2011年03月

2011年03月31日

フランス大統領の訪日と原発対策

サルコジ仏大統領が、原子力関連大手アレバ社幹部をひきつれ、福島第一原発の復旧作業に助言するべく来日しています。しかし報道されるより、期待値は低くなるのでしょう。
まず、高い線量の場所に入れる自走式作業車、これは人が立ち入れないけれど、整った場所で定格の作業をするためのものです。しかも高価で、使い捨てできるものでもありません。現場はメチャクチャ、線量ばかりでなく放射性物質が至る所に付着し、タイヤやアームはすぐ汚染されます。仮に、これを導入する場合、東電か日本政府が買い取らねばならず、一方で作業性が悪く、また特定の作業しかできないため人が行って短時間で作業する方が効率もいい、ということが自明です。しかもキャタピラ方式でなければ、ひっくり返る可能性が高く、その場合はさらに作業を阻害する要因となってしまいます。投入できる場所が限られる、そんな存在だと云えるでしょう。
水処理でも、蒸留かフィルタを通す形になりますが、どちらにしろ濃度を上げれば高レベル放射性廃棄物です。下北半島にある再処理施設で、ガラス固化体にして、どこか決まってもいない地中深くに埋める計画もされていますが、そうしたレベルの廃液となります。他には一部、茨城県の東海村に処理する施設がありますが、そこに運んで処理するにしろ、手間と処理の効率を考えたら現実的とは思えません。遮へい容器のタンクを作り、水漏れしないよう密閉して運搬し、細々と処理させても規模に追いつきません。廃液処理施設が壊れている、という話もありますが、これはどこで処理しても同じです。当面、どこかに蓄えることしか出来ないのが現状です。

福島県飯舘村で、IAEAの避難基準を2倍超える高い線量が確認されました。どうやら、爆発が相次いだ日の風向きに原因があり、舞い上げられた放射性物質が、風に流されて飛来されたもののようです。しかし、40km圏内に避難指示を出すのを政府は躊躇っています。10、20と避難指示が徐々に拡大、さらに30km圏内は自主避難を促すなど、政治的にこのタイミングで避難範囲の更なる拡大はし難い。つまり政局で、安全を蔑ろにするような決定を、政権が下し易いのも現状です。
一方で水の摂取については、一部緩和されているように、どうやら爆発が舞い上げない限り、ふわふわと漂う揮発性の放射性物質以外は、遠くまで運ばれないことも窺えます。ならば行うべきは徹底した土壌調査であり、それに基づき避難、安全の範囲を確定する。つまり今後、爆発がない前提なら一部避難区域を解除できる可能性があり、それが国民の安心に繋がります。福島県が70地点で調査を始めましたが、これを最低でも1000点に引き上げるべきなのでしょう。

しかし、上記のように震災にむけて政局が動き出しました。自民古株や地方が党執行部に大連立の圧力をかけるのは、中央省庁に顔が利く、という点が最大です。谷垣氏は入閣させず、一部を閣僚に送り込んで妥協し、ゆくゆくは菅氏に代わって首相の座を…という思惑もありますが、子ども手当てをバラマキと述べる政治家は、政党助成金がバラマキという言い方を絶対にしません。
政党助成金は、献金に頼らない政治を築くことが、最大のお題目だったはずです。しかし献金は続ける、政党助成金はもらう。これがバラマキでなければ何か?歳費300万円を返納しても、政治にかかる経費の節減に努めない、そんな人物たちが増税や国民に我慢を強いているのです。しかも、避難指示を拡大すれば、対策が後手という印象を与えるから、という理由で指示を出し渋っている。政治の機能不全が顕著です。今回の件を大連立の契機、と動いているような政治家は、国賊とも呼べるのでしょう。フランスの諺では「眠った水より悪い水はない」と云います。騒ぎ立てる人より、声を立てずにいる人の方が怖い、という意味ですが、声なき国民から既存政党が仕分けされる日は、そう遠くないのかもしれませんね。

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2011年03月30日

東電も菅政権に対立姿勢か?

日経平均が大幅高です。昨日から、恐らく年金マネーがTOPIX先物を相当数買っていることが原因です。昨年末TOPIXは907pt、今朝方850ptでは相当に運用成績が悪化するため、現物より先物でドレッシングを仕掛けたのでしょう。しかしこれだけ必死な点をみると、年金運用は相当に厳しく、国債とも含めてみるとマイナスとみて間違いありません。5月頃の実績で、問題となります。
一方で円安がすすみます。欧州のECBはインフレにタカ派、ポルトガル国債の急落に対しても買い支えに応じず、4月利上げの公算が強い。米FRBでもQE2終結に対し、総裁が相次いでタカ派発言を行い、日銀の資金供給と相まって円が急速に弱い通貨となった形です。ただ、リパトリで自国に資金を戻したくとも、政治上の取引で不可能となっている可能性があり、またモノ作りができない現状では輸出品がない。この時期に円安となれば輸入コストが上がります。株式は楽観した面もありますが、この円安は経済的にみると、あまり好感すべきではない点で心配を増やすだけです。

東電の社長が倒れ、会長が会見しています。気になったのが1点、統合対策本部の議事録を出す用意がある、とした点です。海水注入のタイミングについて、東電は最初から乗り気だったとし、国に真っ向から対立姿勢をとった延長上にこの議事録があれば、それは重大な意味をもちます。
政府は議事録の存在は承知していないとしますが、先の菅首相の現地視察が、ベント開を遅らせたとの観測以来、政権もベント開のタイミングは東電側で、視察は関係ないとするなど、東電側に責任を押し付けようと躍起です。一方で東電も、原子力損害賠償法に基づき補償の準備をするとしますが、資金ショートの可能性が滲みます。ここで国と対立すれば、補償へ国と協議して負担割合を決めるのに不利になるのですが、菅政権では話し合いより、対立軸をもった方が協議に至り易い。そこで政権に都合の悪い議事録カードを切った、とみることが可能です。

菅政権は政治主導に見せかけた官僚主導。官僚は調整能力に長けますが、突破力はない。東電にのみ責任を負わせ、補償協議に遅延が生じることは避けたいはずです。だとすれば妥協案を協議するにも、強気の態度の方がいい。これは中国、ロシアなどで最近目立つ、外交姿勢と似通います。菅政権を相手にする際、調整を待つよりもより高いハードルを課した方が、交渉も有利にすすむ。東電も菅氏のわがままに付き合う分、云いたいことは云って交渉のテーブルにつく気です。
原子力安全・保安院を経産省の外局から切り離す話ももち出しています。推進役とブレーキ役が、同じ省内という矛盾解消のためです。また原子力安全委員会など、あまり機能していないことも今回露呈しました。菅氏に付き添い、現地視察の強行を止められなかった。政治家がすべてを知る万能型、エキスパートである必要はありませんが、それを補佐する委員会が適切な助言をできなければ、結果的に無知な人間が現場に口出す、という最悪のパターンに陥りかねません。

見せかけの政治主導が、様々な弊害しか生んでいない。東電にしろ、原安委にしろ、保安院にしろ、適切な応対ができていない組織であることに変わりありませんが、そのトップに政治家という問題があった。今回の件は、国としてリスク管理という最も大事な視点で組織、体制を構築してこなかった失敗が、一度に重なっておきています。経産相が原子力施設の安全点検を命じていますが、いずれ落ち着けば組織のリスク管理点検も、必要となってくるのでしょうね。

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2011年03月29日

来年度予算が成立

来年度予算が参院で否決され、衆院優越により成立しました。野党も時間切れは国政に責任をもたない印象を与えるため、30日条項より早い決着で幕を引きました。補正予算の話も出ていますが、今こそ特別会計見直しにより、予算捻出に動くべきです。赤字国債を出し、一方でぬくぬくと特別会計に守られた事業は粛々と続けられる、緊縮財政はむしろ特会に向くべきなのでしょう。しかしメディアも一部では、この特会の利益享受者であるため、中々議論も出てきません。
気になるのが、瓦礫の撤去費用は全額国が負担、インフラ復興は国が負担、東電から補償が出るまで農家の生活保障も国が…と、国の大盤振る舞いが目立つこと。これは壊滅的な影響をうけた自治体が、破綻リスクに直面しているためと推測します。農村、漁村部で裕福な町や村はなく、負債を抱えながら自転車操業の自治体も多い。しかも、地盤沈下と海水に洗われ資産価値もなくなった土地、壊れた家、事業継続が困難な中小、零細企業、漁民、農民まで含めて当面の税収が期待できません。今後、復興費用のみならず、自治体を機能させるためのつなぎ融資や、国が債務カットなどに応じることも想定されます。『復興』というと、土木、建築を想像しがちですが、自治体の復興にも目配せが必要です。

経団連が法人税減税に関し、見直し容認の態度を示しました。関東圏の企業は輪番停電で相当打撃をうけ、本来なら国に補償を求めるところですが、国の内実が厳しいとの認識も財界に広がったのでしょう。増税の話も出ますが、企業の一部は災害地に支援物資を送り、協力をしめす中では理解も得難い。また節電対策で協力案を策定との話もありますが、輪番停電の影響をもろに受ける鉄道、操業できない製造業など格差も広がっています。これは国が法律を決めることではなく、産業全体が話し合って平滑化を図らねばいけません。やっと弊害に気付き、財界も重い腰をあげた形です。
日銀が震災後、118兆円の資金供給を行っています。半月で国の債務の6分の1近くを日銀が肩代わりした形で、昨年末からの供給とあわせても多額に及びます。一方で、資金需要がそれほど豊富か?というと、混乱もなく落ち着いた状況で、むしろ金融機関に滞留しています。海外での円需要が強い、なので円買いが進み円高ですが、その対策ならむしろ米国が行っているドルスワップを、円で行った方が実効性も高いのですが、そうした対策もないようです。どうも、この資金供給は政府短期証券の大量発行にあわせた向きではないか?と考えられますが、今のところ確証もありません。ただ、これだけ莫大な資金供給をしても、円安にはならない点が重要なのでしょう。

また、今日の株式市場は3月の配当権利落ち日、83円程度の下落から始まる公算でしたが、引けまで強い動きでした。公的資金が入った、という観測もありますが、東電に国有化の話が出て、時価総額で1兆円割れなどとなり、慌てて政策金融などが動いたのかもしれません。今日中に配当権利落ちを生めておかないと、市場に弱気ムードも漂う。景気の底割れが意識され、市場が暗くなるとの意識が買わせた先物で、市場全体の規模が落ちる中での上げ、だったのでしょう。
しかし国の復興予算の財源措置に、増税などを行えば、益々国民全体が緊縮ムードに入ります。国難だからこそ、幾つもの国が抱えている弊害を見直せるチャンスなのです。自治体が危機であるように、これだけ国が予算措置を行えば、長期的にも数十兆円の予算に及びます。それはケガや心的問題を抱え、増える医療費という面でも同様なのでしょう。だとすれば手が出せない公務員人件費や、特別会計に手を入れない限り、国としてももたないのです。この議論が、話し合いの俎上にすら乗らないという時点で、国の目線がどこに向いているか?菅政権の態度も窺えます。この大盤振る舞いが、地方に手厚い政権と見せかけるための、統一地方選対策なら亡国政権との受け止めもできます。財源問題、福島第一原発の対応と同じで初動を間違えると、誤り続けることになってしまうのでしょうね。

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2011年03月28日

菅氏の翌日と小沢氏の2週間での現地入り

ここ数日、枝野官房長官への風当たりが強まっています。これは甘い見通しや、本来予見しておくべき事項を語らず、直ちに問題はない…、予断は許さず注視する…、と述べるに留まるため、記者にもいら立ちが滲んでいます。海水を注入しているからしっかり冷却できている、と述べていたもののすでに当日には炉心溶融の可能性が指摘されていた。しかもそれだけ大量の水を外部から流せば、当然どこかに水は溢れて流れます。その水が今、配管を通るトレンチを通して海水へと直接流れ込む恐れすら出てきました。余計な混乱を避けるため、として中途半端な対応に留まり、それが最悪を生む展開です。
炉心溶融の可能性があれば、尚更ホウ酸水を投入して余計な核分裂を起こさないよう、中性子線を吸収させた方が良かった。水だけで熱をコントロールするのに、どれだけの時間がかかれば気が済むのか?その内、国民の怒りという熱がこの政権をひっくり返すことでしょう。それほど今回の原発対応は杜撰でひどい、と断言できます。そして新たに菅氏の視察に問題が指摘されています。

事故発生翌日、現地に出向いた菅氏の視察を「勉強のため」と原安委員長が述べ、かつベント開のタイミングを遅らせた、というものです。菅氏を被曝させられず、尚且つSP含めて多くの人間が動く。現場は菅氏のために作業を中断せざるを得なかった。当然、責任論に及びます。
池田経産副大臣が「最悪の事態は神のみぞ知る」と、予算委で述べました。これはまったく異なります。最悪を想定し、対策を打たないから最悪になって慌てる。これが現状の政府なのです。菅氏が現場に赴けば、作業をしている人間はわざわざ出迎えせねばならず、説明に人もとられ、作業も止めねばならない。混乱し、鬱陶しいと思われるだけなのに、菅氏は自分が行けば士気が上がる、そう思い込んでいる。消費税の辺りから垣間見られる意識のズレが今は殊更に大きくなっており、自分が追い込まれることに焦り、何かしようとする度に泥沼に嵌っていきます。

小沢氏が今日、岩手入りしました。遅いという人もいますが妥当でしょう。行っても何もできない人は近づかない方が懸命です。国会議員でも家族が被災した人もいますが、議員は地元と国とのパイプ役となる以外になく、復興の協議をするしかない。予断を許さず云えば、国会議員が動くだけで安全対策も必要で、仮に事故で命を落とせば選挙が必要になり、余計な面倒がかかります。電話で済むご時世なのですから地元入りを競う必要はなく、むしろ菅氏の対応は異常な執着とさえ言えます。
国会議員が歳費を年間14%削減し、復興費に充てると云います。ざっと20億円、しかし政党助成金の3割を返納すれば100億円以上になるので、まだまだでしょう。官房機密費12億円、昨日も述べたエネ特会から復興費を捻出してもいい。財政に影響せず、打てる対策は山ほどあり、ほとんど計画停電の影響を受けず作業ができる公務員給与にも切り込めます。ここに指導力を示せず、ちやほやしてくれる場所にだけ顔を出し、心の安寧を図るようなら本当に菅氏の政治生命は終わります。

原発の現場に赴く自衛隊ばかりが注目されますが、今回の輪番停電や地元での安全確認でも、警察官の負担も重くなっています。現場に近い者にばかりしわ寄せがいく、というのは政治の怠惰と呼べるものです。現場の情報を吸い上げるためには、直接現場に出向くのが一番ですが、それはトップであってはいけない。霞ヶ関で作業をしている経産省、農水省、総務省などであり、人海戦術でこなさなければいけないのです。菅政権は震災対策、原発対策、ずっと間違え続けていますが、まず官僚との付き合い方をしっかり見直さなければ、杜撰さも改まらないのでしょうね。

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2011年03月27日

原発事故に関する予算措置はエネ特会からすべし

福島第一原発2号機のタービン建屋にたまっている水が、1Sv/hを計測。ウランが核分裂してできる生成物が雑じっていたことで、ほぼ炉内であることが明らかとなり、また相当燃料棒が溶融していることが分かりました。難しいのは、ポンプで腹水器に戻す作業をするにしても、これだけ線量が高いとすぐポンプが高い放射線を出す状態になります。しかも壁、床、水に浸かった場所は拭いても、高い線量が確認されるようになり、2号機タービン建屋に入る時間が限られてくる、ということです。しかも、腹水器に戻したとして、その水は発電にも使えなければ捨てることもできません。これまで炉内に投入された海水、真水はすべて高レベル廃棄物相当という言い方も可能です。これは他の1、3号機も同様ですが、仮に崩壊熱が止まっても事故前に回復することは、事実上なくなりました。
以前コメントにも書きましたが、東京電力が発電もできない福島第一原発をかかえ、経営を続けることは困難です。いくら回復作業をしても、水によって建屋全体が汚染され、発電はできません。さらに、塩害と炉内の燃料棒溶融で、圧力容器自体を交換するコスト、格納容器の汚染除去、配管にも高い線量を出す箇所もあるため、それもすべて交換しなければいけません。しかも、耐用年数を超えた古い施設を、メンテ、調整でやりくりする期間を超えてきます。この施設をどれだけ除染、線量がでないよう封鎖しても、ここが発電という果実を生み出さないので、ここが債務とカウントされます。

もう一つ、福島第一原発の事故で経緯を見守らなければならないのが、エネルギー対策特別会計です。ここには電源地域振興、として原子力発電立地地域の産業、人材育成として多額の予算があります。特別会計なので、国会で議論すらされませんが、実に多くの予算と、それに紐づく公益、財団法人があるかは、少し調べればすぐわかること。一方で、福島県にもこの特会の予算は落ちていますが、原発が消えるとその予算がどうなるか?仮に今は、核燃料サイクル、地層処分などの予算もここに含まれますが、この福島第一原発が廃炉のための研究施設になれば、そうした予算措置もされるのでしょう。
原発利権は、多くこの特別会計に由来します。ここを解体的に見直し、仮に東電から国が福島第一原発を買い取るにしろ、予算を組まなければいけないのでしょう。今回の復旧作業は、あくまで東電の範疇ですが、いずれそれを切り離すタイミングも来ます。早すぎれば国の負担を増しますし、遅すぎると東電の負債が膨らみ、破綻リスクに直面するのでしょう。

しかし、タービン建屋の汚染水を見ても、原子炉建屋はさらに酷い状況が想定され、炉内冷却システムが再稼動するのは、莫大な時間がかかることになるのでしょう。東電が連続して赤字計上となり、負債のコストが資産を上回るタイミングと、国会が福島第一原発の処理方法を決定するのが先か、これも政局がらみとなり、夏ごろの輪番停電で国民怨嗟が増す頃に問題視されることとなります。たまに、輪番停電を計画停電と呼ぶ向きもありますが、私は輪番の字を使うようにしています。計画とは、もっと長期に亘りたてるものであり、二、三日前に決めたことが直前で覆ったり、そうしたものは計画とは呼べない、と考えるからです。しかも節電の効果を継続的に出すため、区分を最小化し、小出しにして順番に停電を実行することも今後想定されます。
長期化が想定される原発処理、その一つ一つが、実は予算措置と深く結びつくものであり、今後の推移は注意しなければいけないのでしょう。財務省は今からケチケチで、経済的な打撃すら考慮せずに歳出カット、歳入増を目論見ますが、その前にエネ特会の見直し、ここから国会、財務省を含めて議論すべきなのでしょうね。


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2011年03月26日

雑感。米国と中東

海水から炉内からとみられる放射性物質が検出されました。推測ですが、熱交換器は通常、配管同士が隙間なく並んで温度が均一になるようにしますが、この福島ではどういったものか分かりません。ここで炉内の水と、海水が雑じり易い設計であれば、タービン建屋側で配管から水が洩れると、元々の設計から炉内の水が漏出しやすい構造だった、と言えます。安全設計がどういったものか?以前から指摘しているように、制御棒が現状きちんと挿入されているのか?ウラン235の核分裂後による生成物が、更に崩壊した際に熱も出ますが、それだけで炉内がこれほど高い温度になるのか?原子力安全委員には、科学的な説明を国民向けにする必要があるのでしょうね。

世界の市場は、日本の震災にも負けず堅調です。特に米国はダウ12千$台を維持するなど、際立っています。実は世界に流れる不透明感は、もう修正が利かない水準に近づいていますが、悪い材料があるときほど上がり易い、という金融相場だからできることです。FRB総裁などは、QE2の計画通り終了、規模も変更せずと市場をコントロールしようとしますが、こんな経済環境で終了できるはずがない、新たな金融政策を打つのでは?という期待が、過剰流動性の中では見え隠れしています。
リビア問題に米英仏が反体制派を支持し、国連決議をうけて介入。飛行禁止区域を設定しました。ただ地上部隊の投入は決議違反であり、リビアは混沌を迎えました。体制側は資金力もあり、闇商人から武器を調達可能ですが、反体制派にまだそれほどの経済力はありません。米国は多国籍軍に指揮権を委ねましたが、米国以外で国連決議を無視し、地上戦に突入できる国はありません。米国が軍事費を考慮し、これ以上の介入を渋ったことで、中東全体に混沌が拡大する可能性が強まりました。リビアで行動規範を示せなかった、、サウジに配慮した面もあるでしょうが、中途半端はもっとも体制側、反体制側に疑心暗鬼を生みます。自分たちの国は多国籍軍の介入があるのか?それはバーレーン、イエメンなど、今後の反政府行動に影を落とします。当面、中東は混沌ということで間違いありません。

中東の安定が保てない、原油は更に高騰が予想されます。米国はリビア産原油はほとんど輸入していないため利権が少なく、逆にバーレーンは基地もあり、イラン抑止のためにも介入が予想される。バーレーンでも反体制派と接触し、仮に基地使用などが補償されれば、約7割ともされるシーア派側につく可能性はありますが、今の体制側であるスンニ派の方が、協調し易いことは間違いない。米国の利権が複雑に入り組む介入と、放棄とが続くことになるのでしょう。
日本も米国の思惑に右往左往することでしょう。先週は外国人投資家が9千億円近く株を買った。しかも米系1社のTOPIX先物買いだけで、1万枚を超えています。将来の復興需要を見込む、としても短期でこれだけ買うのは異常です。しかも日本発、火力発電が盛り上がるとの見通しから、原油、ガスなどが騰勢を強める中ですから、その耐性が低くなった日本を、今の段階でこれだけ買うことは、どう考えても投資戦略上として長期、という可能性が低い。この買いを4月に吐き出す公算も高いと見ています。米金融相場の波及。一方で、中東に軍事費を出し渋るなど、米財政の困窮度合いもうかがえる。米国にとって、今後は問題に対しての重要度が、米国関与にも影響するのでしょう。日本も米国の関心が低くなると、市場だけでなく全体が弱含むことになる。当面、復興需要が出るまでの日本は、売り圧力をかける主体があると弱い、ということでもあるので、金融相場の行方にも注意が必要になったのでしょうね。

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2011年03月25日

雑感。菅首相の記者会見は裸の王様

昨日、福島第一原発3号機タービン建屋で起きた被曝事故、内部被曝の可能性が示されました。水は原子炉内である可能性も強まりましたが、水に浸かっていると皮膚が緩み、放射性物質が侵入し易くなります。水は管理区域内で最大に警戒すべきものですが、そういう教育もなかったようです。
タービン建屋どころか、崩壊した原子炉建屋内でも、相当に水が溜まっていると見られます。更にそれは、海水に流れ出している公算が高い。配管の破断が格納容器外で起きると、今は環境と直通です。冷却のため、と称して投入した大量の海水、真水へと切り替えられましたが、米国が懸念したのはGE設計の原子力施設は、塩害に弱いということなのでしょう。圧力容器、格納容器は密閉性が高くても、配管の肉厚など多寡が知れています。配管のつなぎ目、バルブ、温度計、流量計など、水が洩れ易い箇所は山ほどある。しかし米国の恐れは、すでに現実となっています。

今日は菅首相の会見も行われましたが、何と無残な自己中心的会見か、がっかりさせられます。政府は20〜30km圏の屋内退避について、自主避難を積極的に促す、という対策を指示しています。避難指示だと補償問題が生じるから…という後ろ向きな意見であり、避難するなら自主的に、という対応には政府不信が強まります。農家への補償も同様、確実な補償と述べますが、全数買い上げと指示したわけではありません。つなぎ融資の話も出ていますが、仮に7、8割補償に留まれば、残りは負債とカウントされます。政治家が約束しても、この政権では官僚の説得で約束も翻る公算が高く、まったく信用が置けません。最大の懸念は、この政権が頼みとする財務省の意見が尊重されてしまうことです。
与謝野経財担当相が電気料金値上げを示唆したことなど、まさにそうです。足りないから国民に負担させる。もしそうなら、輪番停電区域外にのみ、利益享受者として値上げを課す、というのも一つの提案ですが、そこには東電幹部、議員宿舎、公務員の官舎、社宅等の停電させたくない事情と、値上げの負担を依頼し難い事情があります。細かく別けるのが難しいというなら、それこそ23区を輪番停電から外すこととの整合がとれない。今、不公平感が高まり、菅氏の御膝元が輪番停電から外れるなど、極めて国民の不満が爆発し易くなっています。ここで、値上げなどすれば政権がもたない可能性すらある。それでも、財務省、経産省等は自身の負担が増えることがイヤなので、国民に負担をお願いする可能性がある。政治家は選挙で落ちても、公務員を変えることはできないので、修正も利きません。

政府の重要施設は電気を落とせない、ということなら無停電電源装置を導入しても良いですし、非常用発電でもいい。予算措置が利く政府なら手立ては山ほどあります。それでも常時通電に拘る、政府と東電は補償と大規模停電を恐れながら、その負担を国民に求めるのみです。
財務省の代弁者、与謝野氏はガソリン税が3ヶ月連続で160円を超えたら、租税を回避する制度もやめる、と言い出しました。この政権はケチケチ財務省と、水、農水産物などへの態度の曖昧さによって、国民の離反を相当に招くのでしょう。菅氏が自分の殻に閉じこもり、民間識者の活用に拘るのも、もう官邸の周囲で誰も彼の言葉に耳を貸さないし、誰も彼に意見を言わなくなったことを示します。民間識者とて、政府が雇用すれば予算がかかる。それすら財務省に削られたら、裸の王様の虚実が見えてくるのかもしれませんね。

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2011年03月24日

震災による被害と輪番停電による被害

昨日、内閣府から今回の震災におけるインフラの被害額が、16兆〜25兆円とされました。見た目以上に影響が大きいのは、三陸などのリアス式海岸は、港町同士を海沿いを走る街道で結んできた経緯があります。今後、復興するにしろライフラインの確保はより慎重であるべきでしょう。
政府の月例経済報告では、企業生産の低下でGDPを年0.5%押し下げ、一方復興特需で公共投資が増え、GDPを年0.5〜1.25%押し上げ、と試算されます。ただ甘いと云わざるを得ないでしょう。今回の輪番停電、関東圏で生産性の高い地域を直撃しました。東京23区など、一部中小、零細企業はありますが、元々生産より本社機能の集約がメインの土地。そこは常時通電ですが、生産を賄っていたそれ以外の地域は、計画が立たずに人、モノの手配にも窮する状況です。元々の震災の影響もあり、生産が減少した影響は海外の工場にも及んでおり、米国では日本車の供給が減る懸念で便乗値上げも起きているようです。AppleもiPad2の販売に支障が出ており、世界には日本ショックが襲っています。

もっとも酷いのは個人消費、節約モードの影響で家電は総倒れ、ディズニーランドなどの娯楽施設も、液状化の影響もあって運営が難渋しています。しかも襲い始めたディマンドプル型、コストプッシュ型のダブルのインフレの波、一方で労働時間の減少で給与は減るため、家計はより節約に向かいます。生活必需品を買うので手一杯、そこにもってきて東電の値上げの話もあります。
電力供給が下がり、輪番停電も行うため、3月から東電の収益はがた落ちです。そこに持ってきて福島第一原発の補修費用、コストの高い火力のフル稼働、増えるCo2排出量も重し。環境への影響による補償費用が嵩み、また格下げによる社債発行による利払い費の増加、各銀行による2兆円の融資も金利が発生します。また株価下落により、健全な債務がいきなり不良債権化する恐れがある。不足した電力に新たな発電所建設を促す意見もありますが、その建設コストや廃炉となる福島第一原発のコスト、これらを含め、収益基盤を確保するためには、東電は値上げするしかないのが実情です。

関東圏は当面、生活コストが高く推移する公算が高い。経済的には極めて厳しい状況です。GDPベースでは、年1%以上の個人消費が消失するでしょう。また株価下落の影響も大きく、個人のマインドは当面復活しない。さらに、日本が部品を作れないことによる海外への影響、米Adobeが3-5月期の収益見通しを引き下げたように、これは海外へも波及します。企業収益の見通しが立たない、リーマン・ショック以降の金融相場が、業績相場へと転換を始めた段階で、当面は世界全体が苦しむことになります。また日本の火力発電需要がある、との思惑で再び原油相場が騰勢を強める。株価の重しとなることは確実で、資産効果も見込めないこととなり、世界の需要すら左右しかねないのでしょう。
輪番停電も見直しが進みますが、影響が複数年に及べば相当の影響も残るでしょう。実は、復興特需など吹っ飛ぶほどの、日本経済への打撃が輪番停電により、発生する可能性が強まっています。個人レベルでは、かなり節電も進んでいますし、春先は冷暖房の需要が減るので、しばらく輪番停電に関しては小康も得られそうです。ただ、いつ節電呼びかけがあるか分からないという状況では、やはり工場は不安です。抜本的な対策のない点が、さらに問題を深刻にしますが、経済的には下押し効果を読み易くする、という点で株価にとっても厳しい内容です。失われたインフラ25兆円と同じ規模の損失が、長期に亘るとこの輪番停電でも失われるのかもしれません。早く、何らかの対策を政府、東電が一体で講じないと、日本経済の底割れの懸念も起きるのであり、ここも待ったなしで進める必要があるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 社会

2011年03月23日

放射性物質の漏洩について

東京、茨城の水道水で、乳児の摂取基準を超える放射性物質が検出されました。原発事故当初、メディアは放射性物質からの防護として、肌の露出を控える、マスクをする、着て出た服は袋に入れておく、などの対策を伝えました。これは空気から微量でも放射性物質が体内に取りこまれることを、警戒するための装備です。しかし現在、メディアは微量だから食べても問題ないと喧伝し、現地の食べ物を買うことが支援の一つだ、とまで言い放ちます。これはメディアが、被害の拡大に基づき安全基準を引き下げた、と云わざるを得ません。揮発性の高い放射性物質を、呼気として取り込んではいけないことと同様、経口摂取は極力控える、というのがむしろパニックを抑える唯一の手段です。出荷制限、摂取制限まで来ていますが、安全とするには全数チェックをかけ、安全と認定して出荷するぐらいでないと買い手控えは収まりません。

最近、格納容器内に給電することが安全対策、という伝わり方もしますが、実は汚染の方が一般生活には重要と言えます。この水、農水産物への影響を低減するまでの道筋を記載します。今は格納容器の気密性が失われ、また貯蔵プールにある使用済み核燃料からの曝露、という形で放射性物質が拡散していると見られます。そこで必要なのは、放射線管理区域と、非管理区域の区分をつけること。つまり失われた建物の躯体に変わる、新しく外を覆う筐体を準備しなければなりません。
しかしすると今度は、外部に放出していた放射性物質が管理区域に滞留するので、内部の線量が上がります。それをエアで引き、HEPA(高集塵性)フィルタを通して、排気塔から放出する。つまり建物内を負圧にし、内部で揮発性の高い放射性物質を管理して、初めて外部への漏出が止まります。その前に、格納容器の損傷を補修する、貯蔵プールに蓋をする、等の対策もありますが、それでも完璧とはいえません。この対策が終わるのは、突貫工事でも3ヶ月は掛かることになります。しかも、そこから浮遊物は1ヶ月、地上に落ちても半減期が長いものは残りますので、数ヶ月に亘ってモニタリングは必要。そうなると、半年は影響が継続することになってしまいます。

直ちに影響はない…という文言は、ここで通用しなくなります。冷却設備が復旧すれば、それで万歳ではない。線量が高くなった建屋内の除染と、同時並行でこの管理区域の設定を行い、初めて施設をコントロールできたと云え、そうなって初めて放射性物質の影響を外部の人間が考慮しなくてもよい、そんな体制ができると言えます。今回、建屋が大きく損壊しており、その道のりは険しいと云えるでしょう。負圧に引くには、建屋にも高い気密性を要求するものであり、下手をすれば筐体を建設するまで半年以上かかります。その間の監視を継続しなければなりません。
今回、たまたま水で出ましたが、これは呼吸からも摂取する可能性を、如実に国民へ知らしめました。最初に語られたように、放射性物質の防護体制を整える必要があります。ただ、それほどナーバスにならず、花粉症でない人も外出時はマスクをし、家に帰ってきたら埃を払い、家に入る。一日一回はお風呂に入って、身体を洗うようにする。こうすることで、内部被曝や放射性物質の付着は、相当程度に低減されます。むしろ、今こそ国民にこう呼びかける姿勢が大事なのでしょう。

アイスランド、米国でも今回の事故による放射性物質が検出されますが、これは日本全国、世界でも同様と言えます。下手をすれば、日本が検査装置などを諸外国に配るなども、想定としてはできます。ただソ連のチェルノブイリの例に倣えば、放射性物質による影響を、日本単体で負う必要はないかもしれません。ただ、外交分野でもこの影響は、少なからず出るのでしょう。
メディアも新たな主張を始めると、先の主張を覆す傾向も見受けられますが、内部被曝は極力抑えた方が良く、呼気として取り込む部分を、もっと積極的に防護する方法を伝えるべきでしょう。放射線を管理する、とはそういうことです。極めて影響を小さくすること、時間軸で捉えること。コストを優先して安全を蔑ろにするなら、益々風評といわれる不安を抑えきれなくなります。安全のみならず、安心とはそういうことであり、それを過少評価してはいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:12|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

2011年03月22日

経済の話。米国による日本株買いの真偽

今回の震災時、政府を批判するのを止めようというムードが広がり、その影響からか菅内閣の支持率がやや上昇しました。しかし危機に一所懸命に対応しているから批判せず、は極めてナンセンスです。悪い云い方をすれば、第二次大戦時に正しい戦況を国民に伝えず、特攻隊を組織して戦地に送り込んだ当時の政府、軍上層部も一所懸命でした。つまり、一所懸命は正しい結果を導くことを何も保証しません。政治が誤まっている場合それを指摘、是正していくのは国民、メディアにしか出来ず、仮に能力のある政治家でさえ、近視眼的となり対応を誤まる場合は多々あります。政府批判せず、というのは判断の放棄であり、誤りは常に正していく姿勢が大事なのです。
例えば、被災地の行政が人手不足で遅滞、ということに国家公務員を派遣する話があるようです。しかし国公務員が余っているなら、就業を2時間削ってその分給与を引き下げ、それを原資として地元で臨時雇用を雇い入れる方が、地元の雇用対策にもなります。一部で戸籍が流出し、電子化を進めようとする流れもありますが、電子データとて消失はするのであり、その予算を今から検討するより復興費用が先。震災を官僚の予算分捕り合戦の材料、国家公務員の権益の拡大や肥大化に繋げてはならないのです。ですが、官僚機構の親玉にのし上がった仙谷氏が災害復興担当として中央に復帰し、官僚は早くも仙谷詣でです。官僚利益の代弁者がいて心強い限りなのでしょう。

市場は急反騰の気配を示します。キッカケは米国からの大量買い、即ちbuy Japan nowという報道です。しかしこの動き、注意も必要です。米国ではオバマ氏も日本の対応を評価、日本は割安、買い推奨という言葉が並びます。背景は米系年金、ファンド、いずれもポートフォリオの日本株組込みを増やしていたところで今回の急落となり、売り場を失い損失を抱えた。3月期末に評価損を計上すると、一気に投資熱を冷やしかねないほど、巨大なものに膨らんだことです。下がったポートフォリオを組み直す買いと、楽観を喧伝して広がる買い、両者を巻き込んで水準を維持する構えです。
6月にFRBの政策を転換、その前段階として4月のFOMCで新たな政策を打ち出す、と見られますが、それは市場に優しくないと観測されます。3月の運用成績がその段階で公表されると、極めてまずい。だから今は買いなのです。しかし来期の収益見通しが悪化は確実、それは世界経済も同様です。日本は節約、倹約モードで高級品が売れない。世界3位の市場が萎んだのであり、日本の販売比率を高めてきた外資系企業は軒並み業績悪化でが頻発。日本では年度末の稼ぎ時、そこで消費減退が起きた影響は、米国のGDPでさえ0.5%押し下げ、という試算がある。全世界の市場は一旦4-6月期に落ち込むことが、ほぼ確実なのです。

今の買いは、4月相場で一旦転換するでしょう。計画停電が細かく、25区分になるとも発表されましたが、仮に東京で計画停電があり、高層ビルのエレベータが使用できなくなると、今後不動産価格にすら影響を与えます。高層階は見晴らしがよく高級、から生活に不便な部屋となる。細かく設定するなら、益々23区を外す理由が失われますが、それは東京全体の問題にも関わります。
米系の思惑は、原発関連にも働いていますが、菅政権の対応に不審を抱き、米原子力規制委員などに悲観を語らせました。しかし米国内で放射性物質の飛来、原発計画にまで影響すると、急に楽観に転じています。菅政権が米政府の求めに応じ、情報開示を始めた点も大きいでしょう。小泉政権時代はポチ、今の菅政権はスネ夫、ジャイアンの腕力に抗し切れる状況でもありません。しかし米国とて中古住宅市場など改善が見られず、今年の夏は経済面では冷夏確定、といったところなのです。米国が拡げる楽観の真偽には、非常に強い思惑が絡むものであり、かなり今年の動きはボラタイルな展開になる、ということをここ数日の動きからも想定できるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2011年03月21日

今後の原子力行政について

政府による農畜産品の出荷制限が出されました。それでいて、直ちに健康に影響を与えるものではない、という怪。ならば、暫定規制値とは何を目的に?と、誰もが首を傾げます。福島第一原発2、3号機から煙も出ましたが、問題はそれで安全、安心とは云えない段階で、国民に冷静な対応だけを求めると、政府への不審ばかりが募ってしまうことです。どんな原因だから、どういう対策をとる、ということを発表しない限り、安全などとは口が裂けても云えないはずです。極論ですが、これが圧力容器から解け落ちた炉心からの煙なら、とても危険です。今回、線量が上がっていないので最悪の事態を想定はされませんが、しかし原因は不明です。こうしたことで曖昧な発表を政府が続ければ、いずれオオカミ少年になりかねません。発表は慎重に、です。

原子力行政の今後について考えます。世界で原発忌避の流れもありますが、日本は原発先進国として重要な役割を担ってきました。しかし高速増殖炉もんじゅ、核燃料再処理施設、いずれも操業の危機を迎えています。前者はナトリウム漏れ以降、運転を停止していましたが、危険度は軽水炉の倍。何より炉の中はナトリウムを循環させており、水より冷却が困難です。ナトリウムが水にふれると、爆発的事象を起こすことは先に体験済み、地震で配管の破損、冷却機能喪失が起きるとリスクも高まるため、安全設計をやり直す必要が生じます。また核燃料再処理は、今回の貯蔵プールの問題で大きな影響を受けるでしょう。それは各原発に、大量の使用済み核燃料があるためです。
日本の原子力行政は、核燃料を貯蔵、再処理して始めて成立します。使用済み核燃料が、資源のない日本にとっての資源となる。そのためウランを買い続け、燃料棒をプールに沈めてきました。今回、プールの設計が見直しとなれば、格納容器並にすることも想定されます。新たな施設を作ることは難しいので、施設内でより耐震性の高い設備をつくる必要があります。一方で、再処理したガラス固化体を最終処分する施設は、未だ場所さえ決められていない。今回のことで益々手をあげる自治体が減り、処分が困難となるでしょう。再処理施設自体、トラブルで稼動されてはいないようですが、再処理してまで核燃料を使うか?という問題が、次には沸き起こることになります。

福島第一原発の再稼動は、仮に施設が復旧してもムリです。地元自治体との交渉が成立しません。それ以外でも安全、耐震設計の見直しは急務です。千年に一度を考慮するのか?という議論も、地球内部の活発化は数年、数百年に及ぶ可能性があり、千年に一度が今だという事実を、今回の震災は明らかにしました。断層による直下型地震は全国至るところで起きるのであり、事故に至る可能性を排除しきれない。原発は高コスト型に移行せざるを得なくなるのです。というより、再処理をすれば、必然的に高コスト型にならざるを得なかったところで、ダブルパンチと言えます。
原子力行政は、はっきり云えば終焉です。今ある施設を寿命まで使い切って終わりでしょう。躯体、炉内構造、耐震計算のやり直しは、基本設計の段階にまで遡らなければ見直しも難しく、千年に一度の地震を想定すれば明日にでも運転停止です。安全サイドに極力ふっても、地元との合意を得るのが難しくなりました。今回、福島と女川の両原発で天と地ほどの差が出たのは、基本設計の差という見方もできます。その差を埋めるために、事故時の対応まで含め、合意形成する必要が出てくるのでしょう。

高速増殖炉、再処理施設、そうした造ってしまった施設、そこで働く人、作ったガラス固化体、今ある使用済み核燃料の処理。それに既存の原発は放射化されており、その施設、中にある設備まで含めて、最終処分をどうするか決めねばなりません。ツケを将来世代に回す、という意味では、半減期も長く、影響の残る原子力施設というのはまさに該当するのでしょう。今後、難しい判断を幾つも国、地方、電力会社や原子力施設に関わる企業まで含め、していかなければいけなくなったのが、今回の震災における東電が果たした影響、ということになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 行政 | 原子力

2011年03月20日

雑感。震災報道の中で抱く違和感

福島第一原発3号機の格納容器内の圧力が上昇、一時圧力抜きのため、容器内の蒸気を抜く検討がされました。つまり、そのまま環境へ放出されることになります。ただ、海水が2千tも炉内に入っているのに、どこかから洩れていなければ格納容器内といえ、いずれパンクするのは必定です。逆に云えば、もう洩れているとしか思えないほどの量が入っているため、入れるためには出すしかなくなる。そうでないなら、どこかで洩れていることは、覚悟しなければならない水準です。

今回の震災報道では、違和感を覚える内容が多いのも事実です。例えば、震災被害者が携帯ゲーム機で遊んでいる。これは施設に非難している人間でも、2極化があるために起こります。電源もとれ、快適な暮らしができる人たち、一方で劣悪な環境におかれ、電気も燃料もない人たち。家を失い、着の身着のままで施設にいる人たち、しっかりと家をでる準備をし、長期間滞在する万全の体制を整えて施設にいる人たち。誰がどう、ということはできませんが、すべて被災者として同列にメディアは扱っているため、中にはその差に愕然とする場合もあります。差をつけてはおかしい、という指摘もありますが、あまりこうした報道を続けていると、いずれ贅沢な暮らしができているじゃないか!という国民の反発もおき易くなるので、注意すべきでしょう。
子どもにゲームをするな、というのではありません。被災し、時間と気を紛らわすためにも、別のことをすることも大事です。ただ、被災者として一元的に扱うことに、メディアが気を配らなければならないのです。私の親類も原発の退避区域におり、家は無事なので自宅にいます。しかし物流が滞り、退避なので買い物にも行けない、として生活には難渋しています。ただ家があり、報道はされません。被災者にも色々な事情がある、ということをしっかり報道しなければ、ただ悲惨さや大変さを報道し、やたらと誇張した演出を加えても、真実と見なせなくなるということです。

一部の新聞ではTV欄に、なぜか系列局が載りました。これは輪番停電で、なぜTVが停電に協力しないのか?という言い訳に用いられたもので、系列局が困る、と云いたいのでしょう。しかし番組作りはすればいいですし、節電に協力するなら系列局でつくった番組を、キー局を通して流せばいい。これまでと同じ状況、姿勢を維持しようとするTV局側の都合で、停電には協力しない方便をしているに過ぎません。しかしAC広告ばかりで、広告費も入らなければ節約せざるを得なくなるのは必定です。東京も3区を除き、残り20区も夏には停電の可能性も示されました。TV局が協力すれば、節電効果も大きいのであり、むしろ協力しない態度はおかしいと言えます。
同じような態度は、プロ野球にも見られます。セ・リーグは関東圏3チーム、帰宅も困難な中で、野球をするという名目は、国民生活の困窮をさらに悪化させることと表裏です。それこそ大規模停電になれば、非難は娯楽に集中することが必定です。生活の安定した上で娯楽を求めるならまだしも、ローマの闘技場でもあるまいし、国民の目を欺くのでなければ、開催しない方がいい。これは企業論理の最たるものであり、営利ばかりを追求しては、人気商売は成り立たないと言えます。

それと、国民に不要、不急の外出を控えるよう国は要請しますが、霞ヶ関の周りには不要、不急でない公益法人、財団法人が山ほどあります。それを閉鎖すれば、人の動きは減少しますし、オフィスを開かなければ節電にもなる。国民にお願いする前に、国ができる節約は山ほどあります。個人より組織が優先される世の中は、最大不幸社会と呼べるでしょう。政治家の発言、メディアの態度、この国でもっとも修正の利かない2大組織が、国民からみると最も贅沢であるのは、違和感というよりも、今は必然になってしまっているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | メディア

2011年03月19日

ついに農作物から放射性物質が…

福島の牛乳から1510Bq(規制値の5倍)、茨城の路地物ほうれん草から15020Bq(規制値の7.5倍)の放射性ヨウ素が検出されました。また一部でセシウムも検出されています。揮発性の高い放射性物質が、発電所内から拡散していることを示しますが、政府は1年間摂取し続けてもCTスキャン1回分、として安全とします。一方で、県は出荷自粛を要請、対応が別れる形となっています。
国民に誤まった認識も広がっていますが、胸部X線が50μSv/hで、それより低いから大丈夫と喧伝されます。しかしレントゲン撮影は正味1秒程度、照射量は単純計算で50×60×60=180mSvです。CTスキャンはやや時間が長く、また照射量も多いため7mSv/hとされますが、放射線の管理は時間管理と同様です。微量でも長期間線量を蓄積していけば、影響を軽視はできません。

それを理解した上で、数値的には大したことありませんし、規制値も今回有識者を参考に作られたもので、アテになるとも云いがたいです。ただ、「放射性物質を経口摂取する可能性」を誰も望みません。これは風評というより、実害であって早くも東電が賠償に言及しています。水道水にも微量の放射性物質が含まれるとの報道もありますが、今後は水産物にまで影響は拡大するでしょう。また、福島、茨城に住みたくないとして地価も下がります。東電はそのすべてに補償をかけなければ、今回の事態を収束させられません。国ができることは、放射線検査を全量実施し、放射性物質の付着していない食品のみ出荷するという万全の体制です。国が安全と述べても、わずかでも放射性物質が残る可能性があれば、買い控えの原因になりかねません。今回はそういう問題です。
日本政府の「安全宣言」の定義が軋み始めた。そのことは米国にも不審を与えています。米西海岸にも飛来、日本に滞在する職員の家族を退避する指示も出しました。このことは端的に、放射性物質の飛来を確認したから、と言えます。しかも、米西海岸まで届くなら、風向き次第で日本全国に飛散する。揮発性だけに歯止めはありません。時間が経過すればするほど、拡散範囲も量も増える。それでも安全、冷静な対応を唱え続けるから、政府への不審は日本国内ではなく、むしろ海外で高まってしまう。これは日本製品全体への打撃、と捉えることもできます。最終製品ばかりでなく、各種の部品にも検査、という話になれば補償は莫大に及びますし、それを風評と片付けて無視することなど、東電にはできないでしょう。

事故から1週間を超えましたが、この風評を除去するための安全宣言は、仮にここで収まったとして1ヶ月、その間の検査体制を維持し続けるのは大変です。放水も継続中ですが、仮に冷却が上手くいき、施設内に人が立ち入れる段階になって、建屋の外を覆って管理区域を復活させるには、まだ1ヶ月はかかるでしょう。そうなれば、検査体制はそこから3ヶ月が必要です。ざっと見積もって、東電の賠償額は軽く兆を超える。それは安全とは別の意味で、安心を買う代償といって良いでしょう。
菅政権はこの原発を政局に利用し始めた。元々、原発に菅氏自ら出向き、東電に赴けば今回の責任はすべて菅政権がかぶる。なのに、東電の責任だから自分は関係ない、とばかりの態度は不自然です。安全と述べれば述べるほど、不安を与えるのはそういうことです。一体対策をしているはずなのに、どこか一線を引き、それでいて不正確な情報を出すときは妙に「安全」という観点で一致する。こういう態度は、情報隠しを行う際の常套手段です。どこかで責任論を切り離したい、それは国が賠償をかぶるのがイヤだから、です。原発事故をすべて包み隠さず、情報を出せば、賠償額は兆の桁も変わってくる。何より放射性物質が拡散しており、その影響度合いは今後も続くからです。日本に移住してくる人間の減少、脱出する人間の増加、それは安価な外国人労働力で賄われていた産業にも打撃、幾つも影響が広がります。そういう事態にまで拡大させた責任は、原発を視察し、東電に対策本部を立ち上げてその長に収まった人間がとるべきなのでしょうね。



analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

2011年03月18日

菅政権の震災への対応について2

日本の財務省とG7(米、英、カナダ、欧州)が為替に対して協調介入です。財務省は2兆円規模とされ、79円近辺から81円台後半へと円高は切り返しています。正確には掴めませんが、G7の前に円買いを仕掛けて目立つ動きをしたのも、リパトリ抑止の動きが鈍い、日本政府に産業界の動きも含めて抑止する、との確約をとって協調介入に合意する。こうした流れが背後にあったと見ています。菅政権は国民への負担はお願いしますが、産業界に頭を垂れてまで、協力を依頼することはない。この自負心が、これまでの震災対応にも様々な影を落としている、そう考える部分があります。

福島第一原発に放水が始まり、好感する向きもいますが、状況はやや楽観とは異なります。放水で線量が下がった、という話もありますが、水も遮へい物、水蒸気もある程度遮へい効果があります。ただ水蒸気が貯蔵プール、格納容器から洩れるということは、放射性物質を施設内から外へ運ぶ効果もあります。つまり放射性物質を拡散させるのであり、それを放置しても熱を下げなければ危険、という意味です。不安を煽る気はまったくありませんが、こういう報道で「水が入って良かった」などと述べる専門家のいることが、安全に関して国民の疑義が高まる点です。
安全は2つの面をもちます。枝野氏が「ただちに危険はない…」という話は、長期的には危険になる恐れ、をいう政治用語です。これは責任逃れであり、今の段階で安定だから安全ではない。正しい情報を知ることと、それに対処する方法を知ること、それが安全を意味します。貯蔵プールの話が盛り上がってから、炉内の情報が伝わらなくなっており、それも危険です。対処は一つ一つこなさなければいけなくても、リスクは時に応じず突然やってきます。菅政権、東電の原発対応に海外から批判の声が沸き起こるのも、事前にリスクを公開し、対策を発表しないために起こります。

寡聞にして、未だに菅政権が産業界に協力を要請した、という話を聞きません。国民という顔の見えない相手にはお願いをし、目前の立場が上の相手は恫喝し、一方で対等、もしくは上位の相手には忌避して近づかない。その結果、下位の人間ばかりにしわ寄せが来ます。
買い溜めに法的措置、という話もありますし、ならば値上げしても構わない、東電もガソリンもドンドン値上げすれば、買い控えが起きて需給バランスが生じる、という暴論も耳にします。しかしこれは、政府が関東圏の需給バランスを崩したことから生じているものであり、官製インフレに当たります。生活弱者は耐えられず、困窮者が関東圏から生まれてしまう。真にやるべきは、各地の備蓄品を集め、当面の民間の需給バランスを崩さない。緊急対応の後、民間からはゆっくりと支援物資を調達していく仕組み作り、地方が溜めている物資を有効活用するために、当地の担当に辞を低くして頼む姿勢が大事でした。政府が地方の備蓄を把握し切れていない、という地方任せの危機対応のツケ、という部分もありますが、政府が民間調達はほとんどない、と喧伝するだけで買い溜めは止まります。

こういうリスクが先にありそうだ、そう思わせることがパニックお引き起こします。物資が足りない、炉内で水蒸気爆発があるかもしれない、後に高い放射性物質によって健康を害するかもしれない。そんな不安が、今の国民には蔓延しています。物資は地方の備蓄を使うから民間調達はしばらくしない、炉内を外部から少しずつ冷やし、通電しても漏電、水素爆発が起きないよう監視する、フィルムバッチを配って国民の健康管理に万全を期す、これらはすぐ打てる手と、今発表しても良い内容です。無為に時を過ごし、未だに対応が改善されない菅政権は、人にものを頼む、ふつうに人としてものの頼み方を知らない政権、という言い方もできます。
それでも菅氏は記者発表で、未来を語ります。今は足元を固める。そこからスタートのはずであり、それは震災復興と、原発対応の沈静化です。そのガイドラインさえ示せないから、いつも上滑りですし、心に響きません。これも、人に対して話す際に話し方を知らない、という意味では延長線上にあることなのでしょう。こんなことでは、G7に良いようにあしらわれて、協調介入をしてもらう代わりにリパトリ防止、という以上に、国益をごっそり海外に持っていかれるだけなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

2011年03月17日

経済の話。円高、リパトリ、企業の動き

福島第一原発にヘリから、地上から放水が行われました。水蒸気爆発が心配されましたが、無事のようです。また電源を送る準備が進んでいますが、爆発があった施設、また水素発生も警戒されるため、漏電やショートの不安もあります。綱渡りですが、上手くいって欲しいものです。

16年ぶり対ドルで76.25円の円高となりました。リパトリ(本国還流)の動きを見越した投機筋の動き、と一般的には言われますが、やや異なる見方をしています。日本は諸外国も認める海外資産が多い国です。それは年金基金、保険業、企業の運用資産、個人の投信まで含めると莫大です。リパトリは手元資本を厚くするための動きですが、3月決算時に円高による損失を確定すれば、企業は損金を膨らませます。つまりリパトリ阻止の円買いだった、という見方を強めています。阪神淡路大震災時も円高傾向を見せましたが、これもリパトリ阻止の流れだったかもしれません。
1つは株式寄付き前の、外国人投資家による大きな買い。1つはNYから東京に為替市場が移る際、商いが減るタイミングを狙った計画的な動き。今日の株式市場の底堅さは米系年金のリバランスとされますが、リパトリ阻止の円買いを一部、振り向けてきたのでは?という観測もある。これは東電という安全資産、年金系に志向され易い銘柄が連続ストップ安となり、必然的に年金系のリバランスが必要という側面もありますが、この水準では異例なほどかなり厚い買いが入った点もこうした見方を促します。とすれば、日本単独での為替介入も厳しいですし、協調介入も遠いでしょう。

震災と円高、というダブルパンチですが、仮にリパトリ阻止が出なくても円高に向かい易い経済構造、という点がそもそもの問題です。貿易黒字国が、海外資産を保有することで諸外国に還元してきた。その構図に限界があります。ガイトナー米財務長官が「日本が米国債を売るリスクはない」と火消しに走り、G7でも日本のリパトリが議論される。日本が本国に資金回帰をすれば、世界の市場は暗黒時代を迎える。だからこそそれを出させないよう、暗にシンジケートが動く可能性が高いのです。
また経団連会長が計画停電に関し「東電は産業界に配慮し…」等を述べますが、企業も日本の一部なら、ここで行うべきは巨大な敷地をもつ産業界が、工場の屋根に太陽光パネルをとりつける。波力、風力、地熱、どれでも良いので自社調達電力を設けることです。これは停電対策になりますし、広い敷地があるから出来ること。当面、原発の再稼動は難しく、操業にも限界があります。例えば非常事態に際し、各業界団体が協力し、時差出勤を励行しても良いでしょう。8時から出社するグループ、11時から出社するグループに別け、朝方、帰宅ラッシュを避ける。そうすれば鉄道は常時本数を減らせ、また一部区間の運行停止も防げます。今は鉄道が混乱することで、バスやタクシーの利用が増え、また宿泊しなければならないなど、余計な出費で個人消費が減退する恐れすらあります。ものを作り、売るばかりでなく、経団連は団体なのですから、日本が危機であるこの時にどう動くのかを、真剣に討議する必要があります。

先にも記したように、東電は年金系の買いも多かった。時価総額でどれだけ下がるかまだ不明ですが、売買が成立せぬまま下落を続けると、これは年金運用にも影響します。また株式市場の下落が与える影響も深刻でしょう。戻ってきた運用成績が、再び注目される日はそう遠くありません。この悪循環に対し、政府が手を打つことが出来るのか?実は経済面も待ったなし、ということに代わりないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2011年03月16日

福島原発における影響を考える

福島第一原発1、3、4号機の建屋が崩壊、火災も起きています。原子力施設内では、身体に放射性物質をつけないために紙製のスーツを着ますし、作業には塩ビシートを用います。可燃物は多く、それが燃えれば煤が出ますし、それが外部に洩れてどこかに付着すれば、極めてとり難い被曝が起きてしまいます。今、報道されている被曝対策は内部被曝の防護ですが、煤により上空に巻き上げられた放射性物質は、非常に厄介な代物と言えます。そして今日、貯蔵プールの水が枯渇している懸念もでました。昨日84℃とされた水温も、温度計が液浸型だと、正しい温度を示していないと推測されます。対応が後手後手に回った結果、次々に被害範囲が拡大する、最悪の展開がすすんでいます。
私は現場で一生懸命に働く作業員を非難する気はまったくありません。被曝量が100mSVから250mSvに引き上げられましたが、これは1年の被曝量であり、1週間、1ヶ月で浴びていい量ではありません。それを短期で浴びれば、身体の不調や脱毛なども起きる恐れがあります。低放射線環境にいくと健康が回復することがありますが、これはホルミシス効果といって、放射線により免疫抑制系である活性細胞の働きを抑制させることが知られています。免疫が活発化すれば、健康になることもありますが、必ずしも身体にとって良いことばかりではありません。そんなご苦労をし、作業をする人を誰が非難できるでしょう。
しかし東電にはこれまで情報を隠蔽、捏造してきた過去があります。そして今回も、東電から発表される内容では起こりえない事象が次々に起きています。これは誰かが責任論を恐れて情報を隠し、それを誤魔化すために必要な作業を阻害してきた恐れがあるのです。それは相撲協会の八百長と同じ体質を、東電が有す恐れすら滲ませます。制御棒がきちんと入っていれば…、ホウ酸水を注入していれば…、云っても詮無いことですが、最悪を考慮して最善を尽くすには、最悪を想定しうる正しい情報がなければ不可能であり、その結果が3つの建屋が崩壊、放射性物質拡散に繋がるのです。なぜ役員が現場に行かなければならないか、それは現場の混乱を見れば、どれだけ判断ミスが非常事態を生んでいるか、を思い知ることが出来るためです。非難されるべきは誰か?自ずと分かってきます。

昨日、大幅下落した株式は半値まで行かずもある程度切替えしました。売り方の買戻しもありますが、震災で3日間で50兆円が吹っ飛んでいます。業績不透明として、今後配当停止が相次ぐでしょうし、市場にとっては厳しい局面です。また原油価格が下落していますが、世界経済鈍化のシナリオがある、といっても原発不審で欧米、その他でも原発計画が停止、のみならず調査の指示も出されています。ウランも下落、そこで火力が見直されれば天然ガス、原油価格は再び騰勢を強める恐れがあります。むしろ米株の底堅さと、WTI原油価格の下落は相反するものであり、未だ両睨みです。
早くも日本から輸入されたものに放射性物質の検査、という話が海外であります。日本は一次産業の輸出が遅れており、やっと端緒についたばかりですが、またルートを失うでしょう。今回で安全性神話は堕ちており、この回復は長期に亘ります。また風評被害があるばかりでなく、元々の震災で東北、北関東の被害があるため食料生産計画を狂わせる事態になります。これは来年の食料自給率に影響するでしょう。日本の食料需要が強まれば、世界の食料品価格にも影響する恐れがあります。

東電ショックも囁かれますが、日本の原子力政策も大きく頓挫させました。原子力関連には、多くの公益、財団法人が存在します。それらは安全性の研究であったり、啓発、広報のための組織です。安全神話が崩れたのですから、その組織を解体し、そこに流していた予算をすべて今回の原発対策に充てても良いでしょう。子ども手当てや、高速道路無料化の予算を災害復興費に回す?岡田民主党幹事長は、すでに冷静な判断力を失っており、国民生活への影響を最小化する、という安全対策における致命的なミスを犯そうとしています。その前にやるべきこと、それも議論できない政治家は、決死の覚悟をもって対応にあたる作業員、自衛隊員を見習うためにも、原発での現場作業に従事すべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:35|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 原子力 | 経済

2011年03月15日

福島原発について7

福島第一原発が時々刻々、状況を悪化させています。2号機で格納容器と繋がる圧力抑制室で爆発、これにより原子炉建屋内は、すべて格納容器と同じ環境になります。また運転を停止していた4号機で爆発、火災が発生。原子炉建屋が8m大の穴を2つ開けているようです。

後者の原因は明らかにされていませんが、貯蔵プールの水温が40℃から84℃に上がった、とされます。ここから1つ、更なる問題が分かるのは、日本では再処理を前提に各原発で使用した燃料棒を、その発電所内でプールをつくって保管してきました。とすると、すでに建屋が崩壊している1、3号機も同様にプールがあり、その貯蔵プールにも使用済み燃料が貯蔵されている可能性があります。蓋はあるでしょうが、プールの中に入った燃料棒が、戸外に露出している公算が高いです。
しかも84℃は沸騰前なので、仮に水が逃げたとしても少ない量です。しかも燃料棒が露出したとしても、百℃は大きく超えないはずなので、皮膜が酸化するような温度でもありません。そうなると水素が遊離されず、水素爆発という想定自体が成り立ち難いのです。想像しうるに、燃料棒の一部が地震でプールから飛び出している。それが発熱し、爆発に至り、4号機の爆発の際に飛び出した、と言われる高い放射能をもつ物質に繋がるのではないか?そんな疑惑も湧いてきます。
また火災は大したことない、と枝野官房長官が会見で述べましたが、とんでもありません。施設はHEPA(高集塵型)フィルタで内部の空気をろ過し、外気に放出します。煙はすぐにこのフィルタを詰まらせ、機能を喪失させます。建屋の内部を負圧に保つ機能が喪失すれば、格納容器内の圧力を下げるために蒸気を抜けば、それがすぐに大気へと放出される。もう外気と通じているので関係ない、とも言えますが、会見時には建屋に穴、という情報はなく安易に安全と述べてはいけません。

関東一円で高い放射線量が観測されています。大気中に、相当の放射性物質が放出されている、とみて間違いありません。胸部X線で50μSvなので、福島県いわき市で23μSvが観測されても問題ない、と述べる人もいます。これを正しく云い直すと、瞬間的に線量を浴びても問題ありませんが、常時23μSvを観測するようなら、時間経過とともに線量を浴び続けることになるので、継続モニタが必要になります。バックグラウンドとして線量が高い場所も、ウラン鉱床の近くなどにはありますが、今回はこの数値で安定しているわけではないので、決して楽観してはいけません。
危機を煽ってはいけませんが、正しい情報がないので、逆にそれが不安を高めています。今回、貯蔵プールにもホウ酸水を入れれば、少なくとも燃料棒間の反応は抑制できます。しかしそれが出来ないのは、再処理を前提にするため、燃料棒を汚染させるのを嫌がっているのかもしれません。また、3号機ではMOX燃料を使用していたため、不測の事態に影響が読みきれない面もあります。MOX燃料はプルトニウム混合であり、核分裂を起こし易いため熱が下がり難いと推測されます。

今日は株式市場も史上3番目の大幅安、その原因も東電の対応にあります。もう東電役員が何らかの罪に問われることは、間違いないでしょう。また原子力の安全、を謳ってきたすべての組織は解体されます。日本全体の原子力神話は、完全に崩壊しました。この際、正しい情報を発信し、誤魔化しで汚染を拡大させるような「人災」はうんざりです。すでに施設内の線量が高く、作業員が常駐できない状態であるなら、福島第一原発は放棄するつもりで、ホウ酸水を全施設に注入し、これ以上の被害拡大を食い止めるべきです。それが嫌なら、東京で指揮をとっている役員が福島に行って作業すべきです。誰が責任をとるにしろ、スリーマイル島の事故を超え、このままでは人が立ち入れないアンタッチャブル区域が日本に出来てしまうのですから。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

2011年03月14日

経済の話。市場とマインド

株式市場が開かれました。東証は「投資機会を与えることが責務」としていますが、多くの方が輪番停電で混乱する中、東証は23区で影響ないから開きます、という判断は受け入れ難いものもあります。案の定、今日は大きく売り込まれ、ストップ安水準にいくことも想定されました。
欧米では、パニック売りが出そうなときは市場を停止します。パニックに対して冷静になれ、と戒める形ですが、日本では市場機能を維持することを優先します。これも責任感、というと聞こえは良いですが、野放図な管理の下でパニックを助長しているのみであり、今回もそうです。先物売りが出た、とされますが、確認されているところでは下支えの現物買/先物売の国内勢であり、逆にこれまで売り主体だった欧州系はしめしめの先物買い。それが相場全体を下支えした構図です。

こうした事態では、如何なる場合でも市場は止めることに利があります。震災に遭われた方への追悼の面もありますし、未曾有の危機に際しては、仮に市場機能が健全でも停止した方がパニックを防ぎます。特に先週末は、震災が起きた後もすべての取引が成立しており、処分ができなかったわけではありません。つまり市場機能が停止し、異常を示していれば一刻も早く、市場機能が回復したと世界に喧伝する必要がありますが、今回は必要なかった。判断の過誤が目立ちます。
市場の動向としては、今のところ下値目処がつきません。一目の雲を下抜け、9300円や9000円を一つの水準とする意見もありますが、東電の問題が不透明であり、輪番停電が生産に与える影響が大きい。下支えの買い、にしても建機や建設、資材関連が多かったですが、何をいつ、どの程度調達するかも目処が立たない状況であり、業績インパクトがどの段階で出るか?災害復興銘柄としても、まだ地震、津波がくるとされているため、そのタイミングもつかめないところでしょう。

ただ未曾有の災害ですから、経済面での支援は金融、財政ともに必要です。日銀が15兆円の資金供給、大規模で好感したいところですが、出すタイミングは下値不安があるときでなく、下値を意識した段階の方が良かった。その方がスムーズに反発するはずです。これも日本人的、事態に対して平静に戻そうとすることに責任を感じてしまう、そんな姿勢ともいえるのでしょう。
まだ政府の復興対策は、予備費活用が一部出てきたのみです。全体像が把握されておらず、仕方ない面もありますが、来年度予算と補正に拘るばかりでは、臨機に対応したことになりません。削って出てくる予算なら、今こそ削るべきです。このタイミングでは、解散・総選挙などとてもムリなのですから、政党交付金は直近すぐに必要ないはずなのです。経済の不安が拡大すれば、マインド面が悪化して日本が地盤沈下を起こしかねません。市場ばかりを気にするのではいけませんが、政府、行政が国民に安心を与えるという意味で、昨日の『お願い』を聞き届けてもらいたいものですね。

analyst_zaiya777 at 23:42|PermalinkComments(16)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

福島原発について6

福島第一原発3号機が、今朝11時に爆発して原子炉建屋が吹き飛びました。建屋はエリアごとに躯体厚が変わり、最上階のエリアは燃料棒の出し入れの際、外部と繋がることからレベルを低く管理している、即ち躯体厚を薄く設計されています。このため、水素は軽いので上部に溜まり易い、というのもありますが、躯体厚の薄いところに爆風の圧力が逃げている面もあります。逆に、躯体厚が充分で格納容器より筐体として頑丈なら、圧力は格納容器を押しつぶしている、ということに留意しなければなりません。また、爆圧が上がれば建屋のみならず、格納容器もリスクに晒されていることは云うまでもありません。殊更に危機意識を煽る気はまったくありませんが、冷却すればその内収まる、というのは対応の不備であり、早く抜本対策である熱源除去をしなければなりません。

未だに制御棒が挿入されている、という前提の話が目立ちますが、燃料棒内にある核物質が相互に反応しても、1、2日すれば粗熱はとれます。これは冷却機能が失われても数日伸びる程度で、熱源を失えば落ち着くはずです。逆にこの時間まで炉内の水がすべて水蒸気に変わってしまうほど、熱が高いというのは安定的に核分裂反応が起きている証拠。未臨界なのか、臨界なのかは分かりませんが、地震で一旦、制御棒が挿入されたことは間違いなくとも、数十分後に襲った津波で制御棒の全部か、一部が燃料棒の間から脱落したのでしょう。制御棒の再投入を試みたか、まったく情報はありませんが、恐らくそれが不可能であるため、冷却機能に頼って維持しているのです。
しかもその後、炉心が露出して溶融懸念があり、益々制御が利き難くなった。早くホウ酸水を投入すべきです。それがないのは制御棒の脱落を認めたくない、東電の事情と推測されます。もしくは初期型原発の設計に携わったGEの想定不足なのか。いずれにしろ、熱のコントロールではなく、核分裂のコントロールに移行しない限り、この爆発は繰り返される恐れがあります。

米空母と着艦したヘリが被爆、という話もありますが、政府や有識者はこの程度の漏出でも問題ない、放射性物質の漏洩はない、としていますがとんでもない話です。今汚染が確認されるのは、すべて放射性物質の付着によります。確かに、1時間浴びた程度では1mSvの被爆は大したことありませんが、知らずに1mSv相当の放射性物質を衣服や皮膚につけ、時間が経ったら?1日で24mSvを浴びます。これは原子力施設で働く人が、年間で浴びる量の上限に近いはずです。つまり、それだけ民間人が被爆をしてしまうことになります。だからフィルムバッチを配り、原子力施設の中と同じ管理を、近隣にいる人に対して実施しなければなりません。現状、圧力容器から洩れ、格納容器に溜まった水蒸気を原子炉建屋に抜く作業をしていますが、これは全施設が管理区域レッドに相当する事象であり、その建屋が吹き飛んで、どこまでがレッド区域か、明確に線引きできない状態です。たまたま、海側に風が流れているため、陸の放射線量が上がっていないだけ、といえるのが現状です。
水蒸気に、放射性物質の含有は低いのかもしれません。しかし揮発性の高いものである公算も高く、拡散の可能性があります。2号機で燃料棒がすべて露出、という話もありますが、今後当該施設に近づく作業員は、すべて決死隊の覚悟がいります。そんな対応を繰り返していて、東電に危機管理能力があるのか?これは近隣住民ばかりでなく、当施設で働く作業員さえ、危険にさらしていることになるのです。私はムリな話をしているのではありません。ホウ酸水を投入し、核分裂反応を止めろと云っているだけです。そうすれば熱は自然に下がり、安全も確保されるのです。

輪番停電でも同様ですが、操業を停止してくれというと、補償が問題になる。だから勝手に止めるので操業しないでくれ、と東電は責任を放棄しているに過ぎません。鉄道は停電から除いてくれ、という政府の要求も断ったそうです。確かに切替は大変でしょうが、そうすることで安定的に人が移動し、企業が順調に操業して電力量が上がるのがイヤ、だから断った面もあります。
今回の原発への対応も、責任論に及ぶことを恐れ、東電は腰が引けているようです。この無責任体質、役員に全面マスクをつけさせ、原子炉建屋内のバルブを開けに行かせる、そういった決死の作業をさせようとでもしない限り、一向に改まらない問題なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 21:52|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

2011年03月13日

菅政権の震災への対応について

東京電力が輪番停電を決めました。なぜ明日一日、関東エリアの産業を全面休業にして、その1日を啓発に使わないのか?産業界が一刻も早く立ち上げを示し、世界に無事を報告しなければ売り叩かれる、そう焦ったのでしょう。そんな産業界を抑えきれず、結果、準備不足のまま突入することで、明日は大混乱を引き起こしそうです。
それになぜTVは通常放送を続けるのか?東京は3〜8の6局、例えば奇数局は7時〜12時、偶数局は12時〜17時、停波する措置を1週間ごとに交代して乗り切る、でも良いでしょう。メディアだけ節電に協力しなくて良いのか?非常に今回の措置も不透明さを感じます。
今回の措置で2次被害が生じた場合、実施した東電なのか、認めた政府なのか、いずれにしろ仮に人命が失われたら、お願いでは済まない事態になるのであり、焦って実施する価値もありません。また、例えば最新の保冷装置は冷気で蓋をし、食品を保存していますから、長い時間給電が途絶えれば冷凍食品は置けなくなります。食品の供給不足が生じる可能性も否めません。市場も止め、産業もとめ、メディアも協力し、国会も全面的に協力する態度を示してこそ国民にお願いができます。今回、東京23区が外れるという最も電力使用の高い場所が抜ける、杜撰で奇妙な計画です。また停電時に学校をどうするのか?公共機関への影響は?何も知らされておらず、また企業も対策がとれず、開店休業状態にもなるでしょう。20時発表で翌日から、という対応は色々と問題を生じるでしょうね。

今後、必要な対応を国会への『お願い』の意味を篭めて書きます。まず来年度予算は通さず、3ヶ月の暫定予算とする。その際、歳出監視委員会を国会に立ち上げ、不適当と認められる歳出があった場合、懲戒免職を含む厳しい対応を遡ってもとらせるよう権限を与える。公務員の給与は2割〜3割減、これも時限対策として、災害復興費に回す。また政治家の給与は5割減、それでも文書・交通費があるので2.5割減になりますが、それも復興費に回す。また政党助成金を5割、これは寄付という形で国庫に返納させ、それも災害復興費に回す。ここまですると、大体3ヶ月で10兆円程度出てくるはずです。
浮いた予算はすべて復興対策費に充てるべきですが、また現在計画されている公共工事は一旦止め、それを6ヶ月スパンで復興対策に回す。その際、例えば関東、東北以外の県に打撃をうけた地域への復興工事を発注するなどし、地方の建設業への打撃を最小にするとともに、地元の雇用も確保しておく。そうすれば日本全体でカバーする体制が築けます。3ヶ月ごとに暫定予算を組み、それ以上長い期間で公共工事とするのは、予算切り替えの混乱を避けるためですが、半年程度で交代するぐらいでないと、負荷が高いことも上げられます。

国民に安心を与えるためには、政府が道を描くことです。今回の輪番停電にしろ、例えばグループ別けに同じ区市町でも違いが出ており、相当混乱も起きるでしょう。政府がどんな道を描いたのか?それは結果的に、産業界を休ませないことを最優先した、菅政権の目がどこへ向いているのか、それをよく表しているといえるのでしょう。どうしてまず公益法人のうち、切迫した操業が必要でないものを全面的に止める、という措置がとれないか、でもよく分かります。
この未曾有の危機に、残念な政権がトップにいる、というのがこの対応でもよく見受けられます。お願い、としましたが、予算にしろ復興対策費の捻出方法にしろ、この政権に期待することは難しいのかもしれません。未曾有の対応でも、左団扇で胡坐をかいている人間がいることを、今回の対応でもよく示唆しているのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:48|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 社会

福島原発について5

気象庁がついに今回の地震をM8.8からM9.0に変更しました。まず輪番停電、計画停電の話もありますが、病院や介護施設、自宅介護でも停電すると影響が出ると見られることから、まず必要なのは計画生産がすでに頓挫しているので、関東、東北の産業界全体で数日間休業する。また小売も計画的に時間制限をかけ、例えば一部は10時から14時まで、次の順番では14時から18時…などの営業対応で常時通電は維持すべきです。もしこれで二次災害になった場合、政府が関与して影響を拡大することになってしまいます。例えば生鮮食品、冷凍食品など、保存が利かないものの購入を小売が手控えることが起きれば、消費パニックを引き起こすでしょう。今回の停電の話は、給電の側の都合であり、当然消費者も最大の配慮をしなければなりませんが、カットできる範囲をカットしてでも、常時通電を維持することが大切になります。
例えばNHKの二局体制をやめ、当面は総合のみにする。これはBSも同様に出来るはずです。また新聞も当面は夕刊の配布をやめる。それ以外でも、産業を全体でコントロールすべきです。先にも記したように、自宅介護でポンプを動かしている家庭がある場合、唐突に止められると本当に危険なので、そうした配慮を徹底的にしない限り、安易に実施することは危険なのでしょうね。

福島第一原発3号機も、海水注入が始まりました。圧力開放も2号機に及んでいます。一方で女川原発のモニタリングで、数値が上がっているとされます。恐らく、福島原発で放出された軽い物質が、南からの風に流されて到達した、ということで良いのでしょう。東電は冷却機能を喪失した、として給水を続けていますが、それは益々蒸気を増やして圧力を高める方向であり、実はあまり芳しい対応ではありません。その都度、圧力を抜いていますが、これでは管理区域から放射性物質が漏洩することを、暗に容認しているだけです。この原因は後にも先にもはっきりしていて、炉内に熱源があるためです。熱源は核分裂を続けている燃料棒、つまり制御が利いていない状態であり、制御棒が挿入されていない原発では、最早格納容器に立ち入ることは危険を更に高めるだけなのでムリ。だとすれば外部からホウ酸水を、早く注入するしかあいません。
しかし、未だにそれに及んでいないのは、制御装置の不備を指摘されたくないのか、もしくは制御が利いてくれることを神にでも祈っているとしか思えません。しかし先にもふれたように、給水は圧力をさらに高めるのみであり、何ら解決になっておらず、問題の先送りに過ぎません。

しかもメディアが枝野官房長官への質問で、制御は利いているのか?熱が上がっているとすれば熱源は何か?冷却のためとはいえ、なぜ圧力を高める給水で済ませているのか?と、積極的に質問しないことが不思議です。結果的に、未だに国民に正しい情報が伝わらず、不安を煽っているのは国や東電の責任ばかりでなく、メディアの対応にも問題があると云えるのでしょう。
まず制御棒の話を確認し、もしその機能が喪失されているとすれば、すべて廃炉を覚悟でホウ酸水を投入しなければいけないのです。炉心が露出、外部に放射性物質が洩れる、ことを何度もくり返しているばかりで、一向に安全宣言が出されないのは、もう国とメディア一体で責任を負うべきなのでしょう。水素爆発の可能性、という話もありますが、もし仮に格納容器にそれが溜まり、過って爆発すれば本当にチェルノブイリの二の舞です。まず熱源となる核分裂反応を何としても止める、その手段に一刻も早く着手することを、本当に心からお願いしたいです。

analyst_zaiya777 at 17:25|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

福島原発について4

福島第一原発3号機も、冷却装置の喪失で炉心溶融の恐れが出てきました。この件も制御棒が挿入されていれば、核分裂反応が連続して起きる、臨界という事態は避けられるはずであり、そうした機能が喪失していると見られます。コメント欄にも記しましたが、安全設計なら通電状態でロックされた制御棒が、通電OFF、すなわち緊急事態で自然に制御棒が挿入されなければなりません。恐らく、福島原発の一部には古い設計であるため、そうした機能が逆。つまり通電されなければ制御棒が中へ挿入されないのではないか、と見ています。なので、そうした設計の原発は制御棒の復旧がない限り、すべて同様の恐れがあり、早めに第一原発1号機と同様の対策が必要です。

被爆、という言葉が不安をあおりますが、例えば皮膚に付着した放射性物質を取り除く作業が除洗です。これは線量にもよりますが、恐らく短時間なら問題ないレベルではあるでしょう。問題は身体の内部に入ってしまった場合、これは時間をかけて自然に体外に排出するまで待たなければなりません。この場合、長時間被爆を続けることになるので深刻です。ただ、1ミリシーベルトが年間で一般の方が浴びる放射線量、と騒ぎたてますが、1mSvなど一度レントゲン撮影をすれば簡単に超えるレベルであり、また飛行機に何度か乗れば、浴びてしまうレベルと意識すべきであり、殊更に危機意識を煽るのも危険なのでしょう。原発で働く作業員は管理された条件で数十mSvを浴びる想定もされているので、常時浴びることがないよう、適切に管理する必要があります。
私も一度、見学に入ったときの経験では、入所するときはフィルムをつけて放射線を管理します。一般の方はそうしたフィルムをつけていないため、『被爆』はそのまま放射性物質を身につけた状態を示します。ただ先にも書いたように、これで済むなら問題は少ないでしょう。しかし内部被爆は深刻なので、マスクを配る等が必要ですし、近隣に住む方にはフィルムバッチを配り、常時監視の対象とすべきです。つまり発電所で働く方と同じ管理にしなければ、安全区域としてどの程度の範囲が想定できるのか?ということの目処も立ちません。外部への放出、というのを『計画的』に始めた時点で、そうした対応をとる必要があったのだと、個人的には考えています。

廃炉、という話も出ていますが、40年近く経った福島原発第一の延命に東電が拘ったのは、圧力容器を交換した直後だったのかもしれません。その結果、安全が阻害された結果になったことは、東電が糾弾されて然るべきです。また、政府も余計な視察で現地対策を阻害、また適切な指示を出せずに東電を抑止しきれない。専門家でないため、已む無しとの判断もあるかもしれませんが、専門家と称する政府の対策チームの能力にも問題があり、今後の対応に不安を生じています。
最悪を想定すれば、廃炉の判断をもっと早くすべきです。第一原発3号機のみならず、制御棒が挿入されず、ずっと沸騰し続ける状態であれば、同じ事象が繰り返されるでしょう。冷却機能が失われれば、圧力容器に早めにホウ酸水を入れて核反応を止める対策をとり、その後で復旧に時間がかかることを、東電に決断させることが政府には求められるのでしょう。安全区域の範囲が不明確になった、今回の対策はそれだけでも失政という形になってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 10:38|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

2011年03月12日

福島原発について3

ここまでの情報、枝野官房長官の説明を少し整理してみます。福島第一原発1号機の原子炉建屋が爆発した件に関して、建屋内で格納容器の圧力を抜く作業をしていたところ、水素が充満しており、それが外部の酸素と反応して爆発した。…しかしこれは不可思議です。すでに格納容器内に人が立ち入れない環境であることは理解しますが、水素モニタはないはずであり、あれば圧力抜き作業などしていません。これは事象から推測しただけで、実際に水素爆発とはいえないはずです。
しかも、それだけ格納容器内に水素が充満していれば、不純物を多く含む海水を注入すれば、何が起きるか分かりません。これは推測ですが、圧力抜きのための弁が一気に破裂した。それは水蒸気なのか、圧力が一気に抜けたためなのか、手順を間違えたのか?人為的か、検討不足かは分かりませんが、水素という事象に逃げたのみで、まだ実際は詳細に検討しなければ分かりません。格納容器の機密は担保されている、という言い方をしていますが、微妙なのは弁なのか、バルブなのか、いずれにしろ圧力抜きのために開いた部分も一緒に破裂しており、機密は若干でも破れているのでしょう。モニタリング装置が故障している、という報道もある中、モニタリングでは放射線量は爆発前後で落ちている、という説明。首を傾げるばかりです。

次に今回、格納容器に海水を入れ、しかもホウ酸を入れて核反応を止める方策が示されました。圧力容器に入れるかどうか、詳細は不明ですが、もしかしたら圧力容器に直接入れずとも、格納容器を満たせば自然にホウ酸水が圧力容器内にも浸潤する、という考えに基づいてかもしれません。いずれにしろ、格納容器に人は入れないため、外部から直接操作する手段は限られています。
ホウ酸水が圧力容器に入れれば核反応は止まると見られ、冷却も可能となります。ただ1号機は放棄した、とみて間違いありません。海水を入れるのは、それだけ大量の純水を確保するのが難しかった側面と、水素の存在は無視できるレベルと判断されたのでしょう。そしてホウ酸水で満たせば、圧力容器内にホウ酸が付着し、核反応が不安定になる恐れがあり、今後は運転が不可になります。それだけ重大な局面にあり、またそうせざるを得ない。ただ遅きに失したと感じてしまいます。爆発が起きる前、その決断を出来ていれば、事故に遭う方もいなかったかもしれません。圧力を抜く、などという時間稼ぎが、原子力行政における問題先延ばしの象徴なのかもしれません。

今回の対応が成功することを祈ります。ただ、最後にふれたいのは先に菅氏がメッセージを出していましたが、これほど心に響かないメッセージもありませんでした。朝早く現地に行って、一体何をしてきたのか?しかも報道されたベースを滔々と語り、国民に何を感じ入って欲しいのか?短く簡潔にまとめられたものではない、そんな言葉を今は入らない。オピニオンリーダーとして、言葉の用い方が圧倒的に下手だと再認識させられた、そんなメッセージでした。
国民は未曾有の危機に際し、誰しも手をとりあってがんばろうと考えています。ただ今回の福島原発の対応をみても、国が信頼できる存在なのか?そう疑わせる、情報の出し方であり、内容だったと云えるのでしょう。対応の遅れもそうですが、早い段階で1号機を放棄し、被害を最小限にとどめるようにすることも出来たはずです。結果的に、原子力行政全体への影響を考え、自然に収まることを祈っていた時間が、丸一日かかったのではないかと見ています。もんじゅの事故でも、事故後に確認された映像をみて驚愕しましたが、今回もそういうことになりそうです。国の対応、今回の件に関しては後に正しく検証し、問題点として今後に生かすことを望みます。

analyst_zaiya777 at 21:32|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

福島原発について2

福島第一原子力発電所1号機で爆発、天井が崩落しています。正式発表がない段階でこの記事は書いていますが、制御棒が挿入されず、またタービンも回しておらず炉心水が循環しているだけ、になっているために相当に熱が上がっている。しかも、圧力容器の機密が破れて配管、バルブからは炉心の水が洩れている。そのため、格納容器内に人が立ち入れなくなったため、タービン建屋側のバルブから水を投入することで冷却を図った、と見ています。しかし冷たい水が千度を超える蒸気にふれ、一気に気化し、爆発的な破裂をしたものなのでしょう。

外部で高い放射線量を感知していますが、恐らく炉心の水が水蒸気となり、しかも破裂した箇所から水蒸気として漏洩を始めたと見られます。つまり格納容器、建屋の機密も破られた状態になった、とみるべきでしょう。そうなるとその箇所を塞ぎにいくにも、高い放射線を浴びるために近づけない。恐らく原子力建屋、タービン建屋も含めて高い被爆の状態になったのであり、これはすでに10km圏内といわず、もっと大きな範囲で退避指令を出さざるを得ないのでしょう。これは憶測も雑じりますが、安全を確保するためにも、より安全圏を確保する必要があります。
それと、ヨウ素を配ること。体内被曝はもっとも避けるべきであり、こういう場合は安全範囲の確保が重要です。また放射線監視モニタのみならず、各地の施設にある放射線管理者を地元にあつめ、安全エリアを確保させるべきでしょう。NHKでも放送していますが、マスクやタオルで口を覆い、身体に付着したものは洗い流せるので、まずは安全エリアまで退避させなければなりません。

今回、明らかに対応が遅いですし、過っています。圧力容器を放棄してでも、格納容器内にとどめておくべきでした。今回、外部に大量の放射性物質を出してしまったことは、第二のチェルノブイリと化してしまいそうです。これ以上の被害を食い止めるため、情報を早期にだし、早く国民に周知徹底すべきです。今回、制御棒を挿入できなかったこともそうですが、炉心を冷やすための対策に、失敗したといえるのでしょう。厳しい言い方ですが、これ以上間違えないためにも、爆発事故という事態を看過することなく、正確な情報を出してくれることを望みます。

analyst_zaiya777 at 17:46|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

福島原発の状況について

福島原発について、少し気になったので記事をあげます。以前、私が興味をもって調べた内容に基づき、憶測になりますが、現時点の福島原発の状況を考えてみます。

福島第一原発では正門前で8倍、中央制御室で千倍の放射線量を確認、1号機では格納容器内の圧力が高まっています。これは圧力容器から水蒸気が起きたことで、発生していると見られ、燃料棒は核反応を続け、配管かバルブに亀裂などを生じていることを示しています。
福島第二原発では1、2、4号機では原子炉冷却機能が喪失、格納容器の圧力制御室の温度は百度を超えているとされます。これも核反応を続けており、一向に制御が利いた様子はありません。ここからはうろ覚えですが、福島原発は古い設計であり、制御棒の挿入が異常時でONとはならず、電力供給も途絶えていることからOFFのまま、つまり制御棒が挿入されていない状態ではないか、と推測されます。一方で、本来減速材としての炉心水を抜けば、核反応はしないはずですが、手順としてこの制御棒を挿入しない段階で、炉心水を抜くという行為をしたことがないのではないか?すると、その対応には手順にないルールで行わざるを得ない。それが、政府が慌てている原因ではないか、と推測します。制御棒や炉心が溶融すれば、取り返しの付かない事態になる。米国が冷却材の移送を日本政府に申し出て、それを断ったのも結果的に使用不能状態になる判断を、冷却材を入れて為すのか、炉心が冷えることに賭けて手順にないことをするのか、という段階ではないかと考えます。

しかし、いずれの場合でも今回、炉心の水を循環するポンプさえ稼動していないと思われ、制御棒を投入できなければ重大な決断が必要です。臨時の電力供給をはかる方針ですが、制御棒の挿入を行う部分に損傷がないことを祈るばかりでしょう。そして今回、最悪の事態にならないよう、最善の判断が何かは、いずれの場合でも賭けになるのではないか、と考えます。ただ、最終段階では冷却材を投入してでも止めると見られ、その際は復旧を諦めてでも安全確保、なのだと想います。
未曾有の災害で、事前に想定されたレベルを超えており、何を行うにしても他の損傷や不測の事態を考慮せねばならず、危険も大きいですが、政府にはしっかり対応してもらいたいものです。半径10kmの退避指示が出ていますが、今は政府の対応を見守りつつ、果断に動けるような対応を図っておく必要があるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 09:49|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 原子力

2011年03月11日

東北地方太平洋沖地震について

東北地方太平洋沖地震が起きました。私は帰宅困難者の一人ですが、友人の車で何とか帰れても都心は大渋滞です。揺れもかなり長時間で、今も余震のようなものは感じます。被害をうけた方は相当に苦しまれているでしょうし、亡くなられた方も今後状況が明らかになるにつれ、拡大する方向でしょう。気象庁が確認した中では最大、未曾有の災害であり、本当に心が塞ぎます。

少し今後の影響を考えてみます。福島原発で半径2km以内の住民に、避難要請が出されました。炉心の水位が下がっており、放射能漏れの恐れありとのこと。当初、海水で冷却することから津波の影響で逆流が起きたかと考えましたが、どうやら非常電源が立ち上がらず、冷却ができないばかりでなく、炉水を循環する配管に亀裂もありそうです。つまり多重事故であり、これは運転再開まで時間のかかる問題になります。東京電力福島原発、東北電力女川原発、いずれも主要な電力源ですから、今後は電力供給制限などがおき、大口顧客である工場の操業などにも支障が出そうです。
津波の破壊力も激しかったですが、宮城、福島、茨城、青森などは農業生産も多く、野菜の供給にも影響するでしょう。水産業の被害は言うまでもなく、太平洋地域一帯の一次産業は壊滅的です。復旧、復興まで複数年かかることばかりでなく、こうした産業には高齢者が多く、そのまま廃業となるかもしれません。そうなればより打撃も深刻となるでしょう。政府は補正予算に着手する方針ですが、こうした手当てをしっかりと行うことを、切に願っています。

千葉で製油所が爆発、炎上していますが、構造上、設置場所等に不都合がなかったかも含め、今後の検討が必要です。東南海地震が予見される中で、今回の東北地方太平洋沖地震で脆弱性を露呈したことは、今後の防災対策にも不安を残します。東京ディズニーランドの駐車場も液状化しており、湾岸開発が本当に良かったのか?埋立てをし、不動産として売買することは乱開発を後押し、基盤整備を疎かにしたものではなかったか?そうした検証についても必要です。
明日には、米国にも津波が届くでしょう。地震の津波はソリトン波と呼ばれ、波形が崩れ難く、勢いも弱まりません。回折する際は弱まりますが、それ以外ではほとんど勢力を保ちます。当初、M7.9とされ、大津波警報の範囲が狭かった。その後、範囲を拡げていったことは、気象庁の予見不足を感じさせました。今はM8.8、米国ではM8.9との試算も出されており、M1も変わればエネルギー量は100倍です。そうした警報の遅れが、被害拡大に影響した件も検証が必要でしょう。

経済面では一時円安、その後円高となりました。株が売られ、安全資産の債券が買われた結果、相対的に為替では円が強まった形です。しかし未曾有の災害では、被害の拡大状況に連れて経済への打撃も大きくなります。今後、日本全体に与える影響を考慮すると、深刻といわざるを得ないのでしょう。被害規模ばかりでなく、マインド面で下向きになること。そうならないよう、気を強くもたなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:10|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2011年03月10日

経済の話。市場動向について

日本の主要証券取引所である東証と大証が、統合にむけて動き出しました。現物の東証とデリバティブの大証、とも別けられますが、問題は競争性が失われることと、名古屋、福岡、札幌などの取引所をどうするか?上場基準やルールなど、微妙に差もある中で、日本全体で取引所を考えたときどういう形が良いのか?これは日本経済を考える上でも、とても重要なことになります。

中東情勢も不安ですが、世界には再び南欧の問題が重しとなっています。ギリシャ、スペインの格下げ、債券利回り上昇で、再び破綻懸念を市場が織り込み始めました。欧州ストレステストの内容も調整に手間取っており、正式決定はまだですが甘い査定になるとされるように、不安が各国に波及しないようにすればするほど、金融機関の信頼も得られず、不安が蒸し返される状態です。
米国でも、債券運用大手のPIMCOが米国債保有をゼロ、これは6月以降FRBが買い手から下りた後の債券市場を不安視してのものですが、米国債が近いうちに4%乗せを示唆するなど、不安を煽ります、しかもIT投資に一循環を示すような、企業の業績見通しも示され、昨日は2年続くブル・マーケットを祝う行事も行われましたが、米市場も正念場といったところ。米国では2、3月が景気指標も一旦ピークをつけるとみられ、企業が内部留保をため、それがマインド面でも影響して市場を押し上げてきましたが、市場が弱含むとその好循環も潰える。4月は欧州でも借換え債の多い時期ですが、市場では早くも4月に備える動きも出て、東証も明日のSQを前に10500円を割ってきました。

日本経済に覆う懸念はインフレです。2月企業物価指数は前年比1.7%増、しかし購買意欲は低く、このため価格転嫁できない状態で、消費者物価は低い状態が続きます。中国は明日、経済指標の集中発表日ですが、中国の消費者物価(CPI)は低く抑えられるとみられ、実はこうしたものの中に企業努力という名の、日本企業の動きも含まれています。アジア向け輸出でシェアをとるため、価格転嫁を抑える形が業績に影響する懸念があり、じわじわ上昇する人民元相場でも、吸収は不可能でしょう。
最近、やたらと口先楽観論を耳にします。中国の銀行は住宅市場が15%下落しても問題ない、中国高官の発言ですが、むしろこれは逆で15%下落すればもたないと読めます。不動産ローンばかりでなく、地方政府の債務問題、国債の信用下落など大きな流れとなって襲う可能性があり、恐らくはその手前10%超の下落に陥ると危険とみるべきです。

米国でも景気楽観論がFRB、高官から発言が相次ぎますし、バンカメが利益見通し改善を示しました。しかしPIMCOの動きが示すように、米国債保有がリスクであれば、それは銀行業界全体の話です。訴訟リスクも抱え、貸出しも増えない中で投資銀行業務の伸びをどう担保するのか?実に苦しい経営環境の中で、楽観で乗り切ろうという姿勢がありありとみてとれます。
2月末の段階で、一旦ブルマーケットは終焉したと見ています。健全な調整なら3ヶ月程度、その調整幅次第で、次の展望は変わるのでしょう。5月を超えて、1万水準で留まれるなら反発も大きい。1万を割れると、いずれにしろ様々な楽観シナリオが覆るので、大きなベア波動入りであり、それは世界経済全体の不安を反映してのことになるでしょう。3、4月は市場調整期になる気配もありますが、この中で不安が顕在化して市場に悲観が漂うようになれば、世界経済は危険も大きくなるかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2011年03月09日

菅政権を襲う二の矢、三の矢

民主党の土肥衆院議員が日韓、韓日キリスト議員連盟が出した共同宣言に名を連ねた問題が、波紋を広げています。韓国が竹島領有を主張し、謝罪と損害賠償を求める内容であり、限りなく韓国の立場を盛り込んでいます。しかし宣言の最初に『真理と正義が勝利する神の法則』と述べていますが、日韓条約の際に戦争賠償は行わないと決めたことは無視するなど、真理?という言葉が非常に軽く聞こえます。そもそも、キリスト教では真理と正義の勝利、など約束しておらず、これは韓国キリスト教の独自教義と推測します。そもそも、キリスト教は救いであり、勝利という積極的な目標は先鋭化であり、極めて歪んでいます。誰が何を信じても良いですが、正義などという人により万別であるものを掲げ、他者の攻撃に使うのは卑劣と云えるでしょう。
問題は、領有権放棄を含む提案をした人物を処分する必要が生じたことです。土肥氏は菅氏の側近、政権に役職はありませんが、放置すれば政党としてこの行動を容認したことになり、それが党のイメージを悪化させる。政治とカネで処分を下し、領有権放棄や外交合意を無視して他国への謝罪、賠償に名を連ねた人物を処分しなければ、国益に反します。逆にいえば、国家反逆罪に近い内容であり、これを看過しては政権がもたない事態となるでしょう。野党時代は目立たずとも、与党になれば政権運営との整合を問われる。そんなことすら土肥氏は気づけなかったようです。

年金切替忘れ問題、2年分の納付で満額支給としていた救済策を廃止、2年という追納期間を特例で外し、追納分に応じて年金支給することで、法案提出が決まりました。昨年12月からの救済策で支払われた分の年金を、返納する方向です。しかしこれは昭和61年改正からの問題で、第3号被保険者のまま、現在も年金受給している人もおり、そうした人たちは第1号被保険者として、年金支給を受けることもなく、そのまま年金を受給している形となり、どうやっても不公平は残ります。
しかも昨年12月なのか、3月なのかが問題となり、引継書も取り沙汰されます。しかしこれは厚労省側の責任逃れの面もあり、通常は事務官が業務引継ぎを説明します。細かい事案、1例1例を引継書に残すことなど不可能であり、確かに今回は動いている事案であり、引継書に残す必要はありましたが、厚労相が知らないというのは事務方のミスの面も含みます。しかも、法整備が必要ではないかと思ったが、長妻氏には文句を云いにくい、などの情報も喧伝されることで、長妻色を薄めようとする流れに、メディアや野党も巻き込んで起きるなど、厚労官僚のやりたい放題です。政務官が知っていた話も出てきましたが、事務連絡の不手際で問題も大きくなっているのです。

子ども手当ても6ヶ月のつなぎ法案で、一先ず小康を得られそうな気配です。国民ばかりでなく、行政も大混乱ですから、かつてのガソリン税のように1ヶ月安くして国民が喜ぶ、といった類ではなく、野党の一部も妥協する流れです。しかし菅政権の側は今ひとつこの子ども手当てに乗り気でなく、児童手当でも…といった発言もあるなど、逆に政権が重要視していない政策での妥協を余儀なくされるのは、本意とは異なるでしょう。やっと公務員人件費2割減、という方向を閣僚に指示していますが、これも不支持率の高さをみて、本意とは異なるけれどやるしかない、という流れの一つです。
菅氏の側近による竹島領有権放棄の行動。これを容認しては政権は瓦解、という意味で菅氏へのブーメランは二の矢、三の矢どころではなく、この年末に連射砲のように菅政権に襲います。6月解散を狙っている菅氏が、サンドバック状態でいつまで持ち堪えるか?聖書には「目には目を」という、誰しも知っている同害報復の言葉も載っていますが、まさに今の菅氏はそんな状態なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:38|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2011年03月08日

中国全人代と軍事について

前原外相辞任の影響は、市場にも覆っているようです。今週末はメジャーSQという特別な週ですが、現物売買は減る中で先物が増える。外国人買いが止まり、不透明要因見極めまでは身動きとれない印象です。やや買い超とみられ、SQ週の水曜は荒れるというジンクスがどう影響するか?中東情勢とともに欧米市場の勢いも止まっており、11日サウジの『怒りの日』で、OPECで唯一増産余力の高いサウジ情勢がどうなるかも含めて、市場は正念場といったところでしょうね。

米国務省日本部長が、講演で沖縄を「ゆすりの名人」と述べた件で、日本にも影響が広がります。こういうTHE USAという意見は米国内に多く、背景には白人優位主義や、ティーパーティー系の動きが活発化するなどの過激な愛国活動も、その一端にはあります。日本政府は米大使に苦言を呈するばかりでなく、外相辞任で苦しい交渉を有利に進める戦術をとらねばいけません。例えばこういう人物がいるから、日米交渉が上手くいかない、として2+2交渉を当面見送る。在日米軍縮小で、沖縄の負担軽減策を一緒に考える、そんな下地をつくる材料にしなければいけません。
英国の国際戦略研究所(IISS)が、中国の国防予算は研究開発含めて8兆円を超える、と試算しています。問題は軍事費より近代化であり、欧米の優位性は薄れ、空母の保有など対外圧力を加えられる装備を整えています。例えば北朝鮮による韓国のGPS障害について、これは中長距離兵器の誘導に対し、何らかの打撃を与えることを目的に実験的に行われたと考えられ、その技術は中国からもたらされたのかもしれません。中国でものづくりをすれば、技術を盗まれて簡単に軍事転用される。欧米の常識が通用しないことは日本の比でなく、ここに対処する関係構築に必要なことを、日米で築く努力が必要です。

中国では全人代、五ヵ年計画の成長が平均7%、インフレ抑制を打ち出しますが、最低賃金を13%増など格差是正にも高い目標を掲げます。しかし賃金インフレはそのまま物価に影響し易く、労働力不足も顕在化、インフレは加速する傾向しか示しません。その影響もあって昨年は20%を越える歳入増、社会保障、公安関係にも14%増と、歳出が拡大していますが、これが軍拡にも繋がっています。
中国は財政赤字の目標を10兆円程度としており、高い歳入と同時に、経済発展に伴う財政支出も拡大しており、当面景気が堅調な間は、中国共産党による大盤振る舞いが続きそうです。しかし地方、銀行の負債割合が不透明ですし、インフレ率を4%に抑えるとしても、それだけの高インフレが経済を悪化を引き起こす懸念は、常に付きまといます。マネーサプライは16%の伸びを見込みますが、この高い伸びの持続可能性はあまりない、という点でいつ景気が腰折れするか?に焦点が当たります。一方で虚構の経済指標が整合性をもち始めると、どんな影響が出るかも注視する必要があります。

イスラエルが軍事費を拡大、それを米国に対して200億$分、要求するとの話もあります。世界が不安定化すると軍事費が拡大する。しかしその結果、歳出増の圧力が高まり、国家財政は疲弊して行くという、大戦前の世界情勢によく似てきました。今の伸びを維持できないことは自明ですが、米中が軍拡に陥るような場合は、財政不安という裏側によく注意しておかないと、世界が本当に戦時下のような状態になりかねない、それは資金面でも、という意味で深刻になるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 経済

2011年03月07日

外相辞任で今後の政局

前原氏が外相を辞任し、官房長官が代理を務めるそうです。これほど違和感のある人事もありませんが、官房長官は女房役、として内にある立場。臨時とはいえ、これが菅政権の準備不足、認識不足を示します。危機管理ができていれば、土曜日の段階では後任人事の選定に入っていなければならず、今日には発表という件でしょう。慰留に努めた、結果叶わなかったというのは、見通しの甘さばかりが目立ちます。更に前原氏の記者会見では、この人物の甘さが垣間見られます。
外相が在日外国人から献金をもらい、外国や国民から疑いの目で見られること、を辞任の理由としていますが、どうでも良い話です。政治資金規正法に抵触したこと、ただこの一点が問題です。自身は管理責任はあると述べていますが、法的に『責任』とは「知らない」で済む話ではなく、「知らなければならない」ことを意味します。社長が名前も知らない社員の不祥事で辞職するのは、経営責任者だからであり、責任とはそれだけ重い言葉となっています。つまり故意ではないから違法ではない、という主張は『責任』と使った段階で崩れるのです。このままいくと、管理責任はあるが会計責任はない、などと苦しい言い訳に終始しなければならず、近いうちに検察の聴取対象となる恐れもあります。別に前原氏を憎くて云うのではありませんが、だから早く収支報告書の責任論を切り離せ、と指摘しているのです。ですが、相変わらず責任は被りながら無罪と認識する。甘いと云わざるを得ません。

しかし一部のメディアでは在日に無用な圧力が加わる、とする擁護論や、今回の騒動も善意を殊更にアピールし、影響を軽微にとどめようとする流れがあります。また菅政権は予算成立に全力を尽くせ、と応援する記事も見かけます。これらは、政権を追い込めば3月、予算も成立させずに解散、統一地方選とのダブル選挙に至る道筋に、やや警戒を抱いたものではないかと推測します。
そうなると一番困るのは行政です。行政が困ると、免状や優遇を行政から与えられている立場のメディアも困る。そこで菅政権を側面支援し、予算成立までは漕ぎつけたい、と露骨に動き出したのでしょう。重要閣僚である外相辞任は、一発で政権転覆の口実になりますが、予算成立までは手を結ぶ。こういった暗黙の了解が、メディアの動きにも見られ始めたのでしょう。

菅政権は予算の成立まで、内憂外患どころか、成立しなければ一番困る行政の支援は受けられそうな動きです。菅政権の態度にも、予算に賛成しなければ行政が困るよ、それで政権の座を奪い取ったとき、どうするの?というふてぶてしささえ滲むようになり、それが6月解散説を後押しする形となっています。予算関連法案など、すぐに影響しないものはずるずると長引かせ、6月に色々と政権の方向性を打ち出す重要な決定を行った上で、自らの手で解散をする。その青写真です。
予算関連法案を残したまま、解散などしては行政も大混乱です。つまり予算措置がつくか、つかないか、分からないまま予算案だけは成立する、ということになり、しかも政権が交代すれば予算未執行が頻出する恐れもあります。菅氏は国民を人質にとったような発言を幾つかしていますが、ここまで追い詰められ、それでも生き残る術はたった一つ。行政を人質にして、最後の最後まで抵抗する戦略をとる可能性が、益々高まってきた、といえるのでしょう。

行政の大混乱を引き起こしてもいいのか? 野党に対して「追い込むと菅氏は解散するぞ!」と岡田氏が脅せるのは、そういった背景が滲むのだと見ています。行政執行を人質にとる、という前代未聞の戦術を選択できるのも、菅政権の無知蒙昧と低人気が影響していると見ると、この戦術の先に描いているのは日本版カダフィであり、益々暴君としての姿を現し始めているのでしょう。民主党では、政権交代の仕組みがなく、倒閣の流れがどこで本格化するか?チキンレースのような状態がしばらく続きそうな、綱渡りの政権運営を菅氏が選び取りそうな気配が濃厚になってきましたね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般