2010年02月

2010年02月28日

雑感、経団連の政策評価を中止

南米チリで起きた大地震、太平洋各地で津波が懸念されましたが、大きな被害は出ずに済んだようです。ただ日本でも一部で堤防を越え、道路が冠水するなど、影響は少なからず出ています。更に今回は、当初から津波の高さが3m程度と伝えられ、また時間があったことから余裕もありました。ただ今後、更に大きな地震が起き、津波の高さも10mと予想される場合、どう混乱を回避するのか?ということは現実的な問題として、検討しておいた方が良いのでしょうね。

経団連が政党への企業・団体献金への関与を、やめる方針と伝わります。党首討論で公明が表明した企業・団体献金禁止に、民主・鳩山氏も同調しているので、法案が成立すれば自然消滅になりますが、しかし従来の経団連の態度が異常であり、早晩見直されるべきものでした。
政策評価は会員企業の献金の判断材料とされ、これまでは自民党寄りの評価も目立つものでした。ただ問題は、企業が政治のバックアップを得たいと考えれば、当然政権与党に甘い評価にならざるを得ず、そうした意図が反映される評価では、結果的に無意味な行動になります。むしろ政権与党に不利な判定を下せるはずもない、ということは経済界として初めから行うべきではなく、献金を通じた圧力団体として、後付で自らの行為を正当化したい意図が働いたものでした。

ベトナム原発の売り込みに鳩山首相が乗り出す意向を示しましたが、官民が一体となり、海外の大規模工事を受注しなければ、海外に競り負けるのが現状です。国家支援を受ける企業が、野党に献金を出せるか。自ずと結果は知れることです。しかも業界によっては、政権への距離感や評価も変わる。これは当然のことであり、何事も全員一致が効果的なわけではありません。
海外では金融や自動車業界が、国家支援を受ける。日本でも企業再生支援機構を通じ、日航やウィルコムが支援を受ける。この中で、元気な企業が政党に献金を送り続ける構図は、かなり歪です。やはり企業・団体献金は全面禁止が必要です。民主党政権では、政治主導を謳うあまり、政務三役以外にも議員を行政機関の監視、政策立案に携わる案も、一部で取り沙汰されています。

ただこれは、公務員の人件費削減に寄与しなければ、政治主導になり、国民の意思が行政に反映され易くなっただけで、国民が直接的な恩恵を感じることはできません。国家公務員人件費2割減、これを地方に移管するだけでは、単に財源を付回すだけに過ぎません。企業・団体献金を禁止すれば、政治家の活動費も当然減る。その中で政治主導を実現するためには、金のかからない政治にどう向き合うのか、そうした政策を打ち出すことも求められるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2010年02月27日

年金運用が改善

チリでM8.8の大きな地震がありました。地球内部が活動期に入った、とすると日本も他人事ではありません。リュウグウノツカイが、日本近海で大量に打ち上がっています。シアトル近海地震や、東南海地震の可能性をNHKでも取り上げていましたが、地震の巣以外の場所でも、不意に襲う災害に備えておくことは、喫緊の課題となってきたのでしょうね。

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が、09年度第3四半期までに7兆円強、08年度の損失10兆円弱の4分の3を取り戻した形です。しかし運用の少ない外国債券と証券の収益率が、各々2.91%、9.13%と高く、国内株式に至ってはマイナスが現状です。しかも第3四半期のみで見ると、収益としての金額は低下しており、戻りを試してきた欧米市場も上値が重くなっていることから、今後の収益環境には危うさが漂うことも否めない事実です。
厚労省がGPIFによる来年度からの中期目標案を示しましたが、運用目標は示しませんでした。年金制度の見直しを視野に入れたこととはいえ、目標がないということは、不透明感が強まります。民主党が実現しようとする幾つかの制度について、よく財源論が取り沙汰されますが、実は年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げた昨年時点で、すでに財源はなく埋蔵金を充てた経緯があります。今年度の予算で、最大の国債発行となった理由にも、一部にはこうした前政権のツケも含まれているのです。

昨日発表された1月全国消費者物価指数、前年同月比1.3%の下落でデフレを示します。しかしこれは仕方ありません。企業が国内での生産性を低下させ、海外の安い労働力によって製造された製品を輸入する。小泉‐竹中路線で目指した産業移転の構図が、10年かけて顕在化した結果であり、それが今は強く現れているのです。この手法でも、デフレにならない唯一の条件は世界経済の安定ですが、それが失われたことから必然的にデフレに向かい易くなっているのです。
09年の所定内給与も1.5%減、パートタイム労働者や年金未納者も含めると、年金の収入減少は続きます。運用に期待できず、国民1人当たりのGDPベースも益々低下傾向を強める中、3%以上の利回りを払い続けなければならない、ということが年金の大きな問題です。賃金低下を伴う今回のデフレ、より深刻な影響が今後、運用を旨とする年金には大きな出てくるといえるのでしょう。

小泉政権当時、国内の設備投資にもっと優遇を与えておけば、これほど国内の生産性を落とすことはなかったはずです。逆に、日本の富を分散させる、という竹中氏の本旨はここに完結していると見ることも可能です。しかし年金改革が立ち遅れた結果、国庫負担分の財源にさえ困り、経済が低迷している時に増税議論をしなければならない。この国の誤りがどこから始まったかは、しっかりと検証しなければいけないことなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2010年02月26日

雑感。バンクーバー五輪を見て

バンクーバー五輪の女子フィギュア、実はまだ1度も映像を見ていないのですが、結果だけでは浅田選手は銀メダルで立派なものです。ただこれほどの差がつくほど、演技に違いがあったのか?フィギュアは1つ1つの技に点数をつけ、透明性を保つようにしていますが、個人の主観が混じる評価ですからどうしても懐疑的な面が残りますね。

今回の五輪は少し残念な動きがありました。スノーボード・ハーフパイプの国母選手の恰好の件です。私は絶対にしませんが、別に若者がそれをしているからといって、みっともないとは感じません。そもそも論で言えば、なぜ移動時まで同じ恰好を強いているのか?すら、個人的には違和感を持ちます。五輪の選手には、一部法人を通じて税金も投入されますが、プロスポーツ選手もおり、自ら賞金を稼ぐ個人事業主のような形態をとっている人間もいます。
国の代表とはいえ、それは成績を評価されたのであり、選考基準に『人柄』は含まれません。逆に、今後は人柄の良い者だけを国の代表にすれば、こうしたトラブルはなくなります。恰好良いかどうか?は別にして、後で文句を云うよりも、最初に指摘をしなかった運営側の問題であり、指摘に対して当人を悪者に仕立てた時点で、今回は協会側の対応が不手際続きと感じます。

どうしてもお金に絡む問題として目を向けてしまいますが、税金が投入された法人の役員が、経費で観戦に訪れている場合こそ、同一の服装をするべきでしょう。そうすればどれほどの人間が税金を無駄に使っているか、が明らかになります。更にスーツにしろ、それを提供した側にとっては着崩されると、販売戦略上問題が生じるので、協会側が慌てたことも考えられます。五輪という一大イベントには、有形無形の恩恵を求めて人や企業が群がります。1つ1つの動き、その背後には利権絡みの何かがある、そう思わざるを得ないのが現状なのでしょう。
個人的には、移動は公式の場ではありませんし、自由な服装で充分と感じます。そんなところで無駄金を使うより、日々の運営に苦しむ団体もあるのですから、そちらの予算に回すべきです。更に選手にとって、長い時間身体を拘束される移動は負担でもあるので、そういう場でわざわざ普段着慣れない服装をさせ、結果が悪いと批判するのも間違いであると感じます。

日本の、特にスポーツは戦前の影響を色濃く残す面があります。高校生の大会で坊主頭を見ると、理屈抜きで非合理的なことを選手に強いている、指導者の狭量さが窺えます。頭髪は保護の面をもちますから、長髪は良くありませんが、短髪過ぎても効果を減殺していることになります。
古式ゆかしい、形式美を重んじる競技以外の、自由な発想が求められる競技でさえ、画一的な人間を求める。そこに日本選手の活躍が減った一面を見ます。一部では擁護論も上がりましたが、謝罪を要求する記者の場面を切り、それに反発した場面を何度も流し、イメージ作りをするのはメディアの常套です。あのシーンだけで人間性の全てを語るものではない、という意識を持って見ていなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2010年02月25日

北教祖献金事件について

ギリシャでゼネストが拡大しています。先週のEU財務相会合で、『野心的』とされる財政再建計画を承認したものの、支援に後ろ向きだったため、当然これは予測される動きです。昨年末GDP比12.7%に達した財政赤字を、12年までに2.8%に縮小させる。この計画に対し、S&Pが達成見込みがないとして格下げを示唆、このことから今日になりユーロ/円が120割れを試す展開まで来ています。
更にここに来て、欧米で経済指標の頭打ち感が出始めたことで、戻り歩調にあった株式も弱含みます。米消費者信頼感の低下、住宅価格指数の低下、ドイツではIfo企業景況感指数が市場予想に届かず、全体的に暗いムードが漂います。今以上の緩和状態に突入すれば、明らかにバブルを引き起こしますし、金融機関の不良債権処置が進まない現状で、どこまで出口戦略に舵を切れるかも不透明です。世界経済にやや不安感が漂い始めたことは、注意しておくべきですね。

自民党が審議復帰です。大義なきまま審議に戻る、一番やってはいけないことで、これは国対の責任論に及びます。野党共闘を築かず、結果としてその間に公明は民主にすり寄り、自民党は孤立感を深め、益々自民の国会運営が厳しいことを世間に知らしめる結果になりました。
そんな自民の責め所となっている民主・小林千代美議員の北教祖献金事件。仮に報道ベースの内容がその通りであれば、あまりに稚拙で即刻議員辞職すべき内容ですが、地検の捜査を疑わざるを得ない点で、やや慎重に見ています。ただ義家議員らが、組合活動を具現化するため議席を買う、旨の発言をしていますが、こうした面では自民の主張にも些か懐疑的な目を向けています。

確かに偏向教育、学習指導要領に従わない、竹島は韓国領などと教育していれば大問題であり、即刻組合は解散して教育公務員特例法に従う組織とすべきです。ただ従来からここは自民・町村氏の強い地盤であり、北教祖の勢力が強かろうと、自民党が主導権を握っていたのです。
仮に従来から北教祖に支援されていた、民主党議員が優位であれば、義家氏らの主張は正当性を持ちますが、逆に見れば統制できなかった責任をどこに帰すのか?ということになります。子供らへの背信行為とも述べていますが、そんな組織を野放しにしてきた責任は、これまでの与党議員の側がより重いと云わざるを得ません。

私も幼い頃、小学校の教師から「下らない」とは「百済でないものは役立たない」意味だと教えられ、違和感を持ちました。半島系を尊重する人間だったか、今となっては確認する術もありませんが、後に判明したことは古い書物では文語形では「くだらぬ」であり、名詞に「ぬ」をつける形で形容詞化することはほぼないため、そうした解釈自体が成り立っていないということです。
独自の解釈を教育の場に持ち込めば、子供たちは混乱します。教育という場を再生するためにも、小林氏の事件とは別にしても、こうした教育の実態の全容解明は必要です。教育が「くだらぬ」組織に恣意的に扱われないためにも、本来の特例法に立ち返って厳格に見ていくことが、今後行われるべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:37|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2010年02月24日

貿易統計と賃金統計

米議会でトヨタ公聴会が開かれています。昨晩は米販売社長のレンツ氏、今晩は豊田社長です。内容は一部漏れ伝わりますが、その中で電子制御に問題あるのでは?という追及に関し、証明が難しいという話があります。が、少しでも制御を見たことがある人間であれば、簡単と答えます。
ハードにしろ、ソフトにしろ、能力のある人間なら見れば不具合を起こすかどうか、すぐに判断できます。問題ないとは、即ち制御条件、AND回路、OR回路、NOTの使い方やdelayのタイミングなどにより、運転に支障がない状態であるかどうかです。このことから、プリウスのブレーキの問題はdelayと推測できます。急加速は制御条件か、回路の組み方に不整合がないかどうかで示せます。
ただ個人的には大型車両が使う無線、即ち強電波の影響を考慮すべきと感じます。日本でも無人事務所の暖房機を誤作動させた事例が知られますが、大型車両は仲間との交信のため、無線装置を備えている場合が多く、違法な周波数帯や高出力を謳うものがあります。これがハードスイッチの誤作動を引き起こす原因と見れば、そうした調査もまた必要となってくるのでしょうね。

厚労省が発表した賃金統計、働き盛りの35〜44歳で3%以上の減少と下げ幅が大きく、全正社員でも前年比1.9%減です。1月の貿易統計は輸出額で前年同月比40.9%増と、改善傾向であるものの、昨年のリーマンショック以降の落ち込みの反動増であり、07年レベルには程遠い状況です。地域別では中国向けが好調、米国向けも増加に転じた中、トヨタ問題で今後の落ち込みも懸念されます。2月の月例経済報告でも、輸出への影響を懸念し、弱めの基調判断を示します。
菅財務相が異例ともいえる日銀への対応に期待感を示していますが、背景には財務官僚が日銀総裁につく仕組みが昨年崩れたことによる、財務省の焦りがあると見ます。また政府によるデフレ脱却、景気対策に財政上の限界が見られるため、日銀への期待感が高まる背景があります。

ただ問題は、外需依存を脱却する術を政府がもたないことです。1つは最近、海外で競り負ける大型プラント案件、これは政権交代後の経団連と民主党政権との距離感、という話もありますが、世界では国家規模の支援が今や当たり前です。韓国はウォン安を支えるため、積極的に為替介入を繰り返しており、受注案件にも政府支援をつけるなど、海外競争力を確保するために国が一丸となり、支える姿勢を示しています。
米国のトヨタ叩きも、一部では共和党に近いトヨタを叩き、GM工場など北部の労働組合を多く抱える米民主党が力を示す、という構図が影響しています。日本でも自民党に近かった経団連ですが、政党との付き合いで一企業の盛衰から、日本企業の受注案件にまで影響してはいけません。大義親を滅すの言葉通り、過去の拘りを捨て、国としてグローバル経済下の競争に身を置かなければ、日本は益々国際競争力という立場から見ると、遅れをとることになってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 企業

2010年02月23日

雑感、オランダ連立政権の解消

直近の民主党内の動きで、原口総務相が目立ち始めています。年金積立金の運用に関して積極運用を主張し、また年金業務監視委員会を総務省内に設置、省庁を監督する立場にある総務省の権限を生かし、年金制度に強い関与を示しています。また国の保有する資産に関して、運用の検討を始めるとも。これは成長戦略の部分か、歳入不足に関する部分か、いずれにしろ国が積極的に『運用』を行うという、新たな形となるので、影響は幾つか出てきます。
先週末と22日の日経平均は全く様相を異にしました。これは欧州系CTA筋が先週の先物売りを、今週一気に巻き戻した影響です。つまり過剰流動性経済下、変動を大きくし易い要因がそこにあり、成長性を求めて新興国に投資をすれば、更に大きな変動に巻き込まれる懸念が出ます。投資マネーが集中し、成長速度を上げる新興国ですが、マネーの変動で破綻懸念に陥るリスクに、年金原資を充てる議論については、慎重さを求められる問題なのでしょうね。

オランダの連立政権が解消し、5月総選挙を控えて8月にもアフガン撤退を取り沙汰されています。この動きは日本の鏡像としても、興味ある内容です。即ち連立にしろ、政権の成立条件が変われば国際的な公約の変更を余儀なくされる。これは普天間の問題と重なってきます。
つまり現政権が前政権で約束した事柄を見直す、ということは国際的にも往々にして起こります。それが何故か日本では、有識者もメディアもそうした論調はない。これは政権交代をしても日本は一体であり、継続性を持つ、という考えを有するためです。広義の解釈では、天皇制のもつ一貫性が日本の大元であり、政治の様態の変化は日本国として、諸外国と対する上でも影響ない、と捉えられているためであり、これは多くの政治家も同一の見解を持つと見られます。

国際関係なので、必ずしも変更が利く話ではありません。ただオランダの動きは、たとえ相手がいても、自国の都合が政策、外交上も影響することを示唆します。欧州は小国が乱立する世界であり、外交の良い手本として、こうした動きを注視しておくことは、必要なことでもあります。
インド洋の給油支援活動も、大きな記事になることなく終了しました。これも日本にとっては、大きな外交上の転換点ですが、批判的論調をするメディアも、結果的にそれ以上の大きな記事に埋没し、報道を控えた形になっています。ただこうして外交面での変化は、やはり政権交代というものを通して行われる場合が多い、ということも考慮に入れておくべきなのでしょう。
普天間問題の決着は、まだ帰趨が見えませんが、少なくともベターやベストの議論ではなく、最善を尽くすよう努力する、ということが大事なことなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:39|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 欧州

2010年02月22日

脱税に関する2つの事件について

昨日の長崎県知事選、町田市長選の結果を受け、自民党が予算案を審議拒否です。こんな愚かなことをしていれば、自民党は必然的に衰亡します。確かに政策論争はメディアに取り上げられ難く、審議拒否や政治とカネの追及など、目立つことをしたい気持ちは理解できます。ただ候補者が政党名を隠し、選挙で勝利してもそれは党の行動を評価されたわけではないのです。今回もほぼ与党に対する批判票で無党派層が動いた結果であり、消極的な支持だったことを取り違えています。
特に今回は他の野党は同調せず、小沢氏の証人喚問など、ハードルが高すぎて着地点が見えません。審議に戻るに大義が必要、ただそれを与党が用意する必要はない、という極めて自民党にとって都合の悪いまま、審議拒否に突入しています。野党としての振る舞いを知らない、旧社会党系の古い政治しか見ていない政治家が、手法だけを真似て国会運営しているとしか見えませんね。

先の党首討論でも、谷垣総裁は鳩山首相の問題について、国民が「納税は馬鹿馬鹿しい」という気持ちを抱いていると表明していますが、普通の国民は追徴課税が怖くて馬鹿馬鹿しいどころでは済みません。そして、それほど政治資金規正法の厳格適用を求めるなら、政治資金を無税で後継候補に引き継げる仕組みを改め、課税対象にすれば良いのです。そうすれば土地保有の小沢氏の問題も、ある程度は国民の納得のいく制度になります。納税の義務を逃れた者たちが、納税に関して他人の懐を探ることへ納まりの悪さは、見ていて気持ちの良いものではありません。
そんな中、金融業界で2つの脱税事件がありました。1つはクレディ・スイス(CS)証券の元部長、社員がストック・オプションで得た自社株売買に伴う利益を、申告しなかった件。もう1つはシティバンク元幹部によるストック・オプションによる利益や、国外所得の無申告です。

ストック・オプション型の報酬形態は、金融機関の高額報酬が取り沙汰される昨今、益々拡大が見込まれます。また企業価値向上を促し易いので、導入企業も増えています。しかし報酬が金額に換算されず、報酬を得た時点で納税が確定しない報酬です。特に今回の手法は、海外で換金してその資金を国外で運用し、複利に利用していたものです。単純な脱税ではなく、国外で得た運用益に関しての課税も視野に、新たな基準と検討が必要な問題となってきます。
税収入が減少している折、低金利と過剰流動性という効果のある金融機関が、収益を確保し易い状況であることは間違いありません。そしてストック・オプションという報酬体型に見合う納税基準の構築も必要です。一つには物納、権利を国に収めさせるというもの。所得税なら1800万円以上で40%ですので、50%を目処に物納させる。現金より納税額が高いのであれば、こうした方式のメリットは低下しますが、企業として必要だと考えれば続けるので、双方が使い易い方式に改めることが肝要です。

どんな制度も複雑にすればするほど、抜け道も作り易くなります。政治資金の管理団体にしろ、ストック・オプション型報酬にしろ、不透明な状態で課税という困難さを伴うより、制度を簡素化して一律課税にした方が、この国の財政にも良い影響を与えます。菅財務相の消費税議論の前に、まだまだやるべきことが多い、という点を忘れてはいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2010年02月21日

長崎県知事選について

長崎県知事選が行われ、自民・公明が推す中村法道氏が当選しました。あえて政党色を消し、副知事の実績をアピールしたこと、自民・公明の支持層を手堅く固めたことと、無党派層の取り込みに成功したことが当選の理由のようです。与党3党推薦の橋本剛氏は逆に政権政党との結び付きをアピール、ただ支持基盤固めに失敗しており、この点が今後の選挙でも焦点になりそうです。

民主党支持層がどの程度利益誘導型の政治に馴染むか?これは支持基盤の有り様にも関わってきます。つまり自民党型の支持基盤であった業界団体も、一部は民主党支持を打ち出していますが、旧来の民主党支持基盤といえば組合です。組合員は官公庁からの直接の便益を受け難いだけに、利益誘導型の選挙では効果が薄い。つまり民主党が自民党型の選挙をするには、まだ政権交代してから日も浅く、逆にそれが旧来型の政治とのイメージを与え、マイナス効果も想定できるのです。
つまり小沢型の選挙はしっかりと支持基盤を固め、地道に票を固めるものであり、風は起こし難い。今のまま、小沢型選挙で参院選を戦えるかは、民主党内でも議論を呼ぶことになります。恐らく民主党としては、事業仕分けによる無党派層へのアピール、小沢氏の支持基盤固め、という両輪が強い選挙との思惑があるのでしょうが、後者が足を引っ張り、前者の利点を殺す結果を余儀なくされる可能性を、今回の長崎県知事選が示していると見ています。

最近、閣議後の閣僚会談より、省庁内で行われる閣僚懇が注目されています。前者は記者クラブによる従来型の会見、後者はフリーランスの記者も交えた、各省庁で独自に行う質疑です。こうした既存の記者クラブを形骸化し、骨抜きされることを恐れる動きもあり、メディアの小沢叩きは相当なものだということが、今回の政治資金規正法違反でも見られました。小沢氏が権力を握る限り、メディアが民主党に逆風を吹かす恐れを排除できない、という流れを与党も感じたでしょう。
小沢氏で参院選を戦えるか?しばらく民主党内はこの調整の動きも出るでしょう。ただ良いカードであり、予算成立よりも世論受けの悪い法案、その引き換えで小沢幹事長の辞任カードが切られるのかもしれません。ただその場合、失脚という形では後味が悪いので、参院選に向けた最大の功労者として処遇されるためにも、そのタイミングは小沢氏本人が握ることになるのでしょう。

今回で野党が勢いづくか?は今一つ不明です。公明党がみんなの党との連携も視野に動きだしました。比例を重視する2党だけに、ここが手を組むと、自民との調整は更に難しくなり、協力体制が築き難くなります。地方選では協力できても、参院選を見据えると様々な力関係が働きます。
政権交代という大きな風が吹いた後、次の風を起こすのはどこか?そしてそれがどう無党派層を取り込むのか?参院選まで半年をきりましたが、未だその帰趨は見えないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2010年02月20日

公務員制度改正とムダ削減

志位共産党委員長が言及した企業の内部留保課税、共産党は以前からこの内部留保を目の敵にしていますが、一義的には反対です。確かに小泉改革以降、企業重視の政策がとられ、それが労働者に還元し難い仕組みが出来上がりました。ただ業種や業態により、企業が内部留保を維持する理由は異なり、一概にそれに課税すると、企業は収益を海外から日本に還流しない傾向を強めます。
日本企業は増資などの国内で得た資金で海外進出、即ち工場移転、小売は店舗を出店させてきました。貿易黒字国であっても、投資資金は海外へ流出する、これがデフレ傾向を強める一因ともなっています。こうして国内で資金が還流しない循環にある時、課税強化をすれば更に資金は国外に流出するでしょう。抜本塞源でない対策は、検討の余地はあれど無意味なことに終わります。

国家公務員法等改正案が閣議決定されました。次官、局長、部長級を同一職制と見なし、新設される内閣人事局で一元管理し、降任をし易くする内容です。ただ内閣人事局の局長を、民間人も可能としていることから、郵政人事のような不透明な天上がりをなくすよう、付則を整備する必要を感じます。給与も引き下げる見通しですが、この辺りの抜け道をどう埋めるかが重要です。
枝野行政刷新相が98ある独立行政法人の見直しに言及しています。原則廃止、民営化や国有化を検討するとのこと。同様に総務省が18法人、74ポストの天下り枠を廃止する見通しを示しています。ただ例外を認めることから、今年度中とされる廃止が骨抜きされる懸念もあります。

公務員の人事制度、天下りや法人見直しは喫緊の課題ですが、予算と、省庁の外郭団体や組織を締め上げる一つの対策があります。それは内閣が、各省庁が独自に行ってきた宣伝・広告費を、一元管理することです。利点は3つ、内閣が制度の中身を管理できる、丸投げが多く中抜きすることで存続していた天下り団体を排除できる、そして予算への寄与度が高いことです。
官僚は受注業者から校正料を得る、資金還流が行われており、こうした予算も不要になります。全省庁で横断的に行えば、数兆円をまとめることが出来、尚且つ似たような内容を一つにまとめられます。一番はパンフレットを所定の役所、部局に配るだけで国民に制度を周知徹底されることなく終わる、今のムダな予算の使用方法を見直すことが可能となります。

本来、政治家が地元に戻った際、支持者などに制度を紹介し、口コミで拡大する方がお金の掛からない、最も良い宣伝方法です。そうすれば国民が政治を身近に感じ、寄付も集まり易くなるのです。今は陳情受付がメインであり、このため組織・団体献金がメインとなります。
制度の中身を政治家が知ること、これが霞ヶ関文章といわれる、難しい文言を駆使して制度を骨抜きしたり、使い難いものにしたり、ということもなくなるのです。制度の広告・宣伝という些細ですが、全てに跨る業務を掌握することで得る効果を、無視してはいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年02月19日

米国と中国とトヨタ

男子フィギュアで高橋選手が銅をとりました。嬉しい活躍ですね。

米国で公定歩合を0.5→0.75に引き上げました。米国では出口戦略ではない、と異口同音に表明していますが、中国の預金準備率引き上げとともに、利上げ競争に突入する懸念が台頭、アジア各国が弱含み、日経平均も下落しています。その米国ではオバマ氏がダライ・ラマと会談しています。
先の台湾への武器輸出で、報復的に中国は米国債を売りました。当然、保有残高や今後を見据えて影響を計る目的もあります。ただそれに米国はダライ・ラマとの会談で応えた。イラン問題を初め、経済で利害が一致しても、国際舞台では対立の多い両国の、今後の動きは要注目です。

トヨタ社長が米公聴会に参加せざるを得ないのも、米国は振り上げた拳の下ろし方を知らないためです。古くはベトナム、今はアフガンで米国は泥沼です。相手が首を垂れ、従順さを示せば寛容であるものの、抵抗する相手に妥協を知りません。このため徹底抗戦では泥沼、意にそぐわない行動をとる相手に、いつまでも拳を下ろさない。見掛けは大物ぶるが行動や中身はガキ大将レベル、これが米国と接する一つの行動指針であり、トヨタが今回失敗した対応の部分です。
ただトヨタが減産になると、日本のGDPが0.12%押し下げ、との試算が発表されています。英国では工場の操業停止が延長され、リストラが進むと云われ、米国のトヨタ叩きが世界に波及する懸念があります。トヨタは現地生産が多く、一面で中国などの出遅れた市場は弱みを見せるものの、先進国に普く販売網を完備しています。それをガキ大将の我侭で混乱させてはいけません。

米国は現在、中国には拳を振り上げていません。しかしダンピングなどにより、徐徐に中国製品に圧力をかけており、依存度を低下させればいずれ、ケンカ上等で中国との対立を深める可能性もあります。米国債も一定以上の額に達せば、双方がカードと出来ない弱みを握り合う形であり、無理やり市場に流通させれば双方が打撃を受ける諸刃の剣となります。
ただ企業は、米国との付き合いを見直すことが可能です。米国企業の決算発表を見ると、収益寄与率がアジア偏重の傾向を強めています。即ち米国内で今後、日本型の内需低迷が起きる可能性を示しています。国内で製造、販売する必要がない形が日本型であり、国外に工場を移転し、現地生産・販売というルートを確保する流れが、今後の米国でも起きることが想定されるのです。

MicrosoftのOffice2010が、今年前半に発売されることが発表されています。パソコン販売のコストの大きな部分を占めてきましたが、個人向け米国販売の価格がPersonalで149$とされます。現行2007より、かなりのディスカウントです。Googleの無償提供などもありますが、これも米国企業の販売形式に変化が起きた流れと見ます。米国が今後、デフレ傾向を強めるとまでは考えませんが、製造業の形が変わ莉始めたことだけは、間違いないのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2010年02月18日

欧米のソブリン・リスクについて

16日のEU財務相理事会でギリシャの財政再建計画を承認、追加策の導入示唆を1ヶ月先延ばしされました。また01、2年当時、米系金融機関との間でスワップ取引を行い、ユーロ導入時に赤字隠しをした疑惑も持ち上がっています。これを受けて資源価格、各国の証券市場、ユーロ高となりましたが、売り方が一旦手仕舞ったとの見方が大勢です。日経225先物を見ても、欧州系が大きな枚数を買っており、短期売買でユーロ売、株売をしていた層の巻き戻し、という見方を示唆します。
そして米財務省発表の昨年末の米国債保有残高で、日本が7688億$、中国の7554億$を抜いて1位となりました。中国は1ヶ月で342億$減らした計算です。米国債がじりじり上昇を始め、ドル高。これはリスクマネーへの転換という見方が大勢ですが、中国が積極的でなくなったことで、米国債は新たな買い方を模索する必要を生じています。度々不調を起こす米長期国債、FRBは購入を続けていますが、膨らみ過ぎたバランスシートの問題からMBS売却話が浮上するなど、不透明感も強めています。

欧州ではPIIGSが問題とされます。ただこれはユーロ導入国に限ったことであり、事情の異なる国が単一通貨を結ぶため、インフレ率や金利を自由に設定できない、そうした矛盾により起きています。しかし東欧では支援を必要とする国が目白押しであり、南欧の次は東欧で問題が発生する可能性があります。欧州全体としてみると、どの国も厳しい財政事情を抱えています。
スワップ取引が各国で行われているように、欧州各国は年金問題を抱えます。低成長時代には、運用を謳う保険や年金は、特に打撃を大きくします。これが高い利回りを求めてリスクの高いギリシャの国債、社債などに向かった原因であり、破綻は欧州全体に拡大する懸念を秘めます。また米国のヘッジファンド規制も、こうした運用を阻害し、高利回りを謳う年金には打撃となります。

ここに来て、中国の外貨準備政策の転換は欧米でも脅威です。米国の原子力政策が転換したことを好感する向きもありますが、CO2排出権取引の予算を削減する動きがあり、エネルギー政策でオバマ政権がどこまで積極的か、は懐疑的です。これも財政規律に舵を切らざるを得ない、オバマ政権の揺れの部分であり、米国債の信頼確保に前向きでなければならない、そんな事情が見えます。
米英に財政不安が飛び火するか、それが日本にも、そんな話もチラホラ出ています。日本が保有する外貨準備としての米国債は、利回りが1%を越えるので、数兆円の収入となっています。ただGDPベースで見ても、70兆円の外貨準備はやや持ち過ぎ、中国と同様に減少も視野に検討を進める必要があります。結果的に、誰が米国を支えるのかについて、世界は真剣に討議する必要に迫られるのでしょう。今起きている一連の流れは、世界経済を破綻に導きかねない内容を秘めており、各国が真剣に膝を詰めて話し合いをするべき段階にきていることを、示唆しているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 海外

2010年02月17日

党首討論と民主党と自民党

党首討論が行われました。本題の前に、民主党が支持を減らすのは、政治とカネの問題ではありません。一部の議員を除き、政治とカネの問題では自民党よりクリーン、国民はそう見ています。
五輪を見ていても垣間見えるのは、日本人は過程を大事にし、結果には拘泥しない姿勢です。つまり高い目標を掲げ、それに邁進し、努力する態度を美しいとして賛辞を送ります。民主党が掲げたマニフェストは高い目標であり、個人的には半年やそこらで結果を導き出せるものではない、と考えています。しかしこれから将来を見据えると、普天間、年金など、それに至る過程で妥協案に逃げたり、弱気な発言を繰り返すことで、将来的に民主党で改革が出来るのか?そのことに国民が不安を抱き始めたことが、民主党の支持率に跳ね返っていると見ています。

英政治家は「およそ事業をするのに必要なのは、する力ではなく、それをやり遂げる決心である」という言葉を残しています。意志なき処に道はない、という言葉もありますが、閣僚などの発言に国を導く強い決意が感じられない。年金、医療、保険、公務員制度、あらゆるものが機能不全を起こしており、明治維新以来の改革が、小幅な改変に止めては、政権交代をした意義が薄れます。
自民党時代は甘い現状認識、見通しで多くの問題を先送りしました。外交では波風立てぬよう振舞うことで、国際社会の地位を低下させました。民主党の問題は、この国をどこへ導くか、その決意を強く言葉や態度で示せるかどうかです。結果として失敗することもあり、達成できないこともあります。しかし国民はそうした失望より、今は努力の跡すら見られず、誰も幸せにならない結論を導こうとしていることに、信を失っているということを忘れてはいけません。

一方で自民党は、他人の足を引っ張り、タナボタを得ようとするような戦略が目立ちますが、これでは凋落の一途です。自民党に政権が戻れば、どんな国にするかの具体像も描けず、一度否定された国の形に拘っても変革の兆しは見出せない。古い議員ばかりがTV中継のある予算委に出てきて、新聞や週刊誌で読み齧った知識で質疑をしても、竹林の清談ならぬ縁側の政談でしかありません。
そんな中の党首討論も、予算委の延長でしかありませんでした。予算の恒久財源を問うても、春からの事業仕分けの成否により決まるので、今が責め時ではありません。結果として政治資金規正法に前向き、後ろ向きだけはハッキリしたので、自民党にとってはマイナスの印象です。

これまでの政局で見えたこと、それは未だに立ち居振る舞いだけは、与野党とも総選挙前と同じ、民主党は調整型で右往左往し、自民党は空威張りするが中身はない、ということです。民主党は胸を張り、目標に向けて邁進する姿を、自民党は健全野党として、政策論争を。それがなければ数年後には、両党とも党首討論の場に立てない、そんなことにもなりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年02月16日

雑感、北朝鮮の動きについて

スピードスケート男子500mで長島選手が銀、加藤選手が銅をとりましたね。バンクーバーはメダル無し、なども一部で囁かれていたので、嬉しい限りです。国母選手の問題が国会でも取り上げられていますが、品格が強調される現在ですが、少なくとも怒らせようとする、無神経に怒らせようとする会見や、無理やり謝らせることをせず、競技に集中させてあげるべきなのでしょうね。

北朝鮮では金正日氏の満68歳の誕生日です。祝賀行事や報道でも慶祝を煽りますが、内情はデノミの失敗で経済は混乱、通貨の信任が崩れています。通貨価値を100分の1にし、報酬は維持。モノの価値が上昇したために、低賃金労働者は生活に困窮、富裕層も紙幣を交換できず、一気に生活規模を縮小、経済は緊縮傾向となっています。しかも人民元との交換比率も上昇、輸入物価も上昇しているので、二重、三重に人々の生活を苦しめる事態となっています。最悪であるのは餓死者が出ていること。これは生産性を低下させ、国力を減退させます。
体制維持が金正日政権の最重要課題のようですが、仮に崩れると周辺諸国に波及します。以前、韓国が併呑するにしろ経済傾斜が激しくなるので難しい、としました。今の韓国は経済が好調とはいえ、ウォン安誘導のための介入を盛んに行っていると見られ、国家的な余裕は更になくなっています。体制崩壊は韓国のみならず、6カ国協議参加国全体に波及する重要な問題です。

中国高官が北朝鮮入りし、協議したものの6カ国協議復帰の目処はついていません。まだ余裕あるという見方も出来ますが、余裕がないために協議復帰できないと見ることも可能です。軍事大国化し、米国との妥協を引き出そうとしたものの、オバマ政権の目は北朝鮮に向いておらず、計画は頓挫。米韓が融和路線を転換した中、北朝鮮は打開策を見出せない状況なのだと見ています。
このまま各国が支援を拒否すれば、早晩北朝鮮は内部から崩壊します。ただそれで全てが上手くいく訳ではなく、悪影響を考慮し、事前に策を準備しておくべき段階にあります。GDP等は計り難い面もありますが、人口2千万人程度、農業基盤が崩れているので、食糧支援だけでも相当量に達します。

内部で暴動が起こる可能性、と報じる記事もありますが、軍事傾斜の強い国では軍がどう動くかにより、暴動の成否は決定します。今のところ、軍が動く気配は漏れ伝わりませんので、今後そうした記事が出てくれば、本格的に金正日体制崩壊の足音が聞こえることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 社会

2010年02月15日

10−12月期GDPについて

閣議決定を先送りされた国家公務員法等改正案、人事面で次官、局長級と部長級を一体として扱うことで、降格人事をし易くする方向で調整が済んだようです。ただ条件面は依然、厳しい内容として残っており、振れない大鉈になってはいけない、ということなのでしょうね。

10-12月期の実質GDPが1.1%(年率換算4.6%)、名目GDPが0.2%となりました。7-9月期がマイナス改定され、ほぼ0%となったことも押し上げ要因です。個人消費は前期比0.7%と堅調、設備投資がプラス転換し、輸出入も好調を維持できたことで、高い成長を維持できた形です。
ただGDPデフレーターは前年同期比-3.0%と、デフレ傾向を鮮明にしており、極めて厳しい状況です。しかも好調な10-12月期GDPも、供給側の数字がのる改定値ではマイナス修正が確実視されています。09年通年の実質GDP成長率も-5%となり、日中の名目GDPが09年で約2千億$程度の差となりましたが、改定値ではこれが逆転しているかも知れません。2次補正が可決され、現状切れ目なく景気対策が出ますので、1-3月はソコソコ維持できると見ますが、将来的に安泰な訳ではありません。

1つは住宅投資、2次補正で住宅へのエコポイントがつくので、若干プラスで推移と見ることも可能です。ただ大きな支出を伴えば耐久財の購入が減りますから、エコポイントがつく家電に一巡感が出る中で、個人消費への影響を考慮する必要があります。輸出もユーロ安が進み、ドル安は米政府やFRBの出口論で一旦止まった感じもありますが、外部環境が影響し易くなっています。今はアジア向けが増えており、目先人民元の上昇というプラス要因はありますが、円相場への影響も考慮すると、必ずしもプラス効果のみを織り込んで良い、と言うものでもない点は注意すべきでしょう。
2番底懸念は遠退いた、とも云われますが、私は外部環境次第で充分にあり得ると考えています。今はギリシャ問題にしろ、口先介入のみで具体策はない。ドバイも同様、本格的な対応は先送りです。問題の対応が1日遅れれば、負債を抱えた企業、国はそれだけ損失を大きくします。それなのに抜本対策がない、というのは憂慮すべき事態であり、決して楽観してはいけない段階です。

今、経済面ではギリシャのような問題が英・米に波及するか?というのが最大の関心事です。確率論で言えば5割より大きな率で、あり得ると断言できます。それは両国とも増税議論が封殺された中、国家債務の悪化が続いており、景気回復の果実は依然、実感できない状況だからです。
大きな景気の転換点を迎えたにも関わらず、未だに本格的な改善にはどの国も踏み出しておらず、このまま景気が上向く、と考えるのは楽観に過ぎます。日本の10-12月期GDPを押し上げたのは、各国の景気対策の効果であり、その間にどれだけ各国の財政が悪化したか、ということに置き換えると大変な数値になります。多少経済を下押ししてでも、持続的成長を成し遂げられる方策を見出す、そのことが世界に求められており、日本にも必要なことなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2010年02月14日

取調べの全面可視化議論について

産経ニュースの記事が気になったので、今日は警察、検察の取調べ全面可視化について考えます。確かに小沢氏の一件で、殊更にこれを主張し、検察への圧力とするような動きは誤りです。しかし本質論として、全面可視化の持つ意味を誤解した記事が、「小沢不起訴でみえた『全面可視化』のナンセンス」として掲載されています。

まず昨日も取り上げた郵便不正事件、取調べで検察が通信記録があるとし、それならと被疑者が連絡したと供述しています。しかし実際に通信記録はなかった。検察官から理詰めで「こう証言しているが、こうした事実がある」と問われ、何時間も聴取された人間が「そうかな?」と考えてしまう。この傾向は足利事件でも同様であり、人間は喩えそれが自分で行っていなくても、自ら記憶を改変させ、都合よく記憶を事実に合わせて捻じ曲げてしまう傾向があります。
記事中では「害悪」として、取調べでは罵詈雑言、脅迫などはいけないとしながら、恫喝も必要とします。可視化が導入されれば、被疑者の発言が抑制的になる、という論調も用いています。しかしそれは被疑者側が証拠採用を拒否すれば良いのであり、必ずしも公判採用されるとは限らないものです。同様に、弁護士の接見も可視化する議論が必要、と述べています。しかし証拠採用が前提の供述調書、その採録に関して記録する行為と、接見とは全く事情が異なります。接見で行われる「入れ知恵」が問題、としていますが、取調べに弁護士が立ち会わない日本が、米国と比べて何十年も科学的捜査の面で遅れていることを考えると、その何が問題かと問いたくなります。

こうした検察側を代弁したような記事を載せるので、検察とメディアの癒着が取り沙汰されるのです。小沢氏が不正を犯していた可能性と、取調べの全面可視化は全く異なる議論であり、推定無罪の原則からも証拠なしで、犯罪者のように語る点はメディアの姿勢としても誤りです。
そして公務員制度改正でも同様ですが、情報が透明化されることに反対する人間は、総じて後ろ暗い人間だということです。検察が正しい取調べをしているなら、むしろ可視化され、それを公判で用いた方が余程便利で都合よいのです。一日十時間も取調べ、そこで作った供述調書にサインさせ、証拠採用しても公判で覆されることが多くある。それは調書のとり方に不正があり、問題あると考えられているためであり、公判もそうした方向で進み易くなるのです。
全面可視化は、真っ当な取調べを行う上でも検察にとって必要なものです。それを証拠採用するかどうかは別として、冤罪事件を減らすためにも必要であり、それを拒否する検察官が多い、という時点で検察不信が正当化されることにもなるのです。メディアが世論をミスリードする目的で、今回の記事が書かれたとするなら、これはとても不幸なことなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | 司法

2010年02月13日

日米のメディアの違いについて

昨日の政治とカネの集中審議で、与謝野氏が指摘した鳩山首相の『母親に金を無心』について、今日になり邦夫氏が微妙に発言を修正しています。事情を推測すると、自民党の調査委で、邦夫氏が自らの正当性を強調する意図で、こうした表現を用いたものでしょう。ただこれは永田メール問題と同様の曖昧さがあり、事の信憑性も曖昧な話だと自民党側も気付いていたはずです。それでも取り上げたのは、仮に虚言であっても、党として責任をとるのは邦夫氏のみで済む。離党を匂わす邦夫氏の首を切ってでも、材料が欲しかった自民党、ということになります。
一方で暴露され、困ったのは邦夫氏です。鳩山家の母親の気性から、兄弟が相争えば正しい方につく。つまりウソをついた者が窮地に陥ることは自明です。しかも母親が証人喚問にでもなれば、困るのは邦夫氏。そこで発言を修正せざるを得なくなり、今日の会見に及んだ。党から切捨てられ、党内の立場もない自分の境遇が、今回の件でもよく自覚できたことでしょう。

トヨタのリコール問題で、カナダやトヨタ工場をもつ州知事が、反論を掲載して話題になっています。米国らしい反応ですが、米国では、政治やメディアが一方通行の報道に靡くと、こうして強く反発する意見が出てきます。日本では、一方に報道の流れが傾き始めると反論は封殺されます。
違いは自己主張が強く、ディベートを旨とする米国では、反論が出るのは当たり前という風潮があります。なのでメディアもそれを排除しませんし、利権者と知りつつ、自社に都合が悪くてもそれを報道します。しかし日本では挙国一致、長いものに巻かれる風潮があり、反論は排除されてしまいます。これにより大勢には逆らわず、反論も起こり難い風潮が生まれます。このため報道が一方に傾き始めると、それをなぞるように報道姿勢が各社一致する態勢が生まれます。

障害者団体向け割引郵便制度を悪用し、民主党議員からの口利きで、偽団体に証明書を交付したとされる事件、この件も公判の先行きが分からなくなってきました。証言を翻し、かつ事実を検察側が捏造したことも暴露しています。捜査段階でかなりの事実を捻じ曲げ、検察側が虚構で作り上げていた構図を明らかにした形ですが、当時のメディアは犯罪一色で染まっていました。
地検が総選挙前に、民主党議員を狙った事件は二つ、西松献金事件とこの郵便不正事件です。まだ判決も出ていませんが、両者とも公判が検察にとって不利になったことは間違いなく、何だったのか?という疑問も湧きます。そしてメディアの姿勢として、当時も検察情報を鵜呑みにして流し、世論を有罪で引っ張ったことも、同様の問題として指摘できるでしょう。メディアが大同団結し、犯罪を作り上げていく構図を改めなければ、いずれこの国は大きな失敗をすることになりかねません。この辺りを意識し、報道に目を向けていかなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:40|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | 社会

2010年02月12日

政治と五輪はともに『まつり』

バンクーバー五輪関係で、スノボの国母選手の服装が批判されています。日本では未だに『健全な肉体には健全な魂が宿る』という言葉を平気で使う人がいます。しかしこれは、ローマ時代の詩人ユウェナリスがこの言葉の後に『べき』と続け、批判的に用いたことが初出、むしろそうでないことが多いという意味です。心技体を用いる人も同様に、願望の部分でもあるわけです。
あらゆる競技でも、強者とは勝利に執着する者です。朝青龍にも繋がりますが、利かん気の強さが勝負強さでもあり、勝ちを積み重ねました。五輪に勝利を望むのか、国の代表として恥ずかしくない態度を望むのか、それは人によりそれぞれです。しかし選考基準に『人柄』が含まれない中、後付で体裁を取り繕っても意味はありません。五輪は『祭』という意味において、正装やメディアへの応対を今更問うてみても、意味のあるものではないのでしょうね。

国会では政治とカネを巡る集中審議です。ただ野党から新規材料が出るわけではないので、非難合戦に終わります。声を荒げ、相手の非を鳴らすぐらいしか、することもないからです。
国家公務員法改正案の閣議決定が先送りされました。従来のように、官僚に都合良い内容の法案を、閣僚が知りもしない内に閣議決定されなかった、という意味においては評価できますが、逆に法案を書ける議員が民主党には多い中、なぜ官僚寄りの法案だったかは精査する必要があります。
自治労などの支持母体、官僚への配慮等を民主党が考え始めると、次の選挙は確実に敗北します。この時、自治労とも結びつきの強い小沢幹事長が調整役となり、国民が納得する法案とすることが肝要です。つまり今は小泉改革の失敗で、国民は法案の中身を注視する傾向にあり、看板のみで中身が乏しい法案では、結果的に批判の対象となる、ということを意識すべきなのでしょう。

1976年にロッキード事件のもみ消しを米国に依頼した、との公文書が米側で発見されました。当時は共産主義の台頭や野党第一党が社会党であるなど、政権交代への危機感が、米政府に対し政府高官名のもみ消しを行う理由、とされます。しかしこの背景には、何らかの見返りが存在したと見られ、結果的に政府与党の失態を、日本として担保した形となってしまっています。
当時と現在は政治情勢が異なりますが、与野党の対立はかつてのようです。審議拒否や汚い野次、先祖返りの体を為しており、まともに政策で戦っていません。政治は『まつりごと』とされます。正装やメディアへの態度云々の前に、国としてのきちんとした形、国民にどうこの国を勝利に導くのか、という指針を示す政治が、真の意味で勝者になると知るべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2010年02月11日

経済の話。2月SQについて

明後日から始まるバンクーバー五輪。どうしても南北アメリカ大陸で行うと、日本への生中継は夜中から午前、という形が多くなります。視る機会は少なくなりますし、今回はテレビ局も赤字覚悟の中継、と伝わります。高騰する放映権料と同時に、今回は雪不足で、それに伴う施設の維持管理費など、五輪が商業的には難しくなってきていることが伺えます。
米首都ワシントンは111年ぶりの大雪です。暑い時は企業コストが上昇しますが、寒い時は行政コストが上昇します。雪運搬費用と除雪費用等の負担、蛇行する寒気の仕業とはいえ、カナダとアメリカ、五輪開催委も行政には違いありませんが、両国には似て非なるものの大きな負の遺産として、今回の天候は効いてきそうな気配です。

少し株式市場を中心に話をしてみます。明日は2月SQですが、SQ前日が休みは10年ぶりぐらいだそうです。今回、波乱の予測が早くからありましたが、1月SQを10800円弱でとっているため、今回1万円割れでとると買い方には相当に厳しい内容です。更に均衡点が高く、今週に入り売買が細っているため、ポジションの組み換えが遅れた面が否めません。マイナーSQですので、ギリギリ波乱は回避との見方もできますが、3月SQに向けての組成替えが今後、起きる可能性もあります。
国内投資家は2〜3月にかけて買いが細る傾向にあります。3月決算期末の企業が多く、損出しする必要があるためです。バーゼル規制に向けた、持ち株解消の動きも継続すると見られ、株価上昇の恩恵で持分が増えていたように見える持合も、売り向かうことが考えられます。

今回のSQでは米系の傾きが大きく、売り買いともに撃ち合いの様相を呈しています。ギリシャ救済も、短期では好感できても、今後は新規の流動性供給策を、どこかが提示しなければ市場の上昇余地も限られます。大きな流れとして、そうしたことが出難い点も弱気相場入りを示唆しています。
200日移動平均線割れ、雲下限、乖離率なども短期の材料ですが、大きな枠組みとして流動性を見ておけば、市場の動きはほぼ掴めるでしょう。米FRBの住宅ローン担保証券買取終了など、確実に起きる流動性縮小の流れ、これを転換できる時が上昇波動入り、そうでない限り長期の流れとして、下落トレンドに入ったと見て間違いありません。今のところ、超長期の流れとしては未だ下落トレンドにある、という点において次の上昇波動を読むには、明確な底打ち点を確認する必要があるのです。

一度大きく膨らみ過ぎた経済は、実態に合う水準まで屈んだ方が、次の景気循環に入り易い、というのが私の持論です。今回、拡大に拡大で対応したため、更に底を見に行く可能性を否定し切れない、ということが大きな問題となっています。欧州PIIGSの問題にしろ、着地点を見出せなかった時の対応については、しっかりと検討しておかなければいけない環境なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2010年02月10日

政局と行政改革

枝野氏が行政刷新担当相に就任しました。今回の件、メディア的な捉え方は二つあります。鳩山首相の小沢幹事長離れ、それを見え透いた手法だとする批判、です。珍しいことに、民主党にプラスとなる前者の見解をとるメディアが多く、これも先に展開した小沢叩き、民主党批判に対する巻き戻し、という見方もできます。ただ穿った見方をすると、喩え民主党にプラスとなっても小沢叩きさえ出来れば…というメディアの危機感も透けて見えると感じます。
小沢氏の事情聴取後の記者会見、突発的にセットされたため、フリー記者がネットにライブを流す形になりました。形骸化する記者クラブ、小沢氏の持論であるこの部分に、メディアも戦々恐々です。鳩山氏が小沢氏を遠ざけ、それにより支持率が回復することで更に小沢氏を追い込みたい。かなりの極論ですが、小沢幹事長の留任が決まってすぐだけに、民主党の動きと呼応するメディアの態度、その豹変ぶりには若干の違和感を生じさせますね。

読売が紙面でみんなの党に言及しています。先の衆院選でも、獲得議席数は少ないものの、共産、社民に勝る得票を得ており、第三極としての存在感を増していることは間違い有りません。逆に、それだけ行政改革を国民は切望しているのであり、渡辺喜美代表の掲げる改革路線は、国民に受け入れられ易い主張となっています。現在は少数政党であり、個性がそのまま反映されますが、大所帯となれば主張も変わります。それまでは第三極として面白い存在となるのでしょう。
自民党の支持率が上がらないのも、石破政調会長が質疑で「知っているから答弁はいらない」と、訳知り顔で語る点にも現れます。何十年と政権党であり続けた自民党議員が、内情に詳しいのは当然です。しかし民主党叩きに躍起で、無知を曝け出させたり、混乱を演出する方向で国会を運営しています。しかしこれでは仮に自民党に政権が戻っても、行財政改革は後退するというイメージを国民は抱き続けます。なぜなら現状の閉塞感は、自民党政権が生み出したものだからです。

むしろ健全野党として政権に協力し、行財政改革に手を貸すことで、国民に改革姿勢を示せるのです。そこで民主党が改革に後ろ向きであれば、その点を追及する。こうした姿を示せない限り、自民党の浮上はありません。次の参院選、今のままでは自民党にとってヒドイ結果になるでしょう。
逆に、枝野氏がついた行政刷新担当相はそれほど大事なポジションなのです。鳩山氏が早く…と語ったのは恐らく本音でしょう。鳩山政権の支持率が40%台を維持できるのも、行財政改革に前向きとの見方があるからであり、ここに軸足を置けば、支持率回復も現実的に起こってきます。

最近の政局で少し意外だったのは、みんなの党が自民にすり寄り始めたことです。民主党の支持が落ち始め、政局を睨んで次期政権入りを目指す動きですが、今の自民に行政改革を推進する力はありません。それは旧態勢力が依然、力を持ち続けているからであり、今の態度にも端的にそれが出ています。保守の大同団結、という声もいずれ聞こえてくるのでしょうが、その中心勢力が何れにあるか?それはまだ先の読みきれないものでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年02月09日

石川議員は進退について

民主党・石川議員が離党も辞職もしないと公言しました。議員辞職をする必要はありませんが、離党は5分5分の判断と考えます。まず野党3党、自公みが議員辞職勧告決議案を提出しています。案文中に「重大な違法行為が明らかになった」とありますが、原則は推定無罪であり、起訴は段階に過ぎません。「立法府は自浄作用」と言うならば、それこそ政治資金規正法を国会として「政治家の高い倫理性と廉潔性」を示すものと出来るか、それを話し合うべきです。
今回の裁判の最大の争点は『悪質性』の判断です。検察が裏献金を持ち出せば、悪質性はそこを巡り議論されますが、公判を維持できるだけの材料は無い。あれば小沢氏を起訴しているはずだからです。むしろ裏献金が争点になれば、石川氏は無罪を勝ち取る可能性が高くなります。修正申告で済むか、有罪とするだけの材料か、それが判断の分かれ目だとも言えるのです。

仮に辞職勧告が決議されても、法的拘束はありません。ただ政治家の名誉、という意味において瑕がつくことは間違いなく、民事面の影響は出てくる可能性があります。政治家が民事で他党と争うことはほとんどありませんが、辞職勧告決議案を見る限り、すでに有罪を受けたかと誤認させる内容があり、この点は後に問題が出てくることもあるのでしょう。
離党は政党判断ですが、民主党では無罪想定をしていると言うより、議員になる前の問題だからとしています。しかし有権者への正しい情報開示として、立候補者の学歴などは厳しく規定されています。つまり議員になる前の犯罪歴、として今回の事例が当たるかどうかです。
現状、有罪でも執行猶予がつく公算が高く、この場合法的に議員辞職せずとも問題ない、という見方もできます。ただ政党に属したまま議員が有罪判決を受ける、というのは事例が少なく、この辺りの政治的判断を考慮する必要があります。今回は政党助成金の一部を議員として受け取れなくなる、そうした石川氏の事情を考慮したものと推測され、この辺りは政党としての温情と、有権者の抱く意識との問題になってくるのでしょうね。

話は変わりますが、北朝鮮で実施されたデノミにより、対人民元で北朝鮮ウォンの価値が、10分の1になったと伝わります。自由に取引されない北朝鮮ウォンが、通貨価値を下げることは、ほぼ経済が破綻していると見て、間違いないのでしょう。背景にはインフレ、経済混乱も語られますが、国家が固定レートで維持できない点はより重要な示唆を与えてきます。
直近の問題ではありませんが、そう遠くない時期に北朝鮮側から、何らかの問題が出てくることが想定されます。支援要請がされるのか、6カ国協議復帰で見返りが求められるのか、それとももっとドラスティックな変化が訪れるのか。重要なタイミングが近付いているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2010年02月08日

政治家の資産公開について

キリンとサントリーの統合交渉が決裂しました。非上場企業の方が、企業価値を低く見積もられるため、こうした交渉では上場企業による買収、という形が一般的です。一方でサントリーは創業家一族が強い。統合比率が1対1では創業家一族が強くなり過ぎる、1対0.5ではサントリーが不満、1対0.7弱辺りが落としどころとみられていましたが、歩み寄りはなかったようです。
グローバル化による成長もいずれ終わりが来ます。拡大しない市場ではシビアなシェアの奪い合いが起き、企業の優勝劣敗が鮮明となるので、経営者の手腕が今以上に重要となります。統合効果は寡占化と世界市場との競合、という面で大きなメリットのあるものだったのです。ビールに準えて『泡』と消えた今回の統合、今後の経営戦略は早めに示すべきなのでしょうね。

まず小沢事務所の政治資金規正法違反に関し、冒頭陳述で水谷建設からの5千万円に関する検察側言及がある、とする元検察関係者がいます。ただ起訴状を見る限り、それは有り得ません。立証に検察側は水谷元会長を求めても、弁護側は鹿島を初めとした反証が可能であり、明らかに分が悪い。幾ら心証面の問題とはいえ、ここが崩れると事件の構図全体を再構成する必要を生じます。
石川議員の元秘書や、同席したとされる人物も、裁判には出て来ないでしょう。証言に歪さが出れば、裁判官の心証を悪くしてしまいます。この事件は初めから歪なので、検察が暴論に打って出る可能性はありますが、立証できないものを空論のように語っても法的には無効です。検察の行動に信憑性を与える証言が、これほど少ない事件では、検察も諦めるのでしょう。

衆院議員の資産公開が行われました。タンス預金は公開されない、という問題点を巡り、幾つか見解が語られています。ただ流動性のある普通預金やタンス預金、集計時点で資産を隠してしまう可能性を排除できない限り、どう規制をかけても同じです。つまりもう土地取引や株、債券を売買するのが難しくなっているため、大きな資金移動がなければ今回の小沢氏のように、全てを浮かび上がらせることはほぼ不可能です。法律で網をかけても、公開に至るには高いハードルがあります。
政治家が宗教法人、公益法人などの税法上優遇されている組織に属さない限り、収支を見る基本は納税額です。それと政治資金管理団体の収支に透明化を図ること。鳩山家のような資産家でない限り、政治家になった後の蓄財を見抜くには、これしかありません。それなのに政治資金規正法がザルであり、相続税がかからず子女に引き継げたり、不透明な収支を見抜けないなど、幾つもの問題が発生しています。この点を改めない限り、国民の不審は消えません。

政治家の資産は全て公開、と言うのは簡単ですが、現実に即さない提案では法律になはなりません。人は10億円の資産があれば百万円に無頓着、日日の暮らしに困窮すれば百円からでも収支が気になります。政治家という一人一人の基盤が違うものに、一律の基準を当て嵌めるのは、最初から困難な作業なのです。まずは政治資金規正法の抜け道を出来るだけ潰すこと、その上で脱税や利権構造を改める、まずここから始めるしかないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(5)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2010年02月07日

G7が閉幕

カナダで開かれていたG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)が、声明ではなく議長総括という形で閉幕しました。非公式会合という形で、今後は運営される見込みですが、実質的な経済政策はG20へ移し、G7は先進国としての理念や経済財政の仕組みを語る場、として残るようです。

しかし既存の経済学で、現状の実体経済を救うものはありません。行動経済学や複雑系経済学、前者は心理学と、後者は複雑系の科学との強い結び付きを持ちます。これらは新たな仕組みを構築するのではなく、二つの分野を融合させ、新しい理論として発表されたものです。こうした統合理論を導き出すようなときは、学問分野として行き詰まりを感じているときです。
一言で表現すると、現在は管理型経済への移行期に差し掛かりつつあります。米国の新金融規制、欧州の財政不安、広くは米国自動車業界、日本のJAL、より大きな資本による関与により、適正水準まで縮小してから出直しが始まります。つまり今は適正でない規模に膨らんだ経済を、管理することで計画的に縮小させるために、各国が知恵を出し始めた、そんな動きが起きているのです。

市場原理主義が崩壊し、理性と知性が試されている、という意味ではG7は非常に重要です。G20は今動く経済、G7は先にある経済を語る場、ということで声明を出さない点は一定の評価ができます。先の円安発言、就任後間もない菅財務相のデビューを心配されましたが、慎重な発言で大過なく通過できたようです。ただ逆に、日本からの積極的な提案も控えられたようです。
管理型経済の場合、管理する側の信用力が最大のポイントです。問題は日本の財政であり、ここに早急に手を打たねばなりません。特に管理型経済下では、需要は減少することが見込まれますので、日本のような外需依存型の経済を築き、内需は歳出に頼るという構図を転換させる必要があります。菅財務相は経済も担当する閣僚であり、日本に戻ってからやることも多いのでしょう。

日本市場は一月後半から欧州系が若干弱く、それを日本の個人投資家や米系が支える構図です。1万円割れが視野に入りますが、不安はポジションの組み換えが遅れた層の見切売り、ここが大きいと2月SQは安くとってくる可能性があります。トヨタ問題など不透明感が強く、業績発表も一巡、米雇用統計も悪く、当面は高値を目指すための外部環境も整いません。米国市場もダウ1万$割れを防ぐ買いが入りましたが、警戒レベルが高い状況であることは、間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(0)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 海外

2010年02月06日

雑感、節分を境に変わったメディア

今週のメディアの動きはとても興味深いものがありました。検察が小沢氏の不起訴を決めたのは、恐らくタンス預金が相当量あり、裏献金があろうがなかろうが、土地購入は可能だったことが背景にあるのでしょう。ただ水谷建設元会長からの5千万円、という検察リークを信じ、報道していたメディアは起訴状を見て急転直下、梯子を外された形で、扱いは小さくなりました。
代わって朝青龍引退をトップ記事にし、これまでバッシングともとれる批判を繰り広げていたメディアが、一転して歓迎ムードです。これは潔い態度を好感した、去る者を称える日本式の考え方、という以上にタレント・朝青龍の商品価値に、メディアが色気づいたためです。前者の失敗を隠す、ちょうど良い素材として『早過ぎる引退』を取り上げた、という背景もあります。

メディアがいい加減、というのはよくあることです。共同通信の調査で、小沢氏の幹事長辞任を求める声が72%を越えました。恐らく野党は国民の声を背景に、証人喚問を求めるでしょうが、参考人招致で堂々と反論されると、野党はとても苦しい状況に陥ります。国会の場でも、野党から新規の材料が出ない点を見ても、この件で責める材料は野党にも存在せず、禊が済んでしまえば大手を振って国会運営が可能。逆に、どちらにとってもカードとしては切りたくもあり、切りたくもない、という微妙な問題になってきているのです。
しかも世論も、検察の態度が豹変したことに気付き始めると、調査結果も変わってきます。メディアも依然、嫌疑不十分である点を取り上げる場面がありますが、事件として秘書3人が起訴されており、シナリオに余程の変更がない限り、小沢氏まで波及する可能性はほぼなくなっています。新規で証拠が出れば別ですが、それも判決が確定するまでであり、事件として検察の捜査は終結しており、グレーであっても終わり。メディアもその点を弁え、扱いを小さくしているのです。節分とは元々、季節を分ける立春、立夏などの前日をそう呼びました。メディアの態度が節分を境に変わったことだけは間違いないことなのでしょう。

政治資金規正法の改正についても、国会が動き始めそうです。個所付けに関しても、国会が紛糾していますが、自民党のとる行動はどうもチグハグです。政治資金規正法をザルのまま放置したのは、自民の責任です。未だに企業献金に色気をもち、改正に消極的では世論の支持も得られません。そして個所付けにしても、自民支持層がリークしたようですが、早くも自民党時代にも行われていた、とメディアが一斉に伝えており、責め所としては窮屈すぎます。
自民党が行うべきは、世論の声を吸い上げて国会に持ち込むこと。その一点しかありません。世論の動向も時間軸の問題で、小沢氏の幹事長留任を追認する可能性が高くなります。国会の場を正しい論戦に持ち込むためにも、与野党が節分を境に心新たにし、国民に向かった政治をすることが、今は求められるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | 政治

2010年02月05日

トヨタのリコール問題と世界同時株安

トヨタのプリウスのブレーキに不具合があるとの問題、幹部の危機管理能力のなさには呆れるばかりです。三菱自が先に危機的状況に追い込まれたのは、抜本的対策を公表せず、問題をズルズルと引き摺ったため、企業不信がその時間の間だけ高まったことによります。会見するなら、顧客の感覚の問題にすり変えるのではなく、こう対策を打つと発表するのが安心感に繋がります。
今日の豊田社長の会見も、トヨタは海外ADR含めて3兆円が消えたとされ、慌てて会見をセットしたのでしょう。そしてこの問題は、現在世界で起きている同時株安とも繋がります。欧州ソブリン債リスク、米社債を上回る利回りとなり、今後も拡大する国家の負債に対する利払い負担も、重く圧し掛かっています。企業と国家、資金調達における二つスタンスの違いがそうさせます。

現在、過剰流動性により企業は社債発行が容易であり、資金は潤沢。このため楽観見通しが拡がり、景気指数などは好調に推移しています。企業は得た資金を新規事業や設備投資に回し、新たな収益を模索します。しかし危機的と指摘される国は、膨らむ歳出を賄うための借り入れを拡大しており、どこかで改善、転換させなければ、いずれ破綻するビジネスモデルを築いているのです。
ポールソン米前財務長官が、その回顧録で08年当時、2F(米住宅ローン企業)をロシアが売り込もうとしていた、と暴露しています。グルジア紛争の最中、米国の混乱を狙ったものです。そして現在起きているのは、米金融規制に伴うヘッジファンドの見切り売りとの見方がされます。

今回の同時株安も、スペイン大手銀の急落が原因とされます。あるポジションで組成していたファンドが、時価総額を切る、格下げになる、等でポジションを落とさざるを得ない。そこに金融規制による不安、またバンカメ提訴など不透明要因が重なり、解約が相次いだ。トヨタ急落も環境型、大型株等のファンドで組み込まれる代表銘柄であるため、売り叩かれて市場が萎むと、必然的に他の銘柄や市場に波及する問題となってくる、ということになります。
トヨタの問題は一部に過ぎませんが、国家債務は重症です。ロシアは一例ですが、金余り状態で収益を見込む場合、売り建ても当然視野に入ります。株式は売りに規制があるので、財務リスクのあるソブリン債へ…。これが上値の重さを意識し始めた株式にも影響、同時株安となりますし、リスクマネーの巻き戻しが資源価格にも影響します。現在は縮む経済規模を、実体なきマネー経済で下支えしているため、市場への波及度合いが殊の外大きく出てしまうのです。

ギリシャ、スペイン、ポルトガル、イタリア、南欧とされるこれらにアイスランドを加え、欧州では財務不安に見舞われています。喪失した需要を歳出で賄え、という主張をする政治家が日本にもいますが、それは愚の骨頂であす。今回の動きが示すことは、財務体質を改善させなければ、いずれ売り叩かれ、日本もリスクを負うことを示しているのです。
日本の基礎的財政収支が09年度40兆円を越える赤字、と発表されました。もう一度、債券の問題をしっかり見つめないと、二番底どころではない危機に世界が見舞われるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 企業

2010年02月04日

小沢氏に関する事件とは何だったのか?

小沢氏に関する政治資金収支報告書の一件、完全にすっぽ抜けの暴投を、検察が放ってしまった印象です。秘書3人は起訴されましたが、起訴状では事件の契機になった水谷建設からの裏献金5千万円の話は皆無。公判で明らかにする、との意向のようですが、うがった見方をすれば、検察審査会やその後で強制起訴になった場合も、水谷元会長を守るためにあえて削ったと見ることも可能です。
即ち鹿島社長も裏献金の事実を否定、現状5千万円は水谷元会長の証言のみが、唯一の証言となっています。裏を返せば、この人物が否定すれば全て無かったことになる。検察が唆した、とまで邪推するのが正しいかは分かりませんが、小沢氏を起訴できないならば、捜査協力者としての水谷元会長を事件から切り離し、証言を無かったことにする、との検察の意図を汲み取ることもできます。

これで他の政治団体も、簡単には修正申告できなくなります。出と入を含めて20億円ともされますが、金額の多寡で悪質性を論じて良いのか、その判断が困難になるためです。一方、国会追及も腰砕けに終わる可能性があります。仮に起訴状に裏献金などの、事件を構成する要素として、小沢氏本人を含めた悪質性を問える内容があれば、野党も勢いづいたでしょう。
つまり収賄や斡旋利得であれば、政治家が主犯である可能性が高く、一方で政治家は収支報告書に関して責任を有さず、従犯の立場にあることは自明です。下手に叩けば法律論で確実に逆襲に遭う。しかも小沢氏の収支に関して、検察がお墨付きを与えた形になりますから、追及しても糠に釘。それ以上の材料を導き出すことも困難です。野党が国会空転を狙うのなら材料に出来ますが、経済や国際情勢が困難なこの時期、駄々を捏ねていると見られれば野党も苦しくなります。与党の反小沢勢力、野党も今回の検察の起訴内容には失望。というのが今回の顛末です。

恐らく検察審査会でも、検察側からは秘書と小沢氏の供述、それらの証拠しか提示されないままでしょう。これでは仮に起訴相当でも、誰もが尻込みして引き受けないことが想定されます。西松献金事件のように、犯罪構成として裏献金的要素を滲ますか?そこが最大の焦点でしたが、何もなかった。公判でどう説明するかもありますが、被告は罪も認めており、これでは公判に持ち込むまでも無く略式起訴でも充分です。公判も早々に結審、執行猶予がついて終わりです。
畢竟、この事件はこれで終わりでしょう。新たな材料を見つけ、ズルズルと検察が公判を維持するかと見ていましたが、これだけ拍子抜けの起訴状では、そうした気概ももう湧かないと見ます。一言でいえば、徹底して警察、検察対策をしている小沢氏に対し、この程度の材料で挑む検察の甘さが招いた騒動、ということです。これで検察不審は相当に高まりますが、そちらの収束のさせ方は相当に難しく、余波のように尾をひくことは様々に出てくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 政治

2010年02月03日

小沢氏本人の土地取引事件は不起訴か?

小沢民主党幹事長の不起訴(嫌疑不十分)が検察で決まったようです。明日の石川議員の処分、発表を待つ必要はありますが、政治資金収支報告書の虚偽記載の主犯は、あくまで資金管理者に選任された者であり、政治家本人は従犯です。政治家が主体的に指導したとの確証を得ることは難しく、検察も手練手管で篭絡を迫ったようですし、メディアの報道でも一部関与を認めた、などとも流れました。ただ証言は覆る可能性が高く、最初から小沢氏本人を問うことは難しかったのでしょう。

しかも秘書、元秘書を起訴する意向ですから、小沢氏が完全に無罪放免になることもない。最初からグレーの決着になり、不透明感が強いまま、事態が推移することも想定できました。
そんな中、検察批判を強める某週刊誌に、検察が抗議した件が話題になっています。これまでは行政機関が天下り、無駄遣い等で批判を受けても、警察が預けなどの手口で予算を蓄えていても、検察は蚊帳の外で悪い印象は少なかった部分があります。ただし今回、検察の態度に強い批判が起きた。それに脊髄反射した点が、検察の正義感が歪み出した、と強く感じさせる部分となっています。
立場は違えど、これは相撲協会と同じ。閉塞した社会、環境の中で、本来法律や規則を重視すべきであるにも関わらず、自らの抱える正義や慣例に拘り、一方を悪しき立場に追いやろうとする。メディアに批判を受けたり、苦情が寄せられたりする時は、組織が自浄能力を発揮すべき好機であるにも関わらず、反発してそれを受け入れない態度に終始してしまいがちです。最悪なのは、組織にいる人間はそれを是として、全く疑いを持とうとしない点にあり、長期に及べばそれが組織腐敗に繋がる、ということが中々理解できません。

恐らく、今回の事件では検察審査会に告発があり、強制起訴等が選抜された市民により、小沢氏不起訴の案件が話し合われます。ただ検察が描く事件の構図と、証拠との乖離が大きく、市民も戸惑うことが予想されます。ただ検察の狙いは、実はこの検察審査会にあるのかもしれません。ここまで小沢=悪との構図を描けば、一般市民も裁判で真実を明らかにして欲しい、そう考える。そうなれば無理やりにでも、起訴という形で小沢氏を公判に持ち込むことが可能なのです。
不起訴が事前に漏洩する、という事態も異例、とにかくこの事件はまだまだ異例の展開が想定されます。そのほとんどが検察のとる態度にある、という点が益々先を読み難くさせます。法的な問題を問うことは難しい、しかし政治的に息の根を止めることはできる。検察がもしこうした思想で今後も動くのだとすれば、この先に何かが起こる可能性も否めないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:12|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 政治

2010年02月02日

トヨタによる大量リコール問題について

国交省が来年度から実験的に高速道路無料化を行う、37路線を発表しました。全路線の18%、区間は限られますが曜日や時間の差異はありません。高速道路会社に1千億円の補填をする計画ですが、恒久的に無料化されるのであれば、料金収受システムが不要になるので、コスト削減になります。この問題は単純に自動車を利用する人間のみ恩典がある、ということではなく、物流、他の運輸関連への影響、等あらゆる社会システムを勘案しなければ、善悪を論じるのは危険です。
以前も分析したので詳細は省きますが、今回残念なのは無料区間がぶつ切りとなり、長区間の考察ができない点です。短区間では個人の日帰り観光や、物流もごく小さい範囲の寄与しかありません。フェリーや鉄道への影響も、ごく軽微でしょう。しかし個人の移動が容易となり、より集客力のある地域が有利、地域や小売、観光などを含めた人の流れを掴む地域と、そうでない地域の差がハッキリ出てきます。地域間競争では好機と危機の両面の影響が、今後出てくるのでしょうね。

トヨタが全世界で大規模リコールに陥っています。アクセルペダル部品の耐熱試験を行ったものの、組み合わせての環境試験は行っておらず、それが戻らず今回の事故事例に繋がったと発表しています。米国で販売されるトヨタ車の部品の内、50%程度は現地調達品とされます。
電子制御装置の不具合では?との一部報道もありましたが、これは否定しています。米紙がこうした指摘をするのも米部品メーカーの擁護であり、米系、韓国系メーカーが日本車からの乗り換えで5千$キャッシュバック、などという健全な競争を阻害する販売戦略をとれるのも、世界一トヨタに対する反発です。そして感情的な反発が、米国民を支配する間は、トヨタも苦しいのでしょう。

ただ問題は、トヨタの品質管理体制や苦情処理システムが、米国型に転じている懸念が浮上していることです。日本企業は、苦情は品質向上や顧客満足度を上げる好機、として積極的に取り入れてきました。07年以前から苦情があり、そこに対応できなかったこと、部品の組み合わせ検査など、日本企業なら基礎の基礎である、こうした手法をトヨタが為し得ていないこと。これにより世界全体からトヨタ、という企業の体質が疑問視され、影響が拡大する懸念があります。
世界一になるため「足元を見ていない」などと揶揄もされますが、日本企業として抱かれてきた品質に疑問符がつく、これが最大の問題です。この影響を払拭するには複数年かかり、自浄努力を高める必要を生じます。日本式の品質管理は、コストがかかります。しかし日本が品質で世界と戦ってきたことを考えれば、必要経費との見方をもう一度再認識すべきなのでしょう。
英国の諺で「鎖の強さは輪の強さ」というものがあります。鎖を構成する一つ一つの輪、その一部でも脆弱であれば、それが鎖の強度として認識されます。今回、品質管理と苦情処理という二つのシステムに脆弱性が見えた。ここをキチンと補強することが、真の意味での対策ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 企業 | アメリカ

2010年02月01日

雑感、経済に関する国際会議

日本相撲協会理事選で、貴乃花親方が当選しました。二所ノ関一門を離脱までし、改革を訴えますが、中身は伝わりません。例えばサポーター制度の導入など、相撲界のタニマチに対抗する提案をしています。ただタニマチはスポンサーとしてばかりでなく、優秀な弟子を紹介する組織でもあり、結果として貴乃花部屋は関取を出していない現実もあります。相撲は国技ともされますが、改革は懐古主義的思想と対立し、方向性を誤ると根底からひっくり返される面をもちます。あくまで貴乃花親方が目指す改革の中身であり、この点を見誤らないようにしないといけないのでしょうね。

スイスで先週末ダボス会議が開かれ、今週末にはG7がカナダで開かれます。何れも大事な会議ですが、1つ提案として浮上したのが、銀行の破綻処理を行う中央期間の設立です。しかしこの動きの背後には、例えば米FDICのように、3年間の保証料を銀行に前払いさせるなど、破たん処理に伴う経費負担に対し、各国が重荷を感じ始めた影響が垣間見られます。
1月の米シカゴ購買部協会景気指数が61.5と、判断の別れ目となる50を大きく越えてきました。1月PMIを各国で並べてみると、中国が55.8、ユーロ圏製造業PMIは52.4、英製造業56.7、仏製造業55.4、独製造業53.7です。景気判断は世界各国で概ね好調、ということがこの数字で明らかです。

しかし銀行破綻、国家破綻のリスクが高まっています。これは現在の経済環境では優勝劣敗、その差がつき易いことを示しており、ギリシャ、スペイン、ポルトガルがそれに当たります。この流れを改める一つが金融引き締めであり、インフレ圧力に晒される新興国の動向です。
G7にしろ、銀行の破たん処理機関や金融引き締めで協調することは、ほぼ不可能な状況です。米銀のようにリスク指向の強い銀行と、日本のように当局の監視が強い国とは、必然的に破綻リスクが異なります。格付けでは資本力が重視される傾向もありますが、保証料の割り当てなど、詳細を詰め始めると日米欧でまとまる見込みはありません。一足とびで議論する前に、金融に関する共通のルール作りが必要であり、菅財務相の手腕はこの辺りに掛かってくるのでしょう。

2月相場入りですが、日本が年末から見せた上昇局面では裁定取引が少なく、今は現物売/先物買の動きで下支えが利くものの、この水準を抜くとやや警戒が必要です。特に小沢民主党幹事長の行方が、予算案の成立に影響するという見方が広がると、当面の調整局面入りは否めなくなります。
米10年度予算の赤字額は約1兆6千億$の見込みです。日本は米経済規模の約4分の1程度、そして国債発行額は44兆円です。財政との絡みで見れば、世界はこの赤字をどうにかして縮減させる方向性を見出さねばなりません。しかし景気対策が切れる年後半、新たな対策を打ち出せば更に財政は痛みます。PMIベースで見れば堅調な世界経済、蓋を開けてみれば火の車、という状況に早めに答えをみつける必要があります。G7などの国際会議の重要性は増しているにも関わらず、具体策は益々打ち出し難くなる、大胆な転換を打ち出さねばいけない段階に近付いているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 海外