2012年08月

2012年08月31日

経済の話。中国向け輸出の減少

安住財務相が、特例公債法案が成立しない場合、来月からの予算執行を遅らせる案を示しました。地方交付税、法人関連の運営交付金、省庁の雑費を抑制するとしますが、これは地方基盤の硬い自民への打撃を狙い、合意をとりつけるためのものです。一方で、歳費や政党交付金はこの際ゼロで良いはずですし、これは遅延なので、もっとも影響が少ない経費節減先は、当面稼動しない国会関連でなければなりません。これも政局的な動きですが、やり過ぎれば地方イジメとの批判は当然あがるでしょう。財務省のなりふり構わぬやり方は、中央世界への強い反発の基になるのかもしれません。

日経平均が9000円を割れてきました。8月15日をまたぐ週の騰落が、1年の騰落を決めるとのアノマリー。20日設定の大型投信、FRBの緩和期待、というイベントで上げており、外国人投資家の買いもちも重かったため、いずれも剥落すると脆かった、ということです。さらに7月鉱工業生産で、年後半の製造業への回復期待が、一気に消失してしまったことなどが、下落に拍車をかけた原因です。
中国向けの輸出急減によるところも大きいのですが、そんな中国で気になるのが、中小企業対策を強化という記事です。実は、中国はまったく関係ない業種の中小企業同士が、保証を掛け合ってネットワークをつくり、信用を上げている構図があります。つまり一社倒れると連鎖破綻がおきやすく、それを防ぐための対策なのです。対策を打つ、ということは懸念があるからですが、以外に中国経済が底堅く推移するのも、こうして企業同士が互助会的な機能を果たしているから、なのです。
中国の互助会、といえば政治性を帯びた結社になったり、犯罪組織へと発展することも多く、近代における国内の反乱では、常に大きく関わってきました。共産党支配で互助会組織は多くが消滅しましたが、経済自由化で新たな互助会が成立している。これが経済崩壊への引き金となるのか、それとも政府への批判の受け皿になるかは、今後の展開次第、ということになるのでしょう。

スペインでは地方州が、続々と政府へ支援要請する事態です。国の経済が傾くと必ず地方から崩れていきます。信用は国、地方の順で下がっており、国が資金繰りに苦しむと、地方はそれ以上の負担になるためです。日本では消費税の地方税化、という話もありますが、安定した財源を得られ、地方が独立して採算がとれることは、信用という意味ではプラスです。一方で、国の支援をうけにくくなるので、地方にも財政運営の考え方を徹底させる、といった仕組みが必要となります。
中国の変調が明らかとなり、製造業は好調だった輸送業界の減速、期待された電子部品産業の在庫積みあがり、などで年後半は厳しいことが想定されます。法人税収の低下が予想されることから、日本も今の内に対策が必要なのでしょう。ただ、政府が企業の海外投資を支援しておきながら、円高で輸出が減った、と騒ぐ姿勢にも違和感があります。来月から東電は値上げですが、安価な電気料金を提供し、企業の収益性を改善するなど、国が出資しているからこそできる対策は、実はいくらでもあります。補正予算のような、お金をつけるばかりでなく、知恵を出さないと、この国の経済は一向に上向かない、ということは確実なのでしょうね。

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2012年08月30日

それでも9月解散をおす理由

昨日、内閣府から南海トラフの連動地震について、被害想定が発表されました。これなど、問責の扱いを小さくするため、あえてこの日に発表したと見られ、大手メディアは案の定、1面を別けて掲載してきました。さらに今日、韓国某紙が『小沢氏が竹島は韓国に譲る』と発言した、との報道をしています。最近、メディアによって世論誘導を謀ろうとすると、それが国民に知れ渡り、メディアが批判を受けるといったことが続いています。そこで海外のメディア、特にセンシティブで、扱いも大きくなるようなネタにより、日本にも影響させる。そんな戦略の転換が見受けられます。
小沢氏は慎重居士で、そんなリップサービスをするタイプではありません。また、もしこれが本当なら、会談の当日に大々的に報道されているでしょう。会談内容を隠匿する、という約束があったにしろ、このタイミングでの公表は時宜を逸しています。むしろ日本の事情で云えば、タイミングには合う。この韓国某紙は、一昨日の国債報道でも同様に、記事の質が疑問視されています。韓国国内にとってはプラス、日本から批判されても関係ない、この某紙には日本企業からの広告費の増、が約束されているのかもしれません。それを促したのは、生活によるTPP反対表明なのでしょう。

メディアは10、11月解散という報道が目立ちます。党首選一色だとも語られます。しかしそうして1、2ヶ月引き伸ばすことで、事態が好転すればそうするでしょうが、明らかに悪化が予想される中、どうして解散をしないかは、ほとんど語られません。年明けまで伸ばすなら、政党助成金を得られるので効果もありますが、民主、自民とも現在の主流派には、それ以上に切実な問題があります。
民主は、問責をうけた野田政権では年内解散が確実です。解散を延ばしたければ、代表を変えるしかありません。野田、前原、菅グループでは、過半数に足りませんし、対立候補が一本化されれば、野田氏は引きずり下ろされる構図です。自民は、解散できなければ谷垣氏再選はありません。

さらに野田氏が再選すると離党組が増え、衆院の過半数割れ、参院の第一党からの転落、などが待ち受けています。そうした情勢に気付けないなら、悪い言葉をつかえば『愚鈍』に過ぎます。ナゼ野田氏がその1、2ヶ月の任期をケチっているか? むしろ会期末解散をした方が、よほど都合よいとさえ云えるのに、です。逆に、そう報道されることではメリットがある。そしてそのメリットは、会期末解散でより恩恵をうけられるという循環があり、それを使わない方が不自然なのです。
個人的には、会期末解散の確度が益々上がっていると考えています。いみじくも谷垣氏が「解散を約束すれば参院で採決に応じる」旨の発言をしています。国会は休会状態、そんな声が専らですが、むしろ来週にむけて大きな動きが出る、前兆としての凪ぎにしか見えないのです。メディアが一致して、本来分からないはずのことを書くときは、概ね誰かの意思を反映しているとき、とみて間違いありません。休会が、9回の攻防となって解散へとなだれ込むのか? そのときは誰がゲームセットのとき、勝者となっているか? 今はそちらにより注目しておいた方が良いのでしょうね。

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2012年08月29日

新たな第三極の構図

参院で、野党7会派の提出した問責決議が可決されました。ナゼ自民が問責に賛成したか? これも野田−谷垣会談の合意事項だったから、という見方が正しいでしょう。自民はあくまで自公の提出した問責にこだわり、会期末まで行っても良かった。どうせ通常国会も後10日、難癖つけて委員会開催を止めることもでき、ムリする必要はない。しかし問責が可決していないと、今度は野田氏に解散する大義がなくなる。その事情を知らされていない、若しくは知っていても体裁を整えておきたかった公明は反対していますが、これも直接会談に参加していないことを逆手にとった戦術、と云えます。
会期末解散を志向するのは、何も民自公のみではありません。財務省は17、22日に人事移動を行い、体制を刷新しています。新たに政治と関係を構築するに辺り、民主も自民もトップ交代の可能性が高まった。財務省としては、最良から最悪へと、政治との関係が悪化してしまう恐れがあるのです。少なくとも会期末解散なら、橋下維新の選挙準備が間に合わず、また自民・谷垣氏は比較第一党となり、総裁で居続けてくれるのでは? 財務省のそんな思惑も、9月選挙を模索する一因です。

一昨日、ほとんどのメディアが報じていませんが、生活、社民、新党きづな、新党大地・真民主、減税日本などが『国民連合』の設立準備をすすめるため、会合をもちました。第三極の結集をすすめる動きですが、ここには橋下維新も、たち日も、みんなの党も入っていません。みんなの党は要請があったものの、欠席した形ですが、実はこの動きが第三極への流れを決定しそうです。
橋下維新が自民へと接近し、選挙後の構図が自公民に、橋下維新が加わる構図になりそうな気配です。自民は政権与党のためならどの政党とも組む、というスタンスであり、橋下維新がハードルを上げても、与党になれば政策の継続性、責任をもちだし、懐柔できると考えており、橋下維新が満更でもなく、また50議席程度にとどまるなら、取り込めると考えています。そのため既成政党との対立軸、として急速に浮上するのがこの『国民連合』です。反増税、脱原発などを共通公約とし、生活はTPPへの反対も表明する見込みで、まさに対立軸として既成政党+橋下維新と対決する姿勢です。

ここで問題となるのが、みんなの党です。橋下維新にふられ、党の立ち位置が狂ってしまった。改革政党として存在を示すなら、むしろ国民連合に参加した方がわかり易いのですが、小沢氏を批判してきた経緯や、橋下氏への未練があって決断できずにいる。仮に、小沢氏がこの国民連合で、既成政党との対決姿勢、対立軸を示すと、みんなの党は埋没する懸念すら出てきてしまいます。
国民連合が第三極となる肝は、行財政改革です。反増税であるため、必ずその中身が問われることでしょう。ここで有利なのは、小沢氏が自治労から離れたことで、公務員改革を大胆にすすめられるようになったこと、です。逆に民主時代にはできなかった政策も、思い切ってできる。公約が示されないため、中身は不明ですが、それ次第では大きな支持を得られます。ネットではダントツの支持をうける生活には、一定の支持層が存在するのは確実ですし、票の掘り起こしもできるでしょう。

今回の問責で、民主、自民とも党首交代を余儀なくされる形となった。それを待つのか? それとも先に総選挙という日程をすすめるのか? 私は後者と睨んでいますが、その結果次第では選挙後の構図もまた変わってくるでしょう。さらに、これまで想定された第三極の中核が、橋下維新からズレてきた。この動きを見誤ると、日本の大事な将来像も見誤ってしまうことにもなるのでしょうね。

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2012年08月28日

経済の話。韓国が格上げ

特例公債法案、選挙制度改革法案が衆院で民主、国民新の賛成で通過し、自公が問責を提出しました。しかしこの強行採決がなければ、自公は問責を提出する理由もなく、通常国会が凪ぎのまま閉会していた恐れがあります。つまりこれは民自公の規定路線、会期末解散にむけた布石です。
解散についてはウソをついてもいい。永田町の常識ですが、維新が9月中旬、政党化方針を示したことで、益々10月解散に現実味が増したようで、そうなると民自公は困ります。政党になった勢いで、選挙を迎えられる。それを民自公が容認できるか? また選挙したい事情は、後日に回しますが、そう簡単にシナリオ通りにすすむ、と考えるのは早計なのでしょうね。

昨日、米格付け機関ムーディーズが韓国国債を1段階格上げでAa1とし、これで日本と同格になりました。格上げの理由として、良好な財政ファンダメンタルズ、銀行部門の脆弱性が低下、北朝鮮の安定、が挙げられます。しかし財政は今、急に安定したわけではなく、銀行部門に関しては家計の負債が拡大しており、今後の貸出し低下や、不良債権の増加が見込まれます。
大型台風が北朝鮮に向かっており、ハゲ山となった北朝鮮は、自然災害に脆い構図となっており、今年も食糧危機になると想定されます。確かに金正恩政権は、中国の意向をよく聞き、今は落ち着いていますが、将来的にどうなるかは不透明です。さらに日本が、通貨スワップを停止する可能性を示唆しており、このタイミングで格上げについては、明らかに大きな違和感があります。

これが米政府の意向を反映しやすい、ムーディーズである点が重要なのでしょう。米韓FTAを結んだ米国は、韓国に不安を生じさせられない。外需に依存する韓国経済は、ここにきて急失速することが想定されます。しかし逆に、ウォン安となり、米国との貿易が拡大した後で韓国経済が破綻してしまうと、米国側にも影響が拡がってしまう。それを米国が恐れ、先手を打ったとみられます。
さらに外国人投資家が、1-7月で52億$の韓国国債を買い越しており、逆向きの動きが起きることを警戒した。つまり日本の通貨スワップで、新たな買い手と期待して保有した層が、その期待が剥落し、一気に売り向かうと利回りが急上昇する恐れがある。現在、長期金利で3%ぐらいですが、7%で南欧と同じとなります。今後、輸出が低迷すると歳入が減り、財政計画が悪化する恐れが高い。韓国経済は、今後数年で極めて深刻な問題に直面することは、ほぼ間違いない状況です。

韓国某紙が、格上げをうけて韓国国債は3%の利回りがあり、また安定していて魅力的な投資…という記事を上げています。しかし長期国債は政策金利、成長率、などを反映しやすく、インフレの落ち着きをみて、利下げによる利回り低下、それを先回りする外国人投資家の買いが入っていた、とみるのが正しいものです。そして利回り低下はウォン高を招きやすく、逆にそうならなければ外国人投資家は含み損を抱えるので、それも韓国への投資から逃避する原因となります。
日本でも、急に韓国経済は堅調、輸出は拡大が見込める、とやや煽りともみられる経済紙などの報道が目立ち始めました。韓国との関係が悪化すると、すぐ北朝鮮が漁夫の利、などと語ることも同様ですが、連関はしても韓国、北朝鮮とはきちんと別けて外交戦術をとるべきで、むしろ格付け機関の言うように北朝鮮が落ち着いているなら、北朝鮮との間に抱える問題を解決する絶好の機会なのですから、ここを逃すべきではありません。おかしな財界からの誘導的な記事に流されることなく、将来の国益を見据えて、きちんと韓国との関係を考えるタイミングではあるのでしょうね。

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2012年08月27日

橋下維新の憂鬱

中国で丹羽大使の乗った車が襲われました。2005年に愛国無罪として、日本大使館を破壊するデモが起きたものの、罪に問わない姿勢を中国政府が示したため、こうした暴挙が起こります。韓国でも、汚物入りペットボトルが日本大使館に投げられましたが、そうした事件が起こる率が高いのは途上国、という点からみれば、これを恥ずかしい事件とする認識が必要なのでしょう。

最近、橋下維新の迷走ぶりが続きます。議員定数の半減、インパクトはありますが、実現にむけては懐疑的な目の方が多いでしょう。何より、民主党で失敗した国民は、政治素人に改革はムリと考えており、維新の勉強会にしろ、短期で政治家が育成できるわけでもありません。その傾向は都心部で顕著であり、維新の支持が拡がっていない。関西圏のみの地方政党に留まりそうな情勢です。
それを導く遠因は八方美人的に手を広げたこと。特に自民・安倍氏に近づいたことで、保守色は強まりましたが、既成政党と組むのか? という懸念が生じました。つまり安倍氏にしろ、有力議員は支持基盤をもち、地元や永田町でも利権の構図があります。安倍氏がそれを擲って維新に合流すれば、それは決断ですが、支持基盤を抱えて合流するなら利権の構図は残されます。素人集団なら無色ですが、現職議員を抱えれば初めから色がついている。しかも保守、という肩書きは、それほど大票田を稼げる御旗ではなく、そこに維新が国民に浸透しない構図が現れてしまっています。

今、票を稼げる錦の御旗は『行財政改革』です。地方分権は1つの契機ですが、国民にメリットが見え難い。しかも消費税増税を地方税化する、ということは増税法案はそのままで、経済が低迷してしまう道が見えます。ハッキリ行財政改革を打ち出すなら既成政党、現職議員と組むのはマイナスであり、そこにジレンマが見え隠れする。保守本流が、守旧派とみられかねないのです。
橋下氏自身が出馬という話にしても、大阪市政を道半ばで投げ出せば、批判も浴びます。それで安倍氏を担ぎ、国政のリーダーシップをとってもらうつもりが、国民から見れば一度失敗した人間ではないか? と見られる。この辺りは戦略上の失敗であり、保守と行財政改革という二兎を追う姿勢が、行財政改革の浸透度のみ著しく低下させた、ということでもあるのでしょう。国民は、政治が保守勢力に担って欲しい、とは思っていない。著しくリベラルになってもらっては困るが、中道でさえあればいい。それ以上に必要なことは、行財政改革とそれに伴う社会保障の見直し、と考えています。

これは、前回の衆院選で民主が躍進した原動力です。民主が自民化した現在、その期待に応えられる政党がどこか? 国民はそれを探しています。維新はその期待に応えていないのです。
財界の意に沿う形で世論調査の結果がでる日経新聞では、野田氏が代表選再選を66%が期待、とします。原発再稼動、消費税増税、財界の意向をこれだけ汲んでくれる傀儡首相に、高い期待を抱いている。しかし国民の意志は違う。行財政改革が停滞し、むしろ後退してしまった民主党はもう要らない、とさえ感じているでしょう。でもそれが、橋下維新ではちょっと…。そう感じてもいます。
これは橋下氏が今のままなら、選挙になっても第三極にさえなり得ない、という結果を導くということです。本気で300選挙区に候補をたて、票を食い合うのか? そして保守を掲げるなら、自民とバッティングする可能性が高いということでもあり、そこで安倍氏と連携? など本気でできるか? 橋下維新が目指している政治が、今ひとつ的外れに見えているのは、選挙後の構図も含めて不透明さを醸しだす点で、国民の政治離れを加速させている、と云えるのかもしれませんね。

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2012年08月26日

雑感。NTTの光回線の純増が鈍化

橋下大阪市長が、衆院議員定数の半減、参院廃止を訴えました。国会議員を抱えない間は、こうして強気に出られますが、身内に議員を抱えたとき、これほど強気に出られるか? そこにすべて掛かっているのでしょう。つまり次の、次の選挙のときは抱えている議員の生活があります。議員定数半減をうちだせば、大量離反という事態を招きかねず、こうしたものはゆっくり、粛々とすすめる他ないのです。大言壮語、とまでは言いませんが、いくら云い寄ってくる議員を追い払うためとはいえ、実現にハードルが高いものをぶち上げると、逆に国民から不安を抱かれるでしょう。

NTTの光回線契約数の伸びが鈍っています。光回線は、よほど重いネットゲームをするか、家族で同時に何回線もつかうか、ケーブルテレビの利用といった、特定の利用にのみ必要となるものです。FFシリーズや、ドラクエもネットゲームになるなど、一定の広がりはありますが、今はスマホが主流で、WiMAXなどの無線通信の方が便利です。気になったのが、NTTは従量課金などの新料金体系を打ち出しましたが、Microsoftは月一回、ウィルス対策ソフトなど、多いものは毎日アップデートします。その他のソフトも、頻繁にアップデートがある中、従量課金はそぐわないということです。
これはNTTの戦略ミス、でしょう。docomoと法律上、提携した料金体系が打ち出せない、などの問題はありますが、携帯電話会社のように、機種のメンテに関わるアップデート情報を一手ににぎっているのなら、従量課金は成立するかもしれません。しかしただの通信事業体である場合、アップデート情報を知ることは難しく、そうしたアップデートだけで基本の通信量を超えてしまいます。

NTTでは2年契約で値下げ、なども打ち出しましたが、基本的に今以上の普及を目指すなら、料金を引き下げるしかありません。なぜなら、携帯電話の料金がスマホの登場で、負担が重くなった現在、固定費の引き下げは各家庭の急務だからです。そしてスマホがあれば、固定を使わなくなる。両者がウィン・ウィンで拡大していくことはなく、シェアの食い合いに陥っているのです。
日本経済の問題は、ある分野のシェアが拡大すると、別の分野のシェアが奪われる。ある分野の成長が、他の分野の成長を阻害する、という要因が存在します。これは株価も言えることで、総じて全体が上昇するという展開にはなりにくく、上値を抑える要因となります。逆に云えば、株価先物指数をいくら弄っても、日本では全体が成長するわけではないため、高値を抜けにくい構図がそこにあります。そんな中、NTTのように従量課金、などの迷走がみられれば懸念も広がります。

日本の電機業界が苦境なのも、国内がシェアの奪い合いに陥り、また中国や韓国などがシェアを伸ばし、成長どころか失速していること。そこで海外に出て行くしかない。しかし打って出るような魅力的な商品がない、という戦略上の失敗があります。今、安泰と思われている企業も、きちんとした戦略をもたないと、今後の経営も厳しいのでしょう。ただでなくともNTTは固定電話の契約率が下がっており、成長には疑問符がついています。光回線とWiMAXを同時に利用できるようにするなど、経営上の戦略を練っていかないと、どんな大企業でも明日はどうなるか? そんな時代なのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 企業 | 経済

2012年08月25日

アジア通貨危機の再来の予兆か?

米加州地裁で争われたアップル、サムスンの特許侵害訴訟、サムスンに825億円の支払いを命じました。各国でも判決は割れていますし、最高裁まで争われる可能性があるので、まだ何とも云えませんが、自虐的に「サムスン製はあまり売れていない」発言までしたサムスンは、これで面子を潰された形です。逆に、売れただけに賠償額も多いことが判明し、今後の企業への見方も厳しくなるでしょう。

米国では、追加緩和期待で市場が右往左往しています。FOMC議事録やFRB議長が送った書簡で、示唆されたものですが、これは『追加』緩和であり、『量的』緩和を意味していません。今は『時間軸』効果の延長、がFRBの主眼とみています。米共和党、ロムニー候補は早くもバーナンキ議長の任期切れをまって解任の意向を示唆しており、手腕に疑問符を呈しています。そこへきて、オバマ大統領の経済政策が失敗、として支持が下がっており、再選に黄色信号が灯っていることも、FRBの動きを制約します。仮に9月、量的緩和をうてば、大統領選後は身動きできない事態になりかねません。
日本は、というと20日に投信設定で1万枚の先物買い、この観測通りに買いが入り、9千円台を維持しています。しかし9200円近くで買いが入ったため、この水準から大きく下落すると含み損を抱え、投信の解約が増えれば売り材料となります。また欧州系が、やや期待買いを膨らませてしまったため、買い方が減って上値の重い展開です。それこそ米国の量的緩和、でもないとこの水準を抜けにくく、また来週から欧州でイベントが相次ぐため、材料探しの展開が当分は続いてしまうのでしょう。

そんな中、気になるのがLIBOR不正事件に始まる、金融業界の醜聞が相次いでいることです。ベトナムでも、金融界の重要人物が逮捕されていますが、先進国のみならず、新興国まで広がってきました。先進国は低金利、国債バブルの状況であり、金融機関の収益性は著しく下がっています。そのためムリをするか、グレーゾーンを攻めるしか収益の確保は難しい。しかし新興国はインフレもあり、利回りの高い状況が続いていたため、金融機関はそれほどムリをせずに済んでいたはずでした。
しかし金融不安が新興国で広がると、まさに15年前のアジア通貨危機を惹起させます。今の世界経済は、実勢より不信、不安によって売りが拡がります。欧州債務危機など、まさにその一端ですが、財政再建への計画が実施できず、それによって売り叩かれています。残念ながら、欧州の小国よりアジアの小国の方が、つぶしやすい。これは欧州という枠組みをもつ経済ブロックが、ある意味で有用であると示します。ASEANはまだ経済圏であり、相互補助の義務をもたない関係です。

インドも、食糧インフレに加えて経済政策の不透明さ、それを嫌気されて投資資金が逃げています。中国の橋が崩落した件など、中国のインフラに欠陥があることを示しました。どの国でもリスク、というものは必ずありますが、新興国リスクは不測の事態を招きやすく、それを正確に読みきることは不可能に近いのでしょう。影響は軽微、と語る人もいますが、それは世界経済を安定させるため、口先介入をしているに過ぎず、今後はそうしたリスクを意識しなければなりません。
米国では、それでも米経済は堅調、というシナリオが大勢ですが、これも口先介入と思った方がよいのでしょう。財政の崖が、どの程度の影響をもたらすかさえ、統一した見解はありません。誰が当たりか? その答えを知るとき、世界経済が深い底をさぐっていないことを祈るばかりですね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2012年08月24日

野田首相による緊急会見

野田首相が緊急会見を開き、竹島、尖閣について言及しました。歴史から説き起こし、日本領有であると訴えた文ですが、メドベージェフ首相が訪問した北方領土は軽くふれた程度、また経済的な対応にはふれませんでした。私はこれを国連の場で行い、国際世論を味方につけるべき、としています。今回は一歩前進であっても、戦後の混乱期にふれなければ、片手落ちと指摘できるのでしょう。さらに、経済制裁の効く韓国には強気で、天然資源で協力を得たいロシアには配慮する、ということでは、相手国の反発も招きやすい『内弁慶対応』とさえ指摘できてしまいます。
もし今回の領土問題が、日中韓でナショナリズムを煽り、交代前で脆弱となった政権基盤を強化することを目的としていたなら、日本の野田政権が抜きんでて強気になり、一歩リードなのでしょう。中国では日本製=中国で製造、といった報道をして沈静化につとめ、韓国も緊急会見に即応して会見を開きましたが、明確な反論ができなかった。しかも経済制裁をチラつかされ、ただでなくとも苦境の韓国経済が、さらに悪化するという観測が出て、当惑している面が強く出ていました。

中韓とも、今回のナショナリズムの背景には、富裕層への嫉妬が含まれます。その中で、韓国はアイデンティティを揺さぶられることに、強く反発します。戦前、檀君神話を否定した日本学者に反発し、戦後に檀君紀元暦を採用するなど、自ら信じる民族アイデンティティを押し通します。
韓国は李氏朝鮮の王朝が崩れて以来、民族的な位置づけの遡及に、ずっと揺らいできたと云えるでしょう。檀君神話は民族としての出自に拘る姿勢であり、反日的な部分もその一環です。同一民族、とされつつ中国内、北朝鮮、韓国と分断され、中国では言語的にも、文化的にも漢民族に習合されつつある。竹島や従軍慰安婦は、すでに民族的解決すべき問題としてあり、それに反対する者は非民族主義、として排斥の憂き目に遭います。戦前、日本に協力した人物を糾弾する、など諸外国からみて異例にみえても、そうすることで自らのアイデンティティを守る形になります。

翻って、日本はそのアイデンティティを天皇陛下に求めます。統一された宗教もなく、思想もばらばら、しかしイザという時は天皇陛下の態度、行動にその規範を求め、理性的で利他の想いをもって動けます。象徴天皇が、まさに国民を一つにまとめる象徴として機能しており、これが世界でも類をみない、とされる日本人の行動に深く関わっていることは、誇ってよいことなのでしょう。
アイデンティティが揺らぐ韓国では、自分たちが信じること、が基盤です。教育で与えられたこと、世間の常識、そうしたことを懐疑的に、冷静に指摘することは許されません。しかしそうした態度に、韓国内でも息苦しさを感じる意見もあり、またすべての事象に批評眼をもてない、ということは文化的、精神的な停滞を生む原因となる、ということも指摘できます。今回のことで、それに気付けるとは思えませんが、自分たちの信じることが本当に正しいのか? そうした検証の機会は、日本側の強い反発によって少しは芽生えるかもしれません。それは歴史を説き起こし、事実を照らし合わせるといった国内作業を経て、醸成されていくものなので、今後に期待はできるのでしょう。

ただ、先に指摘したように野田氏の会見は、踏み込んだ部分とそうでない部分、二面性があるため、一概に評価はできないのでしょう。問題は継続性であり、その一貫性を外交の態度として、日本政府がもち得るか? そもそも今回、日中、日韓問題がこじれるとすぐ苦言を呈する財界が、まったく音沙汰なしです。天皇陛下の謝罪要求をうけ、財界も自粛ムードなのかは分かりませんが、日本の最大の圧力団体が容認しないと、こうした動きを続けるのは難しいのが、日本の現状なのですからね。

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2012年08月23日

野田政権による外交対応

外交上のパフォーマンスが続いています。まず香港活動家らによる尖閣上陸、海上で停めず、上陸させたのは怪我をさせないため、と野田政権はしていますが、島に舟をつけた段階で乗りこみ、逮捕しても良かったのです。旗を振らせる、までは中国への配慮で許し、その後で逮捕、強制送還することが決まっていた。内々で、中国政府にもこの方針を伝えていた可能性すらあります。
韓国に送った野田氏の親書が、韓国から送り返される事態になりました。韓国は、先にメディアに親書の内容が洩れた、外務省HPに乗った、などの手続き上の問題をあげますが、そうした事例はなく、竹島問題が国際紛争として存在する、その前例となることを避けた、という表現をしているようです。しかし親書の返送、という外交上異例な前例は、今回それをつくってしまった形です。

昨日もとり上げた解散スケジュールですが、野田氏の事情も谷垣自民総裁との直接会談から、大きく変わった点も上げられます。民主は解散風に身をすくめる議員が多く、野田氏なら秋までには確実に解散。ならば党首を代えてしまえ、という声がリベラル派を中心に起きています。野田氏は9月代表選で、再選されない公算が強まった。リベラル派が担ぐ、びっくり候補が先日、橋下氏と会談をもった松野氏。つまり自民と決別し、民主も橋下維新にすり寄って選挙を戦おうというものです。
これは無派閥議員にとって、非常に魅力的な提案です。花斉会、凌雲会が束になっても、この候補では代表選に勝てない。そこは松野氏が党に留まっている、という大前提も必要ですが、野田氏にとっては脅威。そこで、野田氏は脱原発に舵をきって、世論のとりこみを図ろうとの思惑もあるようですが、それなら昨日、反原発派との会談で提案しなければならなかった。その後、経済界との会談もあり、言質をとられるわけにはいかないというなら、脱原発の旗は揚げられません。

そこで野田氏にとれる戦略は二つ、解散スケジュールを自民との約束通りに履行し、代表選を待たずに解散するか、領土問題を長期化させ、今首相を変えるわけにはいかない、という論調をメディアに流すか。昨日は前者の可能性を指摘しましたが、後者の可能性もあります。その時は自民との約束不履行により、盟友・谷垣氏を討ち死にさせ、今後の国会は紛糾が確実ですが、仮に野田氏の権力欲が並外れて強い場合、そうした戦略で党内外を説得にかかる可能性も十分にあります。
そしてその場合、今回の中韓の動きは、壮大な茶番だということになります。あくまで憶測ですが、外交上トラブルを演出し、愛国心を演出するのは韓国がそうであるように、日本も同じです。つまり政権末期の野田氏が、ここでトラブルを好事とし、支持率を上げようと画策したことは十分想定され、中韓と内々に通じて互いがウィン・ウィンになるようもち掛けた。その結果が今ではないか?

あくまで憶測であり、確証はありませんが、尖閣上陸の際も閣僚が妙に落ち着き払って登庁しない、などが起きたのは、シナリオありきとも考えられます。韓国大統領が、いくら礼儀知らずでも、天皇陛下のことまで言及すれば、日本のナショナリズムを煽ることは分かっていたはずです。野田政権の延命に手を貸す、思惑は合致するだけに、そこに疑える部分も出てきてしまうのでしょう。
親書をもってきた韓国外交官を、入庁拒否するなど、これまでにない強気の態度を野田政権は貫いています。それは強気に、韓国との関係をこじらせていけば、経済界や米国からは眉を顰められても、国民の支持は上がる。こうした戦略で乾坤一擲、権力の座に居続けたいとするのか? 野田氏にとってもギリギリ、今度こそ政治生命をかけた対応、となっているのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年08月22日

解散までのお約束?

大阪府警が、準強姦容疑で逮捕した警察官を、処分保留で釈放しました。不起訴とは決定していないと云いますが、今は犯罪をしても法に問われない二大業界として、警察と教員が挙げられます。ともに捜査権をもち、内規の処分で誤魔化してしまう。今日は大阪西成の、自殺とされた女医について、事件として捜査すると決定しましたが、うがった見方をすればこれも大阪府警の人気とり、とも考えられます。同日、消えるボールペンで調書を改ざん、同乗者にも反則キップ、などの記事もあるように、大阪府警の相次ぐ不祥事は、警察への信頼を失墜させ続けていますから。

政府が発表した討論型世論調査の結果、0%の支持が46.7%、としか報じないメディアは、半数ということを主張したいだけです。これは討論により、支持がどう推移するかを見るためのものであり、15%〜25%は微減する一方、0%のみ14%も上昇したことが大事です。即ち、原発推進派による論拠での説得では、国民は納得しない、原発を推進したいなら別のアプローチでなければなりません。
反原発派と、野田氏が会いました。ガス抜きともされますが、これは国民向けではなく、野田氏は『会った』実績で、菅、鳩山グループを説得するためのものです。そしてこれで分かることは、野田氏はまだ権力への未練が強い、ということです。代表選を考慮しなければ、菅、鳩山グループへの配慮は必要ありません。反原発派と会っても、政府から提案できなければ無意味、しかしこれで党内をガス抜きし、融和する姿勢を示し、まだ権力にしがみつきたいと示したのです。

そんな中、竹島について玄葉外相が「韓国が不法占拠」と答弁しました。玄葉氏は竹島、尖閣への対応にもたつき、外交官人事も閣議人事検討会議に諮らず、一般紙に報じられました。目だった外交成果もないのに失点続きのため、焦りがあって発言につながったと見ています。発言自体は、韓国の態度如何に関わらず貫くべきですが、これが政局によって為されたのなら問題でしょう。
一方で、解散に至るスケジューリングが少し見えてきました。まず選挙制度改革法案を、与党が単独で審議入りしました。同時に、特例公債法案も採決日程を視野に、審議をすすめる公算ですが、ここから透けるのは、特例公債法案と選挙制度改革法案の成立を条件にして、解散するシナリオです。つまり民主は、選挙制度改革を実績として選挙に訴え、自民は解散という実をとって選挙。自民とて、特例公債法案を積み残して臨時国会に回したくないので、呑める条件ということです。

来週、自民が問責を提出して審議を止める、というのもシナリオ通り。そこで上記の交換条件を示し、参院で両関連法案のみ審議し、会期末に解散なのでしょう。自民が総裁選日程を決めないのも、こうしたスケジュールを確認しているため、かもしれません。そうでなければ約1ヶ月しかないこのタイミングで、日程が発表されないのは奇妙に過ぎます。野田−谷垣会談でかわされた約束が、消えるボールペンで書かれたものでない限り、この日程で解散まですすむとみて、まず間違いないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:03|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年08月21日

経済の話。シャープの苦境

シリアで女性ジャーナリストが撃たれました。戦場を取材する、というリスクを負う以上、どうしてもこうした惨劇はおきてしまいます。一方、ルーマニアで邦人女性が襲われ、殺されました。日本人は、海外では犯罪組織に狙われやすく、深夜に行動するというリスクを自ら犯しています。
日本では、海外での経験を企業が重視して雇用するため、安易に語学留学やインターンに応じてしまいがちですが、それはリスクに正しく対処する、という項目も含むことを忘れてはいけません。海外では想像以上に、トラブルに見舞われますし、下手をすれば命を奪われる。日本の治安、防犯意識は通用しない、という認識をもたなければ、海外に出てはいけないとすらいえるのでしょう。

米国で、気になる記事があります。NY連銀が地方債のデフォルトにふれるリポートをだし、投資会社バークシャー・ハザウェイが、地方債のCDS保証を止めています。カリフォルニア州の格下げについて、格付け機関が可能性に言及していますし、米地方州から、近く不穏な動きが起きるのかもしれません。米国でも製造業の回復は足踏み、賃上げの停止を発表する企業もあります。日本型デフレの構図に、一歩ずつ近づいており、景気低迷が長引けば地方へのシワ寄せが続いてしまう。米国は、好調とされる景気指標とは、また違った側面が覗き見えているということなのでしょう。
日本では、シャープが苦境です。有利子負債が6月末で1兆2520億円もあり、通年でも3000億円以上の赤字。台湾の鴻海精密工業から出資、という話もありましたが、550円で10%、670億円という金額が株価急落により、契約見直しとなり、金額を見直して20%程度まで出資比率を引き上げ、という話もありましたが本決まりではなく、また現在、台湾当局が鴻海の投資を審査している状況です。

シャープは『液晶のシャープ』と云われましたが、動画につよいとされたVAパネルに拘り、視野角の広いIPSパネルと一線を画してきました。しかし倍速技術で出遅れ、またIPSパネルはパソコンのモニタとしても普及するなど、販路を拡大しているにも関わらず、それもままなりません。総じて云えば、VAパネルでの驕りが、戦略上の失敗だったといえるでしょう。さらに大量の在庫を抱え、安売りで捌くしかなくなるなど、経営陣の目に余る失敗続きが現状をもたらしています。
さらにGoogle、MicrosoftがAppleのビジネスモデル、ハード、ソフト一体販売に業態転換しつつあり、ハイテク関連は厳しい状況が続きます。シャープは工場の縮小、従業員削減などを相次いで打ち出していますが、成長戦略はありません。目のつけどころは、シャープでないのでしょう。

電機業界は白物家電で生き残れ、という話もありますが、シャープは目立った主力の白物家電はなく、これからの開発にかけるのなら、手遅れです。逆に、ニッチな足し算商品に活路を求める、という形が良いのでしょう。例えば電子辞書+タブレット端末。本格的な電子辞書機能をもつタブレット端末なら、他にない製品ですし、需要が期待できます。テレビ+電子辞書も面白いでしょう。
苦境の企業は、目新しい技術に走りがちですが、開発費を抑えて売れる商品をつくるのは、組み合わせを変えて異なる味付けに仕上げる、ということが大事なのです。冷蔵庫に液晶モニタをつけ、外気温と庫内気温を表示したり、そんなちょっとした工夫を加えることなど、製品開発の段階で、色々とできることはあります。しかし経営戦略に失敗し続けた企業に、そうしたことを期待するのは難しいのでしょう。Sharpには『身を切るような』という意味もありますが、今一番必要なことは、経営陣をスリム化し、Shape upできるか? ということになってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:23|PermalinkComments(7)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 企業

2012年08月20日

尖閣、竹島の問題

五輪凱旋パレードが、銀座で開催されました。高齢者や主婦も多く、また学生が夏休みとはいえ、50万人とはすごい数字ですが、平日の午前中に職場を抜け出せるのは霞ヶ関周辺の法人? とうがった見方もしてしまいます。滅多にみられないメダリストの勢ぞろいとはいえ、これも絆の力、ということなら好感されますが、明るいニュースだからこそ考えてしまう部分も多いですね。

最近の中国、韓国の動きに対し、鳩山政権が悪い、日米関係を壊したから諸外国が騒ぎ出した、という話があります。しかし日米関係が最良だった小泉政権時代から問題は起きており、これは日米関係とは無縁です。事実、米国は領土問題に関しては一環して、関与せずの態度を貫きます。日米安保の下でも、戦争という明確な武力衝突があれば対応できますが、民間が上陸や占有をしても、米国は関知しないとみて良いでしょう。鳩山政権の問題点をいえば、日米関係の親密度を下げるなら、それに代わる戦略をもたねばならなかったのに、それがなかったことです。
一方で中国、韓国が強気なのは、明らかに民主党政権に仙谷氏が絡むためです。仙谷氏がいれば、強行な対応はしないとの安心感もあり、尖閣上陸計画をだした活動家の行動を、中国政府は裏で容認した。それは尖閣購入計画への、揺さぶりをかける意味があったはずです。そしてそこまでやっても、日中国交正常化40周年の記念行事は、順調にすすめられると考えていた。そこへ日本人10人による尖閣上陸が起き、日中両国の思惑が狂い、反日デモの拡大は想定外だったはずです。

ナゼ仙谷氏が関わると失敗するのか? それは漁船衝突事件でも、朝鮮王朝儀軌の返還でも、相手国と調整して決めたことではないから、です。相手への配慮、思いやり、といった言葉で括れる行為であるため、相手は「では、ここまでやったら?」と相手の譲歩をどこまで引き出せるか、試したくなる。尖閣国有化によるマイナスの影響を推し量った中国、行き詰った李明博大統領、それが相手の心配りを期待して、行動を起こすようになった。これがどちらも交換条件を要求し、引き出していたら、今回のようなことは起こらなかったでしょう。これは思いやり外交の敗北なのです。
中国は沖縄、韓国も五島列島など、尖閣、竹島を越える要求を活動家らは口にします。だからこそ日本は国際司法裁判所へ、北方領土も含めて提訴する姿勢を示す必要があります。しかも仮に勝訴できても、中韓は難癖をつけてくることが必至で、そこが終わりではなく始まり。領土問題が解決しても、これからの日中韓関係は戦後、中韓が行ってきた反日、愛国教育に対する処理が始まるのです。

韓国への抗議決議原案が示されました。韓国では日本からの予想外の強い反発に思惑が狂い、野田親書に対しても態度を表していません。仙谷氏の行動も、政権末期の野田政権では、それこそ人気とりの方が優先し始めた。菅政権の時代とは、日本も違ったということです。ただ、野田政権は森本防衛相、羽田国交相、松原国家公安委員長の、今回の対応に不満が高まっており、問責すら可決されかねない勢いです。野田政権はその失点分を埋めるだけの実を、中韓との外交でとれることはありません。それは政権末期の国同士、権力の鞘当てをどの国もしているから、ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(5)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2012年08月19日

橋下維新の会の動きを考える。

戦没者慰霊のため、尖閣諸島を訪れていた地方議員5人を含む10人が、島に上陸しました。日本政府は立ち入り禁止にしており、軽犯罪法違反の疑いで取り調べる方針です。しかし先に香港の活動家を、処罰せずに強制送還したため、今回を処分対象にすると内弁慶との批判も招きそうです。一方で、国内法に照らして処分しなければ、日本がきちんと管理していない、と海外から見られる恐れがあり、実効支配という言い分が通じなくなるかもしれません。さらに、この十人が中国、台湾に行ったとき、相手方の国内法で処分されれば、それも問題を大きくしてしまうでしょう。身から出たサビとはいえ、どう処分すれば良いか、悩ましい事態となってきました。

さらに、ここにきて自民・谷垣総裁が内閣不信任も含め、提出を検討しています。内閣不信任は先週否決されており、一事不再議の原則により、本来は提出もできません。しかし明確な規定はなく、また法解釈上、内閣不信任の提出理由が異なれば可能、という立場を自民はとっており、そのため尖閣、竹島などの対応の不味さ、という項目で内閣不信任を提出しようというのです。
当然、提出されれば自公、他の野党も賛成するでしょう。造反がなければ民主一党で否決できますが、鳩山氏などは代表選で野田氏が再選されれば…という条件で離党を仄めかしており、また松野氏、石関氏の動きなどからも、ここで不信任が成立してしまう可能性が高い。そうなると一気に選挙モードです。逆に、問責決議を先送りし、民自公で選挙のカードにしていたものが、ここにきて尖閣、竹島の対応まで加わった形であり、ほぼ確実に不信任、問責は通るのでしょう。

ここに来て、橋下維新の動きが不透明です。自民・安倍元首相へのアプローチ、以前は民主・前原政調会長とも同様に会談しており、民主・松野氏は小沢氏に近い。極論すると、橋下維新は大連立を越える、政治の一極化を目指しているともとれる動きをしているのです。つまり維新を中心に、民主、自民、生活、公明や地域政党まで含めた、大きな政治集団を作ろうとしている。これは先に、野田氏が消費税増税法案を通したとき「手法は良い」とした、橋下氏のコメントにも現れるように、橋下氏は維新を核とした政策ごとの連携を模索しているのではないか? ということです。
そこで、橋下氏は連携などを語らず、各政党の核になりそうな人物に声をかけ、調整を謀っている。もしかすると、橋下維新のもっとも望ましい展開は、総選挙後に敗北した民主、自民がそれぞれ前原氏、安倍氏を代表とし、維新との連携に乗って欲しい。そのときは小沢氏や石原都知事、地域政党の代表まで含めた、超巨大連立政権ということになるのかもしれません。そしてお題目は、霞ヶ関から地方へ、そのための政治大同団結、という形を模索していると見られるのです。

恐らく次の選挙はお約束解散になります。つまり、解散の風が強まったときは一気に進展してしまう公算が強く、実はそろそろ連立、連携を模索する政党とは調整しなければならない。維新は単独で過半数を超えるとは思えず、連携を示さない限り、選挙後の枠組みは誰も分からないまま、投票しなければならない、と見られます。それなのに、比較第一党になる可能性のある橋下維新が、それを示さないのは不可解と云えるでしょう。多方面を股にかけて、連携の色気をみせる橋下維新。その心根が明らかになるとき、サプライズを引き起こすのは連携や、どの政党と汲むかという枠組みではなく『政治一極化』による政界再編、ということになるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:39|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年08月18日

物価見通しと、概算要求

内閣府が来年度の成長率見通しを、実質で1.7%、名目で1.9%と名実逆転を解消する、と発表しました。民間よりも強気ですが、そこには再来年度から0.8%に上昇する消費税で、消費が堅調という読みが働いています。さらに景気が堅調でないと、付帯条項をクリアできず増税ができない、ということもあって、やや強気に見ているということも云えるのでしょう。
しかし民間は平均すると実質で1.6%、名目で1.4%と、名実逆転は続くとしています。これは消費者物価の見通しにもみられ、日銀は展望リポートで来年度に0%台後半に物価は上昇し、再来年度は消費税増税分もあって、2%程度かさ上げされ、3%に乗せるという見立てをしています。一方で、民間は来年度は駆け込み需要で押し上げられるものの、再来年度は0%台前半にとどまる、という見立てです。当然、先食い分の剥落は、現在の薄型テレビをみても明らかなように、再来年度の消費を押し下げます。最悪の予想は、再来年度もデフレのまま、というものもあります。

恐らく、今回は実験的に二段階で増税されることから、日銀はその辺りも織り込んで再来年度も堅調としているのでしょう。しかし両者とも、想定していないのが『消費税増税がない可能性』です。仮に、次の総選挙で消費税増税に反対する勢力が過半数を占めた場合、消費税増税法案は廃止、もしくは執行停止となるでしょう。その場合、駆け込み需要もなければ、消費税増税による物価上昇分もなく、景気見通しは根本から見直さなければならなくなるでしょう。
そしてこの政治の動向は、来年度予算の概算要求が決まりましたが、これすら左右しかねません。公共事業を1割削減する一方、日本再生戦略として計上する予算で、実質的には維持する見通しです。グリーン分野へは、各省庁の削減分の4倍の予算をつける、ライフ分野へは2倍の予算をつける、それで予算の大幅な組み換えを行う、とします。しかし実体は、名を代えても中身は同じ。予算を使用する先の独法、財法、公法などは代えず、逆に増えた予算分で天下り官僚はうはうは、の構図です。

しかし選挙が早まると、予算策定に新政権で対応することになり、概算要求からの大幅見直しが図られます。民主党に政権交代したときも、年末までバタバタと組み替えをすすめましたが、今回は政権に参加する政党次第で、それが実のある対応になるかが重要です。当時の鳩山政権は、ハッキリ言って予算策定の何たるか? すら分かっていない様子だったので失敗した、と云えます。
民主党の掲げた日本再生戦略は、正直何をしたいのか、よく分かりません。こういう戦略は官僚にとって都合よく、微に入り、細を穿つ、ぐらいのことをしないと、予算は従来通りの流れで消費されていくだけです。消費税増税分をどう使うか? 今から虎視眈々の官僚にも、政治の動きによっては戦略の見直しを迫られる。政治が、経済にこれほど関係する可能性のある年は、今回が初めてと云えるでしょう。しかし、政権交代のある国とは、得てしてこうしたことが当然起こりえる、ということなのです。政権交代が失敗、という論調もありますが、こうしたダイナミズムをくり返すことで、いずれ中身の議論も変わってくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2012年08月17日

雑感。新しい政党の乱立

尖閣諸島に上陸した活動家らを、野田政権は起訴せず、強制送還にしました。戦略なき撤退、という意味ですが、これで野田政権の寿命が一段と短くなりそうです。国際司法裁判所へ提訴しても、実効支配が強く敗訴するのでは? ともされますが、これには戦略があります。以前ふれたので、簡単に述べますが、国連の場でこう訴えるのです。
「日本は戦後の混乱期、平和憲法起草、自衛隊設置までの間隙をつく形で、他国から軍事接収された領土がある。それが竹島、北方領土である。実効支配に伴い、領土を拡張できるなら、軍事的不均衡を抱えた地域では、今後も軍事接収による実効支配によって、領土に組み込む動きが続くだろう。そこで尖閣も含めた、領土関係で他国が主張する問題を、すべて国際司法裁判所で裁定してもらう」と述べます。
すると、中国、韓国、ロシアは反発しますが、東南アジアや幾つもの国から賛同が得られ、国際世論を味方につけられます。実効支配ではなく、歴史的経緯で領土問題は解決すべき。これを国際コンセンサスにすれば、韓国やロシアの努力は無駄になり、未来永劫にかけて領土問題を抱え続けます。しかも裁判に応じない国、との目で見られ続けることになります。日本が得られるメリットは、領土紛争を抱えた地域で、リーダーシップをとれることです。しかし外務省や、米欧はこれに反対するでしょう。この戦略をとるためには、既成概念を打ち破る強いリーダーも必要となってきます。

話は変わって、超新星爆発のとき、威力は均一に拡散するのではなく、凸凹した形であることが観測で分かってきました。これは現在の宇宙で、星の分布が疎らであることの、説明になると期待されます。宇宙が誕生してすぐ、生まれた星が超新星爆発を起こし、そのときのエネルギーの濃淡が星の分布にも影響したとすれば、現在の宇宙から成り立ちを推測できるのかもしれません。
名古屋の地域政党、減税日本が政党化の要件を満たすため、民主を離党した2名を加えました。残り2名にも自信を見せます。ただ、減税日本が名古屋市議会で失敗したのは、庶民感覚を取り入れる、しがらみがない、などを根拠に市政の素人を議員としておくり込んだことです。これがふつうの市なら成功したかもしれませんが、政令指定都市として、県政並みの作業を抱える名古屋では難しかった。実は、この傾向は国政で失敗した、民主党にも当てはまる法則だと国民から見られています。

ここに来て、橋下維新の動きが活発化してきました。現国会議員が50人前後参加する、という噂もあり、また名簿流出騒動もありますが、大事なことは候補者の質です。残念ながら、それを見ずに、橋下維新の獲得議席数、を割り出すことはほぼ不可能です。選挙区に何の縁もない落下傘候補なら、恐らく素人との認識も強まり、受け入れがたいでしょう。地方も含めた現職の議員の数も、名簿では多いとされますが、安心感はあっても逆に利権やしがらみが問題となってくるでしょう。
9月解散なら、間違いなく橋下維新がとる戦略は、追い風を生かした勢い選挙です。ドブ板選挙とは正反対の、この選挙戦略でどれだけ議席を稼げるか? 橋下氏は300擁立し、200議席を目標にしていますが、大いなる実験の結果はそのとき出るのでしょう。しかし、民主党という政党が超新星爆発を起こし、ぼこぼこと政党が乱立していく構図は、宇宙と重ねると興味深いとさえ云えるのでしょう。星も、爆発を起こす前は一度大きく膨らみます。前回の選挙で大勝した民主が、爆発して跡形もなくなるのは、宇宙の規則性からいうと必然、となってしまうのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(0)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2012年08月16日

尖閣におけるWJ紙の記事

今日も竹島、尖閣の問題で様々な報道がありますが、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WJ)が、日本のナショナリストが問題をこじらせている、との記事を上げました。東京発の特派員電なので、ここには中韓系の記者の判断も含まれる、とみていますが、その一端には米国の抱えるもっと深刻な問題もありそうです。WJは共和党系なので、オバマ政権への対抗という面もありますが、オスプレイ導入でもめる日本、普天間移転をすすめられない日本、に対する苛立ちも感じます。

さらに米国では、不動産市場の問題が大きく横たわります。底打ち、回復の兆し、良い兆候、などの言葉が並んでから、すでに1年以上が経過しますが、依然として悪化傾向は続いています。FRBが不動産担保証券(MBS)の買取りをすすめることで、金融機関の不動産関連の資産を減らし、何とか小康を保っているのみです。しかもさらに不動産価格が下落すると、金融機関の不良債権が拡大し、剰えFRBの資産が劣化する事態を招く。だから楽観のコメントを出し、市場を上向かせようとします。
そんな米不動産市場に現れた救世主が、中国人富裕層です。最近、中国で問題視されているのが、中国高官の家族が他国で暮らす、という形態です。この移住先に米国があり、米不動産を買っている、という構図です。経済紙であるWJが、中国に融和的な記事を上げることで得られるメリットは大きい、と云えるでしょう。最近、米証券アナリストが年末のダウは14000$、など強気のコメントを残しますが、すでにユーロ安で米企業の増益基調は崩れており、その背景にあるのはFRBによる金融緩和、それによるドル安が必須の条件です。達成にはハードルもあります。

米CPIが発表され、食品、エネルギーを除くコアで0.1%でした。緩和には十分な低さですが、エネルギーはシェールガス革命で、3%前後のマイナスだったものが、ここ二ヶ月は急速にゼロに近づいており、この先はプラス圏に入る予想です。食品も旱魃の影響で高騰し始めており、コアが低くても景況感が悪化し、消費が鈍化する恐れもある。米製造業も車頼みですが、エネルギー価格が上がると、自動車販売が低迷します。米国が、中国人富裕層に頼りたい構図がここにもあります。
アーミテージ元国務副長官が、尖閣は日米安保の範囲、としながら日本にのみ自制を求めるのはコントロールしにくい中韓より、日本を叩けということです。国防面では、中国海軍を睨んで尖閣は絶対、中国には渡せない。一方で、経済面では日本より中国の方が大事、そんな思惑が交差しています。日本のナショナリストが…という決めつけは、まさに米国の操り人形として動くよう、妥協する日本とは異なる動きを示す、ナショナリズムの高まりを米国が警戒しているのでしょう。

韓国が、通貨スワップを停止すれば日本にも打撃、と反論しています。ただ日韓貿易の7割以上が円建てで、日本にとってメリットは少ないものです。唯一あるとすれば、貿易黒字を続ける相手国が財政破綻をしたとき、ですが、どちらの被害が大きいかは云わずもがな、です。だからこそ、通貨スワップ停止はカードであり、韓国に失敗外交と思わせるためにも必要、ということです。
今日の日経平均は強く、167円の上昇を演じ、9000円台に乗せてきました。ただ20日に設定される投信の先回り買い、しかも日経ミニを欧州系のグローバルマクロが跳ね上げた、そんな背景もあるようです。今回、長期金利が各国でも上昇、日本でも0.85%にのせましたが、消費税増税の法案採決で騒いだメディアが、0.8%台に乗せても報道すらしませんでした。恣意的な報道を流すことで、世論誘導をはかるのは日米ともに変わりませんが、国家戦略として外交にも跨り、意思表示をする米国。そうした目でみると、尖閣における報道の真相が見えてくるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:20|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 経済

2012年08月15日

追い詰められてきた野田政権

尖閣に上陸した、香港の活動家らが逮捕されました。中国は現在、政権移譲期なので、強く出られない立場であり、本来であれば粛々と国内法に則り、裁判すれば良いのですが、野田政権では明確に対応を打ち出せないのでしょう。例えば先の竹島上陸で、通貨スワップを解除することを検討、と藤村官房長官も述べていますが、韓国はインフレが低下しており、政策金利の引き下げ観測から、ウォン高を志向しやすい段階にあります。そうであればウォン安、アジア通貨危機、といった流れが今現在は起きにくい。実は、凍結に向けた環境は整っている、とさえ云えます。二の足を踏んでも良いことはなく、こうしたものは粛々とすすめるべきもの、と云えるでしょう。

橋下維新の動きが活発化してきました。民主の松野氏、石関氏、自民の松浪氏、みんなの党の小熊氏、上野氏との協議を行い、維新合流とみられますし、民主を離党した議員も維新に参加する方向で動きだしています。恐らく9〜10月解散を想定し、政党要件の確保に本腰を入れ始めた。維新八策を呑めるかどうか、という高いハードルを掲げても、20名前後の参加が見込まれます。
先に、2030年の電源構成を月内に決めるとしていた政府が、8万件のコメントを理由に、専門家会議の立ち上げ、を発表しました。これは明らかに、原発問題が選挙に影響しないよう、先延ばしした形です。次期衆院選にむけたマニフェストに、脱原発依存を盛り込む、という内容が伝わります。エネルギー・環境調査会の会長に前原氏、事務総長を仙谷氏、顧問に菅氏を当てることからも、本気でないことはミエミエで、票目当ての内容と国民の誰もが見透かすでしょう。原発の結論を先送りし、選挙後にはマニフェストに書いていないことをする、と誰もが感じるはずです。

野田氏が苦しいのは、竹島、尖閣の問題をうけて中韓に弱気な態度をみせれば、保守をアピールしてきた態度に愛想をつかされる。強気にでて外交が停滞すれば失敗になりますし、財界が怒りだします。中韓は貿易相手として大事、経済優先の原則で民主を支援せず、自民に流れる恐れがある。金欠である自民が、財界と会談を重ねている話もあり、これは野田氏にダブルで痛手です。
さらに中韓に強気にでれば、仙谷氏が許さない。また官僚の側も、中韓との衝突を望んでおらず、これが野田氏の手足をしばっています。官僚依存になった時点で、足元を見透かされ、中韓からの行動を抑止できなくなった。行動からの必然とは云え、今回のことも選挙では民主にマイナスとなる。さらに、支持母体である連合が、「個々に対応する」として生活の候補も支援する方針をうち出し、票が割れる恐れも出てきました。民主党内に漂う懸念は、候補として支持されても比例は『民主』と書いてもらえない、つまり比例復活の道が頗る狭くなっている、ということなのでしょう。

概算要求基準で、省内で削減した予算の範囲で、エネルギー分野へ予算をつけるなら4倍まで認める、といった方針が示されました。つまり1億円の事業を削れば、4億円の事業ができる。省庁の焼け太りを認めた形です。このまま野田政権で、予算編成をすれば、間違いなく歳出拡大による財政悪化が続き、それを再来年の消費税増税で穴埋めする、という形になるでしょう。野田政権では、将来の増税分をみこんで年金基金との間に債券をやり取りし、年金基金を活用するという案もありましたが、こんな小手先のゴマカシをしているようでは、長期にわたる安心には資さない。野田政権の膿が、ここへ来て一気に膨らんできていますが、破裂するタイミングで密約解散による選挙、という形になるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年08月14日

雑感、韓国の行動

韓国の李明博大統領が、天皇が訪韓したいなら謝罪を要求しています。残念ながら、こういう態度は本人が成功と意識している限り、エスカレートします。だからこそ矢継ぎ早に、日本から日韓関係におけるマイナスを表明し、失敗と意識させなければなりません。そこへ来て、野田氏は早々に夏休みをとってしまった。日本は戦略を了承してくれる頭がいなくなり、遅々として対応がすすまない。玄葉外相は李氏の発言を「聞いてない」とするなど、政権のお粗末な対応が続きます。
日朝交渉を、29日から再開することが決まりました。北朝鮮は今年も天候不順、1973年以降もっとも多い降水量で、農作物は大打撃をうけています。実利をとりたい、として遺骨収集などには積極的に応じる姿勢です。ただ某テレビ番組で、遺骨収集に対する北朝鮮側の対応をみていたとき、指定された場所を掘ると遺骨が出てきた、という形がありました。北朝鮮ではレーダーをつかい、地下の遺骨を探索するとは到底思えず、予め埋められていたのでは? との懸念も拭えませんでした。戦後67年、記憶も薄れた中で掘られた遺骨の信憑性も含め、慎重な対応も必要です。生きている人を早くとり戻すことは優先されるべきですが、遺体を捏造することもあり得る国なのですから。

ロンドン五輪、サッカーの3位決定戦における、韓国側の行動に対し、IOCロゲ会長が違反していると明言しました。後は処分内容となります。今回の五輪、注目されるのが英国などでも韓国側の行動に対し、批判が起きていることです。これは先に判定への不満から、対戦相手や審判に対し、韓国のネチズンと呼ばれる層が、攻撃をしたことなども影響しているはずです。つまり韓国は自分が不利になると、反発を強め、相手を攻撃することが多いのですが、それが世界に迷惑を与え始めています。
未だに欧州では「韓国って日本のどこ?」と聞く人がいるぐらい、韓国は知られていません。しかし国際社会で、韓国が前面に出始めると、改めて韓国人に注目が集まるのでしょう。そのとき、今の態度を続けていては、韓国は総スカンを食うことになります。国際社会の立ち居振る舞いを弁えず、他者を攻撃して溜飲を下げるやり方により、韓国は認知されていくことでしょう。

笑い話ですが、船が沈没しそうなとき、日本人は『まず話し合う』と喩えられます。韓国人は『船長を責め立てる』となりそうです。民族性とは、大多数がそうであるかというより、他の民族からみて目立つこと、だからです。悲劇的な場面でも、日本人はじっと涙を堪え、他人のために動こうとする。一方で、韓国では泣き叫ぶ場面が目立ち、それは同じ顔立ちであるだけに、日本人は違和感をもってしまう。日本と韓国とは、民族性に大きな違いがある、とは今回もはっきりしたのでしょう。
しかも韓国は、世界にアピールする動きを常に模索していますが、明らかに国際紛争をアピールしており、国際司法裁判所への提訴問題と、矛盾した行動をとっています。さらに日本は大国だから、慰安婦問題に取り組むべきだ、などの時と場合に応じて、自分たちを新興国として使い別けることは、アジア世界に共通していることに違いありません。ただ、それが通用する期間も短く、存在感を増せば増すほど、自分たちの行動における問題点が浮かび上がる。韓国にしろ、そうした問題に今後直面していくことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アジア | 政治

2012年08月12日

雑感。米国の旱魃

米国の旱魃により、トウモロコシと大豆の収量が激減、各国で穀物価格の高騰が懸念されています。ロシアなども穀物の輸出を制限しており、国連の食糧農業機関も、世界全体が07、08年並みの食糧危機に陥る、との懸念を表明しています。最大の懸念は、食糧危機が貧困国において最も影響が大きくなる、ということです。また食品のインフレは、緩和に舵をきった世界においても、その効果を減殺させるという意味で、極めて大きな問題を引き起こすことになるのでしょう。
食料の自給ができない国は、輸入が拡大し、貿易赤字となります。これは財政に不安のある国では、更なる財政悪化の要因となり、厳しい立場におかれる。穀物価格の高騰における、世界の富の移転は急速にすすむことになります。どこの国も食糧は削れない、常に一定量は確保しなければ国民の生活はままならず、政府への不満となります。食品のインフレはまさに死活問題なのです。

米国市場は週末も上昇、これもFRBによる緩和期待とされますが、明らかにこの食品のインフレを軽視した内容といえるでしょう。米国は今後も、食糧の輸出で稼ぐビジネスモデルでい続けられるかは、米中南部の荒野だった地を農産物に変えた地下水。それが激減した今、農業に適した土地を確保することさえ難しい。トウモロコシ、大豆、小麦、戦略的に重要な穀物をつくってきた米国が、食料の安全保障という面で、今後も機能できるかはエタノール政策、原油、ガスの掘削などのエネルギー全般とからんで、新たな局面を迎えるのかもしれません。
つまりここで、イランで不測の事態が起きれば、世界が大混乱することにもなり、対イラン政策の転機も迎える可能性があります。英銀大手スタンダード・チャータードが、米NY州の金融当局から、対イランとの取引で不正な利益をえた、として調査をうけました。これをうけて各国も同様に、スタンチャートの調査を表明しており、イラン包囲網のさらなる強化という以上に、政治陰謀説も囁かれるなど、今回の行動は大きな波紋を呼びそうな気配です。第一に、米の地方州単独の動きであり、FRBや米財務省は憤りを表明していること。第二に、国際的な信頼感の欠如を引き起こすことです。

バークレイズ問題とは異なり、一地方の金融監督機関の暴走だとしても、政府が知っていて見逃していたなら、国際問題です。米国は、すでに各国にイランと取引しないよう通達しており、それを一部お目こぼしをしていることになるからです。これが、中東に問題を起こさないための、高度な政治判断だったとしても、イランとの取引ができなくなり、収益機会を奪われた金融機関は、米国を非難するでしょう。コトは、一金融機関の暴走、では済まされないのです。
TPPなど、すべての品目を自由貿易にすれば、こうして食糧危機が起きたとき、自前で調達できないことで国の経済が揺さぶられます。実は、TPPが成功するのはエネルギー、食糧が自給できる国、つまり米国だけなのです。それ以外の小国は、米国の傘に入り、米国の意に沿って動くことをTPP参加で宣言することになる。TPPと安全保障とは密接ですが、今より米国に追従路線を歩む、という意味では深刻になるのでしょう。食糧問題と、エネルギー問題、今一度日本も真剣に考えておかないと、世界の天候不順、政変、及び政策や態度などで、国が不安定化することになりかねないのでしょうね。

明日は一日、お休みしたいと思います。

analyst_zaiya777 at 23:41|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 アメリカ | 一般

2012年08月11日

雑感、警察と教師の不祥事をいくつか

昨日の韓国・李明博大統領の竹島上陸、今日になり玄葉外相が国際司法裁判所への提訴、に言及しました。韓国は受けないとみられますが、逆にそのことで李氏の弱気、とアピールできます。つまり自信があるなら提訴に同意すればいい、自信がないから受けられない、となれば、今回の上陸が失敗となります。合わせて経済的な封鎖も含めて検討すれば、今経済格差が問題になっている韓国を、益々追い詰めることになります。とにかく、竹島上陸を成功裏に収めさせないことが大事です。
そんな中、森本防衛相の「韓国の内政問題」発言があります。前後の文脈が不明なので、言葉狩りはしたくありませんが、「他の国の内政にコメントすべきでない」と、明らかに国益を損なう発言です。さらに、野田首相は玄葉氏に電話連絡しただけで、夏休みをとってしまいました。まさか、提訴を表明して終わり、ということではないはずですが、国際問題が起きているときに、トップが休みをとるのは違和感があります。少なくとも万全の体制と、方針を示してから休むべきでしょう。なぜなら、これは国益の最重要事項である、領土問題に関わることなのですから。

話は変わりますが、剣道大会で優勝するなどした警察官が、少女に裸の写真を送らせた事件が不起訴になったようです。つまり警察は今後、同様の事件が起きたとき、起訴できないことになります。警察の内規で処分すれば良い、という判断は通用せず、社会的に制裁をうけることが罪を減じる正当な理由にはなり得ない。社会的に高い地位にある人間は、その分責任を負う必要があり、社会的制裁はその責任への対価です。それを受けた上で、改めて犯罪として精査することが大事です。
宮城県仙台市で、根性焼きをされた被害者に、学校側が退学をすすめていたことが話題です。その理由が、加害者と同意の上であり、火傷痕をみせて周りを不快にさせた、とのこと。この論調が通用すると、同意の上なら傷害事件はなかったことにできる、となります。極論なら殺人も、合意の上なら無罪になるでしょう。上記二つの事件は、罪と罰の考え方が極めてゆがんでいる、としてあえてとり上げていますが、最近はこの考え方に社会通念上の『一般論』が通用しないことも増えています。

それが警察や、教育機関というところに、この国の歪みがあるのでしょう。本来、もっともそうしたものを厳格に、周囲を納得させるだけの理由が必要な組織で、そうならない。逆に、自己保身や自分たちの都合が優先される。これが警察、教育機関への不信につながり、国民も不満をため易くなります。
警察官の不祥事は、セクハラ事件や酔わせて強姦する、など最近頻発しています。教育者が生徒にわいせつなことをした、とする事件も多く報道されます。こうした犯罪を抑止し、安心を与えないと、さらに悪いことは公的機関への反発を正当化され、マジメに働いている人間がその弊害を被ることもあり得るのです。むしろ厳罰で対処する、ぐらいの覚悟が求められているのでしょう。

最近、自衛隊員の募集をCMでみました。驚いたのは、それだけ自衛隊への反発を考慮しなくて良い社会になった、ということ。また、こうしたCMを流すことでTV業界へ配慮した、国の思惑です。電力会社が軒並み赤字でCMを自粛、昔は消費者金融、今はゲーム関連、携帯電話などのCM大量出稿で、何とかつないでいるTV業界に泣きつかれたのか? しかしいずれにしろ、公務員の不祥事が相次ぐ中で、CMを打つというのは何とも違和感があります。企業もそうですが、優秀な人材を集めようと思えば、企業のイメージアップを狙って広告を打ちます。まず公務員のイメージが高まらないと、人材を集めるにしても苦労することになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 社会 | 一般

2012年08月10日

韓国大統領の竹島上陸

韓国の李明博大統領が、竹島に上陸しました。3位決定戦でヒマになり、政権浮揚の威信をかけて愛国主義の手を打った、という見方で正しいようです。すでに身内は逮捕、大統領の任期が切れれば自身に捜査の手が及ぶ可能性もあり、12月の大統領選までに博打をうちたいところでしょう。
日本は駐韓大使の召還を行っていますが、次の手は出てきていません。例えば通貨スワップの停止、円・ウォンの直接取引は少ないですが、それも停止。韓国製品への検閲強化、など打てる手はいくつかあります。外交でよく行われる嫌がらせは、工業製品では難しい面もありますが、製品の流通を遅らせる、難癖つけて送り返す、輸入の検査官が承認の判を押さない、といったことです。また韓国との共同事業などがあれば、それを停止するといったことも、実施できるでしょう。

日本の外務省は、必ずフラットで常時同じ関係を望みます。これは外務官僚の任期、それに合わせて良、悪の差をつけたくない、との思惑が働くためです。しかし本来、外交は波のある方が上手くいきます。今回、韓国が先に日韓関係を悪化させるカードを切ったのですから、日本がそれを極限まで悪化させるよう、カードを切ればよい。すると、次に日韓関係の修復に動く際、それが改善を示すカードとして機能することになり、相手の妥協をひきだし易くなります。
しかし野田政権に、その判断はできないでしょう。日本が抱える最大の問題を、野田政権が体現しているためです。これだけ官僚依存で、官僚のシナリオに乗っているのに、野田政権は外交で失敗ばかり。つまり官僚の描く戦略が、悉く失敗していることに他なりません。政治家の劣化、が叫ばれて久しいですが、実は官僚の劣化、戦略の欠如が著しくこの国の国益を害しているのです。

日露外相会談が7月末に行われましたが、これも先の首脳会談で、日本側が発表した『再活性化』の話にはふれられなかった。野田首相が会見し、公表したことが実は会談では一切話し合われていなかった。このお粗末は、外務官僚がついていながら、失態を演じさせたという意味で、外務官僚の力量不足をイヤというほど感じます。道を示さない政治家とともに、道を作れない外務官僚、これが最大の問題なのです。韓国側の動きをつかんだのが昨日、ということも外交の失敗でしょう。
大使、外交官の選任の仕方も、今は限界に来ているのでしょう。世界の距離が近づいている今、名誉職や恩給代わりに大使を択ぶことは、国益を損なうだけです。ただ、それらも野田政権では改善が不可能です。官僚依存の悪い点は、国益を損なうことをした当事者が、人事考課もしているため、自浄能力がないことです。政治家は政策、外交などを官僚に頼っても良いのですが、一体になってはいけない。必ず線引きしておかないと、こうした場面で後手を踏むことになります。

野田氏は会見で「増税分はすべて社会保障として還元される」としましたが、それも輿石幹事長が述べたように「党首が変わってしまえば約束は反故」ということです。逆に、野田氏は消費税増税が実現するまで、首相でいることはないから、こうしたウソを平気でつけます。法律に書かれたことが最優先なので、『防災、減災』という名がつけば、消費税増税分を支出に回すことができるのです。
ウソを真顔でつければ『本物の政治家』という話もあります。最近、妙に悪人顔が板についてきた野田氏は、『決める政治』として『玉虫色』の決着から脱却したつもりが、実は財務官僚という『山吹色』を握っている人たちと、なぁなぁの関係だった。、参院採決で6人も造反がでて青息吐息、自公と財務官僚の顔色ばかりうかがうようになり、これで外交で厳しい態度をとれないようなら、レッドカードを突きつけられることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:30|PermalinkComments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2012年08月09日

経済の話。債券市場の思惑

内閣不信任が、衆院で否決されました。民主2、自民7の賛成です。これで第三極側は選挙で候補をたてる選挙区を、しぼり込める形になりました。また今回、財界が一気に自民バッシングに傾き、また財務官僚の調整もあって急速に妥協しましたが、自民の側に造反が多いことをみても、次期総裁選で谷垣再選の目はなくなった、といえます。谷垣自民でなければ、対決モードとなり、解散まで一直線です。結局、野田氏、谷垣氏とも9月解散でなければならない、ということですね。

昨日、少し債券の動きにふれましたが、ここには財界の意を汲むとみられるトレーダー・マフィアの動きがあるとみています。実体は不明ですが、財界の意に反する政治の動きに対し、値動きをだして市場は警戒している、とサインを送る。それをメディアがニュースで伝える、となります。
また今日、株式市場は意外高となりましたが、明日のSQ算出はフラットかやや買い超、特に買い上げる必要はなかった。指数に利く銘柄の上げが目立ちましたが、どうも今日は市場に楽観ムードを演出したかった面もあるようです。以前から噂される、マル政マネーの動きかもしれません。

また今日は日銀の金融政策決定会合でしたが、資産買入基金における長期国債買入れオペでの下限金利0.1%の撤廃は、見送っています。簡単に云うと、基金に今年末まで65兆円、来年6月までに70兆円を積み増す計画ですが、直近の応募で札割れを起こしたため、計画達成のためにも条件をなくし、順調に市場に資金を供給しよう、ということです。これは日銀の緩和姿勢が、実は効果がないのでは? と見られ始めていることへの牽制でもあり、早晩撤廃されるとの見方が強いものです。
実はこうした動きも、債券市場では影響しています。実際に法案が成立しても、消費税増税はまだ先であり、また公共工事に回すことが明記された法案であるため、財政再建への寄与は低い。それ以上に、日本の社会構造が変わらない、ことの方が財政再建にはマイナスであり、その評価が重要です。世界では、増税でマイナス成長に陥った南欧諸国をみて、失敗例との認識が広まっており、増税しか提示していない日本の財政再建には、疑義も生じているのです。一体改革が後ろ倒しになっている今、増税のみでは債券は売られやすい。また日銀の態度が、下限金利撤廃に動く、との思惑で買っていた債券ディーラーの、持分調整の動きも重なっていたとみられます。

中国の7月消費者物価指数(CPI)が、1.8%となり、中国でも緩和期待が拡がります。ただ、中国では担保付債券の発行枠の拡大を、地方政府に認めるなど、地方政府の疲弊の方が大きな問題です。これは米国でも同じですが、地方州、政府の破綻が相次いでいる中、一番大事なことは信用の維持です。中国が仮に、担保付債券を発行するとなると、資産価値の劣化につながっていくので、地方の長期債などは今後、利回り上昇などが起きる恐れもあり、その辺りに注意が必要でしょう。
今の市場はリスクオン、オフの動きで上げ始めたら、上げ続ける。下げたらずっと下げる、という展開も増えています。しかしそれも思惑、期待や悲観がそうさせるものです。そこに、財界や政治の思惑も絡んできた。閑散相場に売りなし、と云われますが、今は閑散なので思惑に走りやすい、という相場環境になっており、過剰流動性の下では益々こうした動きが続くことになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(6)TrackBack(1)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2012年08月08日

民主と自民の党首会談

今日の民自公、党首会談。推測するに、野田−谷垣の30分間の直接会談で、解散時期を決定したと見ています。残り5分に公明の山口代表が加わり、内容について了承をえて決着、ということです。野田氏は何となく党代表選を乗り切れそうですが、谷垣氏は総裁選を乗り切れない。9月までに解散しないと、谷垣氏が持ちません。しかし野田−谷垣間で、解散時期については党内にも伝えない、と合意した。両者は直接電話で話すぐらい、親密な間柄なので、会えば解散の疑心暗鬼を生む、と理解した上で党首会談をもった。直接話すことは、密約を強く印象づけるものとなります。

一部メディアで、消費税増税法案が採決されないとの不安で、国債利回りが0.8%突破、と報じられました。これは明らかなウソです。株は3日連続で上昇しており、債先買/株先売のアンワインドが出るタイミングです。つまり株先買/債先売が起き、利回りが上昇したのです。事実、株がやや勢いを失うと、再び0.7%台にもどっています。円、株、債券がすべて売られるときは日本売りですが、今回はやや楽観ムードに傾いたことで起きた動き、ということです。これも経団連、経済同友会が国会の動きを否定したのと同じ、メディアの意図を含む誤まった報道とみて、まず間違いありません。
民主内では、野田政権を総辞職させ、岡田首相、谷垣副総理の大連立政権を模索する動きもあったようです。しかしこれは選挙で大勝、と思い定めている自民には呑めない案であり、大連立になってしまうと与党として一体で扱われ、選挙も期待できなくなります。また野田氏もこれでは討ち死にに近く、それこそ政治生命を断たれます。こうした動きを模索すること自体、政局が読めていません。

一方で、自民で小泉元首相が活発に動いたのは、お盆前の解散なら自民が勝てる。すなわち第三極がサプライズを起こしても、五輪報道で紛れる。そうなると名のある自民が有利、との算段でしょう。さらに時間が経つと、生活の小沢氏が益々有利、橋下維新の選挙対策も間に合い、年度をまたげば石原新党も出てくる。自民が大勝すれば、消費税増税法案にも国民からの合意が得られた、と国会で堂々と通せる。そんな計算です。また進次郎氏に華をもたせ、優遇も画策していたのでしょう。
しかし谷垣氏の弱気の虫が、小泉氏の読みを遮りました。官僚依存の政治家の悪い癖は、決断できないことです。判断を委ね、周りにレールを敷いてもらい、その上でしか動けないため、いざ自分で決断しようとすると大いに迷います。これは野田氏、谷垣氏に共通しており、谷垣氏のお尻に火がついて、やっと二人になって相談して決めた。それが「近いうちに信を問う」、9月解散です。

しかしこれも、谷垣氏に不利です。時期を明示しない限り、党内の逆風を押さえるのが困難。しかし誰かに話せば、必ず解散時期の話は洩れます。解散時期を明示した、という話が洩れれば、さらに民主党の遠心力が働き、それこそ与党でいられないほど弱体化し、解散時期がさらに早まる恐れもある。内閣不信任、問責決議は、自民が提出しなくとも、今提出されているものを『粛々と』採決しなければなりません。そのとき、次の政局として何人が民主党から離脱するか? それを計ることになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:04|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年08月07日

内閣不信任の提出と、民主党綱領案

自公を除く野党7党が衆院に内閣不信任、参院に問責決議を提出しました。流れを示すと衆院は不信任を優先して採決しなければならず、他の審議はすべてストップします。参院は、8日の消費税増税法案採決を自公が容認したので、これは粛々と通過し、問責決議は店ざらしの可能性があります。
ただ8日午前中までに、自民は解散確約の言質をとらないと、独自で内閣不信任、問責を提出の動きをみせており、その場合は8日採決をした後で、異なる理由により自民が問責決議を提出、それを採決して参院は審議拒否という、国民にとっては分かり難い流れになる恐れもあります。また自民が独自に内閣不信任を提出、それを採決するというのも、国民はただ呆れるだけかもしれません。

自民も公明のごり押しで、ここで腰砕けになると選挙はもたない。公明も、これまで支持母体を説得してきたのに、ここで法案を飛ばせばもたない。野田首相は「粛々と否決する」としますが、党内の造反の動きをまったく無視している。民自公、それぞれの執行部はまったく政党の体を為さないほどの、滅茶苦茶ぶりです。自民は『220議席を確保する』との独自調査で、強気に傾いたとされますが、自民への支持は、民主党政権の甘さをみて『経験』を買う、といったものです。しかし今の混乱ぶり、民主や公明の動きで右往左往する様をみると、心許ないと感じる国民も多くいるでしょう。
さらに、ここに来て民主党が綱領案を示しました。その中で『新しい社会を創造すること』とあり、残念ながらその創造は、国民の失望と裏腹だろうと感じます。さらに『生活者、納税者、消費者の立場を代表する』との文言は、センスのなさを感じます。広く捉えれば『国民の代表』であり、それは代議員制の下では当然だからです。また『国民の一人一人に「居場所と出番」を保障する』との文言は、その後の『自立と共生』と同義である一方、薄っぺらさも感じます。民主党が政権をとってから、自殺対策、失業対策など目だった施策がなく、やれたはずのことをしていないためです。

そして『真摯に、率直に国民と対話する姿勢を貫く』との文言は、マニフェストを反故にした政党として、さらに言葉が軽く感じられてしまう。これは大臣答弁でも、国民の側に立つ意見はほとんどなく、官僚が書いた答弁書を読むだけだと知ると、さらに虚しくなります。残念ながら、この党綱領案をみて、ストンとくる人はいないでしょう。むしろ怒りを増すだけなのかもしれません。
民主からは「自助、公助」との言葉も聞かれます。自公に助けてもらう、その態度が鮮明で、内閣不信任、問責決議をうけても、党内に焦りはみられません。政権継続に色気をみせ、自らの言葉で語り出した途端、ボロをだした野田氏、その行動全般にも閣僚から反対が上がるようになりました。ロンドン五輪にかけて、英国のことわざをちょっと示しておくと「結婚は悲しみを半分に、喜びを二倍に、生活費を四倍にしてくれる」というものがあります。野田氏は3党合意で、自公と大連立を視野に結婚した気でいたら、その関係は脆かった。その間に、国民の生活費は四倍になった、と捉えると、このことわざの意味が少し面白くうけとれます。日本でも「手の冷たい人は心が温かい」と云われますが、これも実は英国のことわざです。野田氏は党内や、野党からも冷たい対応をされ始めていますが、それもこれも野田氏の手は温かいことによるのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:29|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年08月06日

エネルギー政策について考える

広島で、67回目の原爆忌を迎えました。野田首相も挨拶し「脱原発依存の基本方針の下…」と述べていますが、11回も開かれた意見聴取会で0%、15%、20〜25%の選択肢を示し、意見を聞いたはずです。この意見聴取会の調査もまとまっていない内に、こうした発言をするのは違和感もあります。どの意見も国民の声であり、少なくとも方針を示すのはエネルギー戦略を策定してから、になるはずです。どの案も検討を進めることは吝かでないにしろ、公の発言が先走っています。これも、選挙の先延ばし戦術が通用しなくなり、焦りが言葉になって洩れてしまった、ということでしょう。

昨日も示した、小沢新党・生活の基本方針の中で、10年後までに原発ゼロ、を示すものがあります。そのとき、エネルギー政策をどうするか、示さないのは無責任という論調がありますが、これはまったく異なります。それは純粋に、科学技術にも関わるからです。例えばパナソニックが発表した人工光合成技術。これが産業ベースで確立されると、エタノールを内製できる形となり、エネルギーの安全保障上の懸念がなくなり、安定して火力発電を稼動できる可能性があります。高いLPGを購入するより、高くても内製できるエタノールで発電する。そうすれば国内の雇用も確保され、貿易赤字の縮小も期待できます。人工光合成はそれだけ夢のある技術、と云えるのでしょう。
原発推進派の一部に、原発を停止すると国内200万の雇用が失われる、とするものがあります。しかしこれはウソで、廃炉に向けた工程表をつくれば、経年的に雇用は生まれます。さらに、新エネルギーで置換できる雇用、それが上記のような人工光合成の内製などで達成できれば、プラスと試算できます。このとき、TPPはとても厄介な代物となります。TPPは、仮にエタノールを内製しようとしても、海外に産業移転してしまえば、エネルギーの安全保障にそぐわなくなるのです。保守で、TPP推進という方もいますが、これは安全保障上の政策に齟齬が生じている、と云えるものでもあります。

実は、原発は成長産業でないと、途端に脆さを露呈する産業です。廃炉が増えると、廃炉費用を捻出するために、新たに原発を造らなければ、原発全体のコストとしては割高になっていく。原発が低コストなのは、今までは拡大型で、新設することで新たな収益源にできたからです。廃炉になると、その費用計上もさることながら、電力会社として資産に計上できなくなる。これは経済と同じで、拡大型の産業であり続けている内は問題が出ないものの、今後はそうでなくなる。実はすでに、原発は高コスト体質に陥っており、廃炉しかないのが現状になっているのです。
つまり、原発の比率を15%にするなど、初めからありえないのです。比率が下がった段階で、原発が占めるコストは跳ね上がり、それを避けたければ廃炉を先送りし、動かす可能性があると抗弁しながら、存続させなければならない。逆に云えば、今後は廃炉が増えていくことから、原発はもう高コストな発電方式になっていく。すると、自然エネルギーや別の発電方式を採用しても、十分コスト的には見合ってしまうほどでしかない。そのとき、原発は勝手にゼロになってしまうのです。

個人的には、科学技術に政治が介入し、余計な判断を加える方がリスクだと考えています。野田氏は原発再稼動に責任をもつ、としましたが、責任を果たす術が彼の政治生命では割に会わない。結果的に、事故が起きた際、国費で償うのなら国民負担に回しているだけ、なのです。だから安全面を向上させ、事故のリスクを減らした上でなければ、再稼動させてはいけないのです。
勝手な政治判断が、国民をリスクに晒している。科学技術は日進月歩ですから、政治は道を示すだけでよいのです。原発をゼロにするためには、補助金をだすのか、支援するのか、様々な道があります。太陽光なり、地熱なり、そうしたものに縛られて政策をうちだす方が、よほど問題も大きいといえます。科学技術の素人が下す判断には、どうしてもリスクが伴う。特に原発の専門家が、国民の不安に十分応えられない現状では、そのリスクも加味してエネルギー政策を考えざるを得ない、ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2012年08月05日

内閣不信任をめぐる動き

8月政局が混沌としてきました。生活が主導し、7日にも提出とされた内閣不信任、それを受けて野田氏が、消費増税法案の10日採決を指示したものの、自公は8日採決を求めました。しかし今日になり、自民が内閣不信任提出に言及、他の野党も同調する流れになっています。それでも民主が否決すれば、不信任は成立しませんが、2つの意味で民主に踏み絵を迫るものとなります。
1つは、民主が野田政権を信認すれば、どの道民主は野田氏で選挙をしなければならなくなります。もう1つは、不信任に賛成して党を飛び出すか。これは民主党議員への最後通牒です。党を割るなら今しかない。仮に不信任を否決しても、消費税増税法案が宙に浮くので、野田政権はレイムダック化するのが必定ですから、政治生命をかけると云った法案が成立できないことになります。

野田氏がこの動きを制するなら、自公に解散の日程を確約し、消費税増税法案だけは通してもらうしかない。しかもそれは、夏解散に近い形になるはずです。残り2日で、民主は通常国会中に通したい法案を示し、そのスケジュールを自公と取り決め、7日の内閣不信任を回避するしかない。
恐らく、通したい法案にしても民主の意見が通るわけではなく、自公は財務省と諮って決めることになります。特例公債法案と、共通番号制度法案、後いくつかといったところでしょう。そうなると、野田氏に国会をコントロールする力がない、と国民からも見透かされる。つまりリーダーシップの欠如です。民主に政権担当能力がない、と改めて示すので、民主党に流れる浮動票はゼロです。野田氏がとってきた戦略により、民主はそこまで追い込まれることになるのです。
そして民主が自公と諮って解散スケジュールを調整する、そこが民主党を飛び出す最後のタイミングとなります。そしてそのとき、民主の遠心力は最大化するのでしょう。党に残っても重力で『落ちる』だけですから、それならこの重力圏から離脱しよう、と考える議員が増えます。

まさに生活の小沢代表の仕掛けが決まった形です。1日に党本部を立ち上げ、基本方針も示したことで、選挙にむけて準備を整えた。五輪期間中は、記事になることが少ないので、大きな動きを避ける方針が多い中、あえて発表したのも、この一連の流れの中で、選挙が早まるとの目算もあったのでしょう。その基本方針 1.いのちを守る「原発ゼロ」へ! 2.生活を直撃する消費税増税は廃止! 3.地域のことは地域で決める 地域が主役の社会を! です。ワンフレーズにしなかったのは、むしろ新聞などでは短く表現されることを考慮し、有権者に訴えるときはツーフレーズで、意味を浸透させる気なのかもしれません。これもメディアとの距離感を小沢氏なりに図った上なのでしょう。
自民も、小泉議員が3党合意は破綻、早期解散を訴え、のらりくらりで議員生活を謳歌したい重鎮連中が泡を食った、という話があります。それも、落選議員が求める早期解散を、重鎮が邪魔をしてきたことで起きてきた反発です。永田町は、明らかに新しい動きの胎動が始まっており、それに抗うのが既成政党、といった見方をされています。野田民主の稚拙すぎる対応に、小沢氏の仕掛けが決まったことで、格の違いを見せつけられた形になった。政治家としての手腕、それはメディアの報道以上に、現実の動きとしてみれば民主と小沢氏との間には大きな開きがある、ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:33|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年08月04日

経済の話。夏場の市場

7月の米雇用統計が16万3千人増となり、市場予想の10万人増を大幅に超えたことで、週末の欧米株は大幅高になりました。ただ6月を1万6千人減らし、7月分に回した印象もあり、逆に8月分も先食いした可能性もあります。つまり8月1日のFOMCで緩和策を打ち出さず、雇用統計が悪化すれば市場がかなり弱気に傾く。8月雇用統計は多少弱含んでも、9月FOMCで緩和策を打ち出す、という期待につながるという読みが当局に働けば、ここで楽観的な数字をだすことは規定路線だった、ということです。
またスペインのラホイ首相が、ドラギECB総裁の発言をうけ、国債買い入れの条件となっている『国の要請』について、前向きな発言をしたことでユーロ高となっています。また、ドラギ総裁の会見で、国債買取を否定したわけではない、との受け止めが増えたこともあったでしょう。多数決が原則のECB理事会で、独国の反対ですすまなかった支援策ですが、逆にスペインが道をつけてくれる。ただ、まだスペインも国会にすら諮っていない検討段階であり、道のりは厳しいと云えます。今回も、市場は最良のシナリオに至ることを念頭において、楽観相場を演出した、それが3日の大幅高です。

現在の市場は、中央銀行頼みであり、政策対応がでる度に楽観し、それが問題解決にはつながらない、と悲観することをくり返しています。しかしFRBもECBも、政策効果に疑問を抱きながら、市場に催促される形で対策をうちだす。それが場当たり的な対応になる原因ともなっています。最近、市場で警戒されているのが、政策対応を引きだすためには『何かが必要』という意見です。
小さな悪材料を積み重ねても、政策は遅々としてすすまない。それならいっそ、大きな問題が起こって、抜本的な対策を引き出そう、という考えが広がっています。こうしうた発想は一番恐ろしいのですが、市場は今、間違いなく悪い方に流れています。中央銀行にもたれかかり、中央銀行に死線を握られている。それなのに、中央銀行におねだりするあまり、中央銀行の最も嫌うやり方で、金融政策をひきだそうとしている、ということです。

日本市場は8000円台後半の居心地が良さそうですが、残念ながら、楽観と悲観の中で行ったり来たりしているだけで、主体性はありません。夏枯れ相場、と云われながら、米系が一日にかける大きな傾きと、日系証券による買いで、何とか踏ん張っている形です。悪い意味で、この楽観を導いている世界的な流れは、決して万全だから上昇しているわけではないことを、日米の買いは織り込んでいません。
お盆時期は、元々日系の動きが鈍るときです。そこに来て、8月政局はかなり混沌としてきました。政局リスクが意識される水準ではありませんが、仮に9月選挙になると、海外勢の見送り姿勢は強まるでしょう。円高意識があるので、見切り売りになるとは思えませんが、市場が望むカタストロフィがどこかで起きると想定するなら、やや警戒しておいた方が良いのでしょう。残念ながら、今の経済に救世主はいません。しかも市場が期待する対策がでると、もう一段の下げを招きかねないという意味で、金融機関にカタストロフィがおきかねなくなることも、想定しておいた方が良いのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 

2012年08月03日

野田首相と原発反対派との面会

ロンドン五輪は、誤審ピックとも揶揄されるようですが、昨日書き忘れた話として、採点の抗議をすると罰金を支払うものもあるようです。抗議の通り、採点が覆っても罰金が課されるということは、協会は誤審を増やせば儲かることになる。これでは益々誤審が増える土壌が醸成されます。
日本では警察官の不祥事が多発しています。警察が身内に判断を甘くすると、これから同様の事例が起きた際、起訴できないなどのことが起こります。大事なことは、ルールを守らせる側の人間に信を置けなければ、社会にしろスポーツにしろ、成り立たないということです。組織は上から腐っていくものですが、五輪組織委にも贈賄の話があったように、日本も政治が腐って行政に至るまで腐敗することは、そこで暮らす国民はブーイングを上げ、判定に不服を鳴らすことになります。

野田氏が原発反対派と会う、という話があります。事前に行われた民主党議員と、反対派の一部との会談では、民主党議員が『代表』を求めたのに対し、反対派は『代表ではない』という立場を貫きました。これは政治の側が野放図な行動を戒め、統率と統制を求めたのに対し、民意とはそういうものではない、と示した形です。つまり民意とは、各々が抱く内容には少しずつの差があるものであり、民意の代表という形はとり得ない、ということです。これは代議士制の否定にもなりますが、デモという形は選挙による候補者の選別でも、意思表示にならないことを示す行動でもあります。
今回の原発反対デモが従来と異なるのは、最大意見である『原発反対』の意思統一はあっても、中身は千差万別であること。すぐ全原発は廃炉、安全性を高めない運転は認めない、原発ゼロに向かう工程表から、など意見は様々です。発起人はいても、代表はいない。それは意見の集約など、初めからムリなのであり、代表が合意しても行動が止むものではない。それを政治が見誤っています。

面会したとて、恐らく意見を聞くだけにしかならない。自ら何らかの行動を約束することは出来ても、相手の行動は確約されない。つまりそれだけリスキーです。野田氏は『話せば分かる』と、安易に考えているフシがありますが、野田氏が話しても意見が伝わらないのは、これまでと同様です。原子力規制委人事を『妥当』、と言い切るセンスでは、状況の切迫感が伝わっているとは到底思えない。むしろ、原規制委人事にしろ党内に燻る火種に、火をつけかねないのでしょう。
原発反対のデモは、まだゴールのない列車のようなものです。原発を即時、全停止すれば止むでしょうが、そのゴールは政治の側が否定する。であれば、ゴールは倒閣なのか、政界再編なのか、はたまた霞ヶ関に切り込んで原子力ムラとの癒着の構図を断つのか。参加者がどの水準で納得するのか、達成感を得るのか、まだ何も分からない状態です。少なくとも、会談するなら政治が道を示せばよいですが、野田氏の言うような説得は通用しない、と云えるのでしょう。必要なのは説明です。原子力ムラの腐敗の構図、それを国民が知り、『ルールを守らせる側の人間に信をおけない』と感じているのですから、すでに成り立っていないのであり、そこから改善を示さない限り、何も解決しないといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:25|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2012年08月02日

雑感。五輪と経済

米FOMCが開催され、金融政策に変更はありませんでした。市場は9月のFOMCで緩和の可能性が高まった、と楽観する向きもありますが、若干の経済見通しを下方修正しているものの、緩和に踏みだすだけの理由、その文言は見受けられません。国債買取や、ツイストオペの延長など、現時点でFRBは効果を疑問視しており、デフレや雇用統計の推移など、明確な兆候がない限りは緩和はないのでしょう。
一方で、今晩のECBでは、特段の緩和措置は打ち出されなかったようです。すでに20週近く実施されていない、証券市場プログラム(SMP)の再開が期待されていましたが、それもないようです。これは、ECBが各国の国債を購入するためのものですが、詳細につかめていないものの、示唆する文言すらないと、今後の市場には厳しいのでしょう。ただLTROを昨年12月、LTRO2が3月、ここで緩和策を打ち出せば、実質4ヶ月ごとに何らかの策を打つことになり、極めて厳しい状況をさらすことにもなります。

ロンドン五輪が開催されていますが、今回も失敗と認識されそうです。近代五輪、特にここ数回は必ず赤字です。国の威信をかけて派手な演出に凝る、という以上に、インフラがその後、うまく活用できない面が大きい。過剰投資となり、維持管理にかかるコストがオーバーし、累積で赤字を計上するものが多くなる。ギリシャはアテネ五輪以来、経済の困窮が鮮明と鳴りました。
英国はロンドン東部の再開発、という目標をたてましたが、景気の低迷が色濃くなっており、五輪が終わったら失業が増えると云われます。英国は増税を繰り返し、インフレ傾向が鮮明になっていましたが、今後はそれも剥落、デフレ傾向に陥るとの観測もあります。英国の日本化が囁かれており、ロンドン五輪後、今度は英国のギリシャ化が心配される状況になるのかもしれません。

東京五輪の招致、という話題もありますが、経済効果や意義が低く、国民への浸透もありません。地方分権が叫ばれる今、東京のインフラ整備に使われることに、釈然としないものを感じる、というのが原因でしょう。そして日本では、スポーツ振興を担ってきた企業が、続々と支援を停止する中、インフラ整備にかける予算があれば、もっと選手の活動費を助成した方がよい、となってしまいます。
例えば企業は、CMを選手に出演してもらい、その出演料を活動費に回してもらう、などの取組みがあっても良いのでしょう。広告費を削減しても、テレビCMは続いており、下手なタレントよりは良いイメージを与えてくれ、また企業の取組みを訴えられる。企業サポートがなく、活動も苦しい選手への支援策を講じないまま、五輪招致などを訴えても、やはり違和感をもたれてしまいます。

日本として、スポーツ振興をどうするか? これまで企業頼みだったものを、国が行うのか、地域との連携で育てていくのか。海外の成功事例をあつめ、もっと研究すべきなのでしょう。単体の五輪が赤字になるなら、尚更そうした全体の底上げを考慮しないと、ただのムダ事業に終わります。選手に出演料を渡すのが難しいなら、協会経由で慰労金として渡すなど、選手がもっと活動しやすい環境をつくる、マネジメントまで含めて、スポーツ振興を考えるべきなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:13|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 一般

2012年08月01日

8月政局へ

国民の生活が第一、の党本部が開きました。影が薄い、政党の部屋割りで惨敗、など相変わらずメディアのネガティブ発言が目立ちます。維新の会の松井大阪府知事が、小沢氏と組むことはない、と発言し、それを大きくとり上げたりしましたが、今日になって維新の会は松井氏が『政党化』に前向き発言し、橋下大阪市長は否定しました。この2人はブレーキとアクセルを使い分けていることが、この一事でも分かります。つまり橋下氏が小沢氏との連携に前向き、松井氏が否定、こうすることで維新の会の戦略を見え難くし、妨害工作を防ぐ一方、態度表明していると云えるのです。
つまり『政党』に向け、維新が動き出すと表明した形ですが、そうなると現職の国会議員が必要です。その刈り場はどこか? 当然、民主党です。歴史的大惨敗が予想され、今後も逃げだす議員がいる。旧社会党系、旧民社系などの労組が強い派閥はムリですが、小沢氏に近いグループ、鳩山グループなどは数名を割いて、維新へと移るに障害は少ない。むしろ維新八策さえ出て、その政策を呑める人間なら、真っ先に民主党から脱出し、維新に移ろうと考える。ただ維新の選抜を通るか、です。

民主の凋落ぶりは鮮明です。参院の会派で、国民新との統一会派を申し出ましたが、片手で足りる差になると、疑心暗鬼が強まります。国民新を加えても自民会派との差は4、遅すぎる対応です。結果、今後も参院は離脱を恐れる動きが続くのでしょう。期別懇などを開いていますが、官邸が党執行部の意向を無視する傾向がある以上、党執行部が引き止めても発言が担保されるわけではなく、離党予備軍を増やします。官邸側は、小沢グループの離党で支持率アップと目論んでいましたが、結果は逆。こうした傾向は枚挙に暇ないほどであり、致命的なのはそれが次期衆院選にまで及ぶことです。
さらに消費税増税法案で20日採決を自民に提案し、断られました。3党合意の法案の採決を先延ばしし、その間に特例公債法案や共通番号制法案など、都合の悪いものも採決してもらおう。そんな甘い考えが見え見え、今の民主の国対は、残念ながら政党の体を為していません。しかも悉く自民にリークされ、益々追い詰められている。信頼できるスジに打診し、そこから感触をつかんでもらう、ということさえ出来ません。これでは野田政権が、自民に対して弱い、下にいると見られて当然でしょう。

6月の政局も混沌としましたが、8月の政局はさらに混沌です。五輪期間中は動きも少ないですが、終われば重要法案の採決を控え、またお盆期間中の地元での過ごし方、終盤国会にむけた動き。民主党で離党が相次げば、存外解散は早くきます。そのとき、立ち位置を間違えていると、二度と国会にはもどれなくなる。まさに議員にとっては、決断の夏を迎えるといったところなのでしょう。
野田氏は、前回の代表選で庶民派をアピールするため、親の話をあたかも自らのことのように語った。その詐術に呆れている議員も多い中、最近の野田氏は高級料理にはまっている、という話まで出てきました。しかも相手は親しい議員だけ、政策論争でも、情報交換でもないただのお食事会、として開いているのですから、それならよほど各議員と満遍なく、懇親会を開いた方が良いといえるのでしょう。ドジョウは泥の中に隠れる、引きこもり気味の魚ですが、野田氏が引きこもっている官邸に、どうやら国民の声は届かないようです。五輪はスポーツの祭典ですが、その宴の後に待っている政局は、かなりドラマティックな展開を用意していると云えるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:31|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般