2009年03月

2009年03月31日

雑感。年度末の経済の記事について

年度末、日経平均は8109円、年度騰落率は-35%と厳しい数字です。今週に入って基調転換したのはビッグ3支援が不透明になったことと、欧州金融不安の再燃です。前者では、昨年末にGMを支援した際、134億$は優先して引き上げるとしていました。今回、更なる60日の追加支援と破産整理はしないと宣言していますが、これは先の134億$と追加支援分が、回収不能に陥る恐れが生じたことを意味します。国が公的資金を先行回収すれば、即時倒産に至るからです。
クライスラーも30日でフィアットと提携合意するのは難しいでしょう。破産させて債権と労使間条件を整理する、金融機関とUAWが嫌うシナリオに、政府も言及し始めました。これが欧州金融不安に始まる金融機関懸念、ガイトナー財務長官の多額公的資金注入発言など、ここ3週間あまりで楽観に傾いたシナリオが、ここ2日ばかりで全て否定されたことになりました。
そんな中、米国で政府が発表する直近の経済指標に、一部メディアで疑義が呈されました。季節調整値で改善の度合いが高く、信じられないというものです。今度の雇用統計は様々な意味で注目を集めます。経済指標に信頼がもてなくなると、自由経済下では不透明感として映り、資金が集まり難くなります。悪い数字が出れば、景気悪化が長期化する懸念を膨らませ、良い数字が出ても指標に疑問が出る。米国の今後の経済指標には注意も必要となってくるのでしょう。

日本の2月失業率4.4%、有効求人倍率0.59と、悪い数字が並びました。3月は年度替わりで契約を切られた人も多く出ることから、数字は更に悪化すると見られます。昨日の2月鉱工業生産指数が前月比9.4%低下、3、4月に改善する見通しもありますが、在庫や輸出の関係を見ると注意も必要です。
日本では09年度補正予算案の具体化に向け、政府与党が動き出しました。ただ、与党は最近政策や法案を官僚に丸投げするか、野党案に手を加えて出すことも多いので、今回もどの程度効果がある案が出るかはわかりません。その中で具体的に1つ、贈与税の減免が出てきました。

生前贈与をすれば相続税を減免する。若い世代に貯蓄を移し、消費喚起が狙いと言いますが、一人暮らしの高齢者が増え、親子関係が希薄になる中では利用世帯も少ないでしょう。一部、農林漁業従事の跡継ぎなどには有利な面もありますが、経済対策としての効果は疑問視されます。
むしろ現在強力な父子相続を行っているのは、政治家と同族経営の企業トップたちです。金持ち優遇、公平分配の原則から外れる、との意見が優先されれば、この贈与税減免も打ち出し難くなるでしょう。そもそも、日本が資産移転をすれば消費が喚起される社会かどうか、ということも理解する必要があります。政府与党は以前から高齢者富裕層の資産をどう活用するか?に重点を置いているようですが、先行きに不安があるから資産を抱え込む、という点を解消しない限り、資産活用も上手くはいかないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2009年03月30日

直轄国道の凍結を発表へ

ETC付自動車の高速道路定額サービス、一部で前年同月比50%増もありましたが、予想より低調との声が支配的です。特に、前々週からの比較で2倍以上の増となる区間も、このサービスを前にして遠出を控えていた人が、一斉に使ったため、という指摘が正しいようです。昨年末から交通量が減っていましたが、これも2次補正次第で高速道路料金が安くなる、とのメディアの報道が増えた時期であり、それまで待ってから、という思惑を誘い易かった面もあるのでしょう。
経済効率の面でいうと、サービス開始前で2万円の出費が、開始後1万円に落ちれば消費傾向は低下します。差額1万円が出費に回れば良いですが、現状では貯蓄に回す率も高いでしょう。定額のメリットの話は以前しましたが、意外と寺社めぐりや自然観照など、予算のかからない観光旅行も増えそうであり、消費拡大に繋がるかは今後の補正予算次第なのだと考えています。

そんな中、国交省が建設中の直轄国道600件の内、18件程度の凍結を発表しました。金額にして09年度予算の400億円、新たな交通需要予測に基づくものだといい、将来的には新たな削減もありそうです。31日に路線名を公表、計画について地方自治体と協議に入り、漸次存廃を決める方向です。
しかしこの動きには違和感があります。地方は負担分の予算を決めた後であり、どう考えても混乱が生じます。国交省がこのタイミングで発表した、これは幾つかの思惑も含むのでしょう。道路特定財源の一般財源化により、建設費の低下が地方の混乱を引き起こす、そうした状況を演出すること、及び需要予測による批判もかわす狙いがあること。そして最大は、今後も地方整備局の必要性をアピールするため、地方自治体との調整を増やす狙いも含まれているのでしょう。

うがった見方をすれば、この見直しで歳出が減る分を、定額サービスで収入が減る下部組織に回すのでは?とも想定できます。悪い観測を持ちすぎかもしれませんが、3月のこのタイミングでわざわざ発表したのは、地方に混乱を生じさせて、道路特定財源を狙い撃ちして批判してきた、民主への反発を引き起こしたいのではないか?との観測までできるものです。
不要な道路はもう造るべきではありません。人口減、社会モデルも少子高齢化、企業も海外に工場を移転し、道路需要が今後数年の間に回復する見込みは、元々もてないからです。しかし、他方で混乱を起こしてもいけません。特に地方に受益者として負担金を負わせてきたのであり、そこに突発的に存廃を発表し、調整に手間取るようなことがあれば、公共事業全体の問題にも発展します。
政府、与党からは景気対策として、公共事業の拡大、前倒しが議論される昨今、この流れは解せない動きでもあります。背後にどのような思惑があり、今回のことが為されたかは、今後考えるべきことが多く有りそうですね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 行政 | 地方

2009年03月29日

千葉県知事選と世論調査

注目の千葉県知事選、森田健作氏が2度目の挑戦で初当選を確実としています。民主を含む4党相乗りの吉田氏、公明が支持する大学教授の白石氏、共産推薦の八田氏、前県議の西尾氏などを破っての当選です。注目されたのは、西松献金事件と重なって選挙戦が行われたことであり、民主にとってのこれが禊となるかどうか、でした。
ただ自民の一部が支持したとはいえ、知名度に勝る森田氏が、既存政党への失望を強める県民の支持を集め易かった点は否めません。特に東国原宮崎県知事や、橋本大阪府知事のような、成功例と見られる有名人知事の存在が後押しをした面もあるでしょう。民主への失望、と断言できるほど明確な結果でない点が、今後の国政や総選挙にも影響しそうな雲行きを感じさせます。

世論調査が一部で出ています。小沢氏の説明責任が不十分だ、と感じる人は軒並み80%を越えています。これは報道ベースの内容と、起訴事実の乖離に国民が不満をもつから当然ですが、小沢氏が無罪主張をする限り、小沢氏の側から満足のいく説明は為されません。他の事件も同様ですが、事件の立証は検察が行うものであり、むしろ起訴しない事案がどうして報道として流されたのか?という点を含め、検察の側が公判で争う事件の全体像を示す必要があるものです。
検察の情報操作という点で、この段階の民主党の支持が落ちることはある程度理解できますが、各世論調査で意外な点は、内閣支持率が上昇していることです。わずか半年で2大臣、1副大臣が職を辞し、失言は相変わらず止まず、閣内や官房内からも失態続きの内容です。昨今の事情で唯一好感できるのは、ETC付自動車の高速道路定額サービスや、そのETCへの補助という部分です。

それら経済に一部楽観が生じたこと、なども麻生政権の支持率回復に繋がったのでしょう。12000円の定額給付金も、一部配布が始まり、メディアで大きく取り上げられたこともあります。つまりメディアが特集を組めば組むほど内閣支持率が上がる、という構図に再びメディアも踊らされ、国民も意識下で経済の活性化を感じ、一部が政府を支持する立場に立ったと見ています。
麻生政権にとっては短期的に良い状況が続き、願ったりの状況です。しかし中国のことわざで「福は積むもの、禍いはしでかすもの」というものがあります。麻生政権の積んだ福は少なく、逆にしでかしてきた禍いは多い、という事実は変わりありません。
経済という水物で多少得点を稼いだように見えますが、大事なことは継続性のないバラマキでは、効果も短いということです。補正予算が取り沙汰され、GDPギャップを埋める20兆円規模、とも囁かれますが、この経済危機が長引くとの想定があれば、短期のバラマキではない対策を打てない限り、水物は支持率も同様、流動的なものとして移り変わってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2009年03月28日

景気は底打ちしたのか?

ETC付自動車に対する高速道路、土日定額サービスが開始されました。しかし長距離走れば割安感も強まりますが、逆に休日にそれだけ走れば時間も、体力も使います。しかも給与水準が来年度から引き下げられるので、遊興費に使えるお金も減ります。体力と時間と、それにお金がある人が頻繁に長距離に利用する場合にのみ、これは割安感のある制度、ということになりますね。

米国や日本でも、景気底打ち期待が強まります。まず米国で住宅市場に明るい兆しも見られますが、これは人気の高いオバマ政権が就任し、楽観が市場や国民に広がったことが影響しています。短期的な好材料のみで、本当の底打ちと判断するのは、時期尚早なのでしょう。
日本は外需依存体質から脱却できず、またそうした施策は政府からも出ていません。2次補正で一部楽観も出ていますし、市場対策なども好感されていますが、いずれも短期的なものであり、病巣に何も手は入っていないので、景気底打ちはまだ先です。米国で景気が底入れしてから、二巡、三巡した後でないと日本に好影響は来ないので、今はまだ先取りし過ぎの面が否めません。

先に英国債の入札が不調に終わり、米国でも同様の事象が見られました。翌日には入札も好調でしたが、これは不調が続けば国債暴落やドル安が起きる、との懸念で資金が集まることによります。ですが、すでに何度か不調が起きているように、米国債に資金は集まり難くなっています。
仮に現時点で経済が好調になると、更に国債の魅力は低下します。国債増発時期と景気回復期が重なると、安全資産からの逃避が起きる、これは深刻な問題です。しかも外貨準備を減らした資源国ロシアだけでなく、中国がドル基軸通貨体制へ言及し、IMFも議論することはよい、としています。この時期、ドルが揺らげば米国の根幹が揺らぐ。当然外貨準備としての米国債の魅力は更に低下します。

景気が底打ちをするには、まだ材料不足です。金融機関も資金繰りは回復していますが、大型倒産があれば再び資金繰りに窮します。最近CDSの取引市場も出来ましたが、スワップをかければ保険がきき、破産しても大丈夫という経済モデルはすでに崩壊しています。その良い例がAIGであり、国家補填がなければ経済が立ち行かない間は、仮に好調であっても問題は内包されているのです。
米経済の正念場は、オバマ期待が剥落したこの後です。そして日本も外需依存から脱却できなければ、米経済と運命共同体のままです。予算成立も、2次補正も、今後出されると予想される補正予算も、日本の構造転換に用いられなければ同じです。一時的な楽観は半年もてば良い方ですので、本当の回復への道筋はまだ描けていない、ということで良いのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2009年03月27日

破壊措置命令が出される

平成21年度予算が両院協議会の不調により、衆院優先で成立しました。一般会計は88兆5480億円、前年度比6.6%増ですが、これは年金国庫負担割合の引き上げや、地方交付税を手厚くした結果です。一方、歳入面では今年度0%成長達成を見越した予算ですので、仮に5%以上のマイナス成長であれば10兆円以上が不足する計算になります。今年度の経済と財政の関係は、よりシビアに検証していかなければ、すぐ赤字国債の発行などになってしまうのでしょう。

北朝鮮の人工衛星打ち上げに対し、浜田防衛相が自衛隊法82条2項「破壊措置命令」を発令しました。これを受け、SM3搭載のイージス艦2隻、静岡のPAC3を秋田、岩手に配備、首都圏でもPAC3で防衛網を展開するなど、日本の領土・領海に墜落する可能性に配慮するといいます。
これは極論ですが、これだけ防衛体制を明らかにし、部隊を展開すれば国民向けの安全はアピールできても、頭の良い敵国ならこれを逆手にとり、手薄な場所にミサイルを撃ち込むでしょう。しかも河村官房長官は着弾を通告できない、と日本の監視体制の不備まで露呈する始末です。防衛とは、情報も大事な要素であり、明らかにして良い部分とそうでない部分、両面で指向していかねばなりません。今回の日本政府の動きも、日本は攻め易い国、という印象を内外に与えていることでしょう。

今回の最大の懸念は、一段ロケットの落下が日本海とされており、領海落下の場合対応できるのか?です。恐らく失敗の場合、自爆機能が働くと思われますが、それでも北朝鮮もプライドとして、また今後の兵器商戦上の問題もあり、日本は飛び越したいと考えているはずです。
その場合、一段ロケット切り離しタイミングが重要となります。日本に落下することを北朝鮮も嫌がるでしょうが、仮に自爆させるにしろ、一段目切り離しが上手くいかない、もしくは二段目切り離しまでにトラブルが発生、などの場合は北朝鮮の対応が最大の懸念になります。

仮に領海に落ちた場合、日本政府の失態と映る可能性があります。何しろ、麻生氏自ら飛翔体の日本落下の可能性は低い、との見解を述べているからで、それでいて万全の対応と、自らハードルを上げているためでもあります。当然、日本の領土に落としてはいけませんが、領海とて漁業への影響、残燃料による海水汚染、等の問題が発生する可能性があります。その場合、北朝鮮に被害補償を請求できるのか?そこまで含めた戦略で取り組む必要があるのでしょう。
安保理も議長声明がうまくまとまるか?距離をおく中ロとの微妙な差も埋め切れない様子です。中国への働きかけも、今の所機能している気配はありません。安保を米国頼みにし過ぎている悪い点でもありますが、危機管理にもう少し日本政府は真剣に取り組むべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2009年03月26日

二階氏にも西松献金事件が広がるのか?

小沢氏の秘書が起訴され、民主党内の動きも慌しくなっています。ただ説明責任という点は、小沢氏が無罪主張をしている限り、現状以上のことは出ないはずです。それを理解しても説明責任を持ち出し、小沢氏に不満を述べるのは、民主党の不支持が高まった責任をどうとるのか?という不満が燻るため。及び仮に小沢体制でいくとしても、自分は反小沢派である、金権政治とは別、という選挙前の国民向けアピールの側面も大きく含んでいるはずです。
選挙に強い小沢、これが民主党内の求心力に繋がってきました。地方選でこの神話が崩れれば、党内の亀裂は益々大きくなるはずです。民主党にとって最良シナリオは、小沢氏を選対専任の特別顧問に降格、岡田副代表などのバランス型の人物を代表に担ぐことです。民主党の代表候補の顔ぶれはいずれも選挙に弱い印象があり、小沢氏の力は残したい、それが本音なのでしょうね。

政権与党にも西松献金事件が広がる気配を見せています。二階経産相への事務所提供問題ですが、二階氏は県議時代から西松との結びつきを指摘されています。しかも今回は政治資金管理者の選任及び監督にも疑義が生じるといわれ、二階氏自身への波及も指摘されています。
また平田財務副大臣が株取引を行った大臣規範への抵触で引責辞任です。ただこれは規範抵触より、市場取引価格との乖離も大きいことから、特定企業からの利益供与との指摘も出来そうです。そのため早期辞任で問題の長期化を避けましたが、別の展開もありそうな気配です。また大臣規範なら、塩谷文科相が開催したパーティーも抵触しており、こちらへの波及もあるのかもしれません。

平田氏にしろ、塩谷氏にしろ、焦って資金集めを行うのは選挙時期が読めないことによる、資金不足の側面もあるのでしょう。党からもち代が出ても、各政治家も厳しい懐具合であることが容易に想像できます。なので大臣規範に抵触することが分かっていても手を染める、そんな構図です。
しかし二階氏の場合は状況が異なります。地元に帰れば○○道路、○○橋、そうした政治家の名を冠して呼ばれる公共工事が数多くあります。これは利権に対しての直接の献金であり、この場合は斡旋利得より、贈収賄での検挙も可能となります。小沢氏の秘書が政治資金規正法違反で起訴されるより、こちらの方がよほど悪質であることは言うまでもありません。

むしろ小沢氏の秘書を先に起訴したのは、検察も当初からバランスをとる目的だったのかもしれません。2月末で事務所を引き上げた点も、二階氏側に何らかの情報が流れた可能性を示すものです。経産相の首をとらせる代わりに、野党第一党党首の首を落としておこう、誰かがそう筋書きを書いたのなら、これは極めて大きな問題を潜ませていることになります。
農水省秘書課課長の闇献金の虚偽発表も、次官まで波及しそうな気配ですが、責任は大臣にまで及ぶ問題となります。残念なことは、政治家も官僚も、何を正義として行動しているのか?それがハッキリしないことです。どこかで何かが狂っている、国民の政治不信も高まるばかりですね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年03月25日

不良資産の問題について考える

今日の市場は今年度の権利付き最終売買日にあたり、何としても買い支えしたい層の強い意志が見られ、日本市場は小幅安に留まっています。感触では、買い方より売り方が多いのですが、ボリュームで買い方の勢いが勝る形です。もう一歩、売り方を踏ませることが出来るのか、この水準になるとかなり思惑が交錯しますし、権利落ち後の動きは要注意な水準です。

財務省発表の2月貿易統計、824億円の黒字ですが、前年同月比で輸出49.4%減、輸入43%減と過去最大の落ち込みです。輸出の下落は日本に致命的ですが、それと同時に輸入減は国内消費の落ち込みを意味し、産業活動全体の低下を示しています。2月は株価低迷、円高という要因があったものの、その円高が輸入拡大に繋がっていない現実は、重く受け止めるべきなのでしょう。
そんな中、民事再生中のSFCGが破産処理に陥りました。貸出債権の2重譲渡が700億円と、計画破産とも言われるSFCGの不透明な経営実態が明らかとなり、債権者に重く圧し掛かる問題となります。これは過払い金の回収を進める中小企業から、取引先の金融機関、現在借り手となっている企業まで含め、影響する問題です。今から連鎖倒産に目配りする必要があることになります。

上記の問題と絡め、米国で発表された不良資産買取り機構について考えます。先に下院で成立したAIG巨額賞与の課税法案で、ゴールドマンサックス(GS)などが、来月の公的資金の返済に動き出しています。優秀なトレーダーを囲い込むため、高い契約料は必須の条件と考えており、経営に米政府が関与することを嫌う動きです。FRBが保証をつけることで、資金調達も容易になり、市場から調達し易くなった点などが、この返済の動きを後押ししています。
しかしこの動きは別の側面も意味します。GSも不良資産を抱えており、仮に米政府からこのバッドバンクに不良資産を差し出せ、と迫られた場合、公的資金が入った状態では拒否できません。シティのように優先株を普通株に転換されたらもう嫌とは言えませんので、このGSの動き、経営権が危うくなった経営陣の保護的な態度と捉えると、少々厄介な問題も今後出てくるのでしょう。

SFCGも経営が厳しくなったとき、2重譲渡などで資金繰りをつけ、結果的に民事再生申請から1ヶ月で破産という、抱え込んだ問題を大きくさせることに繋がっています。不透明な経営、財務状況を意味するこの不良資産の問題とは、実に根深く金融機関を蝕んでいる、といえるものです。
今は楽観の時間帯ですので、些細な情報を好感し易い局面ですが、今後を見通す上ではこの不良資産の問題、まだまだ紆余曲折することは、覚悟しておいた方が良いのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2009年03月24日

西松献金事件での起訴について

WBC日本が優勝しました。嬉しいニュースですね。良い試合でしたし、決勝戦に相応しい手に汗握る勝負。互いが全力でぶつかる、スポーツの醍醐味でもありますね。

小沢氏の公設第一秘書である大久保氏が起訴されました。政治資金規正法の虚偽記載であり、国沢前西松建設社長も追起訴されています。総論として見れば、検察は新たな証拠を示すことなく、また悪質とした内容も他の献金事例と何が異なるのか不透明であり、手詰まり感が如実に漂います。
談合案件も一部メディアで取り沙汰されていますが、斡旋利得で大久保氏を起訴するには配役と調整内容、双方が不足気味です。献金が単なる登竜門であり、後は調整役に任されるのであれば、調整役との間のパイプを立証しなければいけません。しかも大久保氏が調整役から外れると、事件の構図全体から小沢事務所の違法性が完全に外れてしまいます。結果的に、大久保氏の積極関与を示す材料が出ない限り、斡旋利得や収賄での検挙、起訴は難しいことになります。

今回の事件で異例な点は、これまでは政治家が犯罪行為に手を染め、検察の手が伸びそうな時に秘書を代役に立てる形が一般的でした。しかし今回、いきなり秘書が逮捕されたのであり、事件の構図全体が矮小化された形でスタートしています。これは追起訴された国沢氏の起訴事実にも当て嵌まり、陸山会、民主党岩手県第4区総支部へ100万円の第三者名義の寄付行為が挙げられていますが、それでは他の議員への献金とて同様に国沢氏を追起訴しなければなりません。
献金した側のみ起訴、その不条理さを回避するため、他の議員向けの献金での起訴を見送るなら、やはり検察に正義はなくなります。西松献金事件、という名を使っていますが、本質は小沢氏向けの献金における違法性を問う事件、に最初から限定して捜査している印象を与えています。今回の検察の会見でも、その疑念を何ら払拭する材料がない時点で、検察が逮捕、起訴をする正当性を主張するだけの根拠を失っている、ということになってしまうのでしょう。

小沢氏は民主党の代表を辞任せず、今後も続投するようです。選挙としてはマイナス面が否めないものの、今回の事件の不透明さを検察が明らかにできない、その中では有権者の判断もどう転ぶかは今後の政局次第、という側面もあります。何より、与党議員とて胸を張って選挙を戦えるほど、有利な材料があるわけではありません。
今回の事件は、これ以上の広がりを見せることはないのでしょう。与党議員にまで追及が及ぶなら別ですが、06年で解散した政治団体に関し、今後新たに材料が出るとも思えません。結果的に、小沢氏をつるし上げただけで終わるなら、検察への批判も強まることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2009年03月23日

公示地価が公表される

米国で金融機関が保有する不良債権を買取る、バッドバンク構想の詳細についてが発表されています。すでに7千億$の内3500億$が消費されたTARP資金のうち、残り3500億$から1千億$を使い、各基金が資金を出し合って不良債権を買取る、といいます。基金については一部、名乗りを上げるファンド勢もありますが、価格で折り合いがつくかは依然予断を許さないところです。
個人的には買取機構に2兆$、金融機関の目減りした自己資本の補填に2兆$、合わせて4兆$程度が必要と意識しています。最大1兆$とも伝わり、また仕組みも少し複雑なようですから、大分腰の引けた案になりそうです。米国がまた有効な対策を打ち出せなかった、という失望にならないか、仮に一時的にしろ好感できても、今後はよく見ていかなければいけないのでしょうね。

そんな中、日本では公示地価が発表されています。全国平均の下落率が前年比で住宅地が3.2%、商業地が4.7%です。逆資産効果とも呼ばれますが、不動産価格の目減りは企業のPBRの低下、有利子負債にも影響してきます。借り換えの際も、担保価値が低下すれば新規借り入れも難しくなります。こうした資産の目減りにより、連環したように企業規模を縮小せざるを得なくなる負の連鎖を引き起こすことが、逆資産効果の怖いところでもあります。
欧米でも不動産価格が下げ止まりか?という記事が踊ることもあります。しかし今回の問題が根深いのは、元々稼働率自体が高くなかったこと、即ち住宅、オフィスビルとも賃貸が中心、投資目的での購入が活発だったことであり、必要数を越えた分が全て過剰として今後も残り続けることです。空き家、空き室が多ければ周辺地域のサービスが低下したり、治安が悪化したり、負の効果が大きくなります。これも逆資産効果の一部なのかもしれません。

日本ではバブル崩壊後、ほぼ一貫して地価は右肩下がりで来ました。ここ二、三年も外資からの投機マネーが流れ込み、都心部は上昇したものの、今回の調査で再び巻き戻った形となっています。新興デベロッパーの破綻が相次ぐように、投機マネーが潤沢に入って開発を進めても、循環が止まれば今度は開発中止や投売りが続く、ということになってしまいます。
この問題は難しいですが、投機的な土地取引による急変動を押さえる形でないと、上昇傾向にあれば良いのですが、今回のように経済危機の中では、益々悪い循環を断ち切れないことになってしまいます。まずこの国は少子化対策で人口増という将来像導けないと、不動産価格が上昇する傾向は描き難い、ということになってしまうのかもしれませんね。

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2009年03月22日

AIG幹部への高額報酬について

AIGの高額報酬問題に端を発し、米下院を50億$を越す公的資金を得た金融機関の、世帯所得が25万$以上の高額所得者に対し、ボーナスの90%に課税できる法案が通過しました。上院では更に厳しい法案になるとも言われ、これを嫌って各金融機関が公的資金を返済する動きを強めています。

不条理ですが、米国は契約型の社会ですので、契約が物事に優先します。米国では成功報酬である業績連動型のボーナスとは別に、優秀なトレーダーを囲い込むための契約料があり、今回は後者が国民の不満の矛先として注目されました。しかしこれは他のプロスポーツでも同じ、成績が残せなくても途中解雇にならない限り、契約料が削られることは親会社が潰れない限りありません。
しかもこれは事後法ですから、法治国家の原則としては本来、あってはならないことです。そこを何の文句も出ず、議会を通過させるところが米国らしいところですが、これは公的資金注入の際、明確なルールを定めず投入した前政権の失態です。高額所得者優遇が強かった前政権から、中低所得者層への配慮に舵を切ったオバマ政権だからこそ批判も高まりますが、ガイトナー財務長官が事前に報告を受けていた以外、ほぼ批判の対象となるべきはブッシュ政権です。

一方でこの法案を通過させた以上、今後予測される時価会計基準の見直しなどにも影響する恐れがあります。金融機関は公的資金注入に後ろ向きとなり、財務悪化を隠して不良債権処理を遅らせることも想定できます。契約社会で、契約を事後法で覆される、これも中途半端な状態で金融機関に公的資金を入れ、存続させているために起きた事例と呼べるのかもしれません。
この問題の本質は、米国が契約型の労働環境を見直せるか?そしてもう一つ、現在『優秀』と称されるトレーダーの一体何人が、本当にトレーディングで凄腕を持つのか?ということです。米国では金融資産を雪ダルマ式に膨らませ、それで多くの収益を稼いできたのですから、まやかしの金融工学に頼った投資とリターンの関係では、正確な評価とは呼べないのでしょう。

麻生氏が「株屋は信用されない」と述べていますが、彼らは株屋ですらない、欺瞞の取引による報酬を得ている可能性もあります。幹部報酬とは、正当な商売において企業に与えた純益から、配分されるのが給与です。事前に契約し、それを盾にして報酬を支払うなど、赤字転落した企業を更に奈落に突き落とす愚策でもあります。
国の成長が右肩上がり、企業収益も常に確保され…、そうした大前提が狂い始めた米国が次に描くシナリオ。オバマ政権がそれを示せない限り、単に非難合戦で国民の声に右往左往するだけで終わるような、そんな事態を想起させる、今回の一連の動きでもありますね。

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2009年03月20日

米FRBによる長期国債買取りについて

18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、ゼロ金利維持と半年間に最大3千億$の長期国債買取り策が示されました。米国はこれで、信用補完という取り組みから、量的緩和へと舵を切ったことになります。金利押し下げ効果も期待できる、という点もあり、確かに18日は3%台にあった10年債が2.5%へと急低下しています。ですが、これは為替への副作用も引き起こします。

対ドルで円は急騰、一時93円台に突入しましたが、これは量的緩和の状態が、当面のドル安を指向させ易いこと。一時期ドルを買い持ちする層が現れ、その巻き戻しが起きていること。そして4月以降に海外子会社のリパトリに関して、追徴課税が廃止される見通しであり、これによる円高が予想されること、などにより一気に円高への動きが強まることとなっています。
現状はサプライズに対する急変動でも、今後の見方としては円高を指向し易いことは間違いありません。同時に、日銀も月1兆4千億円の長期国債買い切り額を、1兆8千億円に増額することを決定していますが、日銀券ルールがあり、76兆円の発行額に対して現在44兆円。後三年で限度額に達するとの試算もあり、増額により継続性に疑問が呈される状況に陥っています。

日本のマネーストック(旧マネーサプライ)を見ると、最近のお金の流れがよく分かります。広義流動性と呼ばれる資金は継続して低下、しかしその7割を占めるM3と呼ばれる資金は増加が続きます。この動きは信託、国債、外債、などの運用に回る資金は低下し、定期預金などの安全で比較的利回りの高いところに資金が移っている、つまりリスク許容度の低下を意味しています。
この動きは銀行が手元の預金残高を増やし、運用に回す資金も増える形となり、これが一部金融機関の落ち着きに繋がっています。ただし、運用に見合う市場がないのも金融機関にとってネックであり、長期国債の買い切りを日銀が続け、手元資金が厚くなっても、金融機関にとってメリットは少なくなっています。これは失われた10年の間も同様、金融機関は企業貸出や個人ローンなどを増やすことはなく、円キャリーや外債などで運用益をとっていた時代への逆戻りです。

しかし英国もすでに長期国債購入に踏み切り、世界は量的緩和状態に突入しつつある中、インフレ懸念も燻り資金を海外に持ち出すには懸念も生じます。今後も円高を指向するのなら、日本全体が巣篭り状態になり、手元資金を抱えて身動きがとれなくなるのかもしれません。
米国が半年、という時限つきで長期国債買取りを決めたのも、その間のデフレ圧力を緩和し、経済の下支えが必要であると同時にインフレ懸念にも目配りしたものです。ドル安を先取りし、金や原油が値を動かし始めましたが、一部でドルに代わる新たな通貨バスケット制度の導入にむけた提言なども見られますが、それが実現するまではまだまだ、紆余曲折を覚悟しなければならないのかもしれませんね。
明日は一日、お休みして明後日から再開したいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2009年03月19日

政治資金規正法改正議論について

小沢氏が記者会見の席で、突如企業・団体献金の全面禁止を打ち出し、俄かに与野党ともその言葉に反応しています。与党からは「盗人猛々しい」と、罵る人まで現れる始末。一方で、民主党にしても突然の話であり、政治資金規正法改正に向けてこれをアピールポイントにできるか、で議論も紛糾しそうです。政権政党が目前になり、やっと企業献金が受けられそう、という矢先の話ですから、民主党内の調整も難しそうな気配です。

この問題では、個人献金が集まらない、政党助成金だけではやっていけない、企業献金は最高裁でも認められている、様々な意見があります。しかしこの問題の根幹は、情報公開に後ろ向きな政治家の姿勢が、結果的に個人献金を遠ざけているのです。資金集めの不明瞭さ、使途への不安さ、意見や法案に対する賛否の姿勢まで含め、政治家が何をしているのか分からない、という国民の不信感が政治家に金は渡さないという態度に結び付いているのです。
試案としては、政治家登録市場を構築することです。収支報告を徹底させ、法案への賛否、委員会への参加、勉強会への参加まで含め、全ての活動報告を市場で情報として発信させる。その結果、個人が応援したいと考えればその市場を通して献金し、逐次その情報も公開させ、年間通じてその金額が次年度の活動資金として政治家に手渡され、政治資金として使用できるようにします。

情報の誤記は一定範囲で認めても、虚偽記載は市場から退場させる。そうすれば個人献金の受け取りはゼロとなり、政治家は困ることになります。これを作るとメディアに顔を出す有名人や、大臣に献金が集まり易い、との批判もありそうですが、逆に諸刃の剣にもなり得るものですし、全国に向けて情報発信しようと、より政治家も積極的にメディアに出演することになるでしょう。
そうすれば地元対応は減り、その分の事務所費や秘書経費は減ります。地元に利益誘導する政治家から、国政を考える政治家へ。これが正常な流れですし、何より献金額が人気のバロメーターになる、という効果もあります。衆愚政治に陥るのでは?という懸念も、短期的なバラマキ政策より大局的な見地で政治を語る政治家の方が、より信頼感を得られることでしょう。そして現在のような、党内拘束に基づき賛否を決する政治家が減り、国民の利益を考え自説を貫く政治家も増えるはずです。

また報告として支援者に配る印刷物も減ります。地元対応に政治家が多くの資金を使うことは、重要な問題を含みます。様々な手当ての出る現職と新人で、選挙までに大きな差がついてはいけません。地元対応に専念できる新人が有利、という意見も、現職の方が顔や知名度という点で元々有利である点を差し引けば違いはありません。特に国政に専念すればその懸念もなくなります。
変化の時が訪れると、その変化に自分が対応できるか、そうした不安に襲われて人は現状維持を選択しがちです。政治資金規正法は政治家にとってその最たるものでしょう。米国のネット献金などもありますが、新たな仕組みを政治資金規正法が描けるか、政治不信を取り戻すには、この問題に政治家が真摯に取り組む姿勢を見せること、なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年03月18日

春闘の集中回答が出る

春闘の一斉回答日を迎えています。今回、ベアゼロは予期されていましたが、定期昇給について凍結が議論されるなど、組合側にとって厳しい状況となっています。ベア要求に物価上昇を挙げていましたが、現状では物価下落、デフレ圧力もかかる中ですから、戦略の誤りも大きいのでしょう。

この問題で、よく米AIGの巨額ボーナスが対比されますが、これは優秀なトレーダーを囲い込むため、成功報酬とは別に契約料が発生することにより起きます。90%課税や、公的資金の減額など様々な対策で取り戻す意向で、経済政策で支持の落ちるオバマ政権や、与野党議員も高圧的に返還を求める方針です。ただこの問題で知るべきは、日本の労働環境と米国は全く異なるということです。
日本では会社への貢献度が評価されるため、定昇やベアなどが給与に反映されます。このため業績が好調でも、企業はベアに否定的な見解を示します。収益をあげれば社員に還元、という意識は日本の企業に少なく、貢献度を積上げない限り給与や地位には反映されないのが、日本の派遣やアルバイトを除く会社員という考え方です。このため社員の帰属意識としては細く、長くになります。

これは想像力を失わせ、硬直化した現状を導いています。労使双方に新たな関係の構築を検討し、より良い労働環境を提供する意欲を失わせている。定昇に踏み込む、ということは日本の右肩上がりの成長を企業が否定したことになります。それだけ企業が厳しいという現状は理解できても、では企業業績が好調なとき、なぜ社員に還元しなかったのかを説明はできていません。
結果的に今回の労使交渉は、現状を追認しただけとなります。よく与党議員も、有識者の中でも、企業が潰れては元も子もない、という言い方がありますが、米国も同様に潰れた方が良い企業は、潰してしまった方が他の企業がシェアに食い込む余地が生まれ、正常な淘汰と新勢力の台頭が生まれます。何事も閉塞感が生まれるより、循環した方が経済としては活性化するのです。

だからこそ経営とは重要であり、経営報酬が高くても批判は出ないことになります。ですが、現状の経営陣にも細く、長くの意識が蔓延し、冒険する意欲を失っているため、多くの企業の中期戦略などを見ても新たな方針は打ち出せていないのです。これでは益々不安を覚えてしまいます。
日本で必要なことは、安定を意識しすぎて閉塞するだけでなく、新たな方策を取り込んで現状を脱却させる、そうした野心的で、冒険的な考え方なのでしょう。そしてそれを成し遂げるための政府による支援、施策、こうした方向で経済政策を考えていただきたいですね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 企業 | 経済

2009年03月17日

経済の話、米対策とヘッジファンド

政府が経済有識者会合を行っています。83人、10テーマ、1人持ち時間6分と言われるこの会議が成果を上げることはまずないでしょう。1を聞いて10を知る、知見と分析力を兼ね備えた人物ならいざ知らず、これまでの政策を見る限り、残念ながら麻生氏にその才はありません。
むしろ7、8冊も本を買うぐらいなら、2、3枚にまとめたレポートを提出してもらい、これはと思う意見を述べた有識者を官邸に呼ぶ方がよほど合理的です。日当も払うこうした会合を単なるパフォーマンスのために開催する、日本の現状はそんな悠長な場合ではないのですけれどね。

G20準備会合で目立つ提言はありませんでしたが、米国からは様々な対策が出てきています。空売り規制「アップティックルール」の導入検討、米財務会計基準審議会(FASB)による時価会計基準の見直しです。前者は買いしか出来ない運用者を喜ばせる策であり、導入まで時間も掛かりそうです。後者は金融機関が低流動性の資産評価という問題を緩和し、現在の市場を支えている政策です。
しかし金融機関の評価に対し不透明性が増す、これは昨今の格付け会社規制と逆行する策であり、対米投資の魅力を低下させます。1月の対米証券投資が過去最大の流出超となったように、現状の市場は健全性を評価できないと投資しない、リスクはとらない方針が顕著です。

シティが先鞭をつけた金融機関の四半期決算前の好決算観測も、この時価会計の見直しにより業績下支えが期待できる、そうした側面も反映しています。元々不良債権処理をしなければ、金融機関の業績は良いからです。しかしこの時期、バッドバンク構想などこぞって米国で対策が出てきたのは、ベアスターンズ救済合併から1年、この時期急激に増えたある事実が影響しています。
それがファンドによる解約停止です。1年間の停止期間を経て解除される、ファンド解約が自動的な売りを導く可能性がある。すでに運用自体はマイナスに陥っており、特にオバマ政権で高額所得者に厳しい政策が予想され、解約に拍車がかかる可能性があります。これを防ぐためには、将来の運用成績が上がるという幻想を与え、ファンドに投資し続けるよう仕向ける必要があります。

ヘッジファンドの資産規模が昨年半ばから年末にかけ、2割減の1兆5500億$へ縮小したとの試算もあります。解約が加速していけば、当然減少幅は更に増えることになります。不況時の投資から貯蓄へ、という流れは見た目以上に、経済には大きな打撃となる可能性もあるのです。
日本では官民一体となり、3月危機を起こさないため必死に日経平均の上昇を見せています。しかし世界に約束した真水3兆円規模の景気対策にしろ、今のペースなら法案を作成しても、総選挙を意識して国会提出はないでしょう。期待して上げると後が怖い、今回のがむしゃらの上昇が余計な思惑を乗せ過ぎている以上、やや心配な面が増えてしまいますね。

analyst_zaiya777 at 23:12|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2009年03月16日

西松献金事件で検察が描くシナリオについて考える

麻生氏が西松献金事件に関する国会答弁で「明らかに違法であったがゆえ逮捕」と述べたようです。逮捕段階は容疑であって、刑が確定しなければ違法と認定できません。立法府にいる人間がこの程度の認識であるから、法案の起草で官僚任せになってしまうのかもしれません。

最近の西松献金事件の報道で、本来共存しないはずの両論が、併記されていると感じることがあります。それは西松側が他のライバル企業に目立たなくするようダミーの団体を作った、という記事と、東北での工事受注に便宜を受けようとして献金した、というものです。
東北での工事受注に繋げるため小沢氏に献金していたとすれば、悪い言葉を使えばそれはみかじめ料に当たります。一方で地方公共工事に何の権限も有さない小沢氏側が、工事を差配するには、地方の政治、行政に食い込んで圧力をかけるか、各社に対して談合、受注調整を行うしかありません。いわゆる大久保氏の存在が、フィクサーの立場にまで昇華されなければなりません。

ダミー団体の存在が、政治資金規正法改正に伴うものであれば混乱はありませんが、前者の理屈が通ると後者の理屈が成立しなくなります。恐らく、この混乱は検察の描く事件のシナリオが錯綜しているために起きているのでしょう。検察としては、各JVなどから資料を提供させているように、東北地方の公共工事、その受注調整まで含めた、より大きな事件として糾弾したい。
一方でその証拠は中々出て来ない。西松側の供述からもそれが裏付けられない。検察はジレンマの中で、二つのシナリオを追い始めている、という形なのだと考えます。つまり前者なら逮捕容疑の虚偽記載、後者なら斡旋利得の適用です。しかし実際、小沢氏がどう関与して西松の受注が有利に行われたのか、この構図が描けない限りはやはり虚偽記載での起訴という形になります。

小沢氏が最初の記者会見で見せた自信も、この辺りにあるのでしょう。検察は増員して証拠を再検討しているといいます。ですが最初に検察のシナリオが狂い始めたのは、世論が冷静にこの事態を受け止めていることです。最初に公設第一秘書の逮捕、というインパクトを与え、情報操作で小沢=悪、の風潮が形成されれば公判は維持し易いのに、そうならないことでマインド面でも訴え難くなった。与党議員への追及がないことで、検察への疑いの眼差しも増える。
小沢氏の献金額が突出しているのも、みかじめ料が高い相場のショバ代と考えれば、金額の多寡自体は、事件の構図に何の影響も与えないことになります。与党議員を検挙せず、事件性を追及していくと必ず壁にぶち当たる、これが検察を悩ましているはずです。逮捕後拘留期間が切れる24日がリミットとも言われますが、一週間で起訴相当まで事件のシナリオを詰められるか、検察も正念場に入っていくのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2009年03月15日

内閣人事局に対する自民党案

13日、自民党行政改革推進本部が公務員制度改革の与党方針をまとめ、政府案と調整に入ることが明らかになりました。総務省行政管理局の全局移管は認めないこと、内閣人事局長は官房副長官級とすること、などが修正項目と伝わります。行管局の個人情報や独立行政法人の情報など、政府が一元管理することに「組織の焼け太り」との批判があり、その声に応じる形だといいます。

内閣人事局が単なる人事課で終わるなら、与党案でも良いのでしょう。しかし渡りや斡旋を生み出す仕組み、独立行政法人が携わっている実際の業務までが管理されなければ、骨抜きも同然です。情報とそれに見合う権限、それを与えられない組織は、単なる右から左に判子を押すだけの存在に成り下がります。これは内閣人事局長の降格人事にも当て嵌まります。
官房副長官級では、内閣の中にある官僚統括機構の一環に納まる、ということを意味し、首相権限の及ぶ範囲も限られるでしょう。どんなに政治主導を訴えようと、現状の政治が官僚主導に陥っているように、優秀な頭脳をもつ集団が利己的な考えで行動する時、政治に対抗する力はありません。そんな事例が一つ出て来ています。

農水省の闇専従の問題です。通常業務から離れ、労働組合の活動に従事すること。これ事態も問題ですが、農水省は142人に疑いがあるにも関わらずゼロ回答、再調査の結果もゼロ回答になるよう、調整した疑いがあるものです。1日4時間以上、年間30日超などという闇専従に対する基準自体もおかしいですが、所定の給与が支払われ、公務を怠る行為は国民に対する背信になります。
そしてもう一つ、2次補正で実施される高速道路ETCのみ1000円という施策です。政府は既存の制度、体質を維持したまま、時限的に国民ウケする政策を打ち出そうとしがちですが、それはシステムを複雑化させ、行政システムの肥大化を促します。定額給付金も同様、1兆円近いコストをかけて2兆円を配る。システム遅延を起こした高速道路料金も同様、開発費が嵩めば行政コストは膨らみます。

行政コストの肥大化、これは食い止めねばなりません。その一つが天下り禁止であり、闇専従などの公務員の職務不履行を許さぬ諸施策です。そしてこれは年金問題も同様、複雑な仕組みの中でコストが拡大、この構図が大きな政府からの脱却を遅らせ、結果的に国民に増税で行政コスト拡大による負担を依頼する、という形になってしまいます。
官僚にとって都合の悪い人間は、例え政治家であっても情報操作でさす、官僚の使う手口です。今回の小沢氏の問題も、一つには含まれている動きでしょう。そうした国家からの脱却は、一体誰が成し遂げてくれるのか?国民が選挙で考えるべき重要な視点でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年03月14日

北朝鮮の動きについて

北朝鮮が国際民間航空機関(ICAO)と国際海事機関(IMO)に資料を提出し、宇宙条約にも加盟し、4月4〜8日のミサイル発射が現実味を帯びました。ロケット名は銀河2号、試験通信衛星は光明星2号、金ジョンイル氏が国防委員長に推戴される前、祝砲の花火の如く打ち上げられる公算となりました。

日本の対応は、国連安保理決議1718違反として新たに制裁を盛り込んだ決議をとる外交的手法と、ミサイル防衛(MD)システムによる監視、迎撃体制の構築です。しかし現実問題としては、衛星軌道上へ撃ち上げられたミサイルは迎撃が難しく、更に北朝鮮製のミサイルは燃料が均質かどうか、極めて疑わしいことから軌道計算が難しく、迎撃に成功する確率はかなり低いと見られています。
またこれは公式な手続きを踏んで打ち上げられることから、防衛出動ではなく警察権の行使として、日本に墜落する可能性を生じた場合に撃墜するとのことなので、益々難しいことになります。しかも今回、一段、二段ロケットの処理をどうするかも明確ではなく、落下地点も読めない中で、仮に領空を通過した場合これらを撃ち落とすのか、さえまだ示されていません。

前回、中国人民軍が中朝国境付近に展開、という案を示しました。これは中国が今、北朝鮮へ関与を強めたがっている背景があります。これは先の金イルソン氏からジョンイル氏へ権力移譲が行われた際、父子継承に否定的な態度を示した中国側の考え方があります。中国は北朝鮮が世襲を強めることを警戒している。暴走気味とも言われる北は、中国にとって目下の懸念材料であり、中国内にいる朝鮮族の動向、金体制継続による中国共産党にとって扱い難い国になることを恐れ、外交交流を深めて相手の出方と自分の意向を伝えようと、中国が努めていることからも明らかです。
しかし国内向けに報道されていることからも、北朝鮮が今回打ち上げに至ることは確実です。現状、中国はこれを是認する方向と見られ、このため新たな国連決議が得られる可能性は低くなります。中国としても、北朝鮮がミサイルを持つことは懸念であっても、ジョンイル後の体制に影響力を行使できれば、それで良し、ということなのかもしれません。

日本ではソマリア沖派遣に新法ではなく、海上警備行動で対処する意向です。マシンガンではなく、バズーカを持った相手に対して心許ない根拠ですが、撃たれないと撃てないのが日本の自衛隊です。これが政治の怠慢で危険な海域に派遣される、そのことは意識する必要があるでしょう。
今回の北朝鮮の動きも、まだ3週間あるとはいえ、自衛隊に対する命令は未だに出ていないようです。2月頃から北朝鮮の動きは伝わっていましたから、政府対応は極めて遅いと言わざるを得ないのでしょう。危機管理の弱さは日本政治の致命的な欠陥です。小沢氏の問題で強気な態度が目立つようになった麻生氏ですが、危機管理の面で今回の対応が試金石になるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治

2009年03月13日

経済の話、世界同時株高?

世界で株式市場が急騰しています。日本ではメジャーSQの算出日でしたが、7491円となり、7500円以上であればSQ値を上回り、サポートになるとの思惑から買いも膨らんでいます。配当権利が70円程度、と見られていますが、今日の急騰で概ね7500円は回復した計算になります。

キッカケは米金融機関による1、2月の業績好調、GMによる3月に公的資本注入は必要ない発言、空売り規制の再導入、そして時価会計基準の見直し、です。どれも薄っぺらの理由ですが、これが売り方の買戻しを引き起こし、ダウは3日で620$の上昇となり、それを世界が好感した形です。
為替面ではスイス中銀が利下げ、量的緩和、それに為替介入を示唆し、スイスフランは急落しています。これにより他国でも為替介入をし易くなるとの思惑が入り、リパトリから一時円高に進み始めた市場も、円安へとまき戻っています。本来この時期は円高に傾き易いのですが、今年は還流が少なくないと見られます。海外の収益性の悪化もありますが、円高で、法人税の高い日本には必要以上の還流をさせず、現地で持ち越す動きなども影響しているかもしれません。

そんな中で今週末G20が開かれます。4月の金融サミットの前段階、今回は大きな決定はないと見られますが、ガイトナー米財務相がGDP2%の財政支出を各国に求め、与謝野氏もその動きに追随する発言をすると見られます。そこで与党の追加景気対策の話も浮上していますが、日本では先行して財政赤字が拡大しており、GDP2%を達成できるかは微妙であり、かつ麻生氏の発言をきくと、再び増税議論とセットになりそうな雲行きであり、効果は微妙なところだと感じます。
一つ提案は、今回ETC取付けが活況を呈しています。実際、高速道路1000円に大した経済効果はない、と見られますが、それでもETCを取り付けようとするのは、すぐに必要はないが、あった方が便利かな、と思う層の取り込みに成功したことです。時限で割安感を提供する、これを応用することで、短期的な消費押し上げ効果を喚起できることになります。

家電買い替えの補助、しかも単月で対象家電を変え、一年間継続して切れ目なく補助を出すことです。終わった後の反動も怖いですが、慌てて買い替える必要がない人の意欲、もしくは新たに買いたいという意欲を喚起させることが重要です。しかも自動車や不動産など、大きな買い物でないことが現状の経済環境に見合う、小さな消費から大きな効果を得る一つのキーワードだと考えます。
公共工事は政府が大きな支出をし、それが資金を巡らせ経済循環を促す仕組みです。しかし現状、ゼネコンなど大手の搾取が大きく、経済効果としては極めて低くなっています。消費、内需の復権からの経済回復を促せば、日本国内で還流する仕組みが初めて成功する形になります。個人資産をどう生かすか?という観点で見ても、政府の少しの補助で消費が喚起できれば、三方一両損のような形が上手く形成できることになります。公共工事の前倒し、未だにこの程度の提案では今回の局面、回復は難しいのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(7)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2009年03月12日

雑感、西松献金事件に動き

昨日も取り上げた記事ですが、北朝鮮が4月4〜8日に衛星打ち上げを発表しました。前回と異なり、正式な手続きを踏んできたため、これで日米韓の対応は難しくなりましたね。

西松献金事件で新たな動きがありました。小沢民主党代表の元秘書、現衆院議員の石川氏へ検察側が参考人聴取を行ったようです。西松建設以外のゼネコンにも参考人聴取を始めたようですが、遅いという印象をもちます。大久保公設第一秘書が逮捕されて10日が経ち、政治資金収支報告書の虚偽記載、これに対する補完作業であれば問題ありませんが、時間的に収賄などの逮捕容疑に切り替えることは、現状では難しい判断に陥っていると見られます。
小沢氏側が東北地方の公共工事受注に対し、隠然たる影響をもっていようと、責任範囲を外れているため、収賄罪を適用するには県知事や県議、市町村長や市議、地方公務員との結びつきを証明する必要があります。談合があれば別の問題になりますが、小沢氏側は工事発注ラインに関与していない、となれば収賄罪による摘発は難しいことになります。

一方で、西松献金事件の中で収賄に発展しそうなのが、二階氏が経産相時代に受けた献金や、尾身氏が沖縄北方開発担当大臣時代に受けた献金です。この場合、両名とも工事発注ラインの責任者であり、時効事由に掛からず、企業献金との認識をもって発注があれば逮捕相当になります。
今回の事件で最大の謎は、検察が金額の多寡を問題としていることです。責任と事件性という点で、与党側により重大な問題が内包しているのは明白。それでも小沢氏のみを捜査する点を、国民に説明して納得を得る術は、物証を示すしかありません。しかしすでに虚偽記載事件の補完、傍証固めに入っている段階で、今回の事件は検察から明確な説明のないまま、大久保氏の『認識』を最高裁まで争うことになってしまうのかもしれません。

そんな中で笹森前連合会長が、小沢氏が「済州島を買う」発言をしたと明らかにしました。本人が否定しているため、真相は分かりませんが、韓国側の反発も受けそうです。民間であれば、幾ら他国領土であろうと買占めも可能ですが、政治家としての発言としてみると軽率の謗りを免れないでしょう。どちらにしろ、イメージ的にはマイナスの材料が出てきました。
千葉県知事選が告示されましたが、どの候補者も政党色を消し、県民党の代表であると訴える戦略です。政党政治の末期症状、という言葉は相応しくなくとも、与野党ともに支持率が低下する中、もはや支持基盤に頼る選挙では浮動票を取り込めない、その証左なのでしょう。自民も民主も、次の総選挙を占う上で重要な地方選が、4月は目白押しですが、鼻を切れないと厳しいことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年03月11日

北朝鮮と中国の動きについて

金ヒョンヒ元死刑囚と、拉致被害者家族との面会が実現しています。韓国政府の北朝鮮に対する態度が変わり、拉致問題にも前向きになった成果ですが、韓国国内ではまだ大きな盛り上がりを見せていないようなので、政権の協力がどの程度継続するかは今後の課題なのでしょう。ただ20年前の記憶ですから、何か新たな情報を期待するのは難しい面もあるのでしょうね。

北朝鮮では最高人民会議代議員選挙が行われ、金ジョンイル氏が再選。4月にも国防委員長に推戴される方向です。後継候補に目立つ動きはなく、未だ国内情勢が混沌とする中、ミサイル問題が発生しました。現状、米韓演習が終わり、4月の会議前が発射タイミングと見られています。
米軍はミサイルの迎撃を示唆し、中露も北朝鮮に自制を求める発表をしています。ただ北朝鮮としては六カ国協議が停滞し、米側からも積極的アプローチがない今、存在をアピールするためにも発射する可能性は十分にあります。迎撃すれば戦争との声明を発表していますが、撃っても撃たなくても、北朝鮮ではジリ貧との警戒感が漂う中での瀬戸際外交というところなのでしょう。

回避する術は一点、中国がミサイル発射自制に向けて軍事行動をとることです。中朝国境付近に人民軍を配置し、監視体制を強めれば両面作戦を恐れ、発射を躊躇うはずです。本来、中国がもっと積極的に動いても良いはずですが、そこで起こったのが南シナ海の問題です。
海南島から120キロ南の海域で、音響探査をしていた米艦船を威嚇、妨害していたというのです。中国は排他的経済水域だと主張していますが、米国と食い違いも見せており、六カ国協議の主要二カ国が軍事面で小競り合いを演じた形です。楊外相が訪米する直前、ということもあり、けん制の意味合いも多分にありますが、米中の緊張は様々な形の影響を引き起こすことになります。

例えばこれが、米軍が尖閣諸島への日米安保適用を示唆したことへの面当てであれば、問題は日本にも飛び火します。中国にしろ、北朝鮮にしろ、相手の出方を伺う際は決まって軍事力先行、強行的態度で妥協を迫ってきます。内部を情報統制で抑えられる国は、外交では強気を崩さないことが国力の堅持と考える性向があり、この点には注意も必要なのでしょう。
北朝鮮のミサイル発射、最悪のシナリオは米軍が迎撃に失敗、更に日本に墜落するというものです。弾頭は積んでいなくても、仮にそうなれば日本中は騒然となり、収拾がつかなくなる可能性があります。このシナリオに至らないよう、最善を尽くすことは言うまでもありませんが、政府には多面的に即応体制を築いておくことが、今から求められているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | アメリカ

2009年03月10日

経済の話、株価がバブル後最安値更新

西松献金事件で、今日も小沢氏は記者会見を開いています。説明責任不足との世論の声に応える形でしょう。ただ小沢氏もしくは秘書、側近だけで収賄罪はほぼ成立しません。東北地方の公共工事で…、といっても直接の責任者ではないため、斡旋利得が適用されるはずです。
西岡参議運委員長が検事総長の証人喚問を示唆するなど、民主による検察不審も根深くなっています。現実問題、実行に移されるかは別にして、国政を左右する大事な事件に対し、未だに明確な証拠を示さない検察側の態度も、不審を醸成する下地になっています。全ては語れないにしても、そろそろ検察も公式に記者会見等を開かないといけない時期には来ているのでしょうね。

日経平均はバブル後最安値を更新しています。今日になり、与謝野財務相から株価対策なども語られましたが、今更口先介入では3月期末に間に合わず、効果も限定的です。大手銀6行の保有株含み損が1兆越え、生保の逆ザヤ、との試算もありますが、資産運用を担う金融機関が株保有という実態に対し、それぞれに問題提起をされる形が7000円という水準にあります。
1月の経常収支が1728億円、史上最大の赤字幅を示しています。外貨を稼げなくなった輸出立国、これが日本の置かれた状況です。政治が株価対策を打とうと、構造的問題を解決できなければ一時しのぎです。日本のとるべき政策として、何があるかを少し考えてみました。

その一つが人口密集度の低い地域の法人税率を20%に抑えることです。当然、工場誘致をし易くすることもありますが、この時期大規模工場移転や新たな設備投資もし難い部分があります。当面の目的は農業、林野、漁業分野の法人化です。この部分を大規模集約化し、収益を上げられる体制作りを政府としてサポートするのが、内需拡大を促す将来的な戦略となります。
日本が外貨を稼いでも低成長に喘いだのは、一つに労使関係における物価目安の賃金交渉体系、もう一つは新興国製造業と対抗するとの名目でとった就労環境の変化、が上げられます。このため内需が低迷し、国内で資金を還流できない体質が染み付いてしまっているのです。

上げ潮派の一部には、東京など都心に富を集中させ、再分配による国内景気を盛り上げる主張もあります。しかし新興国が急成長できるように、低位の部分を成長させる方が投下資本も低く済みますし、高成長が期待できます。都会から地方へ、この流れの中で内需拡大を進めるような施策を打つことが、遠回りでも株価対策には必要なことなのでしょうね。

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2009年03月09日

各社の世論調査の結果について

漆間官房副長官の国会答弁、相変わらずブレが目立つ内容でした。午前は「誤った報道」、午後には「誤解」、記者会見では「記憶にない」です。誤報では集中攻撃を受ける、誤解であれば発言を曖昧にできる、しかし最後は言い逃れできないとして、半ば認めた形です。
漆間氏の秘書3名も記憶にない、と述べていますが、短期で記憶を喪失するようでは職務遂行能力を疑われます。今回の件は誤解を与えたことが問題ではなく、疑念を想起させて事件全体を歪めたことが問題なので、記憶にないとの発言は更に自らを追い詰める結果になるのでしょうね。

週末の世論調査の結果が各社で出ています。これだけメディアでネガティブキャンペーンが行われた割に、意外と辞任すべき、が伸びていない印象です。検察との対決姿勢を前面に出したことにより、説明責任は果たしていないとの評価ですが、概ね行動による必然の結果ともいえます。
意外なことは、麻生政権の支持が若干上昇した結果もあることです。定額給付金に絡む2次補正関連法案の再可決が、この事件で陰に隠れたので、政府としては満足の結果なのでしょう。そして1点、自民と民主の連立政権を望む声も多いですが、これはその後の政界再編を求めるものと推測します。ただ日本では、癒着や馴れ合いの構図が生まれ易く、政治が絶対多数を得ると、必ず国民側に不利益を生じます。今の3分の2を使った再可決を見ても、国民が求める政治は実現していません。

これは永田町も、霞ヶ関も国民意識との乖離がある結果です。そしてこの世論調査で麻生政権にて衆院選を戦うべし、との意見が急速に高まりました。首相に相応しい人物の中で、下位にいる人物において国民は選択する。この結論が今回の事件で最大の成果となるのでしょう。
即ち衆院選時期が流動化し、与野党ともに予定調和のような党首交代劇ではなく、双方今のまま戦えとの意向です。ただ小沢氏の辞任すべきが50%強になったことで、民主党の結束も崩れ始めています。国民の追い風を受けないと、無党派層の取り込みが厳しい民主党にとり、50%という数字がかなり目につく水準である、ということの裏返しでもあり、脆さを露呈する形になっています。

世論調査の数字が示したのは、意外と今回は素直な国民の受け止めとも見えます。麻生政権の得点でないのに、支持が伸びた点は一方の失望感を一方の期待値に乗せ替える、人間の感情として一般的なものです。結論として、誰が筋書きを書いたか分かりませんが、麻生下ろしは沈静化し、小沢下ろしは盛り上がる、という麻生氏にとってのみ都合の良い形での納まりに、今回は終わるのかもしれませんね。

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2009年03月08日

小沢民主党代表の公設秘書が逮捕4

西松献金事件、「自民党側は立件できない」発言が漆間官房副長官であることが明らかになり、予測の難しい展開に陥ってきました。警察官僚が事件に言及すれば、一般論を述べたでは済まず、警察権力への圧力、もしくは国策捜査との謗りを受け続けることになります。
例えば二階経産相を参考人招致、という話もありますが、強制捜査や逮捕が伴わなければ単なるパフォーマンスとの目で見られます。小沢氏と事情が異なる部分は、他の多くのメディアで指摘もあるように、金額の多さという点でしか、検察から示された情報はこれまでなく、与党議員の方が利益誘導という観点では、より重大な問題を多く含むことになります。

逆に、漆間氏が現職に留まれば与党議員側に捜査が及ばないことについて、一々に疑惑が呈されます。今回の発言により、説明責任という点ではナゼ検察が与党議員を捜査しないのか?という点に焦点が当たり、その度説明責任が必要になる可能性もあります。自身の置かれた立場、身分と、その発言において、的確に説明が尽くせる方策は残念ながら見当たりません。
与党も漆間氏を庇い続ければ、政権に打撃となります。ナゼいきなり逮捕、強制捜査なのか?私もずっと謎に感じていましたが、漆間氏の発言が、官房側によるゴーサインであれば頷けることになります。自民党議員にはゴーを出さない、そうしたメッセージ、サインとの受け止めに信憑性を生じたことが、今回の発言による政権政党による検察への関与、という疑惑に繋がるのです。

現状まで物証が示されない、世論誘導とも取れる情報ばかりが繁茂しています。前回も指摘しましたが、流される報道の内、西松建設を政治団体と読み替えれば、一切の違法性はこの事件にないことになります。政治資金規正法違反の虚偽記載ではなく、贈収賄で検挙するためにあえて逮捕、強制捜査に及んだとなれば別件逮捕、違法捜査との疑いまで出ることになります。捜査対象の切り替え、などが公表されれば益々その方面での疑惑が生じることになるのでしょう。
今回の漆間氏の発言、事件性という点で今後、どう向かうのかを縛ってしまった感があります。どういう方向になっても、この事件は自民対民主、という構図でしか歴史の中で語られなくなりました。ということは、明らかに検察の敗北であり、現場で捜査する人間の心も折れてしまうでしょう。正義が権力により捻じ曲げられる、検察が最も嫌う構図でしか事件が展開しません。

自民による誘導捜査、この疑惑を拭うためには官房長官による厳重注意程度ではすみません。今後、自民も民主も出方次第では大政局になります。検察も絡み、三竦みでどう動いていくのか?本当に一大疑獄事件に発展する可能性まで、滲んできたのでしょうね。

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2009年03月07日

経済の話、経団連が提唱する新株価対策

3月に入り、世界の株式市場が一段安を試す展開が続いています。米国では6日にダウが一時6500$割れを試しましたが、2月雇用統計で失業率が8.1%に上昇、非農業部門の就業者数が65万人減と、悪い経済指標も影響しています。ただ本質的には、オバマ期待が剥落しつつある市場が、実体経済の悪材料と景気回復時期の後ズレを意識し始めたことが、大きく影響しています。

日本では7000円に強い拘りがあり、特に年金基金と見られる意思が大きく働いています。特に、6日は場中に500億円の買い観測が流れるなど、年金が強い意志を示すことで、下支えを目指した動きも見られています。また指数関連では日系の動きが活発となっており、官民一体となった7000円キープの思惑が、外国人が無機質に日本売りを出す中で継続できるかが今後のカギとなります。
しかし年金が買う、という構図は上値を重くさせる要因となっており、それもジリ安の展開を予想させます。年金基金が昨年末の時点の運用実績を発表しましたが、運用のポートフォリオを上回る水準に国内株式がつみ上がっています。年明け以降の信託経由の買い越し額を見ても、値を戻すと持分を減らさざるを得ない、高値を追い難い展開が続くことになるのでしょう。

そんな中、新株価対策として経団連などが提唱する、銀行等保有株式買取機構などががTOPIXなどの上場投資信託(ETF)を購入し、それに基づく元本保証つき債券を発行、投資家に売却する形の検討に入るとの記事がありました。この案は、政府が個別企業の株式を購入するとの批判をかわすものですが、損失補てんにより債券購入者を優遇するという異常な手法です。
リスクのない債券であれば、小口にして個人投資家に全て売却すれば、税還付の意味合いもありますが、金持ち優遇との批判も出ます。これを金融機関や機関投資家に売却すれば、癒着の温床ともなる構図が生まれます。これは、欧米が金融機関の損失保証をする制度と全く異なり、これまでの損失を肩代わりするものではなく、これからの損失を肩代わりするという、不公平な制度となります。

日本では政治も経団連も、安易に市場に公的資金を入れようとしますが、こうした不透明な市場であるから、市場開放をうたう小泉政権の時のような状況にならないと、安心して外国人投資家が資金を投下できない市場となります。今回の対策、対症療法だとしても後に禍根を残すことは確実であり、今後も年金頼みで下支えを期待するしかないことになるのでしょう。
来週のメジャーSQは7000円よりやや下、と予想していますが、官民共同の下支えとはいえ、海外の相場環境の悪化は事態を緊迫化させています。水準を抜くと、意外と早く下を叩きに行くことは米国市場を見ても明らかです。与謝野プレミアムとも呼べる上昇もありましたが、7000円の攻防はやや買い方不利の状況であり、来週は若干厳しいことになるのかもしれませんね。

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2009年03月06日

小沢民主党代表の公設秘書が逮捕3

西松献金事件について、一つ間違えてはいけないのは、西松建設と毎年2500万円の献金を取り決めていた、西松建設へ献金ルートを別けるよう指示していた、等の内容は、西松建設の部分を政治団体と読み替えると、全て違法性はないということになってしまう、ということです。
つまりこれまでの報道ベースでは、依然として『事件性の認識』を問われているのみであり、物証が出ない限り公判を維持するのは難しいということになります。そして小沢氏の記者会見や、検察の動き等を考え合わせると、少し誇大妄想的な発想にも着眼できることになります。

ダム建設に便宜供与?という記事もあります。小沢会見でも、贈収賄や便宜供与を否定し、検察もここに軸足を置いて捜査をし始めたようですが、ここから分かることは政治資金収支報告書の虚偽記載での立件は難しいのではないか?ということです。小沢会見でも、これまで修正報告で済んでいたことをナゼいきなり逮捕か?と述べているように、この事件を突き詰めると与野党への火の粉が、政治家と検察の関係を歪める段階まで発展する可能性があります。
公判に至り、小沢氏側が与党政治家の政治資金収支報告書を例にひき、この場合とどう違うのか?と問い詰めたらどうなるか?検察は違いについて一々説明せねばならず、与党議員はその度修正報告に走るでしょう。違いを証明できなければ、その件で起訴せねばならず、そうなれば与党議員は続々と起訴されることになります。小沢氏側の弁護人がとる裁判戦術によっては、こうした検察vs政治家という、戦後憲政史上例のない一大疑獄事件に発展することも考えられます。

つまり虚偽記載、という事件で立件する場合、一般性という点で検察は難しい判断を迫られることになります。本来、政治家は仲間を売ることはあまりありませんが、小沢氏の目的が政界再編にあり、政界の裏を知る小沢氏なら、仕掛ける可能性は十分にあります。仮にそうなれば、むしろ国民にとっては政界の膿が吐き出せる形になるので、実は有り難いことなのかもしれません。
そこで、検察も汚職事件に格上げする方向で、捜査方針を固めているのでしょう。しかし先の岩永元農水相の事件にしろ、この政治資金規正法がザル法であり、法的解釈の違いでの立件は、極めて国民に分かり難い裁判となります。政治団体をダミーとし…、と言っても、ではそこから献金を受けた政治家は全てアウトか、というとそんなことにもなっていません。

国民が真に憂うべきは、西松建設のやり方は違法であっても、政治家にその認識がない以上受け手側は全てセーフ、という立法府にいる者の自浄能力のなさです。結果的に、この法律に依拠して検挙する以上、国民が納得できる決着は難しい、ということになるのかもしれませんね。

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2009年03月05日

中国で全人代が開幕

WBC野球で日本は中国に4-0で勝利しました。まだ中国に野球が持ち込まれてから日も浅く、実力差もありますが、まず勝利できたことは喜ばしいことです。そんな中、中国では全国人民代表大会(全人代)が開幕しています。例年に比べ、新たな経済政策が発表されるのでは?そうした期待が海外からも高くなり、先進諸国も注視する、そんな全人代になっています。

経済目標としてGDP8%成長、これを死守する構えが温首相にも滲みます。内需拡大のための4兆元(約58兆円)で公共投資、08年のGDPを9%成長とし、10-12月期GDPを6.8%成長と低くおいたのも、09年の成長率達成のための操作と見られますが、そこまでしても難しい見込みとなっています。
世界の工場としての中国、安い人件費で多くの企業が進出しましたが、世界の消費減速を受けても、意外なほど中国から撤退する企業は多くありません。これは工場進出のときに結ぶ約款に、撤退時の条項が含まれるためです。雇用を維持するために急な撤退、閉鎖ではなく地方行政と協議し、売却するなどが必要です。これは極めて厳しい内容であり、減価償却が終わるまで企業は撤退を決断し難くなっています。中国では工場閉鎖時に夜逃げ、というのも頷ける内容です。

こうした生産調整、経営計画を立てようとしても難しい。これが中国進出企業の悩みであり、中国経済の急減速を防ぐ一助になっています。ただ世界経済の変化に対し、中国の工場では緩慢な対処しかできない、となれば外需依存の中国経済から、企業は本格的な撤退を考え始めます。そこで何としても内需拡大で乗り切らねばならない、それが経済対策4兆元の意味になります。
しかし北京五輪までの開発で、元々公共工事は高い水準にあり、前年比の伸び率での寄与度は低いものとなります。半ば強引な貸し付けで設備投資を促したものの、資金の大半は株式市場に回ったとも言います。消費性向が強いとはいえ、雇用不安は中国も襲っていますので、この段階で内需拡大を促すには4兆元ではやや役不足、それが諸外国からの追加対策期待に結びついています。ただ1兆元とも言われる財政赤字を更に拡大させるには、中国も相当に厳しい決断を迫られるのでしょう。

欧米市場も中国全人代期待、日本でも買い仕掛け等で大幅上昇になりましたが、自国より低い経済規模の国の景気対策に期待しても、世界に与える効果は限定的です。悪環境の中の好材料だとしても、期待のし過ぎはよくありません。更に、中国ではレアメタル権益のためのアフリカ等への積極進出もあり、経済不安がアフリカを直撃すると、アフリカの政情不安が中国を揺るがす可能性もあります。
しかも財政赤字が嵩めば、当然のように外貨準備を取り崩してくるでしょう。内需拡大が進み、外需依存でなくても経済が安定すれば、米国を切り捨てる決断を中国はしてくる可能性もあります。中国経済の行方は、どういう方向に向いても不安は付きまとうものであり、悪い情報を軽視して良い情報ばかりに目を向けていると、手痛いしっぺ返しを食らうことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

2009年03月04日

小沢民主党代表の公設秘書が逮捕2

今日、2次補正関連法案が衆院で3分の2を使って再可決されました。造反は小泉氏と小野氏のみ、小泉氏は届け出たのでお咎めなし、小野氏は戒告です。郵政解散以来、造反し難い空気を作ったのは小泉氏であり、選挙が近い今造反も難しかった、というのが現状だったのでしょう。
小泉氏は「今後政局の話はしない」としたそうですが、世論を読んで風を起こそうとしたものの、小泉改革に疑問符がつく今、国民からの人気も凋落気味。笛を吹いても踊る人は少なく、これ以上の失態はJr.の当落に影響する、との判断もあるのでしょう。恩赦、とも言われる小泉氏への処分なしは、演説のうまい小泉氏を働かす恰好の材料に使おう、との思惑も透けて見えます。

小沢氏が公設第一秘書の逮捕を受け、記者会見を開いています。検察との徹底抗戦を唱えましたが、田中角栄氏直系の後継者と目される小沢氏とすれば当然の行動でしょう。自民党が「我々に国策捜査を指示する権限はない」としていますが、その通りです。ただ法務省等々の、秘書逮捕まで至る筋書き、官僚たちをそのシナリオで動かした力があるとすれば、それは米国です。
20日、延長を含めて40日の拘留期間、選挙日程、これらを鑑みれば逮捕時期は2月初めでも良かったはずです。しかしクリントン国務長官来日、これを待つ必要が生じた。会談の内容をうけ、米国は小沢氏を危険とみなして外務省サイドから手を回した。国策捜査とは、そういう意味になります。これが事実とすれば、ロッキード事件と背後関係は極めて似てくるのでしょうね。

昨日は逮捕の経緯が不明でしたが、どうやら西松建設側に秘書が請求書を送付していた、それが物証となるようです。ただ政治団体側から依頼され、疑問に思いながら送った等の理由を述べられると、公判を維持できない可能性もあります。地検がそれ以上の証拠を握れなければ、最高裁までもつれ込み、一方側の証言のみでは裁判官も五分五分の判断に陥りかないと思われます。
地検は金額の大きさが逮捕の一因、との見方も示したようです。しかしそれだと、法的正義を遵守する態度と言えず、小沢氏のなぜ自分だけ?という答えにはなりません。請求書によりそれが立証できるのか?それとも別の隠し玉をもつのか?それが控訴から公判へ、捜査や裁判を行う上での争点になっていくのでしょう。

小沢氏の記者会見、民主党内の動きを封じることには成功しましたが、危機管理ではマイナスです。国民に不信感を与えたことには誠実に謝罪し、その上で真実を白日の下に晒すとの意気込みを見せれば及第点。一旦党代表を預かりとし、次の不測の事態に備えればプラスだったはずです。
週末に各メディアの世論調査も出ますが、民主党の支持はやや落ちるはずです。ただ次の選挙、支持票より大きなウェイトを占めるのが、不支持票と見ています。無党派層が拡大し、より不支持票を集める受け皿になるのはどこか?そうした視点で、結果には注目していますね。

analyst_zaiya777 at 23:05|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年03月03日

小沢民主党代表の公設秘書が逮捕

小沢民主党代表の公設第一秘書が、西松建設裏金献金問題で、政治資金規正法違反で逮捕されました。東京地検が動いている、とかねて囁かれていましたが、選挙も近く、また米国務相との会談後、という国策捜査を疑われるこのタイミングで地検が動いたのは、幾つか理由も考えられます。

2つの政治団体から2100万円の献金、これも仮に陸山会が相手をダミー組織と知らなければ、法的な責任は通常問われません。道義的に返すかどうかは政治家の判断であり、これは名簿に上がる与野党の政治家、それぞれの問題になります。つまりこれは迂回献金、ダミーとの認識をもっていたかが問われるものであり、本来地検としては極めて難しい犯罪と呼べるものです。
通常、こうした捜査ではまず任意同行です。年度内に立件したい、40日拘留期間のギリギリのタイミングとはいえ、いきなり逮捕はよほど確信がないと出来ません。例えば秘書名の記載された領収書、献金を無心する音声テープ、などが発見された場合であれば問題ありません。

しかし西松建設側のみの証言であれば、その他の献金を受けた政治家、与野党問わず一斉捜査のはずですし、一方側のみの証言では相手側を即逮捕で拘留とするのは難しい。仮に無実で損害賠償請求などが起きた場合の影響を考えれば、公設秘書という重要性を考えても、踏み込み難いのです。
逮捕に至った経緯が、任意同行を拒否したこと以外なら、実は収支報告書以上の献金が渡っている、即ち虚偽報告が捜査の本筋では?そういう見方もできます。ただいずれの場合も、任意同行で事情を訊くのではなく、いきなり逮捕というのは地検特捜部の自信と覚悟を窺わせるものです。

この動き、実は小沢氏にとって都合いい、と見ることも可能です。以前から小沢氏には健康問題があり、首相は難しいと見ていました。これは恰好の口実を与え、党代表の座を下りないまま、選挙ではネクスト内閣としての党首を発表し、自分は院生を布くために後方に回ることが想定できます。仮に連座となっても数年は先ですし、現実問題その頃には政界引退を決めているでしょう。
しかも地検はこの時期、もう一つの大きな山で動いているとも伝わります。仮にそちらが動き出せば、政界に再び激震が走るといわれ、選挙前にまだ紆余曲折もありそうです。
自民の古賀選対が景気対策策定と同時の解散に言及し、またこの事件で解散時期も早まる感があります。どのような思惑であれ、解散は国民の望むことであり、投票結果に国民の意思は反映されるでしょう。敵失ばかりの草野球、と政治を例えるのはよくないかもしれませんが、早く政治が正常な状態に至るよう、総選挙ではマニフェストをきちんと見ていくことが大事なのでしょうね。

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2009年03月02日

雑感、米AIGに再び公的支援

麻生首相の方から、定額給付金を受け取ると言明がありました。明後日の2次補正関連法案衆院再議決を前に、党内の意見を一致させる形を作り上げたかったのでしょう。ただ「生活給付から消費刺激へ目的、比重が変わった」との理由は、国民ウケしません。給付金の名前、目的が変わろうと国民に何の変化もなく、それは政治の都合だけの話になります。更に「さもしい」との発言は素直に撤回、謝罪した方が、よほど目的に合致します。消費とはマインドであり、国のトップが上から目線で居直れば、結果的にマインドは何も変わらないということになるのでしょうね。

米保険大手AIGが08年通期決算で約1千億$となり、米財務省とFRBが同時に300億$の追加融資、子会社アリコの優先株をFRBが譲渡を受ける方針も示しました。これでAIGが受けた支援は2千億$規模となり、際限なき国の支援、それがなければ経営破たん、そんな実態が浮かびます。
危機の理由は幾つか語られますが、あらゆる市場で壊滅的な打撃を受ける中、運用を主体とする保険業が厳しい環境にあることは間違いありません。ビッグ3支援も同様ですが、国が運転資金を補う現状は破綻と呼べるものです。連鎖倒産を引き起こさないため、そうであるなら国有化懸念もチラつき始める水準です。日本でも子会社が保険業を営んでおり、国有化となれば影響は少なからずあるでしょう。

それと同時に懸念されるのが、FRBへの優先株譲渡の問題です。運用のメインプレイヤーである組織と、政策金利を決める組織が強い関連で結び付けられる、これは透明性の問題がいずれ生じそうです。保険業は国債での運用は少ないものですが、米国債の大量発行に伴う、受け皿組織として機能するのでは?そんな事態も想定できるものとなります。
日本の保険業で破綻した大和生命が、米プルデンシャル傘下のジブラルタ生命に売却されると決定しました。日本でも大型再編の波が来ていますが、合併や買収をして、企業体力を増しておかないと、この逆風下を乗り切れない、との危機感が保険業からは滲んできます。

運用が崩れる社会、それは全ての信用が崩れていることを証明していますが、現状の世界はこの信用が成立しない状態が続いています。次に崩れそうなのが東欧、との噂が実しやかに囁かれますが、こうした話題が出てくる間はまだ危機が継続し、信用など回復しないということだけは間違いありません。日本でも長い目で見て、着実に景気を回復させる術、定額給付金などの一時的な刺激ではない策が、今は求められているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 企業

2009年03月01日

経済の話。シティとRBS

米国で08年第4四半期GDP改定値が年率換算6.2%減と、速報値3.8%減から大幅な落ち込みとなったことが判明しました。ダウは12年ぶりの安値、7000$水準に近付いていますが、その理由の一端はこのGDP改定値と、米金融大手シティの記事でした。国が保有する優先債券を普通株に転換する。
高い金利で発行される債券より、普通株の方が配当で有利であることは間違いありません。ですが議決権が加わり、36%という高い国家の保有比率が経営の足枷となるのではないか?また今回資本注入は行われませんが、転換分の手数料はかかるので、いずれ再び資本注入が行われるのではないか?最終的にやはり国有化では?との懸念が39%安とシティ株を押し下げています。

現状、抜本対策でないと市場は評価し難くなっています。それは不況の長期化が意識されており、悪材料を抱えたままでは危機は去らない、との認識です。大手19行に対するストレステストも実施されていますが、これとてGDPが09年-3.3%、10年+0.5%の予測です。オバマ政権の景気対策が上手くいき、09年中の不況脱却が前提であり、やや甘い見通しとの見方も拭えません。
来年度予算ではTARP7000億$に、追加で予算が計上されるようですが、ストレステストの結果は公表されませんし、市場から資金調達するのであれば、高付利での社債発行などになるため、それも現状の市場環境からは難しい面があります。そんな中、英銀大手RBSが1兆8千億円に及ぶ公的資金の追加注入を発表しました。

しかもRBSは不良資産45兆円の内、発生する9割を国が優先株の形で被りますから、かなりの額が公的に賄われる形です。ユーロ圏経済で懸念されるのは、東欧、露、中東など欧州系が資金を注ぎ込んでいた市場が壊滅し、拡大する不良資産をどう処分するかですが、それと同時にポンドやフランなど、共通通貨ユーロの影に隠れる各国の通貨制度の中にあります。
国際的な決済通貨でない各国の通貨は、国家の財政負担と連動し易く、極めて不安定な状況におかれます。今回のRBSの実質国有化は、英国が金融機関と一蓮托生となったことを意味し、今後憂慮すべき事態も生じそうです。英国発の記事には今後注意も必要なのでしょう。

日本の証券市場は2月最終週、底堅く推移しました。月末ドレッシングとりは、言われるほど月末の資金流入も大きくありませんが、最近では期待値のみで上昇する傾向があり、月初に下落するパターンも多く見られます。年度末を控え、政府の動き、海外の動きなどの不安定要因も多いですが、米国市場の弱含みはマイナス要因となるでしょう。欧米で沸き起こる金融不安で、円安傾向にも一旦落ち着きが出てきましたし、3月は様々な面で少し厳しいタイミングになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:09|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 |