2007年08月

2007年08月31日

経済の話。日本買いの動きか?

まず経済指標から。7月の鉱工業生産指数が-0.4%と市場予測通り、7月消費者物価が-0.1%とデフレ傾向が継続、7月の完全失業率は3.6%と前月から-0.1%となり改善、有効求人倍率は横ばい、7月の消費支出は0.1%減と低調、7月の新設住宅着工が23.4%減、今日発表された経済指標です。
どれも市場予想通りで、大きな影響はない数値変動でしかありませんが、今日の日本市場は400円超の上昇となるなど、驚くほどの強さを示しました。実は昨日辺りから傾向はあったのですが、市場で一つの観測が流れたことに由来する動きと見ています。

昨日、米系ブローカー経由で資金流入の話が朝方の市場で流れ、それを期待した買いが入りましたが、それは単なる噂だけで終わりました。それが今日、朝方に同じような噂が流れ、それが後場に入って現実に買いが入ったことで、それを期待した別系統の買い主体と、「閑散に売りなし」を当て込んだ先物買いの流れで、今日の上昇が演じられることになりました。
昼過ぎにブッシュ大統領のサブプライム対策が発表されるとの観測が入り、GLOBEXの上昇も相場を支えたのでしょうし、銘柄入れ替えが実施されたことも、市場が好感する一因でした。ただこの米系ブローカーの流れ、今後もこの動きによって相場の流れが変わるのかもしれません。

これまでは過剰流動性が担保され、世界経済が潤っていたことは全ての経済学者も認めるところです。そこにサブプライム問題が発生し、米国ではこの過剰流動性のうち『過剰』が剥落したのではなく、『流動性』が喪失した状態に陥りました。これは公定歩合の引き下げ後も、借り手がほとんどいないことから、資金量は豊富だということが分かります。
そこに、欧米の中央銀行は市場に資金供給を続けましたから、一部のヘッジファンドは資金がジャブジャブにある状態、すでに飽和している可能性が出ています。それでも欧米の信用市場は緩む気配を見せず、そうしたヘッジファンドは資金の運用先に困っている、そんな状態です。

そこに信用市場が混乱していない日本を狙い、米系ブローカーが買い上がったのではないか?そうした観測があります。米系ブローカーでも動きはマチマチであり、これが一過性の可能性はあります。ただ引け後の日経平均先物、朝方のシカゴ日経平均先物の動きを見ると、先物が主体の上昇相場であることは確実であり、先週2000億円程度の買いを外国人投資家は先物に入れましたが、今週はもっと大きな額が動いた可能性もあります。
その前週は8000億円近い売り越しだったので、その買い戻しもあると思いますが、この動き、しばらく注意しておいた方が良いでしょう。今はまだ確定情報はなく観測だけなのですが、米系のこの動きは閑散の続くこの日本の相場で、台風の目になることだけは確実なのですから。

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2007年08月30日

厚労省に関する二つの事件

厚生労働省九州厚生局の前局長、松嶋氏が親戚関係にある大阪府の社会福祉法人『枚方療育園』の前理事長、山西氏から、多額の資金供与を受けていたことが判明しました。障害保険福祉部の課長もしていたことから、利益供与の疑いが強く、国家公務員倫理法に違反する可能性もあります。
この事実を松嶋氏は認め、「いとこだから受け取っていた」と述べ、「便宜を図った憶えはない」として、問題との認識を示しませんでした。しかしこの論法が通用してしまうと、例えば利害関係者が養子縁組などの血縁関係を結び、その人物を通じて供与を受ければ、この法律がザルになってしまうことになります。そして既に退官してから判明したこの事実に対し、追求の手が及ばないとなると逃げ得ともなってしまいます。

以前から主張していますが、公務員は退官後も国家に不利益を与えた場合、給与や退職金の返還など、不利益分を取り戻す法律が必要です。今は年金問題でも同じ、退官すると自主返納しか手がなく、結果として当事者以外の責任追及の手は、極めて緩くなってしまっています。
ただ何が不利益なのか、それを客観的に判断する機関は必要です。不作為で不利益を与えるような場合もありますので、法案化は慎重に行う必要はあるのでしょう。しかし今のように、現職に対してばかり責任を押し付けるようなことでは、決して公務員の意識改革は進まないことにもなるので、今回の事例で何処まで責任追及できるのかは、とても重要だと考えています。

もう一つ、奈良で妊婦が病院をたらい回しにされ、流産した事件がありました。この件で奈良県立医大病院は当初、空きのベッドがなかったとの説明をしていましたが、後に空きがあったことを認め、受け入れを拒否したのではなく、後で連絡してくれと伝えた、と説明を変えました。
しかし救急搬送の段階で、『後で』と伝えたとしてもそれは通用するものではなく、それはすでに救急対応が不可能なことを意味します。説明の変化前、変化後のどちらにしても、奈良県立医大病院は受け入れ体制がとれていなかったことになります。

ただこれは今の医療制度全般の問題であり、産科や外科のような緊急対応が必要であり、かつ術式次第では訴訟問題に発展する可能性が高い、そうした分野の医師が育たない、現状を変えない限り難しい問題はあると思います。個人的には、将来医学的治験を蓄えた人と、執刀する人は分岐するのも一つの手ではないか、と考えています。
手先が器用でメス捌きに自信がある人、その人が免許を受けて医師の指示で執刀する。当然医師は立ち会うとしても、過労で集中力が途切れがちな医師が直接メスを振るうより、医療事故は減るのではないかと考えています。ただこれは抜本的対策ではないので、今の医療制度を根本から見直さない限り、こうしたたらい回しは起こってしまうのでしょうね。

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2007年08月29日

経済の話。郵政民営化が近付いてきました

昨晩の米国市場は今年五番目の下げ幅を記録し、世界は再び同時下落を見せており、日本も一時16000円を割り込みました。最初に、私は日本市場は15000円台後半のもみ合いとしていましたが、これを15300〜16300と少し広めに見たいと考えています。米国が私の想定より少し高い推移を見せていること、及び先に15500円を割り、これが壁としては低いことで、より幅広くみておいた方が良いとの判断です。
16500円を一瞬つけて戻り相場は終わりましたが、これは下げ過ぎたために上げ過ぎたという面が強く、米国も同様だと見ています。今後はレンジ相場か三角持合を強め、次に動きの出るのは10月、マクロ、ミクロで今回影響が出てきてから、このレンジをどう抜けるのかが決まると見ています。

そんな中で、いよいよ10月に郵政民営化が迫ってきました。これだけの巨大マネーが動く、本来であれば一大イベントになるはずでしたが、これは先の三角合併の時と同じ、前評判だけで実態としては市場に大きな影響を与えない可能性も出てきました。
まず郵貯マネーの運用部門が、今回の同時株安の時にどの程度市場に資金を流通させるのか、という問題があります。これは株式だけの話ではなく、リスク資産として想定される相場には当分資金はつぎ込めないでしょう。他の金融機関が安全資産として国債に資金を集中させるのと同じ、ある程度資金量がある郵貯マネーにとって、運用失敗は民営化後にいきなり躓くことにもなるので、恐る恐る始動することになるでしょうからね。

郵政民営化で私が一時期待していたのは、今回の世界同時株安の逆で、日本の信用市場はこれだけの低金利を続けていたにも関わらず、全く緩んでいなかった、そこに楔を打ち込むことです。公的資金投入が完済されていないために、金融機関の運用にリスクがとれなかった部分もありますが、それ以上に世界の新興国で運用すれば高いリターンが得られる金融機関にとって、わざわざ利回りの低い日本で運用する必要がないため、信用市場は緩まなかったのです。
ここに郵政が民営化されます。各金融機関が主幹事として強い権限を有していた企業でも、郵貯マネーが貸し出しに動き出すことを恐れ、貸付基準を甘くする可能性がありました。これが日本の信用市場を緩ませ、ある程度日本企業の資金流通量が拡大することで、日本経済は世界経済に乗り遅れたものの、周回遅れで拡大傾向に移れるかもしれませんでした。

しかし先に世界の信用市場が急速に萎みました。これでしばらく日本の拡大傾向は望み薄で、世界に引っ張られて弱含むことになります。ただ、世界の混乱の中でも日本は早期に立ち直る、そうした見通しを私は持っています。それは来年半ば以降、ということになりますが、その件はまた機会があればふれたいと思います。

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2007年08月28日

大連立構想について考える

安倍改造内閣が決まった後、増田総務相や二階総務会長は民主党の小沢氏に近く、対民主党で万全の布陣を布いたとする意見があります。そんな中で、政治に停滞を生まないよう大連立構想などが語られていますが、それについて以前ふれたこともありますが、少し考えてみます。

まずこれは自民党側の都合で出る話です。これを語る有識者、メディアは与党系である場合が多く、政治の停滞は日本にとってマイナスだ、とするのがその論拠です。しかし今までに衆院・参院で与党が多数をおさえていた時でも政治が停滞した時期があり、それらは何によって引き起こされたかといえば、それはスキャンダルです。スキャンダルに対する与党の対応、責める野党、その構図で幾らでも政治の停滞は生まれてきました。
安倍内閣になって、スキャンダルまみれでも政治が停滞を生まなかったのは、調整を捨てて数で押し切ってきたからです。むしろ調整などをしていたら、これほどの数の法案を通すことは出来ません。結果的に、今度の参院選で国民がNOといったのは、政治資金規正法など、安易に数で押し切る手法に国民は不信感を募らせたものも含まれると考えています。

今回、衆院と参院で与野党が逆転したのは、どちらも与党としての責任ある国会運営を求められていることになります。スキャンダルもなく、政治が停滞を生むのだとすれば、それはいい加減な法案を出した側か、無意味に審議の引き延ばしを行う側か、どちらかの責任に帰されます。むしろ国民はそれを直接確認できるチャンスを与えられたのが、今回なのです。
つまり大連立構想とは、巨大与党が政治の安定、とする旧来型の政治から脱却できない古い人間が唱える、そんな構想なのだと考えています。今回こそ、国会が透明性を増して、議論が活発に行われる機会はないのですから、その機会に次の衆院選挙でどちらに投票するのか、それを国民はきっちりと見極めるべきところなのでしょう。

大統領制の国や、二議院制をとる国では、ネジレなどよくある現象です。むしろ日本はそうした体験をほぼしてこなかった珍しい国であり、世界が激変する時に日本がこうした政治体制になっても懼れる必要はなく、国民はこれを利用して政治の閉鎖性を打破する手法を考えるべきです。その可能性を捨てて、大連立構想などを選択すべきではない、ということですね。
今回の組閣も色々と言われていますが、公務員制度にしろ、政治資金にしろ、透明性を増してきちんと『改革』をすすめることが重要だと考えています。その時にこの閣僚で上手く機能するのか、それは今後明らかになってくるのだと考えています。

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2007年08月27日

安倍改造内閣が決まる

新しい安倍内閣の顔ぶれが決まりました。ぱっと見てすぐ思い浮かんだ言葉は、『改革の意欲は後退したな』ということです。むしろ民主党との対決国会を控え、政策通をそろえて万全の布陣をひいた、ということなのだと思われますが、国民受けはしないでしょうね。

今回、サプライズがなかったと言われますが、与謝野官房長官が驚いたぐらいでしょうか。体調不良が伝えられており、官房長官という激務をなぜこの人に託したのか?そのことがサプライズだと思われます。安倍氏に近く、ベテラン議員としての存在感を期待されたとは思われますが、激務で職を辞するようなことになれば、再び任命権者としての責任も問われると思われます。
意外な人物の入閣もありましたが、総じていえるのは、反安倍の最大勢力である津島派に最大限の阿りを見せた人事、という面も大きいと思います。先の組閣では入閣0であったのに、今回の組閣で3人も入閣を果たしたのは、挙党一致を唱えるために津島派の協力は欠かせず、津島派の中でも穏健派で、反安倍の動きを抑えられるベテランの議員に白羽の矢を立てたものでしょう。

もう一つ、福田氏と谷垣氏が組閣から外れましたが、安倍氏の中では次期政権の構想の中で、本命・麻生氏、対抗・額賀氏の構図を作りたかったものと思われます。福田氏も谷垣氏も、安倍氏とは政策がほど遠いので、この二人に引き継ぐと自分の思惑からも外れてしまいますからね。
額賀氏は国民の支持は低いですが、党内では津島派の額賀氏を推す声も大きく、これは無視できなかったものでしょう。しかし額賀氏に財務相というのは、その手腕が未知数であるだけに不安も覚えます。環境相の鴨下氏も、来年の洞爺湖サミットを控えて重要なポストであり、また農相の遠藤氏もドーハラウンドの交渉を控え、今後の動きがとても重要なものであり、この二人も何が出来るのか不安を感じます。

党三役では、『お友達』石原氏が政調会長になりましたが、党内基盤の弱い石原氏は先の道路公団民営化で集中砲火を浴び、火達磨になりました。国民の支持のない安倍内閣で、石原氏が政調会長として党内を纏め切れるのか?非常に微妙だと思います。
今回の組閣で、安倍氏は党内により配慮する姿勢を示しました。次の臨時国会終盤には衆院解散の声が上がるはずですが、対民主党のこの布陣で国民にどう理解を求めるのか、それは今後の政局次第でしょう。ただいきなり古い自民党体質に戻った、と各メディアに報道されている時点で、初動のメディア戦略は失敗なのでしょうね。

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2007年08月26日

経済の話。NY連銀がCPによる貸し出し

米国で何が起こっているのか、少しずつですが明らかになってきました。まずFRBが公定歩合を6.25%から5.75%へと引き下げましたが、借り手はすでに発表された大手4行の20億ドルのみ。どうやら米国の資金量はFRBの供給を受けずとも豊富なのに、コマーシャルペーパー(CP)市場は低迷を続けています。
米国に何が起こっているのか?それは投資格付けの破綻による、欧州からの対米投資の減少、というのが真実なのだと見ています。よって日米欧の中央銀行が資金供給を続けても、市場の安心感には繋がりますが、CP市場の回復には繋がりません。なぜなら、対米投資を継続するための判断として、信用市場が築いた格付けによる投資評価、そのものの不信が収まらない以上、対米投資は復活しないからです。

上記を踏まえ、ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えたところによると、ニューヨーク連銀が公定歩合の貸付に、資産担保CP(ABCP)も適格担保として認めると伝えられています。恐らく、米当局も本当に必要なのは資金供給ではなく、CP市場の買い手をどう見つけるのかであり、それに自ら乗り出した、ということになるのでしょう。
これでCP市場にもある程度資金は戻ります。企業が資金調達のためにCPを発行し、金融機関はそれを受け入れ、公定歩合で借りるという資金循環が可能だからです。しかし資産価値の算出に、NY連銀がどう対応するかによって、また評価は変わってくるのでしょう。

欧州勢にとって、潤沢な資金の捌け口として機能していた、米国の複雑な金融システムには当分資金を供給できないでしょう。その減少分が米国内にある資金で賄い切れるとはとても考えられず、米国の金融市場は規模を縮小するのか、それとも今回のように当局がその金融システムに関与し、自ら資金供給先として大口投資家のように機能するのか、というところだと見られます。
CP市場の混乱がいつまで続くのかによって、先に述べたこともある資金繰りに苦しむ企業の破綻は引き起こされます。ただこれは早急に起こることではなく、数ヵ月先の話であり、その間に政策的な対策で有効なものがあれば当然納まるとは思われます。

今の米国では、国債市場が安全資産として急騰、次には混乱するCP市場を避けて株へと資金が流れているようです。それが米国楽観論の背景であり、これがいつまで続くかで、戻り相場の水準が決まりそうです。それに日本も乗れば、16500円程度の水準は一旦は回復しそうです。
ただその上に臨むには、売買代金の回復が必要であり、戻り売りをこなせるかで当面の上値は決まりそうです。日本が外国人投資家の売買に頼ってきた以上、そこが売りに転換すれば、外部要因以外で上昇するきっかけはありませんから、この辺りは日本市場の特質上、上値の重さは仕方のないことなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2007年08月25日

相撲協会の態度について考える

今日は土曜日なので、少し砕けた話題で朝青龍の話題にふれてみたいと思います。モンゴルでサッカーに興じていたところから、随分と話が進んでモンゴルへ帰国するかどうかが焦点になっていますが、元々は夏巡業を休んだ理由が正当だったのかどうか、であり、その論点がほとんど聞かれないのは、相撲協会もメディアも振り回されているだけ、という印象を抱いています。

「うつの一歩手前」や「解離性障害」などの言葉も聞かれましたが、まず「うつの一歩手前」という言葉は聞いたことがありません。軽度の鬱か、そうでないのか、ということなら、これは鬱ではないので何の問題もありません。鬱であれば、薬物療法や精神療法を模索しなければならず、悠長に構えている場合ではないことになります。
「解離性」の問題では、意識や記憶や自己同一性の連続性が途切れることを「解離」と呼び、それが病因によらず反復する状態をさすものですから、漏れ伝わる状態でそれを示唆するものは何もありません。布団に入って質問に答えない、会話が継続されないからといって、その診断を下すのはいささか不自然さを感じます。

個人的には適応障害なのだと考えています。境界性人格障害を併発して解離症状を呈している可能性もありますが、相撲協会との軋轢から不安を感じ、ストレスから発生する適応障害が妥当と考えられます。この場合、ストレス環境から離れることや支えになれる存在を作ることが、事態を好転させることにも繋がりますので、モンゴルに帰国することも一理あるとは言えるでしょう。
ただ今一番の問題は、本格的な診断は繰り返し専門医と面談し、その結果として導かれるはずなのに、そうではなく複数の人物が接して適当なことを言っていることでしょう。更にモンゴル帰国が疾病利得として認識されており、本来の病因とは関係ないところで、それが国対国の問題として、相撲協会に何らかの圧力がかかっていることだと考えています。

本当に病気なら、きちんと病院に入院させて正確な診断をし、根本治療を施すべきです。それには、モンゴルより日本の方が設備は整っているでしょう。帰国かそうでないのか判断が、一日二日の判断に左右されているのは明らかに異常です。
それに、今回の件を見てもはっきりしているのは、精神の診断は専門家でも意見が分かれる場合が多く、よく裁判でも診断結果が提出されますが、これらも参考程度のことでしかない、ということです。人間の心がそう簡単に暴かれるようになれば、それはそれで怖い世界ですが、今のように判断の一助にするというのなら、少なくとも信頼できる機関の診断が必要でしょう。結局、今の相撲協会の態度は外圧で右往左往する、日本の政治のように感じています。

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2007年08月24日

雑感、組閣で動き

来週に内閣改造を控え、今日は新たな動きがありました。村瀬社保庁長官と辻厚労事務次官が退官し、総務省OBの坂野泰治氏が社会保険庁長官へ、江利川毅氏が事務次官へと、それぞれ就任することが決まりました。社保庁長官には民間から、という動きもあったようですが、今の社保庁を修正する難しさから悉く断られ、結果的には官僚OBに落ち着いた、というところなのでしょう。
もう一つ、小池百合子防衛相が続投の意思を示さず、後任に道を譲る姿勢を示しました。これはテロ特措法の混迷を受け、あえて茨の防衛相を続ける必要はないという個人的な思惑と思われます。守屋氏の退任で沖縄に太いパイプを作りましたし、米軍基地再編でイニシアチブがとれなくなった段階で、大臣の名を捨て実をとった形です。もう小池氏には実績は十分で、今更肩書きは必要ありませんし、安倍内閣の閣僚のままで衆院が解散されると、それこそ好意的な眼で見られませんからね。

中川幹事長が民主党との連立を語っていますが、これは社会党などを使い捨ててきた、自民党の常道とも呼べる戦略です。政権与党として国政に参画できる、その甘い言葉で少数政党を取り込み、一体化して最終的に相手を弱体化させる狙いです。ただ民主党は参院で多数党になるなど、巨大政党になってしまった後なので、この狙いは上手くいかないでしょう。
一部有識者がこの説を支持するのは、巨大与党が国政を担当する方が、政治の安定に寄与して都合が良いとするものです。しかしそれでは政治の変革は望めず、結果として旧体制を引き摺る、悪しき慣行だけが継続されることになります。これらは二大政党制になったとき、社会がどう変化するか分からないことに対する懼れです。政治のネジレなど、世界でも数多く存在し、それでも政治は行われるのですから、ただ変化を懼れるばかりででいけないのです。

組閣については色々といわれていますが、名前が上がるのが領袖クラスであり、自民党が一体となるためには、やはり派閥に頼るしか手がない、というイメージを拭い切れない部分もあります。泥舟とも言われていますが、中堅、若手にとっては小池氏と事情は近く、安倍内閣の閣僚では選挙を戦えないという部分もあると思われます。
更にこの組閣で、安倍氏が国民に積極的にこの内閣で何をしたいかの説明を果たせないと、それこそ今までと同じ、安倍氏は国民のことを分かっていない、というイメージが残ります。自民党の参院選総括で言われていますが、自説をひけらかしたり、一人よがりの説明に陥らないよう、内閣に有能なブレーンが必要な時ですが、その任に足りる人物もまた、自民党には不足しているのでしょうね。

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2007年08月23日

経済の話。日銀が政策金利を据え置き

日銀の金融政策決定会合を開き、政策金利の据え置きを賛成8、反対1で決定しました。賛否の人数も前月と同じ、発表された文言もほぼ同じ表現を使っているので、9月利上げに含みをもたせたのでしょう。が、9月の会合はFOMCと日程的にかぶるので、私はFOMCで利下げはないと見ていますが、それでも日銀が利上げを断行するのは厳しい環境だと考えています。

米国で少し驚く記事がありましたが、シティグループ、バンク・オブ・アメリカ、JPモルガン・チェース、ワコビアの大手4行が、公定歩合を利用して5億ドルを借り入れた、というものです。現在の金融社会で、公的歩合で資金を借りて運用することは、企業が死に体であることを意味し、どの金融機関も避ける傾向がありました。
大手4行にとって5億ドルという金額は大したものではなく、また横並びであることからも、小規模金融機関も大手行に倣え、という官民一体の姿勢を打ち出すためのパフォーマンスでしかありません。しかし、そもそも信用市場を狭めているのは金融機関もその一端であり、そこには大手行も含まれるのですから、自分たちを当てにせず公定歩合に頼れ、という無責任な態度にも見えます。

米国市場はこの情報で、過剰流動性がしばらく担保される、そのことを好感して上昇しました。今日の日本市場も上昇しましたが、これはバンク・オブ・アメリカが住宅ローン大手、カントリーワイドに20億ドルを出資する、そのことを好感してGLOBEXが上昇したことから、今晩の米国株式市場の動きを先取りしたものでもあります。
ただまだ下げ過ぎを是正する動きの一環であり、鉄鋼・商社・海運が物色されている状況は、本格的な反騰にはほど遠いのでしょう。ただ米国有名投資家が「市場が混乱する時は割安銘柄がある」と発言し、自身も投資を続行する意欲を示したことで、米国市場では急速に楽観論が広がりました。日本もこの楽観に乗れば、もう少し上まで狙えるでしょう。

オプション相場では小動きが目立ちますので、日中の変動は極端に少なくなっています。ただこの水準は売買の層が薄く、戻り待ち売りも少ないことから、値動きが出し易い環境にあります。しかし信用取引の含み損が20%を超えましたが、信用の戻り待ち売りは16000円台後半に膨れることから、この水準を越えていくことは当面厳しいと見ています。外国人投資家も戻りは鈍いですし、今は国内が頑張って値動きを出している、そんな相場でしかないのが現状です。
一度変化したマネーフローが各国の中央銀行の大量資金供給で元通りになり、更にFOMCで利下げ、というのが現在の市場の楽観シナリオです。しかし市場に混乱がなければFOMCは利下げをせず、日銀は利上げをするという結果になるのですが、その矛盾の中で市場はそれを期待して上昇しています。その矛盾に気付く頃、一体市場がどうなっているのかは、楽しみでもあり、怖いことでもありますね。

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2007年08月22日

雑感。日本の企業は大丈夫?

東京電力が17年ぶりに需給調整計画に基づく、企業に節電を依頼しました。それに基づき、関東地方にある一部の大規模工場が操業を停止する事態に陥りました。17年前も思い出されますが、何日か続いた需給調整でGDPがどの程度下押しされるのか、それが気にされたものです。
需給調整は大口電力使用者が結ぶもので、平時には安い電力を使ウことができますが、こうした有事には電力をカットされてしまいます。中越沖地震で部品メーカーがダメージを負った際、一部の自動車産業で操業停止に陥りましたが、今の産業界はカンバン方式が主流のため、在庫を持たず、それゆえ一つの産業のダメージが拡大する傾向にあります。これが数日続けばその影響も出てくると見られることから、少し心配な事態となっています。

米国のGEが日本で消費者金融「レイク」を運営していましたが、売却を検討しているとの記事がありました。グレーゾーン金利の撤廃を機に、日本での消費者向け金融事業の先行きが不透明になったため、だそうですが、本音は米国での資金調達が難しくなったため、この日本で再生まで時間のかかる事業を見切って資金化を急いだ、というところなのでしょう。
これは他の消費者金融の高い外資の持ち株でも分かりますが、今はカネを生む金融部門をもつ企業が、外資でもねらい目と見られていたのです。が、世界のマネーの流れが変わり、金融よりも製造業にシフトする動きの一環であり、無が有を生むマネー優先の時代から、モノ作り、価値の時代へと変化する、そうした動きとも見られます。

東芝がHD-DVDを売り込むため、パラマウントに170億円を支払ってHD-DVD方式のみを採用するようにお願いした、という記事もあります。しかも18ヶ月の期間限定だそうですから、これを販促費としてみれば莫大な額をつぎ込んだものです。
いくら現行方式を採用すれば、東芝に特許料が入る一大事業とはいえ、これで失敗するようなことがあれば大変なことになるでしょう。これは帰趨がまだ決まったものではありませんし、ブルーレイとHD-DVDの対決はこれからが本番になるのでしょう。

最初の記事に戻りますが、猛暑が日本の産業界にも打撃を与え始めています。そしてGDP下押しなどになれば、それは日本の税収減にまで波及する問題となります。税収減になれば、それらは日本の財政の考え方である『成長』の前提が崩れることにもなりかねません。猛暑によりクーラーなどの家電やビールの売れ行きを期待するのも良いですが、行き過ぎた猛暑が日本経済を下押しすることにならないか、それを懸念しています。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 企業

2007年08月21日

経済の話。米国の事情

日経平均が二日間で600円以上戻し、やれやれと考えている人も多いかと思います。一時16000円台も回復しましたが、その水準は否定されていますので、上値の重さも心配されるところです。そんな中で、今日は幾つかサブプライム関連で記事がありました。

一つは日本市場が終わった後、東南アジアで囁かれた英系ファンドの新たな破綻の発覚です。そしてもう一つは、サブプライム関連で破綻したと見られていた米系ヘッジファンドに、当局の捜査の手が入ったというものです。容疑は詐欺で、投資家から集めていた資金を契約とは異なる運用をしていたことにより、投資家に損失を与えたとするものです。
どちらもまだ確定情報ではありませんが、前者は投資家マインドを低下させ、後者はヘッジファンド規制を想起させる問題として、市場を冷やす可能性があります。今晩バーナンキFRB議長とポールソン財務長官が、ドッド上院銀行住宅都市委員長との会談をもちますが、この会議で何らかの対策がでるとの期待感もありますが、今回はタイムスケジュールの確認と見られています。会談後に有効な対策が打ち出されないと、失望売りも広がるでしょう。

今回の上昇局面でも、米国では引け間際に急騰する場面が多く見られます。これは一部の情報に踊る短期資金の動きであり、反対の情報には容赦ない売りを浴びせる、そういう主体です。米国が反転上昇に転じないうちに、日本が反転するという夢想は控えるべきであり、更にまだCDSの指標に変化がなく、企業が資金調達に苦しむ段階の米国では、意外なところで破綻が広がる可能性があります。
米国で注意すべきは、業績が良くても社債発行額の大きい企業です。今、債券相場の価格が急落し、利回りが拡大しています。今後の債券相場次第では利払いが拡大し、業績を圧迫する可能性があります。短期社債などを運転資金に回す企業も同じ、資金繰りに苦しめば、倒産する可能性があります。信用市場の混乱とは、それだけ米国経済にとって打撃であり、この状態に改善が見られない段階での買いは、短期売り抜けでしかないことになります。

FRBのニューヨーク連銀が財務省証券を買い戻す操作を行いました。単に調節としていますが、これもFFレートの緊急利下げの布石なのかもしれません。そろそろ短期金融市場への資金供給の効果も薄れてきていますから、資金供給が追いつかなくなれば、最後のカンフル剤である利下げに踏み込まざるを得なくなるでしょう。
ただ利下げのみの対応は、結果的に市場を混乱させる可能性があります。問題は株式市場ではなく、債券市場です。今の米国株式が乱高下するのは、帰結するところ債券相場に安定が見られるか、です。サブプライム問題が本質では決してありません。それにより、滅茶苦茶になった債券相場をどう安定させるのかなのです。今の米国はまだ底打ちでも、反転でもないということには注意しておくべきでしょうね。

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2007年08月20日

雑感。色々なことを

今日はいきなり那覇空港での中華航空の飛行機爆発事故があり、驚かされました。人的被害がなくて何よりですが、ただまた中華航空か、という国民の不安はこの航空会社に集まるでしょう。今後の事故調査委員会で原因が明らかになると思いますが、一歩間違えば大事故だったのですから、何があったのかを詳細に明らかにして欲しいと思います。それにこの航空会社、補償が少なくて有名だったのも心配ですね。

この前、たまたま単為発生の話題を取り上げましたが、東京農大でマウスの単為発生に2004年の段階で成功していたようです。更に40%の確率で子マウスまで誕生させていますから、哺乳類でもこの型の種の保存が可能となる日も来るのかもしれません。
ただ系統的に猿の種はクローンが作成し難い面があります。今回のマウスの単為発生も、手法としてはクローン技術を応用しているので、これがすぐに人の単為発生という事態にはならないでしょう。そもそも人で自然に単為発生が行われるようになれば、男性は不要になるかもしれませんが種としては脆弱になるので、環境変動に弱い人という種はすぐに絶滅してしまうでしょうね。

塩崎官房長官の愛媛県支部の女性職員が、政治資金の627万円を私的流用し、その発覚を防ぐために、政治資金収支報告書に二重計上していた問題がありました。女性職員を業務上横領の容疑で告訴を検討、とも言われていますが、検討ではなくすぐにでもそうしなければならないでしょう。
むしろこの問題で警察の捜査を拒めば、二重計上が発覚した段階で赤城前農相の時のように、役職を剥奪されることを恐れ、女性職員に罪をなすりつけたような印象を抱きます。特に安倍内閣の改造の時期であり、身体検査を申し渡されている昨今、二重計上が判明すれば役職にすらつけない自殺行為にも繋がりかねません。更に赤城農相の時から囁かれている、地検の捜査も視野に入っていますから、尚更ここで素直に謝るわけにもいかない、微妙な問題です。

最後に、ニュージーランドで中国製の子供服に、基準値の900倍のホルムアルデヒドが検出された、という記事がありました。中国製の子供服は日本にも大量に入って来ており、日本でも新たに検査対象とする必要があるのかもしれません。日本は常にこうした検疫で、大丈夫だと宣言するだけで、国民が安心するための『なぜ大丈夫なのか』という説明を怠る傾向があります。
中国では豚に疫病が広がっており、これらも日本に輸入されていないのか、もっときちんと説明するべきでしょう。政府が言うから大丈夫、などの甘い認識はすでに国民も持たなくなったのですから、何事も説明責任を果たして、国民に安全を伝えることが大事なのだと思います。

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2007年08月19日

経済の話。市場下落がもたらすもの

昨今の相場下落で、俄かにまた議論の俎上に上り始めた年金基金の運用実績。参院選の前はあれほど騒いでいた年金問題も、近頃では影を潜めていましたが、またしても議論が紛糾するかもしれません。一つには社会保険庁が今月10日に発表した、保険料の納付率があります。
平成18年度の納付率が66.3%となり、前年度と較べて0.8%の下落となりました。最終目標といわれていた19年度の80%も達成の見込みはなく、恐らく国民皆年金の思想、その前提が崩れるのはかなり前倒しになると見られます。国民はすでに年金に対して『不安』ではなく、『不信』に陥っていますし、公的機関の運用そのものに、疑惑の目を向けているのです。

市場が調整すれば、その他の材料もあります。政府系金融機関が今年から始めている、ITバブル崩壊後に市場から買い取った株の市場での売却、日銀もこのタイミングで売却を示唆していますが、その時に試算された売却益も、今回の市場の調整でその試算が大幅に狂う可能性もあります。今まで、市場で売却しても益が出るとされていましたが、調整幅次第では損となる可能性も出てきました。
今回の市場の調整とは、更に重大な点があると思います。それは買収防衛策で企業同士が株式の持合を進めていることです。実は今まで、株式の評価損はさほど大きな問題とはなってきませんでした。それは株とはいずれ戻るもの、一時的な下落を評価損として組み込まなくとも、決算を通すことが出来たからです。しかし昨今の会計検査の厳格化で、今はそれも出来難くなりました。今後調整が長引けば、企業は保有株式の評価損という、かつて聞いた言葉を再び耳にすることになるのです。

今回の下落は、今までの経済の様々な矛盾を暴き出すと思います。米国が公定歩合のみを引き下げましたが、形骸化した公定歩合を調整し、政策金利を動かさなかったのは、ドル急落を引き起こして新興国が保有する外貨準備として積み上げられた、米国債の売りによる市場の混乱を防ぎたかった、そうした思惑もあるのでしょう。8000億ドルを越える経常赤字を垂れ流し続けた米国、その分を投資に回して好転していた時と、循環がきかなくなった社会は全く様相が異なるのです。
米国の信用市場が一体、いつ頃正常化するのかが問題ですが、公定歩合の引き下げは最初だけのアナウンス効果で、継続した影響の行使は難しいでしょう。米国で利下げの期待が強いのは、ヘッジファンドなどが規制の網に引っ掛ることを恐れ、利下げという大枠の市場原理を導入させることで、沈静化させて欲しいという切望です。しかし市場の監督者であるFRBは、株式市場だけではなく米国経済全体を支えなければならない、使命を帯びています。その時どういった手を打つのか、だからこそ私は米国の次の手に、注目しているのです。

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2007年08月18日

安倍氏のアジア歴訪に財界が随行すること

安倍首相が19日より25日までの日程で、インドネシア、インド、マレーシアを歴訪します。今回も財界人250人を連れ、経済交流を促進する目的も持っています。この財界人の同行は、昨年11月のベトナム、今年4月の中東(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、カタール、エジプト)に次ぐもので、安倍氏の外交スタイルとして定着しているようです。

これらは安倍氏の意向で採用されましたが、実は財界人からは不評です。まずこの手法は国力を背景とした高圧的な態度が必要であり、今までの日本的外交とは完全に異質なものです。よって外務省も右往左往しており、必要な相手国との経済交流の場、交渉相手をセットしきれず、一部の人間のみが首脳会談に同席、もしくは経済セミナーの参加など、通常でも出来るような交流に留まるのみとなっています。
これらは欧米の手法を真似たようですが、日本は政治と経済が離れていた方が、むしろバランスが取れている面があります。中国との関係で政冷経熱の話がありましたが、政治の距離と経済の距離は必ずしも一致しません。特に日本のような、外交上で政治の怠慢が目に付くような国は、経済交流のみを先行させて進めておいた方が良いのです。

更に言えば、欧米のように軍事が外交上の重要な手法の一つである場合、そして軍需産業の輸出が必要である場合は、政治が主導して経済交流を進めた方が良い面もあります。そこには経済交流だけではない、もっと密接な政治と経済の関係があるからです。
しかし日本にその関係は不要ですし、何より頼むべき軍事力もありません。政治を背景としなければならない前提が、欧米の事情とは異なるのですから、手法だけ欧米のものを真似ても、上手くはいかないのです。そして、この手法を欧米が用いたとき、日本人が抱いた感想を思い出してみれば、マイナス面の方が大きい可能性の方が大きくなります。力に頼る外交は、それだけでも嫌われますから。

日本の政治は、経済を統制できるほどに成熟していないのが現状です。安倍氏と親しい御手洗氏がいるので、経団連も協力的な態度を示していますが、やがて財界も離れていくことが明白です。手弁当で随行し、政治の話がこじれれば待機ばかりのこの歴訪には、財界人として皮算用してもメリットの方が少ないですからね。

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2007年08月17日

世界同時株安6

昨日、水準の予想をして、今日はいきなりその水準を割ってしまいました。反省と弁解ですが、まず15日を過ぎてヘッジファンドの換金売りが一度止まること、また一昨日から売りを重ねていた主体の玉も一度底をつき、期間をおいて再度仕掛けてくると考えていたことがあります。
ただドルベースで見た日経平均は、最近の円高傾向から下げ渋りに見えていたこと、そこでここを売り崩せば、アジア株を総じてもう一段下げることが出来る、そう見た主体がいた事は確かです。アジア株は日本市場が開いている間は大幅に下げ、日本が引けると一気に戻しました。これらもヘッジファンドの所為で、短期間に儲けを出すために仕組まれた、今日はそんな一日だったと思います。

誤解を受けたようですが、15000円台後半の水準は単にもみ合うのみで、私は下落トレンド入りを示唆していますから、この水準から上昇する局面は描いていません。私は楽観シナリオで年末13000円台、来年の今頃は12000〜10000円の範囲かと考えています。決して反騰の水準を示した訳ではありませんので、その点は誤解しないようにしてください。
そしてこれが楽観シナリオなのは、米国でどのような対策が出るのかが重要であり、その対応次第では更なる下方への移行も考えられるからです。対応として最良と考えているのは、政府系金融機関がサブプライム関連ローンを期間を限定して買い取る、と発表することです。これは日米欧、で連携して行う必要がありますし、合わせてヘッジファンド課税と監視強化を発表する必要があります。

課税で得られる増収分と破綻しないローン分を原資に回し、一旦市場から不良債権化しそうな債券を引き上げ、影響を限定させて落ち着きを取り戻すためには、これしかありません。当然、買取はディスカウントですが、それで損失を確定したヘッジファンドは解散なり、存続なりを決めることが出来、一時の過剰流動性喪失後の危機を食い止めることが出来ると考えています。
米国では公定歩合が引き下げられました。緊急避難的対応ですが、市場に供給オペをするのと同じ、一時的な混乱を回避する流れにはなるでしょう。こういう点で米国の素早い対応、FRBへの信頼は相当に根強く米国経済を下支えしそうです。

特に今日、激しく日本株が売り込まれたのは、こうした対策に日本が乗り遅れることを見越している、そんなヘッジファンドの思惑もあると思います。緊急利下げも出来ない、この世界同時株安局面で独歩高を見せる為替、それに伴う輸出企業の業績悪化で減速する経済。日本を売り込む材料は幾つもあり、世界で引けに戻せなかった、そんな弱い相場がここにあります。
為替の動きが過去のように、変動性の高いものへと変化しつつありますが、円キャリー取引の巻き戻しはここからが本格化します。日本人も外貨建てで、相当の資金を供給してきたのですから仕方ありませんが、これで損失を出して終わりというだけは、無いようにしなければいけませんね。

analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(7)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2007年08月16日

世界同時株安5

世界同時株安の波が止まりません。私は7/27にあげた記事で、日経平均で15000円台、ダウで12000ドル代半ばを試すとしていましたが、その水準にも近付いてきたので、改めて水準というものを見直したいと思います。

まず今回の下落はサブプライムローン問題が発端ですが、今はそのことより信用収縮がリスクとしてではなく、実態として債券のセカンダリー相場に影響していることが問題です。これに伴い資金繰りが悪化した企業の破綻、閉鎖が続いており、それが問題を長期化させています。
潤沢なキャッシュフローと見られていた米国が、意外と簡単に底割れしてしまったことで、換金売りが進むとの思惑が働き、世界各国の市場を一気に悪化させました。世界同時株安としていますが、ここからは世界同時景気後退局面を視野に入れ、思考を変えていく必要もあるでしょう。

日本市場は今日大幅下落に見舞われましたが、これはこれまでも外国人投資家頼みの相場でしたから、そこが姿勢を変化させれば、こうして売りに押される局面となります。極端だったのは、そこに売りで稼ぐ主体がいたためであり、買いの気配が全く入りませんでした。
日経平均先物より、TOPIXの逆ザヤ状態がひどく、とにかく売り一辺倒でせめて来ました。17000円台近傍で押し目を狙った個人投資家も、この動きに抗することも出来ず、投売りを強いられたために、今日の大幅下落を招きました。それでも後場下げ渋ったのは流石に傾斜が急なため、下げ止まり始めたことで押し目をとったものと思われます。ただこれはセリングクライマックスとは思えないので、もう一段の下げは覚悟する必要があるのでしょうね。

最近、私が経済を語るときに数値や指数を用いないのは、景気が好調の時の数値は今何も意味をもたないからです。CDSやVIXなど、普段耳慣れない指数を示して下げ止まるという意見も、PER水準が割安という意見も、経済が混乱して後退局面を迎えるとき、株価が動かなくても指数の方が勝手に正常値に戻るだけであって、上昇を示唆するものにはなりえないからですね。
そこで水準ですが、日経平均は15000円台後半、ダウは12000ドル台半ばでもみ合う展開を予想しています。その下の水準も考えましたが、米国で巨額破綻などが明らかになれば、FRBの緊急利下げや政策面での支えが入ると思いますので、別の悪材料がない限り売り込むのは難しいと見ます。今回の下落で誘発された新興国経済の崩壊、のような事態となれば、その時はもう一段の下げを覚悟する必要はあるのでしょうね。

最後に、安倍首相が「日本経済は底堅い」、尾身財務相が「山は越えた」等の発言をしていますが、今は発言により影響を抑える段階は越えました。米国でもそうですが、政策面での対応が必要な段階に来ていると考えています。それがあっても後退局面入りすれば、景気の下支えも難しくなりますので、初期段階での対応が重要ということを考え、政府には行動していただきたいと思います。

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2007年08月15日

雑感、終戦記念日に思う

今日も世界同時株安が起こっています。サブプライム問題が日本の金融機関、それにカナダにまで飛び火していることが判明し、更に米国消費の鈍化を示す見通しが出たことで、世界に影響を与えました。今は一時的な混乱の側面も強いですが、為替も116円台に突入してきましたし、今後はマクロ、ミクロ双方にこの影響が現れてきますから、一部で語られる楽観には警戒するようにして下さいね。

今日は終戦記念日です。小泉前首相や高市担当大臣が靖国に参拝しましたが、私は靖国に特別な思い入れもありませんし、政教分離に反する面からこれらの行動を否定しています。ただこれは国内問題であり、他の宗教団体が政治に関わる行動と、基本的に変わりがないと考えていますから、強く非難する立場でも有りません。
ただ政治家が公人と私人を使い分けるようなことはあってはいけませんし、戦争を容認するような発言があってはならない、そう考えています。忌むべき戦争が終わった日であるからこそ、そうした想いを強くしています。

政治の世界では、小池防衛相と守屋事務次官が人事を巡り、激しく争っています。手順の問題は完全に小池氏側の落ち度であり、「夜に二度も電話した」と述べているのも、なぜ人事考課が夜に上意下達で行われるのか?という説明にはなっていません。ここに塩崎官房長官も絡み、防衛省絡みのきな臭い人の動きが露呈しています。
渡辺行革担当相が「政治主導とは人事権を行使すること」と述べていますが、公務員のやる気を引き出すための、公務員制度改革を成し遂げる大臣とは思えない発言です。人事権で強権をふるえば、政治と官僚の溝となり、命令系統の不備が発生する可能性もあります。沖縄との交渉で守屋氏の首切りを急いだ、という話もありますが、小池氏は手順を間違えたことを認め、白紙に戻してからもう一度話し合う必要があったのでしょう。もうこじれた関係の修復は無理でしょうけれど…。

最後に、少し気になる記事として、上海協力機構が軍事演習を行うという記事がありました。テロ行為に対応するため、としていますが、ロシアがそのほとんどの資金を提供する、新たな形のワルシャワ条約機構との懸念もあります。いみじくも、ロシアで列車テロが起こりました。表向きの対テロとの主張を逆手にとり、政権に打撃を与える目的のテロと見られています。
今の世界は大量破壊兵器の開発により、国対国の戦争は起こり難くなりました。今後多発するのは多国籍軍対反政府組織であり、戦いも兵器の行使によるものからテロという小規模なものへと変わります。戦争という形がなくなる中で、上海協力機構のような、地域の協力体制は不要となるでしょう。今回のロシア、中国の動きが旧体制への回帰なのかどうか、注意が必要なところだと思います。

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2007年08月14日

経済の話。日銀が売りオペを実施

今日は日銀の方で気になる動きがありました。短期金融市場で売りオペと呼ばれる、資金の吸収を行ったことです。私はずっと日銀は早期に利上げすべき、と提言していましたが、今はその逆で利上げすべきではない、との説に転換しています。その二点について簡単にふれます。

先ごろ公表された経済財政白書で述べられている、『輸出産業の活況が内需へ波及する効果は少ない』とするものがあります。日本は輸出産業を重視しがちで、これは意外な主張と思われがちですが、今の輸出産業は労働コストを抑制する目的で工場を新興国に移したり、関税を免れるために現地生産に切り替えています。
本社機能が日本に残っていて、税制面の評価はまた異なるとしても、これが日本の末端である労働者を潤しているかといえば、その寄与は少ないと言えるでしょう。経済財政白書の文言で、その裏づけが確実に取れているかといえば、少々弱い根拠にも見えますが、政府公表の公式文書内にこうした文言が載ったのは、評価できる流れだと思います。

日銀が低金利に抑える最大の効果は、企業などが資金を借り易くなり、経済が上手く機能することです。しかし日本の信用市場は緩んでおらず、公的資金完済までの日本は極端に貸し出しを抑える方向にあったといえます。つまり低金利の効果は薄く、むしろ金利差に着目した円キャリー取引などを生み、世界に溢れる過剰流動性の受け皿になり切れないなどの、マイナス効果の方が大きかったともいえます。
更に今の消費者物価は、時代の進歩を否定するものであり、この点も利上げを否定するものではないと考えています。しかしここで私が日銀の利上げに反対の姿勢をとるのは、過剰流動性が喪失している中で、資金量を絞る方向での利上げは混乱を増してしまうためです。

日銀が今回、売りオペを実施したのは、8月利上げに対してまだ色気を見せているように感じられます。買いオペを行いながらの利上げは難しくても、中立の立場であれば利上げは容易です。元々、先にも示したように日本の信用市場はここまで緩んでおらず、その意味でサブプライム問題が信用市場を直撃することはありません。
ですが、今回の日銀の動きは欧米が協調介入を繰り返し、流動性を担保しようとしている中で、これに逆行する動きです。確かに短期金融市場が誘導目標を下回っていたとはいえ、これが世界との協調を崩すことにならないか?また利上げするというメッセージを市場に送らないか?それを心配しています。
私は日銀の利上げは半々程度、可能性があると見ていますが、その後の動きについては警戒しています。円キャリー取引も実態の見えないものですから、世界に信用収縮の不安と、円キャリー解消の不安の二点の不透明要因が増すと、世界がどう動くのか分からないからです。少なくとも今回は利上げを回避すべきですが、来週の日銀の判断が気になるところです。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2007年08月13日

雑感、今度の組閣について

内閣府から発表された4-6月期の実質GDPですが、前期比0.1%、年率換算で0.5%となりました。07年度の実質成長率が2.1%となり、鈍化の兆しはあるものの底堅さも見せました。
今回輸出と内需が鈍化したものの設備投資が堅調に伸び、それらの下落を支えましたが、ただ設備投資とて今後どうなるかは分かりません。今のところ、日本経済の見通しは年後半から持ち直す意見も多いですし、むしろそれが日銀の8月利上げ説の有力な根拠ともなっています。ただ今回の市場予想値(年率換算1.0%)より鈍化した背景の中に、実質増税分の消費下押し圧力、燃料費などに見られる実質的な物価の高騰、などがある場合は年後半の伸びも、画餅に帰してしまうので注意が必要でしょう。

週末のテレビ番組で、次期安倍内閣の組閣の話題がありました。一つに、麻生幹事長は決まりだとするものがありますが、もしそうなれば次期政権は麻生氏が担当すると、安倍氏自らが後継候補を容認することになるので、本当にその流れで党内がまとまるのかは不透明です。
青木参院議員会長が政権から離れれば、間違いなく津島派は政権への圧力を強めますし、冷や飯を食わされた谷垣派も批判を強めています。山崎派も政権と距離を置くようですから、自民党の勢力は二分される形になります。その時、麻生氏で党内を纏めきれるかどうかは、今後の安倍氏の身の引き方で決まるような形になるでしょう。

福田氏を外相に、との声もありますが、安倍氏との外交スタンスの違いは明らかですから、まずこれは無いでしょう。福田氏の外相就任があれば、それは安倍氏の北朝鮮政策の転換を示すものとなり、諸外国に誤ったメッセージを送ることにもなります。
また森元首相が谷垣氏の入閣も求めていましたが、派閥の論理で動いているようにも見え、これもあまり良いイメージは与えないでしょう。更にここで谷垣派は政権批判を繰り返していますから、入閣となればその罪を不問に付すことになってしまいます。この辺りは次期政権候補者を閣内に入れ、競わせる目的があるのでしょうが、今回は特に閣内一致を求められますから、今度の組閣で批判者は入れ難いところでしょう。

私が気になるのは、第一次安倍内閣の人間が何人残るのか、ということです。塩崎官房長官の行方や、行動の主体性が見えない内閣付きの担当大臣等々、降格人事になるのか、それとも配置転換だけなのか?恐らくこの点も国民が注目しているところでしょう。実効性の期待できない暫定内閣であっても、少なくとも数ヶ月は国政を担当するのですから、日本を迷わせるような人物を据えることだけは、して欲しくないと思いますね。

analyst_zaiya777 at 22:54|PermalinkComments(5)TrackBack(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2007年08月12日

経済の話。世界の動きについて

現在、世界市場が混乱し、日米欧の協調介入としてオペが実施されています。欧州中央銀行(ECB)が15兆円、10兆円、米準備制度理事会(FRB)が3兆円、4兆円と巨額に上る資金を連日投入し、市場の安定化につとめています。ただこのオペはあくまで債券相場を安定させるものであり、世界から連日数十兆円規模の資金が失われつつある今、これが巨額に見えても焼け石に水に終わる可能性すらあります。

米証券取引委員会(SEC)がサブプライムローン関連の、各金融機関の損失調査を開始しましたが、今為さねばいけないのは、信用収縮における債券相場のダメージです。バーナンキFRB議長が算出した12兆円という損失規模も、信用収縮が起これば影響範囲は数百兆円規模に膨れ上がります。
更に今回の問題で、一番深刻なのは『格付け』による各金融機関の信頼が、完全に崩れてしまったことです。未だに「日本の金融機関が保有しているのは、格付けの高い債券だから大丈夫」という声を聞きますが、今回破綻しているのは、格付けの高い債券を保有していたヘッジファンドです。そもそも論として、サブプライムローンを組み込んだ債券の、80%が最高ランクの格付けをされていたといわれていますから、格付けによる評価は不可能です。

そしてここで起こり始めた資産デフレの波が、世界のあちこちに波及し始めます。今までと全く逆、資産を持たざるリスクから、持つリスクへと転換され、資産を手放さない限り評価損の計上を免れなくなります。自社株買いと業績好調により支えられていた株価も、一段の下を見に行く可能性は高まるでしょう。何より、上記の理由と世界経済の混乱が、業績に対して影響を強くするからです。
今回の下落局面は、明らかに前二回の下落と違う、と私は指摘しています。欧米が激震しており、また信用収縮が起きたことで、世界に溢れていたマネー量が確実に減少するからです。今回は懸念でなく、現実としてこれが起こっており、過去二回の下落局面で過度な上昇期待を持つ人もいるかもしれませんが、状況が全く異なるということは憶えておいて欲しいと思います。

今は全ての市場で、何が起きるか分からない事態に陥っています。ここまでの好景気は『良いとこ取り』でしたから、その一つのピースが外れたことで、総崩れになる可能性もあります。問題が収束するまでは安易な期待は控え、市場に対しては厳しい姿勢で臨むべき時です。個人で市場に参加されている方は、くれぐれも注意していただきたいと思います。

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2007年08月11日

雑感。虫の世界

今日は久し振りにリフレッシュのつもりで、山の方に行ってきました。クワガタなどを見つけて喜んでいましたが、私の場合は捕まえて飼っても死なせてしまうだけなので、見つけて終わりにしました。ですが、これらの虫を捕まえて売る人もいますので、考えてみれば可哀想な昆虫です。

虫の世界では、蜂のように通常はメスしか生まれず、必要に応じて不受精卵となったオスが生まれるシステムをもつ世界があります。またアブラムシのように未受精卵が成長するメスだけの世界が秋まで続き、冬を越す時だけオスが生まれて受精卵を産む、というシステムを持つ世界もあります。
どちらもメス主体の世界ですが、ゾウムシの世界ではメスしかおらず、メスが自分と全く同じ遺伝子をもつ卵を産んで、数を増やすものもいます。魚類、両生類の類では三倍体がおり、メスの遺伝形質を受け継ぐ子孫だけが残る場合も見受けられます。

ところが最近、ハエの仲間で少し変わったものが現れたそうです。それは性染色体のX遺伝子と、X遺伝子が交配されてオスが生まれる現象です。通常、性染色体はXとYがあり、Xが二つ揃うとメス、XとYになるとオスというのが生物界の常識です。でもこのハエはX遺伝子中のF因子とM因子の強さの差により、オスとメスが区別されるので、生物界の常識からするとかなり異質な存在です。
この現象、実は人間の作り出した殺虫剤に対して、性染色体中のX遺伝子が耐性をもち、そのためX遺伝子が優勢になって生み出されたとも言われています。私はかねてから、地球温暖化により日本でマラリアなどの蚊が媒介する病気を懸念しています。東南アジアでデング熱が流行、という記事もあり、これも蚊によって媒介される病気なので、こうしたものが日本に入ってきたら大変な事態になるでしょう。

マラリア媒介の蚊を退治するのに、WHOではDDTのような殺虫剤に頼りがちです。しかし上記の記事のように、昆虫の方でも耐性を身につけるために、遺伝子レベルでの生物の常識を覆してでも生き残ろうとしています。昆虫が生き残ろうとする力は、到底人間の及ぶレベルではなく、結果として病気は根絶できないことになります。
最近、暑い日が続いていますが、地球温暖化の影響は至る所で人間を苦しめることになるのかもしれません。京都議定書に定められたCO2排出削減で、原子力発電に頼る日本が削減量の達成ができそうにない、という記事もあります。これで来年のサミットで地球温暖化問題を日本としてどう主導するのか、非常に危惧されるところですが、良い知恵を出し合っていかなければいけないのでしょうね。

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2007年08月10日

世界同時株安4

再び世界が大きく震撼しています。ことはECB(欧州中央銀行)が15兆円、FRB(米連邦準備制度理事会)が3兆円の緊急オペを行い、市場に資金を投入したことです。欧州でもサブプライム問題の損失が拡大し、ヘッジファンド破綻懸念が発覚しました。日本でも今日はあおぞら銀行が総額210億円の債券があり、45億円を評価損として計上すると発表しました。日銀も1兆円のオペを実施して、市場の安定を図っています。
サブプライム問題は住宅ローンに留まらず、債券市場に大きな打撃を与えています。昨日ML証券リポートを取り上げましたが、あれは金融関係者からの悲痛な叫びととるべきです。米国経済はそれほど痛んでいるのであり、資金の出元を絞られた世界経済は、今後確実に鈍化するでしょう。

米国ではベアスターンズ代表が中国にわたり、資金援助を申し出るようです。ただブラックストーンで損失を蒙り、中国としても新たな金融機関への保有資産の投入は、二の足を踏むところです。これに失敗すると、ベアスターンズは破綻懸念が広がるでしょう。
それ以外にも複数の金融機関が破綻、もしくは互助会的な統合を繰り返して、やっとこの問題は収束すると考えています。更にブッシュ政権は経済のタガを緩めることで世界経済を潤してきました。今回下落局面を迎えたことで、ブッシュ氏の経済運営にも批判が集まり、今提出されているヘッジファンド課税の見直し以外に、ヘッジファンド管理が進んで総崩れになる可能性もあります。

上海株の下落がほとんどないのは、中国人にとって世界経済との連動性、経済のダイナミズムを理解できていないためです。今はチャイナマネーが緩衝材として働いていますが、今後のアジア相場には緊張が走ります。それはマネーボリュームが減る過程では、新興国の方がより大きな影響を受けるからです。
日本では円キャリー取引、投信、などの日本が世界に供給したマネーの分の損失は被ることになるので、これには注意が必要です。最悪は日本で投信などの中途解約、換金が進み、更に世界経済を弱めることですが、現実問題としてここまで世界経済が混迷すると、それもあるでしょう。

相変わらず、今の日経平均はPER18倍だから割安という意見がありますが、今回の世界経済の混乱で、企業業績は下方修正されると見てまず間違いありません。為替差益だけで業績を上げてきた企業など、この下落でメッキが剥がれるのですから、今はそうした言葉に騙されないよう、しっかりと見定めるべきです。
何事も『過ぎたること』から変化は始まります。「下げ過ぎ」という言葉も、世界経済の変化の前では何の意味をもたないのですから、今は見極めをしっかりしておくことが、個人の方には大事なのでしょう。私はすでに下落トレンド入りを示唆していますが、下げ止まりというのは世界経済の行方を確認してからだと考えています。

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2007年08月09日

経済の話。市場の動きについて

米国経済が激しく震動しています。昨日は引け間際に「サブプライムに関して新たな損失が発表される」との噂が流れ、200ドル近く急落、その後噂を否定するコメントが出され、再び150ドルも急騰しました。噂に振り回される相場はそれだけ強気と弱気の見方が交錯している証拠でもありますが、それにしてもボラタイルな展開が続いています。
三日前の急騰の原因は、ML証券のレポートで「FRBが年2回、来年半ばまでに4回の利下げを行い、政策金利が3.75%になる」とあり、それを好感した部分も大きくあります。その後FOMCの声明が出され、利下げに言及はありませんでしたが、経済の底堅さを確認して上げ基調を強めています。ですが、リターンリバーサルの側面も強いので、本格的な反騰はまだ先のことでしょう。

日本の証券市場は米国次第の展開となっています。国内で上昇の要因はなく、外需頼みの不安定な景気回復の中で、これは仕方ないことかもしれませんが、日本としての主体性はほとんど見られません。再び上昇相場になった時、外国人が買いそうな銘柄や、下げ過ぎと見られる銘柄のみが買われ、新興市場や外国人投資家が見向きもしない銘柄は新安値をとっています。
今は個人の足の速い資金が中心とはいえ、上昇しても東証一部は下落銘柄の方が数が多いなど、偏りが激しくなっています。今は長期上昇トレンドの中であり、押し目の好機だ、とする意見も多く耳にしますが、それが誤りだった場合はここがかなり厚い抵抗帯になる可能性もあり、個人の押し目意欲が裏目にならないことを祈るばかりです。

というのも、先週、先々週とあわせると、外国人投資家は先物に対して1兆円を越す額を売っていたことが今日判明しました。本当にここが単に調整局面だけであれば、そこまで極端に売らないでしょう。現物も売り姿勢であり、裁定買い残も減少しています。もし外国人が換金売りを急ぎ、それを日本人投資家が支えてこの水準でもみ合っているのだとすれば、それは絶好の売り時を与えているに過ぎない、ということになります。
例えば、オプション市場で今日を見ると、17000オーバーで開始されたのですから、17500の売買が活発になりそうなものです。ですがそういうことはなく、むしろ17000に合わせて動いていたようでもあります。上値を追う動きに、誰もベットして来ないのが気になります。

日本が上昇局面入りするためには、再び外国人に頼らざるを得ないのが現状です。しかし信用収縮が起こっている現在、それが長期的に売りの姿勢に傾く可能性は、ますます高まっていると言えるでしょう。今日の活発な売買はポジション調整とも言われますし、外国人投資家の姿勢には注意が必要なのでしょうね。

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2007年08月08日

小沢民主党代表とシーファー駐日大使の会談

民主党の小沢代表が、米国のシーファー駐日大使と会談しました。今回は全てを記者に公開し、言質をとったことで暗黙の外圧をかわす狙いもあったと思われますが、おおむね小沢氏は自らの主張を通しました。かなり以前から、自衛隊活動は国連下における活動以外は認めないと発言していたのですから、その意味では持論を通した形です。
ただこれを米国で手強い相手と見ることはありません。国益に反すると思えば、大統領でさえ葬り去る国にとって、極東の島国の一政党の代表の抵抗など、蹴散らすぐらいの姿勢で挑んでくるでしょう。以前も指摘しましたが、CIA工作員が乗り込んでくるかもしれません。

ただ小沢氏も最後まで突っ張る気はないと思われます。米国の意向を受けた自民党の妥協案を引き出せば可、米国から直接提案を引き出せれば良、それ以上の材料を取り付ければ優、米国の強硬路線に屈して自ら妥協すれば不可、との判断もあるのでしょう。
テロとの戦いは、現状の米国でも政策の失敗を問われていますし、今は政権交代期で思い切った対日強硬は貫き難い。しかも米民主党政権に変われば、アフガニスタンに多国籍軍が駐留すること、そのものが無くなる可能性もあります。また憲法9条に則るとしたことで、社民党にも配慮を見せて野党共闘の姿勢もアピールしました。前原氏のようなテロ特措法支持者も党内におり、その意味ではまだ流動的だと見ていますが、恐らく何処かの時点で変わると思われます。

今日はその他に、韓国と北朝鮮が首脳会談を行うと発表されました。ノ大統領にとっては、アフガニスタンで韓国人が拉致され、具体的な成果もなくここまで来ており、12月の大統領選までに何とか成果を見出したいところでしょう。ですが、六カ国協議の作業部会を開催中に、単独で首脳会談をして何を話し合うのか、非常に興味がもたれるところです。
これが作業部会を逸脱するような内容であれば、それは韓国側の失政を国際社会に印象付けますし、逆に成果が無ければ国内向けには最悪でしょう。北朝鮮も対北宥和政策をとる政権を残したいので、お土産程度は与えたいところでしょうが、核施設の凍結などは韓国内にとってそれほど価値はありませんし、離散家族を含めた人材交流の活発化を提案すること程度が関の山だと考えています。韓国内でも対北宥和政策に疑義が広がっており、その程度で大統領選に+になるとはとても思えませんけれど…。

対米との関係にしても、対北朝鮮の問題にしても、日本は大きな岐路に立たされています。この時点で安倍氏、小沢氏の意見が出てくるのは、どちらが良いということではなく、有権者としてはしっかりと見定めることができるので良いことだと思います。世界の変動の中で、日本の行く道を間違えないように、しっかりとその言動を見ていきたいと考えています。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2007年08月07日

2007年度の年次経済財政報告書

2007年度の年次経済財政報告書(経済財政白書)が公表されました。まだその全体を通覧した訳ではありませんが、少しコメントしたいと思います。

労働分配率の低下に関する分析の項目がありました。“鸚亀比率の高まり、団塊世代の退職者急増、9眥其盪唆箸ら低賃金産業への雇用の移動、っ亙公務員の賃金引下げに伴う教育分野などの影響、以上の四点について主に語られていました。
従来の意見を超えるものではありませんし、外国人労働者の問題(研修制度等)などは触れられていません。企業は効率化を求めて低賃金労働者を求めるものであり、むしろ自然的希求の果てに、現在のような『景気が賃金に波及しない』効果が生まれています。

グローバル化に関して以前、先進国の地位低下を促す、とする意見を述べたこともありますが、労働者にとってグローバル化はマイナスの影響があります。労働需給が逼迫しても、工場を海外に移転させることで企業は対応してきました。その方が安価な労働力を得やすいからです。
一方で、設備投資が好調とするのも、結果的にはこの海外移転に伴うものであって、国内の大型工場新設が進まない過程では、国内向けにはあまり効果がありませんでした。これらにより労働分配率は改善傾向を見せず、また可処分所得も最近の減税措置の撤廃で低くなり、これらが賃金への波及を抑えてきたのです。しかし、これらの分析はごく小さい扱いであり、波及しないのは総合的な原因として結論付けられています。

ひどいと感じたのは、その結論として『徐々に改善する可能性がある』と締め括られていることです。何をさして、そう結論付けるのかは何も記載されていません。恐らく過去の状況と照らして、そろそろ波及しても良いだろう、という楽観論のみで結論が出されているのです。
これでは政策面では何も改善はありません。ここまで政府はミクロ重視で経済運営を進めてきたのですから、ミクロが改善するのは世界経済の好調もありますが、結果的には政策が功を奏した形です。ですが、グローバル化の中で放っておくだけではマクロへの波及はまずありません。
これは白書ですから、政策面を訴えろということではありませんが、もっとグローバル経済下における影響、それらを考慮すべき段階に来ているのです。その考慮が少なく、日本単独で議論を進めても、効果は限定されるということなのです。何より、GDP見通しの下方修正や名実逆転などの分析でも、今回の白書は明らかに分析不足なのですから。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2007年08月06日

安倍氏が原爆症認定の見直しを指示

広島原爆の日を前に、安倍首相が「原爆症認定のあり方については、見直しを検討したい」と発言しました。確かに司法の場では国側の敗北が続き、認定基準についての妥当性への疑義は常に付き纏っていましたので、これは良い方向だと思います。但し平成13年の「原爆症認定に関する審査の方針」も、元はといえば専門家により協議した内容で整備されたはずであり、今度の見直しもどうなるのかは分かりません。
基本的に国は支払いを抑えたがりますから、専門家も国の意向に沿った人を集めようとします。今回、厚労省の動きが鈍いので、このトップダウンは上手くいかないかもしれません。世論が無い安倍内閣ですから、官僚もこの内閣で指示されても、次期政権まで滞らせておけば指示は消えると考え、あえて慌てて取りまとめる必要もないと判断してしまうからです。

また、すぐに世論から「人気とりのための提案では?」との声も上がります。小泉氏であれば、このトップダウンを好意的に受け止められていたところでしょうが、もう安倍氏には国民の声が届かない、そうしたイメージが定着してしまっています。
ぶら下がりの取材でも、質問に対する答えがずれていたり、参院選敗北後のインタビューでも、「国民に理解されている、手法が間違っただけ」と答えたように、国民はそう思っていないことを、あたかも総論であるかのように語ってしまいます。これらは国民の意識との乖離と受け取られ、更なる支持率低下にもつながっています。

最近官僚の醜聞が伝わらないのは、結果的に後1ヶ月もない閣僚を虐めても、メディアとしては面白くないからでしょう。今回の組閣は、その意味で実績を求める内閣にならない公算も強く、暫定内閣としては心許ないものとなってしまうことは確実です。
私は自民党的には暫定内閣でも半年はやってもらわないと、解散もできない状況だと推測しています。ですが、世論の動きが激しいので、そこまでもたない可能性も強まり、流動的な状況は更に強まってくるでしょう。イラク特措法は何としても通すでしょうから、通した後の11月解散説が濃厚になって来ているように感じます。総辞職の可能性は低くなりましたね。タイミングが良くありませんし、今の安倍氏にそのような判断が働くとも思えないですから。

最後に、基礎年金の国庫負担率1/2の財源が、今問題となっています。もし年内解散があれば、今度の選挙は政権選択の他に税制が重要なファクターになりそうです。自民党は自らの制度設計に基づき、その1/2の財源に消費税増税を唱えます。民主党は制度設計そのものを変え、財源を無駄遣いの廃止の中から編み出そうとしています。どちらに利があるのか、今度選挙になれば重要な選択が迫られそうですね。

analyst_zaiya777 at 22:57|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年08月05日

緑のオーナーが元本割れ

林野庁が実施していた緑のオーナー制度で、出資者の9割が元本割れとなり、問題となっています。84年から98年まで実施され、50万円と25万円の出資に応じて国有林のオーナーとなり、最短で15年が満期だそうで、500億円を集めたとこのことです。
当時、私もちらりと耳にしていましたが、木材価格の推移と物価スライドの考え方が分からず、投資ではなく日本の森を守るためだけの制度だと結論付けた覚えがあります。しかしこれを投資と考え、リターンを望んでいた人には、国に騙されたという想いもあるでしょう。

基本的に、長期間資金を預けなければいけないものは、物価変動を考えて行わなければなりません。今回のように、木材価格は住宅市場の低迷による木材需要の低迷や、輸入材により価格下落は想定できますし、極端に価値が上昇するようなものでもないので、今回の事態は容易に想定できた事象です。
むしろ、元本割れを説明しないままに投資を促した、林野庁の責任は大きいでしょうし、随意契約でしか売却できない木材など、無価値を表現しているようなものです。更に随意契約を隠そうとする林野庁には、作為的に国民を騙そうとする意図すら感じられます。

これらは年金にも当てはまります。会計検査院に報告されただけで、着服や不正支給が1億3314万円もあると明らかになりました。裏金作りをしていて処分された職員もいて、公的詐欺行為は漫然と、しかも継続して行われていことが判明しています。
更にこれは明らかになった分だけなので、陰に隠れている部分を含めた総額が明らかになるまで、この問題は収束はしないのでしょう。本当に年金は未納だったのか、社保庁職員による横領だったのか、刑事事件にまで発展する問題として、これらは追及されていかなければいけないでしょう。

この国は公的機関であれば、国民の寄せる期待や安心は大きいものがありました。何事も親方・日の丸がいれば大丈夫。国民はそうした想いを寄せていたのです。しかしここで白日の下に晒されたのは、国を信用してはいけないという、国家の在り方そのものに対する疑義です。
これらは税金の無駄遣い以上に、国民を失望させました。そしてその積み重ねが、自民党大敗となって今回現れたのでしょう。自民党はすぐに自治労を持ち出しますが、組合を制御できない経営者は、結果的にその資質がないとも言えるのです。国を運営してきたのは内閣なのですから、今回の参院選、責任をとらされるのも当然だったのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

2007年08月04日

経済の話。日銀の動向について

今日はお祭りに行ってきました。暑い盛りでヘトヘトです。

前回、経済の話題を取り上げた時に、近いうちに金融資産バブルは終焉すると記載しました。その中で日銀の利下げについて全く逆の提案がありますので、その話について記載したいと思います。
米国ではすでにベア相場入りを示唆する専門家もいます。雇用統計で9万2千人、予想の13万人にまで達せず、二日続けて引け間際に急騰を見せていた米国相場も急落してしまいました。この金融資産バブルは信用収縮が起これば確実に終わりを告げますから、その意味では、今後マクロ経済指標、ミクロ指標と徐々に影響が拡大し、経済全体の弱さが全体認識として定着した時に初めて底を打つ、ということになるその端緒と見ることも出来るでしょう。

日本の経済について、私は日銀の政策金利上昇とそれに基づく円高、内需の活性化に伴う日本経済全体の底上げが必要と唱えてきました。しかしその前提にあるのは、世界で金融資産バブルが継続されている必要があり、そこが崩れれば世界経済の停滞が日本を直撃することになります。
円キャリー取引は全体像が掴み難いですが、恐らく数十兆円規模はあると見ています。世界の金融資産バブルが終わると、この資金がゆっくりと、しかも着実に日本に戻ることになります。ここで日銀が金利を上昇させれば、為替相場が大きく震動する可能性があり、このタイミングで金利上昇は出来ないことになります。強行すれば、恐らく為替は一時的に対ドルで110円を切る可能性があります。

この推測は、欧州で利上げを示唆する発言があった時、為替相場はほとんど変動しないことからも成り立ちます。つまり今の為替相場は金利差より、信用収縮による円キャリー取引の手仕舞いを心配する力の方が、強く働いてしまうということです。ここで更に金利差を縮小させることになれば、為替相場に更なる円高プレッシャーをかけることにもなります。
つまり世界で信用収縮が起こった今、日本の施策としては為替を円高に振り向けるよりも、その流れは勝手に、しかも強烈に起きるのですから、それを緩和する方向で動かなければならないことになったのです。これまでの私の理屈と完全に裏返るので、奇異に思われるかもしれませんが、世界が不安定になった上ではこうするしかない、それほどの大きな変化が世界に起きているということです。

米国では年内の金利引き下げを織り込みつつありますが、債権のセカンダリー相場が滅茶苦茶で、収拾がつかない事態となっていることからも、政策金利の引き下げが望まれています。しかしここで実際に利下げされれば、ドルが大混乱し、日本も混乱の渦中に巻き込まれてしまいます。その影響を最小限に食い止めるためにも、日銀の動向が注視されるところです。

analyst_zaiya777 at 23:51|PermalinkComments(4)TrackBack(21)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2007年08月03日

参院選後の自民党内の動きについて

自民党で、森元首相、中川幹事長、青木参院議員会長の三者が参院選前に集まり、40議席台では退陣已む無し、との見解をもち安倍氏に示したところ、続投に強い意欲を示したために、三者も首相の決断を受け入れた、とする内部事情を暴露するような記事がありました。
この記事の背後には、今後の政局次第で影響が町村派、清和会系に及ぶのを防ぐために、今後は安倍氏個人の責任として尻尾切りを計る算段があると見ています。党内外から見ても、安倍内閣は新組織に移行してもレームダック化しますが、総辞職か解散か、その後の政局について自民党内でも激しい綱引きが始まったと見るべきでしょう。

清和会系のホープとして期待され、長期政権を担う予定だった安倍氏ですが、今回の大敗でそれもままなりません。選挙前から小泉前首相が安倍氏の援護射撃に回るのは、安倍内閣が短命で終わると、清和会系の後継候補擁立が容易でないからです。本来は安倍内閣が長期政権を担う間に、後継候補を育てる意向だったのでしょう。経世会潰しが主眼であった、小泉氏らしい動きです。更に自分が指名した安倍内閣が倒れれば、小泉時代の負の遺産を総括され、悪人に祀り上げられる可能性すらあります。
この点で、森元首相側はむしろ派閥の影響力維持を主眼に動いている訳で、小泉氏とは距離をおいています。そして今の自民党内で安倍下ろしの声が上がらないのは、危機意識があるからだ、や、党が弱体化したからだ、との意見もありますが、そうではないと考えています。

小泉郵政選挙後、党内で暗黙のルールであった派閥の論理が撤廃され、党公認を首相が単独で決める方向になりました。今の自民党衆院議員は数が多すぎますし、また今回の選挙結果で参院から衆院へ鞍替えする人も現れるはずですから、候補者の数が一気に増加し、例えベテラン議員でも党公認を得るのが困難な事態となったのです。
ここで安倍氏に嫌われれば、『刺客』とは言わないまでも党公認が得られず、別の候補が送り込まれるかもしれません。これは党公認候補を選別する際、安倍自民党総裁の意向が働くのだとすれば、自民党衆院議員にとって恐怖でしかありません。党執行部に話の分かる人が就任しない限り、自民党衆院議員は安倍内閣のまま解散されることを最も恐れている状態であり、恐ろしくて声も上げられないのでしょう。

これは自民党が二流、三流に転落したことを意味します。小泉氏が壊した後、制度設計を構築しなかったために党内のルールが流動化され、今は誰もがルールから外れることを恐れて身を縮めてしまっています。今回、組閣の話題も伝わっていますが、身奇麗な人を選抜しなければならないところに、自民党の業の深さを見る想いがしますね。

analyst_zaiya777 at 22:26|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2007年08月02日

世界同時株安3

経済のことばかり取り上げるのは気が引けますが、昨日に続き経済の話題を取り上げます。まず現状の世界の経済状態を『バブル』と認識することが重要です。日本ではほとんどその影響がないため気づき難い点ではありますが、世界は株高、不動産高、債券高、資源高の四高状態であり、これらは供給されるマネーボリュームにより高値を演出していたものです。
今、世界で起こっているのは信用収縮です。低金利の円を借りていた円キャリー取引や、米国の低金利を利用して資金を借り受け、それを運用することで金融機関はリターンを得ていました。ですが、サブプライム問題に端を発した各金融機関の与信管理の厳格化に基づき、資金調達が困難になった企業の破綻懸念、倒産懸念が世界を席巻して引き起こされたのが、今回の世界同時株安です。リスク回避、配分の見直し、世界から大きな資金が消えつつあります。

さて、日本市場はどうかというと、ボラティリティが高まっていますが、今回はプログラム売買が働いたと見ています。GLOBEX先物がマイナス転換し、これと為替相場を見て今晩の米国市場の見通しが弱気になり、売りが働いた。その後、売られ過ぎ、売りポジションの溜め過ぎサインが出て、全く逆の売買に転換したことで、午後の大相場が展開されました。
経済の見通しが強気と弱気、半々がいる時の方が市場は下落します。今日がセリングクライマックスだという人がいますが、米国で下げ止まりが出ないと、新たな下落相場をスタートさせるだけで、何の問題解決にもなりません。今回の問題は日本で起こっているのではなく、米国発で世界の金融機関が関わっていますから、米国が強気見通しに転換できるまでは、フラットの評価を下しておいた方が良いでしょう。

4-6月期の企業業績が良い、とする意見は耳を貸すべきではありません。今は先行きがどうなるかを分析するべきであり、その時経済全体が弱含めば、大きな地盤沈下が起きるからです。現状、過去の統計であったり、楽観に基づく見通しであれば、それを排除して将来に対する見通しを立てる必要があるのです。
更に新興国においては、今回の影響は拡大するはずです。市場規模が小さく、そこに流入する資金が絞られれば、それだけで振れ幅を大きくするからです。今は新興国内に誕生した新興富裕層が支えていますが、いずれ大きな下落に巻き込まれる公算が高まっています。

はっきり言いますが、世界でバブル崩壊の芽があちこちに出てきており、金融資産バブルは近いうちに終焉を迎えるでしょう。今は楽観せず、今回の波に飲まれないように考えていくことがとても重要となっています。短期的なリバウンドはするでしょうが、長期的には下落トレンドに入ったと意識することも必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(4)TrackBack(3)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 |