2010年03月

2010年03月31日

経済の話。日経平均が年度末36%上昇

政権交代後、2回目の党首討論が行われています。普天間問題が主な議題ですが、5月末まで結果が出ないため、衆院解散の言質がとれるかどうか、が成否でした。結果はイーブン、腹案を持ち出した鳩山氏が若干追い込まれ気味ですが、むしろここで出したということは自信の表れ、と見ることもできます。公明は参院選に向け、若干政権と距離がある姿勢を見せ、存在感を示してきた。それぞれが一定の主張を繰り返した、という党首討論だったのでしょうね。

今日の日経平均は11089.94円で引け、年度ベースでは36%の上昇となりました。3月に入ってから、日銀が発表した金融緩和が好感され、外国人買いが増したことが上値追いの主因ですが、現物以上に先物買いの比率が高い点がやや心配です。年度末ドレッシング目当てで、本邦の買いが走ることを見越した買いだったのか、円キャリーに始まる円安、輸出企業買いだったのかは、明日から名実共に新年度相場入りしてから判明します。明日の日銀短観、明後日の米雇用統計など、材料目白押しで4月を迎えますが、相場的にそこを山としなければ良いのですが…。
少し気になる動きもあります。日本国債も同様ですが、世界で債券売りが進み、利回りが上昇していることです。景気への楽観論でリスクマネーに資金シフト、という視方が一般的ですが、米国債が入札不調となるなど、ソブリンリスクが意識される基調だけに不安も高まります。

日本に限って見れば不安もあります。2月鉱工業生産指数が前月比0.9%低下、中国の春節の影響はありますが、予測調査でも3月1.4%上昇、4月は0.1%低下と伸びに鈍化傾向も見られます。2月の消費支出は前年同月比0.5%減、要因は幾つかありますが、3月駆け込み需要の前の手控え感、という以上に景気対策効果に息切れが出ているとも感じます。テレビなどのエコポイント商品とて、買い替えが一巡してしまえば売れなくなる。制度の延長はされますが、今後売れ筋が代わる可能性を示唆しており、消費に頭打ち感が出るのではないかと見ています。
日本の好況も相変わらず外需依存であり、中国動向に左右されます。米国でも消費が3ヶ月連続増とはいえ、住宅価格も再び下落傾向となり、FRBによるMBS買取が終了する中で、住宅価格動向は資産効果となって消費に影響します。新たに5州に対して住宅支援が行われますが、日本の経験と照らせば大都市圏と地方、という二極化が鮮明となる中で住宅価格を見る必要も出てきそうです。

今は多くの識者がバブルと指摘しながら、誰も抑制に動けない異常事態です。ただバブルであっても、日経平均は11000円台ということが、今の景気の不透明感に繋がるのでしょう。債券に不安のある国の通貨が高い、あまり例のない事態も散見される現在、次に良い面でも悪い面でも何が起こっても全く不思議のない状態の中で、来年度の経済を考えていかなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2010年03月30日

郵政改革法の閣僚懇談会

15年前に警察庁長官が銃撃された事件が、昨晩時効を迎えました。問題は今日の警視庁公安部長の記者会見です。オウム真理教のテロ、と断定して匿名の8人を事件に関与したとする、捜査結果概要を発表しています。しかし時効を迎えた事件はたとえ容疑者がいても無罪であり、民事でも名誉毀損です。これほど酷い責任転嫁はなく、警察の態度は不信感すら抱かせます。
穿った視方をすれば、この事件は警察権力絡みであり、それを封殺する目的でオウムに事件を仮託した、それを最後まで隠蔽する態度にすら見えます。一方で、今後も重大事件の事例では、無罪判決が出ても巨悪なら何でも暴いて良い、と警察が独自見解で突っ走る危険性を残します。どれほど無念だろうと、憤慨しようと、起訴できなければ警察は敗北であり、沈黙するしかありません。今回が前例となり、悪しき風習を慣例化させないためにも、公安部長を処分するしかなくなったのが、今回の記者会見の内容ということになるのでしょうね。

閣僚懇談会で郵政改革案のゆうちょ上限額が2千万円に、かんぽ生命の保障限度額を25百万円に引き上げることが決まりました。これで明日の金融株は総じて下落です。まだ法の施行までに半年以上あるとはいえ、貯蓄から投資の流れは確実に変わり、郵貯に資金が集中することになります。
見直し条項が盛られることはなく、一応金額について修正余地は残すものの、一旦資金が集中したものを、再び上限に規制をかければ大混乱に陥りかねず、早く資金を移したもの勝ち、の傾向が強まれば殺到の懸念もあります。しかも大手銀、地銀、信金などは預金が減るため、運用額を一旦減らさなければならず、経済全体に大きな影響が出ることにもなってくるのでしょう。

問題は、民主党の意思決定過程に現れ始めた抵抗勢力に、鳩山氏が流れたことです。亀井氏は法案作成の調整もしておらず、閣内不一致の元凶をつくった張本人、それでも担当大臣の意見を尊重するのなら、政治主導は閣僚の個性で決まることになります。それが有能な閣僚であれば別ですが、亀井氏に求めるものは国民新への協力ですから、国民の不信感が募ります。
郵政の組織票という話もありますが、経済が混乱を来たせば国民が総じて白い目で見ます。170兆円まで下がった郵貯マネー、大元の問題には郵政に運用のノウハウがないことであり、資金力を生かして日本経済に寄与する可能性は低い、ということです。貸し渋りなどをする銀行を肥大化させる必要はありませんが、最も打撃を受ける地銀、信金などは中小企業への貸し手であり、今は政府の手当てで不良債権化が防げていますが、貯蓄が逃げれば破綻懸念が進むかもしれません。
経済のバランスを害する決断、重い結果が後に訪れることになるかもしれません。しかし一度与えた優遇措置、簡単に取り下げられるものではなく、今後の日本に負担になりかねない問題です。国民目線に立ち返れなかった鳩山政権、1、2週間は山としましたが、まず3合目へのアタックには失敗した、ということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 司法

2010年03月29日

毒入りギョーザ事件に進展?

ロシアのモスクワの地下鉄でテロ事件がおき、多くの人命が失われています。昨年4月にチェチェン共和国への対テロ作戦地域を解除していますが、未だに根深い怨憎会苦が存在します。個人的には今回、連邦保安局(FSB)の近くにあるルビヤンカ駅に注目が集まりますが、パルク・クリトールィ駅も内務省に近く、こちらの方が影響は深刻だと捉えています。
絶大な人気を誇ったプーチン・メドベージェフの2頭体制は、経済混乱と失業率の高まりを受け、急速に支持を落としています。これでテロ掃討作戦に失敗し、血を見る事態が頻発すれば、治安悪化により更に支持を下げるでしょう。経済混乱を背景に、チェチェン独立派以外の動きを誘発しかねない今回のテロ、対応は非常に難しさを増していると云えるのでしょうね。

中国で毒入りギョーザ事件の犯人が逮捕されています。疑惑は様々なメディアでも語られているので、背景について少し考えてみます。APECへの対応、日本への配慮なども語られますが、上海万博前に、対外的には食の安全をアピールし、国内向けには動揺を抑える狙いが高いでしょう。
ただその先には、人民元切り上げ圧力を高めてきた欧米に対し、ともに米国債を多く保有する日本と共同歩調をとりたい、という狙いもあるのでしょう。上海万博の間は元安に保ち、多くの観光客を集めたい。為替操作国に認定され、輸出入や渡航に制限がかかれば、大きな打撃となります。日本は中国に対して先進国では数少ない貿易黒字国であり、人民元への言及は比較的緩い面をもち、当面のパートナーとしては最適、そうした思惑が見え隠れしています。

しかも中国は人民元を第2の基軸通貨に仕立てよう、という意図で動いています。中央・東南アジア、アフリカ等ではすでに人民元を事実上流通させており、その体制が整ってから、強い人民元としての価値を高めたいと考えているでしょう。いずれも時間軸上の話ですが、今暫くの間は人民元を安くとどめる戦略は、中国も絶対に譲れないところに今は来ています。ただ人民元の段階的な切り上げは、数ヶ月というレベルで迫っており、後は綱引き次第と考えています。
万博に関して云えば、中国では最新技術を披露する必要はないため、見るべき点は少ないと考えます。逆に技術を公開すれば、真似をされることにもなります。展示のみのパビリオンでは見応えもないので、国内的には盛り上がるでしょうが、それ目当てで海外からの旅行客が増えるとも思えません。中国の勢いは肌で感じられても、内容次第であることから、テレビなどで内容をチェックしてから計画を立てても、十分に間に合うレベルだと考えています。
中国は今後も、日中友好をアピールしてくるでしょう。特に小沢氏が民主党幹事長の座にいれば、それが顕著となるはずです。ただ中国の動きは、背後に何があるかを読むことが大事であり、巨大な消費市場以前に、5年と経たない内に縮小経済になるとの試算もある国と、どう付き合うかは十分に検討しつつ、対しなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 社会

2010年03月27日

民主党政権に現れた抵抗勢力

小沢民主党幹事長が、党石川県連の挨拶で「予算実行に伴い、政権交代を実感…」と政権浮揚について期待を語りました。しかし減税やバラマキは、肌実感とは合致しますが、政権交代とは何の関係もありません。地域振興券など一回限りのバラマキはこれまでも乱発されており、問題は政治の仕組みや手法において、日本を浮揚させるほどの効果が政権交代で得られるか、国民が抱いた期待を実現できるか、が政権交代における実感として認識されるものです。

現状はその期待に即していないので支持が下がります。国民が抱いた期待とは何か?民主党は悪く言えば大衆迎合主義、良く言えば国民目線が特徴です。国民の声の感応度が高く、例えば肝炎や薬害の問題にも早くから積極的、省庁のしがらみに囚われた自民党より、国民の側に立った対応を示してきました。しかし政権交代を実現し、打ち出される政策、主張はそれと逆、省庁や業界団体の側に立った対応が目立ち、それが政権交代の意義を薄れさせています。
その動きの代表例は小沢氏の利権政治です。旧来の自民党型の政治手法をとれば、自民党から支持母体は奪えます。しかし自民党型手法は特定の組織、団体は喜ばせますが、国民目線とは遠いものです。先の挨拶では、金さえ配れば大衆も喜ぶ、という考えに基づきますが、それは大衆迎合主義ではなく金権政治であり、国民目線からは大きく乖離した状態にあると言えるでしょう。

郵政改革法案も同様、古い自民党型政治の典型です。以前は官僚が根回しし、閣僚が争うことは利権絡み、党内の勢力争いでした。民主党型政治では、閣僚間で調整が必要であるにも関わらず、それを飛ばした。つまり根回しがないために起こります。閣僚間で調整すれば、議論がオープンになり国民の監視が行き届き易くなる。それが主眼であるにも関わらず、根回しをせずに強引に押し通せば、それは問題点を十分に議論できないまま、法案が成立することを意味します。
しかし民主党の立党以来のメンバーは、徐々に上記のような問題に気付き始め、国民目線に立ち返ろうとしています。鳩山氏、仙谷氏、枝野氏などの発言が顕著ですが、元が守勢の鳩山氏は反対勢力に対抗できない。顕著なのは官房機密費の情報公開で、平野氏が抵抗勢力となり、公開に後ろ向きの意見を述べると、それに同調するかの如き態度を示してしまいます。

しかし支持率が低下し、当初の郵政人事のような我儘を通している場合ではなくなってきた。実はここから1、2週間が鳩山政権の転換点、山場を迎えていると云っても過言ではないでしょう。国民目線に立ち返り、民主党結党以来の良さを取り戻すか、それとも古い、国民から否定された自民党型政治を踏襲し、支持率20%台で喘ぐかはここから決まると云えるのでしょう。
民主党政権で芽生えた抵抗勢力とは、こうした自民党型政治を目指す、一部勢力ということです。今は小沢氏、亀井氏、平野氏が突出して目立ちますが、閣僚の中にもすでにそうした勢力はおり、岡田氏のように核密約で資料が散逸した原因を調査しないとしてみたり、官僚から丸め込まれた例も出て来ています。国民目線とは、国民と真摯に向き合い、説明しても納得が得られる行動をとることです。ここ数日でそうした行動をとれるか?それが政権浮揚に繋がるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:38|PermalinkComments(4)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年03月26日

経済の話、好調の裏にある懸念

今日は日経平均が1年半ぶりに11000円をつけました。今日は権利付き最終売買日、配当権利分も乗っており、単に先物で買い上がったに過ぎません。ただ最近、大型株が動きを消し、小型株に資金が流入しているため、個人による信用取引の評価損が減っているのは良い兆候です。

しかし海外は不穏です。財政危機に陥るギリシャ支援策では、EUが3分の2、IMFが3分の1を支援するとしていますが、EU本体に資金力はなく、欧州各国が資金を拠出する形です。その枠組みは決まっておらず、最大で220億ユーロとされる4、5月の借り換えにも暗雲が漂います。ポルトガルも格下げされ、それに伴いソブリンリスクが意識される形で、米国債が2日続けて入札不調。ドル高を招きましたが、本来国債の消化不良による債券利回り上昇ですので、ドル安で反応しても可笑しくない局面です。
今の経済は都合よい解釈ばかりで成立しています。欧州がIMF支援に難色を示すのも、ギリシャに貸し込み、債権放棄を求められる可能性の高い銀行団の思惑、という面が見え隠れします。ドバイも同様、政府支援が受けられる見込みであり、一時的には小康状態ですが、これも債権放棄が絡みます。金融規制による取引の開示を拒み、不透明さを保ちながら、利回りの高いリスク資産に投資し、破綻が懸念されれば国家支援などを求める姿勢。これが金融機関の今の態度です。

米国では住宅市場の指標がジリジリ悪化しています。これも大雪の影響と見る向きが多いですが、昨年で駆け込み需要が終わり、当面の購入層が減ったことも影響しています。しかしそうした視方は少なく、景気持ち直しの兆しで、需要は回復するとの視方が専らです。しかし潜在需要以上に住宅価格が戻る見込みはなく、政府による援助が切れれば当然価格は下落します。
各国の中央銀行が完全に出口に舵を切れないのも、経済のどこかに不安感があるからですが、口先では楽観を述べます。楽観的なら引き締めに移らなければならない、このバランスを、都合よい解釈で乗り切っているのが今です。このため、バブルは止まらず、世界経済の緩みを好感して、一時的な楽観商状に陥っている。しかしこの環境は長く続かないのが常です。

早ければ4月、遅くとも6月にはこの循環が崩れる視方が出て来ています。問題は08年の途中と同様に、潰れそうだけど潰れない、危なそうだけどまだ大丈夫、という綱引きがどれだけ継続可能か、です。ドバイ、ギリシャ、他にも危険と指摘されている国々が、当面の資金繰り懸念を回避するだけで、抜本的対策に至らねば、いずれ現実的にバブル崩壊の時を迎えることになります。
崩壊を迎える前に出来ることも多いですが、先進各国は今年が選挙年であり、見た目の経済対策や楽観論を並べがちです。その結果、本当の意味での対策が遅れている。極めて危機的状態です。今の楽観論の背後にある、潰れるはずがない、という極端な安心感が崩れる日、それを迎えることがないよう、一旦は腰折れしても底を固めるような対策を打つべき段階には、来ているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2010年03月25日

郵政改革法案について

郵政改革法案が亀井郵政担当相、原口総務相により発表されました。郵貯預け入れ限度額を1千万円→2千万円、グループ内取引の消費税減免措置を講じる、などが柱ですが、菅財務相や仙石国家戦略室担当相が疑問を呈し、閣議決定される前に見直し等が入りそうな情勢です。
政治上の動きで云えば、亀井氏が鳩山首相に了解をとったとしていますが、電話で細かい話をするはずもなく、発表の了解を得た程度でしょう。ぶち上げて規定路線とし、小沢幹事長の了解を得ておけば民主党内は通る、とタカを括っていたものの、予想以上に鳩山氏、閣内の抵抗が強く、今日になり見直しを示唆しています。民主党政権は政治主導であるため、閣内、省庁内調整を政治家が行う必要があります。それが面倒臭かった、亀井氏の暴走という視方で良いのでしょう。

まず限度額を増やしても国債を買うだけ、という批判もありますが、逆に云えば運用のノウハウもない郵貯を民営化する方が危険です。日本はデフレであるため、長期金利が低く抑えられる期待が強く、国債で運用しても一定の収益は得られます。問題は低金利を容認する政府であり、逆にこれだけの好環境である間に、郵政は運用ノウハウを身につけてから民営化すべきということです。預け入れ限度額は、そうした運用が軌道に乗ってから、規制緩和で議論するべき話であり、運用ノウハウもない郵貯に対して、拙速に行うべきものではありません。
グループ内の消費税減免は言語道断です。都合よい部分だけ企業として一体である、として税控除を主張すれば、優遇となります。グループ企業ですから、当然企業間の資金移動も課税されるべきものです。変な話をすれば、本来郵便ポストも固定資産として課税すべきであり、そうなると郵便ポストが減り、利便性が下がるため現状では課税されていません。こうした優遇的措置は未だに残っており、今以上の優遇をつけてまで郵政に配慮する必要はないのです。

米国からも郵政改革案について、批判の声が上がっています。郵政が運用の多角化で米国債購入に前向きでしたし、亀井氏も一部それを認めていました。ただし今回の改革案で国の関与が強まれば、郵政の運用先は再び日本国債にシフトします。バブル崩壊後、売り出された国債の償還期限を続々と向かえ、郵政の役割は確実に増します。国民新が打ち上げた11兆の補正予算にしても、財政の不健全化を防ぐためには、郵政の協力無しでは立ち行かないのが現実です。
亀井氏は拡大型経済の信奉者です。しかし人口動態、産業構造等を見れば成熟社会、一時的には衰退を余儀なくされるのが、日本の現状です。拡大社会の中では、預け入れを増やし、規模拡大を目指しても良いでしょう。ただ現在それを行えば、パイの食い合いとなり、民業圧迫の謗りは免れません。古い思考に凝り固まり、日本をダメにした政治家は枚挙に暇がありません。
鳩山首相は一部、こうした動きに気付いて改善に向かっていますが、小沢氏や亀井氏の動きを抑制し切れていません。ただ鳩山首相が退陣すれば、益々こうした古い政治家が幅を利かせ、バランスを崩した政権運営が強まるのでしょう。鳩山政権への攻撃、実は最もホクソ笑む人間がどこにいるか?ということは、よくよく考えておく方が良いのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2010年03月24日

日米の医療保険について

来年度予算が成立しました。戦後5番目の早さですが、これは攻撃材料の扱い方を知らない野党が、手を拱いた結果といえます。自民党が対案を出さないので、法案自体の審議が進まず、是か非かの2論に決着しがち。途中で審議拒否もしましたが、タイミングは間違えています。
92兆3千億円の一般会計予算の内、税収見込みが37兆、国債発行が44兆です。税外収入と埋蔵金があるとは云え、厳しい国家財政にあることに違いありません。一番大事なことは持続性であり、景気回復基調とはいえ、水準自体が以前に戻らなければこの予算を組み続けることは不可能です。特会の組み入れなど、抜本的に予算を入れ替えなければ、早晩国債の格下げはあるでしょう。

米国で医療改革法が成立しました。国民皆保険実現に向けた、オバマ大統領の悲願です。国民の保険加入義務化が主たる内容ですが、公的医療保険で全てを賄うわけではありません。低所得者層へは公的医療保険を拡充、中低所得者層には減税、高額保険加入者には、課税強化というメリハリの効いた内容です。これにより加入率が80%前半から90%以上に上昇。経費は10年間で85兆円を準備しますから、米医療制度としては一大転機を迎えることになります。
ただ共和党は反対姿勢を貫き、14の州政府も反対、司法に提訴する姿勢を示します。問題は義務であるため、保険に加入し易くはなっても、違反者には罰則が課せられる点です。加入を拒むだけの相手ならまだしも、加入したくても出来ない相手には、やはり保証が必要となってきます。多少改善傾向とはいえ、米失業率は高く、長期化すれば支払い余力もなくなります。これにより州政府の支出が拡大することが見込まれ、苦しい州政府が今後、財政破綻に陥る懸念はないのか?支払いが滞り、罰金が課せられて自己破産にならないか、など懸念は多く存在します。

日本でも同様に医療保険制度の問題があります。後期高齢者医療制度の見直しに関して、65歳以上が全て国保に加入すると1.2兆円増、と厚労省が試算しています。日本では公的保険であるため、負担増は直接財政に響きます。障害者自立支援法により、自己負担を求められて争っていた裁判も、和解が勧告され、同法の廃止により以前と同様に無償でサービスを受けられる形に戻ります。
国が拡大する社会保障費の抑制を、国民サービスの悪化という形で求めた、上記2法の見直しは当然です。ただ医療保険の拡大は、高度医療に伴う治療費の高騰も大きな部分を占めており、ここに抜本的な対策を施さなければ、歳出拡大が顕著になってきます。米国では一部、小売店舗に併設された一角に、看護師が常駐して簡易サービスを行うシステムが存在します。

医療報酬の見直しも議論の対象ですが、こうした簡易型の医療サービスという形を、日本でも普及させるなどが必要なのでしょう。病院の待合所が高齢者の寄り合い所、などもこうした制度が普及すれば、小売店舗に人を呼べるサービスとなり、病院も高度医療に専念できる形になります。
薬の販路がコンビニなどに拡大する中で、医薬品を取り扱う店が人を呼ぶには、薬剤師、看護師など実務経験に応じてもう少し権限を与える、なども必要なのでしょう。制度の簡素化など、規制緩和路線により財政出動を拡大する形を改善させなければ、いずれ財政上の問題が大きくなります。行政が知恵を絞り、財源問題に手当てをつけられるか?日本医師会の反対をどう乗り切れるか?が、日本の医療保険に対する財政上の問題を解決する術となるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2010年03月23日

ビル・ゲイツ氏が原発参入?

民主党副幹事長人事で、生方氏の留任が決まりました。小沢幹事長は親小沢派がやったことだから、と黙認するようでしたが、鳩山氏が決定を覆した印象です。党内の情勢判断では、今回の件で親小沢派は更に結束を固め、反小沢派は意外と早く攻撃材料が消え、やや残念といった感じでしょうか。
処分は覆すぐらいなら、事前にそれを騒ぎ立てるのは愚です。なぜなら人事は最終通告でなければならず、チラつかせる行為自体が横暴に映るからです。高嶋副幹事長筆頭はその横暴な行為に手を染めた。決着のつけ方はこちらの更迭、という方が余程スジが通ります。しかも小沢批判を封じ込めようと今後も動きそうであり、批判が正しいか?という判断では動けないようです。最近は誤って『説明責任』の言葉が用いられますが、説明する行為だけでは責任を果たしたことにはなりません。正論で納得できる説明かどうか、それで今回の結末も判断する必要があるのでしょうね。

ビル・ゲイツ氏が東芝と組み、次世代原子力発電の開発に乗り出すことが、報じられました。日経電子版の創刊日にぶつけた、日経のスクープです。次世代原発は劣化ウランを用いると云います。現在の原子力、火力発電は沸騰水でタービンを回す、蒸気を利用して発電します。これだと莫大なエネルギーで水を沸騰させる必要があり、核燃料に用いるには濃縮が必要です。
一方で劣化ウランを用いる手法は、緩やかな核分裂を用いる手法です。このため継続年数が長く、百年は燃料棒交換が不要と云います。昨今、太陽熱発電、地熱発電などの弱い温度勾配を用いた発電がある中、いずれは出てくる手法です。例えば、未だに決定先のない核処分場に埋められる、高濃縮の廃液は千年以上も核分裂を続けるため、熱を発生し続け、高温を保つといわれますので、それも発電に利用できることになります。つまり、弱い熱勾配でもエネルギーとして取り出せれば、それは有用なエネルギー資源となり得るのです。

しかし、この試みは上手くいかないと考えます。それは日本で開発が進む量子ドット技術を用いると、太陽光パネルの小型化、大規模発電が可能になるといわれます。寿命やメンテナンスを考えると、実用段階になるのはもう少し先のようですが、電子を用いる手法から、光子を用いる手法へと大転換が起きれば、産業の大きな転換点になり得ると期待される技術です。
劣化ウランを用いるにしろ、核分裂を利用する技術はどうしても核廃棄物という、厄介なものを生じます。私は数年後、日本には閉炉となり、ゴーストタウンと化した原発が数基、十数基程度出てくると考えます。それは炉心解体が難しく、現在の位置からの移動が困難という事情が存在するためです。その時、改めて世界は原発との付き合い方に向き合う必要が出てくるのでしょう。
今は単純にクリーンエネルギーとして注目されますが、長期貯蔵に失敗したフランスのような事態が、各国で頻発すれば流れも変わるでしょう。今日はJRのトラブルもありましたが、安全に使い続ける、という考えが経済合理性の中で、見失われた数年間の間に作られたものを、今後どうフォローしていくか?という問題が各国でも真剣に議論されることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 経済

2010年03月22日

政権支持率の変化に見る

各メディアの世論調査で、鳩山政権の支持率が30%強と急落、民主党の政党支持率も軒並みダウンの結果が出ています。これは生方副幹事長の更迭が、小沢独裁を強く印象づけた点が影響しているのでしょう。親小沢派がとった行動が、実は小沢氏を窮地に追い込むという皮肉です。通常の社会でも起こりすが、不利な状況で前に出ると、更に深みに入り、自らを追い込んでしまいます。
親小沢派にとっては反乱分子を早めに排除した、守勢のつもりでしょうが、これは明らかに攻勢です。そのため国民は強い不快感を抱きます。権力の座にある者が、権力を笠に着て力を振るうことを、民衆は最も嫌います。それが権力闘争であっても同様に、次に自分たちに向かうのではないか?という恐怖を伴うからです。小沢氏はこの辺りを承知しているようですが、取り巻きはそれを見抜けない。その結果が、この支持率凋落に強く現れてきたのでしょう。

それでも自民党支持が回復しません。支持基盤が崩れ、お家騒動を繰り返し、公明党から選挙協力を断られた今、寄る辺はかつての栄光しかありません。国民にウケの良い政策を打ち出し、浮動票を取り込むかと思われましたが、他人の足を引っ張るだけの戦術に国民の失望も高いようです。
しかし民主党がこの轍を踏みそうな気配です。これまでは緩い形の派閥しかありませんでしたが、親小沢と反小沢が対立軸となれば、お家騒動に国民は嫌気が差します。支持基盤に配慮し、バラマキに依存したり、公務員制度改革が停滞したりすれば、国民の支持は離れます。民主の自民化を防ぐためには、早めに小沢氏の権力を殺ぐしかなくなった。その傾向を強めた、という点で生方氏の処遇というのは、大きな転換点になりそうな雲行きとなっています。

しかし、これまで官僚の不作為や検察の狙い撃ちの動きが、今後緩まる可能性が出ています。それがみんなの党の伸張です。昨年から指摘していますが、国民ウケの良い政策とは、公共工事によるバラマキや、減税などではありません。大義では国を造り変えてくれる、小義では公務員制度改革です。自民党が続けた緩い社会主義制度により、力を持ち過ぎた官僚機構に楔を打つ政党の出現を待望する。民主党政権の支持が低下するのと反比例し、支持を伸ばす政党の存在にはそうした面が強く現れているのでしょう。
人のために良かれ、と思ってやってきたことが裏目に出る。官僚機構が作り上げた天下り、渡りのシステムは後人のため、官僚を優位な地位とするために行ってきたことです。しかしそれが今や国民の敵、早晩改善されなければ収まらない事態だということを、みんなの党の支持率は示すのでしょう。民主党の政権奪取が確実視され、核密約文書の廃棄や、小沢氏を狙い撃ちした検察の動きなど、自己防衛のつもりで行った官僚の行為も同様です。自分が不利な際、下手に動けばそれは自分を追い詰め、更に苦しめることに繋がります。政権支持率で見えること、それは窮状の中でどう動かねばいけないかを、端的に示すのでしょう。鳩山政権が支持を回復するために必要なことも、その中に隠れているのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(3)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年03月20日

雑感、最近の企業の動き

東芝が白熱電灯の製造を終了しました。蛍光灯、ハロゲン、LED等、照明器具が多様化する中、火を消した形です。産業構造が大きく変化し、従来の形からの変容を迫られる中で、新しい形の収益環境を構築しなければならない。これはほとんどの産業界で同様なのでしょう。
角川がネットで本を無料で購読できるとを発表しました。期間は限られますが、その間は誰でも閲覧可能です。この動きは、所謂「立ち読み」です。文庫にしろ、読者に手にとってもらわねば本は売れません。それはネット購読も同様、何度も読み返したい、所有したいという気持ちを思い起こさせるような、マニアを生み出せるような本であれば売れ、そうでなければこの試みは失敗となるのでしょう。逆に云えば、質の高い本を供給しなければ出版業界も生き残れない、それを宣言したともいえます。今後、期間限定なのか、半分なのか、どういう形であれネットの世界でも「立ち読み」が可能となる動きは拡大していくのでしょう。

製薬業界では、高い収益力を誇る薬が特許切れとなり、業績に大きく影響する話が出ています。製薬業界も自動車業界に似ていますが、多額の研究費をかけ、新薬を開発しても成功するか、失敗するかは博打のようなものです。逆にフェーズが進んだ段階で薬として承認が得られないとなれば、それまでの研究費が全て無に帰します。直近では承認される新薬が減り、また大ヒットするものがないため、ジェネリックなどの安価な薬が多くなり、製薬業界は苦しくなといいます。
これは日米同様に起きることなのですが、製薬業界も今後は新たな収益源を探らねばいけないのでしょう。薬は規格品ですが、今後はオーダーメイド医療、オーダーメイド薬など、個人の特性に合わせた、副作用を抑えて症状のみに効く、そんな薬も出てくるのでしょう。人のDNAも解読され、その機能が解析されれば、新薬は益々開発され難くなるのでしょう。むしろゲノムに沿った薬、症状に合う薬、一般の薬とは異なるこうした形も増えていくのでしょうね。

最近、企業の買収、M&Aの話も増えています。過剰流動性の恩恵で、企業は金融機関からの借り入れではなく、増資という形で調達しており、金余りの状況です。しかも業績は一先ず上方修正も増えていますが、最高益とは程遠い企業も多くあります。経済環境は一時期の最悪期より、多少は持ち直していますが、今でも難しい状況であることに何の違いもありません。
灯明を灯すのは、きっと新しい何か、ということでもあるのでしょう。ネットで立ち読み、薬の開発、これまでとは違う環境に陥ったとき、どうするか?というトップの決断がより重要です。企業からの高額報酬を受け取る役員の開示で、一部話題になっていますが、この変革の時代に企業を生き残らせるほどの、能力に見合う報酬かどうかが、本来議論されねばいけないことなのでしょうね。
明日はお休みして、お墓参りに行ってきます。嵐が心配ですけれどね。

analyst_zaiya777 at 23:41|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 企業

2010年03月19日

経済の話。ギリシャ問題が再燃

ワシントン条約締約国会議で、クロマグロの国際商取引を禁止する提案が、反対多数で否決されました。側面的な視方をすると、これまでの国際会議は欧州各国がそれぞれ1票を有するため、欧州の意向が通り易い面をもちました。しかし植民地時代を通じて、アジア・アフリカに強い影響力を持っていた欧州が、支援を通じて関係を深める中国の意向に負けた形が今回です。
世界の意思決定が多数決なら、大票田のアジア・アフリカの意向を無視はできない。新たな関係が誕生しつつあります。今回は日本外交が久しぶりに大勝利の形ですが、国際関係の多数決で欧米と組むか、中国と組むかはその問題に応じて、日本は対応せざるを得なくなるのでしょう。これまでの米国追従より、はるかに難しい国益の主張を今後せざるを得ない、ということです。

そんな欧州では、再びギリシャ問題が再燃です。ギリシャの財政再建計画を好感、と云ってみたところで、他の欧州諸国より有利な社会保障のある国に、支援など出来るはずもありません。ドイツのメルケル首相が「ルールを守れない国」に対してユーロ圏離脱を示唆。ギリシャのパパンドレウ首相がEUの支援枠組みを明確にすることを求め、それがなければIMF支援を要請する意向を表明し、問題が再び表面化した形です。
現在、欧州版IMFでもあるEMFの創設が検討され始めましたが、IMFは出資比率により発言力が変わります。このため米国が強く、仮にIMF支援を受ければユーロ圏に米国が手を突っ込む、初めての形になります。IMFが財政再建に口出ししない旨、表明すればすんなり受け入れられそうですが、そうでなければギリシャは初のユーロ圏離脱となる可能性が高まってきます。

昨晩、欧州で危機が懸念されるPIIGSの一角、スペイン国債の応札が1.4倍と、やや軟調に推移したことも影響しました。口先介入で安定を目指した欧州も、これで具体策を練る必要に迫られた形です。では何があるか?大胆な策としては、ギリシャが欧州各国より公務員賃金、社会保障費を抑え、最貧国待遇で各国から支援を募る形でしか独仏などの支援国の同意を得難いのでしょう。
個人的にはIMF支援をEUによる保証という形で受け、財政再建の道筋はEU主導。その中でもう一段の財政健全化の道筋を探ると見ています。政府支出が減り、経済規模の縮小は確実に起きますから、簡単に健全な水準に戻るものではありません。IMF支援は金利3.25%程度、現在市場から調達すれば6%を超えます。数兆円に上る借り換えを、高金利で通過することになれば、仮に借り換えが上手くいったとしても、ギリシャ財政は確実に破綻に近付くのでしょう。

マグロ問題で多数派工作に失敗した欧州。同じ経済域内だから、としてマグロの商業取引を通そうとした、その強引な手法でPIIGSの処理をとれば、大きな問題に直面するのでしょう。欧米が自国の正義を世界に押し付けてきた状態から、欧米さえ世界の中の一国とし、新たな協調関係を模索する状態へ移行する。今回の動きは、そうしたことを示すことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 欧州

2010年03月18日

民主党内でおきる小沢氏批判

国交省が公示地価を発表しています。全国99.6%が下落、平均では商業地6.1%、住宅地4.2%が下落です。世界の状況は07年に似てきています。バブル環境下で若干の投資資金が商業用不動産に流れ始め、若干の下げ止まりを示しています。また条件の良い物件は人気となるなど、低金利や前政権のうった高額不動産物件への税控除、などが効いている面も窺えます。
ただ日本の貯蓄率は郵政民営化もあり、低下傾向にあり、頭金が少ない点が気懸かりです。返済額が多いと、変動金利で数年後に金利が跳ね上がると、返済が滞ることも想定されます。大分前ですが、購入か賃貸のどちらが有利か試算したこともありますが、日本では価格の下落が大きく、また管理費などの諸経費を含めて考えると、それほど所有に魅力がないのが現状です。まずは不動産価格の下落を、バブル以外の資金でどう食い止めるかを考慮する必要があるのでしょうね。

民主党内で動きがありました。生方副幹事長が解任、辻恵衆院議員を後任とする人事が発表されています。小沢執行部への批判を人事案件で制した形です。小沢氏側としては、不支持率が上がれば参院選勝利の目が遠ざかります。民主党は幹事長が選挙に全責任を負う形であり、鳩山氏が党代表とはいえ、選挙結果は小沢幹事長の処遇問題に発展します。どこかで辞任は探らねばなりません。
しかし突き上げで辞任すれば、あまり良い形とはなりません。院政を布くにしろ、参院選勝利の立役者として、幹事長辞任カードを5月辺りに切りたいはずです。つまりこの時期のこの動きは、早めに潰しておく必要がある。今回は小沢氏周辺が、色々と気を回した結果でもあるのでしょう。政調設置を求める会も反小沢氏の集会となっており、頭を叩いておく必要がありました。そうした諸々の理由が、かなり早い時点での処分に繋がったと見ています。

この程度で党分裂までいくとは思えませんが、反小沢に対し、処分が迅速で苛烈であるだけに、党執行部への批判は高まります。政治とは民主主義であり、人事とは上意下達で決します。表裏の内容ですが、政党には両者が内包しており、前者を重視し過ぎると決断力のなさ、後者を優先すれば専横です。自民党は政権時代、人事は前者でズルズルと問題を先送りしました。しかし本来、保守系は強い決断力を有すべきであり、党是とは逆行した動きといえます。
一方で民主はどちらかと言えば左派、しかし人事案件は即断即決でした。厳しさと優しさは2面があって良いものですが、内部に溜まる感情や外部に与える影響は、もう少し党が混乱し始めると、更に大きな形で波及しってくるでしょう。今はとにかく小沢派が力を持ち過ぎており、そうした権力バランスを崩さなければ、小沢氏が再び壊し屋として祀り上げられることになります。
小沢氏への気遣い、それが党内の地位に影響するかの如き印象を、更に強めるだけになった今回の強権的人事。小沢氏が政治家として後世評価されるかは、ここからの態度次第、自分の周りから太鼓持ちを排し、口に苦い直言居士をどう据えるか、で決まってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年03月17日

日米の金融政策について

日銀の金融政策決定会合で政策金利は0.1%で据え置き、但し特オペの停止に伴い、新型オペの供給額を10兆→20兆円に増額されました。期間は3ヶ月で据え置き、事前予想通りの決着です。市場は材料出尽くしと見て一旦下げたものの、すぐに買い方が切り返し、結局上昇して終えています。これは買いポジションを組んだ層が、基調転換を嫌って買いを入れた形であり、こういう動きが出ること、そのものがバブルの末端の資金が世界市場を席巻していることを意味します。
デフレ脱却や、やや長めの金利の低下を促す措置の拡充、を緩和政策の理由に挙げていますが、いずれも弱いものです。景気は持ち直しと判断しており、日本の長期金利はこれ以上、低下余地が少ないためです。これは結局、昨年末の対策でも同様に、小出しにする日銀の悪い癖が出た形です。政策余地は少ない、だから少しずつ出して効果を見る。結局、効果を得られぬまま政治と市場の圧力に負け、ズルズルと対策を打ち出す悪い流れに染まっていると云えるのです。

米国でもFOMCが開催されています。注目された文言は「低金利を長期間維持」に変更がなく、出口戦略は示されませんでした。米国では金融規制・監督法案の修正案が発表されました。FRBが500億$以上の資産規模をもつ金融機関を監督、FRB傘下に消費者金融保護局を設置、高リスク取引の禁止や金融機関の解体権限の付与、金融安定監督協議会の新設等が法案に盛り込まれます。
FRBは現状、地銀など小規模金融機関の監督も権限に含めようと動いており、また金融機関もロビイスト活動を活発化、共和党議員を取り込んで、法案に反対する姿勢を示しています。上記で気になるのは2点。高リスク取引の基準と、消費者保護の名の下にどれだけの取引、情報が消費者側に開示されるのか、ということです。リーマンショックの引き金になったサブプライムローンも、金融工学により安全な取引、とされ拡大しました。今ある危機は再び住宅価格が下落した際、財政基盤の弱い州、郡、市が破綻する懸念であり、その際地方債がデフォルトリスクに晒されます。

金融商品に絶対の安全はありません。米国債の格下げリスクの高まり、という話もありますが、地方行政が財政破綻し、米国が地域安定のために拠出を迫られれば、更に格下げの可能性が高まります。CDSも発行体の規模により、AIGでさえ破綻危機に陥るのですから、保証が完全とは限りません。リスクが数値化され、それを高リスクとされれば、その数値を割れた時点で投売りが出て、破綻を加速させる流れも出てきてしまうのでしょう。
残念なのは日銀、FRBともにバブル潰しを怖れたため、2番底をとる時は景気底割れ懸念を大きく伴うものとなりそうだ、とハッキリしたことです。ただFRBは0-0.25%の低金利をexceptionally(異例に)と受け止めており、日本の0.1%にそうした認識がない、というのが大きな差です。FRBはMBS買取を期限通り停止し、一部は過剰流動性の巻き戻しに舵を切りましたが、日銀はその逆をとりました。現状の景気がバブルを継続せざるを得ない脆弱な環境にある中で、デフレ克服や雇用回復まで待っていたら、確実にその前にバブルが弾けます。日米の金融政策、岐路に立って何が出来るかを考えると、日本は再び思い課題を背負わされることになったのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2010年03月16日

鳩山政権が誕生して半年

高校無償化、子ども手当て法案が衆院で可決しました。反対は自民、みんなの党の2党のみ。これが現在の政治情勢です。野党が分裂し、新党を立ち上げるとしても、民主党を中心に巨大与党として糾合が進めば、少数野党は埋没懸念に見舞われます。そんな中、鳩山政権が誕生して半年、これからの鳩山邦夫氏の動きとともに、今後の政治情勢について考えてみます。

鳩山邦夫氏は早晩、平沼氏の立ち上げる新党に合流する形でしょう。平沼氏も資金力のある政治家ですが、新党立ち上げには鳩山家の財産は魅力です。これを聖書の一節でとけば『富は新しい友を作る。が、貧しい者は友に捨てられる』となります。邦夫氏は資金力を背景に、政界で新しい友を作っては変転していきますが、自分で党を立ち上げられる器量はありません。
自宅の壁にこっそり貼られ、朝のインタビューでチラリと映る『鳩山太郎』のポスターが悲哀を誘います。平沼新党合流なら、舛添氏離党後の受け皿となり得ます。ただ問題は与謝野氏、仮に20〜30人程度の脱党組を攫えれば自社さの社会党のように、首相の座を狙えると踏んでおり、数を集めたいとの思惑があります。一方で資金力に乏しく、邦夫氏と組みたいものの、戦略と主張の違いから難しい。現状は党内の勢力作りの方が重要と見ているようです。

少し注視しているのが民主党の選挙戦術です。地方選の敗北で見直されると見ていましたが、小沢幹事長の方針に変更はないようです。無党派層に不人気な政策を押し進め、一方で支持母体、選挙基盤を固める。この戦略の背後には公明合流、与謝野新党合流など、新規に政権与党の吸着力に引かれ、集まる勢力が支持基盤を引き連れてくるとの算段も含まれているようです。
ただこの方式の弱点は、国民には分かり難く不人気であること。理念なき糾合が少数政党に振り回され易い、衆愚政治に陥ることが挙げられます。同じように聖書の一節を引けば『贈り物をすれば人の前途は開け、偉い人の前に彼を導く』といったところでしょうか?もう一つこの方式の弱点を云えば、甘受できない者にとっては、離党・脱党を招き易いということになります。

キャンベル国務次官補が来日延期を決めましたが、詮索せずとも与党内ですらまとまっていない段階で、日本と話し合うことは何もないためです。対外的にも、この方式は分かり難いものです。交渉の窓口を一本化し、意思決定を統一した方が外交面は本来上手くいくはずです。
最後にもう一つ、聖書から拾ってみます。『幸福なときは真の友を見分けられない。不幸なときには、誰が敵かはっきりする』今の与党にとって誰が友で誰が敵か?逆に野党にとってそれが誰か?お互いに見え難いものが見えてきて、見たくないものに眼を瞑り、問題を先送りする姿勢であれば、一番不幸なのは国民です。政治が空気を作るのではなく、国民の声を聞く政治を実現するには、政権交代の次の段階に昇華されなければ、達成は難しいのでしょう。半年を越えた民主党政権にそれを託すことが出来るのかが、参院選の帰趨を決していくことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年03月15日

経済の話、東証の動きと日銀

鳩山邦夫氏が自民党を離党しました。予想された動きとは云え、少し早い印象です。離党を繰り返し、くっついたり離れたりが出来るのも、その資金力です。昨年5億円の贈与税を納税し、やや資金難かと見られましたが、新党構想とともに鳩山家の偉大な財力が目を惹きます。
うがった視方をすると子息を政治家にしたい、そんな思惑も垣間見えます。自民党でも70歳年齢制限が比例にありますが、世襲への制限もかけられそうです。そんな中、地方議員は経験していますが、選挙に弱く世襲批判とともに党公認が得られそうにはありません。政党要件を満たしたいのも、息子を新党の公認候補とし、参院選出馬を目指しているのでしょう。舛添氏も与謝野氏も距離があり、鳩山氏の突出した行動が目立ちます。政策的対立でもなく、党を割るという行動には私欲がらみの、きな臭い臭いしかしません。参院選は衆院選よりも、政局的価値は低いものです。仮に新党を立ち上げるにしろ、この動きが政界再編の引き金となるのはまだ早いのでしょうね。

政府の3月月例経済報告で、着実に持ち直し、に現況の基調判断が見直されました。ただ雇用や設備投資にも弱さが見られ、自律回復に向けた動きは緩慢です。春闘も定昇だけは維持される見込みですが、業先回復がまだら模様であり、一時金やベアには厳しい交渉が続いています。
東証では日銀が追加金融政策に舵を切る、との思惑で先週来高値をとりに行っています。しかしそれと比例し、先物取引が細っており、これは日本市場に関して外国人投資家が、資金量を変えずに現物株買いを進め、円安先取りと期末配当取りを狙う動きを、仕掛けていることから起きています。将来的な円安であり、今のボリュームを増やすより、円安になった時点で取引量を増やし、裁定取引で今買った現物株の利益確定売りを相殺してしまおうという手口です。

問題はそれでも今後上昇すれば良いですが、日銀が検討しているのは追加オペ、つまり昨年12月の「広い意味での量的緩和」に、拡充した形で市場に資金供給する手法です。ただ3月末で切れる企業金融支援特別オペの、代替案に過ぎない規模に留まれば、市中に溢れる資金量に変化はなく、失望売りも出るかもしれません。今週の日銀金融政策決定会合待ち、といった側面もあります。
各国が金融引き締めに舵を切る中、過度な緩和策は各国の対応を水泡に帰します。適度な緩和策では、過度な期待を集める市場を失望させます。今回の決定は極めて重要です。先々週までの東証の動きは9750への拘りが見られ、下を模索する動きの方が強かったのですが、それを巻き戻させたのは日銀の行動です。それだけ重い責任を伴ってしまった、ということになるのでしょう。

欧州ではギリシャ支援の報道が活発です。今年の資金需要500億ユーロ強、欧州圏支援額が250億ユーロに拡大する見込みです。しかし英国では与党苦戦が伝えられ、フランスでも地方選で大統領側の党が敗北しています。経済が混迷を深め、政権政党には厳しい視方があるのは日本も同様ですが、他国を救済していられるか?という切実な国民の意思が、ギリシャ支援でも大きく影響を及ぼしてくることになり、政経一体で動きを見ていかなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2010年03月14日

雑感、マグロについて

鳩山邦夫氏が新党結成を明言しました。5人程度の国会議員は確保し、政党要件を満たすとしています。民主党との連携には否定的、舛添氏や与謝野氏との連携は示唆しましたが、渡辺みんなの党代表は距離を置く態度を示しています。鳩山氏は新党を結成しても、自民党離脱組の糾合という形を目指すとしていますが、今一つ理念や方向性が見え難い新党になりそうです。
鳩山邦夫氏は浮き草です。政党も変えていますし、主義や主張もハッキリしません。これは与謝野氏も同様ですが、国民にはもっと分かり易い旗が必要でしょう。舛添氏を激情型とし、だらしない自民党を攻撃して人気を得る。そういうタイプだとして、鳩山氏も与謝野氏も現状はこうした行動しか目立ちません。与謝野氏は民主党・小沢氏との連携も視野に入れていると云い、その先を見据えています。政界再編の波が動き出せば、3年後は民主対自民の構図ではないかもしれない。そうした政治情勢も考慮に入れておかねばいけないのでしょうね。

シー・シェパードのピーター・ベスーン容疑者が、艦船侵入容疑で送検されました。傷害、威力業務妨害等でも立件する方向で捜査が進みますが、シー・シェパード側は更にマグロ漁に関する攻撃も示唆しています。反捕鯨を訴えることは、よく分からない東洋の島国叩きであり、支援額も2倍になるなど、シー・シェパードにとっては良い収入減になっているようです。
ただマグロ漁を標的にすると、ヨーロッパ諸国や中国にも問題が波及します。捕鯨国対反捕鯨国の構図から、マグロの輸出入諸国を敵に回すことが、事態を複雑にするのでしょう。ワシントン条約会議でも、EU域内では自由に取引され、かつ漁業関係者への保証も実施される見込みです。ただ大口顧客である日本への輸出が規制されれば、EU内でのマグロ取引は安価となり、漁業関係者への打撃は長期に亘って大きくなるのでしょう。

しかし豊かな漁場を持たない、中国は痛手を被ります。台湾はマグロ漁も活発ですが、日中では買占めなどの影響とともに、価格は上昇傾向になるでしょう。たかがマグロですが、大量の食料を輸入するようになった中国で、魚介類の価格高騰は弱い形ですがインフレに効いてきます。
マグロのみならず、農産物も今後は取引し難くなるといわれます。タコもエビも、新興国が豊かになり需要が増えればそちらに回ります。異常気象による穀物不作や、米大規模農場が地下水のくみ上げ過ぎで、生産量を落とすといわれます。蓄用など、多角的な食料確保に向けた取り組みは、日本を凋落させかねない、喫緊の課題となりつつあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 政治

2010年03月13日

米国のウソを幾つか

米国の幾つかの話題を取り上げてみます。トヨタ車の急加速問題で、ABCテレビが南イリノイ大学教授の実験映像に、急加速を印象づけるため、回転数上昇の映像を差し込む不適切を認めました。映像は見て知っていましたが、クラッチを繋いだ状態であれだけ回転数が上がれば、車が遊園地のジェットコースター並の加速をしていることになるほどの、上昇の度合いを示していました。
プリウス急加速を演じた運転手の問題や、当初議会が取り上げた記者が取りまとめたデータも、技術的な問題と使用上の問題が混在している可能性があるなど、トヨタ自身が行った反証など、少しずつ隠れていた事実も浮かび上がっています。なぜ米国のみ、突出して問題が多いかを考慮すれば、米国のみ異なる仕様か、特殊要因があるか、データが誤っているしかありません。仮に最後の一項だとすれば、米国は国を挙げて詐欺に加担したことになるのでしょう。

オバマ大統領は輸出倍増計画を打ち出しています。20億$の資金支援、閣僚級の営業戦略により40以上の使節団を派遣、米国品を売ることで200万人の雇用創出を謳います。しかしここにはウソが含まれます。米国の農産物は多くの補助を受け、安価に保たれていますが、ドーハ・ラウンドへの合意にも消極的な米国にとって、安価で売ることが難しい状況であることに変わりありません。
米国製品を売るためには生産性を上げるか、製造コストを下げるしかなく、それには補助を出すか、固定費削減をするしかありません。米国では、オークンの法則による雇用拡大を期待していますが、米国品が売れたからといって雇用に直接跳ね返るとは限らないのです。

米国では核なき世界に対しても、懸念が浮上しています。核搭載型巡航ミサイル開発に、国防予算からの支出が決まっています。事情は幾つかありますが、これも軍産複合体の雇用確保が主眼でしょう。兵器開発に費やされる、莫大な研究・開発費はそこに紐付く雇用があります。
イスラエル入植に対する、米政府の強い反発も、イラク撤退、イランへの制裁を控えてパレスチナを勢いづかせたくない、そんな思惑が滲みます。中東へのプレゼンスを維持することが不可能なのは、経済状態でも明らか。早期に財政改善を迫られ、軍事予算を国内雇用としての、兵器開発への研究費に振り向けざるを得ないのが、現状となっているのです。

米国は自国の正義のために動きます。それは軍事のみならず、経済も同様です。ソブリン債へのCDS規制に後ろ向きなのも、それが金融商品として、自国の金融機関の収益源であるからであり、ギリシャ問題で積極的な独仏とも距離を置きます。米国の正義が一体いつまで世界の常識として通用するのか?そこに含まれるウソも含め、見守る必要があるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(3)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 経済

2010年03月12日

労働環境の問題について

子供手当て、高校授業料無償化法案が、衆院委員会で可決されました。制度設計は先、という曖昧さで内容には不透明感も漂います。法律にないことを運用で、というのは行政として、最も悪いパターンであり、制度の不備をつかれたり、政治の都合で右顧左眄することが考えられます。強行採決云々より、詳細を明らかにし、国会が合意する形で法案を成立させないと、後に問題が発生したとき与党側に問題が帰結し易い、という点を考慮すれば、今回の委員会審議、民主党にはマイナスの大きいものとなるのでしょうね。

鳩山首相が委員会で法人税減税に言及しています。自民若手・中堅には以前から多い意見ですが、社会構造が世界と異なる日本で、海外の水準に合わせるかどうかは別に検討が必要です。1つはすでに海外子会社で上げた利益を日本に還流する際、これまで差額にかかった税金は、今年から支払い義務がなくなっています。これで日本企業の海外競争力は保たれており、後は企業が法人税として払うか、消費税のように間接税とするかは国内の事情に応じて判断すれば良い話です。
昨日も取り上げたように、税制もトータルパッケージとして考えねばなりません。例えば金融機関、米自動車業界、ギリシャまで、破綻懸念を取り沙汰された処はどこも労働コストが高く、福利厚生に手厚い面があります。米自動車業界はプレパッケージ型の企業再生で、一部労働組合に手厚い株割り当てもありますが、基本は企業の固定費削減を図り、出直すことを計画しています。

ギリシャは給与水準が高く、55歳で引退、現役時代の90%以上の手厚い年金で労働者は保護されてきました。給与引き下げや新税の導入、日本の消費税に当たるものを19%から21%に上げるなど、固定費削減と歳入増を計る再建計画を立てていますが、これまでの手厚い報酬に慣れ、低い税制を享受してきた国民が大規模なゼネストを展開しています。しかしユーロ圏も、自国より有利な社会保障を受ける国に、支援はできないのが実情で、この問題の帰趨がギリシャ再建に影響します。
結果的に、今の水準で社会がバランスをとっている場合、どちらか一方の水準を弄れば片手間になります。法人税を下げ、消費税を上げるのなら、給与水準の引き上げや雇用拡大などがなければ、国内経済はシュリンクします。現在、企業は海外へ販路を求めて設備投資や企業買収を進めるのは海外であり、減税分はそのまま海外へ垂れ流される、という事態が想定されるのです。

大学生の就職内定率が前年同期比で80%、就職氷河期すら下回ります。現在、企業が求める人材は『育てる』から『即戦力』であり、一定期間働いた労働者が溢れ、条件次第で採用が可能となっています。これも労働環境を変化させる際、トータルパッケージとして新卒と中途採用の区分を、曖昧なまま走らせた結果なのでしょう。派遣法改正案も先送りされていますが、トータルパッケージとして労働環境を考えていかないと、どこかの皺寄せ、ワリを喰う分野が発生する、それが成熟市場であるという考え方を、これからはしていかなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2010年03月11日

日本と中国の経済指標を見る

日本で98番目の茨城空港が開港しました。橋本茨城県知事が「国が管理するので需要も国が対応」旨発言していますが、大間違いです。格安の着陸料ですが、アクセスが悪く必ずバスかタクシーを利用することになります。つまりパッケージ旅行でバス移動がセットでない限り、割安の料金を交通費で浪費します。ということは路線数ではなく、旅行代理店や地元観光地と組んで、トータルデザインとして利用者にアピールしなければならず、それは茨城の責任に帰すのです。
それが提案できなければ定期就航便はゼロになるでしょう。周辺開発も応募企業はなく、更地が並ぶのなら、国は早めに廃港にして集約型基地として利用する案も出てきます。変な話ですが、普天間の代替地でも構わないのです。民間空港として利用し続けられるかは茨城県の手腕次第であり、それは県がトータルデザインをどう描くか、ということになるのでしょうね。

10-12月期GDP改定値が実質で年率換算3.8%(速報値4.6%)となりました。内需の下げが下方修正に利いた形ですが、概ね予想通りです。お隣の中国も経済指標を発表し、消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%、卸売物価指数(PPI)は前年同月比5.4%の上昇となりました。
中国はバブルであり、酷い物価上昇を始めています。一部は春節の影響もありますが、金余りに対策を施さないと凋落が激しくなり、経済が破綻します。日本の1月国際収支は9千億円弱の黒字でしたが、多くはアジア向け輸出が堅調な面が寄与しており、中国バブルが弾ければ日本が大きな痛手を被ることは必定です。中国の輸出入は前年比で1月輸出21%増、輸入85.5%増、2月輸出45.7%増、輸入44.7%増と高い伸びであり、これが世界経済を支えているといっても過言ではない状況です。

現在、中国の動きで注目されるのが人民元の動向です。緩いドルペッグ制をとるため、金利引き上げなどの金融政策を縛られている面があり、バブル潰しを難しくしています。人民元の動きと、中国人民銀行の動きは密接であり、これは米国債と絡んでいずれ大きな問題に発展するでしょう。
問題は日銀です。各国が引き締めに舵を切る中、流動性供給を宣言するマヌケな態度を好感され、日本株は上昇しました。各国のバブル潰しに齟齬をきたしかねない、これからの金融緩和は、世界経済のバブルの延命に寄与しつつ、更に致命傷になりかねない影響を及ぼします。
各国が金融引き締めになれば、ただでなくとも金利差を狙って日本売りは加速するでしょう。企業の3月リパトリの動きがあっても、人民元に上昇圧力があっても、円安に動き始めたのはそうした円キャリーを先取りする動きと見ます。世界経済と逆行する日本、いずれ日本がお荷物と呼ばれないためにも、世界経済と連動した金融政策を見通さねばいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2010年03月10日

活発化する政局について

最近、政治の動きが活発です。3月は元々、予算案の論議で政局にはなり難いのですが、成立の目処が立っているため思惑が走り易くなっています。まず自民党の与謝野が文芸春秋で党執行部を批判、離党までチラつかせています。しかし離党は厳しいでしょう。本人が選挙に弱く、年齢的にも健康面でも後1回のチャンス、ということは本人が一番自覚しているはずです。逆に、与謝野氏について離党するメンバーにとっては、とても頼りないリーダーに映ります。焦りは政治とカネの集中審議でも見られましたが、政党交付金の関係からも、メンバーを集め難いと予想されます。

公明党が政権与党に接近、これも予想されたことです。元の主張が自民より民主に近く、自民党とパイプをもつ太田前代表を参院選候補から外した時点で、民主に近付く算段は出来ています。共産党は以前から独立独歩なので、これで国会はオール与党対野党・自民党の構図に近付きます。
しかし数の論理では割り切れません。メディアはあまり報じませんが、普天間問題で与党内がゴタゴタするように見えるのは、議論を可視化しているためです。このため意見が先鋭化し、議論に関わった者は全員、政治家としての資質を曝け出さねばならない状況に追い込まれています。

政権離脱したくないのに、党内を纏め切れず、孤立する福島社民党党首。声を張り上げ、キャンプ・シュワブ陸上案を説く国民新党・下地氏。党内さえ意見を纏め切れない平野官房長官。結論はともかく、成果が功績と帰すか、失敗と断じられるかは本人の腕次第、ということになります。
政治主導には2つの側面があります。政党主導か、立法主導か、です。前者は小沢氏の目指す政治主導であり、政調を廃して政党が一体となり、行政を管理する方式です。ただこの手法では利権政治が生まれ易く、地方選で明確に否定されたことから、巻き直しが必要です。もう一つが立法主導、法案を昇華し、議論を通じて行われる本来、日本が目指すべき政治主導の形です。

それに寄与するのが議論の可視化です。意見が先鋭化する、ということは曖昧な態度や、国民に理解されない態度を示せば、自らの立場を危うくします。政治が結果に責任をもつ形が、議論の過程を見せることで初めて成立するのです。むしろ混乱の中身が見える議論、というのはそれだけ政治家個人の資質が問われ、政治家の質の向上に繋がっていくことになるのです。
自民党凋落の最大の原因は、法案を書ける政治家がいないこと、です。民主党は立法能力で見れば優位、この点の主張が長期で見れば効いて来るのでしょう。今の議論可視化は最低3年程度は続け、長短の材料を拾い出していくことが必要です。米国では党派を超え、法案毎に政治家は動きます。数の論理で対抗心をむき出しにするより、法律の中身で戦う姿勢が、真の意味での政治主導であることを前面に打ち出して、国民と向き合うことが政治に求められるのでしょうね。

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2010年03月09日

核密約の報告書について

核関連の米国との密約問題が正式に発表されました。核持込は広義の密約、朝鮮半島有事の際の、日本の基地を米軍が事前協議なしに使用できる件は密約、沖縄返還時の現状回復費肩代わりは密約、沖縄への有事の際の核持込は密約に当たらない、という結果になりました。

森内閣以降、歴代首相はいずれも引き継ぎはないとしています。しかしこれは大きな問題と矛盾を孕みます。1.調査もせずに答弁したと認めたこと、2.核の定義が曖昧なまま国防を行ったこと、です。1は官僚統治の失敗、結果的に重要機密文書が破棄される事態を、黙認したことも前政権までの責任です。2は現実と乖離した状態で、国のトップが防衛の権限を握るという矛盾です。
当時は把握していたが国益を考えて…という方が問題は少ないものです。これらは結局、官尊民卑の思想そのままに国は絶対正しい、自分たちに誤りはない、と述べているに過ぎません。重要文書の廃棄も、そうした金科玉条の如き建前論を上塗りする意図で行われたものでしょう。

問題は密約を認めた日本のこれからです。政府として条約が結ばれた訳ではないものの、これは2国間の取り決めです。重要文書が破棄されたため、米国側が密約を主張してきた際、日本は密約通りにしなければ非難されること必至です。経緯が不透明になったため、密約を覆すことは日本側からは不可能、もしそうするのであれば、これは新たな外交交渉の場に移ります。
岡田外相は会見でも諸条件を鑑みて現実的には有り得ない、としていますし、メディアも核持込などはないという論調が目立ちます。しかし今回は日本の政治が国民を欺いていたことが判明したのみであり、米側からみれば政府間合意です。特に米側では情報公開法により、すでに明らかになっていることであり、今後朝鮮半島有事の際はこの政府間合意を盾にとる可能性があります。

沖縄返還時の核持込に関しても、沖縄県民への配慮が見られます。佐藤政権では合意があったが、その後の政権では拘束力がないとしていますが、日本側のみでなく米側の合意も得ておく必要があります。数十年前のことであり、恐らく米側でも申し送りなどはないでしょうが、上記のことは曖昧なまま放置して良い問題でもありません。日米安保の立ち位置が民主党政権では見えないといわれる中、新たな政府間合意を得ておく必要性は出てきたのでしょう。
空港の需要予測が過大だった、ということも発表されています。国が出す試算、前提条件が誤りである、とは常々言われてきたことです。これも「国は絶対正しい」という可笑しな認識のため、見直しがされないままで過度な公共工事を増やしてきたのが実態です。政権交代とは、自民党政権時代に出来なかったことを見直し、歪んだ国の形を補正することです。核密約にしろ、需要予測にしろ、後に情報公開やその誤りを認めることを通じて、改善できる仕組みを作ることが求められるのでしょうね。

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2010年03月08日

3月6、7日世論調査における内閣支持率の低下

急に冷え込んだせいか、昨日から風邪をひいています。注意しないといけませんね。

共同通信が実施した世論調査、内閣支持率が36.3%、不支持率が48.9%となりました。参院選後の姿に関しても、民主党が参院で単独過半数を維持することについて、容認は28.3%に留まり、反対が58.6%に上っています。小沢幹事長は、幹事長をやめるべき74.8%、国会で説明すべき86.4%です。
政治とカネの問題が支持率下落の主因、とする論調もありますが、30%後半の支持率をキープできており、逆に考えれば40%近くが政治とカネの問題を容認していることになってしまいます。以前も取り上げたように、国民の多くは政治とカネを小沢氏個人の問題と捉えており、小沢氏が解決する必要性を感じているようです。小林氏の北教祖の問題も、文教族の町村氏潰しを狙った北教祖側の問題、小林氏との個別の繋がりが事件の背景と捉えられているようです。

支持率下落の要因は「行政とカネ」です。カネの問題は、12月に行った党要望、長崎県知事選と一貫した流れは、利権誘導型政治の典型です。小沢‐石井選対ラインのこの手法は長崎県知事選大敗により、明確に否定されました。利権誘導で地域が潤っても、増税で跳ね返る。どれほど支持母体を取り込んでも、最大多数である無党派層が納得しなければ選挙は負けます。
行政の問題は、行財政改革の進捗と内容に、国民が失望し始めたことが影響しています。税制改革の一番の肝は、消費税ではなく特別会計、一般会計の一本化です。恐らく財務官僚から菅財務相は、今の日本の財政規模を明確に示せば、日本国債は格下げされると囁かれたのでしょう。結果、歳入規模の拡大に向けて消費税ばかりをアピールし始めた。公務員制度改革も人事案件に制限がつけられ、給与法すら手付かず。国家公務員人件費2割減の公約すらままなりません。

舛添氏が高い支持を誇りますが、小泉時代を忘れられず、劇場型の政治を望む流れがこうした傾向を生みます。言葉を変えれば激情型、その憤怒をだらしない自らの党に向け、人気を集める手法です。党内基盤は弱く、下の者を抱えないだけに無責任発言も目立ちます。こうした政治家は手足として官僚に頼らざるを得ず、非常に危険を孕みますが、そうした認識は浸透しないようです。
小沢氏は世論調査を受け「参院選は別次元」との認識も示しますが、今のままでは選挙に負けて幹事長職を追われるか、その前に辞めるかです。ただ一発逆転の秘策は、みんなの党との連携なのでしょう。霞ヶ関改革の丸呑みがあれば、と連立に含みをもたせる渡辺氏。連合との調整次第で、小沢氏なら仕掛ける可能性があります。小沢氏も、ここで幹事長を悪い形で辞任すれば、政治家として次に浮上する目は数年後となります。その頃には体力が低下し、党をまとめ切れる力もないでしょう。良い形で辞職し、すぐの復権を待つか?政局の仕掛けを打つのか?それ次第で、参院選は様々な展開となり、その後の永田町や霞ヶ関の動きを予測しなければならないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年03月06日

科学技術関連の法人と天下り

国が公金を支出する2つの法人で、問題が発覚しています。1つは大型放射光施設、スプリング8を管理運営する高輝度光科学研究センター。もう1つは高速増殖炉もんじゅの日本原子力研究開発機構。前者は文科省OBが社長を務める企業に、業務委託を出していたというもの。後者は機構OBが天下りした企業へ、業務を受注させていたものです。

競争入札を導入していたとするものもありますが、随意契約や条件による制限をつけて、事実上特定企業へ優先的に業務を発注しています。憶測も混じりますが、保守・管理のみならず運営の一部も携わっているとすれば、事実上こうした特定の企業がノウハウを身につけ、センターや機構の職員は、全体の管理・監督を担うに過ぎない立場にあったのでしょう。
つまり随意契約せざるを得ない状態であり、そうしたズブズブの関係が、結果として役員受け入れなどの、永続的な癒着体質に結び付いていると考えます。逆に見れば、センターや機構側は特定の業者なしで、保守・管理・運転などを成し遂げられる能力がなく、単独での存立は最早不可能な立場にある、ということも付加的に考慮することが可能です。

スプリング8、もんじゅは研究施設です。研究を行う機関と、実際の運転に携わる機関、そして保守・管理には大きな差があります。逆に辿ればパーツを知れば事足りるのが民間企業であり、組み合わせを知るのがセンター、研究は法人、という構図です。しかし全てを知らなければ統括などできるはずもなく、3者が一体にならざるを得ない構図がそこにあります。
これは事業仕分けにもかかわります。問題は研究所が一体で行えばコスト削減ができるか?組織を分散させれば管理職の数が増え、役員も多数雇えます。これは90年代までの企業の方式、企業を分割した子会社に送り込み、功労者的立場で役員とする構図そのものなのです。

しかし民間企業は現在、統合の方向に向かっています。リストラを行い、年齢層の高い役員が減ったこともありますが、経済規模が縮小する中、管理コストを下げなければならないためです。公的機関が民間企業より10年遅れた構図が、まさに事業仕分けで精査されなければならないのです。どうすれば税金を無駄に使わず、組織を維持・運用できるか?今のままでは科学技術と言えど、廃止した方が良いとの結論になりかねず、天下りの問題も含めてコスト削減の考えを導入する必要を、今回の問題は提示しているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:38|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 行政

2010年03月05日

中国、全人代が開幕

中国で第11期全国人民代表大会(全人代)が開幕しました。GDPを8%程度、新規雇用900万人、失業率4.6%は昨年と同じ、消費者物価は3%の上昇を見込みます。昨年のGDPは8.7%の伸び率となりましたが、2年間の財政出動52兆円による公共投資、外需が好調なことによる設備投資、不動産価格上昇などの資本形成が高い伸びを示し、歪んだ経済成長の実態も明らかになっています。
春節明けの中国では転職が活発です。共産党一党支配による帰属意識の低さ、同じ出身地の者同士の情報交換、引きにより職場を移る、即ち好条件を求め易い地合です。賃金上昇はインフレを招き易く、また経済拡大を実感できるため、投資意欲を活発化させるので、最近では準備率の引き上げなどで対応していますが、意欲を減退させるまでには至っていないのが現実です。

中国は深刻なバブルですが、購買意欲は外に向かいます。中国人自身が中国製を嫌っており、富裕層は海外旅行で他国製品をまとめ買いする傾向は、よく知られるところです。このため富の移転が国内で還流せず、消費性向の変化がない限り、GDPにおける27.7%しかない国内消費は活発化しないのでしょう。輸入を増やして国内消費に振り向ける策もありますが、人民元をドル固定にしているため、通貨安が輸入価格を押し上げる悪い循環です。人民元をIMFのSDRに組み込む提案もするようですが、上昇圧力に負けて通貨を動かすとリスクも高くなることでしょう。
外需も、2月米失業率が9.7%、雇用者数は3万6千人減と出ましたが、最近米小売に明るい兆しが見られるのは、住宅価格に下げ止まり感があるためです。3月でFRBによるMBS買取が打ち切られ、4月には購入支援制度も終わる。その後の住宅価格、米国人の資産形成における住宅価格の位置付けが、再び減少傾向になると消費にも影響します。この辺りの動向は直接中国にも利くのでしょう。
米国でも日本のエコポイントのように、家電購入補助が始まります。ただこれは日本や韓国など、家電に強い国が有利であり、一部は組立てを中国で行っていますが、中国経済への寄与率は低いのでしょう。米国消費が3、4月で一つの節目となるかが、外需依存の中国経済を左右しそうです。

中国はバブルが深刻化し、抑制が利かない状態は先に示しました。今日、日銀が更なる流動性供給策を検討、という記事で日経平均はイベント・ドリブンの買いも入りましたが、新興国で金融引き締めを行う中、日本が流動性の新たな供給源となれば、中国のバブルは止まず、新興国経済には多大な問題を生じてくるでしょう。仮にそうした懸念が外交問題化すれば、将来的には中央銀行の金融政策が、政治からの独立性を失うことにもなりかねません。
今は日本に強くデフレ傾向が出易い時期でもありますが、中期的に見ると中国や新興国の人件費拡大、中央銀行の利上げで日本にはインフレ圧力が掛かり易くなります。恐らく海外に特殊要因が発生せず、このまま順調に経済が続けば、1年後には日本のデフレにも歯止めがかかってくるはずです。そこで出てきた日銀の流動性供給策、具体的には何も発表されていませんが、経済の変動要因を大きくする、その一端にならなければ良いのですけれどね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

2010年03月04日

高校授業料無償化について

麻生政権で用意された高速道休日定額サービスに基づく、10年分の2.5兆円が道路公団に積まれており、民主党政権は来年度からサービス停止に伴い、道路建設に転用可能とする法案を提出する予定です。しかしこれを出せば、政権はジリ貧です。道路に関する建設費のみに限定されること、過剰設備である交通に重点投資をしても経済効果が低いこと、自民党政権が企図した公団の財源確保を後付で容認すること、などが長期の民主党政権への期待値を殺ぐことが考えられます。
国幹会議を廃し、国交相に許認可権限を集中させることも、道路特定財源の数年分もあるこの財源があれば、規律が緩む可能性を否定できません。大事なことは長期ビジョンであり、今道路を造ることは短期の景気下支えだけで、浮揚効果が少ないものです。企業の経常が前年同期比2倍となっても設備投資は17.3%減、これは企業が投資に必ずリターンを見込むために起こります。旧来型の、その場しのぎの景気対策で道路を造り続ければ、財政への不安がいずれ確実に噴出するのでしょうね。

高校授業料無償化法案、自治体を通じて公立高校を無償とし、私立高校はその分授業料を減額するというもの。朝鮮学校の問題もありますが、法律の基本理念により幾つかの課題が見えます。まず所得制限はかけない方が良いです。なぜなら同じ生徒で無償と有償が分かれる事態は明らかに異常であり、イジメとは云わずとも負い目を生じることが考えられ、問題を生じさせます。
朝鮮学校の問題は教育基本法に立ち返ることが良いと考えます。前文に「日本国憲法の精神に則り…」と謳われます。それに基づく人材育成が基本であり、学習指導要領も豊かな人間性と、公共の精神を学ぶことを志しています。ということは、逆に考えれば教育基本法の概念に従わず、独自の教育体系をもつ学校に対し、原則として許可制を取り入れるべきだと考えます。

これは全ての外国人学校も同様に、基本原則として教育基本法に基づく教育がされているか、監視の目を政府が有するということです。高校は義務教育ではなく、子供手当ての延長、という側面はあっても同一視する必要はありません。これは便益に当たるので、一度与えたものは容易に削減が出来ません。むしろ毎年申請し、許可を得ることで経過観察できるメリットもあります。
国交の有無や制裁国だから、という理由を挙げると必ず混乱します。結果的に、弱腰の地方自治体が許可を与える可能性は否めないものの、それは政権の監督方法の問題として、糾弾することも可能となります。大事なことはフリーパスにしないこと、なのでしょう。
日本政府に支援を受け、教育を受ける機会を奪われずに済む、そうした意識は日本人であっても必要です。これは平和や安全、という国家の要件とともに、そこで暮らす人たちに政府が保証するものです。授業料無償化そのものはバラマキに近いものですが、日本を背負う若者を育てる意味での長期ビジョンには資するものです。ただそれだけでなく、就職率などの改善も含めて、合わせて実施していくことがより求められるということを、忘れてはいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年03月03日

経済の話。ギリシャ、イギリスへの売り

参院予算委における遅刻、相変わらず某メディアの突出した記事が目立ちます。「驕りの象徴…ヘラヘラ謝罪」という記事ですが、経緯は10分早まった開始時間を、事務方が伝えていなかったというもの。遅刻は自民党時代も度々ありましたが、閣僚の非の程度は低く、これは事務方の問題です。正確な情報で批判をするのでなく、偏った視方で批判を行えば、信を失います。
北教祖事件でも、一部では反省もあったのか、『検察関係者』や『捜査関係者』として記事を書くメディアもありますが、このメディアの記事の中では未だに『関係者』が出てきます。事件自体は、詳細は別にして事件として成立すると考えますが、謎の存在が語ることが一人歩きする危険を、再び考慮しなければいけません。情報の確度の問題は度々取り上げていますが、批判のための批判ではない、真の論説がメディアには求められていくのでしょうね。

危機的財政状態とされるギリシャで、追加財政再建策に付加価値税の税率引き上げ、たばこ税増税、化石燃料課税、社会保障費の圧縮、公務員の給与カットなどが検討中です。日本の財政再建とほぼ似通う内容であり、一昨日取り上げた英国でも、同様の問題が総選挙の争点に浮上しています。両国ともGDP比12%という財政赤字を抱え、製造業が弱く、金融が強い面を持ちます。
最近、語られ始めたことがソブリン債に対するCDSの問題です。CDSはリスクヘッジに貢献する金融商品ですが、国家破綻に対応できるかは甚だ疑問です。確かに小国であれば、金融、保険機関の規模次第で単純計算では保証も可能です。ただユーロ、CDSに売りを仕掛けるヘッジファンドの存在、AIGが米政府から支援を受けたのも、こうした売り崩しで急速に悪化した金融商品の損失処理、という面が否めないものです。

ユーロ売りの仕掛けが、ドル持ちポジションを積み上げさせ、飽和状態に近付いています。当面はこの整理でドル安に向かい易く、相対的に円が強まりそうです。資源や株が最近、ジリジリと上昇基調ですが、新興・資源国に引き締め懸念が強まり、一旦資金を本国に戻す流れが、こうした資金に利いていると見ています。ただ更なる引き締めや、悪材料が出ると急落の恐れがある動きであり、注意はしておいた方が良いものです。配当取りの現物買/先物売の裁定取引も出ているようですが、来週のメジャーSQは今よりも1万円に近い方でとるのかもしれません。
日本は貿易黒字国であり、蓄えた富が国債を買う、というシナリオが一般的で、国債や為替は相対的に強い傾向です。ただ高齢化で預金を取り崩す、富の放出がもうしばらくすれば始まる、と語られるように、シナリオが崩れることも考慮すべき段階です。日本が本格的に、売りを浴びせられるのはまだ先ですが、ポンド売りの仕掛けが始まったように、先進国も崩せるほどの力を、過剰流動性が持ち始めていると見ています。不測の事態に備える意味でも、財政全般への目配せを間違えてはいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2010年03月02日

予算案が衆院通過。年内成立見通し

平成22年度予算案が衆院で可決されました。政治とカネの問題があっても、野党が衆院可決を遅らせてプレッシャーをかける、という戦術をとれなかったのは、審議拒否の失敗もありますが、野党案が出なかったためでもあります。ギリギリで組み替え動議は出しましたが、予算案そのものを審議する材料もなく、委員会は本筋の予算審議をベタ凪の状態で通過させています。

参院選に向け、各党の動きが活発です。国民新が参政権問題や夫婦別姓問題で保守色を強く打ち出し、政権内保守として主張する戦術に出ています。逆に社民は参政権付与や、朝鮮学校への高校無償化導入に積極的で、戦術の違いが際立ちます。ただ両者に対する投票行動は概ね似通います。
民主党政権が続くという前提で選択する保守/革新。これはフィルターがかかった状態であり、漉された水を更に漉す形です。日本は最大でも3割程度しか積極的支持層がおらず、ここに訴えるにはフィルターが邪魔をして、基準が曖昧となります。残りの消極的支持層、浮動票にその存在価値を訴えるにも、民主が打ち出す政策により強弱がつくので、妥協の程度次第で優劣が出ます。

民主党は鳩山氏のポジションが曖昧なこともあり、保守/革新の色付けより、醜聞や事業仕分けの成否が影響します。今回の北教祖の問題は、鳩山氏、小沢氏の問題より始末が悪いですから、引き際を間違えると大きな痛手です。事業仕分けも、公益法人の選別だけでなく、行政側の仕組みに切り込まねば、国民の失望感も強まりますから来年度の内容は重要なのでしょう。
一方の自民党は分裂気配です。ただ中川秀直氏や小池百合子氏は、従来の力をなくして迷走中。新勢力の舛添氏にしろ組織力はなく、誰を頭に担ぐかで内紛を繰り返すのは従来型の自民党です。党を飛び出すタイミングを窺うにしろ、旧勢力を追い出すにしろ、舛添氏の政策提言もハッキリせず、イメージ先行で錦の御旗選びに失敗することは、安倍、福田、麻生で経験済みのことです。

最近、注目の集まるみんなの党にしろ、需給ギャップを埋めろと強く主張していますが、30兆円とされるギャップを埋めたら財政破綻します。こうした政策全般の不透明が強く、行革の期待が高くてもあくまで第三極止まりでしょう。集金力、組織力、課題はまだ多いと思われます。共産党の立ち位置が最も微妙です。基礎票はありますが、政権与党に切り込む迫力に欠けるのは、メディアの立ち位置と同じ。民主党政権との距離感を計りかね、存在感を失っています。
英国総選挙が5月に実施予定ですが、財政赤字と経済政策、福祉の問題を抱えるのは英国も同様。むしろ日本よりも深刻に捉えられています。マニフェスト違反と否定する動きがあり、参院選でどう政党が明らかにするか微妙ですが、自らの基本政策をしっかりと掲げ、戦うことで日本でも問題点の抽出に役立ちます。抱えた問題の大きさと、それに向き合う姿勢、参院選までに自身の行動でどれだけ明らかにするかが、結果にはより利いてくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年03月01日

日経新聞の電子版について

沖縄県石垣市長選で、自公の推薦候補が当選したことに、某紙では「政治とカネ」の問題が大きいとしています。ただ同日行われた福岡県行橋市長選では、民主の推薦候補が当選していることは触れられず、地方には地方の事情があるということは考慮されていません。石垣市長選は普天間問題もありますが、民主推薦候補の多選と市政への評価が第一位だったのでしょう。某紙は「政治とカネ」の追及に余念がありませんが、何でもかんでも結び付けられるものでもありません。

日経新聞がネット有料化の方針を示しました。米紙ではすでに始まっており、一部情報は従来通り無料閲覧が可能です。ただ新聞掲載記事全文や、詳細な解説などを有料サービスとしており、また情報整理等のツールも準備し、検索やまとめ易くするというもの。ネットのみで4千円、新聞購読と合わせると1千円の課金であり、3月23日から始まります。
情報は2つの側面を持ちます。速報性と分析、解説の精度です。現状、新聞に速報性は期待されていません。テレビ、ラジオ、ネットなどの媒体に速度では敵わず、新聞に求められるものは分析などの精度となります。批判的に見ると、今回の詳細な解説の付与には、新聞紙面で伝え切れない情報があり、それを電子版として流すのか?そう勘繰ることもできます。それは本体の、新聞媒体としての精度を疑わせるものであり、必ずしも好感はされないでしょう。

大手メディアの優位性は、世界、全国に普く布いたネットワークであり、広く情報を集めることには長けています。これは人の数を揃えれば対応可能ですが、分析や解説は人の質に関わります。専門家や有識者に頼るにしろ、必ずしも正しい結論を導くわけではなく、自らの研究分野や主張に引き摺られ、同じ事象でも有識者により全く違う結果を示すことも考えられるのです。
最初の段の記事でも、意図的に原因を結び付けた可能性を排除できず、それは立場により物事の視点が変わることを意味します。正誤の判断はあくまで個人に委ねられる。それに価値を見出せるかが、日経の試みの成否を左右するのでしょう。情報整理のツールは便利なようですが、それとて料金を支払ってまで行うことかどうかは、価値観により変わってくると考えられます。

各メディアは広告収入が減り、新たな収益源を模索し始めています。テレビでは局アナに宣伝させたり、CMのフォーマットを提供してみたり。ただ全体として、あまり成功した印象はありません。今回の試みも、情報量に差が出るため、富裕層と貧困層の格差が拡大する問題と絡めてみることも可能です。既存の大手メディアに頼るべきものと、そうでないもの。その中で相互により良い状態となるには、もう少し模索を続けることが大事なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | 社会