2009年11月

2009年11月30日

雑感、最近の情報の扱いについて

今日の東証は強い動きを示しました。上げの特異日でしたが、月末ドレッシング、銘柄入替えに伴う買い需要、下げ過ぎサインなど、欧米が落ち着いた値動きでアジア株も堅調、という面が影響しています。ただドバイショックは、影響の全容が判明するまで時間がかかります。米国の年末商戦も若干厳しい内容と伝わりますし、折悪しく材料となる時が踏ん張り時なのでしょうね。

葛飾ビラ配り事件で最高裁が上告を棄却、罰金刑が確定しました。事件はマンション敷地内に侵入し、共産党のビラを各戸に配ったというもの、住居侵入罪と表現の自由が争われました。被告がビラを配る権利、と述べていましたが、私有地に勝手に入れば明らかに違法です。表現の自由が、安全に生活する権利を脅かしてはいけません。
折しも千葉大生殺害、放火事件で容疑者が浮かび上がりましたが、不審者かどうかを住民が判断する術はありません。道路や広場など、公共の場であればまだしも、私有地の権利は所有者が有します。ビラを配るのなら管理組合を通すべきであり、最高裁も述べているように「表現の手段」として相手の権利を阻害するものがあれば、違法性を問われても已む無し、ということになります。

最近、全国紙の記事の見出しで気になるのが『?』の扱いです。特に民主党が政権をとって以降、与党系・野党系の各紙も旗幟が鮮明化しており、相手を批判する場合に「私はこう考えますが、そうではありませんか?」と、同意を求める場合に用いられることが多く見受けられます。またそれとは逆に、支持する側への批判的表現を弱める場合もあり、便利に使われている面があります。
ただ大抵こうした記事に、推量を求める内容は乏しく、断定的な見方をしていることがほとんどです。むしろ表現を強め、見出しのインパクトで読者を惹きつけようとする場合、注意が必要です。最近、捜査関係者などのネタ元が曖昧な記事で、断定的な内容が目立ちますが、内容の真偽とともに各紙横断的に見ないと、一社突出がスクープではなく、一人歩きすることも目立つからです。

例えば事業仕分け、野党系は批判しますが、これだけ国民支持が高いと、仮に今の与党が政権復帰しても、同様の手法をとる可能性が高くなります。その時同様に批判するのか?ということです。事業仕分けの最大の効能は、情報を公開にしたこと、情報の扱いだということを忘れてはいけません。
表現の自由は情報を発信する側の自由を保障しますが、自己主張を一般に広めるために、とるべき手法には公共の福祉に応じた一定の制限も必要です。情報の押し付け、見せ掛けの興味を煽るのではなく、内容や信憑性を誇るようにならなければ、真の情報媒体として機能しているかどうか、不安に感じられるようになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | 司法

2009年11月29日

雑感、角竜類の化石発見について

兵庫県篠山市で、1億4千万年前頃の角竜類、ネオケラトプス類の原始的な種を発見したことが報じられました。同地では他にも草食恐竜の丹波竜や、肉食恐竜の化石も発見されており、篠山層群には今後も更なる恐竜の化石発見が期待される場所です。
日本は火山灰地が多く、例え深い地層にあっても雨水の浸食などにより、骨まで溶かされてしまいます。例えば日本最古の化石人骨は山下町第一洞人ですが、約3万2千年前、有名な港川人でも約1万8千年前です。港川人は石灰岩の割れ目に、押し流されたようにして数体が集まり、今日まで残りました。化石が残ることは幸運の重なりが必要ですが、数万年前の化石人骨さえ日本では貴重であり、恐竜化石のように数億年となると、更に困難な発見になるのです。

事業仕分けでも科学技術予算が削られ、批判が噴出していますが、そんな中で科学的発見が民主党の政策を縛る報道もあります。世界自然保護基金(WWW)ジャパンによる調査で、沖縄の大浦湾でエビ・カニなど39種の未記載種が発見されています。まだ新種と認定されるには時間がかかりますが、大浦湾は辺野古に隣接し、海上にせり出す形の基地建設を進めるには、ある程度自然環境を考慮せねばいけないことになります。
辺野古に基地建設を進めたときの環境アセスメント、そこからジュゴンや、世界的に見て稀少な種が発見されたとなると、再評価という行程が必要となります。ただこれまでは、多くの場合で行政側は再評価することを拒んできました。新たに調査のための予算繰りをせねばならず、今回の事業仕分けでもそうであるように、省庁側は事業の継続性を訴えても、有効性については吟味できていません。再評価の予算など、とれるはずもなかった、ということになります。

予算の効果的な使用には、国家にとって有益かどうか、という判断が含まれます。辺野古にしろ、貴重な自然が残されている、とすれば、それを破壊することが長期的に見て良いのか、国防の利を考えれば米軍の意向を尊重し、今の計画を推し進めるべきなのか。
個人的な感想では、新種の生物を保存し、その遺伝情報の解析や生物利用が可能かどうかを研究する方が、より有効だと考えます。米軍とて、今後は財政上の問題から規模縮小は余儀なくされるでしょう。米軍のアジア戦略が変われば、必然的に米軍が日本に駐留する必要性は薄れます。今と未来を考えるには、過去を知ることも大事なことです。軍事予算も削られる判定がされましたが、温故知新ではなく、時々刻々と変化することに対応するために、予算策定は大事なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

2009年11月28日

鳩山首相と白川総裁が会談の予定

鳩山首相と日銀の白川総裁が、来週に会談するようです。円高、デフレ、税収の落ち込みなども含め、経済政策全般が語られるのでしょうが、むしろ政府と日銀の認識のズレが最大の焦点になりそうです。しかもドバイショックの波及度合いなど、経済の議題は満載の状況です。

日本は構造デフレの状況です。10月の消費者物価が前年同月比で2.2%下落、更に食料とエネルギーを除く欧米型コアCPIは1.1%低下と、過去最大の下落率である01年5月に並びました。原油高騰は昨年10月から1バレル100$を切る水準となり、原油価格の影響を指摘することも難しくなっています。日本は構造デフレの状況であり、放っておけばスパイラル状況に陥るでしょう。
この時期、牛丼値引き、700円ジーンズなどの発表が増えるのも、デフレを意識させるニュースは各メディアで取り上げられ易くなり、情報発信力が高まるからです。それが更にデフレを意識させ、国民に節約志向を高める結果となります。しかもこうした原因の根幹は賃金デフレであり、購買余力が低くなったことによる、需要減に伴う消費喚起効果を求め、消費者を呼ぶために各社が更なる値下げ、情報戦略上からもそうした方向でひた走ることになります。

ドバイショックは米市場が下支えし、一旦小康状態となりました。ただ推移を見守る必要があり、まだ予断を許しません。日本市場はテクニカルで売られ過ぎのサインが出ており、そこを見越して買いに傾いた層が、売りに崩されて27日は大きな調整になりましたが、そこも一旦は落ち着くでしょう。ただ米市場とて無傷ではなく、年末商戦の動向次第では、消費への懸念も強まります。
更にここに来ての円高は、企業の想定為替レートからの乖離以上に、欧米からの投資資金の引き上げが影響している可能性があり、その場合はリーマンショック後と同様の、消費蒸発を引き起こす懸念があります。欧米は金融機関の投資、大手企業の旺盛な資金需要により、景気が下支えされている側面があり、そこが崩れて世界景気が二番底をつけに行くことが最大の懸念となります。

政府、日銀、経済に目配せするべき機関の、認識のズレがどの程度修正されるのか?ドバイショックに続き、財政不安が囁かれるギリシャ、トルコ、東欧、その他新興国などもこの影響が出る可能性があります。当局者の会談、今回は一段と深刻な内容になるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:40|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2009年11月27日

鳩山首相の偽装献金について

ドバイ・ショックが痛撃しています。リーマン破綻より影響は限定的、とも囁かれますが、最悪の懸念は過剰流動性の渦中でも破綻する、という認識が拡がることです。それにより春頃から回復した信用市場がタイト化し、資金繰り懸念が欧米金融機関で再燃するかどうか?です。
ドバイ関連は欧州系が強く、エクスポージャーの70%を占める、とも云われます。直接的にはこうしたエクスポージャーの割合や、工事受注企業への影響ですが、信用のタイト化が起きると全世界に影響が拡大します。過剰流動性でドルキャリー、金爆騰など楽観に傾き過ぎた相場が、今回の問題でどう動くか?軽視することなく、各市場の動向を慎重に見極める必要があるのでしょうね。

事業仕分けが終了しています。成果は埋蔵金から1兆円、削減を含めても全部で2兆円弱と、後半は廃止が少なく予算削減、若しくは見直しが増えたことで、金額の上積みは期待ほど伸びませんでした。この事業仕分けは行政に対し、何の強制力も持ちませんが、今回様々な情報が行政機関から提示され、予算執行に国民監視という強い規制がかかったことは最大の成果です。後は行政刷新会議で特別会計にどの程度切り込むか?来年度予算案で、その結果が出てくるのでしょう。
そんな中、鳩山首相の偽装献金問題が、拡大の一途を辿っています。分かってきたことは、母親や親族の献金、その一部が偽装献金として計上されていたことです。この場合、秘書が故人の名前を使ってまで偽装を行った動機は、献金元の情報隠しや贈与税逃れ、などとなります。

政治資金規正法では、政治家が引退して親族に地盤を引き継ぐ場合、団体を引き継いでも贈与税は掛かりません。これは個人所有ではなく、あくまで団体に紐付く資金だからですが、親族の献金を資金管理団体を通じて移す場合、貸付でなければ贈与に当たります。この辺りの矛盾を解消するため、故人を騙って献金した、という動機は十分に想定できます。検察も鳩山氏本人、母親がどの程度認識していたか、という一点の解明に努め、その結果で立件可能かどうかを判断するのでしょう。
一部で『鳩山システム』なるものも囁かれます。地検の捜査に任せるとし、一方で内閣法の中止権を用い、絶対に逮捕されないようにしている、とするものです。ただ80年代頃の自民党政権でも、政権支持率が政党より低くなれば、党内で倒閣運動が活発化し、解散、総辞職などの道を選ぶことが何度かありました。事件の推移によってはそうした動きが起きてくることになります。

特に小沢幹事長ですから、仮にそうした事態が起きるときは、一気に政局にしてくるかもしれません。郵政関連など、法案で与野党に揺さぶりをかけ、倒閣などの不穏分子を一気に淘汰、糾合して多数の枠組みを作ってくるはずです。いずれにしても、捜査の推移と、世論動向という点でまだ先の話ですが、意外と次の総選挙は衆参ダブルなども、あり得るのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(4)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2009年11月26日

経済の話。為替が円高方向へ

昨日も取り上げた為替、対ドルで14年ぶりの86円台に突入してきました。藤井財務相が「適切な措置」に言及したものの、口先介入と見透かされ、発言後に更に円安に進むなど深刻な状況です。デフレ宣言し、当面の低金利維持を示唆した中ですから、口先介入も効き難いのが現状です。
特に藤井氏は、為替介入に懐疑的であったり、債券相場に打診的な発言をしてみたりと、その態度に市場の評価も低いものとなっています。即応性がない、言葉が軽い、そう意識される財務相がいることが、この時期最大の問題なのでしょう。国際的な顔と、市場との対話を期待されましたが、市場との対話は失敗が目立ち、政権の態度と逆行する発言が目立つなど、今ひとつ信頼の置けない印象が強い点も、藤井氏でこの難局を乗り切れるか?不安を残す点となっています。

しかも朝から市場で話題に上がっていたのは、ドバイ政府系投資会社、不動産会社が返済延期要請をしたことです。これによりドバイの信用は急落、各企業の債券はジャンク債等級に格下げされ、国家破綻の懸念を生じました。不動産会社は海上の、椰子の木型の不動産物件を扱うバブルの象徴のような企業であり、投資で成り立ってきたドバイが、本格的に整理、縮小を余儀なくされると、今後世界経済の回復度合いに対して、懸念を強めることになるのでしょう。
中東のオイルマネーは、主に欧州経由で世界にばら撒かれるため、欧州金融機関に懸念が波及しています。それがユーロ安など為替相場にも影響しており、当面この問題に決着がつくまで、不安定要因の一つになりそうです。現在、ドバイに関しては同じ中東のアブダビが支援するのでは?という憶測もありますが、ドバイの債務状況次第、というところでもあるのでしょう。

日本の証券市場は円高抵抗性を見せていますが、12月受け渡し分となり、売り圧力が若干減ったことで下支えが効いている印象です。上記のオイルマネーの引き上げ、など投資資金の縮小が意識されると、世界全体が弱気相場となり、一段の下押し圧力もかかりそうです。特に外需頼みとデフレ、という構造的な問題を円高は直撃するので、景気に対して一層の不安材料となりそうです。
問題は世界各国が流動性供給を続けており、その中で為替介入しても焼け石に水となりかねない、ということです。資金が国家規模を超え、市場に供給される状況は、逆に国家による市場調整機能が低いことを意味します。世界第1位のGDP規模を誇る米国が、流動性を供給し続ける限りドルキャリーも止まらず、日本単独での為替介入も機能し難くなってしまうのでしょう。
元々、年末に向けて輸出企業が円に還流し易い地合ですが、そこに海外の不安定要因が追い討ちをかけたことで、ストップロスを巻き込んで一気に87円前半の水準を抜いてきました。ここで落ち着き始めると、当面この水準を是とし、更なる円高を試すことも起きてくるのでしょう。ただ政策対応として、打つ手が少ない点もまた為替の不透明要因んとして意識されてしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(4)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2009年11月25日

事業仕分けによる科学技術予算削減について

米FOMCの11月議事録が出されました。GDP、失業率などの推移を見ると、FRBは来年は流動性供給を継続し、再来年には資金引き上げ、という従来路線を踏襲する流れだと見えます。米連邦預金保険公社(FDIC)は問題のある金融機関を552行とし、更に第3四半期の段階で、基金の残高が-82億$と発表しています。金融機関側に3年分の前払いを指示しており、当面の資金は確保していますが、FDICさえ破綻しかねない状況で、いずれ公的資金投入が議論されることになるでしょう。
議会によるFRBへの監督権限強化、英中銀による巨額の金融機関救済における隠蔽、IMFにおける金融機関への懸念、海外から不安な情報も伝わっています。為替相場は87円半ばと、心理的な節目を抜けてきました。年末にかけて切り返しのタイミングを探る展開かと見ていましたが、米相場の一本調子の上げの継続度合いなど、やや弱気材料の方が多くなるのかもしれません。

事業仕分けで科学技術関連予算が廃止、縮減されたことに関し、ノーベル賞受賞者を初め、多くの批判が寄せられています。ただ産業的価値を求めるか、名誉として開発や究明を目指すのか、により事業判断は分かれる問題です。例えばスパコンでは、NASAが月にアポロを送った当時のIBM第3世代コンピュータは、現在のノートパソコンにも及ばない性能です。しかしこれはNASAが有人月面着陸で得た知見を、産業界に向け人材、技術を提供して広めた結果でもあります。
ただ現在のスパコンは、性能が突出しており、民生需要とは合致しない面も多くなっています。ネットブックを初め、Windows7など、安価で軽作業に用いる人との親和性を高めた機種が売れ筋であり、高機能化が今後一般に拡大する段階とはいえません。つまり特殊分野、研究には必要なものですが、産業的にはそれほどのメリットを享受できなくなっていくのでしょう。

これは多くの研究でも同様、産業に寄与する基礎的分野は素材、農業、漁業に向けたバイオ関連、物性物理など幾つかありますが、大学ではそうした分野は縮小傾向で、主要分野ではありません。就職に有利な工学系が主流であり、学生が集まらないため研究費もつき難い。最近、やっと海外でも企業提携を行い、資金を集める方向性を各大学、研究室も打ち出していますが、元々日本は少ない研究費を公的な支出に頼り、それを奪い合ってきた歴史があるのです。
野依氏が海外から先端技術を買うと、隷属的関係になる、と述べていましたが、それは大きな誤りです。日本は先端技術を輸出してきましたが、隷属する関係諸国はありません。日本だけが先端技術確保のために隷属しなければならないなら、それは外交や貿易のどこかに歪があるのです。
大学側も否定的な見解を示しましたが、子ども手当て、高校授業料無償化など、大学以外の教育機関のみを優遇する姿勢に、危機感を抱いたのでしょう。また多くの大学が運用の失敗で負債を抱えたことも影響しています。研究、開発は先行投資であり、難しい判断でもありますが、DNA解読でも海外から出遅れたように、必要なところに重点投資する動きも必要です。ただその任に現在、文科省を初めとした行政が対応できていない点が、最大の問題なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2009年11月24日

雑感、経済対策の難しさ

昨日も取り上げましたが、鳩山首相の偽装献金事件で、公設第1秘書が2億円超にも上る規模、虚偽記載で立件される見通しです。ただこの事件で未だに分からないのは動機です。逆に動機が解明されれば、鳩山氏本人や元政策秘書の関与まで、捜査の手が伸びることもあり得るのでしょう。しかし名義を借りた人の名誉に関する私文書偽造などがなく、政治資金規正法違反では、あくまで被害者は個人資金を搾取された鳩山氏、ということになります。それがこの事件の不透明感になっており、動機、原因については地検だけでなく、本人も明らかにしていかねばいけないのでしょうね。

米国では、オバマ政権のアフガン増派を巡り、戦争税などの財源が議論され始めています。第2次大戦中も戦争債がばら撒かれましたが、今は金融安定化法など経済対策に基づく国債増発の最中であり、債券という選択肢がとり難い状況です。しかし増税は景気に逆行し、景気対策との兼ね合いで考えても、国民支持の低いアフガン増派の予算措置として、国民を説得できるかどうかがカギです。
一時1.5%に近付いた日本の長期金利も、今は1.3%と安定しています。デフレ宣言、事業仕分けの効果など、見極め要因が増えたことで、債券市場も落ち着きを取り戻しています。ただ債先買が起きた一方、株先売も起きて株式市場は軟調、一気に日経平均で9500円を割ってきました。

経団連会長が会見で、二番底懸念と対策要望を訴えました。世界経済が回復傾向ですが、ドル安寄与度が高く、世界はサブプライム問題以降も、同様の経済の仕組みで動いています。03年からの景気回復も外需依存であり、日本単独での明確な景気対策は打たれませんでした。GDPベースの景気対策が、自民党政権の主要景気対策であり、未だにそれが切望されるのも、日本の構造転換が進むのはこれから、という印象を強めてしまいます。経団連の要望も、結果的に景気対策として得た資金で、企業の体質転換までを伴わないと、効果も低いことになってしまうのでしょう。
世論調査でも民主党政権に、景気対策を期待する声が高まっています。ただこれまで作ってしまった借金と、短期で景気浮揚効果が期待できる公共工事を封じているので、まず国民の期待に沿う対策は出ないと考えます。鳩山氏や小沢氏の醜聞より、民主党政権の支持率に利いてくるのは、経済に対する国民の厳しい視線、ということになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2009年11月23日

民主党に関する醜聞について

事業仕分けで凍結が示唆されたスパコン、批判を浴びて揺れ動き始めたようです。ただ問題は、スパコンで世界No.1となり、それで一体何をするかです。事業仕分けで露呈したことは、自民党政権下では行政を官僚が仕切ってきたのに、その官僚にビジョンがないことです。スパコンで世界1となり、名誉を受けて終わりではなく、如何に産業に結び付ける利用を考えるか?その手腕が問われているのであり、各省庁はそこまで踏み込み、予算の使途を考えねばいけないということです。

水谷建設元会長が、小沢民主党幹事長にダム受注の見返りとして、5千万円を渡した旨供述していると、報道がありました。これは明らかに地検のリークであり、もし事実で立件の余地あり、と地検が判断していれば、情報操作のようなリークはしないはずです。一方だけの供述で、時の政権与党の幹事長を逮捕できるはずもなく、証拠固めに不利となるリークでは、何の得もないからです。
新たに2百万円程度の献金の未記載、という話もあるようですが、修正申告できる政治資金規正法違反では、地検も公判維持が難しいことは承知しているはずです。強行採決の日にリークをぶつけたのは、地検が鳩山首相の献金問題や、小沢氏の秘書逮捕に関し、徹底抗戦するぞという決意表明だったのでしょう。地検は正義感に拘り、自らを正当化するためのリークも多く行いますが、権力には屈しない、という姿勢を鮮明にすることで、捜査員の士気を鼓舞したいのかもしれません。

青木愛衆院議員の秘書へ献金強要、土地購入資金の会計処理にしろ、小沢氏の醜聞が重なっても世論が民主党から離れないのは、誰もが小沢氏が金にクリーンだと考えていないためです。鳩山首相はクリーンなイメージがあったので、仮に衆院選後に故人献金問題、株売買問題が発覚すれば打撃でしたが、裕福な家庭の子息が自分の懐具合を気にしない、程度の認識に留まるのも、選挙で選択した以上それが国民から承認、という形になってしまっているためです。
これは同様の醜聞が重なっても同じ、公職選挙法や贈収賄など、違った切り口を見つけない限りイメージを覆すのは難しいのです。小沢氏への収賄も後追い記事がなく、盛り上がりにも欠けています。一部の情報操作で、世論形成をして有利に展開させようとする目論見が悉く的を外すのは、情報を発信する側の姿が見えない、曖昧な情報への感応度が低いことも上げられるのでしょう。

自民党も国会混乱を演出することで、もっと国民支持が高まるとの期待もあったのでしょうが、国民の健康に関する法案を人質にしたことで、正当性を失いました。郵政株式売却凍結法案など、徹底抗戦が自らの主張と合致する、そうした戦略でない限り、今の世論は受け入れ難いのです。利己的に国政を蔑ろにすれば、国民軽視との批判を受けるのは、与野党同じです。世論形成の難しさとは、正義の示し方にあるということなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 22:41|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年11月21日

税収の落ち込みと2次補正

09年度1次補正で停止された356事業の内、来年度予算として101事業が計上されていたそうです。これは基金などの複数年度決算の対策が多く、補正で外されても本予算で枠をとれば、金の流れを維持できる、傘下の法人にも影響が少ないとする、各省庁の思惑が働いたものです。但し今この時期にやるべきことかどうか?を精査すれば確実に削減対象でしょう。政権としても、復活してしまえば1次補正見直しの正当性を自ら覆すことになります。

米国でもガイトナー財務長官が苦境に陥り、オバマ政権が支持を落とすように、発足後1年が経過し、政権への失望が強まっています。鉄道建設や緑のニューディール政策で雇用創出、そう謳いながら成果が出ないオバマ政権。未だ高い支持とはいえ、アフガンの増派計画、医療制度改革など歳出拡大を伴う施策も多くあり、財政を悪化させるこれらの施策への評価も別れ始めています。
世界各国で金融機関が企業に資金が溢れ返っていますが、増資の一部には債務に相当するものがあります。借金を重ねる企業は納税義務から外れ、国の税収に影響してきます。つまり今は業績悪化と増資、という十重二十重に税収の落ち込みを指摘できる状況にあります。

更には賃金デフレ、これは安定的な税収だった所得税の悪化を意味し、複数年に亘る税収の落ち込みを予感させる事態です。そんな中、菅国家戦略相の下に、2次補正の原案が出たようですが、公共工事など即効性のある対策は盛り込まれない模様です。一部で公共工事待望論もありますが、GDP寄与率は高いものの、公共工事に頼れば過去数十年来の失敗を繰り返す施策となります。
今、日本に起きていることは道路、船、空、鉄道あらゆる交通が整備され、利便性は高まっています。通常、この状況では互いに競争することで、価格競争が起き、利用者にとってより有利な利用環境が創出されるはずでした。しかし高速道無料化で顕在化したことは、価格競争がそのまま淘汰に繋がる、過当競争の状況だということです。この上更に公共工事を重ねても、競争と淘汰を助長するだけですし、ハコモノは云わずもがなでしょう。

各国でインフレ、デフレの見方が分かれるのは、これだけ流動性を供給すれば本来インフレを示すはずです。しかしそうなっていない。穴があり、どこかに吸い込まれるという異常な環境です。この時、一時的な景気対策をしても効果は上がらないでしょう。雇用創出は安定的な税収確保に寄与します。長期的な視点での景気浮揚策、2次補正の知恵の出し方はそこにあるのでしょうね。

明日はお休みし、明後日から再開します。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2009年11月20日

政府によるデフレへの言及

月例経済報告でデフレの文言が復活し、政府は事実上のデフレ宣言を行いました。01年3月に日本はデフレと認定され、06年6月に文言自体は消えたものの脱却宣言は出されず、今回復活という形です。理由として6ヶ月連続でコアコアCPIが前月比マイナス、¬礁GDPが実質GDPを2四半期連続で下回る、需給ギャップの大幅なマイナスを上げています。

先週来、世界の株式市場は上昇基調にありましたが、好感したのは流動性供給が続くことでした。図らずも現状の景気は過剰流動性に支えられている、ということを露呈した形です。ITバブル崩壊後、円キャリー取引が活発化、世界を円で調達した資金が席巻し、過剰流動性による不動産、原油、株式市場などあらゆる相場を上昇させ、剰えグリーンスパン前FRB議長にコナンドラム(謎)と言わしめた、米国の長期債の金利低下を引き起こしました。
現状は欧米中各国が流動性供給を行っており、更にドルキャリー取引が発生、企業や金融機関には資金が潤沢にある状況です。M&Aが活発化、増資や負債の返済、企業支援に資金を供出するケースが多く見られます。しかし設備投資や雇用面には向かい難い、それが現状の経済情勢です。

先週も指摘したように、日銀はCP買取を年内打ち切り、当座預金の残高を減らすなど健全化に邁進しています。白川総裁は昨年の原油高騰の圧力が緩和されるので、当面の対策には消極的です。先の量的緩和策の効果は低い、それが日銀内の判断、現在の経済の見方にも反映されているようです。
現在、若干ながら円キャリー取引も行われており、ドルとともに弱い通貨となっています。一時期の超円安を体験しているので実感は乏しいですが、1$=90円は実効為替レートで見ても良い水準であり、特に円高ではありません。ユーロや、特に新興国通貨に対してはかなり円安方向に向いており、これを見ても今は円安と云えます。更にデフレと円高には相関があるので、今後円高方向に動くことも想定され、輸出産業に打撃となります。デフレはあらゆる範囲に影響するのです。

ではどうするか?自論ですが、政策金利を上昇させることが解決の道です。国の利払いが増える、ローンが組み難い、中小企業は返済が大変、等等のマイナス面はありますが、過剰流動性の供給元としてではなく、運用先として機能すれば投資資金が集まります。国内で資金還流が起これば、企業も借り易くなり、現在の貸し手市場も緩和される方向になるでしょう。
今は米国が異常な状態なので、政策金利1%で今の規模の流動性を維持すれば、相当に効果が出ます。海外から資金が入ってくると、デフレ傾向も緩和され、円安方向にも動くでしょう。経済教本ではまず否定される案ですが、今の過剰流動性が異状な規模に達していることを考え合わせると、通常時の経済学は通用しないと考えています。再び手を拱いて、景気低迷を傍観することがないよう、政府、日銀が知恵を絞ることが今は求められるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2009年11月19日

返済猶予法案をめぐる国会の混乱

中小企業等金融円滑化法案が委員会で与党により強行採決され、本会議での採決が大もめとなりました。臨時国会は会期30日、どの法案も集中審議が必要であり、その意味で審議日程はどれも不足しています。ただ問題は、この法案が緊急性を要す、重要な法案なのかということです。
金融機関は努力目標が課される。自民党は金融機関による詐欺的行為が起きる、と主張していますが、金融業の免状剥奪まであり得るそうした行為を、グレーゾーン金利で懲りた機関はまずしません。それ以上に、貸付を返済猶予することで、一時的に不良債権の枠から外せる、そのメリットを金融機関は享受することでしょう。最大の問題は金融機関の財務の不健全化、透明性の消失です。

これは個人にも適用されますが、返済猶予後の将来像も重しです。金融機関の間で、一旦返済猶予した借り手は要注意とされ、借換えが厳しくなることも予想されます。また信用保証による政府支出も、想定される金額が示されていません。こうしたザル法を焦って通す、亀井金融担当相の顔を立てる程度の条件で、国会混乱を招くことは愚の骨頂といえる内容です。
そんな亀井氏が、日本新党、平沼GRとの合流を模索しているとの報道がありました。年内に政党要件を満たせば政党助成金が受けられる、という利を見た動きですが、上記の法案も、2次補正10兆円の主張も、中身がなおざりで亀井氏が立場を失くしつつあります。来年の参院選前に、数を作って政権内の地位を安泰にしたい、というミエミエの行動には乗り切れない人間も多いでしょう。

延長国会がない、という条件をちらつかせれば、鳩山首相、小沢幹事長の疑惑隠し、と指摘されてもやむを得ないのでしょう。現在の世論情勢は、国会論戦で疑惑や汚職を追及されることそのものより、疑惑から逃げたり、混乱を助長したり、説明責任がつかないこと、そうした行動全般を問題視する傾向があります。
つまり議員は国会が主戦場と考えますが、国民は国会の外、人柄を重視する傾向を強めており、説明のつかないことをするような人間に信頼は置かないのです。これはタレントも同様、裏側が報道されるようになり、そこに垣間見られる人間性に、より注目が集まることと同義の内容です。

自民党も、これを政争の具にしてインフルエンザ法や、肝炎対策法を人質にするのは愚策です。こうした国民の健康に資する法案は、超党派で議論すべきであり、野党の態度としてとるべきではありません。薄っぺらい正義を振りかざすのではなく、説明のつく行動を実践することが国民から信頼される政党になる、ということを与野党ともに肝に銘じて、国会運営をしていただきたいものですね。

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2009年11月18日

民主党政権の下ろすべきでない旗

藤井財務相がこども手当てに、所得制限をつける可能性を示唆しましたが、後に鳩山首相が否定しています。政府税調も始まっていますが、税制の問題で一貫して云えることは、国民は税金がムダに浪費されることを嫌います。事業仕分けでも、ムダの定義は難しいですが、富裕層に税金が還流し、より高いレベルの教育を受ける権利を有しても、あまり効果的とは言えないでしょう。
家庭環境により、就労機会を奪われる可能性がある場合、こども手当てを給付することにより、高い効果をもつといえます。つまり収入に応じて制限を設けることは、何ら不自然ではありません。そして今回、税収の大きな落ち込みで国債の大増発懸念がある中、歳出拡大による負の効果が強く意識され、ムダと意識される歳出に向く目も厳しくなることが予想されます。

ガソリンの暫定税率や、租税特別措置の廃止、事業仕分けでもすぐに「景気悪化を引き起こす」旨の論調が目立ちますが、本来重視すべきは効果です。それは予算枠が削減されたり、減税措置がなくなれば、正負両面で影響は出ます。事業仕分けでも、省庁は必要性や意義を強調しますが、重要なのは何年後に、どの程度の効果を見込むのか?そのアウトラインが描けているのか?です。何となく予算をつぎ込み、いつか効果が出るかもしれない、では予算計上する人間の能力が疑われます。
それが一般の企業なら当たり前に行われている、マーケティング・リサーチです。10年後に世界でどの程度の市場規模があり、その中で日本がどの程度市場を占有し、税収として見返りがあるのか?そこに冷徹な目が必要であり、逆にそれがない事業は全て廃止でも良いのです。国が行う事業は人材育成など多岐に亘りますし、50年、100年後を見越した事業も必要で、それらを一つの言葉で表すと『効果』となります。

マニフェスト見直しが必要ならば、従来見込んでいた効果と、情勢の変化により新しく見込む効果を、天秤にかけて判断する必要があります。こども手当てで言えば、全家計に支給することで、少子化対策を考えていたが、税収の落ち込みにより重点投資する。貧困層が出産を回避せず、安心して子供が産めるようにする。富裕層には保育所などの充実で手当てしていく、という形の説明にすれば、全体をカバーしつつ財政面での負担も軽減できることになります。
つまり民主党政権が下ろすべきでない旗は、ムダの徹底洗い出しと、国民への透明性の確保です。例えば亀井金融担当相のような、2次補正10兆円という規模だけを誇り、中身がスカスカになると効果を説明できません。この事業を行えば、こうした効果が生み出される、喫緊の景気対策になる政策を積み上げることが大事で、これは1次補正の見直し分2.7兆円に拘っても同じことです。

証券業界の関係者も、なぜか小泉政権後期の外国人投資家が日本に大量投資した時期と、今を重ね合わせて不満を述べますが、小泉政権も前半は竹中ショックで相場は大きく落としました。しかも小泉政権の失敗は、看板は小泉氏が、中身は官僚が書いたために、政策が国民目線から離れたことにあります。民主党政権が国民目線を訴えるなら、マニフェストや規模に拘り、中身がなくなることよりも、中身までしっかり制度設計することだと言えるでしょう。税制調査会も、効果をしっかりと見極めて議論することが大事なのでしょうね。

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2009年11月17日

事業仕分けの前半が終わる

米中首脳会談が行われました。呉越同舟、同床異夢、世界経済を安定させつつ、覇を握ろうとする両国が偽りの笑顔で手を結びました。米保守派が、天皇陛下に対するオバマ大統領の礼の態度を?卑屈?とするように、米大統領は世界の王たる存在であると、米国では強く意識されています。
しかし今回、人権、人民元、中台関係など、多岐に亘る米中間の問題に、中国側の意向が強く反映されました。対話重視のオバマ外交は、効果が出るまで長期化が予想されます。しかも中国は外交上弱気を嫌う国、一時の優位を頑として守り続ける面もあります。一方で日本には強気のオバマ政権、アジアの外交バランス、強弱感の狭間で日本に更なる要求を加えてくるかもしれません。

事業仕分けの前半が終わりました。廃止、見送りなどは1千億円超、削減や基金の返納で、合計すると財政寄与は1兆円を超える見込みです。この中でロケット開発費が廃止と決められましたが、確かに宇宙開発の先端をいき、将来的な需要を見込む意義はあります。しかし他国がこの分野の技術開発を進めるのは、軍事転用可能な技術だからです。宇宙開発のみで投下資本を回収できる目処はなく、これは研究開発と市場調査、ビジネスとしてのミスマッチングがそうさせています。
スパコンも同様、開発に意義はあってもそれを利用した産業ビジョンがない。これを見ても各省庁の問題が浮き彫りになりますが、要は縦割りの弊害です。特に日本は軍需産業が育たず、兵器は米国の中古品を高く買い取る状況で、宇宙開発でトップを自負しても、それは自己満足でしかありません。税金を使って、ビジネスとして経済の拡大に寄与する計画を持たないものは、結局『ムダ』となります。

自民党からパフォーマンス、との指摘もありますが、この事業仕分けはそれで十分です。法的拘束力がない、但し国民の目に晒されたことで、監視という圧力が民主党にかかる。それがこの事業仕分けの意味です。自民党でもやれば良かった、ともしていますが、埋蔵金はない、天下り規制はしない、と述べていたことからも自民党政権下では実効性も薄かった。今回、様々な問題が歳出先にはまだある、という認識を国民に芽生えさせただけでも十分な効果があります。
民主党には成長戦略がないともされますが、マーケティングをやり直す意味で、この事業仕分けが第一歩の任は何とか果たせそうです。仕分け人に何の権限が?との批判も、国民の声さえ反映してくれれば、外国人だろうと市場原理主義者だろうと、そんなことは国民にとって何ら忌避するものではない。全ては結果で評価されるのが、公開され、衆人環視の場で行われる事業仕分けなのです。
最終的に3兆円、と数字ばかりが一人歩きしますが、民主党政権は7兆円の新規事業を行うための財源を捻出する。これが公約だったはずです。時間の制約もありますが、下ろすべき旗と、下ろさざるべき旗の違いを間違えると、財政政策もおかしなことになりますので、そこに筋道をつけた理屈を立てることが、大事なのでしょうね。

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2009年11月16日

鳩山政権の閣僚の発言

内閣府が発表した7-9月期実質GDPは年率換算+4.8%、予想の+2.5%を越え、高い伸びを示しました。個人消費が+0.7%、設備投資が+1.6%と強く、輸出入の伸びとともに寄与率も高くなっています。外需依存と内需は政策効果、という形ですが、ただ名目GDPは年率換算で-0.3%、この辺りは国内需要デフレーターが-2.6%と、デフレ傾向が鮮明となる中、税収の改善は見込まれない形が続きそうです。
この流れで、政府がデフレ宣言をする方向です。泥臭い話では、前政権下ですでにデフレだったことを鮮明にする意図も含まれますが、数値上もハッキリしてきたため、踏み込んだ発言をするようです。強いGDPで円が強くなるのを抑えたい方向もあるのでしょう。
2次補正も囁かれる中、このGDP発表で重大な問題が発生しています。直嶋経産相が8:50の正式発表30分以上前に、会議の場でこの数字を明かしてしまいました。直嶋氏は知らなかった、と弁明していますが、知らないことは明白な職務怠慢です。民主党政権は政治主導、即ち政治家に高い能力、資質を問います。経産相が経済指標の発表時間を知らないというのは言い訳できず、減俸程度の処分はあって然るべきです。なぜなら、官僚がそんなことをすれば当然処分されます。閣僚はその責任から外れる、では示しがつかず、統制もとれなくなってくるでしょう。

鳩山政権は閣僚の発言の軽さも目立ますが、そんな中で普天間基地移設に対し、オバマ大統領が「過去の合意の履行」と述べたことに対し、鳩山氏が同行記者団にそれを否定して見せました。早く結論を出す、という言葉に対しても先送りを示唆し、現状国内で波紋を広げています。
憶測ですが、事務方で事前合意できたのは作業部会設置までであり、内容や決着時期については、当日の会議の上で、米国側が持ち出してきたことだったのでしょう。オバマ氏は防衛予算における国会からの突き上げもあり、直談判でねじ込みたい。従来の日米合意通り、とアピールすることで議会を説き伏せるつもりだったのです。その迫力に押され、作業部会の調整を挟むものの、早い解決を示唆してしまった。鳩山氏は自らの外交下手で、名護市長選を終えた後、という基本戦略の巻き直しを迫られた形となったのです。

しかしこの問題は先送りして良い話ではありません。最終的にどう決着するにしろ政治決断が必要で、先送りすればその間『混乱』と認識されます。更に一番大事なことは、仮に県外移設を模索するのであれば、その戦略を示すことであり、努力の跡を見せることでもあります。机上の討議だけで、民意が示されたとしてトップダウンに持ち込めば、更に混乱を深めるのでしょう。
例えばロシアの外相が、「前提条件なしで平和条約締結」と述べていますが、これは領土問題を無効にしようとするロシア側の強かな戦略です。こうした場合、NOならハッキリとそう宣言し、剰えこの発言を問題視して閣僚級会談を申し入れる、程度の戦略は必要です。日米合意は大事、オバマ氏の発言を覆した、と大騒ぎする以上に、米国が戦略的に共同記者会見の場を使ったのであれば、それに即応し、日本が有利になるよう戦略を立てることが重要です。逆に、それが出来なければ単なるブレ、と表現されるようになり、政権の支持率も厳しいことになっていくのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2009年11月15日

雑感。ウィンドウズ7搭載パソコン

マイクロソフト社の新OS、Windows7が発売されて半月が経ちました。某調査では10月パソコン販売が前年比20%程度増、と一見好調に見えますが、これは各社一斉にモデルチェンジ時期を迎えた旧型モデルも含まれるため、新OS搭載パソコンの販売はそれほど増えていないように見えます。
私も自宅のパソコンが調子悪いため、売り場に赴きましたが閑古鳥が啼く状況で、活気はありませんでした。旧モデルの在庫一層処分による買い疲れ、という以上に理由もありそうです。まず各社、新OSとのマッチングに時間が割かれたためか、マイナーチェンジに留まり、かつスペック的な上乗せがないこと。新OSでは64ビット版と32ビット版があり、移行期、過渡期をイメージさせたことなど、買い手控えムードを醸成するいくつかの条件が整ったようでもあります。

ソニーは多くが64ビット版、東芝と富士通は一部セレクタブルがあるものの、主要メーカの多くが32ビット版を搭載しています。将来的には64ビット版が主流になると想定されるものの、ドライバーやアプリは64ビット版でも動作する32ビット版、が当面は主流となるはずです。
販売戦略上、購入対象を限定しないため、新旧モデルに対応するにはそれしかありません。セレクタブル搭載パソコンでも、64ビット版にリカバリすると、使えなくなるソフトがあります。一部では不安定になるソフトの報告もあり、64ビット版に完全対応するには数年かかります。日本の消費者は、特にこうした不透明な状況を嫌う傾向があり、これも購買意欲を殺ぐ要因でしょう。

数ヶ月前からDRAM価格が上昇し、これも新興国への需要拡大と新OSへの期待もあり、各社増産体制を固めた面もあります。マイクロソフト社の担当は、日本は好調と述べていましたが、VISTAが不調だった分の購入見込み、という点では若干期待を下回ったのではと思わせる内容でした。現状、高度化に向かい過ぎるとマン-マシンインターフェースが悪くなり、売れなくなる傾向があります。
タッチパネルも大画面に指紋や手脂がつくので、必然性には疑問がつきます。Macに搭載されたマウスにタッチパネル機能を搭載するか、サブウィンドウを準備するか、同種の機能を普及させるには、そのどちらかなのだと思います。潰れ易い液晶画面を何度も拭く、という懸念をもたせない工夫をしなければ、汎用性をもたない技術でしかないのでしょうね。

個人的には、魅力的な機能はなく、価格とのバランスで現状見送りになりました。機能面での特筆もないことから、恐らく価格下落も早いと思われ、後継機の登場を待つことも考えています。その前に自宅のパソコンが寿命を迎えないよう、今は祈るばかりですね。

analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2009年11月14日

APECが始まる

小沢民主党幹事長が日中関係は「21世紀における人類史的なパートナー」と、中国共産党の機関紙会合で発言しています。「世界で最も重要な2国間関係」ともしていますが、中国にとっては対日より対米が重要という点で、微妙な両国間の関係を表しています。日本も中国も、製造業の強い輸出依存国、内需拡大に移行中ですが、未だに構造転換は達成できていません。

そんな中、アジア太平洋経済協力会議(APEC)が開催されています。そこで米国が自由貿易協定(FTA)による環太平洋パートナーシップ(TPP)への参加を明言し、注目を集めています。米国は一国の消費により世界が繁栄するのではなく、各国が米国製品を購入し、分担することを提案しています。米国は工業製品ではなく、一次産品も輸出品であり、FTA締結で輸出が増えると目算しているようです。
米輸出拡大にはドル下落という副産物が必要であり、そうなると相対的に資源価格は上がります。TPP参加のチリ、シンガポールなどは資源国として機能し始めており、ドルが基軸通貨であり続ける限り、バランスがとれるとの計算も成り立ちます。強いドルを喧伝しながら、ドル下落を容認し続ける米国には、経済政策として強いドルであっては困る事情も存在していると言えます。

中国が経済報告で人民元の柔軟な運用を示唆した、として一時話題になりましたが、ドルペッグ制をとる人民元が変動相場制に移行した場合、ドル下落は更に鮮明になるのでしょう。米国が人民元に言及し難くなったのも、このバランスが影響しています。かつて日本に変動相場制を迫ったような、強い米国ではなくなった今、対中貿易赤字の解決には米国も苦慮することになりそうです。
恐らくアジアには多くの枠組みと、それを総括する場が必要なのでしょう。極めて弱い関係ながら繋がる、その中でどう互恵関係を築くのか、がアジア域内では重要です。日本の場合FTAには多くの壁があり、TPP参加は難しいのでしょう。米国がより強いアジアとの関係を求める中、APECでも日本独自の存在感を示すよう、何らかの政策が必要となってくるのでしょうね。

最後に、小沢氏が「キリスト教は排他的で独善的」として欧米社会の行き詰まりと、仏教の寛容さを讃える発言をしています。ですが、そのキリスト教が世界三大宗教の中で最大であり、版図も大きいのです。排他的であるからこそ、相手を排除、接収して拡大できたのです。
更に、日本で仏教と云えば大乗仏教ですが、アジアには他に内省的な小乗仏教もあります。キリスト教も宗派により、幾つか違いがあり、一束にまとめて語れるものではありません。仏教では長い時間のことを『劫』といいますが、人類史の中で国家、民族に多くの離合集散、戦争があったように、国家間関係に永遠に良好なものなどありえません。対外関係の構築の仕方には、様々な方策があるということを、忘れてはいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:40|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2009年11月13日

経済の話、市場と日銀の動き

日本の株式市場は今日、11月SQ算出日であり9746円でした。週初1万円上、と見られた水準を1ティック下げた形であり、欧米がG20後に流動性供給を囃して上昇した流れからは、大きく乖離した動きです。日本市場は外国人投資家の市場占有率が高く、45日ルールや月末までの換金売り、という側面が強かったと考えていますが、国内要因に何か問題がないか、少し考えてみたいと思います。

先週末、内閣府発表の景気動向指数で、「下げ止まり」から「上方への局面変化」に上方修正しました。つまり内閣府は明確に底打ち宣言したことになります。しかし同じ内閣府から10日発表された景気ウォッチャー調査は、現状判断指数が40.9pt、2.2ptの低下、基調判断を見直しています。
9月機械受注は前月比10.5%増、10月消費動向調査は前月比40.5と横ばい、10月企業物価は前年同月比6.7%低下とデフレ基調は変わらず、製造業の好調さと国内の景況感に温度差が生じていることが鮮明です。理由には当然、ボーナス減額や失業率の高さ、遅行する雇用環境の悪化があることは、云うまでもありませんが、もう一つ日銀の態度にもあるのではと考えています。

10月マネーストックM3は前年同月比2.4%増、06年以来右肩上がりであり、今回は特に高い伸びを示しています。市場に資金は供給されているように見えますが、一方でマネタリーベースの一つ、日銀当座預金でみると、7-9月期に前期比-5.5%と減少させています。05年には30兆円を越えていた残高を、量的緩和解除後に8兆円程度まで減少させて推移していましたが、09年に入り10兆円を越え、4月に15兆円をつけたのを境に9月は12兆円まで減額と、市場から資金を絞る政策に日銀は舵を切っています。
量的緩和策の効果に対して是非はありますが、日銀はいち早く出口戦略をとりつつあった。一方で欧米中など貿易相手国は、未だに資金供給を続けており、輸出産業である製造業は潤う。しかし国内は資金供給が細り、景気回復に足止めがかかったのではないか?ということになります。

10月に入り、日銀当座預金も微増させていますが、この辺りは日銀が景気に警戒を示したためなのでしょう。ただリーマンショック後も、日銀はマネタリーベースの伸びを抑え、09年の間は前年同月比で見ると伸びを示すことは重要です。出遅れた上に、フライング気味で解除に動いた、09年はその影響が強く出ることになり、日銀の不作為は見え難くなるからです。
日銀は準備預金制度による市場調整はもう行わない、という方針もあるのかもしれません。ただ出口戦略とは、景気に悪影響をもたらすものであり、慎重を期して行われるべきものです。薄商いの中SQに伴う売買が約1億円、それを除くと1兆円程度まで売買高も沈みます。市場から資金が消え、日本が真っ先に2番底をとりに行かないよう、慎重な経済運営が求められるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2009年11月12日

北朝鮮の動きとオバマ氏来日

自民党の谷垣総裁が鳩山政権をH.FAKE政権と皮肉りました。以前から、自民党はこうしたフレイズ作りが下手で、センスのなさを感じます。例えば鳩山氏の鳩をHAT、帽子の意味にとると、bad hatは悪い奴というような意味を持ちますし、慣用句ではpass around the hatで献金を求める、talk through his hatでバカなことを云う、など色々と面白そうな文言も出来上がります。
鳩がつく名前の人、全てを否定することは愚策ですが、H.FAKEよりはまだマシと考えます。政権攻撃だけしても、シーソーのように自民党支持が回復する訳ではありません。日本にとって良いと判断される政策には共同であたる、そうしたメリハリをつけた上で、自民党が目指す政策、方針を明確に示してからが、本当の野党・自民党の戦いになるということなのですけれどね。

黄海における北朝鮮と韓国の艦艇銃撃戦の後、韓国側は事前に決定していたトウモロコシ1万tの食糧支援を行う決定をしました。北朝鮮が使用済み核燃料棒の再処理完了を宣言し、米訪朝団の年内実施や六カ国協議に向け、北朝鮮の瀬戸際外交が再開された印象がある中、韓国も関係悪化に配慮した形です。ただ北朝鮮の要求より少ない量だったことが、北朝鮮にトウモロコシ支援を拒否させた、とも云われており、実際に受け渡しが行われるかは依然不透明な状況です。
ただこうした動きを北朝鮮がとることは、金正日氏の体調が落ち着き、外交上懸念のない状態であることをうかがわせるものです。更に後継候補が確約され、着々と体制作りが進み、何らかの実績作りを模索している、と考えることも可能です。世襲三世代目に当たる後継候補には、正当後継者としての力量を内外に示す必要も生じています。仮に年内訪朝が実現すると、食糧支援という実をとる可能性もあり、その時は後継者が前面に出てくることになるのでしょう。

米国は日韓との連携を協調しますが、今回は北朝鮮との2国間協議です。しかも対北支援策には、否応なく日韓が巻き込まれます。現状、北朝鮮は食糧不足に陥っており、今冬を迎える前に見返りを得たいことも、また確実です。今回、米国は六カ国協議復帰と05年六カ国協議の共同宣言を確認し、核放棄を再確認する意向だとしていますが、すでに05年の共同宣言は北朝鮮側が破っています。明日、オバマ大統領が来日しますが、それ以上に重要なことはその後の訪中であり、ここで語られることが対北に向けた、米中両国の思惑の擂り合わせの場、ということになります。
鳩山政権の対北戦略は現状明らかにされていませんが、wear many hats多くの役割を果たし、外交面で日本が地位を確立するためにも、日本は正論で挑み続けることが対北では重要なことです。妥協せず成果を求める難しい課題ですが、国家として守り続けるべき国民の命、という視点で米国など諸外国に日本の立場を訴え続けていかねばいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2009年11月11日

事業仕分けが始まる

行政刷新会議の事業仕分けが始まりました。447事業の内23項目50事業が行われ、7項目10事業が廃止、予算の削減が6事業、地方に移管を含めて検討する事業が4、制度の見直しが5事業に及ぶ見通しになっています。廃止だけで約500億円、削減、見直しまで含めると700億円以上が、初日の成果ということになるのでしょう。
原則、廃止、見直しを前提に議論することは良いことです。ゼロベースから事業を積み上げ、必要性を論じるには、廃止有りきで検討するしかありません。更に後悔されているため、各省庁がこれまでどういった理由で事業を継続してきたか、それも明らかにされる効果もあります。しかもこれは行政刷新会議、最終的には政権判断で事業の継続性が決まりますが、廃止と決まった事業が復活すると政権に説明責任が生じ、国民理解が得られなければ政権へ打撃となります。こうした抑止の効果が生まれる。根回しのない丁々発止の議論が行われることが、最大の利点でしょう。

しかも今回の事業仕分けで、国民の多くがそんな事業をしていたのか?と国民が知ることが出来ました。逆に、そんな事業があるなら申請したい、という申し出が今後増えるのでは?と想定できます。何十億とかける事業でも、国の施策は周知不足で国民利用率が悪い。パンフレットを事業所に置くだけ、という広告宣伝も多く、人件費と同様に資金の使途にも問題ある事業が多くあります。
ただ早くも民主党議員が業界団体を引き連れ乗り込んだ、など圧力と見られる動きもあります。また亀井金融担当相が人選に苦情をつけるなど、古いタイプの政治家も蠢き始めており、官僚側でも巻き返しのチャンスがある、として閣僚に見直しをねじ込むこともあり得るのでしょう。

個別には、雇用能力開発機構運営費交付金や診療報酬・薬価は見直しなど、短時間で踏み込み不足の面も否めません。私のしごと館は来年3月で廃止、と予定より早められましたが、見直しでは官僚的言葉にすると先送りとなるので、ハッキリけじめをつける必要があります。
世界は今ジョブレス・リカバリー(雇用なき回復)の状態です。今回の事業仕分けとは、ジョブ・レイティング(職務評価)に基づく、ホルダーから権益を剥ぎ取る作業です。省庁に芋づる式に繋がる公益法人、財団法人などにのみ、省庁からジョブが与えられ続けることに対し、歯止めをかけることが大事であり、競争原理の働かない発注形態を残す、悪しき慣習への戒めとならねばなりません。まだ特別会計、財務省関連予算など、切り崩しの足りない部分はありますが、見直しなどの曖昧な決着はやめ、原則廃止の方向性できちんと見直して欲しいですね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 行政 | 一般

2009年11月10日

日本の長期金利上昇について

英国人講師の死体遺棄容疑で逃走していた市橋容疑者が逮捕されました。問題は死体遺棄だけなのか?殺人が立証できるのか?という方向に移るのでしょう。逃走経路、整形などの謎が、興味として先行しがちですが、事件の解明に主眼をおいて今後の捜査が進展することを望みます。

日本の債券市場で長期金利が1.485%をつけてきました。鳩山政権における大量の国債発行が…というのが通常語られる理由です。その通りなのですが、もう少し詳しく見る必要もあります。日本と同様に政策金利を0%近辺に貼り付ける、米10年債利回りは3.5%前後、日本とは2%以上の開きです。
フィッチによる格付けで日本はAA-、米国はAAA、格段に米国の方が高い格付けです。昨年度の米財政赤字は1兆4千億$、GDPの10%に及びますし、貿易赤字という問題を抱える国です。更に保険制度改革、オバマ政権が公共工事を推進することも、財政拡大を意識させています。但し新興国などが自国通貨高を嫌い、ドル買い介入を続け、米国債を買わざるを得ない事情も存在します。

現状の日本市場はポジションを外す傾向が鮮明です。株、債券、為替、新政権への不透明感から、外国人投資家は持高調整を続け、投機的な動きはナリを潜めています。ただこれもオバマ政権発足当初、売り込まれたのと同様の動きです。当時はリーマンショック後の難しい時期ですが、政権が何を打ち出すか、不透明な間は市場が動けない。株の持ち高を減らす過程で、債券とのリバランスの関係で出る売り、という面も日本の債券市場に大きく影響しているのでしょう。
金が暴騰状態にありますが、昨年の原油も同様、資金流入観測がある間は強い動きを示す。これが過剰流動性相場の特徴です。逆に日本は資金流出、だから全市場が弱くなります。また日銀が出口戦略に積極的な点も、過剰流動性巻き直しの観点から、市場縮小をイメージさせています。日銀が強気の対策に傾いても、デフレ環境で利上げは無理と市場に見抜かれており、逆にデフレを悪化させかねない懸念も生じています。これも悪い金利上昇に繋がっているのでしょう。

景気回復を囃すのであれば、金などから資金は逃避し、債券に回るはずですが、今は債券も安全資産とは云えない時代です。フィッチによる日本国債の格付け見直し観測など、不穏な話も聞こえてきましたが、事業仕分けや特別会計改革など、諸施策を通して国際的な信任を得ないと、日本の国債も危険水域にあることは確かになっています。
18世紀フランス財務長官に就いたシルエットは、その名を影絵に留めましたが、緊縮財政、課税を主張し、待望されて就任したにも関わらず4ヶ月で退任しました。何事もバランスが必要であり、シルエットにならないよう景気と財政に目配せした対策が、今は求められるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2009年11月09日

雑感、プルサーマル発電が始まる

財務省が08年度の外貨準備の運用利回りを3.69%と発表しました。前年度を0.63%下回っていますが、米10年債利回りの推移とほぼ同程度です。外為特会の積立金が19.6兆円とされましたが、実は為替差損により積立金を6兆円上回る赤字ともされます。外為特会の資金調達手段である、政府短期証券の発行が今年度も膨らんでいますが、やや心配な状況ともなっています。

九州電力・玄海原発で、プルサーマル発電が本格運用されました。プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料による、初の運転です。制御棒の利きが悪い、崩壊による生成物が増える、等の問題はありますが、これで日本の核燃サイクル計画の一つが動き出したことになります。
日本はIAEA監視下ですが、プルトニウムを多く保有しています。このMOX燃料は、日本の核燃料を海外で再処理したものですが、国内でも再処理は進んでおり、溜まったプルトニウムを処分する必要に迫られています。今回のように、限られたウラン燃料に補完する形でプルトニウムを混ぜ、原発で燃料として使用することが、もんじゅの失敗で増殖炉の計画が遅れた今、国の再処理計画でも重要な事項の一つだったのです。

ただ再処理して出来た高濃度の放射性物質を含む廃液を、処分する先が見つからないこと。及び資源価格の高騰により、再処理自体が高コストになったことなど、数十年前の計画にも見直しが迫られています。寿命を迎えた原発の延命も図られていますが、耐用年数を越えた原発が増え、放射線濃度が高く解体できない圧力容器は、今の場所にそのまま放置される可能性も高まっています。
これも将来に積み残されたツケです。原発のある場所はいずれ建物自体は使わない、ソーラーパネルの並ぶ発電所になる、と想定しています。一方で運び出された燃料棒は再処理され、原発内にあった鉄を再利用して造られた容器に入れられ、行き場のないままどこかが保管することになる。米軍基地と同様、厄介者扱いされながらも必要性を謳われ、右往左往するのみです。

憶えておくべきは、クリーンエネルギーとされる原子力発電の実態は、こうした運命を辿るということです。将来にはもっと良い案が出るかも?という場当たり的なエネルギー政策の結果、地下埋設の見通しも立たないまま、いつか決断を下さねばいけない時期が来ます。
プルサーマルが始まったことは一つの契機であり、原子力政策全般に亘って議論が必要でしょう。誰が手を出しても火傷する。待ったなしにも関わらず、どの政党もまともな議論が出来ません。日本のエネルギー政策、CO2排出量の問題と同時に、将来像を確定する議論が大切なのでしょうね。

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2009年11月08日

日米に関する某紙の記事について

某紙の記事を考えてみます。問題は日米の普天間基地移設に関する内容です。「きしむ日米同盟…家庭内別居」というショッキングな見出しの記事で、米議会筋としながら、鳩山政権が決断できないとジャパンパッシングになる、という意見を載せています。この某紙は、関連記事でも日米同盟空洞化など、センセーションな見出しで混乱している印象を植え付けようとする傾向があります。

日本が米国の下から離脱となった場合、ジャパンパッシングなど出来るはずもありません。むしろ東アジア戦略を練り直し、新たな対中、対北を模索する必要があります。米上院はグアム移転費として要求された3億$の内、2億$以上を削減していますが、景気低迷で税収の低下が見込まれる中、国防予算とはいえ多額の費用計上を許さない意向を示しています。
しかしこれは米国の問題であり、普天間移設問題と直接の関係はありません。圧力型の外交を示すゲーツ国防長官が絡めていますが、議会はあくまで米政府向けの圧力を示すのみ。移設問題というより、保険適用を進めるオバマ政権の財政軽視に対し、予算の厳しさを示したのです。ただ某紙ではこれも「影響か?」という書き方で、見出しをつけています。

米軍基地内で銃乱射事件が発生し、オバマ氏の訪日がずれたことに対しても、「やっぱり日本軽視?」という見出しをつけています。ただこれは米国内の足元で、テロと同根の事件が起きたことに対し、時間を割くのは当然のことです。失業率が10%を越え、貧困層や移民が兵士に応募する例が増えています。イスラム教徒も同様に兵士となり、イラクやアフガンへの派兵が増えます。
更にイスラムへの偏見、背中を預ける兵士同士に不信が生じることが、今回の事件の最も難しい点です。それでも訪日するのは、むしろ日本に変な波風を立てないよう、配慮があったとの見方が正しいのでしょう。米国が東アジアの国々で怖れることは、ナショナリズムを煽って解決を難しくすることです。これまでもこの問題では慎重姿勢を示してきた米国、それは沖縄が大戦から苦難の道を歩み、今も多くの負担を押し付けられる中で反発が強まることを警戒しているのです。

米国家安全保障会議(NSC)の上級部長が、国務相高官の発言とされた「最も困難な国は中国より日本」との発言を批判しています。米政府の本音は、米従属的立場から日本が離脱することは脅威、今は様子見姿勢でやり過ごす、硬軟織り交ぜて日本を動かそうと言うことです。
将来的な問題としてですが、米中同盟締結の可能性も視野に入れ、日本は行動しなければなりません。その時は真にジャパンパッシングとなり、日本の価値は著しく低下するでしょう。これまでの米従属姿勢を日米同盟安定、仲良しチームだと考えているなら、その方が問題です。東アジアの情勢は今後10年で大きく変わるでしょう。大事なことは日本の価値を米国のみでなく、世界に向けて高めることだということを、忘れないようにしなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:40|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | アメリカ

2009年11月07日

雑感、最近の事件について

民主党が永住外国人の地方参政権付与に関し、法案を提出する予定です。しかし臨時国会は会期も短く、世論の賛成も低いこの法案を、なぜ急ぐのかを国民に説明しなければなりません。
地方は生活に密着しているから、という単純な理由では、国民が納得することは困難です。選挙とは、たとえ地方と云えど国の形に直結する問題、特に地方分権となれば益々その傾向を強くします。特に日本国籍を持たない人間は地縁に縛られず、縁故を頼って移住してくる場合、一箇所に固まって生活する傾向があります。限界集落にまとまって移住する、そうなれば議会は確実に勢力図を変えるでしょう。問題はこの法案における、副次作用を如何に考えるかです。対馬に勢力拡大したい国などもあり、民主党が危機管理能力の劣る政党かどうか、説明如何にあると言えます。

社会面では最近、女性周辺の男性不審死事件が多く取り上げられています。高齢、もしくは老齢に差し掛かる段階の男性、社会的分別があると見られながら、一人身の寂しさにつけ込まれた事件に見えます。鳥取でも同様に、元ホステスの女性の周りで男性が亡くなっており、両者とも多額の金銭絡みとして、メディアでも共通点を指摘されています。
両者の共通点はふくよかな女性です。これはユングによると「グレート・マザー」と呼ばれる、共通の無意識から導き出される母神像になります。多産、世話好き、それは明るい母親のイメージとしてイメージされます。マザーコンプレックスは多かれ少なかれ、男性の中に存在すると言われ、それは母親を慕うか、怖がるかという二面性をもつと言われます。

現代は人間関係が希薄といわれますが、年齢も上がれば寂しさも募り、母親像を慕う男性にとっては、母神像に合うタイプに心許したのかもしれません。フロイトは、幼児期の母親から与えられる読み聞かせ、そのファンタジーに登場するイメージがマザコンの要因とします。ただ最近、絵本や童話を語り聞かせる母親も少ないと聞きますので、フロイト説は厳しいのかもしれません。
ただ昨今の事件は凶悪事件も増えています。亀井金融担当相が肉親間の事件が多い、としていましたが、実際はそうした傾向はないようです。ただ事件全体は少なくなっていても、凶悪化は進んでおり、殺人に躊躇いがないことが窺えます。どんなことをしても社会で這い上がった者勝ち、という風潮は一時期ホリエモンに代表されましたが、30代半ばの女性がセレブ的生活のために殺人を厭わない。社会全体で道徳について考えねばいけない、そんな時代なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:44|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2009年11月06日

雑感。日航と人事院の人事官人事

米国で新たな景気対策として、失業保険の給付期間を14週間、住宅購入支援も来年4月末まで延長する法案が、上下両院を通過しました。既存対策の延長でしかありませんが、約4兆円規模、苦しい財政事情に配慮した中規模なものです。先のFOMCでは金融緩和策の出口条件が示され、?資源利用の低水準、?抑制されたインフレ基調、?安定的なインフレ期待、の3点を逸脱した時としています。
日本の経験に照らせば、バブル以降にこの3点を満たした時期はなく、米国でも緩和策が長期化する、との懸念を強めています。10月雇用統計も失業率10.2%、厳しい状況なのでしょうね。

日航が冬のボーナスカットを提示しています。1.05ヶ月+2万円も支払えない、これは債務圧縮が難しいため、固定費に転嫁された例です。年金受給者の財産権を満たすため、現在働いている労働者の正当な報酬が制限される。当然、これは年金削減法案に向けた、下準備の側面もありますが、減給されれば労働者の将来における財産権を毀損することになってしまいます。年金は多くの企業でも、今後頻出する問題であり、右肩上がりの成長が難しくなった世界で、高い利回りを確保することが各企業でも負担になることは、容易に想像できる問題です。
人事院の人事官に、前厚労事務次官の江利川氏を起用する案を、民主党が提案しました。天下り人事批判もありますが、国家公務員法改正が視野にあることは間違いなく、YESマンともされる江利川氏を充てた、との見方が専らです。ただこれは先の日航と同様の問題を孕みます。労働基本権を付与し、自治労が抵抗勢力となると、財政問題を抱える国は固定費削減が難しくなります。

年金は安全資産と述べる人もいますが、それは税金投入で支払能力が確保されているためで、高い利回りで年金を支払い続ければ国家財政が破綻する仕組みです。現状の年金制度を維持するために、労組、年金受給者に納得のいく仕組みを作ることが今、政府には求められています。
日航問題は、いずれ日本ですら通る道なのかもしれません。破綻させない、という決意の正否はともかく、公的に必要な交通、という事業を継続しながら破綻せず再生するための、一種のモデルケースとして見ても良いのかもしれません。米国ではすでに地方の州で行政サービスを低下させる事態が発生しており、いずれ日本でも起きる可能性は否めません。財政運営はそれほどシビアな状況であり、日航問題の行方も、しっかりと見て行く必要があるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 企業

2009年11月05日

小沢氏の目指す国会改革について

米国務相が普天間移設に関し、期限を切らない方向を示しました。現状、鳩山政権が意外に強硬姿勢を貫いていること、圧力・材料が不足していること、訪日延期などの手法をとると日本の出方が分からないこと、様々な検討要因もあります。先進国相手の外交戦術なら米国の方が一枚上手、この結論延期に安堵することは出来ない、ということでもあるのでしょうね。

国会では予算委員会が開かれていますが、これまでと変化が見られます。官僚の質問とりがなくなり、答弁も大臣・政務官が行う。官僚が準備した想定問答集を、ただ朗読する、という場面は見掛けなくなりました。野党側も細かいデータに関して質疑するのではなく、国会が政治家の場に変わった印象と、その一方で国会審議で爆弾質問が飛び出す機会も減りそうに感じられます。
そんな中で、小沢民主党代表が21世紀臨調に要請した、国会改革に向けた提言を受けています。会期不連続の原則を外し、通年国会並とすること。常任委員会に議案審査会を設ける、議員立法の提出案件を緩和、党首討論、大臣討論などの活発化、与党の党議拘束をかける対象の選別、など広く国会の有り様について、変化を求める提言となっています。

小沢氏が目指す国会改革に、内閣と与党の一体化があります。先に衆院で代表質問を見送ったように、露払い的、慣例として行われていた与党質問を廃止したことは卓見です。ただし、これは与党議員の見せ場をなくし、露出効果を失わせます。これは委員会運営でも同様、テレビ中継もある場で閣僚しか画面に映らない状況は、党としての弱体化にも繋がるものです。
民主党が野党時代に力をつけたのは、政府追及に向けて法案、政策の中身を勉強したことにあります。政府と与党の一体化が、政策協議に与党議員の多くが参加する、ということなら別ですが、政府に強い権限を持たせるだけに終わるなら、党としてマイナスの効果しか導き出せません。

小沢氏もこの程度の矛盾、気付かないはずがありませんが、現状の民主党は事業仕分けチームの混乱にも見られるように、政府と与党は分離される傾向にあります。与党弱体化を引き起こしかねない動きの先に、果たして政界大再編を目指すのか?注視する必要もあるのでしょう。
むしろこの先に、議員定数削減に伴う政府・与党一元化があると有用な提案です。副大臣、政務官の増員も提言されていますが、今は政府に80名程度が入り、議運や各委員会等に人手を割かれると、最低でも200名程度が必要です。今の民主党は400強、ここから見ると衆参合わせて百名以上の議員定数削減が可能です。与党に政策タッチさせず、弱体化させる先に小沢氏が何を考えるか?この読み方が政局の先を見る上で、大事になるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年11月04日

雑感、米国のアフガン対応

トヨタがF1撤退を発表しました。多額投資の割りにスポーツカーの売れない時代、更に技術力をアピールしても、ガソリンエンジン自体は行き着くところまで行った感もあります。燃料、タイヤ、あらゆる環境面への負荷から見ても、撤退は已む無しというところなのでしょうね。

アフガニスタン大統領選が行われ、カルザイ氏が大統領に再選されました。但し対抗馬の辞退により、選管決定での再選であり、撤退したアブドラ外相も政権と距離を置く姿勢を見せ、予断を許しません。腐敗・汚職、更に先の大統領選の混乱からも、政権運営は厳しいところでしょう。
米軍はアフガンに4万人以上の増派要請を行っていますが、オバマ政権は間をとって1万〜2万程度に留める、との見方も有力です。カルザイ政権への正当性も疑問視される中、ニュージャージー、バージニアの州知事選で民主候補が敗北し、オバマ政権も力を失っています。第二のベトナムとの批判もあり、オバマ氏が掲げたアフガン戦略にも疑問がつき、今や泥沼状態ともいえます。

日本政府も民生支援として、5年で40億$の方針を固めています。インフラ整備や警察官の給与などに充てられますが、警察官が英兵に発砲した事例もあり、警察機構といえど治安維持と逆行し易い危うさも秘めています。事業仕分けには、国際協力機構(JICA)への拠出も含まれそうですが、憎悪渦巻く世界における真の協力、という点はよく精査して行う必要があるのでしょう。
親日派であったレヴィ=ストロース氏が亡くなりました。構造主義を打ち出し、近代科学と未開文化の共通性、むしろ野生の思考の方が勝る、との結論を得た思想家です。構造とは、要素と要素の間の関係であり、整った体系から別の体系に変換するときに表出する普遍の性質である、とされます。

アフガンは要素と要素、即ち民族と宗教、西洋社会への反発、貧困、あらゆる面が複雑に絡み合った状態です。そこに欧米が外部から圧力をかけ、すでに内包されてしまっている、タリバンという組織を駆逐しようとしている。ハッキリ云えば、無理を通そうとしています。
人間の本質が近代と未開文化とに別けられず、思想、行動に一定の、普遍的な無意識の活動が含まれるとすれば、アフガンにしろ、ベトナムにしろ、結論は同じになるのでしょう。感性と理性で構成される野生の思考が、真に近代科学を標榜する現代に勝るとするなら、テロ行為を引き起こす人々の行動を止められるはずがありません。構造主義は一世を風靡しましたが、未だに米国がその逆、大量の兵器と軍人を投入し、物事を解決しようとする時点で、構造主義の否定を行っているのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治

2009年11月03日

経済の話。弱気相場入りか?

EUが2010年の実質成長率を0.7%、とする見方を欧州委員会が示しました。一方で、英国では大手2行RBSとロイズに対し、約300億£の公的資金が追加注入されます。5兆円に迫る公的支援、バランスシートの毀損が読めず、民間資金の調達が難しい現状が読み取れます。失業率も2桁の高止まりが意識される中、成長分野として欧州の伸び代をどこに見ているのか?やや訝しさも感じます。
その逆に、豪州は2ヶ月連続で政策金利を上げ、3.5%としました。資源、新興国は過剰流動性で資金が流入し易く、経済が好調。インフレ懸念もあり、出口戦略に舵を切っています。ただ利上げは高金利通貨として意識され、更なる資金流入を促してインフレを加速させ、政策としては逆をとるとの見方も出来ます。今はグローバル動向を意識した金融政策、なぜこれだけ流動性を供給しつつ、先進国がインフレを起こさないのか?という理由を考慮する必要があります。

世界の市場が先週から弱気相場入り、との見方が拡がります。欧州の主要相場は5%以上の下げ、米国も3%近い下落で、新興国にも弱さが目立ちました。景気対策効果が出尽くした年末以降、というのは以前から懸念でしたが、市場が景気対策を要求し始めたものと見ています。
日本の株式市場は、欧州系の先物買い方が頑張りますが、ヘッジが掛かっていないように見え、危険性を増しています。大口はCTAなどの商品、債券相場との相関が指摘できますが、この主体は現物との連環と見られ、仮に崩れると大口の売り方となって機能する懸念を生じます。

問題は調整局面であるにも関わらず、未だ買いに動意が強いこと。9750など指数算出に関わる思惑が強く、相場形成自体に日本の経済指標や景気見通しが繁栄されず、主体性を失っていることです。外国市場に左右されることは以前からですが、『日本』というブランドは全く機能していません。
これを解消するには、まずデフレ解消です。超低金利政策は機能しない、ということは03年以降の日本で体験済み。では日銀に新たな対処法があるか、が重要です。それがなければ当面は日本の低成長とデフレの問題から、新規資金は入らず、市場も停滞することになるのでしょう。

当面の上値が、世界各国で確定された印象があります。それを打ち破る対策が出ないと、この水準を抜くのも難しいのでしょう。年末まで10500円を抜くことはなく、下値は9000円を抜いたところで出る崩しにより、8500を試すのか、8000を模索するのか、というところと見ます。それ以上に、年末に資金繰りの悪化した企業破綻、などが頻出すると、より厳しい相場展開になるのでしょう。単に上昇波動の調整で終わるか、長い低迷に陥るかは各国の対策次第、という傾向が強まるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2009年11月02日

民主党による陳情一本化について

CITが正式に破産法申請を発表しました。この問題で懸念される事態は2つ。仮に再生されても、中小企業の連鎖破綻が増えれば、業態を変えない限りCITの収益性は改善しないこと。もう1つは大手金融の破綻の可能性を見て、信用市場が再び動揺することです。一度通った道は、踏み均された道。再び混乱する時は燎原の火の如く、拡大ペースが速まることが想定できます。CITの再生に政府支援という話もありますが、回収不能のTARPからも、新規支援は厳しいところでしょうね。

国会は予算委員会が開始されました。そんな中、鳩山首相が08年株式売買で得た7200万円の所得申告漏れが発覚しました。故人献金問題も同様ですが、自身のポケットマネーに関してルーズさが目立つのは、身銭を切って苦労した経験がない、金銭に拘泥しない感覚が影響していると見ています。直接に問題がある、というより、庶民感覚とのズレが前面に立つと、鳩山氏の鷹揚さが逆に鼻につくようにもなります。会計に真に能力のある人材を充てるべきなのでしょう。
そんな中、一部の世論調査で鳩山政権の支持率が10%低下し、62%になったと伝えられました。郵政社長人事でもう少し下げると見ていたので、底固い印象です。メディアの毀誉褒貶は、概ね鳩山政権に対して一方に傾き易い中ですが、国民の期待値が崩れていないことが窺えます。

そんな中、民主党が地方自治体、業界団体などの霞ヶ関詣で、陳情を党の幹事長室で一元管理する方針を決めました。利点は族議員の無効化、官僚の差配権の制限、地元への利益誘導を減らす点です。また党の力が強化され、政党支持率が高まり易く、選挙に有利との見方もできます。
一方で懸念は、資金面を党が掌握する形となること、党勢強化に伴う政権の弱体化、地元への利益誘導が減ることによる地方票の動向、といったところです。小沢氏は資金力のある政治家であり、決してクリーンさが売りではありません。それがこのシステムで資金を吸い上げる中枢にいるのですから、当然懸念が生じます。力を持ち過ぎると、必ず不審と疑念が組織を解体させます。

小沢氏は財務省との距離が近い政治家です。郵政人事も亀井氏の独断とはいえ、小沢氏も了承していることから、財務官僚出身者である斎藤氏の使い方では合意できています。財務官僚を上手く使いこなす、それが小沢路線であり、斎藤郵政社長との関係以外でも、行政刷新会議に財務官僚が多く入っていることから見ても、それがよく分かるのです。
財務官僚を使い、予算を組み替えたりムダ抽出を促す、という基本戦略もこのパターンの踏襲です。問題はそれが官僚主導になるかどうか、小沢氏であれ、民主党政権であれ、チェック機能を果たせるかどうかです。党の力を強める陳情一本化も、上手く機能すれば党が政権を支える基盤になり得ますが、倫理観の高い人間が実践し続けなければマイナスとなります。民主党は多くの変革を成し遂げようとしていますが、手法、方策を間違えないよう、中身を見ていかなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2009年11月01日

米政府による対日政策協議

一部メディアで、米政府において国家安全保障会議(NSC)画開かれ、普天間基地問題を初めとする、対日政策の協議が行われたと報じられています。対日政策が米国内で、初めて大きく揺れ動き始めた、米政府はメディアを使ったソフト・デモから、新たな戦術へと転換する兆しと見ます。
但し、経団連と距離のある民主党政権では、対米輸出に圧力、制裁をかけても効果は低い。また米国の輸出不均衡の問題は、現状中国向けであり、日本に圧力をかけることは明確な外交戦術として意識されます。貿易関連では日本への制裁はかけ難い。更に日本はそれでも第二位の米国債保有国であり、国債に懸念のある米国としても経済的な圧力は困難であることが明白です。

対中国戦略では、中国製タイヤへ緊急輸入制限をかけ、中国製シームレス鋼管に不当廉売で規制をかける方向です。米国は中国の需要に期待しつつ、中国製品が大量に国内に入ることを止めたい。これは交渉の前段階、材料作りをしているに過ぎません。中国製タイヤは主にタイヤ買い替え時の需要、という限定的なものですし、シームレス鋼管は支持母体向けの材料でしかありません。
ただ中国へは国内向けにも貿易赤字解消のため、との理由が成り立ちます。しかしビッグ3問題で早くも躓いたように、日本メーカー叩きは国内事情から見ても不調でしょう。日本メーカーは工場、販売網を整備しており、米国内の雇用と直結する問題になり易く、愛国主義を発露させるにも、冷静な分析が情報の正当性を覆せば、政権に打撃となりかねません。

米国は軍事的な条件、圧力を突きつけたいところでしょうが、嘉手納にしろ米軍が撤退、ということになれば今度は対中戦略に支障が生じる。対アジアの戦略全体で、米軍の地位低下は絶対避けねばなりません。考えられる米国の対日圧力としては、スキャンダルとメディア戦術、という従来の形がありますが、それ以外の戦術が仮にあるとオバマ訪日も強気の態度をとり続けることでしょう。
日本が一番してはいけないことは、外交に関して閣僚が個々の思惑、勝手な判断で口先介入し、情報操作に動くことです。つけ込まれる口実を与え、かつ外交で一枚岩でないと、国の指導力を疑われます。外交は国として当たるもの、閣僚が独自に行うものではないのです。

なぜ日本で米軍が嫌われるのか?米本土では行わないタッチ&ゴーや、地位協定などの優遇的措置、思いやり予算などの不透明な資金の流れ、廃液処理や墜落などの問題も含め、米軍がとってきた行動に不信感が渦巻いている、ということをまず説明せねばなりません。その中で日米関係のありよう、それを具体的に論じることが大事であります。
問題は正しい情報と、国益を考えた切磋琢磨を日米の民主党政権が築けるか、にあるのでしょう。米国としては一時的にしろ日本での優位な立場から落ち、厳しい状況でしょう。ただ永続的に日米の隷属的な状況があるわけではなく、いつかは見直さねばならない問題です。政権交代という好機をつかめるか、日本が初めて向かえるギリギリの交渉、これからが大事なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:42|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治