2009年06月

2009年06月30日

民主党・鳩山代表の故人献金問題

鳩山民主党代表の個人献金問題で、記者会見が行われました。4年間で90件、2177万8千円、友愛政経懇話会の政治資金収支報告書へ、第三者名義の献金を行ったことを認めています。ただ理由は「個人献金の少なさを気にした」ためと推測し、全て原資は鳩山氏の個人資産と述べています。
幾つか不透明な点もあります。4年間で約2千万、1年で5百万の支出と収入、繰越金などの明細が合わなくなっているはずです。政治家が自ら政治資金の全てを管理する、などほぼ有り得ませんが、個人のお金は管理しているはずです。むしろ政治資金と個人の財布が一体、と思わせるものであり、都議会で問題になった使途不明瞭の支出も疑わせるものとなります。

現状、政治資金規正法における第三者名義の献金、ということで罰則が適用される可能性もあります。ただこれまでは修正報告で済んだこうした事案も、西松献金事件以来、政治資金規正法の解釈が変更される公算も高く、事態の推移は不透明です。しかし二階氏への献金に対し、検察審査会の厳しい目がある中、同じ失敗を繰り返したくないとの思惑が、検察内部にも漂っているでしょう。一般性を崩し、違法性を追及していくと際限なく捜査範囲が拡がります。
全国会議員が、全て正しく政治資金収支報告書を記載している、などということはなく、誤記は必ず存在しています。悪質性、取扱額の大きさ、等が起訴の判断基準に加えられるかどうか?本人はすでに誤記載を認めているので、この辺りが今後の検察の動きに関わってくるのでしょう。

国会議員による資産公開も行われています。議員一人辺りの年間平均所得は衆院2590万円、参院2271万円となり、資産家の多い議員の中には、資産売却で億単位の収入を得た方もいます。
そんな中、厚労省から5月の完全失業率5.2%、有効求人倍率0.44と発表されました。昨年末から企業は急速に生産調整を進め、派遣切りを進めた経緯もあり、もう少しで失業保険の給付期限を過ぎる方もいます。また多くの失業対策も半年という期限付きのため、今後無収入により生活保護を受ける世帯が増加する、そんな懸念もあります。雇用は景気に遅行する、とはいえ確実に後数年は失業対策、雇用対策に資金手当てが必要であることを、この数字は示しています。

政治は金がかかる、という政治家が多くいますが、今は働きたくても働けない、お金が欲しいのに得られない、そうした国民が多く存在することもまた事実です。政治家が自らの懐具合を知らず、また2千万円以上の収入を得ながら足りないという様は、国民軽視とも映るものです。国民は給料、ボーナスが減り厳しい中でもやり繰りしなければならない、政治家の収入も減少傾向とはいえ、自ら切り詰める覚悟を示してこそ、国民の負託を受けた政治家、と呼べるのかもしれませんね。

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2009年06月29日

横須賀市長選の結果について

以前、偏向を指摘したメディアの政治欄の見出しで、『尻すぼみ首相』というものがあります。世論の風向きを意識した、というより朱筆である会長が、安心社会実現会議で提唱した厚労省分割案を反故にされて以来、政権と距離をおき始めたようにも感じられます。業務の裁量枠が大き過ぎるとして分割を提唱したのに、話が幼保一元論にすり替えられ、諸悪の根源のようにされてしまった。その段階で政権に見切りをつけた、ということなのかもしれません。

横須賀市長選で自・民・公相乗りの現職候補が、新人に敗れました。若手首長の登場という、時流に乗ったという意見もありますが、マニフェストの重要さと、市民の中にある閉塞感からの脱却が、しがらみのない政治への期待となって現れたのでしょう。小泉元首相のお膝元でメディアも騒いでいますが、踏襲という形では現行の苦しい状況は何も変わらない、変化を望む声は全国的な流れであり、既存政党の枠を超えた思いとして、存在していると考えます。
スペインの哲学者、オルテガの言葉を要約して引用します。「豊かな世界は〜劣悪なタイプの人間を生み出す〜それは『相続人』という部類に入る」オルテガは貴族擁護者であり、この言葉の結論も「貴族はその一例」としてまとめ、それより大衆的人間の方が問題、と断じています。

しかし特権を引き継ぎ、それに甘んじていれば『一例』として『劣悪なタイプ』に分類されることをこの言葉は意味します。相続できうる力、権力を継承してきた存在に対し、NOを突きつけることはエネルギーを擁しますが、それをもたらすものが閉塞感、という現状への不満なのでしょう。
麻生首相が政権交代なら景気低迷と述べています。財源議論がないことが理由のようですが、少なくとも閉塞感が晴れれば、それだけでムードはよくなります。民主党政権下で景気が低迷するかどうかは、その手法の次第ですが、確実なことは今より変化の兆しは掴めることでしょう。麻生氏の発言にも、形振り構わぬ感が漂い始めましたが、意見が正当かどうかが判断される現在、こうした無理解による批判は自己の評価を更に悪くすることにも繋がります。

自爆解散、などとも揶揄されますが、麻生氏の手で解散すれば、間違いなく大物議員も続々と落選します。その流れは、今回の市長選でも見えてきたと言えるのでしょう。デフレ傾向への足止めすら、国は止める手立てを失い、低金利と資金供給、公共工事に頼る政策が目立ちます。変化を望む声、これをくみ上げた政党が次の政権を獲る、ということで良いのでしょうね。

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2009年06月28日

地方から国を変える、その手法について

日韓首脳会談が行われました。両国とも支持率低下に悩む首長同士、ウィン・ウィンの条件も見出せず、仲の良さをアピールしたのみに終わりました。その中で、外国人地方参政権の問題で、麻生氏が「関心を理解」という微妙な表現を用いています。民団の動き、というより民団と繋がる帰化朝鮮人の影響を意識し、選挙前に態度を曖昧にした動きなのでしょう。
選挙に関し、土日の会談番組でも幾つかの動きも見られます。麻生政権下で重要な役職にある人間は、政権での解散を望み、そうでない人間は麻生下ろしで一致団結、まさに二極化の様相です。その中で特殊なのが古賀氏の動きですが、どういう形であれ、劇場型選挙で自民党主役の総選挙を目指す、選対委員長としての動きとしておけば良いと考えています。

地方の首長による首長連合の動きがあります。橋下氏の「支持政党を表明」はまず無理でしょう。それは無所属の首長といえど、地方議会では協力政党があり、それは個々の事情により異なります。仮にどの党を支持する、などとすれば集団からの離脱者が増え、政策集団なのか、政党集団なのか、分からなくなります。よく全ての項目で与党の政策が評価の高い、政策評価集団がありますが、そんな愚かな団体に存在価値はありません。個々の政策において優劣を評価し、トータルとしてどちらの党が優れている、という判断を下すのが集団の存在意義です。
東国原氏の発言にも誤解が見られます。このままでは民主党が大勝し、ファッショになると述べたようですが、前回の参院選前に与党がファッショ体制を築けたか?それを考えれば一目瞭然です。選挙により得られた議席数と、体制の強固さは必ずしも一致するものではありません。

特に東国原氏のように、国の首長になれば地方分権できる、などと考えるのは浅はかです。自民でも民主でも良かった、たまたま自民から先に声を掛けられた、という両天秤のような姿勢で、議会運営が成り立つことはないでしょう。世論さえ味方につければ、と考えているようですが、政党を天秤にかけた代償のまま議会で行き詰れば、世論もソッポを向くでしょう。
地方から国を変える、その方向性は正しいのですが、手法は東国原氏も、橋下氏も行政経験の未熟さを露呈しているように見えます。この辺りは人気というより、本人の行動に評価を与えるべきなのでしょう。メディアに引っ張りだこの東国原氏、発言の一つ一つに、裏が透けて見える時点で、若干この辺りの動きは警戒して見ておく必要があるのでしょう。土建政治から脱却できていない東国原氏が、国を率いればどうなるか、注意しておかなければいけないのでしょうね。

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2009年06月26日

「解散はそう遠くない」後の自民党の動き

マイケル・ジャクソンさんが亡くなりました。個人的には曲にまつわる思い出もありますし、時代が一つ終わった気もします。もうこれだけの人物は出てこないのかもしれませんね。

麻生政権が末期状態を越えてきました。記者クラブの会見で「解散はそう遠くない」と、珍しく麻生氏が態度を鮮明にし始めた途端、棚橋元科技庁長官や中川元幹事長から退陣要求が出されています。麻生氏が解散を匂わせた背景は、安倍元首相との会談で、都議選を越えると自身の手での解散が難しい、と示唆されたことだと推測できます。麻生氏は明確な勝敗ラインを示していませんが、大勝以外の結果では、与党内で麻生下ろしの恰好の材料となるのが確実です。
麻生氏が自ら解散する力はすでにありませんが、安倍元首相、甘利行革担当相、菅選対副委員長らは、ここで麻生氏を見限れば自分たちの浮かぶ瀬も失います。麻生氏は小泉路線の見直しで邁進するかと思いきや、曖昧な態度のまま理念なき内閣運営を行い、党内支持層を失う結果となっています。麻生陣営が退陣しても、結果も残しておらず党内では誰も評価してくれない。このまま退陣しては、麻生政権を支えた議員も失脚、そこで何とかして麻生氏で解散を考えているのです。

そのため党幹部人事、内閣改造などをちらつかせ、党内引き締めを図ろうとしたところ、逆に強い反発を招き、求心力がないことを露呈しました。どの手を打っても、選挙前の小手先のものと国民に見透かされており、支持率回復の芽もありません。打てる手も少なくなる中で、都議選前に解散をし、仮に都議選で大敗をすれば公明からも戦犯扱いを受けることになり、選挙協力とてどうなるかは分からない状況です。
つまりもう麻生政権には、静岡県知事選を初めとする7月からの地方選を、全て勝つぐらいでないと政権はもたないのです。特にここで解散をすれば、臓器移植法が廃案となり、責任論も取り沙汰されます。脳死を人の死と認めるかどうかの前に、麻生政権が死に体との認識も広まるでしょう。

政権交代前夜、とも語られる中で、様々なネガティブキャンペーンも起きています。鳩山民主党代表の故人献金問題、与謝野財務相の迂回献金問題、佐藤総務相の談合企業からの献金問題、数え上げればキリがないほど、政治家の不祥事に直結する問題が報道されています。
ただ今度の選挙はイメージではなく、マニフェストが重要です。橋下大阪府知事の国政で支持政党を表明、などは府議会で自民党議員の支持を受けつつ、それと反対の政党を支持できるのか?など意見集約の過程で私利が入る疑念もありますが、大事なことはマニフェストの精査です。前回のマニフェストも、自民は曖昧で評価は低いものでした。前回の参院選で姫の虎退治が成功した、これは何をしてくれるのか?それも明らかにできない政党に期待はできない、との選挙民の声です。マニフェストで何を示すか、それが大事になる選挙なのでしょうね。

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2009年06月25日

経済の話。世界銀行とOECDの見通し

今日の東証株価は強い動きを見せました。きっかけはECBが短期金融市場に44千億ユーロを供給し、出口戦略と真逆の、まだ過剰流動性を続けるとの明確なメッセージを打ち出したことです。これにより、先週から売りに傾き始めた欧州勢が巻き戻した流れでもありました。
また昨晩の連邦制度準備理事会(FOMC)で、国債買い増しなどのメッセージはないものの、出口戦略に関する部分の言及がなく、この点も安心感に繋がっています。世界の資金の流れは、過剰流動性の継続に関心があり、これは全市場に関わる共通テーマになりつつあり、その材料となる情報には、極めて敏感に反応し易くなっています。

世界銀行が世界の経済見通しを3月末-1.7%から-2.9%へ、見通しを引き下げました。09年の成長率見通しは日本-6.8%、米国-3%、欧州-4.5%に、それぞれ下方修正しています。10年はプラス成長に戻る見込みですが、これが火曜日の相場を押し下げる材料となりました。
OECDが加盟国の経済見通しを-4.3%から-4.1%に引き上げ、09年の成長率見通しを日本-6.8%、米国-2.8%、欧州-4.8%にしています。日本は悪化するものの、欧米は前回見通しから上方修正しており、これが全体を底上げする形となり、今日の相場の上昇にはこれを好感した一面があります。

しかし両者を比較すれば一目瞭然、数字が接近しただけ、つまり見通しが一致してきたことを意味しています。09年はマイナス成長、しかし10年は僅かながらプラス成長に回帰、それがコンセンサスということです。ただ金融市場がバブル的、という状況の予測は誰もつかないので、この点は世界経済に不測の事態が起こらない、それが前提となっていることに留意が必要です。
特に財政出動が大きい国ほどマイナス幅が小さく、政府頼みが続いている現状に変わりありません。一方で5月自動車生産がメーカーごとに軒並み-40%前後と、昨年前半好調だった影響が残ります。今年、企業の業績が回復するという方もいますが、昨年前半はサブプライムの影響があったとはいえ、堅調な業績を上げており、年間を押し並べて見れば、今期の業績は良くて昨年並、悪ければ減益となります。それが世銀もOECDも一致した見方を示す、日本の成長率-6.8%という実情なのです。

そして最大の懸念材料は、世界各国で同時に失業率が上がる中で、どの程度財政出動を続けられるか?です。経済だけでなく、年金や医療など、福祉の面にも政府の財政は大きくとられます。失業保険、生活保護、就労支援など、今後、財源問題を含めてトータルした国家の経済財政運営が求められることになるでしょう。その時、当然金融だけがバブル的環境であると、批判の対象となります。
金融業界の報酬制限に失敗した米国、今後は世界各国で金融支援が正しいのか、という議論の渦が巻き起こるでしょう。直近では、バーナンキFRB議長の責任問題など、政府の介入と効果、結果についてはまだ紆余曲折もあるのでしょうね。

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2009年06月24日

OECDによる年金推計

与謝野財務相の政治団体に迂回献金か?と某紙が報じました。商品先物取引を扱っていた企業であり、通産相時代も献金を受けていることから、利益供与まで含めて疑惑となっています。資金集めの構図、資金の流れは西松献金事件と同様、ただ直接の利害関係者であることから、仮に陳情を受け付けていた、となると贈収賄まで適用になる事件となります。
現状、情報が少ないので何ともいえませんが、会社代表である人物の政治資金規正法違反は、第三者名義での献金として西松献金事件と同様に問えることになります。ただ検察は政治資金規正法に、金額という二段階の基準を設けており、この点が今後の事態の推移に関わってくるのでしょう。92〜05年までパーティー券を含め、5530万円は多いですが、すでに時効のものもあり、渡辺元行革担当相の3540万円と合わせ、検察の捜査が待たれるところです。

経済開発協力機構(OECD)が、日本の公的年金が現役時の所得に占める受給額の割合が33.9%、加盟30カ国中、英国に次ぐワースト2位(平均59%)と発表しました。同様に65歳の貧困層が22%と、OECD平均13.3%より悪いと指摘しています。この数字には幾つかカラクリもありますが、日本は高齢化が進み、一方で国民皆年金を進めるため現役世代の負担を考えると受給を低く抑えようとします。
また高度経済成長下で高い給与を受け取っていた人が、年金受給者となれば割合は低くなります。更に制度的に、マクロ経済スライドが導入され、給付自体は抑える傾向ですから、益々割合は引き下げられることになります。そして国民皆年金と言いながら、受給基準に納付年限が含まれ、このことが無年金者として貧困層を生み出すことに寄与しています。また夫婦で年金分割が可能となり、一人当たりの受給額が下がったことも、貧困層を生む原因となっている部分があります。

解決策の一つに、共同生活体の構築があります。老人ホームと個人生活の中間、と言った位置付けで、個々の負担を減らしつつ自由な生活を約束する。身体がある程度動くのなら、こうした生活で貧困を食い止めることが出来るでしょう。年金記録の回復認定が4割という記事もありますが、企業が年金を徴収しながら社保庁に納めない場合、負担は国庫を直撃することになります。
年金は徴収方法、運用方法、管理団体、そのいずれもが甘い査定の下で運営され、後に崩壊の火種を抱えています。誰もが安心して老後を迎えられる社会、という前提が崩れれば、国家を崩壊させる危機にもなります。OECDの推計を、単に数字上の手品と見るのではなく、真剣に日本の未来を考えていくことが必要でしょう。歪んだ制度は抜本対策が必要ですが、そこに手の入れ難い構造が霞ヶ関には存在する。この問題はそこを変えていく、という決意が必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(5)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2009年06月23日

東国原宮崎県知事が国政転出?

自民党・古賀選対委員長と東国原宮崎県知事の対談で、出馬要請に応じる条件として|了会の提言を一言、一句変えずに党マニフェストに盛り込むこと、⊆ヾ総裁候補とすること、を提案したと伝わります。両者とも高いハードルであり、体よく断ったとの見方もあります。一方で総務相辺りを落とし所に、国政に打って出る色気も十分に示したとも伝わります。
△倭躡曚鰺弋瓩靴拭△靴し条件面からみてすでに無理であり、候補という地位に妥協したと見ます。それを古賀氏は脈アリと見ているようですが、しかし東国原氏は話題作りを重視したのであって、,塙腓錣纂身の態度を表明することに成功しています。△麓身が自民党総裁の器である、と暗に仄めかしているのであり、評価を高めさせる効果を狙ったとの見方も出来ます。

,麓民党の利権構造から見て、仮にマニフェストに盛り込んでも覆されます。しかしあえて持ち出したのは、地方分権を旗印に掲げれば自民党議員を応援しますよ、というメッセージと見ています。宮崎県議会対策のためにも、与党との距離の近さをアピールしたい。しかし無条件で与党議員を応援しては、県民の支持を失いかねない。地方分権を強力に推進する党なら応援するよ、という遠回しの、また条件付のメッセージでもあるのでしょうね。
国政に打って出たいのは山々ですが、時期尚早は本人も自覚しているでしょう。次の次への複線、仮に政権交代をして下野した後の自民党へのサプライズ、としておくのが良いと考えています。言葉は悪いですが、また踊らされた自民党、という見方が正しいのでしょうね。

しかもそれ以上に自民党内では、社会保障費2200億円の抑制も22年度は適用しない、と骨抜きされました。財源議論が好きな自民党にとり、歳出拡大の財源をどう捻出するのか?今度は相手に投げたボールが返ってくる形となります。郵政も西川氏続投を決め、党内には一定の配慮をしたつもりでしょうが、国民ウケは悪く、それがまた支持率低下を招きそうです。
サミット出席で花道、都議選後に責任をとって総裁辞任が規定路線でしょうが、破れかぶれ解散、党を割る可能性が残されていることには注意しなければなりません。郵政解散の焼き直し、党内対立と見せかけた党勢拡大、というシナリオが現実案として模索されています。仮にそうなれば、東国原知事を新党党首に担ぎ、党を割った議員が合流して…という国民利益度外視の永田町劇場が再び開演することになります。

道路の空洞化を検査する財団法人が、ピンはねをするだけの組織に過ぎない。という指摘が出てきています。大事なことは、こうしたものは歳出の無駄であり、抑制してくれるのはどの党なのか?利権に巣食う連中から、国民利益に資する制度に変えてくれるのはどこなのか?そうした視点をもつことなのでしょう。今回のような劇場型に惑わされることなく、きちんとマニフェストや、党首の主張を精査していかなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2009年06月22日

経済の話、企業景気予測調査

セブン-イレブン・ジャパンが加盟店(FC)契約した店に対し、見切り販売しないよう不当な圧力をかけた、として優越的地位の乱用で排除措置命令が出されました。コンビニは脱サラし、個人事業主として経営を始める方も多くいます。しかしセブンではありませんが、以前も高い契約料がにより破産する経営者が多く、問題になったことがあります。本部が優越的地位であることは確かであり、契約、加盟という立場にある個人経営者が弱い立場であることは言うまでもありません。
問題は利便性を追及するコンビニ経営、という以上に個人が事業主として参入し易い業態、次々に新規で個人が名乗りを上げ、本部にとって新規参入者がコンビニエンスになっている事実です。見切り販売、割引販売を認めない、ということは地域間競争を認めない業界です。地域にA店があれば、B店と契約し、出店する。コンビニ同士の競争は事実上、本部の値引きサービスやキャンペーンに期待するしかない。こうした業態は早急に見直すべきなのでしょうね。

内閣府・財務省が発表した4-6月期法人企業景気予測調査、景況判断指数(BSI)が大企業で-22.4、1-3月期から大幅改善し、7-9月期-2.6、10-12月期+8.7となり、年後半の回復を企業が見込んでいることが明らかとなりました。しかし現状の市場はすでに織り込み済みであり、数値的にはサプライズはありません。現状の日経平均は7千円台後半が居心地の良い水準ですが、この年後半の業績回復が達成したとして1万円、というところがコンセンサスともなっています。
しかしリーマンショック後のマネーの流れには、大きな変化も出ています。個人が劣後債を買う流れがありますが、これはtoo big to fail(大き過ぎて潰せない)が製造業でも当て嵌まる、と見て利回りの高さに着目した個人資金が流れ込んでいます。しかし仮に破産に陥ったとき、処理が面倒で、かつ権利も少ないことからこれまで個人販売はほとんど行われていなかったものです。

日本の証券市場で大型と、小型・新興株の循環取引が活発なように、潤沢な資金が倒産リスクを遠ざけ、あたかも好況を呈しているような様相があります。しかし韓国のリチウム電池への保護主義、バイ・アメリカン運動、中国の穀物輸出関税撤廃など、貿易環境の悪化には冷静な見方も必要です。外需依存体質が変わらない日本は、相変わらず海外動向頼みでもあるからです。
リーマンショック後に変化したマネーの流れは、産業界にも変化を与えるでしょう。米ビッグ3などはその端緒であり、そして今日、日本でもJALが政府監視下での再建支援を受ける旨、発表されました。航空会社はどこも労組が強く、ビッグ3と似たような環境にあります。原料高、円高や景気悪化、病気による旅行者減少、などの状況下で民営を維持することに限界もあるのでしょう。

政府関与の強い企業再建。問題はこの向かう先です。いずれ再建が成し遂げられ、自主経営が成立すれば良いですが、そうでなければ国家の負担は膨らむばかりとなります。これは国と大企業、本部と個人経営、そうした関係でも同様、優先順位を間違えて一方に優越的地位が生じれば、不幸な結末となるでしょう。何を守り、何を捨てるかという選択が大事となってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2009年06月21日

郵便不正事件について

障害者団体向け郵便料金割引制度の不正利用事件、白山会(凛の会)の守田容疑者が障害者団体として低料第三種郵便を請負い、それを企業のDMとして送り暴利を貪った事件です。厚労省のエリート官僚・村木容疑者が逮捕され、捜査される事態となりましたが、若干の不透明感もあり、この事件についてはこれまで極めて慎重な見方をしてきました。
牧民主党衆院議員と守田容疑者が近い関係にあり、厚労省内で障害者団体認定を受ける際、根回しに有利となるよう○政案件として処理した、との話があります。しかし村木氏が関与したのはH16年前半、野党対策がそれほど重要だったか、というと微妙なタイミングで、障害者自立支援法が悪法であったとはいえ、野党の反対質問を強行突破できるだけの材料は揃っていました。あえて自身が脱法行為に手を染めるリスクを冒す必要性は、さほどなかったとも言えます。

しかも牧氏が障害者自立支援法を、党内で意見合意できるほど力のある政治家か?というと首を傾げるところです。この点は当時の障害保健福祉部部長(退職)からの、申し送り事項として処分した、と考えるのが良いのでしょう。先に逮捕された上村氏も「仕事ができないと思われるのが嫌」と供述しているのように、引継ぎ、指示された業務の遂行を急いだ可能性があります。
厚労省への家宅捜索など、かなり強行姿勢で地検は望んでいます。しかも村木氏の机から400万円、などのネガティブ情報もあります。議員へ報告した、という情報も実際の必要性はあまりなく、認可を与えれば守田氏当人に連絡があるので、配慮としては行き過ぎの面があります。偽造に関わったのは事実でしょうが、本当に○政案件としての処理だったのか?は微妙だと見ています。

大阪地裁が地検特捜部による守田容疑者への拘置延長に対し、捜査に疑問として拘置延長期限の短縮を決めました。政治家までいくとの強い意志を示す地検と、別件捜査と主張する弁護団との間をとった判断です。ただこの動きで分かるのは、地検の最終目標は議員の立件です。
牧氏が鳩山前総務相の秘書時代からの付き合い、ということで守田氏はブローカー業を司っていた、と言います。今回の郵便不正以外でも、議員の利権構造に肉薄して立件まで持ち込みたい、というのが地検の本音、意向なのでしょう。ただ議員が「頼む」と言えば斡旋になりますが、「こんな企業があるが…」と口を濁せば逮捕は難しい、それが議員の口利きです。

今回検察の思惑とは異なり、事件は議員までたどり着くことはないでしょう。ただ不正が行われていた事実、それを解明する上で議員本人への聴取はありそうです。選挙前の不透明要因ではありますが、個人的関与でもあり、また逮捕がなければ大きな動きになりそうもありません。
ただ牧氏だけにブローカー業を行っていたのか?政治家との繋がりを重視する人物が牧氏だけに依存していた、とは思えない部分もあります。事件が政治家に拡大する気配は現状ありませんが、検察の動きで政局への影響を考慮する、そうした検察の態度に関する考察を深めなければいけないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 行政

2009年06月20日

臓器移植法改正案に関する参院の動き

臓器移植法案が参院に移されましたが、民主、社民の一部有志による「臨時子ども脳死・臓器等移植調査会」設置を盛り込む、改正案の動きが出てきました。参院は脳死について慎重であり、現行のA案の採決に際しても改正案が幾つか出てきそうな気配があります。
確かに医師に『脳死』判定されると、「アナタの家族は死んでいる」と宣告されるのと同様、というのは納得し難いものもあるでしょう。ただし現行A案でも、医師による判定を受けた後、家族に意思確認が行われ、同意が得られれば脳死判定として臓器移植が進みます。脳死が一概に死ではない、という意味では脳機能停止と脳死、などのように二段階の表現を使うことで、臓器移植に同意しない家族、脳死後も世話を続けようとする家族に対する配慮が必要となってくるのでしょう。

子供の脳死判定は難しい、ということでは、海外の事例を集めることは云うまでもありません。それらに基づきチェック機能を強化し、国民の信頼に足る制度にする必要がありますが、子供と話し合い、本人の意思確認をしておくなどは、家族でも行うことが大事なのでしょうね。
虐待が見抜けるかどうかは、現行の児童センターによる情報収集、調査を強化することで防げますし、擦過傷や痣の有無を確認することを義務付けることも出来ます。これは警察の捜査とて、完璧ではないように、全てを防止できることはありませんが、少なくとも科学的見地と傍証的な周辺事情の調査は、事前、事後に関わらず行うべきではあるのでしょう。

この法案は人の死の定義をどう考えるか?という根源的な問いを発するものです。しかし医学の発展により、脳死状態での生存率が高まったのと同様、移植により救える命が増えたこともまた事実です。そして今、新型インフルエンザにより先延ばしされたとはいえ、海外での移植の道が閉ざされる方向にあるのであり、日本としてどうするかは最低限示さなければいけません。
それを踏まえた上で、法律の関与によって両者の道を閉ざしてもいけません。脳死状態でも生き続ける権利と、移植の道を選べる権利です。これを国会による多数決、多いか少ないかという意見の差で、少ない方が負け、その権利を放棄せよ、としてもいけないのです。

医療は日進月歩です。最近出てきた細胞外マトリックス技術、早期治療なら指などの失われた末節を、完璧に復元できるようにもなっています。そうした最新医療の恩恵を、行政の怠慢や法律の整備不足で閉ざすことは、国民にとって不幸なことでもあります。国民にとって選択肢があること、これは医療では特に重要なことであり、多数決のために選択肢を失う、ということだけは絶対にしてはいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 健康

2009年06月19日

西松献金事件の「天の声」

海賊対処法、改正国民年金法、税制関連法が参院否決、衆院の3分の2で再可決されました。重要法案3点セットが通過し、国会も解散に近付いてきました。ただ麻生首相の雰囲気、覇気のない党首討論から察すると、都議選敗退なら首相退陣を模索中、と感じます。一度上昇した支持率が再下落し、もはや再び支持率が回復する芽はないと、自身もやっと気付き始めたのでしょう。
特に骨太2009素案の党内調整が遅れ、マニフェストへの記載も先送りです。党内さえまとめ切れないのに、総選挙を戦えるのか?日本のリーダーとして相応しいのか?との認識も、麻生政権に漂ってきます。国民に不評だろうと、郵政解散以来5人目になろうと、新総裁で出直しが自民党内の現実的な路線になりつつあるのでしょうね。

西松献金事件で、国沢前西松社長の公判において、一斉に「天の声」との表現がメディアで流れました。ただこの事件は全体が『政治資金規正法違反』であり、談合事件ではなく、贈収賄や斡旋利得での起訴もありません。なので検察は本来、公判において「天の声」の存在に触れる必要はなく、逆にそこに言及したことで、事件の構図全体を談合による贈収賄や斡旋利得なのか、政治資金規正法違反なのか、見え難くしてしまう効果を狙ったものと見られます。
今回の公判は、罪状を認めている国沢氏の側の判決を先に得ることで、大久保氏の公判を有利に、有罪であるとの心証を与えたい、という効果も考えてのことと推察できます。しかし「天の声」による受注調整が事実なら、早く受注調整に関わった企業全てを起訴すべきであり、検察は相変わらずこの点の説明が皆無です。

しかも「国民の目から覆い隠した、ヤミ献金と同じ」と断じた検察の論告、論調では、では他の政治家への献金も同じではないか?という疑念を生じさせます。与党議員への追及がない現状は、国沢氏を追い込めば追い込むほど、検察側の偏りとして認識されてしまうことになるのです。
これはとても早い裁判で、一介の審理で結審し、来月には判決がでます。が、検察、被告ともに納得しない判決、その後控訴となる可能性も高いのでしょう。検察は大久保氏の裁判に繋げたい、被告は検察に協力したのだから執行猶予を得たい、両者がこの思惑で一致する中、裁判所の判断が波乱要因となるか?それが注目となってくるのでしょう。

この事件はこのまま、総選挙にはあまり影響しないと見ています。談合事件など、事件の構図が大きく発展するなら別ですが、それ以外の材料は出尽くした、という感じもあります。むしろ国沢氏の公判で、大久保氏の供述まで持ち出した時点で、これ以上のネタは検察も握っていないことを示唆していると見ます。ただ検察の描く事件の構図と、起訴事実が異なるということが今後、公判でも不規則な事態を生む可能性だけは、強く示されたことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 司法

2009年06月18日

イランの混乱について

臓器移植法改正案の内、A案が衆院を通過しました。私は善意を法律で縛る必要はない、との立場なのでA案に近い考えです。ただ各々の立場、考え方、体験等からこの法案の見方は様々にできるでしょう。道徳を法律で縛ることが適切なのかどうかも含めて、この法案については考えていかなければいけないのでしょうね。

イランが大荒れです。保守派であるアフマディネジャド大統領の再選を受け、改革派のムサビ氏を推す勢力が激しく対立しています。選挙管理委員にあたる護憲評議会が再集計を示唆しても、改革派の抗議デモはやまず、強硬派民兵組織バシジによる攻撃で死傷者が出ています。
しかし構図は複雑です。宗教指導者ハメネイ師とアフマディネジャド氏の出身母体・革命防衛隊をバックにする保守派と、改革派のハタミ前大統領や穏健保守派のラフサンジャニ師がムサビ氏に乗るなど、単純な右派と左派の争いではありません。また宗教指導者が調整に失敗するなど、政治・宗教体制が大きく変革する、その前触れのような兆候を示しています。

現状、欧米は革命運動を支持していますが、改革派が欧米の望む道を選択するか?というとそうもいえない部分があります。ムサビ氏はイ・イ戦争時の首相であり、イスラム原理主義者です。イラクは反イスラム原理主義者のフセイン政権が倒され、親米政権が誕生しました。しかし現行の経済危機下では、保護主義的思想が重要視され、イランはより厳格にイスラム原理主義を適用する可能性があります。特に改革派とはいえ、寄り合い所帯であれば強い理念、そこに集約される可能性があり、単純な改革・開放路線への転換とはいかない公算が高いと見ています。
イスラム圏では宗教指導者の地位が高いですが、あくまでイスラム法の厳守と、主権在神が基本です。シッフィーンの戦い以来、スンニとシーアに別れたように、指導者の地位を巡る争いがおき易い傾向もあります。全体として、今回の混乱は革命防衛隊に多くの権限を握らせ、地位固めを狙ったアフマディネジャド氏への反発、という一側面以上に、高インフレなどの生活に直結した部分で、宗教指導者に対する不満が内包されている、と考えるべきなのかもしれません。

日本にもこの影響は飛び火するかもしれません。アザデガン油田の権益も一部は保有していますし、イランが混乱するとペルシャ湾やホルムズ海峡でも、混乱が生じるかもしれません。ソマリア海域が海賊で危険航路になりつつあるように、イランの混乱はこの地域に原油を依存する日本にとり、生命線となるものでもあります。
イ・イ戦争やソマリア侵攻で、イスラム原理主義の封じ込めに躍起だった米国が、真にホクソ笑む展開となるのか?宗教指導者が揺らぐ中、新たな体制の築き方が不透明になりつつあり、海外記者の追放や記事配信の制限など、メディアを国家権力で封じ始めた国で次に何が起こるかは、慎重に見ていかなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 中東 | 政治

2009年06月17日

2度目の党首討論について

麻生-鳩山の2度目の党首討論、アニメの殿堂の件で「安倍内閣時代から議論されている」と麻生氏が述べたところ、鳩山氏が「ならばなぜ補正予算なのか?」と切り返し、鳩山氏の側に+1、財源議論に拘った麻生氏が-1で、3-7で鳩山氏勝利といったところでしょうか。
財源を明らかにしないのは無責任との論調を麻生氏は示していますが、麻生氏とて責任を果たしているわけではありません。麻生氏の消費税論では3年後に経済環境が良ければ、という条件付であり、環境が今より悪化したときの財源は示していません。骨太素案で示されたように、消費税増税以外の財源確保の方法は曖昧であり、確定していないのです。仮に、必ず消費税を増税しますといえば、新たな財源確保という責任は果たせますが、増税が経済下押し圧力となり、税収減を伴えば財政上は更に悪化します。つまり麻生氏のする消費税議論とは、3年後に経済環境を良くする、という責任を負うことであり、財源について責任を負ったわけではないということになります。

そして議論でも出てきた『鳩の乱』と呼ばれる一連の件ですが、これも首を傾げる内容があります。それは「政府による100%出資の株式会社、民営化されているので政府の介入は最小限」という政府の立場です。株式会社なのですから、経営権に踏み込んで、どの程度介入するかは様々な解釈も可能ですが、経営者の人事権は株主が有します。特に郵政は招聘された経営陣であり、経営権を委託し、それに基づく査定において株主が退陣か、継続かを選択することが可能です。
郵政が一般と異なるのは、民営化法で業績開示や経営に関して、総務省に監視の権限が与えられていることです。つまり国民の財産を株という形で国民に還流し、その売却益を得ることになりますから、それまで国が監視する責任があります。真に問うべきは、西川氏の経営手法が国民の利益に資するかどうかであり、その点について政府は何ら説明せず、民営化された株式会社だから、としか述べていません。では何のために総務相に認可権が与えられているかは、説明していないのです。

特に郵政の取締役人事案を決定するのは、経団連の3人と西川社長、高木副社長の計5人で構成されています。その素案を政府が民営化企業だから覆せない、とすれば誰しも首を傾げるでしょう。通常の株式会社でさえ、経営者に人事権の全権が委任される企業はありません。
郵政を経団連に牛耳らせるつもりなら、総務相の認可権を形骸化するのも良いのでしょう。しかし郵政はあくまで国民財産であり、上場され、その一部を市場に流して売却益を得るまでは、経営が大事な位置付けをもちます。だからこそ人事において、西川氏を評価する場が必要であり、それが本人が在籍する指名委員会で、本当に可能かどうかを問わねばなりません。結果的に、国民が『鳩の乱』の評価で鳩山氏を支持するのは、鳩山前総務相の方がまだ経営そのものを問題にしていた、ということもあるのでしょう。麻生氏が責任を重んじるなら、今一度自身の説明責任が足りているかを、しっかりと見つめ直す必要があるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年06月16日

経済の話、日経平均の1万円割れ

今日の日経平均は1万円を割れてきました。一部で過熱感による調整局面、との楽観も示されますが、新興国では先週から下落が始まっており、事態はそれほど簡単ではありません。キッカケは世界各国で始まった『出口戦略』議論であり、過剰流動性相場にとってマイナス、との見方が広がり、一旦資金を引き上げる流れが起きたのです。
日本では1万円をつける、との強い意志で先週世界の流れと逆行しました。個人投資家が戻ってきた、とも云われますが、これは個人を装う仕手系グループの動きです。2部、新興市場などが暴騰に近い上昇を見せ、明らかに資金が仕手系に流れ、相場を持ち上げてきたフシがあります。

日本では5月首都圏マンション発売戸数が前年同月比19.4%減、市場動向も一旦下げ止まり機運が漂いますが、同時にボーナス危機も叫ばれています。企業は今年度のボーナスを減額しており、支出が収入を超える債務超過の事態が懸念されるのです。これは日本版サブプライムとも呼ばれ、派遣や契約社員へも政府の助成や金融機関も審査が甘くなりました。家を購入できたこうした層が、首切りにより支払い不能に陥り、今後差し押さえ物件が増える可能性を指摘されています。
雇用と賃金の悪化は、景気後退期の第二波です。それが不動産、消費などを痛撃し、悪化が長引くというシナリオは簡単に想定できます。それでも不況時の株高が起こる背景は、成長性の高い市場に投資してリターンを得なければならない、年金や保険の運用が大きく影響しています。

米国のヘッジファンドが壊滅に近い状態となり、運用先を探す資金の一部が仕手系に流れた、それが今回の上昇の一因でもあるのでしょう。仕手系というと暴力団を連想しがちですが、選挙が近づけば政治マネー、公的資金の流入観測もあります。実情は昔に比べ、判然としない部分も多いですが、高利回りで運用してくれる組織があれば運用を委託したい、それが本音の部分です。
特に過剰流動性が約束され、マネー流入が拡大していた部分もあり、昨日は相場は下落しても小型、新興市場の多くは上昇し、こうした動きの強さを示して見せました。ただ世界全体の不透明感が強まると、仕手系の動きも止まります。もみ合いか上昇相場には強くても、下落相場で売り叩く、ということは組成からもあまりなく、ここの動きが止まれば新興市場バブルも一旦止むのでしょう。

弱気派と見られがちですが、相場が上昇するにはそれなりの材料が必要、というのが私の立場です。今回、上昇材料は少ないにも関わらず、高く跳ね上がった、ということは逆もまた真なり、下落材料がなくても、大きく調整する可能性も否めなくなっています。
景気は『気』とも言われますが、今の市場は思惑の総量がどちらに多く向かうか?で流れは決まります。しかも過剰流動性相場であれば、尚更マネーの思惑によって動かされることになります。市場原理主義が間違いであった、とは最近多く聞かれる言葉です。市場原理がマネー本位制に変わり、高利回りと安心、安全を求めた結果、世界は多くのものを失いました。今はまだその過渡期にある、ということだけは忘れてはいけないことなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2009年06月15日

雑感、2020年までの二酸化炭素排出削減について

主要経済国フォーラムで、中国が日本の二酸化炭素排出量の2020年目標「05年比15%減」に対し、低過ぎるとの認識を示しました。都合の良いときに新興国と、先進国の立場を使い分ける中国としても、新たな二酸化炭素排出量議論には乗らざるを得ず、早くも綱引きが始まった形です。
少し古いデータですが、00年のCO2排出量は1位米国56億t、2位中国28億t、3位ロシア14.4億t、4位日本12億tになります。欧州を一まとめで考えると順位は若干変わりますが、中露、5位のインドまで含めて新興国が上位を占めます。ただそれを人間の頭数で割る、一人辺りの単位とすると米、豪、加、露、独と並び、日本は7位、中国は9位という順位付けになります。

環境対策として、エコカー補助などのハイブリッドカーが注目されています。ただ三菱が量産を始めたプラグイン電気自動車iMievも、航続距離160km、エアコンやオーディオをつけると100km少し、と言われることから、汎用性という点では難しいものがあります。
また最近、アイドリングストップ技術も注目されています。実際、街中を走れば停車状態であることが多く、その間エンジンを止めれば燃費には利きます。ただエンジンに対する負荷が高く、寿命という点では若干見劣りしてしまう点が、難点だと考えています。
今後はスーパーハイブリッド、つまりエンジンは車輪を回すのではなく、発電用として存在する電動自動車の登場が待たれます。また持ち運べる電池、簡単に脱着できて30〜50km走る、コンビニやガソリンスタンドで簡単に交換できる電池の登場も上げられるでしょう。電動自動車の利点にはアイドリングストップも含まれており、究極的にはオール電化、電池を交換しつつ航続距離を伸ばしていく、そうした自動車に置き換わっていくことにはなるのでしょう。

ただCO2削減の正当性の問題は、未だに科学的な決着をみておらず、この点を抜きにして削減目標だけが政治、経済を振り回すことには抵抗も出てきています。コンマ幾つの温度を下げるために、経済損失を伴う対策を行うのか?今回、政府は約7.6万円の個人負担増も謳っており、これは単純に経済を下押しする圧力になります。産業界と政治の思惑の折衷である15%減、効果との兼ね合いを考えておく必要があるのでしょう。
しかも欧米からも、日本の目標値が低過ぎるとの指摘もあります。数字を丸めたり、排出権を取得しても、見た目の排出量が減るわけではなく、数字が一人歩きし、道具としてのみ利用されている感もあります。環境産業は置換産業であり、決して新規の需要を生み出すものではない、と述べてきましたが、産業として発展できたとしても、それと引き換えに縮退していく産業を考えれば、必ずしも環境技術は産業全体の発展に寄与するものではありません。
それを踏まえ、今後の対策を練るべきであり、今は単に看板にどう見た目の良い数字を掲げ、支持を得られるか?それを各国が競っているだけでもあるのでしょう。未来を見据え、どんな技術が環境と産業を上手く調整できるのか、そうしたことをもっと発信するべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2009年06月14日

千葉市長選と与党の危機対応

千葉市長選、民主党などが推薦する熊谷氏が当選を確実にしました。汚職事件で前市長が辞職したとはいえ、与党は助役から市長へ、という強固な人事横滑りの既得権益を有していた地盤です。それが今回の結果により、民主党には追い風、自民党にとっては逆風との形が鮮明になりました。
政権担当能力や現体制の継続による安定と、変革・刷新の対決は、そのまま国政にも直結します。現状の閉塞した社会は与党の責任、失政の結果である。こうした論理プロセスが働けば、当然のようにこうした結果になります。名古屋、さいたま、そして千葉と、政令指定都市3連勝は、与党に対する不満と不安、野党に対する期待を如実に表した結果でもあるのでしょう。

与党に対する不満と不安、それはここ最近の動きに顕著に現れています。まず経済危機への三段ロケット、その結果として財政再建路線は増税有りきの税収増、という安易な方向に向かいつつあります。ハコモノ、公共工事などの前倒し、そのバラマキのツケを最終的に国民に回す。社会保障費の増大は、社会の構造変化の結果であるにも関わらず、社会に合わせて予算の枠組みを変えられないのは、官僚主導の予算編成を変えられない与党の責任に帰します。
次に新型インフルエンザ対策。感染力の強い弱毒性のウィルスでは、潜伏期間や重症化しない患者もおり、発熱を目安にチェックすることに大した意味はありません。政府は対策に万全を期す、として前のめりになり過ぎです。余計な不安を国民に与え、結果として魔女狩りのような『最初の発症者』への要らぬ追及と、感染者への誹謗・中傷が起こりました。本当に水際で食い止めたいなら、渡航制限と、已む無く渡航した者は潜伏期間の隔離が必要であり、そうではない中途半端な対策のまま、経済に悪影響が起きそうだとなり、始めて態度を翻すなど後手を踏んでいます。

そして今、自民党・細田幹事長などが行っている、北朝鮮の核の不安を煽る行為があります。北朝鮮へは国として対するものであり、これを政争の具にする行為は、もっとも戒めねばなりません。特に、朝鮮戦争は停戦中であるため、日本に照準を絞って核を撃てば、北朝鮮は多国間で戦争の火種を抱えます。そうしたことが起こりうるかも含め、国民に説明しなければなりません。
こうした一連の危機感を煽る行為は、政府への信任を強め、国民の結束を強める効果があります。そのため麻生政権となり、経済危機、インフルエンザ対策、北朝鮮問題など、あらゆる手を尽くしている感も否めません。しかし危機意識を煽った挙句、対策に失敗すればより失望が強まることにもなります。不満と不安、それは危機対応能力の欠如、こうした政府の態度自身にあるのでしょう。
この傾向は、しばらく続くことが考えられます。追い込まれ解散、現実味を帯びるシナリオの中、この問題でも麻生政権は危機対応に失敗する可能性が高く、ジリ貧となることがほぼ確実となってきたのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2009年06月13日

北朝鮮への制裁決議について

主要8カ国財務相会合(G8)が開催されました。経済は最悪期を脱し、今後は財政健全化や金融政策を見直す『出口戦略』について、各国の事情に応じて取り組むことを確認んしています。一方で、先行きの不確実性についても言及、当面は経済政策を継続することも確認しています。
雇用と賃金は当面悪化を続け、世界各国で消費促進のために打ち出された購入補助制度も、ほとんどが今年一杯で終了します。出口戦略のタイミング次第では、金融バブルによる不確実性が強まるか、下押し圧力となり景気は低迷を続けるか、そのどちらかになります。G8にも良い手本はなく、手探りの中で模索することになりますが、すでにバブル症状を呈しており、難しい展開が続くことにはなりそうですね。

世界の不確実性の一つ、国連が北朝鮮への制裁決議1874を採択しました。国連憲章7章の下に行動し、7章41条に基づく経済措置を含む措置を盛り込みました。これにより資金移転の阻止、貨物検査に強い態度で臨み、武器輸出も全面禁止です。こうした国際社会の強い態度に対し、北朝鮮は早くも反発、プルトニウムの抽出と濃縮活動の再開や、長中距離ミサイルの発射準備など、対外的には強硬姿勢を貫くことで自国の立場を主張する構えを見せています。
この制裁措置のうち、貨物検査については中国が懸念を表明していることからも、陸路における中国支援は止まらず、この点は人道支援として継続される見込みです。また中国経由で物資を運び込む動きも横行するでしょうから、実効性は薄いと見られます。一方で、資金移転の阻止は東欧や開城工業地帯などの、民間交流という名の企業間取引、企業を通した北朝鮮への資金還流をどの程度抑制できるか?つまり外貨獲得手段としての、通常取引への介入が一つのカギとなるのでしょう。

問題は武器禁輸措置です。この条項を適用すれば、かなりの数の荷動きと、資金の移動が監視できると見られます。決議1718が実効性を失ったのも、曖昧さに対する監視の難しさからですが、今回の決議1874は曖昧な部分を一定範囲で排除しています。核やミサイル開発に関わる資金移転、禁輸物資を積んでいると疑われる貨物検査、という部分はありますが、一定の成果は上がるでしょう。
問題はイラクやイランでは、こうした一定程度世界の枠組みの中で、行動を制限することに成功しましたが、北朝鮮の出方です。中東ではキリスト教国との対立と、それに屈した歴史的背景があり、第二次大戦後の戦勝国による態度変化で独立を勝ち取りましたが、北朝鮮は反発の歴史を強く主張しています。圧力に対する抵抗は、国是となりつつあるのが現状です。
ある段階で、国際社会は北朝鮮に対して何らかの態度を表明する必要があるのでしょう。今はまず第一段階、国際社会が協調し、北朝鮮の行動を非難する姿勢を示すことができました。日本は前回、2006年にはこれからの戦略がありませんでしたが、次の段階に移行するタイミング、その戦略に向けた準備は今から講じておく必要があるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 一般

2009年06月12日

鳩山総務相が辞任

新型インフルエンザがフェーズ6に移行しました。今後はパンデミックを引き起こすほどの感染力の強い、このウィルスが強毒化するか、強毒性のウィルスと接触することで感染力の強いものへ変える、そうした懸念です。ワクチンの作成は、その体制作りも含めて急ぐべきでしょうね。

郵政グループ社長・西川社長を巡る処遇問題に対し、麻生氏は最終的に西川続投を決め、鳩山総務相がその結論を呑めずに辞任しました。麻生氏は三人目の大臣の辞任、特に側近中の側近の離脱による内閣への打撃より、総選挙に向けた実弾のためにも経団連との敵対が怖かったものと見られます。西川氏に頭を下げさせて幕引き、財界出身の西川氏ならこの条件を飲んでくれるだろう、という調整も泡と消え、三方が面子を潰されたままの後味の悪い結末です。
麻生氏は「混乱を与えたような印象」と述べていますが、明らかに党内は混乱しており、調整が遅れた印象は否めません。盟友の離脱より、麻生氏が再び人事の決断に遅れを生じたことが、政権への打撃となるのでしょう。郵政を巡る自身の態度とともに、スジの一本通らない、決断できない、調整能力のない、とイメージされることが最も有権者にとって悪い印象を与えます。

鳩山前総務相もぶら下がり会見を行っていますが、その中で西郷隆盛の発言を引用しています。内容はともかく、過去の偉人や小説の中の名言、名句を引用すれば機知に富んでいると見られます。この名人は小泉元首相ですが、逆に見ると小泉氏以降の歴代首相は話術で見劣りしています。
安倍氏や福田氏は記者と距離を置きましたし、麻生氏に至っては「聞く相手が間違っている」や「アンタ知っているの?」とバッサリです。麻生氏がぶら下がり会見から立ち去る間際、記者から露骨に「それはない」「答えになっていない」と聞こえるような声が飛ぶほど、麻生氏のぶら下がりは評判の悪いものとなっています。

実はぶら下がりの恩恵をもっとも受けているのは鳩山民主党代表です。幸か不幸か、小沢前代表が記者と距離を置いたため、金持ちらしい優雅さと、質問に丁寧に答えるところから、評価が高くなっているのです。しかしこれは麻生氏も同様の手法がとれたはずです。「アナタとは違う」発言で投げ出した前任者を引き継いだのですから、弥が上にも評価は上がるはずでした。
しかし麻生氏は記者と敵対しています。これは個性であり、機知に富んだ会話もなければ、高飛車な態度で記者の不況を買っています。本来、記者の先に国民がいる、という視点があればこうしたことはしないのでしょうが、そんな配慮もありません。今回の問題でも感じるのは、麻生氏は自滅であって、運が悪いわけではないということです。これが麻生氏の実力であるなら、本当に衆院解散前の自民党総裁選なども、あり得ることなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年06月11日

民主党の第三者委員会報告書について

民主党が設置した「政治資金問題をめぐる政治・検察・報道のあり方に関する第三者委員会」が報告書を提出しました。会見で「事件を解明するものではない」と述べられたことからも、公判を控えて事件全体への言及は低く留めた形となっています。この位置付けは、あくまで民主党及び小沢前代表の事件における行動検証であり、それに関わる検察、報道の態度への考察、が主眼となっています。
一部で自らが批判の対象、そう認識したメディアからの反発記事もあるようです。また自民党がこの報告書の検証チームを立ち上げたように、選挙の焦点化する可能性もあります。

検察批判も目立ち、政治資金の問題は政治で判断すべき、もしくは国民選択を経ていない検察官による公権力の行使が、重大な影響を与えたとしています。しかしこの事件の最大の問題は、検察が法によらない独自の基準で起訴、不起訴を判断をしていることです。検察は小沢氏の3000万円が突出して多い、としか説明しておらず、他の議員の要件で、それ以外の不起訴事由があるかどうかは言及していません。この点は確実に説明責任の欠如を指摘できるものです。
しかし政治資金規正法にも検察の介入は必要です。それは与党、野党に関わらず政治家が自らを律する状況にないことは、多くの事例でも明らかだからです。第三者機関による調査、逮捕権限は必要なことですが、問題はそれが検察の独自基準という不透明感を有して行使されたことにあるのです。軽犯罪では多少見られる警察、検察による独自基準、それが国政を揺るがす場に適用されたことが、大きな問題なのです。

メディアの態度で問題なのは、説明責任を求める態度にあります。個人的な視点を述べれば、無罪主張をする限り小沢氏からこれ以上の材料は出ません。それは司法の場で明らかになることでもあり、認識事犯では事件の構成要件は、検察と被告との相違点を埋めることでもあるからです。
しかし今回の事件、一部で検察も認めているように、他の議員との相違は金額のみです。であれば、西松から寄付を受けていた全議員に対し、同様に説明責任を求めなければメディアの態度としては片手落ちです。むしろ小沢氏にのみ説明責任を求める態度に、検察による起訴に依拠する、そうした価値判断が含まれることになるのです。

メディアが大本営発表でなく、自己の判断で事件全体を矮小化せずに追うなら、今回のような偏った態度は生じなかったでしょう。特に検察に対する批判、説明責任を求める態度はメディアから顕著に見られず、こうした点も検察とメディアの近さ、ということを窺わせます。
全体としてみれば視点が民主党に近すぎるため、批判的視点で見ることも可能です。ただこの報告書が民主党の行動検証、として見ればこの程度とも推察できます。むしろ事件全体が検察の思惑、その一途で進んでいる中で被告側が出した報告書として見れば、興味ある内容です。しかし内容には見るべき点がなく、これで幕引きということにはなり難いのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年06月10日

経済の話。日経平均10000円目前

日経平均が10000円まで後9円と迫ってきました。ただあまり喜べないのは、昨年末に今年の日経平均の推移を5000〜10500としましたが、その上限に達するのは不況時の株高、つまり過剰流動性に伴い、余剰マネーの流入を考慮したものでした。今それが起こっており、これは若干予想よりも早く、この影響が後に悪い形で出るのではないかという心配があります。
現状、各国の金融政策は超低金利、量的緩和政策に移行しています。過剰流動性に陥った市場が、暴走を始めることは先に体験済みですが、経済の底が抜けることを防ぐための異常事態宣言でもあったわけです。しかし使い道を失った余剰マネーの向かう先は、金、原油、穀物、砂糖、株式など多様化され、ばら撒かれる形となっており、市場はいずれも高騰を続けてきています。

しかしすでに金融政策の出口戦略や、利上げが囁かれるのは、現状の市場が異常との認識が欧米で広がり始めているためです。日本人は感覚が麻痺し、利上げは時期尚早と述べますが、現在の過剰流動性相場に警戒感を抱くことがむしろ正常な感覚です。なぜならバブルの芽は早めに潰すべきであり、山高ければ谷も深くなることが、2007年から現在までの例でも明らかだからです。
現在の相場環境は、ファンダメンタルズに基づく経済環境は重視されず、経済感情が左右しています。即ち資金ボリュームが厚いため、相場を動かす礎材が数字を無視できることになります。これも過剰流動性相場ゆえ、金融機関に資金がダブついているための現象です。昨日、米金融機関10社が公的資金を返済しても、市場が好感しなかったのは織込み済みではなく、返済により一時的に過剰流動性が損なわれる、その影響を量りかねたためでもあるのでしょう。

しかし一方で弊害もあります。バルト3国の1つ、ラトビアが国家破綻の危機を迎えています。国債の応札なし、通貨も下落し、周辺国まで巻き込んで今月末にIMFから支援がなければ現実に破綻する状況です。ここには例え資金が余っていても投資資金は向かいません。これは札割れを起こした英国債や、たびたび不調となる米国債も同様、リスクにも選別が働き易いことが影響しています。
過剰流動性の供給は、バブル崩壊後の一時期を下支えできても、長期に及べば弊害も増えます。今、この段階で資源価格の高騰や穀物、砂糖などの悪弊が拡がってきたことは、出口戦略を早期に練る必要も生じるでしょう。結果的に、過剰流動性を生み出す金融政策は、誤りであり、出口戦略も複雑な極めて難しい政策、ということなのかもしれません。

少し聖書の言葉を引用してみます。『狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者も多い』 ある小説でみた文句ですが、超低金利や量的緩和とは、安易に選択し易い政策であるだけに滅びに通じる門、なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2009年06月09日

骨太の方針2009素案について

政府が経済財政諮問会議に、経済財政改革の基本方針2009(骨太の方針2009)を出してきました。自民党で半ば公約化していた11年度にプライマリーバランス改善、は今後10年以内にプライマリーバランスを黒字化、に改められました。しかも11年度以降、消費税を12%にする判断が示され、むしろそこを規定路線、標準シナリオとする内容となっています。
会議でも麻生氏は経済成長、歳出改革、税制改正のバランスだと指摘していますが、問題は経済成長と歳出改革に関しては具体的な策が見えない中で、税制改正だけは声高に主張されている点です。経済成長でも、単にGDPを改善するだけなら公共工事の割合を増やせば解決します。歳出改革にしても、これまで必要な福祉の部分を削減し、社会がおかしくなるという副作用を生じてきました。政府の描くビジョンが方針ということであるなら、この骨太の方針の中身は見劣りしていると云わざるを得ません。

内閣府が発表した景気動向指数の一致指数が11ヶ月ぶりに改善、先行指数も改善を示しています。しかし同日発表した工作機械受注で見れば、回復は遅く、企業は設備投資に慎重であることが窺えます。これは激しい落ち込みからは回復しても、受注総額が以前と同水準には戻っていないことを示し、景気全体としてみれば成長軌道には乗っていないことを表します。
成長モデルを如何に描くか?改革・開放路線の見直しを進める政府からは、一向にそれに変わる新たな具体像が示されていないのです。歳出改革でも、日本農村情報システム協会が債務超過に陥りましたが、任意団体への無駄な支出が根本的な原因です。補助金もつぎ込まれ、天下りを受け入れていた所管法人に対し、行政側の対応は極めて遅く、こうした無駄が指摘されれば歳出改革など道半ば、いつまでにどの程度の歳出を見直せるかも不透明になります。

今話題の郵政に絡めて考えても、必要な検証は西川氏で本当に民営化のステージが進むのか?です。つまり西川氏を交代させると改革が遅れる、という議論に意味はなく、西川氏にその能力があるかどうかが問われねばなりません。そして民間企業になった郵政の経営で、民業圧迫との指摘から宅建取扱などに制限をかける、その方針をとることで郵政の収益性を損なうのなら、民営などは絵空事です。政府介入が強いまま、自主独立した経営が成り立つのか?が重要なのです。
鳩山総務相の主張は個人の正義感に基づくものなので、あまり意味はありませんが、三井住友時代から強気経営で知られた西川氏が、内向きに手腕を発揮しているのかどうか?それが見え難いために、郵政人事の正当性は誰も判断できません。骨太の方針の中身はすでに骨粗しょう症、スカスカになりつつあります。そうなってしまったのは、郵政だけでなく相次ぐ首相交代など、政府方針自体が時の政権によって大きく揺らぐ中で、累積的に過去の政策の価値を失ってしまったこと、にあるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年06月08日

北朝鮮に対する態度について

北朝鮮が今月10〜30日まで、日本海側の元山沿岸に対して船舶の航行禁止区域に設定しました。意図は不明ですが、仮にミサイルが発射台にセットされた場合、それがただの中短距離ミサイルの演習なのか?日米韓にそれを判断する術はありません。韓国との間の朝鮮戦争の休戦協定を破棄すれば、両国はいつでも戦争状態として、国際法上戦闘行為が可能な状況となります。

米国は昨年10月に解除したテロ支援国の再指定を示唆し始めました。しかし北朝鮮から見れば、これだけ世界に圧力をかければ、この動きは想定通りでしょう。短期的に米朝関係は最悪期を迎える。その後、今話題の後継者への権力移譲、その前後で関係を改善させてお祭りムードを演出する公算です。オバマ政権は対話路線を打ち出しているので、一時的には悪化しても、いずれ両国関係を発展させる段階が訪れる。予めそう計算しての行動と見受けられます。
その時クリントン国務長官、もしくは元大統領クラスが訪朝すれば、後継者が直接交渉し、その実績で継承という形をつくるのでしょう。これは例えば今の経済環境が、急落から持ち直した印象を受けるように、最悪の状況から少しでも態度を軟化させれば、相手を交渉の席に引っ張り出し易いとの計算もあります。そうでなければ核実験までは出来ないはずなのです。

北朝鮮は制裁に対して報復も示唆するなど強硬な態度も見せていますが、韓国とでも小競り合いになれば、大国が乗り出してくることは確実。国連の制裁決議と日米の制裁は進めるべきです。そしてここで、流れに変化が出そうなのが抑留米国人記者への労働強化刑12年の判決です。
米国籍ですが一人は中国系であり、米国内の中国コミュニティが動き出せば、中国としてもこの問題を軽視できなくなります。北朝鮮側がカードとする以上に、中国側がこのカードの使い道を考え始め、好悪判断の入り混じる材料ですが、事態が動き出す可能性が高いのです。

日本は外相交渉、麻生氏による王副首相に対して中国に働きかけを行っていますが、現実問題として日本の外交パワーは弱く、中国を動かせる材料はありません。東シナ海のガス田、靖国、日本領事館襲撃などの懸案事項をたな晒しにしたまま、北朝鮮に対する態度だけ意見が折り合う、などということは外交上利害が一致する以外にありません。北朝鮮という位置付け、価値が互いに異なるため、正攻法で挑んでも中国を動かすことは不可能です。
方法論として、日本外交は良好さの演出に努めるため、いざ要求を通そうとする時に相手の誠意に頼る以外にない、という欠陥があるのです。世界の諸問題が単なる話し合いだけで解決することは少なく、外交上の力のつけ方は円借款やODA以外の道を模索するべき段階なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治

2009年06月07日

世襲制限とマニフェスト

サッカー日本代表がワールドカップ予選突破を決めました。そのことで麻生氏がスパースターの存在より、全員サッカーを引き合いに出し、都議選を総力戦で勝ち抜く決意を示したそうです。しかしチームスポーツでは一人の英雄の存在より、如何に足を引っ張る存在をなくすかが大事です。異例の公示前応援も、失言癖がある身では誰が都議選で周りの負担になるかは、自らが弁えるべきなのでしょう。そもそも不人気の首相が一番の足枷でもあるのですからね。

その与党がマニフェストの記載を見送った世襲制限、メディアの一部で誤った見解が示されていますが、商人の間で暖簾が継承されたのは世襲ではありません。商人は婿相続、つまり娘に継承権があり、奉公人の中から優秀な人材が選ばれ、それが同業組合から認められることで、初めて結婚をして全ての商売権が相続できたのです。一部は暖簾わけで奉公人が別家として新たに商売を始めますが、この婿相続が優秀な人材の選別を促し、商売上の発展を促してきました。
男系相続は一部認められたものの、同業組合はその組合の中の一つでも罪を犯せば、全体が罰を受けるので慎重な人選びが行われたのです。これは昭和初期まで、息子が当主になると融資しない、と貸金業の中で暗黙に決められていたことからも、血縁相続に厳しい目が向けられていたことでも分かります。老舗では家訓として、息子に相続させるな、と残していた商家もあります。世襲は衰亡を招く、厳しい世界であれば当然の判断であり、政治の世界が世襲で埋まることは、明らかに日本という国にとってマイナスとの評価ができるのです。

自民党内では、マニフェストの作成にも座長がいない異常事態です。何も決められない、そんな姿も透けて見えます。目玉がなければ、橋下府知事ではありませんが、自民は確実に負けるでしょう。それが理解できても、党内の物事の決定システムが今は完全に崩壊しており、修復の手立てもないと思われます。そしてその最大の原因は、麻生氏に柱がないことなのです。
麻生氏が何をしたいか分からない、だから周囲は勝手に動く。今の混乱は、各人の責に帰せられるかもしれませんが、結局それは核のない行動の結果です。チーム戦では英雄の存在があっても、それをバックアップし、フォローし、盛り上げなければただのピエロです。しかし英雄不在であれば、チームとしての核、戦術面が重要となります。その戦術がない時点で、自民党は負け戦に突入しつつある、ということでもあるのでしょう。

民主・菅氏が総選挙前の官僚との調整に言及しました。政権交代が目前であり、当然の行動ですが、与党は拒否したくとも狭量と受け取られることを嫌気し、受けざるを得ないでしょう。ここが動くと財源議論が前進する可能性もあり、自民も攻め手を欠くことになります。政策討論マニュアルも作ったそうですが、改めて言いますが政権与党として実績を誇れるようでない限り、自民党の敗北は確実になるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年06月05日

経済の話。資源価格の上昇

今晩発表の米5月雇用統計で、非農業部門の雇用者数が34万5千人減(市場予想52万人)となり、失業率は0.5pt上昇の9.4%と発表されました。失業率も9%後半との予想もあったことから、これを好感する動きが一部で出て円安が強まっています。昨今はとにかく好材料は素直に好感、悪材料は一先ず無視しておくとの流れが顕著であり、経済には楽観論が強く漂っています。

証券市場に限定した話をすると、3月から欧州系のCTAによる、順張り回転売買が利いて上昇局面を迎えました。途中、何度か勢いが途絶える局面もありましたが、5月半ばからは日系証券経由の売り方から急速な買戻しが入って、上昇局面を継続することに成功、9500円の壁を上抜けてきました。しかし9750円の水準で再びダレる、そうした環境が続いてます。
資源価格が高騰を続ける間は、強いCTAの動きに後押しされ、買いでとると複数の層が示し合わせているようです。しかし逆にこの順張りの動きが出ないと、相場を底上げる材料もなく、上値が重くなる。この環境を脱却させる一つの要因に、この雇用統計はなるのかもしれません。

ただしWTI価格が70$を突破してきているように、資源価格の高騰がインフレ懸念を生じています。GS証券が年末のWTI価格を85$と予想しました。OPECが減産を続けるとの観測も含まれることから、必ずしも妥当性はありませんが、今から1年前は130$前後。半値とはいえ、この資源価格に耐久性があるほど経済が強いわけではなく、まだ市場判断は好況、不況の境目を下回る推移が続きます。資源価格が値を飛ばし、インフレになれば耐えられる状況ではないのです。
資源価格が高騰しても、需給ギャップがあるので即インフレにはなりません。特に日本は『ワケあり』商品の投入や円高還元セールとして、価格引下げ圧力が強く、製造業や流通、小売の段階で資源価格の高騰を吸収してしまいます。しかしインフレ傾向が強まれば、金融政策全体に影響を及ぼしますし、企業の業績にも関わってきます。

高速道路が千円でも、ガソリン価格が高騰すれば出かける機会は減るでしょう。様々な面で、この資源価格は影響するのであり、70$というのはかなり厳しい状況、と見て良いのでしょう。資源価格の動向は、いつまで野放図な価格変動を許すのか、一時議論されたように、実需ベースの取引のみとするのかが今後、検討されていくことになるのでしょうね。
明日は一日、お休みします。明後日から再開したいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2009年06月04日

検察の正義と政治家の正義

足利事件、メディアが冤罪として追い続け、警察、検察、裁判所がそれを認めない従来の権威主義的な司法の在り方に、再びメスが入れられた形です。万能と思われる科学も、確率的に見れば100%の技術ではありません。コンマ幾つの誤差のある技術です。しかし今回の事件の鑑定では、容疑者とされた方と、犯人との双方で鑑定に誤りが生じており、極めて問題は大きくなります。この事件と同じ手法でDNA鑑定を行った事件、その証拠としての信憑性全体を揺るがす大きな事態となります。それを嫌がって再審請求を先延ばしにしてきた構図が読み取れます。

これは西松献金事件も同様に、不透明な行動が目立ちます。自民党・二階経産相の秘書が東京地検から不起訴となった件で、西松建設前社長・国沢氏も不起訴となりました。しかし小沢氏秘書を起訴したのと同時に、国沢氏を起訴した内容は第三者名義の寄付であり、これは全ての同様の献金をした事例に対応します。つまり国沢氏側の事件は、仮に政治家側の認識、条件がどうであれ、全寄付行為に対して同様に起訴する必要を生じます。
しかし起訴せずの方針を打ち出したのは、明らかに公判が拡大し、また他の政治家本人や秘書を参考人として公判に呼ばれることを嫌がった、その動きでもあります。これが地検の正義なら、極めて恣意的であり、不透明です。この件は検察審査会に回りますが、まだ裁判員制度が始まらないとはいえ、この審査会は今後の国民の起訴申し立てを意識したものとなるでしょう。その時、どういう判断が下されるのか?地検もこの点は恐ろしい点でもあるのでしょうね。

正義といえば、鳩山総務相が郵政の西川社長の続投を認めず、の方針を正義としています。新党結成や政界再編、兄との連携などが囁かれますが、元々鳩山氏は選挙に強い政治家ではありません。党を転々としただけでなく、選挙区も変えており、変節ぶりの目立つ政治家の一人です。
新党にしろ政界再編にしろ、自身が当選しなければ何も始まりません。SMAPファンの反対票が恐ろしいとも噂されていますが、比例で大政党の選挙名簿の順位を高くしてもらうか、小政党のトップを張るぐらいでないと難しいという部分があります。民主党は公認未定の選挙区が後8つありますが、幾ら変節でもそこには乗れないでしょう。そこで郵政で頑張って国民新党との合流、という目も囁かれますが、いずれにしろ鳩山総務相を抱えるのは与野党ともに爆弾になりつつあります。

麻生氏は人事に甘く、決断も遅い。これが通説になりつつあり、そこから内閣改造、配置転換で株主総会までに対処する、という手が浮上しています。何れの場合でもその行動全体に正義がなく、カウントダウンを始めた総選挙の日程と同時に、自民党内に噴出し始めた時限爆弾がいつ破裂するかも分かりません。正義を履き違えるとおかしなことになる、それを如実に示した動きでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

2009年06月03日

米国による媚中外交

米ガイトナー財務長官が訪中を行いました。しかし結論から先に言えば、非常に由々しき事態に近付いている、という印象です。両国間の懸念であった人民元は柔軟性を求めるに留め、米国債の安全性を述べると共に、財政赤字の縮小を約束。強いドル政策の維持も訴えました。
これは発表ベースで7680億$という、世界最大の米国債保有国に対して、米国が明らかに阿った形です。これまで恫喝外交とは言わないまでも、大国としての圧力を外交パワーとしてきた国が、ついにそれが使えなくなった歴史的転換です。恐らく中国から米国債保持の条件を提示され、ガイトナー財務長官が説明しに行った、米国が中国詣でを始めたことを意味しています。

これは訪中の間、四川騰中重工機械ががGM傘下のハマーブランドの売却先として、暫定合意したことでも窺えます。ハマーは重厚長大の象徴、今後販売が拡大する余地はありません。一方で米国への足掛かりを掴みたい中国企業、そこでガイトナーセールスマンが米企業を売り込み、国家的な関係の良好さをアピールするため、中国政府が橋渡しをしたのです。90年代、日本車を破壊し、日本へ米国車を買えと恫喝した時代と180度異なる、米国の対応です。
先にカナダ自動車部品大手マグナが買収したオペルもこの問題に絡みます。GMはオペルの権利関係の詳細を明かさず、米国工場の存続に拘りました。しかもオペル車を米国内では売れない条件つきです。ハマーも米国工場存続、3千人の雇用維持に拘りました。また売却価格での折り合いもついておらず、このためスッキリした売却ではなく、いずれも暫定や基本合意に留まります。

米国はお願い外交に転じたにも関わらず、政府が関与を強め、条件面で有利な折り合いをつけようとしている。その動きがここ数日の交渉の過程を見ると、鮮明になっています。
これは日本にも多大な影響を及ぼします。米国に頼れないとき、世界と伍するビジョンが外務省になく、下手をすれば中国頼みの外交戦略などを模索している可能性もあります。麻生氏が外相時代に関わった自由と繁栄の弧も、アジア外交の中で手がかり不足に陥っています。
また今回は日本を素通りしたガイトナー氏が、日本にお願い外交に来たとき、それを拒絶する強さも日本にはありません。GM破綻の際、日本に売却の打診を入れたはずですが、物事の決定スピードの遅さが嫌気された面もあるのでしょう。米中接近で見える日本パッシングの流れ、その中で日本の外交上の問題、立ち位置については十分に考察しておく必要があるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(0)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2009年06月02日

雑感、民主党と経団連の政策懇談会

国会会期が55日、7月28日までの延長が決まりました。会期途中の解散という手が打ち難くなり、都議選も含めて考えると、8月後半か9月が総選挙時期、というところなのでしょう。それを補完するように、自民党の細田幹事長が政権公約の取りまとめ時期の後送りを示唆しました。
これは任期まで100日となってもまだ、選挙態勢が強固でないことを意味し、麻生氏で総選挙を戦うのか?という疑問が党内に燻ることに配慮した形です。麻生氏は首相就任の所信表明演説で、異例の民主党質問攻めを行ったため、国家ビジョンについて明確に語っていません。本来、政権公約を早く示す必要がありますが、それが出せない時点で党内結束はすでにボロボロ、再び麻生下ろしの声が起きているように、自民党内の動きは混沌としてきているのでしょうね。

民主党と経団連が意見交換を行っています。経団連は与党側への企業献金が多く、また政策評価でも与党に甘い査定を行い、尚且つ偽装請負問題で御手洗会長の参考人招致を求めるなど、これまで対立とは云わないまでも距離を置いてきた面があります。これは経済財政諮問会議に御手洗氏が参加していること、及び財界でも力をもつ某フィクサーの影響、組合に強い民主とは経営側が距離を置くなど、様々な面が影響して現在の関係になっているものです。
更に長期政権の間に、与党議員側との間に強く築いたパイプを、再び民主党につなぎ直す作業の煩雑さなど、安定を求め易い財界の傾向もありました。しかし政権交代が現実味を帯び、財界も任期を控える御手洗氏の後継問題が絡みます。民主党との繋ぎをどう果たすか、それが双方の苦言と期待に滲みます。今回、鳩山民主党代表と御手洗会長が出席したことが、その傾向です。

地球温暖化や消費税、企業献金の問題など、両者で差の大きな意見は、つまるところ自民と民主の政策の差でもあります。温室効果ガス25%削減、消費税4年は増税せず、企業献金を3年後禁止、という国民ウケの良い内容は、企業としては受け入れ難い部分があります。だからこそ自民党の背中を押してきたのであり、それが民主党に受け入れられないことが不満なのです。
しかし経団連に配慮してきた結果、労働分配率が低下しており、企業の主張が政治に取り入れられ難いことは自民党でも同様です。法人税減税も、世界競争力の観点で叫ばれていましたが、消費税増税議論が沸き上がる中で消えました。財界の考える日本の良い形、それと国民が望む良い形、その乖離が大きくなってきた中で、次の選挙はこうした両者の差も投票行動として現れていくのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2009年06月01日

FX証拠金の上限設定について

GMが破綻します。日本への影響ですが、ディーラー数を6000から3600へ縮小、工場閉鎖も相次ぎますから、外貨獲得としての自動車産業が縮小され、その分の労働力が削られれば、米国経済の規模はマイナスの方向に向かいます。また賃金の安い新興国に工場移転することを禁止し、国内工場に限定する保護主義も打ち出しますから、その影響が部品の購入先の選別にも出てきます。
新GMと旧GMに別け、旧GMの整理に多額の税金が投入されます。また今回の債権者への強い圧力からGMへの投資は当面手控えられます。売掛債権の保証も国内企業向けのみ、こんな企業には金も部品も集まり難くなります。再生への道のりは険しい、そのことだけは明白なのでしょうね。

内閣府から1-3月期の需給ギャップが45兆円、-8.5%と発表されました。また平成20年度一般会計の税収が、2〜3兆円のマイナスになる可能性も示唆されました。政府は昨年度、今年度と甘い試算で予算を組んでおり、2次補正の際に7兆円以上の減額を行いましたが、それでもまだ甘い見通しだったことになります。政府が大規模な景気対策を打ったので、一時的には受給ギャップも埋まりますが、財政全体にはマイナスであり、今後も赤字国債発行などに頼る運営になります。
その中で外国為替証拠金取引(FX)の証拠金倍率の上限を、25倍とする案が示されました。最大600倍のレバレッジともいわれますが、それを投機的とし、規制をかける方向です。しかしこれはジャブジャブとなった金融機関、その副作用を軽減するための措置という面ももっています。

金、原油、新興国、現在あらゆるリスクマネーが回帰し、不況時の高騰の状況になっています。このFX規制に関し、一方的な円高に向かうことを国内投資家が阻止してきた、そこに規制をかければ円高抑止力を失う、として反対する人もいます。しかしそれは結果だけを重視し、原因に対しての考察を怠っている面が否めません。
個人投資家は低金利通貨である円を売り易い、それは間違いありません。しかし米経済の弱体化が進めば低金利通貨ドルを売る、ドルキャリーが発生し易くなります。つまり将来的に予見できるのは個人投資家による円売り、そこに甘い規制のまま投資を続けさせては、日本として困った状況に陥るのです。このため金融庁も先手を打って規制強化に動き出したことになります。

投資を事業として行う場合は自己資本などで規制があります。その中で個人が600倍のレバレッジをかけられる、そこに眼をつければ個人を装った投資も可能です。今は為替の動きも激しくなり、以前のような日中の値動きが何銭という世界ではなくなっています。こうした面も個人投資家の動きで振り回される相場、との印象を薄めたい政府の意向も強く滲んでいるのでしょう。
信用の空売り規制も同様、金融機関の手元資金に余剰感がある中、『健全な規制』を政府は望んでいます。広い意味では薬事法改正による、ネット販売規制も含まれるでしょう。政府の眼の届かない範囲は規制する、それが昨今の流れです。しかし行き過ぎれば、需給ギャップは埋まるどころか益々開く傾向となり、経済にとって打撃となります。規制と、健全な市場とのギャップを埋める術もまた、求められているところなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治