2007年05月

2007年05月31日

経済の話。日米の市場の話で少し

年金に関する二法案について、衆議院本会議が続いています。自民党はこれで「臭いものに蓋」的な、世論の封じ込めを狙っているのだとすれば、大きな間違いでしょう。
「民主党の菅氏が基礎年金番号の統合などの制度を作った」という意見も、運用の問題を棚上げにしているだけであり、むしろ統合後に紙媒体の記録の廃棄を認めたのは誰なのか?それを明らかにするべきです。照合作業や第三者機関の設置に一体幾ら掛かるのか?その財源はどこからなのか?もっと国民に伝えないと、参院選後もずるずると引き摺る問題になるのでしょう。

昨日、上海株が急落しましたが、米国市場が支えて世界は落ち着いています。同時株安か?という話も聞きましたが、私はそうは考えていませんでした。今日、米国の1-3月期のGDP改定値が年率換算0.6%増と、速報値より0.7%減り、市場予想(0.8%増)も下回りました。それでも、米国には今『マネーの都合』で上昇する力があります。
オランダの銀行ABNアムロの米国子会社ラサールに対する買収劇で、欧州3行連合がバンク・オブ・アメリカの提案した210億ドルよりも、更に上乗せして245億ドルの買収を提案しました。『マネーの都合』とはこれで、ヘッジファンドなどを見ても分かるように、今は運用側がその収益構造を変化させており、短期売買よりも企業買収による長期利潤を狙う方向でマネーを動かしています。

儲けが出せる時とは市場規模が拡大する時であり、中国でも口座数が1億を突破との記事もありましたが、マネーが入る時の市場は上昇を指向し易いのです。マクロとミクロが一致せず、GDPが1%成長を確保できなくとも、マネーが入る相場は強いということになり、米国の底堅さに繋がっています。
更に、最近浮上している話が国営ファンドの存在です。これはまだ未知の話ですが、中国の投資企業への出資にまつわる推測として、今後は外貨準備金を市場に投入させ易くなり、そうした資金の流入が噂されているのです。こうした推測が出ることもまた、強い市場の象徴なのかもしれませんね。

日本では六月に高値をとり易いというアノマリーにベットした層がおり、それと日本の弱い経済指標との綱引きの状態で、乱高下が続いています。日本はマネーの逃げる市場なので、一部の層に振り回されています。『マネーの都合』が日本の場合だけ少し特殊なのは、金利水準を見ても、日本が『異常な経済状態にある国』なので仕方ないことなのでしょう。
そんな中で、六月から日本では実質増税が始まります。日銀の西村審議委員が年度後半には物価上昇と述べていますが、賃金の減少も伝わりますし、こんな中で物価が上昇すれば更に消費マインドを冷やすだけでしょう。金利を上昇させたいための理由付けを行っているのでしょうが、複雑化した経済情勢の中で、物価だけを見る金利政策は時代遅れになりつつあります。体系的に日本の現状を見直し、異常な低金利の国から普通の低金利の国へと、早急に脱皮を図ってもらいたいと私は考えています。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2007年05月30日

年金時効撤廃法案が衆院委員会で可決

今日の党首討論、個人的な見解としては四分六で小沢民主党代表の勝利、というところでしょうか。と言うより、年金を議論の俎上に乗せた時点で自民党は敗北であり、安倍氏も年金問題を「政争の愚にしない」と述べていましたが、では今日の衆院厚生労働委員会で、議員立法による一日だけの審議で強行採決するのは、政争の愚ではないのか?という問いも自然に湧き上がります。「国民に一刻も早く安心を…」とも言いますが、まず今回の年金時効撤廃法案で国民が安心を得るのは難しいでしょう。

今回の年金時効撤廃法案ですが、委員会での政府答弁を形にしただけであり、実行性は期待できません。24時間の電話相談にしろ、インターネットでの閲覧にしろ、最終的に年金加入者側に証拠の提示を求められるのは必然であり、それが国の設置する第三者機関で公平に、透明に審議されるのか、という根本的な部分での不信も国民の間には根強いものがあります。
国の負担が950億円増えるなどの話もありました。どんな第三者機関かは分かりませんが、証拠のないものに判定を下す際、何を根拠にそう判断するのかということも明示できず、それを社保庁が素直に応じて支払うのであれば、これほど無意味なこともありません。950億円の使途、それが不透明のままで右往左往するようなことがあってはいけないのです。

以前、私はこの問題で社保庁が『能動的』に動かなければダメだ、と述べました。安倍氏も討論の最中、「民主党はどうするのですか?」と、小沢氏に問うていました。ではどうすれば良いのか?それは簡単です。社保庁側の年金記録の管理体制に瑕疵があるのは明らかなのですから、受益者が年金を納めていない、という具体的証明を社保庁側が出来ない限り、請求に対しては全額支払う、という文言を法案に盛らなければならないのです。
これは極論ではなく、瑕疵のある側が弁済の責任を負わなければならない、というごく当たり前のことです。年金記録がすでに証拠能力を失していることは明らかです。なので、この問題での立証責任とは、納付があったことを受益者が証明するのではなく、納付が無かったことを社保庁側で明示し、それが出来なければ支払うということです。社保庁側の不払いの理由立てを簡素にしては、絶対にいけないのです。

安倍氏の主張するように、「親方日の丸の身分を剥奪すれば…」社保庁が変わるかと言えば、そんなことはありません。むしろ国会の検閲を逃れ、組織的な腐敗を引き摺った状態での機構への移行も想定されます。厚生労働省の所管組織を一つ増やしても、年金制度の安心には繋がりません。
2004年の年金制度改革から、年金制度への不信が国民には根強く残っています。今回にしても、5000件という件数の多さに、国民が身近なことと認識してこの問題が大きくなりました。そして今回の救済法案でも、国民の安心は得られないでしょう。拙速な議論は、結果的に説明不足の感も否めないものとなります。まずは国が自らの非を認め、自身の責任において保障する制度の構築が重要なのだと思います。

analyst_zaiya777 at 22:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2007年05月29日

政治家の説明責任とは?

松岡前農水相の自殺について、今日も様々なニュースが伝わってきます。そんな中、緑資源機構の前身、森林開発公団の元理事・山崎氏が自宅マンションから飛び降りて亡くなりました。この問題と直接関わりがあるかはまだわかりませんが、数名の命が失われており、この事件を絶対に中途半端なままで終わらせてはいけません。
この事件が政・官・業の癒着のマニュアルになるのではないか、としたのも、この構図を解明することで、同じ業態を持つ組織を炙り出すことが出来るからです。日本に巣食う悪しき慣習、因習の根を断ち切るためにも、全容解明を進めて欲しいと思います。

今日は鈴木宗男議員が松岡氏自身が説明をしないことについて、「国対からの指示、上からの指示」があったと述べたという記事がありました。これはその通りで、故人の名誉のためにも付け加えますが、もし松岡氏が個人の判断で説明責任を回避し、言い逃れをしていたのだとすれば、恣意の中で政治を愚弄していたことになってしまいます。これは党の判断、内閣の判断としてほぼ間違いありません。
本間税調会長、佐田行改担当相の辞任により、国民の批判が高まった安倍政権にとって、政権の中枢である閣僚の辞任は絶対に避けなければならない命題になりました。そこで柳沢厚労相の「産む機械」発言でも、平謝りで時間稼ぎを行い、世論の沈静化を狙うと言う戦法を採用してきたのです。

しかし柳沢氏の場合は単なる『失言』であり、元々が長期化はしない問題です。ですが、今回の松岡氏の場合は『疑惑』であり、解明されるまで疑惑の究明は長期化する話でもあったのです。その時、説明責任を回避し続けたことは、結果だけを見れば致命的な判断ミスだったのであり、党の保身のために死者を切り捨てるような、自民党の「指示はしていない」という発言を認めてはいけません。
この問題でも感じるのは、政治が時間稼ぎを図る場というのは、国民に政治不信を招く一番の原因となっています。政治家は常に清廉さを求められるものですが、疑惑に対しては自ら証拠を示し、潔白を明らかにする気構えがなければならず、それを回避した時点で政治家としての使命を全うしているとはいえない、ということです。

安倍内閣は「美しい国」という、歴代内閣としても極めて高邁な理想を掲げました。日本を誇れる国にしよう、という気持ちがその中には込められていたと思います。ですが、政治家の誇れる態度とは何か、と言えばそれは説明責任を尽くすことです。
政治家、官僚というのは多大な権限を持ちます。だからこそ身の処し方、身持ちについては人一倍気を使わなければいけませんし、発言の影響力を考えたり、規範意識を持つことなどが求められているのです。政治家が疑惑を持たれた場合、それに応える術は説明しかありませんし、相手が納得するまで説明を尽くす、それが国民の負託に応えることなのです。今回のような、党略で説明責任を回避させてしまうようなことが、今後は無いことを願うばかりです。

analyst_zaiya777 at 23:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年05月28日

松岡農水相の逝去

今日は松岡農水相が自殺したと言うニュースがあり、非常に驚きました。今日取り上げようとした記事とも重なりますので、あわせて記事にしたいと思います。

丸川元テレビ朝日アナウンサーが自民党から出馬との記事がありましたが、メディアはネガティブキャンペーンを展開し、世論の風向きは丸川氏を批判する方向に吹いています。これは丸川氏がメディアから突付き易いと認識された時点で、安倍政権の不人気がこれに拍車をかけ、丸川氏の悪い情報ばかりが流れる構図になっています。
メディアとは両極端の意見の方が読者を呼び込みます。賛意や否定、どちらの人間にも強い訴求力を促すのが、そうした両極端な意見です。それを前提に考えると、今の安倍政権には批判の記事が多く集まります。最初に人気が高く、坂道を転がるように支持者離れを起こす政権には、批判記事に賛同する意見が多く集まるからです。

メディアの一部では、安倍氏の支持率が急落、とするものがあります。恐らく、年金問題への政府対応の緩慢さが、判断における一番の要因となったのでしょう。この問題で、安倍氏が自民党に今国会での救済法案の提出を指示した、とする記事もありましたが、これなど年金問題を蔑ろにすると、世論は離れると言うことを政府も認めた形です。如何に国民が声をあげ、政治を動かすことが大事だという、これは一つの証明だと考えます。
そして今回、緑資源機構の問題があり、私も早めに松岡農水相を辞任させるべき、との記事を上げました。いつまでも松岡氏が政権に留まっても、何も利になることはないではないか、という意見でした。なぜ安倍氏はそこまで拘るのか、と。

人間・松岡氏に対して、心よりご冥福をお祈り申し上げます。ただ政治家・松岡氏に対しては、やはり事実関係を明らかにして欲しかったと思います。地元で関係者が自殺したとの記事もありましたし、命を賭す覚悟があるのであれば、身命を賭して潔白を明らかにするのか、誤りを認めて真実の解明に力を尽くすのか、どちらかの道を選んで欲しかったと思います。
WTOの多目的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)で、日本に不利な条件で妥結された場合、農協を抑えるには松岡氏の存在感が不可欠、として安倍氏は松岡氏を閣僚に留まらせたのではないか、とする推測記事もあります。ただこの記事が真実だとすれば、農水族として有力支持母体との軋轢を生じる訳であり、これらもストレスとして認識すべきでしょう。任命責任と言われますが、それ以上に辞任を認めないことも罪なのだと考えます。

実は、私はこの事件が起きるまでは国会終了後、参院選前に一部の閣僚を入れ替え、NEW安倍内閣の信任選挙に持ち込むのではないか、とも考えていました。ただ今回の件で、政局は流動的になったと思います。ただ農政はEPA、FTA交渉などの難題を抱え、待った無しの状況です。ここに遅れを見せることだけは、故人に報いるためにも、絶対にしてはいけないのだと考えています。

analyst_zaiya777 at 22:28|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2007年05月27日

中国産の危険

大相撲、夏場所で大関の白鵬関が全勝優勝を決めました。これで横綱が確実な情勢ですが、こうなると少し心配なのが、日本の伝統ある相撲の横綱が二人とも外国人であることに、批判を加える人がいることです。本来、日本の力士に奮起を促すべきところですが、保守傾向が強い人は外国人力士の排斥などを唱えたりします。
先ごろ、全国高校体育連盟が全国高校駅伝で、外国人留学生を一区に起用しないことを決めました。一区が最長区間であり、アフリカなどからの留学生が、後続の日本人ランナーを引き離すことを問題視したものです。ただこれも、むしろ世界との距離を肌で感じた日本人ランナーの奮起を促すべきところであり、では何故それほど引き離されるのか、という理由を明らかにし、そこに根治療法を施して世界に通用するランナーを育てるべきでしょう。

最近、日本では再び光化学スモッグが頻発しています。小学校では運動会を中止するなど、日本全体が光化学スモッグの渦に巻き込まれ、今後の健康被害が心配なところです。この問題の根が深いのは、これが中国発ということでしょう。世界規模の環境破壊に対して、その枠組み作りが遅れる中で、確実に被害だけは拡大しています。
中国ではペットフード、薬に続いて、今度は歯磨き粉でジエチレングリコールが検出され、ナマズからは抗生物質が、アンコウにフグ毒のテトロドトキシンが検出され、よくもここまでいい加減な製品を輸出しているとばかりに、大量の問題のある製品が発見されています。

米食品医薬品局(FDA)が4月だけで、中国からの107件の輸入食品を差し押さえていたとの記事もありましたが、そんな中で少し気懸かりなのが、日本当局が検査体制の拡充など、日本への輸入品に対しての調査に、あまり乗り気でないことです。ここまで問題が拡大しているのですから、期間を限定してでも中国からの輸入食品については全数検査を行うか、抜き取りでも徹底した検査が必要な時期です。
今日、某番組内で、パチンコの基盤が香港に輸出され、そこから微量の金属を抜き取る中国の実態を放送していました。その中で気になったのが、鉛や有害な洗浄剤の管理が徹底されていないことです。環境に垂れ流し、それらはいずれ中国の国土を汚し、そこでとれる農水産物に多大な影響を与えることでしょう。

日本に輸入された中国製の土鍋から、鉛が溶け出しているとする記事もありました。玩具からはフタル酸ビニルが溶け出す、という記事もかつてありましたが、これら有害物質は基準値以下、という内容を鵜呑みにして使い続けてはいけません。以前、デトックスという言葉が流行りましたが、有害物質とは身体から排出され難いのが問題であり、微量でも身体にはいれないよう、気をつけるべきものなのです。
中国では有害物質が国民にどう影響するのか、と言う情報を国家利害の名の下に統制され、情報の共有化が行われないのが問題です。公害の拡散がいずれ自らを滅ぼす、という意味では、すでに死に至る病を発症しているのは、中国の国家体制なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 健康

2007年05月26日

経済の話。日本証券市場が上昇しない理由を考える

総務省から発表された4月の消費者物価指数(CPI)ですが、生鮮食品を除く総合が99.9と、0.1%減少となりました。3ヶ月連続の減少ですが、消費者の感覚とずれがあるのが、この指数です。
日本の電化製品はほとんどが余計な機能まで付加した、いわゆる高機能機種です。価格下落を食い止めるために、新たな機能を付加すると実質ベースの価値は高まり、価格が従来と変わらなければ物価は減少と判断されます。これが欧米と決定的に異なる点であり、この物価指数だけを見て、日本がデフレだと判断するのは大きな間違いです。今は需要と供給の観点だけから価格が決まる訳ではなく、産業バランスを考える上で、一つの目安でしかないともいえるでしょう。

日本市場が世界の市場に較べて出遅れだ、と言われて久しいですが、この原因の一つはOECDの景気先行指数で、日本が景気減速を示唆される米国よりも悪い数字が出たことです。一見、外国人投資家は買いを入れているように見えますが、日経平均先物には大量の売りを浴びせ、それが上値を抑える方向で働いており、これが日本市場の上昇に繋がらない原因となっています。
一方で、では日本市場の株式は割安なのか?というと、そうもいえないところがあります。07年度の企業決算予想と、証券アナリストが出した上方修正期待とを較べて考えても、日本の上値余地が高いともいえません。以前から指摘しているように、日本企業の収益率が低く、株価に対しての割安感が先進国と較べて相対的に低いのが、その最たる原因です。

日本の対外純資産残高が06年末で前年末比19.0%増の215兆円になった、との記事がありましたが、円安効果が強いとはいえ、これで16年連続で世界一の債権国です。日本には手形だけが残り、お金は外に逃げていく方向にあって、内部で運用されることは少ない、というこれは一つの証明でもあります。日本の金利が低いことによる負の効果であり、これが更に日本市場の上値を抑える原因となっています。
そして上値を抑える最大の原因が、射幸心を煽る日経平均先物の売買です。上がる時も下がる時も先物に大きく振られる相場に、一般投資家が日本市場から逃避してしまっているため、個人投資家の現物株式売買は減少傾向にあります。これにより一部の玄人やギャンブル好きの人間しか集まらない、信用取引ばかりが拡大する今の相場になってしまっているのです。

これらは複合的な要因であり、一つの原因を潰せば解決する問題でもありません。むしろ、相関性が高くなってしまった後だけに、問題解決を複雑にし、更に市場が低迷する可能性を示唆している、とも言えるでしょう。円キャリー取引の問題でも、世界がこれだけ注目するようになれば、その対策をとろうとするだけで影響の度合いも大きくなる、ということです。
それでも、日本当局は問題解決のための道を探るしかありません。絡み合った糸をほぐしながら、一つ一つに対策を立てるしかないでしょう。問題の先延ばしをする時間的余裕はもう少なく、世界経済の動向を睨みながらの運用となるのでしょうから。

analyst_zaiya777 at 11:40|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2007年05月25日

社会保険庁改革法案が委員会を通過

今日は衆院厚生労働委員会で社保庁改革法案が通過しました。この法案では、2010年に社保庁を廃止し、公益法人「日本年金機構」に業務を引き継ぐ。¬唄岼兮を活用し、効率化する。0質な保険料滞納者に、国税庁による強制徴収を委任できるようにする。という三点が大きな柱となっています。

メディアでも今日の委員会の紛糾ぶりは伝えられましたが、年金に請求時効があったり、立証責任を受益者側が負ったり、と年金議論の入り口から政府説明には納まりの悪さを感じます。国民側に領収書を保管する義務も責任もなく、請求する時には領収書の提出を求めています。元々が年金手帳を前提に、納付と給付が取り決められると説明された人は多いはずです。領収書を要求しても、「年金手帳があれば大丈夫」それが社保庁の説明だったはずです。
しかしこの段階になって、領収書が必要と社保庁の説明が一変しました。多くの人間が、騙されていたのです。そして安倍氏が立証責任を問われ、「では請求者の全員に支払うのですか?」と質問者に問い質していました。そうではありません。請求者がいたら、社保庁が能動的にそれを調べ、それを明らかにしていく態度を示さなければならないのです。そもそも、記録の不整合が起きたのは、納付者の責任ではありません。自らの責任として、請求者に対して誠実に対応する、その姿勢を政府に求めているのです。

参院選までこの問題を引き摺りたくないとの政府の思惑以上に、この問題は尾を引く可能性もあります。何しろ、社保庁改革で公務員の身分を剥奪すれば、自らを律する組織が生まれる、などという政府説明を鵜呑みにすることは出来ないからです。
特ににあるような、国税庁が強制徴収をするのであれば、新組織である日本年金機構は単にデータ管理会社になってしまいます。組織の資質が問われた、その専業組織になるのですから、これでは年金を任せられないと不安を煽ることになるでしょう。年金制度は抜本的に見直しが必要なのです。徴収を税方式にすれば、新組織自体必要がなくなることになります。財務省と厚労省の綱引きで、結局社保庁を解体しても厚労省所管の組織を残す、そんなことをしている場合ではないのです。国民が安心して老後を過ごせるような、そんな制度をいち早く構築しなければならないのですから。

今日は政府答弁にがっかりして、一昨日と同じ話題を取り上げてしまいました。社会保障は年金だけでなく、保険や介護など多岐に渡ります。少なくとも、今日のような議論で話を進めることだけは、して欲しくないと思います。

analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(0)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2007年05月24日

緑資源機構の官製談合に強制捜査

農林水産省所管の独立行政法人、緑資源機構発注の林道測量コンサルタント発注業務に関して、談合を繰り返していた事件がありました。これほど明瞭に、政・官・業の癒着の構図が展開されるのは珍しいことです。この事件の全貌が明らかになれば一つのマニュアルができそうなほど、この事件は官製談合と言う利権に集る闇を解明する事件になると考えています。

緑資源機構の理事を含めた6人が逮捕され、財団法人の林業土木コンサルタンツ、森公弘済会、民間企業のフォレステック、片平エンジニアリングの4つの法人、企業が官製談合に関わっていたとして、告発されています。機構の理事が受注額や割り振りを決定し、また下請けは孫請けに丸投げするなど、利益を途中で吸い上げる構図がしっかりと築かれています。
更に天下りを受け入れた業者に割り振りを多くするなど、官僚の温床機構と呼ばれても仕方ないところでしょう。一方で、「特定森林地域協議会」の政治団体「特定懇話会」から松岡氏ら政治家に献金が流れ、それが政府発注の増加を促していたのではないか、とする疑惑もあります。政治が予算をつけ、林道整備の仕事を増やして、潤った企業は献金で政治にキックバックする。まさに日本の政・官・業の三者が、それぞれ利権を得るために、国庫の金を食い荒らすために作られたシステムと呼べるでしょう。

この問題の根が深いと感じるのは、農水省のトップの人間が献金を受けていたという事実です。「返した」「口利きをした憶えはない」と説明されても、そんなはずがないでしょう?という疑問に対して、これらの答弁では全く答えになっていません。松岡氏に対しては常々感じますが、口先の説明や通り一遍の答弁を繰り返すばかりで、何ら国民を納得させる証拠を明らかに出来ていない点が、この人物に不審を感じる国民の大多数の意見です。
更にこの人物をトップに仰ぎ、原因究明が出来るのか?また再発防止策などを導入したとして、それが上手く機能するのか?と、国民が懐疑的に見てしまう点があります。もう松岡氏を農水大臣にしておくのは、国民にとっても、安倍政権にとっても何の利もないでしょう。むしろ、庇わなければならない不適切な関係でもあるのではないか?と、そうした疑惑すら想起させます。早めに進退を含め、この人物の処遇を考えた方が良いと考えます。

この緑資源機構では、広島県廿日市市の細見谷に大規模林道を建設する計画があります。これとて予算がついたから計画を推し進める、従来の『行政の都合』による計画ですし、豊かな緑を守る方が未来を見据えてもより重要でしょう。そしてこうした計画の裏で、利権構造が動いていたとなるとこれも重大な問題です。自然を壊すことは一瞬でも、育てるのは長期間を要します。利権の構図で自然が壊されることは、絶対に避けなければいけないことなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:58|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2007年05月23日

年金問題の政府答弁が若干改善

年金に関して、5000万件が該当者不明となっているとの記事がありました。この件で年金を納めたはずの人が申し出ても、「領収書を持って来い」の一点張りで、社保庁が対応もしれくれないとの話もあります。1997年以降は加入者ごとに基礎年金番号で管理されているので、それ以降の支給漏れはないとも言いますが、社保庁の管理体制が年金制度に不安を与えていることは確かです。

更に、社保庁は国会審議の場でも、支給漏れの具体的規模や総額を明らかにせず、受給者側の証明責任を盾にとりました。公的サービスにあるまじき行為ですが、これに対しやっと柳沢厚労相が「受給者本人に注意を呼びかける」と答弁しました。ただし、社保庁にはすでに紙媒体の記録がない場合も多く、やはり証明責任は受給者側に課せられるのでしょう。
社保庁側の記録が不備で、更にこれまでも領収書の発行は拒んできました。受給者に証明責任を果たす具体的証拠も渡さずに、最終的には証明は受給者というのですから、詐欺的行為と呼ばれても致し方ありません。どんなに業務が過多になろうと、この問題はやはり社保庁が責任をもって事実を明らかにする、という態度が必要なのです。

4月から年金分割が始まりましたが、4月に293件の請求があったそうです。多いか少ないかの判断は色々とあるのでしょうが、これも最低生活の保障に資するだけの財源は確保できているのか、という議論になると、分割されることにより厳しい側面もあるのでしょう。恐らく、現役時代に蓄えを相当に持っておかない限り、かなりの確率で生活が成り立たなくなり、困窮すると考えます。数年後には新たな問題が発生するのでしょう。
少子化の問題で、欧州では事実婚が常識化されているという記事もあります。日本では家族を一単位として生活保障の枠組みを考えてきましたが、今後はこうした事実婚や離婚での生活保障を含め、新しい枠組みを考えなければいけない時期に来ています。

日本ではすぐに風土に合わない、という論点で家族制度の議論を封殺する気運があります。しかし明治民法下で構築された家族制度や、旧来の風習に引き摺られると、結果的に時代にそぐわない制度しか構築できません。給料天引きでは、一度も働かずに基礎年金番号がつけられない事実婚などをする若年層が将来に至った時、また最低保障の問題が湧き上がるでしょう。
色々な痛みや産みの苦しみはあるのでしょうが、税方式も真剣に議論し、年金そのものの制度疲労を見直すべき時に来ていると考えます。もう小手先の変更だけで、国民の年金への不安を解消するのが難しい、それほどの段階には来ているのですから。

analyst_zaiya777 at 22:46|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2007年05月22日

安倍内閣の支持率が上昇

最近メディアの幾つかで、安倍内閣のアンケートを実施しています。その内の幾つかで、就任以来初めて支持率が上昇したということがありました。閣僚の不祥事などが続き、就任当初は高い支持率だったものが、今までずっと下落を続けてきて、やっと下げ止まりを示したと言うことです。
ただ、閣僚の不祥事にしても誰も責任をとらず、有耶無耶のままで過ぎています。最近は謝り続けて説明責任を回避し、国民の非難の声が収まるのを待つ、というのが政治の世界では戦略のようですし、下げ止まりはそうした動きを容認する一つの流れなのでしょう。

安倍内閣の支持率上昇のもう一つの背景に、今は社会不安が減っていることが上げられます。個人にはワーキングプアや社会保障の負担増大、などの様々な圧迫要因がありますが、大企業には世界経済の拡大に伴う恩恵があります。大規模な組織破綻の懸念が払拭されていることで、今は社会不安が増大しない傾向にあります。
ですが、実は安倍内閣になってから、目玉の経済政策は何もありません。半年過ぎているのですから、「成長なくして…」の路線であれば、もっと具体案を並べてきても良い時期ですが、減価償却の見直しの後は具体案が出てきません。細かい動きはあっても、経済全体を動かすような政策がない今は、政治に手詰まり感すらあります。

政治の無策が意識されるのは、その時の状態に大きく関係します。上向きの時は無策が意識されずにむしろ歓迎され、下向きの時は非難が集中します。経済の面で見ると、ここまでの日本は実感がなくとも企業業績だけは良く、マクロは停滞、ミクロは好調であったために、政治が無策でもほとんど意識はされてきませんでした。
ただ5月の月例経済報告は、「生産の一部に弱さがみられるものの回復している」と、判断を据え置いています。しかし昨日も述べたように景気動向指数は明らかに弱く、「個人消費は持ち直しの動きがみられる」とする意見と、4月の消費動向とを較べると少し違和感もあります。参院選前にはないのでしょうが、景気の判断が変わると潮目が変わる可能性もあるのでしょうね。

昨今のアンケートで、国民が求めているのは景気対策と社会保障です。ですがこの二つは、政治の世界でずっと脇に追いやられてきました。無駄遣いを止めないために溜まった借金で、首が回らなくなった国の財政。年金の問題や医療と介護の問題、最低の社会保障と言われるその底が抜け始めているのに、社保庁改革ばかりを議論する政治。国民の求める声が、まるで政治には届いていません。
憲法改正の問題も、教育の問題もまさにこれこそ着実に、実のある議論を経て成し遂げられていくものであるはずなのに、何故か拙速に事が進んで行きます。政治には政策の優先順位が必要ですが、最近は政治家のパーソナルばかりが目立つ、そんな場面が増えたようにも思います。物事には手順を間違えると、やりたいことは正しくても結果が悪くなるということはよくあることです。国民の声を真摯に受け止め、社会保障などに手を尽くさないと、個人不安が増大して社会が不安定になるでしょう。今何が必要なのか、ということをもう一度考えるべきなのだと思いますね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年05月21日

日本経済は後退局面か?

中国が米大手投資会社ブラックストーン社に30億ドルを出資する、という記事がありました。外貨準備金が米国債偏重だったのを、リターン重視で様々な投資先で運用することにする、と言う理由が伝えられています。人民元の変動幅を0.3%から0.5%へ変更する、という記事もありましたが、米中戦略経済対話を前に中国が動きを活発化させています。
ただこれを深読みすると、では今後米国債を購入するのは誰か?という問題があります。米国債の発行枠を飲み込むほどの巨大資本が登場するまで、米国は債券が暴落して長期金利が上昇する可能性があります。現状、米国が政策金利の引き下げをするのは危険との記事を上げましたが、米国の金利動向にはしばらく注意が必要でしょう。

日本の景気は本当に後退局面にあるのか?ということで記事を上げたいと思います。1-3月期のGDPは若干低かったものの、実質で年率2.4%の上昇は確保できたのですし、それほど弱いと考えていない人もいると思います。しかし景気動向指数の一致指数改定値で、1月が45.0%、2月が30.0%、3月が10.0%と3ヶ月連続で50%割れとなり、景気後退を示唆されても可笑しくない数字が並びました。
4月の消費動向も減速感がありますし、マンション販売戸数も売り渋り、と言われながら中々増加傾向を見せません。結局これらは消費の弱さを端的に示すものであり、設備投資の先行きにも懸念があります。米国が減速懸念を言われていましたが、日本の減速にも注意が必要な段階です。

そうは云っても、日本のミクロは相変わらず強い面もあります。超短期的に見れば良い観測も幾つかありますが、6月は海外のヘッジファンドが動き易くなり、短期資金が入り易くなること、また参院選前なので、政治の側から市場に資金が流入する可能性があります。
与党的には景気の弱さをこの段階で表明する訳にはいかず、演出であれ、何らかの操作はしてくる可能性はあります。今年継続して行われている、公的機関の保有する株式売却を一端停止する、等々は普通に行われるでしょう。それ以上に、選挙資金の捻出のためにも、どこかの市場や特定銘柄の急騰はあるかもしれません。

ただこの段階でG8へ各国の財務相が遅刻したり、出席しなかったりと、世界的な枠組みでの話し合いが停滞しているのが気懸かりな面もあります。今のG8のように、口先だけのヘッジファンド規制では、すでに世界経済は反応しなくなっています。
『虚像を現実に変える力』をヘッジファンドが持つ以上、グリーンスパン前FRB議長のような、口先介入だけではそれをマネーの力が押さえ込んでしまうほどに、今の世界経済にはマネーが溢れ返っています。その振幅の大きさは計り知れませんが、具体的な規制や監視体制を確立する段階にはあるのだと考えます。ただ、本当にその影響は想定不能なので、今後規制が具体化するような時には要注意なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2007年05月20日

日本の税制について

日本の税制に関して、幾つかの話が上がっています。ふるさと納税の話もそうですが、法人によるNPOに対しての献金も非課税にしよう、という中川自民党幹事長の発言がありました。NPOは非営利団体ですが、松岡農水相が資産運用会社FACの関連団体WBEFの問題に際し、秘書の名前で特定非営利活動法人認証の審査状況を照会していた問題があります。
この団体はすでに出資法違反容疑で捜査を受けていますが、松岡氏のパーティー券を購入し、それを松岡氏側が政治資金収支報告書に記載していなかったこともあります。全てのNPOに問題があるわけでは勿論ありませんが、仮にNPO団体が企業との間で法人税分のキックバックなどを行った場合、これが脱税の手法に用いられる可能性があります。NPO認証に政治が口先介入する可能性がないのか、また企業との間に不透明な関係が結ばれないのか、という検証を経ないと、安易に非課税などの方針を打ち出すのは危険なのでしょう。

国際通貨基金(IMF)のマイケル・キーン財政局税制課長による、「日本の法人所得税率の引き下げ圧力が高まる可能性が高い」との発言もありました。これは政府税制調査会での発言なので、安倍氏の「成長なくして財政再建なし」の提言とも合致します。すでに減価償却などで企業に有利な税制を打ち出していますが、グローバル化する中では、諸外国の基準に合わせることが求められるということになります。
ただ諸外国と日本では、企業体としての意識の持ち方、組織の考え方が著しく異なります。三角合併が解禁されましたが、外国企業が買収用に企業を日本で立ち上げる場合、この税率の考え方がネックとなりますので、確かに外国、特に米国からの圧力は高まるでしょう。ですが、日本企業の体質が改善されない限り、この法人税率の引き下げには反対です。

最近、日本国内の強化と言う視点で意見をすることも多いですが、世界で稼いだマネーを還流する仕組みをどうするのか?日本全体がこうした視点で、税制や社会の仕組みを議論しないと、日本の未来像も描けないでしょう。税制を世界基準に合わせれば成長する、ということでもありませんし、法人税を減税すれば日本の景気が良くなるわけでもありません。
実はすでに日本の景気は後退局面入りしているのではないか、そうした観測も聞かれます。指標的に見ると、踊り場入りを示唆しているとも見えるので、今後の指標次第ではこの判断も変わってくるでしょう。「デフレ脱却宣言」どころではなくなるかもしれません。

今の内閣は減税に前向きですが、税収減を補う成長性が確保されないと、日本の財政は本当に危険水域になります。債券格付けの悪化は、更に日本の国力を弱め、世界に対する日本の位置付けを低めるでしょう。そうならないためにも、税制議論には社会全体の枠組みから、議論を始めることが必要なのだと考えます。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2007年05月19日

米国経済の行方

米国ではダウが13556.53ドル、S&P500指数が1522.75となり、2000年3月につけた最高値、1527.46まで後一歩と迫りました。またハイテク銘柄の多いNASDAQも2558.45と、高値圏で推移しています。米国では企業業績が予想以上で、期初に一桁台と予定された増益率も、発表を終えてみればほぼ2桁台に届きそうな勢いです。

中国の個人投資家が銀行を通じて外国株を買うことを許可されたことを受け、過剰流動性相場のラストランナーが登場するとしましたが、もっと手強い相手が米国で現れ始めています。以前から米国では、FRBに対して政策金利の引下げ期待が強いですが、企業業績が好調なことを受け、米国企業の格付けが上がったことにより、安い金利で企業が資金を調達できる、好循環が生まれています。
つまりここでFRBが政策金利を引き下げたりすれば、更に米国では低い金利で資金を調達できることになり、それが世界経済に対する本当の意味でのアンカーの役割を果たすのではないか、そうした懸念が芽生え始めました。すでに米国では企業買収が活発ですが、これらもそうしたマネーフローが生み出しています。過剰流動性相場を更に加速させるもの、それが米国の金利引下げに伴うマネーフローと言うわけです。

米国のマクロ経済指標はマチマチであり、インフレさえなければ、確かに政策金利の引き下げを議論してもおかしくありません。サブプライムローン問題を懸念し、バーナンキ議長も度々言及していますが、個人に関する分野は悪化しています。ただ企業の雇用は堅調なので、消費などの影響も軽微にしか表れず、こうした点が斑模様の経済指標となっています。
現在の経済学の主流は、誘導金利を調整することにより、インフレ抑制を目標とするシカゴ学派です。しかし金利の調整を図る上で、マネーフローも考慮に入れないと結局バブルを生み出します。FRBは前々回から金利変動をインフレ懸念から、利上げ、利下げの両天秤に変更しました。ただ、そこにマクロ経済指標だけではない、マネタリーベースの問題を加味することも必要となるでしょう。

米国では資金が溢れることにより、絵画市場でも価値の無いものが価値を持ち始め、高値で取引され始めているそうです。ここで政策金利を引き下げれば、確実にバブルの方向に足を踏み出します。それが世界経済に対して、もしかしたら最大の懸念になるかもしれません。一時のバブルは結果的に、最悪の影響しか残しませんからね。
そんな中で、日本には世界に溢れる過剰流動性の、ほんの少ししか流れてきません。もうこれは仕方のないことです。金利が低く、為替で負けるこんな市場に世界が資金を振り向ける必要もないでしょう。今は日本以上に魅力的な市場が、世界には溢れています。最近、やっと円安を善しとしない論調も増えてきましたが、日本が真に世界から注目されるには、国内を強化するしかないのだと考えています。輸出企業が恩恵をもたらさない今のままでは、世界経済が鈍化する時にはきっと日本も引き摺られるだけなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 18:58|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2007年05月18日

集団的自衛権の検討が始まる

安倍首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の初会合が開かれました。集団的自衛権の研究の中で、仝海上で共同訓練する米艦船への攻撃に対する反撃、∧胴颪妨かう可能性のある弾道ミサイルの迎撃、9餾殃刃続萋(PKO)をする他国部隊への攻撃に駆けつけ援護する、す餾殃刃続萋阿忙臆辰垢訛捷颪悗慮緤支援、以上4点を検討するそうです。,鉢△禄乎津自衛権、とい老法解釈上の問題となります。私もこの問題について、少し考えてみたいと思います。

まず,両魴錣如∧憧倭イ世韻攻撃される状況というのは中々想定し難いですが、まず自衛隊が何の目的で、米艦船と行動を共にしているのか?が重要でしょう。類例にあるように、共同訓練であれば指揮権は大部隊を率いる米軍側が有する可能性が高いので、自衛隊がその指揮下に入り、反撃することも可能でしょう。
戦闘区域において、実害がないことをそのまま自国への攻撃がないこと、として自衛権を放棄すると、最悪は被害を受けてから反撃する、と言う今までの政府答弁を踏襲することになります。それよりこの条件で難しいのは、米艦船の交戦区域と自衛隊艦船との距離がある場合です。同盟国として、駆けつけてまで戦闘に参加するとなると話は異なります。例え同盟国とは言え、自国の判断で参戦するのはイタズラに戦闘を拡大させる恐れもあるので、非常に難しい判断を迫られると考えています。

△両魴錣任蓮△泙詐霾鵑粒両擇とれるかが焦点でしょう。明確に米国と第三国が交戦状態にあれば別ですが、仮に交戦前の状態で、米軍から日本に「ミサイルが米国に向けて発射される可能性がある。撃ち落してくれ」といわれた場合、その真偽のほどを日本が判断できないと、日本の行動がミスリードされる可能性があります。
更に米国へ向けた攻撃を日本が撃ち落す場合、日本も自動的に米国と第三国との戦争に参戦することになります。そうなれば、次の照準は日本に向けられますから、単純に撃ち落して日米同盟が安泰、という問題でもありません。これは,砲睛蹐澆泙垢、他のNATO諸国の動静と合わせておくべきでしょう。

とい魯ぅ薀特措法でも感じましたが、PKOに参加するのであれば、武器を携帯せずに行くのは自殺行為です。一方で復興支援の目的であれば、武器を携帯する必要はありません。国連活動の枠内であれば、それに則り行動するべきなのです。
日本ではイラク特措法の当時、「自衛隊のいる場所が安全」と意味不明の答弁もありました。ですが、他国が治安まで含めて対処するPKOをしている最中、復興支援目的の自衛隊がいるのは他国の邪魔になるばかりです。これでは米国だけを喜ばせて終わりであり、何の意味もありません。

私は自衛隊が諸外国に出て、行動することには賛成の立場です。警察権の拡大なのか、軍として自衛権に基づく行動なのかで判断も異なるのでしょうが、一番大事なのは、自衛隊が行動するための大義なのだと考えています。
自衛隊員に人を殺せと命じられるのか?と言う人もいますが、自分の身を守るためや、大勢の人間が殺されそうになっている、その場合は已む無くテロリストに銃を向けることもあるでしょう。でもその時、大義や正義があれば、それが自衛隊員の救いにもなるのです。大義もなく、米国に阿るだけで自衛隊員を死地に向かわせるような検討だけは、今回もして欲しくないと考えます。ですが今回の類例を見ると、米軍に阿るだけの議論のようにも聞こえますね…。

analyst_zaiya777 at 22:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年05月17日

1−3月期GDP、年率2.4%成長

内閣府から発表された1-3月期の実質GDPが0.6%増と、年率換算で2.4%増と堅調な伸びを示しました。内訳は個人消費が0.9%増と堅調、住宅投資0.3%、設備投資0.9%、公共投資0.1%とこれら三つは減となり、最も堅調だったのは輸出でこれが3.3%増と押し上げました。

まず堅調な個人消費ですが、これは暖冬の影響があり、冬物衣料が振るわなかったもののレジャーには最適で、出掛ける機会が増えたためと考えられます。これは外食産業が堅調であったことや、レジャー産業の集客率が高かったことが大きく寄与したものでしょう。
一方で設備投資が大きく減少しましたが、先行指標の機械受注の4-6月期の予想も低い数字でしたので、しばらく弱い数字が予想されます。工場の海外移転も一巡感がありますし、今の企業は設備投資よりしばらく人材確保、教育へ資金を振り向ける流れもあり、またIT在庫の調整も下げ止まり感はあるものの、上向きシグナルが出ない点も、先行きに弱さを感じるところです。

まずこの発表で、消費主導の景気回復を期待するのは早計でしょう。賃上げは小幅であり、ボーナス寄与が高いとはいえ、昨今では『少しの贅沢』が主流であって、大きく消費が改善するとは思えません。一つには団塊世代の大量退職が消費マインドを低下させること、また失業率がやや上昇傾向を示していること、などがあります。
団塊世代の消費について、経済紙では期待する内容も見られますが、高い収入が減ることにもなり、景気にとってはマイナス面の方が大きいでしょう。失業率の上昇と言う点は、期待と現実の乖離に伴う若年離職の他に、景気回復に伴う一時的失職も含まれます。実際、人材不足が顕著である一方で、待遇は改善されないという根本的な問題も含みますし、労働者にとって企業の魅力が低下しているのが現実でしょう。

一部では、日本の景気実感がない原因を、配当性向など株主優遇を企業を推し進めるため、とする意見があります。しかし現状でも、まだ米国企業の配当性向に較べ、日本企業のそれは低い面もあります。過去最高益を更新する企業が相次ぐ中、グローバル化を目指す企業の中に真に横たわる問題は、収益率の低さにあるのです。
三角合併が解禁されても日本企業の買収が進まないのは、外国企業が日本企業を買収して連結に組み込むと、自社の収益率が悪化するため、とする理由も含まれます。日本企業には不透明な交際費も多く、某大手企業の営業担当に話を聞いたところ、営業経費を自社の役員の接待に回す、と言う話も聞いたことがあります。全てがそうとは言いませんが、それが無駄な出費であり、日本的付き合いや馴れ合いであったりするのでしょう。

今回のGDPは市場予想よりやや低い値でしたが、成長性は確保できました。輸出が支えている間に構造変化を促さないと、政府がデフレ脱却を宣言しないうちに景気拡大局面は終焉するでしょう。マクロとミクロの指標が一致しない米国の不安定さも感じます。今は強い経済を作るための、あらゆる手立てが必要な段階なのだと思います。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2007年05月16日

雑感。気になる話題をいくつか

今日はテレビ朝日の丸川アナウンサーとサッカーの三浦カズ選手が、自民党から出馬との記事があって少し驚きました。三浦選手は辞退したそうですが、参院選に向け、これからも知名度を利用した候補が与党、野党から目白押しになるのでしょう。ただ注意しなければいけないのは、候補者の名前ではなく、政策や公約をきっちり見ていかないといけないところでしょうね。

久し振りに行われた党首討論では、かみ合わない互いの主張を、延々と繰り広げている印象です。双方痛み別けなのでしょうが、安倍氏の討論で少し気になったのが、安倍氏が自衛隊に行った時の訓辞の話題に触れたとき、「私の言っていることが可笑しいですか?」と、振り返って皆に尋ねたことです。
内容云々よりも、討論なのですから自分の意見の正しさを理路整然と述べれば良いわけで、確かに何度か質問が繰り返される場面でしたが、相手を言い負かせるようでないと厳しいところでしょう。ぶら下がりの時にもありますが、何度も同じ説明をするので、周りが苦笑する場面があります。それでは周りが納得していない、ということに気付いていないのであり、これは安倍氏のマイナス面ではあるのでしょうね。

仏国では民衆運動連合のニコラ・サルコジ氏が大統領に就任しました。以前、この話題を取り上げた時に、左派が右に触れたときと、中道右派が国民の支持を集め易いとしました。これは左派が右に触れたときは、元々の主張に固定化されたイメージがありますから、それが改革や開放路線への移行をアピールし易く、社会に汚職などが蔓延する時に、こうした政党が政権をとり易くなります。英国のブレア首相や、一時日本でも村山内閣が誕生した時がそうですね。
一方で、サルコジ大統領は中道右派です。ただ少しきになるのは、仏国は第4インターナショナルが一定の力を持つ国ですから、左派も相当多いことです。極端な国内優位主義や排除主義を打ち出すと、こうした層から見放され、最悪は暴動が多発する可能性もあることです。
元々、第4インターナショナルはレフ・トロツキーが創設に尽力した勢力です。日本人はこの勢力をよく知らない方も多いですが、レーニンが創設した第3インターナショナルから反革命の烙印を押され、その後スターリン批判の高まりと共に見直された共産組織です。トロツキストといえば、かつての行動左翼を思い出す方も多いと思いますが、仏国が今後どうなるかは、少し注意して見ていかなければならないのでしょうね。

最後に少しだけ、福島で起きた高校生による母親殺害の件にふれます。メディアではこれを異常行動と捉え、理解できないと伝えたり、酒鬼薔薇事件との類似をとらえて報道したりしています。ですが、客観的に見れば、この高校生は統合失調症を発症しているように見えます。
家族と離れて暮らし始め、見捨てられ感に捉われて発症したのか、それは分かりませんが、この病気はきちんと対応すれば普通の疾患と同じで怖いものではありません。ですが、本人や周囲がそれと気付かないうちに症状が進行し、専門的な診察を受けていない場合も多いものです。メディアではこうした犯罪が起こると、常識の枠内で捉えがちですが、これを異常としても本質は伝えられないでしょう。実際どうなのかは情報が少なくて分かりませんが、異常性を際立たせる報道だけはして欲しくないと思います。

analyst_zaiya777 at 22:58|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2007年05月15日

労働に必要な資格について考える

今日は法科大学院の修了生を対象にした新司法試験が行われました。大学で法学を履修していない3年コースの修了者が受験し、速報では4607人が受験したそうです。

こうした資格などを所得しようとする際、大学や専門学校での履修が重要視されます。免許を発行する協会の規定により、履修過程を終了していないと受験資格さえ貰えないこともありますし、法的に専門課程の履修が決められている場合もあります。
これはあらゆる業界に亘り存在する、お金を儲けるシステムです。最近ではお笑い界でも養成所などがあり、そこを卒業した人間の中で、優秀な人材が活躍するそうです。しかし才能のある者が改めてその道に踏み出したい、と思ったときに、再び大学にしろ、専門学校にしろ、養成所にしろ数年と言う時間を浪費するのは、若干の違和感もあります。

しかしこうしたものは既得権益であり、またお金を吸い上げるシステムでもありますから、協会もそれを崩そうとはしません。独学で知識を得た人や、業務の関係から経験値の高い人など、もっと取り入れるべき人材は多いはずなのに、です。規制緩和や開放路線で、人材の活用をうたうのであれば、当然こうしたシステムを崩す方向に至らなければなりません。
突然、こうした話題を取り上げたのは、知り合いで職を変わる人がいるのですが、その人が再び学校に通わなければならないことに、端を発しています。ある程度の知識はあっても、更に上を目指すためには数年を学校に通わなければならず、その間は定職も難しいので、蓄えで過ごさなければならないそうです。もう知識はあっても、受験資格を得るためだけに、学校に通って学費を納める。そこに社会の矛盾を感じます。

看護師が「7対1」問題で不足しているとの記事もありましたし、最近では医師不足に悩む地方も多いと聞きます。例えば、産婦人科で看護師として数年を勤め上げ、産婆として登録されれば、産婦人科の医師としてのみ医療業務に携われるようにしても、面白いのかもしれません。きちんと専門的知識を有しているかの試験は必要ですし、技能面の問題もあるでしょう。
また医師不足の話にしても、昨日の話題と少し被りますが、簡易的な相談に乗れる技能職としての専門職を、かつての医療、看護経験者から募っても良いのかもしれません。埋もれた人材を活用することで、人材不足に嘆いたりすることもなくなるでしょう。外国人の労働研修などの問題もありますが、労働力不足を補うのには幾つもの道筋を考えておくべきなのだと思います。

analyst_zaiya777 at 22:44|PermalinkComments(2)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2007年05月14日

米国と中国の経済的な繋がり

最近、米中の蜜月ぶりが分かるようなニュースも多いですが、またこんな記事もありました。まず今月10日、ブッシュ大統領による「対米投資」を呼びかけるメッセージの発信です。「保護主義圧力を排し、規制緩和による魅力的な投資を促す」、一国の大統領としては、かなり思い切った発言です。
一方で、今日は中国による個人投資家の銀行経由による、外国株投資が解禁されました。この資金は直接的に米国だけに流れる訳ではありませんが、過剰流動性のラストランナーが満を持して世界経済に登場して来た感もあり、米中ともにこの段階での経済減速を快しとしていないことも分かります。

過剰流動性相場が継続する前提は、層が拡大していくことが求められます。投資する層が増えていく過程では、投資しても更に買い上がる層がいるので、リターンが見込めることになります。その時は市場原理に任せていても、経済は順調に回ります。しかし層の拡大が止まると、上値余地が限られてくるため買い上げられず、最終的には売られることになります。
米国はイラク問題を前に、自国の赤字を顕在化させる訳にはいかず、中国は北京五輪や上海万博を前に、経済を停滞させて国内の不満を爆発させることも出来ず、今は互いが一蓮托生であり、経済を減速させないとの思惑が一致した形となっています。

よく聞かれますが、今の世界経済が減速するかについては、兆しは幾つか見られていますが、すぐかどうかは分からないという説明をすることにしています。
大型の買収案件が増えるなど、これは金余り、投資資金が潤沢にあることの証明ですが、他方でその資金を運用する側に収益の機会が減ってきています。収益性を確保するためには無理な運用に走らざるを得ず、それが結果的に失敗して巨額損失を出すことになり、その時にはっきりと今の状況がバブルと認識できるのでしょう。その時がいつかは、誰にも分からないのです。そして、その時には世界が大混乱することもほぼ間違いないのでしょうね。

某番組内で、中国が台湾に攻め込む可能性について、議論されていました。確か一年ぐらい前、私も米中の戦争の話を取り上げたことがありますが、仮に中国が台湾進攻を考えた場合、その時中国が米国依存でない経済(中国経済が破綻、もしくは依存せずとも自立している)となっていれば、米国債を売り叩いてジャンク債とし、米国経済を徹底的に潰せば、米軍は中台の戦争に介入するどころではなくなります。
この可能性は国際世論を中国が味方につけ、国連決議が通らないほどの根回しが出来たときに可能なのでしょうが、番組内でも自国が困窮すれば、対外的な敵を想定する国家運営が常道とも語られています。今の米国との蜜月関係を崩す前提(北京五輪、上海万博が失敗しそうだ)が揃えば、2011年を待たなくとも行動は起こるでしょう。日本としてはその時、どう行動するのかを早めに決めておくことが必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2007年05月13日

雑感的に、健康の話について

最近暑い日が多いですが、今月の9日、各地で光化学スモッグ注意報が出されましたが、九州大学と環境研究所のシミュレーションで、中国で発生したオゾンが原因である可能性が高まったとの記事がありました。そもそも、日本には黄砂が飛来するのですから、中国から光化学オキシダントが飛来しても何も不思議はありません。
心配なのは、中国人に環境意識が低いことです。地球温暖化の問題でも、新興国の二酸化炭素抑制に関して、先進国が責任を持つべきとする意見もあります。ただこうしたものは、当事者の意識をどう変えるのかが重要であり、それは新興国でも政府の責任に帰されるべきものです。
環境を守る意識は、地球全体のことを考えることにより育まれるものですから、成長を阻害する要因と発言している時点で、その意識が低いことになります。世界全体がルール作りをし、人類全体のことを思い至れるようになってほしいですね。

以前、ADHD(注意欠陥/多動性障害)のことを取り上げましたが、その後母親が喫煙していると、この症状を子供が発症する確率が高いとの記事がありました。この問題は成長期の子供と、大人の身体は違うと言うことの現われでしょう。
成長ホルモンの分泌を阻害する要因があると、免疫力が落ちて病気がちになったり、脳の発達にも遅れが生じ易くなります。最大の影響は成長が止まってしまうこともありますが、それだけ成長期にある子供への影響は重大なのだと思います。喫煙者よりも副流煙による他者への影響が大きいとの指摘もありますから、幼児期や子供のいる前での喫煙は出来る限り避けるべきなのでしょうね。

厚労省が母親が服用する薬の、胎児への副作用について情報を提供したり、相談したりするサービスを行うそうです。わざわざこの記事を取り上げたのは、こうした情報提供、相談などのサービスを公的機関が行うことで、医療費の削減が果たせる可能性があることです。
今のように、医療費高騰に伴う支出の増加を国が問題視し、薬をジェネリックを推進しようとすることも重要ですし、電子カルテの導入などを進めることも重要です。ですが、情報提供や相談を増やせば、簡易的な診断に近いものがそこで行えることになります。

ただ患者からの一方的な情報だけでは、重要な疾患を見逃す可能性もあり、全てがネットを通じた診断で済むとも思えません。ですが、保険業でもテレビ電話で相手の状況を見る、などのサービスを取り入れ始めています。こうしたものがもっと進めば、対面診断でなくても、相応の診断を得られる可能性も秘めています。ネットは医療の分野でも、様々な可能性を示してくれるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 健康

2007年05月12日

経済財政諮問会議・農業について

5月9日に開催された経済財政諮問会議で、グローバル改革の一つとしてEPAに絡み、農業の話題にふれられていました。EPAは二国間における経済連携協定ですから、協定を進めるにあたり農産物が話題となり、その中で今の日本の農業についても強さを求めたものです。

この中で、松岡農水相は『国内農業の構造改革の進捗状況に留意』してEPA交渉を進め、また『輸出入国のバランスに配慮する』ことが重要だと述べています。またWTO農業交渉では、日本の関税率が低いことを訴え(日本12%、他には米国6%、EU20%など)、関税と補助金のバランスが重要だと述べられています。
またこの経済財政諮問会議の中で、有識者の提出した資料の中に「強い農業へ」というものがあります。「所有」と「利用」の分離により、耕作放棄地をなくして大規模化をはたす、農地改革を実践するべきだとの提言です。これは農業への株式会社の参入を促し、定期借地権を創設して個人から企業が農地を借り受け、経営していく方向を模索したものです。

農水省の『バランス』にしろ、有識者の『農地改革』にしろ、EPAやFTAを加速すれば当然のように市場原理の波に晒されます。関税と補助金のバランスをとり、国が関与を強めても、それで農業が自立の道を模索できなければ、何時までも補助金に頼る体質を引き摺ります。一方で農地改革を促し、株式会社が参入しても収益性が上がらなければ、倒産して耕作放棄地となります。企業が経営すれば農業が上手くいく、というものでもありません。
私は農業の問題とは、継続的に農業が引き継がれていくことを前提にした家内制度、流通ルートを握り、使用する農薬や種苗の価格を決めている農協、などの旧来のやり方に限界があるのだと考えています。ということは、この仕組みを変えない限りは対症療法に過ぎず、農業の先行きに明るい未来は見えないのだと考えています。

最近の地球温暖化の問題に絡み、農業は見直され始めています。バイオ燃料の問題でも、農産物を転用すれば元々の農産物の価格が高騰し、消費者に影響を与えています。更にオーストラリアの干ばつ、米国の大農業地帯で地下水が減少するなど、農業に利用できる水の減少がそのまま農産物の減少に繋がることでしょう。
日本は多雨ですし、世界でも有数の豪雪地帯で水は豊富です。農産品の価格が高騰する今、この時代だからこそ日本の農業が見直されることでしょう。必要なことは抜本的に仕組みを見直し、農業従事者を確保する体制作りでしょう。そこに成功のチャンスを生み出す、仕組みづくりを経済財政諮問会議では議論して欲しいと思いますね。

analyst_zaiya777 at 22:39|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年05月11日

ふるさと納税について

今日、国民投票法案が参院特別委で賛成多数で可決されました。これで参議院で可決されれば、憲法改正の手続き法はできることになります。私は国民の熱情を取り込めない、今回の国民投票法案は結果的に日本国憲法の価値を、低くしてしまうような気がしてなりません。
最低投票率の話ですが、国民の数%のみが賛成しても、多数決で反対意見よりも上回れば成立してしまう、そんな憲法では意味がなくなってしまいます。政治家は投票行為をボイコットするよう呼び掛ける、そんな勢力よりも強い姿勢で国民に訴え、投票率を上げるよう努力すべき事柄なのです。それを避けたことで、結局それが国民の意思なのか、はっきりとしないことになってしまいました。

ふるさと納税のことを考えてみたいと思います。与党案では\燃曚虜蚤1割について、納税する自治体の指定を認める。他の自治体に納税した額を税額控除の対象とする、となっています。
まず以前にも少し触れましたが、税を徴収する仕組みを複雑化すると、システムとして機能しなくなる可能性があります。これは現状、サラリーマンなど一般の労働者の場合、企業が住民税などを給料天引きの形で納付しています。その時、納税者は企業に対して納税先変更などの希望を提出するのか、企業はそれを税務署に伝達しなければならないのか、よく分かりません。
更に希望した先に正しく納められたのか、それを明らかにする術が分かりません。また地元の人間でない限り、資料請求に応じない自治体も多く存在します。税金が正しく使われているのか、情報開示の問題も含めて議論をすすめるべきでしょう。

そしてよく言われる受益者負担の問題もあります。行政サービスを受ける対価としての住民税を、他の自治体に回せば行政サービスの低下を招く可能性もあります。更に自民党の中川幹事長の言うように、税額控除の対象にするというのも些か可笑しな議論です。
このふるさと納税には問題点も多いですが、まず最大の問題は住民税を扱う点でしょう。住民税の1割を他の自治体に回し、それで所得税の控除が受けられるのでは、減税の議論のようにも聞こえます。つまりこの問題点を解決するには、所得税を地方に配分する、それを国民が選択するようにすべき議論だということです。

国がおかしなことをしている、地方への分配が進まない、それを国民の側から促すことが出来れば有用な案です。しかしこうした議論になると、必ず地方交付金を減らす方向になりますから注意しなければなりませんが、国の税収を担保し、地方でパイを奪い合う議論にすることは、結果的に地方分権を促さないことにもなりかねません。
東京DC特区の構想でもそうですが、一見すると地方への配分を促すように見えても、それが予算の奪い合いの側面だけではどうしようもありません。予算と権利に対する責任を果たす、そんな地方自治体は自然と健全な運営が出来るものです。競争の阻害要因を排す方向であれば一考の余地もありますが、単にばら撒きの議論にしないことが大事なのだと思います。

analyst_zaiya777 at 22:35|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年05月10日

経済の話を簡単にふれておきます

英国ではトニー・ブレア氏が正式に退陣を表明し、後任にはブラウン財務省が確実視されています。改革を訴える姿が最後には見る影もないほどに、ブレア氏は支持率低迷にあえぎました。対米追従姿勢でイラクに出兵し躓いたこと、労働党の疑惑もありましたが、経済がこれほど堅調でも退陣を余儀なくされるというのが、無情なところでもあります。
世界は中道右派や左派が右寄りに傾斜した時、というのが受け入れ易い政治姿勢となりますが、労働党を導いた手腕は見事だったと思います。花道に北アイルランドの和平も実現できましたので、屈辱的ではあるのでしょうが、結果を残した首相として英国の歴史に名は残ると思います。

最近サボっていたので、経済の話に少しふれます。昨日は米国FRBが政策金利を5.25%に据え置くことを決定し、今日は欧州中銀が3.75%に据え置きました。英国中銀は5.5%まで上昇させましたが、概ね先進国の間では金利の上昇圧力があるようです。米国は利下げ期待も強いですが、一方でインフレ指標は2%を越えているので、ここが最低1%台に下がらないと、金利を低下はさせられないでしょう。
日銀の福井総裁は「金利変更をサボると、変動幅が大きくなる」と金利上昇を講演で示唆したそうです。ただ3月の景気一致指数が3ヶ月連続で50%割れ、4月の街角景気指数も50ポイント割れと、景気は少々踊り場入りを示唆しているようです。個人的には金利が1%を越えない限り、金利水準の適正化を議論できないと考えているので、金利を上昇させることに異論はありませんが、日銀には逆風が強くなりそうです。

そんな中で、久し振りに竹中氏の動向が伝わってきました。米シンクタンクで講演し、日米FTAに安倍首相は前向きだと発言したということです。BSE問題を始めとし、農産品に関して日米の間には深い溝があります。考え方の違いと言っても良いですが、米国に期待を与えると後のしっぺ返しが怖い部分もあります。
先の米韓FTAに触発された発言でしょうが、日本にまだ交渉を進展させる下地は整っていないと考えています。参院選後であれば、選挙を気にせず一気に交渉を進める可能性もありますが、まず参院選で勝利すると言う前提が安倍政権には必要だからです。国民の支持を背景にしないと、こうした利害が大きく偏る交渉は難しいでしょうからね。

最近市場予測を載せていませんが、これは過剰流動性相場では予測が難しいためです。各国のマクロ経済指標がどんなに弱含んでも、今の市場は新興国の金余りを背景に、グローバル展開する企業の業績が好調です。それがまたインフレを生み、経済減速とインフレという両面を演出しているため、どこでこの矛盾が噴出するのかが分からないのです。米国の証券会社でも、年末までにダウが14000ドルを越えるとしているところもありますが、本当に越えるようであればマネーゲームであり、危険信号なのですけれどね。

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2007年05月09日

経済財政諮問会議に一言

今日、とんでもない記事が飛び込んできました。以前、中国産小麦に化学薬品メラミンが使用され、米国でペットが死んだとの記事を上げましたが、今度は中国製咳止め薬にジエチレングリコールが混入し、パナマで365人が死亡しているというものです。中国政府が発表しているのでほぼ間違いないと思いますが、対応の遅さ、品質管理の甘さ、など少し考えられないほどの杜撰さです。
これは少し敏感に反応すべき問題に発展するかもしれません。何しろ、安価な製品の裏に品質管理の問題が絡むとすれば、特に食の安全や人体に取り入れるものに対して、輸出規制等が起きる可能性もあるからです。世界は今保護主義へと向かい始めていますから、安全が脅かされる問題にはより反応するでしょうから。

経済財政諮問会議がGW前後に開催されています。いつも通り、あまり特筆すべきものはありませんでしたが、歳出・歳入一体改革の話の中で、公共事業費に対して『身を削る努力』によって『1/2を下回る水準』に予算を削減した。『公共事業関係予算の削減額は、他の一般歳出の主要経費に比べて格段に大きい』と述べられているものがありました。
わざわざ『』で囲んだ部分は、赤字で強調されているものをそのまま転載しています。更に欧米は成長力を強化させるために『公共投資を増加』とも述べています。経済財政諮問会議で何度も言われているので、私も何度も繰り返しますが、まずは政府の無駄を削減するのが先です。

一つに尾見財務相が提出した資料の中に、長期債務残高が平成19年で779兆円、対GDP比で148%になり、受益と負担のバランスが悪いと言われます。日本は中福祉‐低負担であり、国民負担率39.7%は先進国が50%近くあるのに、低過ぎるというのです。
しかし先に述べたように、無駄な公共投資が国家財政を疲弊させてきたのであり、更に言えば、日本の高い建設業への就業率を変えない状態で公共工事を垂れ流せば、それは単に構造変化を促さない、一時しのぎの状態を生み出します。合併特例債などの計画もない、ハコモノ行政を続けてきた責任を、単純に国民負担率の責任に仮託させてはいけないのです。

最後に、マヨネーズが値上げされるそうです。今後はこうした悪い物価上昇圧力が強まります。『悪い』としたのは、原油高騰や素材価格の上昇、バイオ燃料に転嫁されるための農産物価格の高騰、などのいわゆる益をもたらさない物価上昇だからです。
今まで、政府は物価が上昇しないことや、消費が盛り上がらないことを悪者にして、経済指標の発表を行ってきました。それは日銀の利上げを阻止したかったからです。ですが、こうした企業努力では吸収できない、企業には利がなく、国民負担が増えるだけの値上げにより物価上昇圧力は高まることでしょう。経済財政諮問会議も効果的な歳出・歳入の議論をしていかないと、『成長なくして改革なし』の達成は難しいことになるかもしれませんね。

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2007年05月08日

最近の政治で気になったことについて

政治の中で気になった動きを細かく拾ってみます。まず「ふるさと納税」の話。これは住民税の約一割程度を故郷に納めるというものですが、税制上の手続きを難しくすると、混乱を生じ易く年金問題と同じで不備が発生する可能性が高まります。誰もが定住する世の中ではなく、転勤、転職で居住地を移ることも多いのですから、徴収先と運用先が異なるようなことになれば、それこそ混乱の元でしょう。これを安倍氏は地方へ税収を分配する、その一つにしたい意向のようですが、再配分などの手続き業務は出来るだけスマートにするべきでしょう。

参院選に向け、安倍氏は選挙の焦点に憲法改正を上げていましたが、地球温暖化も焦点にする意向のようです。どちらも焦点になり難く、判断材料にはならないでしょう。これはどちらも日本として、党利党略で動いて良いような問題ではありません。知恵を出し合い問題解決の道を探るべきであって、これを選挙公約に掲げられると、それ以外の問題を検討する、その比重のかけ方を低くしてしまいます。他にも待ったなしで改革が必要な分野は山積しているのですから、そちらを焦点にすべきです。
こうした現時点で曖昧な焦点を並べ、選挙直前で国民受けする公約を掲げるようであれば策士ともいえますが、国会審議の流れを見る限り目玉は出そうにありません。憲法改正、北朝鮮問題、安倍氏が強そうなものが夏までに進展するとは、とても思えない部分もあります。

そんな中で、自民党が選挙に対して貢献度を求める、成果主義を強化するそうです。業界団体に名簿や人員の提供、集会の実施数、党員獲得数などの項目を数値化し、貢献度により予算措置や政策面の要望を聞き入れるなど、ランク別けをして対応するそうです。
組織票固めなのでしょうが、今の時代、名簿に名前が書かれているからといって自民党に票を入れるとは限らず、組織自体が弱体化していますから、バラ撒きにも見えるこうした動きはマイナス面しか与えないでしょう。今は浮動票をどう取り込むのか、それが重要な時代です。時代の流れと逆行すれば、組織は更に弱体化していくことでしょう。

政治資金規正法改正の動きにしても、自民党が国民から支持されることはないでしょう。松岡農水相にはまた献金問題が発生しましたし、与党案のザル法が松岡農水相を始めとした政権内の人間を庇うためだけにある、そう受け取ることも出来ますから、これでは国民は離れていくばかりです。
最後に、安倍氏が靖国神社に真榊を奉納した件ですが、政教分離に違反しないよう私人にしたのであれば、『内閣総理大臣』の肩書きは必要ないはずです。遺族会に対して肩書きを必要としたのでしょうが、結果的に公の立場と私人の位置付けが混同になってしまっています。こうした矛盾には説明が必要なはずですが、最近の政治家は「はっきり言わない」ことが戦略のようですので、説明責任を果たす意識はないのでしょうね。

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2007年05月07日

フランス・サルコジ氏が大統領選を制す

GWも明けて、日本はここから長い祝日のない日々が続きます。長い休みも必要ですが、祝日のバランスが悪いのもどうなんでしょうね。

仏国では国民運動連合党首のサルコジ氏が、社会党のロワイヤル氏を破り大統領となりました。極右とも呼ばれますが、中道右派の位置付けであり、今回は移民政策などで強硬路線をアピールすることで、見事に極右勢力の取り込みに成功しました。ロワイヤル氏は高福祉型の旧来の政策のようにも見え、またカナダ・ケベック州の問題で、不興を買ったのが大きく影響したようです。
仏国では親日派で知られるシラク氏がいたからこそ、国際社会の中でフランスは日本の擁護をしてくれるなど、かなり友好的な対応をしてもらえました。ですがサルコジ氏は日本に対して厳しい意見も持っているようなので、今までよりも良くなる関係というのは望み薄というところでしょう。サルコジ氏は経済界との繋がりも深く、中国重視とも伝わっていますし、この辺りは新興国効果に縋りたい、今の仏国の現状が伝わるような話です。

英米型の市場主義経済を目指すとされていますが、問題は英米型の市場経済に歪が溜まり始めているこの段階で、フランスが本当に経済政策で転換できるのか、ということでしょう。歪とは巨大になり過ぎたヘッジファンドや、過剰流動性相場などですが、仏国にその歪を修正して尚、自国経済をその波に晒すことが出来るほど、余裕があるとは思えないところもあります。
変に先進国がその過剰流動性の波に巻き込まれると、以前発生したアジア通貨危機のような、売り叩かれて経済がボロボロになる可能性すらあります。移民を受け入れ、労働力の低下を補ってきた背景にあるのは、少子化の流れが自国経済を収束させることへの対応です。経済の閉塞感が払拭せず、労働市場が拡大しない中で移民への強い対応が鮮明化すれば、既に起こったように暴動に発展する可能性を孕んでいます。内政の不安定化は経済を冷やしますので、そこに売りで稼ぐチャンスを与えてしまうのです。

更に、移民対策で失敗するとこれは欧州全体に波及するかもしれません。仏国では8%と言われる移民ですが、欧州全体では相当の数に上りますし、アフリカや中東から欧州を目指す人間は、かなりの数に膨れ上がります。欧州が閉鎖的になれば、それらの人間が行き場を失って、世界が混乱する可能性もあります。
今のところ、サルコジ氏の手腕は未知数です。これらも悪い観測ばかりでしかありませんが、重い課題が仏国には山積されることもまた事実です。米英はサルコジ氏でホッとしているところでしょうが、仏国の舵取り次第では世界に波及する問題が起こるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 欧州

2007年05月06日

国交省OBの営業部門への配置はゼロ

渡辺行革担当相が進める公務員制度改革、その目玉である人材バンクですが、参院選前に自民党が譲歩して採用する方向で進められそうです。今のところ制度見直しの可能性が高いので、現実味を帯びる話ではありませんが、気になる記事がありました。

国土交通省が発注する事業の受注を希望する企業で、営業部門へのOB受け入れは過去五年でゼロとするものを、国土交通省が明らかにしたとするものです。これは統計のとり方、その結果に対する考察に至るまで、無駄が満載されたものでもあります。
まず今回の人材バンクにしても、各省庁が握る既得権益の一環である天下りとは、課長級以上の職員に対するものです。そうした役職についていた人間が、民間企業の実働部隊に配されるはずがありません。顧問や調査役、肩書きのない役職につく人間が多く、そうした人間は「昔の仲間と会いに行く」や「友達と酒を飲みに行く」という言葉で情報を聞き出したり、自らの会社が受注し易いよう配慮を求めるのです。
つまりこうした統計で、相手企業の部署を限定している時点で、この資料の価値はただ05年10月に国土交通省が求めていた、「官製談合防止策の一環として、営業部門へのOB配置を自粛」していたことを確認したのみに過ぎないことになります。この統計に45000社を対象に調べたそうですが、それだけ調べるのに幾ら予算をかけたのか分かりませんが、その点が無駄に感じてしまうのですね。

最近、この人材バンクに関する記事で、元官僚や評論家らによる批判も増えたように感じます。ただそんな中で感じるのは、将来的に職場を保証されることや、またそのことで優秀な人材が集まらない、とするものがありますが、それは全く逆です。むしろそうした論調が、公務員の質を貶めているとしか思えません。
高給がもらえることや、将来的に安定していることを背景に、公務員(官僚)を選択しているのであれば、その時点でその人材は優秀ではありません。そこに自我の欲求が強く働く限り、業務と言う純粋な執行を妨げる要因になりかねないからです。

この公務員制度改革で行わなければならないのは、退職勧奨制度や人事考課の点で、能力を如何に評価するかと言う点でしょう。国政に携われる、その中で自らの提案した内容や政策が実現し、それを正当に評価される制度が実現すれば、優秀な人材は自然と集まってきます。
今のように、エスカレータ式の人事考課である限り、成功を求める姿勢ではなく、失敗を恐れて責任逃れの姿勢が蔓延して当然です。なぜなら、そうした人事制度ではエスカレータから下りない事が肝要であり、上昇を望むことは失敗を誘発する原因でもあるため、やる気に繋がらないからです。公務員制度改革は今、日本が新たな時代を迎えるために必要なことです。だからこそ、人材バンクを目玉としているような今度の制度改革に、一抹の不安を覚えてしまうばかりです。

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2007年05月05日

雑感的に、世界で気になった動きを少し

私もすっかり休日モードで、気が抜けているところです。そんな中、米国のダウが最高値を更新し続けています。ヘッジファンドの中間決算があるので、その前に高値をとっているだけだと見ていましたが、そうとは言えないほどの驚くほどの強さです。これは米国経済が弱含んでも輸出で外貨を稼げる間は企業業績が良い、と見た層が更なる高値を目指して踏み上げを狙っているのでしょう。
しかし米国経済の鈍化は米国向け輸出で外貨を稼ぐ、日本を始めとした輸出国に深刻な打撃を与えますので、巡り巡れば米国企業の業績も鈍化するのでしょう。が、その間はしばらく米国内にも楽観論が支配するので、更に高値を目指していくのかもしれませんね。

米国の記事で少し気になったのが、中国産小麦によるペットの大量死の問題です。米食品医薬品局(FDA)が調査し、有機化合物メラミンが混入していたことが発覚し、更に一部が家畜の飼料として使用されていたことが判明しました。一先ず民間組織からは安全との文言も出されていますが、中国での食品管理の問題も含めて、これは尾をひく問題になりそうです。
まず驚くのが、小麦の大量輸出国であった米国で、中国産小麦が輸入されていたことです。これはバイオ燃料で小麦価格が高騰し、ペットフードなどに使用する安価な小麦を中国に求めた結果、起こった問題です。ということは、飼料にも小麦が使われているので、中国産小麦の影響を受けて安全宣言を出せるのか、それとも中国産小麦の使用をやめ、米国産小麦の使用で牛の飼育費用が高騰するのか、という二つの道が考えられるのです。
日本では、たまたま中国産小麦は輸入していないようなので、直近の影響はないでしょう。ですが、BSE問題と同じ、農産物の輸入量が多い日本では他国で発生した問題は、やがて日本に降りかかってくる可能性もあります。特に日本への中国産農産物の輸入量は増加傾向にもあるので、大きなものから小さなものまで、その影響については推し量っておく必要がありそうです。

最後に、英国地方選のスコットランド自治議会選で、与党・労働党が敗れてスコットランド民族党が第一党に躍進しました。日本人はケルト人と言ってもピンと来ない人も多いですが、古代史の中ではローマのカエサルが『ガリア戦記』を表し、今ではフランスや英国の一部、それにアイルランドに残る民族でもあります。米国にも多くが渡っていて、アイルランド系移民が警官になることが多かったことから、俗語でパトリックの愛称、パディが警官のことを意味するようになったほどです。
元々、アイルランドは古い言葉で西方の島を意味するEriuからアイルとなり、定着した名前で、スコットランドのスコットは、アイルランド人を意味するラテン語Scotiを語源とする名前です。つまり同じ意味を表しているのですね。英国がスコットランドを併合して統治してきましたが、ブレア首相退任という時に新たにスコットランド独立、という問題を抱えることになりました。この辺りは歴史や背景が複雑なので、すぐに独立が承認されることもないと考えますが、少し注意しておくべき動きかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 海外 | 一般

2007年05月04日

雑感的に、地球温暖化や資源外交について

今日はみどりの日ですが、それにしても暑かったですね。GW後半ですが、休日の並びが悪くて日帰りばかりとは言え、五月でこの暑さは少々こたえます。今年はラニーニャの影響で猛暑との予想もありますし、積雪量が少なかったので山が水を溜めておらず、夏の水不足なども心配です。オーストラリアの干ばつがあるだけに、対岸の火事と悠長に構えていることは出来ないのかもしれませんね。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)で、地球温暖化対策への第四次評価報告書を採択しました。CO2排出削減には予算をかけること、というこの前私が述べた内容とは、正反対の対策が示されました。確かにCO2削減のために費用をかけることは必要です。石炭や石油から原子力へ、技術開発を行い二酸化炭素を拡大させない工夫、全てに費用がかかります。
ただ費用を捻出するためには、予算が泡のように湧いてくる訳ではありませんから、捻出するために産業活動をすることになります。産業活動には二酸化炭素の排出が伴いますから、最終的に二酸化炭素が増える方向になる可能性があります。
報告の中にはGDPの縮小幅も示されていますが、途上国が今後も発展していく過程を考えると、このGDP下落圧力を超えて世界経済が好調である限り、二酸化炭素は今後も増え続けていくことになるでしょう。一部では新興国の発展を阻害する要因である二酸化炭素排出抑制にかかる資金を、先進国が負担すべきとするものがあります。しかしそんな対応では追いつかないほど、CO2濃度は今後も高まるのでしょうね。

日本では麻生外相や甘利経産相がロシアやカザフスタンで、積極的な資源外交を展開しました。先の安倍氏の中東歴訪でもそうですが、私はかねてより日本は資源外交を積極的に進めるべき、との意見をもっていますので、今回の動きは積極的に評価します。
しかし難しいのは、ロシアは資源大国として今後も資源を盾にした外交を展開するでしょう。先のサハリン2のような失態は、今後のロシアとの関係においても顕在化する流れなのだと思います。この辺り、注意しないと日本の生命線がこの地域に握られることにもなり、多角的戦略の一環という位置付けで見ておかないといけないのでしょうね。

自由と繁栄の弧が将来的に有効になるには、多額の予算と人をかけて、中央アジア地域において日本と一蓮托生の関係を作り上げることが重要です。そうでない限り、本当に日本の将来に影を落とす問題となるでしょう。カナダのオイルサンド開発で出遅れ、メタンハイドレートの開発も遅々として進まない中、日本の資源外交は待ったなしなのですから。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2007年05月03日

2+2から、国防に関する動きが活発化

今日は憲法記念日です。安倍氏が「日本の文化・伝統を取り入れた『美しい国』づくりのための憲法草案」を示唆しているように、今後は憲法改正に向けた動きが活発化するのでしょう。私は時代にそぐわない内容について見直す分にはやぶさかでないと思いますが、どうにも議論が政争の愚になりそうな気配も漂っているので、国民としてはこの動きに注意しておかなければならないのでしょうね。

日米安保協議委員会(2+2)が開かれ、軍事情報に関する一般保全協定(GSOMIA)の締結に「事実上合意」し、これで自衛隊の機密漏洩事件のような、重大な秘匿違反があれば自衛隊にペナルティが課されることになりました。またミサイル防衛(MD)の分野では地対空誘導ミサイル(PAC3)の配備前倒し、海上配備型ミサイル3(SM3)の搭載用巡洋艦の改修も前倒しされました。
更に核の傘、いわゆる「あらゆる種類の軍事力をもって、日本に対するコミットメント」も確認され、日米安保の重要性を再確認した形です。北朝鮮の核実験以降、燻る日本の核武装議論に対して、米国としても釘を刺したかった面はあるのでしょう。

その他でも、この流れで日本が最新鋭ステルス戦闘機F22ラプターの調査対象機としたことに対し、韓国国防相が懸念を表明したり、日本でも久間防衛相が日本の武器輸出三原則の見直しを指摘したりと、国防に関する動きが俄かに活発化しています。
まずF22ラプターに関しては、当座日本が購入することは難しいでしょう。これはGSOMIAが有効に機能し始め、日本に対する信頼回復の前提がないと、米国内法により安易に輸出することが難しいからです。本来であれば開発費を回収したい米国にとって、日本にはこの機体を売りたいのでしょうが、自衛隊の機密漏洩事件に始まる情報管理能力の不足は大きなネックになるでしょう。それまでは米軍にF22ラプターを導入する際、不要となる中古戦闘機を日本に売りつけることになるのでしょうね。

日本の武器輸出三原則は上記の話と絡み、日本に開発費を肩代わりさせたい米国の意向もあって、積極的に日本でも合意形成をとりつける腹積もりでしょう。軍産複合体の利益代弁者である米政府にとって、自国の借金を抱えていつまでも国費を軍費に垂れ流すことも出来ず、日本を巻き込んで更なる開発に向かいたいところなのでしょう。
折りしも、米下院軍事委員会の戦略兵力小委員会で、MDの予算を削減する動きがあります。こうしたものは政府としての動き、というよりは軍産複合体に始まる利権構造が動いているので、日本も確実にそれに巻き込まれるのでしょう。それが今回の2+2の合意なのだと考えています。日本の軍事予算とて決して低い額ではありませんが、米国の軍産複合体に流れることはあまり好ましいとは思えないのですけどね。

analyst_zaiya777 at 23:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2007年05月02日

高野連が発表、特待生導入は334校

高野連が学生野球憲章に違反し、特待制度を用いていた高校を334校と発表しました。記者会見で会長が「多い」と述べていましたが、私は逆に少ないと感じました。それほど野球が特待生を禁止している、ということを知らない人間も多く、今回の事態となって初めて禁止されていると知ったぐらい、名門校には特待生がいることが知られていたからです。

他のスポーツと較べて、なぜ野球だけが?と思われる規則は多いです。それほど野球と言うスポーツが、古くから日本で行われ、また様々な事件やその度にどうすれば良いのか、という議論を経て発展、継承されてきたことの証左でもあります。
古い話では、1911年に朝日新聞が野球に対して『野球とその害毒』というネガティブキャンペーンを行い、野球全体を批判したことがあります。有名どころでいうと、新渡戸稲造(当時は第一高等学校校長)が、「野球は賤技なり」と述べています。「野球は相手をペテンにかける遊戯であり、米人には適しても英人や独人はできない」とまで述べているので、相当に悪いイメージをもっていたことが分かります。

その後、朝日新聞は全国中等学校野球大会を開催するにあたって、このキャンペーン自体を否定することになります。野球は教育にとって有用、という論を独自に展開して、野球の教育的意義を強調する行動に移りました。その頃から試合前、後にホームプレート前に集まり、互いに礼をするという儀式を取り入れたり、野球は健全で素晴らしいものだと宣伝したのです。
その後、プロとアマの交流を禁じた制度や、ドラフト制度など、極端にアマチュア野球の世界は金との決別を主眼に、教育的意義を強調するようになり、プロ野球は年俸高騰などの金が生み出す効果を最大限に利用するようになります。その際たるものが金銭供与によるアマチュア選手の青田買いであり、今回の問題に繋がるわけです。

まずこの問題では、野球だけを特別視する層が存在することが問題です。野球とて普通のスポーツですから、能力のある人間がその才能を生かし、利を得るのは何ら悪いことではありません。最近ではいないかもしれませんが、お金がなくて才能ある若者が野球の道を閉ざされてしまうことの方が、よほど大きな問題でもあるでしょう。
今回の処分でも、夏の大会には参加できると一定の理解は示したようです。しかし高野連がやるべきことは、高校野球のみならず、衰退が囁かれ始めた野球全体の問題に対する対応でしょう。「野球は教育の一環」という論で金銭を排除しようとする動きではなく、才能ある若者を育てる、そうした方向で進んで欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般