2012年09月

2012年09月29日

スペインの動きについて

スペインが来年度予算の方針を示しました。省庁の歳出を8.9%削減し、全体として7.3%の歳出を削減し、一方で付加価値税を引き上げることで歳入は4%増を見込みます。欧州が陥っているのは、歳出削減による景気低迷で、思ったような税収が上がらないことです。スペインも、その欧州のジレンマに陥ることは確実で、ギリシャでも同様のことが行われていました。さらに年金等、改革関連法案を半年間で策定、それを着実に実行することで、市場から信任を得る意向を示しました。
そこにきて、カタルーニャ州が分離独立を決める住民投票を、承認しています。カタルーニャ州はバルセロナを抱える主要な州であり、工業、観光ともにスペイン経済でも最重要です。スペインは、国としてまとまっていても、歴史的にみれば小国家のまとまりに過ぎず、それぞれの州に高度な自治権も与えられています。逆に云えば、経済危機をうけて、国家の意とは異なる方針を市民がもっていれば、分離独立という道にすすむことも案外容易に選択する、ということになります。

スペインは支援要請し、ESMからの資金供給をうけるかどうか、が市場からの注目ですが、一旦は予算方針によって見送られる方向です。スペイン経済は来年、0.5%の成長を見込みますが、この計画でいる限りは財政は健全化されていくからです。しかし残念ながら、今の世界経済にはけん引役が見当たらないため、この目論見は達成不可能でしょう。そして年末まで、若しくはもっと早い段階で、支援要請をするかどうか、そこに市場の焦点は当てられるのでしょう。
スペインの主要14行に対するストレステストで、593億ユーロが資本不足、と算定されました。今回は民間のコンサルタント会社がテストを実施していますが、中身の信憑性がカギです。つまり不足分は、国がすでに支援している4行がほとんどで、他はむしろ健全とされます。市場予想ともほぼ合致しますが、欧州のストレステストが失敗を重ねてきたことは、周知の事実です。最大の懸念は『市場予想とほぼ一致する』こと。実は、市場に隠れた負債、赤字がある場合において、最大の問題が潜んでいることがあり、市場予想と一致している限り、実は期待通りに数字を操作している可能性もあり、残念ながら完全に疑念を払底できるかは、まだ先になってしまうのでしょう。

今回のストレステストで、ECBによる国債買入れプログラム実施にむけ、1つのハードルはクリアした形であり、国債の金利低下がすすむかどうか、ここに短期的な目は向かいやすくなります。ただ、いずれにしろECBの買入れプログラムは経過措置であり、いずれはESMへの支援要請という形になると想定されるため、それがない間は金利低下も短期に終わってしまうのかもしれません。
しかし通貨ユーロは未だに100円程度を保っており、まだ本格的なスペイン不安は織り込んでいません。ECB、ESMなどの下支えが機能している間は、本格的なリスクオフを示すには至らない、というところでしょう。ただ、今回のスペインの対応は、及第点ではあるものの、カタルーニャ州などの独立運動、デモや暴動による景気下押しなど、不安定要因はかなり抱えている状況です。今後の、スペイン発の情報には、振り回されることも多くなってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:37|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 欧州 | 経済

2012年09月28日

中国の態度

厚生年金基金を廃止する方針を決め、来年の通常国会に提出する見込みとなりました。代行分が積み立て不足の基金が半数以上にのぼり、継続性に疑義が生じている以上、これは仕方ないことですし、国民年金のみの人にはこの3階建て分が初めからないので、これは仕方ないことです。ただ、廃止するなら公務員の職域加算を、早急に廃止すべきでしょう。民間企業は自ら運用することで、年金の上乗せが可能としながら、その代用として公務員には税金がつぎ込まれてきました。厚生年金基金の廃止が、長期スパンで行われるものでも、職域加算は今すぐにでも止められるものなのですから。

中国共産党大会が、11月8日から1週間程度と決まったようです。どうやら中国は、尖閣の問題を領土紛争がある、という状況に格上げさせ、それを習近平体制の発足にむけて成果、とする方針のようです。国内でデモを起こすと、今回でも一部で制御不能に陥ったように、いつそれが中国共産党へと向かうか分からない。そこで国連に文書を提出し、演説でも異例の日本批判を繰り広げるなど、ハードからソフトへ、外交によって日本を追い込もうという戦略に切り替えたと見られます。
中国が国際世論を見方につける、という戦略をとるのも、経済制裁が利きにくいことが分かった部分もあるのでしょう。通関遅れをすれば、日本のサプライヤーに影響はしますが、それ以上に中国工場での生産性が落ちることで、GDPが低下してしまう。今、中国経済の不安が語られる中で、自らの首を絞めることになるのは、中国の方が大きいのです。レアメタルの規制も、WTOから疑義が呈されたことや、調達先の中国離れを起こしてしまう。以前のような、イケイケだった頃とは違い、今の中国経済は1兆元の公共投資も、長期であって経済成長に寄与しないなど、不安の方が大きいのです。

中国に打てる手は少なく、そこで高圧的で、かつ知恵で勝負できるソフト路線に切り替えてきたのです。日本はこれに対し、叡智を結集して対抗する必要があります。まず円借款は止まりましたが、返還義務のない技術協力として、中国に支援している30億円程度は停止する、そこから始めるべきです。表向き、日本より財政状況がいい、と云われている中国相手ですから尚更です。
議員、財界で構成される訪中団が、序列4位とされる人物と会談を行いました。議員、民間とも個別のチャンネルまで閉じる必要はないので、訪中自体を責める気はありませんが、中国はこれを戦略的に利用し、領有権問題を認めさせようと圧力をかけた。一方、米倉経団連会長は「いい会談」と述べ、まるで子供のお使いのように、相手の云うことを承るだけで終わっています。中国は、経済も政治が握っていますが、財界は自分たちが政治に影響できる、と考えている。その違いと、また商売のためには多少の国益を蔑ろにしてもいい、という態度の差がここに見えてしまうのでしょう。

実は、中国側には焦りもあるのでしょう。日中友好団体とされる今回訪中したメンバーは、高齢の人間が多い。つまり中国を友好国と考える若い日本人は、確実に減っており、歯止めがかからない状況です。今、多少無謀なやり方であっても、問題化にむけて糸口を見つけないと、ますます日本は中国に対して厳しい態度にでるのが自明なのです。
親中、媚中派の老人が、最近やたらと戦時中にかけた迷惑を謝罪、と語らせるのも同様なのでしょう。しかしそうした発言が、益々日本人の嫌中派を増やすことにつながっており、むしろ逆の効果を生んでいます。そしてここまで来ると、無難な決着という形はもうムリです。互いに何らかの結論を欲するのでしょう。ただ、野田氏は打つ手、打つ手が逆をいくなど、戦略性も知恵もない状況であり、解決にむけた方策を見つけるまでは、さらに時間がかかるということなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:24|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2012年09月27日

安倍氏の経済政策について

野田首相による国連演説は、予想通り一般論に終始し、中韓も席をたたずに聞いていました。他の国は興味もなく、空席もめだったように、もし国連の場を活用するなら、国際世論を動かすような内容を演説しなければ意味がありません。今後も起こるであろう、軍事的収奪に伴う実効支配、それを継続させることによる国土拡大にどう対処するか? それを世界的な取組みとして、どうアピールするかが大事です。国際法を準拠するなど当たり前ですが、その国際法が曖昧だからこそ、領土問題や紛争が起きるのであり、日本がそれに対してどう対処法を示すかがカギだったのですが、それもなく、南沙諸島の問題を抱える東南アジア諸国でさえ、興味をもってくれなかったようです。

安倍氏が自民総裁になり、石破氏が幹事長に就任しました。まだ自民党の政権返り咲きも決まっておらず、気が早いかもしれませんが、安倍政権の経済運営について少し考えてみます。
06年の政権担当時、経済政策は良好だったという話もありますが、やや異なった認識をもっています。当時は、日銀が当座預金残高を積み上げ、それが世界に流れて円安、海外の不動産バブルを発生させるのに寄与しました。安倍首相が就任する直前、物価がもどったとして日銀の量的緩和は終了します。
しかし06年末に、住宅の差し押さえ件数が上昇、欧米の金融機関に不安が生じます。ただし輸出が堅調、製造業に派遣が認められた企業は、コスト競争力もついて資金が潤沢となり、それが海外に工場を移転するなどしたため、円安が継続しました。つまり小泉政権の遺産で、目だった経済政策はないに等しいものの、一応の堅調を保っていたのが、前回の安倍政権当時だといえます。

リフレ派の一部には、紙幣を刷ればいい、という言い方をする人もいますが、問題は国内で資金が還流せず、有効需要を生み出せないこと。それでも海外に資金が持ち出され、円安になればいいではないか、という論拠もありますが、残念ながら今の世界経済で、安心して投資できる市場はありません。リーマンショック以降、海外事業の拡大にのりだした邦銀、日系証券は軒並み失敗、撤退か事業の縮小を余儀なくされています。実需ベースでの円安には、非常になりにくいともいえます。
安倍氏は、消費税を上げるには成長が必要、と明言します。しかし目立つ成長戦略は、未だに聞かれません。今は欧米の経済成長は鈍化、マイナス成長に陥っている国もあります。さらに日銀が今からFRB、ECBを超える量的緩和策を打てば別ですが、円安は期待できません。自民党が主張する国土強靭化計画も、時代遅れのケインズでは効果も高が知れます。とても難しい経済運営になることは確実で、そのとき大きな政策の方針がないと、市場の期待値も高まらないといえるのでしょう。

安倍政権の当時、日経平均は18000円台でしたが、これも投資効果が喧伝され、個人投資家が増えて市場に資金が流入していたためでもあります。ただ、今はどれだけ量的緩和をしても、証券市場に資金が入ってこないことは、世界各国でナゾとされます。しかし個人的には、新規資金は入っているものの、損失を被って撤退していく資金が、それ以上に多いと感じています。証券市場を活性化させるだけが対策ではありませんが、経済の価値を映す鏡が市場であるなら、日本はそこまでの評価でしかみられていない、ということです。安倍氏は前回、様々な追い風をうけて就任しましたが、今回は逆風まみれとなり、前回と同じような考えならまず失敗するといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:22|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2012年09月26日

自民党総裁選について

今日行われた自民党総裁選、経緯は記しませんが、一言で云えば『自民党は変わった』。ただしこれは悪い意味であり、小泉政権誕生の動機であった、党の危機意識が薄れた…となります。党員、地方票でダブルスコアに近い形で、2位の安倍氏を引き離していた石破氏が、決選投票で敗れた。即ち民意に近いところにある党員票を無視しても、次の選挙は勝てるという驕り、慢心が見え隠れします。

福田康夫氏が引退を表明し、先に引退表明した森氏とともに、党の重鎮が続々と世代交代を図ろうとしています。これも「次の選挙は、自民に追い風が吹くから大丈夫」と、世襲をすすめる意図があります。小泉政権以後、民主が力をつけ、政権交代の風が吹き始め、自民に漂う危機意識は相当のものでした。だから民意を意識し、人気のある党首を選ぼうと党員票を気にしてきたのが実情です。
しかし民主の凋落、維新もまだ政党として未知数、次の選挙は安泰なのだから、議員の都合を優先した。それが、離党歴のある石破氏への拒絶です。ここから透けて見えるのは、政策自体はどの候補も『THE自民党』で同じでも、国民の声が届き難い党運営が続く、ということなのでしょう。つまり永田町の論理、党内論理がしばらく優勢であり、今回をみても重鎮、派閥型ではないものの、野党となったために目立たない党内抗争とともに、国民として期待しにくい面が強まる、ということになります。

安倍氏が総裁についたことで、政局はやや変化します。民自公の3党合意は得にくくなります。自民の増長は、消費税増税を通させたことでも分かりますが、後1年で野田政権に通して欲しい法案は他にありません。つまり特例公債法や、上げ潮派とされることからも、補正予算も気に食わなければ修正を要求し、応じなければ解散というカードになりえます。野田民主が野党との協力より、解散先送りに舵を切っていることからも、自民は対決路線で解散を要求していくのでしょう。
一方、日本維新の会との関係は微妙です。維新は益々、自民との近さを嫌気されるため、300選挙区に候補を立てれば自民と維新で保守の票が割れ、共倒れの懸念が生じます。将来的に連携などの思惑が強まると、益々そうなるでしょう。これは互いの選挙戦術、違いをどこに見出すかで違ってきますが、維新が既成政党批判を繰り広げれば選挙後、自身に跳ね返ってくるということであり、自民は一つ仮想敵をつぶした、ということになるのかもしれません。

ただ落選議員にとって、今回の党内論理を優先するやり方では、不満が溜まります。離党歴は説明ができても、腹痛の説明はできません。つまり国民が抱く党首への不安、不満に答えなければいけない議員にとって、非常に厄介な事態となってしまった。最も説明できない、総理投げ出しや腹痛を、国民から問われたら答えようがないのです。自民も、民主も、党首の顔を隠して選挙せざるをえなくなった、これはマニフェスト違反が当たり前になった今、非常に厄介な問題となるでしょう。
自民は変わった。ただ、それが国民の望む方向ではなく、若干高飛車な態度にもみられがちな形です。自分たちの都合で、物事を推し進め、それを評価してもらうには相当の困難を伴うでしょう。再チャレンジ、を旗頭にするつもりかもしれませんが、古い体質にもどってしまった自民に、期待する国民は少ないでしょう。既成政党がともに踏みだしたのは、党内論理優先という形であり、旧体制が出直せなかった、そんなイメージでしか受け止められないところなのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:18|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年09月25日

雑感。経済界の中国に対する態度

経団連が、増資インサイダー問題に関して規制の見直しをかけるのに対し、取引が行われた場合のみを要件とするよう求めました。これは、簡単に云えば財界内で四方山話の中で、増資や新株発行などの話をする場合まで、規制されては堪らない、ということです。しかしこれでは迂回取引などに規制をかけにくくなり、規制が骨抜きにされかねません。相手が取引するとは思わなかった、で規制の対象から免れてはダメなのです。経団連は最近、首をかしげる提案が多くなりましたね。

外務省の河相事務次官が、中国の外務次官と会談しました。会談の内容より、中国は発言内容を公にし、国民に強気の態度を示したとアピールする。日本は発言内容を秘匿し、国民に伝えない。きちんと国益を踏まえ、お互いの立場を主張したなら、それは公にして憚らないはずです。国民に知らせても、評価してもらえる自信がない、というならすぐにでも帰国させるべきなのでしょう。
中国は「日本は幻想をすて、深く反省し、実際の行動で誤りを正さなければならない」と述べます。ここまで強気にでるのですから、当然中国に妥協するつもりはありません。つまり協議は成立しない、と見てよく、これは共産党大会を過ぎるまで、いくら話し合いをしても解決はしない、ということです。日本はそれを踏まえた戦略の見直し、をしなければいけないのでしょう。

玄葉外相が国連で演説しましたが、はっきり言ってマイナスです。国際司法裁判所の活用を強く印象づけようとしましたが、誰に対して…がなく、あくまで一般論のような物言いです。あくまで日本がどうするか、どうしたいのかを訴え、それを国際社会から支援してもらえるよう話のスジを立てなければ、これはただの意見です。軍事を前面に立てず、問題解決する道は険しく、そこに先鞭をつけていくのですから、リーダーシップを示していかなければならないのです。
野田氏も国連に出発しましたが、残念ながら期待値は低い。ナゼなら、野田政権が捨石になる覚悟で、中韓露との関係が一時的に悪化してでも、経緯をきちんと説明し、国際社会に訴えることが求められるのですが、野田氏の権力欲は、恐らくここで国際社会にいい顔をするよう動くはずです。身を捨てる覚悟があれば、党執行部人事や内閣改造を示唆して、国連には行きませんから。

日中国交正常化の40周年記念行事や、経済界の中国訪問などが中止、もしくは延期されています。経済界が間違えているのは、元々中国と日本はリスクのある関係で、それは2000年代からかなりハッキリ示されてきました。それを政冷経熱として無視してきたのであり、今この事態を予見していたなら、とっくに中国から手を引いていなければいけない。中国とミャンマーやラオスなどとは、約10倍のコストの差がつくので、中国で作って中国で売る、というビジネスモデルはもう古いのです。東南アジアでつくって中国で売る、このビジネスモデルを早期に構築しなければいけません。
経団連も、規制がかけられそうになるとそれに抵抗し、骨抜きさせる。しかしその結果、一般投資家が減って、株式市場は壊滅的です。一方で、中国リスクを政治で回避しようとしても、もう両国の政治がもたない、自縄自縛に陥ってしまいました。もう一度長期の視点にたち、政治と経済が一体となって国際社会と対していく、今の日本にはそういう姿の構築こそが、まず第一に成し遂げなければいけないこと、なのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:28|PermalinkComments(5)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 政治

2012年09月24日

民主党役員人事について

民主党執行部人事が発表されました。輿石氏は幹事長に留任。安住財務相を幹事長代行とし、細野原発担当相を政調会長に、山井国対副委員長が委員長に昇格、です。輿石氏を幹事長に留任させたのは、衆院で不信任が提出された際、小沢氏の生活に反対に回ってもらうため、という説が語られますが、通常国会で不信任、問責に賛成した党に根回ししても、何か変化があるはずもありません。むしろ、輿石氏留任の理由として物足りず、選挙先送りを強くアピールするためのものであり、生活は誰が民主党の幹事長だとうろ、不信任には賛成します。生活は10月解散に向けて動いているのであり、その動きに勝算が見出せなければ、解散先送りに傾くでしょうが、それでは党がもたないのです。

野田氏は、ベストでもベターでもない選択をすることがほとんどですが、今回の党役員人事も同様です。一部、若返りとも語られますが、実は輿石執行部となった今、もっとも困難なのが政調会長や国対です。ここにベテランを配し、安定させるのではなく、若手で政治力もない人間をおく。選挙では、党役員は裏方であり、役職名を前面にだしても、何をする人? というのが国民の率直な感想です。顔になるのは閣僚、若手起用は本来、閣僚でなければまったく意味を為していないのです。
しかし野田氏のジレンマは、代表選で支持したから閣僚に! というベテランが多く、そのためポストを準備する必要があった。早くに支持をうちだした旧民社系の田中慶秋氏、元外相の田中真紀子氏、城島国対、前原政調会長も無役は考えられず、要職に起用してくるでしょう。つまりこれらの動きは、民主党政権は後1年であり、政治家人生で一度は閣僚をやりたい、という人にむけた論功であり、政策や能力本位で決めていないことの現われであり、閣僚人事も期待できない、ということです。

さらに財務相、原発担当相の交代が決まったので、政策の継続性にも疑義が生じました。まず原発担当相は、規制委ができてこれから様々な動きが出てきます。除染にしろ、表面の土をとり除いて線量が下がった場所もあれば、中々下がらない地域もある。また財務相は増税法案を通したものの、復興予算の目的外使用などを見抜けず、逆に責任逃れで早めに交代した、とみられかねない。それに為替介入など重要な決断ができず、新閣僚が決まるまではCTAスジなどが、為替を狙ってくる恐れもあります。
今はスペインの格下げが懸念され、特にECBの国債買入れも、あくまで支援要請した国のみなので、スペインは現在対象外です。それを市場から促すためにも、ふたたび国債の売り圧力が強まる恐れがある。そんなタイミングで、日本は財務相が交代する。野田氏は相変わらず、タイミングを無視して自分都合で物事を推し進める。今回もまた、そうした部分が出てしまったのでしょう。

安住氏は財務には疎かったので、交代は遅きに失した部分もありますが、内閣改造と同時でなければ間隙を突かれます。党執行部人事を早めに行い、離党組を抑えたかった、という個人的な理由であれば、今回もまたタイミングを間違えたのでしょう。いい加減、延命のために知恵を絞り、行動するばかりで、国際的な動きや慣習を蔑ろにしていると、野田氏が致命的な国益を害することも想定されるので、そのときはバッシングが益々強まってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:14|PermalinkComments(6)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 経済

2012年09月23日

日本維新の会の支持が急落

輿石氏が民主党幹事長に続投です。大量離党、野党と対立を生む選挙制度改革など、交代させるに足る材料は幾つもあり、また選挙準備の党体制として、輿石氏が適任とは到底思えないのですから、これは意外な人事と云えるのでしょう。しかし、以前から野田氏は人事オンチぶりを露呈しており、ここで正しい選択ができる可能性は、元々低かったのでしょう。選挙先送りを党内に示し、党内の早期解散懸念を払拭したかったのでしょうが、野党は与党に協力する意欲を失ったのであり、野党が協力しなければ国会審議は停滞し、早期解散を早めてしまう。これは痛し痒しともいえます。
しかも協力しない野党、という演出をしたい野田政権ですが、それは政権が国民にメリットのある法案を示した場合のみ、そうアピールできるものです。野田政権はこれまでも、国民無視で多くのことを決めており、法案や政府提案が先送りされても、国民はまったく痛くないどころか、むしろそうして欲しい部分もあります。特例公債法案が決まらなければ地方に影響が出る、という手法をとっていますが、明らかに財務省が打てる手を怠った結果、そうした弊害が出ているのであり、野党の非協力ではなく、野田政権の怠慢という目でみられる。これも野田政権の失敗、と云えるものです。

日本維新の支持率が急落しています。これは予期されたものです。元々、政策に国民が期待できる部分がない。永田町改革は、参院廃止、衆院半減として示されますが、肝心の霞ヶ関改革を感じさせる部分がない。それでも橋下大阪市長の突破力に期待していた有権者が、意見がぶれ始め、松井大阪府知事が前面に出てきて、自民との連携に意欲を示したことで、一気に期待値が剥落した形です。
阿諛追従するだけの討論会や、不人気な人物が参加する。また霞ヶ関改革をめざす、脱藩官僚もブレーンから外れる気配をみせる。みんなの党にも高飛車にでて、何様? という部分もあったかもしれません。こうなると、問題のある部分が目につき始め、経験のなさという不安感とともに、維新に対して懐疑的な目を向けられる。選挙が年内にあれば、このままでは維新も苦しくなります。

維新の対策は簡単ですが、実践できるかは不明です。まず情報発信を一本化する。今は、橋下氏と松井氏、それに合流が予定される国会議員と三本あります。歴史もない党が、一つの問題で様々な発言をすると、それだけで有権者は迷います。それは不安感を増幅させ、支持離れを招くでしょう。
平易な表現で、霞ヶ関改革について語ること。道州制は霞ヶ関改革になりますが、多くの国民はイメージがつかみにくい。橋下氏が永田町に攻撃をしかけていたとき、維新がもっとも人気が高かったのですが、それを控え始めた途端、人気が衰えたのが端的にそれを示します。原発問題など、もっとコミットすべきでしたが、態度が曖昧となってそれも無くなりました。それでは支持も上がりません。

それと、TPPは経済面においてメリットがあるかどうか、分からないことを認める。そもそも、内容も決まっていない経済同盟に、日本が参加してメリットが享受できる、などと断言するのが誤りです。TPPは安全保障面では、日米安保に代わる太平洋ブロックが構築されるため、有利な面がありますが、だから保守系はこれを支持します。しかし経済でどうメリットがあるか、聞いても曖昧な答えしか返しません。グローバル化、というだけでは経済的には弊害もあるので、理由ではありません。内容が決まっていないので、答えられるはずがないのです。
こうした虚妄に近いものを並べていると、結局それは既成政党と同じ、とみられるのであり、騙されないように身構えてしまいます。分かり易く、具体的に維新がすばらしい、と伝える努力を怠れば、維新はもしかしたらこのまま凋落も有りうる。下手に浮かれていると、足元をすくわれるのは維新の方、となってしまうのかもしれませんね。

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2012年09月22日

雑感。日本の右傾化と日中外交

米ワシントン・ポスト紙が、日本は緩やかだが、かなり右傾化、という表現を用いています。しかし中韓が台頭し、それらの国が反日、愛国を国是とし、さらに領土の主張を続けてきた。それに対するためには、日本も主張せざるを得なくなった、ということであり、決して右傾化ではありません。事実、右傾化が強まっているわけではなく、国としての立場を戦後、やっととり戻しつつある、という段階です。ただし、それは政治的な動きではなく、国民の意識ということですが…。

戦前、幣原外交がありました。第一次大戦後、中国への内政不干渉を貫き、中国との融和的な外交につとめ、その結果として米英との不仲を招いた。日英の商船が、中国の民兵から攻撃された際、英軍は艦船をだして攻撃、日本は外交上の抗議にとどめたときの日本の外相も、幣原氏です。
弱腰、という批判もありますが、本質はそこではなく、融和路線をとった結果として、日本の中で軍部の台頭を許した。結果として、融和にむけて動く、ということがバランスを欠いた結果、そこに右傾化という自体を招くことを見逃した、ということです。政治、外交はバランスであり、過度にどちらかにふれると、そのゆり戻しとして逆に動く。この歴史はそれを教えてくれます。

つまり今の、諸外国から軍国主義や、右傾化などと称されるものは、今まで日本がとってきた融和路線に対する反動です。そして、もしこの動きが反動によるものなら、今よりもっと右傾化が強まるでしょう。逆に云えば、日本はそれだけ融和路線に傾いてきた、ということです。そして外務省が描いてきた戦略に、見直しをかけざるを得ない、ということになります。
中国の戦略も転換しています。恐らく党大会まで、派手な動きは避け、日中国交正常化を祝うムードを高めてくるでしょう。しかしこれが国際社会の立ち位置として、正常なものです。つまり力を出し入れすることにより、相手の出方をうかがう。中国にとって、直接の相手は日本ですが、米国、欧州の動向を意識している。『日米安保が尖閣も含む』となると、軍事的手段を用いれば、これは二国間問題ではなく、三国間問題になる。その場合、沖縄返還時の米国の態度まで疑問視されるので、米国は意地でも正当性を主張することが想定されるため、中国はより米国を見ている、と云えます。

外交でウィン・ウィンになる可能性は、第三の敵国を想定する場合のみ、です。逆に云えば、それがあるから軍事的に手を結び、ともに経済発展を遂げ、という形が描けます。そうでない場合は、両国はライバルになるしかありません。ただ日中韓の場合、中韓がその仮想敵国を日本として位置づけてきたため、今の混乱があります。日米はソ連、という仮想敵が存在したため上手くいきましたが、日中韓が新たな関係にすすむためには、まずこの敵国政策を止めさせるべきなのでしょう。
幣原外交、という問題をもちだしましたが、当時から中国は民間レベルで、列強の干渉に対抗してきた構図があります。列強が干渉しても、恐らく国民に利益さえ約束していれば、黙って従っていたでしょう。そして今は、中国共産党が国民に利益を約束できなくなってきた。裸族と呼ばれる官僚腐敗の構図など、中国が国内に抱える問題は多く、当時とは違った形で、様々な事件が起こりやすくなっているのであり、そのトラブルに否応なく日本も巻き込まれることだけは、覚悟しなければいけないのでしょうね。

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2012年09月21日

民主党代表選と幹事長人事

民主党代表選が行われ、野田氏818pt、原口氏154pt、赤松氏123pt、鹿野氏113ptとなり、圧倒的な差で野田氏が再選されました。しかし詳細をみると、この結果には若干面白い点もあります。まず原口氏は党員・サポーター票は多かったものの、議員票は赤松氏、鹿野氏の3分の2程度で、議員からは嫌われていることが分かります。菅政権の問責に対し、ころころ態度を変えたこと、および原口陣営が「人事をみてから離党については考える」と述べるなど、政局的な動きをみせることも、他の議員からは嫌われます。
一方で、赤松氏や鹿野氏は、代表選のときだけ手をあげて出てくるものの、国民からすれば誰? というところ。一般的な認知がされていません。これは書籍等で、政策などを語るなどがあれば、バラエティなどに出なくてもある程度、意見は国民に知らされますが、それすらないので、何をしたい人なのか? どういう政策をもっているか? が伝わってないことが影響しています。

一方で、野田氏は街頭演説で「人殺し!」や「帰れ!」コールが起こり、自分がどれほど国民から嫌われているか知った。「私心はない」や「国民のために…」と述べたのも、明らかに自身が国民に不人気であることを、自覚したもの。また「一回生議員に政府で活躍の場を…」と述べたのは、離党対策です。しかしこうしたやり方は、即ち人望のなさを露呈しており、818ptという数字以上に、野田氏の周囲からは遠心力がかかったように、どんどん人が離れていく様子がうかがい知れます。
野田氏が輿石氏と会い、幹事長再任を要請したようです。しかしこれは形作りでしょう。輿石氏は要請を固辞して、参院議長に横滑りするとみられます。衆院選が先にくるとみられますが、輿石氏を幹事長に留任することで、先送りを党内に示すことはできる一方、野党からは強い批判にさらされます。野党の協力を得られなければ、結局解散を早めることになり、輿石路線の継承は党内融和の一方、野党対策はできないため、国会運営上は好ましくありません。

党幹事長には細野氏、という密約があるとされます。しかし敗北確実で、経歴にキズがつくことを細野氏がするか? さらに女性スキャンダルをばらされる、という懸念も漂うので、適職かは不明です。さらに岡田副首相の名も挙がりますが、国会で意味のない答弁をし、野田氏を庇ってきた岡田氏を外せるのか? それに、岡田氏では党内融和とは無縁です。離党を予防するのなら、対立候補のうち、誰かをもってくる手もありますが、人望がないのでこのポイント差がついてくることを考慮すれば、それも難しい。また選挙に強いイメージのある人物が、民主党を見回して見当たりません。
次の内閣改造は、選挙準備の側面をもちます。ただ、民主党議員に人気者が不在。それは民主党が、外向きに政策を発表する、という党内文化がないためでもあるのでしょう。そのため、議員の姿勢、意見、顔がまったく表にでないため、原口氏に党員・サポーターで人気がでた、ということでもあります。
大体、組閣をするときは名の知れた人物を半分ぐらい宛がう、というのが自民では一般的で、目玉をつくることでメディアに記事を提供してきた面があります。一年生議員の、例えば福田氏辺りを入れてくれば、目玉になりうるのかもしれませんが、恐らく官僚に篭絡され、混乱すること請け合いです。選挙準備のはずが、スキャンダルまみれにされる政治家ばかりとなれば、不人気党首とともに民主党の人材不足がさらに露呈し、選挙敗北にむけた準備内閣になるのでしょうね。

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2012年09月20日

雑感。原発ゼロの閣議決定が見送り

文化庁が発表した『国語に関する世論調査』で、誤用が一般化している、と指摘されました。しかし言葉は変質するものであり、古代とは違った使い方をしている言葉は山ほどあります。
例えば『シアワセ』。これは『仕合、為合』ともされ、近世までよい意味でも、悪い意味でも使われました。これが良い意味のみとなったのは現代であり、それが一般化した後に、悪い意味でつかえば誤用となります。過去には平仮名でさえ200以上存在し、使い別けられていたように、言葉は一度廃れたり、市民権を得てしまえばそれが当然として、一般化していくのがむしろ自然なのですね。

昨日、政府は革新的エネルギー・環境戦略において決定された『2030年代に原発ゼロ』の閣議決定を、見送りました。18日、原子力安全委員会が最後の会合を開き、斑目委員長が「長時間の全交流電源喪失を、考慮する必要ない」としたことを悔やんでいましたが、この項目が入っただけで、原発はほとんど運転停止になります。制御棒は電源オンで原子炉に投入され、運転を停止させますが、電源が停止されれば制御棒が炉内から落ち、通常の運転が始まってしまう。つまり福島の事故は、電源が喪失された段階で通常の運転が始まり、予想より早く炉心溶融を迎えたことになります。
その条件を満たすには、非常用電源をクローズドにして絶対落ちない対策を講じるか、炉心を交換し、電源オフで制御棒が炉内に挿入されるよう、ハードのシステムを改変するしかありません。それには膨大な予算と時間がかかる。だからこの項目は、半永久的に原発の規制対象になりません。本来、適用されなければいけない規制がない状態でしか、今の原発は運転できないのです。

炉の老朽化も深刻で、運転を40年続ければ廃炉、という今の基準を守るなら、新設さえなければ2030年代にはゼロになったのです。しかし野田政権は、原発の新設を認める方針を示していますから、必然的にゼロにはならない。20年そこそこで原発を停止するわけにはいかない、という判断に傾くのが、自然な流れでしょう。では新設される原発が、高い安全基準を満たすよう設計段階から見直されるか? といえばそれも疑問です。これまでの設計から、変更を加えれば検証に時間がかかり、運転開始が遅れることになり、今の原子力ムラにそれを寛容するだけの余裕もないでしょう。何しろ、もう終わってしまう技術に、優秀な人材を投入するのは企業判断としてもありえませんから。
原子力に対する見方は、すでに転換しています。いくら原子力ムラの人間が、誤用を続けてもそれが一般化することは、もうありません。昨日、原子力規制委が発足し、体裁は整ったようにみえますが、ここに本当の意味で安全を担保させることは、困難なのでしょう。安全を担保すれば動かせる原発は一つもない、そんな技術でしかない、という点が最大の問題です。ただ財界が唱えるように、原発を再稼動させなければ電気代が上がり、産業の空洞化が起きる。そんな理屈が本当に通用してしまうなら、また現代においても『シアワセ』という言葉が、よい意味でも、悪い意味でも通用してしまうような、真の意味で国民が幸福感をえることのない時代に突入する、ということになってしまうのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:27|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 原子力

2012年09月19日

民主党代表選で初めて街頭演説

日銀が金融政策決定会合にて、ゼロ金利政策は維持、資産買入れ基金を10兆円増額、その際に残存期間が1〜3年物の長期国債の下限金利、0.1%を撤廃しました。これは先に入札の不調があり、債券の積み上げを容易にするためですが、金融機関が国債を売りやすい環境になったということです。
欧州ECBが国債買取プログラム(OMT)、米FRBが量的緩和第三弾(QE3)と相次いで緩和策をうち、玉突きのように日銀も緩和に踏みだした形です。ただ、日銀の規模は少なめですし、結局日銀に国債を売っても、また国債を買うと見られ、経済への寄与度は低い。今日はイベントドリブンで円安、株高に動きましたが、規模の少なさから円高へと巻き戻っており、効果が限定的なことを市場は気付き始めました。リスクオンとされる祭りの時間は、今回の3中銀の連動緩和でも、意外と短いのかもしれません。

民主党代表選で、初めて街頭演説が行われました。唐突な決定であり、しかも党員・サポーター票が締め切られた後です。つまりこの街頭演説は何の意味もない。何でこんな形になったかと云えば、野田氏への野次を懸念したのでしょう。公務優先を盾に立会演説も2回、さらにUstreamで配信されていますが、奇妙なことに野田氏の演説の間、野次の声が消されていたような、そんな加工を感じさせる部分もあります。つまり徹底的に、野田氏が不人気な党首である、ということを隠す必要があり、そんな不人気党首が決選投票もなく、再選されることに疑問をもたれないため、であるのでしょう。
原発ゼロも、閣議決定に文書がない曖昧な決定であり、またウソをつく気満々、という姿勢を示しました。オスプレイの安全配備も、機体に問題ないは『安全』を担保せず、運転ミスであろうとそれが多い間は、『事故率の高い』機体であることに変わりありません。150m以下の高度では飛行しない、などは逆に騒音、プロペラの風圧などを考えれば、今後も絶対にやってはいけない飛行方法といえます。

野田氏は街頭演説でも、消費税増税で社会保障を充実させ、若者を弱者にしない旨の発言をしていますが、年金や介護により多く回る計算で、高齢者に手厚いことは云うまでもありませんし、子育て世代は子供手当ての減額や、扶養控除の廃止など、より厳しくなっています。むしろ高齢者優遇が加速しており、若者は課税強化で苦しむだけで、言っていることがまたウソになってしまっています。
それでも野田氏楽勝説が消えず、野田氏が圧勝するようなら、民主党に期待する国民はゼロに近くなるでしょう。結果的に今回の原発ゼロも、オスプレイも、財界と米国のごり押しに屈した形であり、政治主導は形骸化どころか、今の野田政権では誰もそれを唱えません。こんなところでも、野田民主は3年前のマニフェストをすべてウソで塗り替えた、といえるのかもしれませんね。

最後に、自民の町村氏が体調不良で入院しました。総裁選で4位、しかも自らの派閥票しかないとなれば、町村氏は67歳と高齢なこともあり、政治家としても終わります。撤退の大義作りに病気を利用するのはいつもの手ですが、町村派は安倍氏も同様に、体調面に問題を抱えます。今後、町村票は安倍氏に流れるものと、石原氏に流れるものに二分されるでしょう。撤退する人間が縛りをかけるのは変ですから。
今、2、3位が決選投票で手を結ぶ、という話も流れていますが、そんなことをすれば地方票を蔑ろにしていることになり、自民が地方を無視して中央の意向を優先した、という意味で小泉氏以降では画期的な動きになりますが、そうなると選挙面でしこりを残す形です。石破氏では何となく財界も、米国も云うことを聞いてくれるか不安、という心中を察してメディアは石原推しも強いですが、民主では鹿野グループが前回の代表選時、この失敗をやらかして今があるのであり、それを見ればそんな政局的なリーダー選びは、国民にとってうんざり感を増すことにもつながってしまうのでしょうね。

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2012年09月18日

中国リスクが株式にも影響

今日の東京市場は、中国関連株が一気に安くなりました。中国リスクが意識される、それは日本の消費活動として、訪日する中国人観光客が減る、との見込みから、オリエンタルランドもその洗礼から免れませんでした。日本に観光でくる中国人はあくまで富裕層であり、デモ参加者とは違った層であり、時期が過ぎれば観光旅行は復活すると見られますが、今回は影響の長期化が懸念されており、7-9月期の業績には大きく影響するでしょう。製造業でも、長期化することで生産計画に影響してくる。中国に進出している小売業は、特別損失を計上しなければならず、売り要因となります。
中国とて、上海株が下落。当然、小売業が営業停止に陥り、製造業もストップするのですから、国内のGDPはマイナスです。デモ参加者は、経済には寄与しない層であり、仮に企業へ勤めていても、休みをとって参加しているならそれもマイナスです。中国では、金融機関にムリにでも相場上昇を促すような、そんな指令が出たとされますが、中国は米国と違って相場上昇が小売を押し上げる効果はなく、一部の参加者しかいない市場のため、経済的な寄与は低い。ただ共産党大会前に、好感するムードを演出するためなら、大会の終了後に大幅な下落に見舞われることでしょう。

米国のQE3をうけ、上昇していたWTIの原油価格が昨日、下落しました。ただ備蓄の放出を警戒した、という巷の噂より、米当局がここでインフレ懸念を起こすと、後で厳しくなるとみて若干警戒レベルを上げていることが、下落の一因とみます。利益確定売りを出しやすいタイミングでもあり、一旦は落ち着きましたが、すぐにでも100$は超えてくるでしょう。日本は最近、北海ブレントを指標に動きますから、WTIそのものの影響は小さいものの、米国のインフレ要因は警戒も必要です。
そんな米国は、中東からの激しいバッシングに晒されています。イスラムのことを知れば、それが如何に愚かな行為かはすぐ理解できます。中韓では、日本の右傾化を危険視する向きもありますが、最も警戒すべきは右傾化でも、左傾化でもなく、原理主義の台頭です。原理・原則を金科玉条のごとくに掲げ、それを絶対の正義として叫ぶ。中東では、それがイスラムという教えを厳密に守る形をとり、イラン革命の後は、燎原の火のごとくに中東では原理主義が広がりました。社会的不安、欧米への隷属に嫌気がさした人々にも受け入れられ、精神的支柱になっています。

一方で、中韓も原理主義的側面をみせます。日本は戦後、精神の拠りどころを天皇陛下に求め、陛下もその付託に応えんと誠実さ、真心をみせました。そのため、日本には戦後でも敗北主義に陥ることなく、国民は混乱を回避できたといえるでしょう。しかし中韓はそれを愛国教育に訴え、その善悪を無視して盲目的にそれを唱えるようになった。それが最も危険な敵視政策であり、その矛先を日本へむけた。そして韓国は独島、つまり竹島をその象徴として崇拝の対象としました。
これは洗脳であり、ほとんどの韓国人はそれを疑いません。それは極めて危険で、国民の誰もが検証する機会を奪われた状態にある、といえます。一方で、米国が日本に懸念を伝えるのも奇妙な話です。米国は相手のアイデンティティを逆なでし、暴動を誘発させる国であり、それは政府の態度でなくとも、国民にあるキリスト教原理主義を抑制できない国です。それが日本にだけ苦言を呈するのは、自分にできないことを人にやれ、という極めて稚拙なリーダーシップと云えるでしょう。
冷静な対応を求める前に、まず愛国教育という歪んだ施策に目を向けるべきです。国民を洗脳し、判断を狂わせる行為は、まさに戦前の日本と同じ。中韓はそうした教育制度をとることで、戦争リスクを高めている国だ、という認識をもつことが大事なのです。そうした国と、弱腰で対していれば、軍事的侵略をうけることになります。それを防ぐ意味でも、日本に骨のある対策が求められるのが現状であり、それを間違えると、いずれ大きな問題へと発展してしまう、そうしたものを市場が織り込まざるを得なくなる、ということなのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:32|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2012年09月17日

中国でおきる反日デモ

中国の反日デモが拡大しています。ただ、典型的なパターンを外れた今回、実はある戦略をとれば、中国の根幹を揺さぶる可能性があります。それは政治家の誰か、恐らく野党でも力のある人間がよいですが「日本企業に退去命令をだした方がいい」と語らせることです。今回、デモの被害をうけた工場のうち、一部は再起不能とされます。ならば、再建するのではなく撤退させるのです。
今回、中国政府はデモによる被害を賠償しない腹です。それを理由としても良いでしょう。尖閣問題がある限り、こうしたデモに晒される危険を示しても良いです。中国に雇用を守る気がない、と知らしめることで、国内の不満を中国共産党に向けさせることが可能です。日本企業を守る、ということは雇用確保の意味をもつ、と中国人が気付く。それは日本企業で働いていた人間と、反日デモを行う人間との対立、という形を演出でき、国内を二分させることができます。

企業としても、撤退できる理由さえ整えば、中国リスクを考慮してもメリットがあります。財界が、政治に圧力をかけて政冷経熱を演出しても、その中国経済に熱がない。それに、尖閣問題は今後もこじれることが確実です。企業はインフレが高進するのに、経済が停滞するという負の側面が強い中国から、今が逃げ出す絶好のタイミングと云えます。投下した資本がムダになる、と考えるか、それとも東南アジアなどに新たに製造拠点を移す方がいいか、その二択を迫られているのです。
そして中国では、製造業を失うことが雇用や経済成長にどれだけ痛手かは、自ずと知れることでしょう。反日の結果、職を失う者たちが次にとる行動も二択です。中国政府に怒りを向けるか、それとも日本への怒りをさらに増すか? しかし中国国内で怒りの矛先をむける場合、日本から来ている大使しかない。しかしデモが一箇所に集まることは、中国にとって脅威でしかなく、それは毛沢東の写真をかかげる今のデモが、いずれ中国共産党へ向かう契機として認識されるのでしょう。

中国に進出した企業が危機というのは、実はサムスンも同じです。韓国企業を表にしなかったことで、今回のデモで日本企業と間違われ、破壊活動が行われています。明らかに巻き添えですが、これが企業戦略としてとってきた結果。韓国ですら、あまりこの事実が報じられた気配はありませんが、日本製を隠れ蓑にしてきた企業が、そのことでリスクを負えば、今後は韓国製をアピールする必要があります。といって、中国内では韓国とて、あまり評判がよいわけではありませんが…。
明日は柳条湖事件が起きた日で、デモはその後鎮静化される見通しです。それは中国共産党の面子であり、そのまま放置すると反政府運動に発展することを恐れるため、でもあります。ただ一度ストレスの発散方法を学んだ人間たちが、同じ手に染める周期は短くなり、キッカケさえあれば再度、同じ行動をくり返すでしょう。経済成長もしないのに、インフレで生活だけが苦しくなれば、益々ストレスが溜まり、破壊活動をする誘惑にかられます。
平等を謳った毛沢東が再見直しされる国とは、それほど国民に不満があるのであり、今回のことで中国の苦境は知れた。これはすでに長期ではなく、短期決戦になるということを肝に据えて、対応すべきなのですが、果たして野田政権にそれができるか? その点は大いに不安なのでしょうね。


analyst_zaiya777 at 23:16|PermalinkComments(8)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2012年09月15日

自民党総裁選が告示

自民党総裁選が昨日告示されましたが、町村氏、石破氏、石原氏、安倍氏、林氏の五人が立候補しました。しかしこの為体は、出直し損ねた旧体制の住人が、一つの小さな村で権力争いをしているような、虚しさを感じます。各候補の主張のほとんどは、個性の差というに過ぎず、誰がなっても『自民』というムラで、官僚と財界の意見をきいて政治をするだろう、ということがバレバレです。
それでも民主より、やや健全と思われるのは、街頭演説に望むことでしょう。民主は野田氏の多忙を理由に、街頭演説を回避する意向であり、逆にそれを行えばどれだけ不人気かがバレてしまう。しかし自民とて、動員以外で一般聴衆が集まることはほどんとなく、それは魅力のない候補ばかり、ということが影響します。各メディアをジャックするように、総裁候補も渡り歩いていましたが、中身は薄かったといえます。一番聞かなければいけないのは、統治機構をどう変えるのか? それは自民が失敗した官僚依存、財界への阿り、米追従と弱腰外交をどう改善するか? そこから始めるべきでしょう。

個別の政策は見ても仕方ないので、個性だけで評価します。石原氏は明らかに失言、暴言が多すぎで、短命路線です。ホウ・レン・ソウができる、と長老たちには好評ですが、そんな配慮のできる人間は言葉を間違えません。逆に、長老に怯えて逐次報告しているなら、平成の明智光秀、朝廷に織田の情報を流していた裏切り者の姿、そのものでしょう。ただし、明智光秀は最上級の京言葉をつかえ、それが尾張の田舎大名で訛りの強い織田信長に重用された点は逆、美しくない暴言、失言の見苦しさは、政治家としての質の前に、まず考えるべき部分もある、といえるのでしょう。
石破氏は、国民や地方票の人気もありますが、重々しい語り口とは逆に、云っていることは軽い。防衛庁長官時代の態度とみても、今の強気は首を傾げます。中国の領海侵犯は当時からありましたが、対応らしい対応をしていない。過去にできなかったことを、次はできるという場合、その理由を語らねばなりません。当時は防衛庁長官だったから、今度は首相になれば、という理由では通用せず、当時とて長官のイスをかけて、きちんと対応するよう進言していたなら、今はなかったといえます。

町村氏は堅苦しさと、いい加減さが同居するようで、リーダーに相応しいかは疑問です。さらに短気な一面も伝わり、今回の町村派をまとめ切れなかった部分も、やはり不安を残してしまうのでしょう。林氏は、参院議員という時点でアウトです。残念ながら、ほとんど人柄も政策も伝わっておらず、今回は記念でしかありません。衆院鞍替えの話もありましたが、山口県連に却下され、また山口県連としても安倍氏との重複になったことで、支持層としても期待できる部分はありません。
安倍氏は、保守系の有識者から檄文のような形もありましたが、「率直にお詫び」をされても、国民からみればひ弱なお坊ちゃんが腹痛? という理由にしか見えず、特効薬と云われても平時の効果と、緊張感の高い状態での効果で差はないのか? もし今回も投げだすことになると、バツ2です。保守の主張と、その気弱さの部分が同居する、それが安倍氏の矛盾、さらに気弱にみせる原因です。最近では口先番長という言葉もありますが、実行しようとした際、周囲の反対、圧力を押し返してでも実現させる、というだけの根性がなければ、今の自民では安倍氏の政策は実現不可能です。

残念ながら、自民が出直せなかった原因は、参院選の大勝だったのでしょう。あれで楽勝ムードが広がり、3党合意なんて裏技までつかって政治を弄した。民主に失望した分、自民に期待する面もありますが、今の党首選をみる限り、自民に出直した感はありません。自民にもどれば元の木阿弥、という認識の広がりこそが、自民が払拭すべき点ですが、それすら示されないのでは、単にサル山のボス争いにしか見えない、ということなのでしょうね。

明日はお休みします。

analyst_zaiya777 at 23:19|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年09月14日

米FOMCにおいてQE3が決定

米FOMCが開かれ、低金利政策を14年後半までとしていた期限を、15年半ばまでとし、さらに400億$の規模で、毎月MBSを無制限で購入する、と発表されました。労働市場が改善されるまで、状況によっては追加で資産購入を行う、ともします。バーナンキ議長は金融政策が万能ではない、と認めながら、それでも追加緩和に踏み切ったのは共和党政権の誕生に備え、事前策を並べたということでしょう。

QE1、QE2では、2兆3千億$の資産を買い上げ、毎月1000億$近くを放出しました。今回の400億$は、月次の規模としては5分の2ですが、無制限としたことで時間を買った。安心を与え、景気浮揚効果を狙ったものでしょう。ただし、詳細にみると疑問な点がいくつもあります。まず、FRBはインフレに配慮しながら、とします。8月の生産者物価指数が上昇し、インフレ懸念がある中で、識者はFRBは1兆5千億$の資産を買い上げる準備がある、としますが、インフレ率が2%を大きく超えた場合は、このプログラムが停止されるはずです。無制限、としながら制限つきということです。
さらに失業率が6%台に低下したら、QE3を止めるのでは? と推測されますが、意欲を失った労働者層が増えている現在、数値自体に意味はありません。さらに住宅ローン担保証券を購入することで、不動産価格が上がり、住宅市場が活況になれば資産効果が生まれる、とまで言及しましたが、新たに不動産バブルを仕掛けるつもりなのか? そうであれば、米国は新たな火種を抱えることになります。

金融株が総じて上昇していますが、買い上げるMBSは優良債権です。金融機関には質の悪いMBSばかりが残り、資産劣化が起こります。新たに融資し、優良債権を増やせれば金融機関も助かりますが、今はそうした環境にありません。融資に慎重となる中、自己勘定取引も規制されますので、金融機関は新たな収益源を探す必要に迫られていますが、それがサブプライムローンのような、極めて問題の多い組成の仕組み債である場合、それも新たな火種となって米国の問題を拡大させるでしょう。
金融機関が資金繰りで困っているわけではないのに、無理矢理に押し付けられたドル。これはやはり通貨安競争を挑んだ、とみて間違いないのでしょう。一時、77円10銭台に突入したドル円は、レートチェックが入ったとの憶測で、一気に77円台後半にもどしました。しかし米国は長期のドル安を仕掛けており、短期の為替介入では効果がないことは自明であり、日本も長期的な対応を迫られます。

市場は、一気にリスクオンで株買いに走りましたが、同時に商品市場も買いあがっており、危険なインフレの匂いがします。先に示したように、インフレが高進すればQE3は停止です。さらに新興国に大量の資金が流れこみ、通貨高となって輸出が衰え、経済が不安定化する恐れすらあります。
実際、QE1、QE2でも同様の事例があり、先のECBと合わせた先進国による協調緩和の影響は、まだ読みにくいのが現状です。欧米は時間という安心を買いましたが、新興国は不安という代償を払うのかもしれません。そして不安が顕在化したとき、新たな不安定化が新興国から起きるのでしょう。今はリスクオンですが、問題を内在したままであり、新たな火種を増すだけとなるのなら、今回のFOMCによる決定は、極めて厳しい状況を財政の崖以降の米国にもたらすのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:12|PermalinkComments(4)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アメリカ

2012年09月13日

雑感。人と向き合えない野田首相

日本維新の会が昨日、立ち上がり、公募を始めました。素人批判をかわすため、塾生と政治、行政の経験者という条件を掲げます。ただ判明したように、選挙資金は候補者自ら捻出するようだと、人材が限られてきます。銀行が貸してくれれば良いですが、これは出世払いのケースですから、担保のない借金は高利をとられる恐れもある。後に、選挙資金で醜聞が出てくるかもしれません。
さらに維新八策に『100%賛成』を条件としますが、言葉はうけとりようで、後に中身について各議員からケチがつくかもしれない。そんなはずじゃない、八策には書いてないことを優先する、などが起きれば、それは民主党の失敗と同じになります。特に、時間軸が示されないのでは、その懸念は付きまとう。維新に安心して投票してもらうには、もう一工夫しないとダメだということでしょう。

民主党代表選、まだ記者クラブでの質疑、立会演説会のみで、国民向けにはネット配信されるばかりです。一般聴衆を前にした演説を行うと混乱することが自明であるため、最後まで避けるのか? そうなると、仮に野田氏が再選されても、党首が各地で演説するということはまずない、と断言できるのでしょうね。国民の声から徹底的に逃げる野田氏は、APECで中国とは怪談を拒否され、立ち話を胡錦濤氏としましたが、まるで怒られた子供がイイワケするように、下を見てぼそぼそと話していました。記者と党人の前でしか、堂々と話ができない党首という印象が一層強まりました。
そんな民主党が、原発ゼロを掲げるようです。それでいて再処理は継続、つくられた燃料棒はどうするか、も示されません。英仏が懸念を示し、従来の契約通り、青森の受け入れを表明しない限り、再処理後の廃棄物をすぐに送り返すことも示唆、青森も搬入された使用済み燃料を、元の原発に送り返すと宣言しており、こうした動きに配慮した形です。しかしここで配慮すれば、明らかに原発ゼロなど民主党にできるはずない、と喧伝しているので、何でこんな文言を入れたかナゾです。自民なら難しい問題は目標を示さないか、態度は曖昧にするのが常道でした。民主にはそれもありません。

野田政権は呪われているのか、丹羽中国大使の後任だった西宮氏が倒れました。人と向き合わない野田氏は、人事も『誰かに決めてもらう』形ですあり、健康面など気付かなかったのかもしれません。野田氏が再選されると、内閣改造と党役員人事を行う予定です。愈々、解散をしないつもりであり、その布陣で通常国会を乗り切ろう、という腹が透けて見えます。恐らく幹事長には仙石氏、輿石氏は念願でもあり、また細野氏を出馬断念に追い込んだときの約束、参院議長にスライドするとみられます。
「近いうち」も、谷垣氏の出馬見送りで反故。「消費税増税は全額社会保障」というCMを流していますが、これもウソ。法律が優先するので、付則にある以上は公共工事に回せます。そこにきて「原発ゼロ」とくれば、信頼度がゼロです。米倉経団連会長が「野田氏は立派な人物だけど…」と苦言を呈しましたが、立派な人はこれだけの虚偽を並べません。悪い言い方をすれば、米倉氏も同じ穴のムジナであり、人を化かしても心が痛まないタイプ、と云えるのかもしれません。

最後に、iPhone5が発表されました。スペック的にもAndroid機より劣る部分があり、今回は進化というより、少し成長した、といった類の変更に過ぎません。精密機械は、それぐらいでも大いに話題となりますが、野田政権は政治を劣化されており、どんなカバーをつけても、アクセサリで飾っても、何ら見栄えがしません。裸の王様である野田氏が、ますます信楽焼きのタヌキにみえ、それは縁起物というよりも『他(仲間)をだし抜く』悪いイメージのムジナ像でしか、見られないということでもあるのでしょうね。

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2012年09月12日

経済の話。中国の景気刺激策

ドイツ連邦憲法裁判所が、欧州安定メカニズム(ESM)を合憲と判断し、これでESM発足にむけた地盤は固まりました。ただし、独国の負担額は現行の1900億ユーロから、増やす場合は議会の承認を得ること、またESM離脱も視野に入れた、独国としてはESM条約に縛られない、との判断も示します。これでESMは発足しても、生殺与奪の権利は独国の議会の判断次第、という形になりました。
ギリシャのユーロ離脱に、独国の国民は過半数が賛成です。つまりESMの予算枠を使いきる、という形になり、ふたたび資金枠を拡大するときにも、また混乱するということです。欧州の危機対応における遅々とした態度は、今後も続く。これはややマイナスと判断した方が良いのでしょう。

中国で1兆元(12兆3千億円)の大型公共投資が動き出します。さらに温首相が、中国はまだ景気刺激、金融政策にも余裕がある、と強気の発言をし、それが今日の東京市場では好感された形です。しかし、実体の景気を反映するとされる電力使用量は、4-6月期は前期比4%台の伸びに留まり、家電が行き渡って電力使用が増えているにも関わらず、この伸びに留まるということは、産業界はほとんど伸びていないのでは? との見方が浮上しています。つまり8%台と云われるGDPも、実は3-4%台であり、それだけ欧州の景気鈍化が中国経済に打撃を与えている、ということが窺えるのです。
さらに中国では都市部で10%、農村部でも20%の賃金上昇を目標としており、それがインフレ懸念を招く中で、この大型の景気刺激ですから、かなり中国経済は厳しいとみて間違いないでしょう。以前も指摘したように、中国ではまったく関係ない企業同士が保証し合い、密接に絡み合っています。大きなピースが外れれば、景気は坂道を転がるように悪化する、という見通しの中で、さらに不良債権を拡大させる政策をとり始めました。これは中国共産党の焦り、でもあるのでしょう。

中国は、なりふり構わぬ政策をとることで、益々突然死の可能性が高まりました。恐らく景気刺激を打ってすぐ、という形にはなりにくいですが、中国ショックという形でいずれ顕在化するかもしれません。日本企業は、各地方自治体との契約もありますが、尖閣問題がこじれたことを口実に、安全が保てないとして早めに逃げだすべきでしょう。まず中韓で昨今、頻発している労働争議は、日本が60年代、70年代に経験したタイプの強硬路線であり、今の日本の馴れ合いで行う春闘など、腑抜けた経営陣では到底対応ができません。実際、社長室に立てこもりなどが起きるようになっています。
韓国の現代自動車も、ストが起きて今後は安価な労働力の確保が難しくなっています。日本の競争力低下が叫ばれてきましたが、中韓がそろって労働階層に権利意識が芽生えたことで、実は競争力を回復できます。今、中韓に生産体制をおくことが、逆にリスクとして意識され、株式市場では売り叩かれる日がくるのかもしれません。リスクとチャンスは表裏の関係にあると云えるのです。

企業は「利益率の高い事業に選択と集中」という言葉をつかいますが、これは誤りです。利益率の高い事業には、多くの企業が参入し、競争となるため想定した利益が得られる保証はありません。その失敗の典型がシャープの大型液晶テレビ事業、という言い方もできます。むしろ「利益率の高い事業を生み出す」という経営戦略をもつ、経営陣こそ評価すべきであり、それは社会にうみだす想像力をもった企業である、とも云えるのです。中国が今回、やたらと強硬路線でおすのは、経済的には凋落が見えてきたため、不満の解消を愛国主義で果たそう、という意識が透けてみえます。ただ経済的な側面、ばかりで融和姿勢をとっていると、それすら失敗する時期が、近づいてきたといえるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:11|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | アジア

2012年09月11日

野田政権の復興予算の使い方?

昨日発表されたGDP改定値が実質で前期比+0.2%、年率で0.7%と、速報値から大きく下方修正されました。名目だと前期比-0.3%、年率で1.0%減です。気になるのが、復興予算を天下り法人へと流す仕組みがあり、平野復興相もそれを認めた点です。日本では、復興需要があるから景気は堅調、が経済の世界では常識ですが、実は19兆円どころか半分も復興には回らない公算が強い。当然景気には反映されず、遅配があればそれだけ景気の刺激効果は後ズレし、ましてや意味もない事業に回されては効果はゼロになります。日本の景気は、根本から見直さなければいけないのかもしれません。
仮に、使途が決まらず余剰金が出ているなら、一旦国債の早期償還に回し、使途が決まった段階で国債の発行という形で賄えば、その間の利払いを減らせ、国庫へも好影響が期待できます。日本は大量の国債を発行していることは周知ですが、そのため数兆円を回しても、債券市場への影響は少なくて済みます。本来、早期に使途を決めることが大事ですが、そうでなくともムダに使ってよいお金ではありません。こうしたことも、野田政権は官僚を統制できていない、と指摘できるのです。

津波対策で、湾にスチール製の筒を沈めておき、必要なときに圧縮空気を送り浮上させるフロート式か、高い防潮堤か、という話もあります。宮城県知事が、錆びる恐れがあり、百年後に使えなくては困る、旨の発言をしていますが、それなら防水カバーをつけた二段階式とし、一段階目は防水用のカバーを外す機構、二段階目でフロートを動作させる機構、とすれば対応は可能です。
問題は、何らか機械式である限り故障や不具合が起きた場合、いざという時に使えないという事態にどう備えるか、です。日本各地ですでに設置がすすんでいるようですが、錆より怖いのがフジツボなどが付着し、圧縮空気でも上昇しないといった事態です。一年に一回の動作、目視確認と、十年に一回の稼動試験など、運用面で動作を担保していくといったことも想定されますが、大事なことは『必ず壊れる』という前提で、いざに備えるという運用側の姿勢にあると云えるのかもしれません。

19日発足する原子力規制委ですが、国会同意人事であるにも関わらず、国会での決議を待たずに野田氏が委員を任命、予定通りにスタートさせるようです。いくら設置法の付則にあるとはいえ、それを行使した野田氏には批判も集まるでしょう。ナゼ原子力ムラ出身者がダメかと云えば、それは『必ず壊れる』という前提に立たずに原発を運営し、安全を軽視してきたためでもあります。
これはオスプレイにも当てはまります。運転ミスで機器に問題ない、と云われても、その運転ミスをサポートする機能がないものは、事故率が高いまま推移すると想定されます。運転ミスだから問題ない、は販売セールスに用いるもので、安全や安心は担保しません。さらに運転ミスだろうとされたトヨタ車であれだけ騒いでおいて、米国の二重基準にはうんざりしており、結果としてそれは国民の安全を何も保証しない。『必ず壊れる』が前提にない機器、システムは、安全ではないのです。

野田政権は、国民の安全を求める声には応えようとしない。それは最終的に、保証や賠償といった形でのコスト増につながる手法です。また復興を棚上げにする態度には、『絆』を旗にしていた谷垣氏を切った、野田氏の面目躍如といったところでしょうか。政権とて『必ず壊れる』ものです。そのとき、後世からの検証に果たして野田政権が耐えられるかは、非常に疑わしいと云えるのでしょうね。

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2012年09月10日

民主代表選が告示

松下金融担当相が、自殺したと見られます。これは政権与党に打撃です。理由は憶測ですが、前立腺がんの治療をしたこともある、という話もありますが、病気を平癒して生活している人は何万といます。もしそうであるなら、心の弱い閣僚を選んだ責任という形になります。一方で、亀井氏を党から追い出したことを悔やんでいたなら、国会閉会を待っていたことも納得はできます。ただし、週刊誌に女性問題が報じられる、といったことを苦にしたなら、これは同情の余地もありません。
野田首相の対応は、財・金分離どころか、安住財務相が金融担当相と兼務になるなど首を傾げます。このポストは国民新の枠とはいえ、現役閣僚の死ですから、野田氏の任命責任にも及ぶでしょう。そして人が離れていく首相、というレッテルに重みを増し、益々厳しい政権運営を強いられます。それはこの人を信用、信頼してはいけない、という懐疑の目で常に見られるということでもあります。

谷垣氏が総裁選への出馬を断念しました。重鎮に包囲網を築かれ、石原幹事長にも背かれ、野田氏には裏切られ、国民の支持も高くない。四面楚歌で、絆どころか誰も助けてくれなかった。これも大きな戦略ミスの結果ですから、致し方ないのでしょう。9月解散でなければ見えていたことです。
民主は代表選が告示されました。野田氏、鹿野氏、原口氏、赤松氏の四人ですが、まず3党合意に関する態度は、野田氏>鹿野氏>赤松氏>原口氏といったところ。原口氏は離党した小沢氏との連携を滲ませるなど、独自の路線をとるようです。TPPは野田氏>鹿野氏、原口氏、赤松氏で、反野田という構図がここに見えます。それぞれまだ、態度が鮮明ではありませんし、代表選期間中に、発言が変わる恐れもあるので何ともいえませんが、恐らく決選投票まではいかない、と見られます。

鹿野氏は自身のグループを、赤松氏は旧社会系をまとめており、原口氏はグループ横断型で小沢系を母体とします。仮に決選投票までもちこむには、鹿野氏か原口氏が、どちらかを立てるよう票を流すしかありません。それは2位が3位に大きく水を開けるしかなく、そこまで持ち込めるかがカギとなるでしょう。赤松氏は地方票が乗らないので、記念でしかありませんが、逆にそうなると基盤は固めているでしょう。党員・サポーターは激減しているとされますから、この2人が反野田で結束できるなら、赤松票をとりこんで決選投票にもちこめます。ただ結果は変わらないのかもしれません。
野田氏は、公共工事という手に染めており、それは予算案というこの大事な時期に『考慮する』と鼻薬を利かせれば、地方票は手にできます。野田氏が日露首脳会談を12月と考えるのも、年明けまで延ばすと予算策定に関われるからです。野田氏は、これまでもかなり露骨に支持層と、そうでない層に差をつけており、これが『金と人事』を握った強み、と云わんばかりの強引さをみせます。特に野田氏有利、が伝わる状況では支援しないと…という気持ちに傾くことが想定されます。

野田氏以外の、いずれの候補も支持基盤が脆弱で、票も集まりにくい構図ですが、民主党支持層以外の気持ちは反野田で固まっています。そんな中で、世論との乖離を強めていけば、民主党は党の形を失うのでしょう。第三極が続々と選挙準備を整える中、党の論理で『金と人事』に頼った党首選びをする、ということがさらに支持率を凋落させます。残念ながら、これも一度染まった悪癖は治せない、というのと同じで、野田氏が権力を得るために使った手法をやめると、支持層を失うことから、もう後戻りはできません。
今回の松下氏の件にしろ、野田政権、野田民主には悪いイメージしかありませんが、それでも野田氏が強い、という奇妙な形でしかこの代表選は推移しないのでしょう。原口氏は小泉氏を見習ったのか、解党的出直しという言い方もしましたが、国民はすでに民主には『回答』を求めていない、ということになるのかもしれませんね。

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2012年09月09日

APEC閉幕

APEC首脳会議が閉幕しました。外国製品の締め出しや、自国産業の不当な優遇、天然資源の囲い込みに対して、最大限抑制という強い文言をもちいましたが、ロシアは相手国への制裁に、ガスパイプを締めることで知られており、あまり説得力がありません。また中国とてレアアースの問題を抱え、今後も経済が混乱していく中で、どこまでそうした行動を抑制できるかは、むしろ国際機関との協力がカギとなってくるのでしょう。

そんな中、韓国の李明博大統領が、日本に「発言が捻じ曲げられて伝えられている」と専門家らに語ったとされます。そもそも専門家との会話が、こうして表に出ている時点で作為的ですし、先の発言を聞く限り、語っている「訪韓で悪循環を断ち切る」という理由とは、逆にしか思えません。恐らく竹島上陸で、気分が高揚したまま発言した、しかし実際に不利益が生じ始めることに、警戒心が立ったというところでしょう。そもそも、もしそうした発言が捻じ曲げられたと感じたなら、親書をうけとり、しっかりと真意を伝えることをしているはずで、ここまで遅らす必要はありません。
ただ、こうした韓国大統領の態度は常のことであり、自国が困ると責任転嫁をする形で、問題解決を図ります。では「発言を捻じ曲げた」のは一体誰か? 発言そのものが捻じ曲がっていたら、それは伝える側ではなく、それを伝えようとした側、発言した側に問題があるといえます。それは、一国の長としての能力のなさ、発言が軽すぎることで国益を害する、ということを露呈しています。

例えば、今は韓国ドラマでも百済や新羅などの、いわゆる三国時代の頃のものが多いようです。しかし当時、朝鮮語を話していた確証はなく、むしろ地名や国名などから、日本の文化圏に入っていると見なした方がよい面があります。当時は、日本も万葉集などの考察から7母音あったことが知られており、現代の日本語からすると訛りがひどい、と感じるレベルだとされています。
三国時代は日本語で、その後、ツングース系の高句麗や渤海が版図を広げ、またモンゴル帝国に支配されるに従い、それらの国の言語を吸収、変遷させていった形が朝鮮語、と捉えるのが自然です。しかし朝鮮半島には檀君神話があり、古代から朝鮮という国があった、という前提にたつため、言語的にも統一された国と考えるので、こうした考察を受け入れる余地がありません。韓国ドラマは、これが便宜的に朝鮮語を用いている、という前提に立って、ドラマとして描いているなら問題はありませんが、恐らく韓国では古代から朝鮮語を用いていた、という認識をもつ者も多いようです。

中国で発見された古代の刀剣に、ハングルが見つかったと韓国の大学教授が発表しています。ハングルは少なくとも15世紀まで待たないと存在せず、また仮に似た図像があったとしても、別にハングルと結びつける必要はない。それでも、韓国では大学教授でさえ、こうした考えに毒されてしまっています。それは文化的にはとても危険で、真実を暗くする考察だと云えるのに、です。
今回は、米国が日韓両政府に働きかけをした、という点が、両国が融和ムードを演出しようという方向で動きだした原因でしょう。しかし、これはお互いの国民同士が納得するような幕引きではないため、逆に遺恨を深くするだけ、ともいえます。変な形で手打ちせず、両国が対立したときにどう利害得失があるのか、それを詳らかにし、韓国に自制を求めるような国民の動きを待った方が、将来的にもよいといえるでしょう。こうして場当たり的に、握手などをしてしまう態度がより問題を根深くさせることに、早く気付きべきではあるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:42|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | アジア

2012年09月08日

大阪維新が国政進出へ

野田氏がAPECの日露首脳会談で、12月訪ロに言及しました。野田氏は当然、年明けまで解散しないですし、衆院第一党の民主党を、金と人事権で掌握したのですから、野田氏は民主党の事情でしか解散する必要がないのです。谷垣氏の致命傷は、本当に解散確約の覚書を交わさなかった、その一点につきます。そんなお人好しでは、野党党首として迫力不足、とされても文句は言えないのでしょう。
財務省は公務員給与の削減を恐れ、特例公債法案の成立にむけて民主、自民がチキンレースをしても、財務省が調整するとの話もあります。ただ、そんなことをしなくても国債償還の繰越金を活用すれば、年末までの資金は確保できます。特会の他への活用、という前例を嫌がるか、給与減を嫌がるか、と云われれば前者の方が財務官僚的にはイヤでしょうが、これは他の省庁の官僚とのチキンレース、という面ももつのでしょう。どちらの鳥も、国民からは白け鳥に見えるでしょうね。

大阪維新の会が、国政進出として党首に橋下大阪市長、日本維新の会として設立されました。公明とは選挙協力を結び、9つの小選挙区以外に候補者を擁立、比例にも50〜100立てる、とします。しかしそうなった場合、公明の立ち位置は非常に微妙です。これまでの自公協力体制では、候補者の名前は自民、比例は公明という形も多く存在してきました。しかし公明が維新と結べば、そうした自公協力体制にも影響します。票読みにおいて、無視できないレベルとなるかもしれません。
橋下維新は、自民と支持層がかぶります。民主が小沢氏の国民の生活が第一に、対立候補をぶつければ自民を利するのでは? と見られてきましたが、橋下維新と自民のほうが深刻と云えます。保守の中でも組織票は自民、浮動票は維新、という形に流れるのなら、自民の票のほとんどを維新が食うでしょう。さらに創価学会員とて、何となく自民よりも橋下維新と書きたくなる。自民総裁選が注目、とされますが、今の争いなら明らかに国民からは呆れられるレベルと云えるのでしょう。

維新の資金源として、幾つかの企業名が挙がっています。これは今の財界、経団連と異なる、新たな企業間の対立の構図であり、旧来の体制に属しているメディアは、維新に批判的な記事を書くでしょう。この対立の構図は、決着がつくまで続く類のものですが、どちらがいいかではなく、経済の世界にもこの火種が燻り続けることで、自民と維新が結び難くなる、ということでもあるのでしょう。
維新の支持層と、自民の支持層は似ている一方、党として支える組織は異なる。維新は自民につくのか、それとも第三極として、既成政党と対立の構図をつくりだしていくのか? 実はそこに、民主・野田氏の谷垣切りがからむと見ています。つまりこれで、3党合意が崩れ、民自公という関係はなくなりました。既成政党叩きが分散され、それで民主、自民がどれだけ息をつけるか、公明は選挙結果が出たとき、果たしてどちらにつくのか? 維新は第三極の結集としての役割を果たしていくのか、今はまだ維新の出方次第、というところではあるのでしょうね。

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2012年09月07日

野田氏の出馬宣言、民主党の動き

今日、民主党では野田代表が出馬表明し、解散はありませんでした。野田氏は輿石幹事長の留任と、恐らく解散先送りも約束し、党内とりまとめを依頼した。そこで輿石氏は、細野原発担当相に、党ぐるみで圧力をかけるよう指示。輿石氏は組織型で、ツボを知っており、どこを押せば細野氏が折れるかを知っていた。細野氏の後ろ盾だった松本氏を押さえられ、細野氏はジ・エンドです。
いみじくも田中真紀子氏が不出馬を表明した際「もっとベテラン議員の活用を…」と述べたように、野田政権は民主重鎮に牛耳られることが確実です。旧民社系が野田氏支持を打ち出しましたが、古い政治手法である実弾を用いたのでしょう。若手や中間派を招いて説得、という記事をよく読めば、選挙資金の上乗せを示し、翻意を迫っているとしか思えません。ベテランを役付きで遇し、若手は金で釣る。野田氏は近年まれにみる『旧型の政治手法』で、党内をまとめだしたということであり、野田氏の権力欲は途方もなく強かった、ということが今回示されたのでしょう。党のためではなく、人事権と財布を握り、自らの権力のためにそれを十分行使しよう、という腹が透けて見えます。

これで民主党代表選は野田氏に決まり、でしょう。旧型の政治手法、といっても80年代の自民は、派閥領袖クラスが自ら集めた金で、党内の票を買いました。しかし野田氏に問題があるのは、野田氏周辺のつかっている金が政党助成金であること、つまり税金で権力を買っている点です。自ら金を集める能がなくても、一度権力を手に入れてさえしまえば、それを縦横につかえる。これは自民にない仕組みであり、自民は政党助成金を、党首が勝手につかうようなことは従来の慣習からありませんし、これは民主党が党運営システムにおいて、欠陥を抱えていることを意味しています。
これで盟友・谷垣自民総裁は討ち死にです。そして新総裁で政党支持率のアップした自民と、真っ向対決はしにくい。野田氏の戦略は、臨時国会は開くものの、開店休業状態になることを野党への攻撃材料とし、年をまたいでの選挙を画策するはずです。新たな政党助成金を得て、さらに金の力を使い、しかも自民の政党支持率が落ちるのを待たないと、容易に選挙もできないからです。さらに内閣改造を年明けにでも行い、そこで予算案の成立前後で選挙、という形をとろうとするでしょう。

しかしそれを阻むのが、臨時国会でふたたび提出される内閣不信任、です。そのときまで、民主が過半数割れか、そうでないとしても造反で成立する可能性が強い。若手はいくら選挙資金があっても、役付きでないと選挙で実績をアピールすることはできません。マニフェストは空文化し、「またウソ?」と懐疑的に見られる。ベテランが厚遇され、若手が冷遇されるなら益々そうなるでしょう。
これで民主は、明らかに総選挙は不利になりました。時間が経過すればするほど議席は減るでしょう。それを防ぐには理念で糾合し、旧型の政治手法をとる野田氏の側と対抗し、存在感を示せるか? ですが、大事な顔がありません。それは強く理念を訴え、こういう国づくりをするんだ、と述べてきた政治家がいない、ということでもあります。誰がどうまとまろうとしても、ただの選挙対策、野合との批判が上がるのもそのためで、民主党がもつ体質です。野田氏に批判を溜めつつ、党に残っても地獄、新党を立ち上げても理念、政策が浸透しにくい。そういう状況におかれたのでしょう。

野田氏が人との繋がりを大事にするタイプなら、谷垣氏を討ち死にさせず、9月解散にもちこむでしょうが、恐らくもうそれはないでしょう。絆を看板にかかげていた谷垣氏が、絆を断ち切られて政治生命を絶たれ、政治生命を賭けるはずの野田氏が、やりたいことがあると云って、権力の座にしがみつく。政治手法は旧来型でも、現代的なドライな感覚をもつ野田氏は、ある意味最強ともいえますが、人が離れていくタイプとも云えます。解散タイミングは、民主から人心が放れ、衆院過半数割れがいつか、参院第一党からの転落がいつか、その辺りで探る展開になってくるのでしょうね。

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2012年09月06日

経済の話。ECB理事会

民主代表選に細野原発担当相の出馬が伝わり、急に閣僚だから政策は一致のはず…という文言が広がっています。しかしこの理屈の問題点は、次期首相候補をつぶしたければ閣僚として遇しておけ、閣内に入れず冷遇された者だけ党首選に出てよい、となってしまうことです。これも財界にウケのいい、野田氏への援護射撃とみられますが、細野氏が出ればダブルスコアで細野氏勝利、という現職総理として恥ずかしい結果になることを恐れ、早めに細野悪役説を打った、というところでしょう。
しかしやり過ぎれば、自民では重鎮にウケのいい石原幹事長が、益々出にくくなります。閣僚は担当の分野さえ同じなら勤まりますが、幹事長はそれこそ表裏で支えなければいけない立場だからです。今日、解散にむけた動きはありませんでしたが、明日に野田氏、谷垣氏とも出馬表明、と重ね合わせたように伝わることから、そこで9月解散に至るかが決するのでしょうね。

今晩、欧州ではECB理事会が開かれます。ドラギ総裁は買入れの枠組みを公表するものの、規模やタイミング、目標とする利回りは示さない見通しで、また買入れには対象国に、ユーロ国へ支援を要請するなど、条件をつけることも示されます。さらに、ECBは優先債権者とならないことで、他の債権者の国債保有に、一定の安心感を出そうとしているようです。ただ、これはECBによる無制限の資金拠出として、将来的にはユーロ安要因となります。そのため、不胎化も検討されるとのことで、詳細が判明しない限り、その成否については判断しにくいですが、失敗の可能性が高い内容を含みます。
米ISM製造業景気指数が49.6となり、判断の分かれ目となる50を3ヶ月連続で下回りました。特に雇用指数が51.6と、09年11月以来の低水準に落ちこみ、米景気が思っているほど回復していない、との見方が広がっています。さらに欧州、中国などでPMIが低下、世界全体で企業の景況感が悪化しており、世界同時不況の様相を呈しています。しかも、今回はリーマンショックのような、一過性のショックによる悪化ではなく、じりじりと悪化していることが特徴です。政治に対策をうてる余力がない、勢い中央銀行にかかる負荷が高まっており、ECBにも期待値が高まっています。

しかも来週にQE3の期待もあった米FOMCですが、外需の弱さが顕著であり、QE3も効果ない、という見方が広がっています。これまで、米国が巨大消費国として牽引してきた経済なら、QE3も効果が期待できますが、QE3でドル安に導いても輸出が回復するわけでもなく、逆に輸入物価を押し上げますし、米国の貿易赤字が拡大する恐れもあります。FRBは雇用にも責任をもちますが、今は資金不足ではなく、受注減から在庫増という流れであり、作れないから雇用が生まれない形です。より欧州や、世界の動向に振り回されることになった米国が、以前より無謀な景気対策を打ちにくくなった、それがさらに世界景気の減速を意識させられます。
日本市場は、欧州の買い持ちを処分するような形で、ずるずると下げてきました。今晩のECBでドラギ提案が受け入れられるか? それによってはユーロ安、株高も期待できますが、このユーロ安が一時的に終わる可能性もあります。日本はもう20年近く、海外に振り回される展開が続きますが、欧米の日本化、という形が各々の動向を横睨みで、景気が動くというものを含むなら、世界は主体性のない、むしろマネーの多寡のみで景気をかたる時代が、今後来るのかもしれませんね。

analyst_zaiya777 at 23:15|PermalinkComments(10)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 経済 | 欧州

2012年09月05日

民主党のマニフェスト素案

今年の夏は、強制わいせつやチカン、買春、盗撮といった性犯罪、しかも対象が低年齢化している事件が多く発生しています。将来を悲観し…というばかりでなく、プロ野球選手や公務員といった、高額所得者に至るまで加害者の職種、世間的な立場、年齢層が拡大しているのが特徴です。公務員に対する甘い処分が事件を助長する、という問題以上に、空想力の歪みを感じます。
十年近く前、ある調査で人は死んでも生き返る、と答える子供の数が多く、問題になったことがあります。漫画、テレビの影響を指摘されましたが、フィクションと現実との境が正しく認識できず、自らをそれに準え振舞ってしまう。しかもフィクションでは滅多に描かれない、犯罪として処分された後、という状況が想像できない。物語は往々にしてハッピーエンド、悪いことをしても救われる、という形も多いですが、啓発的にはもっと『堕ちて救いもない現実』を浸透させるべきかもしれません。

国会が事実上停止してから、民主の動きが活発です。公務員制度改革関連法案が審議入りしました。これは連合に配慮し、選挙協力をとりつけようという心根が透けて見えます。しかも、本決まりでない尖閣購入話が洩れるなど、明らかに選挙を意識し、情報戦を仕掛けているようです。こうした相手もある話は、本来途中段階で発表できないのですが、国は前向きとの姿勢を示すためのものです。しかし不動産評価として、5億円を下回るとされた金額を、東京都が15億円集めたことで20億円に値を吊り上げるなど、税金の使い道を間違えている点は大きな問題がある、といえます。
民主のマニフェスト素案が示されました。フロンティア国家…としていますが、意訳すれば『辺境国家』です。スピリットがつくと、よいイメージもありますが、質を重視するといわれても、低成長への対策もなく、まだ『未開の地』だと云われても首を傾げるところでしょう。ただその中に、今後も新興国並みに公共工事や、業界へ予算配分を重視するというなら、これも選挙対策と云えるのでしょう。最悪は、前回の衆院選マニフェストの検証も含まれますが、達成と書くと反発をうけ、未達と書けば怒りをうける、非常に曖昧とならざるを得ないものとなることです。

しかも、新年金制度による財政試算では、2075年度に消費税は16%と示していることです。これは政治の手法としてよくある、年度は関係なく数字を示して、後に増税に理解を示すためのものだということです。つまり数年後には16%にしたい、と裏では述べておきながら、マニフェスト素案には盛り込んでいない。またしても民主党には、マニフェスト違反の疑いが膨らんできてしまいます。
これらは代表選後、検証を経るとしていますが、それが本当なら公にすべき資料ではない。明らかに選挙を意識して、動いていることを示します。細野原発担当相が、代表選への態度を曖昧にしたことで、野田氏のお尻に火がつきました。反野田勢力は、勝てる候補で一本化が目標であり、細野氏は恰好の神輿です。しかも菅政権のとき、参院敗北の責任をとらなかった前もあり、民主党では選挙の大敗を、前政権の責任に帰す傾向があることも、細野氏の決断を促しやすいと云えるでしょう。さらに、仮に野党へと転落しても、党を率いて数年の経験を積むことで、次の政界再編へ向けて主導権が握れるかもしれない。立てるときには立て、ということなら細野氏が出てきます。
決断は明日、若しくは明後日午前中がぎりぎり、解散、総選挙を仕掛けるタイミングとなります。そのとき、菅グループの協力も得られず、前原グループからのウケも芳しくない、として野田氏がどういう決断をするか? 今日、素案とはいえマニフェストが示されたことで、一応の民主党の選挙準備は整った、ということが挙げられます。永田町の動き、注目なのでしょうね。

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2012年09月04日

米大統領選とシリア

政府がエネルギー・環境会議を開き、2030年に原発をゼロにした場合、光熱費は3万円超、再生可能エネルギーに50兆円が必要、再処理が停止し、青森の再処理工場から原発に使用済み燃料が戻され、即時原発が停止する可能性など、多岐にわたって『原発ゼロはムリ』とする報告が出されました。こうしたものは、前提を変えると数字など大きく変わり、内容に意味はありません。そもそも、政府は経済政策面ではイノベーションを訴えますが、新エネルギーや節電対策でそうしたものが起こらない、という前提に立たれても、政府が自虐的に経済政策は効果ありません、と訴えるようなものです。
エタノール発電が一般化すると、日本が備蓄している米を、エタノールに回してもよいでしょう。元々、食糧危機のために溜めているもので、年数が経てば腐ったりして、食用には適さなくなる。そうしたものを工業用に、エタノールとする。これで米の生産を渋る必要がなく、増産体制を組んでもよいでしょう。余ればエネルギーとして、政府が売却する。それで米の単価を下げて、市場へ供給するなどの好循環も生まれるかもしれません。こうした政策を出して、初めてエネルギー・環境会議なのですが、今の政府には自己保身と、財界との調整にばかり時間を割いているようです。

日本も政局の秋ですが、米国でも大統領選です。支持が拮抗、残りわずかの浮動票をどう押さえるか? で行方が決まるともされますが、それを巡って中傷合戦がくり返されています。そんな中、暴露本が話題です。元米軍兵士で、オサマ・ビン・ラディン氏にトドメを刺したとされる人物が、銃撃戦はなかったとするものです。米政府はこれを銃撃戦の末、射殺としており、この暴露本により無抵抗なビン・ラディン氏を米軍が殺害した、という形となり、オバマ大統領に打撃です。
シリア問題が揺れていますが、構図はフセイン大統領時代のイラクと同様、少数のシーア派が多数のスンニ派の上に君臨する形であり、これが問題を複雑化しています。さらに、米国がシリア政府軍が大量破壊兵器を使用すれば、躊躇なくシリア政府軍を攻撃する、と発言していることから、実は大統領選の間隙を縫って、シリアがこうしたものを使用する可能性がある、との指摘があります。つまり、米軍の指揮命令系統が確立しない間に、使ってしまおうという戦略をシリア政府がとる恐れがある。

しかもそれは、シリア国内ではなく、イスラエルに向かって用いる可能性が高い。アサド政権が国外脱出という形になったとき、受け入れ先が問題となります。イスラエルを攻撃し、アラブの英雄となり、出国すれば亡命先が見つかる。ただし、CIAやモサドの暗殺に怯えながら、ということですが、ビン・ラディン氏の例のように、支持者がいれば当面は逃げ切れるとの計算も成り立つのです。
米国も、シリアの大量破壊兵器、生物兵器の動向に注目していますが、まだ詳細はつかめていないようです。しかし大統領選の時期、イスラエルの隣国で火種を抱えたことは、米国にも重要な決断を迫るのかもしれません。当然、中東が混乱すれば、それは世界経済にも跳ね返り、ひいては日本の原油の輸入、などにも影響する恐れがあります。あくまでこれは憶測ですが、世界があまりシリアに注目していない中、不測の事態を予想し、念頭においておかないとそれに対応できないことにもなるので、この辺りは注意してみておかなければいけないのでしょうね。

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2012年09月03日

統一教会創始者の死去と、日本の政局

ナゼか一般紙では扱いが小さいのですが、韓国の世界基督教統一神霊協会(統一教会)の創始者、文鮮明氏が逝去しました。これが重要なのは、自民党総裁選の直近であること、があります。統一教会は国際勝共連合を組織し、かつては多くの自民党議員も所属していた組織です。かくいう、総裁選候補の一人、安倍氏も勝共連合と関わりがあり、さらに橋下維新の会もこの統一教会と近い、勝共連合の議員がいるとされます。即ち、ここに政局がやや変化する可能性もあるのです。

まず統一教会は、キリスト教ではありません。新興宗教は神道系、仏教系、キリスト教系に大別され、その中でも啓示型と生まれ変わり型があります。前者は何らかの存在から啓示をうけた者が創始する形、後者は創始者が何者かの生まれ変わりを名乗る形で、統一教会の文氏は後者で、キリストの生まれ変わりを自任します。よって聖書より、自らの言葉を重視した経典としており、キリスト教とは似て非なる存在です。どちらかと云えば、儒教色の強い混淆型とも言えるでしょう。
勝共連合は、反共産主義を訴えて保守系団体と結びました。その結果、自民党の議員に近く、秘書などに統一教会と関わりのある人物を抱える、といったことがままあります。さらに自民の支持母体である立正佼成会とも近く、その意味でも自民と勝共連合、統一教会とは常に関係を懸念されてきました。さらに、今回の李大統領の竹島訪問の時、日本の女性たちが韓国で謝罪行脚する、ということが起きましたが、それもこの統一教会系の動きとされています。

日本の政治に絡むのは、総裁選の大事な時期に、恐らく韓国で大々的な葬送儀礼があること、です。つまり弔問する、電報を送る、などがあると統一教会との関係を疑われる。自民内では問題視されなくとも、それを報じられると国民向けには説明の必要が生じます。統一教会側としても、大物議員からの弔辞は欲しいところですし、参列してもらえればあり難い、そう考えているはずです。そしてこの態度如何で、次の総選挙の際、統一教会側からの支援を受けられるという事情もあります。
つまり自民の勝共連合に関係する議員には、極めて悪いタイミングで、悩ましい事態が起きたということです。韓国では『財閥』と認識される文氏ですが、日本では霊感商法のほうが一般に知られます。勝共連合と統一教会の関係は、一般人にはあまり知られませんが、これが認知され、それに関係する議員という目で見られることが、総裁選、総選挙でも大きく変わってくるといえるのでしょう。

先に、生まれ変わり型としましたが、こうした宗教は往々にして創始者が亡くなると衰退します。教祖が生まれ変わりなので、血の系譜は関係なく、親族によほどカリスマ性がないと信仰として成立しないため、です。今後は経典至上主義となり、組織を保とうとするのでしょうが、日本で注意しないといけないのが、一度詐欺的商法に手を染めると、そのノウハウが蓄積されているため、創始者の死亡で事業が苦しくなると、日本でふたたびそうした問題が活発化しないか、ということです。経典至上主義が、そうした悪魔の経典であっては、より注意しておかなければならないのでしょう。
そして政治的には、微妙なタイミングで起きた。橋下維新は、自民党を出身母体としており、どうしても現在は議員として、勝共連合と関係する者が多い。産経の世論調査では、橋下維新への支持が23.8%と、既成政党を抜いてもっとも多くなった。その期待が、ここで統一教会関連とのつながりが判明すると、どう変わっていくか? 橋下氏が議員の引き締めに掛からないと、鵜の目鷹の目で狙う反維新の勢力から、恰好の攻撃材料となりかねない。この辺りは今後の政局にも関わってくるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:07|PermalinkComments(7)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 宗教

2012年09月02日

維新八策について

みんなの党が揺れています。3年前は行政改革を打ち上げ、個性の強いメンバーをアジェンダという政策課題でまとめる、という形で党を維持してきました。しかしみんなの党が橋下維新に近づき始め、距離を置かれると突然、その結束が崩れた形です。みんなの党のような小政党は、政権奪取への道筋を示さないと求心力は失われます。なぜなら、政治家になれば政策を実現したい、と誰しも考えます。小政党のままでは、政権批判しかできず、政策の調整でも意見を通せません。みんなの党はアジェンダ至上主義であり、他政党と組むといった政局における戦略は皆無です。
橋下維新と組んで、政権政党へ…という道を示しても、橋下維新は維新八策至上主義で、逆にアジェンダと違う部分と整合させるためには、調整も必要となります。ともに政策至上主義同士、プライドが邪魔をしている。しかし翻ってみれば、橋下氏が維新八策至上主義を掲げ続けていると、3年後は「明日は我が身」となりかねません。自民に接近している橋下維新ですが、本当に維新八策を金科玉条のごとく、掲げ続けるのか? どこかで折り合いをつけ、政局にもちこむかは注目です。

そんな維新八策が示されました。首相公選制や憲法9条の改正など、明らかに実現性の低い憲法改正を伴う主張もありますが、まず注目するのが衆院議員定数の半減、参院廃止です。しかしこれは道州制とセットであり、道州制そのものが曖昧だと意味がありません。つまりそれで都道府県単位の行政組織、議会が削減され、道州制に移行できるなら有用です。しかしそれが大阪都構想とは重なりません。大阪が都として独立し、道州制に与しないのであれば、都構想を推進するのもいいでしょうが、それでは自分勝手に過ぎ、批判の的になるでしょう。
例えば東京都であれ、広い行政組織である関東などへ権限へ移して、初めて機能します。大阪が都である必要はなく、区は通常の市と同じ行政単位に変わるのみで、市、区の切り分けは独自に行えば済むことです。維新の語る道州制の詳細が分からないと、実はこの良否は判断できません。

経済政策面では、まだ発表されないのか、TPP参加のみで他は特に見受けられません。これが他政党との連携を考え、政策をすり合わせしたいのか、具体策がないかで大きく異なります。竹中氏も維新に参画する、との話もありますが、そうなると上げ潮派になります。TPP自体、すでに交渉にも加われず、最終決定の内容も分からず、参加すると決めてしまうことに違和感もありますし、経済政策全般にはどうしても不透明感が漂います。
さらに国民総背番号制の導入、という話もありますが、確かにこれは行政のスリム化に役立っても、それですべての国民の収入を監視できない、それが現在の日本のシステムです。富裕層は当たり前のように海外で口座をつくり、取引します。TPPに参加しても、すべての金融システムを統括し、情報共有できるわけではなく、そうした抜け道をどう防ぐか。実は極めて難しい課題があるのです。

維新八策で最大の疑問点は、関係首長選には公務員の選挙活動を制限しても、国政には言及していない点です。公務員が選挙活動することは、本来禁止なのですから、首長選に限定する必要はありません。もし民主の協力をとりつけるため、であるとすれば、やや自治労寄りともとられかねないものです。公務員の身分保障廃止、次官、局長の政治任用など、つっこんだ部分もありますが、行財政改革の手腕は、橋下維新への期待に大きく関わるだけに、ここをしっかり示さないと、中々票は集まらない、ということになりかねないのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:34|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般

2012年09月01日

民主代表選と自民総裁選

注目されていたバーナンキFRB議長の、ジャクソンホールでの講演。内容的に、QE3を示唆するものはありませんでしたが、QE1、QE2の功績を高らかに謳い上げ、現状の景気認識についても望ましくない旨を示唆、これがQE3期待を盛り上げました。ただ、詳細にみるとやはりQE3を打てるような材料はない、と読みとれます。食糧、燃料価格の高騰により、インフレ期待が起きかねず、2%前後の消費者物価の上昇が、仮にQE3を打ったらどうなるか? 慎重にみていかなければならないのでしょう。

9月に入り、民主党代表選、自民党総裁選の話題が出ています。個人的には9月解散説なので、実施されることはないと考えていますが、それでもこの動きだけは確認しておきます。まず民主代表選、細野原発担当相の出馬を打診、という話があります。しかし細野氏にしろ、前原氏にしろ、野田氏が滅茶苦茶にしてしまった民主党を立て直す手腕もありません。残念ながら仮に党首を変えても、マニフェスト反故に賛成した議員、というレッテルはどうやっても拭い去れず、それは政治経験の低さ、認知度という意味で国民を納得させるだけの『格』が足りない、という意味になります。
田中真紀子氏という話もありますが、『格』はあっても外相失敗、という過去が重しです。しかしそれ以外の議員で、『格』をもっているのは仙谷氏ぐらいですが、こちらは『人徳』がない。党をまとめ切れるとは到底思えません。人を率いて立ち回ることができない人間は、軍師止まりが関の山で、人の上に立つことは難しい。今、仙谷氏が狙うとされる幹事長職とてそれは同じです。幹事長は人をまとめなければならない、輿石氏は悪くいう人もいますが、組織型で人をまとめることはできた。民主党は明らかに人材不足ですが、野田氏再選は絶対阻止、それが民主党の多数を占めています。

自民総裁選は様々な人が手を挙げています。町村氏、安倍氏、石破氏、参院の林氏まで意欲をみせます。谷垣氏は出馬できるか微妙ですが、そこに石原幹事長がからみます。谷垣氏が出馬すると、幹事長として石原氏に圧力がかかりますし、谷垣氏が出なければ石原氏が谷垣総裁を引き継ぐ、との面子がたちます。しかしもう一つ絡むのが、仮に9月解散がある、という前提に立つと、谷垣氏と石原氏が分裂している印象を与えるのはまずい。さらに、谷垣氏が出馬できない、と表明した後に総選挙が決まると、辞める党首の下で戦わざるを得なくなる、自民党にとっては厳しい選挙戦になります。
谷垣氏は31日にも出馬表明する、とみられていましたが、結局見送られました。総裁が、勇退でもないのに出馬を見送り、となれば一大事です。谷垣氏は維新旋風に呑まれると、総選挙での再選も危ない、と噂されますし、ここは是が非でも総裁に留まりたいところでしょう。ただ谷垣氏にとって、党内のとりまとめすら暗雲が漂っており、解散風をいつ吹かせるかがカギなのでしょう。

9月解散なら、民主も自民も、弱い党首同士で選挙になります。それでも週刊誌の情勢調査などでは自民180、民主80などが出ていますが、いつのタイミングで選挙になるかで、この数字は大きく変わります。今度の選挙は基本的なものさえまだ未確定であり、それが党首、ということです。しかしこのまま選挙なら、既成政党は悪いイメージのまま、選挙に突入することが確実となります。それでも、野田氏、谷垣氏の事情で解散、総選挙になるか? 来週がカギになるのでしょうね。

analyst_zaiya777 at 23:26|PermalinkComments(2)TrackBack(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 政治 | 一般