2010年12月

2010年12月29日

雑感。経済の展望

竹中氏が法人税減税幅や、富裕層に厳しい税制を示した菅政権に対し、企業や富裕層が国外に逃げ出す、との論を出しています。しかし同じ言説を用いれば、財政再建を掲げて高率の税を課す、欧州諸国からは人が居なくなることになります。拝金主義の彼らしい主張ですが、人は税のみにて居場所を変えるにあらず。保護の有無や市場規模、輸送(移動)コストから治安、民度に至るまで総合的に判断して、人や企業は居場所を決めます。日本がこうした諸条件を整えていない、と思えば税金を言い分にして移住、移設すれば良いのであり、無理やり不安感を煽る必要はありません。ノンタックス国ばかりに人や企業が集まり、経済発展するのでないことは、アイルランドの失敗がよく示していることです。

特に、来年は色々なものが試される年です。ベトナムで国営造船グループがデフォルトに陥りました。インフレ高進により、経済が不安定化する新興国を象徴する流れであり、今後も国の抱えた企業、組織が破綻することにより、国家機能に影響する問題が発生します。先に、日本が動いた原発受注でロシアに敗北していますが、新興国の大型工事の受注には、経済の不安定化で公共工事も止まる、というリスクを常に負うことを意識しなければいけません。
しかも現在、金余りにより株式、商品、不動産、あらゆる市場に資金が潤沢で、資産効果が市場を押し上げます。しかしこれはサブプライム問題前と同じ構図です。逆資産効果に陥ると、全市場がドンと落ちることは、もう夢想のことではなく現実です。世界で数百兆円が消えたとき、今度こそ危険が訪れます。問題はその前にどう手を打つか?それもまた、来年は試されるのです。

日本に限っては、予算案は従来通りに積み増しただけなので特に見るべき点はなく、しかも来年は埋蔵金を使い切って、補正予算も打ち出し難い。景気という面では厳しい年です。しかも中国に適用されていた途上国優遇である特恵関税制度を見直し、また原油を初めとした商品市場の上昇に伴う、悪いインフレが起きそうな気配です。米国でQE3が打ち出されればドル安・円高、日本の財政的にも外貨準備の目減りなど、ダブルで悪影響が出てくるので、注意しなければいけません。
日経平均も、米QE2期待のある世界市場からのマネー流入で一見堅調。ただ外国人投資家がクリスマス休暇、年末を控えて売買を手控えると8千億円そこそこの売買高です。10300円近辺で今年を終えそうですが、来年の急変動には注意しておくべきなのでしょう。外国人が先物を買うのは、グローバル・マクロ系の動きですが、逆資産効果を受け易いマネーでもあり、潮が引くと一気に引き上げられる形の資金なのですから。

今年、記事を上げるのはこれで最後になります。今年は喪中の葉書も多くいただいていますが、私も年末にバタバタと身内、ご近所の方を含めると数名の方が亡くなられています。温暖化は北極に溜まっていた寒気を蛇行させ、冬に寒波を招き易いともされ、欧米では記録的な大雪です。夏の猛暑とあわせ、健康には気をつけておきたいものですね。来年は1月4日から再開する予定です。それでは、良い年をお迎え下さい。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2010年12月28日

小沢氏が政倫審出席を容認会見

民主党の小沢氏が政倫審出席に2つの条件、1.国会審議が進むことを前提に通常国会冒頭、2.それ以外は予算成立後、とする会見を開きました。昨日、た日に連立を拒否され、西東京市議選で民主党議員が惨敗、という事態を受けて、小沢氏が動くことはある程度予想されました。
政倫審をカードに、野党が審議入りに応じれば小沢氏の功績となります。一方で野党はあくまで証人喚問を求める。野党が積極的に政倫審に応じる必要はなく、小沢氏が出席する目は少ないことになります。菅氏は通常国会前に出席を決めることが党決定だ、としますが、野党が応じず政倫審が宙に浮くと、小沢氏、野党ともに菅氏の見通しの甘さを浮き上がらせることに繋がる。小沢氏にとっては、政権に協力的で、自分のせいで支持を落としたわけではない、そう主張できるのはこの年末年始の、いずれかのタイミングだったということなのでしょう。

菅‐岡田ラインで押し進めた小沢政倫審出席カードは、小沢氏が自らをカードとしたことで、再び仙谷‐馬淵の問責カードに代わりました。野党は当然、通常国会冒頭から審議拒否でしょうから、ここに答えを出さざるを得ない。現状、仙谷官房長官を法相に、馬淵国交相を自任させる代わりに菅氏に近い寺田氏辺りを官房長官に入れるなど、大胆な改革も視野に入りますが、問責カードは軽くなったので、警視庁の情報漏えいで岡崎国家公安委員長も出されることでしょう。そこに、これ見よがしに小沢系の議員を充てる可能性も取り沙汰されています。
柳田法相に続き、内閣で4人も人事に手をつける、というのは異常事態ですが、菅氏にそれを判断できる余裕もありません。菅氏の最近の動向で懸念しているのは、被害妄想が強まっていることです。臨時国会で責められた小沢問題を根にもち、小沢氏の政倫審出席に凝り固まった。政権運営を任せてきた仙谷氏も、手腕を疑問視して最近では連携をとっている気配がない。渋々ながら幹事長を引き受けてくれた、自分を助けてくれた岡田氏に頼り、打開策を練る。しかし小沢問題で失敗すれば、岡田氏もダメだと切り捨て、菅氏は益々孤立化していくのでしょう。永田町の常識としては考えられませんが、菅首相の暴走解散、来年ある段階では想定しておく方が良いのかもしれません。

人間、躁状態に入ると何でもできる、自分はヒーローになったと妄想して暴走を始める場合があります。菅氏がぶら下がりで見せる表情、その浮き沈みを見ていると、そんな不安を生じさせる。そうした懸念も、菅政権の寿命を縮めるのでしょう。菅政権の延命に与野党で誰も手を貸さない。これがある意味、北朝鮮と同じぐらいの暴発懸念を菅氏も漂わせていることになります。
未だに有識者の間に、新生党時代の資金が小沢氏に渡ったことを「倫理的に問題」とする人もいますが、政治資金規正法では政党助成金は何に使っても良いのです。これは、政治家の頭数で配分を決めながら、党分裂や離党を抑止する目的で、党執行部に使途を一任していることで起きています。党運営という形に限定すると、党分裂をする際に助成金も、分党した側に配分しなければいけないからです。こうして自分たちの都合で政治資金規正法を作った結果、保存しておいて個人に使途を委ねても、一向に法的問題は問えない。だから政治資金規正法を改正しよう、と言い出す政治家でなければ、何の説得力もないのです。小沢問題はイメージ的なものだけで、追及できる話題は少ない、ということに早く世論が気付けないと、政治家の駆け引きのタマに使われているだけ、ということを見抜くこともできないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:44|PermalinkComments(0)TrackBack(2)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年12月27日

来年の中国経済を考える

先週末、中国政府が0.25%の利上げを実施しました。1年物基準金利が貸し出し5.81%、預金2.75%です。11月、消費者物価が5.1%を超えていたので、単純に預金金利より高いインフレにより、貯蓄より投資に回りやすい。そのため加熱する景気を抑止することは当面難しそうです。
年の瀬に利上げ、一見驚きですが、旧正月を重視する中国では年初は何かと慌しいため、中国共産党に了承のいる利上げの決定は予定通りだったのでしょう。来年の中国経済が読み難いのは、バブル崩壊の兆しは散見されるものの、過熱が一向に収まる気配を見せないのは利を貪り尽くす民族性と、13億の人口の懐の深さなのでしょう。GDPで日本を抜いても、国民1人辺りGDPは100位程度として、マネーサプライを拡大させ続ける。しかし国民全員が豊かになる頃には、人民元価値の暴落と高インフレで経済は破綻懸念に陥ります。問題はその境を予測することでしょう。

都市部で車のナンバー発行を規制する、不動産投資の規制、外国資本の流入規制、中国は社会主義であるため、規制が機能し易い反面、今のところ効果は限られている。これを読み解くのは北京市が来年、最低賃金を21%引き上げます。大きな数字ですが、これが意味するのはインフレ対応であり、来年も資金供給量を落とす方向性にない、ということです。
今年度の中国の新規銀行融資は約7兆元(1兆$ほど)、マネーサプライはM2で17%ほどになる見込みです。来年は7兆5千億元、16%の見込みですから、伸びは維持されます。これが示すように、9月末の段階で中国のGDP総額が27兆元弱なのに対し、M2は69兆元を超えており、40兆元以上も流動性を供給している形です。つまり生産より、資産価格を上昇させるインフレが経済を不規則にさせる、という形が鮮明なので、ここを抑えない限り、中国バブルは暴発まで膨らみ続けるのです。

来年、3~4回の利上げを中国は見込みますが、全く足りません。少なくともマネーサプライを抑えながら、物価上昇率に短期金利を合わせていく形でないと、中国のインフレは止まらない。資産価値の上昇は国の富を増やすので、政権は安定するかに見えますが、貧富の差を拡大させ、基盤を弱体化させます。社会主義型の経済で、抑制を働かせて富を再配分する、という施策をとるにも共産党員だけが利を得る構図は、今後も続くでしょう。上海万博を終え、バブル崩壊が懸念された中国経済が、紙幣を増刷することで支えられていく。その先には高インフレが待っています。
『適度に緩和的』から『穏健』へと舵を切った金融政策、しかし穏健を続ける限り、インフレは止まらない。来年、それが抑止不能な段階へ、即ちハイパーインフレの水準にまで上昇するか?抑制に成功するか?で中国は大きく異なる結果となるでしょう。個人的には、これほど拡大させたM2を『適正』にするだけで、景気下押しを促すので、景気とインフレとの両面で難しいと見ます。
中国経済に頼る、今の世界経済が次の成長ドライバーを見つけられず、頓挫すると影響は大きくなります。日本がその波に飲まれないよう、今からしっかり対策をしておかなければなりません。株式、不動産、中国マネーの流入を囃すばかりでなく、それが引くときの負の効果をどう吸収するか、という方向での検討を、今から始めておく必要も出てくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

2010年12月26日

検察・警察の不祥事に関して

今年ほど検察・警察の不審が広がった年も珍しいでしょうが、結論から先に云えば両者とも官僚機構の一翼に過ぎない、ということが露呈した形です。巨悪を許さない組織が、巨悪の根幹であるかの印象を与えるのは、今の官僚に対する不審が検察・警察とは無縁である、との勝手な国民側の誤解から起きています。そして問題は、自浄努力として進められてきた検証結果に、如実に現れてしまっている、という現実がこの問題の根の深さを感じさせることになりそうです。

警視庁公安部の情報流出問題、2ヶ月間を調査中、この年末で内部情報と認める方針を表明したのは、国民の関心が薄れてニュース報道が減るタイミングを狙ってのことです。まるで芸能人のスキャンダルのような報道対策ですが、その間に受けた深刻な被害への反省、対策もなく、官僚主義的な事勿れを貫いたことは、言い訳すらできない最悪の対応を内外に示してしまいました。
郵便不正事件の証拠改竄では、特異な個人による問題に押し込める。問題点を上司に言いにくい、助言をすべき、など一般組織と似通う問題として指摘する検証報告が出ています。一部、可視化の導入を再発防止策とします。しかし全面可視化でなく、恣意的に映像保存がなされるのなら、編集により映像が加工される可能性を禁じ得ない。映像に残るから容疑者からの供述が得難くなる、との批判は全く逆で、公判資料になるからこそ容疑者が真実を語り始める。それが検察・警察の描いた犯罪の構図と異なると、公判に影響するからこそ、容疑者の語る言葉を捜査官がつくる供述調書に押し込めてきた。つまりそれは、検察・警察にとって都合の良い資料を作ってきただけのことです。それをできないのが嫌、というのは旧来の手法を踏襲したい、とする官僚機構そのものです。

行政機関と同様、小手先の改善では組織腐敗が止まらない。検察・警察がそうした状態に陥ると国家への信頼が揺らぐ。海保の情報流出も、捜査・逮捕特権のある人間が起こした事件と考えると、根は深刻です。つまり行政機関が、ネットという情報過多の時代における身の処し方を弁えないこと、これが一連の問題の本質です。誰でも情報発信でき、誰でも情報を獲得できる世界で、ウソで塗り固めた世論誘導を謀るような組織は淘汰されます。つまり真実が厳選される世界で、これまで官僚機構とメディアが組んでやってきたことは、もう通用しないということです。
これはウィキリークスも同様、真実である以上それは力を得ます。この動きは、権力の座にある人間は発言や行動に慎重たれ、という警告です。検察・警察も物証で立証できず、いつまでも供述に頼るなら情報戦に苦労する。検察・警察も米国と同様の試練に立たされるでしょう。

今回、FD改竄事件の検証報告が出て、各メディアでも信頼を取り戻せなど、好意的な記事が目立ちます。しかしこの検証でそれができるかは、眉唾であることをメディアは指摘しなければいけません。検察のあり方検討会議で今後の、検察組織が見直されますが、真摯な態度で現実を見つめることができなかった。検察・警察の信頼を取り戻すのはまだ先になりそうですね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 行政

2010年12月25日

来年の世界情勢を考える

来年の世界の動向を考えてみます。まず朝鮮半島は中国の監視が機能している間は、北朝鮮の暴発も抑制されます。中国との対話、音沙汰がなくなると駄々っ子のように何やら騒動を起こすことでしょう。北朝鮮も戦争に至れば崩壊ですが、戦争可能性は中国の要因が大きいとみます。
中国は年末にも関わらず利上げをしていますが、インフレが加速し始めており、抑止が利きにくくなっています。この中国経済の動向次第で北朝鮮への支援が滞りがちになると、北朝鮮を抑止する力も失われます。中国経済と朝鮮半島情勢は、密接に絡み合って動くのでしょう。

先進国経済は、欧州が債務不安、米国も禁断の手法に手を染めるなど問題も多い。一方で新興国は堅調との意見も多く聞かれます。しかしブラジルとて財政赤字、これは貧困層への家電購入支援など、かなりのバラマキを続けており、経済成長を上回る歳出を続けている結果もあります。この循環がうまくいく間は、経済も堅調に見えますが、これは財政出動による直接給付ですから、国民ウケはよくても実体経済に残るものは少なく、効果は短期間しか通用しません。
よく建設国債は、将来世代も使用するインフラに使われるから発行も容認される、という議論がありますが、維持管理費を早くから発生させる、という点で経済的に見ると適時がベストです。この直接給付の場合、消費は喚起して産業を促しますが、それが止まった瞬間に景気はマイナスになる。日本の家電エコポイントと同じです。一時的に盛り上がった消費の反動減が最も警戒される。特に、経済基盤の弱い新興国の場合、そのマイナス効果を相殺できるかがポイントです。

戦争可能性という点では、イスラエルが不安定化する懸念を想定しています。先進国の経済が停滞すると、イスラエルは人的資源を国の産業として活用する国であり、ハイテクや軍需産業などの研究が滞る。国内の憤懣が溜まり、それを外的要因に求めると入植地の拡大や、爆撃などに頼る。技術の進歩に対する需要とイスラエルの盛衰は密接であり、それが中東を不安定化させる恐れがあります。
イラクやアフガンからの米軍撤退も視野に、今後の中東情勢には懸念が必要です。そして欧米で経済が不安定化すれば、政権が弱体化し、各国で政変などがおき易くなります。そうした声を受け止める政党が、どういう政党であるかによって、国は大きく変わります。アイルランドを初め、不安定化する国は極端な政策を掲げる政党が、国民の声を受け止め易い。それはイタリアのファシスト党であり、ドイツのナチスであり、といった形になるのかもしれません。

来年の動向を、経済評論家などは緩やかな回復と語りますが、逆にそうでないと国家自体を揺るがすほどの波が襲うのでしょう。異常気象、天変地異、様々な要因が引き金になる可能性もあります。今年、異常気象も多かったですが、来年を天気予報風に例えると、晴れのち曇り、ところによって集中豪雨が降ると世界を濁流が襲い、各国が沈没しないよう努力する必要があるでしょう、となります。日本が洪水に飲まれないよう、注意して見ていかなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:45|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 海外 | 一般

2010年12月24日

雑感、菅政権の連立相手?

今日はクリスマス・イブです。明日はキリストの誕生日とされますが、325年のニケア公会議で正式に決まるまで、誕生日は1月や5月に祝われていたそうです。古くからあった各地の冬至祭が、この日を降誕日とした起源とされます。仏教の釈迦は4月8日の潅仏会が誕生日、儒教の孔子の誕生日は教師節の9月28日、イスラムのムハンマドは3月12日を生誕とします。しかし宗教家の多くの誕生日が不正確、というのもまた事実です。これは聖人化していく過程で祝祭と結びついた形であることが多く、誕生したときから聖人であるわけではない、と考えると興味深い事実ですね。

昨日、政治の話題は閉めたつもりですが、今日になり非公式で菅首相から、たちあがれ日本に連立打診の話が持ち上がりました。小沢派を追い出し、政権を安定させるには連立の枠組みを拡大するしかない。しかし社民とた日を政権内に内包しても、政策を巡って連立内対立が激化するだけで、良いことは何もありません。恐らく、内閣改造の動きが党内的にあり、それに合わせてこのタイミングなだけで、自分勝手で都合の良い提案です。た日の政治家も、あまり政治家生命が長くないため、早く連立の枠組みに入りたくとも、今の菅政権では老い先も短いので乗れません。
さらに次期首相候補の前原氏が、米軍普天間飛行場の周辺施設に関し、移転を要望と伝わります。ロードマップでは飛行場移設も始まるこのタイミングで、普天間に残る印象を与えることに北沢防衛相は反発、政権内の不協和音が広がります。ただ予算においても、受け入れに難色を示す名護市に補助金を出さないなど、露骨な移設に向けた手法も示しており、この高圧的態度がさらに菅政権に対する沖縄の態度を硬化させそうです。こうした手法の不味さは、菅政権の中で政策決定の手段が、これまでの仙谷氏による専断的な決定手法から変化してきた、政権の混乱の一旦を示すものであり、これらも菅政権に対する不審を増大させそうです。

明日、再び菅‐小沢会談も開かれますが、菅氏は支持母体固めに積極的に動いたことは政治経歴からもなく、連合が主導する形の会談では流れは菅氏にとって都合よくはなりません。菅氏の政治力は、民意が離れたら力を失う。政権運営で民意を手放してしまった今、菅氏の寄って立つのは現在首相である、という権限のみです。この段階では何をやっても上手くいきません。
内閣改造も仙石氏、馬淵氏を処遇すれば菅政権の目玉が消える。残せば政争の具にされる。今の首相交代劇は、年末の時代劇になぞらえれば『啼かぬなら 啼くのに変えよう ホトトギス』です。失敗し続ける首相選びは、メディア受けばかりを狙った結果であり、攻めの政治家を首相に据えるなら、行財政改革に前向きに取り組む政治家でなければ、世論は離れてメディアも袋叩き状態に突入することが明白です。しかし、菅政権やメディアで盛んに語られる消費税増税が絶対必要との大合唱も、公務員人件費2割減が達成すると、その分程度は賄えることを忘れてはいけません。

自民、みんなの党、公明まで対決モードに入っています。ただ小沢的なものを否定し、自民的なものに頼った結果、連立を組める相手も限られてきました。しかしそれらもソッポを向いてしまう。本人の意欲とは全く別にして、内閣改造を起爆剤とするにしても、トップが今のままでは効果が薄いですし、発足から3ヶ月でコソコソ改造を模索している時点で、退陣準備内閣にしかならないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(11)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年12月23日

今年の政治を振り返る

来年度予算が92.4兆円になりそうです。歳入を40.9兆円と昨年度より3兆円増、新規国債発行を44.3兆円、税外収入で7.2兆円で穴埋めする計算です。昨日も指摘しましたが、1.5%の成長と低金利の継続が前提の予算であり、日本国債格下げで利回り上昇などが重なると、それだけで予算を不安定化させます。地に足をつけた予算とするには内需拡大、日本のGDPの6割が個人消費なのですから、税収にも影響するのは個人の動向だと、政府が正しく認識して政策に生かすべきなのでしょうね。

今年、政治の世界は荒れ模様でした。鳩山政権の支持率が20%前半に落ち込んで6月に退陣、菅政権が誕生しましたが、12月にはその菅政権の支持率も20%前半です。つまり1年の間に2つの政権がレイムダックする、という激動の1年という見方が可能です。しかも、年を越してもこの低支持率政権が予算成立まで、諸々の諸制約により生き延びてしまうという異常事態を迎えます。しかし菅政権が陥っている現状は、鳩山政権の退陣劇に、その原因を見出すことも可能です。
鳩山政権の退陣は、普天間問題が主因というのが一般的です。しかしこの普天間、当時の平野官房長官、岡田外相、前原沖縄担当相が戦犯であり、この戦犯が菅政権では重要閣僚として残っています。うがった見方をすると、鳩山政権を打倒して菅政権の成立に手を貸したことが功績、ということが云えます。鳩山政権は小沢幹事長の下、小沢色が強いことを嫌った面もあるでしょう。この反小沢勢力の上にたった菅政権は、徹底的に小沢色を消す方向に舵を切りました。

ここで、民主党が掲げたマニフェストは先の衆院選で掲げられたもの、つまり小沢色が強く残る政策が多く、反小沢の菅政権はマニフェストを反故にし、自分の政策を通したいのです。しかし衆院選大勝の影響で、表立ってマニフェスト見直しを言い出せない、こそこそと内容を変えて骨抜きにするという、旧来の自民党型、いわゆる官僚が政治の掲げた政策を、自分たちに都合よく変える際にとる手法に頼ったのです。要するに骨抜き、だから中身が変わってきているのです。
前原氏や野田氏は、元々自民に近いと云われています。自民的な手法をとることに躊躇いは少ない。仮に、彼らの後見人を自任する仙谷氏が自爆覚悟で菅氏と相打ちになっても、次に前原、野田で政権ができれば菅政権を追い落とした功績で、重要閣僚に登用の目もある。つまりこの1年の民主内の動きとは、自民党時代よりひどい政争状態だとみれば、政権追い落としを画策する勢力が何か?そして、そうした勢力が菅政権の次の政権の枠組みを狙っている、という形も見えてくるのでしょう。

小沢憎し、はメディアも同様なので、前原氏や野田氏を目だって批判はしませんが、ロシア大使更迭の前に、外相としての責任論さえ封印です。そして、反小沢スクラムでいることがマニフェスト骨抜きや、政治手法が旧来の自民型に戻った原因ともなるのです。小沢氏は古い自民党体質、という批判もよく耳にしますが、国民が一度否定したその自民型の政治手法に頼っているのはどこか?もう一度、冷静に国会内を点検する必要もあるのでしょう。
来年も政治の中心は小沢氏でしょう。政界はメディアも巻き込み、小沢対反小沢の構図を描き出し、そしてそれは反小沢勢力といっても前原、野田でうまくいくとは考えていない。政治手腕も主義、主張も政治家としては浅いため、そこに政界再編という目も出てくるのでしょう。しかし菅政権が沈めば沈むほど、反小沢勢力の結集も水泡に帰すことになる。誰が見切りをつけるのか、それが来年の政治を見る上で、そして次の枠組みを探る上で大事なことになってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:36|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年12月22日

政府経済見通しの1.5%成長?

大阪地検で、捜査報告書の改変という事実が判明しました。海保職員の映像流出事件における大量処分、大阪市環境局の河川清掃時の着服、公務員の処分がこの次期重なるのは期末要因もありますが、悪質な内容も散見されます。公務員改革には自浄能力が問われます。身内に甘い処分を下しては国民から怨嗟の声も上がり、他の公務員にも悪影響を与えます。公務員は現在、民間よりも高額所得の業種となっており、ただでなくとも批判が集中します。特に税制改正を控え、国民からの税収を増やす方向で動き出す中、さらにその傾向は強まるので、特に身奇麗にしておく必要があります。
日本政府は沖縄返還時、32000万$の負担以外に、6500万$の支払いに同意したにも関わらず、情報を隠蔽した事実も伝わります。国の予算が隠れてどう流れていたのか?これは未だに中国へのODAを容認する、現政権の態度も同様に不透明といわざるをえないのでしょう。GDPで日本を抜いた国に、技術供与と称して国が予算をつける、その異常さは後世に至るまで糾弾すべき事柄です。

政府経済見通しで、来年度は実質で+1.5%成長と発表されました。来年は配偶者控除が廃止となり、また各税制でも増税感が強い1年となります。個人消費の落ち込みは、外需で賄うという考えですが、欧州の財政健全化の流れで欧州消費も減少します。加えてクリスマス休暇に欧州は大寒波、経済的には大きな痛手となります。米国はQE2で一見すると堅調ですが、これもオバマ政権のケインズ型公共投資による景気対策から、フリードマン型の金融政策に移る、その端境期に両者が重なる現状が好景気を生む、という楽観から生じています。それに頼って、国内のマイナス要因を吹き飛ばして1.5%の成長、というのはやや虫の良過ぎる考え方と云えるのでしょう。
12月月例経済報告でも「足踏み」とされます。政府の成長戦略の中には、菅政権で打たれた補正予算で雇用改善としており、現実問題としては夢想だと云えるでしょう。菅氏は経産相の下に景気対応検討チームをつくる、としていますが、チームがあるから機能するわけではなく、また通常の予算にこれだけ埋蔵金を使えば、残りも限られてきます。菅政権が来年半ばまで仮に続いたとしても、予算がなくて補正が打てないという事態になりかねず、特に成長を織り込んで甘い税収見通しを描いている以上、余剰分を期待してそれを景気に回すことは望み薄、といえるのでしょう。

去年、この時期に今年の日経平均は12000~5000円の予想を出しました。来年の私の予想は11000~5000円、今年より悪いと見ています。来年は色々なことが試される年、日本国債の格付けにも、見直しなどの発言が相次ぐと予想されます。こんな時期に、既存の予算枠に自分のやりたいことを乗せ、足りない予算は国民から徴収する、つまり増税容認内閣であることが最大の不安となります。
なぜ公務員制度改革、人件費2割減はマニフェストにも掲げられた上で守られないのに、消費税増税という本来下ろした旗が、予算の不足分を埋める議論として浮上するのか?そのいやらしさは、当分この政権の不人気ぶりを定着させるのでしょう。いつまで続くかも分からない政権ですが、国民の期待する政策に手もつけられない、そんな政権ならやはり失望感が強くなります。菅氏が一人で昼食、という記事もありますが、伴食宰相という言葉が当て嵌まってしまいそうな行動ですね。

analyst_zaiya777 at 23:39|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2010年12月21日

中国によるEU支援について

国連安保理が、北朝鮮による延坪島砲撃に対する非難決議を採択できませんでした。ロシアが最近、米韓に歩み寄りをみせるのは、実際の戦争になった場合に勝ち馬に乗る戦略です。日米軍事演習に偵察機を飛ばすなど、米韓の軍事規模を探るのは、最終的には北朝鮮に参戦して利を得る戦略であり、中国だけの利権がある今の北朝鮮に不満もある、という傾向が透けて見えます。中国が突出して庇う北朝鮮という構図はしばらく続きそうで、中国国内の朝鮮族の動向、北朝鮮にある中国の利権も含めて、中国やロシアの出方にも変化が生じる雰囲気ではあるのでしょう。

中国とEUがハイレベル経済・貿易対話を開きました。最近、米格付け機関ムーディーズが積極的に、欧州各国の債券や銀行に対して格付け見直しを行っており、欧州全体が揺れています。アイルランド国債の格付けを5段階下げ、スペイン国債、銀行の格付け見直し、アイルランド銀行、ポルトガル、ギリシャなど、ことごとく格下げ方向で見直しをかけています。それだけ欧州不安が根強く、国債利回りの上昇が更なる不安を巻き起こす、負の連鎖を意識した動きとなります。そんな中、中国は欧州の金融安定措置を支持、財政危機国への支援拡大を示唆する発言をしています。
中国は最大の貿易相手、ユーロの安定が望ましいところですが、更に外貨を国内に還流しない政策をとっているので、余った外貨の運用先に困っています。そこで、2013年まで債券をデフォルトさせない、と宣言している欧州の高い利回りの債券を、投資先として選考している形になるのです。では2013年になったらどうするか?させないと云っていたデフォルトが、実際起きてしまったらどうするか?中国はすぐに欧州に投資した資金を引き上げる、という動きを見せるはずです。

欧州の債務不安と中国とは密接に結びついています。更に中国の拡大し続けてきたマネーサプライとも結びつき、11月消費者物価は5.1%の上昇です。中国マネーは国内でジャブジャブ、稼いだ外貨で海外の資産を買い漁る、という構図が2011年も続きそうです。政府支援と称して取り入ったアフリカ、危機の救済を名目に債券を買い漁る欧州、中国マネーは自国のインフレと引き換えに世界でのポゼッションを増す。これが世界経済の救世主なのか、破壊者なのかで2011年の経済も大荒れになりそうな予感を漂わせます。不測の事態が起きたときは真っ先に後者となることでしょう。
東京市場は、閑散に売りなしを地でいく高騰です。しかし米国債の価格下落で、日本国債も換金売りを急いだ、という邦銀の構図が明らかとなる中、銀行株が上昇という不安な値動きを見せます。7-9月期は国債の高値売りで、かなりの利ざやを稼ぎましたが、逆にこれは高値掴みの可能性がある。10-12月期は損出しで利益率が下がることは必定なのです。株高でも補えず、実際は金融機関の10-12月期は厳しい決算が予想されます。それでも上がるのは出遅れ物色の流れだからです。

つまり現在、株式市場は11月から続く外国人投資家の先物大量買いに、現物がついていけずに物色の矛先が小型や出遅れに向かっている。これは正常な市場機能ではありません。裁定買いの積み上がりや、下がらない騰落レシオなど、売れないから上昇するという形が鮮明なので、一般投資家が買えない形になりつつあります。ここからは我慢比べなので、上値追いに慎重になる中、新規資金に何を期待するかの相場となります。それを今日、促したのが中国のEU支援策。これが白馬の騎士なのか、骸骨の頭と鎌をもった死神なのか、その判断が大事になってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

2010年12月20日

菅‐小沢会談の結果について

菅‐小沢会談が行われました。決裂と伝わりますが、菅氏の要求を小沢氏が拒否しただけであり、交渉として成立していません。立場や訪ねた側としては逆転しますが、一言でいえば『門前払い』を菅氏が喰らったのです。自分の指導力で小沢氏の政倫審出席を決めた、という主張もできなくなりましたが、その裏側では色々な各人の思惑が見え隠れしています。
菅氏が離党勧告を出す、という流れを作りたいメディアもありますが、それはありません。小沢氏を切れば敵がいなくなり、敵がいなければ正義の味方にならない。さらに、どういう形で連立を組むにしろ菅氏は邪魔になりますから、小沢氏がいなくなれば菅氏が首相の座を追われることは必定。菅氏にとって、小沢氏と好敵手であり続ける形で政権浮揚をはかるしかないのです。

野党は段階を経て一つ一つ政権を追い詰める形、まずは政倫審、次に証人喚問とハードルを上げていくのがベターです。しかし政倫審に同意せず、の姿勢に転じたのは、これを成果に予算案で攻勢をかけられては堪らない。そこで民主党政権も及び腰の証人喚問を、あえて要求します。
菅氏が恐れるべきは、両院総会ではなくて党からの内部情報の漏洩です。菅政権の重要閣僚、もしくは菅氏の側近に小沢氏と同程度の問題がでると、小沢氏に要請しておいてその相手に要請しないわけにはいきません。つまり政権は誰も庇えない、今後の醜聞を処理する手段が狭められる形になります。それを内部からリークという形で出されると、自分の首を絞めるのです。官房機密費の使い道や、菅氏個人の問題でも、政権全体が疑惑を抱えると言い逃れできないことは自明ですから、小沢系議員の動向に、常にびくびくしていなければならなくなります。

しかも支持率が高い内は正義でも、20%前半の現在は政権自体が不審の塊ですから、どちらが糾弾すべき対象かは、むしろ菅氏の逆をとる可能性が高い。特に今日など、韓国で延坪島で砲撃訓練があり、官邸にいるから緊急時に対応できるとはしても、このタイミングで政局話をしている、その手法には誰しも首を傾げます。決定していた、北朝鮮の反撃がなかったとはいえ、外交に不安のある菅政権が、何を重要事項に掲げるべきかは、自ずと分かることなのにそれが出来ていません。
沖縄の基地問題も、辺野古ベター発言でさらに地元を頑なにしてしまう。年金支給額も首相の指示を通せず、来年から0.3%引き下げです。政倫審問題と含め、この件でも菅氏の指導力はボロボロであり、もはや改造に手をつけても回復は望めず、総辞職を手繰りよせたと云えます。

政倫審でも、証人喚問でも、裁判に影響するとして語ることはない。これは当時の検察トップを召喚しても同じ答えをするはずです。つまり裁判が確定した後は、国会で事実解明をすることは無意味なのです。なぜならそこで真実を立証し、無罪を主張しても何の解決もないのですから。そこに固執すること自体、与野党ともに国民の目を欺いていますし、それを煽るメディアも同様なのです。下手に小沢氏が無罪となり、与党内で評価が急上昇して、自分たちが攻撃されることを恐れる人たちが今、騒いでいるに過ぎません。だとすれば、時間を空費し続けるメディアも含めた当事者たちの態度は、全員が正義ではない、ということになってしまうのでしょうね。

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2010年12月17日

防衛大綱と税制大綱

2011年度以降の防衛計画を示す防衛大綱が閣議決定されました。中期防衛力整備計画では5年で約23兆5千億円の予算となり、南西諸島の防衛強化を盛り込みます。北海道の陸戦部隊を削減、駐留米軍の維持経費として、思いやり予算もほぼ同額程度を維持するとしています。
動的防衛力による抑止力、これは正当な主張です。潜水艦16→22隻、イージス艦4→6隻、地対空部隊3→6など、大量破壊兵器による戦争に対処する姿勢は見えますが、まだ物足りないところ。戦闘機にはスクランブル発進もありますが、軍艦、潜水艦に対する即応体制はとれない。敵地攻撃ばかりが議題に上がりますが、今は軍艦、潜水艦でも大量破壊兵器の搭載が可能であり、戦闘機ばかりでもありません。不測の事態への備えは、あらゆる方面で必要だということです。

しかし思いやり予算、中期防にしろ、予算削減方針であったところ、転換したのであり財政面では苦しい決断です。来年度税制大綱が閣議決定されています。一般に言われるように、中高所得層に厳しく、企業に優しい税制です。法人税大企業40.64%から5%減、中小企業18%から3%減です。減価償却や繰越欠損金などの見直しで、一部増税ですが、雇用促進税制や認定NPO法人への減税など、企業に対する優遇措置が散見される内容です。また環境税は石油、石炭に課税されるので、これは最終的に個人の消費にもかかってくるため、税制面での課税感はより強く個人にかかります。
未だに40.64%を諸外国から見て高い、とする論調がありますが大間違いです。直間比率で見ると米国は8:2、日本が7:3、欧州が6:4と考えれば良いので、日本が押し並べて高い訳ではない。税のとり方の一部を抜き出して多寡を論じても無意味、と常に主張してきました。新興国と比べるのも、経済規模やインフラの違い、等の諸条件が最初から異なるのであり、企業が海外に工場移転するのは人件費や輸送コストの側面です。海外展開する企業は、すでに海外の税制で納税しており、日本の法人税を下げてもメリットは少ない。それより、日本で続けている産業にとって厳しいのは、個人に増税感が広がれば国内の需要減を招くので、供給過多に陥ることです。

内需が盛り上がれば、輸送コストの面からも日本でモノ作りをした方が有利なのですから、本質は内需活性化なのです。それは給与が増える、インフレで先高感がある、などのマインド面の向上が必要であり、今回の対応はそれと全く逆、経済は減速するのでマイナス効果を生みます。直間比率を変えるなら、企業が給与を抑制しがちな今の態度を改め、労働力への還元という道筋を政策誘導すべきですが、そうした面の議論はない。減税に、景気下押し効果が加われば更なる税収減を導くのは必定。こんな簡単な経済の原則すら、菅政権で議論されないのかが不思議です。
円高で苦しいのも、すでに税金は現地で納めているので、それを換金して業績に計上するときの見栄えだけ、という企業が多いのも現実です。業績を上げたいのは、株価対策や経営陣の成果報酬のみ。企業は株主と経営者のもの、という考え方が今の経営者に多いのも事実であり、労働対価は物品費として処理されることもあります。そんな経営者が求めた法人税減税、これも企業の見栄えに利用されれば、雇用や賃金に反映されず、内需は一向に上向くことはないのでしょう。昨日、長期金利が1.3%に近づきましたが、債券価格を押し上げるものが、債券マフィアによる先物売だと、これは欧州財政不安と同様の構図も浮かび上がります。まだ日本の取引は国内勢が強いので、すぐに売り叩かれることはありませんが、減税効果が低く財政に不安を生じさせることは、今後さらにリスクとなることは、充分に意識しないと日本も財政不安国と評されることになるのでしょうね。

週末2日間は身内に不幸があって、しばらく家を空けるのでお休みします。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2010年12月16日

雑感。歴代の首相をSとMで別けてみる

名古屋市議会リコール、無効とされた11万人の内、2万弱が有効とされ成立しました。これは住所欄で丁、番地をつなぐ『‐』が『・』にだっただけで無効とした、市選管の異常性を浮かび上がらせた形です。しかし手間でも、縦覧に訪れた人数がこれだけ多い、ということが名古屋市議会にとっても衝撃であり、改革機運を高める契機と捉えられることになれば、この動きもプラスです。
鹿児島の阿久根市でも、市長リコールが成立していますが、議会、行政改革に専横を振るうリーダー、という図式が日本各地で起きつつあります。地方は首長、議会とも直接選挙で択ばれるため、対立の構図でも首長が強気に振舞えます。一方で国は首相は国会、政権与党の中から選出される形であり、民意を経ないため取替えも簡単ですし、相応しくない人材を選出してしまいがち。これは首相選出のための基準を、国会議員が誤っていることで起きている、と感じます。

タイトルは刺激的ですが、攻めか受けか、ということです。小泉首相以来、首相選考基準は情報発信力、パフォーマンス、アクティブさを売りにするSの能力を求められてきました。安倍氏は理想主義であり、自らの政策を積極的に打ち出すSです。しかし1つ躓き、受けに回った途端に脆さを露呈し、坂道を転がるように支持率を落として、最後は病気と称して辞任に至りました。
次の福田氏はMです。が、その時の野党・民主党代表は超ドMの小沢氏、攻めを受け流そうとするも、その策が上手くいかずに空回り、国会対策に苦悩して辞任しています。次の麻生氏は麻生グループの子息であるにも関わらず、若い頃はやんちゃもしたSの気質をもちましたが、ただ底の浅さを露呈して出だしで躓くと、やはり受けの弱さにより衆院選大敗の憂き目を見ました。

鳩山氏はM、芸人相手にはボケずにいられないほどであり、単独ではバラエティにも出してもらえない。政治主導で周囲に任せていたら、いつの間にか包囲網が組まれて辞任です。菅氏は攻撃に特性を見出すS、国会開会中は受けの脆さを見せ、閉会した途端に菅カラーを出す、として積極姿勢に転じています。受けなくて良い時間帯だけ元気なのは内弁慶、としても良いのでしょう。
基本的に、政治家はMでないと務まりません。陳情の応対、支持者への説明、責められることばかりで、政策の勉強や質問のための調査など陰の作業が多く、華々しい場面はごく僅かです。しかし上記Sと称した政治家が首相に上り詰めたのは家族、親族等が全面的にバックアップし、本人が地元対応をして来なかった。つまりSでも政治家として不都合なく暮らしてきた政治家であり、これが受けに回った瞬間、脆さを露呈する原因でもあります。つまりSは情報発信、パフォーマンスに長け、一見するとメディアにちやほやされ、次期首相と浮かれがちですが、メディアも首相になった途端に手の平を返しますし、政治家として打たれた経験のなさが致命的。今の首相選びは、候補と呼ばれる段階でどこか歪で、Sの人材ばかり優遇されますが、本質的に首相に相応しいのは受けが強い政治家なのです。

小沢氏は超ドM、メディアからこれだけ叩かれ、精神を保てる人間は稀有ですし、自ら恐妻家を認めています。ただ次期首相とするには障害も多い。一方で、次期首相候補と呼ばれる他の人材は、ほとんどSの体質です。これはメディアへの露出、メディアの嗜好であり、それに国民が踊らされる構図もあるのでしょう。直接選挙でない限り、今の首相選びは結局、精神的に追い込んで破綻させる、そんな政権作りに手を貸すだけとなるのでしょう。短命政権ばかりとか、政権をコロコロ変えて良いのか、という前に、今の仕組みでどういう人材が適任かを、もっと冷静に考えなければ国民が間違え続けている、という結果になりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年12月15日

米FOMCと12月日銀短観

米国で連邦準備理事会(FOMC)が開催されました。内容は予想通り、QE2と呼ばれる量的緩和を維持、景気は堅調であるものの、雇用・住宅の弱さを挙げ自らの政策の正当性を訴えます。しかし米格付け機関ムーディーズが米国債の格付けに言及、すぐの動きでないものの、検討段階に入りました。米国債は長期金利が3.5%に接近、この動きから分かること、それは欧州で各国の国債を売り叩く、債券マフィアがついに米国債にも食指を伸ばしてきた、という動きです。
財政状況を見ても、国の収支を見ても、米国債の格付け最高ランクは異常です。それでも高水準なのは、格付け機関が米国の手法に慣れているため、です。しかしGDP比で債務が100%超えは目前、収支環境は改善されておらず、減税継続で当面の歳出も改善されない。そして政府と議会はネジレ。これを見て、将来の格下げを織り込んで債券マフィアは債先で売りを溜め始めた。欧州で高リスク国との兼ね合いで見れば、長期債は5%を超えてもおかしくない、その水準を目指して、今はジリジリと売りたてて処分売りを引き出す水準まで、相場を動かす展開が今起き始めています。

米国はQE2で市場に大量の資金を投下した。これは債券マフィアから見れば、米国から拳銃を渡されたようなものです。米国にだけ引き金を引かない手はない。マフィア、と個人的には呼びますが、このシンジケートに攻撃材料を与えた米国は、自身が新たな武器を有しない限り、撃ち負けることになります。この動き、先々に警戒を与えるものであり、動向は注視する必要があります。
日本では日銀による12月短観、景況感は大企業製造業で9月+8→12月+5→3月-2、大企業非製造業で+2→+1→-1、3月の落ち込み幅は大企業ではそれほど高くありませんが、中堅、中小では製造業で-13、-11、非製造業ではそれぞれ-7と大きく、景気底上げの効果は将来に亘って大きくはないようです。一方で設備投資に前向きな業態もあり、他方で雇用は今年度も-31%、将来にも過剰感は拭えず、下期の業績落ち込みに連動して、見通しの悪化が短観には示されています。

注目は小売です。猛暑やタバコ特需の剥落で4pt悪化していますが、エコポイント駆け込み需要でもこの落ち方、更に3月短観では悪化すると予想されます。暖冬とゲリラ豪雪、これらは消費にマイナスです。しかも早々と賃上げを見送った組合もあり、来年も賃金上昇カーブはない。期待インフレ率も高まらず、半導体関連も価格下落が目立っており、ITバブルには終息懸念もあります。
米国では年末商戦の小売売上高は好調、一方で小売の業績がテレビ販売の不振で伸び悩み、これは長期化したセールで購買意欲は増進したものの、値引きでデフレ環境に近づきつつある、そんな状況を示します。何より米国でも、雇用悪化は長期化すると指摘されており、それはインフレ傾向を否定する。米FRBの政策効果として、マイナスとの批判を招きかねないものです。
両者から読み解けるのは、消費不況を改善するための方策が打たれない中、新たな対策待ちで小売は推移する、ということです。減税はプラスすればマインドを改善させますが、米国では継続であり、マインドは改善されない。日本では増税議論の中、消費不振は当面続きそうです。企業の設備投資も、海外であったりオートメーション化であれば、雇用へのプラス寄与度は少なくなります。消費に関して、明確に提言が打ち出されない限り、消費不況という形に益々近づくのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2010年12月14日

経済の話。来年の株式市場予想

菅首相が打ち上げた法人税減税5%について、1兆5千億円足りない。穴埋めしても5千億円足りない。などとメディアで報じられます。ついこの前まで、法人税減税を要求していたメディアの手の平返し。これは消費税増税と同種の、反菅体質のあるメディアによる意趣返しです。
国民新、社民も5%減税反対を打ち出し、連立はガタガタ。財源論でまごつく間は同調する政党もない状況です。昨日発表された需給ギャップは-3.1%、15兆円に上ります。この状況では雇用も設備投資も増えず、減税分は需要の高い新興国での工場建設や、企業買収に用いられます。賃金も今の労使関係から大幅アップは難しい。企業の内部留保になるか、経営陣の役員報酬に消えるだけで、実体経済においてほとんど影響はないと見ています。更に、メディアにも総スカンを喰らう中、財源の差配で苦労する前に、どうして歳出削減できないのかが強く問われることでしょう。

来年の日経平均の予想を出してみたいと思います。欧米、新興国に不安を抱えながらも、現在は世界同時株高の症状です。これは過剰流動性によるバブルだからですが、明日急な下落が起きても可笑しくありません。しかも今度の調整は、2番底を意識した大きな調整が予想されます。
つまり上昇を続けるしかないのです。証券会社や他のアナリストの予想では13千円~1万円が多いですが、これも現状から緩やかな上昇ピッチを刻むと想定したものです。あえて断言しますが、値動きが減ればヘッジファンドは収益が悪化し、市場から資金を引き上げますので、これは都合よい想定です。来年は大荒れの展開、破綻のトリガーを引く材料が何かを探す相場であり、それが今ある不安材料なのか、新たな材料になるかの見極めが大切な年になる、と見ています。

どの国も需要曲線がデフレ方向に下押しされています。需給ギャップを埋めるためにとる財政出動は欧米中で減少、深刻な消費不況が年中盤までに起きる。それを回避する術は英米がとる金融政策しかなく、逆に英米が現状の対策の打ち切りを決めるだけで、景気下押し効果を倍加させます。
春までは米QE2の効能があり、12千円近辺をつける可能性は残されますが、逆に今の水準で頭が重いのは、それ以上の緩和策を求めていることになります。しかし各国に余裕はなく、仮に打ち出しても景気の変動要因を高めるだけ。逆に急落を準備することにも繋がります。日経平均としては、11千円~5千円と少し幅をもたせた予想としておきます。最低水準の5千円はここ最近打ち出す水準ですが、仮にバブルの弾け方が大きいと下抜く可能性もあります。加重平均がとられているので、決して資産価値がゼロになるということではありませんが、今の過剰流動性は逆資産効果を生み易く、計り知れない負の連鎖となって世界市場を襲うでしょう。

さらに債券、為替、商品、不動産、これはあらゆる市場に当て嵌まります。証券優遇税制は延長も決まりそうですが、市場に与える要因は限定的で、それ以上に資金の流れが重要です。何が世界経済を破綻させるか、そのトリガーの見極めが一般投資家も必要な年であり、逆にそれを避けるためにバブルを再加速させるのなら、再来年は世界経済崩壊、まさにマヤ暦の最終日とされる年に、世界経済がリセットされる歴史的な転換を迎えることも想定すべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(7)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2010年12月13日

民主党役員会での動き

昨日の茨城県議選、与党・民主党の推薦候補が4分の3も落選する、という衝撃の結果でした。菅首相は小沢氏の政治とカネも原因の一つ、との見方を示しますが、これは個人の問題。政局にしているのは野党のみならず、現執行部も同様です。党役員会で1.小沢氏に出席して欲しい。2.出席しないなら党で出席を決めなければならない。として岡田幹事長に『会って出席を促す』ことを一任、簡単に言えば1.want 2.must でも具体的に決まったことは何もない、ということです。
政倫審は政治カードであり、小沢氏も述べているように、野党は不十分として次に証人喚問に発展します。菅政権が心血注いで政倫審出席を決めたところで、倍倍ゲームで要求は跳ね上がる。まずは風穴、と考えても次の証人喚問は更に難しいハードルとなり、菅政権は追い込まれます。

それでも菅政権がカードにしたのは、むしろ仙谷氏、馬淵氏の問責や尖閣問題、外交上の失態に蓋をするには、このカードを使うしかなくなったというのが本音です。仮に小沢氏を守るなら、小沢氏の政治とカネに関する捜査や報道姿勢に疑義がある、として全体像を明らかにするため、当時の検察庁長官、新聞の社主等も合わせて喚問する、と提案すれば良いのです。
当然、事実を拡大解釈しすぎと野党は猛反発しますが、しかし小沢事件は無罪推定も可能なので、事件としての全体像は検察の動き、メディアの報道の仕方も含めて検証しなければならないのが、本来の道理です。真実の解明なら尚のこと、事件の背後で何が起きていたかを白日に晒す必要がある。しかしそうではない。菅政権が、ただ政倫審をカードとして使い出した今回の動き、実は船長釈放の那覇地検の判断、尖閣映像流出は海保長官の問題、に次ぐ菅政権が臭いものに蓋をする際の常套手段、責任論を岡田氏に丸投げして事なきを得よう、とする動きに見えてしまいます。

菅氏が会見で、法人税を5%減税して国内投資、雇用拡大、給与増、経済成長、デフレ脱却、という目標を掲げました。道化もここまでくると笑えますが、経団連は上記を1つも約束していない。さらにこの減税分を賄うため、別の箇所で増税を課せば逆効果も生じます。政府税調では相続税最高税率50%→55%。給与所得控除に1500万円の上限をつけるなど、富裕層課税が活発に議論されます。
菅氏は周囲の声を取り入れている、と誤解していますが、周囲の声はよほど偏ったものなのでしょう。小沢氏を切り捨てれば他党との連立も容易、と誤解していますが、肝心な部分は、保守層の上に乗ってはいますが、菅政権には大量の仙谷氏のお友達がいることです。これが他党も腰を引く赤さであり、菅政権に多くが期待できない、と感じる部分です。特に小沢氏を切れば、仙谷派の抑止が利かなくなり、暴走は親中以上の、崇中として国益を損なう外交を始めそうです。

道化、ピエロは元々ギリシャ語の岩に由来する名前、ピエールに指小辞-otがついたものが滑稽な動作をする役者の名前になったものです。岩は旧約聖書やキリスト教でも神聖視されましたが、今の菅氏のピエロぶりはただの石頭にしか見えません。周囲との情報も阻害され、自分の身を安全に保つために、他人を切り捨ててばかりいる行動では益々赤い、という印象を与えるばかりです。奇しくも、ピエロの服装には目立つために赤い色が多いという点で、この政権の道化ぶりが見えるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年12月12日

来年の欧州経済について

来年の経済を考える上で、欠かせないのが欧州です。PIIGSと呼ばれる財政不安を抱える国、それが更にアイルランド総選挙、ベルギーなどの政情不安にまで波及、弱みを見せればすぐに国債を叩き売られる状況です。アイルランドでは15日にEU・IMFの支援を受け入れるか、議会で採決を行いますが、仮に合意しても総選挙を経ると反対勢力の方が増えるのでは?との警戒もあります。
欧州金融安定ファシリティー(EFSF)が7500億ユーロありますが、アイルランドに850億ユーロを支援し、ポルトガルとスペインに至ると底をつく、とされます。このEFSFを拡大するか、欧州共同債を発行するか、という議論が行われており、来年にかけてこの議論も活発になります。それと同時に、各金融機関に対してストレステストを2月に実施する、こちらが曲者になっています。

今年の7月、ストレステストの結果を発表し、ほとんどの金融機関が合格となり、市場に安心感を与えました。しかし半年も経たない間に、合格したはずのアイルランドの各行が支援を受けているのが現状です。9月には、一部メディアがすでに甘い査定との試算を発表していましたが、来年2月にストレステストを行い、再び甘い査定との認識が広がると欧州の金融機関に信用不安が襲います。一方、厳しい検査で不合格行が続出すると、増資懸念や信用不安が襲う。適度に厳しい結果が出る、という綱渡りの公表をしない限り、市場を安心させることができない難しさがあります。
欧州共同債の発行に際しては、EUそのものに収入源はなく、各国の分担金のみで運営されています。ECBはユーロを発行できますが、元々の資産や収入という担保がない債券発行は、不安定化の要因となるため、発行には慎重にならざるを得ない。分担金を増やすか、EUによる課税の仕組みを新たに作るか、いずれにしろ各国には負担となるため、安易な導入には踏み込めません。

EUには欧州議会と、各国の国会が存在するため、1国に限ってみれば2つの意思決定機関が存在します。平時は棲み分けがされていますが、国家財政が破綻懸念に陥り、支援という段になると利害が対立する。それは棲み分けの領域を超え、税制や歳出にまでEUが支援策の条件として、立ち入ることによって起きます。この傾向は1、2年で解消されるものではなく、最低でも3年程度は試行錯誤を繰り返し、ユーロを今の枠組みでいくかも含め、紆余曲折が予想される問題となります。
来年の欧州は各国の選挙、ストレステストなど、幾つもの難題が年初から訪れます。金融緩和を停止し、緊縮財政に陥ったと同時に各国ではデモが頻出します。英皇太子も巻き込まれましたが、デモは治安悪化以上に、経済活動を停滞させる一つの要因であり、更に賃金の低下は需要曲線をデフレ方向に押し下げます。しかも税負担の増加は、消費動向に影響してくるでしょう。一時期の購入補助金、などの景気対策が終了したと同時に、消費の下押し要因が満載です。
かなり危険な水準で、欧州は来年推移するのでしょう。多くの国で予算が順次実施される年初からの、欧州経済の行方は、新興国バブルの動向にもかかってきます。日本市場でも、欧州で溢れたマネーが流入しており、12月メジャーSQに波乱を引き起こしました。日本は出遅れで買い、と大量の資金を11、12月と投下していますが、こうした資金の流れにも影響しかねない問題であり、欧州の変動に注意するべき1年になることだけは確実なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:42|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 欧州 | 経済

2010年12月11日

雑感、菅政権の稚拙さ

国連機構変動枠組み条約締約国会議(COP16)が行われ、京都議定書の延長に反対する日本により、詳細な制度設計が先送りされました。ただ12年末で執行する京都議定書を延長されれば、日本は困ったことになっていた。これを回避し、米中を含む途上国を議論に巻き込んだことは、一先ずの成果でしょう。日欧で削減しても世界の排出量の4分の1しかなく、意味がないのは明白です。
これは昨年、国連で25%削減を打ち出した鳩山前首相の功能です。日本は他国が高い目標を掲げれば25%削減と明言している。態度は一貫しています。米中が削減目標を立てなければ、その目標枠を遵守する必要はない。COP17で、ポスト京都議定書を策定する必要はありますが、他国を巻き込むことが至上命題、として日本は突っ張りきるだけの材料を当面有していることになります。

菅首相が拉致被害者救出に、自衛隊発言をしています。米韓軍事演習に自衛隊を参加させる布石、米国からの要請で韓国軍との連携に舵を切った、ということを拉致被害者救済、という大義に託けていることになります。しかし自衛隊法の改正を含み、連携を模索する社民には受け入れ難い提案。だからこその大義でも、拉致被害者家族を政治の思惑で翻弄していることに他ならず、内実が知れれば菅政権はますます信を落とす原因となります。この政権は、徹底的にウソが下手であり、政治的手法は素人も同然で底が浅いと云わざるを得ないのでしょう。
明日の茨城県議選に注目が集まります。保守王国とされる茨城で、衆院選の余勢をかって大量に候補を擁立したものの、現有議席すら守れない公算が高い。10日に臨時役員会を開き、電撃的に小沢氏の政倫審出席を決議、そこで追い風に…。という目論みも、逆に13日の定例役員会まで先延ばしし、政治とカネを敗北の原因として小沢氏を糾弾する材料にしよう。負けて元々、という判断がここにあります。来春の統一地方選まで影響する問題のはずが、その程度の気概で挑む現執行部に対し、もはや地方も反乱を起こすことでしょう。中央政界のゴタゴタの踏み台にされる、菅政権の手法とはかくも地方に厳しいものか、ということがこれで明らかになるからです。

来春の統一地方選、民主党の候補者擁立がままならない、という事情も伝わります。元々現職は少なく、ここで勝って地盤を安定させるまでが、小沢氏の戦術にはありましたが、そうした姿勢も菅政権では抱けない。国会対策で小沢切りなら、ますます地方は切り捨てられます。岡田幹事長の手法では、選挙弱さばかりが目立つことになり、引いては菅政権の凋落に繋がるでしょう。
小沢氏を切って大連立なら、今度は自公の関係が分断されます。つまり大連立に乗っても少数政党の旨みは少なく、最大野党の立場を鮮明にした方が選挙、国会対策上も有利だからです。すると選挙に弱い巨大な二党による連立政権が誕生する、何とも不可思議な状況に陥るのでしょう。

小沢氏が分党する目が少ないのは、田中、金丸という過去の事例に照らしても、与党の一員でいる方が検察や裁判所の動きをけん制し易いからですが、逆に脆弱与党に陥れば党を割って総選挙を要求、政局に持ち込んで与党の座を目指す、ということもあり得ます。今回、政倫審カードを有効な場面に使おうと持ち越した結果、最悪のタイミングで切りそうな気配です。菅氏は地方から国政に至るまで、稚拙な運営で味方を減らす。論語では『君子は和して同せず、小人は同じて和せず』とあります。菅氏は明らかに小人に類する、ということが今回の行動からも自明となるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年12月10日

中国の11月経済指標

今年の漢字は『暑』でした。菅首相は『行』、ただ菅政権は『四』だと考えています。尖閣衝突では船長を罪に問わず、結果として罵詈を浴びせられ、官署もいうことを聞かず、政権は四面楚歌。罰があたって罷免されるのは来年かもしれませんが、四方八方に色目を使って永田町で延命を謀るも、慢心政権により、世間からは白眼視されている。網頭と目偏を入れれば四だらけです。
民主党に限っては『罠』と『眠』が使えるでしょう。小沢氏は眠り、国会招致という罠で党分裂。頼みの四人、仙谷官房長官、岡田幹事長、前原外相、野田財務相という次期首相候補は、そろって無策、無能ぶりをさらけ出してしまう。政権の四苦八苦が党運営にまで異常を来たすも、四分五裂してまで生き残ろうという現執行部。四は死ともされますが、党分裂で少数政党転落もありえます。四散すれば党消滅、という事態も在り得ますが、それを防ぐ術は菅代表では導けないでしょう。

中国の11月経済指標が幾つか出てきました。これを見ると、貸出増加額は今年8兆元に達する勢い、マネーサプライは20%近くで推移するため、かなり国内に資金がダブついている状態です。11月貿易統計で輸出は15百億$強、前年同月比で34.9%の伸び、貿易黒字は230億$に達します。新車販売が米国を抜き、最大の伸びを示すのも、この国内に滞留したマネーが引き起こした流れです。
そんな中、預金準備率を0.5%引き上げましたが、焼け石に水です。1年物金利は2.5%とインフレ率から見てマイナス金利の状態。引締め効果を出すには期待インフレ率に効果を与えねばいけません。経済成長の大半が金融部門へと変わる中国は、金余り状態を解除するのが難しい段階です。

都市部の住宅価格は3割増しとの要人発言もありますが、上乗せ分はもっと高く、逆に適正価格に落ち込むときのマイナス寄与は、相当に高いと想定されます。金融引締めに舵を切り、投機資金を罰則で締め出す規制に舵を切っても、元々の3割増分をどうオーバーシュートなく、適正に戻すかは知恵もない。資金流入が途絶えた段階で、不動産価格は下落を始め、中国経済は息の根が止まる構図になっています。米国のQE2によりまだまだ世界には投機の資金が溢れている。中国はこれを抑制しない限り、バブルを抑え切れませんが、抑制した途端に価格急落です。
政策効果による引締めには、必ずオーバーシュートが発生します。つまり引締め過ぎにより、必要以上に景気を下押ししてしまう効果です。中国経済は今年好調、ということが11月指標でも明らかになりましたが、引き締めの効果が出始める来年以降、その引締め過ぎ分をどう織り込むか?中国経済は米国の急変動にも振らされますが、それ以上に、国内に不安定要因を生み出す、資金供給量に手をつけなければいけない時期がくれば、かなりのリスクと背中合わせにならざるを得ないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(6)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2010年12月09日

菅首相の目論む大連立?

米韓軍事演習に際し、米軍から参加が呼びかけられます。これは朝鮮戦争による仁川上陸作戦、その逆を中国、ロシアにやられることを恐れ、日本の自衛隊が韓国に入って防衛警備に当たって欲しい、という米国の思惑です。米国も大規模な軍の投入は難しい。自衛隊が入るための法整備も必要ですが、圧力をかければ超法規的措置を通せる。最大の障害は自衛隊と韓国軍との連携、過去のしがらみや軋轢、これを事前に解消することだとして、盛んに発言しているのでしょう。

永田町の動きが活発です。小沢氏、鳩山兄弟、舛添氏による会談、これは小沢派に有力な総理候補がいない、として舛添氏が自身を売り込みに行った構図です。ただ舛添氏、鳩山邦氏は乗り気でも、民主内支持層に配慮する必要がある小沢氏、鳩山由氏は慎重な意見に終始しています。
菅‐与謝野会談から、大連立が囁かれていましたが、渡辺読売社主と谷垣自民総裁の会談が行われ、こちらは大連立の話になったようです。これを菅氏からの依頼、と報じるものもあります。そうなると菅氏は社民、公明、自民にそれぞれ色目を使っている形になり、最も相手から信用されない、八方美人的な手法に手を染めた形になります。日本を復活、と掲げた菅政権が支持率だけを回復させようと躍起になる、いずれの連携とも失敗すれば、まさに死に体政権に陥るだけです。

今回の大連立、まず成功の目はありません。政界では主戦力から外れた人材ばかり、人脈は伴いますが、権力は伴わない。菅‐谷垣が結んだとしても、両者とも強い党内基盤があるわけではなく、閣内も党内もバラバラになることが明白です。しかも下働きした人間の論功まで含めると、人事でももめる。力がないのに看板だけ掛かった状態は、もっとも不安定な状態に陥り易いのです。半年も経たない内に両党とも倒閣運動が置き、政界再編の流れで総選挙となることが自明です。
一方で菅氏は小沢氏の政倫審出席に前向き、来週の役員会で諮り、通常国会前に招致議決を経て呼ぶ意向です。小沢派を追い出して…ということなら、菅氏は無役に転落します。小沢氏がいる間、菅氏を担ぐのは政治キャリアだけ、いなくなれば若手で十分です。今は反小沢以上に反菅、反仙谷の流れが強く、民主党全体の数が減少して連立なら、菅氏をトップに据える必要はありません。

週末の茨城県議選で、菅政権は致命的との評価もありますが、これは終わりの始まりの動き、と見てほぼ間違いないのでしょう。仙谷人脈が見えないのは、菅政権が下手に長引いて自縄自縛となり、閣僚は総じて謹慎に近い形となるよりは、早めに幕を引いて自身が代表選出馬、との意思も見え隠れします。誰もが菅政権の次を見始め、菅氏がそれに抗い出したのが真相でしょう。
凡そ政界が動くときは、若手が血気に溢れて行うものです。今回はロートルばかりで熱意がない。熱意がなければ国民に伝わらない。指揮者のいない音楽会では、不協和音ばかりとなります。大山鳴動してネズミ一匹、そのネズミが窮鼠となってネコを噛むのか、踊っている内に川まで導かれて自ら滅びるのか、どちらにしても一国の首相が汲々とする姿に、国民はウンザリさせられることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年12月08日

来年の米経済の見通し

永田町では、賞味期限切れの人たちがきな臭い動きをしているようです。『日本の危機』という言葉が叫ばれると、黙っていられない『オレが日本を動かしてきた』という人たちが雨後の筍の如く沸いてきます。決して『師』ではない人たちなのに、師走になると走りたくなるようですね。

来年の日本経済を考える前に、米国経済を考えます。ブッシュ減税延長が決まり、税収見通しで5千億~1兆$の税収がフイになる形です。これを受け、米長期金利は3%を大きく上回りました。米格付け会社も米国債に言及しますが、言葉を濁しており、AAA格付けは維持できない可能性もある。ただし、格下げによる格付け機関を米国の敵、と見なせば、今の流れで米格付け機関は生き残れないでしょう。米国債の格付けは、もはやアンタッチャブルゾーンに入りつつあります。
景気を0.5~1%上昇させる、という見通しをたてる人もあり、景気拡大による歳入増を見込みますが、これは延長であり、新たな減税による浮揚効果はありません。マインド面の改善はなく、それ以上に投資資金を海外に振り向ける、今の体質では世界の時価総額の動向の方が、マインドに大きく影響します。年末商戦もゲームのような娯楽ではなく、靴や洋服など実用面に向かう、今の消費動向が米国の真の景気認識であり、富裕層以外のマインドは上向きを見せていません。

そこで出てきたのがビルドアメリカ債(BAB)プログラムの終了です。これは大規模な建設工事を促す、地方を支援するプログラムであり、大型公共工事による雇用支援の側面がありました。これは大きな政府路線であり、共和党の支持が得られず、開始から2年で廃止される見込みです。ただ大型公共工事は2年で終わるようなものではなく、地方は国からの支援が得られず、免税債の乱発が想定されている。これが米長期債のみならず、地方債の利回り拡大を促しており、米債券はやや荒れ模様の展開を示します。今後、州、地方などの負担が増せば工事計画が頓挫し、経済は深刻になるばかりでなく、州、地方などに破綻が出る恐れもあります。
米国ではQE3期待が膨らみます。QE2は6月まで続きますが、FRB議長が追加の量的緩和を示唆し、俄かに早期でQE3という期待が市場を覆いました。需要不足を補うには2兆~3兆$が必要とされますが、すでに中露では元‐ルーブルの直接取引に合意しています。これは国際決済通貨としてのドルを抜いて、取引できることを意味し、ドル不要論に繋がりかねない流れです。来年はドル基軸通貨体制にも、再考が掛かりそうな動きが、こうした周辺諸国からも出てきています。

今年の年末には危機に陥ると見ていましたが、QE2で一先ずの小康を得ました。ただ3月までは維持できても、4月には期待も終焉します。来年、QE3を打てるかどうかは、世界が米経済、ドルを必要とするかどうかで変わります。不要論が高まれば、ドルは米国内に溜まり、ハイパーインフレの懸念に結びつく。一方でドル基軸通貨体制に見直しがかかっても同様です。米国は新興国経済や、欧州不安、国債格下げに怯えるほどの脆弱さで、来年を迎える形になります。兎年は跳ねるといいますが、跳ねた先には落とし穴が一杯、どこで躓くのかは神のみぞ知る、ということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:59|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2010年12月07日

税制議論の中の法人税減税

野田財務相が閣僚委員会で、来年度予算の税収見通しは、今年度(39.6兆円)を超える見通しを示しました。国債発行は44.3兆円以下、と方針を示していますが、2年連続で税収が国債発行を下回る見込みです。しかも、来年に向けては不透明要因が強く、税収見通しが曖昧な中で予算分捕り合戦に陥る。民主党版族議員の誕生は、自民型の政治体制を目指す菅政権で必然となっています。

法人税減税に向けて、経団連案が出てきました。法人税率は5%下げ、減価償却や研究開発減税などは、一部変更を認めて1%ぐらいの増税分とし、実質4%引き下げを求めています。なぜ経団連がこの2つの変更を認めたか?これは簡単で、今後日本で設備投資や研究開発を行わない、だからこの部分を増やしても痛くも痒くもない、と言っているのです。経団連には海外展開する企業が多く、国内はもう既存設備で十分だから、代わりに法人税を下げてくれ、ということになります。
一言で断じれば、この経団連案では成長も景気回復もない、愚の意見です。法人税は黒字を続ける企業しか掛かりません。黒字を続け、収益性を高めた企業は経営陣の成果報酬が増える。従業員の人件費を抑え、税負担が減れば益々高収益になり、経営陣は評価される。この構図で世界は今、低い人件費と成果報酬による経営対価という形の二極化、格差が進みつつあります。

税財政は一体での検討が必要であり、法人税減税5%で14千億~21千億円と試算されます。するとどこかで穴埋めが必要ですが、例えば縛りをかけ、3年間は5%減税で浮く分を従業員人件費に充当させる、という法律を通すことも可能です。所得税で相殺する分もありますし、何よりエコポイント終了後の消費を下支えする、という意味があります。来年度は確実に消費減退、これを法人税減税で下支えしても、税収全体は減少するだけであり、財政の悪化は深刻になるでしょう。
米国ではブッシュ減税の2年延長が決まりそうです。大きな政府で、小さな政府時代の減税を続ける。米国も経済失政が目立ってきました。この失政の向かう先は、税収減による財政悪化であり、米国が10年後と見込むGDP比100%の赤字達成は、ますます近づくことになります。
子ども手当ての上乗せ分に、配偶者控除の所得制限なのか、相続税の基礎控除(5千万から3千万へ)引き下げなのか、政府内も揺れています。間違いなく菅政権は舵取りがいないので、税財政議論さえブレブレで、財政再建なのか、経済成長路線なのかも見えません。軸足がないので、省庁や圧力団体が言いたい放題となり、まとまる気配も見せていないことが窺えます。これは予算の成立に続く付帯の法律にかかってくるので、通常国会も大揺れ、ということがこんな所でも見えています。菅政権はいいとこどりをしようとして、二兎を追う者になっているのかもしれませんね。

最後に、日本の株式市場は週末のメジャーSQに向け、全体はバランスしているものの各社の傾きが大きくなっており、波乱もありそうです。ロールオーバーがどの程度になるか?それ次第では清算値も変わってきそうです。欧米の一部が溜める先物買い、このポジションが来年3月まで買い溜めるのか、吐き出すのか?明らかに買われ過ぎ水準に入っている日経平均、調整もなく更に上昇するなら、特に米追加緩和期待で再び上昇気配なだけに、益々急落を演じ易くする相場つきになっていくのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年12月06日

菅首相の記者会見について

臨時国会を終え、菅首相の記者会見が行われました。冒頭、補正予算を第2ステップに例え、予備費を使った第1ステップ、来年度予算の第3ステップで雇用と経済成長、という形で訴えます。しかしこれは、麻生元首相もロケットに準えて景気回復を訴えていたので、ほぼパクリです。
全体に流れるのは「自分で決める、判断する」と、情報発信のあり方に軸足が置かれています。これは自身の反省点が盛り込まれており、指導力のなさと、メモを片手の外交に類する発言の弱さ、これが今後の改善点のようです。会見の最後に、5つの政策課題を掲げ、与野党議論が必要と訴えますが、野党の事情に振り回されるのは与党としてむしろ自然なこと。またメディアの報道姿勢も自身の力点を置いた部分と違う、と切っていますが、これは人の動かし方を知らない人間の言葉です。自分の思う通りに周りが動いてくれれば、誰も苦労はしない。周りが自分の思う通りに動くのに、どうすれば良いか?これがトップの人間の能力であり、そこに忸怩は感じられません。

浮上してきたのが、社民との連携です。自民との大連立に、国民理解がないと難しいと語り、秋波を送る公明には袖にされる。昔の縁故に頼った形ですが、この連携は相当に社民も強気に出るため、武器輸出三原則や沖縄基地の問題など、米国と社民との板挟みに陥りそうです。基本の骨がなく、米国や社民という筋肉を回りにつけると、身動きすらとれなくなる。それでも衆院3分の2を優先する国民新の意見を汲むなら、機能不全を起こすことも想定されます。国民新は郵政法案可決が党是、これが通れば他は廃案でも構わないぐらいの態度です。衆院再可決の思惑は、法案成立までに余計な時間がかかり、通常国会は停滞が確実になっていくのでしょう。
しかも大連立にしろ、社民との連携にしろ、小沢氏の力が不可欠となります。菅氏が潰れても小沢氏は生き残る、他党からそう見られており、後ろ盾は得ておきたい。小沢氏のもつ意味は益々重くなります。小沢氏は過去の因縁にこだわる人物ではありませんが、ここと妥協すれば菅政権である意義もなく、益々低支持率に沈む。どちらにしろあまり良いこともありません。

もう一つの観点から言えば、菅氏は人を育てたことのない政治家です。これは学生運動上がり、という面が影響すると考えます。学生運動に継続性がなかったのは、主張の旗の下に集まる糾合型だったからであり、自ら若手を育てることはありませんでした。有力な若手は分裂していく。集団の定義がそもそも異なり、組織維持のための人材育成は重視されていなかったのです。
一方で、秘書が政治家になったり、自ら政治塾をつくる政治家、それが小沢氏です。そのため小沢氏の下には政治家が多くいる。これを多数派工作と捉えるか、日本の政治を改善するためと捉えるかは別にして、菅氏は人望の得難い人柄に加え、自身の経てきた活動自体が元々、人を上手く機能させて組織を維持してきたタイプではない。これが弱点として存在しています。

この会見で、議員定数削減や歳費削減、公務員人件費など行政経費の削減など、訴えるかと想いましたが、残念ながら発見できませんでした。代わって消費税の話、これは質問する記者の見識も問われますが、菅氏の力点が誤っているのではないか?との指摘も見られません。人を使ったことのない人間が国のトップで、尚且つ人きりも含めた政治、行政の改革に手もつけられない。菅氏は周囲との向き合い方からまず反省すべき点である、という認識をもつべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(4)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2010年12月05日

ウィキリークスと情報統制

市川海老蔵さんの事件、何の関心もありませんが、防御創なら腕や背中に多くの擦過傷や打撲が残ります。特に顔を殴られそうになると、人間は自然と顔を庇います。そうでないのは、正面を向いて殴り合ったか、意識を失って無抵抗に殴られたか。ただそうした情報がない今、どちらが悪いとイメージで語っても何の意味もありません。今は歌舞伎界に配慮する姿勢と、堕ちた偶像に対する報道とが交錯する、いずれにもフィルターが掛かっていることになります。

ウィキリークスによる米公電の一般公開が、新たな展開を見せ始めています。サイバー攻撃と口座凍結、これによりウィキリークスは追い込まれ、行動に制約がかかったかに見えます。米は公認ハッカーを抱えており、金融機関にも圧力をかけて、戦略的に行動しているのでしょう。
日本の報道機関は『真実の報道こそ真の価値』と、これまで報道機関が金科玉条の如く掲げ、訴えてきた文言を封印しています。民主主義に対する脅威、何でも公開して良いものではない、とする論調まで掲げてウィキリークスを批判します。ただ、ウィキリークスが追い込まれることは、そのまま情報統制と同質であり、米の圧力という事態をメディアも目の当たりにすることとなります。ウィキリークス許すまじ、という米政府の態度は、既存メディアがフィルターをかけて報道をしていることを、逆に浮かび上がらせてしまった。米政府に対する脅威、真実の報道は程度差こそあれ、自らの身に及ぶ危機となる、これこそ民主主義の危機と呼べるものです。

公電の情報は悪口、告げ口の類が多く、まだ重要な内容は少ないと云えます。その中で一つ、日本にとり重要なのは米政府が日米共同開発中の迎撃弾を輸出するため、日本の武器輸出三原則を見直すよう要請していたこと。対日要望書の存在、またこれが白日の下に晒されました。
小泉元首相が、民主の対米外交を批判しています。しかし小泉政権はこの対日要望書を達成する、その従順さが米で評価されてきた。米国に阿るメディアも小泉氏をもち上げ、国民支持が高かった経緯もあります。つまり嫌米姿勢をとれば大変なことになると分かったでしょ、と民主党に訴えているのは、自身の成功体験が如何に米国に支えられていたかを示すものです。逆に、米国の気に喰わないことをすれば破滅させられる。それはメディアのみならず政界でも、田中角栄元首相以来、常に懸念されてきたことであり、小泉氏はその効能を上手く利用した政治家ということです。

尖閣衝突映像の公開は、大した情報ではないから良くて、今回は大変な情報だから良くない。そんな線引きを始めた段階で、メディアは堕落したと云えます。誰かを危険に晒すことが良くない、とする論調にしろ、今の段階ではまだ暴露の程度は少ないですが、未公開の中にかなり危険な情報が含まれる、とされます。ウィキリークスを追い込み、それが暴露されることこそ、真の意味で誰かを危険に晒す行為と云えます。
問題は、今後のメディアが萎縮すること。恐らく米国の思考を斟酌して、全ての情報に自己規制として、フィルターをかけることが考えられます。米国では、8割近くが脅威と答えます。ただこれも情報操作の結果であり、こうして一義的に物事の見方が決められること、こうしたことも真の脅威です。メディアが真の報道を否定する今、自らの立ち位置すら怪しくさせているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:41|PermalinkComments(6)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 メディア | アメリカ

2010年12月04日

米雇用統計と米韓FTA

昨日、米国で11月雇用統計が発表されました。非農業部門雇用者数を、市場予想の14万人増から10万人も低い約4万人、失業率も前月の9.6%から9.8%と高水準になりました。これは10月雇用統計発表がGM上場と重なり、数字を高く見積もる必要があった、そのツケが出たと勘繰っています。9、10月は雇用者も上積みされましたが、米景気が本当に強いのか?それでも市場は今、悪材料に反応しにくい超楽観相場であり、米景気回復期待を織り込む流れが出来ています。
しかし欧州財政不安や、中国の金融引き締めなど、経済の不安定要因をいずれは織り込まざるを得ない局面が来ます。12月半ば頃までは節税対策売り、と見ていましたが、そのための高い先物買いという側面もあるので、外国人投資家の動向には今後も要注意でしょうね。

米韓FTA交渉が合意に達しました。07年に一旦合意したものの、条件面で米議会の承認が得られず、再交渉の末です。オバマ大統領は110億$の輸出増、7万人の雇用増と成果を強調しますが、これは米国が韓国を新興国と見なしているためであり、高成長国は高額商品が売れる。即ち米製品を購入してくれる、という腹積もりがあるためです。ただ元々、韓国はGDPで100兆円程度の国、国内市場の小ささが輸出依存という構造に陥る原因です。そんな国で、高成長とはいえ米製品が市場に食い込めるかはまた別の話です。韓国は今回、輸入車の安全基準を引き下げ、米車の7割程度が輸入可能としますが、逆に米車の安全性は低いと今回の一件で喧伝されたようなものです。
米牛肉の輸入制限は協議を継続、とされますが、韓国でも農業政策は補償で賄うのが一般的ですが、口蹄疫が蔓延した韓国では牛肉の輸出も難しい。米国の大量生産品との対決では、ジリ貧が見えています。協議と称して時間稼ぎをする間に、次の手を考えるという段階です。

しかも、大統領制の両国とも政権基盤は脆弱。議会対策には相当苦労します。米国では保守層、ティーパーティーが台頭しており、自由貿易に賛成票は入れにくい。韓国も延坪島砲撃以来、政局は流動化しており、議会の承認を得るまでに、両国とも紆余曲折は続くのでしょう。
現在、世界は富裕層と貧困層、という形で国内に南北問題を抱える状態です。過剰流動性で回復した経済は、上流から下流へとの資金還流はせず、どの国でも消費は富裕層が引っ張っています。そのため国内情勢は悪化し、政治は多数派である貧困層の声を汲まざるを得ないものの、強引な政策は更なる批判を招き易いことになります。米国でブッシュ減税見直し議論もありますが、富裕層への課税強化に紆余曲折するのもそのためです。富裕層の消費を減退させれば、確実に経済は縮む。一方でとれる納税者は、富裕層しかいなくなって来ているのが現状、ということです。

米韓FTAは、議会の承認が得られない可能性もある、と見ています。何より、世界は確実に低消費型社会に近づいています。新興国の金融引き締め、富裕層への課税、どちらも資金の流れを滞らせますが、最早そうしなければバブルを食い止められない。今の経済は、バブルが終われば低迷するというほど脆弱です。関税を撤廃すれば輸出増、両国がそんなウィン・ウィンでいられるはずもなく、どこかが歪めばやがてFTA撤廃、などの動きも顕在化し易くなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2010年12月03日

雑感、臨時国会の閉幕

NASAの『宇宙生物学上の発見』はややガッカリな内容でした。リンに砒素が代用できる生命の発見、と言われてもピンと来る人は少ないでしょう。例えば生物は細胞内にエネルギーをアデノシン三リン酸、という形で溜めます。効率が良いからですが、希少鉱物であるリンを、わざわざ利用するのは謎とされます。ここに砒素が代用できても、地球型生物の適用範囲は拡大しますが、宇宙型生物を想起させるには、やや飛躍に過ぎる部分なのでしょうね。

第176臨時国会が閉幕しました。法案成立率が38%、最低水準に沈みます。熟議の国会のはずが、尖閣問題ではZ旗も掲げられず、物議をかもしただけで議論も早々に幕を引く。何とも不思議な国会です。通常国会に向け、内閣改造の目玉人事となるはずの、仙谷官房長官を兼務である法相に専念させ、代わって新官房長官で野党に打診する、という戦略を仙谷氏自らポロリと零してしまう。戦略の上滑り感は舌も同じで、結果的に菅政権が打つ手の効果を、自らなくしています。
俄かに政局話も盛り上がりますが、支持率20%台の政権では泥舟に乗るようなものです。与謝野氏、舛添氏など、自民脱党組は権力への色気がたっぷりですが、バックに数がないので見返りに首相の座を要求できません。しかもこの2人、人望のない点は非常に似通ります。

自民との大連立という話もありますが、半数近くの閣僚ポストを自民に渡す必要が出てきます。年明けに党を割るのは政党助成金の関係からやり難くとも、両党とも脱党組を相当に出すでしょう。その時は菅氏が引きずり下ろされ、民主の前原、野田グループと自民の保守層が組むグループと、それ以外に分断される。菅氏はいずれにしろ大連立の頭に座れる器もないので、その動きを見せれば閑職に移ることが確実、これは民主の側からも、自民の側からも動けない話です。
中井氏の発言にしろ、民主は舌の軽さ、戦略性のなさが全ての失敗の原因であり、一言でいえば緩みです。鳩山政権時代は政権交代という熱もありましたが、トップがその意義を忘れたため、閣僚や政務三役はやりたい放題。よく菅政権は仲良し学級と揶揄されますが、まさに学級崩壊です。授業中に喋る、立ち歩く、決まるものも決められない、何も進まない。大人と子どもの世界には均質性がある、とは言われることですが、まさに今の菅政権は子ども社会の問題をそのまま映す鏡です。幼保一元化すら紆余曲折するのは、誰が決めるか分からない状態で、何も決めきれない菅政権の悪い部分がそのまま現れている、子ども政権と呼べる状態です。

日本では来年、解散総選挙という予想が専らです。政権の弱体化は国の弱さに繋がりますが、衆院で3分の2近くもつ与党の党首が、たかがネジレでこの状況では、日本の政治は抜本改革を待つ状態、とも云えるのでしょう。菅政権が大連立を模索し、政界再編を促すなら、ある意味歴史に名を残せるのでしょうが、ジリ貧で退陣なら最低内閣のレッテルすら貼られかねない、そんな状態に来年以降も陥るのでしょうね。

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2010年12月02日

北朝鮮と中国とウィキリークス

米韓合同軍事演習が終わりました。北朝鮮からの目立った反応がなく、やや拍子抜けですが、これはウィキリークスの米公電公開が北朝鮮で驚きをもって受け止められたことが影響している、と考えています。中国高官による北朝鮮の『駄々っ子』『半島統一を支持』などの発言は、当然米大使に見せる顔と、北朝鮮に見せる顔に違いはあるはずではありますが、絶対的に支援、支持を信じていた中国が、金王朝を切る可能性に言及した形となります。
北朝鮮で行われたデノミも金正恩氏の指示とされ、背後には反体制派の粛清の意味をもつ、と伝わります。ということは、経済政策で後継候補にケチがついており、延坪島砲撃は絶対に成功裏に終わらせたいはずです。米軍が即応体制をとり、平壌空爆まで視野に入れたことの他に、中国の態度変化を読み切れない。北朝鮮の苦悩も一部には含まれているはずです。

北朝鮮は鉱業権、漁業権を中国企業に売却し、資金調達と伝わります。国の将来、収益基盤となる権益を売る、というのは既に末期症状です。北朝鮮は百万の兵士を抱え、軍需産業を含めると二百万近くが軍関連、公益部門で働く、とされます。逆に云えば産業がなく、仮に北朝鮮が崩壊すると、大量の難民が溢れることになります。南北統一の象徴である開城工業団地の見直し、を韓国側でも検討が始まりましたが、韓国からの派遣者を拘束するなど、緊張が高まれば当然、北朝鮮に出資することはリスクとなり、民間では賄い切れない問題に波及します。
更に、この鉱業権、漁業権の問題は崩壊後の統一にも影響します。北朝鮮が崩壊した場合、すぐの統一は失業率上昇と韓国国会内に、北朝鮮系の最大野党誕生か?という懸念もあるので難しい。暫定政府をつくり、統一までのロードマップを作って時間軸を置くしか当面は対処しようがありません。その際、6カ国協議の各国が債券を引き受け、復興資金とする。その時、債券の担保となる権益を先に中国に押さえられた形となり、各国はただ負担のみを強いられる可能性が高くなります。つまり、中国は権益さえ押さえれば、金王朝崩壊に向けた障害がなくなるのです。

更に米韓の間で、半島統一に向けて中国の説得に資金負担、という話があります。中国にとって、北朝鮮を高く売りつければ、濡れ手で粟の儲けとなる。今は経済が堅調でも、中国とていつバブル崩壊で資金難に陥るか分からない。その時まで、北朝鮮崩壊を引き伸ばしておき、その間にじっくりと権益を買い漁り、半島統一の頃には中国が最も利を得る計算が立てられているのです。
北朝鮮の崩壊は既定路線でも、今ではない。これがウィキリークスから読み解ける、米中韓の思惑でしょう。北朝鮮崩壊で、日米韓は債券を引き受けても何も得がない。ただそうしなければ韓国が保てない。そんな状況が着実に近づいています。哲学者プラトンはエリート主義としての共産体制を目指した、として有名です。しかし彼の過ごしたアテネ民主主義は、多くの思想、哲学を生み出しましたが、近代生まれた共産主義は思想、哲学を何も生まなかった。背反するようですが、北朝鮮のような共産体制は知的創造を減退させ、自ら崩壊の導きを歩むということが、歴史や哲学の面からもうかがい知れることです。権益の切り売り、という事態に本当に陥っているとすれば、知的創造の欠如であり、崩壊までの期限は意外と短いのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治

2010年12月01日

経済の話。日経平均の1万円割れ

昨日、日経平均が1万円を割れました。原因は欧州系のCTA筋が11月ドレッシング期待からか、ずっと先物買を溜めていた部分の一部が、吐き出されたためで、短期の需給要因のみです。ただ海外動向に相変わらず弱い、日本経済の悪い部分も見え隠れしており、今後に不安を残します。

10月鉱工業が前月比1.8%減、予想より良い数字ですが、5ヶ月連続の下落です。エコカー補助金の終了で自動車生産が2桁の落ち込み、エコポイント制度の駆け込み需要で家電は2桁増ですが、12月以降は家電に生産調整が起こると見られ、循環的には11月に持ち直しても12月は再度下落が見込まれます。年間1千万台とされるテレビ需要の内、11月は6百万台を売るのですから、需要の8ヶ月近くは先食いした形であり、今後の落ち込み具合は景気動向にも関わってきます。
現在、米国防総省の公電がウィキリークスで公開されていますが、来年初めに米金融機関の内部情報が流出、と伝わります。司法判断を含むといわれ、噂されるバンカメは下落。政府機関のみならず、民間企業も対象であり、特に米金融機関はMBSなどの住宅ローン関連の債券組成において、審査が甘かったとして訴訟が頻発しており、今後余計な訴訟リスクを抱えることになります。

欧州財政不安もアイルランド支援で決着せず、PIIGS以外のベルギーに不安が波及。明日、ECBが新たに国債購入条件を提示し、一旦は債券、CDSスプレッドも落ち着くと見られますが、問題は解決しません。ベルギーは弱い政権基盤による政策リスク、が国債売りの背景ですから、アイルランドの不良債権、ポルトガルの民間債務、スペインの地方財政不安とは、また一線を画す問題へと波及しており、債券マフィアがこぞって欧州各国を狙い撃ちしている形が鮮明です。
この欧州財政不安、日本の状況とも酷似します。高い借金総額、地方に財政不安もあり、政権支持率は20%台、ねじれ国会で政策も滞りがち。延長もせずに臨時国会も終わります。唯一異なる点は、金融機関の不良債権処理が終わり、国内の国債需要が旺盛で債券マフィアによる価格操作が難しく、狙い難いということだけです。しかし政府への失望が高まり、預金取り崩しの家庭が増えると、危機が顕在化する恐れがある。今はもう国家ぐらい簡単に破綻させるぐらい、民間に資金がジャブジャブにある、ということは忘れてはいけないことなのでしょう。

師走ですが、感謝祭明けの米小売は堅調と伝わります。ただ贈答用の支出を抑えた、個人消費が主因ともされ、一方で住宅価格は再び下落基調に入りそうです。2010年は住宅価格に下げ止まり機運、株高という面があり、消費を押し上げてきましたが、この循環が途絶えると、せっかく堅調な消費も腰折れの懸念があり、それを嫌って米証券市場は見かけの底堅さを示します。
日本の証券市場も、欧州系の一部が高値を狙って仕掛けていますが、海外動向や為替次第ではいつ急落しても良い水準です。12月は節税対策売りも中旬頃まで走り易いですが、年末ドレッシング、来年への期待がどう膨らむかにより、今後の市場形成における思惑買い、売りが走りやすくなる。流動性相場のボラティリティ、という面が強くなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:35|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 |