2008年02月

2008年02月29日

防衛省の危機管理のあり方について

衆院本会議で来年度予算案、租税特別措置法が野党の欠席の中採決されるようです。これで与党は国会混乱の責任を野党に押し付けることが難しくなり、国会運営は混沌としてきたことになります。協力を求め続けた福田氏の態度変化には、問題山積で議論すればするほど立場が悪化する、一ヶ月あれば野党を責め崩す材料が出るだろうとの期待もあるのでしょう。3/4がデッドラインといわれながら、2月中採決を焦った福田氏の胸中は定かではありませんが、目論見通りに行くかは不透明でしょうね。

今日も防衛省の事故で、海上保安庁に確認をとらず航海長を呼び出した件が問題視されました。捜査に支障を来たす重大な問題だ。議事録がないのはおかしい。しかし私が危機対応をした体験から言えば、この問題で幹部に猛省を促したいのは、現場から人を呼び戻したことです。
事故を起こし、浮き足立つ現場では必ず混乱が起きます。情報は錯綜し、訊く毎に異なる情報が上がる状態で、それを確認しようとすると更に現場の作業量を増やし、混乱が拡大します。現場における事故対応と幹部への連絡対応、通常作業と異なるために人手が不足します。
その時に更に現場から人を呼び寄せ、聴取したこと自体が組織の危機管理として失敗しているのです。必要であれば聞き取り調査に自ら出向く、それぐらいの態度を幹部は示さなければいけません。映画で「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きているんだ」というのがありましたが、まさにその通りで、会議室で情報が上がってくるのを待つことしかしなかった、幹部の態度にこそ情報操作や隠蔽の疑いを払拭しきれない、混乱の本質があると言えるでしょう。

話は少し変わりますが、例えば某重工大手企業が損失を隠蔽して社債を発行した問題で、実は幹部は知っていたのではないか?とメディアから指摘されて否定する場面がありました。これも同様、経営状況を把握する努力を怠ったことが問題であり、自ら出来る手を打たなかった旧経営陣が退陣せず、残っていることが企業の自浄能力を疑わせています。重要なことは、情報を受け身でしか待てない人間には問題把握も、解決の力もないことなのですね。
情報を全て把握することは不可能です。事実誤認もあれば、勝手に独り歩きする偽情報もあります。しかしその情報にどう向き合ったのか、どういう扱い方をしたのかは検証の余地のあるものです。その情報すら議事録がない、聞いたかどうか定かではない、ということでは組織防衛のために隠蔽していると受け取られても仕方ありません。情報漏えいで揺れる防衛省、もう一度情報の取り扱いを徹底する必要を感じますし、重要部分は抜きにしても透明性のある組織になるべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:47|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2008年02月28日

経済の話。FRBは利下げ継続を示唆

最初に、中国が農薬入りギョーザで会見を行いましたが、ダメージコントロールが全く出来ていないものでした。相互監視とビデオ撮影、鼻につく匂いだから工場には持ち込めない、とする説明では消費者は納得しません。中国からの茹でニンジンにも残留農薬が確認され、輸入検査も厳しくなる折、必要なことは国の威信を保つことではなく消費者を納得させることです。それが出来なければ、中国産品の日本での消費は今後も益々減ることになるのでしょう。
これは防衛省の対応でも同様ですが、事実誤認を嘘で塗り固めてみたり、言い逃れをして後に翻してみたり、危機管理を組織防衛が邪魔している形です。疑惑をもたれたとき真に必要なことは、相手を説得できるだけの材料を準備し、それに見合う行動を示すことです。そうしなければ影響を長引かせ、余計な損失を発生させるということを知るべきなのでしょうね。

日本市場は一時14000円台をつけ、レンジを上方ブレイクしたかに見えましたが、これは騙しに終わりそうです。騰落レシオの買われ過ぎ示唆、盛り上がらない売買、これらを引き起こしたのは、全て月曜日に発生した欧州系証券会社による先物大量買いです。後に反対売買で大きく売られる懸念と、3月相場は損失確定売りも出易く、彼岸底になり易いこと。これらがマインドを一気に冷やしました。
それでも月末なので買いも入っていますが、どうやら今後は下方圧力が強まりそうです。それを示唆するものに、急速に進む$安があります。米2年物国債が2%台に突入した後、俄かに$の動きが活発化しました。バーナンキFRB議長は「ドル資産離れの動きは確認していない」と述べていますが、FRBが利下げを示唆する中で2年物国債が売られる状況には、何らかの動きを感じるべきでしょう。

一つはインフレ圧力がFRBの機動性を奪い、今後の利下げは限定的だと見る動き。他にはサブプライム損失を抱えた中国などの米国債保有国が、換金売りを出していることなども考慮すべきでしょう。後者は一時的なものでしょうが、米国の凋落がはっきりすれば、国債よりも金などに資産が向かうようになり、度々こうした動きも出てくるのかもしれません。
米国ではマクロ指標の悪化が鮮明になっています。バーナンキFRB議長は半年先を見て金利政策の手を打つ、としていますが、米国の政策金利の利下げが世界にインフレ圧力をばら撒いていることは確実です。モノラインの格付け維持で小康を保ったようにも見えますが、一向に下がらない住宅金利、上昇を続けるCDS、これらを検証して対策の手をとらないと、利下げが悪影響となる可能性も捨てきれないのでしょう。仮に市場がFRBの失政を織り込み始めたのなら、今回の動きは非常に厄介なことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(8)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 経済

2008年02月27日

平成版前川レポートについて

今からおよそ20年前、当時の日銀総裁・前川氏が取りまとめた前川レポート、この平成版とも呼べる経済政策の柱となるべき、レポートの取りまとめが俄かに活発化しています。無策とされる福田内閣の経済政策において、サミットまでに日本の経済姿勢を示すためのレポートとするべく、専門調査会が内閣府の下に設置されました。

\こε分業と資金循環の変化における日本経済の潜在的リスク、企業と家計の循環と成果配分、成長と格差の歪の見直し、だこΨ从僂涼罎瞭本経済の役割。以上の点を「構造変化と日本経済」専門調査会において今後数ヶ月かけて、検討されることになります。
前川レポートは当時、プラザ合意後の円高局面と貿易黒字による日本バッシングをかわすため、市場開放と内需拡大を国際公約とするものでした。しかし内需の活性化を目指して低金利に抑えたことがバブルを生み、後に全否定に近い形で見直しを迫られたものです。その結果、日本が未だに外需主導、円高に怯える傾向は続いてしまっています。

当時と今は似て非なる状況です。当時は内需拡大を目指して財政出動を行い、公共工事に巨額の資金をつぎ込みました。それが出来る財政的余裕と、人口が増えていく社会構造、それが豊かな国をイメージさせ、世界からも日の昇る国と称されました。しかし今は異なります。
国が甘い推計値で将来見通しをたて、無駄の削減に務めることなく来た結果、財政は逼迫して増税が囁かれています。人口減少社会と低成長、それがこの国を取り巻く環境です。地位の低下は国会での大田経財担当相の演説でも示されましたが、日本の立ち位置は20年前と随分変わりました。

日本が目指すべきは、財政出動が難しくなった今は開発型ではなく発展型の社会でしょう。今あるモノを効率よく、生産性を上げていく。大きな成果ではなくとも、全体を底上げして成長力を確保し、その間に財政規律を健全化し、次の時代を目指すしかありません。
日本ではすぐに公共工事や道路建設など、開発型の財政誘導、経済効果を望みます。しかしそれが通用する社会でないことは明らかです。,離螢好、◆↓の構造に対する懸念、い寮こΔ箸隆悗錣蝓△匹譴魴腓い討眛本は再び10年を失います。そのことを考えて、しっかりと議論していただきたいと思います。単なる見栄えや、体裁にこだわっていると、前回の前川レポートのように再び経済政策の舵が壊れた状態になるのですからね。

analyst_zaiya777 at 22:58|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2008年02月26日

新銀行東京の400億円増資について

新銀行東京の問題で、東京都議会が揺れています。都が1000億円を投資して平成16年に設立されたこの銀行は、当初から中小企業に対する貸し渋り、貸し剥がし対策の位置付けもあったため緩い条件で貸付が行われ、今に至って不良債権比率が10%を超えるなど、5%以下で健全といわれる現状では経営危機に陥っていると言えます。その結果、400億円の追加出資案を提出、また人員の削減や規模の縮小を打ち出しています。

当時の竹中政策で、金融機関は極端に不良債権を抱え込むことを恐れ、急速に中小企業への融資状況を萎ませました。中小企業は資金繰りが悪化して倒産件数が急増、その状況を打開するための手立てを講じたその理念は正しいと思います。しかしビジネスモデルは破綻しており、今回の増資は壊れた桶に水を注ぎ入れるようなものです。
このビジネスモデルが成立する条件は幾つかあります。例えばインフレとなり、倒産リスクが減少すれば甘い条件で融資を進めても不良債権化する確率は低くなります。またニッチでビジネスモデルを構築することです。米国で盛んなベンチャー投資、日本では数少ないこうした融資に積極的に取り組むことが上げられます。それ以外でも、経営危機に陥った中小企業には積極的に経営介入し、時に取引先と価格交渉をするぐらいの気概も必要なのかもしれません。

第3セクターのように、行政の事情を経営に組み込むと往々にして失敗が増えます。投資額に見合った融資枠を設定したり、新規事業への取り組みを制限したり、自由度のない、縛りのある経営では最初から機動性を失っています。これは抜本的にビジネスモデルを見直すか、廃止するしかない事業だと考えます。そうでなければ、都が抱える損失を膨らませるだけになるでしょう。
石原氏の説明も具体性を欠き、かつ健全化の道も見えません。自分が始めた事業だから、政治責任を迫られそうだから、そのような理屈では都民の方を向いていないといえるでしょう。必要なことは継続なら抜本的対策を示すこと、廃止なら速やかに引き継ぎ機関を立ち上げて処理をすることです。どちらでもなく、増資で時間稼ぎをするのなら、今の米国金融機関と同じ、いずれ再び危機が訪れます。

しかも今の日本経済にはスタグフレーション懸念も強まっています。中小企業の経営環境は、より悪化していく可能性も強まっているのです。困っている人を救う、それも行政の仕事の一つですが、銀行業に手を出すのですから金融機関としての最低限の経営スタイルだけは、きちんと示すべきだと考えます。今のままでは、経済状況を鑑みても、新銀行東京の経営環境がより悪化していくことになるのですからね。

analyst_zaiya777 at 22:53|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 地方

2008年02月25日

閣僚が辞職する時とは?

韓国で、イ・ミョンバク大統領が就任しました。実利優先らしく、経済政策を前面に押し出しましたが、まだ具体的な政策は出てきていません。日本との関係でも、民族主義をとったノ政権と異なり、実利を求めるようですから関係改善が期待されます。船出は厳しいようですが、イ政権の動向には注視しておくべきなのでしょうね。

海上自衛隊のイージス艦の事故で、某メディアで行われた与論調査の中で、石破防衛相の辞任について、59%が必要ないという結果が出ました。確かに事故そのものより、その対応において不備や誤魔化しがあったとき、辞任する必要が生じるのであり、すぐに辞任をちらつかせる事は差し控えるべきなのでしょう。閣僚に必要なことは危機管理能力や、所管官庁を統率する指導力であるべきで、事故や事件を辞任のカードにすると有能な人間を排除することにも繋がります。
同じ調査で、福田内閣の支持率が28%に低下していました。早晩20を切る水準まで行くのでしょう。官僚べったりの答弁が目立つ閣僚、危機対応能力の無さ、いい加減な答弁。どれも不人気が確実な要素であり、未だに改める気配がないのですから、これは仕方ありません。

昨今公務員制度改革の議論もありますが、例えば閣僚が自己の不祥事で辞任する場合を除き、閣僚が辞任に追い込まれた時、連座で官僚が数人道連れに辞職させられる、ということが慣例化すると、政治家と官僚との間に緊張感も生まれてきます。誤った情報を渡した者、省益を守る答弁書を作成した者、そうした官僚が閣僚とともに辞職に追い込まれることになれば、官僚もいい加減な仕事はできなくなります。
しかも閣僚の辞職は急に起きますので、天下りの準備も難しくなります。更にキャリア官僚を天下りさせていると、人手が足りなくなりますから、従来の天下りも減るはずです。現在のように、省益を優先させた答弁を閣僚にさせていると、不人気となって退任させられる。情報を隠し、捏造して説明していると、閣僚の責任論となって辞職させられる。そうなれば官僚も辞職せざるを得ない、となれば今のようなことも減るでしょう。

閣僚は必ずしも人格者ではありませんから、腹心の官僚を残し、邪魔で有能な人間を排除しようとする可能性もあるので、調査委員会など、個別の組織を国会の下に立ち上げる方法でも良いかもしれません。その時は民間から、人員を採用すると良いでしょう。
現状の国会のあり方は異常です。数値根拠すら曖昧なままで計画書が策定され、都合の悪い数字は全て隠してしまう。省益を優先するためなら、どんなアクドイ手法を用いても、採決までは突き進む。これでは日本の未来はありません。誰のために国会、行政があるかをもう一度真剣に考え、それに資するような制度構築を目指すべき時にきています。国民はそれを感じているのに、そう考えられないようでは、早晩内閣はレームダック化するのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:02|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2008年02月24日

雑感、北京五輪で日本選手は活躍できるか?

中国産冷凍食品の問題で、イカの天ぷらから有機リン系の農薬が検出されました。一時的にしろ検査が緩和され、これまで流通過程に乗っても何の問題もなかったものの検査が突然厳しくなったのですから、今後もしばらくはこうした動きが出るのは仕方ありません。
そんな中国が北京オリンピックにおける、諸外国の食料品を持ち込ませない、という動きを見せています。これまで特別問題視されなかったこの食料の供給元ですが、今回の五輪では環境とともに、供給される食料品の安全面まで含めて、議論が行われるのかもしれません。あくまで憶測ですが、簡易的な検査装置を持ち込む国があるのかもしれませんし、強引にでも自国の食材を通そうとする国もあるかもしれません。以前は中華料理の化学調味料の大量使用なども話題になりましたが、食の安全性をどう担保するのかは、まだ紆余曲折するのかもしれませんね。

北京オリンピックですが、個人的には日本選手の活躍は難しいのかな、と考えています。これは昨今のメディアが極端にスポーツを商業化してしまっており、世代交代が進み難くなったことがあります。悲劇的な落選であったり、逆に話題性のある新人選手などに群がるメディアの態度が、余計な圧力となって選手たちの活躍にブレーキをかけるのではないかと思われます。
これまでは活躍し、トップになれば有名になれるというのが、プロスポーツのない競技の選手の立場でした。しかしスポーツの世界は世代交代が頻繁に行われるのが通常であり、そうしたものが緊張を生み、良い意味での活性化が進みます。しかし最近では、これまで活躍した選手がメディアに登場する機会が増え、注目が集まるのはそうした見かける機会の多い選手であり、感情移入し易いのが現状です。

昨今、これまでメジャー扱いされていなかったスポーツが、メディアに取り上げられることも多くなりました。しかし選手をバラエティに登場させたり、インタビューに時間を割いたり、少々過剰な面も否めないところです。そうした行動がスポーツをダメにするとまでは言いませんが、正しい楽しみ方を理解していないと感じるのは、寂しいことでもあります。
新たに活躍する若手選手を『王子』と呼ぶこともそうですが、メディアが煽って実力以上の期待を国民に与えるのも、ある意味スポーツを演出しているようにも見えてしまいます。筋書きがないからこそスポーツは面白いものだと考えます。変な演出が目立つ、今のスポーツの注目のされ方は見直すべきと考えています。

analyst_zaiya777 at 23:12|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | メディア

2008年02月23日

経済の話。日本の証券市場について考える

政府が発表した2月の月例経済報告で、基調判断を「一部に弱さが見られるものの回復」から「このところ回復が緩やか」に改めて、下方修正しました。10-12月期GDPは堅調だったものの、足元1月の経済指標には弱さも目立ち、下方修正せざるを得なくなってきたということでしょう。

日本市場を考える前に、米国でモノライン救済案が伝わってきました。ただしこれは2月前半から協議されていたことであり、まだ合意するかどうかは疑わしい部分があります。むしろ米国は重要な分岐点に差し掛かっており、持ち合いを上放れるか下放れるかで市場にかかる圧力が変わるので、意図的に情報を流した可能性は捨て切れません。引け間際の200ドル急騰は、下放れを嫌った力が働いたと見て良いのでしょう。
少し整理すると、モノライン大手のうちMBIAは25億$の増資を受け、今回伝わるAMBACは30億$の救済案、FGICは増資計画を進めている途中です。健全な地方債などと不良債権化しそうな証券化商品の分割案もありますが、このモノラインの格下げは日本の金融機関にも直撃する問題ですから、救済案の取りまとめの行方は重要となります。

日本市場はもち合いの動きが強まりました。1月の急落から市場は落ち着き、中国やロシアの政府系ファンドの投資話、また自社株買いなどの企業側の動き、年金基金の資金流入などをこなしつつ、上値は重く下値を抜く材料もないという形です。徐々に煮詰まり感も出てきており、次の材料には反応し易くなることが考えられます。ただモノライン救済案は、感応性は高くても上値追いの材料にはなり難い点もあり、これだけで日本市場の上昇を描くことも難しいのでしょう。
更に難しいのは、好材料も結構並んでいますが、市場が上昇しない理由の一つに、マインドが悪化していることが上げられます。先進国で一斉に引き下げられた今年の経済見通し、その低成長が企業業績を悪化させる懸念は尽きず、株式は買えなくなっているのです。

今後の市場予測は、モノライン救済報道で一旦上値を取りにいっても、レンジを抜けることは難しいでしょう。米国では金融機関が痛んでから数ヶ月が経過しており、そろそろ製造業により大きな影響が出始めています。米国の景気刺激策は5月以降に発行されるので、そこまではどうしても下値を取りに行く可能性が高くなると見ています。もう一度12000円台に突入してもおかしくはないのでしょうね。
1月の貿易統計を見ても、欧州とアジアが堅調で指数を支えましたが、米国向け輸出が17%以上のマイナスと、大幅な悪化を示しています。米国経済の悪化が、時間差をもって世界に拡散していくことを考えれば、今後の輸出動向には注意が必要でしょう。日本市場は「歴史的な安さだ」という話も聞きますが、世界的に今はこれまでの経済学からは「在り得ない事」が起こっているのであり、従来の常識に捉われた発想は危険なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2008年02月22日

国の無駄遣いについて考える

イージス艦あたごの漁船衝突事故では、情報伝達の不手際から吉川海幕長の更迭が囁かれています。当然、最終的な責任は誰かがとらねばなりませんが、この時期議論すべきかは疑問も残るところです。私も以前、危機対応をした際に感じたことは、情報の錯綜と混乱です。しかし逆に、そうした際のギリギリの対応が個々の能力であり、評価するには重要だともいえるでしょう。

同じ頃、トヨタの高級車クラウンが発表されました。当たり前となったクルーズコントロールなど、先端技術が満載されていますが、運転者の目蓋の動きを察知し、警報を鳴らす装置まであります。最新鋭といわれるイージス艦、その装備に漁船を発見して警報を鳴らす装置がない、回避する手法がないなど、むしろ価格に見合った装備かどうか、疑わしい部分もあります。
汎用機と専用機の違いもありますが、仕様として自動操縦があるなら、衝突回避機能も搭載するべきなのでしょう。コンピュータに任せる範囲、人が出来る範囲、もう一度国が発注するあらゆるものを精査し、検討する必要を感じます。時代に取り残された古臭い機器、そうしたものに高い値段を払っていては、無駄遣いは一向に減らないのですからね。

無駄遣いという点で、現在道路特定財源の議論が行われていますが、一人の首長が地方に配分される予算のうち、4割が新規の道路建設で残りは道路の維持・管理費に使われている、と述べていました。しかし新規の道路を造り続ければ維持・管理費は益々増える、という点には触れませんでした。
受益者負担が言われますが、一つに、地方の人間は多くを負担しているのに道路が少ない、という意見もあります。しかし重量税などまでを含めて全体のパイとして考えると、人口の偏りから地方の納税額は都会と較べて少なくなりますので、個々の負担と道路配分は必ずしも一致しないのが現状です。これは税配分を個人の負担分のみで考えることが出来ない、重要な問題でもあります。

そして更なる問題は、上記が示唆するように、人口減少社会において車の使用者が減ると、受益者による負担だけでは維持・管理費が賄えず、いずれ一般財源から税金を投入しなければ道路を維持できなくなる、そうした可能性もあるということです。その時は国の大動脈、運送に資するものだから税金を払う国民全ての受益者負担、とでも国は言うのでしょうか?
建設費が高騰すればするほど、道路が厳しい場所にあればあるほど、維持・管理費は増えます。そしてその費用でまた天下り団体は潤っていきます。これだけの無駄はないのですけどね。

analyst_zaiya777 at 23:02|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2008年02月21日

商品市況の高騰とFRBの政策

日本の景気を考える上でも重要な米国景気。その行方を左右するFRBの1月FOMC議事録が発表されました。2008年の米国のGDP見通しを0.5%引き下げ1.3〜2.0へ、コアインフレを0.3%引き上げ2.0%〜2.2%へ、それぞれ見直しました。これは成長鈍化とインフレ容認姿勢を示したことになり、3月のFOMCで利下げ余地を確保した形となります。
しかし1月の消費者物価が0.4%上昇し、インフレ圧力が高まっているため、債券市場では売りが出て2年もの国債は2%台を回復しています。一時1%台まで低下していましたから、インフレが進行して素直に利下げできる環境ではなくなっている、ということが意識されているようです。

それをもたらすものが原油100$(WTI)突破、そして商品市況の高騰です。日本では鉄鋼大手が08年度の鉄鋼調達価格を年度比65%の上昇で妥結していますが、一時景気後退を織り込み、下落していた価格が再び上昇してきていることが分かります。世界で何が起こっているのかといえば、それはマネー・デカップリングの状況だと見ています。
日本ではゼロ金利、量的緩和を行いましたが、国内信用市場は改善されず、金融機関に溜まった資金は海外の運用へと回りました。米国でも利下げを継続していますが、CDSは一向に改善されておらず、更なる利下げが望まれていますが、仮に利下げをしても効果は出難くなっています。そしてFRBは市場に資金をつぎ込みましたから、マネーのボリュームだけは景気に逆行する形で、そのボリュームを増やしています。景気と資金量との非連動性、これがマネー・デカップリングです。

そのマネーは日本の時と同様、世界で駆け巡りますから、それが商品市場に流れています。商品市況が高騰するので、世界は景気先行きを楽観している、という理論はこのマネー・デカップリングで反論が可能です。すでに実需以上の価格になっており、後はマネーの都合、マネーを操る人間の意識により価格は右往左往します。OPECの減産観測でもそうですが、仮需でもそれが消費にどの程度影響するのかではなく、減産という言葉だけに反応しています。
これは確実に米国発の世界インフレ圧力です。米国が利下げするほど、市場に資金をつぎ込むほど、景気と商品市況が非連動していく状態となり、インフレ圧力が高まります。世界がドル建てで商品を取引する限り、このインフレ圧力は世界へと広がっていくでしょう。

最後に話は変わりますが、東京都が新銀行東京に400億円追加出資する案があります。1年間で不良債権比率が2%から10%に跳ね上がっており、いつ再建団体入りしてもおかしくありませんでした。金融機関から不良債権化しそうな案件を押し付けられ、かつそれを受け入れてしまった経営ノウハウのなさは、致命的ともいえるものです。
経営スキームを構築して再建の具体化策も出ないうちに、都が増資を決めたことで、各機関からの支援策を断られて危機に陥っていることが明白となりました。中小企業支援という理念が正しくても、手法が間違えば全てを水方に帰します。人員や融資残高を4分の1にするだけでは、東京都の負債として降りかかることになるだけなのですけれどね。

analyst_zaiya777 at 23:05|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2008年02月20日

福田内閣の支持率低下

海上自衛隊のイージス艦「あたご」が漁船と衝突しましたが、大抵こうした事件が起きると、初期に政府から発表される内容は首を傾げたくなる内容ばかりです。石破防衛相に伝達されるまで1時間以上を要したように、防衛省という組織が防衛機能を発揮し、外への情報を制限してしまいます。これは如何なる事件、事故でも同様であり、官僚の悪しき体質でもあります。
組織の中に組み込まれ、一つのミスが責任をとる立場にいる人間の出処進退に直接響きますから、自己防衛が優先されるのでしょうね。被害者の家族の不満、国民の不安も募りますが、情報伝達の不備の他に、組織のあり方をもう一度見つめ直す必要もあるのかもしれませんね。

福田政権に対する世論調査が、週末の幾つかのメディアで行われました。支持より不支持の方がかなり高くなり、危険水域間近の政権運営となっています。昨年のテロ特措法でも、当初テロとの戦いを支持する方が高いものでしたが、政府の国会承認を経ないでも良いとする内容への説明不足と、転用問題にも不明瞭な回答のままで、最終的には同率程度まで拮抗する事態となりました。
現状でも経済政策は無策であり、道路特定財源の問題では「必要な」道路の定義も定かでなく、1400kmという数値根拠すら疑われる政府の説明は、国民に不信感すら抱かせるものとなっています。しかも租税特別措置法を一体化させ、3月期末で採決されない場合には野党に責任を押し付ける与党の算段でしたが、国民の間には租税特別措置法の採決を急がせる意志もないようです。これも政府の説明不足で、国民が結論を急ぐ必要がない、と考えている証拠でしょう。

福田カラーが出ていない、とする人もいますが、福田カラーとして国民が感じているのは『日和見』です。年金問題、肝炎問題、いい加減な答弁と対応で、どちらも最終的に見直しを迫られました。カラーとは、何も組閣や政策で打ち出さなくても、イメージの発信力ですから、行動やその発言に全て現れていると云っても良いでしょう。
特に、不支持の理由の中に政治姿勢や首相の人柄があげられており、政権としては深刻といえるでしょう。しかし以前も指摘しましたが、福田政権は官僚や守旧派政治家の上に乗ったものであり、政策転換も難しいのでしょうし、道路特定財源の議論次第では、早晩危険水域入りも間違いのないことなのでしょう。経済の面から見ても、その方が良いとする部分があり、世論の福田離れは今後も益々進んでいくのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2008年02月19日

中国製食品でまたメタミドホス

中国産食品の問題で、昨日はサバから有機リン系殺虫剤ジクロルボスが0.14ppm確認され、今日になり肉まんから有機リン系殺虫剤メタミドホス0.22〜0.64ppmが確認されました。これらはギョーザで問題となった天洋食品製ではなく、中国産品の安全性が改めて問われるような、大きな問題に発展しそうな気配です。
個人的な見解ですが、恒常的に食料品を扱う工場では、ネズミの大量発生などの問題があると見ています。駆除のために強い殺虫剤を工場内に撒き、洗浄などが十分でないため、一部に残留したものが食品に混入する形になっているのではないか?仮にそうであると、殺虫剤だけではなく衛生面での問題も発生することになります。

日中間では加工食品の輸入を簡素化していますが、今後は抜き取り検査などを厳格化する必要があります。定期的な工場検査、農薬だけではなく雑菌などの混入状況、それらを定期的にチェックするシステムを作らない限り、中国製品の不買運動などにまで広がっていくでしょう。
そして現在、次々に苦情が上がるようになったのは、多少の違和感があっても受け入れていたこれまでの状況と異なり、異常を感じるとすぐに苦情が上がるようになった、と考えることが出来ます。そうなると、中国製品に違和感があると、鋭敏になった味覚が今後も次々と異常を訴えることになります。一部は意識し過ぎ、という面もあるのでしょうが、持ち込まれる商品の検査などに多大なコストがかかることにもなり、それが安価だった中国製品の高コスト化に繋がるのでしょう

中国の1月消費者物価指数が7.1%とインフレも進んでいますが、人件費高騰がすでに業績に影響する段階に来ており、中国では低価格を維持するために、企業マインドを低下させる傾向にもあるようです。コスト削減の影響が安全性の低下では、事が食品だけに不安も募るものです。
そんな中、若林農水相が「サバは嫌」などと悠長に述べています。この段階に来ているのですから、政府は危機管理対策としてチームを編成し、数年をかけて中国工場の実態を把握し、安全対策に努めるべきです。問題は一つの工場に留まらず、全中国製品に及ぶ段階であり、単に個人の恨みや犯罪とは言い切れないところに来ているのですから。

そして小麦が4月から30%値上げになります。元々は国が外国から買い、高価格で卸していたものですが、輸入価格が上昇して転嫁せざるを得なくなったのです。インフレ圧力が高まるこの時期、小麦のみ税金で低価格に抑えることは好ましくありませんが、それでも段階的にしろ上昇を続けては、経済全体に影響する問題となります。食は国家運営に関わる重要な問題です。全体として歪みを見直し、安全に、継続した供給ができるよう政府は考えて欲しいと思いますね。

analyst_zaiya777 at 22:50|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治

2008年02月18日

経済の話。市場動向について

米国のモノライン保証大手、FGICが6段階の格下げを受け、州当局では対策が検討されています。しかし地方債などの優良債券と、サブプライムを含む不良化しそうな証券化商品とわけ、地方債を含む部分を救済しようという案が浮上していますが、これでは経済混乱が拡大し、結果的にモノライン保証会社を破綻に導くものとなります。
その例として、先週ARS(オークション証券)で、港湾公社の発行する調達金利がこれまでの4%から20%に跳ね上がりました。安定化した収益が見込める港湾公社でさえ、資金調達コストが高くなっている。つまり今の米国では、モノライン保証大手の格下げ懸念に始まる資金調達難が深刻化しているのです。これを見過ごし、地方債のみ保証を高くするような州当局の対応では、米国は益々混乱するのでしょう。
更に象徴的な動きが、英国の中堅銀行ノーザンロックの国有化です。公的資金(5兆円強)が注入され、ヴァージングループとの買収交渉も進んでいましたが、交渉が長期化して経営が混乱することを恐れ、一時的に国有化することで安定させる狙いです。取り付け騒ぎも起きていましたが、サブプライム問題で経営が悪化した企業で国有化第一号が出てしまいました。

そんな中で日本市場は上昇しています。が、その上昇分には45日ルールを狙った売り方の買いとも言われています。まずヘッジファンドの解約までに45日かかる、この45日ルールは今回の下落トレンド入りしてから意識されるようになりました。3月期末に現金化したければ2月15日までに解約を迫られ、先週は売りが嵩むのではないか、とする理屈ですが、通常そんなに焦って解約する人間はいません。
市場が混乱していれば別ですが、2月は比較的世界の市場は落ち着いており、ポートフォリオの組み換えが進む可能性は少なかったといえます。一部にソシエテの買収報道などもあり、金融市場には予断を許さないところもありますが、日本の3月期末の発想は世界では少数派でしかなく、今年のポートフォリオを組んだばかりで解約するような金融機関は少ないといえたのです。

今日の日本市場は、前場に買い上げたものの上値の重さを意識し、後場急落しています。この辺りも、材料もないマインド改善を手掛かりにしただけの買い上げですから、元々弱いものでもありました。米国や世界の動向次第で買い方の売りも嵩むのでしょうから、14000円の手前にある抵抗ラインを抜くには、未だに材料不足でもあるのでしょう。
コソボ独立の動き、ベネズエラの原油供給停止、これらの動きは今後の影響も含め、どう出てくるのかまだ分かりません。アフガニスタンのテロ、パキスタン情勢、世界は混乱の火種が多くなってきています。安心して投資できる環境が整うには、もう少し時間がかかってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:02|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2008年02月17日

橋下大阪府知事の発言について

最近、橋下大阪府知事をメディアが取り上げることが多くなっています。これは東国原宮崎県知事がパフォーマンスで一躍、メディアの扱いが大きくなったことと同様、良くも悪くもワイドショー化してしまう今の日本の風潮です。

ただ橋下氏の発言には、少々危険な面もあります。それは選挙時の公約、宣言を翻す時に「全てを見て公約を作ることなんて出来ませんよ」と、自分を正当化してしまっていることです。当然、新たに立候補する人間には情報が少なく、公約の達成を困難にすることがままあります。
ただ有権者は公約を信じて投票したのですから、その撤回には説明が必要です。知事になって立場が変わったから出来ません。よく調べたら出来ませんでした。では、これまでの政治家と同じ言い逃れになってしまいます。それが出来ない理由とその対策、それを有権者に説明して理解を得るという作業が必要になってくるのでしょう。

ハコモノ行政や無駄な施設を削るという案でも、それに付属して人がおり、その人の背後には生活があることぐらい、初めからわかっていたことです。今から見直すということですが、段階的削減とするのか、その整理縮小には相当の痛みと混乱を伴いますから、緩衝的措置が必要なのでしょう。
なぜこうした苦言を呈したのかといえば、今日の某番組内で「メディアは切り取って報道するから真意が伝わっていない」と本人が述べていたことです。これは有権者とて同様、街頭演説でも耳に残るのは印象的フレーズのみです。府債ゼロでも、府立施設の売却・民営化でもそうですが、「全体を聞いてくれればそんなことは言っていない」という理屈で撤回していまうと、有権者は騙されたと感じてしまうのですね。

今は世論がついているので府庁内の不満も抑えられていますが、世論を敵に回せばそれも効かなくなります。そうならないためにも、感情的に自らを正当化する弁護士的な回答は極力控えるべきであり、そうでないとメディアが橋下府政に批判的となり、それに誘導されて、世論という最大の支持母体を失うことにもなりかねないのです。
頭の良い官僚は自らの利権を守るために、嘘や都合の良い数字を並べ立てて、トップを丸め込もうとします。それに抵抗するために、出来そうもない看板、公約を先に掲げて、それにまい進するというやり方が有効な場合もあります。それが力を持ち続けるためにも、官僚が従わざるを得ないような、世論の後押しも必要だということです。それを引き出すためにも、声高に自らを正当化するのではなく、説明を繰り返して有権者を説得していく姿勢が、トップには求められるのだと思いますね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2008年02月16日

日米関係について考える

新世代DVD規格争いが、どうやらブルーレイディスク側の勝利で落ち着きそうです。青色レーザーを用いる新世代DVDでは、赤色レーザーを使う従来型のDVDの書き込み層である0.6mmに書き込むHD-DVDと、0.1mm層に書き込むブルーレイとの対立でした。ハード面では従来型の踏襲を嫌う企業がブルーレイに集まり、ソフト面でも容量の大きなブルーレイが優位に立つなど、最初からHD-DVD陣営には不利な展開でした。
ここまで戦ったことは立派ですが、トップの経営判断として、撤退時期を誤り巨額投資をした結果、損失を拡大させたことには疑問も生じます。以前のVHSとベータの争いのときも、特許を抱え込んだ側の企業が敗退しましたが、今回も特許をめぐって問題がこじれました。特許料収入は甘い蜜ですが、だからこそ独占は嫌われるということなのでしょうね。

米国大統領選は、ほぼ共和党・マケイン氏、民主党・オバマ氏で決まりそうです。民主党はまだ接戦ですが、後半に勢いが出てきたオバマ氏有利の状況であり、クリントン氏はジリ貧です。特にマケイン氏と対する場合、クリントン氏では接戦になることが予想され、その点でも特別代議員を取り込み易い面があるのでしょう。資金力も上回り、熱狂がオバマ氏を後押ししそうです。
分かる範囲で、両候補の日本に対する態度は、マケイン氏が日本を機軸とした東アジア政策を模索していること。一方でオバマ氏は東アジアを一体として、対策、対応を考えているようです。クリントン氏は中国を中心とした考えを主張していましたが、これは対中貿易赤字が拡大する中、政策の中心に中国を据えなければならない、というものであり、そうなれば日本は難しい対応を迫られたのかもしれません。

しかしオバマ氏の場合、ブレーン次第では対日政策がどう転換するのか、分からない面もあります。現状、日本が槍玉に上がる要素は少ないですが、無視されても苦しい立場になります。米国が中国との関係を深化させれば、必然的に日本はぞんざいに扱われることになるのでしょう。
日本が価値を示すためには、今回のように米国がサブプライム問題で苦しむ時に、存在価値を高めることでしょう。経済的な側面で窮地の米国を支援する、これだけ明確に相手に価値を認めさせる手はありません。モノライン救済基金設立に日本が積極的に動くか、現状設立を検討している日本版SWFなどを、そうした方面で活用しても良いのかもしれません。
米軍人の少女暴行事件でも、すぐに日米同盟に影響する、といって議論を封殺しようとするものがありますが、平和な生活を脅かされる同盟関係では意味がありません。日本が米国に認められるようになるには、経済、外交などで存在価値を高めることが重要であり、決して地位協定を守り、頭を下げて米軍を駐留してもらうことではないのです。日本に何ができるか、真剣に考えるべき時なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:01|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2008年02月15日

福田内閣下で人権擁護法案の議論が活発化

福田内閣の無責任な態度が目立つようになっています。年金問題では、宙に浮いた5000万件のうち、判明した件数が極めて少なく、このままでは社会保険庁が解体する段階で、記録が浮いたまま引き継がれることになっていしまいます。すでに判明した統合不可能のものも含め、公約なのか?ととぼけた福田氏の答弁とともに、解決の道のりは遠いものとなっています。
道路特定財源では、「問題のあるものはやめます」と冬柴国交相が述べるたび、やめて浮いた分が一般財源化されるのか?そうした税率を下げる方向にならないことに、違和感があります。『必要な』定義すら定かでなく、続々と明らかになる無駄にも、責任を取る人間はいません。「やめる」と言って早々に議論を封殺し、早く法案を通したいというだけの態度に見えます。
そして鳩山法相の『冤罪』発言です。広辞苑で調べても良いのですが、法務省の「冤罪を矮小化した意味に限定しよう」という意図のまま、意味も分からず発言をする人間に、官僚をまとめる大臣の地位は相応しくありません。被害者の方の気持ちを最初から酌むべきでしょう。

福田内閣は早晩、総辞職に至るものと考えていますが、そのトリガーになりそうなのが人権擁護法案です。まず私はこの法案に反対です。極論をすれば、人が生存する限り権利が発生します。人間は権利と権利をぶつけ合い、公共の福祉という言葉で協調を模索しています。
この法案が通れば、殊更に人権を強調する団体、人物のみが利得をえる構図が鮮明となります。それがどこかといえば政治家、官僚、弁護士、その他でも悪巧みをする者たちです。主張をする人間ばかりが優遇され、本来擁護されるべき弱者や一般大衆はサイレントマジョリティとして、切歯扼腕することになるのでしょう。そして一度握った権利を手放すことを抑圧だ、横暴だとして大きく騒ぎ立てる。これまでも繰り返されたその愚を、再び繰り返すことが明らかです。

自民党四役のうち、伊吹氏を除く三者がこの法案に賛成だそうです。ということは、福田内閣は人権擁護法案を俎上に乗せざるをえず、それが以前から反対の多い世論との間に乖離を生み、支持を益々減らすことになるでしょう。党内での支持基盤を固めるのであれば世論を敵にする。ジレンマですが、人権擁護法案反対論者は反福田ばかりであり、そうせざるを得ないのが現状です。
権利を声高に叫ぶ人間のいかがわしさが取り上げられることも多くなっています。日本人の美徳は寡黙で、隠忍することでしたが、今はそういう人間が損をする時代になりました。じっと耐えて頑張っている人間が将来に報われるような、そんな社会にするような議論を深めていって欲しい、そう思いますね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2008年02月14日

10-12月期実質GDP速報値が年率3.7%

今日、日本の10-12月期GDP速報値が発表されました。実質で前期比0.9%、年率3.7%成長を達成するという、事前予想を上回る数値であり、これを好感して日本市場は上昇しています。しかしこの数値には違和感も多く、この数値について少し考えてみたいと思います。

改正建築基準法の影響で住宅投資は9.1%減、公共投資は0.7%減ですが、一方で設備投資が2.9%、輸出が2.9%、個人消費が0.2%の増となり、今回の数値を支えました。まず個人消費については、賃金が伸びない中でも物価上昇は続き、ガソリン、灯油などの必需品の値上がりが激しいため、若干の伸びがあってもこれは消費の回復を反映しないものとなっています。
輸出に関しては、北米に依存しない形が増えているとはいえ、10、11月の米国の消費は堅調であり、これが寄与したとも考えられます。昨晩、米国の1月小売売上高も発表され、0.3%増となりました。エネルギーを除くと低い数字になりますが、12月に低下した消費も底堅く推移しています。

設備投資に関しては、10月に高い伸びを示していますが、財界から自社株買いなど景気対策の号令もあった時期であり、それと重なった可能性はあります。ただ工場建設が改正建築基準法の影響で停滞しており、前倒ししたとすると、後に大幅な下方修正が必須なのかもしれません。
これは速報値であり、確定値では2%を切る水準まで低下するのかもしれません。本来数字を積み上げたものがGDPですので、大きなブレは出ないはずですが、前期のGDPも低めに改定されており、今回も信用できる数字ではないのでしょう。操作したとまでは言いませんが、確定値が出るまで懐疑的に見ておいた方が良いのかもしれません。

一部で、今回の減速局面では在庫の積み上がりがないことを指して、景気は底堅いとする論調があります。しかし多くがトヨタのカンバン方式などの在庫管理手法を取り入れた結果、在庫がないまま生産調整が進むことも多くなり、在庫自体が問題とはなり難い環境となりました。
3Qの企業業績にも急ブレーキがかかり、設備投資にも暗雲が漂います。外需とて、米国経済の行方次第では急減速となるでしょう。今1-3月期の予測でも、住宅投資が5.5%増と反動増を見込む中で、実質が0.1%成長しか見込んでいません。つまり住宅投資が反転しなければ、マイナスに転落する予測です。現在、日本経済の先行きが不透明であることは確実であり、福田氏が「GDP、良かったんじゃない?」などと述べている場合では、とっくにないのですけれどね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2008年02月13日

経済の話。金融市場の動きについて

米国で著名投資家バフェット氏による、モノライン保証会社が保証する2兆4000億$のうち、その3分の1に当たる地方債の8000億$を再保証する内容が発表されました。救済と報道されていますが、内容から見ると全く逆、これはモノライン保証会社を破綻に導きかねないものです。
公債はモノライン保証会社の中でもジャンク債になり難いものであり、安定した収益を見込めるものです。今回、モノラインで危険水域にあるのは証券化商品、社債にあたるものであり、仮に今回の提案を受け入れてしまうと、公債との間に保証の有無という歴然とした差が生じることになります。それが更に証券化商品の値付けを悪くし、ジャンク債が増えれば経営を圧迫します。
提案のあった3社のうち、ロス氏と資本増強計画を進めている1社はすでに拒否の姿勢を示していますが、他の2社は態度を保留しています。今回の提案は資本増強に寄与するものでもなく、監督責任のある州当局も受け入れには難色を示すでしょう。バフェット氏に地方債の保証で得られる収益を掠め取られる訳にはいかず、また社債発行が困難となって企業倒産のリスクが高まるような今回の提案、絶対に受けてはいけないと考えています。

日本では丸八証券の幹部が逮捕されました。新規上場企業の株価が高値になるよう、相場操縦をした疑いです。二年ほど前、当時は新規上場企業の株価は上昇して当たり前の空気がある中、主幹事を務めた某証券会社の公募価格を初値が下回ったことがあります。
その後、某証券会社は主幹事となることなく、高額の手数料収入が入らなくなりました。そうした過去の事例を踏襲したくなかった、というのが今回の丸八証券の本音でしょう。大なり小なり、相場操縦のような動きは見られますが、当局も今回は見せしめという側面も強いと思われます。

そして、英国系投資ファンド(TCI)による電源開発(Jパワー)の20%超所得の問題があります。外為法に基づく審査では、今日までが審査期限でしたが、異例の60日延長で問題の審査を行って今回の買い増しが妥当かどうかを審議することになります。
これが、電力卸しという公共インフラに関わるもの、公の秩序の維持に関すること、かどうかではなく、私はTCIが経営権を握ることに反対です。それは配当性向の向上などを求める姿勢が、真剣に経営を目指す姿勢とはとても思えないからです。インフラ整備に関わる投資、規模を考慮すれば、単純に配当に回して良いとする論法にはなり難く、短期的な利を求める態度にしか見えません。
外資を全て排除する姿勢は論外ですが、経営を担う意志がない大口投資家が短期利益を求める場合は、濫用的買収者と認めても良いのでしょう。今回のTCIの提案は、日本が今後、外資規制の判断基準をどこに置くのか、それを見極める上でも重要となるものです。早急に結論を出せない経産省もだらしないですが、真剣にこの提案を討議し、結論を出して欲しいと思いますね。

analyst_zaiya777 at 22:53|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 企業

2008年02月12日

道路特定財源の低調な議論について

先週、北畑経産事務次官による、デイトレーダーに対する「バカで浮気で無責任」発言がありました。売買が活発化すれば市場にとっても有益ですし、かつトレードを重ねて収益を上げれば、納税額が増えるのですから、財政にとっても良い効果があるはずです。
日本市場が司法まで巻き込んで外資を排除する姿勢を示す中で、今日は住友重が米半導体製造装置メーカーに買収を仕掛けました。これでは日本バッシング、パッシングも増すことになるでしょう。自分たちが買われるのは嫌でも買うのは良い。経済を知らない人間が事務次官にいることもそうですが、これは根本的な日本の問題点として世界に意識されるのかもしれませんね。

今日も国会では道路特定財源の問題で荒れています。この財源の中にある無駄、予算枠の算出根拠に至るまで、問題点が噴出しているにも関わらず、修正協議の道は閉ざされたままです。一般財源化されるはずの道路予算が、次年度に繰り越されて道路関連に使用される、という抜け道ともども、歳出面の改革が進まないまま来年度予算や租税特別措置法が議論されています。
某知事が「道路が寸断されることがある。セーフティネットのためにも道路は必要」という論を述べていました。しかしこの考えは間違いで、セーフティネットなら出来るだけ異なる方法を用意すべきであり、一つの道路が寸断されるほどの被害になればもう一つの道路も寸断される可能性が高くなります。これはヘリポートなどを地域拠点に建設するなど、空路による輸送、搬送も合わせて考慮すべきであり、それが本来のセーフティネットの考え方です。

更にコンパクトシティ構想もあります。地方都市では地域に分散して暮らす人間、全てにセーフティネットをかけると、非常に効率が悪く歳出に負担をかけます。このため都市部に人口を集中させ、緻密なセーフティネットを達成しようという地方の動きもあります。
平時は数人、数十人しか利用しない道路を数十億かけて建設するのか?これはセーフティネットと対極の考えですが、そうした視点も本来の地方行政には必要なものです。安全と費用対効果、どちらもバランスを欠けば住民の生活に重大な支障をきたすことになるでしょう。

税制で燃料消費を抑えるのは世界のコンセンサス、という論調は本当の環境対策費に道路特定財源を使うようになってから、用いるべきものです。最近の与党の主張には、上辺だけ体裁を繕おうとして結局浅薄さを露呈するものが目立ちます。この程度の議論で、時間切れを盾に採決を迫ることがないよう、真剣に論戦に挑んで欲しいと感じますね。

analyst_zaiya777 at 22:55|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2008年02月11日

日銀総裁、後任人事について

岩国市長選で移転賛成派の市長が当選し、これで厚木基地からの米軍移転が現実味を帯びて議論されることになります。しかし米軍は自国では行わないタッチ&ゴーを、基地と住宅街が近いこの日本では夜間に訓練として行います。単純に受け入れてしまうと、防音対策や不眠対策、その他でも健康被害などの対策費が増して、市は支出が増えることにもなりかねません。
沖縄で再び事件も起きていますが、綱紀粛正を徹底しようと、米兵の中にも悪いことをする人間はいます。人が交流するのですからどこかで犯罪が起きますが、相手が米軍関係者であると、捜査が難航することに問題があります。今回の岩国市の判断は、様々な点で今後に考えさせられることが多くなるのかもしれませんね。

日銀総裁の後任人事の件で、武藤副総裁を充てる案が度々取り上げられています。今年3月までの福井総裁の退任を控えたものですが、武藤氏は元財務事務次官であったため民主党が抵抗していたものの、今回の経済混乱を受けて経験のある武藤氏を推認し易くもなっています。
福井総裁はITバブル崩壊後、日銀の金融政策の失政を受けて下野していた後に、日銀総裁に推されたものです。では任期5年で何をしたか、それはゼロ金利と量的緩和措置でしょう。これを統括すれば、この二つの政策は日本経済への寄与度が低く、運用益の低い国内では信用市場が引き締まったままであり、中小企業の倒産件数も多く、現在に至っているということになります。また円キャリー取引の活発化など、負の側面も大きく、決して政策面での評価は高くありません。

また村上ファンドとの繋がりなど、経済の番人としての立場にも疑義が生じました。経済を回復させた、との評価もあるのでしょうが、しかし現状を見れば外需依存の高い国内経済の脆弱性が顕著であり、決して内需、国内経済が好調ということではありませんでした。個人的には、福井総裁の評価は落第に近いものも感じています。
そこで武藤氏はどうか、というと、実はあまり芳しいものは聞きません。機動的な経済対応が可能、との評価も聞きますが、それは超低金利を継続する体のいい評価にも受け取れます。トリシェECB総裁がインフレ警戒を解かない発言をしていますが、何を主眼に経済をコントロールするのか、後任の方はその姿勢を示すべきなのでしょう。

G7が無策であるのは、インフレに対する姿勢の違いという面もあります。社会が変化し、資源・穀物が高騰する中で、その軸足の置き方次第では経済の低迷が長引く可能性もありますし、インフレを加速させて混乱が増大する可能性もあります。今、世界各国で必要な協調とは、グローバル経済下に対応できる経済理論の構築という側面も強いのでしょう。日銀総裁の後任人事、こうした視点で選ぶことも必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2008年02月10日

福田内閣の新組織構想について

中国の冷凍餃子の件で、生協が農薬入り餃子と同じ製造日の二袋を、中国当局者に渡してしまったそうです。一連の件で、安全管理が徹底されていないとして、生協もイメージを落としていますが、捜査当局に許可もなく第三者に証拠物件を渡すなど、これでは状況判断ができていないと見られても仕方ないでしょう。
中国側には何ら捜査権はありません。警察を通して証拠を提出するのであればともかく、仮に重大な証拠がその二袋にあった場合、証拠隠避の罪にすら問われかねないものです。安全管理が徹底されていないとして、統合が白紙に戻ったJTとともに、先の偽装ミンチ事件でもそうですが、生協は今一度足元を見つめ直さないと、安全を売るという建前が崩れるのかもしれませんね。

福田内閣では消費者庁を立ち上げる公算ですが、そのための消費者行政推進担当相の設置が検討されています。福田内閣となり、若者担当相、年金担当相など、幾つかの担当大臣を置く構想であったり、スポーツ庁などの組織を立ち上げ、それぞれ独自の活動をするよう提言するものが目立ちます。霞ヶ関寄りの福田内閣ですから、新組織設立に伴うポスト争奪戦がこの背後にあります。
問題を局所的に捉えることも必要ですが、横断的に見ないと本質を見失う場合も多々あります。閣僚が官僚をコントロールし、組織を統括すべきですが、それが出来ずに問題を拡大させ、その尻拭いをする形で組織を肥大化されては『小さな政府』と逆行します。

問題は、官の側に能力不足があっても責任をとる人間がいないことです。そのため組織の組み替えや、特定担当庁をおくことで、全体の問題点を覆い隠しているのです。昨年から続く建築基準法改正、金商法、食の安全でもそうですが、どれをとっても何が問題で、何を為すべきかを行政が掴んでいないことが鮮明となっています。
省庁再編は一部に縦割り行政を改善することも目的でした。組織を細分化しても、今の体制では再び縦割りが復活するだけに見えます。食の問題や年金問題では、時限で組織を創設し、徹底して膿を出すようなことをしても良いはずです。緊急対策でやるべきことと、長期的な対策として取り組むべきことは、全く異なるはずなのです。その使い分けが出来なければ、単に組織の肥大化に繋がることのほうが多いのです。

族議員を閣僚につければスキャンダルが生じ、利権者でない閣僚では力がなく、官僚に牛耳られる。この国の行政は、リーダーと組織の関係を抜本から見直さないと、立ち行かなくなる恐れがあります。そんな中で新組織を立ち上げることが必要かどうか、もう一度精査するべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 行政改革

2008年02月09日

雑感。若者文化について

G7が閉幕しました。予想通り、具体的な対策については明記せず、米国住宅市場の悪化、金融機関の貸し渋りによる混乱、資源高騰などを波乱要因とし、減速の恐れを指摘する声明を発表しました。ファンダメンタルズが斑模様になっている今、早期の対策も打てないG7では、早晩この会議を開催する意義を失っていくでしょう。
金融機関の情報開示、資本増強による安定化も促していますが、これにも今更の感があります。格付けの妥当性についても、約半年かかってその点を協議しているようでは、経済の責任者としての資質も問われます。一つだけ良い点は、証券化商品と公社債の分離を訴えたことで、昨日私も述べていますが、ここが狂うと金融機関だけの問題ではなく一般企業へと影響が拡大します。こうしたものは問題が長期化すれば、混乱は更に増大して対策も難しくなる、という認識を持って、各国の代表は臨んで欲しいですね。

今日は少し砕けた話をしたいと思います。最近、KYなどのローマ字の頭の部分を繋げ、それで意味を通すことが若者の間で流行っています。これを大人が聞いて、分からないと首を傾げていますが、分からなくて当然です。第三者に分からないように、かつ仲間内で通用する言葉で遊ぶことが主眼なのですから、意味など同じ若者の間でも通じるかどうかが怪しいのです。
これは古代から、また中世でも盛んに行われてきた遊びです。日本ではあまり身近ではありませんが、欧米には結社というものがあります。結社には必ず入社儀礼と、身内だけに通用する合図があります。仲間と認め、その人間たちの間だけで通用するサインを用いて、結束と秘密を交換し合う。それを簡単に、第三者に見抜かれては意味をなくします。

ただこうしたものは拡大すると、それが面白みをなくして廃れます。大人が取り上げ始めたので、一部はメール文化もあり残るのでしょうが、縮小していくことになるのでしょう。第三者に意味を詮索されたり、理解されたりすれば、使い意味を失い存在意義が消滅します。結社でもそうですが、陰に籠もる傾向は解明を恐れることで起こるものです。それが理路整然と区分されれば、もう遊びではなくなってしまうのですからね。
結社といえば、米国ではブッシュ親子の『スカル&ボーンズ』があります。大学生の遊びに近いものですが、欧米ではむしろこうした遊びを楽しむ風潮があります。若者文化が分からないという人は、自分もそうしたものを通り抜けてきた、ということを忘れてしまっているだけなのでしょう。
これは遊びなのですから、首を傾げるのではなく遊びに自ら参加して楽しむぐらいの余裕が必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:49|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2008年02月08日

明日、東京でG7が開幕

明日からG7(主要7カ国財務相・中央銀行総裁会議)が、東京で開かれます。揺れる世界経済に向けてどういった対策・声明が出せるのかに注目が集まりますが、現状では具体的な内容が伝わってきません。昨晩、英国では金利を0.25%利下げを決めましたが、欧州中銀は据え置きを決めました。これを見ても各国協調は難しく、対策の困難さを表しています。
米国では格付け会社が証券化商品を発行する金融機関から、手数料を得ていたことで利益相反関係にあり、その点に問題がなかったのかの点検が入っています。格付け会社にも競争があり、手数料収入を得るために甘い査定を出したのではないか。以前から指摘されていることですが、格付けの妥当性も今回のG7で議論される見込みです。

今回の対策で多くの有識者が公的資金の注入が必要と述べます。また世界で協調することが必要だとも。まず協調利下げは世界にインフレ圧力が強く、各国の事情が異なるので無理です。市場にはダブついた資金があり、利下げをしていくと何処かがバブルと化します。
米国では外国資本が入り易いように、金融商品で多数の品揃えを確保するために、証券化商品の数を増やしてきました。その商品を買っていた機関は、今回の混乱で痛手を受けても、そうではない機関はまだ健在なのです。それがSWFなどですが、痛んだ金融機関を救済するための利下げは、世界に不浄な資金を溢れさせるだけに過ぎないのです。

私は昨夏に、米国政府が買取機関を立ち上げ、ディスカウントで市場から証券化商品を引き取らねばならない、と提言しています。米国でも今年に入り、やっとそうした対策が議論に上るようになりましたが、遅すぎます。多くの証券化商品が紙屑と化した今、買取額、規模は相当程度に膨らんでしまっています。更に、買取によってモノライン保険会社の収益性に影響しますから、破綻懸念も噴出するかもしれません。
現状打てる手は、米国に諸外国からの基金を募って金融保証機構をつくり、期間を限定して企業が発行する債券のみ、保証をつけることでしょう。そうしないと、本当に企業破綻が現実化し、更に米国経済は混乱することになります。すでに金融機関の損失に留まらず、影響が一般企業にまで拡大するところに来ていますから、そこを食い止めねばなりません。

額賀財務相が今回のG7で、日本のバブル崩壊時の体験を講演するそうです。しかし日本は失敗例であり、胸をはって発言できることではありません。今回、単に会議室を貸すだけ、とも揶揄されますが、失敗を生かして対策を打ち出せるようでないと、世界における発言に力もありません。ダボス会議で、財政出動に難色を示した福田氏に苦笑が起こったように、対策があって初めて発信力のある意見となります。そのことを踏まえ、日本もこの会議に臨んで欲しいですね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2008年02月07日

日本の外貨準備が1兆ドル越え目前

衆院で予算審議が始まりました。道路特定財源の問題では、首長や国民がそれを望んでいるから、真に必要な道路なんだという論調で与党は通しています。道路ができることを嫌がる首長や人間はいません。問題は、国政を預かる者が国家の財政健全化を前提にせず、下部組織にある県や市の意見を採択して自分の意見とすることです。
その歳出に見合うだけの価値のある道路は日本で見当たりません。ということは全て国費を無駄に浪費するだけであり、財政を逼迫させる問題となります。国政に携わる者が国民の要求と財政のバランスをとらなければ、誰がとるのでしょう?与党の論調はこの視点が抜け落ちているとしか思えません。10年間も垂れ流される税金、そこには妥当性を評価する機関もありません。こうした法案を通すのなら、与党はもう少しまともな議論が出来るような状態にして、国会での論戦に望むべきなのでしょうね。

日本の外貨準備が9960億5千万$(約106兆円)になったと、財務省から発表されました。日本が稼いだ外貨をそのまま円に戻すと、円高となって輸出には不利ですから、米国債などに変えて日本に保有してきたものが溜まったものです。すでに中国は1兆$を越えており、2位の日本もそれを越えることがほぼ確実視されています。
1月だけで227億$増えていますが、これは米国債の利回りが低下して評価額が増えたことがその一端にはあります。しかし日本は対米貿易黒字であり、円安誘導するにはドルを保有し続けねばならない宿命があります。現状、実効為替レートで見ると円はイーブンであり、円高、円安、どちらにも振れ易い状況にあり、外貨準備を減らす方向には中々いかないところでもあります。

そして一部議員の間に、この外貨準備を政府系投資ファンド(SWF)として運用し、その益を財政健全化に役立てようという動きがあります。私はこれに反対ですが、その理由は今が投資に最適な環境でないこと、また投資に失敗しても外貨準備を取り崩すことができず、一般財源から損失補てんされることが確実だからです。
成長重視論者は、市場に資金をつぎ込み続けることを是とします。拡大し続けることを前提とした経済ですから止まることを許さず、その間は資産が増大すると考えるからです。投資にはどんなものでもリスクがあり、下落を想定する必要があります。今の日本にリスクを議論する下地はなく、またそれに見合うディーラーも育てていません。そんな国は必ず失敗します。

今でも為替介入を要求する人間が多くいます。構造的に日本では円安が好まれるからですが、今後は米国が貿易赤字を手っ取り早く解消したければ、ドル安誘導する可能性もあります。その時、外貨準備を取り崩すこともできず、日本は手を拱いてしまうことも十分に考えられます。外貨準備の積み上がりは、決して良い傾向ではありません。為替面の動きもありますが、徐々にポジションを減らすことも考慮し、対策については考えて欲しいところです。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2008年02月06日

日米証券市場の下落相場について

米国はスーパーチューズデーでしたが、大統領選は共和党マケイン候補が一歩リードしたようです。一方民主党の候補争いは熾烈で、クリントン氏の優位は揺るがないものの、オバマ氏の勢いも増していることから、最後の最後まで何が起こるか興味あるところです。
そんな中で、米国市場はISM非製造業景気指数が41.9%と、景気判断の境目である50を割り、かつモノライン保険会社の格下げ懸念が再燃し、一気に景気後退が意識されることとなりました。ただこれまでマクロ指標で出た失業保険申請件数、雇用統計、いずれも悪い数字であったにも関わらず今回の指標だけで脆くも下げたのは、米国に広がった楽観は脆弱な基盤の上のものだったということです。

1月の米国市場で、全体相場が下落しても良いパフォーマンスを示したのは住宅建設、金融セクターです。これは今が底でこれから景気は上向く、だから過去の指標に悪いものが出ても関係ない、とするものでした。セクターローテーションともいわれますが、売られ過ぎ感を払拭するだけではない上昇がこのセクターに見られたのです。
この楽観論を生み出した背景はFRBの1.25%利下げです。ではこの利下げが景気対策になるか、というと厳しい面もあるのでしょう。住宅ローンは現在でも6%前後で推移しており、借り換えも進んでいません。これは安価な利率の住宅ローンを売り出せば、現在保有している高利回りをうたう住宅ローンを組み込んだ証券化商品の価値を毀損させ、金融機関では更に損失を膨らませてしまいます。

一方で貸し渋りが起こる現状はCDSの上昇が端的に示していますが、これを引き起こす背景はモノライン保険会社の問題と、もう一つはヘッジファンドの撤退があります。保証するだけでマージンがとれる、おいしい市場にヘッジファンドが参入し、それがCDSを低く抑えて、リスクを無視した投資が広く米国では行われてきたのです。
つまり米国では利下げ効果が出難く、かつ構造が拡大型経済にしか対応していないため、一度収縮期に入ると立ち直りのシナリオが描き難いのです。CDSを見る限りでは後数ヶ月もしないうちに、倒産企業は続々と出てくるでしょう。ヘッジファンド規制が後手に回った、これは米国の経済政策の失点とも呼ぶべきものであり、そのツケは大きいと言えるのでしょうね。

日本市場の下落も大きかったですが、週末のSQ前にポジションを落とす事は想定していましたが、買い方筆頭の某米系証券が手仕舞いに陥ったために売りが嵩みました。日本独自で上昇できる材料を持たない限り、米国の混乱に振り回されることは確実ですが、会計基準が変更したとは言え3Qの企業業績も悪く、試練は続いてしまうのでしょう。下落相場を打ち破るだけの材料は、まだしばらく難しいのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:46|PermalinkComments(11)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2008年02月05日

空港整備法改正案について

政府内が揺れている空港整備法改正案。焦点は外資規制をかけ、3分の1以上の保有を外資に認めるのかどうかですが、反対論者は渡辺金融担当相、大田経財担当相、岸田規制改革担当相の三人、一方賛成は冬柴国土交通相を筆頭とした閣僚ということになるのでしょう。
自民党内でも意見は二分し、国交部会でも了承されずに見通しはまだつきませんが、これを単純に外資規制という枠でとらえると本質を見失うのでしょう。一部に空港の安全性が失われる、サービスが低下する、着陸料が上がる、等の論調もありますが、外資であろうと日本人が経営しようと、これらが維持されるかどうか、それは確定したことではないのです。

外資は短期的な利を考える、という論調は全体像を暗くします。そのようなファンドが多いことも確かですが、長期的な視点で経営を考えるファンドもあります。問題は空港という特殊環境が寡占、独占状態となり、純粋に利潤だけを追求すればサービス低下と値上げなどは容易に起こり易い、ということにあるのです。
しかし日本人経営であれば、国交省の意向が強く反映され、顧客を無視した不条理な状態はおき難くなります。つまりそれだけ現状の空港には国交省の思惑が強く働き、そこから外れた部外者の参入は国交省にとって看過しがたい問題ということです。タクシー運賃のように、規制をかけて統一を図るやり方は空港の種別、利用状況等を見ても一律ではかけ難く、国交省は影響力を行使し続けてコントロールしたいというのが、外資規制の本音なのでしょう。

しかも外資を規制したとて、日本にある投資ファンドを通して外資の力がかかることは、これまでの事例からも十分有り得ることです。反対論者の意見に、日本に外資を呼び込む会議を内閣の下に立ち上げておきながら逆行するのはどうか、というものがあります。しかし日本にはその他でも外資規制をかけているものがあり、国益に沿う安全の考え方を統一して、見解を示すべきでしょう。
三角合併解禁後、そして日本証券市場がこれだけ下落しても、買収が活発化しないのは毒薬条項が厳しすぎること、司法まで企業と一体となって保守体質だと認識されていることなどがあげられます。外資規制という枠ではなく、これが利益を生みながらサービスの質を落とさない方策として議論されないと、ますます外国人の日本を見る目は厳しくなります。
国交省の利権構造維持とも囁かれますが、きちんと問題を把握し、対策の妥当性を示せない間はこの議論も道路特定財源問題と同じ、説明不足ということになってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:57|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2008年02月04日

マイクロソフトによるヤフー買収について

まず食品に農薬が入っていた問題で、中国でJT株の空売りで稼いだ人間が犯人だ、という論調があるようですがそんなことはないでしょう。昨年末に既に事件性が確認されていたことにより、売りならばそれ以前から、ということになります。また日本でこの事件を引き起こそうとしたのなら、広範にわたって被害を拡大させる必要はありません。空売りで儲けたければ一箇所で良いのです。
暴落の原因は内部情報を掴んだ株式を保有する幹部、もしくは機関投資家、最悪は厚生労働省絡み、というところと睨んでいます。NHK記者の時と同様、情報を金にかえる人間は多く、かつ携帯やネットで売買が可能な現状は、インサイダーを引き起こし易い環境にあるといえるのでしょう。

米国でMSがYAHOOに敵対的買収を仕掛けることを発表しました。1年前から提案していたことですが、YAHOO株にプレミアムを62%乗せた5兆円規模の大型買収です、これにgoogleが参戦の気配を見せており、提携か支援かの道はともかく、YAHOOのホワイトナイトになる勢いです。googleの動きは、MS製品のパッケージとして検索サイトをYAHOOに誘導されたり、提携商品でYAHOOの利便性を増されることを警戒したものでしょう。
ただMSは常にOSでの寡占状態を指摘され、この動きは下院の公聴会に及ぶ問題に発展しています。そして最大の障害は、MS側がこの買収により10億$の効果と試算していることでしょう。ネット広告事業は今後も拡大し、シェアでgoogleが60%を占める現状を崩せば、更に収益性が上がるとの見通しを示しましたが、これがMS株主の理解が得られるのかが不透明です。

MSの失敗はWindowsVistaにも見られます。機能を拡張した結果、高速処理が必要となり既存のパソコンに導入しようというユーザーは増えませんでした。マン-マシン・インターフェースの中で、高機能なら喜ぶという時代は終わり、人間工学の面で親和性を増す方向性が、現代には合っていると考えます。これは任天堂WiiとPS3のシェア争いでも同様のことがいえたのでしょう。
YAHOO側のMS嫌いもありますが、ライバル企業からの支援も受け難いでしょう。毒薬条項もありますが、YAHOO側が提携先を見つけられるかどうかで、決着がつくと見ています。CDSが上昇しており、企業の資金調達も難しい時期ですが、ネット広告事業の収益性に疑義が生じる中で、YAHOOの価値をどう算出してそれを提携先企業に提案していけるのか、それが鍵なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:51|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2008年02月03日

雑感、最近の裁判のことで少し

今日は雪ですね。出不精でもあり、こんなに寒いと出掛ける気もなくしますが、今日は休日でも明日から出社する人もおり、交通などに大きな影響が残ることは確実なのでしょうね。

鹿児島地裁で連続強姦事件を働いた被告に、懲役28年の判決が下されました。有期刑の上限が30年ですから、これは重い判決だといえます。昨今、長崎国際テレビの営業担当者による強姦事件もありましたし、東京では婦女暴行で逮捕歴のある人物が、再び罪を犯して逮捕された事例もあります。こうした20代から30代にかけて、卑劣な犯罪に手を染める者が増えているように感じます。
性犯罪は再犯率が高く、今回の28年の刑期が長いのか短いのか、再犯を防ぐためにどのような手法が必要なのかは、もっと積極的に議論されても良いところでしょう。米国のような徹底的な情報開示の手法は行き過ぎとしても、監視体制を作るのか、再犯者に対しては徹底的な厳罰化を考慮するなど、対策を考えるべき段階にはあるのでしょう。

欲望を満たす犯罪は、それが直接的な快楽に近いほど、安易にその道を選択してしまい易いものです。覚せい剤でも同じですが、快楽を刺激するものに人はのめり込む性質があり、犯罪者が述べる「あの快感が忘れられない」という感情は、カウンセリングでは中々矯正できないものです。
米国では性犯罪を繰り返す男に、快楽中枢を刺激する療法が試された話があります。これも行き過ぎな話ですが、日本では極端に加害者を擁護する声もあり、再犯を防ぐ目的が薄れてしまう傾向があります。先日、死刑執行が3例ありましたが、死刑反対論者はとにかく死刑に対して拒絶反応を示しますが、むしろ犯罪の残虐性、その他の条件を考慮して1例ずつ反対の論拠を示さない限り、妥当性のない行動といえるでしょう。

もう一つ、東京高裁が下した判決にグランドプリンスホテル側が従わず、日教組の集会を拒絶した件がありました。法治国家としては極めて異例なことですが、今後は賠償請求等、様々な形でこの問題は発展していく可能性があります。事前に情報を提供した利用者側と、確認した後で不安を感じて判断を覆し、司法判断も拒否したホテル側の判断と、どういう形で決着がつくにしろ、一つの事例として記録される事件はなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:02|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 司法

2008年02月02日

米国 モノライン保険会社は救済されうるのか?

米国ではMSによるYAHOOへの敵対的買収報道があり、新規失業保険件数や雇用統計の悪化にも関わらず上昇しています。しかしそれ以上にインパクトを与えているのは、モノライン保険会社による格下げと、それに伴う各金融機関の評価損拡大による、信用不安の増大です。
大手MBIAの格下げ報道で一喜一憂し、今日になり大手アムバックに対して、米欧8社の金融機関が支援に乗り出す動きを見せています。総じてモノライン保険会社は2四半期連続で赤字を計上しており、最高格付けであるAAAを維持するのは最早困難です。しかし保険会社の格付け低下は直接保証している債券に響きますから、格付け会社もその影響を推し量り、二の足を踏む状態が続いています。

G7でも格付けの妥当性が議題に上がるはずですが、仮に増資のみで格付けを維持しても、いずれ破綻することが確実です。有利子で資本を増強するということは、それに見合う収益が確保できなければなりません。つまり今回、欧米の金融機関で実施されている資本増強は、経済が回復して今より高い収益を確保すること、それを前提としたものなのです。
しかし今回発表されたマクロ指標はそれと逆です。では何故上昇を演じられるかと言えば、米国的楽観論が背景にあるからです。一つにFOMCで0.5%の利下げが行われ、1月だけで1.25%のFFレートの引き下げという、異例の対応が経済をV字回復させる、減速は一時的で済むという期待があります。金融機関の資本増強策が成功し、米国は再び景気拡大に入る、それが現在の米国相場の上昇です。

しかしやはり根幹にはモノライン保険会社の格付け維持があります。それがなければ全ての前提が崩れ、米国は信じられないほどの凋落を演じます。なので、米欧金融8社も討議しなければならない問題となります。ではそれが上手くいくのか?単に資本増強ではそれも難しいのでしょう。
米国ではCDSが上昇し、新たな債券発行が困難になっています。資産が縮小期に入るとは、簡単に言えば『金回りが悪く』なります。モノライン保険会社に金融機関のみが救済にあたる現状は、危険度と困難さを示しているといえます。SWFから増資を受けている金融機関と受けられないモノライン保険会社、それを金融機関が直接繋ぐことになれば最後の手ということになるのでしょう。

米国経済は肥大化し過ぎたのです。ブッシュ政権下で緩んだ経済は、拡大が止まれば支えが困難なほど、綻びがいたる所にあるということです。この混乱が長引けば、更に立ち直ることも困難になります。それを意識して、米国経済は見ていかなければならないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2008年02月01日

雑感、農薬入りギョーザについて

農薬入りギョーザ問題が続いています。兵庫の件では袋に穴が開いていたや、新しい情報も続々とあり、混入した経緯までを含めてまだ謎が多いものです。今回はこの問題での影響を含めて、少し考えてみたいと思います。

まず中国側は迅速な対応を示していますが、輸出の検疫をパスしていた経緯もあり、実態解明には時間もかかるのでしょう。中国では雇用状況が大きく変化する過程にあり、人の流れも起きていますから、聞き取り調査も進み難い状況にあります。
今回の件が曖昧な報告で終わるようなことになれば、国際的な信用回復に時間がかかります。かといって、調査に時間を割いて結局分かりませんでした、では更に問題を残すことになるでしょう。食の安全を喧伝したい中国の国策捜査である以上、恨みによる個人的な犯罪に限定したい部分もあり、これは日本も同様ですが、情報に関してよほど注意をしていないと、真相が見え難くなるのかもしれません。

日本では象徴的な動きがありました。輸入元である双日食料の親会社である双日が、食料品の輸出入からの撤退を示唆しました。今後増えるであろう食品トラブル、遺伝子組み換えの問題まで含めて、そのリスクに見合うだけの収益性が担保できないとの経営判断もあるのでしょう。
地球温暖化で環境が激変すれば、農家では収益性を確保するため、農作物の耐性を高めるか、環境の影響を受けない屋内栽培にするしかありません。農薬問題も同様、耐性昆虫の存在や外来種の侵入に対抗するには、更なる強い農薬の使用しかなく、どちらもコスト高や安全性の低下の影響を免れません。商社などが中間に入ってマージンをとる分と、それによる風評被害を比較すれば、撤退との判断もあるのでしょうね。

日本では食料品のかなりの部分を外国に依存していながら、検査体制にしろ、国民の意識の低い部分もあります。戦後、農薬が食べ物に混入する事件は、日本でも数例ありました。それは社会が混乱していたり、規範意識が低い場合、往々にして起こり得るものでもあります。
中国では急速に社会が変化し、必ずしも安定している訳ではありません。中国メディアの報道ぶりを見ても感じますが、相手の行為を批判したり、疑うことから始めていては商業の点でマイナスです。国の形が変わる中、自分の身の置き所を見失っている、今はそういう状況に見えます。
そしてそんな国に食料を依存しているのが、日本なのです。リスクを負っているのだという意識をもって、望むべきなのでしょう。中国にしろ、米国にしろ、力がある国は国民の安全を軽視しても、自国に有利な条件で輸出を迫ってきます。それに対抗し、いかに安全を確保するのかを真剣に考えなければいけない時代なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | アジア