2010年01月

2010年01月31日

日中の歴史認識に溝

東京・秋葉原において7人殺害、10人負傷という、無差別殺人事件に関する初公判が東京地裁で開かれました。弁護士は「一部に記憶がない」という被告の証言に基づき、完全責任能力を争う姿勢です。ただ周到に準備され、興奮状態で事件を起こした犯人が、短期記憶を欠落することは通常起こり得ることです。特に短時間で走り回り、脳内アドレナリンが過剰分泌された状態であれば尚更です。記憶がないことと、責任がないことはイコールウェイトではありません。
ただ問題は、弁護側が被害者の供述調書の証拠採用を拒んだ点です。この事例は、弁護士が社会的正義を成し遂げるために活動しているわけではない、ということを如実に示していますが、被害者にとっては再び記憶を呼び覚まされ、証人として捜査に協力した人間は負担を強いられます。時間稼ぎのために弁護士がとる態度により、捜査協力者が減り、被害者が苦痛を受けるのとすれば、何のための裁判か分かりません。事件の経緯自体に争点がないこの裁判で、異例の態度は弁護側の態度として妥当かどうか、その点は非難されて然るべきと考えています。

日中の有識者による日中歴史共同研究委員会が開かれ、報告書を発表したようです。南京事件の犠牲者数、現代史、その他でも両国の歴史研究者の溝は埋まらなかったようです。元々、日中双方の研究者を集め、民間交流とはいえ両政府が合意しており、極めて政治色の強い委員会として立ち上がっています。結果、政治合意も必要となり、共通認識とはなり難い部分が出てきているのでしょう。
二国間に跨る認識を問う事例の場合、合意を得る術は、第三国の研究者を裁定役として含めることです。歴史認識は時と場合により変遷し、事実は後の検証結果にても変わります。現在の中国は共産党一党支配を強固にするため、歴史を歪めてきた部分があり、二国間の研究者のみで両国が合意を得ることはほぼ不可能。双方が『為にした』委員会という形が強くなってしまったのでしょう。

国連の気候変動に関する第4次評価報告書で、ヒマラヤの氷河が2035年までに消失、とされていた記述が、実は2350年だったなど、研究成果を報告する段階で捏造に近い数字の操作により、多くの研究が捻じ曲げられて伝えられてきました。歴史も同様に、新たな発見で大きく書き換えられる宿命をもちます。大事なことは第三者による検証、これは薬の治験でも普通に行われていることです。
信用性を与えたければ、傍証を数多く集める必要があります。それが一般に正当性を主張できる論拠であり、枠に籠った自国の歴史研究を主張し合っても、一方が妥協する場合以外に合意は有り得ません。一先ず一歩を踏み出した、ということ以外で、一部満州事変の例など日本が妥協した面も、見受けられるようです。双方が折り合うことが、必ずしも歴史研究においては大事な項目ではない、ということを鑑みれば、やはり政治ショーの一環という見方なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | アジア

2010年01月30日

米10-12月期GDPに見る世界経済の先行き

米GDPが発表されました。09年通年の実質GDPは前年比2.4%減、10-12月期に限ると5.7%増です。見方として「年後半は持ち直し」とも語られますが、10-12月期の押し上げ要因は在庫投資、即ち今後の景気拡大を見越して製造業が大きな投資をした結果です。しかしオバマ政権は1月、新金融規制を鮮明にし、現状の景気は停滞期、もしくは調整入りとの見方が広がっています。一般教書演説では新金融規制に言及が少なかったものの、ダボス会議ではサマーズ国家経済会議委員長が発言するなど、米政権の方向性は確実に経済の締め付けです。
FOMCでは1名の利上げ推進者が出て、一時的にドル高になりました。しかし声明の中に米住宅市場の停滞、もしくは調整を示唆する内容が示されており、利上げは選択肢として極めて厳しい状況です。一方でインドが現金準備率を0.75%上げ、5.75%としました。これは銀行が積む現金の割合であり、利上げではありませんが、中国と同様に新興国も金融引き締めが鮮明になってきました。

各国が金融引き締め競争、これはバブル懸念が生じたためです。実体経済に比べ、圧倒的に市場に出回る資金が多い。一部で緩んだ経済環境があると、資金が低きに流れるように集まってきます。アイスランドやドバイのように、それに浮かれて経済運営をすれば、資金が逃避し始めると国家破綻まで導かれます。それを未然に防ぐには、世界と歩調を合わせるしかありません。
再び円キャリーの懸念が出てきましたが、日本は金融が緩んでいても、規制の多い国家であり、資金は国内に流入し難い。常に供給サイドに立つという宿命を持ちます。ただ新興国への打撃が語られるように、円キャリーはマイナス効果として捉えられる傾向にあることから、日本の金融政策にも、将来的には海外から圧力がかかることでしょう。これは懸念でなく、ほぼ確実な流れであり、金融政策に頼った景気刺激の限界を近々迎えることを意味します。

トヨタが世界各国でリコールの嵐に晒されています。07年にアクセルペダルに問題があることは把握済みとされており、対策は特にとられていませんでした。そんな中、元々工場閉鎖に伴う米トヨタに対するデモが、企業デモへと切り替わり、公聴会も開かれるなど問題が拡大しています。
この流れは日本叩き、というより企業バッシングの傾向です。いつまでも雇用が拡大しない、企業は収益を上げながら、それを国民に還元しない。米共和党がとってきた企業優遇、高額所得者優遇に対して、国民の反発の声が強くなってきていることを意味します。そしてこれが曲解され、企業の好業績にも反応し難い市場にも現れているのでしょう。好業績企業は今後、社会奉仕や還元策をとらない限り、何か問題が発生すると強烈なバッシングが起きる可能性は否めなくなります。
米国の経済も斑模様、ですが利上げや金融引き締めを論じなければいけない時点で、かなり難しい状況に近付いてきています。世界が引き締め始めた金融、日本が出遅れれば、いずれ形をかえた日本バッシングともなり得ます。世界全体が難しい局面に来た、ということは間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2010年01月29日

政治とカネの問題に関するある懸念

鳩山首相の施政方針演説、内容はともかく与野党ともに危機意識が高く、議場は惨状です。反民主の旗を掲げる某紙が野党の野次を「当意即妙」と持ち上げたのが、最悪の論評です。本来演説は静聴するものであり、米一般教書演説でも拍手、スタンディングオベーションが高評価、静かな演説は退屈か、聞き惚れて拍手喝さいも忘れているか、ということで演説を評価します。
何事も米流が良いということではありませんが、内容に脊髄反射し、漫罵する人間がこの国の立法を司る。そう考えると暗澹とした気分にさせられます。亀井金融担当相のウルサイ発言も問題ですが、国会が倫理観を語れる場でなくなったにも関わらず、モラルを問い合う極めて愚劣な場となっています。これは与野党ともに、猛省が必要な事態になっているのでしょうね。

政治とカネの問題では、小沢氏の土地取引事件について、少し穿った見解を示してみます。小沢氏の関与が最大の焦点ですが、政治家本人はあくまで資金管理者の任命、監督責任です。しかし国会ではあたかも政治家が政治資金を管理しなければならない、という論調で語られており、これは法の理念と現実が乖離している、と立法府自らが認めているようなものです。
一方で検察が小沢氏を目の敵にする背景には、検察が抱く歪な正義感が影響していると感じます。これまで政治家が関与する事件の場合、検察は政権サイドと調整し、誰を逮捕し、見逃すかという差配をしてきたと見ています。政治家秘書を切り捨てる場合もありますが、最大の疑念を抱いたのが『日歯連闇献金事件』です。日歯連から橋本派への1億円の献金が不記載であり、当時橋本派の幹事長代理であった村岡氏が逮捕、有罪判決を受けた事件です。

当時有力議員だった橋本氏、青木氏、野中氏ではなく、会議の場にも居なかった村岡氏を逮捕したのも、政権との調整の結果です。国民の声が大きくなり、生贄を必要とした政権と、動かぬ批判を受け、かつ手柄を立てたいという検察と、事件の幕引きを狙い逮捕者を選定した。これが従来の政治家絡みの事件です。昨年の西松献金事件の際も、恐らく政権と調整したのでしょう。但し麻生政権はGOを出さない。国策捜査との批判を受ける、それを怖れたためです。
そこで極秘裏にコトを進め、検察は逮捕まで運んだ。そこまでして小沢氏を蹴落としたい検察の意図は何か?それは検察に批判的な小沢氏が、この癒着の構図を明らかにするため、資料提出を迫るのでは?そう怖れているためと見ます。自民党要職も勤めた小沢氏は、癒着の構図を知りうる立場にあり、それが白日の下に晒されると、検察が訴えてきた『正義』が崩れることになります。

西松献金事件で失脚に成功した。しかし鳩山政権が誕生し、今や与党の幹事長です。終わったはずの土地取引事件を持ち出し、水谷建設元会長を証人に仕立て上げ、政治家生命を断つまで検察は戦う覚悟を決めたのでしょう。実際、資金のやり取りはあったと見ますが、その額は巷間語られる程ではなく、下手をすれば数十万円程度でしょう。事件の構図自体を土地取引に合わせる目的で、様々な工作がされたために、この事件は更に不可解さを増しているのではないかと考えます。
来週には1つの結論が出る問題ですが、検察が上記の内容で突き進む場合、これで終わりではないのでしょう。事情聴取を拒んだから逮捕した、という検察の態度もこれを裏付けます。検察と協調できない小沢に対する、歪んだ正義感で暴走を始めた検察、という見方が正当性を感じるほど、今回の事件はどう決着しても政治史に名を残すほどの内容を秘めるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 司法

2010年01月28日

オバマ大統領の一般教書演説

2次補正予算が参院で可決、成立しました。参院論議も「政治とカネ」、野党も決め手を欠き、ついには認識やモラルまで問い始めましたが、立法府にいる者がモラルを重視する、という不可解さがあります。特に自民党は法律を修正できる立場にあったのであり、抜け穴を使った方が悪いと言うのは責任を転嫁したに過ぎません。モラルを問う前に、立法府の心構えとして、自らを規制する政治資金規正法をどう考えていたのか?ということは少なくとも明示すべきなのでしょう。
今回の2次補正自体、景気を浮揚させる効果はありません。1次補正から継続したものが多く、下支え要因でこそあれ、制度的に強い効果を見込める内容はありません。一部、住宅版エコポイントは効果があると見ますが、企業物価などを見ても国内景気は低迷。12月貿易統計は好調だったものの、中国頼みが鮮明であり、これでは米国住宅バブルが、中国バブルに代わっただけです。

そんな中、オバマ大統領が一般教書演説を行いました。日本でいう施政方針演説にあたりますが、150万人の雇用創出等、経済対策が全般を占めました。しかし大まかに分析すれば、裁量的経費の水準を3年間凍結する案も、その間に経済成長し、本来なら歳出拡大を伴う、という前提で歳出削減に寄与するという理屈立てです。雇用創出も、税優遇や輸出倍増に伴うもの。これは歳入減、ドル安という悪い流れを引き起こす要因ともなり、決して楽観しては聞けません。
つまり米国はイラン、アフガンからの撤退で軍事費は数年の間に削減可能ですが、それ以上に歳入減、景気悪化が続けば危険領域に入ることを意味します。ドル安で一部雇用が戻っている、という話も聞かれますが、本格的に雇用に寄与するにはユーロ/ドルで1.5ぐらいなければ欧州輸出は増えず、対円でも80割れは必要です。その間のインフレ、金融政策を考慮すると危険な状況も見えてきます。

Apple社がiPadを発表しました。電子書籍を意識した製品ですが、新聞、雑誌、ネットも是一つで可能という製品です。米国で電子書籍が売れるのも、元々読書はハードカバーが主流であり、700gの製品でも違和感がないためです。しかし日本は文庫で読む風潮があり、かつ耐用年数が高い、中古として販売できる紙媒体を凌駕できるほど、電子書籍が普及するとは思えません。
米国のモノ作りは、あくまで米国基準、各国の事情に合わせた製品作りを目指したものではありません。Windows7が好評なのも、初めて利用者の声を取り入れて設計したためであり、これまでの高飛車な売り方が嫌気された部分を見直したためです。5万円を切る価格で売るので、価格訴求力はあると見ますが、スキマ製品ですから爆発的にヒットするかは不透明だと見ています。
つまり米国で製造業が復権するためには、米国基準を世界に向けて発信する、という形をどう改めるかなのでしょう。ドルと同様、米国が地位低下を起こす中で、誰もが米国を目指さなくなる前に、金融・財政面の正常化を図らねば、再び危機を迎えることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 経済

2010年01月27日

普天間巡る官房長官発言

普天間基地移設の問題ですが、名護市長選で基地受け入れ反対派の稲嶺氏の当選を受け、平野官房長官の発言が相次いでいます。「市長選の結果を斟酌しない」「安全保障上の問題」「法律的にやれる場合」などです。戦略的には辺野古移設を残したいという意図でしょうが、この発言は極めて重く、後に禍根を残しそうな表現を多く含むことには注意が必要です。
住民投票などの民意は安全保障上の問題に関しては無意味、そしてこれは基地の移設先として候補に挙がる、全自治体の問題でもあります。米国との間で5月決着を目指すなら、仮に移設先を変更する場合にしても、地方自治体の合意を得ることは難しく、ここと決めたら法的措置をとってでも基地の移設を推し進める可能性、それを明確にしてみせたのです。

平野氏は官房長官就任当初から、官僚的答弁が目立ちます。官僚は幾つかの案、条件を示して、政治家に説明をします。それをそのまま語ると、今回のように与野党から問題視され、窮地に陥ります。ゼロベースで検討とは、単に条件を排除しないということではなく、条件の中から何を政治決断として選び出すか、です。これで辺野古に決めれば、成田闘争以上の問題が起きるでしょう。今は国内に強硬派も少なく、武装闘争にはなり難い。ただし沖縄から米軍基地を排除しようとする流れが、日本全国の声として湧き上がる可能性は、否めなくなってくるのです。
よく沖縄の米軍配備が軍事上重要と述べる意見の中に、北朝鮮が持ち出されまが、在韓米軍は2016年に地上軍を撤退します。即ち第一邀撃部隊としての米軍は存在しなくなり、北朝鮮に対するなら、九州や中国地方でなければ後方支援、側面支援にしろ間に合わなくなります。日本では北朝鮮からの核攻撃が議論の中心ですが、突発的な軍事作戦であれば、沖縄に米軍が存在する意味は多くないのです。なので県内移設、沖縄に米軍を置くことは対中戦略であるとハッキリ述べるべきです。

しかし米中は経済面から見て、戦争は当面起きません。何のために米国が辺野古に拘るのか、といえば対中圧力が一つの側面としてあります。ならば条件変更も容認できるはずなのです。更に数年後、在日米軍の駐留経費として、今より数千億円程度の上乗せを米政府は、日本政府に迫ってくるでしょう。対中圧力であれば日本にもメリットがあるとして、在日米軍を共同運用するような提案、その分の予算拠出に関しても、視野に入れておいた方が良いのです。
在日米軍再編のロードマップ、私は米財政状況により、大幅な変更もあり得ると見ています。その時、規定路線化された日本組み込みに対し、日本政府がどう対応するか?その決断が迫られてきます。重要なことは、今から弱腰で米政府と交渉していると、いずれ大事な決断を迫られるとき、身動き取れないような状況も起きてきます。平野氏の態度が、日米両政府に誤ったメッセージを送るのだとすれば、非常に問題あるといわざるをえないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年01月26日

経済の話。日本国債の見通し引き下げ

日銀の金融政策決定会合が開かれました。成長率見通しを上方修正し、10年度は1.3%増と予想します。デフレは続くものの改善傾向との見通しで、これだけ甘い予想を立てているために、昨年12月まで流動性供給対策が遅れた、という経緯があります。しかし中国、米国は早くも引き締め懸念が漂うように、2010年の経済は上ぶれ余地に対して警戒感を強めています。

米国格付け機関S&Pが、日本の長期国債格付けAAの見通しを「安定的」から「弱気」に見直しました。これは格下げ準備期間に入ったことを意味します。昨日、財務省が国の債務残高を来年度末で973兆円と発表しました。この見込みは補正予算を含んでいない可能性があり、その分の拡大の恐れもありますし、歳入が減少しても債務の割合は高まります。特に春闘が始まっていますが、定昇が撤廃されると所得税収入が減り、国の歳入にも影響する可能性が出てきます。
米国では新金融規制の姿勢を示していますが、更に2011年会計年度から、公共工事、農業補助金などの予算を3年間凍結する案を提示する予定を示しています。27日のオバマ大統領による一般教書演説等、政策決定の過程に経済、財政の幾つかの施策が盛り込まれる予定であり、09会計年度に膨らんだ1兆4千億円の赤字を、何とか削減する努力を始めています。

仮に日本国債が格下げされても、国内で約9割が消費される国債の利回りに影響ない。日本は貿易黒字国であり、対外純資産も拡大、借金と資産のバランスから見て問題ないとも云われます。デフレなので国債購入に向かい易いとも。しかし負債を返済する計画を示さなければ、個人なら新規貸し出しは行われないはずであり、これは国の態度の問題に掛かってきます。
証券市場が下落すると、政局の不透明感を示唆する人がいます。しかし景気と政治の関わりには3つのステージがあります。停滞期、不景気、好景気、前2者が財政出動で下支えが望まれる段階、後1つは政治介入を嫌う段階です。日経平均の上げ、下げを見ても分かりますが、今は政局より国外の流動性に関する記事で動く、即ち好景気の状態であったことがわかります。この水準で?と思われるかもしれませんが、リーマンショックで経済が萎んだため、この程度の規模でも水準以上に経済が強くなる、実はこれまでは好景気を享受していたことになるのです。

しかし米中が金融引き締め、緊縮財政に舵を切れば、世界経済は停滞期に入ります。上昇余地はなくなり、政策による下支えを期待する期間です。米企業も決算発表と同時に売られる、これは期待値以上に市場が高くなり過ぎているため、材料出尽くしに陥ることによります。
日本市場は外国人買いで12、1月と上昇しました。10750や11000にポジションを組んでいた層も、息切れと見直しが迫られる、そんな水準まで急落しています。これからのステージで政府、日銀がどういう態度を示すのか?財政再建と景気対策と、両睨みが必要なのでしょう。政治とカネは、それはそれで別の問題として重要ですが、その前にマネーの動きとして、日本経済が現状迎えている試練はかつてない荒波であり、厳しい状況に陥ることがほぼ確実視されてきたのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2010年01月25日

今後の政局を考える

昨日の名護市長選を米紙が大々的に取り上げました。日本の地方首長選挙が、米国でこれほど取り上げられることは珍しいですが、未だに米政府は、報道による国内世論の盛り上げという戦術を、崩していないようです。米国は怒っている、自分の云うことを聞かなければ大変なことになる。それが現状の米国の態度ですが、日本にもそれを助長する勢力がいるのが問題です。
そして5月決着が頻繁に取り沙汰されることにより、鳩山政権の生殺与奪権を、米国に譲渡したことになります。オバマ政権がどの条件でもNOと云い続ければ、鳩山政権は5月で沈没します。自国が磐石でない中、同盟国である日本が混乱することは米国にとってもマイナス、ただその後立ち上がる政権がどうなるか?米国の態度は、その読みの延長線上に現れてくるのかもしれません。

日本の政局は、一昨日の小沢氏の聴取で工程表が出来てきました。今日、2次補正が衆院通過、2月半ばに「政治とカネ」の集中審議が決まっています。2月4日とされる石川議員の拘置期限、ここで小沢氏を立件できなければ、土地取引事件は終結です。集中審議もこの結果次第、立件できねば与党は強気、立件されれば野党は強気。推定無罪の原則はあれど、起訴を前提に議論が進みます。
国会運営上、実は検察が石川議員を逮捕せず、疑惑のままの方が追及も楽でした。むしろ検察が絡むため、野党もステレオタイプの追及に終始し、迫力を欠きます。この2月前半が一つの山場。結果次第で予算審議の進捗や、その他の法案審議の日程にも影響してくるのでしょう。

あまり報じられませんが、この件で西松献金事件の公判が延期されました。大久保被告が捜査中であり、4月とされた地裁判決は5、6月にずれ込むことが確実です。検察は今回の件で芳しくない公判を逆転させる期待、大久保被告はより参院選に近いタイミングで無罪を勝ち取る期待、です。
5月は山場が多いですが、7月に参院選があるので通常国会は延長し難い。結果、法案の行方も山場をどう乗り越えるか、失敗すればほとんど廃案か、先送りされます。5月辺りには全予算を対象に、事業仕分けも始まる予定ですが、進捗もこれらの山場次第ということになりそうです。

つまり現在の土地取引事件における検察判断により、国会が機能停止に陥るか、逆に大山鳴動鼠一匹なのかが決まりそうです。検察は在宅起訴には持ち込みたい、一方で国税庁が動き出した観測もあります。家族名義による預貯金、それを貸し借りした経緯、などに興味をもったようです。
現状、水谷にしろ資金を本当に渡したのか?確証は出ていません。ただ政治資金収支報告書の虚偽記載であれば、一般性の問題はあれど、いつでも起訴は可能という状況です。それが小沢氏まで波及するかどうか、実は2月初旬が今後の政治を占う上でも、極めて重要な分岐点、ということはほぼ間違いない状況となってきました。後10日あまり、関係各所の動きは注視しなければならないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2010年01月24日

名護市長選は基地移設反対派の勝利

沖縄市の名護市長選が行われ、基地移設反対派の稲嶺 進氏が当選を確実にしています。基地賛成派の島袋氏とともに、基地に関しては少なめの言及、基地問題が争点ではないとの見方も出来ますが、97年の市民投票で移設反対を訴えた市民が、再び動いたと考えると興味深い点があります。これまでの3回、基地受入容認派が当選したのは、どうせ国に押し付けられるなら、基地にヒモ付く振興策を目当てとした組織票との見方が出来ます。それが今回は異なった結果となりました。
どういう形であれ、市民が意思を表明すれば国を動かせるかもしれない。その期待感でこの結果となった、となれば今回の判断を鳩山政権は無碍に出来ません。国家間の約束事でも、民意があれば執行を停止させることができる、それが民主主義のダイナミズムです。普天間移設問題がこじれる、最大の原因は米国ですが、大元からひっくり返すような大転換が必要なのでしょう。

先に米国はエコカー減税に苦言を呈し、日本政府はそれを受け入れ、基準を変えて米車も減税対象と決めました。日本の基準は特殊であり、かつ外国産車にとって見れば市場規模は小さい。日本基準で新たに作り返ることはせず、外圧で動かそうとする、米国の悪い癖が出た形です。独アウディ社のように自社努力により、エコカー減税を取得するのではなく、利益を追求し努力を回避する姿勢、これが米国ビッグ3を弱体化させた原因の一つとして存在します。
今回の名護移設も、日米間の合意とはいえ、なぜ名護か?という説明は米国から為されておらず、10年以上前の在日米軍の戦略上拠点、という態度を変えていません。しかしイラク、アフガン、北朝鮮、中国等の諸国間の関係が変化したにも関わらず、現行案に拘るのは著しく説明を欠きます。翻って、日本政府が現行案を通すことも今回の選挙結果を受け、説明を欠くことになります。
5月に日米合意できるような案、という形になるためには、すでに米国を動かすしかないのでしょう。ただ先のエコカー減税と同じ、外圧で相手国を動かそうとする米国の態度を覆さない限り、必ず失敗します。岡田外相は弱気の姿勢を見せており、障害を乗り越える気概は現状見られません。今のままどう意見をまとめるのか、非常に厳しい状況ではあるのでしょうね。

最後に、昨日の小沢氏の会見を受け、国会の集中審議に小沢氏を呼び出すことも語られますが、判明したことは小沢氏が被告発人であり、供述調書もとられたことです。これでは仮に呼び出しても話は出来ません。期限は石川議員の拘置期限である2月4日、それをどう迎えるかにより、確実にこの件は一定の結論が出ます。野党が戦う姿勢を示したい気持ちは理解できても、法的な観点から見ても有意義でないことに拘る姿勢は、国民に理解され難いでしょう。
特に検察以上の材料が出ないままでは、むしろマイナスです。追及する姿勢をメディアに流してもらい、支持を集めたいといっても、すでに捜査中の事案に国会が関与できないのは法的にも明らかです。現実的な追及か、2月4日を待つか、そうした選択肢をとるべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2010年01月23日

経済の話。米国の新金融規制法について

小沢民主党幹事長が検察から事情聴取を受けました。内容の精査に時間もかかり、影響が出てくるのは数日かかるでしょう。山場は石川議員の拘留期限、2月になるのでしょうね。

オバマ米大統領が新金融規制を打ち出し、ダウは3日間で5%超下落しています。現状、下落には脅しの意味も含まれますが、自己勘定で行うこうした取引も、規制案では制限されることになります。ヘッジファンド投資や銀・証分離も囁かれますが、内容はまだ検討余地があれど、オバマ大統領が示した態度が問題、というのが私と友人との間の共通認識としてあります。
米国は強さを示す際、仮想敵を作ります。古くは共産主義、クリントン政権は対米貿易黒字を拡大する日本、ブッシュ親子はテロや中東問題。徹底的に戦う姿勢を示すことが、強いリーダーと認識されてきました。就任から1年、オバマ氏が見定めた新たな仮想敵、それが金融機関です。

膨張を許せば国家を揺るがしかねないリヴァイアサン。国家の保護を受けて肥大化、破綻すれば国家すら壊滅させかねない、獅子身中の虫です。米国は自国を守るためなら法を犯しても戦う国。米国を破綻させかねない、金融の暴走を食い止めることで強いリーダーシップを示す、中身は現実路線に近付くのではなく、『徹底的に』戦うことをオバマ大統領が望んでいる可能性が高いのです。
そして同時にこれは、大戦後に大英帝国が国力の限界を感じ、植民地支配をやめて福祉国家を目指したことと同じ。米国の大転換を意味する可能性があります。米国は最早、金融以外の分野で成長は難しい。その金融を切り捨てても、国の規模に合わせて経済を縮退させる。新金融規制、ボルカー法の中身次第では、そうした決断も垣間見られるのかもしれません。

日本は財政出動で景気下支えをしても、それが公益法人等に流れる中抜きにより、効果は限定的です。米国は金融政策で景気下支えをしても、金融機関が融資ではなく運用に回すため、実体経済への波及は限定的となっています。この水漏れを防ぎ、実体経済に波及させるためには、国家が金融機関を統制し、監督できる範囲での活動に留める必要を米国でも感じ始めたのでしょう。
デリバティブ規制の際は、金融機関のロビイストが活躍し、規制が緩くなりました。ただし今回、あれだけの決意表明をしたからには、オバマ大統領が腹を括った、というのが私の見方です。まだ詳細は分かりません。ですが、金融市場が新たなステージに入る可能性は、出てきたのでしょう。これが大転換なら、市場は当分弱含むことになります。態度を間違えず、望むべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2010年01月22日

メディアの報じる『関係者』の問題

国会では予算委員会が開かれていますが、議論は低調です。政治とカネを追及、といっても報道を越えるものはなく、目新しい材料が出ないこと。現状、審議されているのは2次補正ですが、一時の株高で景気への目配せが緩み、中身の議論に移れないこと。自民党もここで責めねばジリ貧と見て、鳩山邦夫氏を切っても…という姿勢を示していますが、検察の捜査以上の内容がないのであれば、国民が求める政策論争で戦う方が、国民には訴える点があるはずです。中身で戦えない、それが自民党の弱点と映り、国対上の戦略ではマイナスである点も低調の原因なのでしょう。

小沢氏の土地取引事件に関するメディアの報道で、『関係者』の存在に注目が集まります。原口総務相が「関係者が検察か、被疑者かを明らかにする必要」に言及、メディアの強い反発が起きました。しかしこの問題の本質は、情報提供者とメディアとの間に『関係者』なる曖昧な存在、中間体を置くことで、責任を回避しつつ、メディアが違法な行為に加担する姿勢にあります。
公務員が業務上知り得た内容を勝手に公表することは違法、また捜査官が公判前に事件の内容を漏洩しても違法です。かつ今回の記事の内容は、名誉毀損の可能性を含みます。これを情報源の秘匿や、報道の自由に包み隠そうとしても、社会的正義に基づかない違法行為を幇助することになります。仮にこれが、内部情報の告発などであれば、違法性を知りつつ手を貸すことは正当化されます。しかし今回がそうした内容かどうか、もしそうであるなら、メディアは自ら小沢=悪であるとし、社会的正義実現のために違法性のある行為にも手を貸す、と主張するべきです。

報道先行で犯罪認定してしまうことが、どれほど危険かは、先のロス疑惑や山梨サリン事件でも明らかです。今回、『関係者』を置くことで責任を逃れるメディアの姿勢は、明らかに誤りです。こうしたことを回避し、情報源を守ることは簡単で、『独自調査』と記せば良い。そうすれば、名誉毀損の問題が生じた場合も、メディアが記事の内容に全責任を負うことが可能です。
つまり今は、良く分からない曖昧な人物の語ることが、あたかも真実であるかの如く伝播することが問題なのです。それが嫌なら『捜査関係者』としても良い。『関係者』が語ることを右から左に流し、さも自分は云われたことを書いただけ、などというメディアの事勿れの態度が、公的な立場、報道の自由という権利を有した者の為すべきことか?という疑問に真摯に答える必要があるのです。

それが世論誘導や、名誉毀損に関することであれば尚更、慎重な態度が求められます。自分たちの権利を主張するばかりでなく、公共の福祉に反する際、本来守られるべき権利、与える影響がどれほど甚大かを考え、メディアが判断することが必要です。メディアは批判を受けると、一般論に逃げ込みがちですが、起きている事象は一般化されておらず、態度との間に大きな乖離がある、ということは充分認識しておくべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | 社会

2010年01月21日

経済の話。中国の第4四半期GDP

中国国家統計局が09年第4四半期国内総生産(GDP)を発表しました。前年同期比10.7%、09年通年のGDPは8.7%となり、中国が目標とする8%を担保した形です。また12月消費者物価指数(CPI)は1.9%上昇し、インフレ懸念も高まります。ただこちらは、豪雪により食料が高騰、物流も滞る中で上昇した部分もあり、すでに発表された預金準備率の引き上げ等、追加的対策は語られませんでした。ただ一部銀行に、過剰貸し出しで懲罰的措置として預金準備率の引き上げを命じており、バブル対策を打ち出しています。

中国の発表する経済指標は、事前予想を大きく裏切りません。現状、EUではユーロ導入国であるギリシャの国家債務、融資手法に懸念が生じ、通貨ユーロの下落を招いています。ギリシャは前政権が経済指標を操作していた、と発表してから一気に懸念が強まった状況です。
またドバイがアブダビから受けた融資に関し、100億$と発表されていた内容が、実はすでに投入された資金も含んでいたことが判明し、嫌気されている状況です。市場は不透明感を嫌いますが、情報公開が徹底されない市場は投資不適格として、資金が逃げる傾向にあります。中国は経済成長という果実はあれど、経済指標に対する信憑性には、依然懸念が付きまとう状況が続いています。

今日の日経平均は上昇しましたが、欧米から見た日本は「対中輸出で黒字を確保できる唯一の先進国」です。即ち中国経済が好調であれば、恩恵を受け易いとの思惑で、買いが拡がった形です。ただ世界経済の新たな火種として持ち上がった金融引き締めは、中国のみならず、米国でも金融機関への規制という形で拡がりを見せ、好調な世界経済への重しとして意識され始めています。
過剰流動性という世界は、国家規模を超える資金の出入りを管理しなければならない世界です。失敗すればバブルや破綻に直結する、非常に厳しい経済財政運営を必要とします。そして中国の金融引き締めは、人民元上昇圧力に直結し、今と異なる状況を生み出す素地となるでしょう。

即ち資金の流通量が米中で乖離すれば、一方の通貨の量が減少するので、当然そちらの通貨価値は高まります。それを無理に抑え込むのは難しく、預金準備率などの通貨に直結し易い政策によっても、上昇圧力は高まることになります。すでに規制強化に舵を切った中国には、今後通貨政策としての人民元について、何らかの転換が迫られることになるのです。
人民元の上昇は日本の好機、そう捉えた戦略が必要でしょう。この時、中国に進出していた工場を東南アジアに移し、完成品のみを中国で作るなどが必要です。今、部品メーカーが好調ですが、日本の目指す戦略とは、高い技術力で何処で作っても中身は日本製、というぐらいの市場占有率が必要なのでしょう。中国市場が拡大する間に次の戦略を打つ、今の中国経済指標が永続的でない以上、そうしたことが企業経営者には求められるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2010年01月20日

小沢氏の土地取引事件についてこれまでの整理

小沢氏側が、近日中に事態の沈静化に自信を示した、という話が伝わっています。検察の聴取に応じる意向ですが、私が考える事件の構図、これまでの検察の動きを伝えられる情報に基づき、推測してみたいと思います。憶測も混じるので、自信はありませんが整理にはなると思います。

東北地方の公共工事で、小沢氏が隠然たる影響を与えていたことは、恐らく間違いありません。ただしそれは、公権力の及ぶ受注の範囲ではなく、下請、孫請選定における差配。ナゼここに小沢事務所が関与したかは、古い商慣行が残った、と推測するしかありませんが、とにかく小沢事務所の意向が元請から下請への発注に多大な影響を与えていたことは、幾つかの話でも明らかです。胆沢ダムの受注が終わり、06年に談合決別宣言が出たのも、この辺りを補完する材料です。小沢事務所が関わる構図に対し、旨みが薄れたゼネコンが組織を畳んだ、ということになります。
しかし上記は談合や斡旋利得ではなく、犯罪行為は皆無。民間の行っていることに、勝手に口を出していただけです。商取では、幾つか引っ掛かりそうな部分もありますが、検察もこの件で捜査することは現状諦めた様子です。特に今回は金額の過少による虚偽記載でもあることから、資金の移動経路を明らかにするため、山崎建設、宮本組というサブコンに家宅捜索に入りました。

しかし元請である鹿島からのキックバックの資金が流れていたとすれば、下請では帳簿上の記載のない資金移動になります。検察も議事録、メモ書き等の資料を探しているはずですが、現状目立つ成果はないようです。当初、家宅捜索が鹿島のみだったのは、資金の出元を把握する意向だったのでしょう。それが上手くいかず、資料の保管がないと思われるサブコン、その難しい捜索をせざるを得なくなった印象です。
そこで今度は徹底的に、小沢氏側の入りを調査する。小沢氏の20年近い銀行間取引の調査や、妻への聴取などを求めています。一部、石川氏の聴取の内容も漏れていますが、心神耗弱時の供述が、公判でひっくり返った例は山ほどあります。問題は確証があるかどうか、この一点だけを見れば、現状そうしたものはなく、そのため小沢氏の供述や取引内容まで踏み込まざるを得ないのでしょう。

最初に示したように、構図自体に違法性はありません。唯一問えるのは、裏献金があったかどうか、それが収支報告書に未記載かどうかです。そしてそれを小沢氏が知り得たのか、です。これまでは、検察が政治家の捜査を行う際、慎重にも慎重を期し、確証に確証を重ねて、捜査に至る手法が一般的でした。今回が異例なのは、水谷建設元幹部の供述を重視し過ぎており、物証が圧倒的に不足し、捜査を行いながら物証の収拾に努めていることです。
違法性を問えそうな資金移動に関しての捜索が続き、山場であることは明らかです。ただリーク好きの検察が、確証を示していない時点で、まだ結論が流動的とは言えるのでしょう。小沢氏への事情聴取で、検察が突破口を見つけるか、逆に小沢氏がやりこめ、事件全体を政治資金規正法違反の虚偽記載のみに留めるか、それによりこの問題の結末が見えてくることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

2010年01月19日

雑感、JALが会社更生法申請

JAL(日本航空、日本航空インターナショナル、ジャルキャピタル)が会社更生法を申請しました。負債総額は2兆3221億円。債務超過は8676億円の見込みです。事前調整型なので、マイレージや発行済み株主優待券、燃料代などの債権は保護されますが、すでに投入されていた日本政策投資銀行の440億円は焦げ付きます。その他、金融機関は7千億の程度の債権放棄を求められ、株式は100%減資で2月20日に上場廃止されます。

企業再生支援機構が3千億を出資、日本政策投資銀行とともに6千億の融資枠を設けます。リストラや子会社のスリム化、不採算路線の見直しで平成11年度まで黒字化を目指す、としています。スケジュールとしては来月には米提携航空会社を選定、半年後を目処に裁判所に認可された、再建計画に基づいて事業を推し進める計画です。
細かいことを云えばキリがありませんが、日本人が海外旅行し難くなった点も、日航の経営に影響しています。いざなぎ越えと呼ばれた05〜07年の時期は円安、持ち直したとはいえ景気が悪化した現在は円高、これでは海外旅行に行こうというインセンティブが働きません。おかしな経済政策の犠牲、という面も一部含まれるので、税金投入はある程度致し方ないとしても、企業年金の問題など取り組める課題は多く、収益体質を変えるには大鉈が必要なのでしょうね。

話は変わりますが、小沢氏の土地取引事件で、山粼建設と宮本組に政治資金規正法の虚偽記載の罪で家宅捜索に入っています。やはり検察は虚偽記載で事件全体の構図を描いており、談合での検挙は視野に入れていない。また確たる証拠も掴んではおらず、手探りの状態であるようです。
今日になり、小沢氏が聴取に応じる意向を示しました。昨日チラリと述べましたが、小沢氏が聴取を公開で要求すると、幾つかの利点が小沢氏側に生じます。1つは可視化法案で検察に圧力がかかります。仮に検察側が反発すれば、政権の意向にそぐわぬ人物として、人事で色分けができます。検察は公開で聴取などという手法は絶対に呑めません。手口を開示することになりますし、事件の構図を公判前に詳らかにされるからであり、小沢氏が初めて検察に攻める形になります。

また公開聴取を行えば、国会の参考人招致も回避できます。逆にそれ以上の追及の材料は、野党側にもありませんし、無難に通過すればほぼ禊が済んだ形になります。しかも公開聴取で小沢氏が有利に進めると、国会の潮目も変わるでしょう。公開まで至らなくとも、検察が二の足を踏んだ時点で、小沢氏側の自信が滲む形を示せますので、国会を有利に導くことが可能となります。
今はまだ事件の構図が『談合』と『裏金』との認識が国民に強く、その不透明な資金の行方、としての土地取引が語られています。ただ捜査の行方、国会動静ともに、まだ流動的である点だけは間違えてはいけません。情報公開に耐えられるのが小沢氏なのか、検察なのか、そうした点も注視していくことが、事態の推移を見極めるためには必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2010年01月18日

通常国会が始まる

第174通常国会が召集されました。まず鳩山首相が「たたかって」と支持したことに対し、『闘う』か『戦う』かで、厳密には意味合いが異なります。『闘う』は1対1の対決のイメージなので、小沢氏個人と検察との争い。『戦う』なら党幹事長が組織だって、検察と対立するイメージです。記事に現れる漢字の使用でも、メディアのスタンスが分かる点は興味深いところです。
鳩山氏の発言自体は、政権与党の代表として、ダメージ・コントロールが出来ていないものです。小沢氏が逮捕になれば、当然党としてマイナスですが、逮捕されずとも行政府の長として、検察への圧力があったのでは?との懸念を与えます。更に、仮に検察が小沢氏本人を立件できなければ、国民の小沢バッシングが、今度は検察バッシングにすり返られます。甘い追及で巨悪を見逃した、今の検察を応援する声が、そのまま検察批判を展開することになるのです。その時、今度は行政府の長として、鳩山氏が検察を擁護せねばなりません。今日になり、トーンダウンしていますが、ダメージ・コントロールとはどういう形で終結しても良いよう、準備することなのです。

小沢幹事長辞任の意見も、チラチラですが党内で聞かれます。しかし政治的に見れば辞任カードは高く売れるので、今は必要ないとの見方もできます。逆に、この問題が拡大したために、鳩山氏の偽装献金が曖昧なまま通常国会に突入する形ですので、党の防波堤として、小沢氏を全面に立てて世論の逆風を受けておき、政治的駆け引きの中で辞任カードを交換材料にすることも、戦略上は有り得ます。その場合、参院選に有利となるタイミングが重要なのでしょう。
つまり小沢氏、党内との双方が納得する結論を導くには、年度内の本予算成立と引き換えとなり、更迭で再び選対専任という形を予想します。何より談合並の疑惑が囁かれつつ、未だに政治資金規正法違反のみである現状、過度に反応する理由は特に見当たりません。2月中旬、石川議員らを起訴するかが検察で判断されますが、その後の国会混乱時が、政治的カードとして有効となります。

民主党は「いずれ本人が説明責任を果たすでしょう」程度で、下手にバタバタしない方がダメージ・コントロールが利きます。辞任を騒いだり、逆に庇い立てすれば党がバラバラとのイメージを国民に与え、マイナスとなります。各社世論調査で内閣支持率が急落、といっても40%を越えており、党支持率も高いまま。これは小沢問題さえ切り離せば、党として再生可能と国民が見ているためです。ただでなくとも民主党は結束力が弱いと見られており、かつ政界再編含み、与野党ともに党内混乱ともなれば国として、諸外国からの侮りも受けてしまうことになるでしょう。
小沢氏は検察の聴取に応じるべきですが、これもカードとなりつつあります。ただ遺恨は双方が抱えており、感情が先立って有効な場面でカードは切れない可能性が高くなります。弁護士を挟んでいるので、任意拒否で逮捕ということはなくとも、今後は公開聴取などを提案すれば、意外と面白い展開も見込めます。今は小沢氏もそうですが、公的な捜査であるにも関わらず、地検の説明も果たされておらず、国民は不透明感を強めています。自民党は悉くダメージ・コントロールに失敗し、政権の座を明け渡しました。今は民主党が、政権与党としてどう動くか?通常国会ではそれが問われてくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年01月17日

小沢氏の土地取引に関する検察の動きについて

小沢氏の土地取引事件、石川議員らが逮捕されて2日経ち、分かってきたこととそうでないことがあります。逮捕容疑は政治資金規正法の『不記載』ではなく、金額を過少とした『虚偽記載』。西松献金事件との比較で見れば、一方は政治団体が架空のものである、と認識しつつ献金を受け取った『虚偽記載』。今回は金額面の『虚偽記載』です。もし仮に今回の件で、司法判断が下された際に、検察の思惑と異なる判断が下されると政界に激震が走る恐れがあります。

検察は逮捕事由として「証拠隠滅の恐れ」を上げました。しかし容疑は金額の多寡ですから、証拠として見れば収支報告書と、不動産売買の契約書が一枚、後は銀行の入出金の明細でもあれば、実は事件として成立してしまいます。ですが更に「証拠」がある、とする検察は、この事件で胆沢ダムの受注における談合と企業献金があった、という事実を成立させる腹積もりでいることが分かります。そうでなければ、別件逮捕や不当逮捕の謗りも免れなくなるからです。
つまりそうした談合や、献金があっても直接の行政執行者でない小沢氏サイドは、収賄や斡旋利得の罪に問うことが難しい。西松献金事件でも同様ですが、検察が虚偽記載でしか立件できないのは、相当に高いハードルがあるからです。しかし検察が、事件全体の悪質性を訴えるのは、政治の世界の一般性を覆さなければ、事件として立件できないという強い危機感の表れです。

逆に、司法判断でこの事件の悪質性が否定されると、今後収支報告書の修正は認められず、即事件として扱われます。ですから殊更、悪質性を訴える戦略を検察が取っているのです。小沢氏サイドは悪質、だから検察は捜査する、正義感に基づくと訴えなければならないのです。そうでなければ、ほとんど政治家全員の収支報告書に基づき、虚偽記載を立件できることになります。
小沢氏を狙い撃ちする理由も、この辺りにあります。積年の遺恨もありますが、これまで政権与党に尻込みしてきたのは、収賄や斡旋利得に直接結びつき、政界や財界を巻き込む全面対決に陥るからです。民主党が目指す取調べの可視化に抵抗する、なども語られますが、検察が『銀行強盗犯の信号無視』のような構図で立件するのは、小沢=悪を打ち出し、個人攻撃し易い対象でもあるから、という見方もできるのです。

つまり小沢氏本人までいかなくとも、矮小化した罪でしか立件できなくとも、昨年の西松献金事件以来の一貫した流れとして、小沢=悪の構図で正面突破を図らねば、組織の対面が保てないというのが検察の意図でしょう。実際、まだ公判を確実に維持できるだけの材料は、出ていないと見ています。このままどういう形であれ、当面は小沢氏との全面対決を、検察は続ける覚悟のようです。
民主党の対応については別の機会に譲りますが、今回の事件が悪質性はなくとも違法に問える可能性がある点は重要です。本気でやり始めれば、政治資金規正法の厳格適用であり、政界との全面対決となります。その際、新たに金額などを判断材料に加えるのか?検察の判断も問われます。ただそれ以上に、そんな匙加減をしている時点で、検察が正義ではなくなりますし、今回も小沢氏まで至らねば、検察が怠慢の謗りを受けることはほぼ間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:39|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2010年01月16日

世界市場を動き回る資金について

日経平均が11000円を窺う勢いを見せ、相場は堅調な動きを示しています。これは12月に日銀が舵を切った事実上の量的緩和から、外国人投資家が基調を転換させ、かつ新年相場入りで新規マネーが流入を続ける結果です。12月、1月と大量の買い越しを続けており、ここが崩れない限り、テクニカル面で買われ過ぎ感が台頭しても、上昇を続けられる力があります。

現状の世界を国家財政の観点から見ると、まるで戦争状態です。先進国が国債を大量にばら撒く様は、戦時特例債を発行して戦費に費やす、世界大戦の様相を呈しています。ただ戦時と異なるのは、焼け野原になったのは金融部門であり、戦後復興による特需などの景気回復が想定できず、国家財政が改善される見込みは少ない点です。
米国でJPモルガンが第4四半期の業績を発表しました。投資銀行業務は堅調、一方で損失引当金は積み増しており、好調な業績の裏で損失が拡大する懸念を拡げています。実体経済の回復が遅れれば、住宅ローン等の損失が嵩み、金融機関にも波及します。特に問題は、欧米の株式市場には天井懸念があり、大きな値動きが期待できず、投資銀行の収益が崩れる予測があり、そうなると今は堅調な欧米金融機関も崩れます。その分、出遅れと見た資金が日本に流入しているのです。

この状況で過剰流動性を止められるか?最近、それは不可能と考えるようになりました。これは日本市場の状況を見れば分かります。流動性供給競争に出遅れ、円高、資金逃避というマイナスを背負い込みました。幾ら菅財務相が円安容認発言をしようと、マネーが不足した市場からは資金が逃げながら、一方で為替は強くなるという逆相関を引き起こします。
資金吸収は景気を下押ししますが、自国通貨安も導く。こうなると麻薬のようなもので、最早止められません。むしろ各国は流動性を供給し続けねばならないのでしょう。流動性供給でインフレ、という古い経済学は通用せず、余った資金は小さな市場でバブルを生み、それが次々と流転する。グローバルな視点で考えれば、先進国一国のインフレは有り得なくなっているのです。

世界経済フォーラムでも持続不可能、即ち国家の債務不履行リスクについて、検討されています。今後、新興国で急速に高まる医療費、年金などを賄う市場は他になく、拡大する需要にも追いつけない程となるでしょう。そしてバブルが崩壊し、経済が混乱すると各国は再び流動性供給競争に陥る。失ったマネーをマネーで補完する。とても危険ですが、それが健全と認識する状況が、いずれやってくるのかもしれません。
その際、経済非常時特例債では対応が適わず、輪転機を回転させた紙幣の増刷なのかもしれません。世界がそれを回避する術をとることが期待されますが、金融規制、CO2排出量でさえ一枚岩になれず、有効な対策をとれないことが証明されています。戦時経済下、今後に何が起こるかはもう一度、真剣に考えねばいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2010年01月15日

小沢氏土地取引事件で石川議員が逮捕

東京地検特捜部が小沢民主党幹事長の、政治資金規正法における不記載の罪で、民主党の石川衆院議員、大久保公設第1秘書、元私設秘書に逮捕状を請求しました。国会開会前、議員の不逮捕特権がかかるギリギリのタイミングでの逮捕です。検察にとっては強制捜査からの規定路線ですが、現職国会議員の形式犯罪での逮捕、という異例尽くめの展開となっています。
しかも石川議員は不記載を認めており、逃走の恐れもない。仮に逮捕した背景が4億円の原資追及でも、罪に比べて逮捕という身柄拘束も含む権力執行に至るには、明らかに違和感があります。失敗すれば検察の態度も問題視されかねません。全面対決どころか、検察、小沢氏、これでどちらかが討ち死にするまで止まらず、両者の意地と、頑固さが強硬路線に至った原因と見ています。

地検のリークにより、メディアで流される内容は、全て水谷建設元幹部と石川議員の元秘書による供述を元に、地検が描いたシナリオに沿っています。このため、それに基づいて潔白を示せ、というのは本来無理な話です。西松献金事件でも同様だったように、シナリオ先行で事件が伝えられるために、全面否定は説明不足、何か裏があるだろう、という形で国民が受け止め易くなります。
しかし西松献金事件は、例えれば『銀行強盗をした犯人の信号無視』を公判で争っています。検察側証人も、検察が期待する証言をせず、追及が行き詰るのは、事件の構図と起訴内容が異なるため、証言を得難くなることで起こります。今回の土地取引事件も同様、シナリオ先行ですが、検察の描く構図と逮捕事由に相当の乖離があり、このまま突っ込むと検察も厳しいでしょう。

この件で、個人的に説明責任をあまり重視していないのは、これまで自民党大物の事件の際は、検察の動きが緩慢で、国会が事実解明する必要がありました。しかし今回、検察は前のめり過ぎるほど前向きです。強制捜査権もある検察が本気であれば、事実解明は検察で充分と考えるためです。
下手に国会や政党が動き、結論を検察と違えればそれこそ問題です。三権分立ですから、行政と立法府が対立しても問題ありませんが、圧力紛いの行動とも受け取られます。地検が動くなら、事実解明に最適な組織であることに間違いなく、また容疑者が世論誘導紛いの無罪証明をしても、他の犯罪と同様に何の価値もないと考えるため、説明で何かを期待することはありません。

しかし石川議員の元秘書は、民主党から立候補を目指し失敗した、その私憤も絡むと見ています。それほど正義感が強いなら、秘書の時代に証拠をもって検察に相談するはずですし、語っている内容が広範ですが、1年未満の秘書が知りうる内容とも思えません。事件の構図自体には何の影響もありませんし、信頼し過ぎると痛い目に遭いそうな、そんな証言ではないかと推測します。
仮に水谷以外のゼネコンから証言が得られていれば、今回の罪状が異なっていたはずです。水谷のみで公判が維持できるか?やや難しいと見ています。証拠の分析により確証を掴み、企業献金を立証できるか?ダメでも西松献金事件同様、シナリオを変えずに起訴するのか?シナリオを変えて、このまま不記載で事件を終えるのか?斬り合い確定の泥仕合、強引に2番目のシナリオに向かい易いと、個人的には考えますね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2010年01月14日

経済の話。グーグルの中国撤退示唆

ハイチの地震、米国は支援を表明していますし、世界に影響力を行使したい中国も50人規模の応援部隊を送るようです。日本は500万$の支援を決めましたが、顔が見える形の支援が最良です。自衛隊から医療、看護チームを組み、NGOなどと連携して動ける態勢を築くべきなのでしょうね。

グーグルが中国から全面撤退を示唆しました。キッカケはサイバー攻撃、検閲などの中国リスクを看過できなくなったこと。3億のネット市場を失うのは大きい、とする意見もありますが、この判断にはバブル崩壊と、急速に進む成熟産業としての中国に対する態度の変化が見て取れます。
急速に成長した中国は、今や安価な労働力を背景とした輸出国ではなく、巨大な市場をもつ輸入国です。一方で平時の2倍を越える流動性を供給し、公共工事や内需を促進したため下支えされていますが、12日預金準備率を0.5%引き上げたように、すでにバブル症状です。不動産投資規制も発表されましたが、数年後にいきなり公共投資が萎み、資金流入に基づく資産効果も失われます。外需が回復していれば問題ありませんが、中国国内を賄うだけなら、今の設備でも多過ぎるほどであり、過剰で急速に進む労働力の高齢化と、このままでは経済は非常にマズイ形となります。

米国のネット検索大手が一斉に同調したのは、中国のミサイル防衛構想、米国の台湾へのPAC3輸出、軍需産業と国家利害が対立する中、国家的な圧力もあるのでしょう。特に中国国内では、増徴した一部勢力が台湾への武器輸出で、米国への強い反発も辞さずの姿勢を示しています。そこで足の速いソフト事業を足掛かりに、中国を動かす姿勢を示す米政府と、グーグルの思惑が一致したのでしょう。また検索大手、百度が強い中国では、事業展開するメリットも薄れています。
中国は債務が少なく、一方で外債の保有比率が多い。国家財政には余裕があります。しかし経済規模に見合わぬ流動性を供給し、格付け機関からも懸念を示される、極めて経済に不安を残す国です。中国はA+の格付けですが、今年切れ始める経済対策、その今後を見定めると、今のうちに撤退を示唆し始めたグーグルの判断は、強ち間違いとは云えないのだと考えます。

中国リスクとは、検閲やシステム開示のみではなく、今後増える国家間の衝突が最大の懸念です。結局それは、中国共産党の一党支配であったり、軍事や資源を買い漁るその態度の内に秘められた、思惑が嫌気される部分です。ハイチの地震への支援にしろ、中国の強かな戦略も見え隠れします。そんな国と、モノが売れるからといって笑って手を繋いでいられる時間は、もうあまり残されていないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2010年01月13日

小沢民主党幹事長への強制捜査

小沢民主党代表の個人事務所、資金管理団体・陸山会、石川議員の事務所、大手ゼネコンである鹿島に対し、地検の強制捜査が入りました。警察・検察の使う『任意』とは、一般に使われるものと異なり、聴取や同行を断れば逮捕されます。仮に一週間前、地検から任意の聴取を求め、それを拒否したのであれば、その時点で今回のような動きに至っても良かったものです。
それがないので、任意ではなく参考程度で話を聞く段階かと見ていました。ただ検察も弱気なのは、上記の強制捜査では肝心な点が抜けています。4億円は小沢氏のポケットマネーなのですから、なぜ自宅を捜査対象として含めないのか?逆に、まだハッキリとした証拠を掴んでおらず、任意を拒否したことに対する強制捜査、と見て良いのかもしれません。

小沢氏の動きは検察との全面対決。任意の聴取にも条件をつけ、それを断るなど、かなり強気の態度が見られます。空威張りなのか?逮捕されない確信があるのか?容易に判断はつきかねますが、ただどちらにしろ、強制捜査に踏み切ったのですから、誰かを起訴しなければ検察は納まりません。石川議員はどういう形であれ、起訴までいく腹積りを、検察も固めた模様です。
一昨日も記載しましたが、これは小沢氏が不正な資金を得ていた、一連の事件として検察は公判を進めたいはずです。しかも鹿島まで強制捜査したからには、今回は単なる政治資金規正法の不記載では済みません。そもそも、これが談合なら談合事件として起訴する必要があり、裏献金であれば、不記載ではゼネコンに強制捜査した意味が失われます。複数の口座に分散入金したことが疑わしくても、それ単体では何の罪でもなく、今後は石川氏の扱いが検察の生命線となりそうな気配です。これは政治家・小沢の事件でありながら、石川議員の事務所まで強制捜査したことでも分かりますが、仮にそうであるとしても、匙加減は相当に難しくなるのでしょう。

一方で、自民党も弱気で「小沢氏は説明を」と述べる程度で留めるのは、国会前だからではなく、石川議員が仮に不記載で起訴されると、自分の身に及ぶ可能性が出てくるからです。金額はともかく、議員と資金管理団体との、資金のやりとりが正確である議員は少ないでしょう。捜査の行方を注視せざるを得ず、仮に原資への追及が頓挫すると、類が及ぶことを怖れているようです。
未だに原資に関して、確たる証拠が出ておらず、事件は流動的です。今回の捜査で得た証拠次第、ということでもあるのでしょう。ただ問題は、検察が捜査するのは現職の与党幹事長であり、政治的影響は免れない点です。今回、強制捜査に踏み切った。ただ任意拒否に対する逮捕には踏み込まなかった。この判断が不透明感を増し、国会の動揺を誘うでしょう。検察が踏み込んだ、初となる18日からの通常国会。その行方が今から注目されますね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2010年01月12日

雑感、日航と外国人参政権

日航問題が大詰めを迎えています。上場廃止が示唆され、日航株はS安の37円となっていますが、債務超過の段階でこれはほぼ織り込み済みでした。減資による企業価値を毀損しても、経営が続け、株式上場を維持するためには、経営計画に相当の確度が必要となります。収益で負債を賄わねばならず、現状で解散価値ゼロ、というのは株主価値もほぼゼロ、と考えて良いものです。
年金減額に従業員、OBとも3分の2が同意した模様ですが、実は年金が維持されるかは未定です。リストラ計画も発表されていますし、人数は増えそうですが、少ない従業員数で、今後も拡大するOBへの年金を支え続けなければいけないのですから、減便にしろ、事業規模を縮小しつつ、かなり高収益を維持しなければ年金を支えられません。つまり事業計画次第、その間の収益環境により、年金基金は解散した方が良い、という選択肢とることも今後ありうるからです。

銀行団が債務免除を求められるのも、甘い見立てで融資した責任です。私的整理、法的整理でもめたのも、銀行団が再建計画に関与できるか?ということですが、法的整理を受け入れることは、銀行団にとって苦渋の選択でしょう。日航の経営に抜本的なメスが入らず、ズルズルと問題を先延ばししたのは、この甘い融資の結果でもあるので、銀行団の責任は免れないところです。
そして、日航の経営に政府関与がなかったか?については今後検証が必要です。沖縄基地問題検討委員会で、米国務次官補が県外移設に言及した可能性について防衛省が問われたところ、「米側の了解を得ていない」と拒否したと伝わります。オフレコにしろ、要人発言に関して自国政府に語る前に、他国の政府に確認をとる姿勢が正しいのか?政府内で情報交換が進まない姿勢、日航に関しても国交省の関与がなかったか?経産省は?など縦割り行政の中で弊害はなかったのか?現状に至る経緯を割り出し、今後の経営に生かすことが真の経営再建です。

話は変わりますが、俄かに持ち上がった外国人参政権の問題、参院選前に党を2分するこの法律を、本気で通すとは思えませんが、選挙協力を求める上で、民団や公明党との連携も含め、自民党に揺さぶりをかけた動きと見ることも可能です。恐らく法案を提出し、閉会まで議論して終わり、という形になると見ていますが、これが参院選に与える影響は小さくないと見ます。
一部で、民主党若手議員は小沢氏に怯えて萎縮している、とする記事もありますが、逆に党内で反発の動きが起これば、今度は内紛か?と叩かれることは必定。実はどっちに動いても、党としてのプラス効果はありません。ただ外国人参政権に関しては、確実に党内の反対派を動かすので、法案の動向次第では党内がバタバタする印象を与え、自民党末期と同様の状態を想像させるものとなりそうです。日航問題に決着をつけても、まだまだ通常国会は荒れ模様の気配になるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2010年01月11日

小沢氏の土地取引に関する件について

小沢民主党幹事長の土地購入資金に関して、大まかなストーリーが、報道ベースですが見えてきました。資金管理団体「陸山会」が小沢氏から4億円を借り、3.4億円で土地を購入。陸山会は4億円を定期預金とし、それを担保に4億円の融資を受け、小沢氏側に返却、一方で05年にも小沢氏側から4億円の融資をうけ、07年に同額を返却するという流れもあったようです。
一部の報道で、全額収支報告書に未記載とするものもありますが、04年小沢氏との間の4億円の資金のやりとりは、記載があるとする報道もあります。報道が錯綜していますが、『関係者』と称する人物が語る、供述調書の内容もどの程度正確か?実は全てが虚構かもしれない、という不安とともに分かっている範囲で考えたいと思います。

土地取引における4億円の口座開設、融資の話を不透明とするものがありますが、通常の商取引ではよくある手法です。簡単に言えば4億円を現金で土地を購入すれば、資産は4億円のまま。4億円を担保に4億円の土地を買えば、8億円の資産と4億円の負債。見かけ上の話ですが、資産が一時的に膨らみます。政治家に必要な取引ではありませんが、昔風に云えば『実弾』を抱え、政治的に利用しようとする場合、定期ですが預金として手元に残す可能性はあります。
問題は4億、8億ともされる小沢氏が陸山会に拠出した資金の出元として、胆沢ダム受注に関する見返り、とされる件です。ただ受注額に対して8億円は多過ぎますし、小沢氏の資産規模から見ても8億円は多い。両者を混ぜて、資金洗浄に利用されたとの疑いが出ると、事件性は強まるのでしょう。

ただ当時の事務担当だった石川氏を、政治資金規正法違反に問えるかは疑問と感じています。政治家本人と資金管理団体がズブズブの関係、というのはよくあることです。これまでは修正申告で済んだ、今回だけは違う、とするには地検が悪質性を立証しなければなりません。鳩山氏の偽装献金以下の額であり、悪質性がなければ、略式以下で処理しなければならないからです。
現状までの情報では、これは西松献金事件の脇備えとして、小沢氏の悪質性を際立たす目的で、地検が動いていると推察できます。判決に有利になるよう、小沢氏への聴取も設定される可能性があり、全体として『悪』と認定させるための動きにしか見えません。なぜなら、資金洗浄がなければ今回の件は、修正申告で済む程度の、犯罪にすらならない可能性が高いからです。

一部メディアで、地検のリークはない。検察官の顔色を伺いながら記事にしている、と述べる人間がいましたが、仮にそうであればメディアの報道姿勢は大いに疑われます。裏取りがされているのか?仮に誤報だった場合、民事訴訟にすらなるほどの重大な案件であるにも関わらず、西松献金事件以降のこの手の報道には『軽さ』が付きまとっています。
『関係者』の身分、情報が真に確かであっても、これまでの情報ではまだ疑惑ですらなく、事件性を問うのはかなり難しい段階でしかありません。不透明なまま、政権与党の幹事長・小沢氏の聴取が可能か?それとも隠し玉があるのか?まだ全く先が読めない段階で殊更、悪質性だけを先行して報道する現状は、危険なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2010年01月10日

雑感、3Dテレビの普及元年?

米ラスベガスで、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)が開催されています。話題性があるのが、3Dテレビ普及元年を標榜する、パナソニックとソニーの2社。専用眼鏡をかけることで、テレビの映像が立体的に見られるというものです。2社とも力を入れていますが、普及するかは甚だ疑問と感じています。まず、こうした技術が登場した場合、必ず言われるのが健康への影響です。これは右目と左目、差を生み出して錯覚させ、物体を浮かび上がらせる技術です。
3Dゲームが登場したときも、携帯電話の時も脳への影響が懸念され、未だに問題を追及する人がいます。立体視は錯覚なので、継続的に視覚と現実の乖離が起きると、脳への悪影響を指摘されることでしょう。特に造られた映像ではなく、撮影したものを錯覚することになるので、その影響、病気に結び付くかどうかは、実はまだよく分かっていない部分もあるのです。

また最大の問題は、飛び出してくる映像に驚くことで、心臓の弱い人が耐えられるかどうか?そして驚きで一瞬身体がビクンと動き、怪我をした、物を壊した、等が発生することも可能性としてあります。かつてポケモンのアニメの中の点滅する光で、気分を害する子供が出たため、自主規制として「テレビから離れて…」というテロップが流れるようになりました。仮に3Dテレビが普及すると、「心臓の弱い方や極端に驚く人は…」というテロップが、頻繁にテレビに流れるかもしれません。
映画の場合、その場では映画を見る目的しかありません。しかしテレビは「…ながら」視聴が一般的です。眼鏡をかける、かけないの選択はできますが、注意がそれた際に何かが飛び出してきた、というのは驚きも大きい。3Dテレビが目指す迫力と、危険は等価の影響を有しているのです。

3Dの眼鏡をかけ、欠けた視野に気付かせる、治療に用いることも行われています。しかしまだまだ未知の領域であり、人間への影響も量りかねていることに、違いはない技術です。仮に事故が起きた際、テレビ局の問題なのか、電機業界の問題なのか、訴訟大国アメリカで、この3Dテレビが普及して行くとき、何が起こるのかは今後の課題ともなってきてしまうでしょう。
上記のように、電機業界を救う、買い替えを促す技術とは到底思えません。あれば少しだけ満足度も高い、程度の扱いが妥当なのでしょう。CESでは他にも幾つか興味ある話題がありますが、技術の進歩に見合うほど、人間が対応できるかどうかが、投下した研究資金に見合うリターンを生み出す技術かどうかを決めるのでしょう。技術的に可能であることと、普及するかどうかはまた別、ということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 健康

2010年01月09日

自民党参院議員の離党について

昨年末の某番組で「来年自民党がなくなる」と予想を述べる方がいました。昨年から続く参院議員の離党、田村氏(鳥取)、長谷川氏(茨城)、吉村氏(福岡)、山内氏(香川→改革ク・松下氏とトレード)で計四人。一方、衆院落選組である山崎氏、保岡氏を公認せず、山崎氏は国民新入りを示唆しています。また小野氏もみんなの党での参院選出馬が濃厚、と留まるところを知りません。
自民党の支持母体が、実は政権与党の支持母体に過ぎなかったということが判明し、続々と旗幟を変える中では、弱体化に歯止めがかかりません。保守の旗を掲げ、集票に試みようとする動きもありますが、日本では戦前、戦後と二分される政治環境で、保守とは何か?から問われます。特に米国を始めとする諸外国と、台頭に亘り合う度量を見せずに来たため、自民党の目指すべき先が不鮮明なまま、という点が今後も重しとなって掛かってくるのでしょう。

自民党の動き、18〜19世紀の激動のフランスに重ねて考えてみます。フランス革命が起きた日、マリー・アントワネットの夫・ルイ16世は「叛乱(レヴォルト)か?」と訊ね、側近に「革命(レヴォリューション)です」と窘められた話があります。為政者にとり、自らの地位が滑り落ちることは叛乱に見えても、国民から見ればそれは望むべき革命だった、ということです。
後にナポレオンが皇帝となり、百日天下で凋落した後、革命を嫌って亡命していた貴族がフランスに戻ります。王政復古の時代ですが、この時に貴族は封建制の頃の貴族階級の生活を継続しようとします。その結果、7月革命が起こり貴族は没落、資本主義という世界に結実する。時代の変化、自由を叫ぶ市民によって懐古主義者が駆逐される世界、「何事も学ばず」貴族はそう口囃されました。また毎晩のように舞踏会を催す様を「噴火山の上で踊る」とも。

ここまでが昨年の衆院選前夜です。ナポレオン・小泉により拡大した勢力、王政復古で自民党が力を得た時代、「何事も学ばず」衆院選で惨敗したのです。7月革命後のフランスは利権争い、醜聞、汚職が盛んでしたが、過去の悪政から脱却してフランスは安定を保つことができました。
レッセ・フェールとは自由・放任主義を意味するフランス語ですが、市民社会を根付かせる支柱となった言葉です。重商主義で行き詰る社会を、市民の手に戻そうと主張する。規制緩和、その言葉と重ねると現状と合致します。全てが自民党時代の行き詰まりによる閉塞感、そこから脱却したいと願う動きが、先の衆院選であったのです。

自民党が今のままなら、没落貴族と同じで消え去る運命です。一部富裕な貴族が資本家として生き残り、栄華を極めたように一部の自民党議員も残るでしょう。ただしそれはごく一部、多くは時代の変化についていけず、消え去る運命にあります。ナポレオン3世のように、クーデターを起こして帝政を復活させられるか?その辺りは小泉Jrにかかっているのかもしれません。
しかし市民革命の動きは、それに満足できなければ次へ、次へと変革を求める形で進みます。仮に民主党に満足できなければ、新たな改革者を望むことでしょう。ただし現状、自民党はその受け皿になりえておらず、今後の動き方次第では本当に少数政党に成り下がるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:37|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年01月08日

捕鯨監視船と反捕鯨の船の衝突について

日本株式市場は1月SQを10798円で通過し、終値もほぼ同一水準でした。ただ昨年から買い方に度々顔を出す、某欧州系一社の大きな買い越しが続いており、ここが崩れると売りが拡大する懸念もあります。余剰マネーの行方、という観点で資金が流入しているのならば、これは足の速いマネーです。
世界の不安定要因でもある格付けの問題で、アイスランドの長期外貨建てが格下げされました。アイスランドの銀行に預金していた英国人、オランダ人に対し、預金を返済する法案への大統領署名を拒否、英、オランダが支援を停止する旨に言及したために、資金繰り懸念が噴出しました。返済額は50億$以上ですが、すでに英、オランダは預金者に支払いを済ませており、アイスランドが拒否すれば負債としてカウントされます。どちらに転んでもアイスランドは不利ですが、本来国外に預金した者を保証した英、オランダの対応が誤りです。富裕層の突き上げ、という形なのでしょうが、こうしたことも金融バブルの残滓として、今後の経済に不透明感を与えそうですね。

シー・シェパード(SS)が調査捕鯨船団の監視船と衝突した問題で、今日になり、アディ・ギル号(AG)を放棄したと伝わります。SSは沈没と発表していますが、油や浮遊物など海洋汚染となっており、明らかにSSの行動に問題が生じています。衝突時の映像を見ると、衝突前にAGの後ろにははっきりと航跡が見られ、監視船ともども動いていたことが分かります。エンジンを切ったにしろ、危険な航走をしていたことは間違いなく、SSの発表にウソが多い状況となっています。
SSの行動はテロであり、詐欺です。言葉の定義だけを見れば、テロは暴力、もしくは恐怖により相手を屈服させる行為、詐欺は他人を騙して金品を巻き上げること、損害を与えること、です。鯨はIWCでも減少は指摘されておらず、知能に関しても学術的考察は皆無。SSはそれでも鯨を守ろうとする意見ではなく、これらに関してウソの情報を流し、資金を集めている状況です。

目的が正しければ行為が正当化される、とするのがテロです。SSの行為を認めると、テロを容認するのと同じであり、一方でテロを非難するのは目的を否定しているのみとなります。つまり構図はテロを助長するのと全く同じであり、それが米国の凋落なのか、反捕鯨なのかの違いのみです。
重要なことは、これまで弱腰だった日本政府が、政権交代でどう動くかということ。一部、農水省がテロに類似する行為と踏み込んだ発言をしていますが、豪州やNZなどの、反捕鯨に凝り固まった国々と、理性的で科学的な検証を進めて、捕鯨に理解を求められるかどうかです。
そして今回、SSの行動と主張には明らかなウソが含まれており、国際社会に対して訴える機会を得られそうな点が重要となります。感情論や文化論で戦っても、国際社会では特異な日本文化は受け入れられ難い。ならば根拠を示して正当な主張を行い、訴え続けることが大切です。今のところ外交ではマイナスの印象もありますが、鳩山政権がこの問題をどう捌くのか、もしかしたら大事な局面でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 経済

2010年01月07日

菅直人氏の財務相就任について

菅財務相が就任し、95円への円安に言及、為替が円安方向に動きました。一部好感する意見もありますが、これは口先介入の安売りであり、大事な時に機能し難くなる可能性があります。先に円高容認と見られる発言があり、そのイメージ払拭のためとはいえ、不用意に過ぎます。輸出企業に有利、とはいえ日本には輸入企業もあり、個人で円買いを入れていた人は損をすることになります。
どういう形であれ、大臣発言は重く、緊急時に必要な効果を出さねばなりません。今がそのタイミングだったか?というと首を傾げます。円高はデフレ傾向にある限り、実効為替レートにより正当性を与えられ、回避できないものです。財務相として、口先介入は最後にして最大のもの、諸刃の剣である、ということを認識して用いるべきなのでしょうね。

一方で評価したいのは「予算執行の透明化」に言及したことです。これは歳出改革、つまり特別法人改革を促す一施策です。これまでは予算の枠組みを決め、省庁から公益、財団法人に流れた後は野放しであり、使途や効果に不透明さを残してきました。ここにメスが入れば、市民オンブズマンの活動のように、使途を洗ってムダを抽出し易くなることは間違いありません。
問題は仕組みがないこと。領収書や契約書などを各省庁に保管、管理させ、それを公開する制度を構築する必要があります。通常国会で成立できるか?民主党の本気度も試されます。財務省の情報公開や霞ヶ関改革にも言及していますが、ここに手をつければ財務官僚のサボタージュや、情報隠しも出てきます。財務の担当経験云々ではなく、官僚との距離感が一番重要なのでしょう。

仙谷氏が国家戦略室、行政刷新会議の兼務と、枝野氏を首相補佐官に任命する人事において、小沢氏の意にそぐわないとして、早くも取り沙汰する記事があります。ただ小沢氏は人事案件に関し、自ら積極的に動いた形跡はこれまで一度もなく、仮にそれがあれば仙谷氏も、枝野氏も政権には関われないはずです。小沢氏は「こうでなきゃならんでしょうが」という言い方をし、自説を曲げない部分がありますが、逆にそこに反しない限り、人事に口出しすることはないのでしょう。
財政、金融は非常に重要な案件です。菅氏の就任は、むしろ亀井対策の側面も含むと考えます。野田氏や仙谷氏が当初、最有力候補だとも云われますが、この二人では亀井金融担当相に押され、民主党の政策を曲げられかねません。党を代表するほどの人物でなければ役不足、対外的にも、党内的にも睨みがきかない、という点が最大の選考基準になったという見方をしています。
菅氏は経済財政担当相との兼務もあります。財政規律と、財政出動による景気対策は相反する立場にあり、難しい面を含みます。財務省改革の行方とともに、菅氏の担う責任は重大であり、日本の向かう先を決定するほどの役割をもつ、ということだけは確実なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年01月06日

ブルジュ・ハリファの落成

藤井財務相の後任に、菅副総理が兼務で、国家戦略室の担当を仙谷行刷担当相が兼務する人事が発表されました。財務省にとっては最悪の人事で、予算編成権が政治主導に変わります。一方で、財政健全化論者の急先鋒が退任することで、財政規律の緩みが懸念されます。小沢氏との距離の差で、後任人事が決まったとも云われますが、むしろ答弁巧者としての才が、緊急時に必要とされたのでしょう。予算審議が白熱し、国会が盛り上がることが期待されます。

ドバイでブルジュ・ハリファ(旧ブルジュ・ドバイ)が落成です。世界最高の828m、総工費15億$の巨大ビルです。使い勝手が悪く、地所の90%が売却済みとはいえ、入居率が低い投資案件扱いです。しかも成長戦略が崩壊し、ドバイショックを引き起こしたように、今後投資が集まり難い環境ですから、これがバベルの塔として、象徴的な存在になる可能性があります。
東証が今年、アローヘッドというシステムを導入しました。処理速度が世界最速、外資の呼び込みに貢献すると云います。確かに、これはアルゴリズム取引をする外資系に有利で、一旦は資金を呼び込めるかもしれません。しかしこれはドバイモデル、いつかは破綻する手です。つまり流入量を増やすだけで、基盤がなければバブルを引き起こすだけで、長期的な収益には寄与しません。

これは日本の成長戦略にも関連しますが、産業界、財界が主張する政府支援による成長は、それで一時的な成長ができても、資金が尽きればそれで終わりの愚策。企業の収益性を高めても、工場を海外移転する原資になるだけで、国内の空洞化を進めるばかりです。
重要なことは、国や市場が成長する前提があって資金が流入するのか、資金を呼び込んで成長を促すのか、手順をどちらに置くか、です。後者は投資環境の変化に弱い体質であり、ドバイやアイスランドが陥る現状を見ても、失敗は明らか。日本が前者でないことは、少子高齢化によりあらゆる市場が萎むことからも明らか。ここで、どういう形で成長戦略を築こうと、ザルに水を入れるようなものであり、どこかから水漏れし、資本を注入するだけ零れていきます。

欧米中など、市場に資金を溢れさせる現在の金融政策も、実は後者のモデルです。新興国は成長する、と言っても適正な資金量でなければ、バブルを生み出します。つまり今は世界各国がこの、ドバイモデルで小康を保っていても、永続性はないためいずれ転換を迫られる状況です。問題の本質は、低成長社会をどう成長軌道に乗せるか、その施策にまず金融拡大という安易な手法に頼るのは、その後の失速、低迷を予兆させる愚策に過ぎないということなのです。
日本の成長戦略とは、本来少子高齢化から脱却し、将来不安を減らして日本の市場を安定させること。それが最低の前提であり、その上に築かれねばなりません。低成長型社会へ対応する制度、その中で拡大する社会環境を目指すことが、真の成長となります。少し辛口ですが、日本を成長させるためには、小手先の対策では無理ということだけは確実なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2010年01月05日

藤井財務相が辞意?

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。
今年の干支は『寅』ですが、十二支は12ヶ月と関係します。『子』は1月の北斗七星が地平線と重なる象形、『丑』は2月の春先の地面から出る若芽の象形、『寅』は3月の若草が根を張る象形です。それにトラを当て嵌めた理由は諸説ありますが、字面と動物とはあまり関係ないようです。
トラは千里を走る、と言われますが、生物学的に見てトラは長距離移動に適さず、むしろ藪に待ち構えて、獲物が近付くと不意打ちをかける猟をします。今年の経済はどこでどんなトラが隠れていて、襲い掛かってくるか分からない、そんな不安が漂います。油断することなく、藪の中を慎重に進むぐらいの用心深さが、今年も必要となってくるのかもしれませんね。

藤井財務相が辞任の意向を示しました。鳩山氏は慰留に努めているようですが、仮に続けても3月末で辞意、という形でしょう。当然、これは10年度予算の審議に影響します。例えば野党の戦略として、委員会の大臣答弁に引っ張り回し、過労により大臣を入院させ、不在との理由で審議を止められます。そこまで露骨でないとしても、健康不安を突く戦略は幾つかあります。
藤井氏は財務省官僚出身であり、省寄りの発想を持ちます。党執行部からの圧力を受けても尚、民主党マニフェストからの逸脱を余儀なくされた予算案。折衝の過程で衝突もあり、また本国会でも説明に窮する場面が想定されます。党としても、省としても板挟み状態となり、野党の攻撃に晒され続ける。それが自分の意にそぐわない予算案ですから、尚更だったのでしょう。

日本市場が堅調、とはいえこれはご祝儀相場に、1月アノマリーや今週末のSQへ向けた思惑が働いた結果であり、底固い相場ではありません。財務相に不安のある国、というメッセージ性が、今後に与える影響は図らずもあるでしょう。後継に誰を当てるかという人事案件が、鳩山政権の最初の課題になったことは、まさに藪の中のトラであり、不意に降りかかる災厄です。
小沢幹事長の不動産案件で、聴取か?とも噂されます。自民党政権時代と、検察の動きはかなり異なっており、不透明な資金の流れで聴取が可能かどうか、微妙な判断もあります。仮にあるとすれば、2月後半から3月、予算審議の大事な時期にぶつけてくる可能性があり、検察が何を巨悪と見定めているかは、そうした動きで判断されてくるのかもしれません。

小沢氏の対談番組を見ましたが、構想力という点で、やはり稀有な政治家であると感じました。ただ自分が強く、孤高に陥り易い点も間違いないのでしょう。政治と金、政権と財務相、持ち上がった問題は様々でも、人と人との結び付きがどう担保されたか、という視点で見るとその根っこには同一の問題が流れている、と考えることも出来るのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:00|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般