2012年02月

2012年02月29日

党首討論は谷垣自民の惨敗

株式市場が荒れ気味になってきました。昨日は為替をいじって踏ませにいったCTAスジの勝ち、米系がポジションの一部を落としました。今日も9800円台を狙いにいったものの、為替に円高の動きが出て急に調整した。貿易赤字を材料に…と云ってみたところで、日本の経常収支は黒字です。潜在的には円買い圧力が高いのであり、円の売り持ちが多いと必ず踏まされます。
最近の円安を好感する意見が、政府からもあります。しかしこれは日銀の信認低下を意味しており、決して喜べる話ではありません。恐慌に陥っても、円の持分を高めておけばヘッジがかけられる。その思惑が外れ、円をフラットに戻そうとするヘッジファンドの動きだからです。ひいては日本への不信であり、この円安は良い円安ではないのです。こういうことをきちんと弁えないと、再び円高になっても有効な対策ができず、介入というムダを繰り返すだけに終わるのでしょう。

党首討論が行われました。あぁ、谷垣自民は終わった…それが率直な感想です。ナゼがれき処理から話を始めたのか? しかも提案と云いながら、子供でもできる話をして、野田氏が政府対応を一々説明し、ポイントを稼ぐ形になった。事前に副総裁と練習したのでは? と疑うほど稚拙な戦略です。次に議員定数削減、これも具体的な話ではなく、政府に説明させたいのでは? というもので、三番目の社会保障と税の一体改革では、不人気な民主党の政策との一致点を自ら認めるなど、これでは自民、民主の一体的な改革ではないか? との印象を国民が抱いたことでしょう。
間違えてはいけないのが、野田氏は大綱を閣議決定したから、法案を出さなくても同じイメージで議論できる。税制改革だけが先行してはいない、といいますが、法案に書かれた一言、一句の違いで政策はガラリと変わります。これは霞ヶ関文学、その周到さ、狡猾さをあえて無視している、としか思えない、官僚主義である野田政権の悪い部分です。この点は公明の山口氏の方が余程ついていました。足元の乱れ、と民主党内、連立の不仲を際立たせたいのかと思いきや、『固唾を呑んで見守る』と述べ、それはまとまってくれることを期待しているような物言いを見せてしまいました。さらに「解散すれば協力する」と、選挙結果をどうであろうと、それを無視して大同団結まで約束してしまう始末。これは90対10、ぎりぎり完封負けを防いだ自民党大敗の結末です。

今回、明らかになったのは谷垣自民は政権交代ではなく大連立、ということです。谷垣氏は民主内を心配しますが、逆に自民党内が谷垣氏に対し、不満を溜める可能性が高くなります。現実的に、今の支持率ではどちらが第一党になるか、不明であり、連立しないと政権運営できないとの懸念はあるでしょうが、そんな弱気な党首で選挙を戦わなければならないなんて、党員からもひ弱に見えます。
これは官僚依存を強める野田民主と、財務族の谷垣氏では、違いを見出しにくいということでもあり、その結果攻撃材料がない、とみなすことも可能です。がれき処理を一番にもってきたのでさえ、国が関与することで新たな歳出枠を確保する手法として、財務官僚から囁かれた、と邪推することも可能です。国民からみても、民主、自民という選択肢が一体になったという意味では、この党首討論で新たな『一体改革が必要』という意識を、国民に植え付けることになるのかもしれませんね。


analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年02月28日

福島原発における民間事故調報告書

民間事故調が報告書を発表しました。菅首相を酷評する一方、評価するのは2点。東電による福島第一原発からの完全撤退を防いだことと、東電内に合同対策チームを設けたこと。これは現在でも類似の傾向がある、東電が事故は津波によるものとして、地震による損傷を認めない点、完全撤退の申し出を認めない点、などの自己主張をして折れない部分を、菅氏の突破力で覆した点に対する評価です。一方、その弱点としてリーダーが口を出しすぎる、部下が萎縮する点を挙げます。
菅氏は自ら技術屋を称し、原子力に詳しいと前のめりになった。しかし技術屋であっても畑違いであれば、一歩退いて意見に耳を傾ける姿勢が必要です。その上で、自分の知識の範囲と異なる説明をうければ、それの正否を判断する。これがリーダーとしての正しい態度といえます。

重視すべきは2点あります。まず『最悪シナリオ』とされるものが作成され、公表されなかったことです。4号機や他でも燃料破壊が起きた場合、170kmが住民の強制移住、250kmは年間線量が自然放射線レベル超え、というシナリオが官邸内で情報共有され、国民に知らされなかった。170kmといえば、車で移動するにしても2時間、渋滞も起きることを考えれば10時間近くは、最悪シナリオが起きた場合に、住民の被曝が起きることを、官邸サイドは情報を隠蔽していたことを示します。
これはSPEEDIの情報共有不足以上に、問題ある行動です。SPEEDIもメディアでは早い段階で、その存在が報じられていたことから、官邸サイドに瑕疵があったのは自明であり、存在を認識した後も活用には二の足を踏みました。しかしそれ以上に、国民が被曝する危険性を知りながら、それを隠蔽した場合は未必の故意にあたります。起きなかったから無罪で済むわけではなく、未遂でもない。3月14日以降に被曝した人がいるため、傷害における未必の故意を認定されるかもしれません。

2点目は米国の技術を導入し、自主的に対策を導入したものの、わが国固有のリスクを完全には反映しきれていないこと。これは他の原発に、同様の事象が起こった場合、安全を担保できないと認めていることになります。自主的な対策の程度、のみならず、根本的に地震に弱い設計である可能性が高く、耐震基準を引き上げるか、耐震設計をやり直す必要が生じます。その場合、ストレステストなど意味を為さない恐れがあり、原発再稼動に全面的に関わってくることになるのでしょう。
今回の事故は『人災』の部分が大きいと指摘しています。しかし誰も逮捕されておらず、捜査も行われていません。事故においては政府が積極的に関与することを求め、法整備も要請します。では、今回の事故で法がなかったから、誰も責任をとらずに済むということになれば、安全軽視の姿勢を継続させる恐れもあります。政府の事故調の最終報告や、国会の事故調はまだですが、この報告書をもって刑事事件として取り上げても良いのでしょう。東電が協力していないように、民間にできる力は限られ、また政治による圧力がかかった報告書に、どこまで信が置けるのか? という問題もあります。少なくとも、原発を安全に運転するという前提に立つなら、無責任体質を改めることから始めないと、国民は誰も納得しない、ということにもなってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 原子力 | 社会

2012年02月27日

G20はGO TO 0

エルピーダメモリが会社更生法を申請し、負債総額4480億円と製造業としては過去最大となりました。09年に産活法の認定をうけ、政投銀が300億円、銀行団も1000億円を融資しており、期限切れとなる3月を前に手を挙げた形です。外資が株を買い漁っていると耳にしており、支援に向けて圧力がかかっている? と見ていましたが、再建策の調整がつかず、3月28日に上場廃止となります。
半導体事業は汎用品の時代に突入し、製品の差別化が難しくなった、など様々に云われますが、問題は産活法の認定など国の態度が正しかったのか? です。経産省のインサイダー疑惑もありますが、産活法の適用第1号となったことからも、これがエルピーダ支援の目的だったことが明らかです。国の特損は280億円とも伝わりますが、その責任の所在をはっきりさせなければいけません。

主要20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議(G20)が開かれました。最近これが『go to 0』0回答を出す、という読み方しか出来なくなってきました。IMFの資金増強に関し、欧州の自助努力を待って、という形で決着しましたが、G20で合意されなくとも、その程度のことは国同士がシンジケートを組めば、可能なことです。支援に後ろ向きな米国と、前向きな中国と、その目配せをするため、決められるものも決められません。欧州には、現時点で支援の上乗せなどすべきではありませんが、危機を迎えて『go to 0』先進国が0に向かわないと、何も決められないのかもしれません。
日本に関係ある部分でいうと、欧州系CTAスジが動いて、世界経済が堅調になるとの思惑から円安、株高へと傾けてきましたが、やりすぎ感が出て一服を余儀なくされました。特にCTAスジは短期とみられ、月末までもつか? という部分がありました。さらにG20でも示されたように、原油高が世界経済の重しとなり始めており、米系が資源関連に資金をふり向け始めたために、株高を志向していくにもやや限界が見えてきました。米株市場が商い薄であるのも、主体が変ってきている証拠です。今日も後場、弱含んだように、若干の流れの変化も出てきているのでしょう。

しかも安住財務相が「為替の過度な変動」を否定しますが、では今回の急な円安局面は正しいのか? といえばそうではないでしょう。米国の意向を汲みやすい格付け機関が、消費税増税できなければ、日本国債の見通しを引き下げる、と発言していますが、これなど財政のパイを拡大させることで、米経済にも好影響とみているフシがあります。もし財政再建が目的なら、歳入拡大と歳出抑制はセットでなければならず、それを抜けた議論をすること、そのものが何らかのバイアスを感じさせます。
これは最近、週刊誌で盛んに報じられる日本国債暴落論にもつながります。危機を煽って消費税増税で世論形成をはかる。何度も云いますが、日本国債が暴落するときは、日本政府はIMF、世銀への資金拠出、米国債などを放出せざるを得なくなるため、世界経済は大混乱に陥ります。暴落したときの資産運用は…などという、いい加減なものは通用しないと見て間違いありません。日本国内で危機を煽る、その目的以外の記事ではないのです。そもそも、暴落の危機を生じている国が、欧州のためにIMFに資金拠出しようとする、その姿勢から批判しなければならないのでしょう。G20が決定能力の欠如を示すなら、日本はもっと戦略的に、G20を活用する方法について提案しなければいけないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2012年02月26日

野田首相による沖縄訪問

野田首相が沖縄を訪問しています。しかしわざと日程を詰め、長期滞在にならないよう、つまり批判の矛先とならないよう努めるなど、その姿勢には『為にした』との懸念が拭えません。沖縄県側が環境影響評価書をうけて、事実上不可能と回答しました。これに米従属性の強いメディアは批判を展開しますが、この環境影響評価書で防衛省の天下り先へ、多額の随意契約したことが判明しています。しかも、オスプレイや土砂採取など、重要な項目が抜けていたこともあり、そもそも論として評価が成立していない恐れすらある代物で、それを受け入れるのは無理な話です。それに、この事実もほとんどのメディアが無視しているのであり、極めて問題があります。

この環境影響評価書を、環境保全に向けて国と地方が協議するため、と述べるメディアもありますが、仮にそうなら地方に拒否権はなくなります。残念ながら、そんな法律は存在しませんし、そもそも環境影響評価書が正しい、という前提に立たなければならないなど、聞いたことがありません。これはある団体が数値をどう評価したかを表すもので、なので検証が必要なのです。国が提出する評価書ならば、国の意向が反映されたものであり、それを反対の側、つまり地方からも検証する。それが環境影響評価書の意味であり、必ずしも拘束力をもつものではありません。
問題は環境影響評価書の追加分にしろ、野田首相の駆け足訪問にしろ、国の姿勢に誠意がないこと。人にムリなお願いをするのに、不誠実な対応で信を失っていることにより、野田政権下では解決できない問題です。逆に言えば、日米合意を履行せよ、と迫る側は沖縄の民意と逆行しており、日米合意を結んだ時点で不確実性を無視した、ともいえるのですからそれを批判すべきであり、野田政権のように合意のみに縛られた側からは、解決の糸口など探りようも無い、と云えるのでしょう。

同様の問題は、福島県の8市町村の長との会合でも露呈しています。事前に国が提示する情報が漏れ、話し合いではなく押し付けではないか? との不審から今日の意見交換会が不成立になりました。民主党政権になって、確かに情報のオープン化は進みましたが、その負の効用として、秘匿すべき情報もダダ漏れの状態となっており、それが意思決定の上にも影を落としている。政権政党として、これは致命的な問題であるのと同時に、歯止めが利かない点は大問題です。
国が決めたことを押し付けるな! これは地方分権にも関わる話です。中韓貯蔵施設を原発の事故前の実勢価格で買い取る、と申し出れば、用地買収は進むかもしれませんが、汚染源がずっと被災者の傍らに存在し続けます。それを安易に受け入れることなど不可能です。国が考えることは、損得でしかありませんが、心を失ってしまえば誰もついてきません。人を動かすのは利害ですが、震災ではそれを越えて人は動いていました。利害だけではなく、心を考えないと、いつまで経っても国は我意を通すことばかりで、信頼を失っていくことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年02月25日

橋下大阪市長の調査について

橋下大阪市長の行動が、頻繁に報じられています。その中で首を傾げたくなる論調も多く見られるので、少し考えてみます。最初に述べておきますが、個人的に橋下氏に特別な感情を抱いてはおらず、フラットに論じます。まず市職員のメールチェックやアンケート調査に、憲法19条を持ち出して異を唱える人がいます。しかし公務員法によると、政治的行為に制限がかけられています。
先に、労組側が政治活動をしていたことが明らかとなっており、これは違反ですから調査委が立ち上がり、証拠を虱潰しにあたるのは当然です。つまり私人として思想、良心が憲法で保障されていても、公務員の勤務時間中にそれをすれば公務員法で罰することが可能となります。もしこの調査が、私人として有するメアドや私人としての行動に及べば憲法19条の違反ですが、そうでないなら批判の対象にはなりません。つまり内容が公務の時間中であるか、どうかです。

しかしメール調査が非組合員であり、業務外の私的な利用の調査に拡大しており、この点は批判すべきです。つまり服務規律違反には二面性があり、政治活動をする公務員を調査することは妥当なもの、私的利用を調査することは、調査権を濫用したものとみなすべきです。ただし、そこで仮に業務上支障をきたすほど、私的利用を行っていれば、処分対象になるのが確実です。
それは職場内のチェック機能の欠如を示すものであり、それほど私的利用できる環境があること、自体を処分対象とすることが可能。この調査に異を唱えても、調査委がもつ権限でそれが明らかになった、となるためです。つまり非組合員であろうと、公務員が政治活動するのは違法ですし、その調査において私的利用が判明すれば、それは言い逃れができないということです。

大阪市の予算案も出てきましたが、収入の範囲で予算を組む、との姿勢は評価すべきでしょう。公務員給与14%削減など、短期間にしては切り込みできています。ハシズムともされますが、この速度感を失えば、独裁の意味はありません。逆にその独裁の結果、維新の会の議員の暴走が目立ってきました。河村名古屋市長も、減税日本の議員の質が疑問視され、支持を落とす結果になりましたが、政党を組むとどうしても質の担保が課題となり、強い力をもつ者であるからこそ、それに群がって利を得ようという人間も増えてきます。
維新の会が、仮に国政を戦っても30名程度しか国会に送り込めない、と小泉元首相の秘書官だった飯島氏が言っていましたが、彼は複数の国会議員が、維新の会に合流する見込みだという読みができていないようです。彼は官僚の代弁者であり、橋下氏と距離を置くのは分かりますが、民意は確実に、今選挙をすれば大量当選を示唆しています。それでも、やはり議員の質が問題です。多くの人間を集めれば集めるほど、負の効果が強まるのは当然であり、今後そうした批判が増えるのでしょう。ただ、官僚に抵抗する人間は、必ずメディアから袋叩きに遭う、という部分を差し引いて考えないと、橋下氏に対する正当な評価は下しにくい、ともいえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2012年02月24日

AIJ投資顧問が2000億円の大半を毀損

AIJ投資顧問が2000億円の年金基金の、ほとんどを消失していることが判明しました。ほとんど情報はありませんが、噂では自転車操業、つまり年金基金は利回りを確保している限り、解約が少ないモデルです。一般の預貯金や投資信託でないため、簡単に乗り換えることをしません。このため、委託企業が増え続ける限り、入ってくる資金を支払いに回すことで運用が可能です。しかしこれがネズミ講であるのは自明で、いつか破綻する日がくる、それが昨日だったのかもしれません。
しかし、年金の破綻は現在の経済危機下では必ず起きることです。公的年金の運用も4-9月期は3.1%のマイナスです。債券での運用比率が高い、年金運用独法でさえこの状況。しかも今は債券バブルであり、仮にインフレとなり、金利が上昇局面になると益々損を拡大する恐れも大きいものです。欧州でも、債券不安が起きていたとき、この年金問題が取り上げられなかったのは幸いですが、仮に損失が判明していたら、欧州各国に年金不安が拡大していたのかもしれません。

現在、急速な円安局面を迎えていますが、ヘッジファンドが買いポジションを、一気に売りへ傾けた影響と見られます。株式市場では、米系は資源関連へと舵を切った後、欧州系が引き継ぐ形で買いを入れ、堅調が続いています。恐らく今年の欧州は低成長、日本は復興需要もあり高成長、との思惑と、擬似インフレターゲットによる日銀の手法が見えず、分からないからやや円を売りポジションに預けておく、といった判断と見られることが挙げられます。相場は知ったら終い、どういう形でインフレ誘導するかが分かると、手仕舞いで円買い、株売りにはなるのでしょう。
欧州系も来週は重要イベント満載で、欧州全体に不透明感が強い。LTRO2が期待通り100兆円に達するか? EU首脳会議で融資枠拡充で合意できるか? 民間債権者との協議がまとまるか? など一つ一つクリアするべき問題があります。個人的には2勝1敗か、1勝1敗1分けと見ていますが、一つでも未達になると、ポジションを傾けすぎたものを、一部撒き戻してくるかもしれません。

金融庁が、AIJ投資顧問の問題をうけ、全国一斉の調査に乗り出します。事実が判明すると、少し大きな問題になるかもしれません。利回りを約束した長期運用の困難さは、仮に1000億円の委託で1%の利回りを約束すると、10億円のリターンを出せば済みますが、ある年10%の毀損が起こると、900億円で10億円のリターンを必要とする。原資の縮小で1.11%の利回りを確保した上で、毀損分の穴埋めまで含めて取り戻さなければいけないため、です。米国が200兆円もばら撒いて、無茶苦茶な成長を目指すのも、経済が安定的に成長し、運用利回りを約束する必要があるため、です。
恐らく、日本の市場環境を鑑みるに、運用側は相当厳しい数字が並ぶでしょう。ここ元、円安になったことで、海外運用による円安効果等、織り込みつつありますが、上昇したと云っても、まだ日経平均は10000円にも達していません。連騰を続ける2部市場も10%そこそこの上昇率です。バブルが起きつつあるので、一時的には堅調な数字をつけても、長期運用では焼け石に水です。

しかし財務省が必死に為替介入しても、まったく効果なかった為替市場が、擬似とは言えインフレターゲットでころっと円安に向かった。財務省の行動はムダだと判明し、財務省による投資運用損は、これで止められます。そして円安によって、見かけ上の運用成績の改善、利率の改善の効果が出るまでこの円安が続けば、運用側としては一息つけるのですが、嫌なタイミングになったことは間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:17|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2012年02月23日

雑感。お菓子に韓流ブーム?

民主党の前原政調会長が、定例記者会見で産経新聞を締め出す、ということを行ったようです。産経はこき下ろす記事も多いですが、それは民主全般に向いたことで、前原氏個人だけを執拗に狙ったとは思えません。逆に、この程度で締め出すとなると、心の弱さが指摘されるかもしれません。
昨日は島根県が条例で定めた「竹島の日」でしたが、韓国で目立った反応はありませんでした。今年は大統領選もあり、敵視政策もとりにくい。ナゼなら集団行動を容認すると、それがいつ政府批判へ矛先を変えるか、分からないためです。米韓FTAで失敗して以来、外に敵をつくって内を引き締める、という対策がとりにくくなっており、忘却されつつあるとはいえ静観したのでしょう。

お菓子でも韓流ブームがあると伝えられます。ただ類似品を並べられてももの珍しさしかなく、実際にそんなブームがあるかも不明。似ているなら、日本のお菓子で十分です。日本も西洋から「物まね」と揶揄されてきましたが、中韓が今している「物まね」とは質が異なります。日本は「物まね」と認め、それをより良く改善、改良することを常としてきたため、技術力が向上しました。しかし中韓は「物まね」を認めず、あくまで自分たちのオリジナリティーを主張します。
iPadの訴訟も同様ですが、河村名古屋市長の「南京虐殺がなかったのでは?」についても同じです。残念ながら、それが真実か、ウソかという冷静な検証がなく、自分たちが正しいと主張する。これは証拠を捏造してでも、黒を白と言い張る、という意味において厄介であり、一事が万事そうであるようにしか見えなくなります。つまり日本、西洋から見ると、その胡散臭さが嫌韓や嫌中につながるのであり、強い反応を示すことは、逆に虚勢としか見えない、ということにもなります。

米朝協議が行われていますが、当然今回は新体制に移行後の、互いの態度確認といった側面が強いはずです。北朝鮮は米韓軍事演習への強硬姿勢、脱北者への厳罰化など、統率に躍起となっています。ここで妥協は引き出しにくいですし、それを期待したものでもないのでしょう。
中韓は竹島でも、尖閣でも、日本からみてウソと思えることを主張します。日本では厚顔無恥、として嫌悪することが、中韓ではそうでないという意味で、この問題は根深いものです。南京市が名古屋市との交流停止を示すなど、強い態度を示すのも、それが真実であるかのように見せる、いつもの態度、としか見えない時点で、中国側としては失敗でもあるのですが、そういう認識はありません。

中国国内でも、公然とハードランディング懸念が語られるようになりました。欧州が今年、低成長に留まる見通しが示され、輸出企業に陰りが見えること。住宅価格の下落に、物価下落が追いついて来ないこと、様々な要因があります。今の勢いが衰えると、従来の虚勢の態度がどこまで続けられるのか? その転換点の見定めにもなるのでしょう。韓流がブームに終わるなら、やはりそれは虚構によって生み出されたもの、という認識が広がり易くもなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 社会

2012年02月22日

前原氏と橋下氏の密会?

円が約半年ぶりに対ドルで80円台に乗せました。しかし長期金利では1%以上の差があるドル円で、しかも実効レートが70円台にある中、単に投機筋が仕掛け的に踏み上げたと見られます。安住財務相は円高のときだけ、戦いを挑むので必ず負けます。ナゼなら円買いポジションを組み替え、円売りに傾けたとしても、またいつか円買いになれば、その積み上げたポジションが力となるからです。
一方で、政府は短期証券でその場限りのお金を調達し、対抗する。これでは抵抗も虚しい限りです。気になるのは、若干プットのポジションが積まれていることで、これは株式市場に高値警戒、上値が重くなっており、商品市場に振り向ける前触れでは? とも見られます。東証2部が27日連続上昇、こういう記念をつくるため、今日を仕掛けに使ったとすれば、米市場でもダウが13000$をつけにいったような、記念日としての節目になってしまう恐れが出てきてしまったのでしょうね。

衆院選の制度改革が、25日の期限を守れず、違法状態になることがほぼ確定しました。罰則はないので、違法でも何も起きませんが、政府はこの状態でも選挙ができると、とんでもないことを言い出しました。これは最高裁で、違法判決が出ているものであり、この状態で選挙をすれば、立法府が自ら違法なことをするという前代未聞の出来事が起こることになり、遵法精神も何もなくなります。
そんな政界で、民主党の前原氏が橋下大阪市長と密会している、と話題です。これは単純にみても、前原氏が国政での『維新の会出張所』の所長の座を目指し、暗躍しているとみることが可能です。このまま民主党に留まっていても、次期代表にはなれない。自治労との関係悪化、党内基盤の弱さ、言うだけ番長の称号と、何一つ好材料が見当たらず、唯一の頼みである仙谷氏にしても、野田氏擁立に動くなど、前原氏でなくとも威光が振るえれば良い、といった雰囲気であり、前原氏を推すことを前提としていません。それに昨年来の献金問題、よほどの高支持率を得て、内閣を運営する以外に前原氏が、安定的に政権の座につくことがままらなないほど、問題が山積みとなっています。

そこで民主党を離党してでも、維新の会と組んで多数を得る。前原グループも一部しかついて来ないかもしれない、それでも賭けるのは、先に述べたように維新の会政権であれば、高い支持率でスタートできるためです。ただ、そのために維新の会の政策を丸呑みするとなると、政治姿勢が根本から変わる可能性があります。それでも番長は我田引水で、たとえ民主党を壊すことになっても、自ら飛び出す決断を下すかもしれない。逆に、それだけ追い詰められたと見ています。
国民新党が、消費税増税は民主党執行部の暴走、3月までに法案提出すべきではない、と述べたテレビで、たまたま居合わせた前原氏の仏頂面が、今回の顛末をよく表します。前原氏は政調会長なので、消費税増税の本論に関与する側にいて、一方で連立与党や党内ですらまとめ切れない。言っても誰も従ってくれない、番長から威張り(番町皿屋敷)です。政策が近いとされますが、橋下氏が前原氏とタッグを組んで、国政の場を任せるのか? 何枚足りないのか分かりませんが、前原氏には皿ではなく、格が足りないのであり、それを露見しつつある現在、もしかしたら民主党を離党しても誰もついて来ない、ということもあり得るのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年02月21日

EU財務相会合でギリシャ第2次支援決まる。

マツダが公募増資1000億円と、劣後ローン700億円の資本増強を発表しました。ただ、財務基盤を強化する姿勢は分かっても、事業の戦略性はよく見えず、首を傾げる部分もあります。自動車株はここ元、株高基調にありますが、欧州問題の先行き次第では業績に不透明感があります。

そのEU財務相会合で、ギリシャ支援が決定しました。第2次支援として1300億ユーロ、金融機関は53.5%の元本削減。これで2020年までにGDP比120.5%まで債務を削減する。しかしマイナス成長と構造改革の遅れで、当初の予想より9%悪化しており、その調整に会議が長引いたように、1次支援の1100億ユーロはほぼ捨てた形になっているので、各国とも厳しい条件をギリシャ政府に課しました。
国庫から分離勘定とする融資返済枠の創設。これにより、財政の決定権を一部ギリシャから奪った形です。その代わり、ECBの利益分配による融資金利引き下げ、各国中銀も利益供与を行う、民間債権者も当初50%とされた元本削減を53.5%に高めるなど、日本で云えば三方一両損の形です。ただ少し異なるのは、誰も得をする人間はおらず、大岡裁きでメデタシ、メデタシとはならないこと、です。まずギリシャは国内で2ヶ月以内に、分離勘定を法制化する必要があります。2ヶ月後、ギリシャは連立政権誕生時に選挙を約束しており、法制化が無事に通るかは国内事情によります。

次に民間債権者は、70億ユーロを損失として新たに積み上げる必要を生じました。来週、1兆ユーロが本当にECBから拠出されれば、その程度は軽いと見えますが、LTROの仕組みだと自己資本にならないので、この損は痛いところです。そしてECB、各国中銀は元本割れしたギリシャ国債を、ほぼ無担保でもち続けるという枷が嵌められた。ECBがこれだけ流動性の拠出に傾いているのも、欧州で膠着しそうな資金を上澄みだけでも動かす、といった決意でもあるとみられます。
しかし残念ながら、ギリシャのマイナス成長は目に見えています。歴史的建造物が暴徒に砕かれても、補修に回す予算が出せない。観光が主要な産業であるギリシャで、街並みにシャッター通り、朽ちかけた空家、などがあるとそれだけで打撃です。若者がドイツに出稼ぎに行くことも、国内消費のパイを減らす。雇用がまったく機能しないのに、国は緊縮財政で更に経済が縮小していまうのです。

大岡裁きとして、五貫裁きというものがあります。悪徳金貸しに、毎日一文ずつ返し、それを金貸しが奉行所まで毎日報告に行く、という内容です。しかしその手間に悲鳴を上げた悪徳金貸しは、逆にお金を払って示談にした。講談では、本当にお金を借りてはいませんが、今回の件はまさにお金を借りたギリシャが返済をするのに、貸した側が一々手間をかけねばならない、というものです。
しかも大岡裁きにある、我が子と云って手を引っ張り合い、最後まで手を放さなかった側は真の親ではない、として糾弾された話もあります。最後までギリシャの手を離さず、面倒をみる気なのか? もしくはパッと手を離してしまう国が現れるのか? 今後も欧州で続く政変との兼ね合いでみても、まだまだ欧州が一件落着、と安堵している状態ではないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 欧州

2012年02月20日

イランによるイスラエルへ挑発

広島県光市で起きた母子殺人事件で、最高裁が死刑判決を下しました。死刑判決では異例の、裁判官による全員一致でなかったことが話題です。ただ18歳当時、それ未満の年齢かどうか、判断する術はない、とする裁判長の意見はその通りで、仮に事件後に行われる精神鑑定は、すべて事件という特異な体験を経た後であり、事件以前の精神を推定することはほぼ不可能だといえます。
だからこそ、事実を客観的に見つめた判断が必要ですが、惜しむらくは弁護団が交代したことで戦略が変わり、真実がまったく見えなくなったことです。諸見解をまとめると、被告は相手の期待に応え、意見や態度を変える傾向があるようです。こうした人物は素直、無邪気と評価されたりもしますが、一方で軸がないため事件を起こす傾向も捨てきれません。悪い奴相手には悪ぶってみせ、いい人間にはそう振舞う。更生の可能性も、更生したように見えて、その実そうではないといったことも十分起こり得たのであり、可能性だけなら再犯の確率の方が高かったのでしょう。

イラン問題が緊迫しています。イランが英仏系企業への原油輸出を禁止し、スエズ運河を通ってシリアに艦船を送りました。新型遠心分離器の開発で、IAEA調査団がイラン入りしますが、進展はないとみられます。イランはシリアと結び、米、イスラエルへの挑発的行為に及んでいるのも、アラブの春以降続く政変において、イスラエルに先に撃たせることにより、イスラム勢力の結集を狙っているのではないか? そう思わせるほどの強硬な態度が続いています。
さらにシリアの反政府勢力が、一部で過激派と手を結んだとの情報もあり、アサド政権への批判を強める国際的な力も、若干の戦略変更が見込まれます。アサド政権を倒した後、アル・カイーダ系の政府が誕生しては、イスラエルも安泰ではいられません。イランがどう転んでもシリアと良好な関係を保ちたいなら、アサド政権への支援と反政府組織への協力、二面作戦をとっているはずです。

イスラエルが先に撃てば、米国の介入が難しくなります。米国が動くとホルムズ海峡封鎖に正当性を与える。またアラブ圏で反米感情も高まるでしょう。そうなればイランが反米の盟主となり、かつてのイスラム原理主義の輸出と同様、イランが輝ける。国内基盤が盤石でないアハマディネジャド政権にとって、対米強硬姿勢は外に敵をつくる、唯一の国内対策ともなっているのでしょう。
今は流動性相場ですから、原油市場が心配なところです。イスラエルが先制攻撃をすれば、1バレル200$近くまではいく可能性があります。そして米軍がこのタイミングで動くと、米韓軍事演習に強い反応を示す北朝鮮も、動いてくる可能性があります。北朝鮮も政権移行期で、成果を求めています。二正面作戦を下ろした米国にとって、有事が重なることが最大の不安です。それは軍事力というより、経済的な部分で、負担拡大を意識されることが嫌気されるのでしょう。
本格的な戦闘までは行かずとも、反米国がそろって米国からポイントを稼ごうとしている。それが現状です。中東と北朝鮮が、仮に連動して有事を起こしたときの備えは、しっかりしておかないと日本はただ右往左往して、資金の拠出だけ求められたり、自衛隊の立ち位置でもめたり、といったことが起こってしまいます。原油からガス、といったエネルギー政策とともに、頭には入れておかなければいけないことなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:08|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 中東 | アメリカ

2012年02月19日

雑感、選挙は今年ないのか?

共同通信の世論調査で、内閣支持率が30%を割りました。各メディアの世論調査は、どうしても色がついていると見られがちですが、共同通信のものは政治家も重視するとされます。例えば日経の調査で、消費増税に59%が賛成、政府案に反対は49%であることに対し、説明不足との言葉が添えられ、あたかも説明すれば何とかなる…と想像させることも作為的なものです。説明は必要なことですが、それは手順の一つであり、単に歳出増の要因を並べても意味がない、とさえ云えます。歳出、歳入の一体改革ではないため、それに従って説明されても、賛成は増えないとさえ云えます。

与野党で、年内の選挙に消極的な発言が目立ってきました。選挙制度改革における、連用制の適用に異論が噴出。小選挙区で議席を獲得すると比例票が無効になれば、それこそ死に票を生むことになる。一見すると正論ですが、ではナゼ一人で小選挙と比例の二票を投じるのか? という根本から考えると、そもそも比例があるのがおかしい、という極論に行き着きます。小選挙区制を導入する際の、小政党救済のため、この考えに立つと連用制も活用できます。ただし、これを中選挙区制に戻すなら比例は不要になり、その分コストダウンできることは云うまでもありません。
中選挙区制になると、劇的な政権交代が起きにくくなる一方、小政党乱立になるとの意見もありますが、比例に連用制を取り入れても同様ですから、ここはコストで考えるべきなのでしょう。しかし、この比例の立ち位置を巡って自公にすきま風が吹いており、これが野党の腰引けにつながっています。自民は連用制には否定的、これに公明が激怒し、選挙協力を打ち切る方針を示した、とさえ伝わります。民主は比例80議席減を提案していますが、これを公明との妥協点とするのではないか? 自民の小選挙0増5減、比例30削減に対抗し、連用制の適用で民主は公明に接近するかもしれません。

共同通信の世論調査では、橋下維新に期待が61.2%、一方で石原新党に期待は25.6%。新党旋風にもなっていません。石原新党は明らかに古い政治家の集まりなので、清新さがないと評価され、仕方ない面があります。ただ、橋下維新の船中八策にも国民は懐疑的である点が伺えます。顔ぶれをみないと分かりませんが、橋下維新の議席数は、それほど多くならない可能性もあり、例え石原新党と組んだとすれば、議席は単独で選挙を戦うより、更に減る恐れが強まるのでしょう。これは寄合い所帯への嫌悪であり、保守というだけで集まっても意味がない、ということでもあります。
選挙戦が盛り上がらない、最大の原因は自民の支持率が停滞しているため、です。自民がとるべき最良の選択は「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」でした。官僚との関係を断ち切り、新たな日本像を提案する。今は政権政党にもどったとき、官僚と再び仲良くしよう、という思惑しか伺えない。これは谷垣氏が、財務族だったこととも関係しているのでしょう。だとすれば、自民も秋には総裁選で谷垣氏は交代させられるのでしょう。
今年、総選挙がないとすれば、来年の今頃はまったく違う顔で、民主、自民ともに党首討論をしているのかもしれません。経済的には、緩和競争を続ける間は堅調とみられること、そうした油断が、現行の党首にとっては辛いことになるかもしれず、いずれにしろ一党で過半数を収める政党はなさそうだ、という現状の流れは継続するのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年02月18日

経済の話。世界における金融緩和競争

世界の市場が大幅高に沸いています。ギリシャ支援が20日のEU財務相会合で進展する、との期待があること。及び世界でもっとも緩和に後ろ向きだった日銀が、緩和方向に舵を切ったことで、歯止めなき緩和競争に陥る、という思惑が働きました。つまりバブルを皆で共有しよう。円買い持ちのポジションを下げ、米国の指標改善で米国のみに流れていた資金が動き始めました。
これには二つの要因があると見られ、米国でMMFにより投資家が損をした場合、補填することを政府が検討していること。これにより米国の資金が、海外に流れ始めた。今日になり、中国が預金準備率を0.5%下げ、20.5%にすると発表されましたが、世界が緩和競争に向かっている。これに、米国政府は『緩和負け』しないよう、QE3を実施する確率が高まったとの思惑も、米国にはあります。

米一国だけだと上昇余地が限られます。しかし世界が緩和競争になれば、資金を世界に振り向け、上昇している相場にかければ収益機会が上がります。様々な条件が2月中旬に整った、と云えるのでしょう。米系が堰を切って資金を流し、青息吐息だった欧州系もバブルに沸けば、窮地を逃れられる。バブルの好循環を狙っての資金が、円を売る円キャリーの話も出てくるキッカケです。
この市場に弱点はないのか? これはバブルなので、正直に云えば急騰した後、急落を準備していると云えます。FRBがQE1、QE2合わせて200兆円、ECBが2月末にLTROの第二弾を打てば100兆円、日銀は65兆円を拠出した。悪いことを云えば、日本という国がもう一つ出来たぐらいのお金が、この数年で各国の中央銀行によってばら撒かれました。もうそれを正常に戻すことはできないでしょう。

次に景気低迷に向かうと、中銀への不審が強まり、一気にインフレ、通貨安に陥る懸念は常につきまといます。しかし逆に、そうならないよう流動性を続けねばならない、ということでもあります。米系の格付け機関が、ここぞとばかり各国国債、金融機関の格下げを連発していますが、危機のときは怖くてできなかったものを、ここで一気に適正水準まで引き下げてしまおう、という動きです。これらも、次に危機に陥ったときには改めて意識される恐れがあり、それらも警戒が必要です。
しかし、先に示したようにこれはバブルなので、その間はついていく、という考えが正しいのでしょう。しかしこのバブルが終焉すれば、世界に危機が訪れる。今回の緩和競争は単に時間稼ぎをした、というに過ぎないので、その間に適正なポジションを見つけておかないと、世界全体が破綻懸念に陥るのでしょう。恐慌を防ぐため、恐慌のリスクを各国が負った。その豪放を日銀が鳴らした、ということでもあります。バブルは長期で先を読むことを難しくしますが、急落の兆しを見逃さないようにしないといけない、ということでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2012年02月17日

陸山会事件の供述調書は多くが不採用

陸山会事件で、東京地裁は元秘書の供述調書を任意性、特信性がないとして次々却下しました。重要な点は、石川議員の秘書をいきなり呼び出し、一日身柄を拘束して違う事件についても厳しく取り調べるなど、精神的に追い詰めるなど検察側に『組織的な圧力があった』ことを認めた点です。
この事件の大きな転機は、録音データがあったこと。これによって検察の手法が詳らかとなり、結果的に検察が追い込まれた。担当検事は、捜査報告書にウソを記載した容疑で、有印公文書偽造として市民団体から提訴されています。単純にみれば、裁判所が検察の不祥事に付き合って、自分たちまで信用を失ってはならない、という法曹界のブレーキが今回の強い検察批判につながったとみています。仮に公文書偽造が認められると、この検事がとった供述は全て任意性、特信性がないとして、公判の証拠採用が難しくなるのであり、予防線としても証拠採用が難しかったのでしょう。

指定弁護士が苦しい立場になったことは否めません。それでも10%ぐらいは『推認』で有罪、となる可能性はありますが、問題は90%の無罪判決が出た後の動向でしょう。控訴審で、供述調書が証拠採用される可能性もないことはありませんが、証拠が供述に頼る以上は不利が明白です。控訴するのか? その前に検察審査会の判断から、見直されるべきなのか? 検察審査会の重要な判断材料が、虚偽であると判明しているので、判決もそうした項目を含むと見られます。そうなると地裁で終結になり、小沢氏は晴れて無実という看板をかけて、政局に挑める形になるのです。
政府は社会保障と税の一体改革の大綱を閣議決定しました。内容はいずれの機会に回しますが、野田首相がネットやテレビに出て、説明しています。しかし分かり易くて、分かり難い。語っていることは平易で、誰でも理解できますが、内容を語らず大変だ、今の世代の責任だというばかりで、悪い言葉を使えば、バカを相手にして喋っているとしか思われないほどです。もっと具体的に、例えばパネルを使い、数字を駆使する、といった工夫もないため、まったくこちらに伝わってきません。

内閣支持率が30%を切ってきました。4月には10%台になることが確実であり、誰が計ったのか、運命の歯車はその頃に小沢氏が復権するタイミングと重なってきます。そして一体改革には、力ない野田氏が小沢氏、鳩山氏を説得するという形になる。自民党も、党内の説得に野党の力を使うな、と突っぱねており、野田氏は最高権力者であるにも関わらず、四面楚歌の状態となってしまうのでしょう。
今回の裁判所の判断は、今後の検察の態度にも関わってきます。今は調書に署名する場面のみ、記録に残して「ほら、任意性があるでしょ?」という材料にしています。しかし取り調べ全体が可視化されないと、経緯が分からないことが明白であり、組織的な圧力が認められた今回、更なる取り調べ改革が必要となってきます。そして被疑者に対し、身体検査をするよう、内規が変わる恐れもある。これは現在、よほどのことがない限り認められていませんが、凶器ではなく、録音機を探すための身体検査が横行するかもしれません。重大な判断が、政治に対しても、検察に対しても下されたという意味では、画期的なものになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:01|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 司法 | 政治

2012年02月16日

マイナンバー制度の導入について

昨日、中国家電大手Hiarが、パナソニックから事業譲渡を受けた三洋電機の「AQUA」ブランドとの併用で、日本市場で500億円の売上を目指す、と発表しました。海外メーカーが、日本に魅力を感じるのは円高で、物価が高いからです。昨日、英研究機関EIUが都市生活費ランキングを発表し、東京は昨年1位から2位に転落したとはいえ、高い水準を示しました。デフレと云ってみたところで、日本の物価はかなり高水準であり、売れば利ざやが稼げます。Amazonも米国で200$で売られているKindleを、ニホンでは2万円程度で売る、とされており、海外で売るより日本で売る方が収益率が高いのです。日本市場を軽視する日本の製造メーカーもありますが、経済のパイは膨らまないので数量効果は得られなくても、この高収益率の市場で、みすみすシェアを奪われることは、致命的と云えるのでしょう。

一昨日、マイナンバー制度の導入を政府が閣議決定しました。これは基本的に行政コストを効率化し、抜けをなくすものですから有益、と指摘できます。ただし、政治の世界では順序が大事であり、手順を間違えると良い制度が一変して悪法になります。マイナンバー制度を導入する前に、まずやらなければいけないことは、財務省を歳入庁、歳出庁に別け、歳入庁に年金などのすべての国庫に入るお金を管理する権能をもたせること、です。
うがった見方をすれば、先にマイナンバー制度により、すべての番号で統一、一元管理されても管理する側は日本年金機構だったり、地方だったり、国税庁、財務省、経産省…様々な省庁で活用できる形になる。そうなると仮に漏えいしても、責任の所在が曖昧にできる、という意図をもっているのかもしれません。年金の記録確認が、発注事業になっているなど、国の管理体制は基本的に甘く、統一的な番号が悪用された場合に、歯止めが利きにくくなっています。これが歳入庁として、一元管理できていれば責任は歳入庁長官に帰せられます。

このマイナンバー制度に、国民も安易に賛成してはいけません。逆に云えば、財務省の解体が先、という強い意志をもって、この制度の導入をみていかなければいけないのでしょう。そうなれば行政コストが削減され、それこそ公務員人件費の削減に寄与できるのです。逆に、それがないと省庁のHPに高額の経費を払っていたように、システム、データの管理に莫大な予算がかかり、逆にコストが割高になってしまう恐れがある。少なくとも、幾つもの省庁、機関がそれを活用できるようだと、その懸念がより強まってしまうとさえ云えます。
例え見かけが良く見える制度でも、中身を確認しなければ悪法になる。それこそ、このタイミングでわざわざ長期的な視点で、改革が必要なことを前倒しで閣議決定したことは、マイナンバー制度を悪用するか、つぶしたいという意志すら感じられます。前者は経産省が、後者はこれまでのずさんな管理が、さらに露呈することになる年金機構だったり、ということになるのかもしれません。

これは余談ですが、マイナンバー制度は国民に番号をつけるものですが、実験的に公務員にマイナンバーをつけて、一元的に管理してみると制度の不備、不具合も確認できます。過去の業務履歴、所属官庁、出向の来歴、それをデータ化し、国会で活用してみる。そうすればよりよい制度ができる、と云えるでしょう。そんなことをされては困る、と官僚が云うなら、そんな制度は止めた方がいい。これは政令でもできることなので、そうした実験をしてみるということも大事なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 22:51|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 行政 | 一般

2012年02月15日

習近平中国副主席の訪米

今日の日経平均は大幅高を演じました。昨日の日銀の決定で、米系ヘッジファンドが「ようこそ、流動性相場へ」と歓迎し、買いを入れたものと見られます。200日線を突破するなど、短期でも好材料が重なり、踏み上げを狙った形です。キーワードは「通貨が安くなる国は買い」。擬似インフレターゲットにより、通貨の価値が下がり、見た目の市場価値は底上げされるので、それをヘッジファンドが狙って短期の資金をつぎ込んできた。リスクオンになるまで踏み上げるつもりなのでしょう。
ただ昨日も指摘したように、日銀の手法が見えない。本当に「目処」を達成できるかは分からない、ということなので、この資金が単なるイベントドリブンの、いつもの資金だけで終わる可能性もあります。ユーロ圏の10-12月期実質GDPが前期比0.3%減、通年では前年比1.5%増を保ちましたが、欧州債務不安でリセッションが見えているだけに、リスクオフの継続度合いにも関わってきます。

中国の習近平国家副主席が訪米し、オバマ大統領と会談しました。米国は格下の副主席相手でも『会談』という形とし、その代わり厳しい意見をぶつける、ということで事務方の調整ができていたのでしょう。中国側としては、習副主席の外交デビューを無難にこなすためには、忍の一字…というより、大きな度量で受け流す方針であり、主席でない分それを聞いた、ということだと推測されます。
米国は中国人の国籍取得を簡便化する代わりに、投資を促す施策をとり、それが効果的に機能しているようです。米国はすでにバブル的な状況ですが、中国系マネーがその一端を担っている。一方で、中国の地方政府傘下の投資会社が、昨年9月末時点で112兆円の債務を抱え、貸し手の商業銀行が担保を65%しか設定できていない、と中国銀行業監督管理委員会が認めたようです。しかも37兆円程度を、他法人に移すなどしており、債務の総額が見えにくくなってきた。また08年の景気対策で多くの資金を使ったため、3年の短期債が多く、借換えの延長や返済猶予などが今後増えそうです。

中国の懸念は、欧州不安が直撃していることです。これでハード面が封じられ、流動性相場になっても今以上に不良債権が膨らむため、ソフト面も期待できません。金融緩和が期待されていますが、金利を下げればお金が借り易く…という単純な循環は、現代ではもう通用しない、と云って良いでしょう。つまり過剰流動性の状態にある世界で、規制のヒモを緩めると爆騰と急落の宿命を背負います。中国は今、急落の局面にあり、そこで緩和すると不良債権化する、という形になるのです。
米国は安全、として中国人が大挙して米国籍取得に動いている。しかしその流れが止まったら? 米国は新たに投資してくれる先を探し始めます。それが見つからなければ終わり、米国はリセッションを始めることでしょう。これは現状の、米小売の堅調さも表す話です。つまり移住により、中国人米国で暮らす上で足りないものを買う。これが現状の米経済です。お金が逃げていく国…中国と、お金を受け入れたい国…米国と。今回の米中対話にみられる態度と、実はま逆の展開が経済面では演じられているのであり、それを理解した上で、対話の内容をみると、より意味深くなるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | アジア

2012年02月14日

日銀の政策と、政府の東電処理

日銀金融政策決定会合で、資産買入れ基金の購入枠を55兆円から65兆円に増額し、物価上昇率を「中長期的な物価安定の目処」として、当面1%を目標とすることを発表しました。日銀はマネーストックを昨年の第4Q辺りから増やしており、それを追認する形で公表する。FRBも異例の「14年まで超緩和」を発表していますが、それに沿う形で、政策を合わせて円安を促す、これは誘導策でもあります。
昨日、2011年の実質GDPが506兆8333億円、前年比0.9%減と発表されました。同時に10-12月期のGDPデフレーターが発表され、前年同期比-1.6%と、比較的大きな下落を示したことも後押ししたのでしょう。政策としてはすでに超緩和状態で打つ手が限られるため、それこそ紙幣を刷りまくるぐらいしかありません。個人的には、超低金利によりお金が硬直化し、貯金が増える悪い循環にあるため、デフレが続くと推測していますが、すでに流動性供給策に陥っている以上、金利をあげることはほぼムリです。どんな手が残されているか、それは為替の動向とともに注目なのでしょう。

東電の資本注入に関し、枝野経産相が1兆円規模の、議決権のある資本を注入して実質国有化する方針を示しましたが、藤村官房長官が否定するなど、政権内でも揺れています。これは形を変えた、経産省と財務省の戦いであり、東電という材料をどちらが利権として引くか、の違いだけです。
経産省としては、東電が抱えていた利権を切り離し、経産省に組み入れたい。東電が抱える子会社へ経産省の天下りを送りこむ。東電の役員にも、監視の名の下に経産省が人を送り込めれば万々歳です。これは猪瀬東京都副知事が明らかにしたように、東電は一つの省庁より強力な、権力体制を有してきたのであり、発送電分離も経産省内では電力会社を弱体化させる一つの策、でもあったのです。

財務省は、むしろ筆頭株主となることで、経営としての責任が増え、廃炉費用などが嵩むことを懸念している。野田政権は財務省寄りでもあるので、枝野経産相に率先して国有化を語らせることで、世論誘導を計った。それが今の形です。枝野氏がりそな型の資金注入を基本…と述べていることでもわかりますが、経産省は預金保険機構をつかった当時の財務省のやり方と同じにする、と財務省にケンカを売っています。しかし重要なインフラを担っているとは云え、預金保険法という強い権限で守られた金融機関と、一私企業を救済するのとでは、意味もまったく異なるのです。
一度でも破綻させれば、影響が大きい金融機関は法律で守られてきました。今回の事故で急につくられた、東電支援とは重さが違うのです。そもそもナゼ破綻処理によって、そこで公的資金注入という、JASの形がとれないのか? この差をよく考えなければなりません。東電社長が、値上げを「権利」と述べましたが、まさに国も『利権』をさぐって、人のフトコロに手を突っ込もうとしているのみです。破綻処理をした上で、公的資金を注入するなら、これほど楽な話もないのですが、そうすると利権のパイが小さくなってしまう。この話は、そういう次元でしか今は検討されていない、という意味で非常に由々しきものとなってしまっているのでしょうね。




analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2012年02月13日

維新の会の船中八策

ギリシャがEU、ECB、IMFのトロイカから提示された条件を、国会で承認しました。EUなどは政党にこの条件を履行するよう、署名を求める方向ですが、署名した政党が過半数をとるとは限りません。4月の選挙で、ギリシャ国民は財政を自分たちで決められない、その権利を手放してでもユーロ圏に残るか? それともユーロ圏を離脱し、デフォルトして出直すか? 二者択一を迫られます。選挙ですから、国民が後者を選択した場合は、署名など何の意味も、価値もなくなります。

日本でも年内に選挙が予想されます。そこで大きな注目を集める維新の会が、船中八策について説明しました。年金は積立、掛捨て並存を主張しますが、これはやや厳しいとみます。積立方式ではあるものの、資産ができたら放棄させる。これは財産権の問題と思い切りぶつかります。民間の保険会社が、年金保険の支払いを拒んだら、裁判でまず確実に負けます。賦課方式であれば、条件をつけて支払いを拒んだとて、全員に払う必要は元々ないものです。しかも積立方式に切り替えると、これまでの800兆円の不足をどう補うか? それについての検討も必要となってきます。賦課方式なら、例えば退職金を二度、1千万円以上もらったら支払い停止、としても法的には通ると考えます。
同じ社会保障では、ベーシック・インカムも取り上げています。これは国民一人あたり、数万円を無条件で渡してしまう制度です。財政が貧窮しそうですが、社会保障全体を見直し、生活保護などをなくすことで可能、との試算もある制度です。ただ住民税、社会保障費などをそこから捻出すると、取り損なうことはなくなりますが、今の生活保護受給者の手元にいくお金は、確実に減ります。そのときの手当も含めて、考えていくべきものですから、制度設計は慎重に行う必要があります。

参院を廃止し、首長兼務の機関を新設としますが、逆にそんな機関なら不要です。首長とて政党の公認、支援を受けています。悪いことを云えば、力のある政党が国、地方とも多数を占めれば、それがただの追認機関となってしまう。首長会でも、中立的な意見が支配的でない現状で、そんな中途半端な組織ができるなら、ない方がマシですし、つくるなら決算の監視など、実務的な部分をより強調した、政党色を廃した組織作りをするべきです。元々、参院に政党色はなかったのですから。
首相公選制も、新たなねじれの構図をつくります。橋下氏は市民に択ばれたこと、を力にしますが、議員もそれは同じです。問題はどちらに正当性があり、どちらを市民が支持するか? その差でしかないのです。それが国民生活全般に係わるものだと、特に現状では官僚がメディアと結びつき、こちらの制度が良いと世論誘導を始めるため、本当に国民が正しい選択をできるかは不明です。

この船中八策は、国民が単純に評価するのも難しいほどで、ケムに巻いたというのが実体です。例えばTPPの参加でも、銃製造会社が銃規制をするのはおかしいと訴え、裁判に日本が負ければ日本国民も拳銃をもてる社会が到来します。これは極論ですが、バラ色の未来だけが待っているわけではない。痛みを正しく認識できずこの策に乗ると、船酔いするかもしれない、というほどの策です。大船に乗った気ではいられない、小舟で荒波をどう漕ぐかを注意深くみなければいけない、という意味では、仮にこの公約を選挙に掲げて戦っても、多数に至るかは微妙、なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:10|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 地方

2012年02月12日

雑感。野田首相の行脚?

沖縄宜野湾市長選は、現職の伊波氏を破って前県議で自民・公明・改革推薦の佐喜真氏が当選しました。両氏とも、微妙な違いはあれど普天間基地の移設を訴えており、そうなると争点がぼやけ、投票率が上がらなかった。共産以外の既成政党がのった、支持母体の多い方が勝った、というだけです。これを梃子に…と云ってみたところで、宜野湾市は早くどいてくれ、という側です。沖縄防衛局長の講話問題もありましたが、民意として沖縄県外に基地を移す、ということに変わりないのでしょう。

野田政権で『社会保障と税の一体改革』に名を借りた、増税お願い行脚が始まりました。社会保障の側は、まだ改革の概要すら見えていない段階で、今できることは増税しかありません。そんな中、野田首相は千葉県柏市という、地域包括ケアシステムを実践する場所を訪問しています。
新規に分譲されたり、入居募集が一時期に集中していたりすると、その地域は総じて高齢化率が上がっていきます。日本では住み替えが一般的ではなく、住民が流動しないためですが、一箇所に高齢者が集まっている状況なら、そこに集中的に高齢者対策を施す。ただこれが出来る地域は、あまり多くないと云えます。それはその地域が、飛び地のように分散していたり、その地域以外に暮らす住民をどうケアするか、そういった細かい部分で地域ごと、自治体ごとに差を生じてしまうためです。

問題は、以前から私も提唱している高齢者用のシェアハウスにしろ、自由意思で暮らすことが認められている国で、どう一つの地域、住居に高齢者をまとめていくか、です。そこに説明があり、説得があり、どう納得をえていくのか? そしてそれはお金をかけて成し遂げることでもありません。地域ごとに違う状況、体制を国ごとでどうまとめていくか、を検討しなければならないのです。
政治は、時に成功事例ばかりを追いかけます。その方がアピールし易いからですが、本来は失敗から学ばなければいけない。その意味で、野田氏がうまくいっている地域から、行脚を始めたのは単に体裁を取り繕っただけ。実務的ではありません。これが野田政権の致命的な欠陥です。

野田政権には実績がありません。訴えるべき施策はないにも関わらず、他人の褌で相撲を取ろうとするので、鼻白んで見られます。野田政権は一年という短期で成果を出さなければ、生き残れない政権であるにも関わらず、TPP、消費税増税と長期政権でなければ達成できないことを命題としているため、それ以外の項目は他人に頼るしかない。だからこの政権は脆弱にならざるを得ないのです。
最近、少し気になるのが、インタビューで消費税増税に賛成を唱えるのが高齢者だったり、学習塾に通って高学歴をめざす子供だったり、税金を当て込んで生活しよう、と考えている側ではないか? との懸念があることです。それも国民ですから、文句をいう筋合いでもありませんが、そうしたインタビューを流しても平気でいるのは、やはりメディア側の問題ということでもあるのでしょう。野田氏が見かけの成果を訴えるように、メディアも消費税増税によって潤う層と、深いつながりがあるのであり、見かけだけでも賛成の意志を示している、そう見せたいということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年02月11日

雑感。日本経済の向かう先

ギリシャがEU、IMFからの1300億ユーロ支援を受ける条件を閣議決定しました。ただ、連立与党の一角が連立を離脱、閣僚の辞任も続いています。それでも連立与党は3分の2の議席を占めますが、12日期限まで予断を許しません。造反が増えると議会で否決され、欧州は大混乱に陥ります。一部で、ギリシャ破綻を市場は織り込んだとの話もありますが、とんでもないことなのでしょう。ギリシャがユーロ圏離脱、デフォルトになれば鬼が出るか蛇が出るか、相当のインパクトがあります。

私は日本経済に、悲観する気持ちはまったくありません。『日本化』の先頭をはしる日本は、低成長で安定的です。ただ企業動向はやや異なります。企業の評価は『成長』によっと測られる、欧米式の価値基準を設けています。このため成長を取り込もうと、高成長国に資産移転をし、また輸出して外貨を稼ぎます。これまでは新興国の成長が、これからは欧米の流動性供給が、見かけの成長を演出する。しかしワルラスの限界革命を持ち出すまでもなく、新興国も成長が止まり、流動性供給もいずれ限界が来ます。そこで恐慌入りとなり、企業は淘汰、消滅が増えることになるでしょう。
しかし日本は、低成長で安定的な時代を経験しています。それは江戸時代です。参勤交代という壮大なムダ事業も、宿場ごとに人足を調達して体裁を取り繕っていたように、大名から一般への雇用創出、という面をもっていました。耳かき屋、髪の毛を集める家、武家では自分の庭の土を売って金に変えたり、武家は大きな庭で金魚を買い、それを売って生計を立てるなど、個人の小遣い稼ぎが盛んでした。企業が頼りなくなり、これからはそうした工夫をして稼ぐ形が一般的になると考えます。

しかしこうした個人で副業する形は、国としての成長にはほとんど寄与しません。次に物が足りなくなり、需要が喚起されるまでの一時期、こうした低位安定が続くのでしょう。恐らく、流動性の向かう先が低成長の日本ではない代わりに、成長を目指そうとする国はバブルと、その崩壊をくり返す。それが米中であり、今はまだ好調でも、いずれ破綻を迎えます。増やすことを求め、せっせと財政を使ってでも企業誘致などを進めますが、そこに限界を迎えると、一気に凋落する形になる。それは今、安全とされる米国債の暴落、という形も起きるのではないか? と推測しています。
日本では確実に企業淘汰が起きてしまいます。それはGDPで500兆円の国が、400兆円、300兆円へと縮退する中で起きることだと理解しています。それを逃れて海外に移っても、その国の変動要因に晒されるだけで、その度右往左往することになるのでしょう。企業は、成長しないと大変、と政府を煽りますが、今のように見かけの成長に頼るのなら、それはムリして背伸びするようなもので、いずれムリした分縮まなければなりません。それに気づいたときが、恐慌入りを意識するときです。

欧米が200兆円に迫る規模で、見かけの成長を生み出した現在、こういう話をしても説得力がないかもしれませんが、ECB、FRBは歴史的にも異様なバランスシートの拡大をしてきました。いずれ、その歪みが破裂することは目に見えており、その間に経済が落ち着かない限り、その波は確実に世界へと波及します。恐らく、新興国へ移転をすすめる企業は先に淘汰されるでしょう。低成長で安定的に、ゆっくりと縮小均衡を目指す、それが『日本化』の行き着く先ということなのでしょうね。

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2012年02月10日

民主党による年金試算

復興庁の発足に伴い、野田首相が記者会見しました。ワンストップ、縦割りの調整と並べますが、もし復興庁が調整役であるなら、まず上手くいかないと云えます。復興に関する限り、ここに絶対の命令権をもたせることが機能させる唯一の道です。逆に云えば、調整に時間をかけていると、復興に遅れを生じてしまいます。ただ、がれき処理に関しては地方自治体にお願いする必要があります。そこに調整は必要ですが、この問題は『安全』とされるがれきを、国がどうチェックできるか? という問題でもあり、そこは放射性物質の全点チェックをしない以上、お願いもできないところなのでしょう。

民主党の年金財政試算が発表されました。2075年に消費税で7.1%が増税となる、とのことですが、野田氏はこの試算の存在を「まったく知らなかった」と述べています。しかし厚労省の計算機を、民主党がタダで使えたわけではないはずで、これは党で了承された話だったはず。つまり11年3月に試算したのですから、これは当時の幹事長だった岡田副首相も了承していた話のはずです。逆に、もしこれを党で了承せず、一部の議員が勝手に厚労省の計算機を使っていたら、それは公共機関の設備をただで使わせた、という意味で厚労省側に瑕疵があることにもなりそうです。
平均年収260万円の人には、月7万円の最低保証年金を支給し、平均年収が690万円を超えると最低保証年金はない。言葉を変えれば、これは低所得者向け加算金という位置づけです。現状、年金の加入年数を10年でも、支払うかどうかの検討も始まっていますが、年金は賦課方式であり、積立でないことは明白です。つまりこれを財産権として認めるなら、例え一ヶ月であっても、それを支払う必要が生じるということであり、加入年数に達するということは、権利を買うということです。

財産権を外すと、実は色々と支給に制限をかけることが可能です。例えば、公務員として退職金を1千万円以上得た後、独法、財法で再び退職金を得たら年金は支給しない、と法律で決めることもできます。つまりそれを権利放棄、とみなすわけです。条件のつけ方は様々ありますが、40前後まで勤めて独法に移るのは、天下りとして年金の権利を放棄させれば、支払いは減ります。公務員は共済年金であり、一般人が加入する国民年金、厚生年金とは異なりますが、いずれ一体化の議論がありますから、加算に関する討議とともに天下り根絶に向けた、働きかけが年金からもできるのです。
最低保証年金は、高齢者の生活保護費対策の側面もありますから、これは年金という枠にとらわれない議論も必要です。100年安心プランで年金財源に国庫から2分の1が支給されるよう決まりましたが、生活保護の支給で減った分を回してもいい。それは財政の組み替えに当たることであり、逆にその試算はこの中に含まれていない。つまり消費税も7.1%も必要ないのかもしれません。

野田氏も、自らこの試算における推計がないことを認めており、基礎的な条件はまったく示されていない。この試算に資料的価値は皆無ですが、あえて云うならこの試算を、厚労省で行なった経緯を示すことで、与党と省庁との、なぁなぁの繋がりが浮き上がること、ぐらいなのでしょう。
政治家、政党が省庁の所有物をつかったら使用料を支払う。それは税金で賄われている設備を、一団体が勝手につかうことへの歯止めであり、税金を正しく使うための第一歩にもなります。これを許されるなら、どの団体でも利用申請すれば、無料で省庁の設備を使っても良い、となってしまいます。何のため、誰がこの試算をしたのか経緯を明らかにする、それすら出来ないのなら、ムダ遣いを洗い出すなんて、逆立ちをしてもできないとなってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 年金

2012年02月09日

経済の話。市場で首を傾げた話。

来年度予算が審議入りしました。そんな中、平野復興対策・防災担当相を復興相に、防災担当相には中川前文科相がつく、との人事が発表されました。中川氏は岡田副首相が担当していた新しい公共・少子化対策・男女共同参画も担当します。中川氏が兼務する三つの担当は、明らかに野田政権で軽視された部分、と云っても良いでしょう。重視していたら担当をコロコロ変えないはずです。

今日は市場で首を傾げた話を幾つか…。1月中国の消費者物価指数が発表され、4.5%増と市場予想を上回りました。春節前で食料品、贈答などの消費が増えたことが要因とされますが、この件でおかしなことがありました。いつもより早いタイミングで指標が伝わってきて、その後定時になると、別の数字が流れてきたのです。中国では、こういうことが度々あり、正確にはわかりませんが、当局からの発表だったとのこと。事前の数字が、何だったのかは未だにナゾです。
中国では経済指標を、予めA案、B案などと準備しておき、それを発表している疑いがあります。今回が、仮にB案を発表するつもりが、先にA案を流した可能性もありますし、全く違うスジが何らかの意図をもって流した可能性もある。詳細は永久にナゾのままですが、1月の鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高を、2月分と合わせて3月に発表するとした辺り、当局に混乱があるのかもしれません。

9日のユーロ圏財務相会合にむけ、ギリシャ連立与党がIMF、EU、ECBのトロイカから提示された条件に対し、年金減額を除く項目で一致した、と伝わってきました。これは当局の発表なので間違いありません。ただ噂の類かもしれませんが、連立与党が合意案に難色を示した、とも伝わってきました。後者の話が事実なら、4月の選挙前に連立与党の一部には、条件を反故にする動きが出てくる恐れもあります。3月に償還期限がくる国債の借り換えが済んだ後の動きすらわからなくなってきました。
ユーロ圏財務相会合では支援策の結論は出ないようです。これはここまで決めたから良いだろう、では済まない話です。ECBが110億ユーロのギリシャ国債を額面を下回る値で、EFSFの新発債と交換することで合意、という話もあります。しかしこれらもあくまでギリシャが、条件を呑むかどうかで決まります。仮に年金にしても、合意できないとリスクは常につきまとうことになります。

日本では1月マネーストックが発表されました。震災の影響で、不測の事態に備えるために預金も増えていますが、注目するのは現金通貨が前年比2.3%の伸びになったことです。10月31日、11月の覆面介入と財務省が為替介入をしたのと合わせ、日銀が通貨供給を増やしており、これが昨今の為替の円安傾向にも寄与してきた。その証左でもありますが、日銀の独立性は失われたようです。
トヨタがSUVの生産を米国に一本化する話もありました。執拗なトヨタ叩きから、手の平を返した米政府との、これは合意事項だったのでしょう。タイの洪水で、生産の分散化が求められる中、これは逆行する動きです。そんな米系のヘッジファンドは、日本市場では2月SQでの9000円ポジションにこだわり、底堅く推移させてきました。昔からこの資金はしつこい、といった印象もありますが、リスクオンになったら悪材料でもオンにかけて買いを入れてきます。しかしこの層に支配されている限り、オフになったら売りが嵩むのであり、油断はできないということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2012年02月08日

日本のガス価格とエネルギー政策

石油元売り大手のJX日鉱日石エネルギー、水島製油所で海底トンネルの水漏れ事故があり、作業員が閉じ込められたと見られています。日本の掘削技術は高い、と云ってみたところで、形あるものいつかは必ず壊れます。それに施工に際しての計算ミス、手順前後などは人的なエラーもあります。だからこそ、最新の注意を払って作業をする、これを徹底しなければいけません。

エネルギーの件を考えてみます。米国ではシェールガスの掘削が盛んで、ガスの取引価格が08年の高値から、約5分の1になっているようです。これが企業コスト、家計の負担を押し下げ、個人消費や企業マインドを復活させているようです。天然ガスは、世界に代表的な市場がなく、地域ごとに独自の基準で取引されます。実は、日本はこの分野で出遅れており、高い価格で天然ガスが取引されている、という懸念が一部で出されています。つまりサハリン2、中国のガス田開発で出遅れた、と騒ぐ前に、日本にはきちんとガス取引できる市場を創設する必要があるのです。
ガスが値下がりしている、との実感は国民にもありません。当然、取引価格が実際の小売価格に反映されるわけではありませんが、天然ガスの価格は確実に下がっており、逆にそれは原発を動かさない、電力料金とて下がって来なければいけません。しかし大口需要家である電力会社が、総括原価方式でコスト削減に積極的でなければ、高い原価で購入することを容認するでしょう。

これは今日発表された経常収支が、前年比43.9%減の9兆6289億円という話とも関係します。一部で中東問題の緊迫化で原油高が影響、とされますが、天然ガスの価格下落と相殺している分もあるはずです。原油高が問題なら、石炭発電という手もあります。以前は排気に問題もありましたが、今は液化し、脱硫、脱硝した上で発電するという手もあります。イランが欧州向け原油を、7月を待たずに停止という強硬姿勢を示す中、原油高の影響を受けないエネルギーの量を増やすべきでしょう。
大飯原発のストレステスト、1次評価の結果を妥当と、原子力安全・保安院が報告しました。しかし今後、原発は政治リスクに晒されます。これは日本に限らず、海外で事故が起きるたびに止める、動かすの判断が出てきます。特に、原子力規制庁が発足しても、今の安全・保安院の大半が移るなら、能力不足は目に見えています。原発は全電源停止、つまり発電所なのに停電に弱い、ということが今回の事故でも露呈していますが、そのとき非常用電源が立ち上がるから大丈夫、というだけの甘い判断では、安全に資する設備としては心許ない部分なのでしょう。

人間に、完全を求めることは不可能です。不完全なために見逃し、想定不足、ミス等の事故が枚挙に暇ないのです。だからこそ重大事故を起こさないよう、万全の体制を築く必要があるのですが、今の原発推進派はまったくその任に当たらない。だから原発反対派が勢いづくのは当然とも云えます。本気で技術を推進するなら、その任に当たるような能力を備える必要があるのです。日本のエネルギー政策が、ガスでも『何となく』割高なものを買わされている、などがないような施策をセットで提案しないと、結局日本が世界から立ち遅れる一つの原因となってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 原子力

2012年02月07日

雑感。トヨタ決算と電機業界の不調

トヨタが3Q決算を発表し、前年比58%減の1625億円、通年でも51%減の2000億円との予想を出しました。思ったほどには悪くない、という印象です。今後はエコカー補助金の復活など、追い風が吹きますし、ハイブリッドのアクアが絶好調という話があります。三菱自が欧州工場を撤退、トヨタも欧州には厳しい見方を示しますが、その他の地域では販売促進策などで当面は好調と云えます。
逆に、大きな赤字決算が続いたのは電機メーカーです。逆に云えばエコカー補助金より、電機メーカーに対して、何らかの対策をしないと電機業界は凋落の恐れすらあります。ただ対策として、エコポイントなどの販促にすると、消費の先食いをするだけですので、打てる手は限られます。

現在はスマホバブル、と云われています。ネットに簡単に繋がる携帯型のパソコン、としての機能がウケていますが、であればメーカーで独自にSIMフリー端末を出せるようにする。簡単に云えば、携帯会社がメーカーから買取り、独自機能を載せて販売するのが今の形です。しかし独自機能が邪魔になってきたのが、今のスマホでもあるのでしょう。目^カーも値下げ競争に巻き込まれず、安定して売れるとのメリットがありますが、世界に出ていくためには、共通化した端末をつくることが急務です。逆に、日本のお抱え型の体質は、かつての護送船団方式と同じで弊害にしか見えません。
またスマホとの連携家電を増やす。これはバブルですから、今の高い伸びが期待できる市場に食いつかない限り、電機メーカーの生き残る術はありません。恐らくスマホも、後1、2年で頭打ち感が出るはずで、その時に汎用の端末であれば、多くの市場で戦えます。特にグローバル対応が必要な現状では、汎用であること、それが規制緩和の道だと云えるのでしょう。

日本の株式市場は、米系の9000円ポジションが中々崩れず、やや懸念を生じています。9000円上抜け、との楽観も聞かれますが、今の日本市場に限って言えば、先物は買い方の方が圧倒的に重く、欧米が吹き上げてポジションが軽くならないと、かなり上値は重い状況となっています。今は売り方が一旦買い戻すことで底堅い推移も続いていますが、実は買い方が整理できていない、という言い方もできてしまうのです。米系の出方次第で、2月SQはやや重たい展開を予想しています。
ギリシャの交渉は、未だに楽観視できない状況です。ギリシャがユーロ圏離脱となれば、損失の方が大きいので、民間債権者も、IMF、ECB、EUもそこそこで妥協するだろう。それが市場の期待ですが、もしここで甘い合意ができるなら、昨年中にやっています。何度合意しても、不安が消えないために今があるのであり、そう簡単に妥協はできないのでしょう。財政に対して口出しされることを、ギリシャは完全に拒否しています。国の行政権の大半が財政に係わることなのですから、その部分の協議がまとまる、と考えるのは極めて危険であり、ここに解決が見られない内に世界の市場が楽観で上げるのは、いつものようにリスクオンの時には悪い情報を見ない、というだけでもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2012年02月06日

雑感。消費税増税による景気下押しに野田氏も同意?

米軍再編で、沖縄からグアムに移転する米海兵隊以外の3300人の内、1500人を岩国基地に移転するよう、米政府が日本政府に打診しているようです。これは朝鮮有事が、存外早く訪れることを意識しているとみられ、一方で厚木基地の空母や、元からあった沖縄海兵隊の移転計画と合わせると、岩国には相当の負担がかかります。普天間固定化に懸念、とばかり騒がれますが、問題はパッケージ化から解放されたので、後は日本政府の交渉能力です。現時点で、野田政権にそれを強力に推し進めるだけの、能も意欲もない点がかなり気がかりな部分でもあります。

明日から米国とのTPP交渉への参加にむけて、局長級の事前協議が始まります。これは事前にTPPへ参加していた各国との調整、という面をもちますが、合意してやっと本格的な交渉参加となります。米民主党政権は、自動車産業と繋がりが深く、そのため自動車関連の強い圧力が予想されるため、切り離して協議する方向性もあるようです。ただ、難しい課題を棚上げし、一先ず合意できても、本交渉に参加したときに多くの壁にぶち当たることになります。日本政府の交渉能力への不安は、こんなところにも顕著に現れており、決めきれない政治、を露呈しています。
野田首相が、松下政経塾の後輩に、このタイミングで消費税増税をしたときの景気下押しについて、同意を示したと伝わります。政府が2014年4月に、3%の消費税増税をした際の使い道について、増収分8兆円の内、7兆円を社会保障の自然増分に使う方針だと伝わってきました。逆に云うと、現行制度を維持するためには、その程度のコストが必要だ、と財務省が試算したことになります。しかも増税が5%になったときは、それ以上の予算が使われることになり、これは極めて重い負担といえます。

英国の諺に「父親が、地獄に堕ちて子が楽し」というものがあります。これは父親が悪いことをして築いたお金を、子供は泡銭として使う、という意味合いですが、今の日本の場合だと、高齢者世帯が居なくなってくれた方が、現役世代が楽になる、という意味で使えるかもしれません。
今の政府の消費税増税案が、社会保障との一体改革ではなく、現行制度を維持するコストということが、これで露呈した形です。民主党内で、内密に試算されたとされるデータ、消費税17.1%案について、公表する方向のようです。党三役会議では見送りとしたものの、野党の抵抗が強く、受け入れざるを得なくなった。これも見通しの甘さであり、戦略性がまったくなく、場当たり的な印象をうけます。

一部の世論調査で、民主党の支持率が低下していますが、同時に自民党も支持率を低下させました。逆に、首相にしたい人は橋下大阪市長です。国政において何の実績もない、地方政党に期待が集まるのは、中央政界の手詰まり感を意味しているのでしょう。与党も、野党も頼りない。変化を示してくれない。同じ英国の諺に「骨の随まで染まると、肉の外には出られない」というものがあります。変化を示せない政治は、政界レースで脱落していくことが確実ですが、与党も野党第一党も、その任に耐えないことがこの国の不幸でもあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年02月05日

米軍の再編に変化

米国の1月雇用統計で、非農業部門雇用者数が24万3千人増、失業率も8.3%に低下するなど、景気回復を示唆する内容が並びました。しかしそれでもQE3期待が支配します。それはバーナンキFRB議長の抱く懸念とは、まったく異なります。それはECBの打つ長期資金供給オペ(LTRO)で、ユーロが溢れてドル安になるのを嫌い、ドルも同じ程度に供給する必要があるからです。輸出倍増を目指す米国にとって、ドル高は死活問題であり、きっとドル大量供給をする、これが真相です。
そんな米国では共和党の大統領選びが盛んです。ただ、現状ではロムニー氏だろうと、ギングリッチ氏だろうと、オバマ氏には勝てません。経済情勢、ビン・ラディンを殺害した実績、オバマ氏の弱点は米国が急速に財政赤字を増やしていること。つまり米国がデフォルト懸念にでもならない限り、今のところ共和党に勝利の目はありません。これがFRBと連動した、ドル大量供給を続ける根拠ともなります。この点を考えると、共和党候補にまず勝ち目がない、とも言えるのでしょう。

米軍の海兵隊グアム移転の規模を、8千人から縮小する形で豪州、ハワイなどとのローテーションで削減する案を、日米両政府で話し合っていることが判明しました。それに伴い、06年に合意した102.7億$規模の内、日本側の財政支出28億$、融資含めて60.9億$の削減を、米国と交渉をすすめているようです。しかし元々、この費用は日本が負担すべきものではなく、また見積もりが甘く、お手盛り予算だったことが知られており、交渉はその全てで予算削減でなければなりません。
すでに米軍のロードマップは、先の二正面作戦を撤回した段階で、変化を生じています。アジアの軍備は保持するとしますが、中東不安とアジアとの二正面作戦を維持できない以上は、アジアを縮小するしかありません。シリアの住民弾圧に対し、国連の制裁決議について中露が拒否権を行使しました。中露が経済的に力をつけ、冷戦時代と同様に拒否権を乱発すれば、思うように米軍は動けない。その一方で、イスラエルがイランに春頃に攻撃となれば、ここが代理戦争の構図を呈するのかもしれません。そうなれば中東情勢はしばらく混沌とし、原油供給に不安を生じる恐れがあります。

田中防衛相は8千人規模の駐留を米軍に求める、としますが、これは防衛官僚に唆されており、もしそうなれば日本側負担が重くなる恐れがあります。そもそも、米軍が駐留していようと、中国海軍は沖縄近海に現れており、抑止効果は低い。そこは自衛隊が守らなければならないのです。
自衛隊がPKOに参加する南スーダンで、銃乱射事件がありました。田中防衛相は、自衛隊を警護する国を言えませんでしたが、そんな基本的なことすら教えられていない。それで答弁に立つのは、色々な意味で不幸なことです。防衛相を参院枠の名誉職、とした野田氏の判断ミスが最大の問題ですが、仮に中東有事があれば、米軍は日本から大半の部隊をインド洋に派遣します。そのときの自衛隊のとるべき戦略をねらなければならないこの時期に、この為体では国防の弱体化が、日本の最大の弱点にみられかねなくなってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 政治

2012年02月04日

民主党内が動き出すか?

JR西日本の前社長に対し、神戸地検が控訴を断念した理由について、被害者に「控訴審で有罪にできる証拠がない」ことを説明しました。これは重要な示唆を与えていて、元々この事件は一企業が起こした事件で、社長を刑事事件の被告にする、という異例な内容でした。つまり組織的不作為に、どう処分を下すか? という問題だったはず。つまり法解釈に係わるので、最高裁まで争い、大審院判例を得るよう検察が最後まで引っ張っても良かったぐらいの事件だったと云えます。
同じような事件が、陸山会事件です。4億円の原資について、異なる証言をしているのは関係者の内、一人だけ。この状況では証拠になりません。つまり政治資金規正法の、法解釈上の問題なのです。すると証拠がなければ控訴審にもちこむ意味がない、と検察が認めたことは、一つの契機でしょう。ただ、これも財界に阿って公判の期間を短くしたい、検察側の事情とも推測されますが…。

野田首相が、大学の講演で消費税増税を『一里塚』と表現したその日、小沢氏が増税に反対、内閣不信任案が出た場合に含みをもたせる発言をしました。つまり民主党が分裂にむけて、愈々動き出したことになります。つまり野田氏が法案を通すためには、野党の協力を求めざるを得ず、強行採決は不可能になったことを意味します。これを今の大河ドラマになぞらえると、北に奥州藤原氏、西に平家の残党がいて、一里塚どころか、箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川といったところでしょうか。今天下の野田氏は、西の維新の会、北の小沢氏に、勢力を押さえられた構図です。
野田氏は共闘してきた前原氏を切りたい、とも伝わりますし、野田氏の勢力範囲は益々狭まった。まさに鎌倉という狭い地を本拠にした、源氏のようです。源氏は三代で滅んだ、民主党政権の三代目という野田氏と、益々重なってきます。しかも源氏の配下だった足利氏が次代を担ったことを重ねると、時代がどう動くかを予測するのも、面白いのかもしれません。

ただ、仮に総選挙がこの一年であったとしても、国民は民主党的な部分には否定的と見ています。つまりこれだけ失敗を報じられれば、民主党的な部分に期待する国民は少ない。つまり事業仕分けに変わる、新たな行政改革の手法を見出した政党が、最も政権に近い党になると考えます。
それは今騒がれる新党でも同じです。石原新党にしろ、同床異夢では『民主党的』です。党内に意見の異なる勢力を抱えつつ、政権をとるとコロっと意見を変え、消費税増税などと言いだす。これでは党を信用して投票はできません。党の綱領で、きちんと統一したものを出せることが重要です。そして地方分権は、中央の官庁の権限を奪うことでもあり、そこと戦える覚悟をどう示すか? でもあるのでしょう。

小沢氏が、このタイミングで野田氏に叛旗を翻したのは、公判も質疑が終わり、消費税増税法案の提出前に、態度を明確にしておく必要がある、と考えたものでしょう。政局が、春が始まる立春に動き出したのは偶然かもしれませんが、立夏には熱い戦いが待っていることを予感させるのでしょうね。

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2012年02月03日

日本国債の暴落論?

今日は節分ですが、これは元々立春、立夏、立秋、立冬の前日をさしていました。つまり季節の分かれ目、という意味です。旧暦では立春が12月だったこともあり、そのため大晦日の行事だった豆まきが、立春の前の節分の行事として統合された。邪気を払うのだから年末だったのですね。
日本は一八、三八豪雪を凌ぐ雪と寒波が襲来しています。東欧も歴史的な寒さですが、一方で昨年は寒波に見舞われた米東部は、今年は暖冬と云います。寒気の蛇行が、仮に毎年常態化して起こるなら、必ずどこかの国で寒波の襲来が、災害のように訪れることになるのでしょう。日本もそうなるもの、として仮に暖冬でもそれを予算として積み上げておくなど、対策が必要となってきます。経年的に、臨時予算を組むことになると、地域経済に深刻なダメージも与えてしまうのでしょう。

日本国債の暴落説が盛んに喧伝されます。ただし、格付け機関も「増税だけで格付けに影響しない」つまり、それが財政再建に、本当に寄与するかどうかを判断する、と述べています。それで景気を低迷させれば、格下げも有りうるということです。しかし日本国債の暴落≒世界経済のパニック であり、日本国債だけが暴落し、世界が安泰でいられる訳ではない、ということは覚えておくべきです。
日本国債の暴落論は、需給から来ています。年金基金、銀行などが貯金の引き出しや、自己資本の目減りを受けて、国債の保有を増やせない。一方で債券の発行、借り換えは今後も増えると見込まれるため、新たな買い手が現れない限り、供給に市場が追いつかずクラッシュする、というものです。

そんな中、安住ラインが話題です。これはかつての安住財務相の発言から、76円は財務省が為替介入をする水準とみられており、76円を巡る攻防のことです。今の東証が堅調なのも、このラインで財務省が介入すると、株が吹き上がるとみて、せっせとヘッジファンドが買いを溜めていることも一部の原因です。安住氏が「投機筋が…」と云ってみたところで、その投機筋にまんまと利用されているのです。
しかも政府短期証券とは云え、国債暴落論の叫ばれる日本が、借金をして円を売るのですから本末転倒です。さらに、恐らく財政赤字の拡大は米国の方が大きく、オバマ政権になってから1兆ドルを越える財政赤字を続けており、日本国債が暴落するときは、米国債も暴落します。世界第二位の買い手が、手放さざるを得なくなれば、当然のように米国債もフリーフォールを起こします。つまりここからの為替介入とは、米国との一連托生を、より進めることにほかならないのです。

経済の世界にも節目はあります。今年か、遅くとも来年には鬼がやって来ます。日本国債が暴落すれば、世銀もIMFも資金繰りに窮し、世界のセーフティーネットは消えるのでしょう。世界は『豆』ではなく、『金』をばら蒔いて鬼を追い出そうとしていますが、それでは後の掃除が大変で、結局正常化に戻そうとする際に、景気を下押しする要因が強すぎて、長期低迷を余儀なくされます。立春、春を迎えるまでには相当に長い道のりがある、ということを覚悟しておく必要があるのでしょうね。

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2012年02月02日

雑感。自民党的な部分の否定

田中防衛相が今日も集中砲火を受けています。ただ、予てより参院枠というのは曲者で、小泉政権時代の南野元法相など、にっこり笑って質問に答えられない、などありました。つまり年功序列と、名誉職が参院枠なのですから、大臣の資質は二の次で人選されるのが常だということです。
自民党的なものを考えてみます。これは今の自民党を否定するものではなく、自民党が戦後築き上げてきた、何となく政治の常道のように捉えられ、慣例として残っていること、です。閣僚の参院枠も同様、悪しき慣行であり、百害あって一利なしです。沖縄防衛局長の問題も慣習のように続いてきたもので、単なる啓発なら不要です。自民、民主の推薦候補にするような内容があった、と一部で報じられていますが、国の政策として都合良い方に投票を促したら、公選法の違反になります。

年金制度も同様です。民主党は試算を公表するかで迷走していますが、その前に考えておくべきは、厚労省のシステムで計算すれば、とんでもない数字になるのは当然です。しかし、最低保証年金を導入すれば、65歳以上の生活保護をすべて年金システムに統合できます。これは年金財源としては悪化でも、地方の生活保護を減らし、全体として支出は削減できます。
つまり民主党で、試算に携わった人間は仙谷氏、古川氏などの、いわゆる自民党的な政治が好きな人間であり、年金を既存のシステムに沿って、その中で金額だけを最低保証として7万円給付、として考えています。しかし上記のように、トータルで行政支出を減らせるならプラスであり、この試算は年金の抜本改革とはまったく異なり、民主党内の自民党的な部分と、厚労省が既存の年金システムを維持する算段で、こうした試算を残したと考えることもできるものです。

既存のシステムも、決して悪いものばかりではありません。しかし先の衆院選で、自民党的な部分は否定されたはずなのに、未だにそれを残そう、取り戻そうという動きが官、メディアの中にあり、民主党もそれに乗って菅政権、野田政権を排出してきた。しかし国民はそれにNOと云っているのであり、その手法に頼れば次の選挙で凋落は確実です。自民党が大敗した歴史をなぞるだけなのです。
未だに鳩山政権を口汚く罵る人は、この自民党的な部分を礼賛する側です。最も民主党的だった時代を、悪し様に云うことによって、その時代に戻らないようバイアスをかけている、という言い方もできます。しかし次の選挙を経た後も、また自民党的なものに戻ってしまうなら、今度こそ国民は政治を見放すでしょう。それこそ暴動、デモが頻発し、国は治安という部分から崩れると見ています。

先の、議事録未作成問題で、政治と官僚のミゾという主張をしていたメディアなど、よほど政治主導で物事を決められるのがイヤ、という意趣返しでもあります。これはメディアが官僚の代弁者である、その端的な例なのでしょう。ただ、国民が二度もそれを否定しなければいけないのは、時間と国費のムダと云えます。次の選挙も行政改革が焦点になりそうであり、そこに地方分権が絡んでくる、という形になってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年02月01日

欧州不安による景気後退が世界へ波及

EU首脳会議が開かれ、年間の財政赤字をGDP比0.5%以内とし、0.1%の制裁金が課されることを憲法に明記する旨、英国とチェコを除く25ヶ国で合意されました。しかしアイルランドのように、議会が通らなければユーロ圏離脱、と述べているところもあり、この条件がEUで一致して施行されるまでには、まだ紆余曲折もありそうです。若年雇用、中小企業の資金繰り対策、域内のビジネス円滑化、と並べてみたところで、実効性については甚だ疑問が残ります。
欧州はLTROにより、金融機関の突然死が防げるとの観測から、資金繰りが改善しています。但し、緊縮財政と増税、年金減額などで消費が激減しており、これによる景気鈍化が世界に波及し始めています。日本でも10-12月期決算が出てきていますが、その傾向が顕著に出てきています。

韓国でもサムスン電子が純利益15%減益、LG電子は赤字に転落しました。日本でも電機大手の決算が続きますが、シャープが今年度の見通しを2900億円の純損失に見直すなど、赤転が目立つようになってきました。これは欧州向けが振るわない、ということもありますが、日本国内もエコポイント制度による需要先食いで、長期に及ぶ需要減退が見えています。パソコンも新CPUやOSもWindows8が、Androidが4.0、4.1に上がることが見えており、逆にそれまでの買い控えが想定されることから、厳しい予想も立ちます。リーマンショック後の対策が裏目、これは全世界にも共通してきます。
中国も50兆円の景気対策で不動産バブル、公共工事ラッシュで、それが一巡した後の景気に不安を残します。米国は今年の会計年度で、1兆ドルを越える財政赤字予想を予算局が出していますが、これは4年連続の大幅なものです。これだけの大盤振る舞いをし、今が好調なら何も問題はなかったのですが、欧州不安により、更なる景気対策を打たないと長期の低迷に陥る、今はその岐路に立っていますが、新興国では緩和期待があるものの、そうなると罠に陥る懸念があります。

米国は第4四半期GDP速報値が、年率換算2.8%増と、高い伸びを示しましたが、この多くは在庫投資分です。年末消費は堅調だったと見られていましたが、それほど活発ではなかった。逆に積み上がった在庫を履くため、今後の製造業の鈍化が影響する懸念すら出ています。12月賃金は0.5%の高い伸びでしたが、小売や流通が臨時雇用を増やした面があり、実際は賃金デフレ。この傾向が消費を鈍化させ、米経済を苦しめる足枷として今後も効いてくる可能性が、充分に高くなってきました。
そして、輸出倍増を掲げた米国も、欧州向け輸出が鈍化して苦しんでいる。これは金融機関の資金繰りが改善しても、当面は回復しない課題です。企業は人件費を低く抑えようとして、すでにデフレの罠に嵌った。一方で、通貨安に伴うインフレ傾向は、さらに消費を冷え込ませるものになります。欧米の過剰消費が消えた今、そこに輸出することで潤ってきた新興国が今度は緩和で、自国経済を支えようとしますが、それが通貨安を引き起こし、欧州と同じ構図を生み出す恐れが出てきます。昨年から、恐慌入りと示唆してきましたが、この構図をどこかで変えない限り、今年の末までには確実に世界経済がこの罠にはまっていくことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:21|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 海外