2007年06月

2007年06月30日

米国の従軍慰安婦決議案について

先ごろ、米下院外交委員会で従軍慰安婦問題に関する決議案を可決しました。残念なことは、これほど日本の対応が過った外交の失敗例を、近年見たことがなかったほどの酷い状況であることです。この法案が話題になったとき、日本は国内で騒ぎ始めました。国内世論を盛り上げ、それを力に外交をするのは一つの手法ですが、それは力が対等か下の相手にするものであって、米国の下にある日本がそんなことをすれば、反発を受けるに決まっています。
米国は自分たちが正義を行っている、と夢想している時は圧倒的な力を発揮します。全ての戦争突入への歴史は、米国では正義で貫かれています。その後歴史がその戦争を否定しても、米国がそれを認めないのは正義が崩れ、米国の威信が落ちることを嫌うためです。

従軍慰安婦の問題も同様、彼らにとっては人権蹂躙であり、それを米国が支援すると言う形の考えが蔓延している限り、それに意見することは反発を招きます。何故なら、それが彼らにとって米国の正義を覆そうとしている輩に見えるからです。そのため当初は米国の怒りを買いました。
その後、せっかく安倍氏が訪米して沈静化を計ったものの、有志議員の広告記事で再燃させ、圧倒的多数をもって委員会で可決されました。広告内で「1945年占領軍当局は米兵による強姦を予防するため、慰安所の設置を日本政府に要請した」とする意見を載せたのも、極めて危険な対応です。お前だって悪いことをしているだろう?正義を行おうとしている者を、最も激怒させる対応だったと言えるでしょう。

日本では『膝を交える』、『胸襟を開く』という言葉があります。何事も面と向かって会話をし、心中を打ち明けることで互いの意志が疎通され、物事が上手くいくことになります。国内世論を盛り上げて反発を試みたり、相手の国の新聞に意見広告を出したり、国境の壁に隠れて他人を否定するようなことは、必ず強い反発を招くことになります。これは小さな人間関係も同じ、隠れてこそこそ悪口をいうような人間は、それが例え相手の正当な評価だとしても嫌われるということです。
米国ではこちらの意見を通す手法として、ロビイストの取り込みが必須です。利益の代弁者として存在する、彼らのような立場を利用する術を持たない限り、日本の主張など通せないと考えた方が良いです。なぜなら、米国とて自分たちの利益を考えて行動する国には違いないのですから。

正攻法で向き合うにしろ、直接相手の国に乗り込んで説得する気概すらない人間が、広告を出して相手の非を訴えるのは間違いです。もう一度、外交とは何かを政治家は考えるべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2007年06月29日

年金関連二法案が今晩参院で可決の見通し

社保庁改革関連法案、年金時効撤廃法案が参院厚生労働委員会で可決され、今晩未明には参院本会議で可決される見通しです。年金問題では政府対応が後手後手とも言われますが、そんな中で経団連と商工会議所が、加盟企業などに相談窓口を設置すると伝わってきました。

経団連にしろ、日商にしろ、どちらも民間企業なのですから、経費のかかることをする必要はありません。社会的責任とは言え、この年金問題は政府の怠慢でもあるのですし、民間企業は年金徴収に協力している側であって、何ら無償対応を申し出る場面でもありません。
経団連の御手洗会長は、悪い人物ではありませんが、親しくなると身内感覚で相手を庇ってしまう側面を持つようです。今回にしても、経済財政諮問会議に出席する一人として、安倍氏の苦悩に自ら立ち上がったといったところでしょうか。それにしてもこの対応を無償で企業側が行うだとすれば、経済界は随分と政治に対して脇が甘くなりましたね。

年金問題に対する今回の政府対応について、危機管理が出来ていないことは以前述べました。全員に納付記録を送付ということについても、対応で幾ら予算がつぎ込まれるのか、政府は明示しようともしません。予算には枠があるのですから、無駄遣いはそれこそ控えるべきでしょう。
社保庁の職員に自主返納を求めることを示唆しましたが、これが懲罰的な意味合いであるとすれば、それは既に退職した人間についても求められるはずです。むしろそちらの方が強まらなければなりません。公務員制度改革の壁とは、国家が公務員の怠慢で受けた損失を、どのようにして補償に結び付けるのかが重要であり、過去の不作為を許さない姿勢が求められるのです。

社保庁の賞与の自主返納を求めるより、まず政府がやらなければならないのは、厚労省の予算枠内で今回の対応をする、と宣言することです。監督官庁の責任として国庫に負荷をかけない形で一省庁の枠内の影響に限定する、それが年金問題で国民が自分の年金が別に使われる懸念を払拭する、最も良い宣言の形なのです。今こそ官僚が予算獲得で必死になったものを、不作為があれば根底から覆してしまうという、政治主導の場面が求められているのです。
まるで民主党の主張を受け売りしたかのような、政府の小出しの対応にも違和感を持ちます。更に言えば、システムの作り直しも議論に挙がっていますが、再びNTTデータを使うことになれば、それこそ国民感情は許さないでしょう。何しろそこは社保庁の天下り先企業なのですから。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2007年06月28日

朝鮮総連の土地売却問題で新たな動き

今日、宮沢喜一元首相の逝去が伝わりました。55年体制最後の首相として、またその後も政権の中枢に席を置き続けた人物として、記憶に残る方でした。ハト派としても知られていましたが、良くも悪くも戦後政治を象徴する方だったような気がします。ご冥福をお祈り致します。

朝鮮総連中央本部の土地・建物を移転登記した事件で、今日動きがありました。元公安調査庁長官、緒方重威弁護士と仲介者の元不動産会社社長、満井忠男氏と資金調達約のコンサルタント会社元役員、河江浩司氏が朝鮮総連への詐欺容疑で逮捕されたものです。
当初は、整理回収機構からの返還請求訴訟に対し、土地差し押さえを逃れるための虚偽登記の疑いとして、電磁的公正証書原本不実記録の容疑で東京地検特捜部は動いていたはずです。つまり主導した側は朝鮮総連であり、土屋弁護士を初めとして関係者は朝鮮総連の意向で動いていた、というのがメインストーリーだったはずです。

しかし今回の逮捕容疑は、これと全く逆、つまり被害者は朝鮮総連であり、土屋氏以外の関係者は朝鮮総連の弱みにつけ込み、土地を騙し取るために登記簿の移転だけを行わせた、というものになっています。ここに至り、私が描いた推論にも少し訂正が必要だと感じました。
朝鮮総連絡みの土地は扱いの難しいものです。納税義務を果たさないことから差し押さえられた土地、建物でも、競売にかけると総連関係の人間が落札し、資金を振り込まないことが往々にして起こっています。仮に登記簿を移しても、今回のように相手が賃貸を望み、その場に居座ることを意図している段階では、その土地を転売することもままなりません。

本気でこの土地、建物を騙し取る意図が容疑者にあったのか、と考えるのはナンセンスです。五億円弱の資金が賃貸料として緒方氏に渡ったとされていますが、この資金を受け取っていることからも、詐欺的行為を意図したものとは思われません。むしろ手間賃や迷惑料の名目で受け取り、後にこの土地を返還するだけの期限付きの名義貸し、程度の意図で安易に話しに乗ったのだと推測できます。
しかし特捜部がこの事件を詐欺容疑に絞ったのは、総連側への捜査を手仕舞いたかった、とする意図が感じられます。そこに如何なる力がかかったのか?は分かりませんが、総連が控訴を断念し、六カ国協議再開を計るこのタイミングでの動きは、やはり政治的な関与が疑われても可笑しくはないところでしょう。
責任逃れの会見ばかりが見られた緒方氏ですが、いつの間にか主犯の側に回ってしまいました。元公安調査庁の元長官として、その実績や名誉に恥じないためにも、今回の件について事実関係をきちんと話して欲しいところではありますね。

analyst_zaiya777 at 22:55|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2007年06月27日

雑感、食肉偽装の問題について

食肉加工会社ミートホープによる食肉偽装事件、未だに被害範囲の確定さえ出来ず、消費者にどの程度の影響があったのかさえ伝わってきません。20年以上前から偽装を繰り返していた、とするものもありますが、問題は国の検査が全く機能してなかったことです。

この前、産総研で面白い記事を見つけました。ある虫は卵を産むとき、メスが自分の腸内細菌が入った袋を一緒に産みつけ、孵化した幼虫はその袋を食べることで、自分の食性を獲得するというものです。腸内細菌入りの袋を同種の虫と取り替えると、食性が入れ替わって本来食べないとされていたものを、食べられるようになる、ということです。
生き物は食べたものを100%消化は出来ません。特に草食の生き物に顕著なのは、腸内細菌により分解し難い植物中のセルロースを分解させ、消化の助けとしています。逆に、同じ種の生き物でも環境によって腸内細菌は変わります。肉食が多い人は肉を分解しやすくなっていきますし、野菜を多く食べる人はそれに合った腸内環境となるのです。

人間が食べられるもの、というのは裏を返せば毒のないものです。ただ、食べつけないものを食べると腹を下したりするのは、腸内細菌が対応できない場合も含まれます。つまり食べても害はないのですが、一時的に体調を崩す可能性をもつ食料も存在するのであり、だからこそ消費者は自身が判断して食材を選ぶ権利を有しているのです。
このミートホープの問題は、混ぜても分からない、どうせ食べるもの、という以上に人間の健康に影響を与える可能性をもつものです。嘘の情報を信じてその肉を食べて健康被害が起きても、大腸菌やO-157などの病原が発見されない限り、単なる腹痛として処理されてしまいます。処分するべき肉や、ウサギ肉などが混入していたとも言われますが、そのことで健康被害があったとしても、誰も原因追及をしないことにもなり、こうした食肉偽装が野放しになります。

今回の件ばかりではありませんが、今の日本の行政は事前検討より事後対応に重きを置いています。事前検討には時間とお金がかかるので、事態が発生した時にその対応を行う、というのが基本的な姿勢です。ですが、内部告発があっても行政が動かないのは、その基本的な姿勢すら出来ていないことになります。
食肉業界は牛肉のBSE問題、鶏肉の抗生物質耐性問題、豚肉のドーピング問題が世界を駆け巡り、日本では偽装問題が頻発しています。小さな政府を目指す過程で事後対応をするというのなら、行政には最低限の対応だけはして欲しいものですね。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 健康

2007年06月26日

経済の話。国際決済銀行の年次報告書

昨日取り上げた国際決済銀行(BIS)の年次報告について、従来の主張とかぶる部分もありますが、少し詳しく取り上げたいと思います。この年次報告書で日本に言及した重要なのは二点、〆の円安は異常、日本の金利は妥当な水準にするべき、というものです。

まず、10年前のアジア通貨危機を考えた時に、絶対に起こるはずがないと思われたことが現実に起きました。それがヘッジファンドによるタイの通貨、バーツの空売りです。タイ政府は何とかこの空売りを支えていましたが、国内の資金が尽きて為替を変動相場制に移行せざるを得なくなり、通貨の急落という局面を迎えたのです。
これに端を発し、アジア各国は同様の自国通貨売りに見舞われ、アジア通貨危機が起こりました。つまりこの事実が示唆しているのは、ヘッジファンドが『空想を現実に変えてしまう』ほどの力を得た時、起こりえないはずのマネーの流れが発生する、ということです。

現在ヘッジファンドの有する力は、小国であればその国の経済を左右するほどに肥大化しました。IMFにしろ、BISにしろ、円安や円キャリーに言及し、その動きを牽制するのは、ヘッジファンドが「円キャリー取引を崩せる」と空想し、それを行えるだけの力を有していると判断した時点で、一気に円買いを進める可能性があるためです。
円高が進行し、一定の割合を越えた時点で自動的に円の買い戻しが起こります。損失拡大を防ぐシステムが働き、意図しない円買いが発生することで、更に円高を加速させることになります。そうなると歯止めなく円高が進行し、ファンダメンタルズを反映した水準を越えて、円高となることでしょう。

更に悪い観測をすると、その時日本の証券市場も同時に売り崩されます。今の日本企業の業績は円安に支えられています。想定為替レートを越えて円高が進行すれば、それが下方修正要因となるため、売っておいた方が儲けになるからです。そして世界は円キャリー取引の収縮で、劇的な資金量の減少が起こり、あらゆる市場が急落することにもなります。
このマネーの流れが起きるのは、世界経済を鈍化させることになっても、ヘッジファンドが自分たちの利益を確保する、しなければならないと思う時です。つまり経済が減速懸念を抱える時、収益機会を失ったヘッジファンドが収益性を確保したいとばかりに売りで稼ぐ、それが現実問題として起こる可能性があるのです。何故なら、その力をすでにヘッジファンドは有しているのですから。

日本が抱える低金利、為替市場での円安の問題が、世界を左右することになるかもしれない。だからこそ世界は注目しているにも関わらず、尾身財務相や大田経済財政担当相は、従来通りのコメントに留めました。日本の無策が後に日本バッシングとなって跳ね返らないことを、今は祈るばかりですね。

analyst_zaiya777 at 23:12|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2007年06月25日

日本の債務は1000兆円越えが確認されました

国際決済銀行(BIS)の年次報告書で、円安の異常性と、日本の緩和的な金融政策への苦言を盛り込みました。今日の為替相場に大きな動きはありませんでしたが、世界的な視点をもてば、今の日本の金利、円安が如何に異常か、ということが見えるのです。
そんな中で、財務省から発表された債務残高が国だけで0.8%増の834億4千万円、地方を合わせると1001兆円に達し、ついに公式に1000兆円越えを達成しました。夕張の例に漏れず、計上されていない借金を含めるともっと大きな額になるのでしょう。金利の上昇は利払いを増やしますから、政策誘導金利である0.5%としても5兆円が消える計算になります。実際の金利はもっと大きいので、いつの間にか利払いだけで国の財政を圧迫するほど、借金の額はつみあがってしまいました。

独立行政法人の職員の平均給与が、公務員の平均給与を上回っている、そんな記事がありました。国家公務員のラスパイレス指数と比較すると、107.5となり、7.5ポイント分の独立行政法人の職員の給与が高くなるそうです。
一方で、独立行政法人の業務は天下り先企業への随意契約で決められ、身内に甘い体質が改めて確認されました。独立行政法人から民間への天下りは、ほとんどチェック機能が働かず、更に各行政から請け負った業務を、下請けへ丸投げする例も見られるなど、本当に随意契約が必要なのかという検証も経ずに、自分たちの財布を守るための業務が延々と続いています。
この独立行政法人の問題は、小泉内閣で小手先が変わり、更に実情が掴み難くなってしまいましたが、現在ある独立行政法人は半分以下に出来るものです。給与が高く、業務遂行能力に問題のある組織に税金がつぎ込まれている。国民に直接関係のない話であり、この手の話題は盛り上がりには欠けますが、注意深くチェックしていかないと、この国の財政破綻まで無駄遣いが止まらないことにもなってしまいます。社保庁も法人格になりそうですし、独立行政法人の在り方について改めて議論の俎上に載せて欲しいところです。

最後に、ブルドックソースがスティール・パートナーズ(SP)に仕掛けられていた敵対的TOBに対し、買収防衛策の導入が8割の賛成で可決されました。この買収防衛策、保有株1つにつき3株の新株予約権を発行、ただし10%以上の株式を保有するSPに新株予約権は発行されず、その分の23億円を現金で渡すというものです。
これは非常に問題のある買収防衛策です。一株価値の希薄化を招きますし、アクティビストにお金を渡して退散願う、買収されないためだけの防衛策だからです。司法の判断待ちの部分がありますが、トップの判断として見れば自己保身とも受け止められるものであるだけに、手放しで喜ぶ企業経営者の姿には違和感も持ちました。買収は必ずしも悪いことばかりではありません。そのことを、もう一度上場企業を経営している人間は、考え直さなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2007年06月24日

雑感。参院選に関して

読売新聞で行われたネット調査で、面白いものがありました。好感を抱く政党で、民主党が31%、自民党が26%でした。ところが、党首に対する好感は安倍氏が35%、小沢氏が23%と、政党支持率と逆の結果が出ています。国民の考えるところは、年金問題やその他政策について、自民党のやっていることに腹が立つからお灸を据えてくれ。でも民主党が政権を握るのは嫌、こういうところに落ち着いているのだと思います。

今日の某番組内で、自民党・中川幹事長と民主党・小沢代表が出演していました。この放送で、幾つか選挙戦略が見えてきたように思います。まず小沢氏に対して社保庁改革を問い質したとき、歳入庁として国税庁と一体化するのが、民主党の戦略ですし、それに沿って説明もしていました。
その中で税金と同様の徴収方式にすれば、業務が効率化されて人員の削減が可能、という提案もあったはずです。ですが、番組内で小沢氏はそのことに触れず、社保庁を丸ごと歳入庁に統合するという主張を繰り返していました。自治労との関係を問われた時、もっと踏み込んで回答をしないと、やはり民主党には政権をとらせたくないという気持ちを国民に想起させるでしょう。自民党としてはこの点が責め所となりそうです。

一方で、7年前の森内閣の時代を考えた時、国民の中に自民党ではダメだ、という意識が蔓延しました。当時は長い不況と自民党の不祥事が次々に発覚し、日本が変わらなければならない、という意識が国民の間にも芽生え始めた時代です。そんな中で小泉氏が颯爽と現れ、「自民党をぶっ壊す」という宣言で一躍国民の人気を集め、圧倒的支持率を誇って5年半の任期を全うしました。
しかし、そんな小泉政権下でも自民党はほとんど変わらず、唯一少し変わった部分であった郵政造反組も、安倍政権で復党を果たすなど、結果的に自民党は以前の体質に戻っています。民主党にとって、年金問題以外の責め所として、この手の話題を取り上げると効果的なのかもしれません。

最近、森喜朗氏や中川幹事長、渡辺行革担当相などが首相の責任論に言及し、仮に過半数を割っても問題なし、という認識を示しています。町村派(旧森派)にとって、安倍氏の退き方次第では自民党傍流に転落する可能性もあり、この辺りの熱の入れようは相当のものです。最大派閥にのし上がった町村派でも、一度傍流に落ちると再浮上は困難であるため、必死にもなるということですね。
今日は午前中、政治のニュースが多かったのですが、その中で色々と考えていた時、そういえば一時棚上げされたホワイトカラー・エグゼンプションの話も、参院選後に浮上する可能性が高いということに思い至りました。消費税の議論も参院選後ですし、この参院選の結果次第では、日本には色々と考えなければならないことが増えそうですね。

analyst_zaiya777 at 22:59|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年06月23日

政治とお金にまつわる話について

お金にまつわる話を少し。最近、日本の株式市場で話題になったのが、東証マザーズに上場しているオー・エイチ・ティーです。一時150万円近くあった株価が、連続のストップ安で13万円台にまで下落し、信用取引でその損失分を補填できない人が急増、証券会社はその損失分に対して引当金の積み増しを迫られる事態になりました。
この企業はプリント・ガラス基板検査装置を開発している健全な企業ですが、株価収益率PERは300倍(通常は期待値が乗っても100倍程度)と、特定筋の介入が噂されていたものです。更に各証券会社は顧客に信用取引を行わせるため、この企業の株を購入して買い建てを行っていました。その異常性は、大株主の欄に証券会社の名前が並んでいたことでも分かります。

今回この話題を取り上げたのは、この株価暴落の背景に投資グループが破綻したために起こった、などの噂が流れているのですが、その中の一つに、野党代議士の名前も挙がったためです。その投資グループの資金供給源の一つとして、その人物からマネーが流れたのでは?そうした噂が市場に流れました。
残念ながら、こうした噂の真相が明らかになることはほぼありませんが、政治とカネの話は尽きることがありません。大阪エキスポランドのジェットコースター事故で話題になった、某人物は中国の偽遊園地の企画・建設にも携わっていましたが、清和政策研究会などに献金を行う、政治と太いパイプを持つ人物としても知られています。事故の重大性や中国偽遊園地の問題点の割りに、この人物に対する報道が下火になった背景は、何かあるのでしょうね。

その他でも、業務停止命令を受けたNOVAを擁護していた自民党・中山泰秀氏と、NOVAとの繋がりが明らかになっています。NOVAの猿橋社長が中山氏の後援会会員だけではなく、中山氏の出演していた番組のスポンサーがNOVAだったというものです。
このことが直接問題とは考えていませんが、経済と政治、資金提供と口利き、献金と政治的圧力、このワンセットが日本社会を陰で蝕んでいる構図です。少しでもこうした事情が垣間見えると、戦後レジームからの脱却を果たさなければならないのは、社会の中の一体どの部分なのか?そしてそれを成し遂げるために、政治が何をしなければならないのか?改めて考えさせられてしまいます。

最後に少し政治と離れて、6月10日の週で外国人による短期債売越額が7260億円、中長期債売越額は3兆5205億円に達し、日本の金利上昇の背景に外国人売りがあったことが判明しました。世界の流れは確実に債券売りに傾き、その中で一緒に日本も売られたようです。
また06年度の国税収入が49兆円に留まり、補正予算枠50兆円に達しないことが判明しました。やりくりで赤字決算は回避できる差額ですが、税収議論に波紋を起こしそうです。法人税の見直し議論など、本来経済活性化とワンセットでなければならないものですが、そうでない現実は税収減をもたらすだけです。税制議論は秋口から活発化しそうですが、くれぐれも政府の無策を押し付けるようなことだけは、して欲しくありませんね。

analyst_zaiya777 at 22:46|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2007年06月22日

雑感的に、年金問題と政局について

ヒル国務次官補が北朝鮮から戻りました。この動きでうがった見方をすると、今回の国会会期延長、安倍氏の思惑としては、六カ国協議再開を待つ姿勢もあるのではないかと推測されます。安倍氏が朝鮮半島とパイプを持つとは常に噂されることですが、再開されれば何らかの成果が出る、そうした観測があるのではないかと思われます。
ただ次に六カ国協議が再開されても、核問題が主で、拉致問題は取り残される公算が大きくなっています。それに向けて、日本政府が動けない限り六カ国協議の進展も、特に政府の功績ではないので、その点は見誤らないようにしたいですね。

年金問題で、昨年12月には安倍氏が認識していたことが判明しました。情報の隠蔽ではなく、今年初めには社保庁に調査を、2月には対策を指示していた。対応の遅れは社保庁に問題がある、との認識を示しました。ただ国民に情報を隠していたことは事実であり、また対策も秋口に法案を提出することで調整していたので、自民党の対応は随分とゆっくりしたものになっています。
更に、安倍氏は「問題を正確に把握することが大事だ」との認識を述べました。その割りに、社保庁から出てくる数字はいい加減なものばかりで、半年の猶予があっても正確に把握は出来ていないことにもなります。逆に考えると、社保庁はその程度の組織なので、公務員の身分を剥奪しても給与が税金から払われると言う今回の社保庁改革に、疑問すら持ってしまいます。

すでに廃棄した手書きデータが83万件に上る、ということが明らかになりました。そんな中で、新たに手書き台帳からデータを入れ直し、再構築する作業も検討されているようです。この作業で注意しなければいけないのは、すでに社保庁に入力されているデータは、元データから変更が進んでいる点です。突合を行う上で、どちらを正としても可笑しな話であり、これで分かるのは入力時にどの程度のミスがあったのか、ということぐらいです。
一部で、今回の会期延長は年金問題を国民から忘れさせるため、というものもありますが、それであれば長期の延長に踏み込むでしょう。夏祭りが集中し、選挙管理委員会や役所が大迷惑をしても、この日に参院選を持ってきた理由は、やはりそれなりの思惑があると見た方が良いでしょう。そうなると六カ国協議再開の時期が、大きな焦点になるのでしょうね。

自民党内では、すでに次期安倍内閣として、麻生内閣の成立に動き出していると見ています。自民党がボーダーラインからマイナス3で、国民新党との連携も噂されていますが、麻生氏は『自由と繁栄の弧』や『とてつもない日本』を著し、次期政権へ向けて着々と動いています。
前回の総裁選でも、最終的な国民の支持は安倍氏よりも高かったのでは?とも言われていますし、安倍氏の後任で一時的な人気回復には、顔が売れている人物の登用が欠かせないところでもあります。麻生氏の自民党総裁選、最終トライが上手くいくか?参院選の行方次第では、その可能性も高まってきたのだと思います。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(0)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2007年06月21日

ヒル国務次官補が訪朝へ

まず食肉加工会社ミートホープの偽装問題で、農水省が把握していたにも関わらず、対策が遅れたとの記事がありました。北海道庁が対応するとして、農水相側から情報を伝えた、伝えないともめているようですが、所管すら確認せずに対策を遅らせたのか、とそれが驚きです。
豚肉を混ぜて牛肉と偽ったことも問題ですが、BSE問題で捨てられるべき部位の肉が混入されたのではないか、という疑惑に早急に答えて欲しいと思います。その結果次第では、この問題は相当大きくなる可能性もあります。この会社の社長が何らか、行政の側から賞を受けていたという話も聞きましたが、食の安全を脅かす行為には断固とした態度で臨んで欲しいと思います。

今日、米国のヒル国務次官補が北朝鮮に渡りました。観測では、BDAにあった北朝鮮の資金凍結が解除され、米国〜ロシア経由で北朝鮮の口座に移ったことで、北朝鮮がIAEAの査察受け入れを表明したことに伴い、初期措置履行など、今後のスケジュールを確認しに行ったとのことです。
日本からは麻生外相がライス国務長官との電話会談で、々餮鮴犠鏖集鮠弔陵儖佞ある、拉致問題への取り組みに期待、を伝えましたが、具体的な行動はとれないのも現状です。核問題のスケジュールに、どう拉致問題を盛り込んでいくのか?ヒル国務次官補が日本に立ち寄り報告する、とのことですが、米国との緊密な連携をとらなければいけない局面です。

ただ深読みしていくと、北朝鮮側からの要請にのり、第三国でもなく、中国の仲介でもない直接対話が成立したことになり、北朝鮮としては要求が実現したことにもなります。更にここまでの猶予期間もあったことから、燃料棒の取り出しなども終わり、まさに北朝鮮のシナリオ通りに事が進んでしまった感もあります。
そうなると、米国が中国を跳び越して訪朝した背景には、もっと深い案を練る準備もあるのではないか、と見ています。今回の一泊二日で結論が出るとは思えませんが、次回六カ国協議が開かれる時には、想定以上の議題が出てくる可能性もあると見ています。今ある核を放棄するとはとても思えませんが、長距離弾頭ミサイルの開発凍結、程度の内容でテロ支援国から外してしまう可能性すら、懸念しています。

結果的に、核を保有したその後は米国の都合で、核不拡散の思想は吹き飛ぶということを今回も証明しているようなものです。イランの核開発も、元々は米国の技術とする某番組のニュースもありました。米国の都合に振り回されて、日本の拉致問題を置き去りにされないよう、日本政府にはしっかりとした対応を期待したいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2007年06月20日

骨太の方針2007が決まる

今日は日経平均が一時、年初来高値を更新したようです。ただ先物の上げ下げだけなので、これで弾みがついて高値、18500円というほどではないと考えます。金利動向で外部環境も大きく変動する状況なので、米国の上値が重くなっている現状、楽観的な観測は戒めるべきところでしょう。
更に選挙前になると、仕手株と呼ばれる銘柄が動意付いたり、特定業種が急騰する局面があります。この資金の流れは想定するしかありませんが、選挙が終わるとがらりと様子が変わることもあるので、注意しておくに越したことはないのでしょうね。

昨日、経済財政改革の基本方針(骨太の方針2007)〜『美しい国』へのシナリオ〜が臨時閣議で決定されました。まだ内容を全て確認はしていませんが、案として経済財政諮問会議で諮られた分については、ざっと目を通していますので、その内容でコメントしたいと思います。
まず、本当に方針しかないな、という印象です。数値目標がないこと、具体策が明示されないこと、道筋が曖昧なこと、これらが雑然と並べられ、私がやりたいことはとり合えず盛り込んでおきました、という内容です。これで『美しい国』を実現できると考えているのなら、安倍氏はかなりオポチュニストとも言えるでしょう。

恐らく、この骨太の方針は各省庁からの要求を取り纏め、またこれまでの政府方針や各会議で議論になった内容に基づいて作成された、といったところなのでしょう。ただ最もこの方針で気になるのは、財政再建で最大限の歳出削減努力、経済の活性化による歳入増、と訴えても、数値目標のない中で一体どの程度の幅で出来るのか、と言うことすら不透明なことです。
必死で言い難いことを隠そうとする気持ちは理解しますが、政治とは善のみで行うことなど出来ません。改革を進めるにあたり、痛みがどの程度あり、どの程度の期間をかければ改革が実現されるのか、それを示してこその基本方針というべきでしょう。

安倍内閣にとって、不人気の上に痛みなどを国民に示せば、それこそ支持が得られないとでも考えているのでしょう。ですが、国民を説得できるほどの理路整然として理屈を示し、その中で痛みの度合いと、それによって改善される効果を訴えれば、今の時代に批判は起きないものです。
今回の基本方針でも、参院で議論されている各種法案でも、安倍内閣はその法案の効果や影響についてを、きちんと説明できていません。以前、説明責任の話をしましたが、それがこの内閣に最も欠けている要素ともいえるでしょう。安倍内閣が今の『遼東の豕』のような状態に早めに気付くことを、祈るばかりです。

analyst_zaiya777 at 23:12|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年06月19日

国会会期は延長されるのか?

昨日、国会会期の延長はないでのでは?と記事を上げましたが、今日になり12日間の延長を固めたとする記事がありました。これは年金問題の苦境を理解した上での開き直りなのか、公務員制度改革が国民の理解を得られると考えてのことなのか、判断は難しいところですが、安倍氏のこれまでを見ると後者の可能性の方が高そうです。
年金問題の社保庁の対応を見る限り、問題は尾を引きそうですが、それ以上に敗色濃厚に自らを追い込み、危機意識を結集して選挙を戦う腹積もりを安倍氏も固めた模様です。今度の選挙は『年金選挙』になると考えていましたが、この決断で安倍内閣の『崖っぷち選挙』になるのかもしれません。

宮崎県知事選で起きたそのまんま旋風は、その後の統一地方選を見る限り強くはないように感じます。ただ、日本に溜まった膿の原因が政権与党にあるとして、与党への風当たりは強いのが、統一地方選でも感じられました。軒並み自民党は数を減らし、民主党候補の当選が増えたからです。
しかし都知事選ではその流れは表れませんでした。これは石原都知事の選挙戦略の中で、ひたすら謝る、強面のイメージから後もう一期やらしてくれと懇願する弱気の姿勢を見せる、こうした態度が功を奏した形でした。逆風が吹く中でしたが、結局石原氏しかいないと思わせたのは、浅野前宮城県知事の戦略ミスもありますが、ある程度同情票も集めた背景があると思います。

ただこれまでの安倍氏の態度は、リーダーシップの演出のために常に強気でした。逆に、ここで石原都知事と同じ選挙戦略をとったとしても、それはリーダーシップの欠如と受け止められかねません。何しろ、まだ就任一年も経たない中で誇れる実績がほとんど無いからです。
そこで実績作りに躍起、というのが現状であり、小手先の対策案ばかりを並べて、必死のアピールをしているのが今です。ではここで、『崖っぷち』に立ったとして、同情が集まるかというと、年金問題への失態は相当悪いイメージを安倍内閣に与えていますし、更に「政治とカネ」も松岡氏の自殺で曖昧なままで、事あるごとに蒸し返される危険も孕んでいます。

よほど民主党が選挙戦略を間違えない限り、参院選で民主党は勝てるでしょう。自民党の失点が多過ぎるからです。ただ読めないのは、果たして安倍氏が勝算をもって事に当たっているのか?ということです。昨日も述べたように、安倍内閣は短命、これが与党のコンセンサスだとは思いますが、安倍氏本人がこれほど失態続きの国会で、更に延長を決めるその根拠が私にも不明です。
会期延長をカードの一つとして、与野党で妥協点を探るのが通常ですし、最終的に延長しないのが本筋だと思います。大博打をうっているように見える安倍内閣、後一ヶ月で逆転の秘策があるのか?それとも無策の強行突破か?参院選までの政治の動き、注目に値すると思います。

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2007年06月18日

政局について考えてみます

今日は東京地裁で朝鮮総連に対する、627億円の返還を命じる判決がありました。これは整理回収機構による、旧朝銀信用組合の破綻に基づく債権の回収ですから、しっかりと進めていただきたいと思います。

日曜日の某番組内で、自民党の大村氏と民主党の長妻氏が年金問題の議論をしていました。大村氏には他者を攻撃することで議論をすり替えてしまう、癖のようなものがあります。ただ、年金問題は国民が政府の対応に不信感を抱いていますから、このような他者攻撃では、国民の信頼は取り戻せません。対策にしても、政府答弁を繰り返しただけなので、国民が真に聞きたいことに答えていないことになります。
国民が知りたいこと、気に掛かっていることに答えていくのでない限り、国民は納得しません。社保庁が握っているデータを優先的に開示できる立場にあるのは、行政の長である政府なのですし、今の社保庁の情報の扱い方、情報開示姿勢に国民は怒りを感じています。少ない情報からこれだけの数字を導き出した長妻氏を称賛する声こそあれ、その数字にイチャモンをつけても、だから政府・与党は正しい数字を出してくれ、と言う論調にしか国民はなりませんからね。

国会の会期延長が話題になっています。安倍氏は就任以来、とにかく強行に物事をすすめることに固執してきましたから、「採決する」と決めたことは貫く構えです。
この場合、採決には時間が足りなくても、国民に理解が得られそうな法案だけを選別し、強行採決に至るかもしれません。その時の説明は大村氏の手法と同じ、「反対した民主党が悪い」というものになるのでしょう。その中で、会期延長は無いか、もしくは参院選に影響しない範囲のものになると考えます。

元々、安倍氏は政策よりも理念を第一に唱えてきましたから、参院選で敗北し、数の優位を使えなくなった後の方が、実は尤度が高い政権運営が出来るとも思われます。変な理屈ですが、政策を通過させることは党略で難しくなっても、理念は党派を超えた議論が可能になるからです。
ただそうは云っても、理念の正当性を示すには行動や言動しかありません。根本的な部分で安倍内閣が間違えているのは、それらをぞんざいに扱っていることです。安倍内閣の不人気は年金問題への対応ばかりではないので、自民党内の流れがネジレを許さないとも思われます。

更に参院選の如何に関わらず、一年で突合、こうした文言を使わされた時点で、自民党内で安倍内閣は短命、とのコンセンサスが出来ているのだと思います。特に不人気が鮮明になれば、例え参院選で勝敗ラインに達したとしても、内閣改造だけではない処置が下されるのかもしれません。
期限を切って対策を迫られた安倍内閣は、時限爆弾を抱えて政権運営することを余儀なくされています。そうした雁字搦めの中では、理念を唱えて超党派を結ぶのにも、誰しも躊躇いを生ずることになります。沈み行く船には誰も乗りたがらないでしょうから、安倍氏が最も望んでいたことは達成困難になった、ということだけは現状はっきりしてきたのだと思います。

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2007年06月17日

日銀の政策金利据え置きについて

日銀が6月の金融政策決定会合で金利据え置きを決めました。昨日もふれましたが、これは日銀内で量的緩和政策、ゼロ金利政策が実体経済に与えた影響や、その効果についての検証が進んでいないために、国内経済指標のみをその動向の指針にしていることが大きく影響しています。
本来、市場に大量の資金を投入する量的緩和や、安い金利で貸し出しが可能なゼロ金利政策を行えば、日本経済には資金が溢れて好景気を演出できるはずでした。しかしそうならなかったのは、日本の市場に投入したはずの資金が、世界へと垂れ流されて世界景気を潤したからです。

世界景気が好調ならばそれも良し、とする考え方もあるでしょう。確かに過剰流動性が続いている間、世界は株高、債券高、不動産高という投資効果の恩恵を受け、資産バブル効果で消費は堅調、高い企業業績に支えられて雇用も安定し、世界はまさに好景気を演じてきました。
しかしここで債券に翳りが見えてきたことから金利が上昇し、経済は次の局面に移りつつあります。今回の金利上昇は米国経済が安定し、好景気が継続されるとの背景がありますから、それらは一過性のものではなく常に圧力として存在し続けることになるでしょう。

この時、債券売りで金利が上昇することにより、過剰流動性は一つの山場を迎える可能性も有ります。低金利の貸付が行われず、投資資金の減少が引き起こされれば、金融バブルは破綻することになります。最近、米国でも見られるようになった、連銀総裁やグリーンスパン前FRB議長による金利への言及は、これらの動きを警戒するものとなっています。
この時、日本では経済の監視役である日銀が、金利の動きを冷静に分析し、その影響についての言及が無いことは非常に危険だと考えます。何故なら、日本がバブルの供給国であり、負の影響は確実に日本を襲ってくるからです。それはバブル崩壊の影響を超えるほどの効果になるかもしれません。

日銀として、国内のインフレが抑制されていることを金利据え置きの理由とするのは、世界へのバブル供給の影響を考慮していないことにもなり、世界経済との連動性を加味していないことにもなります。グローバル化の流れは、決して市場だけのものではなく、経済政策もその流れを汲まねばならないのです。
今回は利上げの可能性も元々薄かったですが、世界の流れが金利上昇に向かう中で、もう少し市場との対話を進めてコメントを精査しておかないと、今後検証が進む今までの日銀の政策に、悪い採点がつくことになるでしょう。日銀には経済の監視役として、その大任をしっかりと果たしてもらうためにも、経済を世界と言う大枠で捉えた運営も考えて欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2007年06月16日

雑感的に、色々な記事について

昨日は日銀の政策決定会合が開かれ、全員一致で0.5%の政策金利の据え置きを決めました。全員が一致だったことで、7月の利上げも見送られる公算が大きく、6月から実質増税になった影響を見極めようとすると、8月以降になるのではないかとの観測もあります。
これを受けて為替相場は一気に円安へとふれ、ユーロは一時165円を越えました。経済がグローバル化する中で、金融政策が国内経済の観測でクローズすると言う矛盾に、そろそろ日銀が応えるべき段階にあると考えています。確かに日本の金利は米国との連動性が高いものですが、誘導金利と実質的な長期金利との差は、日銀の目指すべき金利政策が市場の意識と乖離していることの表れでもあるのですからね。

政府が2007年版「障害者白書」を決定しました。精神障害を持つ人の数が300万人を越え、内閣府では「現代社会のストレスの増加や、心療内科の増加で医療機関を受診しやすくなった」ことをその理由に上げていますが、もう一つ考慮するべきなのが、環境における影響なのだと考えています。
何度かとりあげたこともありますが、鉛毒症の問題があります。中国製の機関車トーマスの赤の塗料から鉛が検出され、自主回収の話がありました。微量でも鉛を身体に取り入れていると、精神障害を引き起こしやすくなります。中国製の鉛混入はこれで二例目ですが、鉛対策に遅れをとることがこうした事態を引き起こしている可能性も高いのです。
そして日本の水道管には多くの場所で鉛管が使用されています。水道局からの発表では、影響は軽微とされていますが、欧州RoHS指令でも取り上げたように、鉛毒についての考察はもっと深めるべきです。事は健康に関わる問題であり、鉛の全面禁止が叫ばれる中で、水道水に例え微量でも混入例があるのはおかしいのですから。

英会話学校NOVAに対して、経産省が一部業務停止を命じた件について。コムスンにしろ、NOVAにしろ、以前から問題があると指摘されていた企業が、このところ相次いで取締りを受けています。このタイミングでの各省庁の積極的な姿勢には、政治絡みのきな臭い匂いも感じますが、逆に考えれば、今まで行政は国民の苦情に対して対策を先延ばししていたものでもあります。
GWGの折口会長と安倍首相の関係も取り沙汰されていますが、行政の対応が遅れれば被害はそれだけ拡大する、ということをもう一度考えなければなりません。年金問題でもそうですが、対策すれば良いというものではなく、なぜこの時期まで先延ばしされてきたのかも、もう一度検証するべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:52|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2007年06月15日

公安調査庁元長官による総連の不動産取引について

昨日コメントを頂いたので、元公安調査庁長官による朝鮮総連の売却に関して、私の考えているところを少し述べたいと思います。ただ情報が少ないこともあり、分析ではなく推測の部分が多く混じることを最初にお断りしておきます。

結論から先に言いますが、意外にこの事件だけの根は浅いと考えています。まず関与した人物として、元公安調査庁長官の緒方重威氏、日弁連元会長の土屋公献氏、不動産会社元社長、金策に動いた元銀行員、それに実際の売買でハーベスト投資顧問会社に出資しようとした人物、そして朝鮮総連関係者です。
事件の構図は、不動産会社元社長がかつて朝鮮総連の物件を扱ったことがあり、今回の件も整理回収機構の差し押さえを回避するために売買を進めようとしたところ、自身の資金調達が上手くいかなかった。そこで、親北朝鮮の土屋氏とともに緒方氏を巻き込み、その信用力を生かして資金調達を進めようとした、そんなところだと考えています。

日弁連には人権派と称する一部の人間がいて、土屋氏もその一派です。人権とは色々とありますが、土屋氏は戦後賠償や北朝鮮政策で国交正常化を訴えるなど、在日朝鮮人に対して、より人権を重視する立場に有る人物とも言えるでしょう。緒方氏はこの土屋氏と同期で、親交があったことから、安易にこの取引に乗ったと思われます。
そう判断した背景には、最初の記者会見での発言で「投資会社はペーパーカンパニー」や、「差し押さえを免れるため」の取引であったことを認めています。これは緒方氏にこの問題の重要性が理解できていない、また違法性を認識していない部分があると感じられ、あまりに軽率でもあるからです。今日になり土屋氏と緒方氏が記者会見していますが、当初の言質と異なる部分も見え隠れしており、戦略のすり合わせが出来ていなかったことを物語っているのでしょう。

元公安調査庁長官にしては、今回は随分と甘い判断をしたと考えます。俗的に言えば、暴対の警官が組員と親密になるなどの例に漏れず、公安として北朝鮮の捜査に携わる中で情が移った、という推測も出来るでしょう。ただそうだとすれば、当初の記者会見でもう少し言い逃れようもあったはずで、まるで誰かの受け売りだとしか思えない点が理解できなくなります。旧友に誘われ、報酬につられて安易に手を出した取引だったのでしょう。結果、今日になり緒方氏は新日鉱HDの監査役を辞任することになりました。
今回の件は、偽装取引であることは明白ですし、差し押さえ逃れであることも明白です。ただ今回は国家的な背景というより、親北朝鮮の人間が暗躍し、法律の隙間をぬって強制執行の妨害を行おうとしている、そのことが大きな問題なのだと思います。東京地検の動きが素早いので何らかの結果が出ると思いますが、元々が朝銀信用組合の不良債権に伴う処理だけに、逃げ得を許さない姿勢を貫徹して欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 司法

2007年06月14日

年金問題で政府の失態が続く

参院での公務員制度改革の審議入りに関して、与党と野党との綱引きが始まっています。事は参議院選挙の投開票日に向け、国会会期の延長が絡みますので、安倍氏がごり押しするこの法案の行方が、後半国会の焦点になってしまうのでしょうね。

衆院特別委で政治資金規正法改正案が通過しましたが、これは完全にザル法です。5万円以上の領収書添付に関して、資金管理団体のみで政治団体への規制がないなど、いずれ再び政治とカネの問題は表面化するでしょう。安倍氏は「私の内閣で先送りされた問題を解決する」と述べていますが、年金、政治資金、そして公務員制度改革まで、それら今国会に提出された法案は、解決ではなく先送りだと国民の誰もが考えています。法案を通すばかりでは『解決』ではない、ということは政治家も強く肝に銘じておくべきでしょう。
そして安倍氏が問題解決の姿勢を示しても国民に訴求力がないのは、年金問題での委員会採決の場での安倍氏の発言の中に、「国民の不安を煽るな」という言葉があったことです。国民が不安視していることに応えるのではなく、議論を封殺しようとしたその態度に、国民の失望感は強まっています。

社保庁の3090件のサンプルデータの問題でも、ミスは4件なのか、23件なのか、で捉え方は大きく異なります。それが支払いに問題がないから良いでしょうと説明されても、国民は誰も納得しません。問題は社保庁のデータ管理、正確性がどう担保されているのかであって、カネさえ払えば文句は無いだろう、と言う姿勢を示してはいけないからです。
更に今回の年金問題に関し、補正予算を組まないと安倍氏が発言していますが、では第三者委員会や対応員の増員などの原資はどうするのか?説明がつけられないことになります。そして時効で受け取れなかった年金を今夏から、請求があれば凡そ950億円の支払いに社保庁は応じるそうです。この時、年金は積み立てられていた分をそのまま支払いに回す形ではありませんから、財務状況次第では今年度の社保庁の収支バランスが非常に悪化することになります。そこにも税金を投入する必要があるのか、これら収支にもしっかりとした議論が必要なところでしょう。

参院選挙まで年金問題が継続するのか?というのが選挙の勝敗に大きく影響しそうです。年金は国民に直結した問題でもあり、また今の政府対応を見る限りでは、短期的に国民の納得を得るのは難しそうです。後は国民の熱が冷めるのかですが、どうやら熱気が冷めそうにもありません。
何故なら、自民党は小泉氏のように問題のすり替えで選挙を戦うのか?とも考えていたのですが、参院選マニフェストの項目に年金問題を載せてきたからです。堂々と打ち合っても自民党は敗北確定ですが、後1ヶ月と少しで逆転の秘策があるのか?今年の夏は暑そうですが、政治の舞台はもっと暑いことになりそうですね。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2007年06月13日

経済の話。世界の金利上昇と円キャリー取引の拡大懸念

昨日は投資顧問会社のスティール・パートナーズ代表、ウォーレン・リヒテンシュタイン氏が会見を行いました。自身はグリーンメーラーではない、敵対的買収者ではない、として「日本の経営者を教育しに来た」と述べていました。
ただしこれまでの手法から、この投資会社はすでにアクティビストとの評価が日本では定着してしまいました。確かに日本の経営者の中には、自己保身に走るのみで真っ当な経営すら出来ない人物が多いのも事実ですが、今回の会見の高飛車の様子などを見ると、日本的感覚は理解できていないようにも感じます。よほど献身的に企業再生に力を貸すなどしないと、企業イメージを払拭することは出来ないのでしょうね。

先週、世界の金利上昇について言及しました。今週に入ってもその流れは止まらず、米国の長期金利は政策誘導金利である5.25%を越えてきました。米国では長期金利が5.8%を越えると、今年に入ってからの株価上昇分を全て吐き出す、と分析する証券会社もあり、更に6%まで行くのでは、との予測もあることから予断を許さないところではあります。
これを景気への過度な不安が解消された良い金利上昇、と述べる人もいますが、今日になって少し微妙な動きがありました。それは為替相場で円が対ドルに対して、122円台半ばにまで到達し、4年半ぶりの円安水準になったことです。

私は一年以上前から円キャリー取引に警鐘を鳴らしていましたが、これは金利の安い円で資金を調達し、それを金利の高い諸外国で運用に回す手法です。今日、為替相場が急激に円安にふれた流れは、各国の金利上昇が影響し、円への借り換えが起こっているのではないか、そうした懸念があります。
日本の金利も1.9%後半まで上昇していますが、政策金利との乖離は実に1.5%近くになりますから、このまま更に上値を追うのは厳しい環境です。一方で欧米の金利は更に上昇する可能性がありますから、安全性を考えても資金調達先を円にしようと考えるのが、自然な流れなのです。

しかも今回円キャリーが拡大する流れは、確実に日本に負の影響を与えます。何故ならそれらは短期資金であり、手仕舞いが進むと一気に円高にふれる可能性があるからです。日本が円キャリー取引を許してしまうほど低い金利に抑えてきたツケは、いつか負の遺産となって日本に降りかかることでしょう。
世界は過剰流動性を背景にした株買い、債券買いという最高の状態を享受してここまで来ました。今、慌てて債券売りをしているのが如何なる層かは推測するしかありませんが、世界のマネーフローは確実に変わり始めています。これが更に大波になるのか、そうでないのかだけはきっちりと見極めないといけませんね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(2)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2007年06月12日

自衛隊が個人情報を収集していた件について

陸上自衛隊の情報保全隊が市民団体などの動向を調査していた件が、先週発覚しました。それについて、久間防衛相が「マスコミも撮っている。自衛隊がダメという法的根拠はない。デモや抗議風景をとるのは違法ではないと答弁しました。
以前であれば、こうした情報が公開された時点で長官クラスの首は飛んだでしょう。答弁も情報保全隊が行っていたとされる情報収集から較べると、とてもマスコミの調査と同等程度の内容で済む話ではなく、独自に、極めてきめ細かい調査を行っているようです。ただ、現状この問題が大きくならないのは、年金問題が国民にとってより身近で大きく報道されていること、及び国内でも相当程度の悪いことを企む人間がいる、と国民が認め始めていることが上げられます。

憲法では思想・結社の自由などが保障されています。しかし権利拡大の時代は終わり、今は公共の福祉をより意識した行動が求められています。ある程度個人の自由が束縛されても、多数の幸福をより重視した流れになっている、それが自衛隊が存続することに対しても、悪事を働くことを未然に防ぐ目的であれば許容しよう、という流れだということです。
そして更に『自衛隊の情報収集』、という看板自体が国民の理解を得難い点でしょう。年金問題でも、『消えた年金』の看板が問題を国民に広く伝播する力をもち、問題を大きくしました。今は情報過多の時代ですから、一言で興味を惹かなければ見向きもされないということでもあります。久間防衛相は首を危うくするのが今回で二度目ですが、運があるのやら無いのやら、今回も進退問題には発展しないようですね。

今日は元公安調査庁長官の緒方氏が代表取締役を務める、投資顧問会社に朝鮮総連、中央本部の土地と建物が売却され、朝鮮総連は賃料を払ってその場所で活動するとの記事がありました。公安調査庁の人間がなぜ投資顧問会社?と言う疑問もありますが、それ以上にかつて調査していた相手と、そうした親密ぶりを示されると、以前の調査に手心を加えていたのではないか?との疑惑をもたれるでしょう。
朝鮮総連関係の話は色々とありますが、現在でも家宅捜査や立ち入り調査が行われており、公安調査庁もそうした調査に深く関与しているはずです。日本の官僚体系は官を退職した後も『付き合い』が継続されることが多く、むしろそうした慣例が常態化しているとも言えるでしょう。安倍氏も不快感を述べていますが、政府としても看過できない問題に発展しそうです。表向きは動きがなくとも、公安調査庁を含めて倫理規定や行動規範に対して、引き締めが行われるかもしれません。

今回の自衛隊の情報保全隊の情報収集の問題は、細かい点を見るとかなりの問題を含むようです。マスコミは良くて自衛隊がダメ、ということではなく、情報とはそれを何の目的で収拾し、何に活用するのか、です。
特に自衛隊に関してはそれが圧力に結び付きやすく、マスコミの情報収集活動に支障をきたす可能性があり、情報統制との紙一重の部分があります。久間防衛相には、答弁するのでしたらもう少し理論的に、自衛隊の行動についての正当性を述べて欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年06月11日

政治家に結果責任を求めること

中川自民党幹事長に続き、下村官房副長官が小泉前首相ら、歴代の厚労大臣の責任追及に言及しました。この場合、制度設計は良くても運用が正しく行われなければ、その制度自体は悪いものとなります。一方で、制度設計がダメでも運用でカバーできる場合もあります。
最初に自民党が民主党の菅氏に責任をなすり付けようとした際、私は「醜い」としましたが、これはこうした検討も経ずに党利党略のみで個人攻撃を始めたからです。これが選挙前のパフォーマンスで終わるのか、実際の責任追及が出来るのかは不明ですが、検証チームなどを作って無駄な予算をかけることがないよう、そして党利党略のみで犯人を限定することがないよう、しっかりとした検証をして欲しいと思います。

公務員制度改革が参院で審議入りになりました。天下りもそうですが、今回の社保庁の問題でも感じることは、政治家や公務員が悪しき慣習や因習を先送りし、結果的に対策が遅れることに対して、一体如何なる手立てを施していくのか、です。
社保庁が異常な業態を持っていたことは、内部にいる人間なら誰しも気付いていたでしょう。ではそれを改善する、しようと手を上げた人は全くいなかったか、と言えばそんなこともないでしょう。その時にそうした声を吸い上げ、問題を先送りせずに対処する。そんな体質であれば、ここまで年金問題を引き摺ることも、被害を拡大させていくことも無かったはずです。

某番組で石破元防衛庁長官が、「政治家に結果責任を求めてはならない」と述べているのを聞きましたが、私はこれとは全く逆の立場をとっています。先にも述べたように、制度設計が悪いのか、運用が悪いのか、という検証が必要なことは当然ですが、そこで問題がどの時点にあるのかを明らかにし、責任を追及していく姿勢が絶対に必要なのだと考えています。
今の流れでは、判明した時のトップにいる人間が責任を負い辞任します。ですが継続性のある事業で、問題を発生させた時、それを見逃してきた時、それらの段階でトップにいた人間も、当然のように責任を取るべきです。そうしなければ、いつまで経っても問題が先送りされ、被害が拡大することになってしまうからです。

公務員制度改革でも、やる気のある職場の創出のために何が必要か?と言う議論が完全に抜け落ちているように感じます。安倍内閣は自身のリーダーシップの演出のため、法案を成立させることを優先させる嫌いがあります。それが年金時効撤廃特例法案であったり、今度の公務員制度改革法案です。
ですが、これは情報過多の現代では、むしろマイナスの受け止められ方をするでしょう。数の力を使えば法案を通すことは可能なのですから、調整能力の無さや強引な政権運営と受け止められかねません。その法案がどんな有用性があるのか、実行力はどの程度か、国民はそうしたことを強く意識しています。法案を成立させることそのものより、国民の為になる法制度を構築して欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年06月10日

雑感的に、ロシアについての記事を幾つか

麻生外相が外交フォーラムの席上で、「ロシアと日本、双方が妥協し合意点を探さなければならない」旨の発言をしたそうです。更に「我々の強い点を生かす。例えば経済力だ」とも述べたそうですが、現在のロシア経済は資源国としての勢いがあり、日本経済よりもはるかに成長性は高いです。
これはロシア危機が叫ばれた、1990年代後半であれば通用しますが、現在では資本を投下し、そのリターンを得るぐらいしか影響力を行使できないでしょう。特に2006年までに日本は産業界のロシア進出が遅れ、先行した欧州勢に較べて、後を追いかける立場にあります。

一方で、「北方四島の占拠は戦争終了後の、国際法上の不法な占拠」と言い続けるそうですので、戦略が今一つ見え難くなっています。恐らく日本としては手詰まり、というところが本音なのでしょうが、この点では本当に1990年代後半から2000年代にかけての、対ロシアに関して日和見であった政府対応が恨めしいところです。
もう一つ、BDAにある北朝鮮の凍結資金を米国の金融機関を経由し、ロシアにある銀行の北朝鮮口座に送金する案が浮上しているそうです。不法行為資金として中国に拒否され、米国でも受け入れに難色を示してきたこの資金を受け入れることが出来るのは、もはやロシアのみというところでしょう。

ここでロシアにまで資金の受け入れを拒否されると、六カ国協議そのものが形骸化し、北朝鮮への働きかけが別の枠組みに移る可能性もあるので、ロシアも受け入れを認める方向で動き出したのでしょう。この点で、六カ国協議でも積極的でなかったロシアに役割を与えることは、ある程度意味があるとも考えます。
最後に、中国からレストランで使用されている紙ナプキンや爪楊枝に至るまで、危険性が高いとする記事がありました。食料品だけでなく、製品そのものにも疑義が出始めた中国製品の輸入は日本にも多く入っています。一度、しっかりとした製品検査を日本でも行う段階にはあると考えます。

世界経済は新興国の成長と言う恩恵を十分に受けてきました。しかしここからは、新興国の内部に溜まった矛盾の是正に向けて、世界が動いていかなければいけない時期なのかもしれません。そしてその中で、ロシアや中国などを、新興国の理屈ではなく世界に責任のある国として、巻き込んでいかなければならないのかもしれませんね。

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2007年06月09日

G8サミットが閉幕

ドイツのハイリゲンダムで行われていたG8サミット(先進国首脳会議)が閉幕し、今日安倍首相も帰国しました。今回のサミット、日本は来年の洞爺湖サミットに向けて、重い課題を背負わされたと否定的な見方もありますが、日本政府としては望むべき議長総括が発表されたと理解しています。

地球温暖化問題で、日本の提案した「美しい星50」を叩き台に議論が纏められた、と安倍首相自身が述べていますが、この「美しい星50」は2050年の半減目標という欧州の意向を盛り込み、基準年を明記しない米国の意思に沿う。まさに日本流「玉虫色の決着」を目指したものです。
そしてこれは来年の7月に予定されている洞爺湖サミットで、具体的な数値目標を上げて外交成果を出したい日本政府にとって、非常に有利に働くとの思惑もあります。米国のブッシュ大統領は、よほどのことがない限り来年のサミットまで任期は続きます。米国ではハリケーンの襲来以来、地球温暖化にも強い関心が集まっており、任期切れ間際の花道を飾る舞台として、サミットでの地球温暖化対策の取りまとめに米国を巻き込める可能性も高まっています。

中国やインドなどのゲスト国は今回でも、地球温暖化に積極的な姿勢を示しませんでした。ですが、一年間で地球の気候変動がそれらの国を直撃すれば、態度が変わる可能性もあります。つまり洞爺湖サミットをターゲットとしてみた場合、今回で具体案が出ることは望ましくなく、来年までの情勢次第では具体策を纏め易くなるとの読みが、今回の日本が提案した「美しい星50」ということです。
しかし、京都議定書を取りまとめた時は、日本が環境問題の先進国を自負していましたが、今は欧州の後塵を配する形になっています。リサイクルで回収されたペットボトルが、日本で処理するとタダで引き取られるところ、中国では有料で引き取ってもらえるので中国に送ってしまうという話があります。古新聞や鉄などの廃材でもそうですが、リサイクルが基本と言いながら、日本国内でリサイクル事業が成立していない現状は、環境立国をアピールする上でもマイナスなのです。

議長総括に北朝鮮の拉致問題が盛り込めたのは成果だ、と安倍氏が述べていましたが、全体的にサミットの影響力が低下する中で、具体案に踏み込めるのかは不透明です。特にサミットではロシアしか反対に回りそうな国もなく、議長総括に入ったとしても影響なし、とする判断が働いているのだとすれば、それを成果として殊更に取り上げることもないでしょう。
ですが全体的に見ると、今回のサミットは日本にとって成功に見えます。ただこの一年間で調整役として、ポスト京都議定書に向けた話し合いに持ち込めるのかが、今後の努力しろとして残るのは確かです。安倍氏の外交手腕は今のところ非常に限定的ですが、日本の姿勢としてしっかりとした国内、国外に向けた態度を表明していくことが、今後も必要なのでしょうね。

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2007年06月08日

コムスン問題に対する政治の対応について

今日はグッドウィルグループの折口会長と、コムスンの樋口社長による会見が行われました。樋口社長は今回のコムスンへの、厚労省からの指定打ち切りの行政処分を受けて辞任、折口会長は続投を示唆したものの、記者会見での反発は相当のものだったようです。
コムスンは行政が指定取り消しに動く直前に先手を打って廃業届けを提出するなど、その悪質性は目に余るものがあり、今回の『脱法行為』とされた、グループ内への事業譲渡の話も、用意周到に練られて指定打ち切りが出るや、深夜に情報を開示するなど、その事業継続の姿勢にも問題があるとされました。

この問題で少し気になったのが、例の『脱法行為』です。閣僚からの批判が相次ぎ、厚労省が異例の「お願い」という形で、事業譲渡の話を撤回する方向に動きました。この動きで気になるのは、法的に問題のない行為を行う者に対して、立法府の一員である政治家が「倫理的にどうか?」と述べる姿勢です。
法律に抜け道があるのは成文化の段階で考慮、検討不足があったことを意味します。何事も完璧なものなどないのですから、法律に抜けがあっても仕方ないとする見方もあります。ただ政治家がその抜けに対して、「倫理的問題」を振りかざすと、法治国家として、法律の準拠とは一体何かという根本的な問題に疑義が生じると考えます。

例として、ライブドアがニッポン放送を買収した際、散々に法律の抜けを指摘されましたが、その時にはライブドアが善、フジテレビ連合が悪という図式が成立し、世論はライブドアを後押しする風潮になりました。この時には当時のライブドア・堀江社長に批判は集中しませんでした。
今回は完全にコムスンを悪とする風潮になり、こうした政治の動きがむしろ歓迎されており、グッドウィル・折口会長に批判が集中しています。しかしこの『脱法行為』に関して、善悪の価値判断で評価が変わるようなものではありません。コムスンが介護と言う、より善を求められる業態であったこと、一般消費者を意識する立場にあったことで、厚労省の「お願い」を聞き入れました。ですが、これを政治家の立場としてみれば、世論の追い風を受けた「倫理的問題」に押し付けるよりも、自分たちが成文化する時のことをもっと意識するべきなのです。

当然、コムスンのとった行為は感情論として許し難いものはあります。介護者のため、雇用確保のため、という理由が霞むほどの問題点は含んでいると思います。今後のことも含め、行政側が動いて受け皿を探す必要も今後は出てくるかもしれません。
ただ今回でも浮き彫りになったのは、介護報酬の不正受給であったり、介護の現場の大変さです。柳沢厚労相が法律の見直しを示唆しましたが、介護の現場をもっとよく見て、働く人たちがより働き易い職場になるような、介護を受ける人たちが安心して介護を受けられるような、そんな介護保険法の改正を目指して欲しいと思います。

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2007年06月07日

経済の話。世界の金利上昇圧力

日本の長期金利が1.86%まで上昇し、政策金利を引き上げた2月にはほとんど動かなかった金利動向に、少し動きが出てきました。金利の話題で、海外で気になる記事が幾つかあったので、経済の話で記事を上げたいと思います。
米国では長短金利が5%に接近し、政策金利5.25%に近付きました。長い間、米国では金利引下げ期待が市場内にはありました。ですが、強硬にこの説を訴えていたメリルリンチ証券が年内の金利引下げ観測を撤回し、年内は政策金利の据え置きとの説に転換したことから、米国では一気に金利上昇圧力が高まりました。

昨日は欧州中銀が政策金利を引き上げ、4%になりました。トリシェ総裁が今後の政策金利に対して、それほどタカ派発言を行わなかったので、極端な変動は抑えられましたが、欧州は今後も金利上昇圧力が高まるでしょう。それほど、欧州経済は好調ということです。
米国や欧州が政策金利の上昇圧力が高まる中、日本にも金利上昇圧力が高まった、それが今回の金利上昇の流れです。これは市場の側から日銀が金利を上げるタイミングを催促されているようなもので、金利を引き上げたい日銀にとっては絶好のタイミングが訪れました。しかし日本では参議院選挙が終わるまで金利上昇が難しいと言われており、8月を予想する人が多くなっています。

しかし今年1月に政治介入を許し、諸外国からの圧力が高まった失敗から、政治との決別を明らかにするためにもこの6月が最良との見方もあります。参議院選挙で自民党が敗北すれば、更に金利を上昇し難くもなりますので、6月は市場期待との合致も見られることから、日銀が政策金利を引き上げる可能性は十分なのだと思います。
日本の市場はまだこの金利上昇を織り込んでいません。それより、6月のメジャーSQを控え、18000円より上の位置の居心地がよく、そこから離れてもすぐに寄せてきます。オプション取引で、18000円でコールなのかプットなのか、というお金の都合だけで市場が決まっている状況が今の相場であり、経済アナリストの中には底堅いと言う人もいますが、SQ通過後には異なる動きが出て来そうですね。

もし、日銀が直近で金利を引き上げると、2月から4ヶ月での金利上昇なので、世界のマネーフローが変化する可能性もあります。先に、欧米ではマネーフローに変化の兆しが見られ、市場が下落に転じています。今は過剰流動性相場なので、発表される経済指標そのものよりも、それにより変化するマネーフローにより注意が必要です。
先進国は新興国に工場を移転し、安価な労働力によりインフレを抑えてきました。しかし今や新興国の労働賃金も上昇し、先進国にインフレ圧力が強まっています。『マネーの都合』が変化する、その時を見逃すと、大きな流れに遅れをとることになります。世界各国に広がる金利上昇圧力は、要注意なのだと思います。

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2007年06月06日

年金記録で更に未統合、コムスンの問題

今日は年金問題で、新たに1430万件の記録漏れが見つかりました。最も大事な被害範囲の確定、という基本すら出来ていないことになります。社保庁が提出する数字には不透明さが付き纏い、数字遊びではないかとの疑惑すらあります。サンプル数の算出と、そこから割り出される計算により発表される数字というのは、サンプル量にもよりますが、全体把握にどの程度寄与するのか?社保庁にはその考え方を含めて、数字の正当性を提示して欲しいところです。

そして今日、衆院厚生労働委員会で柳沢厚労相が「システム構築が重要」として、NTTデータと日立製作所に新たな記録照合プログラムを委託するそうです。老婆心ながら言わせて貰えば、プログラムで出来るのは人間の行える計算の補完や、計算速度を上昇させることです。つまりこのプログラムの発注は、社保庁が「一年で統合なんて無理」と匙を投げ、「新しいプログラムを作れれば」という官僚答弁を鵜呑みにしての発言なのでしょう。
では日本人の名称で難解な当て字を正確に読み取ることや、入力ミスで起こった問題をそのプログラムで補完できるのか、というとそんなこともありませんし、記録の廃棄で完全な名寄せは出来ないと考えるべきです。つまりプログラムの構築で出来ることは、今あるデータを再集計する時に楽になる、という程度の効果だと考えます。
更に社保庁が納付率アップのために、零細企業の厚生年金免除の申請を促した問題もあります。本人は払っていたと思っていたのに、企業は年金を社保庁に納めていなかった。そんな問題も今後明らかになるでしょうね。

今日は訪問介護大手のコムスンに対して、厚生労働省から介護事業所の新規指定と更新を認めないとする記事がありました。以前から指摘されていたことでしたが、コムスンの事業体制に対して、厚生労働省も痺れを切らして厳しい裁定を下したということです。
これは事業主側に問題がありますが、介護という面で見ると、大手の事業所が地域から消えると、壊滅的な打撃を受ける可能性があります。地方では介護施設が少なく、寡占状態を引き起こしていましたから、2086事業所が426事業所にまで縮小すれば、介護が行き届かない地域も出てくるでしょう。

介護保険法の問題は、CMでもやっていますが、産業として成立し難い面があることです。重労働でありながら薄給であり、更に出世の道もほとんどない。看護、介護という優秀な人材が求められる職場で、今その担い手が減ってしまっています。看護ではフィリピンからの受け入れ、と言う話もありますが、待遇について真剣に考えなければいけない時期なのでしょう。
今回の問題は氷山の一角と言われており、介護の世界が大きく震動するかもしれません。利用者に影響が及ばないよう、従業員の雇用を確保するよう、にすることが大事なのは確かですが、もっと事業者としての責任を果たして、しっかりとした介護事業を営んで欲しいものです。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 年金 | 社会

2007年06月05日

安倍内閣の支持率低下

昨日は安倍内閣の支持率低下、不支持が支持を上回る、などの記事が多くのメディアから発表されました。このタイミングで世論調査をすれば、これは当然の結果だと思います。支持率が回復したと思ったら、すぐに急降下ですからこのダメージは大きいのでしょう。

急遽、自民党も選挙公約に年金問題を盛り込みましたが、では衆院委員会を一日で通過させた、年金時効撤廃特例法案の位置付けが不明となってしまいます。この特例法案で解決しないのであれば、なぜ採決を急いだのか?その説明を国民向けにするべきでしょう。またこの特例法案で対応が可能であれば、むしろ公約に盛り込む必要もありません。
結局、この特例法案には抜けが多く、実施状況や成果が掴めないために、公約化しないと国民の理解を得られない、という状態になってしまっています。これは年金問題を先送りにしてきたツケであり、言い訳のしようもないところですが、今週になり柳沢厚労相が謝罪するなど、政府対応が後手後手なのもマイナスでしょうね。

そして安倍内閣の支持率がこれで大底か?というと、そうもいえないところが自民党の痛いところです。この流れで、国民の支持を得ていない党首の選挙応援を断る地方が続出し、小泉前首相に要請が集中するのではないか?とする懸念もあります。そうなると、更に自民党内の分裂が鮮明化されるのですが、「民主党の菅氏の責任」という醜い責任のなすり合いをする党首では、応援演説でのマイナスの影響も考慮され、呼びたくないと考える候補者も多いのでしょうね。
もう一つ、これはメディア戦略の考え方の違いかもしれませんが、個人的な感想で言うと、ぶら下がり取材の時のカメラ目線は止めるべきです。用意された原稿を読むのであれば別ですが、眼球の揺れ、顔の筋肉の動き、眼の瞬かせ方などで、質問に対する感情の動きがある程度読み取れてしまいます。「国民に答える」ということのようですが、鉄面皮を貫ける強靭な精神力を要求されるようなことを、あえてする必要もないでしょう。むしろその答弁が納得いかないものである以上、国民の反発の方が高くなるはずです。これは人気が上昇している時にとるべき行動ですね。

サミット出席に向けて今日、安倍首相がドイツへ旅立ちました。今回のG8は地球温暖化について主に議論されますが、日本はこの問題でイニシアチブをとるために、2050年までにCO2排出量の半減目標などを掲げてEUと米国、中印など新興国との調整を図りたい意向です。
ただ、日本や米国は国内企業を意識して環境対策が遅れる、ということがしばしばあります。例えば、今年の6月1日から欧州ではREACH規則が始まりました。かつて欧州RoHS指令を取り上げたこともありますが、RoHS指令は電化製品の有害物質の使用を禁じるものでしたが、今回のREACH規則は化学物質全般で、環境に影響を与えるものを規制しようとするものです。

EUのこうした規制に対し、実効性を疑問視する声もあります。ただ何かを変えようとする意思をより積極的に示しているのは、EUの側にあると見るべきでしょう。日本が地球温暖化の問題で存在価値を示したいのであれば、地球環境と同時に国民の安全に目を向けた取り組みなども、積極的に示すべきなのだと思いますね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年06月04日

経済の話。上海株式市場の急落

財務相から発表された1-3月期の法人企業統計で、前年同期比13.6%増と高い設備投資の伸びを示し、16期連続の増加となりました。また経常利益も7.4%増となり、これでいざなぎ景気の増益期間に並びました。1-3月期GDPの設備投資(0.9%減)と較べると若干の違和感はありますが、GDPは前期比なので、年単位では増加傾向にあるということなのでしょう。

今日は上海株式相場が8.25%も急落し、2月27日以来の下げ幅を記録しました。印紙税率の引き上げに端を発し、継続的に株式市場に対して引き締め策が出される、という懸念が噴出した形です。元々、5000ポイントまで行くのでは?北京オリンピックまで大丈夫では?との観測もありますが、そう意識されていると実際は中々そこまで到達は出来ないものです。
中国市場は特殊で、元が国営企業がほとんどなのですから、株価上昇は国策でもあった訳です。しかし過熱感を警戒する声は強く、バブルを懸念して口先介入や小刻みな引き締めは行ってきましたが、ここまでその効果は出ませんでした。逆にこのタイミングで過剰な反応を示し始めたのは、1億を越える口座数が発表されるなど、相場が末期に来ていたことが大きく影響しています。

ではこれで世界同時株安が起きるのか、と言うとそうはならないでしょう。初回のインパクトに較べ、諸外国がその影響を冷静に分析できるようになっているので、極端な流れにはなり難くなっています。ただし注意が必要なのは、中国の国内事情が悪化することによる、世界経済への影響です。
リターンがある間は、国民の間に不満も溜まりません。しかし国家が国民の利害を補償しない、今回の流れはそこから発生して来ており、投資家にそうした意識が広がると、特に中国のような国は国内情勢が一気に緊迫化する可能性があります。借金しても投資に回すなど、中国の過熱ぶりはブラックマンデー前夜のようでした。熱狂的な投資家が負債を抱えるようになり、一転して国家批判に回り、積極的な活動家になる。その流れが生まれる可能性は十分にあると考えています。

BRICs諸国の間でも懸念が有るのは、ロシアのカードローン問題です。これまでクレジットカードなど使用したことの無い人間が、安易にローンを組んで買い物をし、その後金利負担がかかってそれが払えず、困っているという話があります。かつて日本でもありましたが、消費社会の仕組みを理解しないで消費を拡大してきた国が、今後は大きな問題を抱えていくのかもしれません。
新興国の成長に頼ってきた世界経済だけに、新興国の鈍化はやがて大きな問題へと発展します。そして成長が止まった新興国が抱える社会問題も、今後は大きな懸念材料となるでしょう。社会が一方通行に拡大するなど、そんな都合が良い事例は皆無であり、紆余曲折を経ながら進むものです。昨日も取り上げましたが、好調な時にこそ来るべき問題に備える、G8がそういう会議であって欲しいものです。

analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2007年06月03日

今週末に開かれるG8への期待

今週末にG8(主要国首脳会議)がドイツのハイリゲンダムで開催されます。今回は中国やインド、ブラジル、南アフリカ、メキシコが参加し、知的財産権保護、イノベーションの促進、投資環境の改善、エネルギー効率問題など、新興国にも何らかの成果を求める可能性もあり、環境問題などの世界的な諸問題に新興国を引き込む狙いもありそうです。

世界経済が堅調である中、世界には様々な紛争やテロ、デモなどの衝突による混乱が様々に伝わってきます。一つには中国などの国内事情が日本にも伝わるようになった、というのもあるのでしょうが、火種を抱え続ける中東や、移民政策の転換を図られている先進国。宗教、民族対立を抱える新興国など、経済が安定的に成長しているとは思えないほど、多くの国が国内情勢に不安を抱えています。
今の経済はかつての常識が通用しなくなっていますが、国内でクローズしない経済により、外貨を稼いだり、外国から投資された資金が人々に還流しない、そんなシステムが構築されつつあります。このため、民族問題や宗教対立を抱えた国では、その不安定さが顕著に表面だっている、今はそうした世界情勢なのだと考えています。

今回のG8が一体どんな話し合いになるのかは、今のところ推測の話でしかありませんが、もし現状を追認するような流れになると少し危険なのかもしれません。現状の世界は、小さな紛争が世界を巻き込む大きな戦争に発展する可能性は低くなっていますが、注意しておく段階にはあるのかもしれません。
今の世界の流れの中で、ある言葉を紹介しておきます。功利主義者で、社会主義の影響も受けた英国の人、ジョン・ミルの言葉です。
「人類が何者かの行動の自由に干渉することが正当とされる唯一の根拠は、自己防衛である。また、国家や社会が市民の意思に反して権力を行使しても正当化される唯一の目的は、他の市民に害が及ぶのを阻止することである」

受け取りようによっては、テロを容認するようにも聞こえますが、彼は「他人の自由に干渉するのは避けるべき」とも述べているので、互いが関わり合う世界での「干渉」の問題について、一つの意見だとすると理解できるのかもしれません。
経済の好調さが情勢の安定を促さない今、世界が如何に戦いのない世界を構築するかと言うことを、真剣に討議する段階には来ているのだと考えています。G8ではそうしたことも、合わせて話し合ってもらいたいと考えています。

analyst_zaiya777 at 23:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年06月02日

雑感的に、漁業に関して

土曜日でもあり、少し雑感的な事柄を取り上げてみたいと思います。海外から、日本の食に関する記事が幾つかありました。欧州産のウナギの稚魚の輸出が制限されると言うものですが、台湾産のニホンウナギの稚魚の輸出も制限されるとのことなので、ウナギも養殖が可能となって随分と身近になりましたが、今後はどうなるのかも分かりません。
もう一つはロシアが生きたままのカニの輸出を制限するものもありました。これはロシアも漁業だけでなく、加工品を輸出したいとする意図かと思われますが、こうした諸外国の意向が、今後も日本人の食卓を直撃してくるのかもしれません。

更にIWCにおける捕鯨禁止の動きがありました。商業捕鯨の全面禁止という反捕鯨国からの強硬に対し、日本がIWCからの脱退も示唆するなど、今後の捕鯨の流れが少し変わってきそうです。日本がIWCの最大の資金供出国ですから、日本が脱退すればIWCの運営は賄えないことになります。仮に日本が脱退しても、他の国が持ち寄って運営される可能性もありますが、捕鯨国が全て脱退してしまった後の組織など意味を持たなくなります。
今までも、日本が脱退しても可笑しくない局面はありましたが、これまで残り続けてきたのは国際世論を気にしていたためです。日本が独自路線をとり始めると、他の方面で圧力がかかることも考えられ、これらは注意する必要があるでしょう。最初の記事にあるように、欧州のウナギの漁獲量が減っていることは以前から知られていたことです。もしかしたら、日本向けの稚魚の輸出は全面的に禁止してくる可能性もあります。

マグロもそうですが、海洋生物は今後も減り続けることでしょう。何より、ある種の個体数が減少すると、食物連鎖の一つの輪を断ち切ることになる訳ですから、バランスを崩した生態系に悪影響を与えることは確実です。そうした一つ一つの積み重ねが、今回の諸外国による禁輸であると考えています。日本食ブームの折、今後も需要の高まる魚介類と、減少する資源を保護する流れは今後も強まるでしょうからね。
赤城農水相には就任早々難問が山積みですが、ここでの対応を誤ると本当に日本の農林水産事業が衰退します。水産庁はかねてから、日本の魚と似た食感なり、味のものを探してきましたが、もうそうしたものも通用しなくなるでしょう。世界の経済に見られ始めた保護主義の流れ、水産業にも波及するのかもしれません。日本が世界と立ち回れるよう、農水省も今は正念場なのだと思います。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2007年06月01日

年金問題の政府対応について

社会保険庁改革関連法案と、年金時効撤廃特例法案が未明に衆議院を通過しました。取り上げるのは止めようかと思いましたが、もう一度だけこの問題の記事を取り上げます。
今日になって安倍氏が「これで国民が安心できると確信している」と述べていましたが、残念ながらこうした発言をすると、「政治家は国民のことを分かっていない」という思いを想起させますので、逆効果です。危機管理とも繋がりますが、問題が発生した時にそれを沈静化するには、原因究明と情報発信、それに迅速な対処です。

まずこの問題で最初にしなければならないのは、原因究明です。社保庁がシステム化する時に外部委託し、なぜそれをチェックできなかったのか?また紙媒体の記録の廃棄を命じたのは誰か?それらを明らかにした上で、基礎年金番号制度の統合後から現在に至るまでの、歴代の社会保険庁長官とそれを所管する厚生労働大臣(2001年以前の厚生大臣を含む)の処分と、役職手当の自主的返納を促すことです。
民間の発想で考えれば、社会保険庁職員の給与をカットしても良いのかもしれませんが、そうして集めた原資を今回の年金記録の調査費用に充てると、政府の方から発表し、その上で政府が非を認めて謝罪するのです。これにより、真っ当に年金を納めながら、記録に不備が生じて社保庁の高圧的な対応で傷付いてしまった、国民の溜飲を下げることが出来ます。

一方で、集められた原資で足りない調査費用の分は、税金か年金が補填されることになるので、それらは今後、厚生労働省所管の『ハコモノ』を減らし、できるだけ国庫支出分を減らす努力を示し、それで国民の理解を求めなければいけません。
そこまで来て、今後の年金制度の信頼回復の為に、「国民の信頼を得る新たな年金制度の構築」と、高らかに宣言すれば一定程度の合格が与えられることになります。ところが、上記の対応は全て先送りにされており、これで「安心」と安倍氏が述べると、本当にこの特例法案で年金問題を打ち切り、責任を有耶無耶にするとの印象を国民に与え、マイナス効果しか生まないことになります。

しかし、安倍氏にこの対応が酷なのは理解します。何しろ自身が厚生族であり、歴代厚労相の中には小泉氏や津島氏などがおり、これでは責任追及が出来るはずもありません。結局、責任問題は政治の都合で棚上げにされたのが、今回の法案ということですね。
調査費用は民間保険会社の試算で、1000億円以上かかるとするものもあります。未払い分は950億円で済むのか?5000万件より、更に増えるのではないか?社保庁の提示する数字にも不信が集まっています。こうした不信に応えるためにも、透明性のある組織を造り、年金制度を抜本から作り直すべきなのだと思います。

最後に、赤城徳彦氏が農水相に就任します。日本の農業・林業・水産業は今、色々な面で大きな問題にぶつかっています。一つ一つそうした問題を解決し、日本の行く道をしっかりと構築して欲しいと思います。

analyst_zaiya777 at 22:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金