2010年04月

2010年04月30日

官房機密費に関する野中氏の発言

米国の1-3月期GDP速報値が、年率換算で前期比3.2%となりました。4四半期連続でマイナスを記録した後、3四半期プラスを維持しています。前期と比べて伸びは鈍化、個人消費と輸出に明るさは見えるものの、住宅投資は低く、再び下落トレンド入りしたと見られる米住宅価格の動向が、今後の米経済全体の不安として、意識されるかどうかが鍵となってくるのでしょう。

98〜99年の小渕政権で官房長官を務めた野中氏が、官房機密費の使い道を暴露しました。毎月5千〜7千万円程度を使い、首相に1千万、野党工作用に国対委員長に5百万、参院幹事長に5百万、当時の野党議員や政治評論家にまで渡していたと云います。官房機密費は領収書の要らない、使途不明なお金として、税金が体よく政治家の財布になっていたことが、明らかになった形です。
野中氏は「官房機密費はなくした方がいい、改めて議論を」と述べますが、当然土地改良事業費の半減に対し、面当てしたと推測できます。こっちの予算は削ったのに、官房機密費を以前と同様、使途を明示せず使うとは何事か、と。ただこれは本人の意図がどうであれ、正しい動きであり、これで政治の闇の一端が国民に開示された、という点では大きなものがあります。

重要なのは評論家への供与です。受け取らなかった田原総一郎氏、という言い方をしているので、対象は元政治家ばかりでなく、評論家全員に及びます。資金を受けていたのかどうか?から発言内容、立ち位置に至るまで、評論家全体の信任を失う事態です。つまり税金の無駄遣いを指摘する側の人間が、税金を食い物にしていた、という実態が浮き彫りにされているからです。
日本では秘密警察やスパイ防止法がないため、官房機密費自体の使い道は、元々多くありません。こうして過去のこととはいえ、使途が明らかになったので、廃止の方向で動くべきでしょう。河村前官房長官など、苦境に立たされるといいますが、これは政党の問題ではなく政治全体の透明性の問題です。もし残すとしても、過去十年に遡って使途を明示するよう、記録を保存、提出させるべきであり、罰則は選挙で国民が判断するべき内容を伴っています。

政界工作や世論誘導をするために税金を投入する。これが政治腐敗の温床にならないためにも規制が必要なのです。特に民主党は政治主導を謳うので、行財政に金をバラマキ、自身の政策実現やイメージ戦略に用いられる可能性を、完全には否定できなくなります。平野官房長官は、以前から古い政治の手法を取り入れる、そうした動きが顕著ですが、これは政権交代の意義を薄れさせるものです。影響力のある百人に鳩山首相が択ばれ、それが政権交代の意義に基づくものなら、益々この手の古い体質は、改める方向でいくべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年04月29日

基地問題に対する米国

普天間基地移設に関し、政府が徳之島飛行場に海兵隊千人単位の移転と、名護市辺野古の浅瀬に杭を打つ方式とを検討している、との方針が伝わりました。まだ最終決定ではないようなので、コメントは控えますが、米国側の事情について少しふれて見たいと思います。
日本ではほとんど報じられませんが、米国内でも一部報道では、日本側を統制できないオバマ政権に対し、苦言を呈する記事が載せられています。内容は、米保守派がなぜ口を閉ざしているのか?ということですが、日本叩き一色ではない、健全な検証記事も出始めてきています。

在日米軍の意義に関して、未だに中国や北朝鮮が持ち出されますが、北朝鮮はデノミの失敗以降、国民の不満で国の制度が機能しない、若しくは見直しを迫られており、今は戦争どころではありません。軍を動かし、国内を手薄にすればすぐにクーデターが起きることでしょう。
米中は経済面から戦争できません。米国は大戦後に2度、債権放棄を行って米国債を紙屑にしていますが、仮に中国と戦争するなら現状発行されている米国債を破棄し、同盟国には戦時特例債への借り換えを認める、程度の強引な手法が必要です。仮に日米安保があっても、米国が破綻するぐらいなら、安保を一方的に破棄する方が簡単で、米国は当然のようにそうするでしょう。

不測の事態に駆けつけるのが海兵隊、とも云われますが、韓国潜水艦の時はどうか?と考えれば容易に答えが出ます。深海のことで事情が判然としない、という理由はありますが、今回の事態を受け、緊張状態で海兵隊が沖縄から出陣した訳でもありません。つまり冷静に事態の推移を見守る期間が必要であり、これは如何なる場合でも同様、余程明確な開戦の状態がない限り米軍が動くことはなく、緊急時に駆けつける軍隊でなくても十分、ということを意味します。
米軍がいれば抑止力、という考え方も今後は捨てるべきでしょう。それより、米中が密約を結ぶ、そんな可能性を考慮しておく必要性が出てきます。今後の米中の接近、軍事・経済の強力関係が進むとき、日本の位置付けが曖昧になることは確実です。米中の思惑で日本が振り回されないために、両国の動向を分析しておくことは、今後日本の課題となってくるのでしょう。

日本とて米国債の大量保有をしています。しかしそれが外交カードにならない、厳しい状況です。米国の債券市場は、最近社債との金利差逆転が起きるなど、不安な記事も伝わります。今はソブリンリスクを意識され易い時期ですが、外貨を稼いでも円に換金せず、国債などのまま運用する今の企業、国の体質は、根本から見直さなければ後に大変な荒波に巻き込まれる事態も予想されます。
米国は第2次大戦後、ネバダ射撃場を核実験場に指定し、十数万人の被爆者を意図的に生み出した国です。冷戦下で核開発競争が絶対であった時代と、現在は違うというのは当然ですが、いざとなれば非常な決断を下す国、ということは考慮しておいた方が良いのです。米国で日本パッシングからナッシングになることも含め、対米外交を見直すタイミングには、来ているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:39|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治

2010年04月28日

欧州ソブリンリスクと中国不動産リスク

米格付会社S&Pがギリシャ長期国債をBB+と3段階格下げ、ポルトガル長期国債をA-と2段階格下げし、欧米日の株価が軒並み急落です。ギリシャはジャンク債級、そのギリシャ支援に名を連ねるポルトガルも、債務不安を抱える事態です。最も悪い状況は、未だに見通しが「ネガティブ」であり、今後も格下げが意識される状態であり、これが未だに不安を引き摺る原因です。
しかも今回の格下げで一般のソブリンファンドでは取り扱えず、ジャンク債級の資金しか集められなくなります。EUが300億ユーロの支援を行いますが、支援国は血税をジャンク債に投入する、という形になり難しい対応を迫られます。IMFが150億ユーロを投入する予定ですが、非常に厳しい財政再建計画策定を求めると見られ、これも不安に繋がります。債務削減の確率も高まっており、そうなると欧州全体に飛び火する事態となりかねない、そんな不安も漂います。

危なくなればドバイに対するアブダビ、ギリシャに対するEUが下支えする。より巨大な組織にリスクの付替えると同時に、欧州系の資金を痛めないよう、配慮する姿勢が鮮明です。しかしディストレス資産への投資のような、不良債権への資金流入が減ることになれば、信用不安が再燃し、世界が再びリーマンショック後と同様の体験をすることになるのでしょう。
この問題は抜本的な解決策を提示せず、ズルズルと悪い状況を引き摺る展開です。国の債務を過少申告し、甘い条件で組んだ債券は、どう見積もっても整理が必要です。総額450億ユーロの支援を、ドブに捨てるのでなければ一旦ケジメをつける必要も出てきます。複数年に跨り1200億ユーロが必要、という試算もありますが、債務不履行ではなく整理で済む段階で、何らかの決断が必要となるのでしょう。逆に、公的資金投入を甘い判断で行えば、禍根を残すことになります。

一方で中国では、加熱する不動産投資を抑えるため、2軒目以降の住宅購入頭金の引上げ、ローン金利の上昇、新しい不動産税制などが話し合われています。また不動産会社による増資を凍結、これにより新規資金の流入と、価格操作について徹底的に糾弾する方針を示したといえます。
すでに中国不動産はバブル症状です。このバブルが弾けると、銀行の審査の甘さが不良債権を抱える懸念を想起させます。資産が膨らむことを見越した融資、というとサブプライムのようですが、中国は地上権のみの設定であり、土地は個人所有ができません。不動産自体の資産価値は著しく低く、ウワモノは違法建築だらけという状態であり、一旦価格下落に見舞われると、5年後には購入層の高年齢化が訪れ、厳しい不動産市場に陥るとの資産も発表されています。

中国の不動産規制は、人民元改革に向けた下準備との見方もありますが、リスク投資が活発とはいえ、上海万博終了後の中国経済が読み難い中、投資資金は増えないでしょう。むしろ今は引上げ方向、という側面を考えれば、中国は遅きに失した対応だったといえるのです。欧州と中国で起きる信用不安へのリスク、徐々に猶予を失っており、早期の決着が求められるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 欧州

2010年04月27日

小沢氏に対し検察審査会は起訴相当と議決

小沢民主党幹事長の陸山会の土地取引を巡る事件で、検察審査会が小沢氏本人を起訴相当と議決しました。市民目線、善良な市民としての感覚、が謳われており、一方で新証拠の提出はありません。あくまで2人の元秘書の供述と、状況証拠から鑑みての決定という形になります。

同日、大阪地裁で自称障害者団体「凛の会」による郵便不正事件において、厚労省元局長の関与を否定、という判決が下されました。捜査段階での元局長に関する供述を不自然と認定、先の元局長に対する裁判でも同様に、検察が捜査段階で描いたシナリオ通りの供述を得ようと、高圧的、誘導的な取調べをしたと、裁判所が認識していることを意味しています。
陸山会の元秘書の供述も上記と似た構図です。検察がメディアに、自らが描く構図を垂れ流していましたが、それに基づき供述調書も作成されています。しかし元秘書は公判で争う姿勢を示しており、検察とは全面対決の様相です。検察が確実な証拠を提示できるか、それが裁判の争点であり、この事件においても供述の価値は著しく低下している、そう言わざるを得ません。

状況証拠では、小沢氏を絶対権力者としていますが、だからこそ犯罪の臭いがあれば遠ざける、と考えるのが妥当です。有能な秘書であれば、特に政治家本人を巻き込まないよう、配慮するでしょう。「うまくやれ」をどこまで指示と見なすか?政治家本人の政治資金規正法での立件の難しさは、密室で、口頭で行われる事実をどこまで立証できるかであり、現状では起訴相当とするだけの根拠には乏しいのです。ただ世論調査の動向を見ても、国民は公判で明らかにすることを望んでおり、検察に対しても厳しい見方をしていることが窺えます。
恐らく検察は当初の判断を尊重して再度の不起訴。これは面子のためにもそうするはずです。2度目の検察審査会で起訴相当とされ、強制起訴となります。ただこの手の事件で冤罪は避けたい裁判所が、状況証拠でクロと断定はできません。再捜査で証拠固めが進むかどうかでしょうね。

政治的な影響は、どこかの段階で幹事長は辞任。但し選対本部長就任など、影響力は残す形でしょう。金丸氏とオーバーラップさせる向きもありますが、自民党時代は派閥で力のある同士が話し合い、切ると決めたらバッサリでしたが、今の民主党にそんな余裕もありません。それより幹事長に留まり、参院選惨敗の詰腹を切らされた方が、余程政治的な影響力ではダメージです。
タイミングは連休明け、再捜査で参考人招致も受けないでしょうから、そこで幹事長の仰天人事を発表し、当面の幕引きを図るのでしょう。検察審査会第2弾の決着は年末から年明け、そこで起訴相当とされ、参考人招致を受けて身の潔白を宣言し、役職辞任という形が小沢氏の想定にあると推測します。逆に、それ以外のシナリオでは党内外の圧力を避けられず、立ち往生することになるのでしょう。この動きを受け、小沢氏の政界引退は若干先送りか?とも考えますが、それが良いことか、悪いことかは今後の政局次第、ということでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 司法

2010年04月26日

都市再生機構と鳩山首相の不起訴相当

事業仕分け第2弾で、都市再生機構(UR)の仕分けが行われ、天下り役員の問題やファミリー企業との随意契約の問題が取り上げられ、規模の縮減が決まりました。しかし自ら設立目的は終了、と述べているように、URが競争しているのは民間不動産であり、全て民間売却で十分です。
これは民主党の財源議論にも関わります。つまりURを株式会社として民営化し、上場後に国は株売却益を得る。また資産を譲渡する契約と引き換えに、国に第三者割り当て増資を行い、数十年かけて返済させる。こうすれば独法が金の卵に生まれ変わり、上場企業の役員は履歴を公表するので、甘下りも難しくすることが出来ます。役員報酬をストックオプションとしても良いでしょう。

仕組みは様々に考えられますが、1つ云えることは、今と仕組みが同じままで事業規模の縮減や契約の改善を求めても、実効性は高くないということです。それより民営化のメリットの方が余程大きく、組織の改善も進み易いのです。金融部門に跨る郵政より、こちらの方が余程民営化が簡単であり、ゼロベースの見直しにも資する内容、ということでもあるのでしょう。
不動産価格はバブル期を頂点にジリジリと下げました。バブル期は作り過ぎ、その一端をURの前身が担っていました。また05年辺りから不動産価格に下げ止まり傾向も見られたように、民営化により市場が混乱する不安も減っています。今こそ民営化に最適な時期、特に先進国、新興国がバブルを生み出している間は、不動産価格はしばらく安泰なはずです。そして今後、どうなるかは分かりません。今がUR民営化の最良で、最後のタイミングです。今回、そこに踏み込めなかった点は、後々まで問題を引き摺り、解決を難しくすることになるのでしょうね。

鳩山首相の偽装献金事件において、検察審査会が鳩山氏本人の不起訴を相当と認めました。以前から指摘していますが、これは政治資金規正法上どうにもならない問題です。母親から何億円もらおうと、贈与税に当たる分は納入済み、今回の起訴要件は虚偽記入しかありません。政治資金は資金管理者が責任を負い、それは政治家本人ではない。審査会も違和感は指摘していますが、これは法律上の問題であり、ザル法を指摘したに過ぎない、ということになります。
現状の政治資金規正法がある以上、鳩山氏の責任はありませんし、この疑惑に関してこれ以上の説明をする必要はありません。逆にいえば、民主にしろ自民にしろ、人の批判の前に法律を正しく整備し、言い逃れできないほど厳しくする、ということが必要なのです。

貸し金業のグレーゾーン金利では、過去に遡って返還請求に応じるよう決まりました。政治家が自助努力を訴えるなら、政治資金の規制を厳しくした上で、過去に遡って適用しても良いのでしょう。本来、法律では遡って刑事罰を適用ということが出来ませんが、罰則のない追及として国会答弁を義務付け、などは法律上記載することも可能なはずです。法律の適用には抜け道があると同時に、運用で融通を利かすことも可能です。政治が信頼を取り戻すために必要なこと、自らが出来ることは検察審査会に申し出るばかりではない、ということでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年04月25日

政治はパフォーマンスであり、報道はパフォーマンスではない

事業仕分け第2弾をパフォーマンス、という表現がありますが、政治の半分はパフォーマンスで構成されます。最近流行りの新党立ち上げの記者会見もパフォーマンス、ぶら下がり記者会見もパフォーマンスです。残り半分のパフォーマンスでない部分は、永田町の論理で動く調整の部分であり、国民には不透明な、分かり難い範疇にあるということは考慮に入れておく必要があります。
これがパフォーマンスでも、結果が評価の全てです。メディアは目標額がないことを批判しますが、見出しを欲する態度であり、継続的に垂れ流される天下り役員への給与など、金額の算出できないものを目標にした場合、構造的にどうか?ということを判断材料とすべきです。逆に、事業仕分けの評価とは非常にシンプルです。パフォーマンスだけで、実行力があるかどうかは、きちんと見れば誰の目にも明らかになるようなことなのです。

米ワシントン・ポストが報じた「岡田外相の辺野古移設容認」発言で、日本メディアは現行案か?との憶測記事を書き立てます。しかし米メディアは特に政治や特定団体に利用され、利用する関係にあります。これを事実と報じるより、米政府の意向を探る意味で伝えるのではない、というところに現在の日本メディアの動きが、一方に傾いていると感じさせる部分です。
外相が複数案を提示し、米国は最初のステップと評価、今週にも詳細を示すとの見通しと伝わります。オバマ大統領の厳しい口調に、鳩山首相の随行員が動揺、とも。これは対日外交面で失敗、と米国内に見なされ始めたオバマ政権が、イニシアティブをとって交渉を進めている、という印象を強く国民に植え付けるための記事です。更に辺野古案を規定路線とする目的もあります。

先の鳩山首相を嘲笑する記事も同紙ですが、米政権と強い強力関係にあることが分かります。米紙は民主、共和と旗幟を鮮明にする傾向があり、政権との距離感は様々です。一方で日本メディアは?と言えば米紙の報じる内容を金科玉条の如く扱います。恐らく現在は民主叩き、それに利用できる内容は怪しい情報であろうと、それを採用するという方向で動いている気配があります。
鳩山政権では閣僚が調整を行うので、途中段階で閣僚発言を報道しても、意味がありません。閣僚間の調整後、閣議や政権が正式に発表しない限り正式な内容でなく、首相でさえ自分の意見を感想のように述べます。それを嫌気したからといって、他国の報じた内容を事実として捉えるのは、些か早計に過ぎるというものです。普天間基地移設の問題が、連日のように報道されますが、ほとんど中身がない記事も多くあります。地元の動きも、メディアに振り回され始めており、弊害は民主党ばかりではなくなってきています。事実を検証する流れ、この問題が正式に決着する段階がいつかは分かりませんが、情報公開により事実とメディアの報道内容との検証は、これがパフォーマンスに終わらないためにも、いずれ行わなければならないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | メディア

2010年04月24日

ギリシャの支援要請とG20

ギリシャがEU、IMFに対し、正式に支援要請を行いました。これによりユーロ圏は300億ユーロ、その内ドイツは3割、フランスは2割程度の負担となりそうです。IMFも150億ユーロの支援を予定していますが、支援の枠組み作りや具体策については今後協議され、5月に発表される予定です。
債務悪化を受けてギリシャ国債の利回りが上昇、長短金利差が逆転、2年物で12%、10年物で9%の状態となりました。支援要請を受け、一旦低下した利回りも再び9%近くまで押し戻されるなど、不安定な動きは継続しています。これは支援策の実施に伴い、債務整理が行われるとの懸念が払拭されないためであり、ギリシャ国債の信用低下が収まっていないため、でもあります。
当然、現在の利回りを払い続けることは不可能。市場からは450億ユーロでも、今後の財政状況次第では一段の支援が必要と見なされており、どこかのタイミングで債務整理が必要と意識されているのです。これまでもギリシャ支援に関しては決定打がないまま、問題が継続されました。今回の支援と引き換えに、国家破綻に陥らないスキームを組めるか、それは現行の再建策以上のものを求められており、そうした手を打たない限り収まらない事態なのでしょう。

同じ頃、G7に続いてG20が開催されました。世界は想定以上に景気を回復させている、一方で斑模様との表現をしています。人民元やギリシャ問題には触れず、銀行に対する規制強化も盛り込みませんでした。米国を含む欧州勢が銀行規制、即ちリスクのある取引に手数料をかける案や、大手金融破綻に備えた基金の創設などに積極的なのは、むしろリスク取引で肥大化する金融機関を、そうした高圧的な手法でしか規制できない、金融当局の苦悩があります。
一方で、カナダや日本のようにリスク取引に加担せず、リーマンショックを乗り切った国にとっては、金融機関が自己規制をかけているので、当局による介入は無意味なことです。米当局がゴールドマンサックスを狙い撃ちしたのも、収益構造が投資銀行部門に集中し、出る杭と認識されるためです。金融機関に資金をつぎ込んでも、商業銀行部門に資金を回さない機関は、今後も当局から制裁対象として狙われる恐れがあり、そうした方向でも金融機関には不安が漂います。

しかし不安の芽は摘み取る。仮にG20で合意されずとも、欧州ではABSの詳細な報告提出を義務付けるなど、不透明な金融資産への規制は始まる気配です。米国も共和党が強力に反対していますが、法案は現政権が推進しており、国民の支持もあることから合意すると見ています。
米国株が堅調ですが、欧州不安と新興国の金融引き締めを受け、本国に資金を回避する流れで起きています。しかし金融規制が米国で本格化すれば、この流れも収束するでしょう。現状は米国で金融規制がない、ゴルディーロックと呼ばれる状態ですが、資金を吸収する動きは政策金利ばかりではありません。むしろこれだけ量的緩和に舵を切ったのですから、資金吸収は容易であり、米国ではFRBの資産減少を促す動きもあります。ギリシャを売り叩くような、不透明な資金を排除する。さもないと誰もが不幸な世界になるのであり、こちらの動きの方がむしろ早期に実施しなければいけないことなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 欧州

2010年04月23日

新党改革と事業仕分け第2弾

舛添氏が参加し、新党改革が立ち上がりました。改革クラブの政党助成金を流用する、という形に批判が集まり、金のかからない政治を打ち出します。ただ自民党時代に企業献金の分配を受けていた舛添氏の態度が、その場しのぎ、チグハグに見えてしまいます。また改革クラブは自民党と統一会派を組んでいたのであり、民主・自民との決別を訴えるのも、態度に一貫性が見えません。
改選を迎えた議員が舛添人気にすがる構図が鮮明ですが、「自民党の舛添」だからこそ次期首相に期待されていたのであり、少数政党のトップでは期待も遠退きます。彼が首相になるには小が大に乗る、国民から乖離した政治力学、永田町の論理が必要であり、そうした構造面の不透明感が最大のネックです。新たに参加する議員は与野党問わずいると強気ですが、政策に目ぼしいものもなく、御旗が『舛添』の看板だけでは議員も、国民の期待も集まらないのでしょうね。

事業仕分け、第2弾が始まりました。47独立行政法人、151事業を対象としており、独法内のムダや天下り、ファミリー企業との関係などが対象です。削減目標額が提示されない、という不満も見受けられますが、問題は『構造』にメスを入れることです。前回の事業仕分けでは厳しいとの批判が相次ぎ、後半に廃止や事業停止などが出ず、金額面でも物足りないものとなりました。
構造主義の大家、レヴィ=ストロースは著書の中で「体系とは均衡状態であり、変形できない。構造は均衡状態に手が加わると、別の体系に変形する」と述べます。事業仕分けとは変化を与える手法ですが、縮減や見直しでは構造を変化させるのみ、真の意味でムダ削減にはなりません。

継続したムダ、その構造にメスを入れることは重要です。しかし省庁が先行して「見直し中」とすることで、議論を封殺する狙いは、結果的に『構造の変形』に留まることを意味します。ナゼこれが『無意識の構造』に留まるかは、社会を構成する一要素として、人や組織が関係すると認識されるためであり、省庁から繋がる下部組織までを一つの『構造』と見なすことによります。
大事なことは政治の力により、変形を加えることではなく、刷新を図るということです。社会における有用性があるなら、公的資金は一切入れない。研究・開発にはそれを民に売却し、収益を得る構図を求めることが必要です。そして極力公金に頼らない、むしろ頼る組織は廃止するか、国に統廃合を進めることで十分です。天下りで元公務員の人件費を事業費に置き換える、これも今の日本にある悪しき構造であり、見直さなければいけない、喫緊の課題となっているのです。
日本が財政再建を果たすには、国が収益性の低い組織、業務を肩代わりする、ということでは進められません。成熟社会の中で、社会における必要性を見出すのは民でも十分であり、国が組織として抱える理由は皆無です。ゼロベース、そこを徹底させられるかが鍵なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年04月22日

米中の動きと高速道路法案の見直し

今日は深読み、裏読みを強くしていきます。まずは中国海軍の潜水艦を含む10隻が沖縄近海の公海上を南下、沖ノ鳥島近辺で海上活動を行い、寄港を果たした動きです。ワシントンで核サミットが行われ、日中会談もあるとされた日付の直前、特に日米がギクシャクしていると言い、普天間移設を果たせば中国海軍は、ある程度活動が容易になりそうだというこのタイミングで、です。
一般には、日米の反応を確認する、と語られます。ただ上海万博を控え、海外向けに良い顔をしたい中国が、わざわざ不安と不信を煽る行為を戦略上据える、というのは些か考え難いことです。逆に、核サミットでの米中の親密さ、戦略上の一致点を見る限り、沖縄近海の軍事的な緊張を高めることで、在日米軍の存在の重要性を強調する狙いがあった、という勘繰りをしています。

沖縄の在日米軍の存在も、政府間で内通があれば中国軍への脅威ではありません。また海上で示威活動が出来れば、軍備増強を進める中国軍にも利があります。以前であれば一笑に付す内容ですが、現行の米中の動きは、日本を跳び越して両国の一致した利害で動く可能性を示唆します。
米国に阿ろうと、中国に近付こうと、日本の立ち位置は非常に脆弱です。在日米軍が今後も、日本防衛に機能するかは米国の思惑一つ、という極めて難しい立場に日本は置かれるのでしょう。

次に高速道路法案が、民主党内から横槍が入った件です。新料金体系は、党内要請により新規の高速道路建設費用捻出を目指したものです。マニフェストに合致しない、という党内の理屈は前原氏にも受け入れ難く、財源もないのに道路を造って無料化することは、魔法にしか聞こえません。
しかも閣議決定しており、政権で政策を作るとしたこれまでとも違えます。小沢幹事長が選挙目当てで高速道路法案の修正を示唆した。この言葉には注意が必要です。高速道路料金は、確かに参院前の6月に値上げ方向なので、影響はあると思いますが、それは軽微です。それより大きな課題、普天間基地移設が決着しなければ、選挙戦はかなり厳しくなることが想定できます。

外交を動かすには、良い条件を示すか、相手の嫌がることをしない条件とするか、の2点があります。現状、良い条件を出しても米国は反応しそうにない。選挙にとって最大の障害となる、普天間問題の決着を図るなら、後者の手法で挑むしかありません。それが党内で隠然たる力を見せつけ、鳩山政権退陣となれば次は小沢政権、というシナリオを米国に示すことであり、これは選挙と連動した小沢氏の動きと見ます。良い方に捉えすぎ、と思われるかもしれませんが、閣議決定した後の政策を党内で覆すことのマイナス面を、当の本人が自覚できないはずがないのです。
中国海軍が米軍と連携、小沢氏の態度、いずれも日米中の関係が以前の構図から変化した、という前提で想定できる視点です。あまりに曲解した見方、ということも可能ですが、核サミットでも長時間の正式会談を果たした米中が、一致して日本を貶めるシナリオは容易に想定できます。そしてこれは、在日米軍の位置付け変更を余儀なくするものです。普天間移設、核サミット、米国の反応ばかりを取り上げる日本メディアですが、もう少し広い視点を持たなければ、複雑化した冷戦終結後、米中接近を果たした後の世界の枠組み、その読み方を誤ることにもなりかねないのでしょうね。

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2010年04月21日

アイスランドの噴火の影響について

舛添氏が離党を公言しました。意外でしたが案の定、改革クラブに手を突っ込んで党員集めをしなければ、政党要件を満たせない脆弱政党での船出です。もう少し党内で基盤を固め、主義主張の合致する、腹心を伴っての離党でなければ迫力もありませんし、意味もありません。特に新党入りが噂される荒井氏は主張が異なりますし、少数政党の数合わせに党を渡り歩く人物です。見切り発車せざるを得なかった、追い込まれ新党という言い方を、今のところはしておきます。

党首討論が開かれましたが、相変わらず低調です。1つ、徳之島の3町長が官房長官と会わない、ことに『潔い』とするメディアもありますが逆です。受け入れ拒否を示すなら、面会の場でメディアを前に拒否を宣言しなければなりません。つまり今は判断を先延ばし、時間稼ぎをしており、世論の沈静化を目指している。若しくは高値の条件を引き出そうと、駆け引きしているに過ぎません。正式に受け入れ拒否をしていない人間を持ち上げるのは、今のメディアの態度の中に与党が悪、それに反対する人間は民意であると、誤った認識が芽生えていることによるのでしょう。この3町長、今はまだ狸寝入りをしているだけ、本心が見えていないことは確かです。
アイスランドの噴火も英ハブ空港であるヒースロー空港でも、段階的に緩和され、一時の小康を保っています。1日運航が止まると、航空業界は多大な損失を被りますが、今回はそれに済まないと予想されます。事故紛いの事例が起きると、欧州へ飛行ルートをとる飛行機の保険料が上昇しますし、危険と認識されれば旅行者も減り、飛ばしても利益の得難い構造が出来上がります。

日照不足による農業への影響も深刻ですが、体内時計であるサーカディアン・リズムが狂うと、うつ病を発症し易くなります。あくまで影響が継続した場合ですが、生物的な損失は深刻となるはずです。もう1つ、BMWや日産が部品不足で工場の操業を一時停止していますが、モノ不足は深刻です。
生産性は低下し、給与も減額されるのにモノ不足でインフレ。特に現状、各国中銀はインフレ誘導を行っており、モノ不足が明確になると物価上昇を招き易くなります。一方で賃金カーブは下がり、経済への打撃は深刻となります。長期的には、調達先の自由化、多様化を進めた結果のモノ不足であり、海外リスクを避ける動きが活発化して内製の動きが出るのかもしれません。その結果、新興国に工場を移転してきた製造業にも、新たな動きが出るかもしれません。

一番深刻なのは、実は欧州各国の債券市場です。余計なコストが膨らみ、税収入は減少する。物流コストの上昇とモノ不足でインフレ、それを食い止めるには資金を吸収するか、利上げしなければなりません。それが経済の打撃となり、更に税収を悪化させる悪い循環に陥る可能性があります。
債券ストラテジストの間では、次に売る国を探していると云います。財政健全化の道筋が狂えば、売り叩いて収益をとってくるでしょう。気候や震災など、最も起こって欲しくないタイミングで、問題が拡大することはそれだけ悪い影響を与え易いのです。証券市場はバブル状態であり、未だに悪材料を織り込めていませんが、GDP下押し圧力が出たことは間違いありません。島のマグマの噴火という意味で、アイスランドは国を崩壊させかねない、深刻な事態なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 欧州

2010年04月20日

トヨタとゴールドマンサックスの対応

米金融大手ゴールドマンサックス(GS)が、注目された1-3月期決算を発表し、純利益34億$強と強い数字を示しています。しかし先週発表された米証券取引委員会(SEC)による、CDO組成に伴う訴追を受け、業績以外の先行き不透明懸念を、どう払拭するかが最大の関心事になっています。
GSショックと呼ばれた先週から、米株は1日で戻りを試しましたが、SECの訴追の議決で票が割れたとの報道も、民主系と共和系の差がそのまま反映された形です。逆に、ロビイスト活動を共和党に偏って行う金融機関、という色分けを鮮明にしたので、民主党は頑なになります。民意は高額報酬を復活させた金融機関に批判的、一方で富裕層はティーパーティーを主導しており、こちらは民主党に批判的、双方が強硬に世論を主導しようと躍起になる姿が窺えます。

昨日、トヨタが米運輸省に対して1637万$の制裁金に同意しています。両者の動きに米企業と日本企業の差が見えます。GSはSECに対して徹底抗戦、英独も訴追に向けた調査が開始され、それでも裁判で争う姿勢を示します。CDOの売買は一般投資家より、機関投資家向けが多いですが、SECの発表で早くも訴訟の検討に入る動きがあるように、訴訟大国で非を認めたら負け、の風潮があります。
両者を比較した時、車に例えると分かり易くなります。車を造った工場は、壊れると思って保険をかけた。販売店はそれを伝えず顧客に売った。これがGSです。車を造って売ったら、使用者が自分で買ったフロアマットが引っ掛かって故障した。これがトヨタです。製造段階で壊れる想定ができた側と、製造時に使用法を予測し得なかった側、それでも対応は真っ二つに分かれます。

金融商品の売り手は、価格下落の責任を負わない。一般的なことですが、その際情報開示を怠れば当然処罰されます。サブプライム問題が発生した当初、格付け機関が問題視されましたが、金融機関の情報開示姿勢に問題があると、今回のSEC提訴は明らかにします。同じ取引をドイツ銀等がしているとされますが、金融機関全体が、金融商品という自らが組成するものに対して、製造者責任を負わなくて良いのか?という命題が、この裁判で突きつけられることになるのです。
トヨタは長期的な論争と、米運輸省から悪い情報が流されることを恐れ、制裁金の支払いに応じます。ただ民間訴訟が次々と起こされ、苦しい状況です。一方でGSは冷却期間を置くため徹底抗戦です。これは臭いものに蓋をする国と、臭くないと言い張る国との違い、なのかもしれません。

米国の2大企業が米政府により提訴される。背景には国民を守る姿勢より、国が対面を保つため、大企業の暴走に歯止めをかけたという栄誉を得るため、というニュアンスが顕著に表れます。米ナショナリズムに火を点けるのは、財政のみならず米国の中にある危機感、なのでしょう。一企業の動きすら、米国を貶めると見なされれば攻撃対象となる。金融で肥大化する以外の道が閉ざされたとき、米国は真の意味で『大国』としての存在を試されることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(2)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2010年04月19日

大阪維新の会・新党の動きについて

橋下大阪府知事が代表を務める地域政党・大阪維新の会が立ち上がりました。大阪都構想として、大阪市を含む周辺地域を統合し、行政のスリム化を図ることでムダ削減を成し遂げる、というのがスタンスのようです。行政の統合が成功する鍵は、地方議員のスリム化のみならず、公務員削減を成し遂げられるかどうかです。身分保障のある地方公務員の数をどう減らすか?府議選や市議選に候補を立てるようですが、議員数が増えればそれだけ問題も増えますし、議員の数に頼って立法に走ると、反発も大きくなることが予想されます。
国政とは一線を画すようですが、大阪の地盤を押さえれば、そこから選出される議員は否応なく、この地方政党との距離を試されます。一部には支持母体を固め、地方議員選を有利に戦おうとする動きがありますが、それとも真っ向対立する流れです。現状の世論の流れから見ると、大阪維新の会が有利に見えますが、こうした地方政党の流れが今後活発化するかもしれません。すると、某与党幹事長の描く選挙戦術は、益々難しくなってくると考えられます。

新党の動きでは、自民党の舛添氏が否定発言に躍起ですが、現状は党内基盤を固めたいところ。逆に査問にかけられ、党を追い出されることになれば元も子もありません。政党内批判者、これは改革者の印象があり有利、ただ破壊者との印象を植え付けられれば不利です。しかし批判があろうと、党内改革を目指すのなら執行部入りするべきで、この辺りの行動の食い違いが、執行部に目をつけられる原因です。配下の党員が少ないから役職がなくても良い、では通用しません。
与党の動きとしては、徳之島の全島集会がありました。開催者発表の参加人数は倍以上嵩上げ、が一般的ですが、26千人の島民に対して7千人は多い数字です。移設先を打ち出すなら、地域支援策も同時に持って地元と話し合いをすることが肝要ですが、議論の透明化が民主党政権の特徴であり、途中経過が駄々漏れのために、今回の強い反発に繋がったと見るべきでしょう。

鳩山政権が5月退陣、が実しやかに囁かれますが、これは先に平野氏が責任逃れの発言をし、メディアがそれを許すまじ、とキャンペーンを張った結果です。しかし鳩山政権が退陣する場合、次の点を考慮する必要があります。5月末に決着がつき、それと引き換えに総退陣という形です。
全てに失敗して総退陣、という形は誰も望みません。逆に外交、内政ともに次期政権に重い課題を残すからで、退陣のタイミングは一定の結論をつけるため、首相の座をかけるときなのでしょう。参院選が戦えない、という意見もありますが、それでは自民党が繰り返した失敗と同じです。首をすげ替えても、全体方針が定まらなければ同じであり、国民はそれを見透かすでしょう。
鳩山氏に限って云えば、放り出すとも指摘されますが、野党党首の座と今では責任の重さが異なります。それこそ鳩山母に叱咤されるでしょう。新党が増え、民主党に有利かどうかは、むしろ支持率など選挙に有利かどうか?という面が強く、一概には指摘できません。ただ野党側は一枚岩にならないと、与党を追い込むのに苦労します。今の新党乱立状態、日本という国が益々外国から分かり難くなり、ガラパゴス化することが最大の懸念、ということになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年04月18日

日本創新党の結成

現役首長を含む、地方行政の経験者が名を連ねる「日本創新党」が結成されました。この話が出た当初から、かつての「日本新党」をイメージさせましたが、90年代の新党ブームを創出とさせる動きです。政治不信、政治家の不祥事などが相次ぎ、既成政党に失望した層を取り込もうとする動き、参院選の結果如何によっては今後も、増えていくのかもしれません。
現状は政党要件を満たさず、テレビ討論の出演なども制限される厳しい状況です。小さな賢い政府、法人税・所得税減税による景気対策、道州制の導入などが目に付く項目ですが、あまりハッキリとした主張は感じません。地方から国を変える、危機意識がある点は伝わりますが、もっと大胆な地方分権策を提示しないと、国民には結党の意味が伝わり難いのでしょう。

90年代と大きく異なる点は、政治と国民の距離が近いことです。参院選では、民主党のマニフェスト見直しにより、その位置付けが参考程度になると予想されます。そのため、党の主張として個性を打ち出すのが更に難しい状況です。自民党もネット利用に傾くなど、選挙制度そのものにも変化の兆しがありますが、メディアの露出も少ない中、第三極を目指すには苦労しそうです。
1つは、国民の間に地方分権の利点が理解されないこと。地方財政は国より悪化しているところが多く、その分行政の仕組みや制度も国より早く正常化に向かいますが、財政悪化の原因は未だに内包されたままです。それは議会が地元業者との癒着の温床になり易く、名古屋市議会の混乱など、議会が抵抗勢力として、地元利権と既得権益の代弁者と映っていることも影響します。

そんな地方に財源と権利を移して大丈夫なのか?その不安に応えなければ首長連合が多数を占められませんが、それは日本創新党も十分理解しており、連携に含みを持たせています。つまりこの時期に結党する理由は、与党の参院過半数割れに乗じ、一定の影響力を行使することなのでしょう。
政治家である以上、全政策に提言をしたいはずですが、この政党は『地方の視点』を訴えて地方分権の『専門政党』となり、どの党とも一定の距離を置くことで、政権与党で有り続ける選択肢もあります。つまり社民や国民新は参院選は相当苦戦するはずであり、これは全政策に責任を持とうとする態度に起因します。既存の政党は全政策を並べ、選挙を戦ってきましたが、個別政策に強い拘りをもつ政党として存在感を示す、そういうことが唯一可能な政党になりそうです。

昨今の龍馬ブームに肖り、龍馬の有名な言葉を一つ。「世の中の 人は何とも 云えば云え 我がなすことは 我のみぞ知る」既存政党にしろ、新党にしろ、それが向かおうとする先は、政党に属す議員とて定かではありません。「為すことを知る我」が国民の期待を集められるか?それは魅力という意味で、イメージ戦略に依存し易くなっているのが現状なのでしょうね。

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2010年04月17日

経済の話。ゴールドマンサックスの提訴

アイスランドの噴火の影響が、ジワジワ広がっています。日照不足による農作物の不作、物流への影響などの他にも、火山灰の性質によっては機械系への打撃が想定されます。世界にハイテク機器が行き渡ってから、初めてと言える先進国に大量の粉塵が降りかかる事態です。懸念が指摘される英国経済、PIIGSのみならず独、仏に影響が出れば他国支援どころではありません。
ギリシャがEU、IMFに支援要請に備えた協議を申し出ました。債務の借り換えは進むものの高金利が重しです。ユーロ統一に否定的だったドイツ経済学者が、ギリシャ支援の違法性を提訴など、未だに落ち着かない欧州。噴火の影響が長引くと、致命傷になりかねない事態となるのでしょう。

米証券取引委員会(SEC)が金融大手ゴールドマンサックス(GS)を提訴しました。内容は債務担保証券(CDO)の組成に大手ヘッジファンド(HF)が絡み、そのHFは損失補てんのCDSを購入したとするもの。つまり投資家にCDOを投資家に売る際、CDS購入の事実を告げなかったこと、金融保証会社はHFがCDOを購入していると考え、それをGS側が正さなかった、情報開示義務違反というものです。
個人的な感触ではSECの言い分に分があります。GSは反発、ただ経済が落ち着くまで待ち、満を持しての提訴だけにSECの勝算はかなりあると見ます。罰金は大した額にならないようですが、失う信用は大きいでしょう。金融大手の決算でも明らかなように、投資銀行部門の収益と貸し倒れ引当金の減少が利益を押し上げており、投資家の資金を集め難くなれば、投資銀行部門に影響します。

しかも気になるのは、ペンシルバニア州の州都が5月に財政破綻の懸念、と発表しました。3月の住宅差し押さえ件数も増加し、失業保険申請件数も増加、4月消費者信頼感指数も予想外に低下するなど、いみじくもバーナンキFRB議長が議会証言した「雇用と地方財政に懸念」の言葉が、ピッタリの事象が起き始めています。米経済は本当に堅調なのか?金融機関がこのタイミングで、貸し倒れ引当金を減少させて本当に大丈夫か?は不透明な状態が続いているのです。
日本市場は4月第1週まで外国人買いが続いていましたが、そこを極に買いの手が止まり、一旦調整局面を迎えています。しかし騰落レシオの150%乗せなど、緩んだ経済の異常な部分は垣間見せており、しかも今は上昇相場を志向して、そう主張する金融関係者も多い、実はここが上昇の極点になり易い段階にきている、ということは相場の傾向からして、指摘できるところです。

PIIGSの一角であるポルトガルの諺から1つ。『高い所に登りたがる者はよく地上に落ちる』この言葉の肝は『よく』であり、上り詰めたままでいることは出来ず、いつか落ちる運命にある者がほとんど、ということを示唆します。健全な調整が必要なのに、それが起きると金融機関の収益が減少したり、企業の自己資本が減少したりと、悪いイメージに捉えられ、上しか目指せなくなっている。溜まったマグマが破裂するような、そんな事態を避けるよう動かなければいけない、そんな時代なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2010年04月16日

鳩山政権の普天間問題

普天間基地問題で、鳩山首相が5月末決着に拘る姿勢に対し『自ら窮地』なる表現も見受けられます。しかし昨年末、3月末と悉く結論を先延ばしし、再びとなれば政権は自滅します。平野官房長官が曖昧表現に終始するのも、自らが取りまとめ役であり、責任者であるからですが、これは責任逃れをしているに過ぎません。政府高官も同様、この件は鳩山氏の態度の方が潔いものです。
この件の失敗は、政府高官や閣僚の発言の中に「米軍のプレゼンスを落とさない」や「抑止力の維持」が混じることです。それと沖縄から基地を移設することは明らかに矛盾。米軍にとっては意味不明な提案にしか聞こえません。それは徳之島であっても同じ、前者を確認したはずなのに、それと異なる提案を持ってきて、何を検討しろというのか?と不信感に繋がる事態となっています。

つまり交渉担当者は前者を確認しつつ、後者の提案で妥協してくれ、との政治的決着を目指したのに齟齬にされた。というのが最近の動きです。先日の日米非公式会談の内容は、双方が異なることを述べるので正確にはわかりませんが、一つ云えることはオバマ政権が鳩山政権の維持を望めば、妥協案を飲みますし、そうでなければ妥協案を蹴ることを模索しているということです。
外交は交渉術です。例えば日米安保の改定や、米軍は第7艦隊で十分との小沢発言を引用し、米軍に揺さぶりをかける手もありました。しかし今回は利害関係者全員の意見に耳を傾け、マニフェストに縛られ、ウィンウィンを目指そうとした。その結果、1つのピースが自らの利を訴え、肥大化して嵌らなくなるだけで、全体のパズルは完成しなくなっている。それが現状です。

では、ピースを小さくして嵌るようにするためには?鳩山氏がオバマ氏に述べた「トラスト・ミー」も、本当は部下である平野氏を信じた言葉です。これまで鳩山氏は平野氏に任せ切りで、積極的に動いた形跡はない。それが鳩山政権の手法とも云えます。だからこそ打てる手は、平野氏を更迭して鳩山氏自らが地元、米軍に頭を下げて回り、妥協案をお願いするしかないのでしょう。逆に、それもなく5月末を迎えるなら、間違いなくこの政権はジリ貧となってくるはずです。
また現在、米国ではメディアを通じた日本バッシングが盛んです。それを逆手に、米軍のネガティブキャンペーンを打つ手もあります。密約や地位協定など、米軍を追い出そうと思えば出来る提案は、幾つもあります。内外に批判が噴出する提案であり、ギリギリ外交の面を持ちますが、日本政府がハッキリした態度を打ち出せば、米国もそれに応じたシフトを組みます。その時、妥協案を提案できる可能性も見えてくるのかもしれません。

米国が嫌がるのは日本がこっそり米国債を売る、これが最大です。米財務省発表で、中国は米国債保有残高を徐々に低下させている。一方で日本は増やしており、このバランスが崩れれば、米国は経済面から崩れます。10年債利回りが4%手前に張り付き、これ以上の利回り拡大は容認し難いのです。鳩山政権があらゆる手を使い、外交の落とし処を探れるのかどうか?ただ今の交渉窓口では、それは望み薄であることが確実であり、1ヶ月半を切った段階で人、モノ、カネをフル活用した策を練ることが出来るかどうかが、鍵となってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アメリカ

2010年04月15日

中国の1-3月期GDPについて

昨日の記事で、自民党の舛添氏は自ら記者を呼び集めたようです。それが失望を生む内容だったため、党内外のみならず、メディアからもバッシングが強まっており、本人も失敗に気付き始めたでしょう。厚労相時代も、年金改革案をフリップを使って示し、後に私案ですとやった前科もあります。政治家の旬は短く、一度落ちると再浮上は難しい。舛添氏は岐路に立たされたのでしょうね。

中国青海省の地震、交通の便が悪く高地であるため、救援にも様々な支障があるようです。中国では古来から瑞祥、吉兆を国家繁栄の印と見る向きがあり、逆に凶兆が続くときは国家体制の末期と読む向きもあります。四川に続き今回の地震、また黄砂の大規模発生や大雨、豪雪などの異常気象も中国を襲います。世界規模の異常とはいえ、中国にも多く発生しています。
今回、チベット族が多い地域だけに、海外メディアが入れるのか?情報が得られるかも不明ですが、対応に失敗するといずれ国家への不満に跳ね返る、そうした問題もあります。被災地域の支援など、その後の対応にまで目を配り、経緯を追わねばいけないのでしょうね。

そんな中国で、2010年第1四半期の実質GDPが11.9%と発表されました。加熱を懸念される12%にギリギリ届かず、相変わらず予想通りの数値です。また3月消費者物価が2.4%上昇と、2月の2.7%から見て低下。2月は寒波の影響もあり、高い物価上昇でしたが、それとほぼ同数を示しています。
これを見て、金利引き上げや人民元切り上げの見方も別れます。現状の懸念は、中国の経済指標が信用できないのに、その中国を信用して世界経済が保たれていることです。例えば人民元相場では、同じ中国製品なのに、国外では約半値で買える事実があります。国内で還流する人民元と国外と取引する人民元とは、大きな乖離があり、これをすり合わす作業から始めねばなりません。つまり人民元の価値が内外で大きく異なるため、ゆっくりと行うにしろ、調整幅の変更にしろ、国内市場にダブついた余剰資金の吸収の仕方が、とても困難になっているということです。

不動産価格の高騰も、並みの金利引上げを打ち出しても収束できません。国際収支を赤字に、物価を低く見せかけても、今から手を打っても手遅れな水準に来ているのが中国経済です。中国の人民元は、対ドルで3〜4元が妥当との声もありますが、通貨安競争に陥る可能性も危惧されます。商品の価格が海外市場の2倍、という国内の値付けは、輸送コスト等を考慮しても異常であり、現在の人民元相場への介入が、かなり異常な状態にまで膨らんでいることを示唆しているのです。
これから毎月金利を引き上げても不動産バブルを押さえるには1年、人民元相場を緩やかに切り上げれば、その間はインフレ期待が固定化し、抑制が難しくなります。ただ逆に、一気に引き上げれば景気の下押し圧力が強く、その水準に悩むことになるでしょう。どちらに動かしても、中国経済を軟着陸させるには、統制型の経済を導入する以外手はないと考えます。青海省の地震のように、内部から揺すられるのか、外圧によるのかは別にして、中国経済の屋台骨は柱のない楼閣、石や日干し煉瓦で積んだ建物のように、脆くなってきており、その牙城はかなり脆弱になりつつあることを、意識しておいた方が良いのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2010年04月14日

厚労省の職員による詐欺

自民・舛添氏が昨日、橋下大阪府知事と会食。明日には東国原宮崎県知事と会談と伝わり、新党結成か?との噂が立ちます。この人物は現状、組織内批判者である方が居心地がよく、自民党に期待しながら歯痒い思いをする一部の支持層と、歯切れの良さで無党派層を取り込めます。
それでいて党内改革からは距離を置くので、存在感を出すためには常にメディアに露出する必要があり、狙って大物と会談して新党か?との噂を流します。新党となれば自らの主張、政治姿勢や政策を打ち出さねばならず、今からでは候補者選定も難しいので、参院選前に新党立ち上げなど出来るはずもありませんし、する必要もないものです。メディアもニュースと見出しが必要なので仰々しく報じますが、衆参ダブル選挙なども、この支持率で与党が敢行するはずもないので、この辺りを見てもメディアの報道姿勢がやや野党に軸足を置いている、と見ることもできそうです。

厚労省の室長が、部下の人事移動をネタに百万円を詐欺、発覚した後停職3ヶ月の処分を受け、依願退職する事件がありました。金額が小さくてもこれは立派な詐欺。それなのに退職が成立し、公費から退職金が支払われることになります。しかもこの1件だけなのか、余罪があるかの捜査も行われていません。本来、諭旨免職とし、刑事告訴を視野に厚労省は動かねばなりません。
身内に甘い処分、といっても同じ身内が被害者です。だから馴れ合いで済ます、というのでは組織腐敗の極です。この人物は人事担当をしていたこともあり、その頃同様の手口で詐欺を働いていた、という推測も可能です。そうした犯罪を覆い隠し、官憲の介入を防ぐ目的をもってこの人事が即断された、とすると極めて罪が重い官僚の判断と云わざるを得ないのでしょう。

文科省職員がスリ、という記事もあります。民主党は公務員改革を訴えて政治主導に移行したのですから、こうした身内に甘い処分を下そうとする、省内の動きを制御しなければなりません。以前からの指摘ですが、不正を起こした者は厳しく処分し、内部統制の利いた組織とする方が公務員のためなのです。真面目に仕事をしながら、公務員は甘い処分で済まされるから、内部で不正があるだろうと色眼鏡で見られる、その方が余程不幸を招くことになります。
事業仕分けで公益法人を改革し、民営化や廃止を決める。それも天下りというシステムを食い止めるために必要です。しかしこの人物は退職なので、下手をすれば省庁の斡旋で、どこかの法人が採用することも考慮しなければいけません。再度述べますがこれは詐欺、しかも故意であり過失ではありません。退職金は労働対価の側面をもちますが、犯罪行為に手を染めた者に、そこまで配慮する必要もありません。民主党が公務員をコントロールするためには、真面目に働く者を引き上げると同時に、悪いことをする者を排除する姿勢は、もっと明確に示すべきです。それがなければ、公務員改革など無理、という印象が益々拡がり、支持率を落とすことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 行政 | 社会

2010年04月13日

ギリシャと核サミットと日本

11日にECBが発表したギリシャ支援策、1年の間に300億ユーロを5%程度の金利で3年間貸与、というものでした。7%半ばだったギリシャ国債の金利は6%台に低下、今日になり12億ユーロの政府短期証券による借り換えに成功しています。ただし入札金利は12ヶ月物で4.85%と高利です。
債券ストラテジストから見れば、これほど美味しい商売はありません。300億ユーロの担保をとって、年利5%近い金利で貸付が可能だからです。それもこれも、ギリシャが自主再建に拘り、ECB支援を断るために起きていますが、短期金利として見ればこれはかなり高い数値です。
ドイツから見ると、ECBへの負担額でギリシャ支援も割り振られますから、支援が全額実施されると90億ユーロを拠出せねばなりません。ただ独国債は2%超であり、調達金利との差で3%近い利回りが得られます。しかし国内法の整備や国民理解の面では、ドイツには試練も多くなり、一方でギリシャもこれだけ高い金利で借り続ければ、財政破綻に陥るのは目に見えています。ここまで来ると見せ掛けの対処法と、市場調整力に任せるばかりでは1年後の危機を防げないのでしょうね。

米国で核サミットが開催されています。核テロが怖いともされますが、ウランにしろ兵器として使用される濃度のものを、普通に持ち歩けば皮膚が溶けます。運搬には容器に入れる必要があり、米国内に持ち込むには相当ハードルが高く、リスクとして見れば低いと云えるでしょう。
米国が気にしているのはイスラエルであり、物資輸送に紛れてパレスチナから、イスラエル国内に持ち込まれる核を警戒している、と穿った見方をしています。イスラエルは核保有国、その国内で核が使用されれば、悲惨な結果を招きかねません。核には核で反撃、そんな体制を作り上げた米国にとって、イスラエルの暴発は北朝鮮以上に厄介と感じているはずです。

そんな核サミットに鳩山首相が出席しています。非公式会談を10分、一先ず会談できて安堵の日本と、議会に対して日米関係の良好さをアピールしたいオバマ氏、そうした思惑が一致した10分です。ただ問題は多く、普天間問題で鳩山政権の生殺与奪権を米国に握られ、米牛肉の輸入問題、人民元問題など両国間で話し合っておく内容は山積み、なのに10分ということです。
オバマ政権にとって懸念は、鳩山政権を米国の圧力で潰すと、次には小沢氏が政権をとるのでは?ということです。小沢氏は米国にとって要警戒人物、主張を曲げず、対米追従路線をとらないことから、対日政策で苦労することは目に見えています。米国としては民主党執行部の刷新前、参院選前に日本で何らかの政変まがいの行動は起こしてもらいたくない、というのが本音です。
よって米国側も普天間で妥協の余地はありますが、日本はお願いする立場であり、外務省的には借りを作ったと映ります。どういう決着にしろ、日本が米国に対して一歩退いた立場に陥るのは確実で、今後に禍根を残すでしょう。特に、現在の駐米大使は民主党と距離を置き、米国に呼び出されたというウソの演出まで行った某氏、今後も米国との調整には問題が噴出しそうなことだけは、間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 海外

2010年04月12日

『若者の○○離れ』について

少し気になる記事があったので取り上げてみます。最近、若者の車離れ、酒離れなどの言葉が用いられます。ですが、若者はこの『○○離れ』という言葉に違和感を覚えるというもの。結論から言うと『バナレ』の語感にある『放れ』では、解け分かれる意味合いが強まりますが、『離れ』には解け分かれる意味と元々距離を隔たっていた意味、との2つがあります。違和感をもつ人は前者を意識し、メディアは後者の意味を用い、そうした生活に馴染まない若者文化を指しています。

『文化』とは『慣れ』です。歳を重ねた者は兎角、後に続く者も自分と同じ道を歩むと誤解しがちです。以前は大人への階段と称し、半ば強引にお酒やタバコを進める風習があったのもそのためです。しかし遺伝的欠損などにより、強引に勧めると危険を伴うと知られ、今やそうした場は減りました。お酒を呑み始めから美味しいと感じる人間は少なく、数や量を重ねて徐々に身体を慣らしますが、今は拒絶して終わり、習慣にならず、文化として受容され難くなっています。
車文化も、以前であれば時代の最先端を体感できる存在であり、メディアも脅迫的に煽り立てました。しかし今や車は内部構造のハイテク化とは逆に、アナログな道具と意識されます。都会では保有自体が重しであり、車に乗る習慣がない。習慣化されないため、文化として定着しません。

シェアハウスもこうした傾向を示します。バブル期には、子供のお小遣いも天井なしという家庭も見受けられ、幼い頃から消費を謳歌する生活をしていました。しかし現代の若者はバブル崩壊以降の子供、お小遣いも少なく、CDやゲームを友達と貸し借りし合い、懐具合に見合う生活が身についています。所有せずとも借りて済むならそれで十分、そうした生活にも慣れているのです。
若者文化は特に変容の激しいものです。特に幼少からの生活、時代背景に至るまで、過去と現代が同じではないので、違うことが当然となっています。殊更にそれを取り上げ、奇異な目で見ると、やはり相手に違和感を生じさせることになるのでしょう。互いの違いを認めることが、文化の差を埋める最大の努力、要因だとすれば、文化との付き合いに『場慣れ』できていないのは、むしろ若者の傾向を色眼鏡で見ようとする大人、ということになります。

各社の世論調査が出て、政党支持率でも30%を超える党がなくなりました。拮抗というと聞こえが良いですが、どちらかと言えば政治という場が低調になる雰囲気も漂います。若者が政治離れ、日本離れをしないためにも、各政党が核となる政策をもって、真剣に戦う場を作る。また政治がそうした場に慣れる、ということが今後も求められていくのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2010年04月11日

経済の話。中国の貿易赤字

中国で3月貿易収支が7千億円弱の赤字、と発表されました。俄かに信じられない数字ですが、輸入が前年同月比66%増の11兆円超、輸出が24%増の10.4超円となり、輸入が高い伸びを示したことが原因です。輸入用の部材や資源価格高騰も一因ですが、人民元の切り上げ観測を打ち消すため、一時的に輸入金額を吊り上げた可能性も、存外捨て切れないものがあります。
緩いドルペッグ制をとる中国は、為替で調整する機能がないため、資源高が輸入額に直撃します。そのため海外調達品である部材は、人民元を切り上げてから輸入した方が得です。生産計画もあるので、一概には云えませんが、このタイミングで輸入を急増させる意図が若干薄弱、もう少し人民元切り上げを遅らせ、今世界で起こるバブルに乗るという意図もあるのかもしれません。

日本でも3月景気ウォッチャー調査で前月比5.3pt高い47.4を示しました。高額商品に購買が志向され始めている、とも伝わります。世界は過剰流動性、現金は豊富なので当然の傾向なのですが、それでも日本はデフレです。所得の伸びが限られ、雇用のパイが縮小傾向にあるので、狭い購入層を狙う商品は別ですが、一般消費による数量効果を狙った場合、安くせざるを得ない面があるからです。ただそれでも所得を落とさない、一部の層はデフレ傾向で益々消費せずとも済み、浮いた資金が高額商品などの嗜好品に向かい始めた、というのが実体なのでしょう。
欧州不安も伝わりますが、ギリシャ支援に際し、IMFやEUの枠組みからは年6%超の利回りで貸付で合意しています。ギリシャは一時国債利回りが7%を超え、国内銀が支援要請など、破綻国家の様相を呈していますが、市場金利と同様での支援となると、支援の意味合いは薄れます。このままでは近い内にギリシャは財政破綻、ユーロの枠組みを離れて再生に向けて動き出します。それに伴い、PIIGSも段階的に売り崩され、ユーロ圏が縮小する方向で調整がつくでしょう。

そうなると、金融機関が抱えていた不良債権の問題が再び取り沙汰されます。高利回り債、ディストレス債に投資する手法は、最早欧米の金融機関の定石であり、一つの破綻が危機に直結するのは、リーマンショックで体験済み。しかしそれを改める金融規制が未だ整備されていないために、必然として起こります。後1ヶ月以内に、ギリシャに関する問題に道筋をつけなければ、レールを外れた世界経済列車は、軌道修正が出来ないまま奈落の底まで突っ走ることになるでしょう。
中国が金融機関の融資残高を今年、百兆円積み上げるなど、景気の良い話が伝わります。急速に進める公共投資、バブル化する不動産、計画経済に慣れ切り、破綻することなど全く気にしていないその無知が、中国経済の原動力です。そしてそんな中国に世界が依存している状態は、異常ともいえるのでしょう。ギリシャ支援に関する足並みの乱れと同時に、世界が不安定なまま、どれだけ持ち上げられるかというチキンレースが、今後どれだけ続くかということを、しっかり見極めていかなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(2)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2010年04月10日

たちあがれ日本が結党

ポーランドの大統領、中銀総裁、参謀総長を含む要人一行の乗る飛行機が、カチンの森追悼式典出席の途中で墜落しました。ロシアともEUとも距離を置き、ポーランド愛国主義を唱える大統領だけに、諸外国や国内反対勢力の秘密工作などが疑われるところですが、現状は何とも云えません。ただ選挙で択ばれた大統領を失うことは、国民にとって不幸なことです。すでに大統領選に動き出していますが、当分は国内の混乱が続くことになるのでしょうね。

「たちあがれ日本」党が正式に結党しました。メディアでは「たち日」なる訳語も出ていますが、一部では命日の意味で用いられるようです。この政党、これまでも懸念は示してきましたが、その中で石原都知事の意見が気になったので、取り上げます。「30〜50代にこの国を憂いているのはいるのか?民主党は腰抜け、老骨の5人に共感して応援団長になった」とするものです。
平沼氏も、与謝野氏も「民主には売国的政策」や「このままでは日本は没落」と訴えていますが、日米地位協定の下で、米兵の犯罪を日本で裁けないとしていたことでも明らかなように、日本を米国に売り渡していたのは自民党です。現在、日本がデフレ、低成長、少子高齢化、年金や医療などの社会保障に不安を抱えるのも、全て自民党が行ってきた施策により引き起こされています。

自民党が支持を失っているのも、これまでの反省、統括がないためです。つまり自民党と距離を置きながら、やたら自民党との一体感を示す「たちあがれ日本」は、過去を引き摺る党の自民党のイメージを払拭できない、ということになります。そこに来ての石原発言は、国を誤った方向に導いてきた世代が、勝手な御託を並べているようにしか聞こえない、極めて不遜な態度に見えます。
国民は自民党政治に一旦待ったをかけた。それなのに政権中枢にいた人物たちは反省もなく、あたかも下の人間が悪い、と云わんばかりです。これは先の五輪誘致失敗の責任をとらない、自らの態度にも重なります。この人物は失敗を認めず、国や他の人間に責任を転嫁してばかりです。

この国をダメにしたのは、まさに上に立つ人間のこうした態度と云えるでしょう。誰しも失敗や誤りはある。それを認め、次に失敗しないよう改善するからこそ、人は向上できます。しかし失敗を認めず、責任を人に押し付けてきたばかりに悪い膿が溜まり、最後は人が責任をとれない範囲まで問題が拡大します。新銀行東京も同様、問題の先送りでは解決が難しい問題です。
一将功成って万骨枯れる。その枯れなかった万骨が老骨となって、改めて功を為そうとするとき、総括と反省がなければ、誰も見向きもしないでしょう。新人ではなく、積み上げてきたものがあるからこそ、新たに一歩を踏み出すときに他者を批判するばかりではいけない、ということです。政党としての成立を目指し、糾合してしまったため自らの主張すら曖昧にしてしまった中、この政党が他者を批判するばかりでは議席などまず無理なことなのでしょうね。

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2010年04月09日

高速道路の新料金体系について

前原国交相が新高速道路料金を発表しました。普通車は70km以上が上限2千円、軽・エコカーは40km以上が上限千円、中型車は170km以上が、大型車は120km以上が上限5千円、特大車は150kmが上限1万円です。首都高、阪神高速は別、平日も適用され、ETC等の条件は撤廃されます。
中短距離の輸送業者に不利とされますが、現状でも短い距離は一般道を使うのが常です。長距離輸送と渋滞回避が目的であれば新制度は用を足します。一方で、多くの一般ドライバーは休日千円定額に比べて割高ですが、休日に集中していた渋滞が分散化されればメリットがあります。特に大型連休の前後に休日を重ね、渋滞回避できる。更に日本は構造上、高齢者ドライバーが増えていくため、平日の利用は今後拡大する方向にあります。そうして渋滞が回避されれば、CO2排出量も削減されますから、新制度による恩恵は、政府の大方針とも合うのでしょう。

ただ問題は長所以上に存在します。1兆4千億円が新規道路建設に充てられること。本四連絡橋が割増料金となるように、日本の交通網は過当競争です。狭い国土に道路、航空、列車、フェリーまでが乱立しているため、運賃改定がそのまま他者に影響します。そんな中、過剰投資である道路建設を重ねることは、先の小沢氏が語った「国民の声」に応えるだけに過ぎません。
自民党時代、建設業界を潤したのは無償の献身を引き出すためです。票集め、選挙要員を補充するなど、地元建設業者と癒着する構図を作り出してきました。小泉政権以降その構図が崩れた。今、最もその恩恵を受けているのは、誰あろう小沢氏です。小沢氏の秘書が逮捕された際、この構図を問題視する記事も散見されましたが、元々は自民党経世会が作り上げてきたものなのです。

コンクリートから人へ、これを訴えるなら1.4兆円を用いて、過当競争状態にある建設業の業態転換を進め、産業拡大を促す施策に用いても良いはずです。公共工事型の景気対策は、今や不要な人員をその場限りで抱える悪政に分類されつつあり、今回の道路建設はそれにしか見えません。
しかも首都高や阪神高速の距離別料金は、新たなシステム開発と料金徴収の設置が必要です。これは恐らく新たな渋滞ポイントとなるはずで、利便性は著しく低下しますし、その背後で新会社の立ち上げなど、道路公団の新たなファミリー企業の登場まで疑わせます。

必要な道路は造る。当然ですが、今である必要は全くありません。道路を造る分で、国債の償還を進めて市場に資金を供出しても良いですし、利払いを減らす努力をしても良いでしょう。一方で多額の赤字国債を発行し、焦って道路を造らねばいけないほど、日本の交通網に不備があるとはとても思えません。小沢氏の手法で、建設業界は旧自民党政権時代の無償の献身を、民主党にもたらすかもしれません。ただその結果は自民党の末路と同じ、ということを肝に銘じておかないと、国民の視線という最も厳しい評価基準で、民主党が事業仕分けされることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2010年04月08日

米国と各国との関係の変化

米ロで戦略兵器削減条約の第2弾となる新START条約が締結されました。戦略核弾頭配備数の上限を2200から1550に、核搭載可能な大陸間弾道弾(ICBM)、潜水艦発射弾道弾(SLBM)、戦略爆撃機の上限配備を700とすることが書かれています。両国の議会の承認を待って発行されますが、大体劣化した核兵器を解体し、再濃縮するなりするとこの程度の削減は予想できる数値です。
予算がかからない検証体制も条約に盛り込みますが、米国のMD戦略にロシアは反発しており、進展状況によっては見直しも可能との意向を示唆しています。保有・管理に多額の予算を計上したくない両国、大国としての面子を保ちたいロシア、核削減を外交成果としたい米国、新たに核保有国が出現する動きを片目で睨みながらの交渉だけに、歓迎ムードとはいかないところです。

米国ではキルギスの政変、財務長官の急遽訪中など、慌しい動きがおきています。訪中の動きは人民元相場の問題も絡みますが、中国は相場操縦を認めていないため、仮に今の緩いドルペッグを動かすとしても、正式発表はなく、ゆっくりと水準を調整する程度です。個人的には夏頃に向けて、調整が始まると見ていますが、相場には期待と懸念の両面が向かっています。
キルギスの政変では、アフガンの後方支援の拠点を失うことになります。更に中国の背後に軍を配備し、ロシア、中央アジアから中東にかけて、睨みを利かせたい米国の戦略転換を迫られるものです。東欧や中央アジアにかけて、ソ連時代の反発から米国が食い込みたいところですが、エネルギー戦略などでロシアが関与を強める中、米国は優位性を失いそうな勢いです。

日本の普天間移設も、政府案はほぼキャンプ・シュワブ陸上部にヘリポート、徳之島に一部移設を規定路線としてきたようです。ただ既存の滑走路を使うにしろ、海上埋め立てが必要との見方も出てきて、方向性は再び不透明になっています。どちらにしろ、米国がアジアで一定の力を保ちたいのであれば、中央アジアのポジション低下に伴い、日本に期待することは大きくなります。交渉にはプラス面とマイナス面が出てきますが、外務省主導の交渉ではマイナスとの受け止めが大きくなるでしょう。
輸入牛肉の政府間交渉が再開されますが、米国は中間選挙に向け、形振り構わぬ戦術を取り始めています。輸出拡大を至上命題としたオバマ政権、米民主党は成果を求めて、圧力をかけられるところには掛けてきます。これを普天間とのバーターにするとの意見もありますが、問題の規模と方向性が異なること、国内の受け止めは必ずしもプラスでないことから、難しいでしょう。
米国では新金融規制で、証券化商品の発行体に5%の保有を義務化する案もあります。これは先進国会議で方針が決まったことですが、米国が他国の動向にあわせ、金融機関に都合の悪い政策を打ち出せるかは見物です。世界の流れに従わざるを得ない米国と、経済成長を背景にして未だに独立独歩を続ける中国、両国の関係にはキルギスや日本も影響してきます。行き当たりバッタリでなく、次の世界の形を見極めて動かないと、この辺りは将来の禍根となって残ることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2010年04月07日

日銀の政策決定会合

平沼氏と与謝野氏が結成する新党名が「たちあがれ日本」になるようです。早くも立ち枯れ?などと揶揄されますが、足腰の弱り始めた老人たちが、掛け声を掛け合っているような自虐的な臭いを感じます。論語の中では十五志学、三十而立、四十不惑、五十知命、六十耳順、七十従心と述べられています。二千年以上前の孔子による、思想や人間形成における言葉です。
七十の頃は心の思うままに振る舞っても道徳を外さない、と道に達観した状態を表します。思想の異なる者同士が集まり、打倒民主で結集した、といわれても政策のごった煮を指摘される自民党の小型版としか見えません。五十で天命を知ると云われますが、七十という通常の社会であれば第二の人生を考えるタイミングで、野心に燃えた糾合を目指した先に、燃え尽き症候群で立ち上がれなくなる、などが起こらねば良いのですけれどね。

日銀の政策決定会合が開かれました。景気判断は「持ち直し」から、「持ち直しを続けている」とし、当面は3月に行った量的緩和拡大の動向を、今後も見守るスタンスを維持しています。ただヘッジファンド筋は3月から急速に円売りを進め、円キャリーが活発化した印象を受けます。債券売りが加速し、資源高になったのはポジションの見直し以上に、4月になり四半期が切り替わり、新規資金が動き出した結果です。ただこのポジションは4月1週、2週目で大体打ち止めになり、米国の企業業績発表で期待値が剥落、一旦相場は調整するというのがよくあるパターンです。
特に今年、変調を来たしているのは各国の債券相場です。米国は国内事情以外に、ギリシャ問題により入札が不調を来たします。米国では住宅の債権を、MBS買取という形でFRBに付け替えており、他国の債券不安が、間接的に飛び火し易い傾向となっています。近く公定歩合の引上げをする模様ですが、米国の住宅価格や、州の年金積立基金の損失動向などを見る限り、相場が調整を始めると不具合が散見され、厳しい状況を余儀なくされるかもしれません。

日本では今週末のSQ算出を控え、売買が活発化しています。一部のポジションが買いを溜めており、売り方が若干有利とも見られますが、マイナーSQであるためポジションは維持したまま、今回は先送りする可能性が高いと見ています。現状であれば双方が調整済みですので、騰落レシオの150%超えも、一旦の調整を示唆していることから、11200程度を落とし所と見ています。
ただ問題は、円キャリー取引にしろ、コモディティ関連のファンド勢にしろ、ポジションの組み方が偏りを強めており、これは本来規制をかけねば、将来的な変動の高さを生み出します。ギリシャがIMF支援を排除、という打診的情報で相場が急変する、そうした傾向と楽観シナリオが表裏の関係にある中で、金余りが生み出す相場の先に急落を待つことがないよう、日銀にしろ金融・経済運営にはしっかりとした透明性が必要なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2010年04月06日

中国で邦人が死刑

中国の麻薬密輸事件で、邦人への死刑が執行されました。他に同様の事案で3人おり、数日中に刑が執行される見込みです。ただ麻薬事犯で死刑は重過ぎる、という意見は誤りです。各国には各々事情があり、刑の軽重に世界標準は存在せず、自国の常識を当て嵌めると必ず失敗します。
中国はアヘン戦争を経験しています。当初は茶の輸入対価としてアヘンが、後にはアヘン自体の輸入対価として銀が中国から流出しました。広東貿易体制に不満をもつ英国が仕掛けた作戦ですが、その戦争で清朝は半植民地化されます。現代は人民元の操作は指摘されても、取引自体は健全に執行されています。ただし、富を得た人々がアヘンに手を出せば、富がアヘンの対価となって国外に流出し、中国の国家運営自体が危機に瀕することになるでしょう。

中国では黒社会と呼ばれる、犯罪系社会も取り沙汰されますが、現世利益、刹那的思考、生活形態にも覚せい剤を受け入れ易い地合があります。米国の州政府では、軽い幻覚作用程度の覚せい剤なら、合法化し、その分税金を徴収しようという動きもあります。ただ従軍やヒッピーで、比較的覚せい剤に接する機会の多かった米国、しかも神の国、許しや無償の愛を求めるプロテスタント系の思想が強いことからも、米国と中国は大きな差が存在します。
日本では、覚せい剤の単純所持の初犯ではほとんどが執行猶予です。これは社会の相互監視や、道徳性により立ち直りを重んじる傾向からですが、日本の常識そのものが正しいと断言できるものは何もありません。国が変われば、法律も変わる。むしろ犯罪行為に加担した場合、そうしたリスクを背負うことを強く意識し、自らの行動の規範に変える必要があるものです。

昨年、中国では麻薬犯罪で10万人近い検挙があります。陸路で密貿易が可能な国は、厳罰主義を用いる以外に流入する覚せい剤などは、規制が難しい問題です。逆に云えば、中国には中国なりに厳しい刑罰を科す理由があります。中国の裁判に、先進国並を期待するのはもっと無理で、最近こそ世界世論を気にするようになりましたが、以前は傍聴者が「殺せ!」といえば死刑、という程度のアバウトな判断であり、むしろそういう国だと認識した方が良いほどです。
しかし上海万博前のこの時期、反中を煽るような行動を中国がとった、ということの方が重要です。為替操作国認定でも、米国と一定の共同歩調がとれたこと、中国が覚せい剤の事犯に厳罰で臨む姿勢を見せること、等の中国の体外的な事情が影響していると見ますが、先の毒入りギョーザとも繋がるかもしれません。つまり中国は治安維持に努めている、という姿勢を世界に配信することで、安全大国として上海万博前に公言する意味合いです。
日本企業も多く中国には進出していますが、法律の違いを認識することは、とても大事になるでしょう。順法精神で良いですが、日本的な『郷に入っては郷に従え』という言葉もあるように、郷のルールに則らない態度でいると、痛いしっぺ返しを受けることを強く意識すべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 社会

2010年04月05日

平沼新党について

平沼氏、与謝野氏が立ち上げる新党に対し、様々な見方が出ています。党名に関しては「新党みらい」や「新党あけぼの」と、自虐的なものを予測していますが、石原都知事が絡むと「新党せいうん」なども有り得そうです。新生保守を訴えるには、平沼氏と与謝野氏の隔たりが大きく、中庸的で日本を意識させる、そんな名前でなければ平均年齢69歳の、重苦しさしか漂いません。
園田氏はやたらと自民との強調、対民主を意識していますが、これは各人の支持者への影響を考慮したものです。ただ票を食い合うのは間違いなく自民党なので、新党構想が成功すれば自民党脱党を加速させかねないところです。しかし現状、第二自民党や黄昏党などと揶揄されるように、拡がりを見せそうにはありません。永田町では明らかに失敗との意見が大勢です。

原因は幾つか想定できますが、平沼氏の訴える憲法改正は選挙の焦点にはなり難く、経済政策を打ち出せていないことも挙げられるでしょう。与謝野氏は財政再建論者、消費税増税に前向きな政治家です。しかし憲法改正にしろ、消費税増税にしろ、少数政党では政策実現力が低く、国民の期待度も低くなる傾向にあります。夢を訴えるには、第三極としての連立の組み方に影響され、投票先として適さないとの判断も、投票行動には混じってくるはずです。
例えば、今回の新党構想には渡辺恒雄氏も関わっているとされます。与謝野氏は小沢民主党代表と公私に亘る付き合いがあり、一方で青木自民党参院議員とも近いため、この新党はどっちにつくか、今ひとつ不明な点があります。1年と少し前に大連立を仕掛けたフィクサーと、人脈的に見てもどっちつかずの政治家、国民の声を反映し切れるほど、独自色が打ち出せるとは思えません。

自民党執行部に失望し、飛び出したとしながら自民党と対立軸をもつ訳ではない。民主党と対立するかと思えば、政策的な面で協調すら滲ませる。どちらにしろ、この新党には何を期待して良いのか?国民の目は厳しくなるでしょう。下手をすれば国民新党とパイを食い合い、互いにジリ貧の道を歩みそうな気配すら、漂わす新党の立ち上げになると考えています。
国民新党はあれだけ財政の積極出動を訴えても、国民の支持は高まらず、逆に低下傾向です。保守的思想の難しい点は、元々が理念的な中身に経済政策を含んでいない、という点にあると考えます。革新は社会の変革という見方ができます。一方で、保守といっても様々な形態がありますが、言葉のもつイメージに成長戦略や、新規性を訴える中身はないという意味で、現在の国民の声を訴求する力は大きくない、という見方も出来るのでしょう。
この新党は成長戦略、つまり明日の日本に期待させる何かを、国民に夢想させるためには党名には未来志向が必要となります。ただ最初に挙げたように、平均年齢から見ても自虐的になりかねません。新党と云いながら、全く清新さが感じられないメンバーの顔ぶれ、集金力のある政治家は居ますが、船出から相当困難な道程になることは、ほぼ間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年04月04日

米国でiPadが販売される

米国でiPadが発売されました。499$という低価格で電子書籍、ゲーム、ネット閲覧まで可能としています。9.7型タッチスクリーンをもち、0.7kgを切る重さから、ネットノートというカテゴリを駆逐すると言われ、今年の販売台数も700〜1000万台とも予想されています。米国ではアップル社のファンのような存在がおり、また国民性、使用用途からそれなりに売れると考えますが、日本に当て嵌めたときに販売がどうなるか、少し考えてみたいと思います。

日本では文庫が主流であるため、電子書籍としての需要は拡大しません。問題はメールやネット閲覧ですが、iPadはこの用途で見ると不向きです。手持ちにしろ、机に立てかけるにしろ、必ず一方の手で支えながら画面上のキーボードを叩かねばなりません。手で支えないと平置きの形となり、覗き込む姿勢はかなり窮屈で、見栄えがよくなく、アクセサリで別途キーボードを販売するようですが、かなり持ち運びに不利となくなり、作業スペースもとられます。
メール用途以外で、普段使いにはゲームが主流となるはずです。iPhoneのコンテンツがあるので、販売開始当初から遊び勝手は良いですが、問題は大きさです。毎日持ち歩くゲーム機としては大き過ぎますし、日本では通勤・通学時に満員電車に乗る可能性があり、硬いケースを考慮する必要が出ます。すると益々大きく重くなり、持ち運びが面倒になってくるでしょう。

また端子が少なく、拡張性が低いことからiPadは一台で完結する仕様です。ビジネス用途に向かず、大きくなったことによるデメリットを考慮すると、この機種を必要とする人は限定されてくるでしょう。人気機種は必ず転売目的やメーカの煽動で、当初の販売台数が高く見積もられる傾向にありますが、他の小型ゲーム機やネットブック、ネットノートを凌駕するほどの内容とは、とても思えません。消費者にとって選択肢が増えることは好感できますが、アップル・ファンの熱狂とは、少し一線を置いて見た方が正しい評価になると考えます。
米国では財務省が報告する為替報告書の提出を、先送りしました。中国に対し、人民元に対する米中首脳級会談を控え、その前に議会、中国側との軋轢を避ける目的です。米国は今、何としても米国製品を売りたい。iPadもそうした流れの一環にある、ということもあります。
iPhoneをもつ人が、更に+αでこの機種が必要か?この辺りも難しいところです。究極の隙間製品、これが欲しいとして買うより、既存の製品では物足りない部分を埋めてくれるもの、そう考えるのが妥当なのでしょう。爆発的なヒットになるとは思えませんが、今後の世界戦略上、米国にとっても重要な位置付けをもつ製品だけに、動向は今後も注目を集めていくことでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 経済

2010年04月03日

雑感。自民分裂、民主は?

平沼氏と与謝野氏が新党で合意しています。両者を代表とする玉虫色の決着ですが、ここに鳩山邦夫氏、舛添氏が合流するとお山の大将ばかりで、党の理念を打ち出すのに相当苦労するはずです。選対本部長代理への就任を断った舛添氏ですが、参院選までは動きそうにない、ということがこの辺りからも窺えそうです。むしろ政局であれば、舛添氏は衆院選を狙うのでしょうね。

自民党では今後も離党・脱党の動きが出るでしょうが、政権与党の民主党も分裂気配があります。まず郵政改革法案に対し、欧米がWTO違反を指摘しました。日本市場に参入障壁がある、というのがその理由ですが、中小金融機関も反発気配を見せており、決着が難しくなっています。
亀井氏は預金保護の上限引上げをちらつかせ、懐柔に努めています。ですが幾ら預金を保護しようと、破綻懸念に陥る金融機関からは資金が逃避します。郵政と同一の競争原理にしたければ、亀井氏はこう宣言するしかありません。金融機関は潰さない、と。しかしそれをすれば、預金保険機構へ支払う保険料を高く設定する必要があり、金融機関には負担となって跳ね返るだけです。

米国では預金保護を使い切り、3年の前倒し支払いをしています。2番底を迎えれば、更に保険料を徴収するか、政府が拠出するしかない状態です。日本は90年代から続いた預金保険機構の赤字穴埋めを終え、保険料引下げが検討されているところであり、郵政改革の行方次第、景気が2番底に至った際の落ち込み具合等により、再び引上げが検討されてもおかしくない状況です。
郵政改革で連立分裂は回避されましたが、参院選が一つの分岐になるという見方は、民主党内に燻ります。民主党は小沢幹事長が選対の責任を負っているため、惨敗すれば幹事長の責任論に及びます。亀井氏にしろ、社民党にしろ、頼るところは小沢氏であり、選挙で敗れて党内の求心力が落ちれば、小沢派と呼ばれる一部を連れて政界再編へ直結する動きがでかねなくなります。

小沢氏は選挙に強気です。2人区に2人擁立、競えば5割増しが小沢氏の主張です。しかし無党派層は今回、相当みんなの党に流れると見られ、2人区で確実に1人は抑えそうな勢いです。すると残り1枠を他の党で分け合うので、支持母体を固めても票読みは厳しいところがあります。
逆にみれば、この戦略に拘っているため小沢氏に退路はありません。選挙で単独過半数に満たない水準になると、小沢氏は選挙に弱いという印象が強まり、政治家としても終わる可能性があります。仮に党を割るとしても、小沢氏を頭に担げる状態ではないのかもしれません。
小沢氏が力を失った後の民主党を推測すると、2つの見方が可能です。ただそれはまたの機会に譲ります。参院選の結果は政権交代には直結しませんが、政局という意味での、今後を占う重要な意味をもちます。政治に失望して投票率が下がる、という読みでいると、誤りかもしれません。そこからウネリとなって総選挙までなだれ込む、その端緒となるのだとすれば、非常に重要な意味合いをもつ選挙となるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年04月02日

平沼新党が来週にも?

若林参院議員が隣の青木議員の投票ボタンを押し、議員辞職をしました。事情を推測すれば青木氏に頼むよ、と云われて人の好い若林氏が受け入れた、というところでしょう。引退を決めていた若林氏は周りに迷惑をかけないよう、辞職して幕引きですが、スッキリしない決着です。
これは与野党問わず、起こり得る問題です。ただ賛成者数が目に付くときに、議場を離れる必要が生じた場合、即ち与党側に多い問題です。手つきが慣れていることからも、二人の間では何度も行われたことなのでしょう。議員本人の確認手法を確立しなければ、再び起こり得るのでしょうね。

平沼氏が来週にも新党結成との話が伝わります。また与謝野氏、園田氏も自民離党の方向と。城内氏、小泉氏で三人の平沼グループに対し、与謝野氏、園田氏が合流する形と、改革クラブを巻き込んで5-5で分ける案など、政党名称保護の期限も迫る中、話し合いが続いているようです。
どちらの形にしろ、ここが政界の第三極になり得るか?です。みんなの党が好調なのも、公務員制度改革という錦の御旗があるためです。平沼氏は自主憲法制定、拉致問題解決、郵政見直しなど、掲げる旗は保守色。そうなると、自民に対する不満票の取り込みになります。ただこれでは票が分散するのみで、大きな集票効果は得られません。自民から離れた支持母体は、利益誘導の圧力団体が多い。それを戻すには利益誘導型を目指す形が手っ取り早い手法です。

ただ日本で最大の支持母体は、やはり無党派層です。小泉郵政選挙から、国政選挙はワイドショー化し、テーマ性を求められます。次の選挙のテーマは、恐らく民主党政権に対する審判。保守は対立軸になりますが、民主党そのものが変革に後ろ向きの姿勢も見られる中、閉塞感からの脱却を求めるのなら、保守が政治の本流として期待されるのはもうしばらく先でしょう。
つまり今のまま保守票を自民と分け合えば、自民党凋落に手を貸しても、民主党政権との差は縮まりません。むしろ民主党政権が掲げた政策の内、停滞気味である政策や改革が進んでいない政策に着目し、それを自分たちなら出来る、とする政策の方が無党派層の取り込みには効くのでしょう。

つまり政権発足当時から、40%ほど下がった政権支持率を取り込む戦略が、民主党政権に対する審判、次の参院選での最大のテーマ性だと見ています。平沼氏にしろ、与謝野氏にしろ、政治家は新党立ち上げに対して『自分の主張』を掲げたがります。政治家なので、野心はおいても政策理念は譲れない、として堂々とそれで戦いたい、と考えるのが常でもあるからです。
ただそれで国民支持が集まるかは別問題です。特に選挙におけるテーマ性と乖離した主張で戦えば、埋没懸念すら抱かれかねません。次々と立ち上がる新党構想、小政党が生き残るために必要なことは、どうしても政権との距離感、その中で主張をどう確保するかになっていくのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年04月01日

第一生命の上場と日銀短観

第一生命が新規上場しました。公開価格14万円、初値16万円と上々の滑り出しです。現金受取りではない150万人が新たに個人株主となりますが、今回の件で個人株主が増え、日本市場の売買が活況となるとは到底思えません。口座を持っているが、最近取引をやめていた人が株として手に入れ、当面は値動きなど、様子を見ていることが多いと予想されます。
しばらくはポートフォリオの組み入れ、指数組み入れなどで機関投資家からの買いも入ります。今日もそれを狙い、1日の売買代金の10%弱を占めるほど活況でしたが、問題は収益性です。日本では高齢化世帯が増え、保険業自体が縮小傾向です。運用益も今はバブルで好調ですが、将来的に見て新興国の成長が止まると、運用環境はより厳しさを増します。新興国に食い込み、契約者獲得競争で勝つ戦略、それを打ち出せた保険会社のみが、今後生き残ることになります。

4月日銀短観が発表されました。大企業製造業・業況判断指数(DI)は-14、11pt改善、大企業非製造業-14、7pt改善、中小企業製造業-30、11pt改善、中小企業非製造業-31、3pt改善です。ただ6月予測は大企業は改善傾向を示すものの、中小企業は悪化を見込んでおり、景気の見方としては輸出産業に恩恵が強く、内需や国内の設備投資計画は鈍いまま、と見ることができます。
改善傾向とはいえ、未だに人員や設備に過剰感もあり、今年度の設備投資計画は前年度比で0.5%減です。雇用氷河期とも言われますが、少子化時代に雇用がない、というのは由々しき事態です。これは設備投資とも絡みますが、既存設備で十分であるため、自然減の補充程度の人員計画しか、企業は有していないこと意味します。当面、内需に期待は持ち難い面があります。

ただ第一生命の上場で、1兆円近くが個人に配られました。消費押し上げ効果が期待されますが、高い保険金をかけているのは富裕層であり、消費性向が高くないため、それほどの効果は見込めないとの声も聞きます。ただ政府支出のバラマキ、公金を受け取ることには後ろめたさが付き纏いますが、民間資金は普通のボーナスとして、安心して消費できるのが人の情です。恐らく半分以上が消費に回り、内需への寄与率は相当に高いと予想されます。
ただ他の保険業に波及するとは考え難い面があります。今回、第一生命が上場で手に入れる現金はそれほど多くなく、新規事業や市場開拓に向けた現金収入、という点では見劣りします。しかも二番煎じを狙えば、保険会社を乗り換える動きすら出かねません。第一生命にとって、時価総額が保険収入の運用には大きく影響しますが、今後の値動き次第で難しい局面を迎える展開も予想します。
個人には恩恵、ただ株価を睨みながらの企業経営に慣れていない保険業。未払い問題が未だに燻る中で、コンプライアンスの向上にどう努めていくか?そうした面でも、企業に求められていることは多い、といえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(3)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 企業