は避けたい意向です。大国同士の意向が一致し、今回の北朝鮮の初期措置履行をとらない事態に至っています。
米国は見返りを行わない、としていますが韓国は先月末で飼料支援などを行うと宣言していますし、北朝鮮は労せずして支援を受け取っている可能性もあります。もう一度、世界が北朝鮮への対応を考えるべき段階ですが、米国の弱気が非常に気に掛かるところです。

analyst_zaiya777 at 21:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2007年04月15日

教育の問題について少し考える。

統一地方選の後半戦がスタートしました。参院補選の行方も気になるところですが、今日はこの前自殺の項で少しふれた、子供たちの問題についてです。

ADHDを発症している人が小さい頃イジメを受け、自殺まで考える率が高いとの記事がありました。ADHDとは注意欠陥/多動性障害と呼ばれるもので、注意力が散漫な不注意優勢型、動き回ってしまう多動性・衝動性優勢型、両者の混じった混合型に別けられます。
この症状があると、授業中歩き回ってしまったりするなど、本人にその気はなくても授業が中断してしまいます。こうした事態を周囲が温かく受け入れ、本人の改善に努められれば良いのですが、そうはならないのが現状です。教師がそうした子供たちに対応できるほどの知識を有さず、また十人を越える生徒数を抱えて一人の生徒に気を配れば、贔屓しているとしてその教師は糾弾される可能性もあるからです。

しかしADHDは現状医学では、脳のネットワークが発達していないことから起こる、病気と見られています。つまりネットワークが発達してくれば症状が治まる病であり、その前段階でイジメを受け、社会的な生活を阻害されることにもなりかねません。
虐待や幼児期の病気が原因になっていることもあり、またADHDだからといって知能が低い訳では決してありません。その場合、親としては教師の対応、周囲の理解が低いと思えば専門的な対応ができる学校に移るなど、そうした選択肢も必要です。日本では我が子が他の子と違うことを極端に嫌う傾向にあり、むしろその子にとって真に幸福なことは何かを考えて、そうした対応も必要ということです。

教育の問題を考える時、競争原理の導入に一抹の不安を覚えるのはまさにここで、こうした臨床心理学に及ぶ専門的な対応が出来る教育機関は、公的機関にしかできません。利益を追求することはできないからで、コストと見合う効果を割り出せば、い鳥の子供にそれだけの対応をすれば確実に赤字になります。
それでも先に示したように、これは家庭環境や薬害によって起こる問題であり、今後は拡大する方向にもあるでしょう。そしてこれは適切に対応することで、イジメや学級崩壊などに至らず、処置できるものです。教育とはやはり、単純な競争原理で割り切ると危険な面も見えてくるでしょう。

同じように広汎性発達障害に見られる自閉症やアスペルガー障害など、コミュニケーションが一方通行になり易い子供は、イジメの対象にもなり易いのです。教師や周囲の理解があって対応できるのであれば、それが最善だと思いますが、そうでない場合の対応については、周りの大人たちがしっかりと考えておくことが大事なのだと思います。何より大事なのは、子供たちの幸福なのですから。

analyst_zaiya777 at 22:11|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 心理

2007年04月14日

G7閉幕。世界経済は好調との声明を採択

安倍首相が主催した「桜を見る会」ですが、ホスト役の安倍氏よりも東国原宮崎県知事の方がメディアの露出が多かったですね。この現象を考える時、小泉氏と東国原氏の類似が見られると思います。面白いコメントがとれる、世論の風がある、そんな東国原氏に対してメディアの持ち上げ方は相当のものです。
国政に関係ないので、この動きを否定するつもりはありませんが、今年は政治イベントが多く、ブームというだけでは終わらないかもしれません。安倍氏がメディアからの求心力を失い、小泉氏がメディアと距離をとる今、政治の世界の寵児としての扱いは続くのでしょうから。

G7(先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議)がワシントンで開催され、共同声明を採択して閉幕しました。公に出された共同声明は驚くほど楽観的であり、ついにG7が過剰流動性相場に兜を脱いだかに見えます。過剰流動性が消失することにより、数百兆円規模で資金が消失し、その影響による世界経済へのダメージを考えれば、財務相が市場に対して安心感を与えるようなメッセージを出すことも、仕方ないのでしょう。
過剰流動性相場を端的に示すものは、乱高下であったり上昇のみを志向していくことでも明らかです。これはヘッジファンドなどの巨額資金を扱う層が、ポジションをどちらに傾けるかで市場の方向性が出るからです。乱高下している時は、ヘッジファンド同士が綱引きをしている状態ということですね。

世界は原油に始まる素材・資源関連、先進国経済の回復に伴う証券市場の上昇、新興国の発展による株高など、良い意味で資産を一方通行に拡大してきました。土地も日本ではまだ一部ですが、世界では高騰してバブル症状を示しています。資産を持つ者は運用益で更に資産を拡大する、これが過剰流動性相場を生み出してきました。
しかし前回のG7で世界同時株安を引き起こしたとの反省から、G7としてメッセージ性を打ち出せなくなった、ということを如実に表したのが今回の声明です。声明には含まれませんでしたが、各国が持ち帰った宿題は相当に多いのだと思われます。

元々、中央銀行総裁がいるG7より、サミットの方が為替や金融政策で厳しい発言が多いとも言います。互いの失政を指摘するのはエチケットに反するということです。今回の声明で過剰流動性が更に増し、世界がバブルを享受し続けられるかどうかで考えると、余ったお金がある限りは続くということが言えるのでしょう。次に何をトリガーとし、世界が同時に資金量を縮小するかはまだ誰にも分からないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 21:29|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2007年04月13日

国民投票法案が衆院で可決

少しだけ中国の温氏の訪日に関して。中国を否定するような言い方も多かったですが、むしろ日本の態度として中国とは硬軟取り混ぜた外交戦術で挑むことが必要、と言いたいのです。日本外交は相手に対する過剰な期待であったり、誠実さを通せばいずれ通じるといった甘さが見受けられます。中国が自身の国益を主張することは当たり前なのですから、日本も国益を主張する中で両者の妥協点を探る、という作業が必要です。
しかし政治家や外務省の怠慢から、日本では外交戦術に長期的ビジョンが見られなかったり、臨機の対応が苦手な側面があります。戦略的に付き合っていかないと、中国のような利に敏い強かな国に上手く立ち回られる可能性があります。仮に中国が世界経済の鈍化や自国のバブル崩壊を懸念し、一手先に日本に近付いてきたと推測される場合、ここで日本が対応を誤ると危険だということなのです。

昨日少し触れましたが、国民投票法案が衆院を通過しました。これは憲法改正の前提となる法であり、粛々と進めれば良いと考えていますが、その内容についてザル法との文言を使いました。最低投票率の記載がないことや賛成票の側を簡素化し、改正しやすい方向に向いているからです。
与党、野党の中で最低投票率の問題は、憲法を改正したいと思っている人間にとっては踏み絵のようなものです。「それでも憲法改正をしたい」と思う人間は少なく、それを記載してしまうとほぼ憲法改正に至る道筋が閉ざされてしまうからです。

現状の日本を考えれば、憲法を変えてまで現状を変えたいと思う人間は皆無です。時代にそぐわない部分があるとは言え、現状の不満が溜まれば憲法改正前にまず政権交代を望み、それでも日本が危ないとなれば初めて憲法を変えてでも国を変えなければならないという段階に至ります。
しかしそれを議論するのは政治家であり、国民が変化を望む最も重要な部分です。例え国会で憲法改正が承認されても、それが国民の望む形とは限らず、結果的に否定的な意見の方が多くなるのでしょう。その場合、投票しない人間はサイレントで反対の立場ですから、そうした人間を数に含めてしまうと絶対に憲法は改正できません。

以上のことを理解した上で、それでも国民投票法案に最低投票率を記載しない限り、これはザル法です。なぜなら憲法改正をしたい、という国民の情熱を吸収していないからです。これは投票用紙の書き方でも同じ、一部に賛成でも一部に反対、という立場を何ら吸収できないことになります。
憲法は全ての法律の基礎であり、それを変更すればその後で付随する全ての法律を変更する手続きに入らなければなりません。それだけの重要なものであるだけに、やはり国民の意見をより吸収できるシステムを構築するべきなのだと考えています。

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2007年04月12日

日中首脳会談2

まず国民投票法案が衆議院の委員会で採決されました。どちらにしろ、投票率を明記しない以上、この法案はザルと言わざるをえず、また賛成票の記載を簡素にするということは明らかに改憲を強く意識した内容となっています。本来は「それでも憲法を変えたい」という、強い欲求に基づいて憲法改正は行われなければなりません。この点で見ても、この法案の欠陥は明らかです。

中国の温家宝氏の国会演説などを終え、幾つかの動きがあります。まず米国では過少な扱いであり、韓国は歓迎、中国国内では世論が反日の意図を示し、台湾でも今回の文言の中に台湾問題が含まれたことに一定の懸念を示すとともに、中国の提案に抵抗したことを評価しています。
私は米国の意見に近いのですが、大きな問題については先送りばかりで具体的な中身のない内容です。東シナ海ガス田の問題でも妥協的な先送りでしたが、もう一つの動きがありました。それは中国側が生産開始を公表したことです。これまでの曖昧な回答ではなく、正式な公表であり共同声明という言質をとった後の行動であるだけに、外交的にも規定路線だったのでしょう。

中国ではメディア向けに温首相の国会演説など流されたようですが、国民には伝わっていません。教育という形で反日の歴史を教えた後ですから、こうしたものは世代が変わらない限り変化はしません。そして検閲が公然と存在する以上、中国国内に正しい情報が流される可能性は薄く、世論もそれに気付いて情報操作を警戒しています。
また今回の訪日は当初、胡主席を予定していたものの、安倍氏の右傾化や短命政権を気にして、温首相に切り替えたとの話もあります。中国国内でも日本との距離感を図っているのであり、この点でもやはり胸襟は開けていないのでしょう。

今回の動きで少し気になったのは、台湾に関する表現に中国が拘ったことです。米国が中東の問題に縛られ、北朝鮮でも弱気になっているこのタイミングで、もしかしたら中国は台湾に向けて何らかの行動を起こす可能性を示唆しているのだと思います。
といって、重要な世界イベントを控えた中国が派手な動きをするとは思えず、パフォーマンスに終わるのかもしれません。ただ一年以上の期間のあるこのタイミングは、中国が政治・軍事両面で台湾問題に圧力をかけられる最終段階です。日本としては何らかの警戒だけはしておいた方が良いのでしょう。

最後に、国会演説前に河野洋平氏、扇千景氏、終わった後に創価学会の池田大作氏と会談を行うなど、中国側と繋がりの深い人脈がこれでも分かります。行動の一つ一つに示唆があり、今後の日本の対応を含めて中国との距離は重要になりそうですね。

analyst_zaiya777 at 22:13|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2007年04月11日

日中首脳会談

中国の温家宝首相が来日し、安倍首相と会談を行いました。事前には共同声明の中に拉致問題での協力などが共同宣言に盛り込まれるや、環境保護で日中の協力をアピールすること、東シナ海のガス田では共同開発をうたうなどと伝わっています。戦略的互恵関係の示す内容の具体化、という視点が今回の会談でも強調されることが予想されます。
そんな中で、昨日米国がWTOに中国の知財保護が不十分として提訴する、との記事がありました。元々が米欧日で中国を提訴しようとしていたところ、中国が知財保護に協力するとのことで、米中の間で協議が進められていたものです。

米国のアジア戦略の中には中国が重要な位置を占めています。中国が発展すれば、そこに巨大市場が生まれます。経済的な繋がりで見れば、閉鎖的な日本よりも魅力的な市場が中国です。更に世界一の外貨準備金を抱え、それをドル偏重、米国債で運用する中国とは、米国は弥が上にも付き合っていかなければなりません。
米国の戦略として中国が欠かせないのは、北朝鮮との関係を見ても明らかです。BDAの凍結資金を中国の銀行に送り、資金の使途を管理しようとしたものの、中国側の銀行の拒否で断念しました。これは中朝の連携にまんまと米側は乗せられた形であり、「正しく使われることを期待する」との発表を副報道官が出すなど、極めて厳しい状況に米国はおかれました。

このBDA凍結資金の反動的な動きの一つとして、先のWTO提訴の問題もあるのかもしれません。ただタイミング的に見れば米国側が中国を追い込もうとする意図は薄く、自国の利を追求した結果として若干保護主義の色を強めたのがWTO提訴だと思われます。一部で日中の関係強化を懸念したもの、とも言われますが考え過ぎでしょう。米国にとって自国の利が確保される限り、日中関係に口を挟むことはないと考えます。
日中の関係で見れば、拉致、環境、エネルギー問題で多少の合意を見せたとしても、楽観は出来ない部分が大きいと見ます。これもWTO提訴の流れを見ても分かりますが、中国は世界世論を気にして一定程度の協力を持ちかける場合があります。しかし具体的に協議を進めようとすると、国益がぶつかって合意できず、時間稼ぎに利用されるだけになります。

中国にとって今回の動きは、四月の安倍氏の靖国参拝阻止を狙ったものであり、日本米の輸入を手土産にした訪日でした。台湾問題でも結果的にこれまでの「台湾を中国の不可分の領土の一部分とする立場を尊重する」との原則を踏襲しています。悪い言い方をすれば、今回の共同声明の内容はあらゆる問題について進捗に任せて経過を見る、という立場に終始した内容ともいえます。
つまり具体的な成果は今後に委ねられているのであり、靖国問題などが再燃した時にはどちらも梯子を外せる状態とも言えるわけです。双方とも腹蔵を探り合いながらの首相会談であり胸襟を開くほどには至っていない、というのが今回の私が抱いた感想ですね。

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2007年04月10日

有識者会議「自殺総合対策の在り方検討会」

政府の「自殺総合対策のあり方検討会」の中で、自殺者数の削減など具体的な数値目標を掲げて、施策を行っていくなどの提言を行うとの記事がありました。高齢者の生きがいや、中高年の過労働、失業、子供たちには教員も含めて自殺防止教育を施すなどです。
今日は高崎経済大学で、課題の提出期限を守れなかったことを苦にして、女子学生が自殺したとの記事もありました。一部に准教授の態度なども問題視されていますが、その部分はまだよく分からないので触れません。最近、故あって若者の心の動きなどを調査していることもあり、少しこの件で記事にしたいと思います。

昨今、若者の犯罪も多発しています。一番はやはり万引きでしょうが、驚くほど罪悪感を持たずに犯罪行為に及んでいます。これが幼児期に愛情剥奪などがあると、その時に得られなかった愛情を補完する行為として、万引きなどの犯罪に走らせる原因があるといいます。
幼い頃に満足な愛情が与えられないと、一部の脳機能が萎縮し、その後の成長でも補えない場合があります。脳は一度機能を停止すると補完することは出来ても、壊れた場所が再生はしないからです。現在、大人でも平気で万引き行為をする人がいますが、こうした場合にも当てはまるのかもしれません。

この愛情剥奪は、一時的な要因でも起こります。昨今は子供が幼いうちに離婚をする夫婦も多いですが、どちらかが欠けても愛情剥奪による影響が出る可能性もあります。また母親が病気になったりして不安定要因が増すと、それだけで影響することもあります。
そして父親の何気ない「お前は鼻が小さくて可愛くない」という言葉だけで、成長するにつれて対人関係の恐怖、広場恐怖に繋がり引きこもってしまう例もあります。これらは深層心理に刻まれているので、本人や周囲も気付かないうちに心だけが萎縮してしまっているのです。

今回の高崎経済大学の件がそうとは分かりませんが、人間は冬場になるとうつ症状を発症しやすくなります。太陽光を充分に浴びられないと、うつ症状を呈するようになり気分が落ち込みやすく、自殺などに至ってしまう場合もあるということです。
なぜ犯罪行為に至るのか、なぜ自殺をしてしまうのか、を解明する時に、一方的に他者を悪とみなしても何の解決にもなりません。そこに至る心理などを解明し、きちんとした対処をすることが大事なのです。特に若者の問題とは、数十年後には日本全体の問題となります。心理的なものが影響しているとすれば尚更、それをどう解決していくのかが論じられなければならないのですから。

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2007年04月09日

地球温暖化に関する米国の記事

昨日も触れましたが、統一地方選の前半戦が終了した時点での感想は、首長は顔で選ぶ傾向があり、県議や市議はバランスをとって一つの巨大政党が支配する構図をなくそう、という傾向はあるようです。政党の強弱にバランスを欠くと、知事と業者が癒着を起こした時に議会によるチェック機能が働かない。そうしたことを意識し、今までは自民党議員の数が多かったのですが、これを解消しようと自民離れが一部に起こった、その結果と見るべきなのでしょうね。
一方で、ここで優劣の差が出ると松岡氏の更迭など、一気に内閣改造まで進む可能性があったわけで、その点は残念です。しかし実は内閣改造で問題のある閣僚を切っておいた方が、参院選で自民党は有利になったはずであり、この点は今後の動きと共に夏の参院選に向けて興味のもてる点でもあります。

この前は4月にいきなり雪が降り驚きましたが、米国でも季節外れの寒波が襲来しているそうで、メジャーリーグの試合が中止になっています。地球の気候がどこかおかしくなっているようですが、それでも米国は国連で行われた、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次評価報告書に対して中国、サウジアラビアなどと共に意見の修正を求めています。
米国でも最高裁で企業寄りの温暖化政策をとるブッシュ氏の手法に、NOがつきつけられました。ロッキー山脈の降水量が減ったことでコロラド川の水量が減少し、農業用水の確保が難しいという記事もあります。米国の中部を支える巨大水脈であった地下水も、使い過ぎで半分以下の貯水量しかないといわれます。米国は油断していると、巨大プランテーションにより安価な農産物を輸出する国から、輸入しなければならなくなるかもしれません。農産物の輸出とは一方で水を輸出していることでもあります。米国の今後は厳しいのかもしれません。

もう一つ、米国で取り上げられた記事で、中国は自国の森林を伐採しつくし、今はネパールやロシアに出向いて木を切り倒し、それを輸出しているというのです。すでに中国により木を切り出された山は一部が禿げ上がっており、米国の業者はそれを知っていても安価な木材を中国から輸入しているというのです。
巨大大陸の中央部は海洋からの湿った空気が届かず、一度乾燥化してしまうと森林が甦ることはありません。中国の動きを牽制し、環境破壊を止めさせないと本当に地球が壊れてしまうかもしれません。元々中国は現世利益、つまり現状の利には目敏くても、長期ビジョンのために現在を我慢することが苦手です。その一つの結果が、中国では過去から現在に至るまで一国の支配が長くなると、必ずといって良いほど酷い汚職や政治腐敗が起きます。現世利益を求めれば必然的に起こる結果なのでしょう。

今は一国だけの利益を考えた運営をすると、地球規模の変化に対応できない時代です。日本もチェコとの間に二酸化炭素排出権の売買を締結したそうですが、こうした付け焼刃的な対応よりも、抜本的な対策を早期に見つけることが必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:41|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2007年04月08日

統一地方選、開票

統一地方選の前半戦の山場といわれる投票が行われ、即日開票の結果が明らかになりつつあります。結果から見れば非常に面白みのない、現職の強い選挙だったといえるでしょう。宮崎県知事に東国原氏が当選してより、時代が動く風が吹くかと思われましたが、選挙戦序盤から対立軸の見え難い選挙戦であったともいえます。

注目の東京都知事選にしても、石原氏に対する信任・不信任の選挙と呼べるほど、他候補の存在感が埋没し、結果として石原氏の圧勝とも呼べるものでした。現状、東京都の経済は日本の中で群を抜いて好調であり、この点でも現職有利となります。
更に候補が乱立した結果、反石原票が分散される効果もありました。本来であれば反石原票を集める立場にあった浅野氏はこの点で完全に出遅れ、政党によらないとしていた動きから政党色を強めたところにも、言行不一致の感を都民も強めたことでしょう。総合して考えると、浅野氏は当初から有権者の動きを完全に読み誤り、石原氏は実績を訴えることで着実に票を積み上げたというところなのでしょう。今回の選挙では全般的に投票率が低いのも、対立軸の見えないまま、有権者の関心も低かったということが言えると思います。

以前も少し触れましたが、今の民主党の動きは有権者の心を捉えきれない、というのも原因の一つです。都心部の浮動票に強いといわれる民主党ですが、これは反自民票の集約でしかありません。政権与党である自民党には政策を実行する上で、必ずマイナス面がついて回りますから、反自民の動きは必然的に起こります。
民主党は応援していなくても、自民党が嫌いだから民主党に入れる、というのがこの動きですが、そうした心の動きに訴求するものが何かと言えば、それは民主党が反自民であり続けることです。が、現状の民主党は対決、対立姿勢を強めても自民党との違いが見え難い部分があります。

そして小沢氏のとろうとしている選挙手法は、かつての自民党のやり方です。これでは無党派層が離れても仕方ないでしょう。閣僚がこれほど失態を犯しても民主党に投票する流れにならないのは、民主党が古い体質を引き摺ったまま党運営をしている、と国民の目に映るからです。小泉氏の登場以来、組織票は意味を失っています。集票の底上げにはなっても、浮動票を取り込んだ方が大きな流れを掴み易いということを、まず前提に考えるべきなのです。
公務員制度改革の流れなどを見ても、今は政治が動くべき時です。与野党とも国民が政治に関心をもてるような、熱い政治を展開しないといつまでも官僚による、悪しき国家運営から脱却できないでしょう。どちらが勝っても、国民の後押しがなければ公務員制度改革など出来ないのですから。

analyst_zaiya777 at 22:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2007年04月07日

為替は再び円安方向へ

明日は統一地方選挙の前半の山場ですが、盛り上がりには欠けているようです。これは与野党双方とも格差対策を打ち出していますが、ではどうすればこの格差を是正できるのか?という疑問に、応え切れていないということでしょうね。格差自体の定義が曖昧ですから、掲げるお題目だけで政策の中身が見えないと、訴求力もないところなのでしょうね。

以前、米国経済の不透明さを指摘したところ、そこから強く米国市場は上昇しました。ただ一部で指摘のあるように、米国経済のファンダメンタルズはすでに崩れて来ているので、期待が失望に変わる時には相当大きく下落するのでしょう。
一つに3月の雇用統計が出されましたが、18万人と予想以上に強い数字が出ました。新規失業者件数も低い数字であり、米国の就業率は高い状況を保っています。これが消費の堅調さに繋がり、米国経済は失速しないという楽観論にもつながります。ただ企業業績は減速しており、物は作っても売れても、業績が確保できない状況に陥るかもしれません。

まず現在の米国を支えているのは、長期にわたって続く為替相場のドル安です。為替が弱くなれば見掛け上の資金流通量が増え、国外で稼いだ資金を自国に還流する時にも有利に働きます。4年も続く企業業績の好調さはこの恩恵の賜物ですが、そのために自国内は恒常的なインフレに悩み、いざ景気が鈍化する懸念を示してもインフレが止まらない、という事態にもなっています。
ドルは元々が高い位置にあったので、ここまで下落しても反発は生まれません。過去の遺産を食い潰している、という言い方もできます。しかし日本の円は異なります。円安になり、日本が有利になると必ずそれを潰しにかかります。欧州にとってドル安は基軸通貨がドルからユーロに移る、その過程で引き起こされるものと認識できても、円安は単に日本の不当な為替相場の誘導としか受け止められないのです。

4/13からG7が開催されますが、前回は宣言に為替の問題が含まれませんでしたが、今回はどうなるのか不明です。逆に今回も見送られた場合、更に圧力が強まるとも思われることから、円安である現状について何らかの説明が必要となるでしょう。
カナダ財務相との会談でも、尾身財務相は「円安は議題にはならないのでは」と楽観的ですが、いずれ日本への圧力は違った形の制裁となって現れるかもしれません。景気が踊り場入りしているとは言え、企業業績が好調なのは間違いなく、外貨を稼いでいる分のケジメは諸外国も求めてくるでしょうから。

analyst_zaiya777 at 22:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2007年04月06日

民法300日規定の見直しについて

民法上の規定で、離婚後300日以内に生まれた子供の戸籍が前夫のものとなる、というものに関しての見直しが、自民党プロジェクトチームでも足踏みとなりそうです。議員立法で国の基本法である民法を見直すべきではないという意見と、長勢法相の「貞操義務や性道徳を考えなければならない」発言により、中川政調会長も一段トーンが低くなってしまいました。

この問題で長勢法相がこの段階となり、異論を唱え始めたのには国民投票法案の問題が絡むと見られます。憲法改正の前段階と位置づけられる国民投票法案がある今、議員立法で民法を安易に変えられると、今後の政治日程にも影響すると見られます。特に安倍政権内で憲法改正を目指しているのですから、不要な外乱は招きたくないところでしょう。
しかし貞操義務や性道徳を持ち出されると、少し異論を述べなければなりません。まず立法府である国会が、道徳観念で法を作ると大変なことになります。道徳は常に変化するものであり、時代錯誤が起きると法としての体を為さなくなるからです。特にこの問題は時代の変化に対応し切れない法律をどうするのか、という議論が尽くされなければなりません。

離婚が制度として存在していますが、それは『双方の合意』を必要とします。女性の方が後腐れなく手を切って、男性の方が引き摺ると言うのは恋愛でも同じですが、女性の気持ちは切り替わっても、男性側が同意せずにずるずると離婚が成立しない、という場合も多く存在します。
その期間を道徳という言葉で縛れるのか、ということを立法府に携わる人間や、法を執行する側にある法相が唱えたりすると、そこに矛盾が生じます。法的根拠が希薄になれば、いずれ複雑な問題が起こったときに対応できなくなりますし、大審院判例まで待たないと国民が事例を判断できない、ということにもなりかねません。

更に科学技術の進歩を否定してしまうと、国民のコンセンサスも得られませんし、結果的に古い観念に縛られた政治の世界の後進性ばかりが目立つことにもなってしまいます。
この民法上の規定見直しは、その他の代理出産の問題などと合わせて議論を進めるべき、というのは尤もな話です。しかし議論を後送りにすれば、戸籍上の問題が残る子供も多くなります。一先ず運用上の対応でも良いのですが、政治家としては道徳などを持ち出すのではなく、法を整備するという方向で、議論の限りを尽くしてもらいたいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2007年04月05日

赤ちゃんぽすとを熊本市が許可

熊本市が慈恵病院に対し、こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)の設置を許可しました。この問題で市は市独自で24時間態勢で妊娠、出産の悩み相談を受け付ける体制を作ると表明しています。これは良い流れであり、結果的に慈恵病院の問題提起に関して、市が動いたことで妊娠、出産を控えて不安になる女性に対してのケアができることになりました。
安倍首相がこの問題で、「匿名で子供を置き去りにすることは許されない」と私見を述べていますし、塩崎官房長官も「赤ちゃんは親が育てるのが基本」と述べています。いずれも正論ですが、この問題で何が正解か、というのは難しい判断なのだと思います。それでも育てられない親に対してどうケアをしていくのか、その対案を示すことも、政治としては大事なのだと思います。

親と子供の関係は非常に大事です。偏見を与えてしまうかもしれませんが、子供を虐待した親を調べると、その親も小さい頃に虐待を受けていた経験を持つ場合も多く見受けられます。これは親からされたことを仕返しのようにしている、ということではなく幼児期から青年期までに、適度な愛情が注がれなかったことにより人格形成上に問題が生じている場合も多いようです。
つまり親子関係の歪がたまると、いずれかの世代に歪が爆発するかのように、それが虐待や親の子殺しなどに繋がるということであり、育児拒否などにも繋がり易いということです。私の子供はきちんと育った、という人も世代を経て何らかの影響が出る可能性もあり、こうしたものは一概に「自分の子育ては正しい」ということは言えないのかもしれません。

ユングは人にはペルソナ(仮面)とシャドウ(影)があると論じました。子供は親のシャドウを敏感に感じ取り、シャドウを反映した子供になったり、逆にシャドウを怖れて良い子を演じて見せたり、ということをするそうです。一見して良い子に見える子供が、実は親の愛情の希薄を表すものだとした場合、それは非常に不幸な家庭ということも言えるでしょう。
かつても虐待があり、これは今に始まったことではありません。ただかつては誰もが生きることに必死であったため、親子の関係でも大きな歪とはならなかったのでしょう。ただ今は人間関係が重視される時代であり、親子の間にある微妙な意識の差が、すれ違いや抑圧などとなって子供を苦しめている、そんなこともあるのかもしれません。
家族関係が変化している中で、子供を持つ、子供を育てるということを社会全体でもう一度考え直す時期にきている、ということだけは確かなのだと思います。これは教育ではなく、社会全体の関わり、親子の関わりなど様々な面が影響する話なのですから。

analyst_zaiya777 at 22:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

2007年04月04日

米韓FTA締結

米韓の間で自由貿易協定(FTA)が妥結されました。自動車では3000リッター以下の関税を即時撤廃、3000リッター以上は3年後に撤廃。牛肉では韓国が停止していた輸入を再開し、15年をかけて関税を撤廃。米以外の農産物でも段階的に関税の撤廃を行うこととし、その他鉱工業の分野でも輸入品の相当数が関税撤廃の動きとなりそうです。
これは両国の議会を通さなければならないので、一定程度の抵抗はありそうです。韓国では農家のデモや銃乱射などもありましたし、米国では上院議員から反対も表明されています。ただ一部議員や抵抗勢力の動きはあっても、この米韓FTAは議会を通過すると見ています。米以外の農産物を関税のかからない形で輸出できる米国と、ウォン高で産業製品の輸出が立ち遅れている韓国とで、思惑が合致した形だからです。

米韓の貿易額が昨年で約770億ドル、これがこのFTAにより拡大すると見られており、日本の対米貿易にも影響すると見られています。関税のかからない韓国製品が米国で大量に出回れば、価格競争力ではマイナスですし、認知度が高まればメーカのブランド力にも影響してきます。
欧州ではサムソンのブランド力が高いように、一製品で高品位が認められると、メーカ全体のイメージ向上に繋がり、販売数量にも大きな差が出ます。日本メーカが価格競争で見劣りすると、高性能路線だけでは企業収益力にも影響してくるでしょう。

韓国でノ・ムヒョン氏の支持率が上昇したとの記事もありましたが、一部の農家を切り捨てても国家として、第三次産業を重視した結果として、これは高く評価されています。恐らく韓国でも痛みは相当に出るのでしょうが、米国が凋落して三流化しない限り、このFTAによって韓国の得るものは相当に大きいと思われます。
しかし日本がこの規模のFTAを纏め切れるのか、というと疑問が残ります。良くも悪くも議院内閣制が必要とするのは調整力です。総理大臣が選挙で選ばれていないだけに、各方面からの抵抗が強まれば議会から辞任に追い込まれます。またFTAが難しい交渉なのは、日本人が厳しい目を持つ農産物や林・水産物の『安全性の担保』という視点が欠けてしまうことです。関税撤廃と安全は一見すると両立はしませんが、米国産の農、畜産物に対する不審は、日本人には根深いものがあるので自由に輸入できるようになれば、牛肉問題と同じで抵抗も相当に強いのでしょう。

日本でも貿易規模の小さい国との交渉を進めていますし、経済連携協定(EPA)は合意に向けて幾つかの国と合意もしています。真に国益になること、というのは外交上でも長期展望でも難しい判断ですが、FTAが持つ閉塞した国家の構造を改革する、という側面もまた事実です。冷静に、かつ迅速に対応するというのがベターな方法なのだと思います。輸出に頼らざるを得ない日本で、くれぐれも他国から出遅れて国家経済が停滞するようなことがないよう、お願いしたい限りですね。


analyst_zaiya777 at 22:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2007年04月03日

政治のことを雑感的に考えてみます。

政治のことを少し雑感的に考えてみたいと思います。まず安倍氏が来週後半に能登半島地震の被災地を視察するそうです。私は行った方が良いと考えているので、行くこと自体は良いことなのですが、これでは心の問題を後回しにしているように見えてしまいます。国会会期中で忙しい、と云っても被災された方は毎日不安に苛まれているのであり、能登半島は頑張れば日帰りも可能な距離です。時に人は顔を見て安心する、そういう心理にもなるものです。もう少し早く対応できないのか、ということが残念でなりません。

公務員制度改革に関して、渡辺行革担当相が「法人格も規制対象にすべき」と述べていますが、現在それが政府案に入っていないことそのものが問題であり、穴のある案だと言わざるを得ないでしょう。これは「すべき」ではなく「しなければならない」のであり、そうしなければザル法の謗りを免れないものとなってしまいます。
そしてこの問題に限ったことではありませんが、安倍氏の法案はどれも拙速に過ぎ、議論が尽くされているようには見えません。何本の法律を可決したかで実行力が問われる時代でもありませんし、議論の過程として国民生活にとってどう良くなり、どう変わるのかが見えなければいけない時代ですが、そうなってはいません。

これは野党にも問題がありますが、野党は国民生活にどう悪影響があるのか、そうした正論を述べて堂々と議論の場に立つべき時であり、国会対策で欠席戦術をとるようなことをしていると、情報過多のこの時代に国民に訴求するものはないでしょう。
国民一人一人が俄かアナリストとなれるこの時代で、戦術を誤ると袋叩きにあい易いということでもあります。安倍氏の不支持が拡大する中、正論の方が国民に伝わり易く、最終的には参院選の勝利に繋がるものともなるでしょう。今は小沢氏のとる手法よりも、前原前代表の手法の方が良いというのも皮肉な結果ではありますね。

美しい国づくり会議が開催されたそうですが、今の安倍氏が国民から支持されないのは、安倍氏の望む国とは自分にとって都合の良い国にしか見えないからです。閣僚クラスの失言、事務所費問題などに対する指導力のなさが、身内だけを庇う態度にしか国民の目に映っていません。
従軍慰安婦問題にしても、日本が貶められるからと反論した結果、火に油を注ぐ結果になっています。これは初動ミスが尾をひいている形であり、安倍氏が最も望まない結果に落ち着きつつあるともいえるでしょう。実現力とは真に必要なことを目に見える形で成し遂げることです。自身を漢方薬に例えましたが、見立てが悪ければ薬も効かない、ということだけはいえるのだと思います。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年04月02日

経済の話。3月の日銀短観

今日から新年度であり、新入社員の入社式なども行われて気分が一新されますね。今日、経済の話では今まで以上に注目された日銀短観が発表されました。景況感を示す業況判断指数が大企業製造業で25→23に悪化、非製造業は22で変わらず、中小企業製造業で12→8で悪化、非製造業は8→6で悪化といずれも悪い数字が出されました。ただし、設備投資に関しては昨年度より2.9%増加と、この時期にしては異常に高い数値を示しています。

この設備投資をどう読み解くのかですが、悪い推測を先に示せば06年度の高い収益で税金対策に迫られた企業が、収益見込みのない設備投資を進めていると見られます。今年度のけん引役となるべき製品、分野もないので、本来07年度の設備投資は低くあるべきです。企業内にマネーが滞留することで買収対象ともなり易く、悪い形の設備投資と考えられます。
良い観測は、日本国内のマネーフローは進むので、一部企業の一定期間の収益は確保されます。マチマチの経済指標が出る中で、設備投資を受注した企業はしばらく安泰でしょう。ただ、在庫が積みあがっているこの段階での設備投資は、企業の首を絞めることにもなりかねないので、注意が必要であることは言うまでもありません。

私は間違いなく現在の景気判断を悪いと見ているので、弱気派ということになるのですが、米国経済にしろ、日本経済にしろ強弱感はあって評論家の意見も対立しています。今回の短観を個人的に判断すると、景気が弱めであることは確認できたが、とりわけ弱いというほどではない、ということになります。
それでも今日、市場が下落したのは先物主導の側面はあるものの、為替相場にしろ株式相場にしろ、日本の都合の良い方向に向かう力は弱い、ということを感じ取ったものだと言えます。これまでがそうであっただけに、それ以上の力を得るための材料に乏しく、今は弱気の圧力の方が強く働き易いということになっています。

米国が中国の紙製品に対し、相殺関税を課すとの話もあります。更に米国経済を支えてきた企業業績も、1-3月期の予想が9%上昇で辛うじて二桁を切る程度だったのが、予想値として4%という可能性も出てきました。米国経済が鈍化し、保護主義に走り始めると言う最悪のシナリオが着々と進みつつあります。
悲観ばかりでは仕方ありませんが、楽観できる状況でもないことは確実です。少なくとも、バブル崩壊後の失われた10年や、ITバブル崩壊後の金融不安を煽って国民に負の遺産をおしつけたような、そんなことにならないように国民の監視は必要な段階になっているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 21:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2007年04月01日

雑感。最近感じたことなどを色々と

今日は暑かったですね。静岡では31度を越したそうですし、これが異常気象なのか、これから経年的に起こるのかで地球温暖化に向けられる視線も変わるのでしょうね。

今日はエイプリルフールですが、堅苦しくならずに最近少し気になっていることをかきたいと思います。まず能登半島沖の地震は余震が続き、まだ大変な日々が続いています。そんな中で、政府の対応が幾つか伝わってきますが、溝手防災相が即日現地入りし、また安倍氏が激甚災害指定に前向きな態度を示しています。
ただ気懸かりなのは、安倍氏はいつ現地視察などを行うのか?ということです。今回の災害は被害が少なかったので現地入りはしないつもりなのか、溝手氏からそういう報告を受けたのかは分かりませんが、こうしたものは心の問題です。現地入りして何が出来るのかではなく、政府が精一杯の対応をしているという安心を与えるためにも、やはり一度現地視察を行うべきなのだと考えます。

そしてこの地震で考えることは、志賀原発の使用済み燃料棒の貯蔵プールの水が、地震の揺れで零れたなどの記事もありましたが、日本ではどの地域でも地震は起こるということです。高知県の東洋町が高レベル廃棄物の受け入れを表明し、国はその手続きを進めています。
長期間に亘る文献調査がどうであろうと、プレートのせめぎ合う日本大陸は新たな歪を生む可能性があり、千年単位で地盤が安定している土地などないということです。固い安定しているプレートの端に位置している日本にとって、これは仕方のないことですが、非常に難しい問題ともなっています。

最後に、地方選が花盛りですが、動画投降サイトに候補者の動画が投降された件についての記事がありました。この問題は罪や罰を論じるよりも、むしろインターネットなどの情報通信媒体を利用した、新たな選挙手法を議論すべきであり、その中で何を規制して何を許容するのかなどを論議する段階にあることを意味しています。
現状、第三者が投降した場合にはその意図が判然とせず、公職選挙法に抵触するのは微妙な判断でしょう。森林破壊が謳われる中で、紙媒体の配布に頼るばかりでは時代遅れの謗りは免れないでしょう。インターネットの活動を不安視したり、情報媒体としての未成熟さを咎めて遠ざける態度をとるより、時代との融合を図ってお金のかからない選挙を目指した方が、有権者にとってどれほど得があるか分かりません。何より、選挙戦になると名前ばかりを連呼する車が街中を走り回るのには、うんざりさせられているのですから。

analyst_zaiya777 at 22:55|PermalinkComments(0)TrackBack(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治